トランスファ式加工システム
【課題】 加工の自由度、汎用性を向上させることができるとともにコンパクトなトランスファ式加工システムを構成する
【解決手段】 ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットを備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記加工ユニットに着脱する加工ヘッドを搬送する産業用ロボットと、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備える。
【解決手段】 ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットを備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記加工ユニットに着脱する加工ヘッドを搬送する産業用ロボットと、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工ヘッドを交換し、多種類のワーク加工を行うトランスファ式加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のエンジン周りの部品や足回りの部品の加工は、トランスファ式加工システムで行われていたが、その加工ユニットは専用機であるため、自由度や汎用性が低く、生産量が少ない場合には適用することができなかった。汎用性を高める目的で、マシニングセンタを利用した生産ラインを使用することもあるが、汎用性は高いが、生産性が低いという欠点があった。
そのため、従来のトランスファ式加工システムは、図5、6、7に示すように、加工ヘッドの交換をすることで加工の自由度を向上させている(例えば、特許文献1参照)。
図5、6、7は、従来のトランスファ式加工システムを示しており、それぞれ側面図、正面図、平面図である。図において、Wはワークであり、左右いずれかの方向から搬送されてくるものである。2は加工ユニットである。6は加工ヘッドであり、キャリア5に保持されワークWを加工するための工具スピンドル35が設けられている。また、加工ヘッド6は、昇降モータ11の駆動により、上下に移動する。4も加工ヘッドであり、同様にキャリア5に保持されている。加工ヘッド4は、加工ヘッド6の工具スピンドル35とは異なる工具スピンドルが設けられている。32は押圧手段であり、キャリア5を紙面左方向へ押圧する。
従来のトランスファ式加工システムは、以上のように構成されているので、加工ヘッド6が上昇した状態で押圧手段32が動作すると、キャリア5が紙面左方向へ押し出され、順次キャリアが水平移動し、加工ヘッドを交換することができる。
このように、従来のトランスファ式加工システムは、加工ユニットの近傍に交換用の加工ヘッドを準備している。
【特許文献1】特許第2532154号公報(第1−5頁、図1、2,3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のトランスファ式加工システムは、交換用加工ヘッドが加工ユニットに隣接したキャリアに保持されているため、交換可能な加工ユニットの種類に限度があった。また、ワークの搬送方向に交換用加工ヘッドが配置されているため、ワークの搬送方向に加工システムが長くなってしまうという問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、産業用ロボットに複数の交換用加工ヘッドを搬送させることで、加工の自由度、汎用性を向上させることができるとともにコンパクトなトランスファ式加工システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットを備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記加工ユニットに着脱可能な加工ヘッドを搬送する産業用ロボットと、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、第1のワークを加工する第1の複数の加工ユニットと、前記第1の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第1のワーク搬送装置と、第2のワークを加工する第2の複数の加工ユニットと、前記第1のワーク搬送装置に平行に設けられ、前記第2の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第2のワーク搬送装置と、を備え、前記第1および第2の加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記第1および第2のワーク搬送装置の間に設けられた産業用ロボットと、前記第1および第2のワーク搬送装置の間に設けられ、前記加工ヘッドを載置する加工ヘッドストッカと、を備え、前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、第1のワークを加工する第1の複数の加工ユニットと、前記第1の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第1のワーク搬送装置と、第2のワークを加工する第2の複数の加工ユニットと、前記第1のワーク搬送装置に平行に設けられ、前記第2の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第2のワーク搬送装置と、を備え、前記第1および第2の加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記第1および第2のワーク搬送装置に平行に設けられた走行装置と、前記走行装置に載置された産業用ロボットと、前記走行装置の端部に設けられ、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備え、前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、互いに平行な第1の直線部と第2の直線部とを備えるループ状に構成されたワーク搬送装置と、前記ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットと、を備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記第1および第2のワーク搬送装置に平行に設けられた走行装置と、前記走行装置に載置された産業用ロボットと、前記走行装置の端部に設けられ、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備え、前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、前記産業用ロボットは、7軸ロボットであることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、前記産業用ロボットは、天吊りまたは棚置きされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、産業用ロボットに複数の交換用加工ヘッドを搬送させることで、加工の自由度、汎用性を向上させることができるとともにコンパクトなトランスファ式加工システムを構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明のトランスファ式加工システムの構成図である。