説明

ドアストッパ

【課題】扉を閉扉方向、開扉方向の何れの方向にも的確に停止させることができるドアストッパを提供する。
【解決手段】扉5の立面を形成する裏面パネル53に脚部8を取り付けるにあたり、脚部8は基端部8xを扉5の立面である裏面パネル53に対する略垂直な軸部材95の回りに扉5の面に平行な面内で回転自在であり、先端部8yを軸部材95の直下において床Fに押し付けるように接地させた状態で床Fからの押し付け反力によって扉5に開閉何れの方向に対しても保持力を作用させ得るように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉扉方向のみならず開扉方向にも停止機能が働くようにしたドアストッパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、部屋や建物の出入り口部分に開閉可能に取り付けられている開き戸形式の扉では、扉を閉めるためにドアクローザ等の閉扉付勢具を取り付けることにより、開放させた扉を自動的に閉じるように付勢し、扉が開けっ放しの状態となることを防ぐ構造が一般的である。
【0003】
このようなタイプの扉を開扉位置、閉扉位置以外の位置で停止させるストッパとして、例えば特許文献1に示されるように、扉の閉止方向側の面にドアストッパを装着するようにしたものが知られている。このものは、脚部の根元部分を基板を介して扉に回転自在に取り付け、先端部を扉から閉扉方向へ偏位した位置に接地させて、扉が閉まろうとする動作を起こした際に、先端部を床に突っ張らせて扉を所要位置に停止させ得るようにしているものである。
【0004】
このようなドアクローザが採用される扉は、通常、ほぼ90°開いた位置にドアクローザの停止位置が設定してあることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−278429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、例えば連続壁面に沿って通路等が存する表側空間と各種機械等が設置される裏側空間とを区画し、その連続壁面を構成している間仕切りパネルの一部に開閉扉を採用している場合には、かかる開閉扉に対してドアストッパを停止方向にのみ効かせるだけでは不十分な場合がある。例えば、扉の開閉範囲が略90°であるように蝶番その他が設定されている場合には、開扉した扉が通路の一部を遮る状態になるため、人や荷物、風等の種々の原因によって扉に対して閉扉方向のみならず開扉方向にも外力が働くおそれがあり、蝶番に無理な力が働いて破損の原因になることが考えられるし、扉が略180°の範囲で自由に開閉できるように構成されている場合にも、各々の角度位置で閉扉方向のみならず開扉方向に働く外力をも何らかの手段によって受け止める必要がある。
【0007】
このような場合に、上記特許文献1のようなドアストッパを採用すると、ストッパの停止機能は開閉方向の一方向にのみしか働かないため、扉の両面にドアストッパをつけざるを得ない。しかしながら、そのようにすると部品点数やコストが倍増するだけでなく、閉止時にも扉の外側空間の通路等にドアストッパが常駐して、通行の邪魔になり業務に支障を来たすことになる。同文献のものは扉が金属製である場合に脚部を支持する基板を磁石によって扉に取り付ける構成も示されているが、扉の素材を限定しない汎用的な使い方はできず、支持能力の限界も低く、必要に応じてドアストッパを持ち出したり保管したりする煩わしさも伴う。
【0008】
また、上記特許文献1では、脚部を真上で係止させるようにしているが、そのためにストッパの内部に停止機構のための余分な機構部品を組み込むことを余儀なくされている。
【0009】
さらに、他の特許文献として、例えば、特開2005−68948号公報に示されるように、扉の内部からストッパを垂直に昇降させて必要に応じて床等に接地させるように構成することも考えられるが、扉の内部にストッパ及びその作動機構を組み込まなければならず、しかも十分な押し付け力を発現しなければならないため、構造が複雑になり、そもそも薄い扉や内部構造に制約の多い扉、既存の扉には採用できないものである。
【0010】
本発明は、これらの課題をことごとく解決し得る新たな構造のドアストッパを、これを備えた間仕切装置とともに提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0012】
