トリガコイル
【課題】部品コストの上昇を伴うことなく、回路基板への実装作業を阻害しない構成を備えるトリガコイルを提供する。
【解決手段】芯部19の外周面より第1の高さだけ突出する第1セパレータ16と、芯部19の外周面より前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出し、外周面の少なくとも一部に平坦部を有する第2セパレータ17が設けられる。第1セパレータ16と第2セパレータ17によって芯部19の外周面上に画成される複数の区画の各々に2次巻線部21が形成される。第1セパレータ16によって画成された区画に形成された2次巻線部21が第1絶縁性部材22で覆われる。その外周面が第2セパレータ17の外周面における前記平坦部と面一になるように1次巻線部23が第1絶縁性部材22上に形成される。1次巻線部23の外周面と第2セパレータ17の外周面を覆うように第2絶縁性部材24が設けられる。
【解決手段】芯部19の外周面より第1の高さだけ突出する第1セパレータ16と、芯部19の外周面より前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出し、外周面の少なくとも一部に平坦部を有する第2セパレータ17が設けられる。第1セパレータ16と第2セパレータ17によって芯部19の外周面上に画成される複数の区画の各々に2次巻線部21が形成される。第1セパレータ16によって画成された区画に形成された2次巻線部21が第1絶縁性部材22で覆われる。その外周面が第2セパレータ17の外周面における前記平坦部と面一になるように1次巻線部23が第1絶縁性部材22上に形成される。1次巻線部23の外周面と第2セパレータ17の外周面を覆うように第2絶縁性部材24が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ等のフラッシュユニットに搭載されるトリガコイルに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ等のフラッシュユニットに従来より搭載されるトリガコイルは、1次巻線と2次巻線を備える素子である。フラッシュユニットはキセノンガスが充填されたキセノン管と導電材料から成るリフレクタを備え、トリガコイルの出力側端子はリフレクタに導通されている。1次巻線に入力された数十〜数百ボルトの電圧は、2次巻線において数千ボルトにまで昇圧されて出力される。この出力電圧がリフレクタを介してキセノン管内に供給されると、イオン化したキセノンガスによりキセノン管が放電発光する。
【0003】
例えば特許文献1に開示されたトリガコイルにおいては、ボビンと呼ばれる樹脂成形品である巻線支持部材における芯部の周囲に先ず2次巻線が形成され、次いでその径方向外側の一部を1次巻線で覆う構成とされている。
【0004】
図10はこのようなトリガコイル100の構成を模式的に示す断面図である。なお2次巻線用導線はコアに直接巻き回してもよく(この場合、コアが芯部として機能する)、同図にはそうした例を示す。
【0005】
コア101は一対の側枠102に挟持されている。コア101の外周には導線(以降の説明ではこの導線を便宜上2次導線と称する)が巻き回されて2次巻線部103を形成している。2次導線の両端は側枠102に設けられた端子群104のうち所定のものに接続される。2次巻線部103の周囲は絶縁性テープ105により覆われ、さらにその周囲の一部に別の導線(以降の説明ではこの導線を便宜上1次導線と称する)が巻き回されて1次巻線部106を形成している。1次導線の両端は側枠102に設けられた端子群104のうち所定のものに接続される。この例では、2次導線の径は1次導線の径に比べて小さく、2次巻線部103における巻回し回数は1次巻線部106に比べて多い。よって実際には2次巻線部103は細い2次導線の集合となっているが、図示の便宜上、その断面を省略表現している。
【0006】
1次巻線部106の周囲は更に絶縁性テープ107で覆われる。このとき1次巻線部106が設けられている部位と設けられていない部位との間に段差108が生じてしまうことが避けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−109892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
完成したトリガコイルは、マウンタと呼ばれる装置によりフラッシュ回路基板に実装される。このときトリガコイルにおいて導線が巻き回された部位(以降の説明ではこの部位を吸着面と称する)の最外周部を、マウンタが備える吸着部材が吸着して基板上の実装位置まで運搬する。ここでトリガコイルの吸着面に上記の段差が存在すると、吸着部材と吸着面との間に生じる隙間が、正常な吸着動作を阻害する虞がある。この結果、運搬中にトリガコイルが吸着部材から脱落したり位置ずれが生じることによって、実装作業が正確に行なえないといった不具合が生じる可能性がある。
【0009】
一方で、吸着に供されるトリガコイルの上面を平坦にするために、図11に示すトリガコイル200のように平坦な上面を有する絶縁性のケース109で1次巻線部106を覆うという方策も考え得るが、部品コストの上昇が避けられない。
【0010】
