説明

ドアを利用した収納装置

【課題】容易にドアに取り付け、取り外しが可能であり、ドアの様々なサイズに応じて収納スペースを設定して効率的にドアの壁面を利用でき、かつ、ドアが開閉動作するときにも揺れ動いたりしない収納装置を提供すること。
【解決手段】、複数のベルト部材と、該複数のベルト部材間に差し渡され、取り付けられる収納部材とを備え、前記ベルト部材の両端部には、各々ドアの上下縁部に取り付けられる取付手段を備えられていて、前記ベルトの両端部の取付手段が、前記ドアの上下縁部からドアを挟持するようになされ、更に、前記ベルトには長手方向に所定の間隔をおいて複数の係止孔が形成されており、前記収納部材は、任意の前記係止孔に係止されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアの壁面を利用して、空いたスペースを有効に活用し、生活用品や小物などを収納する収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、多くの家庭において、生活用品や小物などの収納は悩みの種であり、これに対しては、収納スペースを確保するために様々な工夫が凝らされてきた。その中で、部屋やトイレ、物置などの入口にあるドア、特に扇形に開閉動作する開き戸の開閉動作範囲においては、家具などを設置することもできないため、デッドスペースになってしまっていた。
【0003】
このような不都合に対しては、例えば特許文献1に開示されているような、ドアの裏面を利用して小物を収納できるようにした収納庫がある。この収納庫によれば、家庭にあるドア(扉)の裏面を有効に活用して小物を収納することができる。
【0004】
しかしながら、この収納庫はベニヤ板をドアの裏面に設けるものであり、ドアの幅よりも少し狭めのベニヤ板を利用している。この場合、ベニヤ板をドアの裏面に固定するには、ドアに釘を打ち付けたり、フックを取り付けたりする必要がある。したがって、簡単に当該収納庫を取り付けたり、取り外したり出来るものではなかった。しかも、この収納庫を取り外した後には、前記釘やフックを取り付けた痕跡が残るので、ドア裏面の見栄えが非常に悪くなってしまう、という問題点もあった。
【0005】
また、上記の収納庫は、ベニヤ板の幅をユーザが容易に変更できるものではなく、様々なサイズのドアに対応するものではなかった。さらに、家庭にあるドアの耐荷重は通常10kg程度であり、上記の収納庫を利用すると、ベニヤ板の自重がドアの耐荷重の大半を占めてしまうので、事実上収納庫に多くの物品を収納することができないという問題点もあった。
【0006】
また、特許文献2にあるように、ドア等の枠の上部に掛止するための2個の掛止部を設けると共に、この掛止部の下端に支持杆を取り付け、更に該支持杆の下方に物品を掛けるためのフックを構成した物品安定吊り下げ具が提案されている。
確かに、この吊り下げ具によれば、簡易にドア等の枠の上部に取り付け、取り外しすることが可能であり、フックに様々な物品を吊り下げることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−169244号公報
【特許文献2】登録実用新案第3115158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この従来の吊り下げ具においては、上記特許文献1に記載の収納庫と同様、様々なドアのサイズに対応するものではなく、ドアの壁面を効率的に利用するには至っていない。
【0009】
さらに、上記特許文献1及び特許文献2に記載の発明および考案には、以下のような問題点もある。すなわち、これら収納庫及び吊り下げ具のいずれにおいても、その下端部が固定されておらず、自由に揺動可能な状態となっている。このような状態だと、開き戸が扇形に開閉動作するときに、当該開き戸に取り付けられた収納庫や吊り下げ具も揺れ動いてしまう。したがって、当該収納庫や吊り下げ具に収納された物品が落ちてしまったり、或いは収納庫や吊り下げ具自体がドアから脱落してしまったりする恐れが多分にあった。
【0010】
また、上記特許文献1及び特許文献2に記載の収納庫および吊り下げ具においては、フックに物品を引っ掛けて吊り下げる程度しかできず、様々な種類の物品をユーザが好みの位置に、所望の方法で収納するということができなかった。
【0011】
