説明

ドッファ及びワーカにとくに適したカードワイヤ

【課題】繊維がスイフトからドッファへ輸送される際の輸送効率を高めることができる手段を提供する。
【解決手段】カードクロージングは、それぞれの突き出した端部(111)を備えた長手方向に配列された複数の歯(110)を有する形状ワイヤの帯状体を含んでいる。突き出した端部の下側の各歯のエッジ面(112)は、上記端部からエッジ面に沿う方向に離間された少なくとも1つのアンダーカットされたエッジ部(114)を含んでいる。このアンダーカットされたエッジ部は、カーディング時にエッジ面によって繊維の保持率を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的にはカードクロージング(針布)に関するものであり、とくに繊維のカーディング時におけるドッファ及びワーカへの繊維の輸送効率の向上策に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーディングにおける決定的に重要な事柄は、主シリンダ又はスイフト(かせ枠車)からドッファへの繊維の輸送効率である。低い輸送効率は、順次、繊維の破損の増加とウエブ内におけるネップ発生率の増加により生産性を低下させる、スイフトまわりにおける繊維の過剰な循環を生じさせる。ウーステッド(梳毛糸)処理においては、この繊維の破損の増加は、梳かれたウール製品における平均繊維長の減少ないしはオーター(hauteur)を生じさせる。ドッファワイヤは、動作角が最適化されかつ歯のポイントが鋭くなることを確実化することにより、輸送効率を最大化させられるよう特別に設計され製作される。ワイヤの寿命は、製作時に適切な冶金及び熱処理を行うことにより最大化される。
【0003】
カードのワーカはドッファと同様に機能するので、ここで説明される技術は、ドッファワイヤに関するものではあるが、ワーカワイヤにも同様に応用できるものである。
【0004】
金属製クロージングについての開示は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3中に見出されるであろう。特許文献1は、カーディング動作を改善するために、ネップを開かせるためのかぎ状の端部をもつように歯が形成されたカードワイヤを開示している。このかぎ状の端部は、歯の直線状の内側エッジに対して凸状となった下側部と平坦な頂部とを有している。ただし、対応する商品は、ワイヤの基部に対して傾斜している平坦又はほぼ平坦な下側部を有している。平坦な頂部は、繊維を偏らせる表面として機能し、歯の間の繊維を受け入れるのに役立つ全体の開口部を減少させるものと考えられる。特許文献2は、梳き用前側エッジに第2の端部を備えた梳き歯ないしはカーディング歯を開示している。
【0005】
カーディングを応用するためのもう1つの既知のワイヤは、歯の両側に切られた長手方向の溝部を有している。このワイヤは、「のこぎり歯」ワイヤと呼ばれ、その目的は、繊維がピンから抜け出るのを防止する歯の側部にノッチを設けることによりすべりやすい繊維のドッフィング(離脱)を改善することである。本願出願人による実験によれば、たとえ溝部が比較的深い矩形の断面のものであっても、この目的のためには実際上制限された値となることが判明している。
【0006】
図1は、左側に示されたスイフト4からドッファ6へ長い繊維8を輸送する際における連続的な段階を示している。繊維8の連続的な位置は、aないしgで示されている。矢印4a、6aは、回転方向を示している。繊維は、一旦ドッファの歯7のまわりでループ状になると、この後、スイフトの非常に高い表面速度と歯の前方角とにより直線状とされ(位置a)、スイフト4の歯5によって引っ張り状態となる。ドッファ上の繊維が引っ張り状態にあれば、その位置は、繊維がドッファの表面に対して垂直となり、ドッファの歯が繊維を保持することができるようになる。実現される実際の角度は、繊維と各金属ワイヤとの間の摩擦係数の大きさに依存する。
【0007】
ドッファワイヤの効率の前記解析は、繊維のピックアップ効率(取り出し効率)を高め、ピンからの繊維の損失効果を無視小とし、これは最終的に輸送効率のレベルを決定するであろう。平衡動作状態で動作しているドッファについては、ドッファに対する輸送効率が小さければ小さいほど、スイフト上で循環する繊維の層が厚くなり、ドッファによって保持される繊維上のスイフトの歯のグリップは小さくなる。順次、これは繊維内での張力を低減し、繊維がドッファによって保持される機会を増加させる。実際は、ドッファは、循環される繊維に依存してスイフトのピンのグリップを低減し、その結果スイフトからの輸送が起こるであろう。かくして、ドッファ効率は、ドッファワイヤの設計仕様及び処理されている繊維の特性についての動的な関数となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4964195号明細書
