トイレ装置
【課題】従来方式の便器本体内に設けられていた「せき」の構造の依存することなく、トイレ使用後の便器本体内に新たな溜め水を作成できるようにすると共に、次回の便器本体の使用時、当該溜め水と共に汚物を粉砕装置へ流下できるようにする。
【解決手段】洗浄水と共に汚物を粉砕する粉砕装置2と、便器本体1と粉砕装置2との間に開閉可能に配設されて便器本体1の底部に溜め水として洗浄水を溜める仕切り弁機構部2aと、便器本体1の使用終了を検出して使用終了情報を出力する便蓋開閉検出センサ11と、この使用終了情報に基づいて仕切り弁機構部2aを開制御すると共に、洗浄水弁4bを開制御し、便器本体1から汚物及び洗浄水を粉砕装置2へ流下させた後、仕切り弁機構部2aを閉制御すると共に、洗浄水弁4bが開動作した状態で給水タンク4に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、洗浄水弁4bを閉制御する制御ユニット8とを備えるものである。
【解決手段】洗浄水と共に汚物を粉砕する粉砕装置2と、便器本体1と粉砕装置2との間に開閉可能に配設されて便器本体1の底部に溜め水として洗浄水を溜める仕切り弁機構部2aと、便器本体1の使用終了を検出して使用終了情報を出力する便蓋開閉検出センサ11と、この使用終了情報に基づいて仕切り弁機構部2aを開制御すると共に、洗浄水弁4bを開制御し、便器本体1から汚物及び洗浄水を粉砕装置2へ流下させた後、仕切り弁機構部2aを閉制御すると共に、洗浄水弁4bが開動作した状態で給水タンク4に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、洗浄水弁4bを閉制御する制御ユニット8とを備えるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭や公共施設等に設置される一般的なトイレ装置や、屋外その他での簡易的に設置して使用したり、車載用等として使用するポータブルトイレ装置や、介護用の圧送式のトイレ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、介護を必要とする人のために、介護用のポータブルトイレ装置が使用されている。このポータブルトイレ装置は、便座に腰を掛ける腰掛式(洋式)の形態が多い。ポータブルトイレ装置は、汚物を受け入れて排出するための容器を備えた形態や、汚物排水を自然流下で行う形態が一般的である。また、汚物に洗浄水を湿らして圧送する形式のポータブルトイレ装置もある。
【0003】
この種のポータブルトイレ装置に関連して、特許文献1には、圧送部付き便器が開示されている。この圧送部付き便器によれば、ボウル、給水手段、圧送部、開閉部及び給水切替手段を備えている。給水手段は、ボウルへ給水する。圧送部は汚物を洗浄水と共に圧送する。開閉部は、ボウルと圧送部の連通・非連通を切り替える。給水切替手段は給水手段からの溜水の開始と停止を行う。これを前提にして、便器本体の非使用時には、ボウル内に溜水を作成せず、その使用時に給水切替手段が溜水を開始して、給水手段によりボウル内に給水され、汚物が十分に浸る程度に溜水を作成するようにした。
【0004】
このように圧送部付き便器を構成すると、便器本体の非使用時における移動時等において、衛生性を損なうことなく、さらに使用時には臭気の拡散を抑えることができ、好適な排出性能を確保できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−162508号公報 (第5頁 図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来例に係るトイレ装置によれば、次のような問題がある。
i.一般の既設トイレ装置によれば、便器本体の下部にせき(堰:以下トラップという)構造が設けられる。このトラップ構造によれば、溜め水収容部が複数の堰で区分され、便器本体内の底部に一定量の溜め水が作られている。溜め水は、下水本管からの悪臭や、小蠅等の昆虫の浸入を遮断したり、便器本体内の底部の乾燥を防いでいる。しかし、移動可能なポータブルトイレ装置を構成しようとした場合、便器本体の下部にトラップ構造を設けなくてはならないことから、便座下部の高さを多く確保しなければならなかったりして、当該ポータブルトイレ装置の小型化の妨げとなるという問題がある。
【0007】
ii.因みに、ポータブルトイレ装置において、溜め水機能が無いと、排泄時、便器へ汚物がこびり付くことで掃除が大変になるという問題がある。
【0008】
iii.特許文献1に見られるような溜め水を作成するトイレ装置によれば、使用者の接近を検知すると、便器本体の底部に溜め水を作るようになされる。したがって、トイレ使用終了時に溜め水と共に汚物を粉砕機構部へ流下された後は、次の使用者の接近を検知しないと、便器本体内に溜め水を作成することができないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明はこのような従来例に係る問題を解決したものであって、従来方式の便器本体内に設けられていた「せき」の構造の依存することなく、トイレ使用後の便器本体内に新たな溜め水を作成できるようにすると共に、次回の便器本体の使用時、当該溜め水と共に汚物を粉砕機構部へ流下できるようにしたトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、請求項1に係るトイレ装置は、排泄された汚物と便器本体を洗浄するための洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、前記汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き排出するトイレ装置であって、洗浄水弁部材を有して前記洗浄水を給水する給水手段と、前記洗浄水弁部材の開動作に基づいて前記給水手段から給水される便器洗浄用の洗浄水が流入可能に設けられて排泄された汚物を受容する便器本体と、前記便器本体の下部に設けられて前記便器洗浄用の洗浄水と共に前記汚物を粉砕する粉砕機構部と、前記便器本体と前記粉砕機構部との間に開閉可能に配設されて前記便器本体の底部に溜め水として洗浄水を溜める仕切り弁部材と、前記便器本体の使用終了を検出して使用終了情報を出力する終了検出部と、前記終了検出部から使用終了情報を入力し、前記使用終了情報に基づいて前記便器本体の使用が終了したことを検出すると、前記仕切り弁部材を開制御すると共に、前記洗浄水弁部材を開制御し、前記便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させた後、前記仕切り弁部材を閉制御すると共に、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、前記洗浄水弁部材を閉制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係るトイレ装置によれば、排泄された汚物と便器本体を洗浄するための洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、この汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き排出する場合に、給水手段は洗浄水弁部材を有して、洗浄水を給水する。便器本体は、洗浄水弁部材の開動作に基づいて給水手段から給水される便器洗浄用の洗浄水が流入可能に設けられて排泄された汚物を受容する。粉砕機構部は、便器本体の下部に設けられて便器洗浄用の洗浄水と共に汚物を粉砕する。仕切り弁部材は、便器本体と粉砕機構部との間に開閉可能に配設されて便器本体の底部に溜め水として洗浄水を溜める。
【0012】
終了検出部は、便器本体の使用終了を検出して使用終了情報を制御手段に出力する。これを前提にして、制御手段は、終了検出部から使用終了情報を入力し、使用終了情報に基づいて便器本体の使用が終了したことを検出すると、仕切り弁部材を開制御すると共に、洗浄水弁部材を開制御し、便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させる。その後、制御手段は、仕切り弁部材を閉制御すると共に、洗浄水弁部材が開動作した状態で給水手段に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、洗浄水弁部材を閉制御するようになる。この制御によって、便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下した後、当該便器本体内に新たな溜め水を作成できるようになる。
【0013】
請求項2に記載のトイレ装置は、請求項1において、前記給水手段に洗浄用及び濯ぎ用の水を供給する給水元と当該給水手段との間に給水制御用の弁部材が設けられ、前記制御手段は、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に洗浄水を給水するように前記給水制御用の弁部材を開制御し、前記溜め水相当量の洗浄水を給水した後、前記洗浄水弁部材を閉制御し、その後、前記給水手段に次回の洗浄水を溜め、当該給水制御用の弁部材を閉制御することを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載のトイレ装置は、請求項1において、前記洗浄水弁部材を開閉動作させる第1の駆動部と、前記仕切り弁部材を開閉動作させる第2の駆動部とを備え、前記制御手段は、前記終了検出部から使用終了情報を入力し、前記使用終了情報に基づいて前記便器本体の使用が終了したことを検出すると、前記仕切り弁部材を開動作させるように第2の駆動部を制御すると共に、前記洗浄水弁部材を開動作させるように第1の駆動部を制御し、前記便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させた後、前記仕切り弁部材を閉動作させるように第2の駆動部を制御すると共に、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に洗浄水を給水し、溜め水相当量の洗浄水を給水した後、前記洗浄水弁部材を閉動作するように前記第1の駆動部を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るトイレ装置によれば、洗浄水弁部材及び仕切り弁部材を開閉制御する制御手段を備え、この制御手段は、便器本体の使用が終了したことを検出すると、仕切り弁部材を開制御すると共に、洗浄水弁部材を開制御し、便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下し、その後、仕切り弁部材を閉制御すると共に、洗浄水弁部材が開動作した状態で給水手段に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、洗浄水弁部材を閉制御するものである。
【0016】
この構成によって、便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下した後、当該便器本体内に新たな溜め水を作成できるようになる。これにより、従来方式の便器本体内に設けられていた「せき」の構造に依存することが無くなり、トイレシステムを小型化できるようになる。しかも、トイレ使用後の新たな溜め水により、便器本体の下部に付着した汚物が乾燥することなく、次回の便器本体の使用時、溜め水と共に汚物を粉砕機構部へ流下できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る実施形態としてのトイレシステム10の構成例を示す概念図である。
【図2】トイレ装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施例としてのトイレ装置100の基本動作例を示すフローチャートである。
【図4】トイレ装置100の準備動作例を示すフローチャートである。
【図5】トイレ装置100の準備動作例を示すタイムチャートである。
【図6】第2の実施例としてのトイレ装置100の流水動作例(その1)を示すフローチャートである。
【図7】そのトイレ装置100の流水動作例(その2)を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施例としてのトイレ装置100の流入制御例を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施例としてのトイレ装置100のシャワー水流入制御例を示すフローチャートである。
【図10】トイレ装置100の粉砕/搬送動作例を示すフローチャートである。
【図11】トイレ装置100の粉砕動作例を示すフローチャートである。
【図12】トイレ装置100の搬送動作例を示すフローチャートである。
【図13】トイレ装置100の濯ぎ準備/搬送/圧送動作例を示すタイムチャートである。
【図14】トイレ装置100の搬送/圧送動作例を示すタイムチャートである。
【図15】(A)及び(B)は、第5の実施例としての圧力検出センサによる圧力検出例(その1)を示すグラフ図である。
【図16】(A)及び(B)は、トイレ装置100の圧力検出センサによる圧力検出例(その2)を示すグラフ図である。
【図17】トイレ装置100の圧送動作例を示すフローチャートである。
【図18】トイレ装置100の圧送/濯ぎ/搬送動作例を示すタイムチャートである。
【図19】第6の実施例としてのトイレ装置100の濯ぎ準備動作例を示すフローチャートである。
【図20】第7の実施例としてのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その1)を示す説明図である。
【図21】そのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その2)を示す説明図である。
【図22】そのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その3)を示す説明図である。
【図23】そのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その4)を示す説明図である。
【図24】そのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その5)を示す説明図である。
【図25】第8の実施例としてのトイレ装置100の溜め水/小間隙制御例を示すフローチャートである。
【図26】トイレ装置100の濯ぎ処理例を示すフローチャートである。
【図27】トイレ装置100の濯ぎ動作例を示すフローチャートである。
【図28】トイレ装置100の後処理動作例を示すフローチャートである。
【図29】トイレ装置100の掃除モード時の動作例(蓋閉)を示すフローチャートである。
【図30】トイレ装置100の掃除モード時の動作例(蓋開)を示すフローチャートである。
【図31】第9の実施例としてのトイレ装置100の連続使用時の動作例(その1)を示すフローチャートである。
【図32】そのトイレ装置100の連続使用時の動作例(その2)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
続いて、図面を参照しながら本発明に係る実施形態としてのトイレ装置について説明する。図1に示すトイレシステム10は本発明に係るトイレ装置100に、衛生洗浄便座30及び既設トイレ装置5を備えて構成されるものであり、介護用のトイレシステムに適用して極めて好適である。
【0019】
トイレ装置100は、排泄された汚物や使用済みのトイレットペーパを受容すると共に、便器本体1の下部に設けられた粉砕装置2で、便器本体1に供給される便器洗浄用の洗浄水と共に汚物及びトイレットペーパを粉砕し、当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、その後、汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所に圧送して排出するものである。
【0020】
トイレ装置100は、便器本体1、粉砕装置2、圧送タンク3、給水タンク4、制御ユニット8、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14、ドレンパン21、タンク電磁弁31及び便座電磁弁32を備えている。ドレンパン21はこれらの部材から構成される装置本体を受容する皿状を成している。
【0021】
このトイレ装置100において、給水元と給水タンク4との間には給水制御用の弁部材の一例を構成するタンク電磁弁31が設けられる。この例で、給水元は給水タンク4に洗浄用及び濯ぎ用の水を供給する水源である。例えば、既設トイレ装置5の給水設備から洗浄用の水道水(以下単に洗浄水という)が供給される。
【0022】
洗浄水は便器本体1を主に洗浄するものであるので、簡易水道、例えば、井戸水であっても、二次利用タイプの水でもよい。給水設備には図示しない分岐管及び、手動バルブ40aが設けられる。分岐管には手動バルブ40aが接続され、手動バルブ40aには給水管40dの一端が接続される。給水管40dには、高耐圧用の補強コイル入りビニールホースやゴムホース等が使用される。
【0023】
給水管40dの他端にはタンク電磁弁31及び便座電磁弁32の各々の一端が接続される。タンク電磁弁31は給水制御用の弁部材の一例を構成し、給水タンク4に給水する洗浄水の注水(流入)及びその停止を制御する。給水タンク4は給水手段の一例を構成する。もちろん、手動バルブ40aは開栓した状態とする。給水タンク4は便器本体1の内部に洗浄水(図中の実線の矢印にて記入)を流水(給水)する。給水タンク4には、2〜3リットルの水が貯えられる。
【0024】
給水手段には給水タンク4の他にタンク電磁弁31、便座電磁弁32、流量測定用の各種センサや、給水管40d等が含まれる。便座電磁弁32は、衛生洗浄便座30の図示しない内部タンクに給水する人体局部を洗浄するための洗浄水(以下でシャワー水という)の流入及びその停止を制御する。内部タンクには、1〜2リットルのシャワー水が貯えられる。衛生洗浄便座30は、便座蓋1a及び便座1bを有して便器本体1に取り付けられ、人体局部を洗浄するように使用される。
【0025】
タンク電磁弁31の他端には、流量センサ(大)13が接続される。流量センサ(大)13は、給水タンク4に流入する水量を計測する。便座電磁弁32の他端には、流量センサ(小)14が接続される。流量センサ(小)14は、衛生洗浄便座30の内部タンクに流入する水量を計測する。
【0026】
給水タンク4には洗浄水弁用モータ4a(第1の駆動部)及び洗浄水弁4bが設けられている。洗浄水弁用モータ4aは洗浄水弁4bを開閉動作させる。例えば、洗浄水弁4bは給水タンク4の出水口付近に設けられ、その上部が洗浄水弁用モータ4aによって駆動される巻き上げ機構付きの便器洗浄駆動部33に接続されている。洗浄水弁4bと便器洗浄駆動部33とは、例えば、玉鎖によって係合されている。
【0027】
便器本体1は、洗浄水弁4bの開動作に基づいて給水タンク4から給水される便器洗浄用の洗浄水が流入可能に設けられて排泄された汚物を受容する。例えば、給水タンク4の出水口には洗浄水弁4bが取り付けられ、出水口には便器本体1の内部に向けて給水管4dが接続されている。この例で便器洗浄駆動部33が洗浄水弁用モータ4aを駆動して、洗浄水弁4bを開閉することにより、給水タンク4に貯えられた一定量の洗浄水が給水管4dを通じて便器本体1の内部に流れ込むようになされる。
【0028】
便器本体1の内部には水位検出手段の一例を構成する水面検出センサ15が取り付けられ、便器洗浄駆動部33によって便器本体1の内部に給水される洗浄水の水位を検出するように動作する。水面検出センサ15は便器本体1の溢れ面より低い位置に取り付けられる。ここに溢れ面とは便器本体1から洗浄水が溢れ出る水位面をいう。
【0029】
水面検出センサ15は、便器本体1の内部で水面を検出したときには、便器本体1に水が満水になったとして、便器洗浄動作を禁止すると共に、衛生洗浄便座30等への給水を停止し、便器本体1に新たな水が入らないようにして水が溢れるのを防止するためのものである。
【0030】
水面検出センサ15の検出方式が電極式やフロート式等である場合、センサ取り付け位置については、便器本体1の内部後側の壁面等の他、洗浄水ノズルの内部に取付けてもよい。検出方式は電極式やフロート式等に限られることはなく、光学式や、超音波式等でもよい。
【0031】
この例で便器本体1には、衛生洗浄便座30が設けられ、人体局部を洗浄するためのシャワー水を噴出するようになされる。上述の便器本体1には、排泄された汚物と便器洗浄用の洗浄水と衛生洗浄便座から流水される人体局部洗浄用の洗浄水とが受容される。衛生洗浄便座30は便座蓋1a及び便座1bを有している。この例では、便座蓋1aの開動作に応じてトイレ装置100の処理を開始する。便座蓋1aの裏面には便蓋開閉検出センサ11が取り付けられている。
【0032】
便器本体1の下方側には、粉砕機構部の一例を構成する粉砕装置2が配置される。粉砕装置2は、制御ユニット8によって制御され、排泄された汚物(図中、白抜き矢印にて記す)と便器洗浄用の洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、又は、濯ぎ用の濯ぎ水を受容すると共に内部を濯ぎ水で濯いで濯ぎ流動体と成している。もちろん、衛生洗浄便座30が取り付けられた場合は、粉砕装置2では、便器本体1で受容した便器洗浄用及び人体局部洗浄用の洗浄水と共に汚物を粉砕して汚物流動体と成して流下させるようになる。
【0033】
粉砕装置2は、容器部材の一例である収容容器22を備えて汚物を粉砕する。収容容器22は、仕切り弁機構部2a及び鍋底形状の筐体2fから構成されている。収容容器22の内部には粉砕機構が収容されている。仕切り弁機構部2aは便器本体1と粉砕装置2との間に開閉可能に配設されて便器本体1の底部に洗浄水を溜めるように機能する。仕切り弁機構部2aには仕切り弁2b、仕切り弁用モータ2c(第2の駆動部)及びネジ部材2eが設けられている。
【0034】
仕切り弁用モータ2cは仕切り弁2bを開閉動作させる。例えば、仕切り弁2bは全長ネジ等のネジ部材2eに固定され、ネジ部材2eが仕切り弁用モータ2cに係合されている。仕切り弁用モータ2cが正回転(以下で単に正転という)すると、ネジ部材2eを介在して仕切り弁2bが開動作し、仕切り弁用モータ2cが逆回転(以下で単に逆転という)すると、ネジ部材2eを介在して仕切り弁2bが閉動作するようになされる。
【0035】
仕切り弁機構部2aは仕切り弁部材の一例を構成し、便器本体1と粉砕装置2との間に開閉可能に配設されて便器本体1の底部に洗浄水を溜めるように機能する。例えば、仕切り弁機構部2aは筐体2fの開口部をゴムパッキン及びネジによって周囲に固定され、筐体2fの内部を密閉するようになされる。
【0036】
仕切り弁機構部2aは、便器本体1との結合部分に略円形状の開口部2gを有している。仕切り弁機構部2aには、この開口部2gの外周から延出された結合筒2dが設けられている。結合筒2dの一部分は便器本体1の内部に挿入され、便器本体1と粉砕装置2とが仕切り弁機構部2aにより結合されている。
【0037】
結合筒2dに設けられた仕切り弁用モータ2cに隣接して開検出スイッチ25(仕切り弁)及び閉検出スイッチ26(仕切り弁)が設けられる。開検出スイッチ25はネジ部材2eの移動によって押し切られて仕切り弁2bの開動作を検出する。閉検出スイッチ26はネジ部材2eの移動によって押し切られて仕切り弁2bの閉動作を検出する。
【0038】
粉砕装置2の内部には、トイレットペーパ及び汚物を細かく擂り潰しながら粉砕する石臼(挽き臼)機構2jが設けられている。石臼機構2jは粉砕機構の一例を構成し、固定臼2h及び回転臼2iを有している。下側の固定臼2hは固定盤部材の一例を構成し、回転臼2iに対峙して収容容器22に固定され、回転臼2iの第1の凹凸面に対面する一側面に第2の凹凸面を有すると共に、中心部近傍に貫通孔部を有している。固定臼2hは略円錐状を成して収容容器22に固定されている。
【0039】
上側の回転臼2iは回転盤部材の一例を構成し、収容容器22の内部に回転駆動自在に設けられて略円錐状を成し、洗浄水を攪拌する攪拌翼部を有すると共に一側面に第1の凹凸面を有する。例えば、回転臼2iは上下動可能な構造を成してシャフト23に係合され回転する。シャフト23にはプーリ2xが取り付けられる。粉砕用モータ2sにもプーリ2yが取り付けられる。プーリ2xとプーリ2yとの間にはベルト2zが係合され、粉砕用モータ2sの回転力を回転臼2iに伝達するように動作する。
【0040】
回転臼2iには、図示しない流入口が中心部近傍に設けられ、この流入口から洗浄水と共に汚物が流入して、固定臼2hと回転臼2iの間隙に洗浄水と共に汚物及びトイレットペーパが入り込む。固定臼2hと回転臼2iの間隙に入り込んだトイレットペーパ及び汚物は、固定臼2hと回転臼2iとの対面し合う凹部と凸部により、細かく擂り潰されて洗浄水と混合し、流動性の高い状態(汚物流動体)となる。これにより、汚物が良く攪拌され、回転臼2iと固定臼2hからなる石臼機構2jの中に入り込み易くなることで、粉砕時間を短縮することができる。
【0041】
粉砕装置2の下方側には排出弁2kを介して圧送タンク3が配置されている。圧送タンク3は圧送手段の一例を構成すると共にタンク部の一例を成す。圧送タンク3は、粉砕装置2により粉砕された汚物流動体が流入する開閉可能な流入口と汚物流動体を廃棄場所まで導く排出管部材が接続された排出口とを有して圧縮空気を充鎮可能に設けられる。圧送タンク3には例えば金属製のタンクが用いられる。もちろん、圧送タンク3には市販の樹脂製パイプ材を使用して構成してもよい。
【0042】
圧送タンク3と粉砕装置2は、連結管3gにより結合されている。この連結管3gには、排出弁用モータ3aが設けられ、排出弁用モータ3aには排出弁2kが係合されている。この排出弁用モータ3aの正/逆転に基づく排出弁2kの開閉により、細かく擂り潰されて洗浄水と混合した汚物及びトイレットペーパが圧送タンク3に流し込まれる。
【0043】
この例で、圧送タンク3にはエアーコンプレッサ6が接続され、粉砕装置2から排出された汚物流動体、又は、当該粉砕装置2から排出された濯ぎ流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き圧送する。例えば、エアーコンプレッサ6は、圧送タンク3内に圧縮空気を送出することにより、流動体化された汚物を排出管3fを介して廃棄場所の一例となる既設トイレ装置5の便器へ排出する。
【0044】
圧送タンク3とエアーコンプレッサ6とは、エアー管3iにより連結されている。エアー管3iはエアー抜き電磁弁37を介して粉砕装置2に連結されている。エアー抜き電磁弁37は、汚物排出時に開動作して圧送タンク3内の空気を粉砕装置2へバイパス(迂回)するように動作する。圧力異常時には、エアー抜き電磁弁37が開動作することで、圧送タンク3内の空気圧がエアー管3iを介して外部へ逃げ出るようになる。このようにすると、異常上昇した圧送タンク3内の圧力を調整できるようになる。
【0045】
圧送タンク3は図示しない支持台により傾斜して支持されている。圧送タンク3の最下位置には排出口3eが設けられ、この排出口3eには排出管部材の一例を構成する排出管3fが連結されている。排出管3fの終端は、既設トイレ装置5の便器本体内に取り付けられる。
【0046】
上述のエアー管3iにはエアー抜き電磁弁37の他に検出手段の一例を構成する圧力検出センサ16が取り付けられている。圧力検出センサ16は、エアーコンプレッサ6によって汚物流動体に作用される圧縮空気の圧力を検出する。この例では、便器洗浄駆動部40が取り付けられた既設トイレ装置5への汚物流動体の排出完了を検出するように動作する。
【0047】
傾斜した圧送タンク3の最下位置に設けられた排出口3eの近傍には、流動体化された汚物が自然と寄り集まる。この状態で、エアーコンプレッサ6により圧縮空気を圧送タンク3の内部に充填すると、流動体化された汚物が排出管3fから備え付け既設トイレ装置5に排出される。
【0048】
続いて、図2を参照して、トイレ装置100の制御系の構成例について説明する。図2に示すトイレ装置100は、制御ユニット8を有している。制御ユニット8は、ROM81(Read Only Memory)やRAM82(Random Access Memory)等のメモリと、演算機能を有するCPU83(Central Processing Unit)と、I/Oインターフェース84とを有して構成される。
【0049】
例えば、RAM82にはトイレ装置100を制御するためのシステムプログラムの他に、給水制御や、排出制御、圧送制御等を実行する際の制御情報が一時格納される。電源がオンされると、電源オン情報を検出したCPU83は、ROM81等からシステムプログラムを読み出してRAM82に展開し、システムを起動して、当該トイレ装置100の全体を制御するようになされる。
【0050】
トイレ装置100の制御系は制御ユニット8の他にエアーコンプレッサ6、便蓋開閉検出センサ11、定位置検出センサ12、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14、水面検出センサ15、圧力検出センサ16、排出報知部17、操作&表示部18、音出力部19、タンク電磁弁31、便座電磁弁32、便器洗浄駆動部33,40、モータ駆動部34、モータ駆動部35、モータ駆動部36及び、エアー抜き電磁弁37を有して構成される。排出報知部17及び便器洗浄駆動部40は、既設トイレ装置5に取り付けられる。
【0051】
制御ユニット8には、検出手段の一例を構成する便蓋開閉検出センサ11が例えばI/Oインターフェース84を介して接続される。便蓋開閉検出センサ11は、図1に示した便座蓋1aの開動作を検出して、便器本体1の使用開始を示す蓋開閉検出信号S11(便器使用情報)を発生する。便蓋開閉検出センサ11には、その一例として透過型のセンサが使用される。便蓋開閉検出センサ11は終了検出部の一例としても機能する。例えば、便蓋開閉検出センサ11は便器本体1の使用終了を検出して使用終了情報を制御ユニット8に出力する。
【0052】
便蓋開閉検出センサ11は、例えば、図1に示した便座蓋1aの開閉に応じて回動するスリット円盤のスリットを透過型のセンサにより検出して蓋開閉検出信号S11を発生する。蓋開閉検出信号S11は、便座蓋1aの開閉を示す信号であり、便蓋開閉検出センサ11から制御ユニット8へ出力される。便蓋開閉検出センサ11は当該トイレ装置100の使用開始及び使用終了を検知する使用検出手段に用いてもよい。
【0053】
制御ユニット8には便蓋開閉検出センサ11の他に定位置検出センサ12、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14、水面検出センサ15、圧力検出センサ16、排出報知部17、操作&表示部18、音出力部19がI/Oインターフェース84を介して接続される。
【0054】
定位置検出センサ12は、図1に示した給水タンク4内に設けられ、給水タンク4の給水面を検出して、定位置検出信号S12を発生する。定位置検出センサ12には、その一例としてフロートセンサが使用される。定位置検出信号S12は、給水タンク4に洗浄水が給水されているか否かを示す信号であり、定位置検出センサ12から制御ユニット8へ出力される。
【0055】
流量センサ(大)13は、図1に示した給水管40dの途中に取り付けられ、図1に示した給水タンク4に流入する水量を計測して給水量信号S13を発生する。給水量信号S13は流量センサ(大)13から制御ユニット8に出力される。
【0056】
流量センサ(小)14は、図1に示した給水管40dから分岐された途中に取り付けられ、衛生洗浄便座30の内部タンクに流入する水量を計測してシャワー水量信号S14を発生する。シャワー水量信号S14は流量センサ(小)14から制御ユニット8に出力される。
【0057】
水面検出センサ15は、図1に示した便器本体1の内部に取り付けられ、便器洗浄駆動部33によって便器本体1の内部に流入される便器洗浄用の洗浄水の水位を検出して水位検出信号S15を発生する。また、衛生洗浄便座30の操作によっても、便器本体1の内部に流入される人体局部洗浄用のシャワー水の流入mによる水位を検出して水位検出信号S15を発生する。
【0058】
水位検出信号S15は水面検出センサ15から制御ユニット8に出力される。制御ユニット8は水面検出センサ15から水位検出信号S15を入力し、水位検出信号S15に基づいて便器本体1の内部への便器洗浄用の洗浄水の給水や、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の給水を停止するようにタンク電磁弁31や便座電磁弁32等を制御する。
【0059】
開検出スイッチ25は仕切り弁用モータ2cに係合されたネジ部材2eによって押し切られ、仕切り弁2bの開動作を検出し、仕切り弁2bの開検出信号S25を発生する。開検出信号S25は開検出スイッチ25から制御ユニット8に出力される。
【0060】
閉検出スイッチ26は上述のネジ部材2eによって押し切られ、仕切り弁2bの閉動作を検出し、仕切り弁2bの閉検出信号S26を発生する。閉検出信号S26は閉検出スイッチ26から制御ユニット8に出力される。
【0061】
開検出スイッチ3s(排出弁)は排出弁用モータ3aに係合されたネジ部材3kによって押し切られ、排出弁2kの開動作を検出し、排出弁2kの開検出信号S2kを発生する。開検出信号S2kは開検出スイッチ3sから制御ユニット8に出力される。
【0062】
閉検出スイッチ3r(排出弁)はネジ部材3kによって押し切られ、排出弁2kの閉動作を検出し、排出弁2kの閉検出信号S3rを発生する。閉検出信号S3rは閉検出スイッチ3rから制御ユニット8に出力される。
【0063】
圧力検出センサ16は図1に示したエアー管3iに取り付けられ、圧送タンク3の内部の圧力を検出して圧力検出信号S16を発生する。圧力検出信号S16は圧力検出センサ16から制御ユニット8に出力される。圧力検出センサ16には例えば圧電素子が使用される。
【0064】
制御ユニット8は圧力検出センサ16からの圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止する。例えば、制御ユニット8は、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16を入力し、圧力検出信号S16に基づいて既設トイレ装置5の図示しない洗浄水弁を動作させるように便器洗浄駆動部40を制御する。
【0065】
便器洗浄駆動部40は既設トイレ装置5に取り付けられ、当該既設トイレ装置5の洗浄水弁を駆動する。便器洗浄駆動部40には定位置検出センサ20及び洗浄水弁用モータ4eが設けられる。定位置検出センサ20は、既設トイレ装置5の給水タンク内の給水面を検出して、定位置検出信号S20を発生する。
【0066】
制御ユニット8と便器洗浄駆動部40との間には信号線ケーブル40eが接続される。便器洗浄信号S40は制御ユニット8から便器洗浄駆動部40へ信号線ケーブル40eを介して出力され、定位置検出信号S20は、便器洗浄駆動部40から制御ユニット8へ出力される。便器洗浄駆動制御方式は有線方式でも無線方式であってもどちらでもよい。
【0067】
この例では、汚物流動体をトイレ装置100から既設トイレ装置5へ圧送する圧送動作を実行するとき、CPU83は圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力する。圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力したCPU83は、設定された圧力の比較基準値としての閾値Pthと、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較する。
【0068】
CPU83は、圧送タンク3の内部の圧力値Pxが上昇し、一旦、信号レベル値が閾値Pth以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pthまで下がってきた時点に、汚物流動体の排出完了とみなして既設トイレ装置5の洗浄水弁を動作させるように便器洗浄駆動部40を制御する。
【0069】
また、タンク電磁弁31はI/Oインターフェース84を介して制御ユニット8に接続される。タンク電磁弁31は、電磁弁信号S31に基づいて給水タンク4に給水する洗浄水の流入及びその停止を制御する。電磁弁信号S31はタンク電磁弁31の出力を制御する信号であり、制御ユニット8からタンク電磁弁31に出力される。
【0070】
制御ユニット8にはタンク電磁弁31の他に便座電磁弁32、便器洗浄駆動部33,40、モータ駆動部34、モータ駆動部35、モータ駆動部36及び、エアー抜き電磁弁37がI/Oインターフェース84を介して接続される。
【0071】
便座電磁弁32は、電磁弁信号S32に基づいて衛生洗浄便座30の図示しない内部タンクに給水する人体局部洗浄用のシャワー水の流入及びその停止を制御する(シャワー水流入制御)。電磁弁信号S32は便座電磁弁32の出力を制御する信号であり、制御ユニット8から便座電磁弁32に出力される。
【0072】
便器洗浄駆動部33は洗浄駆動データD33に基づいて洗浄水弁用モータ4aを駆動し、便器本体1に洗浄水を流入する。洗浄駆動データD33は便器洗浄駆動部33の駆動を制御するデータであり、制御ユニット8から便器洗浄駆動部33に出力される。便器洗浄駆動部33は洗浄駆動データD33をデコードしてモータ制御信号S4aを生成する。
【0073】
洗浄水弁用モータ4aは、便器洗浄駆動部33からモータ制御信号S4aを入力し、このモータ制御信号S4aに基づいて洗浄水弁4bを開動作する。洗浄水弁4bは一定量の洗浄水が便器本体1に流入すると、新たに給水タンク4に給水された洗浄水の重量及び水圧によって自然に閉動作に移行する。この例では、洗浄水弁用モータ4aを回転すると、給水タンク4に貯えられた一定量の洗浄水が給水管4dを通じて便器本体1の内部に流れ込む。
【0074】
モータ駆動部34は、制御ユニット8からモータ駆動データD34を入力し、モータ駆動データD34をデコードしてモータ制御信号S2cを生成する。モータ駆動部34には仕切り弁用モータ2cが接続される。モータ駆動部34は、モータ制御信号S2cに基づいて仕切り弁用モータ2cを駆動する。仕切り弁用モータ2cが回動すると、図1に示した仕切り弁2bが摺動して、開口部2gを開閉する。これにより、便器本体1から粉砕装置2に流入するトイレットペーパ、汚物及び洗浄水を通過又は停止する。
【0075】
モータ駆動部35は、制御ユニット8からモータ駆動データD35を入力し、モータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ駆動部35には粉砕用モータ2sが接続される。モータ駆動部35は、モータ制御信号S2sに基づいて粉砕用モータ2sを駆動する。粉砕用モータ2sが所定の方向に回転すると、図1に示した回転臼2iが回転して汚物を粉砕する。
【0076】
モータ駆動部36は、制御ユニット8からモータ駆動データD36を入力し、モータ駆動データD36をデコードしてモータ制御信号S3aを生成する。モータ駆動部36には排出弁用モータ3aが接続される。モータ駆動部35は、モータ制御信号S3aに基づいて排出弁用モータ3aを駆動する。排出弁用モータ3aは、モータ駆動部36からモータ制御信号S3aを入力し、モータ制御信号S3aに基づいて排出弁2kを開閉する。例えば、排出弁用モータ3aを所定の方向に回転して排出弁2kを開くと、粉砕装置2の内部に在る流動化体の汚物が圧送タンク3に流れ込む。
【0077】
エアー抜き電磁弁37は、制御ユニット8からエアー抜き信号S37を入力し、このエアー抜き信号S37に基づいて図示しない弁を開閉する。例えば、汚物流動体を粉砕装置2から圧送タンク3へ排出するとき、弁を開くと、エアー管3iを通じてタンク内の空気が圧送タンク3から粉砕装置2へバイパス(迂回)する。
【0078】
制御ユニット8は、圧送タンク3の内部の圧力を検出する圧力検出センサ16からの圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。エアーコンプレッサ6は、制御ユニット8から圧力制御信号S6を入力し、この圧力制御信号S6に基づいて空気を圧縮して圧送タンク3内に送出する。これにより、圧送タンク3内の流動体化された汚物が排出管3fを通じて備え付けの既設トイレ装置5に排出される。
【0079】
上述のエアー抜き電磁弁37は、圧力異常検出時には、エアー抜き信号S37に基づいて図示しない弁を開動作することで、エアーコンプレッサ6からエアー管3iを通じて圧送タンク3へ送出されている圧縮空気が外部へ放出される。これにより、圧送タンク3や排出管3f等の圧力異常上昇を防止できるようになる。
【0080】