本発明の目的は、部品コストの上昇を伴うことなく、回路基板への実装作業を阻害しない構成を備えるトリガコイルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明によれば、以下のものが提供される。
【0012】
(1):芯部と、
前記芯部の外周面より第1の高さだけ突出する第1セパレータと、
前記芯部の外周面より前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出し、外周面の少なくとも一部に平坦部を有する第2セパレータと、
前記第1セパレータと前記第2セパレータによって前記芯部の外周面上に画成される複数の区画の各々に形成される2次巻線部と、
前記第1セパレータによって画成された区画に形成された前記2次巻線部を覆う第1絶縁性部材と、
その外周面が前記第2セパレータの外周面における前記平坦部と面一になるように前記第1絶縁性部材上に形成される1次巻線部と、
前記1次巻線部の外周面と前記第2セパレータの外周面を覆うように設けられた第2絶縁性部材とを具備して成ることを特徴とするトリガコイル。
【0013】
上記の構成によれば、第2セパレータの外周面の少なくとも一部が平坦部を有し、1次巻線部の外周面が該平坦面と面一になるように形成されているため、該平坦部と1次巻線部の外周面を覆う第2絶縁性部材の外周面は平坦となる。この平坦面をマウンタの吸着部材に対向する吸着面とすれば、完成したトリガコイルをマウンタの吸着部材で吸着して運搬し回路基板へ実装する作業を行なう際に、マウンタの吸着部材と第2絶縁性部材の外周面の間に段差に起因した隙間が生ずることがない。よって安定した吸着状態を維持できるため、運搬中にトリガコイルがマウンタの吸着部材から脱落したり、位置ずれが生ずる虞がなく、実装作業を正確かつ効率的に遂行できる。
【0014】
(2):(1)に記載のトリガコイルであって、
前記第1セパレータの外周面は、前記第2セパレータの前記平坦部と平行な平坦部を有することを特徴とするもの。
【0015】
上記の構成によれば、第1セパレータの平坦部を覆う第1絶縁性部材と、その上に形成される1次巻線部における外周面の平坦性をより向上させ、より安定性の高い吸着面を形成することができる。
【0016】
(3):(1)または(2)に記載のトリガコイルであって、
前記複数の区画の各々に形成される前記2次巻線部の巻数は互いに等しく、
前記複数の区画の内、前記第1絶縁性部材に覆われないものは、前記第1絶縁性部材に覆われるものよりも前記芯部の軸方向に沿う向きの幅が狭いことを特徴とするもの。
【0017】
上記の構成によれば、第2セパレータのみが画成に関与する区画(第1絶縁性部材に覆われない区画)においては、同じ巻数を維持するために2次巻線部の厚みが増すので第2絶縁性部材の直下まで導線を巻き回して2次巻線部を形成することができる。したがって第2セパレータのみが画成に関与する空間を有効に活用し、芯部の軸方向に沿う寸法を短縮できるため、より小型化の要請に応え得るトリガコイルを提供することができる。
【0018】
(4):(1)から(3)のいずれかに記載のトリガコイルであって、
少なくとも前記第2絶縁性部材はテープ部材であるもの。
【0019】
上記の構成によれば、平坦な吸着面を得るために別部材としてのケース等を必要とせず、安価な絶縁性テープの仕様のみでこれを実現できる。よって部品コストの上昇を避けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトリガコイルの外観を示す斜視図である。
【図2】図1のトリガコイルの外観を示す6面図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は上面図、(e)は底面図、(f)は背面図である。
【図3】図1のトリガコイルにおける巻線支持部材を示す上面図である。
【図4】図3の巻線支持部材を矢印IV方向から見た正面図である。
【図5】図4の巻線支持部材を矢印V方向から見た底面図である。
【図6】図1のトリガコイルの製法を説明する模式部分断面図である。
【図7】図1のトリガコイルの製法を説明する模式部分断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るトリガコイルにおいて図7に対応する状態を示す模式部分断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るトリガコイルにおいて図6に対応する状態を示す模式部分断面図である。
【図10】従来のトリガコイルの第1例を示す模式断面図である。
【図11】従来のトリガコイルの第2例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照しつつ、以下詳細に説明する。各実施形態において同一または同様の構造あるいは機能を有する要素は同一の参照番号を付与し、特に断りのない限り当該要素に対する重複説明は省略する。
【0022】
図1〜7を参照して本発明の第1実施形態に係るトリガコイル10について説明する。トリガコイル10は主要構成部品として巻線支持部材11を備えて構成される。巻線支持部材11はボビンとも呼ばれる樹脂成形部品であり、液晶ポリマー等の樹脂により成形される。フェノール樹脂等を用いてもよい。
【0023】
図3〜5に示すように、巻線支持部材11は、一対の側枠部12の間に巻線支持部13を備えた構成とされる。導電材料から成る端子群14が側枠部12に設けられており、外部素子や回路基板との電気的接続に供される。