すなわち、本発明のドアストッパは、扉の立面に脚部を取り付けることによって構成されるものであって、前記脚部は基端部を扉の立面に対する略垂直な軸回りに回転自在であり、先端部を前記軸の直下において床に押し付けるように接地させた状態で床からの押し付け反力によって扉に開閉何れの方向に対しても保持力を作用させ得るようにしたことを特徴とする。
【0013】
このようにすると、脚部から扉に作用する保持力に方向性が無くなるので、1つのドアストッパで扉の閉扉、開扉何れの方向にも適切に停止機能を発揮させることができる。しかも、脚部は回転動作を通じて斜め状態で接地し、鉛直姿勢になるまで先端部を床に押し込むだけでよく、複雑な機構を用いずとも簡単に押し付け力を高めることができる。さらに、立面に脚部を回転可能に取り付けるだけであるから、外付けでも簡単に扉に取り付けることができる。
【0014】
不使用時に脚部を待機位置に簡易に保持するためには、脚部を扉に取り付けるための軸受部材の一部に、脚部が回転して先端部が基端部の真上を通過した位置に当該脚部を自重で停止させる係り合い部を設けておくことが好ましい。
【0015】
右開きの扉、左開きの扉の何れに対してもドアストッパを共用できるようにするためには、軸受部材に一対の対向する取付部を設け、一方の取付部を扉に取り付けた際には接地状態にある脚部を一方向に回転させて前記係り合い部に停止させることができるとともに、他方の取付部を扉に取り付けた際には接地状態にある脚部を他方向に回転させて前記係り合い部に停止させることができるようにしていることが望ましい。
【0016】
床からの反力を設置場所ごとに適正化するためには、脚部を扉に取り付けるための軸受部材の一部に、脚部の接地高さを調節するための高さ調節部を設けていることが好ましい。
【0017】
本発明のドアストッパは、以上のような構成であるから、特に間仕切壁の一部を構成する開き戸式の扉のように、半開きの状態で閉扉、開扉何れの方向にも扉を停止させておく必要のあるものに適用して特に有用なものとなり得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上説明した構成であるから、単一のドアストッパで扉を閉扉方向、開扉方向の何れの方向にも的確に停止させることができ、構造も簡素で扉に対して外付けが可能であり、右勝手、左勝手の何れの扉にも同じドアストッパで対応できるようにした、新規有用なドアストッパを、これを備えた間仕切装置とともに提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るドアストッパを適用した間仕切装置の正面図。
【図2】同平面図。
【図3】同間仕切装置に適用されているドアストッパの分解斜視図。
【図4】同ドアストッパを間仕切装置の左端側に配置される扉に取り付けた状態を示す裏面図。
【図5】図4におけるV−V線断面図。
【図6】同取付状態を示す斜視図。
【図7】同ドアストッパを間仕切装置の右端側に配置される扉に取り付けた状態を示す裏面図。
【図8】図7におけるVIII−VIII線断面図。
【図9】同取付状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、この実施形態のドアストッパDSを適用した間仕切装置1を示している。この間仕切装置1は、図1及び図2に示すように、人が行き交う通路などの表側空間71と、建物のインフラを担う各種設備などが収容される裏側空間72とを仕切るために設置されたもので、上、下に配設されたレール2、3に図示しない戸車を有した扉4をスライド移動可能に支持させてなる。
【0022】
すなわち、この間仕切装置1は、図1及び図2に示すように、天井Cに取り付けられた上のレールである天井レール2と、床Fに取り付けられた下のレールである床レール3との間に、前記扉(以下、「スライド点検扉4」と称する)を例えば3枚配設するとともに、これら3枚のスライド点検扉4の両端に開き戸式の点検扉(以下、「開き戸点検扉5」と称する)を吊元を反対側に設定して配してなるもので、図2に実線で示すように、全てのスライド点検扉4、及び開き戸点検扉5を面一に閉じた状態で、前記表側空間71と前記裏側空間72とを仕切るための連続壁面を構成するようになっている。前記天井レール2及び前記床レール3は、前記スライド点検扉4の3枚分の幅寸法と、前記開き戸点検扉5の2枚分の幅寸法を合計した長さ寸法を有しており、前記開き戸点検扉5を開くことによって、前記スライド点検扉4を前記両レール2、3に沿ってスライド移動させることができるようになっている。