便器洗浄駆動部40は、既設トイレ装置5に取り付けられる。便器洗浄駆動部40は洗浄駆動データD40に基づいて洗浄水弁用モータ4e(図14Jにおいて既設トイレ洗浄水モータと記す)を駆動し、既設トイレ装置5の便器本体に洗浄水を流入する。洗浄駆動データD40は便器洗浄駆動部40の駆動を制御するデータであり、トイレ装置100の制御ユニット8から便器洗浄駆動部40に出力される。便器洗浄駆動部40は既設トイレ装置5に取り付けられ、その洗浄駆動データD40をデコードしてモータ制御信号S4eを生成する。洗浄水弁用モータ4eは、モータ制御信号S4eに基づいて図示しない便器洗浄駆動部40内の給水弁を開動作させる。
【0081】
排出報知部17は、例えば、「汚物流動体の排出中を示す」音声案内や表示等及び、「汚物流動体の排出完了を示す」音声案内や表示等が出力される。排出報知部17には、音声出力及び表示回路用のIC(半導体集積回路装置)を内蔵した小型表示器が使用される。排出報知部17に排出お知らせ用のLED素子(以下で排出お知らせLEDともいう)を設け、排出報知信号S17に基づいて既設トイレ装置5がトイレ装置100から汚物流動体を受容している最中点灯するようにしてもよい。
【0082】
操作&表示部18はトイレ装置100の本体に取り付けられる。操作&表示部18は、図示しない操作パネル及び表示装置を有して構成される。操作パネルは通常動作モードや、掃除モードを設定するように操作される。掃除モードの設定は操作データD18となって操作&表示部18から制御ユニット8へ出力される。
【0083】
操作パネルには、例えば、掃除モードボタンが設けられる。掃除モードボタンが押された場合は掃除モードを開始するようになされる。操作&表示部18は、例えば、タッチパネルと液晶表示パネルから構成される。操作&表示部18にはGUI(Graphic User Interface)方式の入力手段が使用される。上述の排出お知らせLEDは、操作&表示部18に設けてもよく、汚物流動体をトイレ装置100から既設トイレ装置5へ圧送している最中、注意を喚起するために点灯できるようになる。
【0084】
この例で、図示しない操作パネルの所定の位置には、商用電源用のコンセント(例えば2個口)が設けられ、衛生洗浄便座30の電源プラグや、他の電子機器の電源プラグ等を差し込んで電源を供給できるようになっている。電源線は、トイレ装置100を駆動する電源ケーブルより分岐して接続される。トイレ装置100の電源ケーブルは、通常の電子機器の電源コードよりも長いものを使用するとよい。
【0085】
音出力部19は、音出力信号S19に基づいて汚物流動体の排出中を示す報知音や、汚物流動体の排出完了を示す報知音を出力する。また、音出力部19は、圧力異常上昇を示す警告音を出力する。音出力部19には警告音を発生するブザーや、スピーカー等が使用される。これらにより、トイレ装置100の制御系を構成する。
【実施例1】
【0086】
続いて、図3〜図5を参照して、第1の実施例としてのトイレ装置100の基本動作例について説明する。このトイレ装置100では、便器洗浄、粉砕、搬送及び圧送の各動作を二度の工程で行う。第1工程では、基本動作Ia、便器洗浄動作IIa、粉砕動作IIIa、搬送(排出)動作IVa、圧送動作Vaを行う。
【0087】
基本動作Iaでは、便器本体1内を洗浄するための洗浄水を給水タンク4に貯留する。便器洗浄動作IIaでは、便器本体1内に排泄された汚物を洗浄水によって洗浄する。粉砕動作IIIaでは排泄された汚物と洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成す。搬送動作IVaは汚物が流動体化した汚物流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送する。圧送動作Vaでは、搬送動作IVaによって搬入された汚物流動体に圧縮空気を作用させて既設トイレ装置5へ導き排出する。
【0088】
第2工程では、濯ぎ準備動作Ib、便器洗浄動作IIb、濯ぎ粉砕動作IIIb、搬送(排出)動作IVb、濯ぎ圧送動作Vbを行う。濯ぎ準備動作Ibでは便器本体1内を濯ぐための洗浄水(濯ぎ用の濯ぎ水)を給水タンク4内に貯留する。便器洗浄動作IIbでは、便器本体1内を濯ぎ用の濯ぎ水によって洗浄する(濯ぐ)。濯ぎ粉砕動作IIIbでは、便器洗浄動作IIbで得られた洗浄水で粉砕装置2を濯いで濯ぎ流動体と成す。搬送動作IVbでは、濯ぎ粉砕動作IIIbで得られた濯ぎ流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送する。濯ぎ圧送動作Vbでは搬送動作IVbによって得られた濯ぎ流動体に圧縮空気を作用させて既設トイレ装置5へ導き排出する。
【0089】
これらを前提にして、トイレ装置100は図5Aに示す「CLK」の時刻tに基づいて動作する。図5Aにおいて時刻t1〜t23で基本動作Iaが実行される。トイレ装置100には衛生洗浄便座30が取り付けられている場合である。
【0090】
トイレ装置100の初期状態は、便蓋「閉」、便蓋開閉検出センサ11がオフ、タンク電磁弁31が閉、流量センサ(大)13が未検知、便座電磁弁32が閉、流量センサ(小)14が未検知、洗浄水弁用モータ4aがオフ、定位置検出センサ12が検知、開検出スイッチ25が未検知、閉検出スイッチ26が検知、粉砕用モータ2sが停止、排出弁用モータ3aがオフしている場合である。
【0091】
この初期状態はトイレ装置100の動作開始前の待機状態である。待機状態においては便座蓋1aは閉じている。使用者によりこの便座蓋1aが開かれると制御系が動作を開始する。
【0092】
これらを動作条件にして、図3に示すフローチャートのステップST1でCPU83は動作途中のメモリが有るか否かを判別する。その際の判別基準は、RAM82等に動作途中のメモリ内容が記述されているか否かを検出することで行われる。動作途中のメモリ内容が有る場合は、ステップST2でCPU83はRAM82等に記憶されている動作を最初から開始する。その動作終了後、ステップST11に移行する。
【0093】
動作途中のメモリが無い場合には、ステップST3でCPU83は掃除モードボタンが押されたか否かに基づいて制御を分岐する。掃除モードボタンが押された場合は、ステップST4でCPU83は掃除モードを開始する(図29、図30参照)。その動作終了後、ステップST11に移行する。
【0094】
掃除モードボタンが押されていない場合は、ステップST5でCPU83は便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、蓋開閉検出信号S11に基づいて衛生洗浄便座30の便座蓋1aが閉状態から開状態(以下閉→開と記述する)に移行したか否かの検出に基づいて制御を分岐する。
【0095】
便座蓋1aの閉→開が検出された場合は、ステップST6で、CPU83は準備動作を実行する。例えば、図4に示すサブルーチンをコールする。そのステップA1でCPU83は便座蓋1aの閉→開を検出する。この例では、図5Aに示す時刻t1で便座蓋1aが閉状態から開状態(図5B)となされると、時刻t1で図5Cに示す便蓋開閉検出センサ11はオフからオンし、蓋開閉検出信号S11がロー・レベル(以下Lレベルと記述する)からハイ・レベル(以下Hレベルと記述する)に立ち上がる。
【0096】
ステップA2でCPU83は流量センサ(大)13のカウント値をリセットし、ステップA3で流量センサ(小)14のカウント値をリセットする。その後、ステップA4でCPU83はタンク電磁弁31を開動作する。この例では、図5Aに示した時刻t3で、図5Dに示す電磁弁信号S31がLレベルからHレベルに立ち上がることで、タンク電磁弁31が閉→開に移行する。タンク電磁弁31が閉→開に移行することで、便器洗浄用の洗浄水が流量センサ(大)13を介して給水タンク4に流入する。流量センサ(大)13は検知状態となって、洗浄水の流量を検出し、図5Eに示す給水量信号S13をLレベルからHレベルに立ち上げる。
【0097】
その後、ステップA5でCPU83は、流量センサ(大)13が便器洗浄用の洗浄水の給水量又は流入時間等をカウントアップしたか否かに基づいて制御を分岐する。流量センサ(大)13が給水量又は流入時間をカウントアップした場合は、ステップA7でCPU85はタンク電磁弁31を閉動作する。この例では、時刻t14で図5Dに示す電磁弁信号S31がHレベルからLレベルに立ち下がることで、タンク電磁弁31が開状態から閉状態(以下開→閉と記述する)に移行する。タンク電磁弁31が開→閉に移行することで、給水タンク4への洗浄水の流入が停止する。流量センサ(大)13は、未検知状態となる。その後、ステップST6にリターンする。
【0098】
流量センサ(大)13が給水量又は流入時間をカウントアップしていない場合は、ステップA6に移行してCPU83は、流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップしたか否かの監視に基づいて制御を分岐する。流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップA5に戻って流量センサ(大)13が給水量又は流入時間をカウントアップしたか否かに基づいて制御を分岐する。
【0099】
流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップした場合は、ステップA8に移行してCPU85は給水エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「給水エラー」を表示する。給水エラーは、既設トイレ装置5に隣接して設けた手動バルブ40aが開いていない場合等により表示される。その後、ステップST6にリターンする。
【0100】
また、ステップA9でCPU83は便座電磁弁32を閉状態から開状態へ動作させる。この例では、時刻t3で図5Fに示す電磁弁信号S32がLレベルからHレベルに立ち上がることで、便座電磁弁32が閉→開に移行する。その後、ステップA10でCPU83は流量センサ(小)14が給水量又は流入時間をカウントアップしたか否かに基づいて制御を分岐する。
【0101】
例えば、給水タンク4へ洗浄水が流入完了した後の時刻t16で衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水(洗浄水)の流入が指示(許可)される。時刻t16で流量センサ(小)14は、検知状態となって、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の流量を検出し、図5Gに示すシャワー水量信号S14をLレベルからHレベルに立ち上げる。この例では、時刻t20で図5Gに示すシャワー水量信号S14がHレベルからLレベルに立ち下がる。
【0102】
流量センサ(小)14が給水量又は流入時間をカウントアップした場合は、ステップA14でCPU85は便座電磁弁32を閉動作する。この例では、時刻t23で図5Fに示す電磁弁信号S32がHレベルからLレベルに立ち下がることで、便座電磁弁32が開→閉に移行する。便座電磁弁32が開→閉に移行することで、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の流入が停止する。流量センサ(小)14は、未検知状態となる。その後、ステップST6にリターンする。
【0103】
流量センサ(小)14が給水量又は流入時間をカウントアップしていない場合は、ステップA11に移行して流量センサ(小)14の動作時間がタイムアップしたか否かの監視に基づいて制御を分岐する。流量センサ(小)14の動作時間がタイムアップした場合は、ステップA12で仕切り弁用モータ2cを正転し数秒後に停止する。その後、ステップST6にリターンする。
【0104】
流量センサ(小)14の動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップA13でCPU83は、濯ぎ圧送動作Vbの終了か否かに基づいて制御を分岐する。濯ぎ圧送動作Vbを終了していない場合は、ステップA10に戻って、上述した内容を繰り返す。濯ぎ圧送動作Vbを終了した場合は、ステップA14に移行してCPU85は便座電磁弁32を閉動作する。便座電磁弁32の閉動作後は、ステップST6にリターンする。
【0105】
その後、時刻t17で図5Kに示すモータ制御信号2ScがOFFから正転を示すレベルに一瞬立ち上がることで、仕切り弁用モータ2cが正転して仕切り弁2bを開動作させる。このとき、洗浄水弁用モータ4aを開いて給水タンク4に貯えられた便器洗浄用の洗浄水を給水管4dから便器本体1を経て粉砕装置2の内部に流し込み、溜め水としてもよい。そして、洗浄水弁用モータ4aをオフして給水タンク4から便器本体1を介しての洗浄水の粉砕装置2への供給を停止するようにしてもよい。このようにすると、一定量の洗浄水を粉砕装置2の内部に溜めることができる。
【0106】
この際の洗浄水は、便器本体1の内側や粉砕装置2の内部を湿らせる。これにより、排泄された汚物が、便器本体1や粉砕装置2の内部に付着し難くなる。使用者は、この状態で用便を済ませる。排泄された汚物や使用済みのトイレットペーパは便器本体1の内部や粉砕装置2の内部に溜められることになる。
【0107】
そして、閉検出スイッチ26は検知状態から未検知状態へ遷移する。例えば、仕切り弁用モータ2cの逆転を検出して閉検出信号S26を発生する。閉検出信号S26は制御ユニット8に出力される。開検出スイッチ25は未検知状態である。なお、図5Nに示すモータ制御信号S2s及び図5Oに示すモータ制御信号S3aが共にLレベルであるので、粉砕用モータ2s及び排出弁用モータ3aは停止している。これらの動作終了後、ステップST11に移行する。
【0108】
また、上述のステップST5で便座蓋1aの閉→開が検出されない場合は、ステップST7で、CPU83は開状態から閉状態(以下開→閉と記述する)に移行したか否かの検出に基づいて制御を分岐する。このとき、使用者の用便が済み、便座蓋1aの閉じ操作がされたことにより、図1に示した便蓋開閉検出センサ11は、便座蓋1aが閉じたこと検出して、便座蓋1aが閉じたことを示す蓋開閉検出信号S11を制御ユニット8に出力する。便座蓋1aが閉じたことにより、洗浄水弁用モータ4aを開いて給水タンク4の洗浄水を給水管4dから便器本体1及び粉砕装置2の内部に流し込むようになる。
【0109】
便座蓋1aの開→閉が検出された場合は、ステップST8で、CPU83は第1工程における粉砕動作IIIaを実行する[第4の実施例参照]。その粉砕動作IIIaの終了後、ステップST11に移行する。便座蓋1aの開→閉が検出されない場合は、ステップST9で、CPU83は手動スイッチが押されたか否かに基づいて制御を分岐する。手動スイッチが押された場合は、ステップST10でCPU83は第2工程における粉砕動作IIIbを実行する(第8の実施例参照)。なお、便器本体の連続使用時の洗浄水供給制御については、第9の実施例において説明する。
【0110】
その粉砕動作IIIbの終了後、ステップST11に移行する。手動スイッチが押されていない場合は、ステップST11でCPU83は動作終了か否かの指示に基づいて基本動作Iaを終了する。基本動作Iaの終了指示がされていない場合は、ステップST3に戻って上述のステップST3からステップST10の動作内容を繰り返すようになされる。
【0111】
このように第1の実施例としてのトイレシステム10によれば、汚物流動体をトイレ装置100から既設トイレ装置5へ圧送する圧送動作を実行するとき、CPU83は圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力する。圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力したCPU83は、設定された圧力の比較基準値としての閾値Pthと、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較する。
【0112】
CPU83は、圧送タンク3の内部の圧力値Pxが上昇し、一旦、信号レベル値が閾値Pth以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pthまで下がってきた時点に、汚物流動体の排出完了とみなして既設トイレ装置5の洗浄水弁を動作させるように便器洗浄駆動部40を制御する。
【0113】
この制御によって、汚物流動体がトイレ装置100から既設トイレ装置5へ排出を完了した時点で、既設トイレ装置5の便器内部を洗浄できるようになる。これにより、使用者が意図的に制御ユニット8にトイレ使用終了の操作や指示等を入力することなく、また、介護者等が既設トイレ装置5の便器内部洗浄用のレバーを操作することがなく、既設トイレ装置5の便器本体内等を自動洗浄できるようになる。
【実施例2】
【0114】
続いて、図2、図5、図6及び図7を参照して、第2の実施例としてのトイレ装置100の流水動作例(その1、2)について説明する。この例では、便器洗浄動作IIaのとき、仕切り弁2bの開動作と便器本体1への流水動作とをほぼ同時に実行するようにした。仕切り弁2bの洗浄には、洗浄水が流れる時間に対して、仕切り弁2bが開く時間がほぼ同じになるように両者の動作時間を設定して、仕切り弁2bの上面に十分な洗浄水が当たるようにすることが望ましい。なお、使用検出手段として便蓋開閉検出センサ11を用いる場合を例に挙げる。
【0115】
便蓋開閉検出センサ11は図2に示したように制御ユニット8に接続され、便器本体1の使用開始及び使用終了を検出して蓋開閉検出信号S11を出力する。なお、図5Aに示すタイムチャートの時刻t23〜t34が流水動作(便器洗浄動作IIa)に対応している。
【0116】
制御ユニット8は、便器本体1への洗浄水の供給を開始するように給水タンク4内の便器洗浄駆動部33を制御すると共に(ほぼ同時に)、仕切り弁機構部2aの仕切り弁2bの開動作を開始するように仕切り弁用モータ2cを制御する。便器洗浄駆動部33は、モータ制御信号S4aに基づいて洗浄水弁用モータ4aを回転動作させるようになる。
【0117】
洗浄水弁用モータ4aは、モータ制御信号S4aに基づいて給水タンク4内の洗浄水弁4bを開閉動作させるようになる。仕切り弁用モータ2cは、モータ制御信号S2cに基づいて仕切り弁機構部2aの仕切り弁2bを開閉動作させるようになる。
【0118】
これらを動作条件にして、図6に示すステップB1でCPU83は流水動作(便器洗浄動作IIa)をオン(ON)するプログラムを実行する。流水動作オンは、便器本体1の使用終了を検出した便蓋開閉検出センサ11から出力される蓋開閉検出信号S11によって指示される。
【0119】
ステップB2でCPU83は蓋開閉検出信号S11を入力して洗浄水弁用モータ4aをオンする。例えば、図5Aに示す時刻t24で図5Hに示すモータ制御信号S4aがLレベルからHレベルに立ち上がる。洗浄水弁用モータ4aがモータ制御信号S4aに基づいて回転し、洗浄水弁4bを開動作する。この例で、洗浄水弁4bは、図5Jに示すように閉状態から開状態に移行し、時刻t24〜t38に至るまで開状態を継続する。洗浄水弁4bが開動作することで、給水タンク4内から便器本体1内に洗浄水が流入する。その後、洗浄水弁4bは、閉状態に移行する。
【0120】
そして、ステップB3でCPU83はt秒間待機する。その後、ステップB4でCPU83はタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの動作時間を計測する。動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップB4でCPU83は動作時間を計測する。動作時間がタイムアップした場合は、ステップB5でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオフする。この例では、図5Aに示す時刻t26で、モータ制御信号S4aがHレベルからLレベルに立ち下がるので、洗浄水弁用モータ4aが停止する。
【0121】
その後、ステップB6でタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの停止時間を計測する。停止時間がタイムアップしていない場合は、ステップB6でCPU83は停止時間を計測する。停止時間がタイムアップした場合は、ステップB7でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオンする。
【0122】
その後、ステップB8でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのタイマをリセットする。ステップB9でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのオフタイマをリセットする。その後、図7に示すステップB21に移行する。
【0123】
この便器本体1への流水動作とほぼ同時に、仕切り弁2bの開動作を行うべく、ステップB10でCPU83は仕切り弁2bを開動作させるために仕切り弁用モータ2cの正転をオンする。例えば、図5Aに示す時刻t24で、図5Kに示すモータ制御信号S2cがOFFから正転開始する。その際に、開検出スイッチ25は時刻t26でオンして、開検出信号S25を制御ユニット8に出力する。
【0124】
ステップB11でCPU83は開検出スイッチ25がオンしたか否かに基づいて制御を分岐する。この例では、図5Aに示す時刻t24〜t26の動作時間で仕切り弁用モータ2cが正転する。開検出スイッチ25がオンした場合は、ステップB12でCPU83は仕切り弁用モータ2cの正転をオフする。仕切り弁2bが開動作すると、開口部2gが開く。これにより、便器本体1から粉砕装置2にトイレットペーパ、汚物及び洗浄水が流入するようになる。このように便器洗浄用の洗浄水を仕切り弁2bに当てながら仕切り弁2bを開いて行く事で、仕切り弁2bの上面を洗浄できるようになる。もちろん、便器本体1の内部に溜められている汚物や使用済みのトイレットペーパ等が粉砕装置2の内部へと流下(流し込まれる)される。
【0125】
ステップB13でCPU83は仕切り弁用モータ2cの動作時間をタイマリセットする。ステップB14でCPU83は仕切り弁用モータ2cのオフタイマをリセットする。この例では、図5Aに示す時刻t31で図5Kに示すモータ制御信号S2cがOFFから逆転開始し、時刻t31〜t34の動作時間で仕切り弁用モータ2cが逆転し、その後、仕切り弁用モータ2cがOFFする。開検出スイッチ25は時刻t31でオフする。上述のステップB11で開検出スイッチ25がオンしていない場合は、ステップB15に移行しCPU83はタイマを起動して仕切り弁用モータ2cの動作時間を計測する。仕切り弁用モータ2cの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップB11に戻って上述の内容を繰り返す。
【0126】
仕切り弁用モータ2cの動作時間がタイムアップした場合は、ステップB16でCPU83は仕切り弁2bを閉動作させるために仕切り弁用モータ2cを逆転する。その後、ステップB17で仕切り弁2bは閉検出スイッチ26をオンする。そして、ステップB18でCPU83は仕切り弁用モータ2cを正転する。その後、ステップB19でCPU83は回転変更回数Nxに基づいて仕切り弁2bの異常を判別する。その際の判別基準は、回転変更回数Nxと比較基準回数Naとを比較してその大小に基づいて仕切り弁2bの異常を検出する。回転変更回数Nxが比較基準回数Na未満である場合は、仕切り弁2bは正常であるので、ステップB11に戻る。
【0127】
回転変更回数Nxが比較基準回数Na以上である場合は、仕切り弁2bは異常であるので、ステップB20で仕切り弁2bの動作エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「仕切り弁の動作エラーです」等を表示する。仕切り弁2bの動作エラーは、汚物が開口部2g等に引っかかっている状態等により表示される。
【0128】
図7に示すステップB21で、CPU83は定位置検出センサ12が給水タンク4の原点を検出したか否かに基づいて制御を分岐する。この例では、定位置検出センサ12が洗浄水の流出と共に原点を未検出状態となり、図5Iに示すHレベルからLレベルに立ち下がる定位置検出信号S12を制御ユニット8に出力する。ステップB21で定位置検出センサ12が給水タンク4の原点を検出した場合は、ステップB22でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオンする。その後、ステップB23でCPU83は仕切り弁用モータ2cの逆転をオンする。
【0129】
上述の定位置検出センサ12が原点を検出していない場合は、ステップB24に移行して、CPU83はタイマを起動し、洗浄水弁用モータ4aの動作時間を計測する。洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップB21に戻って定位置検出センサ12が原点を検出するのを待つ。定位置検出センサ12が洗浄水の流入と共に原点の検出状態となると、図5Iに示すLレベルからHレベルに立ち上がる定位置検出信号S12を制御ユニット8に出力する(時刻t38を参照)。
【0130】
ステップB24で洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップした場合は、ステップB25でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「洗浄水弁用モータの動作エラーです」等を表示する。洗浄水弁用モータ4aの動作エラーは、タンク電磁弁31の閉誤動作や、洗浄水弁4bの開誤動作等により表示される。
【0131】
上述の仕切り弁用モータ2cの逆転をオンした後は、ステップB26でCPU83は閉検出スイッチ26がオンしたか否かに基づいて制御を分岐する。閉検出スイッチ26がオンしている場合は、ステップB27でCPU83は仕切り弁用モータ2cの逆転をオフする。この仕切り弁用モータ2cの逆転オフにより、図1に示した開口部2gが閉じられる。開口部2gが閉じられると、給水タンク4から流入される洗浄水の便器本体1から粉砕装置2の内部への流し込みが停止される。この例では、図5Aに示す時刻t34で閉検出スイッチ26がオンして、図5Mに示す閉検出信号S26が制御ユニット8に出力される。
【0132】
一方、ステップB26で閉検出スイッチ26がオンしていない場合は、ステップB28に移行し、CPU83はタイマを起動して仕切り弁用モータ2cの動作時間を計測する。仕切り弁用モータ2cの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップB26に戻って上述の内容を繰り返す。仕切り弁用モータ2cの動作時間がタイムアップした場合は、ステップB29でCPU83は仕切り弁用モータ2cを逆転する。そして、ステップB30で仕切り弁2bは閉検出スイッチ26をオンする。この例では、閉検出スイッチ26が図5Aに示す時刻t34でオンする。
【0133】
その後、ステップB31でCPU83は仕切り弁2bを開動作させるために仕切り弁用モータ2cを正転する。そして、ステップB32でCPU83は回転変更回数Nxに基づいて仕切り弁2bの異常を判別する。その際の判別基準は、回転変更回数Nxと比較基準回数Naとを比較してその大小に基づいて仕切り弁2bの異常を検出する。回転変更回数Nxが比較基準回数Na未満である場合は、仕切り弁2bは正常であるので、ステップB26に戻る。
【0134】
回転変更回数Nxが比較基準回数Na以上である場合は、仕切り弁2bは異常であるので、ステップB33でCPU83は仕切り弁2bの動作エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「仕切り弁の動作エラーです」等を表示する。仕切り弁2bの動作エラーは、汚物が開口部2g等に引っかかっている状態等により表示される。
【0135】
このように第2の実施例としてのトイレ装置100によれば、制御ユニット8は、便器本体1への洗浄水の供給を開始するように便器洗浄駆動部33を制御すると共に仕切り弁機構部2aの仕切り弁2bの開動作を開始するように仕切り弁用モータ2cを制御する。
【0136】
この制御によって、給水タンク4から給水される便器洗浄用の洗浄水を仕切り弁機構部2aの仕切り弁2bに当てながら当該仕切り弁2bを開くことができ、仕切り弁2bの上面を洗浄しながら、汚物を便器本体1から粉砕装置2へ排出できるようになる。これにより、仕切り弁2bの上面への汚れの付着や、汚物の残留等を防止できるようになる。
【0137】
この例では、洗浄水を仕切り弁機構部2aに当てながら仕切り弁2bを開いて行く場合について説明したが、これに限られることはなく、小間隙制御を実行してもよい。小間隙制御によれば、図2に示した制御ユニット8が、便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、この蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が開始されたことを検出したとき、仕切り弁機構部2aを開動作させて便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成し、当該便器本体1と粉砕装置2との間を連通するように仕切り弁用モータ2cを制御してもよい(第7の実施例参照)。
【0138】
また、制御ユニット8は、便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、この蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が終了したことを検出したとき、便器本体1への便器洗浄用の洗浄水の供給を開始するように便器洗浄駆動部33を制御すると共に、仕切り弁2bの開動作を開始するように仕切り弁用モータ2cを制御するようにしてもよい。これによっても、仕切り弁2bの上面への汚れの付着や、汚物の残留等を防止できるようになる。
【実施例3】
【0139】
続いて、図8を参照して、第3の実施例としてのトイレ装置100の洗浄水流入制御例について説明する。この実施例では、便器本体1の内部に水面検出センサ15が取り付けられ、便器本体1の内部への便器洗浄用の洗浄水の給水を停止する機能が付加されている。制御ユニット8は水面検出センサ15から出力される水位検出信号S15を入力し、水位検出信号S15に基づいて便器本体1の内部への便器洗浄用の洗浄水の給水を停止するように、洗浄水弁用モータ4aや、タンク電磁弁31、便座電磁弁32等の開閉制御を実行する。
【0140】
この例で、タンク電磁弁31や便座電磁弁32は既に「開」状態の場合である。洗浄水弁用モータ4aはモータ制御信号S4aが入力されれば回転できる状態である。水面検出センサ15にはフロート式のセンサが使用される。
【0141】
これらを制御条件にして、図8に示すフローチャートのステップC1でCPU83は水面検出情報を入力する。この例では、水面検出センサ15は、常時、便器本体1の内部に給水された便器洗浄用の洗浄水の水位を検出して水位検出信号S15を発生する。例えば、水面検出センサ15のフロート部分が水面に押し上げられて規定位置に到達し、満水を検出すると、Hレベルの水位検出信号S15を発生する。満水以外の場合は、フロート部分が規定位置から下がっているので、Lレベルの水位検出信号S15を発生する。
【0142】
次に、ステップC2で便器本体1の内部の満水に陥る水面を検出したか否かを判別する。その際に、制御ユニット8は満水時の水位検出信号S15の信号レベルを閾値Sthとして保有する。そして、便器本体1の内部に洗浄水が給水され、制御ユニット8で、水面検出センサ15から満水を示す水位検出信号S15を入力した場合は、CPU83は水位検出信号S15の信号レベルSxと、閾値Sthとを比較すると、両者が一致するので、便器本体1の内部が満水に陥っていると判断する。
【0143】
そして、ステップC3でCPU83はHレベルの水位検出信号S15をトリガにして電磁弁信号S31をタンク電磁弁31に出力してその閉動作する。タンク電磁弁31は電磁弁信号S31に基づいて開→閉動作をする。タンク電磁弁31の駆動停止によって給水タンク4への新たな便器洗浄用の洗浄水の給水を停止できるようになる。
【0144】
更に、ステップC4でCPU83はHレベルの水位検出信号S15をトリガにして洗浄水弁用モータ4aをOFF動作する。洗浄水弁用モータ4aはモータ制御信号S4aが入力されれば回転できる状態である。洗浄水弁用モータ4aの駆動停止によって洗浄水弁4bの閉動作が維持される。
【0145】
これらと共に、ステップC5でCPU83はHレベルの水位検出信号S15をトリガにして電磁弁信号S32を便座電磁弁32に出力してその閉動作する。便座電磁弁32は電磁弁信号S32に基づいて開→閉動作をする。便座電磁弁32の駆動停止によって衛生洗浄便座30の内部タンクへの新たなシャワー水の給水を停止できるようになる。
【0146】
その後、ステップC6でCPU83は満水報知処理を実行する。この満水報知処理によれば、制御ユニット8が便器本体1の内部に給水された便器洗浄用の洗浄水が満水になったとして便器洗浄動作IIaの禁止を報知する。便器洗浄動作IIa禁止の報知は、例えば、操作&表示部18の画面に「便器洗浄用の給水を禁止します」等を表示したり、音出力部19のブザー音等で報知する。
【0147】
このように第3の実施例としてのトイレ装置100によれば、制御ユニット8が水面検出センサ15から出力される水位検出信号S15を入力し、水位検出信号S15に基づいて便器本体1の内部への便器洗浄用の洗浄水や、衛生洗浄便座30へのシャワー水等の給水を停止するように制御する。
【0148】
この制御によって、満水検出時、洗浄水弁用モータ4aや、タンク電磁弁31、便座電磁弁32等の駆動を停止できるようになり、便器本体1の内部に所定の給水量を越える便器洗浄用の洗浄水の給水や、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の給水を防止できるようになる。しかも、便器本体1の内部に給水された洗浄水の水位が検出された場合は、便器本体1に新たな洗浄水が流入しないので、洗浄水が溢れ出る事態を未然に防止できるようになる。これにより、汚物流動体と化した汚水を一旦、圧送タンク3等に貯留して圧送するトイレシステム10において、洗浄水が便器本体1から外部へ溢れ出すことを確実に防止できるようになる。
【0149】
なお、水面検出センサ15は一般の既設の水洗トイレ装置に取り付けてもよい。その際には、既設の水洗トイレの便器の溢れ面より低い位置に、水面検出センサ15を設けて、この水面検出センサ15が水面を検出した時には、便器に水が満水になったとして便器洗浄動作IIaを禁止するようにしてもよい。
【0150】
また、便器本体1の満水検知は、例えば、粉砕装置2に至るオーバーフロー排出口を設けて、この排出口から汚水が流れた場合に便器本体1が満水状態になったと検出することでも実行できる。
【0151】
この例では、水面検出センサ15に関してフロート式の場合について説明したが、これに限られることはない。電極式や、光学式、超音波式のセンサを用いても同様な効果が得られる。
【実施例4】
【0152】
続いて、図2及び図9を参照して、第4の実施例としてのトイレ装置100のシャワー水流入制御例について説明する。この実施例では、図1に示したように衛生洗浄便座30が便器本体1に取り付けられ、人体局部を洗浄する際のシャワー水(洗浄水)を流入制御する場合である。給水検出手段には流量センサ(小)14が使用され、便座電磁弁32によって衛生洗浄便座30の内部タンクに給水されるシャワー水の供給量を検出するようになされる。
【0153】
図2に示したCPU83は、流量センサ(小)14から出力されるシャワー水量信号S14を入力し、このシャワー水量信号S14に基づいて衛生洗浄便座30の内部タンクへの所定量のシャワー水を給水するように便座電磁弁32を制御する。シャワー水の供給量がその許容される流入量(以下で許容基準量ともいう)に達したことを検出すると、シャワー水の供給を停止するように便座電磁弁32を制御する場合を例にとる。なお、使用検出手段には便蓋開閉検出センサ11を用いる場合を例に挙げる。
【0154】
これらを制御条件にして、図9に示すフローチャートのステップE1で、図2に示したCPU83は、衛生洗浄便座30の使用開始を検出したか否かを判別する。この際の衛生洗浄便座30の使用開始を検出する手段には、便蓋開閉検出センサ11の他に押しボタンスイッチ等を用いてもよい。便蓋開閉検出センサ11は、衛生洗浄便座30の使用開始を検出すると、例えば、Hレベルの蓋開閉検出信号S11をCPU83に出力する。
【0155】
ステップE2でCPU83はHレベルの蓋開閉検出信号S11に基づいて便座電磁弁32を開動作する。このとき、CPU83は便座電磁弁32に例えば、Hレベルの電磁弁信号S32を出力する。便座電磁弁32はHレベルの電磁弁信号S32に基づいて図示しない弁を開動作する。
【0156】
ステップE3でCPU83は、衛生洗浄便座30の内部タンクへ流入するシャワー水の流量情報を取得する。このとき、流量センサ(小)14は、便座電磁弁32によって衛生洗浄便座30の内部タンクに給水されるシャワー水の供給量(流入量)を検出してシャワー水量信号S14をCPU83に出力する。
【0157】
ステップE4でCPU83はシャワー水量信号S14に基づいてシャワー水の流入量Vxを積算する。このとき、シャワー水量信号S14はアナログ・ディジタル(以下でA/Dという)変換され、CPU83はA/D変換後のシャワー水量データにサンプリング時間を設定し、サンプリング時間に基づいて流入量Vxを順次RAM82等に記憶する。
【0158】
ステップE5でCPU83はシャワー水の流入量Vxと許容基準量Vthとを比較して制御を分岐する。許容基準量Vthはシャワー水が衛生洗浄便座30の内部タンクに流入許容される比較基準値(量)である。CPU83は、流量センサ(小)14から取得したシャワー水の流入量Vxが許容基準量Vth(閾値)以下である場合は、ステップE2に戻って便座電磁弁32の開動作を継続する。
【0159】
シャワー水の流入量Vxが許容基準量Vthを越えた場合は、ステップE7に移行して便座電磁弁32を閉動作する。このとき、CPU83は便座電磁弁32に例えば、Lレベルの電磁弁信号S32を出力する。便座電磁弁32はLレベルの電磁弁信号S32に基づいて図示しない弁を閉動作する。これにより、シャワー水流入制御を終了する。
【0160】
一方で、ステップE2〜ステップE5に並行して、ステップE6でCPU83は衛生洗浄便座30の使用終了を検出する。その際に、便蓋開閉検出センサ11は、衛生洗浄便座30の使用終了を検出すると、例えば、Lレベルの蓋開閉検出信号S11をCPU83に出力する。衛生洗浄便座30の使用終了を検出していない場合は、衛生洗浄便座30の使用終了検出を継続する。衛生洗浄便座30の使用終了を検出した場合は、ステップE7に移行して便座電磁弁32を閉動作する。これによっても、シャワー水流入制御を終了する。
【0161】
このように第4の実施例としてのトイレ装置100によれば、制御ユニット8が流量センサ(小)14から出力されるシャワー水量信号S14を入力し、このシャワー水量信号S14に基づいてCPU83が衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の給水停止をするように便座電磁弁32を制御する。
【0162】
この制御によって、トイレ装置100の使用終了を検出する前に、衛生洗浄便座30の内部タンクに所定の給水量を越えるシャワー水の給水を停止できるようになる。しかも、衛生洗浄便座30の内部タンクに給水されたシャワー水の給水量が所定の給水量を越えたことが検出された場合は、衛生洗浄便座30の内部タンクに新たなシャワー水の流入を停止するので、シャワー水が溢れ出る事態を未然に防止できるようになる。これにより、汚水を一旦、圧送タンク3に貯留して圧送するトイレシステム10において、シャワー水が衛生洗浄便座30から便器本体1へ流出し、便器本体1から溢れ出すことを確実に防止できるようになる。
【0163】
この例では、給水検出手段に、流量センサ(小)14を使用する場合について説明したが、これに限られることはなく、流量センサ(小)14に代えて、配水管路中にフローセンサを取り付け、図8に示したステップE3で衛生洗浄便座30の内部タンクへ流入するシャワー水の流入時間を検出してもよい。フローセンサは、水が流れていた時間を測定するものである。
【0164】
その際には、制御ユニット8がフローセンサから出力されるシャワー水流入信号を入力し、シャワー水流入信号に基づいて、シャワー水の供給時間と、設定された比較基準値としての当該シャワー水の流入許容時間とを比較し、シャワー水の供給時間がシャワー水の流入許容時間に達したことを検出すると、シャワー水の供給を停止するように便座電磁弁32を制御するようになる。この制御によっても、トイレ装置100の使用終了を検出する前に、衛生洗浄便座30の内部タンクに所定の給水量を越えるシャワー水の給水を停止できるようになる。
【0165】
上述したシャワー水流入制御は、既存の衛生洗浄便座内にある着座センサと、シャワー用の電磁弁を使用しても同様な制御を行うことができるが、この例によれば、特定の衛生洗浄便座に依存することなく、衛生洗浄便座30へのシャワー水の使用量制限を実行できるようになる。