図において、101は産業用ロボットであるが、狭小な場所であっても干渉無く動作可能な7軸の産業用ロボットが望ましい。102は加工対象となるワークであり、例えばエンジン部品や足回り部品等である。103はワーク搬送装置であり、ワーク103を一方向に搬送するためのものであり、リフトやキャリー等も含む。104は、加工ヘッドであり、ロボット101によって搬送される。加工ヘッドは穴あけ用の多軸工具を備えているが、タップ、ボーリング、フェーシング加工用等、任意の加工ヘッドでよい。105は、加工ユニットであり、加工ヘッド104を保持してワーク102に所定の加工を施すものである。加工ユニット104には、加工ヘッド104をワーク102に対して前進または後退させるための第1の駆動手段(不図示)と、加工ヘッド104の工具を回転させるための第2の駆動手段(不図示)が設けられている。106は、棚状の加工ヘッドストッカであり、複数の交換用の加工ヘッドを垂直方向に載置しておくためのものである。
図2は、本発明のトランスファ式加工システムの詳細を示す説明図である。図1と符号が同じものは説明を省略する。202は、ロボットの動作を制御するためのコントローラであり、加工システム全体を制御する上位コントローラ(不図示)に接続されている。なお、加工ユニット105およびワーク搬送装置103も上位コントローラに接続されている。201は、加工ユニット105に設けられた送りガイドである。
【0008】
次に、その動作について説明する。
加工ヘッド104の交換が必要になると、ロボット101は加工ユニット105から、加工ヘッド104を取り出し、加工ヘッドストッカ106の空いている棚に退避させる。なお、棚は、上位コントローラによって管理されている。次に、目的とする加工ヘッド104を加工ヘッドストッカ106から取出し、送りガイド201加工ユニットに挿入する。挿入後、加工ヘッド104をロボットの手先から切り離す。ここで、切り離しのタイミングは、加工ユニット105に設けられた第1の駆動手段と加工ヘッド104とが結合したことを確認する確認センサを加工ユニット105に設けておき、この確認センサの検出信号を上位コントローラ経由でロボットコントローラ202が受け取り、判断する。切り離された加工ヘッド104は、加工ユニット105の第2の駆動手段にも結合される。そして、加工ユニット105は、上位コントローラの指令の下、ワーク搬送装置103によって搬送されてきたワーク102に対して第2の駆動手段を動作させて、工具を回転させるとともに、第1の駆動手段を動作させて加工ヘッド104を送りガイド201に沿ってワーク方向に前進させ、所定の加工を行う。
【0009】
このように、本実施例によれば、複数の加工ヘッドを柔軟に交換することができるので、加工の自由度、汎用性を向上させることができる。しかも、交換用の加工ヘッドはストッカに垂直方向に棚置きされているので、設置面積の小さいシステムを構成することができる。
【実施例2】
【0010】
図3は第2実施例の構成を示す図であり、ロボットの左右に互いに平行なワーク搬送装置が設けられたシステム構成図である。図において、2台のロボットは左右に配置された加工ユニットの加工ヘッドを自由に交換することができる。
【0011】
このように、本実施例によれば、左右の加工ユニットに対して共通のロボットとストッカを備えているので、実施例1の効果に加え、工程数に対してさらに設置面積の小さいシステムを構成することができる。
なお、左右のワーク搬送装置をループ状に結合すれば、さらに工程を増やすことができ、複雑な加工を施すことができると共に、ワークや加工内容に変更があっても、柔軟に対応することができる。
【実施例3】
【0012】
図4は第3実施例の構成を示す図であり、ロボットの左右に互いに平行なワーク搬送装置が設けられている点では実施例2と共通するが、ワーク102の搬送方向に沿って、(1)ロボットの走行軸301が設けられている点、(2)および走行軸の末端にストッカ106が設けられている点が相違する。
【0013】
このように、本実施例によれば、ロボットが走行軸301上を走行することによって任意の加工ユニットの加工ヘッドを交換することができるので、実施例1、2の効果に加え、シンプルなシステムを構成することができる。
なお、左右のワーク搬送装置をループ状に結合すれば、1つのワークに対してさらに工程を増やすことができ、複雑な加工を施すことができると共に、ワークや加工内容に変更があっても、柔軟に対応することができる。
【0014】
以上、本発明によれば、産業用ロボットに複数の交換用加工ヘッドを搬送させることで、加工の自由度、汎用性を向上させることができるとともにコンパクトなトランスファ式加工システムを構成することができる。
なお、ロボットは、天吊や棚置きとしてもよく、これによりさらに設置面積の小さいシステムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例を示すトランスファ式加工システムの構成図
【図2】本発明のトランスファ式加工システムの詳細説明図
【図3】第2実施例を示すトランスファ式加工システムの構成図
【図4】第3実施例を示すトランスファ式加工システムの構成図
【図5】従来のトランスファ式加工システムの側面図
【図6】従来のトランスファ式加工システムの正面図
【図7】従来のトランスファ式加工システムの平面図
【符号の説明】
【0016】
101 ロボット
102 ワーク
103 ワーク搬送装置
104 加工ヘッド
105 加工ユニット
106 加工ヘッドストッカ
201 送りガイド