【0023】
しかして、前記開き戸点検扉5は、建築壁Wに固定された壁レール6に蝶番511を介して接続された扉枠51と、この扉枠51の前記表側空間71側に添設した表面パネル52と、前記扉枠51の裏側空間72側に添設した裏面パネル53とを具備するもので、前記スライド点検扉4と面一となる閉止位置から前記表側空間71側に開くようになっている。
【0024】
本実施形態にかかる間仕切装置1は、図2に実線で示すように、両前記開き戸点検扉5を3枚の前記スライド点検扉4と面一となる閉止位置に保持した状態では、前記表側空間71と裏側空間72とが完全に遮音効果等のもとに仕切られることとなる。
【0025】
そして、各種設備の点検等を行う際には、前記開き戸点検扉5の少なくとも一方を開成させる。すなわち、一方の前記開き戸点検扉5のみを開成した場合には、前記スライド点検扉4は一枚の前記開き戸点検扉5の扉幅分の移動が可能となり、所望の位置に扉幅一枚分の開口を形成することができる。また、両方の前記開き戸点検扉5、5を開成した場合には、前記スライド点検扉4は二枚の前記開き戸点検扉5の扉幅分の移動が可能となり、所望の位置に扉幅二枚分の開口を形成することができる。
【0026】
このような間仕切装置1において、本実施形態は、左右の開き戸点検扉5(L)、5(R)に対し、閉扉、開扉何れの方向にも停止機能を発揮するドアストッパDSを、その裏面パネル53側に取り付けている。図1及び図2において符号(P)はドアストッパの待機位置(非接地状態)を、符号(Q)はドアストッパの使用位置(接地状態)を示している。以下、開き戸点検扉5を単に「扉5」と略称する。
【0027】
図3はドアストッパDSの分解斜視図であり、図4は正面視左端側に配置された扉5(L)にドアストッパDSを適用した状態を扉5を想像線にして示す裏面図であり、図5は図4におけるV−V線断面図、図6はその斜視図である。また、図7は正面視右端側に配置された扉5(R)にドアストッパDSを適用した状態を扉5を想像線にして示す裏面図であり、図8は図7におけるVIII−VIII線断面図、図9はその斜視図である。
【0028】
図3〜図6に示す左側の扉5(L)に付帯するドアストッパDSは、脚部8を軸受部材9を介して扉5(L)に取り付けられている。具体的に説明すると、脚部8は、金属製の板材を概略チャネル状をなすように折り曲げて対向壁81、82を形成するとともに、その対向壁81、82の長手方向一端側を接続する位置に底壁83を形成したもので、底壁に弾性を有するゴム製の接地部材84をボルト84aを用いて取り付けており、この接地部材84が脚部8の先端部8yをなしている。この実施形態の接地部材84は頭部を底面に平行な面で切除した逆円錐状をなしている。対向壁81、82の上端側には軸孔81a、82aが形成してあり、上端部81b、82bは前記軸孔81a、82aを中心とする円弧面をなしている。
【0029】
一方、軸受部材9は、金属製の板材を折り曲げることによって、本発明の取付部となる一対の取付壁91、92と、これらの取付壁91、92の下方領域間を接続する接続壁90とを形成しているもので、取付壁91、92間の内法寸法d1は前記脚部8を構成する対向壁81、82間の外法寸法よりも若干大きく設定してある。一方の取付壁91の中央には軸部材95の頭部95aを挿入可能な第1の軸孔91aが、また他方の取付壁92の対応位置には前記軸部材95の軸部95bを挿入可能な第2の軸孔92aがそれぞれ形成してある。軸部材95の頭部95aは皿状をなし、第1の軸孔91aはこれを受容するテーパ孔をなしている。また、この軸受部材9は、図4〜図6に示すように、他方の取付壁92を左端側の扉5(L)の立面を形成する裏面パネル53に突き当てた状態で一方の取付壁91を通過させたボルトv11、v12で当該他方の取付壁92を扉5(L)に締結するための第1のボルト孔群93(93a、93b、93c、93d)と、図7〜図9に示すように、一方の取付壁91を右端側の扉5(R)の立面を形成する裏面パネル53に突き当てた状態で他方の取付壁92を通過させたボルトv21、v22で当該一方の取付壁91を扉5に締結するための第2のボルト孔群94(94a、94b、94c、94d)とを備えている。
【0030】