【0024】
巻線支持部13は、側枠部12を接続するように延設された四角柱状の芯部19を備える。図7に示すように、芯部19および側枠部12の一部は中空構造とされ、この中空部に導電材料から成るコア20が挿入されている。
【0025】
本実施形態では、芯部19の外周面に複数のセパレータ16,17が芯部19の延設方向に沿って一定間隔で設けられている。セパレータ16,17は芯部19の外周部より外方へ突出する鍔状の部材であり、芯部19と一体成形されている。セパレータ16,17は、芯部19の周囲に巻き回される2次導線が形成する2次巻線部21を複数の区画に仕切るために設けられている。トリガコイル10の2次巻線側には非常に高い電圧が発生するため、セパレータ16,17によって一区画あたりに生ずる電圧の値を減少させることにより、放電による巻線間のショートを防止し、トリガコイル10の耐圧信頼性を向上させている。
【0026】
図3に示すように、各セパレータには切欠き部18が形成されており、ある区画に巻き回された2次導線が隣の区画へ移行するための通路として利用される。本実施形態では巻線支持部材11の上面側に切欠き部18が形成されているが、2次導線の隣接区画への移行が可能であれば、切欠き部18の形成箇所は任意である。
【0027】
各セパレータの外周面は平坦部を有する形状とされ、セパレータが並ぶ方向から見ると各セパレータの周縁は芯部19の断面四角形状に相似な略四角形状を呈している。
【0028】
本実施形態のセパレータは、芯部19の外周面から第1の高さだけ突出する第1セパレータ16と、芯部19の外周面から前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出する第2セパレータ17とを含んでいる。図3〜5において第1セパレータ16は芯部19の右半分を占める領域に、第2セパレータ17は芯部19の左半分を占める領域に形成されている。図6および7を参照しつつ、本実施形態のトリガコイル10の製法と併せてこのように構成した理由を説明する。
【0029】
図6に示すように、先ず2次導線が芯部19の周囲に巻き回される。上述した切欠き部18を経由して第1セパレータ16と第2セパレータ17によって画成される全ての区画において2次導線が巻き回され、複数の2次巻線部21が形成される。各2次巻線部21における2次導線の巻数は、全ての区画において同一である。実際には2次巻線部21は細い2次導線の集合となっているが、図示の便宜上、その断面を省略表現している。なお仕様に応じて2次巻線部21が形成されない区画が存在しても構わない。
【0030】
次に、第1セパレータ16によって画成される区画に形成されている2次巻線部21が、第1絶縁性テープ22(第1絶縁性部材)により覆われる。具体的には、第1セパレータ16の外周面に沿って第1絶縁性テープ22が巻き回される。
【0031】
引き続いて、図7に示すように、第1絶縁性テープ22の周囲に1次導線が巻き回され、1次巻線部23が形成される。本実施形態では、1次巻線部23の外周面と第2セパレータ17の外周面が略面一となるように構成されている。換言すると、第1セパレータ16と第2セパレータ17の芯部19からの突出高さの差は、第1絶縁性テープ22の厚みと1次巻線部23の厚みを加えた寸法となるように設定されている。
【0032】
図示の例では1次導線が単層を形成するように1次巻線部23を構成しているが、結果として形成される1次巻線部23の外周面と第2セパレータ17の外周面が面一となりさえすれば、仕様に応じて1次導線が複数層を形成するように1次巻線部23を構成してもよい。
【0033】
最後に、第1巻線部の外周面と第2セパレータ17の外周面を覆うように、第2絶縁性テープ24(第2絶縁性部材)が巻き回される。上述のように第2セパレータ17の外周面は平坦部を含んでおり、かつ両外周面が面一となるように構成されているため、図1および図7に示すように、第2絶縁性テープ24の外周面は全面に亘り平坦となる。
【0034】
図1および図2(a)〜(f)に示すように、1次導線および2次導線の両端は、端子群14のうち所定のものと各々導通されれ、半田25により保護および固定される。
【0035】
図6および図7においては、説明の便宜上、第1巻線部21、第1絶縁性テープ22、第2巻線部23、第2絶縁性テープ24のみを断面表記した。以下の説明に用いられる図8および図9も同様である。
【0036】
上記の構成によれば、完成したトリガコイル10をマウンタの吸着部材で吸着して運搬し、回路基板へ実装する作業を行なう際に、マウンタの吸着部材と第2絶縁性テープ24の外周面の間に段差に起因した隙間が生ずることがない。よって安定した吸着状態を維持できるため、運搬中にトリガコイル10がマウンタの吸着部材から脱落したり、位置ずれが生ずる虞がなく、実装作業を正確かつ効率的に遂行できる。しかも平坦な吸着面を得るために別部材としてのケース等を必要とせず、安価な絶縁性テープの使用のみでこれを実現している。よって部品コストの上昇を避けることが可能である。
【0037】
図8に本発明の第2実施形態に係るトリガコイル30を示す。本実施形態では、巻線支持部33の芯部39の延設方向における中央部に第1セパレータ16が設けられ、その両側に第2セパレータ17が設けられる構成とされている。
【0038】