【0166】
ここで、図10〜図14を参照して、トイレ装置100の粉砕/搬送動作例について説明する。この実施例では、粉砕動作IIIa及び搬送動作IVa(排出動作)に並行して濯ぎ動作が実行される。搬送動作IVa後には圧送動作Vaが実行される。圧送動作Vaの後には後処理動作が実行され、この圧送動作Va及び後処理動作に並行して、濯ぎ動作が実行される。粉砕動作IIIaは、図5Aに示した時刻t34から図13Aに示す時刻t45に至り実行される。
【0167】
これらを動作条件にして、図10に示すフローチャートのステップF1でCPU83は便座蓋閉→開を検出する。便座蓋閉→開の検出については、第1、第4の実施例で説明しているので、その説明を省略する。
【0168】
ステップF2でCPU83は開閉弁動作時間や、洗浄水弁用モータ、排出弁動作時間、エアー抜き電磁弁動作時間、流量センサ動作時間等をタイマリセット処理する。開閉弁動作時間は仕切り弁2bの動作時間であり、洗浄水弁用モータには回転時間が含まれ、排出弁動作時間は、排出弁2kの動作時間であり、エアー抜き電磁弁動作時間は、エアー抜き電磁弁37の動作時間であり、流量センサ動作時間は、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14の動作時間である。これらの動作時間が設定される。
【0169】
ステップF3でCPU83は、流量センサ(大)13のカウント値をリセットする。ステップF4でCPU83は流水動作を実行する。流水動作については、第2の実施例で説明した通りである。ステップF5でCPU83は粉砕動作IIIaを実行する。この例では、図5Aに示した時刻t34から図13Aに示す時刻t45に至り粉砕動作IIIaが実行される。
【0170】
例えば、図11に示すサブルーチンをコールし、そのステップG1でCPU83は粉砕動作IIIaをオン(ON)するプログラムを実行する。この例では、洗浄水を含ませて汚物をほぐすほぐし処理時の設定回数が2通り設定される。設定回数をNc,Nbとすると、Nc>Nbに設定される。粉砕用モータ2sは粉砕動作IIIa時に時刻t34でオンする。このとき、モータ駆動データD35が制御ユニット8からモータ駆動部35に出力される。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ制御信号S2sはモータ駆動部35から粉砕用モータ2sに出力される。
【0171】
ステップG2でCPU83は粉砕用モータ2sの運転開始し、ta秒間だけ粉砕用モータ2sを正転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。このとき、モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sは、モータ制御信号S2sに基づいてta秒間だけ正転する。
【0172】
次に、ステップG3でCPU83は粉砕用モータ2sをtb秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sはtb秒間だけ停止する。
【0173】
更に、ステップG4でCPU83は粉砕用モータ2sをtc秒間逆転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sは、モータ制御信号S2sに基づいてtc秒間だけ逆転する。
【0174】
そして、ステップG5でCPU83は粉砕用モータ2sをtd秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sはtd秒間だけ停止する(ほぐし処理)。
【0175】
その後、ステップG6でCPU83はほぐし回数Nyと設定回数Nbとを比較してほぐし回数Nyが設定回数Nbに至ったか否かを判別する。ほぐし回数Nyが設定回数Nb以下の場合は、ステップG2に戻ってCPU83は上述したほぐし処理を繰り返す。
【0176】
ほぐし回数Nyが設定回数Nbを越えた場合は、ステップG7に移行してCPU83は第2回目のほぐし処理を実行するために、粉砕用モータ2sをta秒間正転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。
【0177】
ステップG8でCPU83は粉砕用モータ2sをtb秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。
【0178】
ステップG9でCPU83は粉砕用モータ2sをtc秒間逆転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。
【0179】
ステップG10でCPU83は粉砕用モータ2sをtd秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。
【0180】
ステップG11でCPU83はほぐし回数Nyと設定回数Nc(Nc>Nb)とを比較してほぐし回数に至ったか否かを判別する。ほぐし回数Nyが設定回数Nc以下の場合は、ステップG2に戻ってCPU83は上述したほぐし処理を繰り返す。ほぐし回数Nyが設定回数Ncを越えた場合は、ほぐし処理を終了してステップF5にリターンする。これにより、汚物がほど良く攪拌されることで、回転臼2i及び固定臼2hの中に汚物が入り込み易くなり、粉砕時間を短縮することができる。
【0181】
この例では、図13Aに示す時刻t45で、図13Nに示すモータ制御信号S2sがHレベルからLレベルに立ち下がるので、モータ駆動部35は粉砕用モータ2sを停止する。粉砕用モータ2sが停止することで、図1に示した回転臼2iの回転が汚物の粉砕を停止する。この例で、粉砕用モータ2sは、図13Aに示す時刻t45から時刻t68に至る時間停止している。
【0182】
その後、ステップF6でCPU83は搬送動作IVaを実行する。例えば、図12に示すサブルーチンをコールし、そのステップH1で、CPU83は排出弁用モータ3aを正転して排出弁2kを駆動し、開検出スイッチ3sをONする。この例では、図13Aに示す時刻t46で、図13Oに示すOFFからHレベルに立ち上がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。
【0183】
排出弁用モータ3aがモータ制御信号S3aに基づいて正転する。排出弁用モータ3aが正転すると、排出弁2kが開動作する。排出弁2kが開動作すると、洗浄水を含みほぐされた汚物、すなわち、汚物流動体が圧送タンク3に自然流下を開始するようになる。
【0184】
ステップH2で開検出スイッチ3sがオンしたか否かを検出し、この検出に基づいて制御を分岐する。開検出スイッチ3sのオンが検出されていない場合は、ステップH3に移行して、CPU83はタイマを起動し、排出弁2kの動作時間を計測する。排出弁2kの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップH2に戻ってCPU83は開検出スイッチ3sがオンするのを待つ。この例で、排出弁2kの開動作は時刻t48で完了する。
【0185】
ステップH3で開検出スイッチ3sの動作時間がタイムアップした場合は、ステップH4でCPU83は排出弁2kのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「排出弁の動作エラーです」等を表示する。排出弁2kの動作エラーは、排出弁用モータ3aの誤動作や、開検出スイッチ3sの誤動作等により表示される。
【0186】
ステップH2で開検出スイッチ3sのオンが検出された場合は、ステップH5に移行してCPU83は、排出弁用モータ3aの正転をOFFする。排出弁用モータ3aの正転OFF完了によって、排出弁2kが開くと、粉砕装置2の内部に在る汚物流動体が圧送タンク3内の空気と入れ替わるようにして流れ込む。
【0187】
その後、ステップH6でCPU83はエアー抜き電磁弁37をONする。この例では、図14Aに示す時刻t48で、図14Eに示すLレベルからHレベルに立ち上がるエアー抜き信号S37が制御ユニット8からエアー抜き電磁弁37に出力される。エアー抜き電磁弁37は、エアー抜き信号S37に基づいて図示しない弁を開閉する。この時刻t48にエアー抜き電磁弁37を開くと、汚物流動体が粉砕装置2から圧送タンク3へ排出するとき、エアー管3iを通じてタンク内の空気が圧送タンク3から粉砕装置2へバイパス(迂回)するようになる。
【0188】
ステップH7でCPU83はタイマを起動してエアー抜き電磁弁37の動作時間をセットする。この動作時間は、汚物流動体が粉砕装置2から圧送タンク3へ排出する時間となる。動作時間がタイムアップしたら、ステップH8に移行してCPU83はエアー抜き電磁弁37をOFFする。エアー抜き信号S37は時刻t54でHレベルからLレベルに立ち下がるので、エアー抜き電磁弁37は閉じる。
【0189】
この動作に並行して、ステップH8でCPU83は粉砕用モータ2sの低速正転をONする。その後、ステップH10でCPU83はタイマを起動して粉砕用モータ2sの低速運転時間をセットする。そして、ステップH11に移行する。
【0190】
ステップH11でCPU83は排出弁2kの動作時間をリセットする。その後、ステップH12でCPU83は排出弁用モータ3aを逆転して排出弁2kを閉動作させ、閉検出スイッチ3rをオン(ON)する。
【0191】
この例では、図13Aに示す時刻t54で、図13Oに示すOFFからLレベルに立ち下がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。排出弁用モータ3aがモータ制御信号S3aに基づいて逆転する。排出弁用モータ3aが逆転すると、排出弁2kが閉動作する。排出弁2kの閉動作は時刻t56で完了する。排出弁2kが閉じられると、粉砕装置2から圧送タンク3への流下経路(搬送路)が遮断される。排出弁2kは圧送動作に対応して気密性良く閉じられる。
【0192】
ステップH13でCPU83は閉検出スイッチ3rがオンしたか否かを検出し、この検出に基づいて制御を分岐する。閉検出スイッチ3rのオンが検出されている場合は、ステップH14で、排出弁用モータ3aの逆転をオフする。閉検出スイッチ3rのオンが検出されていない場合は、ステップH15に移行し、CPU83はタイマを起動して排出弁2kの動作時間を計測する。排出弁2kの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップH13に戻ってCPU83は閉検出スイッチ3rがオンするのを待つ。
【0193】
ステップH15で開検出スイッチ3sの動作時間がタイムアップした場合は、ステップH16でCPU83は排出弁2kのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「排出弁の動作エラーです」等を表示する。排出弁2kの動作エラーは、排出弁用モータ3aの誤動作や、開検出スイッチ3sの誤動作等により表示される。その後、図10に示したステップF7にリターンする。これらにより、粉砕動作IIIa及び搬送動作IVaを終了する。
【0194】
そして、ステップF7でCPU83は圧送動作Vaを実行する(第5の実施例を参照)。その後、ステップF8でCPU83は後処理動作を実行する(第7の実施例を参照)。これに並行してステップF9でCPU83は濯ぎ動作を実行する(第7の実施例参照)。
【0195】
この例では、ステップF5の粉砕動作IIIa、ステップF6の搬送動作IVa、ステップF7の圧送動作Va及び、ステップF8の後処理動作に並行して、ステップF9でCPU83は濯ぎ動作を実行する。更に、ステップF7の圧送動作Va及び、ステップF8の後処理動作に並行して、ステップF10でCPU83は濯ぎ動作を実行する(第7の実施例を参照)。
【実施例5】
【0196】
続いて、図2、図15〜図18を参照して、第5の実施例としてのトイレ装置100における圧力制御例について説明する。図15A,B及び図16A,Bにおいて、縦軸は圧力Pであり、圧送タンク3内の圧力である。横軸は、経過時間Tであり、エアーコンプレッサ6を動作させている時間である。図中の実線は、圧送タンク3内の経時的な圧力変化(圧力対時間曲線)であり、圧力対時間特性を示している。
【0197】
この実施例では、図2に示した制御ユニット8のCPU83が圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16を入力し、この圧力検出信号S16に基づいて汚物流動体に圧縮空気を作用するようにエアーコンプレッサ6を制御する。
【0198】
[通常検出動作]
例えば、図15Aに示す圧力対時間特性の縦軸に圧力Pの比較基準値としての閾値Pthが設定される。閾値Pthは例えば、ROM81等に記憶される。CPU83は図2に示したエアーコンプレッサ6の出力を制御する際に、圧送開始と共に、設定された閾値Pthと、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較する。
【0199】
CPU83は、圧送タンク3の内部の圧力値Pxが上昇し、一旦、信号レベル値が閾値Pth以上になってから再度、当信号レベル値が閾値Pthまで下がってきた時点に、汚物流動体の圧送終了とみなして圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。
【0200】
このように制御すると、汚物流動体圧送時の圧力Pの変化を捉えて、圧送終了や詰まり発生時の異常を検出できるようになり、エアーコンプレッサ6による加圧動作を通常停止又は緊急停止できるようになる。
【0201】
上述の閾値Pthは1個に限られることはなく、図15Bに示すように、2つの第1の閾値Pth1、第2の閾値Pth2のように設定してもよい。第1の閾値Pth1は第2の閾値Pth2よりも大きい値が設定される。CPU83は図1に示した圧送タンク3の内部の圧力が上昇し、一旦、信号レベル値が閾値Pth1以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pth2まで下がってきた時点に、汚物流動体の圧送終了とみなして圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。
【0202】
このように、圧力上昇時と、圧力下降時の閾値Pthを同じ値に設定しても、圧力上昇時の閾値Pth1と、圧力下降時の閾値Pth2のように異なる値を設定しても、どちらでも良い。
【0203】
また、図16Aに示す圧力対時間特性において、図2に示したCPU83は、圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力し、図示しないサンプリング用のクロック信号に基づいて圧力検出信号S16をサンプリングし、圧送タンク3の内部の圧力を一定時間間隔で測定する。
【0204】
CPU83は、ここに測定して得た圧送タンク3の内部の圧力検出時の信号レベル値(圧力値Px)と、前に測定した圧力値(例えば、最大値を与える信号レベル値(圧力値Pmax)とを比較して、前の圧力値よりも低くなった時点(Pmax>Px)で、汚物流動体の圧送終了とみなして圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。このように制御してもエアーコンプレッサ6を通常停止できる。
【0205】
更に、図16Aに示す圧力対時間特性において、図2に示したCPU83は、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3の内部の圧力を一定時間間隔で測定するところまでは上述した通りである。この例では、測定して得た圧送タンク3の内部の圧力値Pxを複数個記憶する。圧力値Pxは、例えば、制御ユニット8内のRAM82等に記憶する。
【0206】
CPU83は、RAM82等に記憶された圧力値Pxから、図16Bに示すような圧力変化勾配を計算する。CPU83は、計算した圧力変化勾配が上昇から下降に変化した時点で、汚物流動体の圧送終了とみなして圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。図16Bに示す例では、圧力対時間特性において、左側の3本が上向き勾配であり、右側の1本が下向き勾配になっている。このように圧力変化勾配が上昇から下降に変化した時点で、エアーコンプレッサ6を制御しても通常停止できる。
【0207】
[異常検出動作]
なお、CPU83は、異常検出用に設定された圧力の比較基準値としての閾値と、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値とを比較し、圧力検出信号S16の信号レベル値が設定された閾値以上になった場合に、給水、粉砕及び圧送を含む全動作を停止して異常を報知する。異常検出用の閾値は、通常動作時の閾値Pth,Pth1,Pth2よりも高い値、例えば、図15Bに示すような閾値Pth3が設定される。図中、二点鎖線は、圧力異常上昇時の圧力対時間特性を示している。
【0208】
CPU83は、トイレ装置100に電源が供給されている間、常時、圧力検出センサ16を介して圧送タンク3の内部の圧力を測定し、圧送タンク3の内部の圧力が図15Bに示した異常検出用の閾値Pth3以上になった時に全動作を停止し、異常を報知する。異常報知は、例えば、操作&表示部18や、音出力部19を通じて報知するとよい。
【0209】
また、CPU83は、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3の内部の圧力を一定時間間隔で測定し、測定して得た圧送タンク3の内部の圧力値と前に測定した圧力値とを比較し、一定時間以内に圧送タンク3の内部の圧力値が前の圧力値より低くならなかった場合に、給水、粉砕及び圧送を含む全動作を停止して異常を報知する。
【0210】
更に、CPU83は、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3の内部の圧力を一定時間間隔で測定し、測定して得た圧送タンク3の内部の圧力値を複数個記憶し、記憶された圧力値から圧力変化勾配を計算し、計算された圧力変化勾配が一定時間以内に上昇から下降に変化しなかった場合に、給水、粉砕及び圧送を含む全動作を停止して異常を報知する。
【0211】
この例では、図2に示した操作&表示部18や、音出力部19等は異常報知手段の一例を構成し、圧送タンク3の内部の圧力が異常状態であることが圧力検出センサ16及びCPU83によって検出されたとき、例えば、「圧送タンクの圧力が異常に上昇しています」等を報知(表示)するように動作する。
【0212】
続いて、図17を参照して、トイレ装置100における圧送動作例について説明をする。この実施例では、圧力を検出するための閾値が3つ設定される。第1の閾値Pth1は、例えば、エアーコンプレッサエラーを判別する値、第2の閾値Pth2は、配管詰まりを判別する値、及び、第3の閾値Pth3は、圧送タンク3の内の圧力異常上昇を判別する値が準備される。
【0213】
これを動作条件にして、図17に示すフローチャートのステップJ1で、CPU83はエアーコンプレッサ6をONする。この例では、図18Aに示す時刻t57で、図18Fに示すLレベルからHレベルに立ち上がる圧力制御信号S6が制御ユニット8からエアーコンプレッサ6に出力される。エアーコンプレッサ6は、圧力制御信号S6に基づいて空気を圧縮して圧送タンク3内に送出する。これにより、圧送タンク3内の流動体化された汚物が排出管3fを通じて備え付けの既設トイレ装置5に排出される。
【0214】
ステップJ2でCPU83は圧力検出センサ16が第1の閾値Pth1を越える圧力Pxを検出したか否かに基づいて制御を分岐する。その際の分岐判別は、設定された閾値Pth1と、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較してその大小を判別する。
【0215】
圧力検出センサ16が閾値Pth1を越える圧力を検出していない場合は、ステップJ3に移行してCPU83はタイマを起動して圧力検出センサ16の動作時間を計測する。圧力検出センサ16の動作時間が圧力上昇時間に到達していない場合は、ステップJ2に戻ってCPU83は圧力検出センサ16が圧力を検出するのを待つ(圧力上昇タイマ)。
【0216】
圧力検出センサ16の動作時間が圧力上昇時間に到達しても、なお、圧力検出センサ16が圧力を検出しない場合は、ステップJ4でエアーコンプレッサ6の動作エラーを報知する。例えば、操作&表示部18の画面に「エアーコンプレッサの動作エラーです」等を表示する。エアーコンプレッサ6の動作エラーは、安全弁の開放等により表示される。
【0217】
また、圧力検出センサ16が閾値Pth1を越える圧力を検出した場合は、ステップJ5で圧力検出センサ16が閾値Pth2を検出したか否かに基づいて制御を分岐する。その際の分岐判別は、設定された閾値Pth2と、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較してその大小を判別する。
【0218】
圧力検出センサ16が閾値Pth1を越える圧力を検出している場合は、ステップJ6に移行してCPU83はタイマを起動して配管詰まりを断定するための動作時間(タイマ値)と圧力検出センサ16の動作時間とを比較する。圧力検出センサ16の動作時間が配管詰まりタイマ値以下の場合はステップJ5に戻って圧力検出を継続する。
【0219】
圧力検出センサ16の動作時間が配管詰まりタイマ値を越える場合はステップJ7で配管詰まりエラーを報知する。例えば、操作&表示部18の画面に「配管詰まりエラーです」等を表示する。配管詰まりエラーは、排出管3f内に未粉砕の汚物等が引っかかった場合等により表示される。
【0220】
また、圧力検出センサ16が閾値Pth2を越える圧力を検出した場合は、ステップJ8で圧力検出センサ16が閾値Pth3を検出したか否かに基づいて制御を分岐する。その際の分岐判別は、設定された閾値Pth3と、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較してその大小を判別する。
【0221】
圧力検出センサ16が閾値Pth2を越え、閾値Pth3以下の圧力を検出している場合は、ステップJ9に移行してCPU83はタイマを起動して汚物流動体の圧送に要する圧送時間(タイマ値)と圧力検出センサ16の動作時間とを比較する。圧力検出センサ16の動作時間が汚物流動体の圧送時間以下の場合はステップJ5に戻って圧力検出を継続する。圧力検出センサ16の動作時間が汚物流動体の圧送時間を越える場合は、ステップJ10で配管詰まりエラーを報知する。報知方法は上述した通りである。
【0222】
更に、ステップJ8で圧力検出センサ16が閾値Pth3を越える圧力を検出した場合は、ステップJ11でエアーコンプレッサ6をOFFする(異常終了)。圧力検出センサ16が異常を検出することなく、圧力上昇後、閾値Pth2を再度検出した場合は、エアーコンプレッサ6をOFFする。この例では、図18Aに示す時刻t56で圧力検出センサ16による圧力検出信号S16が上昇し、時刻t65で急激に降下している。
【0223】
CPU83は、圧力検出信号S16の信号レベル値が閾値Pth1以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pth2まで下がってきた時点を捉え、この時点を汚物流動体の圧送終了とみなして、圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。このとき、圧送タンク3内の汚物流動体は全て既設トイレ装置5へ排出される(正常終了)。
【0224】
なお、図18Aに示す時刻t66で、図18Jに示すモータ制御信号S4eがLレベルからHレベルに立ち上がって、図1に示した既設トイレ装置5の洗浄水弁用モータ4e(図中では既設トイレ洗浄水モータと記す)がONする。時刻t68で、HレベルからLレベルに立ち下がる。既設トイレ装置5の定位置検出センサ20は時刻t66で原点の未検知状態となり、時刻t71で原点を検知し、既設トイレ装置5の洗浄を終了する。また、図18Hに示す排出お知らせLEDは引き続きONしたままである。図18Iに示す排出お知らせブザーは引き続きONしたままである。この例では時刻t25から時刻t98に至る間、Hレベルである。この間、排出お知らせLEDが点灯し、排出お知らせブザーが鳴動する。
【0225】
このように第5の実施例としてのトイレ装置100によれば、圧力検出センサ16がエアーコンプレッサ6によって汚物流動体に作用される圧縮空気の圧力を検出する。これを前提にして、制御ユニット8が圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16を入力し、この圧力検出信号S16に基づいて汚物流動体に圧縮空気を作用させるようにエアーコンプレッサ6を制御する。
【0226】
この制御によって、エアーコンプレッサ6の内部の圧力上昇や、その圧力降下等に対応して汚物流動体に作用させる圧縮空気の圧力を制御できるようになる。これにより、圧縮空気で汚物流動体を圧送する方式での圧送終了検出や汚物流動体の圧送時に配管詰まり等が発生した場合の異常検出を確実に実行できるようになる。もちろん、圧力検出センサ16に代えて圧送タンク3内に水位センサを取り付けて、圧送制御してもよい。
【実施例6】
【0227】
図19を参照して、第6の実施例としてのトイレ装置100の濯ぎ準備動作例について説明する。この例では、便器洗浄、粉砕、搬送及び圧送の各動作が二度の工程で行われることを前提にして、第1工程で、基本動作Iaは図5Aに示した時刻t1〜時刻t23で行われる。便器洗浄動作IIaは図5Aに示した時刻t23〜図13Aに示した時刻t46で行われる。粉砕動作IIIaは図13Aに示した時刻t46〜時刻t56で行われる。搬送(排出)動作IVaは図13Aに示した時刻t46〜時刻t56で行われる。圧送動作Vaは図13Aに示す時刻t56〜時刻t65で行われる。
【0228】
第2工程で、濯ぎ準備動作Ibは、例えば、図13Aに示した時刻t45〜時刻t56で行われる。便器洗浄動作IIbは、図13Aに示した時刻t56〜図18Aに示す時刻t68で行われる。濯ぎ粉砕動作IIIbは、図18Aに示した時刻t68〜時刻t73で行われる。搬送(排出)動作IVbは図18Aに示した時刻t73〜図18Aに示す時刻t84で行われる。濯ぎ圧送動作Vbは図18Aに示した時刻t84〜時刻t92で行われる。
【0229】
この実施例では、第1工程の圧送動作Vaが始まった時点で、濯ぎ準備動作Ibを開始し、圧送動作Va中に、第2工程の便器洗浄動作IIb及び濯ぎ粉砕動作IIIbを行なう。この時、第2工程の濯ぎ粉砕動作IIIbは、第1工程の粉砕動作IIIaよりも短い時間に設定される。この例では、粉砕動作IIIaの終了直前に濯ぎ準備動作Ibを開始する。
【0230】
これらを動作条件にして、例えば、図19に示すフローチャートのステップK1でCPU83は流量センサ(大)13のカウント値をリセットする。ステップK2でCPU83はタンク電磁弁31を開動作する。このとき、図13Aに示した便座蓋1aは閉状態であるが、時刻t45で、図13Dに示す電磁弁信号S31がLレベルからHレベルに立ち上がることで、タンク電磁弁31が閉→開に移行する。
【0231】
ステップK3でCPU83は流量センサ(大)13のカウント動作に基づいて制御を分岐する。流量センサ(大)13がカウントアップされていない場合は、ステップK5に移行し、CPU83はタイマを起動して流量センサ(大)13の動作時間を計測する。流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップK3に戻ってCPU83は流量センサ(大)13がタイムアップするのを待つ。
【0232】
流量センサ(大)13がカウントアップした場合は、ステップK4でCPU83はタンク電磁弁31を閉動作する。この例では、時刻t55で図13Dに示す電磁弁信号S31がHレベルからLレベルに立ち下がることで、タンク電磁弁31が開状態から閉状態(以下開→閉と記述する)に移行する。
【0233】
ステップK5でCPU83は流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップした場合は、ステップK6でCPU83は給水エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「給水エラーです」等を表示する。給水エラーは、手動バルブ40aの誤閉動等により表示される。これにより、汚物流動体の搬送動作IVaに並行した濯ぎ準備動作が終了する。
【0234】
この例では、汚物流動体の圧送動作Vaに並行して濯ぎ準備動作Ibを行えるので、処理時間が延びることを最小限に留めることができる。さらに処理時間を短縮することができる。
【0235】
例えば、CPU83が粉砕装置2から排出された汚物流動体の圧送動作Vaを開始するようにエアーコンプレッサ6を制御すると共に、濯ぎ用の濯ぎ水を受容して当該濯ぎ水で内部の濯ぎを開始するように粉砕装置2を制御する。
【0236】
この例で、CPU83は、回転臼2iが正転及び逆転を繰り返すように粉砕装置2を制御する。第1工程中の粉砕動作IIIaでは、回転臼2iを正転、逆転を繰り返すように回転させることで、汚物が良く攪拌され、汚物が回転臼2iと固定臼2hとの中に入り込み易くなる。これにより、汚物がほど良く攪拌されることで、回転臼2iと固定臼2hとの間に汚物が入り込み易くなり、粉砕時間を短縮することができる。
【0237】
これに対して、第2工程では、粉砕する汚物が無いので、第1工程に比べて、CPU83は、濯ぎ開始直後、第1工程よりも、短い回転時間で正・逆転等を行って終了する。例えば、濯ぎ開始直後、第1工程よりも、回転臼2iを短い周期で正転及び逆転を繰り返すように粉砕装置2を制御し、その後、回転臼2iが濯ぎ開始直後に比べて長い周期で正転及び逆転を繰り返すように粉砕装置2を制御する。これにより、濯ぎ粉砕時間をより短縮することができる。
【0238】
粉砕開始後の数回は、回転臼2iの回転時間を短く設定して、回転臼2iの正逆転を繰り返し、その後、その回転時間を長く設定して、回転臼2iの正逆転を繰り返す運転をする。この結果、より粉砕時間を短縮することができる。なお、第2工程では、基本的に粉砕する汚物が存在しないことから、単一の所定時間、正・逆回転を行うようにしてもよい。また、第1工程よりも短い濯ぎ粉砕時間としてもよい。
【0239】
このように、第6の実施例に係るトイレ装置100によれば、CPU83は、第1工程で粉砕装置2から排出された汚物流動体の圧送を開始するようにエアーコンプレッサ6を制御すると共に、第2工程で濯ぎ用の濯ぎ水を受容して当該濯ぎ水で便器本体1の内部を濯ぎ開始するように、仕切り弁機構部2aを制御し、その後、粉砕装置2の内部を濯ぎ開始するように粉砕装置2を制御する。
【0240】
この制御によって、第1工程におけるエアーコンプレッサ6による汚物流動体の圧送処理に並行して、第2工程における仕切り弁機構部2a及び粉砕装置2による濯ぎ処理を実行できる。これにより、エアーコンプレッサ6による汚物流動体の圧送処理後に粉砕装置2による濯ぎ処理を実行する場合に比べてトイレ装置100における汚物処理時間を短縮することができる。しかも、濯ぎ工程に要する時間を最小限に留めることができ、粉砕装置2からの悪臭や、排出管部材の詰まりを防止しながら汚物処理時間を短縮することができる。
【0241】
また、CPU83は、第1工程における汚物と洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成す粉砕動作IIIaよりも、第2工程における濯ぎ用の濯ぎ水を受容すると共に粉砕装置2の内部を濯ぎ水で濯いで濯ぎ流動体と成す濯ぎ粉砕動作IIIbの処理時間を短く設定している。このように設定すると、さらに汚物処理時間を短縮することができる。
【実施例7】
【0242】
続いて、図20〜図24を参照して、第7の実施例としてのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その1〜5)について説明をする。この実施例では、CPU83が便蓋開閉検出センサ11から使用終了情報を入力し、使用終了情報に基づいて便器本体1の使用が終了したことを検出すると、仕切り弁2bを開動作させるように仕切り弁用モータ2cを制御する。これと共に、CPU83は洗浄水弁4bを開動作させるように洗浄水弁用モータ4aを制御する。
【0243】
更に、CPU83は、便器本体1から汚物及び洗浄水を粉砕装置2へ流下させた後、仕切り弁2bを閉動作させるように仕切り弁用モータ2cを制御する。これと共に、CPU83は便器本体1の底部に溜め水を作るために、洗浄水弁4bが開動作した状態で給水タンク4に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、洗浄水弁4bを閉動作するように洗浄水弁用モータ4aを制御する。この例では、衛生洗浄便座30でなく、便座蓋1a及び便座1bを有した便器本体1の場合について説明をする。
【0244】
これらを制御条件にして、図20Aに示すトイレ装置100は初期状態である。図20Aにおいて、便蓋開閉検出センサ11は、便器本体1(衛生洗浄便座30の場合であってもよい)の使用終了を示す使用終了情報を制御ユニット8に出力している。例えば、制御ユニット8では、便座蓋1aの閉操作に対応して、図2に示した便蓋開閉検出センサ11からCPU83へ使用終了情報としての便蓋閉を示すLレベルの蓋開閉検出信号S11が出力される。
【0245】
タンク電磁弁31はCPU83から電磁弁信号S31を入力して閉動作を維持している。給水タンク4には所定の水量の洗浄水が貯留されている。仕切り弁2b及び洗浄水弁4bは閉動作を維持している(図5H,Kに示した時刻t34,t35を参照)。便器本体1内の底部には溜め水が作られている(図5D,Eに示した時刻t35,t36を参照)。洗浄水弁4bは、給水タンク4の洗浄水を便器本体1に流水する際に開く。タンク電磁弁31は、給水タンク4に洗浄水を供給する際に開く。それぞれ制御可能として、排泄後に以下の動作を行う。
【0246】
図20Bに示すトイレ装置100の排泄時の状態によれば、便蓋開閉検出センサ11から制御ユニット8には、衛生洗浄便座30の使用開始を示す使用開始情報(以下で便器使用情報ともいう)が出力されている。例えば、制御ユニット8では、図2に示した便蓋開閉検出センサ11からCPU83へ使用開始情報としての便蓋開を示すHレベルの蓋開閉検出信号S11が出力される。便器本体1内の底部には溜め水及び、使用者から排泄された汚物(図中の白抜き楕円)が存在している。この時点では、タンク電磁弁31は閉動作のままであり、給水タンク4には所定の水量の洗浄水が貯留されている。仕切り弁2b及び洗浄水弁4bは閉動作を維持している。
【0247】
図21Aに示すトイレ装置100の使用終了検出後の状態によれば、便器本体1の洗浄を開始するようになる。このとき、便蓋開閉検出センサ11から制御ユニット8には、衛生洗浄便座30の使用終了を示す使用終了情報(以下で便器使用情報ともいう)が出力されている。例えば、制御ユニット8では、図2に示した便蓋開閉検出センサ11からCPU83へ使用終了情報としての便蓋閉を示すLレベルの蓋開閉検出信号S11が出力される。この時点で、モータ駆動部34から仕切り弁用モータ2cへモータ制御信号S2cが出力され、仕切り弁2bが閉→開動作に移行する。
【0248】
この仕切り弁2bの閉→開動作の移行により、便器本体1内の底部に存在していた溜め水及び汚物が粉砕装置2へ落下し始める。なお、タンク電磁弁31は閉動作のままであり、給水タンク4には所定の水量の洗浄水が貯留されたままである。
【0249】
図21Bに示すトイレ装置100の便器洗浄中の状態によれば、仕切り弁2bが全開動作となると共に、便器洗浄駆動部33から洗浄水弁用モータ4aへモータ制御信号S4aが出力され、洗浄水弁4bが閉→開動作に移行する。この洗浄水弁4bの閉→開動作の移行により、給水タンク4に貯留されていた所定の水量の洗浄水が便器本体1内に流入される。これにより、便器本体1内の底部に滞在していた溜め水及び汚物が洗浄水と共に粉砕装置2へ落下する。なお、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままであり、タンク電磁弁31は閉動作のままである。
【0250】
図22Aに示すトイレ装置100の便器洗浄終了時の状態によれば、モータ駆動部34から仕切り弁用モータ2cへモータ制御信号S2cが出力され、仕切り弁2bが開→閉動作に移行する(図13Kの時刻t68参照)。この仕切り弁2bの開→閉動作は、便器本体1内の底部に溜め水を作るためである。なお、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままであり、タンク電磁弁31は閉動作のままである。更に、洗浄水弁4bも全開動作(図13Jに示した時刻t58〜t69を参照)したままである。
【0251】
図22Bに示すトイレ装置100の溜め水実行時の状態によれば、洗浄水弁4bは全開動作のままである。洗浄水弁4bの全開動作は、便器本体1内に溜め水を作るためである。この時点で、タンク電磁弁31は、CPU83から電磁弁信号S31を入力して閉→開動作に移行する。流量センサ(大)13は給水タンク4内へ注水する洗浄水の注入流量(溜め水相当量)を計測する。このとき、給水タンク4内に洗浄水が供給されるが、洗浄水弁4bが開いているので、そのまま便器本体1に落ちる。
【0252】
給水タンク4を通過して溜め水相当量の洗浄水が便器本体1内に流水される。これにより、洗浄水の流入と一連して溜め水を実行できるようになり、便器本体1内の底部に所定の流量の溜め水を作ることができる(図13D,Eに示した時刻t68,t69を参照)。なお、仕切り弁2bは全閉動作のままである。仕切り弁2bの全閉動作は、便器本体1内の底部に存在する溜め水を維持するためである。便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままである。
【0253】
図23Aに示すトイレ装置100の溜め水終了時の状態によれば、タンク電磁弁31は開→閉動作に移行する。タンク電磁弁31の開→閉動作は、一旦、給水タンク4への洗浄水の供給を停止することで、流量センサ(大)13をリセットするためである。流量センサ(大)13をリセットすることで、給水タンク4に正確な流量の洗浄水を供給できるようになる。洗浄水弁4bは開→閉動作に移行される(図13Jの時刻t70参照)。この洗浄水弁4bの開→閉動作は、給水タンク4に次回の洗浄水を貯留する収容容量を確保するためである。なお、仕切り弁2bは全閉動作(図13Kの時刻t69以降)のままであり、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままである。
【0254】
図23Bに示すトイレ装置100の洗浄水注水開始時の状態によれば、洗浄水弁4bは閉動作を維持する。なお、仕切り弁2bは全閉動作のままであり、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままである。なお、CPU83は、粉砕装置2に流下された洗浄水を汚物に含ませて粉砕し汚物流動体と成し、汚物流動体を圧送タンク3へ流下させる共に、当該圧送タンク3へ圧縮空気を供給して汚物流動体を廃棄場所へ導いて排出するように制御する。
【0255】
図24に示すトイレ装置100の洗浄水注水の状態によれば、洗浄水弁4bは全閉動作のままである。この洗浄水弁4bの全閉動作は、給水タンク4に貯留された次回の洗浄水を維持するためである。この時点で、タンク電磁弁31は、CPU83から電磁弁信号S31を入力して閉→開動作に移行する。流量センサ(大)13は所定の流量の洗浄水を計測すると、タンク電磁弁31は開→閉動作に移行する。タンク電磁弁31の全閉動作は、給水タンク4への洗浄水の供給を停止するためである。これにより、図20Aに示したように給水タンク4に所定流量の次回の洗浄水を溜めることができる(洗浄水給水制御)。なお、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままである。洗浄水給水制御はトイレ装置100の使用前に行ってもよい。
【0256】
このように、第7の実施例としてのトイレ装置100によれば、排泄された汚物と便器本体1を洗浄するための洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、この汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き排出する場合に、CPU83は、便蓋開閉検出センサ11から使用終了情報を入力し、使用終了情報に基づいて便器本体1の使用が終了したことを検出すると、仕切り弁用モータ2cを開制御すると共に仕切り弁2bを開動作させ、その後、洗浄水弁用モータ4aを開制御して洗浄水弁4bを開動作させる。
【0257】
