説明

トラック荷台用広告シートおよびそれを使用したトラック広告

【課題】より低コストで、簡単に取り付け可能で、別の広告にも簡単に交換可能なトラック荷台用広告シートおよびそれを使用したトラック広告を提供する。
【解決手段】本発明のトラック荷台用広告シートは、トラックの荷台に広告を掲載するためのトラック荷台用広告シートであって、本体シートと透明な表面シートからなり広告を入れ替え可能に挿入できる袋状になった2つの側面シート、該2つの側面シートを繋ぎトラックの荷台に固定するために長さ調節可能な複数の上部固定具6および前部固定具5、および側面シートをトラックの荷台下部で固定するための下部固定具7とからなり、軽量で取り扱いが容易であり、これにより、低コストでトラックに広告を掲示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷台に広告を簡単に取替え可能に掲示するためのトラック荷台用広告シートおよびそれを使用したトラック広告に関する。
【背景技術】
【0002】
従来トラックの荷台には、自社の宣伝のための広告やロゴがペイントあるいはカッティングシート、ステッカー等により掲示されていることが多い。また、トラック以外のバス等では広告の看板が貼り付けられたり、バス全面に広告を印刷したシートを貼り付けたラッピングバスを宣伝に利用するケースが増えてきている。
【0003】
最近では、トラックの荷台を広告媒体として、利用する会社も出てきているが、その場合、上述のペイントやカッティングシート以外に、荷台側面にパネルを固定したり、フレームを固定して広告を掲示する方法がとられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歩行者や車のドライバーへのアピール効果が高いトラックの荷台を利用した広告がこれからも増えてくる可能性が高いが、従来の広告掲載方法には様々な問題点がある。
【0005】
従来のペインによる広告の場合は、ペイントする間はトラックが使用できなくなり、コストは非常に高いといった問題点があり、また、従来のトラックの側面に凹凸のある場合は、ペイントが綺麗には見えないといった問題点がある。そして、別の広告に交換するには、前回の広告のペイントを剥がし、あらたにペイントし直す必要があり、簡単に交換はできない。
【0006】
カッティングシートを使用する場合は、ペイントよりも施工時間が短くなるが、専門業者によりシートの印刷、貼り付けが必要であり、その分コストも高くなる。また、ペイントに較べると、別の広告に交換する場合も、少しは簡単であるが、やはり、時間とコストがかなりかかる。
【0007】
荷台側面にパネルやフレームを取り付ける場合は、初めにパネルやフレームを取り付けるのに手間とコストはかかるが、別の広告に交換する場合は、ペイントやカッティングシートと比較すると、割と簡単に交換可能になっているものが多い。しかし、最初のパネルやフレームの取り付けの際に、トラックに専用の金具等を取り付けるための加工が必要であったり、初めに取り付けるフレームやパネルが高価であったりする。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するために、より低コストで、簡単に取り付け可能で、別の広告にも簡単に交換可能なトラック荷台用広告シートおよびそれを使用したトラック広告を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のトラック荷台用広告シートは、本体シートと透明な表面シートからなり広告を入れ替え可能に挿入できる袋状になった2つの側面シート、該2つの側面シートを繋ぎトラックの荷台に固定するために長さ調節可能な複数の上部固定具および前部固定具、および側面シートをトラックの荷台下部で固定するための下部固定具とからなることを特徴とする。
【0010】
本発明のトラック荷台用広告シートは、前記表面シートと本体シートからなる側面シートにおいて、前記表面シートが分割され、複数の袋部を形成し、広告を分割して袋部に挿入することが可能なことが好ましい。
【0011】
さらに、前記2つの側面シートをトラック荷台の後部にて繋いで固定する後部固定具を有することが好ましい。
【0012】
さらに、前記下部固定具が、各側面シートの下部に設けられた固定用穴と、トラックの荷台の側面下端部に取り付けるトラック側固定具と、該トラック側固定具に設けられた固定用穴と、各側面シートの下部に設けられた固定用穴およびトラック側固定具に設けられた固定用穴に通されて結び合わされる固定ゴムとからなることが好ましい。