本発明は、上記のような問題点を克服するためになされたものであって、容易にドアに取り付け、取り外しが可能であり、ドアの様々なサイズに応じて収納スペースを設定して効率的にドアの壁面を利用でき、かつ、ドアが開閉動作するときにも揺れ動いたりしない収納装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、ユーザが好みに応じて、物品を収納する位置や収納方法を自由に設定、変更できる収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明に係るドアを利用した収納装置は、複数のベルト部材と、該複数のベルト部材間に差し渡され、取り付けられる収納部材とを備え、前記ベルト部材の両端部には、各々ドアの上下縁部に取り付けられる取付手段を備えられていて、前記ベルトの両端部の取付手段が、前記ドアの上下縁部からドアを挟持するようになされ、更に、前記ベルトには長手方向に所定の間隔をおいて複数の係止孔が形成されており、前記収納部材は、任意の前記係止孔に係止されるようになされていることを特徴とする。
【0013】
ここで、上記収納部材は、ベルト部材間に差し渡して取り付け可能であり、衣服やバッグ、小物など、収納すべき物品を整理、収納できるものであれば、どのような形状のものでもよい。したがって、例えば棚状の部材であってもよいし、ボックス形状の部材、あるいは棒状の部材などでも良い。
【0014】
上記ベルト部材は、取付手段を利用してドアに取り付け、また収納部を取り付けて様々な物品を収納するためのものであるから、軽量であるのが望ましい。また、当該ベルト部材は、可撓性のある材料で作製すれば、在庫時や輸送時、あるいはこの収納装置を使用しないときなどにはコンパクトに収納することができる。それゆえ、例えば可撓性の樹脂材料や、布(天然繊維あるいは合成繊維を用いた織物や編物)により作製されるのが好ましい。
【0015】
上記取付手段は、ドアの上下縁部に容易に取り付けることができ、かつベルト部材の上下端部に設けられた当該取付手段が、ドアの上下縁部からドアを挟持するようにできる形状のものであれば、どのような形状としてもよい。
【0016】
本発明のドアを利用した収納装置によれば、容易にドアに取り付けることができ、かつベルト部材の両端部に設けられた取付手段が、前記ドアの上下縁部からドアを挟持するようになされている。したがって、ドアが開閉動作するときにも、収納装置が揺れ動くことがほとんどないので、収納装置自体がドアから脱落することがなく、また当該収納装置に収納した物品が落ちてしまう恐れが非常に少なくなる。
【0017】
また、本発明のドアを利用した収納装置によれば、ベルト部材に複数の係止孔が形成されており、かつ収納部材は任意の係止孔に対し取り付けられるので、簡単に収納部の配置変更ができ、また上述の通り様々な形状の収納部材を用いることで、物品の種類や大きさに応じた、或いはユーザの必要、好みに応じた自由な収納方法をユーザ自身が設定できる。
【0018】
また、本発明のドアを利用した収納装置においては、ベルト部材を所定の長さに調節して固定することができる長さ調節手段を備えるようにするのが好ましい。このようにすれば、様々なサイズのドアに対して、確実な取り付けが可能となる。
【0019】
また、本発明のドアを利用した収納装置においては、前記取付手段は、ドアの上下縁部を跨ぐように係止させてドアの上下縁部に取り付け可能なコの字形状の係止部と、ベルト部材を挿通すると共に、該ベルト部材を所定の長さに調節して固定することができる前記長さ調節手段とを備えているようにするのが望ましい。
【0020】
このようにすれば、ベルト部材の両端部に備えた取付手段の上記コの字形状の係止部をドアの上下縁部に引っ掛けるようにして係止させるだけで、容易にベルト部材をドアに取り付けることが可能となる。また、取付手段にベルト部材の長さ調節手段を設けることで、部材点数を減らすことが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上のとおり、本発明に係るドアを利用した収納装置によれば、ドアの壁面を利用して、依然としてデッドスペースになりがちだった扇形に開閉動作する開き戸の開閉動作範囲のスペースを有効に活用した収納が可能となる。すなわち、本発明に係るドアを利用した収納装置によれば、容易にドアに取り付け可能であり、ベルト部材の両端部に設けられた取付手段が、前記ドアの上下縁部からドアを挟持するようになされているので、ドアが開閉動作するときにも、収納装置が揺れ動くことがないので、収納装置自体がドアから脱落することがなく、また当該収納装置に収納した物品が落ちてしまう恐れが非常に少なくなる。