【特許文献2】米国特許第5581848号明細書
【特許文献3】米国特許第5755012号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の1つの目的は、少なくとも1つの応用場面では、繊維がスイフトからドッファへ輸送される際の輸送効率を高めることである。本発明はまた、ワーカがドッファと全く同様に動作することから、ワーカワイヤの設計にも応用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、本質的には、カード輸送ステージにおける締め具(take-up)部品上のカーディングワイヤの突き出している歯の前面又は内面に1つ又はこれより多いアンダーカット部(undercut)を形成することにより、高められた繊維の輸送効率が実現されることができるといった概念を伴っている。アンダーカット部又は各アンダーカット部は、好ましくは、ワイヤの長手方向(縦方向)と実質的に平行な部分、すなわちその上にワイヤがラップ(wrap)されている円柱構造の周面を含んでいる。
【0011】
かくして、本発明は、それぞれ突き出し端部を備え長手方向に配置された複数の歯を有する形状ワイヤ(profile wire)の帯状体(strip)を含んでいるカードクロージング(針布)であって、突き出し端部の下側の各歯のエッジ面が、上記端部から該エッジ面に沿う方向に離間された少なくとも1つのアンダーカットされたエッジ部を含み、アンダーカットされたエッジ部がカーディング時に上記エッジ面による繊維の保持率を増加させるようになっているカードクロージングを提供する。
【0012】
上記エッジ面に沿う方向に上記端部から離間されている上記エッジ部は複数存在するのが好ましい。
【0013】
アンダーカットされたエッジ部又は各エッジ部は、少なくとも一部において、形状ワイヤの長手方向と実質的に平行な部分を含んでいるのが好ましい。この部分は、アンダーカットされたエッジ部の全部又は大部分を構成するのがより好ましい。
【0014】
上記エッジ面に複数のアンダーカットされたエッジ部が存在し、かつこれらのエッジ部の間隔が歯の端部から離反する方向に増加するようになっているのが好ましい。
【0015】
ある実施態様においては、各エッジ部の外側端部が、エッジ部が存在しないとした場合における上記エッジ面の位置に存在する。
【0016】
1つの装置においては、アンダーカットされたエッジ部間にある上記エッジ面の後退部は、エッジ部が存在しないとした場合における上記エッジ面のに対しておおむね平行である。
【0017】
もう1つの実施態様においては、アンダーカットされたエッジ部又は各エッジ部は、上記エッジ面のノッチ又はスカラップ凹部によって形成される。
【0018】
本発明はまた、本発明にかかるカードクロージングを備えた、例えばドッファ又はワーカ等のカードロール、さらには1つ又はこれより多いロールを含んでいるカードを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】スイフトからドッファへの繊維の輸送における連続的なステージを示す図であり、上記の「背景技術」の欄で参照される。
【図2】ドッファワイヤとして用いるのに適した、本発明の第1の実施の形態にかかる形状ワイヤの3つの隣り合う歯の拡大された図である。
【図3】図2に示された歯の1つの側面立面断面図である。
【図4】図3に示すものと代替的な実施の形態を示す図3と同様の図である。
【図5】図3に示すものと代替的な実施の形態を示す図3と同様の図である。
【図6】図3に示すものと代替的な実施の形態を示す図3と同様の図である。
【図7】図2に示す形態のドッファワイヤの性能を示すグラフである。
【図8】図3に示す形態のドッファワイヤの性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(発明を実施するための最良の形態)
以下、本発明は、添付の図面を参照しつつ、単なる例示としてであるが、さらに詳しく説明されるであろう。