本実施形態においても、第2セパレータ17の外周面は平坦部を含んでおり、かつ1次巻線部23の外周面と第2セパレータ17の外周面が面一となるように、第1セパレータ16と第2セパレータ17の芯部39からの突出高さの差が設定されているため、第1実施形態と同様にして第2絶縁性テープ24の外周面が全体に亘って平坦となる。
【0039】
図9に本発明の第3実施形態に係るトリガコイル40を示す。本実施形態における巻線支持部43の芯部49では、第1セパレータ16と第2セパレータ17とで隣接するセパレータ同士の間隔が異なる。具体的には、第1セパレータ16同士の間隔W1よりも第2セパレータ17同士の間隔W2の方が狭い構成とされる。
【0040】
第1実施形態と同様に、各2次巻線部21における2次導線の巻数は全ての区画において同一とされる。第2セパレータ17同士により画成される区画においては、両者の間隔W2が狭いため、同じ巻数を維持するためには巻線部の厚みが増すこととなる。本実施形態では、第1セパレータ16同士により画成される区画に形成される2次巻線部21の断面積と、第2セパレータ17同士により画成される区画に形成される2次巻線部21の断面積とが略等しくなるように、第1セパレータ16および第2セパレータ17の間隔W1、W2が設定されている。
【0041】
この構成によれば、第2セパレータ17同士により画成される空間を有効に活用することができる。すなわち、第1実施形態では第2絶縁性テープ24と2次巻線部21の外周面との間に隙間が形成されるが、本実施形態では第2絶縁性テープ24の直下まで2次導線を巻き回して2次巻線部21を形成することができる。第2セパレータ17同士の間隔を狭めた分だけ、巻線支持部43の芯部49の延設方向に沿う寸法を短縮できるため、より小型化の要請に応え得るトリガコイルを提供することができる。
【0042】
以上、各実施形態に基づいて本発明のトリガコイル10,30,40について説明したが、上記の実施形態は本発明の理解を容易にするための例示であって、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において改変され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれ得ることは勿論である。
【0043】
例えば上述の実施形態では1次巻線部と2次巻線部との絶縁(第1絶縁性部材)、および1次巻線部の被覆(第2絶縁性部材)に絶縁性テープを用いている。しかしながら電気的な絶縁性が安価に確保できれば、第1絶縁性テープ22と第2絶縁性テープ24の少なくとも一方は、フィルム部材などで適宜置き換え可能である。
【0044】
第1セパレータ16と第2セパレータ17の数は上記の各実施形態で示した数に限定されるものではない。これらは各々少なくとも1つ設けられていれば側枠部と共に複数の区画を画成可能である。仕様に応じて、1枚の第1セパレータ16と複数の第2セパレータ17、複数の第1セパレータ16と1枚の第2セパレータ17といった組合せも可能である。
【0045】
第1セパレータ16と第2セパレータ17の周縁形状は、上記の各実施形態で示した略四角形状に限定されるものではない。第2セパレータ17に関しては、マウンタの吸着部材に面する側の外周面に平坦部を有する形状であれば、第2絶縁性部材に覆われた際に平坦な吸着面を形成可能である。仕様に応じて種々の多角形状や、周縁に曲線部を含む形状とすることが可能である。
【0046】
芯部の断面形状とセパレータの周縁形状の組合せも上記の各実施形態で示した四角形状同士に限定されるものではない。例えば断面円形の芯部と周縁が四角形状のセパレータや、任意の多角形状断面を有する芯部と任意の多角形状周縁を有するセパレータといった組合せが可能である。
【0047】
上記の各実施形態は本発明をトリガコイルに適用する場合について述べたが、1次巻線と2次巻線の巻数の差が大きく、1次巻線で2次巻線を覆う際に段差の発生が避けられない構成であれば、その他の用途に用いられるコイルにも適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
11 巻線支持部材
12 側枠部
13 巻線支持部
14 端子群
16 第1セパレータ
17 第2セパレータ
19 芯部
21 第2巻線部
22 第1絶縁性テープ(第1絶縁性部材)
23 第1巻線部
24 第2絶縁性テープ(第2絶縁性部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ等のフラッシュユニットに搭載されるトリガコイルに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ等のフラッシュユニットに従来より搭載されるトリガコイルは、1次巻線と2次巻線を備える素子である。フラッシュユニットはキセノンガスが充填されたキセノン管と導電材料から成るリフレクタを備え、トリガコイルの出力側端子はリフレクタに導通されている。1次巻線に入力された数十〜数百ボルトの電圧は、2次巻線において数千ボルトにまで昇圧されて出力される。この出力電圧がリフレクタを介してキセノン管内に供給されると、イオン化したキセノンガスによりキセノン管が放電発光する。
【0003】
例えば特許文献1に開示されたトリガコイルにおいては、ボビンと呼ばれる樹脂成形品である巻線支持部材における芯部の周囲に先ず2次巻線が形成され、次いでその径方向外側の一部を1次巻線で覆う構成とされている。