【0022】
また、本発明のドアを利用した収納装置によれば、ベルト部材に複数の係止孔が形成されており、かつ収納部材は任意の係止孔に取り付けられるので、簡単に収納部の配置変更ができ、また上述の通り様々な形状の収納部材を用いることで、物品の種類や大きさに応じた、或いはユーザの必要、好みに応じた自由な収納方法をユーザ自身が設定できる。
さらに、ベルトの長さを調節するための長さ調節手段を備えるようにすれば、様々なサイズのドアに対して確実な取り付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るドアを利用した収納装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の収納装置に、様々な物品を収納した状態を示す正面図である。
【図3】図1における収納部材(ウォールポケット)の使用状態を示す図である。
【図4】本発明に係る収納装置のベルト部材の一実施形態を示す図である。
【図5】本発明に係る収納装置の取付手段の一実施形態を示す図である。
【図6】図1の収納装置において、2本のベルト部材をドアに取り付けた状態を示す図である。
【図7】図1の収納装置において、取付手段にベルト部材を取り付ける様子を示す説明図である。
【図8】図1の収納装置において、取付手段をドアの上端に取り付ける様子を示す説明図である。
【図9】図1の収納装置において、ベルト部材及び取付手段をドアにしっかりと固定する様子を示す説明図である。
【図10】図1の収納装置において、ドアを閉めた状態を示す説明図である。
【図11】本発明に係る収納装置における収納部材(ウォールポケット)の一実施形態を示す図である。
【図12】本発明に係る収納装置における収納部材(ボックス部材)の一実施形態を示す図である。
【図13】フックをベルト部材に取り付ける様子を示す説明図である。
【図14】図11の収納部材をベルト部材に取り付けた様子を示す図である。
【図15】図12の収納部材をベルト部材に取り付けた様子を示す図である。
【図16】図12の収納部材(ボックス部材)をベルト部材に取り付けるための別の実施形態を示すものである。
【図17】本発明に係る収納装置における収納部材(横棒部材)の一実施形態を示す図である。
【図18】図16の収納部材の側面図である。
【図19】図16の収納部材をベルト部材に取り付ける様子を示す説明図である。
【図20】本発明に係るドアを利用した収納装置の他の実施形態を示す図である。
【図21】本発明に係るドアを利用した収納装置の更に別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るドアを利用した収納装置の一実施形態を示す図であり、収納装置1をドアDに取り付けて使用できるようにした状態を示している。
【0025】
この実施形態においては、ベルト部材2の両端部に取付手段3を設け、当該取付手段3によりベルト2をドアDに取り付けている。そして、ドアDに取り付けた2本のベルト部材2間に、収納部材4、5、および6を差し渡して取り付けて、収納装置1を構成している。
【0026】
収納部材4、5、及び6は、それぞれ横に2列、縦に3段の収納用ポケットを形成したウォールポケット4、物品を載置するための棚を形成した箱型のボックス部材5、及び各種フックやハンガーなどを掛けることのできる横棒部材6である。そして、図2及び図3に示すとおり、ウォールポケット4には、書類や手紙など比較的厚みのない物品を収納でき、ボックス部材5には、様々な小物を自由に載置、収納することができる。また、横棒部材6には、S字フック65やハンガーなどを引っ掛けて、ベルトやバッグ、衣服、その他小物などを吊るすことができる。
【0027】
また、このウォールポケット4、ボックス部材5、及び横棒部材6は、いずれもその左右端部において、ベルト部材2に形成された係止孔21に対し着脱自在に取り付けられている。それゆえ、それら収納部材の取り付け位置を簡単に変更でき、また収納部材の数を増やしたり減らしたりすることも容易にできる。
【0028】
以下は、この実施形態における収納装置1について、各部材をより詳細に説明すると共に、当該収納装置1をドアに取り付けて使用できる状態にするまでの手順を説明することとする。
【0029】