第1のボルト孔群93は、図3並びに図4〜図6に示すように、一方の取付壁91に上下一対に設けられて上下に延びる長孔状のボルト通過孔93aおよびその間に設けられた丸孔状のボルト通過孔93bと、他方の取付壁92に上下一対に設けられて上下に延び前記ボルト通過孔93aよりも幅狭なボルト係止孔93cおよびその間に設けられて前記ボルト通過孔93bよりも小径のボルト係止孔93dとを具備している。
【0031】
また、第2のボルト孔群94は、図3並びに図7〜図9に示すように、他方の取付壁92に上下一対に設けられて上下に延びる長孔状のボルト通過孔94aおよびその間に設けられた丸孔状のボルト通過孔94bと、一方の取付壁91に上下一対に設けられて上下に延び前記ボルト通過孔94aよりも幅狭なボルト係止孔94cおよびその間に設けられて前記ボルト通過孔94bよりも小径のボルト係止孔94dとを具備している。
【0032】
第1のボルト孔群93と第2のボルト孔群94は軸受部材9上の同じ高さ位置にあって一方を鉛直軸回りに180°回転させると他方に合致する関係にある。
【0033】
図3に示す脚部8と軸受部材9との組み付けに際しては、軸受部材9の取付壁91、92間に脚部8の上端部を差し込み、第1の軸孔91aに挿通した軸部材95を第2の軸孔92aに挿通して挿通端をかしめることによって、脚部8の基端部8xを軸受部材9に回転可能に取り付ける。この取付状態において脚部8の作動範囲を例えば図4に基づいて説明すると、軸部材95の軸心mの直下に先端部8yが鉛直に垂下する同図に実線で示す使用位置8(Q)と、この位置から時計回りにて回転し軸心mの真上の思案点を通過し更に回転して略270°の位置で前記接続壁90の上縁90aに突き当たって略水平な姿勢で停止される同図に想像線で示す待機位置8(P)との間で回転自在となる。接続壁90の上縁90aは本発明の係り合い部として機能している。
【0034】
そして、図2における左端側の扉5(L)にドアストッパDSを取り付けた図4〜図6に示されるように、他方の取付壁92を扉5(L)の裏面パネル53に突き当て、第1のボルト孔群93(93a、93c)にボルトv11を挿通して軸受部材9を扉5(L)の戸先側(正面視左側)の縁部近傍に締結することによって、使用位置にある脚部8(Q)が裏面視時計回りに回転して前記係り合い部90aに係り合う待機位置8(P)に停止、保持されるされるように組み付け、また、図2における右端側の扉5(R)にドアストッパDSを取り付けた図7〜図9に示されるように、一方の取付壁91を扉5(R)の裏面パネル53に突き当て、第2のボルト孔群94(94a、94c)にボルトv21を挿通して軸受部材9を扉5(R)の戸先側(正面視右側)の縁部近傍に締結することによって、使用位置にある脚部8(Q)が裏面視反時計回りに回転して前記係り合い部90aに係り合う待機位置に停止、保持されるように組み付けている。
【0035】
上述した軸受部材9の扉5(L),5(R)への取り付けに際しては、ボルトv11、v21を扉5に止着し、脚部8の接地高さが適切となるようにボルトv11、21とボルト係止孔93c、94cとの相対位置変化を通じて軸受部材9の高さを調節した後、ボルトv11、v21を緊締することによって、取り付けを完了する。ボルトv11とボルト係止孔93c、ボルトv21とボルト係止孔94cは、本発明の高さ調節部Hを構成している。必要に応じて、ボルト通過孔93b、94bおよびボルト係止孔93d、94dにボルトv12、v22を挿し込んで扉5にタップを切って締結すれば、高さ方向の位置が確定される。
【0036】
以上のように、本実施形態のドアストッパDSは、扉5の立面を形成する裏面パネル53に脚部8を取り付けることによって構成されるものであり、前記脚部8は基端部8xを扉5の立面である裏面パネル53に対する略垂直な軸部材95の回りに扉5の面に平行な面内で回転自在であり、先端部8yを前記軸部材95の直下において床Fに押し付けるように接地させた状態で床Fからの押し付け反力(垂直抗力)によって扉5に開閉何れの方向に対しても保持力を作用させ得るようにしている。
【0037】
このようにすることで、脚部8から扉5に作用する保持力に方向性が無くなるので、1つのドアストッパDSで扉5の閉扉、開扉何れの方向にも適切に停止機能を発揮させることができる。しかも、脚部8は回転動作を通じて斜め状態で接地し、鉛直姿勢になるまで先端部8yを床に押し込むだけでよく、複雑な機構を用いずとも簡単に押し付け力を高めることができる。さらに、立面である裏面パネル53に脚部5を回転可能に取り付けるだけであるから、外付けでも簡単に扉5に対する取り付けを行うことができ、薄い扉や内部構造に制約の多い扉、既存の扉にも容易に適用することが可能になる。