【0013】
また、本発明のトラック広告は、上述のトラック荷台用広告シートを、トラックの荷台に取り付け、トラック荷台用広告シートの側面シートの袋部に広告を入れたトラックを運転することにより宣伝することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のトラック荷台用広告シートは、本体シートと透明な表面シートからなり広告を入れ替え可能に挿入できる袋状になった2つの側面シート、該2つの側面シートを繋ぎトラックの荷台に固定するために長さ調節可能な複数の上部固定具および前部固定具、および側面シートをトラックの荷台下部で固定するための下部固定具とからなるので、軽量で取り扱いが容易であり、低コストでトラックに広告を掲示することができる。
【0015】
また、本発明のトラック荷台用広告シートは、前記表面シートと本体シートからなる側面シートにおいて、前記表面シートが分割され、複数の袋部を形成し、広告を分割して袋部に挿入することが可能なので、大きな広告を分割して印刷すれば良いので、コストが低くなり、交換の際にも、より簡単に交換できるようになる。
【0016】
さらに、前記2つの側面シートをトラック荷台の後部にて繋いで固定する後部固定具を有するので、トラックの荷台へシートをより確実に固定することができる。
【0017】
さらに、前記下部固定具が、各側面シートの下部に設けられた固定用穴と、トラックの荷台の側面下端部に取り付けるトラック側固定具と、該トラック側固定具に設けられた固定用穴と、各側面シートの下部に設けられた固定用穴およびトラック側固定具に設けられた固定用穴に通されて結び合わされる固定ゴムとからなるので、トラック自体に加工すること無く、トラック荷台用広告シートを確実に固定することができる。
【0018】
また、本発明のトラック広告は、上述のトラック荷台用広告シートを、トラックの荷台に取り付け、トラック荷台用広告シートの側面シートの袋部に広告を入れたトラックを運転することにより宣伝できるので、より簡単に、そして低コストでトラック広告が行え、また、新しい広告に入れ替えや、時と場所に応じて広告を交換することが、誰でも簡単に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図を用いて本発明のトラック荷台用広告シート1およびそれを使用したトラック広告について説明する。
【0020】
まず、図2を用いて、本発明のトラック荷台用広告シート1を説明する。
【0021】
図2は、トラック荷台用広告シート1を広げた状態を示している。まず、トラック荷台用広告シート1の本体となる本体シート4は、ポリエチレンのシートであり、荷台の両面に広告9を掲載するために2つに分かれている。本体シート1の材質に関しては、特に限定するものではないが、トラック10に取り付けて使用するので、耐久性があり、かつ取り扱いが便利な軽量な素材であることが望ましい。
【0022】
各本体シート4は、トラック10の荷台の一側面を覆う大きさを有し、さらに、トラック10の荷台の天井と前面部にまではみ出す大きさを有している。このはみ出した部分は、トラック10に固定する際に安定して取り付けるために設けられている。
【0023】
本体シート4には、それぞれ透明な表面シート3が3枚ずつ取り付けら袋部を形成している。本実施形態では、広告9を3分割して掲載する場合について説明しているが、この分割数は、トラック10の荷台の大きさ等に合わせて変更可能であり、分割しなくても良い。ただし、広告9の交換作業や、掲載する広告9の大きさを考えると3分割前後が適当である。
【0024】
3枚の表面シート3は、PPシート(ポリ塩化ビニールシート)やPPシート(ポリプロピレンシート)等の透明なシートを使用する。特にこれに限定するものではいないが、広告が見やすいように透明性が高く、屋外での耐久性の高い材質が好ましい。
【0025】
3枚の表面シート3は、本体シート4に縫製又は接着等の手段を使用して固定されるが、この時、矩形の表面シート3の3辺を固定し袋状にする。この3辺は、表面シート3の上辺、下辺、及び縦辺の1辺であり、縦辺はどちらでもよいが、広告9の出し入れを考えて、トラック10にトラック荷台用広告シート1を取り付けた時にトラックの前側となる縦辺を固定する。これにより、広告9は、表面シート3の縦辺の後ろ側から出し入れが可能となる。
【0026】
このようにして、本体シート4に表面シート3を取りつけたものが、2つの側面シート2となる。表面シート3の固定していない縦辺には、中に入れた広告が出ないように、ファスナーやボタン等により閉じることができるようにしてもよい。