従来のドッファワイヤの歯は、全体的に突き出し形状を呈するように内側又は入り込み(re-entry)側に傾斜するエッジ面を有している。本発明の概念は、歯の内側又は入り込み側のエッジ面、すなわち突き出し部の下のエッジ面を可能な限りワイヤの基部(base)と平行にすることにより、ドッファワイヤの効率が大幅に高められることができるといった事実に由来する。この場合、一見したところでは、歯は、スイフトからドッファへの輸送の全過程で繊維上でのグリップ(grip)を改善するであろう、大幅に長くされ大幅に鈍角とされた要素として形成される。
【0021】
しかしながら、この長い形状は最も実用的であるとはいえない。なぜなら、第1に、歯は細長すぎて十分な強度を備えないからであり、第2に、収集された糸を収容するのに必要な空間部を大幅に減少させるからである。本発明は、このような難点を伴っているが、1つ又はこれより多い、そして好ましくは複数の、好ましくは基部とワイヤの長手方向とに平行なアンダーカットされたエッジ部が、各歯の内側又は入り込み側のエッジ面に形成されるといった本質的な概念を維持する。この研究にかかる単純な実施の形態は、図2及び図3に示されている。図2は、ドッファワイヤとして使用するのに適した形状ワイヤの3つの歯を示し、ここでは各歯110の内側エッジ面は、パンチ加工されて、3つのステップ部114からなる小寸法の階段形状部と、後退部(backset portion)ないしは蹴上げ部118(riser)とを備えている。ステップ部114は、アンダーカットされたエッジ部を形成し、そしておおむね平坦であり、かつワイヤの基部113とワイヤの長手方向とに平行である。この階段形状部は、ドッフィングの決定的(臨界的)な段階、例えば図1中の位置cで、繊維が歯から滑り落ちる傾向に歯止めをかける。ステップ部114は、アンダーカット部が繊維を捕まえるかもしれないかぎ状体を形成しないようなステップ角度を備えたドッファそれ自体のストリッピング(stripping)を妨害しないであろうということが注目されるべきである。
【0022】
図3中の矢印120は、ストリッピング移動の方向を示している(これに対して、矢印122は、スイフトによる繊維の全体的な引っ張り方向を示す)。しかしながら、ステップの角度の増加はワイヤの保持角度を増加させ、いくつかの特別な使用に対しては、この利点は、ストリッピングのより大きな難点を補って余りあるであろう。
【0023】
端部111は、111aで示されているように、頂部で頭を軽く切り取られている。各蹴上げ部118は、基部113と隣り合う112aの部分では変化していない本来の傾斜エッジ面112に対して傾斜している。この場合、各ステップ部115の外側端部は、本来のエッジ面112の位置に残っている。蹴上げ部118は、基部113に対して直角であってもよいが、エッジ面112に対してこれより小さい角度であるのが好ましい。
【0024】
図2及び図3に示された形状について考えられる1つの難点は、ステップ部間の鉛直部、すなわち蹴上げ部118が、スイフトからの繊維のピックアップに対する抵抗を増加させることである。これは、繊維を、より急峻に傾斜した蹴上げ部118の下に押し下げるのに必要な力が、普通の歯の場合より大きいからである。この難点を回避し、かつ繊維の障害のない収集を確実化するための、図4に示す修正された実施の形態210は、本来のエッジ面212と平行な蹴上げ部ないしは後退部218を有している。この装置においては、連続するアンダーカットされたエッジ部ないしはステップ部214が、端部211から離反する方向に、その間隔が増加しているのが好ましい。このようにしないと、歯の厚さは、端部に向かって大幅に近づき、その耐用期間(寿命)を短縮する可能性がある。内側のエッジ面の正確な形状は、注意深く設計することにより最適化されることができ、かつ本発明の概念の範囲内において多数の異なる形状がありうることはもちろん理解されるであろう。
【0025】
もう1つの変形例では、ステップ部は、連続的に深く、すなわちワイヤの長手方向に広くなっていてもよい。
【0026】
図4に示す形状は、ドッファによる繊維の収集と保持の両方を最大化するといった利点を有する。のこぎり状のワイヤ、摩滅による内面の粗面化又は粗粒子の堆積などの代替的な技術は、同様の利点の組み合わせを生じさせない。欠点は、繊維がピンに対して滑り落ちあるいは上がるのが困難であるので、繊維が、ドッファへの繊維のさらなる輸送を差し迫らせる(impend)ピンの端部に集まる傾向があることである。この欠点は、図3及び図4に示す形状により明らかに回避される。
【0027】