202 コントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工ヘッドを交換し、多種類のワーク加工を行うトランスファ式加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のエンジン周りの部品や足回りの部品の加工は、トランスファ式加工システムで行われていたが、その加工ユニットは専用機であるため、自由度や汎用性が低く、生産量が少ない場合には適用することができなかった。汎用性を高める目的で、マシニングセンタを利用した生産ラインを使用することもあるが、汎用性は高いが、生産性が低いという欠点があった。
そのため、従来のトランスファ式加工システムは、図5、6、7に示すように、加工ヘッドの交換をすることで加工の自由度を向上させている(例えば、特許文献1参照)。
図5、6、7は、従来のトランスファ式加工システムを示しており、それぞれ側面図、正面図、平面図である。図において、Wはワークであり、左右いずれかの方向から搬送されてくるものである。2は加工ユニットである。6は加工ヘッドであり、キャリア5に保持されワークWを加工するための工具スピンドル35が設けられている。また、加工ヘッド6は、昇降モータ11の駆動により、上下に移動する。4も加工ヘッドであり、同様にキャリア5に保持されている。加工ヘッド4は、加工ヘッド6の工具スピンドル35とは異なる工具スピンドルが設けられている。32は押圧手段であり、キャリア5を紙面左方向へ押圧する。
従来のトランスファ式加工システムは、以上のように構成されているので、加工ヘッド6が上昇した状態で押圧手段32が動作すると、キャリア5が紙面左方向へ押し出され、順次キャリアが水平移動し、加工ヘッドを交換することができる。
このように、従来のトランスファ式加工システムは、加工ユニットの近傍に交換用の加工ヘッドを準備している。
【特許文献1】特許第2532154号公報(第1−5頁、図1、2,3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のトランスファ式加工システムは、交換用加工ヘッドが加工ユニットに隣接したキャリアに保持されているため、交換可能な加工ユニットの種類に限度があった。また、ワークの搬送方向に交換用加工ヘッドが配置されているため、ワークの搬送方向に加工システムが長くなってしまうという問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、産業用ロボットに複数の交換用加工ヘッドを搬送させることで、加工の自由度、汎用性を向上させることができるとともにコンパクトなトランスファ式加工システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットを備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記加工ユニットに着脱可能な加工ヘッドを搬送する産業用ロボットと、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、第1のワークを加工する第1の複数の加工ユニットと、前記第1の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第1のワーク搬送装置と、第2のワークを加工する第2の複数の加工ユニットと、前記第1のワーク搬送装置に平行に設けられ、前記第2の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第2のワーク搬送装置と、を備え、前記第1および第2の加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記第1および第2のワーク搬送装置の間に設けられた産業用ロボットと、前記第1および第2のワーク搬送装置の間に設けられ、前記加工ヘッドを載置する加工ヘッドストッカと、を備え、前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、第1のワークを加工する第1の複数の加工ユニットと、前記第1の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第1のワーク搬送装置と、第2のワークを加工する第2の複数の加工ユニットと、前記第1のワーク搬送装置に平行に設けられ、前記第2の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第2のワーク搬送装置と、を備え、前記第1および第2の加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記第1および第2のワーク搬送装置に平行に設けられた走行装置と、前記走行装置に載置された産業用ロボットと、前記走行装置の端部に設けられ、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備え、前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、互いに平行な第1の直線部と第2の直線部とを備えるループ状に構成されたワーク搬送装置と、前記ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットと、を備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、前記第1および第2のワーク搬送装置に平行に設けられた走行装置と、前記走行装置に載置された産業用ロボットと、前記走行装置の端部に設けられ、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備え、前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、前記産業用ロボットは、7軸ロボットであることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、前記産業用ロボットは、天吊りまたは棚置きされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、産業用ロボットに複数の交換用加工ヘッドを搬送させることで、加工の自由度、汎用性を向上させることができるとともにコンパクトなトランスファ式加工システムを構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明のトランスファ式加工システムの構成図である。図において、101は産業用ロボットであるが、狭小な場所であっても干渉無く動作可能な7軸の産業用ロボットが望ましい。102は加工対象となるワークであり、例えばエンジン部品や足回り部品等である。103はワーク搬送装置であり、ワーク103を一方向に搬送するためのものであり、リフトやキャリー等も含む。104は、加工ヘッドであり、ロボット101によって搬送される。加工ヘッドは穴あけ用の多軸工具を備えているが、タップ、ボーリング、フェーシング加工用等、任意の加工ヘッドでよい。105は、加工ユニットであり、加工ヘッド104を保持してワーク102に所定の加工を施すものである。加工ユニット104には、加工ヘッド104をワーク102に対して前進または後退させるための第1の駆動手段(不図示)と、加工ヘッド104の工具を回転させるための第2の駆動手段(不図示)が設けられている。106は、棚状の加工ヘッドストッカであり、複数の交換用の加工ヘッドを垂直方向に載置しておくためのものである。