図4は、この実施形態におけるベルト部材2を示す図である。この実施形態においては、ベルト部材2はポリプロピレンで作製されたものであり、200mmの間隔を空けて複数箇所に係止孔21が形成されている。尚、このバンド部材2は、可撓性があり、軽量でかつ収納部材4、5及び6に物品を収納したときにその荷重に耐え得るものであれば、どのような材料でも適用可能である。また、前記係止孔21を形成する間隔は、適宜変更可能である。さらに、係止孔21の内周縁部にはハトメ金具22がカシメ留めされて装着され、当該内周縁部が保護されるようにしてある。
【0030】
このベルト部材2は、その両端に図5に示す取付手段3が取り付けられ、図6に示すように、この取付手段3がドアDの上下端からドアDを挟持するようにして、ドアDの壁面に取り付けられる。
【0031】
取付手段3は、スチールを樹脂で被覆した板状体から作製され、ドアDの上下縁部を跨ぐように係止させてドアDの上下縁部に取り付け可能としたコの字形状の係止部31と、ベルト部材2を挿通すると共にベルト部材2を所定の長さに調節して固定することができる長さ調節手段32とを一体に形成して構成されている。
【0032】
より具体的には、ドアの上端面に接してドアを挟持する挟持部311と、挟持部311の端部から該挟持部311と直交して延び、収納装置1がドアから脱落しないようにドアの背面側、即ちベルト部材2を取り付けない側に引っ掛けられる背面部312と、挟持部311の端部から該挟持部311と直交してドアの正面側、即ちベルト部材2を取り付ける側に延びる正面部313とからなる。
【0033】
そして、正面部313には、長さ調節手段32が形成されている。すなわち、取付手段3の正面部313の下部近傍に、ベルト部材2よりも若干幅広な略四角形状の孔を形成して、ベルト部材2を挿通する挿通孔321となしている。さらに、取付手段3に一体に形成され、ブリッジ状にドアの正面側(正面部313のドアに接しない面の側)に突出して当該挿通孔321の左右両端部を接続するブリッジ322が設けられている。
【0034】
これにより、図7の(ア)〜(ウ)に示すように、先ず正面部313の背面側から挿通孔321にベルト部材2の端部を挿通させた後、ブリッジ322を跨ぐようにして、再度ベルト部材2の端部を正面側から挿通孔321に挿通させて、ベルト部材2の両端部に取取付手段3が取り付けられる。
【0035】
上記のようにベルト部材2の両端部に取付手段3を取り付けたのち、図8のようにして、当該取付手段3の係止部31をドアDの上下縁部に引っ掛けて係止させる。図8においては、ドアDの上縁部しか示していないが、下縁部についても同様である。尚、このとき、容易に係止、取り付けができるよう、上下両端の取付手段3、3間の長さがドアDの高さ寸法より少し長くなるように、ベルト部材2の長さを調整しておく。
【0036】
以上のようにして、2本のベルト部材2をドアDに取り付けた後、図9に示すとおり、ベルト部材2の両端部のいずれか(もしくは両方)を強く引っ張って(図9中の矢印X)、ベルト部材2がピンと張るようにする。これによって、ベルト部材2は、その両端に取り付けた取付手段3の係止部31が上下からドアを挟持するようにして、ドアDにしっかりと固定される。
【0037】
また、ベルト部材2をピンと張ることによって、図7の(ウ)に示すように、ベルト部材2の先端部近くの一部201が、ベルト部材2の取付手段3、3間にピンと張られた部分202と、取付手段3の正面部313の背面部との間に押圧、挟持される。それゆえ、収納装置1に様々な物品を収納し、ベルト部材2に大きな荷重がかかった場合でも、ベルト部材2が緩んで取付手段3から抜け落ちてしまう恐れがない。
尚、上記のようにして取り付けたベルト部材2が長過ぎ、端部が大きく余るようであれば、図9に示すように、ハサミ等で切ってしまってもよい。
【0038】
尚、この取付手段3は、上記のほか、ステンレス、あるいはプラスチック材料などで作製してもよい。また、取付手段3における係止部31及び長さ調節手段32の形状、構成は上記のものに限られず、容易にドアD取り付け、取り外しが可能であり、またベルト部材2を長さ調節可能に取り付けることができるものであれば、どのような形状、構成とすることもできる。
【0039】
さらに、この実施形態においては、取付手段3にベルトの長さ調節手段32を一体的に形成するようにしたが、長さ調節手段32を取付手段3とは別体として設けるようにしてもよい。例えば、各種公知の金具等を利用してベルト長さ調節手段32とし、ベルト部材2の中間部でベルト長さを調節できるようにすることもできる。また、当該金具を例えばベルトのバックルのように装飾的なものとして、デザイン性を向上させてもよい。