【0038】
また、脚部8を扉5に取り付けるための軸受部材9を具備し、この軸受部材9の一部に、脚部8が回転して先端部8yが基端部8xの真上に位置することとなる思案点を通過した位置に当該脚部8を自重で停止させる係り合い部90aを設けているので、複雑な停止機構を軸受部材9の内部に組み込むことなく、簡易な構造で脚部8を待機位置に保持することができる。
【0039】
さらに、軸受部材9に一対の対向する取付部たる取付壁91、92を設け、一方の取付壁91を扉5(R)に取り付けた際には接地状態にある脚部8を一方向(裏面視反時計回り)に回転させて前記係り合い部90aに停止させることができるとともに、他方の取付壁92を扉5(L)に取り付けた際には接地状態にある脚部8を他方向(裏面視時計回り)に回転させて前記係り合い部90aに停止させることができるようにしている。
【0040】
すなわち、本実施形態のように扉5(L),5(R)の戸先側の縁部近傍にドアストッパDSを組み付ける場合に、扉5(L)、5(R)の吊元が左にあるか右にあるかに応じて裏面パネル53に取り付けるべき取付壁91、92を選択すれば、何れの場合にも脚部9を戸先側の縁部と平行な起立位置を越えて吊元側へ倒れた状態で停止させることができるので、右勝手か左勝手かによらずに1つのドアストッパDSを共用することが可能となり、ドアストッパDSを2種類用意する無駄を無くすことができる。
【0041】
さらにまた、脚部8を扉5に取り付けるための軸受部材9の一部に、脚部8の接地高さを調節するための高さ調節部Hを設けているので、適用する扉5やその周辺の床Fの状況等に応じて、床Fからの垂直反力が適切となる接地高さに有効に調節することができるようになる。
【0042】
そして、このようなドアストッパDSを間仕切壁1の一部を構成する開き戸式の扉5に付帯させているので、半開きの状態で扉5に閉扉、開扉何れの方向にも保持力を作用させて扉5を的確に停止させることができ、点検のための出入や通行、作業の妨げになることを適切に防止した間仕切装置1として利用に供することが可能となる。
【0043】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1…間仕切壁
5…扉
8…脚部
8x…基端部
8y…先端部
9…軸受部材
90a…係り合い部
91、92…取付部(取付壁)
95…軸部材
DS…ドアストッパ
F…床
H…高さ調節部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉の立面に脚部を取り付けることによって構成されるものであって、前記脚部は基端部を扉の立面に対する略垂直な軸回りに回転自在であり、先端部を前記軸の直下において床に押し付けるように接地させた状態で床からの押し付け反力によって扉に開閉何れの方向に対しても保持力を作用させ得るようにしたことを特徴とするドアストッパ。
【請求項2】
脚部を扉に取り付けるための軸受部材を具備し、この軸受部材の一部に、脚部が回転して先端部が基端部の真上を通過した位置に当該脚部を自重で停止させる係り合い部を設けている請求項1記載のドアストッパ。
【請求項3】
軸受部材に一対の対向する取付部を設け、一方の取付部を扉に取り付けた際には接地状態にある脚部を一方向に回転させて前記係り合い部に停止させることができるとともに、他方の取付部を扉に取り付けた際には接地状態にある脚部を他方向に回転させて前記係り合い部に停止させることができるようにしている請求項2記載のドアストッパ。
【請求項4】
脚部を扉に取り付けるための軸受部材を具備し、この軸受部材の一部に、脚部の接地高さを調節するための高さ調節部を設けている請求項1〜3何れかに記載のドアストッパ。
【請求項5】
請求項1〜4何れかに記載のドアストッパを間仕切壁の一部を構成する開き戸式の扉に付帯させてなることを特徴とする間仕切装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−41797(P2012−41797A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186176(P2010−186176)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)