図2は、本発明のトランスファ式加工システムの詳細を示す説明図である。図1と符号が同じものは説明を省略する。202は、ロボットの動作を制御するためのコントローラであり、加工システム全体を制御する上位コントローラ(不図示)に接続されている。なお、加工ユニット105およびワーク搬送装置103も上位コントローラに接続されている。201は、加工ユニット105に設けられた送りガイドである。
【0008】
次に、その動作について説明する。
加工ヘッド104の交換が必要になると、ロボット101は加工ユニット105から、加工ヘッド104を取り出し、加工ヘッドストッカ106の空いている棚に退避させる。なお、棚は、上位コントローラによって管理されている。次に、目的とする加工ヘッド104を加工ヘッドストッカ106から取出し、送りガイド201加工ユニットに挿入する。挿入後、加工ヘッド104をロボットの手先から切り離す。ここで、切り離しのタイミングは、加工ユニット105に設けられた第1の駆動手段と加工ヘッド104とが結合したことを確認する確認センサを加工ユニット105に設けておき、この確認センサの検出信号を上位コントローラ経由でロボットコントローラ202が受け取り、判断する。切り離された加工ヘッド104は、加工ユニット105の第2の駆動手段にも結合される。そして、加工ユニット105は、上位コントローラの指令の下、ワーク搬送装置103によって搬送されてきたワーク102に対して第2の駆動手段を動作させて、工具を回転させるとともに、第1の駆動手段を動作させて加工ヘッド104を送りガイド201に沿ってワーク方向に前進させ、所定の加工を行う。
【0009】
このように、本実施例によれば、複数の加工ヘッドを柔軟に交換することができるので、加工の自由度、汎用性を向上させることができる。しかも、交換用の加工ヘッドはストッカに垂直方向に棚置きされているので、設置面積の小さいシステムを構成することができる。
【実施例2】
【0010】
図3は第2実施例の構成を示す図であり、ロボットの左右に互いに平行なワーク搬送装置が設けられたシステム構成図である。図において、2台のロボットは左右に配置された加工ユニットの加工ヘッドを自由に交換することができる。
【0011】
このように、本実施例によれば、左右の加工ユニットに対して共通のロボットとストッカを備えているので、実施例1の効果に加え、工程数に対してさらに設置面積の小さいシステムを構成することができる。
なお、左右のワーク搬送装置をループ状に結合すれば、さらに工程を増やすことができ、複雑な加工を施すことができると共に、ワークや加工内容に変更があっても、柔軟に対応することができる。
【実施例3】
【0012】
図4は第3実施例の構成を示す図であり、ロボットの左右に互いに平行なワーク搬送装置が設けられている点では実施例2と共通するが、ワーク102の搬送方向に沿って、(1)ロボットの走行軸301が設けられている点、(2)および走行軸の末端にストッカ106が設けられている点が相違する。
【0013】
このように、本実施例によれば、ロボットが走行軸301上を走行することによって任意の加工ユニットの加工ヘッドを交換することができるので、実施例1、2の効果に加え、シンプルなシステムを構成することができる。
なお、左右のワーク搬送装置をループ状に結合すれば、1つのワークに対してさらに工程を増やすことができ、複雑な加工を施すことができると共に、ワークや加工内容に変更があっても、柔軟に対応することができる。
【0014】
以上、本発明によれば、産業用ロボットに複数の交換用加工ヘッドを搬送させることで、加工の自由度、汎用性を向上させることができるとともにコンパクトなトランスファ式加工システムを構成することができる。
なお、ロボットは、天吊や棚置きとしてもよく、これによりさらに設置面積の小さいシステムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例を示すトランスファ式加工システムの構成図
【図2】本発明のトランスファ式加工システムの詳細説明図
【図3】第2実施例を示すトランスファ式加工システムの構成図
【図4】第3実施例を示すトランスファ式加工システムの構成図
【図5】従来のトランスファ式加工システムの側面図
【図6】従来のトランスファ式加工システムの正面図
【図7】従来のトランスファ式加工システムの平面図
【符号の説明】
【0016】
101 ロボット
102 ワーク
103 ワーク搬送装置
104 加工ヘッド
105 加工ユニット
106 加工ヘッドストッカ
201 送りガイド
202 コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットを備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、
前記加工ユニットに着脱可能な加工ヘッドを搬送する産業用ロボットと、
前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備えたことを特徴とするトランスファ式加工装置。
【請求項2】
第1のワークを加工する第1の複数の加工ユニットと、前記第1の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第1のワーク搬送装置と、第2のワークを加工する第2の複数の加工ユニットと、前記第1のワーク搬送装置に平行に設けられ、前記第2の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第2のワーク搬送装置と、を備え、前記第1および第2の加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、
前記第1および第2のワーク搬送装置の間に設けられた産業用ロボットと、
前記第1および第2のワーク搬送装置の間に設けられ、前記加工ヘッドを載置する加工ヘッドストッカと、を備え、