図2〜図4に示された各実施の形態は、3つのステップ部114、214を有している。図5は、前側エッジ312が、パンチ加工され、鉛直な(すなわち、基部313の表面に垂直な)蹴上げ部318によって分離された複数(多数)の短い間隔で離間されたステップ部314を形成している、代替的な形態のもの310を示している。この形態は、繊維を捕らえるための複数(多数)のアンダーカット部を備えているが、およそ3つのステップ部でも十分であろう。ドッファ輸送ニップ(nip)での繊維密度は歯毎に1つくらいである。これは、ただ1つ又は2つのステップ部が必要であり、繊維密度は局所的には大きく変化することができることを示している。ある歯がただ1つ又は2つのステップ部314を有している場合、繊維は不十分な空間部のゆえに、保持されないであろう。
【0028】
図6に、形状ワイヤの歯410のさらなる実施の形態が示されている。ここでは、アンダーカットされたエッジ部414は、内側エッジ面412に沿った、一連の打ち抜き加工されたノッチ(notch)ないしはスカラップ凹部430(scallop recess)で形成されている。図6に示されたノッチ430の一般的に半円状の形状は、便宜的に簡素化されたものであり、その他の多数の形状が可能であることが理解されるのはもちろんであろう。実質的に基部及びワイヤの長手方向に対して平行なあるいは水平であるアンダーカット部が一部に存在するのが好ましい。蹴上げ部418の角度はまた、繊維の効果的な収集を与えるために、最適化されることが必要である。
【0029】
最初の実験によれば、本発明にかかるワイヤ形状の利点は、低いスイフト−ドッファ間の牽引(draft)、すなわち比較的高いドッファ速度で最も顕著であることが証明された。これは、高い回転速度では、繊維が、従来のドッファワイヤの歯から滑り落ちてスイフトに戻る一方、本発明にかかるアンダーカット部が繊維の保持を促進して、ローラ外へのストリップバックを低減する、すなわち輸送効率を高めるからである。図2及び図3にかかる形状を有するワイヤを用いた小規模な実験においては、輸送効率は、測定されたスイフト上の繊維の速い減衰速度により示されるように、従来の制御ワイヤのそれよりもおよそ20%高いものと推定された。この効果は、図7中のグラフに示されている。
【0030】
図8においても、対応するオーターの増加が観測され、スイフト上の低い保持と低減された繊維の破損とを示している。
【0031】
本発明にかかるワイヤの高められた効率は、オーターの増加又は高められた生産速度を実現するために、2つの方法で用いられることができる。換言すれば、トップメーカー(topmaker)は、より長い毛糸又はより高い生産速度を実現することができる。
【0032】
本発明から誘導される利点が得られるもう1つの方法は、ドッファの直径が従来の値よりも低減されることである。例えば、単一のドッファを備えたウーステッドカードでは、ドッファの直径は典型的には1000mmである。本発明にかかるドッファワイヤを採用することにより、該直径は300mm程度低減されるであろうと考察される。ダブルドッファカードに対しても、直径は同様に低減されるであろう。
【0033】
上記の論述は、主としてドッファに関連してなされているが、形状ワイヤの図示された実施の形態又はその他の適切な実施の形態はまた、ワーカ用の金属製クロージングにも用いられることができる。しかし、この場合は、採用されることが可能なその他のいくつかのオプションが存在するであろう。第1に、カードにはより多くのワーカが存在するので、カードを介しての繊維上でのグリップの広がりを類別するオプションがありうる。これは、例えば、始まりと終わりとを、新規なワイヤでラップされたワーカとすることにより、単純に実行されることができる。従来のワイヤと新規なワイヤとの種々の混用もまた可能である。
【0034】
ワイヤの使用は、ウーステッドシステムに限定されるわけではない。不織布のカーディングにおいて、とくにネップ(節)が重要な問題であるかあるいは繊維の摩擦係数が非常に低い状況下で、例えばPTFE(テフロン(登録商標))繊維のカーディングにおいてもまた使用されることができることが見出されている。本発明はまた、綿のカーディングにも応用されることができ、ここでは本発明は、ドッファローラの底部から繊維のかたまりの早すぎる排出を防止するために、自動的なドッファワイヤの先鋭化の実施をやめることができる。
【0035】
本発明にかかる形状ワイヤは、実質的に従来の手段、例えば走行している最初は均一な形状のワイヤに打ち抜き加工を施すことにより製造されることができるであろう。