【0040】
ところで、この実施形態における取付手段3は、約1.5mmの厚みを有し樹脂被覆を施したスチール板により作製されている。この取付手段3は、図10に示すとおり、ドアDとドア枠Wの隙間(図10中、矢印Yで示される間隔)に挟持部311が配置されるものであるから、前記隙間寸法よりも小さい厚み寸法とする必要がある。
【0041】
次に、2本のベルト部材2間に差し渡され、取り付けられる収納部材4、5、及び6について説明する。図11は、収納部材であるウォールポケット4、図12は、同じくボックス部材5の一実施形態を示すものである。これら収納部材は、いずれもその左右両端の上端部近傍に取付孔41、51が形成されており、図13に示すフック7をベルト部材2に取り付けると共に、当該フック7の引掛部71へ前記取付孔41、51を引っ掛けることにより、収納部材4、5は、ベルト部材2に取り付けられる(図14、図15)。
【0042】
フック7は、図13に示すように略S字形状を有しているが、ベルト部材2の係止孔21に係止される掛留部72は、コの字形状としてあり、また奥行き寸法が引掛部71の奥行き寸法より小さく形成されている。これは、ベルト部材2とドアDの壁面との隙間が大きくならないようにするためになされるものである。尚、図13(イ)は、フック7をベルト部材2の係止孔21に係止する様子を示したものであり、同じく(ウ)は、係止させた状態を示したものである。
【0043】
尚、上記収納部材をベルト部材2に取り付けるための取付部材として、フック7に替え、例えば図16に示すように、ネジLとナットMとを利用することも可能である。すなわち、収納部材(ボックス部材5)の取付孔51と、当該収納部材を取り付けたい高さの係止孔21とが同軸上になるように位置合わせし、この取付孔51及び係止孔21にネジを挿通させる。その上で、前記ネジLにナットMを螺合させ、収納部材をベルト部材2に固定する。また、この実施形態においては、ネジLの先端部がドアの壁面を傷つけないよう、キャップNを被せるようにしてある。無論、ウォールポケット等、他の収納部材についても同様の構成を用いることができる。また、この取付部材としては、上記のような形態に限定されるものではなく、収納部材をベルト部材2に着脱自在に取り付けることができるものであれば、どのような構成としてもよい。
【0044】
ウォールポケット4は、図11及び図14に示すように、四角形状の本体42に、横に2列、縦に3段の収納ポケット43を形成したものである。また、ボックス部材5は、図12及び図15に示すように、背面板52、棚板53、側壁54、および前面壁55を備えていて、これらの部材に囲まれた空間に物品を収納する収納部56を形成している。
【0045】
このボックス部材5は、不織布で形成されるとともに、背面板52及び棚板53には、硬質の芯材が内包されている。また、側面視で背面板52と棚板53とのなす角度は、若干鋭角になっている。すなわち、ボックス部材5をベルト部材2に取り付けた状態において、棚板53は、背面板52と接続する端部から前方へ向かって斜め上方に延びるように構成されている。このようにすれば、ボックス部材5に多くの物品を収納し、ボックス部材5が前方に若干傾倒したとしても、物品が落ちてしまう心配がないので好ましい。尚、図15(ア)は、ボックス部材5をベルト部材2に取り付けた状態を示したものであり、同じく(イ)は、その取付箇所を拡大して示した図である。
【0046】
図17は、横棒部材6の一実施形態を示すものであり、横棒部材6の中央にある棒材61は、金属製のパイプで構成され、その両端に樹脂製の端部材62が固定されている。この端部材62の先端部621は略円柱形状のおよそ半分が切り欠かれた半円柱形状となされ、前記切り欠かれた空間に、ベルト部材2の係止孔21に係止するためのカギ部63が形成されている。カギ部63は、前記先端部の側壁面622と直交して水平方向に延びる基部631と、基部631の先端から基部631と直角に上方へ延びる先端部632とからなる。また、図18に示すように、基部631の下端(先端部632が形成されるのとは反対の側)には、突起部633が形成されている。このような構成を備えることにより、非常に簡単な構造で、容易かつ確実に横棒部材6をベルト部材2に係止することが可能となる。