この開動作により、便器本体1から汚物及び洗浄水が粉砕装置2へ流下する。その後、CPU83は、仕切り弁用モータ2cを閉制御すると共に仕切り弁2bを閉動作させ、この洗浄水弁4bが開動作した状態で、給水タンク4に洗浄水を給水するようにタンク電磁弁31を開制御し、所定の時間経過後、タンク電磁弁31を閉制御する。その後、洗浄水弁4bを閉制御した後、タンク電磁弁31を開制御し、所定の時間経過後、給水タンク4に次回の洗浄水を溜め、当該タンク電磁弁31を閉制御する。
【0258】
この制御によって、便器本体1から汚物及び洗浄水を粉砕装置2へ流下した後、当該便器本体1内に新たな溜め水を残存できるようになる。これにより、従来方式の便器本体1内に設けられていた「せき」の構造が不要となり、トイレシステムを小型化できる。しかも、トイレ使用後の溜め水により、便器本体1の下部に付着した汚物が乾燥することなく、次回の便器本体の使用時、溜め水と共に汚物を粉砕装置2へ流下できるようになる。
【0259】
なお、溜め水の貯留量や、給水タンク4内の洗浄水の貯水量については、流量センサ(大)13に基づく流入量(カウント値)により管理する場合について説明したが、これに限られることはなく、溜め水や洗浄水等の貯水量に関してフローセンサ等による流入時間によって管理してもよい。
【0260】
この実施例では、洗浄水弁4bを開動作したまま洗浄水の流入と一連して溜め水を作る場合について説明したが、これに限られることはなく、給水タンク4内に溜め水分の水量を残して洗浄水弁4bを一旦閉じ、仕切り弁2bを閉じてからその洗浄水弁4bを開くことで溜め水を行ってもよい。また、溜め水の注水の際に、一旦、洗浄水弁4bを閉じて、給水タンク4内に溜め水分の水量を溜めてから、再度、洗浄水弁4bを開いてもよい。更に、給水管4dとは別に溜め水用の給水経路を設けて、洗浄水とは別に給水管理を実行してもよい。
【実施例8】
【0261】
続いて、図25を参照して、第8の実施例としてのトイレ装置100の溜め水/小間隙制御例について説明する。この実施例では、CPU83が便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が開始されたことを検出すると、便器本体1の使用開始と同時に、又は、その使用開始の一定時間後に、仕切り弁機構部2aを動作させ、洗浄水が粉砕装置2に流れる程度の隙間を開けて当該仕切り弁機構部2aを停止させるように仕切り弁用モータ2cを制御する。
【0262】
図1に示した仕切り弁機構部2aは、便器本体1と粉砕装置2との間に開閉可能に配設されて便器本体1の底部に洗浄水を溜める。仕切り弁用モータ2cは仕切り弁機構部2aを開閉動作させる。これを前提にして、便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が開始されたことを検出すると、仕切り弁機構部2aを開動作させて便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成する。
【0263】
または、便座シャワーの使用開始を検出して、使用開始と同時に又は使用開始の一定時間後に仕切り弁を動作させて水が粉砕室に流れる程度の隙間を開け停止させる。この制御によって、多くの便器洗浄用の洗浄水等が便器本体1の内部に溜まる前に、あらかじめ水を少しずつ粉砕装置2内へ落としておくことで、使用終了後に仕切り弁2bを開放するときに、洗浄水が便器本体1内に溜まっていないので、飛び散りを防止できるようになる。
【0264】
この例では、便器本体1に洗浄水を溜める際に、仕切り弁2bが閉じている状態で、便器本体1に洗浄水が溜め込まれる。これらを動作条件にして、図30のフローチャートのステップL1でCPU83はタンク電磁弁31を開動作する。例えば、図13Aに示した便座蓋1aは閉状態であるが、時刻t45で、図13Dに示す電磁弁信号S31がLレベルからHレベルに立ち上がることで、タンク電磁弁31が閉→開に移行する。
【0265】
ステップL2でCPU83は流量センサ(大)13のカウント動作に基づいて制御を分岐する。流量センサ(大)13がカウントアップした場合は、ステップL3でCPU83はタンク電磁弁31を閉動作する。この例では、時刻t55で図13Dに示す電磁弁信号S31がHレベルからLレベルに立ち下がることで、タンク電磁弁31が開状態から閉状態(以下開→閉と記述する)に移行する。
【0266】
流量センサ(大)13がカウントアップされていない場合は、ステップL4に移行し、CPU83はタイマを起動して流量センサ(大)13の動作時間を計測する。流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップL2に戻ってCPU83は流量センサ(大)13がカウントアップするのを待つ。
【0267】
ステップL4でCPU83は流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップした場合は、ステップL5でCPU83は給水エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「給水エラーです」等を表示する。給水エラーは、手動バルブ40aの誤閉動等により表示される。
【0268】
上述のタンク電磁弁31が開→閉に移行した後、ステップL6でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをONする。洗浄水弁用モータ4aのONによって、洗浄水が給水タンク4から給水管4dを通って便器本体1の内部に流入される。ステップL7でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのタイマを起動する。便器本体1に溜めるべき洗浄水の量がカウントされる。
【0269】
洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップしたらステップL8でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをOFFする。このOFFで、給水タンク4から給水管4dを通って便器本体1の内部に流入れていた洗浄水が停止する。これにより、一定量の洗浄水を便器本体1の内部に溜めることができる(第7の実施例:溜め水参照)。
【0270】
その後、ステップL9でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのオフタイマを起動する。洗浄水弁用モータ4aのオフタイマがカウントアップしたらステップL10でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをONする。その後、ステップL11でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのタイマをリセットする。
【0271】
そして、ステップL12でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのオフタイマをリセットする。ステップL13でCPU83は原点検出する。原点検出した場合は、ステップL14でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをOFFする。
【0272】
原点検出していない場合は、ステップL15でCPU83はタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップしたか否かを監視する。洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップL13に戻る。洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップした場合は、ステップL16でCPU83は洗浄水弁用モータのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「洗浄水弁4bエラーです」等を表示する。洗浄水弁4bエラーは、洗浄水弁4bや、便器洗浄駆動部33等の故障により表示される。
【0273】
この例では、ステップL9〜L16の動作に並行して、ステップL17でCPU83は小間隙制御を実行する。例えば、CPU83は、便器本体1の使用開始と同時に、又は、その使用開始の一定時間後に、便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成するためのモータ駆動データD34をモータ駆動部34へ出力する。
【0274】
モータ駆動部34は、モータ駆動データD34をデコードして、便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成するためのモータ制御信号S2cを生成する。モータ駆動部34に接続された仕切り弁用モータ2cは、モータ制御信号S2cに基づいてわずかに回動すると、図1に示した仕切り弁2bがわずかに開方向に摺動して、便器本体1と粉砕装置2との間の開口部2gに小間隙が形成される。
【0275】
これにより、便器本体1と粉砕装置2との間を連通するように仕切り弁用モータ2cを制御できるようになる。CPU83は、仕切り弁2bを動作させて洗浄水が収容容器22内にわずかに流れる程度の微小な隙間を開けて仕切り弁用モータ2cを停止させる。これにより、汚物及び洗浄水が便器本体1から粉砕装置2へ流入する排出搬送時、汚水の飛び散りを防止できるようになる。
【0276】
もちろん、小間隙制御のトリガは便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11に限られることはなく、CPU83が衛生洗浄便座30から使用開始信号を入力し、使用開始信号に基づいて衛生洗浄便座30の使用が開始されたことを検出すると、便器本体1の使用開始と同時に、又は、その使用開始の一定時間後に、仕切り弁機構部2aを動作させ、洗浄水が粉砕装置2に流れる程度の隙間を開けて当該仕切り弁機構部2aを停止させるように仕切り弁用モータ2cを制御してもよい。
【0277】
ここで図26を参照して、トイレ装置100の濯ぎ動作例について説明する。この例では、濯ぎ粉砕動作IIIbを実行するための洗浄水を便器本体1に流入して濯ぎ動作を実行する場合を例に挙げる。これを動作条件にして、図26に示すフローチャートのステップQ1でCPU83は濯ぎ動作をONする。濯ぎ動作をONとは、第1工程で動作した便器本体1、粉砕装置2、圧送タンク3及び排出管3f内等を濯ぐ動作を開始することをいう。
【0278】
ステップQ2でCPU83はタンク電磁弁31や、仕切り弁機構部2aの開閉弁動作時間や、洗浄水弁用モータ4aの動作時間、排出弁動作時間、エアー抜き電磁弁動作時間、流量センサ動作時間等をタイマリセット処理する。開閉弁動作時間はタンク電磁弁31や、仕切り弁機構部2aの仕切り弁2b等の動作時間であり、洗浄水弁用モータ4aの動作時間には回転時間が含まれ、排出弁動作時間は、排出弁2kの動作時間であり、エアー抜き電磁弁動作時間は、エアー抜き電磁弁37の動作時間であり、流量センサ動作時間は、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14の動作時間である。これらの動作時間が設定される。
【0279】
ステップQ3でCPU83は、流量センサ(大)13のカウント値をリセットする。このカウントリセットは、新たに給水タンク4に流入する洗浄水の量を設定するためである。ステップQ4でCPU83は流水動作を実行する。この例では、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水(洗浄水)の流入は不許可のままであり、流量センサ(小)14は、未検知状態である。図13Aに示す時刻t56〜t68の便器洗浄動作IIbが流水動作に対応している。
【0280】
これによれば、図13Aに示した時刻t58で図13Kに示すモータ制御信号2ScがOFFから正転を示すレベルに一瞬立ち上がることで、仕切り弁用モータ2cが正転して仕切り弁2bを開動作させる。図13Aに示す時刻t56で図13Hに示すモータ制御信号S4aがLレベルからHレベルに立ち上がる。
【0281】
洗浄水弁4bは、図13Jに示すように閉状態から開状態に移行し、時刻t56〜t70に至るまで開状態を継続する。時刻t58で、図13Hに示すモータ制御信号S4aがHレベルからLレベルに立ち下がるので、洗浄水弁用モータ4aが停止する。時刻t58で、図13Kに示すモータ制御信号S2cがOFFからHレベルに立ち上がり、仕切り弁用モータ2cが正転し開始する。その際に、開検出スイッチ25は時刻t61でオンして、開検出信号S25を制御ユニット8に出力する。
【0282】
図13Aに示す時刻t58〜時刻t61の動作時間で仕切り弁用モータ2cが正転する。時刻t65で図13Kに示すモータ制御信号S2cがOFFから逆転開始し、時刻t65〜t68の動作時間で仕切り弁用モータ2cが立ち下がり、仕切り弁用モータ2cが逆転し、その後、OFFする。開検出スイッチ25は時刻t65でオフする。
【0283】
図13Aに示す時刻t68で閉検出スイッチ26がオンして、図13Mに示す閉検出信号S26を制御ユニット8に出力する。定位置検出センサ12は、洗浄水の流入と共に原点の検出状態となると、図13Iに示すLレベルからHレベルに立ち上がる定位置検出信号S12を制御ユニット8に出力する(時刻t70を参照)。
【0284】
そして、ステップQ5でCPU83は濯ぎ粉砕動作IIIbを実行する。この例では、図18Aに示した時刻t68から図18Aに示す時刻t73に至り、濯ぎ粉砕動作IIIbが実行される。粉砕用モータ2sは濯ぎ粉砕動作時に時刻t69でオンする。モータ駆動部35は図13Aに示した時刻t69で、LレベルからHレベルに立ち上がる図13Nに示すようなモータ制御信号S2sを粉砕用モータ2sへ出力する。
【0285】
例えば、図27に示すサブルーチンをコールし、そのステップR1でCPU83は濯ぎ動作をオン(ON)するプログラムを実行する。この例では、濯ぎ処理時の濯ぎ回数が設定される。設定回数をNdとする。
【0286】
粉砕用モータ2sは濯ぎ動作時に時刻t69でオンする。このとき、モータ駆動データD35がCPU83からモータ駆動部35に出力される。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ制御信号S2sはモータ駆動部35から粉砕用モータ2sに出力される。
【0287】
ステップR2でCPU83は粉砕用モータ2sの運転開始し、ta秒間だけ粉砕用モータ2sを正転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。このとき、モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ駆動部35はモータ制御信号S2sを粉砕用モータ2sへ出力する。粉砕用モータ2sは、モータ制御信号S2sに基づいてta秒間だけ正転する。
【0288】
次に、ステップR3でCPU83は粉砕用モータ2sをta秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ駆動部35はモータ制御信号S2sを粉砕用モータ2sへ出力する。粉砕用モータ2sはta秒間だけ停止する。
【0289】
更に、ステップR4でCPU83は粉砕用モータ2sをta秒間逆転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sは、モータ制御信号S2sに基づいてta秒間だけ逆転する。
【0290】
そして、ステップR5でCPU83は粉砕用モータ2sをta秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sはta秒間だけ停止する(濯ぎ処理)。
【0291】
その後、ステップR6でCPU83は濯ぎ回数Nzと設定回数Ndとを比較して濯ぎ回数Nzが設定回数Ndに至ったか否かを判別する。濯ぎ回数Nzが設定回数Nd以下の場合は、ステップR2に戻ってCPU83は上述した濯ぎ処理を繰り返す。濯ぎ回数Nzが設定回数Ndに至った場合は、濯ぎ処理を終了してステップQ5にリターンする。
【0292】
その後、ステップQ6でCPU83は搬送動作IVbを実行する。搬送動作IVbは、図18Aに示す時刻t73〜時刻t84に行われる。図18Aに示す時刻t74で、図18Oに示すOFFからHレベルに立ち上がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。排出弁2kの開動作は時刻t76で完了する。
【0293】
また、図18Aに示す時刻t76で、図18Eに示すLレベルからHレベルに立ち上がるエアー抜き信号S37が制御ユニット8からエアー抜き電磁弁37に出力される。エアー抜き信号S37は時刻t82でHレベルからLレベルに立ち下がるので、エアー抜き電磁弁37は閉じる。
【0294】
図18Aに示す時刻t74で、図18Bに示すOFFからHレベルに立ち上がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。排出弁2kの開動作は時刻t76で完了する。図18Aに示す時刻t82で、図18Bに示すOFFからLレベルに立ち下がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。排出弁2kの閉動作は時刻t84で完了する。
【0295】
更に、ステップQ7でCPU83は濯ぎ圧送動作Vbを実行する。濯ぎ圧送動作Vbは、図18Aに示す時刻t84〜時刻t92に行われる。図18Aに示す時刻t85で、図18Fに示すLレベルからHレベルに立ち上がる圧力制御信号S6が制御ユニット8からエアーコンプレッサ6に出力される。エアーコンプレッサ6は、圧力制御信号S6に基づいて空気を圧縮して圧送タンク3内に送出する。これにより、圧送タンク3内の濯ぎ流動体が排出管3fを通じて備え付けの既設トイレ装置1005に排出される。
【0296】
圧力制御信号S6は時刻t92でHレベルからLレベルに立ち下がる。この例では、圧送タンク3の内部の圧力が上昇、すなわち、図18Aに示す時刻t85で圧力検出センサ16による圧力検出信号S16が上昇し、時刻t92で急激に降下している。CPU83は、圧力検出信号S16の信号レベル値が閾値Pth以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pthまで下がってきた時点を捉え、この時点を汚物流動体の圧送終了とみなして、圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。このとき、圧送タンク3内の濯ぎ水は全て既設トイレ装置1005へ排泄されている。
【0297】
その後、ステップQ8でCPU83は後処理動作を実行する。例えば、図28に示すサブルーチンをコールして、そのステップU1でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをONする。ステップU2でCPU83はタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの動作時間を計測する。動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップU2でCPU83は動作時間を計測する。動作時間がタイムアップした場合は、ステップU3でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオフする。
【0298】
そして、ステップU4でタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの停止時間を計測する。停止時間がタイムアップしていない場合は、ステップU4でCPU83は停止時間を計測する。停止時間がタイムアップした場合は、ステップU5でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオンする。
【0299】
その後、ステップU8でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのタイマをリセットする。ステップU9でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのオフタイマをリセットする。そして、ステップU8で、CPU83は定位置検出センサ12が給水タンク4の原点を検出したか否かに基づいて制御を分岐する。
【0300】
この例では、定位置検出センサ12が洗浄水の流出と共に原点を未検出状態となり、図5Iに示すHレベルからLレベルに立ち下がる定位置検出信号S12をCPU83に出力する。定位置検出センサ12が原点を検出していない場合は、ステップU10に移行しCPU83はタイマを起動して洗浄水弁4bの動作時間を計測する。洗浄水弁4bの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップU8に戻って定位置検出センサ12が原点を検出するのを待つ。
【0301】
ステップU10で洗浄水弁4bの動作時間がタイムアップした場合は、ステップU11でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「洗浄水弁用モータの動作エラーです」等を表示する。洗浄水弁用モータ4aの動作エラーは、タンク電磁弁31の閉誤動作や、洗浄水弁4bの開誤動作等により表示される。上述のステップU8で定位置検出センサ12が給水タンク4の原点を検出した場合は、ステップU9でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをOFFする。これにより、後処理動作を完了する。これで、トイレ装置100における一連の汚物処理が終了する。
【0302】
ここで、図29及び図30を参照してトイレ装置100における2つの掃除モードについて説明する。
[第1の掃除モード]
図29に示す第1の掃除モードによれば、図2に示したCPU83は便座蓋1aが閉った状態で第1の掃除モードを実行する。ステップV1でCPU83は操作&表示部18の掃除モードボタンが1回操作されると、第1の掃除モードがCPU83に設定される。
【0303】
第1の掃除モードが設定されると、ステップV2でCPU83は便蓋開閉検出センサ11から出力される蓋開閉検出信号S11の入力を無視して、第1の掃除モードを実行する。つまり、便座蓋1aを途中で開いても、蓋開閉検出信号S11をトリガにした動作の開始又は他の動作への移行がなされない。
【0304】
ステップV3でCPU83は手動スイッチの押下操作に対応して制御を分岐する。手動スイッチが押下されない場合であって、ステップV4で掃除モードボタンが2回押下操作されると、ステップV5で仕切り弁用モータ2cを正転し、tc秒後に、仕切り弁用モータ2cを停止する。
【0305】
その後、CPU83は手動スイッチの押下操作に対応して制御を分岐する。手動スイッチが押下されない場合であって、ステップV7で掃除モードボタンが3回押下操作されると、ステップV8に移行する。ステップV8で準備動作を実行する。準備動作については、図4で説明しているので、その説明を省略する。その後、ステップV9で粉砕動作IIIbを実行する。粉砕動作IIIbについては、図10、図11で説明した通りであるので、その説明を省略する。これにより、便座蓋1aが閉った状態で、操作&表示部18の掃除モードボタンを1回、2回、3回と押下すると、第1の清掃モードを実行できるようになる。
【0306】
[第2の掃除モード]
図30に示す第2の掃除モードによれば、図2に示したCPU83は便座蓋1aが開いた状態で第2の掃除モードを実行する。ステップW1でCPU83は操作&表示部18の掃除モードボタンが1回操作されると、第2の掃除モードがCPU83に設定される。
【0307】
第2の掃除モードが設定されると、ステップW2でCPU83は便蓋開閉検出センサ11から出力される蓋開閉検出信号S11の入力を無視して、第2の掃除モードを実行する。つまり、便座蓋1aを途中で閉めても、蓋開閉検出信号S11をトリガにした動作の終了又は他の動作への移行がなされない。
【0308】
ステップW3でCPU83は便座電磁弁32を閉動作する。シャワー水が便器本体1に流入されるのを防止するためである。なお、タンク電磁弁31は開動作のままである。新たな洗浄水を補充するためである。
【0309】
そして、ステップW4でCPU83は手動スイッチの押下操作に対応して制御を分岐する。手動スイッチが押下されない場合であって、ステップW4で掃除モードボタンが2回押下操作されると、ステップW5で仕切り弁用モータ2cを正転し、tc秒後に、仕切り弁用モータ2cを停止する。
【0310】
その後、CPU83は手動スイッチの押下操作に対応して制御を分岐する。手動スイッチが押下されない場合であって、ステップW7で掃除モードボタンが3回押下操作されると、ステップW8に移行する。ステップW8で粉砕動作IIIbを実行する。粉砕動作IIIbについては、図10、図11で説明した通りであるので、その説明を省略する。これにより、便座蓋1aが開いた状態で、操作&表示部18の掃除モードボタンを1回、2回、3回と押下すると、第2の清掃モードを実行できるようになる。
【0311】
このように第8の実施例としてのトイレ装置100によれば、CPU83は、便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が開始されたことを検出すると、仕切り弁機構部2aを開動作させて便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成し、当該便器本体1と粉砕装置2との間を連通するように仕切り弁用モータ2cを制御するようになる。
【0312】
この制御によって、多くの洗浄水が便器本体1の底部に溜まる前に、予め洗浄水を少しずつ粉砕装置2へ落とし、粉砕装置2の内部の空気を便器本体1の側に逃がして置くことができる。これにより、便器本体1の使用終了後に仕切り弁機構部2aを開放するとき、粉砕装置2からの空気の入れ替わりを抑制できるので、汚水等の飛び散りを防止できるようになる。
【0313】
なお、トイレ使用開始時に仕切り弁2bを全開放して使用する方法が考えられるが、汚物が洗浄水に押し流されることなく、粉砕装置2内に自然に流下(落下)する状態となる。従って、管壁や、回転臼2iに汚物がこびり付くようになるので好ましくない。
【0314】
これに対して、本発明の小間隙制御によって、多くの洗浄水が便器本体1内に溜まる前に、予め洗浄水を少しずつ便器本体1から粉砕室へ落としておくことで、使用終了後に仕切り弁2bを開放するときに、洗浄水が溜まっていないので、飛び散りを防止することができる。
【実施例9】
【0315】
続いて、図31及び図32を参照して、第9の実施例としてのトイレ装置100の連続使用時の動作例(その1、2)について説明をする。この実施例では、1回目の洗浄処理(便器洗浄)後に2回目の洗浄処理(濯ぎ処理)のための濯ぎ水を給水タンク4に溜めることを開始し、粉砕処理が開始される。濯ぎ水を溜める時間及び粉砕処理が完了し、粉砕装置2から圧送タンク3へ汚物流動体を移動している間は、2回目の洗浄処理を待機するようにした。この間に便座蓋1aの開閉や、洗浄ボタン操作等による便器本体1の使用開始を検出した場合は、濯ぎ処理をキャンセルして、1回目の洗浄処理とするようにした。
【0316】
図1に示したCPU83は、洗浄水供給制御及び濯ぎ水供給制御を実行する。洗浄水供給制御では、便器本体1に排泄された汚物を流下させるための洗浄水を便蓋開閉検出センサ11から出力される便器使用情報に基づいて供給する。濯ぎ水供給制御では、洗浄水供給制御の後に少なくとも便器本体1を濯ぐための濯ぎ水を給水タンク4内に注水(供給)して貯留する。
【0317】
この例では、CPU83が便蓋開閉検出センサ11から使用開始情報や使用終了情報等の便器使用情報を入力し、便器本体1の連続使用を検出したとき、濯ぎ水供給制御により貯留した濯ぎ水を便器本体1の洗浄水に振り替えて洗浄水供給制御以降の制御を実行する。
【0318】
CPU83は、第1工程で洗浄水給水制御、便器洗浄制御、洗浄粉砕制御、洗浄搬送制御及び、洗浄圧送制御を実行する。ここに洗浄水給水制御とは便器本体1内を洗浄するための洗浄水を給水タンク4に貯留する制御をいう。便器洗浄制御とは便器本体1内に排泄された汚物を給水タンク4からの洗浄水によって洗浄する制御をいう。
【0319】
洗浄粉砕制御とは排泄された汚物と洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成す制御をいう。洗浄搬送制御とは汚物を流動体化した汚物流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送する制御をいう。洗浄圧送制御とは洗浄搬送制御によって搬入された汚物流動体に圧縮空気を作用させて所定の廃棄場所へ導き排出する制御をいう。
【0320】
CPU83は、第2工程で濯ぎ水供給制御、濯ぎ流水制御、濯ぎ粉砕制御、濯ぎ搬送制御及び濯ぎ圧送制御を行う。ここに濯ぎ水供給制御とは、便器本体1内を濯ぐための濯ぎ水を給水タンク4内に給水する制御をいう。濯ぎ流水制御とは給水タンク4からの濯ぎ水を便器本体1内に流水する制御をいう。
【0321】
濯ぎ粉砕制御とは濯ぎ流水制御で貯留された濯ぎ水で粉砕装置2を濯いで濯ぎ流動体と成す制御をいう。濯ぎ搬送制御とは濯ぎ粉砕制御で得られた濯ぎ流動体を粉砕装置2から圧送タンク3に搬送する制御をいう。濯ぎ圧送制御とは濯ぎ搬送制御によって得られた濯ぎ流動体に圧縮空気を作用させて圧送タンク3から既設トイレ装置5へ導き排出する制御をいう。
【0322】
この例では、CPU83が第1工程の洗浄粉砕制御に並行して、第2工程の濯ぎ水供給制御を実行する場合である。この場合、CPU83は、便器本体1の使用終了が検出された後、便蓋開閉検出センサ11から便器使用情報を入力し、第1工程の便器洗浄制御から洗浄搬送制御に至る間に便器本体1の連続使用を検出したとき、第2工程の濯ぎ水供給制御により貯留した濯ぎ水を洗浄水に振り替えて洗浄水供給制御以降の制御を実行する。
【0323】
例えば、CPU83は、便器本体1の連続使用を検出した場合に、給水タンク4に供給された濯ぎ水を便器本体1に排泄された汚物を流下させるための洗浄水として便器洗浄制御を実行する。もちろん、便器本体1の連続使用が検出された場合、途中の濯ぎ水供給制御は、全て洗浄水供給制御に振り替えられるが、便器本体1の最終使用時には、CPU83が第1工程の洗浄水供給制御を実行した後、第2工程の濯ぎ水供給制御を実行してから、一連の工程を終了する。
【0324】
これらを制御条件にして、まず、図31に示すフローチャートのステップY1でCPU83は便器本体1の使用開始を検出する。便蓋開閉検出センサ11は便器本体1の使用開始を検出すると、Hレベルの蓋開閉検出信号S11をCPU83に出力する。Hレベルの蓋開閉検出信号S11は、例えば、衛生洗浄便座30の便座蓋1aを開けると便蓋開閉検出センサ11により発生される。
【0325】
便器本体1の使用開始が検出された場合は、ステップY2でCPU83は洗浄水給水制御を実行する。洗浄水供給制御では、CPU83がHレベルの蓋開閉検出信号S11に基づいてタンク電磁弁31を制御し、便器本体1に排泄された汚物を流下させるための洗浄水を給水タンク4に貯留するようになされる(図20A参照)。
【0326】
次に、ステップY3でCPU83は便器本体1の使用終了を検出する。便蓋開閉検出センサ11は便器本体1の使用終了を検出すると、Lレベルの蓋開閉検出信号S11をCPU83に出力する。Lレベルの蓋開閉検出信号S11は、例えば、衛生洗浄便座30の便座蓋1aを閉めると便蓋開閉検出センサ11により発生される。
【0327】
便器本体1の使用終了が検出された場合は、ステップY4でCPU83が便器洗浄制御を実行する。便器洗浄制御では、CPU83が便器洗浄駆動部33を制御して、便器本体1内に排泄された汚物を給水タンク4からの洗浄水によって洗浄するようになされる(図21B参照)。
【0328】
次に、ステップY5でCPU83は洗浄粉砕制御を実行する。洗浄粉砕制御では、CPU83が、モータ駆動部35を介して粉砕装置2を制御し、排泄された汚物と洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成すようになされる。
【0329】
これに並行してステップY6でCPU83は濯ぎ水供給制御を実行する。濯ぎ水供給制御では、CPU83がLレベルの蓋開閉検出信号S11に基づいてタンク電磁弁31を制御し、洗浄水供給制御の後に少なくとも便器本体1を濯ぐための濯ぎ水を注水(供給)する。この濯ぎ水供給制御によって、便器本体1内を濯ぐための濯ぎ水を給水タンク4内に貯留できるようになる。
【0330】
その後、ステップY7でCPU83は洗浄搬送制御(搬送準備)を実行する。洗浄搬送制御では、CPU83がモータ駆動部36を介して排出弁用モータ3aを制御し、かつ、エアー抜き電磁弁37を制御して、汚物を流動体化した汚物流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送するようになされる。
【0331】
そして、図32のステップY8でCPU83は洗浄圧送制御を実行する。洗浄圧送制御では、CPU83が洗浄搬送制御によって搬入された汚物流動体にエアーコンプレッサ6を介して圧縮空気を作用させ、汚物流動体を既設トイレ装置5へ導き排出するようになされる。その後、ステップY9でCPU83は洗浄後処理制御を実行する。洗浄後処理制御については、図28で説明した通りであるので、その説明を省略する。
【0332】
これに並行して、ステップY10でCPU83は便器本体1の使用開始を検出する。この時点での使用開始検出は、当該便器本体1の連続使用を検出するためである。この時点で、便器本体1の新たな使用(開始)が検出された場合は、ステップY11でCPU83は濯ぎ水を洗浄水に振り替えて洗浄水供給制御以降の制御を実行する。
【0333】
この例では、ステップY3に戻ってCPU83が便器本体1の2回目以降の使用終了を検出し、ステップY4でCPU83が濯ぎ水を振り替えた洗浄水に基づいて便器洗浄制御を実行し、ステップY5でCPU83が洗浄粉砕制御を実行する。これに並行してステップY6でCPU83が、次回の濯ぎ水供給制御を実行する。ステップY7ではCPU83が洗浄搬送制御(搬送準備)を実行し、ステップY8でCPU83が洗浄圧送制御を実行し、ステップY9でCPU83が洗浄後処理制御を実行する。
【0334】
これにより、濯ぎ水の流水前に、再度、便器本体1の使用を検出した場合、濯ぎ用の濯ぎ水を粉砕用の洗浄水に転用できるようになる。なお、便器本体1を複数回に渡って連続使用する場合でも、最後は濯ぎ動作を実行する。
【0335】
すなわち、上述のステップY10で便器本体1の新たな使用が検出されない場合は、ステップY12でCPU83は濯ぎ流水制御を実行する。濯ぎ流水制御では、CPU83が給水タンク4からの濯ぎ水を便器本体1内に流水するように便器洗浄駆動部33を制御する。これにより、給水タンク4からの濯ぎ水によって便器本体1内を濯ぐことができる。
【0336】
その後、ステップY13でCPU83は濯ぎ粉砕制御を実行する。濯ぎ粉砕制御では、CPU83が、モータ駆動部35を介して粉砕装置2を制御し、濯ぎ流水制御で貯留された濯ぎ水で粉砕装置2を濯いで濯ぎ流動体と成すようになされる。
【0337】
更に、ステップY14でCPU83は濯ぎ搬送制御(搬送準備)を実行する。濯ぎ搬送制御では、CPU83がモータ駆動部36を介して排出弁用モータ3aを制御し、かつ、エアー抜き電磁弁37を制御して、濯ぎ粉砕制御で得られた濯ぎ流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送するようになされる。
【0338】
ステップY15でCPU83は濯ぎ圧送制御を実行する。濯ぎ圧送制御では、CPU83が、濯ぎ搬送制御によって得られた濯ぎ流動体にエアーコンプレッサ6を介して圧縮空気を作用させ、汚物流動体を既設トイレ装置5へ導き排出するようになされる。
【0339】
ステップY16でCPU83は濯ぎ後処理制御を実行する。濯ぎ後処理制御については洗浄後処理制御とほぼ同様であり、洗浄後処理制御については、図28で説明しているので、その説明を省略する。
【0340】
そして、ステップY17でCPU83は一連の制御の終了判別を実行する。例えば、電源オフ情報を検出して制御終了を判別する。電源オフ情報が検出された場合は、これらの一連の制御を終了する。電源オフ情報が検出されていない場合は、ステップY1に戻って上述した制御を繰り返すようになされる。
【0341】
このように第9の実施例としてのトイレ装置100によれば、排泄された汚物を便器本体1で受容して当該汚物を洗浄水とともに粉砕して汚物流動体と成し、当該汚物流動体を既設トイレ装置5へ導いて排出する場合に、CPU83は、便蓋開閉検出センサ11から便器使用情報を入力し、便器本体1の連続使用を検出したとき、濯ぎ水供給制御により貯留した濯ぎ水を便器本体1の洗浄水に振り替えて洗浄水供給制御以降の制御を実行する。
【0342】
この制御によって、便器本体1の連続使用時、濯ぎ用の濯ぎ水が便器本体1内に流水される前に、当該濯ぎ用の濯ぎ水を粉砕用の洗浄水として転用できるようになる。しかも、最終使用時の濯ぎ供給工程を除く、これ以前の濯ぎ供給工程を全てキャンセルできる。これにより、便器本体1が連続使用される際に、使用者の待ち時間を短縮でき、使用水量及び消費電力を削減できるようになる。
上述した実施例では、第1工程で便器洗浄を行い、第2工程で濯ぎ処理を行う場合について説明したが、濯ぎ動作を別処理として、例えば、濯ぎ用のボタン操作等によって濯ぎ処理を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0343】
本発明は、家庭や公共施設等に設置される一般的なトイレ装置や、屋外その他での簡易的に設置して使用したり、車載用等として使用したりするポータブルトイレ装置や、介護用の圧送式トイレ装置に適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0344】
1・・・便器本体、2・・・粉砕装置(粉砕機構部)、2b・・・仕切り弁(仕切り弁部材)、2c・・・仕切り弁用モータ、2h・・・固定臼(固定盤部材)、2i・・・回転臼(回転盤部材)、2j・・・石臼機構、2s・・・粉砕用モータ、3・・・圧送タンク、3a・・・排出弁用モータ、4・・・給水タンク、4a・・・洗浄水弁用モータ、4b・・・洗浄水弁、6・・・エアーコンプレッサ(圧送手段)、8・・・制御ユニット(制御手段)、10・・・トイレシステム、11・・・便蓋開閉検出センサ(検出手段)、12,20・・・定位置検出センサ、13・・・流量センサ(大)(検出手段)、14・・・流量センサ(小)(検出手段)、15・・・水面検出センサ(検出手段)、16・・・圧力検出センサ(検出手段)、17・・・排出報知部、18・・・操作&表示部、19・・・音出力部、22・・・収容容器(容器部材)、3s,25・・・開検出スイッチ、3r,26・・・閉検出スイッチ、30・・・衛生洗浄便座、31・・・タンク電磁弁、32・・・便座電磁弁、33,40・・・便器洗浄駆動部、34〜36・・・モータ駆動部、37・・・エアー抜き電磁弁、100・・・トイレ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭や公共施設等に設置される一般的なトイレ装置や、屋外その他での簡易的に設置して使用したり、車載用等として使用するポータブルトイレ装置や、介護用の圧送式のトイレ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、介護を必要とする人のために、介護用のポータブルトイレ装置が使用されている。このポータブルトイレ装置は、便座に腰を掛ける腰掛式(洋式)の形態が多い。ポータブルトイレ装置は、汚物を受け入れて排出するための容器を備えた形態や、汚物排水を自然流下で行う形態が一般的である。また、汚物に洗浄水を湿らして圧送する形式のポータブルトイレ装置もある。
【0003】
この種のポータブルトイレ装置に関連して、特許文献1には、圧送部付き便器が開示されている。この圧送部付き便器によれば、ボウル、給水手段、圧送部、開閉部及び給水切替手段を備えている。給水手段は、ボウルへ給水する。圧送部は汚物を洗浄水と共に圧送する。開閉部は、ボウルと圧送部の連通・非連通を切り替える。給水切替手段は給水手段からの溜水の開始と停止を行う。これを前提にして、便器本体の非使用時には、ボウル内に溜水を作成せず、その使用時に給水切替手段が溜水を開始して、給水手段によりボウル内に給水され、汚物が十分に浸る程度に溜水を作成するようにした。
【0004】
このように圧送部付き便器を構成すると、便器本体の非使用時における移動時等において、衛生性を損なうことなく、さらに使用時には臭気の拡散を抑えることができ、好適な排出性能を確保できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−162508号公報 (第5頁 図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来例に係るトイレ装置によれば、次のような問題がある。