【0004】
図10はこのようなトリガコイル100の構成を模式的に示す断面図である。なお2次巻線用導線はコアに直接巻き回してもよく(この場合、コアが芯部として機能する)、同図にはそうした例を示す。
【0005】
コア101は一対の側枠102に挟持されている。コア101の外周には導線(以降の説明ではこの導線を便宜上2次導線と称する)が巻き回されて2次巻線部103を形成している。2次導線の両端は側枠102に設けられた端子群104のうち所定のものに接続される。2次巻線部103の周囲は絶縁性テープ105により覆われ、さらにその周囲の一部に別の導線(以降の説明ではこの導線を便宜上1次導線と称する)が巻き回されて1次巻線部106を形成している。1次導線の両端は側枠102に設けられた端子群104のうち所定のものに接続される。この例では、2次導線の径は1次導線の径に比べて小さく、2次巻線部103における巻回し回数は1次巻線部106に比べて多い。よって実際には2次巻線部103は細い2次導線の集合となっているが、図示の便宜上、その断面を省略表現している。
【0006】
1次巻線部106の周囲は更に絶縁性テープ107で覆われる。このとき1次巻線部106が設けられている部位と設けられていない部位との間に段差108が生じてしまうことが避けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−109892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
完成したトリガコイルは、マウンタと呼ばれる装置によりフラッシュ回路基板に実装される。このときトリガコイルにおいて導線が巻き回された部位(以降の説明ではこの部位を吸着面と称する)の最外周部を、マウンタが備える吸着部材が吸着して基板上の実装位置まで運搬する。ここでトリガコイルの吸着面に上記の段差が存在すると、吸着部材と吸着面との間に生じる隙間が、正常な吸着動作を阻害する虞がある。この結果、運搬中にトリガコイルが吸着部材から脱落したり位置ずれが生じることによって、実装作業が正確に行なえないといった不具合が生じる可能性がある。
【0009】
一方で、吸着に供されるトリガコイルの上面を平坦にするために、図11に示すトリガコイル200のように平坦な上面を有する絶縁性のケース109で1次巻線部106を覆うという方策も考え得るが、部品コストの上昇が避けられない。
【0010】
本発明の目的は、部品コストの上昇を伴うことなく、回路基板への実装作業を阻害しない構成を備えるトリガコイルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明によれば、以下のものが提供される。
【0012】
(1):芯部と、
前記芯部の外周面より第1の高さだけ突出する第1セパレータと、
前記芯部の外周面より前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出し、外周面の少なくとも一部に平坦部を有する第2セパレータと、
前記第1セパレータと前記第2セパレータによって前記芯部の外周面上に画成される複数の区画の各々に形成される2次巻線部と、
前記第1セパレータによって画成された区画に形成された前記2次巻線部を覆う第1絶縁性部材と、
その外周面が前記第2セパレータの外周面における前記平坦部と面一になるように前記第1絶縁性部材上に形成される1次巻線部と、
前記1次巻線部の外周面と前記第2セパレータの外周面を覆うように設けられた第2絶縁性部材とを具備して成ることを特徴とするトリガコイル。
【0013】
上記の構成によれば、第2セパレータの外周面の少なくとも一部が平坦部を有し、1次巻線部の外周面が該平坦面と面一になるように形成されているため、該平坦部と1次巻線部の外周面を覆う第2絶縁性部材の外周面は平坦となる。この平坦面をマウンタの吸着部材に対向する吸着面とすれば、完成したトリガコイルをマウンタの吸着部材で吸着して運搬し回路基板へ実装する作業を行なう際に、マウンタの吸着部材と第2絶縁性部材の外周面の間に段差に起因した隙間が生ずることがない。よって安定した吸着状態を維持できるため、運搬中にトリガコイルがマウンタの吸着部材から脱落したり、位置ずれが生ずる虞がなく、実装作業を正確かつ効率的に遂行できる。
【0014】
(2):(1)に記載のトリガコイルであって、
前記第1セパレータの外周面は、前記第2セパレータの前記平坦部と平行な平坦部を有することを特徴とするもの。
【0015】
上記の構成によれば、第1セパレータの平坦部を覆う第1絶縁性部材と、その上に形成される1次巻線部における外周面の平坦性をより向上させ、より安定性の高い吸着面を形成することができる。
【0016】
(3):(1)または(2)に記載のトリガコイルであって、
前記複数の区画の各々に形成される前記2次巻線部の巻数は互いに等しく、
前記複数の区画の内、前記第1絶縁性部材に覆われないものは、前記第1絶縁性部材に覆われるものよりも前記芯部の軸方向に沿う向きの幅が狭いことを特徴とするもの。
【0017】
上記の構成によれば、第2セパレータのみが画成に関与する区画(第1絶縁性部材に覆われない区画)においては、同じ巻数を維持するために2次巻線部の厚みが増すので第2絶縁性部材の直下まで導線を巻き回して2次巻線部を形成することができる。したがって第2セパレータのみが画成に関与する空間を有効に活用し、芯部の軸方向に沿う寸法を短縮できるため、より小型化の要請に応え得るトリガコイルを提供することができる。