【0036】
以下、本発明の好ましい態様を示す。
(態様1)
それぞれ突き出し端部を備え長手方向に配置された複数の歯を有する形状ワイヤの帯状体を含んでいるカードクロージングであって、
突き出し端部の下側の各歯のエッジ面が、上記端部から該エッジ面に沿う方向に離間された少なくとも1つのアンダーカットされたエッジ部を含み、アンダーカットされたエッジ部がカーディング時に上記エッジ面による繊維の保持率を増加させるようになっているカードクロージング。
(態様2)
上記端部から離間するとともに、上記エッジ面に沿う方向に各別に離間する複数の上記エッジ部が存在する、態様1に係るカードクロージング。
(態様3)
上記エッジ部が複数存在し、かつそれらの間隔が上記歯の端部から離反する方向に増加する、態様2に係るカードクロージング。
(態様4)
各エッジ部の外側端部が、該エッジ部が存在しないものとした場合における上記エッジ面の位置に存在する、態様1、2又は3に係るカードクロージング。
(態様5)
アンダーカットされたエッジ部間にある上記エッジ面の後退部が、該エッジ部が存在しないものとした場合における上記エッジ面とおおむね平行である、態様1、2又は3に係るカードクロージング。
(態様6)
アンダーカットされたエッジ部又は各エッジ部が、少なくとも、形状ワイヤの長手方向の伸びと実質的に平行である部分を含んでいる、前記態様のいずれかに係るカードクロージング。
(態様7)
上記部分が、アンダーカットされたエッジ部の全部又は大部分を構成する、態様6に係るカードクロージング。
(態様8)
アンダーカットされたエッジ部又は各エッジ部が、上記エッジ面のノッチ又はスカラップ凹部により形成される、前記態様のいずれかに係るカードクロージング。
(態様9)
前記態様のいずれかに係るカードクロージングを備えたカードロール。
(態様10)
上記ロールがドッファである、態様9に係るカードロール。
(態様11)
上記ロールがワーカである、態様9に係るカードロール。
(態様12)
1つ又はこれより多い態様9、10又は11に係るロールを含んでいる繊維用カード。
(態様12)
基部(113)と、それぞれ突き出し端部(111)と上記突き出し端部(111)の下側に位置する入り込み側のエッジ面とを備え長手方向に配置された複数の歯(110)とを有する形状ワイヤの帯状体を含んでいるカードクロージングであって、
各歯(110)の上記エッジ面が、上記突き出し端部(111)から上記エッジ面に沿う方向に離間された少なくとも1つのアンダーカットされたエッジ部(114)を含み、アンダーカットされた上記エッジ部が、少なくとも、上記形状ワイヤの長手方向の伸びと実質的に平行である部分を含み、これによりカーディング時に上記エッジ面による繊維の保持率を増加させるようになっていることを特徴とするカードクロージング。
【符号の説明】
【0037】
110…歯、111…端部、112…エッジ面、113…基部、114…ステップ部、118…蹴上げ部、211…端部、212…エッジ面、214…ステップ部、218…蹴上げ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ突き出し端部(111)を備え長手方向に配置された複数の歯(110)を有する形状ワイヤの帯状体を含んでいるカードクロージングであって、
突き出し端部(111)の下側の各歯(110)のエッジ面(112)が、上記端部から該エッジ面に沿う方向に離間された少なくとも1つのアンダーカットされたエッジ部(114)を含み、アンダーカットされたエッジ部(114)がカーディング時に上記エッジ面(112)による繊維の保持率を増加させるようになっているカードクロージング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−100987(P2010−100987A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47(P2010−47)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【分割の表示】特願2000−579817(P2000−579817)の分割
【原出願日】平成11年10月28日(1999.10.28)
【出願人】(305039998)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション (92)
【Fターム(参考)】