i.一般の既設トイレ装置によれば、便器本体の下部にせき(堰:以下トラップという)構造が設けられる。このトラップ構造によれば、溜め水収容部が複数の堰で区分され、便器本体内の底部に一定量の溜め水が作られている。溜め水は、下水本管からの悪臭や、小蠅等の昆虫の浸入を遮断したり、便器本体内の底部の乾燥を防いでいる。しかし、移動可能なポータブルトイレ装置を構成しようとした場合、便器本体の下部にトラップ構造を設けなくてはならないことから、便座下部の高さを多く確保しなければならなかったりして、当該ポータブルトイレ装置の小型化の妨げとなるという問題がある。
【0007】
ii.因みに、ポータブルトイレ装置において、溜め水機能が無いと、排泄時、便器へ汚物がこびり付くことで掃除が大変になるという問題がある。
【0008】
iii.特許文献1に見られるような溜め水を作成するトイレ装置によれば、使用者の接近を検知すると、便器本体の底部に溜め水を作るようになされる。したがって、トイレ使用終了時に溜め水と共に汚物を粉砕機構部へ流下された後は、次の使用者の接近を検知しないと、便器本体内に溜め水を作成することができないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明はこのような従来例に係る問題を解決したものであって、従来方式の便器本体内に設けられていた「せき」の構造の依存することなく、トイレ使用後の便器本体内に新たな溜め水を作成できるようにすると共に、次回の便器本体の使用時、当該溜め水と共に汚物を粉砕機構部へ流下できるようにしたトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、請求項1に係るトイレ装置は、排泄された汚物と便器本体を洗浄するための洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、前記汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き排出するトイレ装置であって、洗浄水弁部材を有して前記洗浄水を給水する給水手段と、前記洗浄水弁部材の開動作に基づいて前記給水手段から給水される便器洗浄用の洗浄水が流入可能に設けられて排泄された汚物を受容する便器本体と、前記便器本体の下部に設けられて前記便器洗浄用の洗浄水と共に前記汚物を粉砕する粉砕機構部と、前記便器本体と前記粉砕機構部との間に開閉可能に配設されて前記便器本体の底部に溜め水として洗浄水を溜める仕切り弁部材と、前記便器本体の使用終了を検出して使用終了情報を出力する終了検出部と、前記終了検出部から使用終了情報を入力し、前記使用終了情報に基づいて前記便器本体の使用が終了したことを検出すると、前記仕切り弁部材を開制御すると共に、前記洗浄水弁部材を開制御し、前記便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させた後、前記仕切り弁部材を閉制御すると共に、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、前記洗浄水弁部材を閉制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係るトイレ装置によれば、排泄された汚物と便器本体を洗浄するための洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、この汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き排出する場合に、給水手段は洗浄水弁部材を有して、洗浄水を給水する。便器本体は、洗浄水弁部材の開動作に基づいて給水手段から給水される便器洗浄用の洗浄水が流入可能に設けられて排泄された汚物を受容する。粉砕機構部は、便器本体の下部に設けられて便器洗浄用の洗浄水と共に汚物を粉砕する。仕切り弁部材は、便器本体と粉砕機構部との間に開閉可能に配設されて便器本体の底部に溜め水として洗浄水を溜める。
【0012】
終了検出部は、便器本体の使用終了を検出して使用終了情報を制御手段に出力する。これを前提にして、制御手段は、終了検出部から使用終了情報を入力し、使用終了情報に基づいて便器本体の使用が終了したことを検出すると、仕切り弁部材を開制御すると共に、洗浄水弁部材を開制御し、便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させる。その後、制御手段は、仕切り弁部材を閉制御すると共に、洗浄水弁部材が開動作した状態で給水手段に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、洗浄水弁部材を閉制御するようになる。この制御によって、便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下した後、当該便器本体内に新たな溜め水を作成できるようになる。
【0013】
請求項2に記載のトイレ装置は、請求項1において、前記給水手段に洗浄用及び濯ぎ用の水を供給する給水元と当該給水手段との間に給水制御用の弁部材が設けられ、前記制御手段は、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に洗浄水を給水するように前記給水制御用の弁部材を開制御し、前記溜め水相当量の洗浄水を給水した後、前記洗浄水弁部材を閉制御し、その後、前記給水手段に次回の洗浄水を溜め、当該給水制御用の弁部材を閉制御することを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載のトイレ装置は、請求項1において、前記洗浄水弁部材を開閉動作させる第1の駆動部と、前記仕切り弁部材を開閉動作させる第2の駆動部とを備え、前記制御手段は、前記終了検出部から使用終了情報を入力し、前記使用終了情報に基づいて前記便器本体の使用が終了したことを検出すると、前記仕切り弁部材を開動作させるように第2の駆動部を制御すると共に、前記洗浄水弁部材を開動作させるように第1の駆動部を制御し、前記便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させた後、前記仕切り弁部材を閉動作させるように第2の駆動部を制御すると共に、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に洗浄水を給水し、溜め水相当量の洗浄水を給水した後、前記洗浄水弁部材を閉動作するように前記第1の駆動部を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るトイレ装置によれば、洗浄水弁部材及び仕切り弁部材を開閉制御する制御手段を備え、この制御手段は、便器本体の使用が終了したことを検出すると、仕切り弁部材を開制御すると共に、洗浄水弁部材を開制御し、便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下し、その後、仕切り弁部材を閉制御すると共に、洗浄水弁部材が開動作した状態で給水手段に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、洗浄水弁部材を閉制御するものである。
【0016】
この構成によって、便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下した後、当該便器本体内に新たな溜め水を作成できるようになる。これにより、従来方式の便器本体内に設けられていた「せき」の構造に依存することが無くなり、トイレシステムを小型化できるようになる。しかも、トイレ使用後の新たな溜め水により、便器本体の下部に付着した汚物が乾燥することなく、次回の便器本体の使用時、溜め水と共に汚物を粉砕機構部へ流下できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る実施形態としてのトイレシステム10の構成例を示す概念図である。
【図2】トイレ装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施例としてのトイレ装置100の基本動作例を示すフローチャートである。
【図4】トイレ装置100の準備動作例を示すフローチャートである。
【図5】トイレ装置100の準備動作例を示すタイムチャートである。
【図6】第2の実施例としてのトイレ装置100の流水動作例(その1)を示すフローチャートである。
【図7】そのトイレ装置100の流水動作例(その2)を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施例としてのトイレ装置100の流入制御例を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施例としてのトイレ装置100のシャワー水流入制御例を示すフローチャートである。
【図10】トイレ装置100の粉砕/搬送動作例を示すフローチャートである。
【図11】トイレ装置100の粉砕動作例を示すフローチャートである。
【図12】トイレ装置100の搬送動作例を示すフローチャートである。
【図13】トイレ装置100の濯ぎ準備/搬送/圧送動作例を示すタイムチャートである。
【図14】トイレ装置100の搬送/圧送動作例を示すタイムチャートである。
【図15】(A)及び(B)は、第5の実施例としての圧力検出センサによる圧力検出例(その1)を示すグラフ図である。
【図16】(A)及び(B)は、トイレ装置100の圧力検出センサによる圧力検出例(その2)を示すグラフ図である。
【図17】トイレ装置100の圧送動作例を示すフローチャートである。
【図18】トイレ装置100の圧送/濯ぎ/搬送動作例を示すタイムチャートである。
【図19】第6の実施例としてのトイレ装置100の濯ぎ準備動作例を示すフローチャートである。
【図20】第7の実施例としてのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その1)を示す説明図である。
【図21】そのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その2)を示す説明図である。
【図22】そのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その3)を示す説明図である。
【図23】そのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その4)を示す説明図である。
【図24】そのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その5)を示す説明図である。
【図25】第8の実施例としてのトイレ装置100の溜め水/小間隙制御例を示すフローチャートである。
【図26】トイレ装置100の濯ぎ処理例を示すフローチャートである。
【図27】トイレ装置100の濯ぎ動作例を示すフローチャートである。
【図28】トイレ装置100の後処理動作例を示すフローチャートである。
【図29】トイレ装置100の掃除モード時の動作例(蓋閉)を示すフローチャートである。
【図30】トイレ装置100の掃除モード時の動作例(蓋開)を示すフローチャートである。
【図31】第9の実施例としてのトイレ装置100の連続使用時の動作例(その1)を示すフローチャートである。
【図32】そのトイレ装置100の連続使用時の動作例(その2)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
続いて、図面を参照しながら本発明に係る実施形態としてのトイレ装置について説明する。図1に示すトイレシステム10は本発明に係るトイレ装置100に、衛生洗浄便座30及び既設トイレ装置5を備えて構成されるものであり、介護用のトイレシステムに適用して極めて好適である。
【0019】
トイレ装置100は、排泄された汚物や使用済みのトイレットペーパを受容すると共に、便器本体1の下部に設けられた粉砕装置2で、便器本体1に供給される便器洗浄用の洗浄水と共に汚物及びトイレットペーパを粉砕し、当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、その後、汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所に圧送して排出するものである。
【0020】
トイレ装置100は、便器本体1、粉砕装置2、圧送タンク3、給水タンク4、制御ユニット8、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14、ドレンパン21、タンク電磁弁31及び便座電磁弁32を備えている。ドレンパン21はこれらの部材から構成される装置本体を受容する皿状を成している。
【0021】
このトイレ装置100において、給水元と給水タンク4との間には給水制御用の弁部材の一例を構成するタンク電磁弁31が設けられる。この例で、給水元は給水タンク4に洗浄用及び濯ぎ用の水を供給する水源である。例えば、既設トイレ装置5の給水設備から洗浄用の水道水(以下単に洗浄水という)が供給される。
【0022】
洗浄水は便器本体1を主に洗浄するものであるので、簡易水道、例えば、井戸水であっても、二次利用タイプの水でもよい。給水設備には図示しない分岐管及び、手動バルブ40aが設けられる。分岐管には手動バルブ40aが接続され、手動バルブ40aには給水管40dの一端が接続される。給水管40dには、高耐圧用の補強コイル入りビニールホースやゴムホース等が使用される。
【0023】
給水管40dの他端にはタンク電磁弁31及び便座電磁弁32の各々の一端が接続される。タンク電磁弁31は給水制御用の弁部材の一例を構成し、給水タンク4に給水する洗浄水の注水(流入)及びその停止を制御する。給水タンク4は給水手段の一例を構成する。もちろん、手動バルブ40aは開栓した状態とする。給水タンク4は便器本体1の内部に洗浄水(図中の実線の矢印にて記入)を流水(給水)する。給水タンク4には、2〜3リットルの水が貯えられる。
【0024】
給水手段には給水タンク4の他にタンク電磁弁31、便座電磁弁32、流量測定用の各種センサや、給水管40d等が含まれる。便座電磁弁32は、衛生洗浄便座30の図示しない内部タンクに給水する人体局部を洗浄するための洗浄水(以下でシャワー水という)の流入及びその停止を制御する。内部タンクには、1〜2リットルのシャワー水が貯えられる。衛生洗浄便座30は、便座蓋1a及び便座1bを有して便器本体1に取り付けられ、人体局部を洗浄するように使用される。
【0025】
タンク電磁弁31の他端には、流量センサ(大)13が接続される。流量センサ(大)13は、給水タンク4に流入する水量を計測する。便座電磁弁32の他端には、流量センサ(小)14が接続される。流量センサ(小)14は、衛生洗浄便座30の内部タンクに流入する水量を計測する。
【0026】
給水タンク4には洗浄水弁用モータ4a(第1の駆動部)及び洗浄水弁4bが設けられている。洗浄水弁用モータ4aは洗浄水弁4bを開閉動作させる。例えば、洗浄水弁4bは給水タンク4の出水口付近に設けられ、その上部が洗浄水弁用モータ4aによって駆動される巻き上げ機構付きの便器洗浄駆動部33に接続されている。洗浄水弁4bと便器洗浄駆動部33とは、例えば、玉鎖によって係合されている。
【0027】
便器本体1は、洗浄水弁4bの開動作に基づいて給水タンク4から給水される便器洗浄用の洗浄水が流入可能に設けられて排泄された汚物を受容する。例えば、給水タンク4の出水口には洗浄水弁4bが取り付けられ、出水口には便器本体1の内部に向けて給水管4dが接続されている。この例で便器洗浄駆動部33が洗浄水弁用モータ4aを駆動して、洗浄水弁4bを開閉することにより、給水タンク4に貯えられた一定量の洗浄水が給水管4dを通じて便器本体1の内部に流れ込むようになされる。
【0028】
便器本体1の内部には水位検出手段の一例を構成する水面検出センサ15が取り付けられ、便器洗浄駆動部33によって便器本体1の内部に給水される洗浄水の水位を検出するように動作する。水面検出センサ15は便器本体1の溢れ面より低い位置に取り付けられる。ここに溢れ面とは便器本体1から洗浄水が溢れ出る水位面をいう。
【0029】
水面検出センサ15は、便器本体1の内部で水面を検出したときには、便器本体1に水が満水になったとして、便器洗浄動作を禁止すると共に、衛生洗浄便座30等への給水を停止し、便器本体1に新たな水が入らないようにして水が溢れるのを防止するためのものである。
【0030】
水面検出センサ15の検出方式が電極式やフロート式等である場合、センサ取り付け位置については、便器本体1の内部後側の壁面等の他、洗浄水ノズルの内部に取付けてもよい。検出方式は電極式やフロート式等に限られることはなく、光学式や、超音波式等でもよい。
【0031】
この例で便器本体1には、衛生洗浄便座30が設けられ、人体局部を洗浄するためのシャワー水を噴出するようになされる。上述の便器本体1には、排泄された汚物と便器洗浄用の洗浄水と衛生洗浄便座から流水される人体局部洗浄用の洗浄水とが受容される。衛生洗浄便座30は便座蓋1a及び便座1bを有している。この例では、便座蓋1aの開動作に応じてトイレ装置100の処理を開始する。便座蓋1aの裏面には便蓋開閉検出センサ11が取り付けられている。
【0032】
便器本体1の下方側には、粉砕機構部の一例を構成する粉砕装置2が配置される。粉砕装置2は、制御ユニット8によって制御され、排泄された汚物(図中、白抜き矢印にて記す)と便器洗浄用の洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、又は、濯ぎ用の濯ぎ水を受容すると共に内部を濯ぎ水で濯いで濯ぎ流動体と成している。もちろん、衛生洗浄便座30が取り付けられた場合は、粉砕装置2では、便器本体1で受容した便器洗浄用及び人体局部洗浄用の洗浄水と共に汚物を粉砕して汚物流動体と成して流下させるようになる。
【0033】
粉砕装置2は、容器部材の一例である収容容器22を備えて汚物を粉砕する。収容容器22は、仕切り弁機構部2a及び鍋底形状の筐体2fから構成されている。収容容器22の内部には粉砕機構が収容されている。仕切り弁機構部2aは便器本体1と粉砕装置2との間に開閉可能に配設されて便器本体1の底部に洗浄水を溜めるように機能する。仕切り弁機構部2aには仕切り弁2b、仕切り弁用モータ2c(第2の駆動部)及びネジ部材2eが設けられている。
【0034】
仕切り弁用モータ2cは仕切り弁2bを開閉動作させる。例えば、仕切り弁2bは全長ネジ等のネジ部材2eに固定され、ネジ部材2eが仕切り弁用モータ2cに係合されている。仕切り弁用モータ2cが正回転(以下で単に正転という)すると、ネジ部材2eを介在して仕切り弁2bが開動作し、仕切り弁用モータ2cが逆回転(以下で単に逆転という)すると、ネジ部材2eを介在して仕切り弁2bが閉動作するようになされる。
【0035】
仕切り弁機構部2aは仕切り弁部材の一例を構成し、便器本体1と粉砕装置2との間に開閉可能に配設されて便器本体1の底部に洗浄水を溜めるように機能する。例えば、仕切り弁機構部2aは筐体2fの開口部をゴムパッキン及びネジによって周囲に固定され、筐体2fの内部を密閉するようになされる。
【0036】
仕切り弁機構部2aは、便器本体1との結合部分に略円形状の開口部2gを有している。仕切り弁機構部2aには、この開口部2gの外周から延出された結合筒2dが設けられている。結合筒2dの一部分は便器本体1の内部に挿入され、便器本体1と粉砕装置2とが仕切り弁機構部2aにより結合されている。
【0037】
結合筒2dに設けられた仕切り弁用モータ2cに隣接して開検出スイッチ25(仕切り弁)及び閉検出スイッチ26(仕切り弁)が設けられる。開検出スイッチ25はネジ部材2eの移動によって押し切られて仕切り弁2bの開動作を検出する。閉検出スイッチ26はネジ部材2eの移動によって押し切られて仕切り弁2bの閉動作を検出する。
【0038】
粉砕装置2の内部には、トイレットペーパ及び汚物を細かく擂り潰しながら粉砕する石臼(挽き臼)機構2jが設けられている。石臼機構2jは粉砕機構の一例を構成し、固定臼2h及び回転臼2iを有している。下側の固定臼2hは固定盤部材の一例を構成し、回転臼2iに対峙して収容容器22に固定され、回転臼2iの第1の凹凸面に対面する一側面に第2の凹凸面を有すると共に、中心部近傍に貫通孔部を有している。固定臼2hは略円錐状を成して収容容器22に固定されている。
【0039】
上側の回転臼2iは回転盤部材の一例を構成し、収容容器22の内部に回転駆動自在に設けられて略円錐状を成し、洗浄水を攪拌する攪拌翼部を有すると共に一側面に第1の凹凸面を有する。例えば、回転臼2iは上下動可能な構造を成してシャフト23に係合され回転する。シャフト23にはプーリ2xが取り付けられる。粉砕用モータ2sにもプーリ2yが取り付けられる。プーリ2xとプーリ2yとの間にはベルト2zが係合され、粉砕用モータ2sの回転力を回転臼2iに伝達するように動作する。
【0040】
回転臼2iには、図示しない流入口が中心部近傍に設けられ、この流入口から洗浄水と共に汚物が流入して、固定臼2hと回転臼2iの間隙に洗浄水と共に汚物及びトイレットペーパが入り込む。固定臼2hと回転臼2iの間隙に入り込んだトイレットペーパ及び汚物は、固定臼2hと回転臼2iとの対面し合う凹部と凸部により、細かく擂り潰されて洗浄水と混合し、流動性の高い状態(汚物流動体)となる。これにより、汚物が良く攪拌され、回転臼2iと固定臼2hからなる石臼機構2jの中に入り込み易くなることで、粉砕時間を短縮することができる。
【0041】
粉砕装置2の下方側には排出弁2kを介して圧送タンク3が配置されている。圧送タンク3は圧送手段の一例を構成すると共にタンク部の一例を成す。圧送タンク3は、粉砕装置2により粉砕された汚物流動体が流入する開閉可能な流入口と汚物流動体を廃棄場所まで導く排出管部材が接続された排出口とを有して圧縮空気を充鎮可能に設けられる。圧送タンク3には例えば金属製のタンクが用いられる。もちろん、圧送タンク3には市販の樹脂製パイプ材を使用して構成してもよい。
【0042】
圧送タンク3と粉砕装置2は、連結管3gにより結合されている。この連結管3gには、排出弁用モータ3aが設けられ、排出弁用モータ3aには排出弁2kが係合されている。この排出弁用モータ3aの正/逆転に基づく排出弁2kの開閉により、細かく擂り潰されて洗浄水と混合した汚物及びトイレットペーパが圧送タンク3に流し込まれる。
【0043】
この例で、圧送タンク3にはエアーコンプレッサ6が接続され、粉砕装置2から排出された汚物流動体、又は、当該粉砕装置2から排出された濯ぎ流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き圧送する。例えば、エアーコンプレッサ6は、圧送タンク3内に圧縮空気を送出することにより、流動体化された汚物を排出管3fを介して廃棄場所の一例となる既設トイレ装置5の便器へ排出する。
【0044】
圧送タンク3とエアーコンプレッサ6とは、エアー管3iにより連結されている。エアー管3iはエアー抜き電磁弁37を介して粉砕装置2に連結されている。エアー抜き電磁弁37は、汚物排出時に開動作して圧送タンク3内の空気を粉砕装置2へバイパス(迂回)するように動作する。圧力異常時には、エアー抜き電磁弁37が開動作することで、圧送タンク3内の空気圧がエアー管3iを介して外部へ逃げ出るようになる。このようにすると、異常上昇した圧送タンク3内の圧力を調整できるようになる。
【0045】
圧送タンク3は図示しない支持台により傾斜して支持されている。圧送タンク3の最下位置には排出口3eが設けられ、この排出口3eには排出管部材の一例を構成する排出管3fが連結されている。排出管3fの終端は、既設トイレ装置5の便器本体内に取り付けられる。
【0046】
上述のエアー管3iにはエアー抜き電磁弁37の他に検出手段の一例を構成する圧力検出センサ16が取り付けられている。圧力検出センサ16は、エアーコンプレッサ6によって汚物流動体に作用される圧縮空気の圧力を検出する。この例では、便器洗浄駆動部40が取り付けられた既設トイレ装置5への汚物流動体の排出完了を検出するように動作する。
【0047】
傾斜した圧送タンク3の最下位置に設けられた排出口3eの近傍には、流動体化された汚物が自然と寄り集まる。この状態で、エアーコンプレッサ6により圧縮空気を圧送タンク3の内部に充填すると、流動体化された汚物が排出管3fから備え付け既設トイレ装置5に排出される。
【0048】
続いて、図2を参照して、トイレ装置100の制御系の構成例について説明する。図2に示すトイレ装置100は、制御ユニット8を有している。制御ユニット8は、ROM81(Read Only Memory)やRAM82(Random Access Memory)等のメモリと、演算機能を有するCPU83(Central Processing Unit)と、I/Oインターフェース84とを有して構成される。
【0049】
例えば、RAM82にはトイレ装置100を制御するためのシステムプログラムの他に、給水制御や、排出制御、圧送制御等を実行する際の制御情報が一時格納される。電源がオンされると、電源オン情報を検出したCPU83は、ROM81等からシステムプログラムを読み出してRAM82に展開し、システムを起動して、当該トイレ装置100の全体を制御するようになされる。
【0050】
トイレ装置100の制御系は制御ユニット8の他にエアーコンプレッサ6、便蓋開閉検出センサ11、定位置検出センサ12、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14、水面検出センサ15、圧力検出センサ16、排出報知部17、操作&表示部18、音出力部19、タンク電磁弁31、便座電磁弁32、便器洗浄駆動部33,40、モータ駆動部34、モータ駆動部35、モータ駆動部36及び、エアー抜き電磁弁37を有して構成される。排出報知部17及び便器洗浄駆動部40は、既設トイレ装置5に取り付けられる。
【0051】
制御ユニット8には、検出手段の一例を構成する便蓋開閉検出センサ11が例えばI/Oインターフェース84を介して接続される。便蓋開閉検出センサ11は、図1に示した便座蓋1aの開動作を検出して、便器本体1の使用開始を示す蓋開閉検出信号S11(便器使用情報)を発生する。便蓋開閉検出センサ11には、その一例として透過型のセンサが使用される。便蓋開閉検出センサ11は終了検出部の一例としても機能する。例えば、便蓋開閉検出センサ11は便器本体1の使用終了を検出して使用終了情報を制御ユニット8に出力する。
【0052】
便蓋開閉検出センサ11は、例えば、図1に示した便座蓋1aの開閉に応じて回動するスリット円盤のスリットを透過型のセンサにより検出して蓋開閉検出信号S11を発生する。蓋開閉検出信号S11は、便座蓋1aの開閉を示す信号であり、便蓋開閉検出センサ11から制御ユニット8へ出力される。便蓋開閉検出センサ11は当該トイレ装置100の使用開始及び使用終了を検知する使用検出手段に用いてもよい。
【0053】
制御ユニット8には便蓋開閉検出センサ11の他に定位置検出センサ12、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14、水面検出センサ15、圧力検出センサ16、排出報知部17、操作&表示部18、音出力部19がI/Oインターフェース84を介して接続される。
【0054】
定位置検出センサ12は、図1に示した給水タンク4内に設けられ、給水タンク4の給水面を検出して、定位置検出信号S12を発生する。定位置検出センサ12には、その一例としてフロートセンサが使用される。定位置検出信号S12は、給水タンク4に洗浄水が給水されているか否かを示す信号であり、定位置検出センサ12から制御ユニット8へ出力される。
【0055】
流量センサ(大)13は、図1に示した給水管40dの途中に取り付けられ、図1に示した給水タンク4に流入する水量を計測して給水量信号S13を発生する。給水量信号S13は流量センサ(大)13から制御ユニット8に出力される。
【0056】
流量センサ(小)14は、図1に示した給水管40dから分岐された途中に取り付けられ、衛生洗浄便座30の内部タンクに流入する水量を計測してシャワー水量信号S14を発生する。シャワー水量信号S14は流量センサ(小)14から制御ユニット8に出力される。
【0057】
水面検出センサ15は、図1に示した便器本体1の内部に取り付けられ、便器洗浄駆動部33によって便器本体1の内部に流入される便器洗浄用の洗浄水の水位を検出して水位検出信号S15を発生する。また、衛生洗浄便座30の操作によっても、便器本体1の内部に流入される人体局部洗浄用のシャワー水の流入mによる水位を検出して水位検出信号S15を発生する。
【0058】
水位検出信号S15は水面検出センサ15から制御ユニット8に出力される。制御ユニット8は水面検出センサ15から水位検出信号S15を入力し、水位検出信号S15に基づいて便器本体1の内部への便器洗浄用の洗浄水の給水や、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の給水を停止するようにタンク電磁弁31や便座電磁弁32等を制御する。
【0059】
開検出スイッチ25は仕切り弁用モータ2cに係合されたネジ部材2eによって押し切られ、仕切り弁2bの開動作を検出し、仕切り弁2bの開検出信号S25を発生する。開検出信号S25は開検出スイッチ25から制御ユニット8に出力される。
【0060】
閉検出スイッチ26は上述のネジ部材2eによって押し切られ、仕切り弁2bの閉動作を検出し、仕切り弁2bの閉検出信号S26を発生する。閉検出信号S26は閉検出スイッチ26から制御ユニット8に出力される。
【0061】
開検出スイッチ3s(排出弁)は排出弁用モータ3aに係合されたネジ部材3kによって押し切られ、排出弁2kの開動作を検出し、排出弁2kの開検出信号S2kを発生する。開検出信号S2kは開検出スイッチ3sから制御ユニット8に出力される。
【0062】
閉検出スイッチ3r(排出弁)はネジ部材3kによって押し切られ、排出弁2kの閉動作を検出し、排出弁2kの閉検出信号S3rを発生する。閉検出信号S3rは閉検出スイッチ3rから制御ユニット8に出力される。
【0063】
圧力検出センサ16は図1に示したエアー管3iに取り付けられ、圧送タンク3の内部の圧力を検出して圧力検出信号S16を発生する。圧力検出信号S16は圧力検出センサ16から制御ユニット8に出力される。圧力検出センサ16には例えば圧電素子が使用される。
【0064】
制御ユニット8は圧力検出センサ16からの圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止する。例えば、制御ユニット8は、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16を入力し、圧力検出信号S16に基づいて既設トイレ装置5の図示しない洗浄水弁を動作させるように便器洗浄駆動部40を制御する。
【0065】
便器洗浄駆動部40は既設トイレ装置5に取り付けられ、当該既設トイレ装置5の洗浄水弁を駆動する。便器洗浄駆動部40には定位置検出センサ20及び洗浄水弁用モータ4eが設けられる。定位置検出センサ20は、既設トイレ装置5の給水タンク内の給水面を検出して、定位置検出信号S20を発生する。
【0066】
制御ユニット8と便器洗浄駆動部40との間には信号線ケーブル40eが接続される。便器洗浄信号S40は制御ユニット8から便器洗浄駆動部40へ信号線ケーブル40eを介して出力され、定位置検出信号S20は、便器洗浄駆動部40から制御ユニット8へ出力される。便器洗浄駆動制御方式は有線方式でも無線方式であってもどちらでもよい。
【0067】
この例では、汚物流動体をトイレ装置100から既設トイレ装置5へ圧送する圧送動作を実行するとき、CPU83は圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力する。圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力したCPU83は、設定された圧力の比較基準値としての閾値Pthと、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較する。
【0068】
CPU83は、圧送タンク3の内部の圧力値Pxが上昇し、一旦、信号レベル値が閾値Pth以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pthまで下がってきた時点に、汚物流動体の排出完了とみなして既設トイレ装置5の洗浄水弁を動作させるように便器洗浄駆動部40を制御する。
【0069】
また、タンク電磁弁31はI/Oインターフェース84を介して制御ユニット8に接続される。タンク電磁弁31は、電磁弁信号S31に基づいて給水タンク4に給水する洗浄水の流入及びその停止を制御する。電磁弁信号S31はタンク電磁弁31の出力を制御する信号であり、制御ユニット8からタンク電磁弁31に出力される。
【0070】
制御ユニット8にはタンク電磁弁31の他に便座電磁弁32、便器洗浄駆動部33,40、モータ駆動部34、モータ駆動部35、モータ駆動部36及び、エアー抜き電磁弁37がI/Oインターフェース84を介して接続される。
【0071】
便座電磁弁32は、電磁弁信号S32に基づいて衛生洗浄便座30の図示しない内部タンクに給水する人体局部洗浄用のシャワー水の流入及びその停止を制御する(シャワー水流入制御)。電磁弁信号S32は便座電磁弁32の出力を制御する信号であり、制御ユニット8から便座電磁弁32に出力される。
【0072】
便器洗浄駆動部33は洗浄駆動データD33に基づいて洗浄水弁用モータ4aを駆動し、便器本体1に洗浄水を流入する。洗浄駆動データD33は便器洗浄駆動部33の駆動を制御するデータであり、制御ユニット8から便器洗浄駆動部33に出力される。便器洗浄駆動部33は洗浄駆動データD33をデコードしてモータ制御信号S4aを生成する。
【0073】
洗浄水弁用モータ4aは、便器洗浄駆動部33からモータ制御信号S4aを入力し、このモータ制御信号S4aに基づいて洗浄水弁4bを開動作する。洗浄水弁4bは一定量の洗浄水が便器本体1に流入すると、新たに給水タンク4に給水された洗浄水の重量及び水圧によって自然に閉動作に移行する。この例では、洗浄水弁用モータ4aを回転すると、給水タンク4に貯えられた一定量の洗浄水が給水管4dを通じて便器本体1の内部に流れ込む。
【0074】
モータ駆動部34は、制御ユニット8からモータ駆動データD34を入力し、モータ駆動データD34をデコードしてモータ制御信号S2cを生成する。モータ駆動部34には仕切り弁用モータ2cが接続される。モータ駆動部34は、モータ制御信号S2cに基づいて仕切り弁用モータ2cを駆動する。仕切り弁用モータ2cが回動すると、図1に示した仕切り弁2bが摺動して、開口部2gを開閉する。これにより、便器本体1から粉砕装置2に流入するトイレットペーパ、汚物及び洗浄水を通過又は停止する。
【0075】
モータ駆動部35は、制御ユニット8からモータ駆動データD35を入力し、モータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ駆動部35には粉砕用モータ2sが接続される。モータ駆動部35は、モータ制御信号S2sに基づいて粉砕用モータ2sを駆動する。粉砕用モータ2sが所定の方向に回転すると、図1に示した回転臼2iが回転して汚物を粉砕する。
【0076】
モータ駆動部36は、制御ユニット8からモータ駆動データD36を入力し、モータ駆動データD36をデコードしてモータ制御信号S3aを生成する。モータ駆動部36には排出弁用モータ3aが接続される。モータ駆動部35は、モータ制御信号S3aに基づいて排出弁用モータ3aを駆動する。排出弁用モータ3aは、モータ駆動部36からモータ制御信号S3aを入力し、モータ制御信号S3aに基づいて排出弁2kを開閉する。例えば、排出弁用モータ3aを所定の方向に回転して排出弁2kを開くと、粉砕装置2の内部に在る流動化体の汚物が圧送タンク3に流れ込む。
【0077】
エアー抜き電磁弁37は、制御ユニット8からエアー抜き信号S37を入力し、このエアー抜き信号S37に基づいて図示しない弁を開閉する。例えば、汚物流動体を粉砕装置2から圧送タンク3へ排出するとき、弁を開くと、エアー管3iを通じてタンク内の空気が圧送タンク3から粉砕装置2へバイパス(迂回)する。
【0078】
制御ユニット8は、圧送タンク3の内部の圧力を検出する圧力検出センサ16からの圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。エアーコンプレッサ6は、制御ユニット8から圧力制御信号S6を入力し、この圧力制御信号S6に基づいて空気を圧縮して圧送タンク3内に送出する。これにより、圧送タンク3内の流動体化された汚物が排出管3fを通じて備え付けの既設トイレ装置5に排出される。
【0079】
上述のエアー抜き電磁弁37は、圧力異常検出時には、エアー抜き信号S37に基づいて図示しない弁を開動作することで、エアーコンプレッサ6からエアー管3iを通じて圧送タンク3へ送出されている圧縮空気が外部へ放出される。これにより、圧送タンク3や排出管3f等の圧力異常上昇を防止できるようになる。
【0080】
便器洗浄駆動部40は、既設トイレ装置5に取り付けられる。便器洗浄駆動部40は洗浄駆動データD40に基づいて洗浄水弁用モータ4e(図14Jにおいて既設トイレ洗浄水モータと記す)を駆動し、既設トイレ装置5の便器本体に洗浄水を流入する。洗浄駆動データD40は便器洗浄駆動部40の駆動を制御するデータであり、トイレ装置100の制御ユニット8から便器洗浄駆動部40に出力される。便器洗浄駆動部40は既設トイレ装置5に取り付けられ、その洗浄駆動データD40をデコードしてモータ制御信号S4eを生成する。洗浄水弁用モータ4eは、モータ制御信号S4eに基づいて図示しない便器洗浄駆動部40内の給水弁を開動作させる。
【0081】
排出報知部17は、例えば、「汚物流動体の排出中を示す」音声案内や表示等及び、「汚物流動体の排出完了を示す」音声案内や表示等が出力される。排出報知部17には、音声出力及び表示回路用のIC(半導体集積回路装置)を内蔵した小型表示器が使用される。排出報知部17に排出お知らせ用のLED素子(以下で排出お知らせLEDともいう)を設け、排出報知信号S17に基づいて既設トイレ装置5がトイレ装置100から汚物流動体を受容している最中点灯するようにしてもよい。
【0082】
操作&表示部18はトイレ装置100の本体に取り付けられる。操作&表示部18は、図示しない操作パネル及び表示装置を有して構成される。操作パネルは通常動作モードや、掃除モードを設定するように操作される。掃除モードの設定は操作データD18となって操作&表示部18から制御ユニット8へ出力される。
【0083】
操作パネルには、例えば、掃除モードボタンが設けられる。掃除モードボタンが押された場合は掃除モードを開始するようになされる。操作&表示部18は、例えば、タッチパネルと液晶表示パネルから構成される。操作&表示部18にはGUI(Graphic User Interface)方式の入力手段が使用される。上述の排出お知らせLEDは、操作&表示部18に設けてもよく、汚物流動体をトイレ装置100から既設トイレ装置5へ圧送している最中、注意を喚起するために点灯できるようになる。
【0084】
この例で、図示しない操作パネルの所定の位置には、商用電源用のコンセント(例えば2個口)が設けられ、衛生洗浄便座30の電源プラグや、他の電子機器の電源プラグ等を差し込んで電源を供給できるようになっている。電源線は、トイレ装置100を駆動する電源ケーブルより分岐して接続される。トイレ装置100の電源ケーブルは、通常の電子機器の電源コードよりも長いものを使用するとよい。
【0085】
音出力部19は、音出力信号S19に基づいて汚物流動体の排出中を示す報知音や、汚物流動体の排出完了を示す報知音を出力する。また、音出力部19は、圧力異常上昇を示す警告音を出力する。音出力部19には警告音を発生するブザーや、スピーカー等が使用される。これらにより、トイレ装置100の制御系を構成する。
【実施例1】
【0086】
続いて、図3〜図5を参照して、第1の実施例としてのトイレ装置100の基本動作例について説明する。このトイレ装置100では、便器洗浄、粉砕、搬送及び圧送の各動作を二度の工程で行う。第1工程では、基本動作Ia、便器洗浄動作IIa、粉砕動作IIIa、搬送(排出)動作IVa、圧送動作Vaを行う。
【0087】
基本動作Iaでは、便器本体1内を洗浄するための洗浄水を給水タンク4に貯留する。便器洗浄動作IIaでは、便器本体1内に排泄された汚物を洗浄水によって洗浄する。粉砕動作IIIaでは排泄された汚物と洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成す。搬送動作IVaは汚物が流動体化した汚物流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送する。圧送動作Vaでは、搬送動作IVaによって搬入された汚物流動体に圧縮空気を作用させて既設トイレ装置5へ導き排出する。
【0088】