【0018】
(4):(1)から(3)のいずれかに記載のトリガコイルであって、
少なくとも前記第2絶縁性部材はテープ部材であるもの。
【0019】
上記の構成によれば、平坦な吸着面を得るために別部材としてのケース等を必要とせず、安価な絶縁性テープの仕様のみでこれを実現できる。よって部品コストの上昇を避けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトリガコイルの外観を示す斜視図である。
【図2】図1のトリガコイルの外観を示す6面図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は上面図、(e)は底面図、(f)は背面図である。
【図3】図1のトリガコイルにおける巻線支持部材を示す上面図である。
【図4】図3の巻線支持部材を矢印IV方向から見た正面図である。
【図5】図4の巻線支持部材を矢印V方向から見た底面図である。
【図6】図1のトリガコイルの製法を説明する模式部分断面図である。
【図7】図1のトリガコイルの製法を説明する模式部分断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るトリガコイルにおいて図7に対応する状態を示す模式部分断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るトリガコイルにおいて図6に対応する状態を示す模式部分断面図である。
【図10】従来のトリガコイルの第1例を示す模式断面図である。
【図11】従来のトリガコイルの第2例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照しつつ、以下詳細に説明する。各実施形態において同一または同様の構造あるいは機能を有する要素は同一の参照番号を付与し、特に断りのない限り当該要素に対する重複説明は省略する。
【0022】
図1〜7を参照して本発明の第1実施形態に係るトリガコイル10について説明する。トリガコイル10は主要構成部品として巻線支持部材11を備えて構成される。巻線支持部材11はボビンとも呼ばれる樹脂成形部品であり、液晶ポリマー等の樹脂により成形される。フェノール樹脂等を用いてもよい。
【0023】
図3〜5に示すように、巻線支持部材11は、一対の側枠部12の間に巻線支持部13を備えた構成とされる。導電材料から成る端子群14が側枠部12に設けられており、外部素子や回路基板との電気的接続に供される。
【0024】
巻線支持部13は、側枠部12を接続するように延設された四角柱状の芯部19を備える。図7に示すように、芯部19および側枠部12の一部は中空構造とされ、この中空部に導電材料から成るコア20が挿入されている。
【0025】
本実施形態では、芯部19の外周面に複数のセパレータ16,17が芯部19の延設方向に沿って一定間隔で設けられている。セパレータ16,17は芯部19の外周部より外方へ突出する鍔状の部材であり、芯部19と一体成形されている。セパレータ16,17は、芯部19の周囲に巻き回される2次導線が形成する2次巻線部21を複数の区画に仕切るために設けられている。トリガコイル10の2次巻線側には非常に高い電圧が発生するため、セパレータ16,17によって一区画あたりに生ずる電圧の値を減少させることにより、放電による巻線間のショートを防止し、トリガコイル10の耐圧信頼性を向上させている。
【0026】
図3に示すように、各セパレータには切欠き部18が形成されており、ある区画に巻き回された2次導線が隣の区画へ移行するための通路として利用される。本実施形態では巻線支持部材11の上面側に切欠き部18が形成されているが、2次導線の隣接区画への移行が可能であれば、切欠き部18の形成箇所は任意である。
【0027】
各セパレータの外周面は平坦部を有する形状とされ、セパレータが並ぶ方向から見ると各セパレータの周縁は芯部19の断面四角形状に相似な略四角形状を呈している。
【0028】
本実施形態のセパレータは、芯部19の外周面から第1の高さだけ突出する第1セパレータ16と、芯部19の外周面から前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出する第2セパレータ17とを含んでいる。図3〜5において第1セパレータ16は芯部19の右半分を占める領域に、第2セパレータ17は芯部19の左半分を占める領域に形成されている。図6および7を参照しつつ、本実施形態のトリガコイル10の製法と併せてこのように構成した理由を説明する。
【0029】
図6に示すように、先ず2次導線が芯部19の周囲に巻き回される。上述した切欠き部18を経由して第1セパレータ16と第2セパレータ17によって画成される全ての区画において2次導線が巻き回され、複数の2次巻線部21が形成される。各2次巻線部21における2次導線の巻数は、全ての区画において同一である。実際には2次巻線部21は細い2次導線の集合となっているが、図示の便宜上、その断面を省略表現している。なお仕様に応じて2次巻線部21が形成されない区画が存在しても構わない。
【0030】