【0027】
側面シート2には、さらに、上部固定具6、前部固定具5、後部固定具8、および下部固定具7を取り付ける。
【0028】
本実施形態では、上部固定具6、前部固定具5、および後部固定具8にベルトを使用した場合について説明する。各固定具は、ベルトに限定するものではないが、トラックの大きさに合わせて、固定具の長さが調節可能なものが好ましく、ロープやゴムバンド等による固定でも可能である。
【0029】
上部固定具6として、各側面シート2の上端部に、各5本のベルト62が取り付けられ、図3に示すように、トラック10の荷台の頂部でこのベルト62がバックル61により締結され、上部固定具6の長さがトラック10の荷台の大きさに合わせて調節される。
【0030】
前部固定具5として、各側面シート2のトラック10の前側になる端部に、各3本のベルト52が取り付けられ、図4に示すように、トラック10の荷台の前面でこのベルト52がバックル51により締結され、前部固定具5の長さがトラック10の荷台の大きさに合わせて調節される。
【0031】
後部固定具8として、各側面シート2のトラック10の後側になる端部に、各上下2本のベルト82が取り付けられ、図3に示すように、トラック10の荷台の後面でこのベルト82がバックル81により締結され、前部固定具8の長さがトラック10の荷台の大きさに合わせて調節される。トラック10の荷台の後部には荷物を出し入れする扉があるので、前記ベルト82は扉の開閉に邪魔にならない位置で上下2箇所に取り付けなければならない。前記固定具8が扉の位置等の関係で取り付けできない場合でも、トラック荷台用広告シート1は、前記上部固定具6、前部固定具5、および下部固定具7により、トラック10に十分に固定可能である。
【0032】
図5に示すように、下部固定具7は、各側面シート2の下部に設けられた固定用穴71と、トラック荷台の側面下端部に取り付けるトラック側固定具72と、トラック側固定具72に設けられた固定用穴73と、固定ゴム74からなる。
【0033】
前記固定用穴71は、各下部固定具7に、2箇所設けられ、シートに穴をあけてアルミニウムのハトメで補強されており、固定ゴム74が通される。
【0034】
前記トラック側固定具72は、プレートをJ字形状に折り曲げられ、2箇所の固定用穴73が設けられている。
【0035】
トラック側固定具72は、固定用穴73に前記固定ゴム74を通して、固定ゴム74を結び合わせることにより、側面シート2と弾性的に結合された状態で、トラック10の荷台の下端部に取り付けられる。この時、トラック側固定具72は、J字形状を有するので、トラック10の荷台の下端部に引っ掛けて取り付けられ、固定ゴム74の弾性力により側面シート2を固定することができる。
【0036】
側面シート2の下端部は、袋状になっており、棒11を入れるようになっている。側面シート2は、素材がシートであるため、取り付け時、また使用中にしわが寄ってくる可能性があるので、前記棒11を側面シート2の下端部に挿入することにより、側面シート2を平坦な状態に保つことができる。
【0037】
これまで、本発明のトラック荷台用広告シート1の構造について述べてきたが、次に、トラック10の荷台にトラック荷台用広告シート1を取り付ける方法について説明する。
【0038】
各固定具が取り付けられ、棒11が挿入された2つの側面シートを、ベルト62をバックル61にて締結し、繋ぎ合わせる。この時、ベルト62の長さはトラック10の荷台の幅に仮合わせしておく。
【0039】
そして、ベルト52およびベルト82は締結せずにそのままの状態で、トラック荷台用広告シート1を、トラック10の荷台に被せる。
【0040】
トラック荷台用広告シート1をトラック10の荷台に被せたら、トラック側固定具72をトラック10の荷台下端部に取り付け、トラック荷台用広告シート1をトラック10の荷台にフィットさせるが、その時、ベルト62の長さの調節が必要であれば、調節を行う。
【0041】
次に、図4に示すように、トラック10の荷台の前面で、ベルト52をバックル51で締結し、トラック荷台用広告シート1を固定する。さらに、図3に示すように、ベルト82をバックル81で締結する。
【0042】
このようにして、トラック荷台用広告シート1をトラック10の荷台に固定したら、3分割された広告9を表面シート3の固定されていない縦辺の所から袋部に挿入し、広告9を掲示する。
【0043】