第2工程では、濯ぎ準備動作Ib、便器洗浄動作IIb、濯ぎ粉砕動作IIIb、搬送(排出)動作IVb、濯ぎ圧送動作Vbを行う。濯ぎ準備動作Ibでは便器本体1内を濯ぐための洗浄水(濯ぎ用の濯ぎ水)を給水タンク4内に貯留する。便器洗浄動作IIbでは、便器本体1内を濯ぎ用の濯ぎ水によって洗浄する(濯ぐ)。濯ぎ粉砕動作IIIbでは、便器洗浄動作IIbで得られた洗浄水で粉砕装置2を濯いで濯ぎ流動体と成す。搬送動作IVbでは、濯ぎ粉砕動作IIIbで得られた濯ぎ流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送する。濯ぎ圧送動作Vbでは搬送動作IVbによって得られた濯ぎ流動体に圧縮空気を作用させて既設トイレ装置5へ導き排出する。
【0089】
これらを前提にして、トイレ装置100は図5Aに示す「CLK」の時刻tに基づいて動作する。図5Aにおいて時刻t1〜t23で基本動作Iaが実行される。トイレ装置100には衛生洗浄便座30が取り付けられている場合である。
【0090】
トイレ装置100の初期状態は、便蓋「閉」、便蓋開閉検出センサ11がオフ、タンク電磁弁31が閉、流量センサ(大)13が未検知、便座電磁弁32が閉、流量センサ(小)14が未検知、洗浄水弁用モータ4aがオフ、定位置検出センサ12が検知、開検出スイッチ25が未検知、閉検出スイッチ26が検知、粉砕用モータ2sが停止、排出弁用モータ3aがオフしている場合である。
【0091】
この初期状態はトイレ装置100の動作開始前の待機状態である。待機状態においては便座蓋1aは閉じている。使用者によりこの便座蓋1aが開かれると制御系が動作を開始する。
【0092】
これらを動作条件にして、図3に示すフローチャートのステップST1でCPU83は動作途中のメモリが有るか否かを判別する。その際の判別基準は、RAM82等に動作途中のメモリ内容が記述されているか否かを検出することで行われる。動作途中のメモリ内容が有る場合は、ステップST2でCPU83はRAM82等に記憶されている動作を最初から開始する。その動作終了後、ステップST11に移行する。
【0093】
動作途中のメモリが無い場合には、ステップST3でCPU83は掃除モードボタンが押されたか否かに基づいて制御を分岐する。掃除モードボタンが押された場合は、ステップST4でCPU83は掃除モードを開始する(図29、図30参照)。その動作終了後、ステップST11に移行する。
【0094】
掃除モードボタンが押されていない場合は、ステップST5でCPU83は便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、蓋開閉検出信号S11に基づいて衛生洗浄便座30の便座蓋1aが閉状態から開状態(以下閉→開と記述する)に移行したか否かの検出に基づいて制御を分岐する。
【0095】
便座蓋1aの閉→開が検出された場合は、ステップST6で、CPU83は準備動作を実行する。例えば、図4に示すサブルーチンをコールする。そのステップA1でCPU83は便座蓋1aの閉→開を検出する。この例では、図5Aに示す時刻t1で便座蓋1aが閉状態から開状態(図5B)となされると、時刻t1で図5Cに示す便蓋開閉検出センサ11はオフからオンし、蓋開閉検出信号S11がロー・レベル(以下Lレベルと記述する)からハイ・レベル(以下Hレベルと記述する)に立ち上がる。
【0096】
ステップA2でCPU83は流量センサ(大)13のカウント値をリセットし、ステップA3で流量センサ(小)14のカウント値をリセットする。その後、ステップA4でCPU83はタンク電磁弁31を開動作する。この例では、図5Aに示した時刻t3で、図5Dに示す電磁弁信号S31がLレベルからHレベルに立ち上がることで、タンク電磁弁31が閉→開に移行する。タンク電磁弁31が閉→開に移行することで、便器洗浄用の洗浄水が流量センサ(大)13を介して給水タンク4に流入する。流量センサ(大)13は検知状態となって、洗浄水の流量を検出し、図5Eに示す給水量信号S13をLレベルからHレベルに立ち上げる。
【0097】
その後、ステップA5でCPU83は、流量センサ(大)13が便器洗浄用の洗浄水の給水量又は流入時間等をカウントアップしたか否かに基づいて制御を分岐する。流量センサ(大)13が給水量又は流入時間をカウントアップした場合は、ステップA7でCPU85はタンク電磁弁31を閉動作する。この例では、時刻t14で図5Dに示す電磁弁信号S31がHレベルからLレベルに立ち下がることで、タンク電磁弁31が開状態から閉状態(以下開→閉と記述する)に移行する。タンク電磁弁31が開→閉に移行することで、給水タンク4への洗浄水の流入が停止する。流量センサ(大)13は、未検知状態となる。その後、ステップST6にリターンする。
【0098】
流量センサ(大)13が給水量又は流入時間をカウントアップしていない場合は、ステップA6に移行してCPU83は、流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップしたか否かの監視に基づいて制御を分岐する。流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップA5に戻って流量センサ(大)13が給水量又は流入時間をカウントアップしたか否かに基づいて制御を分岐する。
【0099】
流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップした場合は、ステップA8に移行してCPU85は給水エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「給水エラー」を表示する。給水エラーは、既設トイレ装置5に隣接して設けた手動バルブ40aが開いていない場合等により表示される。その後、ステップST6にリターンする。
【0100】
また、ステップA9でCPU83は便座電磁弁32を閉状態から開状態へ動作させる。この例では、時刻t3で図5Fに示す電磁弁信号S32がLレベルからHレベルに立ち上がることで、便座電磁弁32が閉→開に移行する。その後、ステップA10でCPU83は流量センサ(小)14が給水量又は流入時間をカウントアップしたか否かに基づいて制御を分岐する。
【0101】
例えば、給水タンク4へ洗浄水が流入完了した後の時刻t16で衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水(洗浄水)の流入が指示(許可)される。時刻t16で流量センサ(小)14は、検知状態となって、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の流量を検出し、図5Gに示すシャワー水量信号S14をLレベルからHレベルに立ち上げる。この例では、時刻t20で図5Gに示すシャワー水量信号S14がHレベルからLレベルに立ち下がる。
【0102】
流量センサ(小)14が給水量又は流入時間をカウントアップした場合は、ステップA14でCPU85は便座電磁弁32を閉動作する。この例では、時刻t23で図5Fに示す電磁弁信号S32がHレベルからLレベルに立ち下がることで、便座電磁弁32が開→閉に移行する。便座電磁弁32が開→閉に移行することで、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の流入が停止する。流量センサ(小)14は、未検知状態となる。その後、ステップST6にリターンする。
【0103】
流量センサ(小)14が給水量又は流入時間をカウントアップしていない場合は、ステップA11に移行して流量センサ(小)14の動作時間がタイムアップしたか否かの監視に基づいて制御を分岐する。流量センサ(小)14の動作時間がタイムアップした場合は、ステップA12で仕切り弁用モータ2cを正転し数秒後に停止する。その後、ステップST6にリターンする。
【0104】
流量センサ(小)14の動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップA13でCPU83は、濯ぎ圧送動作Vbの終了か否かに基づいて制御を分岐する。濯ぎ圧送動作Vbを終了していない場合は、ステップA10に戻って、上述した内容を繰り返す。濯ぎ圧送動作Vbを終了した場合は、ステップA14に移行してCPU85は便座電磁弁32を閉動作する。便座電磁弁32の閉動作後は、ステップST6にリターンする。
【0105】
その後、時刻t17で図5Kに示すモータ制御信号2ScがOFFから正転を示すレベルに一瞬立ち上がることで、仕切り弁用モータ2cが正転して仕切り弁2bを開動作させる。このとき、洗浄水弁用モータ4aを開いて給水タンク4に貯えられた便器洗浄用の洗浄水を給水管4dから便器本体1を経て粉砕装置2の内部に流し込み、溜め水としてもよい。そして、洗浄水弁用モータ4aをオフして給水タンク4から便器本体1を介しての洗浄水の粉砕装置2への供給を停止するようにしてもよい。このようにすると、一定量の洗浄水を粉砕装置2の内部に溜めることができる。
【0106】
この際の洗浄水は、便器本体1の内側や粉砕装置2の内部を湿らせる。これにより、排泄された汚物が、便器本体1や粉砕装置2の内部に付着し難くなる。使用者は、この状態で用便を済ませる。排泄された汚物や使用済みのトイレットペーパは便器本体1の内部や粉砕装置2の内部に溜められることになる。
【0107】
そして、閉検出スイッチ26は検知状態から未検知状態へ遷移する。例えば、仕切り弁用モータ2cの逆転を検出して閉検出信号S26を発生する。閉検出信号S26は制御ユニット8に出力される。開検出スイッチ25は未検知状態である。なお、図5Nに示すモータ制御信号S2s及び図5Oに示すモータ制御信号S3aが共にLレベルであるので、粉砕用モータ2s及び排出弁用モータ3aは停止している。これらの動作終了後、ステップST11に移行する。
【0108】
また、上述のステップST5で便座蓋1aの閉→開が検出されない場合は、ステップST7で、CPU83は開状態から閉状態(以下開→閉と記述する)に移行したか否かの検出に基づいて制御を分岐する。このとき、使用者の用便が済み、便座蓋1aの閉じ操作がされたことにより、図1に示した便蓋開閉検出センサ11は、便座蓋1aが閉じたこと検出して、便座蓋1aが閉じたことを示す蓋開閉検出信号S11を制御ユニット8に出力する。便座蓋1aが閉じたことにより、洗浄水弁用モータ4aを開いて給水タンク4の洗浄水を給水管4dから便器本体1及び粉砕装置2の内部に流し込むようになる。
【0109】
便座蓋1aの開→閉が検出された場合は、ステップST8で、CPU83は第1工程における粉砕動作IIIaを実行する[第4の実施例参照]。その粉砕動作IIIaの終了後、ステップST11に移行する。便座蓋1aの開→閉が検出されない場合は、ステップST9で、CPU83は手動スイッチが押されたか否かに基づいて制御を分岐する。手動スイッチが押された場合は、ステップST10でCPU83は第2工程における粉砕動作IIIbを実行する(第8の実施例参照)。なお、便器本体の連続使用時の洗浄水供給制御については、第9の実施例において説明する。
【0110】
その粉砕動作IIIbの終了後、ステップST11に移行する。手動スイッチが押されていない場合は、ステップST11でCPU83は動作終了か否かの指示に基づいて基本動作Iaを終了する。基本動作Iaの終了指示がされていない場合は、ステップST3に戻って上述のステップST3からステップST10の動作内容を繰り返すようになされる。
【0111】
このように第1の実施例としてのトイレシステム10によれば、汚物流動体をトイレ装置100から既設トイレ装置5へ圧送する圧送動作を実行するとき、CPU83は圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力する。圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力したCPU83は、設定された圧力の比較基準値としての閾値Pthと、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較する。
【0112】
CPU83は、圧送タンク3の内部の圧力値Pxが上昇し、一旦、信号レベル値が閾値Pth以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pthまで下がってきた時点に、汚物流動体の排出完了とみなして既設トイレ装置5の洗浄水弁を動作させるように便器洗浄駆動部40を制御する。
【0113】
この制御によって、汚物流動体がトイレ装置100から既設トイレ装置5へ排出を完了した時点で、既設トイレ装置5の便器内部を洗浄できるようになる。これにより、使用者が意図的に制御ユニット8にトイレ使用終了の操作や指示等を入力することなく、また、介護者等が既設トイレ装置5の便器内部洗浄用のレバーを操作することがなく、既設トイレ装置5の便器本体内等を自動洗浄できるようになる。
【実施例2】
【0114】
続いて、図2、図5、図6及び図7を参照して、第2の実施例としてのトイレ装置100の流水動作例(その1、2)について説明する。この例では、便器洗浄動作IIaのとき、仕切り弁2bの開動作と便器本体1への流水動作とをほぼ同時に実行するようにした。仕切り弁2bの洗浄には、洗浄水が流れる時間に対して、仕切り弁2bが開く時間がほぼ同じになるように両者の動作時間を設定して、仕切り弁2bの上面に十分な洗浄水が当たるようにすることが望ましい。なお、使用検出手段として便蓋開閉検出センサ11を用いる場合を例に挙げる。
【0115】
便蓋開閉検出センサ11は図2に示したように制御ユニット8に接続され、便器本体1の使用開始及び使用終了を検出して蓋開閉検出信号S11を出力する。なお、図5Aに示すタイムチャートの時刻t23〜t34が流水動作(便器洗浄動作IIa)に対応している。
【0116】
制御ユニット8は、便器本体1への洗浄水の供給を開始するように給水タンク4内の便器洗浄駆動部33を制御すると共に(ほぼ同時に)、仕切り弁機構部2aの仕切り弁2bの開動作を開始するように仕切り弁用モータ2cを制御する。便器洗浄駆動部33は、モータ制御信号S4aに基づいて洗浄水弁用モータ4aを回転動作させるようになる。
【0117】
洗浄水弁用モータ4aは、モータ制御信号S4aに基づいて給水タンク4内の洗浄水弁4bを開閉動作させるようになる。仕切り弁用モータ2cは、モータ制御信号S2cに基づいて仕切り弁機構部2aの仕切り弁2bを開閉動作させるようになる。
【0118】
これらを動作条件にして、図6に示すステップB1でCPU83は流水動作(便器洗浄動作IIa)をオン(ON)するプログラムを実行する。流水動作オンは、便器本体1の使用終了を検出した便蓋開閉検出センサ11から出力される蓋開閉検出信号S11によって指示される。
【0119】
ステップB2でCPU83は蓋開閉検出信号S11を入力して洗浄水弁用モータ4aをオンする。例えば、図5Aに示す時刻t24で図5Hに示すモータ制御信号S4aがLレベルからHレベルに立ち上がる。洗浄水弁用モータ4aがモータ制御信号S4aに基づいて回転し、洗浄水弁4bを開動作する。この例で、洗浄水弁4bは、図5Jに示すように閉状態から開状態に移行し、時刻t24〜t38に至るまで開状態を継続する。洗浄水弁4bが開動作することで、給水タンク4内から便器本体1内に洗浄水が流入する。その後、洗浄水弁4bは、閉状態に移行する。
【0120】
そして、ステップB3でCPU83はt秒間待機する。その後、ステップB4でCPU83はタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの動作時間を計測する。動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップB4でCPU83は動作時間を計測する。動作時間がタイムアップした場合は、ステップB5でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオフする。この例では、図5Aに示す時刻t26で、モータ制御信号S4aがHレベルからLレベルに立ち下がるので、洗浄水弁用モータ4aが停止する。
【0121】
その後、ステップB6でタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの停止時間を計測する。停止時間がタイムアップしていない場合は、ステップB6でCPU83は停止時間を計測する。停止時間がタイムアップした場合は、ステップB7でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオンする。
【0122】
その後、ステップB8でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのタイマをリセットする。ステップB9でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのオフタイマをリセットする。その後、図7に示すステップB21に移行する。
【0123】
この便器本体1への流水動作とほぼ同時に、仕切り弁2bの開動作を行うべく、ステップB10でCPU83は仕切り弁2bを開動作させるために仕切り弁用モータ2cの正転をオンする。例えば、図5Aに示す時刻t24で、図5Kに示すモータ制御信号S2cがOFFから正転開始する。その際に、開検出スイッチ25は時刻t26でオンして、開検出信号S25を制御ユニット8に出力する。
【0124】
ステップB11でCPU83は開検出スイッチ25がオンしたか否かに基づいて制御を分岐する。この例では、図5Aに示す時刻t24〜t26の動作時間で仕切り弁用モータ2cが正転する。開検出スイッチ25がオンした場合は、ステップB12でCPU83は仕切り弁用モータ2cの正転をオフする。仕切り弁2bが開動作すると、開口部2gが開く。これにより、便器本体1から粉砕装置2にトイレットペーパ、汚物及び洗浄水が流入するようになる。このように便器洗浄用の洗浄水を仕切り弁2bに当てながら仕切り弁2bを開いて行く事で、仕切り弁2bの上面を洗浄できるようになる。もちろん、便器本体1の内部に溜められている汚物や使用済みのトイレットペーパ等が粉砕装置2の内部へと流下(流し込まれる)される。
【0125】
ステップB13でCPU83は仕切り弁用モータ2cの動作時間をタイマリセットする。ステップB14でCPU83は仕切り弁用モータ2cのオフタイマをリセットする。この例では、図5Aに示す時刻t31で図5Kに示すモータ制御信号S2cがOFFから逆転開始し、時刻t31〜t34の動作時間で仕切り弁用モータ2cが逆転し、その後、仕切り弁用モータ2cがOFFする。開検出スイッチ25は時刻t31でオフする。上述のステップB11で開検出スイッチ25がオンしていない場合は、ステップB15に移行しCPU83はタイマを起動して仕切り弁用モータ2cの動作時間を計測する。仕切り弁用モータ2cの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップB11に戻って上述の内容を繰り返す。
【0126】
仕切り弁用モータ2cの動作時間がタイムアップした場合は、ステップB16でCPU83は仕切り弁2bを閉動作させるために仕切り弁用モータ2cを逆転する。その後、ステップB17で仕切り弁2bは閉検出スイッチ26をオンする。そして、ステップB18でCPU83は仕切り弁用モータ2cを正転する。その後、ステップB19でCPU83は回転変更回数Nxに基づいて仕切り弁2bの異常を判別する。その際の判別基準は、回転変更回数Nxと比較基準回数Naとを比較してその大小に基づいて仕切り弁2bの異常を検出する。回転変更回数Nxが比較基準回数Na未満である場合は、仕切り弁2bは正常であるので、ステップB11に戻る。
【0127】
回転変更回数Nxが比較基準回数Na以上である場合は、仕切り弁2bは異常であるので、ステップB20で仕切り弁2bの動作エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「仕切り弁の動作エラーです」等を表示する。仕切り弁2bの動作エラーは、汚物が開口部2g等に引っかかっている状態等により表示される。
【0128】
図7に示すステップB21で、CPU83は定位置検出センサ12が給水タンク4の原点を検出したか否かに基づいて制御を分岐する。この例では、定位置検出センサ12が洗浄水の流出と共に原点を未検出状態となり、図5Iに示すHレベルからLレベルに立ち下がる定位置検出信号S12を制御ユニット8に出力する。ステップB21で定位置検出センサ12が給水タンク4の原点を検出した場合は、ステップB22でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオンする。その後、ステップB23でCPU83は仕切り弁用モータ2cの逆転をオンする。
【0129】
上述の定位置検出センサ12が原点を検出していない場合は、ステップB24に移行して、CPU83はタイマを起動し、洗浄水弁用モータ4aの動作時間を計測する。洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップB21に戻って定位置検出センサ12が原点を検出するのを待つ。定位置検出センサ12が洗浄水の流入と共に原点の検出状態となると、図5Iに示すLレベルからHレベルに立ち上がる定位置検出信号S12を制御ユニット8に出力する(時刻t38を参照)。
【0130】
ステップB24で洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップした場合は、ステップB25でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「洗浄水弁用モータの動作エラーです」等を表示する。洗浄水弁用モータ4aの動作エラーは、タンク電磁弁31の閉誤動作や、洗浄水弁4bの開誤動作等により表示される。
【0131】
上述の仕切り弁用モータ2cの逆転をオンした後は、ステップB26でCPU83は閉検出スイッチ26がオンしたか否かに基づいて制御を分岐する。閉検出スイッチ26がオンしている場合は、ステップB27でCPU83は仕切り弁用モータ2cの逆転をオフする。この仕切り弁用モータ2cの逆転オフにより、図1に示した開口部2gが閉じられる。開口部2gが閉じられると、給水タンク4から流入される洗浄水の便器本体1から粉砕装置2の内部への流し込みが停止される。この例では、図5Aに示す時刻t34で閉検出スイッチ26がオンして、図5Mに示す閉検出信号S26が制御ユニット8に出力される。
【0132】
一方、ステップB26で閉検出スイッチ26がオンしていない場合は、ステップB28に移行し、CPU83はタイマを起動して仕切り弁用モータ2cの動作時間を計測する。仕切り弁用モータ2cの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップB26に戻って上述の内容を繰り返す。仕切り弁用モータ2cの動作時間がタイムアップした場合は、ステップB29でCPU83は仕切り弁用モータ2cを逆転する。そして、ステップB30で仕切り弁2bは閉検出スイッチ26をオンする。この例では、閉検出スイッチ26が図5Aに示す時刻t34でオンする。
【0133】
その後、ステップB31でCPU83は仕切り弁2bを開動作させるために仕切り弁用モータ2cを正転する。そして、ステップB32でCPU83は回転変更回数Nxに基づいて仕切り弁2bの異常を判別する。その際の判別基準は、回転変更回数Nxと比較基準回数Naとを比較してその大小に基づいて仕切り弁2bの異常を検出する。回転変更回数Nxが比較基準回数Na未満である場合は、仕切り弁2bは正常であるので、ステップB26に戻る。
【0134】
回転変更回数Nxが比較基準回数Na以上である場合は、仕切り弁2bは異常であるので、ステップB33でCPU83は仕切り弁2bの動作エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「仕切り弁の動作エラーです」等を表示する。仕切り弁2bの動作エラーは、汚物が開口部2g等に引っかかっている状態等により表示される。
【0135】
このように第2の実施例としてのトイレ装置100によれば、制御ユニット8は、便器本体1への洗浄水の供給を開始するように便器洗浄駆動部33を制御すると共に仕切り弁機構部2aの仕切り弁2bの開動作を開始するように仕切り弁用モータ2cを制御する。
【0136】
この制御によって、給水タンク4から給水される便器洗浄用の洗浄水を仕切り弁機構部2aの仕切り弁2bに当てながら当該仕切り弁2bを開くことができ、仕切り弁2bの上面を洗浄しながら、汚物を便器本体1から粉砕装置2へ排出できるようになる。これにより、仕切り弁2bの上面への汚れの付着や、汚物の残留等を防止できるようになる。
【0137】
この例では、洗浄水を仕切り弁機構部2aに当てながら仕切り弁2bを開いて行く場合について説明したが、これに限られることはなく、小間隙制御を実行してもよい。小間隙制御によれば、図2に示した制御ユニット8が、便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、この蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が開始されたことを検出したとき、仕切り弁機構部2aを開動作させて便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成し、当該便器本体1と粉砕装置2との間を連通するように仕切り弁用モータ2cを制御してもよい(第7の実施例参照)。
【0138】
また、制御ユニット8は、便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、この蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が終了したことを検出したとき、便器本体1への便器洗浄用の洗浄水の供給を開始するように便器洗浄駆動部33を制御すると共に、仕切り弁2bの開動作を開始するように仕切り弁用モータ2cを制御するようにしてもよい。これによっても、仕切り弁2bの上面への汚れの付着や、汚物の残留等を防止できるようになる。
【実施例3】
【0139】
続いて、図8を参照して、第3の実施例としてのトイレ装置100の洗浄水流入制御例について説明する。この実施例では、便器本体1の内部に水面検出センサ15が取り付けられ、便器本体1の内部への便器洗浄用の洗浄水の給水を停止する機能が付加されている。制御ユニット8は水面検出センサ15から出力される水位検出信号S15を入力し、水位検出信号S15に基づいて便器本体1の内部への便器洗浄用の洗浄水の給水を停止するように、洗浄水弁用モータ4aや、タンク電磁弁31、便座電磁弁32等の開閉制御を実行する。
【0140】
この例で、タンク電磁弁31や便座電磁弁32は既に「開」状態の場合である。洗浄水弁用モータ4aはモータ制御信号S4aが入力されれば回転できる状態である。水面検出センサ15にはフロート式のセンサが使用される。
【0141】
これらを制御条件にして、図8に示すフローチャートのステップC1でCPU83は水面検出情報を入力する。この例では、水面検出センサ15は、常時、便器本体1の内部に給水された便器洗浄用の洗浄水の水位を検出して水位検出信号S15を発生する。例えば、水面検出センサ15のフロート部分が水面に押し上げられて規定位置に到達し、満水を検出すると、Hレベルの水位検出信号S15を発生する。満水以外の場合は、フロート部分が規定位置から下がっているので、Lレベルの水位検出信号S15を発生する。
【0142】
次に、ステップC2で便器本体1の内部の満水に陥る水面を検出したか否かを判別する。その際に、制御ユニット8は満水時の水位検出信号S15の信号レベルを閾値Sthとして保有する。そして、便器本体1の内部に洗浄水が給水され、制御ユニット8で、水面検出センサ15から満水を示す水位検出信号S15を入力した場合は、CPU83は水位検出信号S15の信号レベルSxと、閾値Sthとを比較すると、両者が一致するので、便器本体1の内部が満水に陥っていると判断する。
【0143】
そして、ステップC3でCPU83はHレベルの水位検出信号S15をトリガにして電磁弁信号S31をタンク電磁弁31に出力してその閉動作する。タンク電磁弁31は電磁弁信号S31に基づいて開→閉動作をする。タンク電磁弁31の駆動停止によって給水タンク4への新たな便器洗浄用の洗浄水の給水を停止できるようになる。
【0144】
更に、ステップC4でCPU83はHレベルの水位検出信号S15をトリガにして洗浄水弁用モータ4aをOFF動作する。洗浄水弁用モータ4aはモータ制御信号S4aが入力されれば回転できる状態である。洗浄水弁用モータ4aの駆動停止によって洗浄水弁4bの閉動作が維持される。
【0145】
これらと共に、ステップC5でCPU83はHレベルの水位検出信号S15をトリガにして電磁弁信号S32を便座電磁弁32に出力してその閉動作する。便座電磁弁32は電磁弁信号S32に基づいて開→閉動作をする。便座電磁弁32の駆動停止によって衛生洗浄便座30の内部タンクへの新たなシャワー水の給水を停止できるようになる。
【0146】
その後、ステップC6でCPU83は満水報知処理を実行する。この満水報知処理によれば、制御ユニット8が便器本体1の内部に給水された便器洗浄用の洗浄水が満水になったとして便器洗浄動作IIaの禁止を報知する。便器洗浄動作IIa禁止の報知は、例えば、操作&表示部18の画面に「便器洗浄用の給水を禁止します」等を表示したり、音出力部19のブザー音等で報知する。
【0147】
このように第3の実施例としてのトイレ装置100によれば、制御ユニット8が水面検出センサ15から出力される水位検出信号S15を入力し、水位検出信号S15に基づいて便器本体1の内部への便器洗浄用の洗浄水や、衛生洗浄便座30へのシャワー水等の給水を停止するように制御する。
【0148】
この制御によって、満水検出時、洗浄水弁用モータ4aや、タンク電磁弁31、便座電磁弁32等の駆動を停止できるようになり、便器本体1の内部に所定の給水量を越える便器洗浄用の洗浄水の給水や、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の給水を防止できるようになる。しかも、便器本体1の内部に給水された洗浄水の水位が検出された場合は、便器本体1に新たな洗浄水が流入しないので、洗浄水が溢れ出る事態を未然に防止できるようになる。これにより、汚物流動体と化した汚水を一旦、圧送タンク3等に貯留して圧送するトイレシステム10において、洗浄水が便器本体1から外部へ溢れ出すことを確実に防止できるようになる。
【0149】
なお、水面検出センサ15は一般の既設の水洗トイレ装置に取り付けてもよい。その際には、既設の水洗トイレの便器の溢れ面より低い位置に、水面検出センサ15を設けて、この水面検出センサ15が水面を検出した時には、便器に水が満水になったとして便器洗浄動作IIaを禁止するようにしてもよい。
【0150】
また、便器本体1の満水検知は、例えば、粉砕装置2に至るオーバーフロー排出口を設けて、この排出口から汚水が流れた場合に便器本体1が満水状態になったと検出することでも実行できる。
【0151】
この例では、水面検出センサ15に関してフロート式の場合について説明したが、これに限られることはない。電極式や、光学式、超音波式のセンサを用いても同様な効果が得られる。
【実施例4】
【0152】
続いて、図2及び図9を参照して、第4の実施例としてのトイレ装置100のシャワー水流入制御例について説明する。この実施例では、図1に示したように衛生洗浄便座30が便器本体1に取り付けられ、人体局部を洗浄する際のシャワー水(洗浄水)を流入制御する場合である。給水検出手段には流量センサ(小)14が使用され、便座電磁弁32によって衛生洗浄便座30の内部タンクに給水されるシャワー水の供給量を検出するようになされる。
【0153】
図2に示したCPU83は、流量センサ(小)14から出力されるシャワー水量信号S14を入力し、このシャワー水量信号S14に基づいて衛生洗浄便座30の内部タンクへの所定量のシャワー水を給水するように便座電磁弁32を制御する。シャワー水の供給量がその許容される流入量(以下で許容基準量ともいう)に達したことを検出すると、シャワー水の供給を停止するように便座電磁弁32を制御する場合を例にとる。なお、使用検出手段には便蓋開閉検出センサ11を用いる場合を例に挙げる。
【0154】
これらを制御条件にして、図9に示すフローチャートのステップE1で、図2に示したCPU83は、衛生洗浄便座30の使用開始を検出したか否かを判別する。この際の衛生洗浄便座30の使用開始を検出する手段には、便蓋開閉検出センサ11の他に押しボタンスイッチ等を用いてもよい。便蓋開閉検出センサ11は、衛生洗浄便座30の使用開始を検出すると、例えば、Hレベルの蓋開閉検出信号S11をCPU83に出力する。
【0155】
ステップE2でCPU83はHレベルの蓋開閉検出信号S11に基づいて便座電磁弁32を開動作する。このとき、CPU83は便座電磁弁32に例えば、Hレベルの電磁弁信号S32を出力する。便座電磁弁32はHレベルの電磁弁信号S32に基づいて図示しない弁を開動作する。
【0156】
ステップE3でCPU83は、衛生洗浄便座30の内部タンクへ流入するシャワー水の流量情報を取得する。このとき、流量センサ(小)14は、便座電磁弁32によって衛生洗浄便座30の内部タンクに給水されるシャワー水の供給量(流入量)を検出してシャワー水量信号S14をCPU83に出力する。
【0157】
ステップE4でCPU83はシャワー水量信号S14に基づいてシャワー水の流入量Vxを積算する。このとき、シャワー水量信号S14はアナログ・ディジタル(以下でA/Dという)変換され、CPU83はA/D変換後のシャワー水量データにサンプリング時間を設定し、サンプリング時間に基づいて流入量Vxを順次RAM82等に記憶する。
【0158】
ステップE5でCPU83はシャワー水の流入量Vxと許容基準量Vthとを比較して制御を分岐する。許容基準量Vthはシャワー水が衛生洗浄便座30の内部タンクに流入許容される比較基準値(量)である。CPU83は、流量センサ(小)14から取得したシャワー水の流入量Vxが許容基準量Vth(閾値)以下である場合は、ステップE2に戻って便座電磁弁32の開動作を継続する。
【0159】
シャワー水の流入量Vxが許容基準量Vthを越えた場合は、ステップE7に移行して便座電磁弁32を閉動作する。このとき、CPU83は便座電磁弁32に例えば、Lレベルの電磁弁信号S32を出力する。便座電磁弁32はLレベルの電磁弁信号S32に基づいて図示しない弁を閉動作する。これにより、シャワー水流入制御を終了する。
【0160】
一方で、ステップE2〜ステップE5に並行して、ステップE6でCPU83は衛生洗浄便座30の使用終了を検出する。その際に、便蓋開閉検出センサ11は、衛生洗浄便座30の使用終了を検出すると、例えば、Lレベルの蓋開閉検出信号S11をCPU83に出力する。衛生洗浄便座30の使用終了を検出していない場合は、衛生洗浄便座30の使用終了検出を継続する。衛生洗浄便座30の使用終了を検出した場合は、ステップE7に移行して便座電磁弁32を閉動作する。これによっても、シャワー水流入制御を終了する。
【0161】
このように第4の実施例としてのトイレ装置100によれば、制御ユニット8が流量センサ(小)14から出力されるシャワー水量信号S14を入力し、このシャワー水量信号S14に基づいてCPU83が衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水の給水停止をするように便座電磁弁32を制御する。
【0162】
この制御によって、トイレ装置100の使用終了を検出する前に、衛生洗浄便座30の内部タンクに所定の給水量を越えるシャワー水の給水を停止できるようになる。しかも、衛生洗浄便座30の内部タンクに給水されたシャワー水の給水量が所定の給水量を越えたことが検出された場合は、衛生洗浄便座30の内部タンクに新たなシャワー水の流入を停止するので、シャワー水が溢れ出る事態を未然に防止できるようになる。これにより、汚水を一旦、圧送タンク3に貯留して圧送するトイレシステム10において、シャワー水が衛生洗浄便座30から便器本体1へ流出し、便器本体1から溢れ出すことを確実に防止できるようになる。
【0163】
この例では、給水検出手段に、流量センサ(小)14を使用する場合について説明したが、これに限られることはなく、流量センサ(小)14に代えて、配水管路中にフローセンサを取り付け、図8に示したステップE3で衛生洗浄便座30の内部タンクへ流入するシャワー水の流入時間を検出してもよい。フローセンサは、水が流れていた時間を測定するものである。
【0164】
その際には、制御ユニット8がフローセンサから出力されるシャワー水流入信号を入力し、シャワー水流入信号に基づいて、シャワー水の供給時間と、設定された比較基準値としての当該シャワー水の流入許容時間とを比較し、シャワー水の供給時間がシャワー水の流入許容時間に達したことを検出すると、シャワー水の供給を停止するように便座電磁弁32を制御するようになる。この制御によっても、トイレ装置100の使用終了を検出する前に、衛生洗浄便座30の内部タンクに所定の給水量を越えるシャワー水の給水を停止できるようになる。
【0165】
上述したシャワー水流入制御は、既存の衛生洗浄便座内にある着座センサと、シャワー用の電磁弁を使用しても同様な制御を行うことができるが、この例によれば、特定の衛生洗浄便座に依存することなく、衛生洗浄便座30へのシャワー水の使用量制限を実行できるようになる。
【0166】
ここで、図10〜図14を参照して、トイレ装置100の粉砕/搬送動作例について説明する。この実施例では、粉砕動作IIIa及び搬送動作IVa(排出動作)に並行して濯ぎ動作が実行される。搬送動作IVa後には圧送動作Vaが実行される。圧送動作Vaの後には後処理動作が実行され、この圧送動作Va及び後処理動作に並行して、濯ぎ動作が実行される。粉砕動作IIIaは、図5Aに示した時刻t34から図13Aに示す時刻t45に至り実行される。
【0167】
これらを動作条件にして、図10に示すフローチャートのステップF1でCPU83は便座蓋閉→開を検出する。便座蓋閉→開の検出については、第1、第4の実施例で説明しているので、その説明を省略する。
【0168】
ステップF2でCPU83は開閉弁動作時間や、洗浄水弁用モータ、排出弁動作時間、エアー抜き電磁弁動作時間、流量センサ動作時間等をタイマリセット処理する。開閉弁動作時間は仕切り弁2bの動作時間であり、洗浄水弁用モータには回転時間が含まれ、排出弁動作時間は、排出弁2kの動作時間であり、エアー抜き電磁弁動作時間は、エアー抜き電磁弁37の動作時間であり、流量センサ動作時間は、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14の動作時間である。これらの動作時間が設定される。
【0169】
ステップF3でCPU83は、流量センサ(大)13のカウント値をリセットする。ステップF4でCPU83は流水動作を実行する。流水動作については、第2の実施例で説明した通りである。ステップF5でCPU83は粉砕動作IIIaを実行する。この例では、図5Aに示した時刻t34から図13Aに示す時刻t45に至り粉砕動作IIIaが実行される。
【0170】
例えば、図11に示すサブルーチンをコールし、そのステップG1でCPU83は粉砕動作IIIaをオン(ON)するプログラムを実行する。この例では、洗浄水を含ませて汚物をほぐすほぐし処理時の設定回数が2通り設定される。設定回数をNc,Nbとすると、Nc>Nbに設定される。粉砕用モータ2sは粉砕動作IIIa時に時刻t34でオンする。このとき、モータ駆動データD35が制御ユニット8からモータ駆動部35に出力される。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ制御信号S2sはモータ駆動部35から粉砕用モータ2sに出力される。
【0171】
ステップG2でCPU83は粉砕用モータ2sの運転開始し、ta秒間だけ粉砕用モータ2sを正転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。このとき、モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sは、モータ制御信号S2sに基づいてta秒間だけ正転する。
【0172】
次に、ステップG3でCPU83は粉砕用モータ2sをtb秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sはtb秒間だけ停止する。
【0173】
更に、ステップG4でCPU83は粉砕用モータ2sをtc秒間逆転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sは、モータ制御信号S2sに基づいてtc秒間だけ逆転する。
【0174】
そして、ステップG5でCPU83は粉砕用モータ2sをtd秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sはtd秒間だけ停止する(ほぐし処理)。
【0175】
その後、ステップG6でCPU83はほぐし回数Nyと設定回数Nbとを比較してほぐし回数Nyが設定回数Nbに至ったか否かを判別する。ほぐし回数Nyが設定回数Nb以下の場合は、ステップG2に戻ってCPU83は上述したほぐし処理を繰り返す。