前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするトランスファ式加工装置。
【請求項3】
第1のワークを加工する第1の複数の加工ユニットと、前記第1の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第1のワーク搬送装置と、第2のワークを加工する第2の複数の加工ユニットと、前記第1のワーク搬送装置に平行に設けられ、前記第2の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第2のワーク搬送装置と、を備え、前記第1および第2の加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、
前記第1および第2のワーク搬送装置に平行に設けられた走行装置と、
前記走行装置に載置された産業用ロボットと、
前記走行装置の端部に設けられ、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備え、
前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするトランスファ式加工装置。
【請求項4】
互いに平行な第1の直線部と第2の直線部とを備えるループ状に構成されたワーク搬送装置と、前記ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットと、を備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、
前記第1および第2のワーク搬送装置に平行に設けられた走行装置と、
前記走行装置に載置された産業用ロボットと、
前記走行装置の端部に設けられ、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備え、
前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするトランスファ式加工装置。
【請求項5】
前記産業用ロボットは、7軸ロボットであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のトランスファ式加工装置。
【請求項6】
前記産業用ロボットは、天吊りまたは棚置きされていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のトランスファ式加工装置。
【請求項1】
ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットを備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、
前記加工ユニットに着脱可能な加工ヘッドを搬送する産業用ロボットと、
前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備えたことを特徴とするトランスファ式加工装置。
【請求項2】
第1のワークを加工する第1の複数の加工ユニットと、前記第1の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第1のワーク搬送装置と、第2のワークを加工する第2の複数の加工ユニットと、前記第1のワーク搬送装置に平行に設けられ、前記第2の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第2のワーク搬送装置と、を備え、前記第1および第2の加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、
前記第1および第2のワーク搬送装置の間に設けられた産業用ロボットと、
前記第1および第2のワーク搬送装置の間に設けられ、前記加工ヘッドを載置する加工ヘッドストッカと、を備え、
前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするトランスファ式加工装置。
【請求項3】
第1のワークを加工する第1の複数の加工ユニットと、前記第1の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第1のワーク搬送装置と、第2のワークを加工する第2の複数の加工ユニットと、前記第1のワーク搬送装置に平行に設けられ、前記第2の複数の加工ユニットに順次ワークを搬送する第2のワーク搬送装置と、を備え、前記第1および第2の加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、
前記第1および第2のワーク搬送装置に平行に設けられた走行装置と、
前記走行装置に載置された産業用ロボットと、
前記走行装置の端部に設けられ、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備え、
前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするトランスファ式加工装置。
【請求項4】
互いに平行な第1の直線部と第2の直線部とを備えるループ状に構成されたワーク搬送装置と、前記ワーク搬送装置に沿って複数設けられた加工ユニットと、を備え、前記加工ユニットの加工ヘッドが交換可能なトランスファ式加工装置において、
前記第1および第2のワーク搬送装置に平行に設けられた走行装置と、
前記走行装置に載置された産業用ロボットと、
前記走行装置の端部に設けられ、前記加工ヘッドを載置するための加工ヘッドストッカと、を備え、
前記産業用ロボットによって、前記第1または第2の複数の加工ユニットに装着する加工ヘッドが交換されることを特徴とするトランスファ式加工装置。
【請求項5】
前記産業用ロボットは、7軸ロボットであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のトランスファ式加工装置。
【請求項6】
前記産業用ロボットは、天吊りまたは棚置きされていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のトランスファ式加工装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2009−160694(P2009−160694A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−943(P2008−943)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]