次に、第1セパレータ16によって画成される区画に形成されている2次巻線部21が、第1絶縁性テープ22(第1絶縁性部材)により覆われる。具体的には、第1セパレータ16の外周面に沿って第1絶縁性テープ22が巻き回される。
【0031】
引き続いて、図7に示すように、第1絶縁性テープ22の周囲に1次導線が巻き回され、1次巻線部23が形成される。本実施形態では、1次巻線部23の外周面と第2セパレータ17の外周面が略面一となるように構成されている。換言すると、第1セパレータ16と第2セパレータ17の芯部19からの突出高さの差は、第1絶縁性テープ22の厚みと1次巻線部23の厚みを加えた寸法となるように設定されている。
【0032】
図示の例では1次導線が単層を形成するように1次巻線部23を構成しているが、結果として形成される1次巻線部23の外周面と第2セパレータ17の外周面が面一となりさえすれば、仕様に応じて1次導線が複数層を形成するように1次巻線部23を構成してもよい。
【0033】
最後に、第1巻線部の外周面と第2セパレータ17の外周面を覆うように、第2絶縁性テープ24(第2絶縁性部材)が巻き回される。上述のように第2セパレータ17の外周面は平坦部を含んでおり、かつ両外周面が面一となるように構成されているため、図1および図7に示すように、第2絶縁性テープ24の外周面は全面に亘り平坦となる。
【0034】
図1および図2(a)〜(f)に示すように、1次導線および2次導線の両端は、端子群14のうち所定のものと各々導通されれ、半田25により保護および固定される。
【0035】
図6および図7においては、説明の便宜上、第1巻線部21、第1絶縁性テープ22、第2巻線部23、第2絶縁性テープ24のみを断面表記した。以下の説明に用いられる図8および図9も同様である。
【0036】
上記の構成によれば、完成したトリガコイル10をマウンタの吸着部材で吸着して運搬し、回路基板へ実装する作業を行なう際に、マウンタの吸着部材と第2絶縁性テープ24の外周面の間に段差に起因した隙間が生ずることがない。よって安定した吸着状態を維持できるため、運搬中にトリガコイル10がマウンタの吸着部材から脱落したり、位置ずれが生ずる虞がなく、実装作業を正確かつ効率的に遂行できる。しかも平坦な吸着面を得るために別部材としてのケース等を必要とせず、安価な絶縁性テープの使用のみでこれを実現している。よって部品コストの上昇を避けることが可能である。
【0037】
図8に本発明の第2実施形態に係るトリガコイル30を示す。本実施形態では、巻線支持部33の芯部39の延設方向における中央部に第1セパレータ16が設けられ、その両側に第2セパレータ17が設けられる構成とされている。
【0038】
本実施形態においても、第2セパレータ17の外周面は平坦部を含んでおり、かつ1次巻線部23の外周面と第2セパレータ17の外周面が面一となるように、第1セパレータ16と第2セパレータ17の芯部39からの突出高さの差が設定されているため、第1実施形態と同様にして第2絶縁性テープ24の外周面が全体に亘って平坦となる。
【0039】
図9に本発明の第3実施形態に係るトリガコイル40を示す。本実施形態における巻線支持部43の芯部49では、第1セパレータ16と第2セパレータ17とで隣接するセパレータ同士の間隔が異なる。具体的には、第1セパレータ16同士の間隔W1よりも第2セパレータ17同士の間隔W2の方が狭い構成とされる。
【0040】
第1実施形態と同様に、各2次巻線部21における2次導線の巻数は全ての区画において同一とされる。第2セパレータ17同士により画成される区画においては、両者の間隔W2が狭いため、同じ巻数を維持するためには巻線部の厚みが増すこととなる。本実施形態では、第1セパレータ16同士により画成される区画に形成される2次巻線部21の断面積と、第2セパレータ17同士により画成される区画に形成される2次巻線部21の断面積とが略等しくなるように、第1セパレータ16および第2セパレータ17の間隔W1、W2が設定されている。
【0041】
この構成によれば、第2セパレータ17同士により画成される空間を有効に活用することができる。すなわち、第1実施形態では第2絶縁性テープ24と2次巻線部21の外周面との間に隙間が形成されるが、本実施形態では第2絶縁性テープ24の直下まで2次導線を巻き回して2次巻線部21を形成することができる。第2セパレータ17同士の間隔を狭めた分だけ、巻線支持部43の芯部49の延設方向に沿う寸法を短縮できるため、より小型化の要請に応え得るトリガコイルを提供することができる。
【0042】
以上、各実施形態に基づいて本発明のトリガコイル10,30,40について説明したが、上記の実施形態は本発明の理解を容易にするための例示であって、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において改変され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれ得ることは勿論である。
【0043】
例えば上述の実施形態では1次巻線部と2次巻線部との絶縁(第1絶縁性部材)、および1次巻線部の被覆(第2絶縁性部材)に絶縁性テープを用いている。しかしながら電気的な絶縁性が安価に確保できれば、第1絶縁性テープ22と第2絶縁性テープ24の少なくとも一方は、フィルム部材などで適宜置き換え可能である。
【0044】