このようにして、図1に示すような荷台に広告9を掲示したトラック10が街中を走り、宣伝を行う。宣伝効果を高めるためには、トラックの走るルート等を考慮した、広告の選択が必要となる。例えば、一定の地域しか走らないトラックと長距離トラックでは、宣伝の効果は全く異なる。また、トラックの走る時間や曜日によっても宣伝効果が大きく異なってくるので、そういった要素を考量して、どのトラックに何の広告を掲示するかということを十分に検討して上で、掲示する広告を選択していく必要がある。
【0044】
本発明によるトラック荷台用広告シート1は、上述の構造により、トラック10自体には、何も加工することなく、トラック10の荷台に広告9を掲載可能となる。また、軽量で取り扱いが容易となり、必要に応じて、特に工具等を使用せずに簡単に取り付け取り外しが可能となるので、誰にでも簡単に取り付け取り外しが可能となる。
【0045】
また、新しい広告に交換する際も、広告を入れ替えるだけで済むので、簡単に素早く交換可能である。したがって、広告9が紙等の折り曲げ可能なものに印刷したものであれば、トラック10に複数の広告9を積んでおき、曜日や時間、または走る地域によって、広告を入れ替えることが可能であり、より効果的な広告が可能となる。
【0046】
広告9は、紙、シートまたはパネルに印刷したものなど、側面シート2に入れることが可能であれば、材質また形状も任意で選択可能であり、表面に多少の凹凸があっても使用できるので、より立体的な広告でも可能であり、広告の目的に応じた広告9を選択することにより、より広告の効果がアップする。
【0047】
以上、本発明のトラック荷台用広告シートおよびそれを使用した広告について述べてきたが、その材質や、部材の形状および大きさ等については、特に限定するものではなく、本発明の範囲内で選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のトラック荷台用広告シートをトラックに取り付けて広告を掲示している状態を示す斜視図。
【図2】本発明のトラック荷台用広告シートを広げた状態の平面図。
【図3】本発明のトラック荷台用広告シートを取りつけたトラックの荷台の後方からの斜視図。
【図4】本発明のトラック荷台用広告シートを取りつけたトラックの荷台の前方からの斜視図。
【図5】図3のA部に示す下部固定具の詳細図。
【符号の説明】
【0049】
1 トラック荷台用広告シート
2 側面シート
3 表面シート
4 本体シート
5 前部固定具
6 上部固定具
7 下部固定具
8 後部固定具
9 広告
10 トラック
11 棒
51 バックル
52 ベルト
61 バックル
62 ベルト
71 固定用穴
72 トラック側固定具
73 固定用穴
74 固定ゴム
81 バックル
82 ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックの荷台に広告を掲載するためのトラック荷台用広告シートであって、本体シートと透明な表面シートからなり広告を入れ替え可能に挿入できる袋状になった2つの側面シート、該2つの側面シートを繋ぎトラックの荷台に固定するために長さ調節可能な複数の上部固定具および前部固定具、および側面シートをトラックの荷台下部で固定するための下部固定具とからなるトラック荷台用広告シート。
【請求項2】
前記表面シートと本体シートからなる側面シートにおいて、前記表面シートが分割され、複数の袋部を形成し、広告を分割して袋部に挿入することが可能なことを特徴とする請求項1に記載のトラック荷台用広告シート。
【請求項3】
前記2つの側面シートをトラック荷台の後部にて繋いで固定する後部固定具を有することを特徴とする請求項1または2に記載のトラック荷台用広告シート。
【請求項4】
前記下部固定具が、各側面シートの下部に設けられた固定用穴と、トラックの荷台の側面下端部に取り付けるトラック側固定具と、該トラック側固定具に設けられた固定用穴と、各側面シートの下部に設けられた固定用穴およびトラック側固定具に設けられた固定用穴に通されて結び合わされる固定ゴムとからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトラック荷台用広告シート。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のトラック荷台用広告シートを、トラックの荷台に取り付け、トラック荷台用広告シートの側面シートの袋部に広告を入れたトラックを運転することにより宣伝することを特徴とするトラック広告。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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