【0047】
すなわち、この横棒部材6は、図19(ア)及び(イ)に示すように、カギ部63がベルト部材2の任意の係止孔21に挿通され、カギ部63が係止孔の内周縁部(に設けられたハトメ金具22)に係合することによって、ベルト部材2に係止される。この点、カギ部63の先端部632が、ベルト部材2に形成された係止孔21の上側の内周縁部に係合する一方、突起部633が、係止孔21の下側の内周縁部に係合することによって、横棒部材6がベルト部材2から容易に脱落することを防止している。
【0048】
尚、収納部材としては、上記ウォールポケット4やボックス部材5、および横棒部材6に限られず、例えば網状の収納部材など、様々な形状、構造のものであってよい。また、収納部材のうち、少なくとも一つは、硬質の材料で作製されたものを含むようにすれば、隣接する複数のベルト部材2の間隔を一定に維持でき、またそれによって他の収納部材の形状も適正な状態に維持できるので好ましい。
【0049】
図20及び図21は、収納部材の取り付け位置を変更した、本発明に係るドアを利用した収納装置1の他の実施形態を示すものである。各収納部材は、いずれもベルト部材1の任意の係止孔21に対して着脱自在に取り付けられるので、図20及び21に示すように、ユーザの好みや必要に応じて、様々な配置を設定でき、また容易に当該配置を変更することができる。
【0050】
以上のとおり、本発明に係るドアを利用した収納装置によれば、ドアの壁面を有効に活用した収納が可能となる。すなわち、本発明に係るドアを利用した収納装置によれば、容易にドアに取り付け可能であり、ベルト部材の両端部に設けられた取付手段が、前記ドアの上下縁部からドアを挟持するようになされているので、ドアが開閉動作するときにも収納装置が揺れ動くことがない。それゆえ、収納装置自体がドアから脱落することがなく、また当該収納装置に収納した物品が落ちてしまう恐れが非常に少なくなる。
【0051】
また、ベルト部材に複数の係止孔が形成されており、かつ収納部材は任意の係止孔に取り付けられるので、簡単に収納部の配置変更ができ、また上述の通り様々な形状の収納部材を用いることで、物品の種類や大きさに応じた、或いはユーザの必要、好みに応じた自由な収納方法をユーザ自身が設定できる。さらに、ベルトの長さを調節するための長さ調節手段を備えるようにすれば、様々なサイズのドアに対して確実な取り付けが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
1 収納装置
2 ベルト部材
21 係止孔
3 取付手段
31 係止部
32 長さ調節手段
4 ウォールポケット
41 取付孔
5 ボックス部材
51 取付孔
6 横棒部材
7 フック
D ドア




【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のベルト部材と、該複数のベルト部材間に差し渡され、取り付けられる収納部材とを備え、
前記ベルト部材の両端部には、各々ドアの上下縁部に取り付けられる取付手段を備えられていて、
前記ベルトの両端部の取付手段が、前記ドアの上下縁部からドアを挟持するようになされ、
更に、前記ベルトには長手方向に所定の間隔をおいて複数の係止孔が形成されており、前記収納部材は、任意の前記係止孔に係止されるようになされていることを特徴とするドアを利用した収納装置。
【請求項2】
ベルト部材を所定の長さに調節して固定することができる長さ調節手段を備えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のドアを利用した収納装置。
【請求項3】
取付手段は、ドアの上下縁部を跨ぐように係止させてドアの上下縁部に取り付け可能なコの字形状の係止部と、ベルト部材を挿通すると共に該ベルト部材を所定の長さに調節して固定することができる前記長さ調節手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアを利用した収納装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−264073(P2010−264073A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118071(P2009−118071)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】