第1セパレータ16と第2セパレータ17の数は上記の各実施形態で示した数に限定されるものではない。これらは各々少なくとも1つ設けられていれば側枠部と共に複数の区画を画成可能である。仕様に応じて、1枚の第1セパレータ16と複数の第2セパレータ17、複数の第1セパレータ16と1枚の第2セパレータ17といった組合せも可能である。
【0045】
第1セパレータ16と第2セパレータ17の周縁形状は、上記の各実施形態で示した略四角形状に限定されるものではない。第2セパレータ17に関しては、マウンタの吸着部材に面する側の外周面に平坦部を有する形状であれば、第2絶縁性部材に覆われた際に平坦な吸着面を形成可能である。仕様に応じて種々の多角形状や、周縁に曲線部を含む形状とすることが可能である。
【0046】
芯部の断面形状とセパレータの周縁形状の組合せも上記の各実施形態で示した四角形状同士に限定されるものではない。例えば断面円形の芯部と周縁が四角形状のセパレータや、任意の多角形状断面を有する芯部と任意の多角形状周縁を有するセパレータといった組合せが可能である。
【0047】
上記の各実施形態は本発明をトリガコイルに適用する場合について述べたが、1次巻線と2次巻線の巻数の差が大きく、1次巻線で2次巻線を覆う際に段差の発生が避けられない構成であれば、その他の用途に用いられるコイルにも適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
11 巻線支持部材
12 側枠部
13 巻線支持部
14 端子群
16 第1セパレータ
17 第2セパレータ
19 芯部
21 第2巻線部
22 第1絶縁性テープ(第1絶縁性部材)
23 第1巻線部
24 第2絶縁性テープ(第2絶縁性部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯部と、
前記芯部の外周面より第1の高さだけ突出する第1セパレータと、
前記芯部の外周面より前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出し、外周面の少なくとも一部に平坦部を有する第2セパレータと、
前記第1セパレータと前記第2セパレータによって前記芯部の外周面上に画成される複数の区画の各々に形成される2次巻線部と、
前記第1セパレータによって画成された区画に形成された前記2次巻線部を覆う第1絶縁性部材と、
その外周面が前記第2セパレータの外周面における前記平坦部と面一になるように前記第1絶縁性部材上に形成される1次巻線部と、
前記1次巻線部の外周面と前記第2セパレータの外周面を覆うように設けられた第2絶縁性部材とを具備して成ることを特徴とするトリガコイル。
【請求項2】
前記第1セパレータの外周面は、前記第2セパレータの前記平坦部と平行な平坦部を有することを特徴とする請求項1に記載のトリガコイル。
【請求項3】
前記複数の区画の各々に形成される前記2次巻線部の巻数は互いに等しく、
前記複数の区画の内、前記第1絶縁性部材に覆われないものは、前記第1絶縁性部材に覆われるものよりも前記芯部の軸方向に沿う向きの幅が狭いことを特徴とする請求項1または2に記載のトリガコイル。
【請求項4】
少なくとも前記第2絶縁性部材はテープ部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のトリガコイル。
【請求項1】
芯部と、
前記芯部の外周面より第1の高さだけ突出する第1セパレータと、
前記芯部の外周面より前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出し、外周面の少なくとも一部に平坦部を有する第2セパレータと、
前記第1セパレータと前記第2セパレータによって前記芯部の外周面上に画成される複数の区画の各々に形成される2次巻線部と、
前記第1セパレータによって画成された区画に形成された前記2次巻線部を覆う第1絶縁性部材と、
その外周面が前記第2セパレータの外周面における前記平坦部と面一になるように前記第1絶縁性部材上に形成される1次巻線部と、
前記1次巻線部の外周面と前記第2セパレータの外周面を覆うように設けられた第2絶縁性部材とを具備して成ることを特徴とするトリガコイル。
【請求項2】
前記第1セパレータの外周面は、前記第2セパレータの前記平坦部と平行な平坦部を有することを特徴とする請求項1に記載のトリガコイル。
【請求項3】
前記複数の区画の各々に形成される前記2次巻線部の巻数は互いに等しく、
前記複数の区画の内、前記第1絶縁性部材に覆われないものは、前記第1絶縁性部材に覆われるものよりも前記芯部の軸方向に沿う向きの幅が狭いことを特徴とする請求項1または2に記載のトリガコイル。
【請求項4】
少なくとも前記第2絶縁性部材はテープ部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のトリガコイル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−79949(P2012−79949A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224390(P2010−224390)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
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