【0176】
ほぐし回数Nyが設定回数Nbを越えた場合は、ステップG7に移行してCPU83は第2回目のほぐし処理を実行するために、粉砕用モータ2sをta秒間正転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。
【0177】
ステップG8でCPU83は粉砕用モータ2sをtb秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。
【0178】
ステップG9でCPU83は粉砕用モータ2sをtc秒間逆転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。
【0179】
ステップG10でCPU83は粉砕用モータ2sをtd秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。
【0180】
ステップG11でCPU83はほぐし回数Nyと設定回数Nc(Nc>Nb)とを比較してほぐし回数に至ったか否かを判別する。ほぐし回数Nyが設定回数Nc以下の場合は、ステップG2に戻ってCPU83は上述したほぐし処理を繰り返す。ほぐし回数Nyが設定回数Ncを越えた場合は、ほぐし処理を終了してステップF5にリターンする。これにより、汚物がほど良く攪拌されることで、回転臼2i及び固定臼2hの中に汚物が入り込み易くなり、粉砕時間を短縮することができる。
【0181】
この例では、図13Aに示す時刻t45で、図13Nに示すモータ制御信号S2sがHレベルからLレベルに立ち下がるので、モータ駆動部35は粉砕用モータ2sを停止する。粉砕用モータ2sが停止することで、図1に示した回転臼2iの回転が汚物の粉砕を停止する。この例で、粉砕用モータ2sは、図13Aに示す時刻t45から時刻t68に至る時間停止している。
【0182】
その後、ステップF6でCPU83は搬送動作IVaを実行する。例えば、図12に示すサブルーチンをコールし、そのステップH1で、CPU83は排出弁用モータ3aを正転して排出弁2kを駆動し、開検出スイッチ3sをONする。この例では、図13Aに示す時刻t46で、図13Oに示すOFFからHレベルに立ち上がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。
【0183】
排出弁用モータ3aがモータ制御信号S3aに基づいて正転する。排出弁用モータ3aが正転すると、排出弁2kが開動作する。排出弁2kが開動作すると、洗浄水を含みほぐされた汚物、すなわち、汚物流動体が圧送タンク3に自然流下を開始するようになる。
【0184】
ステップH2で開検出スイッチ3sがオンしたか否かを検出し、この検出に基づいて制御を分岐する。開検出スイッチ3sのオンが検出されていない場合は、ステップH3に移行して、CPU83はタイマを起動し、排出弁2kの動作時間を計測する。排出弁2kの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップH2に戻ってCPU83は開検出スイッチ3sがオンするのを待つ。この例で、排出弁2kの開動作は時刻t48で完了する。
【0185】
ステップH3で開検出スイッチ3sの動作時間がタイムアップした場合は、ステップH4でCPU83は排出弁2kのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「排出弁の動作エラーです」等を表示する。排出弁2kの動作エラーは、排出弁用モータ3aの誤動作や、開検出スイッチ3sの誤動作等により表示される。
【0186】
ステップH2で開検出スイッチ3sのオンが検出された場合は、ステップH5に移行してCPU83は、排出弁用モータ3aの正転をOFFする。排出弁用モータ3aの正転OFF完了によって、排出弁2kが開くと、粉砕装置2の内部に在る汚物流動体が圧送タンク3内の空気と入れ替わるようにして流れ込む。
【0187】
その後、ステップH6でCPU83はエアー抜き電磁弁37をONする。この例では、図14Aに示す時刻t48で、図14Eに示すLレベルからHレベルに立ち上がるエアー抜き信号S37が制御ユニット8からエアー抜き電磁弁37に出力される。エアー抜き電磁弁37は、エアー抜き信号S37に基づいて図示しない弁を開閉する。この時刻t48にエアー抜き電磁弁37を開くと、汚物流動体が粉砕装置2から圧送タンク3へ排出するとき、エアー管3iを通じてタンク内の空気が圧送タンク3から粉砕装置2へバイパス(迂回)するようになる。
【0188】
ステップH7でCPU83はタイマを起動してエアー抜き電磁弁37の動作時間をセットする。この動作時間は、汚物流動体が粉砕装置2から圧送タンク3へ排出する時間となる。動作時間がタイムアップしたら、ステップH8に移行してCPU83はエアー抜き電磁弁37をOFFする。エアー抜き信号S37は時刻t54でHレベルからLレベルに立ち下がるので、エアー抜き電磁弁37は閉じる。
【0189】
この動作に並行して、ステップH8でCPU83は粉砕用モータ2sの低速正転をONする。その後、ステップH10でCPU83はタイマを起動して粉砕用モータ2sの低速運転時間をセットする。そして、ステップH11に移行する。
【0190】
ステップH11でCPU83は排出弁2kの動作時間をリセットする。その後、ステップH12でCPU83は排出弁用モータ3aを逆転して排出弁2kを閉動作させ、閉検出スイッチ3rをオン(ON)する。
【0191】
この例では、図13Aに示す時刻t54で、図13Oに示すOFFからLレベルに立ち下がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。排出弁用モータ3aがモータ制御信号S3aに基づいて逆転する。排出弁用モータ3aが逆転すると、排出弁2kが閉動作する。排出弁2kの閉動作は時刻t56で完了する。排出弁2kが閉じられると、粉砕装置2から圧送タンク3への流下経路(搬送路)が遮断される。排出弁2kは圧送動作に対応して気密性良く閉じられる。
【0192】
ステップH13でCPU83は閉検出スイッチ3rがオンしたか否かを検出し、この検出に基づいて制御を分岐する。閉検出スイッチ3rのオンが検出されている場合は、ステップH14で、排出弁用モータ3aの逆転をオフする。閉検出スイッチ3rのオンが検出されていない場合は、ステップH15に移行し、CPU83はタイマを起動して排出弁2kの動作時間を計測する。排出弁2kの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップH13に戻ってCPU83は閉検出スイッチ3rがオンするのを待つ。
【0193】
ステップH15で開検出スイッチ3sの動作時間がタイムアップした場合は、ステップH16でCPU83は排出弁2kのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「排出弁の動作エラーです」等を表示する。排出弁2kの動作エラーは、排出弁用モータ3aの誤動作や、開検出スイッチ3sの誤動作等により表示される。その後、図10に示したステップF7にリターンする。これらにより、粉砕動作IIIa及び搬送動作IVaを終了する。
【0194】
そして、ステップF7でCPU83は圧送動作Vaを実行する(第5の実施例を参照)。その後、ステップF8でCPU83は後処理動作を実行する(第7の実施例を参照)。これに並行してステップF9でCPU83は濯ぎ動作を実行する(第7の実施例参照)。
【0195】
この例では、ステップF5の粉砕動作IIIa、ステップF6の搬送動作IVa、ステップF7の圧送動作Va及び、ステップF8の後処理動作に並行して、ステップF9でCPU83は濯ぎ動作を実行する。更に、ステップF7の圧送動作Va及び、ステップF8の後処理動作に並行して、ステップF10でCPU83は濯ぎ動作を実行する(第7の実施例を参照)。
【実施例5】
【0196】
続いて、図2、図15〜図18を参照して、第5の実施例としてのトイレ装置100における圧力制御例について説明する。図15A,B及び図16A,Bにおいて、縦軸は圧力Pであり、圧送タンク3内の圧力である。横軸は、経過時間Tであり、エアーコンプレッサ6を動作させている時間である。図中の実線は、圧送タンク3内の経時的な圧力変化(圧力対時間曲線)であり、圧力対時間特性を示している。
【0197】
この実施例では、図2に示した制御ユニット8のCPU83が圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16を入力し、この圧力検出信号S16に基づいて汚物流動体に圧縮空気を作用するようにエアーコンプレッサ6を制御する。
【0198】
[通常検出動作]
例えば、図15Aに示す圧力対時間特性の縦軸に圧力Pの比較基準値としての閾値Pthが設定される。閾値Pthは例えば、ROM81等に記憶される。CPU83は図2に示したエアーコンプレッサ6の出力を制御する際に、圧送開始と共に、設定された閾値Pthと、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較する。
【0199】
CPU83は、圧送タンク3の内部の圧力値Pxが上昇し、一旦、信号レベル値が閾値Pth以上になってから再度、当信号レベル値が閾値Pthまで下がってきた時点に、汚物流動体の圧送終了とみなして圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。
【0200】
このように制御すると、汚物流動体圧送時の圧力Pの変化を捉えて、圧送終了や詰まり発生時の異常を検出できるようになり、エアーコンプレッサ6による加圧動作を通常停止又は緊急停止できるようになる。
【0201】
上述の閾値Pthは1個に限られることはなく、図15Bに示すように、2つの第1の閾値Pth1、第2の閾値Pth2のように設定してもよい。第1の閾値Pth1は第2の閾値Pth2よりも大きい値が設定される。CPU83は図1に示した圧送タンク3の内部の圧力が上昇し、一旦、信号レベル値が閾値Pth1以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pth2まで下がってきた時点に、汚物流動体の圧送終了とみなして圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。
【0202】
このように、圧力上昇時と、圧力下降時の閾値Pthを同じ値に設定しても、圧力上昇時の閾値Pth1と、圧力下降時の閾値Pth2のように異なる値を設定しても、どちらでも良い。
【0203】
また、図16Aに示す圧力対時間特性において、図2に示したCPU83は、圧力検出センサ16から圧力検出信号S16を入力し、図示しないサンプリング用のクロック信号に基づいて圧力検出信号S16をサンプリングし、圧送タンク3の内部の圧力を一定時間間隔で測定する。
【0204】
CPU83は、ここに測定して得た圧送タンク3の内部の圧力検出時の信号レベル値(圧力値Px)と、前に測定した圧力値(例えば、最大値を与える信号レベル値(圧力値Pmax)とを比較して、前の圧力値よりも低くなった時点(Pmax>Px)で、汚物流動体の圧送終了とみなして圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。このように制御してもエアーコンプレッサ6を通常停止できる。
【0205】
更に、図16Aに示す圧力対時間特性において、図2に示したCPU83は、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3の内部の圧力を一定時間間隔で測定するところまでは上述した通りである。この例では、測定して得た圧送タンク3の内部の圧力値Pxを複数個記憶する。圧力値Pxは、例えば、制御ユニット8内のRAM82等に記憶する。
【0206】
CPU83は、RAM82等に記憶された圧力値Pxから、図16Bに示すような圧力変化勾配を計算する。CPU83は、計算した圧力変化勾配が上昇から下降に変化した時点で、汚物流動体の圧送終了とみなして圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。図16Bに示す例では、圧力対時間特性において、左側の3本が上向き勾配であり、右側の1本が下向き勾配になっている。このように圧力変化勾配が上昇から下降に変化した時点で、エアーコンプレッサ6を制御しても通常停止できる。
【0207】
[異常検出動作]
なお、CPU83は、異常検出用に設定された圧力の比較基準値としての閾値と、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値とを比較し、圧力検出信号S16の信号レベル値が設定された閾値以上になった場合に、給水、粉砕及び圧送を含む全動作を停止して異常を報知する。異常検出用の閾値は、通常動作時の閾値Pth,Pth1,Pth2よりも高い値、例えば、図15Bに示すような閾値Pth3が設定される。図中、二点鎖線は、圧力異常上昇時の圧力対時間特性を示している。
【0208】
CPU83は、トイレ装置100に電源が供給されている間、常時、圧力検出センサ16を介して圧送タンク3の内部の圧力を測定し、圧送タンク3の内部の圧力が図15Bに示した異常検出用の閾値Pth3以上になった時に全動作を停止し、異常を報知する。異常報知は、例えば、操作&表示部18や、音出力部19を通じて報知するとよい。
【0209】
また、CPU83は、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3の内部の圧力を一定時間間隔で測定し、測定して得た圧送タンク3の内部の圧力値と前に測定した圧力値とを比較し、一定時間以内に圧送タンク3の内部の圧力値が前の圧力値より低くならなかった場合に、給水、粉砕及び圧送を含む全動作を停止して異常を報知する。
【0210】
更に、CPU83は、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16に基づいて圧送タンク3の内部の圧力を一定時間間隔で測定し、測定して得た圧送タンク3の内部の圧力値を複数個記憶し、記憶された圧力値から圧力変化勾配を計算し、計算された圧力変化勾配が一定時間以内に上昇から下降に変化しなかった場合に、給水、粉砕及び圧送を含む全動作を停止して異常を報知する。
【0211】
この例では、図2に示した操作&表示部18や、音出力部19等は異常報知手段の一例を構成し、圧送タンク3の内部の圧力が異常状態であることが圧力検出センサ16及びCPU83によって検出されたとき、例えば、「圧送タンクの圧力が異常に上昇しています」等を報知(表示)するように動作する。
【0212】
続いて、図17を参照して、トイレ装置100における圧送動作例について説明をする。この実施例では、圧力を検出するための閾値が3つ設定される。第1の閾値Pth1は、例えば、エアーコンプレッサエラーを判別する値、第2の閾値Pth2は、配管詰まりを判別する値、及び、第3の閾値Pth3は、圧送タンク3の内の圧力異常上昇を判別する値が準備される。
【0213】
これを動作条件にして、図17に示すフローチャートのステップJ1で、CPU83はエアーコンプレッサ6をONする。この例では、図18Aに示す時刻t57で、図18Fに示すLレベルからHレベルに立ち上がる圧力制御信号S6が制御ユニット8からエアーコンプレッサ6に出力される。エアーコンプレッサ6は、圧力制御信号S6に基づいて空気を圧縮して圧送タンク3内に送出する。これにより、圧送タンク3内の流動体化された汚物が排出管3fを通じて備え付けの既設トイレ装置5に排出される。
【0214】
ステップJ2でCPU83は圧力検出センサ16が第1の閾値Pth1を越える圧力Pxを検出したか否かに基づいて制御を分岐する。その際の分岐判別は、設定された閾値Pth1と、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較してその大小を判別する。
【0215】
圧力検出センサ16が閾値Pth1を越える圧力を検出していない場合は、ステップJ3に移行してCPU83はタイマを起動して圧力検出センサ16の動作時間を計測する。圧力検出センサ16の動作時間が圧力上昇時間に到達していない場合は、ステップJ2に戻ってCPU83は圧力検出センサ16が圧力を検出するのを待つ(圧力上昇タイマ)。
【0216】
圧力検出センサ16の動作時間が圧力上昇時間に到達しても、なお、圧力検出センサ16が圧力を検出しない場合は、ステップJ4でエアーコンプレッサ6の動作エラーを報知する。例えば、操作&表示部18の画面に「エアーコンプレッサの動作エラーです」等を表示する。エアーコンプレッサ6の動作エラーは、安全弁の開放等により表示される。
【0217】
また、圧力検出センサ16が閾値Pth1を越える圧力を検出した場合は、ステップJ5で圧力検出センサ16が閾値Pth2を検出したか否かに基づいて制御を分岐する。その際の分岐判別は、設定された閾値Pth2と、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較してその大小を判別する。
【0218】
圧力検出センサ16が閾値Pth1を越える圧力を検出している場合は、ステップJ6に移行してCPU83はタイマを起動して配管詰まりを断定するための動作時間(タイマ値)と圧力検出センサ16の動作時間とを比較する。圧力検出センサ16の動作時間が配管詰まりタイマ値以下の場合はステップJ5に戻って圧力検出を継続する。
【0219】
圧力検出センサ16の動作時間が配管詰まりタイマ値を越える場合はステップJ7で配管詰まりエラーを報知する。例えば、操作&表示部18の画面に「配管詰まりエラーです」等を表示する。配管詰まりエラーは、排出管3f内に未粉砕の汚物等が引っかかった場合等により表示される。
【0220】
また、圧力検出センサ16が閾値Pth2を越える圧力を検出した場合は、ステップJ8で圧力検出センサ16が閾値Pth3を検出したか否かに基づいて制御を分岐する。その際の分岐判別は、設定された閾値Pth3と、圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16の信号レベル値(圧力値Px)とを比較してその大小を判別する。
【0221】
圧力検出センサ16が閾値Pth2を越え、閾値Pth3以下の圧力を検出している場合は、ステップJ9に移行してCPU83はタイマを起動して汚物流動体の圧送に要する圧送時間(タイマ値)と圧力検出センサ16の動作時間とを比較する。圧力検出センサ16の動作時間が汚物流動体の圧送時間以下の場合はステップJ5に戻って圧力検出を継続する。圧力検出センサ16の動作時間が汚物流動体の圧送時間を越える場合は、ステップJ10で配管詰まりエラーを報知する。報知方法は上述した通りである。
【0222】
更に、ステップJ8で圧力検出センサ16が閾値Pth3を越える圧力を検出した場合は、ステップJ11でエアーコンプレッサ6をOFFする(異常終了)。圧力検出センサ16が異常を検出することなく、圧力上昇後、閾値Pth2を再度検出した場合は、エアーコンプレッサ6をOFFする。この例では、図18Aに示す時刻t56で圧力検出センサ16による圧力検出信号S16が上昇し、時刻t65で急激に降下している。
【0223】
CPU83は、圧力検出信号S16の信号レベル値が閾値Pth1以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pth2まで下がってきた時点を捉え、この時点を汚物流動体の圧送終了とみなして、圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。このとき、圧送タンク3内の汚物流動体は全て既設トイレ装置5へ排出される(正常終了)。
【0224】
なお、図18Aに示す時刻t66で、図18Jに示すモータ制御信号S4eがLレベルからHレベルに立ち上がって、図1に示した既設トイレ装置5の洗浄水弁用モータ4e(図中では既設トイレ洗浄水モータと記す)がONする。時刻t68で、HレベルからLレベルに立ち下がる。既設トイレ装置5の定位置検出センサ20は時刻t66で原点の未検知状態となり、時刻t71で原点を検知し、既設トイレ装置5の洗浄を終了する。また、図18Hに示す排出お知らせLEDは引き続きONしたままである。図18Iに示す排出お知らせブザーは引き続きONしたままである。この例では時刻t25から時刻t98に至る間、Hレベルである。この間、排出お知らせLEDが点灯し、排出お知らせブザーが鳴動する。
【0225】
このように第5の実施例としてのトイレ装置100によれば、圧力検出センサ16がエアーコンプレッサ6によって汚物流動体に作用される圧縮空気の圧力を検出する。これを前提にして、制御ユニット8が圧力検出センサ16から出力される圧力検出信号S16を入力し、この圧力検出信号S16に基づいて汚物流動体に圧縮空気を作用させるようにエアーコンプレッサ6を制御する。
【0226】
この制御によって、エアーコンプレッサ6の内部の圧力上昇や、その圧力降下等に対応して汚物流動体に作用させる圧縮空気の圧力を制御できるようになる。これにより、圧縮空気で汚物流動体を圧送する方式での圧送終了検出や汚物流動体の圧送時に配管詰まり等が発生した場合の異常検出を確実に実行できるようになる。もちろん、圧力検出センサ16に代えて圧送タンク3内に水位センサを取り付けて、圧送制御してもよい。
【実施例6】
【0227】
図19を参照して、第6の実施例としてのトイレ装置100の濯ぎ準備動作例について説明する。この例では、便器洗浄、粉砕、搬送及び圧送の各動作が二度の工程で行われることを前提にして、第1工程で、基本動作Iaは図5Aに示した時刻t1〜時刻t23で行われる。便器洗浄動作IIaは図5Aに示した時刻t23〜図13Aに示した時刻t46で行われる。粉砕動作IIIaは図13Aに示した時刻t46〜時刻t56で行われる。搬送(排出)動作IVaは図13Aに示した時刻t46〜時刻t56で行われる。圧送動作Vaは図13Aに示す時刻t56〜時刻t65で行われる。
【0228】
第2工程で、濯ぎ準備動作Ibは、例えば、図13Aに示した時刻t45〜時刻t56で行われる。便器洗浄動作IIbは、図13Aに示した時刻t56〜図18Aに示す時刻t68で行われる。濯ぎ粉砕動作IIIbは、図18Aに示した時刻t68〜時刻t73で行われる。搬送(排出)動作IVbは図18Aに示した時刻t73〜図18Aに示す時刻t84で行われる。濯ぎ圧送動作Vbは図18Aに示した時刻t84〜時刻t92で行われる。
【0229】
この実施例では、第1工程の圧送動作Vaが始まった時点で、濯ぎ準備動作Ibを開始し、圧送動作Va中に、第2工程の便器洗浄動作IIb及び濯ぎ粉砕動作IIIbを行なう。この時、第2工程の濯ぎ粉砕動作IIIbは、第1工程の粉砕動作IIIaよりも短い時間に設定される。この例では、粉砕動作IIIaの終了直前に濯ぎ準備動作Ibを開始する。
【0230】
これらを動作条件にして、例えば、図19に示すフローチャートのステップK1でCPU83は流量センサ(大)13のカウント値をリセットする。ステップK2でCPU83はタンク電磁弁31を開動作する。このとき、図13Aに示した便座蓋1aは閉状態であるが、時刻t45で、図13Dに示す電磁弁信号S31がLレベルからHレベルに立ち上がることで、タンク電磁弁31が閉→開に移行する。
【0231】
ステップK3でCPU83は流量センサ(大)13のカウント動作に基づいて制御を分岐する。流量センサ(大)13がカウントアップされていない場合は、ステップK5に移行し、CPU83はタイマを起動して流量センサ(大)13の動作時間を計測する。流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップK3に戻ってCPU83は流量センサ(大)13がタイムアップするのを待つ。
【0232】
流量センサ(大)13がカウントアップした場合は、ステップK4でCPU83はタンク電磁弁31を閉動作する。この例では、時刻t55で図13Dに示す電磁弁信号S31がHレベルからLレベルに立ち下がることで、タンク電磁弁31が開状態から閉状態(以下開→閉と記述する)に移行する。
【0233】
ステップK5でCPU83は流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップした場合は、ステップK6でCPU83は給水エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「給水エラーです」等を表示する。給水エラーは、手動バルブ40aの誤閉動等により表示される。これにより、汚物流動体の搬送動作IVaに並行した濯ぎ準備動作が終了する。
【0234】
この例では、汚物流動体の圧送動作Vaに並行して濯ぎ準備動作Ibを行えるので、処理時間が延びることを最小限に留めることができる。さらに処理時間を短縮することができる。
【0235】
例えば、CPU83が粉砕装置2から排出された汚物流動体の圧送動作Vaを開始するようにエアーコンプレッサ6を制御すると共に、濯ぎ用の濯ぎ水を受容して当該濯ぎ水で内部の濯ぎを開始するように粉砕装置2を制御する。
【0236】
この例で、CPU83は、回転臼2iが正転及び逆転を繰り返すように粉砕装置2を制御する。第1工程中の粉砕動作IIIaでは、回転臼2iを正転、逆転を繰り返すように回転させることで、汚物が良く攪拌され、汚物が回転臼2iと固定臼2hとの中に入り込み易くなる。これにより、汚物がほど良く攪拌されることで、回転臼2iと固定臼2hとの間に汚物が入り込み易くなり、粉砕時間を短縮することができる。
【0237】
これに対して、第2工程では、粉砕する汚物が無いので、第1工程に比べて、CPU83は、濯ぎ開始直後、第1工程よりも、短い回転時間で正・逆転等を行って終了する。例えば、濯ぎ開始直後、第1工程よりも、回転臼2iを短い周期で正転及び逆転を繰り返すように粉砕装置2を制御し、その後、回転臼2iが濯ぎ開始直後に比べて長い周期で正転及び逆転を繰り返すように粉砕装置2を制御する。これにより、濯ぎ粉砕時間をより短縮することができる。
【0238】
粉砕開始後の数回は、回転臼2iの回転時間を短く設定して、回転臼2iの正逆転を繰り返し、その後、その回転時間を長く設定して、回転臼2iの正逆転を繰り返す運転をする。この結果、より粉砕時間を短縮することができる。なお、第2工程では、基本的に粉砕する汚物が存在しないことから、単一の所定時間、正・逆回転を行うようにしてもよい。また、第1工程よりも短い濯ぎ粉砕時間としてもよい。
【0239】
このように、第6の実施例に係るトイレ装置100によれば、CPU83は、第1工程で粉砕装置2から排出された汚物流動体の圧送を開始するようにエアーコンプレッサ6を制御すると共に、第2工程で濯ぎ用の濯ぎ水を受容して当該濯ぎ水で便器本体1の内部を濯ぎ開始するように、仕切り弁機構部2aを制御し、その後、粉砕装置2の内部を濯ぎ開始するように粉砕装置2を制御する。
【0240】
この制御によって、第1工程におけるエアーコンプレッサ6による汚物流動体の圧送処理に並行して、第2工程における仕切り弁機構部2a及び粉砕装置2による濯ぎ処理を実行できる。これにより、エアーコンプレッサ6による汚物流動体の圧送処理後に粉砕装置2による濯ぎ処理を実行する場合に比べてトイレ装置100における汚物処理時間を短縮することができる。しかも、濯ぎ工程に要する時間を最小限に留めることができ、粉砕装置2からの悪臭や、排出管部材の詰まりを防止しながら汚物処理時間を短縮することができる。
【0241】
また、CPU83は、第1工程における汚物と洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成す粉砕動作IIIaよりも、第2工程における濯ぎ用の濯ぎ水を受容すると共に粉砕装置2の内部を濯ぎ水で濯いで濯ぎ流動体と成す濯ぎ粉砕動作IIIbの処理時間を短く設定している。このように設定すると、さらに汚物処理時間を短縮することができる。
【実施例7】
【0242】
続いて、図20〜図24を参照して、第7の実施例としてのトイレ装置100の溜め水時の動作例(その1〜5)について説明をする。この実施例では、CPU83が便蓋開閉検出センサ11から使用終了情報を入力し、使用終了情報に基づいて便器本体1の使用が終了したことを検出すると、仕切り弁2bを開動作させるように仕切り弁用モータ2cを制御する。これと共に、CPU83は洗浄水弁4bを開動作させるように洗浄水弁用モータ4aを制御する。
【0243】
更に、CPU83は、便器本体1から汚物及び洗浄水を粉砕装置2へ流下させた後、仕切り弁2bを閉動作させるように仕切り弁用モータ2cを制御する。これと共に、CPU83は便器本体1の底部に溜め水を作るために、洗浄水弁4bが開動作した状態で給水タンク4に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、洗浄水弁4bを閉動作するように洗浄水弁用モータ4aを制御する。この例では、衛生洗浄便座30でなく、便座蓋1a及び便座1bを有した便器本体1の場合について説明をする。
【0244】
これらを制御条件にして、図20Aに示すトイレ装置100は初期状態である。図20Aにおいて、便蓋開閉検出センサ11は、便器本体1(衛生洗浄便座30の場合であってもよい)の使用終了を示す使用終了情報を制御ユニット8に出力している。例えば、制御ユニット8では、便座蓋1aの閉操作に対応して、図2に示した便蓋開閉検出センサ11からCPU83へ使用終了情報としての便蓋閉を示すLレベルの蓋開閉検出信号S11が出力される。
【0245】
タンク電磁弁31はCPU83から電磁弁信号S31を入力して閉動作を維持している。給水タンク4には所定の水量の洗浄水が貯留されている。仕切り弁2b及び洗浄水弁4bは閉動作を維持している(図5H,Kに示した時刻t34,t35を参照)。便器本体1内の底部には溜め水が作られている(図5D,Eに示した時刻t35,t36を参照)。洗浄水弁4bは、給水タンク4の洗浄水を便器本体1に流水する際に開く。タンク電磁弁31は、給水タンク4に洗浄水を供給する際に開く。それぞれ制御可能として、排泄後に以下の動作を行う。
【0246】
図20Bに示すトイレ装置100の排泄時の状態によれば、便蓋開閉検出センサ11から制御ユニット8には、衛生洗浄便座30の使用開始を示す使用開始情報(以下で便器使用情報ともいう)が出力されている。例えば、制御ユニット8では、図2に示した便蓋開閉検出センサ11からCPU83へ使用開始情報としての便蓋開を示すHレベルの蓋開閉検出信号S11が出力される。便器本体1内の底部には溜め水及び、使用者から排泄された汚物(図中の白抜き楕円)が存在している。この時点では、タンク電磁弁31は閉動作のままであり、給水タンク4には所定の水量の洗浄水が貯留されている。仕切り弁2b及び洗浄水弁4bは閉動作を維持している。
【0247】
図21Aに示すトイレ装置100の使用終了検出後の状態によれば、便器本体1の洗浄を開始するようになる。このとき、便蓋開閉検出センサ11から制御ユニット8には、衛生洗浄便座30の使用終了を示す使用終了情報(以下で便器使用情報ともいう)が出力されている。例えば、制御ユニット8では、図2に示した便蓋開閉検出センサ11からCPU83へ使用終了情報としての便蓋閉を示すLレベルの蓋開閉検出信号S11が出力される。この時点で、モータ駆動部34から仕切り弁用モータ2cへモータ制御信号S2cが出力され、仕切り弁2bが閉→開動作に移行する。
【0248】
この仕切り弁2bの閉→開動作の移行により、便器本体1内の底部に存在していた溜め水及び汚物が粉砕装置2へ落下し始める。なお、タンク電磁弁31は閉動作のままであり、給水タンク4には所定の水量の洗浄水が貯留されたままである。
【0249】
図21Bに示すトイレ装置100の便器洗浄中の状態によれば、仕切り弁2bが全開動作となると共に、便器洗浄駆動部33から洗浄水弁用モータ4aへモータ制御信号S4aが出力され、洗浄水弁4bが閉→開動作に移行する。この洗浄水弁4bの閉→開動作の移行により、給水タンク4に貯留されていた所定の水量の洗浄水が便器本体1内に流入される。これにより、便器本体1内の底部に滞在していた溜め水及び汚物が洗浄水と共に粉砕装置2へ落下する。なお、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままであり、タンク電磁弁31は閉動作のままである。
【0250】
図22Aに示すトイレ装置100の便器洗浄終了時の状態によれば、モータ駆動部34から仕切り弁用モータ2cへモータ制御信号S2cが出力され、仕切り弁2bが開→閉動作に移行する(図13Kの時刻t68参照)。この仕切り弁2bの開→閉動作は、便器本体1内の底部に溜め水を作るためである。なお、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままであり、タンク電磁弁31は閉動作のままである。更に、洗浄水弁4bも全開動作(図13Jに示した時刻t58〜t69を参照)したままである。
【0251】
図22Bに示すトイレ装置100の溜め水実行時の状態によれば、洗浄水弁4bは全開動作のままである。洗浄水弁4bの全開動作は、便器本体1内に溜め水を作るためである。この時点で、タンク電磁弁31は、CPU83から電磁弁信号S31を入力して閉→開動作に移行する。流量センサ(大)13は給水タンク4内へ注水する洗浄水の注入流量(溜め水相当量)を計測する。このとき、給水タンク4内に洗浄水が供給されるが、洗浄水弁4bが開いているので、そのまま便器本体1に落ちる。
【0252】
給水タンク4を通過して溜め水相当量の洗浄水が便器本体1内に流水される。これにより、洗浄水の流入と一連して溜め水を実行できるようになり、便器本体1内の底部に所定の流量の溜め水を作ることができる(図13D,Eに示した時刻t68,t69を参照)。なお、仕切り弁2bは全閉動作のままである。仕切り弁2bの全閉動作は、便器本体1内の底部に存在する溜め水を維持するためである。便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままである。
【0253】
図23Aに示すトイレ装置100の溜め水終了時の状態によれば、タンク電磁弁31は開→閉動作に移行する。タンク電磁弁31の開→閉動作は、一旦、給水タンク4への洗浄水の供給を停止することで、流量センサ(大)13をリセットするためである。流量センサ(大)13をリセットすることで、給水タンク4に正確な流量の洗浄水を供給できるようになる。洗浄水弁4bは開→閉動作に移行される(図13Jの時刻t70参照)。この洗浄水弁4bの開→閉動作は、給水タンク4に次回の洗浄水を貯留する収容容量を確保するためである。なお、仕切り弁2bは全閉動作(図13Kの時刻t69以降)のままであり、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままである。
【0254】
図23Bに示すトイレ装置100の洗浄水注水開始時の状態によれば、洗浄水弁4bは閉動作を維持する。なお、仕切り弁2bは全閉動作のままであり、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままである。なお、CPU83は、粉砕装置2に流下された洗浄水を汚物に含ませて粉砕し汚物流動体と成し、汚物流動体を圧送タンク3へ流下させる共に、当該圧送タンク3へ圧縮空気を供給して汚物流動体を廃棄場所へ導いて排出するように制御する。
【0255】
図24に示すトイレ装置100の洗浄水注水の状態によれば、洗浄水弁4bは全閉動作のままである。この洗浄水弁4bの全閉動作は、給水タンク4に貯留された次回の洗浄水を維持するためである。この時点で、タンク電磁弁31は、CPU83から電磁弁信号S31を入力して閉→開動作に移行する。流量センサ(大)13は所定の流量の洗浄水を計測すると、タンク電磁弁31は開→閉動作に移行する。タンク電磁弁31の全閉動作は、給水タンク4への洗浄水の供給を停止するためである。これにより、図20Aに示したように給水タンク4に所定流量の次回の洗浄水を溜めることができる(洗浄水給水制御)。なお、便蓋開閉検出センサ11は便蓋閉を示す信号を制御ユニット8に出力したままである。洗浄水給水制御はトイレ装置100の使用前に行ってもよい。
【0256】
このように、第7の実施例としてのトイレ装置100によれば、排泄された汚物と便器本体1を洗浄するための洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、この汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き排出する場合に、CPU83は、便蓋開閉検出センサ11から使用終了情報を入力し、使用終了情報に基づいて便器本体1の使用が終了したことを検出すると、仕切り弁用モータ2cを開制御すると共に仕切り弁2bを開動作させ、その後、洗浄水弁用モータ4aを開制御して洗浄水弁4bを開動作させる。
【0257】
この開動作により、便器本体1から汚物及び洗浄水が粉砕装置2へ流下する。その後、CPU83は、仕切り弁用モータ2cを閉制御すると共に仕切り弁2bを閉動作させ、この洗浄水弁4bが開動作した状態で、給水タンク4に洗浄水を給水するようにタンク電磁弁31を開制御し、所定の時間経過後、タンク電磁弁31を閉制御する。その後、洗浄水弁4bを閉制御した後、タンク電磁弁31を開制御し、所定の時間経過後、給水タンク4に次回の洗浄水を溜め、当該タンク電磁弁31を閉制御する。
【0258】
この制御によって、便器本体1から汚物及び洗浄水を粉砕装置2へ流下した後、当該便器本体1内に新たな溜め水を残存できるようになる。これにより、従来方式の便器本体1内に設けられていた「せき」の構造が不要となり、トイレシステムを小型化できる。しかも、トイレ使用後の溜め水により、便器本体1の下部に付着した汚物が乾燥することなく、次回の便器本体の使用時、溜め水と共に汚物を粉砕装置2へ流下できるようになる。
【0259】
なお、溜め水の貯留量や、給水タンク4内の洗浄水の貯水量については、流量センサ(大)13に基づく流入量(カウント値)により管理する場合について説明したが、これに限られることはなく、溜め水や洗浄水等の貯水量に関してフローセンサ等による流入時間によって管理してもよい。
【0260】
この実施例では、洗浄水弁4bを開動作したまま洗浄水の流入と一連して溜め水を作る場合について説明したが、これに限られることはなく、給水タンク4内に溜め水分の水量を残して洗浄水弁4bを一旦閉じ、仕切り弁2bを閉じてからその洗浄水弁4bを開くことで溜め水を行ってもよい。また、溜め水の注水の際に、一旦、洗浄水弁4bを閉じて、給水タンク4内に溜め水分の水量を溜めてから、再度、洗浄水弁4bを開いてもよい。更に、給水管4dとは別に溜め水用の給水経路を設けて、洗浄水とは別に給水管理を実行してもよい。
【実施例8】
【0261】
続いて、図25を参照して、第8の実施例としてのトイレ装置100の溜め水/小間隙制御例について説明する。この実施例では、CPU83が便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が開始されたことを検出すると、便器本体1の使用開始と同時に、又は、その使用開始の一定時間後に、仕切り弁機構部2aを動作させ、洗浄水が粉砕装置2に流れる程度の隙間を開けて当該仕切り弁機構部2aを停止させるように仕切り弁用モータ2cを制御する。
【0262】
図1に示した仕切り弁機構部2aは、便器本体1と粉砕装置2との間に開閉可能に配設されて便器本体1の底部に洗浄水を溜める。仕切り弁用モータ2cは仕切り弁機構部2aを開閉動作させる。これを前提にして、便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が開始されたことを検出すると、仕切り弁機構部2aを開動作させて便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成する。
【0263】
または、便座シャワーの使用開始を検出して、使用開始と同時に又は使用開始の一定時間後に仕切り弁を動作させて水が粉砕室に流れる程度の隙間を開け停止させる。この制御によって、多くの便器洗浄用の洗浄水等が便器本体1の内部に溜まる前に、あらかじめ水を少しずつ粉砕装置2内へ落としておくことで、使用終了後に仕切り弁2bを開放するときに、洗浄水が便器本体1内に溜まっていないので、飛び散りを防止できるようになる。
【0264】
この例では、便器本体1に洗浄水を溜める際に、仕切り弁2bが閉じている状態で、便器本体1に洗浄水が溜め込まれる。これらを動作条件にして、図30のフローチャートのステップL1でCPU83はタンク電磁弁31を開動作する。例えば、図13Aに示した便座蓋1aは閉状態であるが、時刻t45で、図13Dに示す電磁弁信号S31がLレベルからHレベルに立ち上がることで、タンク電磁弁31が閉→開に移行する。
【0265】
ステップL2でCPU83は流量センサ(大)13のカウント動作に基づいて制御を分岐する。流量センサ(大)13がカウントアップした場合は、ステップL3でCPU83はタンク電磁弁31を閉動作する。この例では、時刻t55で図13Dに示す電磁弁信号S31がHレベルからLレベルに立ち下がることで、タンク電磁弁31が開状態から閉状態(以下開→閉と記述する)に移行する。
【0266】
流量センサ(大)13がカウントアップされていない場合は、ステップL4に移行し、CPU83はタイマを起動して流量センサ(大)13の動作時間を計測する。流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップL2に戻ってCPU83は流量センサ(大)13がカウントアップするのを待つ。
【0267】
ステップL4でCPU83は流量センサ(大)13の動作時間がタイムアップした場合は、ステップL5でCPU83は給水エラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「給水エラーです」等を表示する。給水エラーは、手動バルブ40aの誤閉動等により表示される。
【0268】
上述のタンク電磁弁31が開→閉に移行した後、ステップL6でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをONする。洗浄水弁用モータ4aのONによって、洗浄水が給水タンク4から給水管4dを通って便器本体1の内部に流入される。ステップL7でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのタイマを起動する。便器本体1に溜めるべき洗浄水の量がカウントされる。
【0269】
洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップしたらステップL8でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをOFFする。このOFFで、給水タンク4から給水管4dを通って便器本体1の内部に流入れていた洗浄水が停止する。これにより、一定量の洗浄水を便器本体1の内部に溜めることができる(第7の実施例:溜め水参照)。
【0270】
その後、ステップL9でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのオフタイマを起動する。洗浄水弁用モータ4aのオフタイマがカウントアップしたらステップL10でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをONする。その後、ステップL11でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのタイマをリセットする。
【0271】
そして、ステップL12でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのオフタイマをリセットする。ステップL13でCPU83は原点検出する。原点検出した場合は、ステップL14でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをOFFする。
【0272】
原点検出していない場合は、ステップL15でCPU83はタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップしたか否かを監視する。洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップL13に戻る。洗浄水弁用モータ4aの動作時間がタイムアップした場合は、ステップL16でCPU83は洗浄水弁用モータのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「洗浄水弁4bエラーです」等を表示する。洗浄水弁4bエラーは、洗浄水弁4bや、便器洗浄駆動部33等の故障により表示される。
【0273】
この例では、ステップL9〜L16の動作に並行して、ステップL17でCPU83は小間隙制御を実行する。例えば、CPU83は、便器本体1の使用開始と同時に、又は、その使用開始の一定時間後に、便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成するためのモータ駆動データD34をモータ駆動部34へ出力する。
【0274】
モータ駆動部34は、モータ駆動データD34をデコードして、便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成するためのモータ制御信号S2cを生成する。モータ駆動部34に接続された仕切り弁用モータ2cは、モータ制御信号S2cに基づいてわずかに回動すると、図1に示した仕切り弁2bがわずかに開方向に摺動して、便器本体1と粉砕装置2との間の開口部2gに小間隙が形成される。
【0275】
これにより、便器本体1と粉砕装置2との間を連通するように仕切り弁用モータ2cを制御できるようになる。CPU83は、仕切り弁2bを動作させて洗浄水が収容容器22内にわずかに流れる程度の微小な隙間を開けて仕切り弁用モータ2cを停止させる。これにより、汚物及び洗浄水が便器本体1から粉砕装置2へ流入する排出搬送時、汚水の飛び散りを防止できるようになる。
【0276】
もちろん、小間隙制御のトリガは便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11に限られることはなく、CPU83が衛生洗浄便座30から使用開始信号を入力し、使用開始信号に基づいて衛生洗浄便座30の使用が開始されたことを検出すると、便器本体1の使用開始と同時に、又は、その使用開始の一定時間後に、仕切り弁機構部2aを動作させ、洗浄水が粉砕装置2に流れる程度の隙間を開けて当該仕切り弁機構部2aを停止させるように仕切り弁用モータ2cを制御してもよい。
【0277】
ここで図26を参照して、トイレ装置100の濯ぎ動作例について説明する。この例では、濯ぎ粉砕動作IIIbを実行するための洗浄水を便器本体1に流入して濯ぎ動作を実行する場合を例に挙げる。これを動作条件にして、図26に示すフローチャートのステップQ1でCPU83は濯ぎ動作をONする。濯ぎ動作をONとは、第1工程で動作した便器本体1、粉砕装置2、圧送タンク3及び排出管3f内等を濯ぐ動作を開始することをいう。
【0278】
ステップQ2でCPU83はタンク電磁弁31や、仕切り弁機構部2aの開閉弁動作時間や、洗浄水弁用モータ4aの動作時間、排出弁動作時間、エアー抜き電磁弁動作時間、流量センサ動作時間等をタイマリセット処理する。開閉弁動作時間はタンク電磁弁31や、仕切り弁機構部2aの仕切り弁2b等の動作時間であり、洗浄水弁用モータ4aの動作時間には回転時間が含まれ、排出弁動作時間は、排出弁2kの動作時間であり、エアー抜き電磁弁動作時間は、エアー抜き電磁弁37の動作時間であり、流量センサ動作時間は、流量センサ(大)13、流量センサ(小)14の動作時間である。これらの動作時間が設定される。
【0279】
ステップQ3でCPU83は、流量センサ(大)13のカウント値をリセットする。このカウントリセットは、新たに給水タンク4に流入する洗浄水の量を設定するためである。ステップQ4でCPU83は流水動作を実行する。この例では、衛生洗浄便座30の内部タンクへのシャワー水(洗浄水)の流入は不許可のままであり、流量センサ(小)14は、未検知状態である。図13Aに示す時刻t56〜t68の便器洗浄動作IIbが流水動作に対応している。
【0280】
これによれば、図13Aに示した時刻t58で図13Kに示すモータ制御信号2ScがOFFから正転を示すレベルに一瞬立ち上がることで、仕切り弁用モータ2cが正転して仕切り弁2bを開動作させる。図13Aに示す時刻t56で図13Hに示すモータ制御信号S4aがLレベルからHレベルに立ち上がる。
【0281】
洗浄水弁4bは、図13Jに示すように閉状態から開状態に移行し、時刻t56〜t70に至るまで開状態を継続する。時刻t58で、図13Hに示すモータ制御信号S4aがHレベルからLレベルに立ち下がるので、洗浄水弁用モータ4aが停止する。時刻t58で、図13Kに示すモータ制御信号S2cがOFFからHレベルに立ち上がり、仕切り弁用モータ2cが正転し開始する。その際に、開検出スイッチ25は時刻t61でオンして、開検出信号S25を制御ユニット8に出力する。
【0282】
図13Aに示す時刻t58〜時刻t61の動作時間で仕切り弁用モータ2cが正転する。時刻t65で図13Kに示すモータ制御信号S2cがOFFから逆転開始し、時刻t65〜t68の動作時間で仕切り弁用モータ2cが立ち下がり、仕切り弁用モータ2cが逆転し、その後、OFFする。開検出スイッチ25は時刻t65でオフする。
【0283】
図13Aに示す時刻t68で閉検出スイッチ26がオンして、図13Mに示す閉検出信号S26を制御ユニット8に出力する。定位置検出センサ12は、洗浄水の流入と共に原点の検出状態となると、図13Iに示すLレベルからHレベルに立ち上がる定位置検出信号S12を制御ユニット8に出力する(時刻t70を参照)。
【0284】
そして、ステップQ5でCPU83は濯ぎ粉砕動作IIIbを実行する。この例では、図18Aに示した時刻t68から図18Aに示す時刻t73に至り、濯ぎ粉砕動作IIIbが実行される。粉砕用モータ2sは濯ぎ粉砕動作時に時刻t69でオンする。モータ駆動部35は図13Aに示した時刻t69で、LレベルからHレベルに立ち上がる図13Nに示すようなモータ制御信号S2sを粉砕用モータ2sへ出力する。
【0285】
例えば、図27に示すサブルーチンをコールし、そのステップR1でCPU83は濯ぎ動作をオン(ON)するプログラムを実行する。この例では、濯ぎ処理時の濯ぎ回数が設定される。設定回数をNdとする。
【0286】
粉砕用モータ2sは濯ぎ動作時に時刻t69でオンする。このとき、モータ駆動データD35がCPU83からモータ駆動部35に出力される。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ制御信号S2sはモータ駆動部35から粉砕用モータ2sに出力される。
【0287】
ステップR2でCPU83は粉砕用モータ2sの運転開始し、ta秒間だけ粉砕用モータ2sを正転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。このとき、モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ駆動部35はモータ制御信号S2sを粉砕用モータ2sへ出力する。粉砕用モータ2sは、モータ制御信号S2sに基づいてta秒間だけ正転する。
【0288】
次に、ステップR3でCPU83は粉砕用モータ2sをta秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。モータ駆動部35はモータ制御信号S2sを粉砕用モータ2sへ出力する。粉砕用モータ2sはta秒間だけ停止する。
【0289】
更に、ステップR4でCPU83は粉砕用モータ2sをta秒間逆転するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sは、モータ制御信号S2sに基づいてta秒間だけ逆転する。
【0290】
そして、ステップR5でCPU83は粉砕用モータ2sをta秒間停止するようなモータ駆動データD35をモータ駆動部35に出力する。モータ駆動部35はモータ駆動データD35をデコードしてモータ制御信号S2sを生成する。粉砕用モータ2sはta秒間だけ停止する(濯ぎ処理)。
【0291】
その後、ステップR6でCPU83は濯ぎ回数Nzと設定回数Ndとを比較して濯ぎ回数Nzが設定回数Ndに至ったか否かを判別する。濯ぎ回数Nzが設定回数Nd以下の場合は、ステップR2に戻ってCPU83は上述した濯ぎ処理を繰り返す。濯ぎ回数Nzが設定回数Ndに至った場合は、濯ぎ処理を終了してステップQ5にリターンする。
【0292】
その後、ステップQ6でCPU83は搬送動作IVbを実行する。搬送動作IVbは、図18Aに示す時刻t73〜時刻t84に行われる。図18Aに示す時刻t74で、図18Oに示すOFFからHレベルに立ち上がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。排出弁2kの開動作は時刻t76で完了する。
【0293】
また、図18Aに示す時刻t76で、図18Eに示すLレベルからHレベルに立ち上がるエアー抜き信号S37が制御ユニット8からエアー抜き電磁弁37に出力される。エアー抜き信号S37は時刻t82でHレベルからLレベルに立ち下がるので、エアー抜き電磁弁37は閉じる。
【0294】
図18Aに示す時刻t74で、図18Bに示すOFFからHレベルに立ち上がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。排出弁2kの開動作は時刻t76で完了する。図18Aに示す時刻t82で、図18Bに示すOFFからLレベルに立ち下がるモータ制御信号S3aがモータ駆動部36から排出弁用モータ3aに出力される。排出弁2kの閉動作は時刻t84で完了する。
【0295】
更に、ステップQ7でCPU83は濯ぎ圧送動作Vbを実行する。濯ぎ圧送動作Vbは、図18Aに示す時刻t84〜時刻t92に行われる。図18Aに示す時刻t85で、図18Fに示すLレベルからHレベルに立ち上がる圧力制御信号S6が制御ユニット8からエアーコンプレッサ6に出力される。エアーコンプレッサ6は、圧力制御信号S6に基づいて空気を圧縮して圧送タンク3内に送出する。これにより、圧送タンク3内の濯ぎ流動体が排出管3fを通じて備え付けの既設トイレ装置1005に排出される。
【0296】
圧力制御信号S6は時刻t92でHレベルからLレベルに立ち下がる。この例では、圧送タンク3の内部の圧力が上昇、すなわち、図18Aに示す時刻t85で圧力検出センサ16による圧力検出信号S16が上昇し、時刻t92で急激に降下している。CPU83は、圧力検出信号S16の信号レベル値が閾値Pth以上になってから再度、当該信号レベル値が閾値Pthまで下がってきた時点を捉え、この時点を汚物流動体の圧送終了とみなして、圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサ6を制御する。このとき、圧送タンク3内の濯ぎ水は全て既設トイレ装置1005へ排泄されている。
【0297】
その後、ステップQ8でCPU83は後処理動作を実行する。例えば、図28に示すサブルーチンをコールして、そのステップU1でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをONする。ステップU2でCPU83はタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの動作時間を計測する。動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップU2でCPU83は動作時間を計測する。動作時間がタイムアップした場合は、ステップU3でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオフする。
【0298】
そして、ステップU4でタイマを起動して洗浄水弁用モータ4aの停止時間を計測する。停止時間がタイムアップしていない場合は、ステップU4でCPU83は停止時間を計測する。停止時間がタイムアップした場合は、ステップU5でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをオンする。
【0299】
その後、ステップU8でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのタイマをリセットする。ステップU9でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのオフタイマをリセットする。そして、ステップU8で、CPU83は定位置検出センサ12が給水タンク4の原点を検出したか否かに基づいて制御を分岐する。
【0300】
この例では、定位置検出センサ12が洗浄水の流出と共に原点を未検出状態となり、図5Iに示すHレベルからLレベルに立ち下がる定位置検出信号S12をCPU83に出力する。定位置検出センサ12が原点を検出していない場合は、ステップU10に移行しCPU83はタイマを起動して洗浄水弁4bの動作時間を計測する。洗浄水弁4bの動作時間がタイムアップしていない場合は、ステップU8に戻って定位置検出センサ12が原点を検出するのを待つ。
【0301】
ステップU10で洗浄水弁4bの動作時間がタイムアップした場合は、ステップU11でCPU83は洗浄水弁用モータ4aのエラーを表示する。例えば、操作&表示部18の画面に「洗浄水弁用モータの動作エラーです」等を表示する。洗浄水弁用モータ4aの動作エラーは、タンク電磁弁31の閉誤動作や、洗浄水弁4bの開誤動作等により表示される。上述のステップU8で定位置検出センサ12が給水タンク4の原点を検出した場合は、ステップU9でCPU83は洗浄水弁用モータ4aをOFFする。これにより、後処理動作を完了する。これで、トイレ装置100における一連の汚物処理が終了する。
【0302】
ここで、図29及び図30を参照してトイレ装置100における2つの掃除モードについて説明する。
[第1の掃除モード]
図29に示す第1の掃除モードによれば、図2に示したCPU83は便座蓋1aが閉った状態で第1の掃除モードを実行する。ステップV1でCPU83は操作&表示部18の掃除モードボタンが1回操作されると、第1の掃除モードがCPU83に設定される。
【0303】
第1の掃除モードが設定されると、ステップV2でCPU83は便蓋開閉検出センサ11から出力される蓋開閉検出信号S11の入力を無視して、第1の掃除モードを実行する。つまり、便座蓋1aを途中で開いても、蓋開閉検出信号S11をトリガにした動作の開始又は他の動作への移行がなされない。
【0304】
ステップV3でCPU83は手動スイッチの押下操作に対応して制御を分岐する。手動スイッチが押下されない場合であって、ステップV4で掃除モードボタンが2回押下操作されると、ステップV5で仕切り弁用モータ2cを正転し、tc秒後に、仕切り弁用モータ2cを停止する。
【0305】
その後、CPU83は手動スイッチの押下操作に対応して制御を分岐する。手動スイッチが押下されない場合であって、ステップV7で掃除モードボタンが3回押下操作されると、ステップV8に移行する。ステップV8で準備動作を実行する。準備動作については、図4で説明しているので、その説明を省略する。その後、ステップV9で粉砕動作IIIbを実行する。粉砕動作IIIbについては、図10、図11で説明した通りであるので、その説明を省略する。これにより、便座蓋1aが閉った状態で、操作&表示部18の掃除モードボタンを1回、2回、3回と押下すると、第1の清掃モードを実行できるようになる。
【0306】
[第2の掃除モード]
図30に示す第2の掃除モードによれば、図2に示したCPU83は便座蓋1aが開いた状態で第2の掃除モードを実行する。ステップW1でCPU83は操作&表示部18の掃除モードボタンが1回操作されると、第2の掃除モードがCPU83に設定される。
【0307】
第2の掃除モードが設定されると、ステップW2でCPU83は便蓋開閉検出センサ11から出力される蓋開閉検出信号S11の入力を無視して、第2の掃除モードを実行する。つまり、便座蓋1aを途中で閉めても、蓋開閉検出信号S11をトリガにした動作の終了又は他の動作への移行がなされない。
【0308】
ステップW3でCPU83は便座電磁弁32を閉動作する。シャワー水が便器本体1に流入されるのを防止するためである。なお、タンク電磁弁31は開動作のままである。新たな洗浄水を補充するためである。
【0309】
そして、ステップW4でCPU83は手動スイッチの押下操作に対応して制御を分岐する。手動スイッチが押下されない場合であって、ステップW4で掃除モードボタンが2回押下操作されると、ステップW5で仕切り弁用モータ2cを正転し、tc秒後に、仕切り弁用モータ2cを停止する。
【0310】
その後、CPU83は手動スイッチの押下操作に対応して制御を分岐する。手動スイッチが押下されない場合であって、ステップW7で掃除モードボタンが3回押下操作されると、ステップW8に移行する。ステップW8で粉砕動作IIIbを実行する。粉砕動作IIIbについては、図10、図11で説明した通りであるので、その説明を省略する。これにより、便座蓋1aが開いた状態で、操作&表示部18の掃除モードボタンを1回、2回、3回と押下すると、第2の清掃モードを実行できるようになる。
【0311】
このように第8の実施例としてのトイレ装置100によれば、CPU83は、便蓋開閉検出センサ11から蓋開閉検出信号S11を入力し、蓋開閉検出信号S11に基づいて便器本体1の使用が開始されたことを検出すると、仕切り弁機構部2aを開動作させて便器本体1と粉砕装置2との間に小間隙を形成し、当該便器本体1と粉砕装置2との間を連通するように仕切り弁用モータ2cを制御するようになる。
【0312】
この制御によって、多くの洗浄水が便器本体1の底部に溜まる前に、予め洗浄水を少しずつ粉砕装置2へ落とし、粉砕装置2の内部の空気を便器本体1の側に逃がして置くことができる。これにより、便器本体1の使用終了後に仕切り弁機構部2aを開放するとき、粉砕装置2からの空気の入れ替わりを抑制できるので、汚水等の飛び散りを防止できるようになる。
【0313】
なお、トイレ使用開始時に仕切り弁2bを全開放して使用する方法が考えられるが、汚物が洗浄水に押し流されることなく、粉砕装置2内に自然に流下(落下)する状態となる。従って、管壁や、回転臼2iに汚物がこびり付くようになるので好ましくない。
【0314】
これに対して、本発明の小間隙制御によって、多くの洗浄水が便器本体1内に溜まる前に、予め洗浄水を少しずつ便器本体1から粉砕室へ落としておくことで、使用終了後に仕切り弁2bを開放するときに、洗浄水が溜まっていないので、飛び散りを防止することができる。
【実施例9】
【0315】
続いて、図31及び図32を参照して、第9の実施例としてのトイレ装置100の連続使用時の動作例(その1、2)について説明をする。この実施例では、1回目の洗浄処理(便器洗浄)後に2回目の洗浄処理(濯ぎ処理)のための濯ぎ水を給水タンク4に溜めることを開始し、粉砕処理が開始される。濯ぎ水を溜める時間及び粉砕処理が完了し、粉砕装置2から圧送タンク3へ汚物流動体を移動している間は、2回目の洗浄処理を待機するようにした。この間に便座蓋1aの開閉や、洗浄ボタン操作等による便器本体1の使用開始を検出した場合は、濯ぎ処理をキャンセルして、1回目の洗浄処理とするようにした。
【0316】
図1に示したCPU83は、洗浄水供給制御及び濯ぎ水供給制御を実行する。洗浄水供給制御では、便器本体1に排泄された汚物を流下させるための洗浄水を便蓋開閉検出センサ11から出力される便器使用情報に基づいて供給する。濯ぎ水供給制御では、洗浄水供給制御の後に少なくとも便器本体1を濯ぐための濯ぎ水を給水タンク4内に注水(供給)して貯留する。
【0317】
この例では、CPU83が便蓋開閉検出センサ11から使用開始情報や使用終了情報等の便器使用情報を入力し、便器本体1の連続使用を検出したとき、濯ぎ水供給制御により貯留した濯ぎ水を便器本体1の洗浄水に振り替えて洗浄水供給制御以降の制御を実行する。
【0318】
CPU83は、第1工程で洗浄水給水制御、便器洗浄制御、洗浄粉砕制御、洗浄搬送制御及び、洗浄圧送制御を実行する。ここに洗浄水給水制御とは便器本体1内を洗浄するための洗浄水を給水タンク4に貯留する制御をいう。便器洗浄制御とは便器本体1内に排泄された汚物を給水タンク4からの洗浄水によって洗浄する制御をいう。
【0319】
洗浄粉砕制御とは排泄された汚物と洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成す制御をいう。洗浄搬送制御とは汚物を流動体化した汚物流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送する制御をいう。洗浄圧送制御とは洗浄搬送制御によって搬入された汚物流動体に圧縮空気を作用させて所定の廃棄場所へ導き排出する制御をいう。
【0320】
CPU83は、第2工程で濯ぎ水供給制御、濯ぎ流水制御、濯ぎ粉砕制御、濯ぎ搬送制御及び濯ぎ圧送制御を行う。ここに濯ぎ水供給制御とは、便器本体1内を濯ぐための濯ぎ水を給水タンク4内に給水する制御をいう。濯ぎ流水制御とは給水タンク4からの濯ぎ水を便器本体1内に流水する制御をいう。
【0321】
濯ぎ粉砕制御とは濯ぎ流水制御で貯留された濯ぎ水で粉砕装置2を濯いで濯ぎ流動体と成す制御をいう。濯ぎ搬送制御とは濯ぎ粉砕制御で得られた濯ぎ流動体を粉砕装置2から圧送タンク3に搬送する制御をいう。濯ぎ圧送制御とは濯ぎ搬送制御によって得られた濯ぎ流動体に圧縮空気を作用させて圧送タンク3から既設トイレ装置5へ導き排出する制御をいう。
【0322】
この例では、CPU83が第1工程の洗浄粉砕制御に並行して、第2工程の濯ぎ水供給制御を実行する場合である。この場合、CPU83は、便器本体1の使用終了が検出された後、便蓋開閉検出センサ11から便器使用情報を入力し、第1工程の便器洗浄制御から洗浄搬送制御に至る間に便器本体1の連続使用を検出したとき、第2工程の濯ぎ水供給制御により貯留した濯ぎ水を洗浄水に振り替えて洗浄水供給制御以降の制御を実行する。
【0323】
例えば、CPU83は、便器本体1の連続使用を検出した場合に、給水タンク4に供給された濯ぎ水を便器本体1に排泄された汚物を流下させるための洗浄水として便器洗浄制御を実行する。もちろん、便器本体1の連続使用が検出された場合、途中の濯ぎ水供給制御は、全て洗浄水供給制御に振り替えられるが、便器本体1の最終使用時には、CPU83が第1工程の洗浄水供給制御を実行した後、第2工程の濯ぎ水供給制御を実行してから、一連の工程を終了する。
【0324】
これらを制御条件にして、まず、図31に示すフローチャートのステップY1でCPU83は便器本体1の使用開始を検出する。便蓋開閉検出センサ11は便器本体1の使用開始を検出すると、Hレベルの蓋開閉検出信号S11をCPU83に出力する。Hレベルの蓋開閉検出信号S11は、例えば、衛生洗浄便座30の便座蓋1aを開けると便蓋開閉検出センサ11により発生される。
【0325】
便器本体1の使用開始が検出された場合は、ステップY2でCPU83は洗浄水給水制御を実行する。洗浄水供給制御では、CPU83がHレベルの蓋開閉検出信号S11に基づいてタンク電磁弁31を制御し、便器本体1に排泄された汚物を流下させるための洗浄水を給水タンク4に貯留するようになされる(図20A参照)。
【0326】
次に、ステップY3でCPU83は便器本体1の使用終了を検出する。便蓋開閉検出センサ11は便器本体1の使用終了を検出すると、Lレベルの蓋開閉検出信号S11をCPU83に出力する。Lレベルの蓋開閉検出信号S11は、例えば、衛生洗浄便座30の便座蓋1aを閉めると便蓋開閉検出センサ11により発生される。
【0327】
便器本体1の使用終了が検出された場合は、ステップY4でCPU83が便器洗浄制御を実行する。便器洗浄制御では、CPU83が便器洗浄駆動部33を制御して、便器本体1内に排泄された汚物を給水タンク4からの洗浄水によって洗浄するようになされる(図21B参照)。
【0328】
次に、ステップY5でCPU83は洗浄粉砕制御を実行する。洗浄粉砕制御では、CPU83が、モータ駆動部35を介して粉砕装置2を制御し、排泄された汚物と洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成すようになされる。
【0329】
これに並行してステップY6でCPU83は濯ぎ水供給制御を実行する。濯ぎ水供給制御では、CPU83がLレベルの蓋開閉検出信号S11に基づいてタンク電磁弁31を制御し、洗浄水供給制御の後に少なくとも便器本体1を濯ぐための濯ぎ水を注水(供給)する。この濯ぎ水供給制御によって、便器本体1内を濯ぐための濯ぎ水を給水タンク4内に貯留できるようになる。
【0330】
その後、ステップY7でCPU83は洗浄搬送制御(搬送準備)を実行する。洗浄搬送制御では、CPU83がモータ駆動部36を介して排出弁用モータ3aを制御し、かつ、エアー抜き電磁弁37を制御して、汚物を流動体化した汚物流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送するようになされる。
【0331】
そして、図32のステップY8でCPU83は洗浄圧送制御を実行する。洗浄圧送制御では、CPU83が洗浄搬送制御によって搬入された汚物流動体にエアーコンプレッサ6を介して圧縮空気を作用させ、汚物流動体を既設トイレ装置5へ導き排出するようになされる。その後、ステップY9でCPU83は洗浄後処理制御を実行する。洗浄後処理制御については、図28で説明した通りであるので、その説明を省略する。
【0332】
これに並行して、ステップY10でCPU83は便器本体1の使用開始を検出する。この時点での使用開始検出は、当該便器本体1の連続使用を検出するためである。この時点で、便器本体1の新たな使用(開始)が検出された場合は、ステップY11でCPU83は濯ぎ水を洗浄水に振り替えて洗浄水供給制御以降の制御を実行する。
【0333】
この例では、ステップY3に戻ってCPU83が便器本体1の2回目以降の使用終了を検出し、ステップY4でCPU83が濯ぎ水を振り替えた洗浄水に基づいて便器洗浄制御を実行し、ステップY5でCPU83が洗浄粉砕制御を実行する。これに並行してステップY6でCPU83が、次回の濯ぎ水供給制御を実行する。ステップY7ではCPU83が洗浄搬送制御(搬送準備)を実行し、ステップY8でCPU83が洗浄圧送制御を実行し、ステップY9でCPU83が洗浄後処理制御を実行する。
【0334】
これにより、濯ぎ水の流水前に、再度、便器本体1の使用を検出した場合、濯ぎ用の濯ぎ水を粉砕用の洗浄水に転用できるようになる。なお、便器本体1を複数回に渡って連続使用する場合でも、最後は濯ぎ動作を実行する。
【0335】
すなわち、上述のステップY10で便器本体1の新たな使用が検出されない場合は、ステップY12でCPU83は濯ぎ流水制御を実行する。濯ぎ流水制御では、CPU83が給水タンク4からの濯ぎ水を便器本体1内に流水するように便器洗浄駆動部33を制御する。これにより、給水タンク4からの濯ぎ水によって便器本体1内を濯ぐことができる。
【0336】
その後、ステップY13でCPU83は濯ぎ粉砕制御を実行する。濯ぎ粉砕制御では、CPU83が、モータ駆動部35を介して粉砕装置2を制御し、濯ぎ流水制御で貯留された濯ぎ水で粉砕装置2を濯いで濯ぎ流動体と成すようになされる。
【0337】
更に、ステップY14でCPU83は濯ぎ搬送制御(搬送準備)を実行する。濯ぎ搬送制御では、CPU83がモータ駆動部36を介して排出弁用モータ3aを制御し、かつ、エアー抜き電磁弁37を制御して、濯ぎ粉砕制御で得られた濯ぎ流動体を粉砕装置2から圧送タンク3内に搬送するようになされる。
【0338】
ステップY15でCPU83は濯ぎ圧送制御を実行する。濯ぎ圧送制御では、CPU83が、濯ぎ搬送制御によって得られた濯ぎ流動体にエアーコンプレッサ6を介して圧縮空気を作用させ、汚物流動体を既設トイレ装置5へ導き排出するようになされる。
【0339】
ステップY16でCPU83は濯ぎ後処理制御を実行する。濯ぎ後処理制御については洗浄後処理制御とほぼ同様であり、洗浄後処理制御については、図28で説明しているので、その説明を省略する。
【0340】
そして、ステップY17でCPU83は一連の制御の終了判別を実行する。例えば、電源オフ情報を検出して制御終了を判別する。電源オフ情報が検出された場合は、これらの一連の制御を終了する。電源オフ情報が検出されていない場合は、ステップY1に戻って上述した制御を繰り返すようになされる。
【0341】
このように第9の実施例としてのトイレ装置100によれば、排泄された汚物を便器本体1で受容して当該汚物を洗浄水とともに粉砕して汚物流動体と成し、当該汚物流動体を既設トイレ装置5へ導いて排出する場合に、CPU83は、便蓋開閉検出センサ11から便器使用情報を入力し、便器本体1の連続使用を検出したとき、濯ぎ水供給制御により貯留した濯ぎ水を便器本体1の洗浄水に振り替えて洗浄水供給制御以降の制御を実行する。
【0342】
この制御によって、便器本体1の連続使用時、濯ぎ用の濯ぎ水が便器本体1内に流水される前に、当該濯ぎ用の濯ぎ水を粉砕用の洗浄水として転用できるようになる。しかも、最終使用時の濯ぎ供給工程を除く、これ以前の濯ぎ供給工程を全てキャンセルできる。これにより、便器本体1が連続使用される際に、使用者の待ち時間を短縮でき、使用水量及び消費電力を削減できるようになる。
上述した実施例では、第1工程で便器洗浄を行い、第2工程で濯ぎ処理を行う場合について説明したが、濯ぎ動作を別処理として、例えば、濯ぎ用のボタン操作等によって濯ぎ処理を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0343】
本発明は、家庭や公共施設等に設置される一般的なトイレ装置や、屋外その他での簡易的に設置して使用したり、車載用等として使用したりするポータブルトイレ装置や、介護用の圧送式トイレ装置に適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0344】
1・・・便器本体、2・・・粉砕装置(粉砕機構部)、2b・・・仕切り弁(仕切り弁部材)、2c・・・仕切り弁用モータ、2h・・・固定臼(固定盤部材)、2i・・・回転臼(回転盤部材)、2j・・・石臼機構、2s・・・粉砕用モータ、3・・・圧送タンク、3a・・・排出弁用モータ、4・・・給水タンク、4a・・・洗浄水弁用モータ、4b・・・洗浄水弁、6・・・エアーコンプレッサ(圧送手段)、8・・・制御ユニット(制御手段)、10・・・トイレシステム、11・・・便蓋開閉検出センサ(検出手段)、12,20・・・定位置検出センサ、13・・・流量センサ(大)(検出手段)、14・・・流量センサ(小)(検出手段)、15・・・水面検出センサ(検出手段)、16・・・圧力検出センサ(検出手段)、17・・・排出報知部、18・・・操作&表示部、19・・・音出力部、22・・・収容容器(容器部材)、3s,25・・・開検出スイッチ、3r,26・・・閉検出スイッチ、30・・・衛生洗浄便座、31・・・タンク電磁弁、32・・・便座電磁弁、33,40・・・便器洗浄駆動部、34〜36・・・モータ駆動部、37・・・エアー抜き電磁弁、100・・・トイレ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄された汚物と便器本体を洗浄するための洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、前記汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き排出するトイレ装置であって、
洗浄水弁部材を有して前記洗浄水を給水する給水手段と、
前記洗浄水弁部材の開動作に基づいて前記給水手段から給水される便器洗浄用の洗浄水が流入可能に設けられて排泄された汚物を受容する便器本体と、
前記便器本体の下部に設けられて前記便器洗浄用の洗浄水と共に前記汚物を粉砕する粉砕機構部と、
前記便器本体と前記粉砕機構部との間に開閉可能に配設されて前記便器本体の底部に溜め水として洗浄水を溜める仕切り弁部材と、
前記便器本体の使用終了を検出して使用終了情報を出力する終了検出部と、
前記終了検出部から使用終了情報を入力し、前記使用終了情報に基づいて前記便器本体の使用が終了したことを検出すると、前記仕切り弁部材を開制御すると共に、前記洗浄水弁部材を開制御し、前記便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させた後、前記仕切り弁部材を閉制御すると共に、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、前記洗浄水弁部材を閉制御する制御手段とを備えることを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記給水手段に洗浄用及び濯ぎ用の水を供給する給水元と当該給水手段との間に給水制御用の弁部材が設けられ、
前記制御手段は、
前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に洗浄水を給水するように前記給水制御用の弁部材を開制御し、前記溜め水相当量の洗浄水を給水した後、前記洗浄水弁部材を閉制御し、その後、前記給水手段に次回の洗浄水を溜め、当該給水制御用の弁部材を閉制御することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記洗浄水弁部材を開閉動作させる第1の駆動部と、
前記仕切り弁部材を開閉動作させる第2の駆動部とを備え、
前記制御手段は、
前記終了検出部から使用終了情報を入力し、前記使用終了情報に基づいて前記便器本体の使用が終了したことを検出すると、前記仕切り弁部材を開動作させるように第2の駆動部を制御すると共に、前記洗浄水弁部材を開動作させるように第1の駆動部を制御し、
前記便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させた後、前記仕切り弁部材を閉動作させるように第2の駆動部を制御すると共に、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に洗浄水を給水し、前記溜め水相当量の洗浄水を給水した後、前記洗浄水弁部材を閉動作するように前記第1の駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項1】
排泄された汚物と便器本体を洗浄するための洗浄水とを受容すると共に当該汚物を粉砕して汚物流動体と成し、前記汚物流動体に圧縮空気を作用させて廃棄場所へ導き排出するトイレ装置であって、
洗浄水弁部材を有して前記洗浄水を給水する給水手段と、
前記洗浄水弁部材の開動作に基づいて前記給水手段から給水される便器洗浄用の洗浄水が流入可能に設けられて排泄された汚物を受容する便器本体と、
前記便器本体の下部に設けられて前記便器洗浄用の洗浄水と共に前記汚物を粉砕する粉砕機構部と、
前記便器本体と前記粉砕機構部との間に開閉可能に配設されて前記便器本体の底部に溜め水として洗浄水を溜める仕切り弁部材と、
前記便器本体の使用終了を検出して使用終了情報を出力する終了検出部と、
前記終了検出部から使用終了情報を入力し、前記使用終了情報に基づいて前記便器本体の使用が終了したことを検出すると、前記仕切り弁部材を開制御すると共に、前記洗浄水弁部材を開制御し、前記便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させた後、前記仕切り弁部材を閉制御すると共に、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に溜め水相当量の洗浄水を給水し、その後、前記洗浄水弁部材を閉制御する制御手段とを備えることを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記給水手段に洗浄用及び濯ぎ用の水を供給する給水元と当該給水手段との間に給水制御用の弁部材が設けられ、
前記制御手段は、
前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に洗浄水を給水するように前記給水制御用の弁部材を開制御し、前記溜め水相当量の洗浄水を給水した後、前記洗浄水弁部材を閉制御し、その後、前記給水手段に次回の洗浄水を溜め、当該給水制御用の弁部材を閉制御することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記洗浄水弁部材を開閉動作させる第1の駆動部と、
前記仕切り弁部材を開閉動作させる第2の駆動部とを備え、
前記制御手段は、
前記終了検出部から使用終了情報を入力し、前記使用終了情報に基づいて前記便器本体の使用が終了したことを検出すると、前記仕切り弁部材を開動作させるように第2の駆動部を制御すると共に、前記洗浄水弁部材を開動作させるように第1の駆動部を制御し、
前記便器本体から汚物及び洗浄水を粉砕機構部へ流下させた後、前記仕切り弁部材を閉動作させるように第2の駆動部を制御すると共に、前記洗浄水弁部材が開動作した状態で前記給水手段に洗浄水を給水し、前記溜め水相当量の洗浄水を給水した後、前記洗浄水弁部材を閉動作するように前記第1の駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
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【図20】
【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2012−57390(P2012−57390A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203177(P2010−203177)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
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