説明

ドリリング装置

【課題】機械ハウジング、及び、モーターでもって駆動可能な機械スピンドルを有するドリリング機械と、チャック駆幹体を有するドリルチャックとを備えたドリリング装置において、相異なる複数の作動モードにて、ドリリング装置の回転モーメント負荷が、相異なるものとすることができるものを提供する。
【解決手段】 駆動伝達ピン10が、モーター2により、その機械スピンドル3の側にて、遊星歯車伝動機構11を通じて駆動可能である。係止部材17及び締付部材18が、駆動伝達用のピンまたはボルト10についての応力伝達連鎖とは並列に備えられる。これらは、機械ハウジング1に回転不能に接続されており、駆動伝達用のピンまたはボルト10に作用する回転モーメントを変化させるべく、設定・切替部材16の位置・姿勢のシフトにより、複数の作動モードの間で、軸方向に位置・姿勢をシフト可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械ハウジング、及び、モーターなどの動力源でもって駆動可能な機械スピンドルを有するドリリング機械と、チャック駆幹体を有するドリルチャックとを備えたドリリング装置に関する。ここで、このチャック駆幹体中には、連れ動かし具と、ネジ切スリーブとの間に形成されたネジ接続でもって位置・姿勢(位置及び姿勢の少なくとも一方)をシフト可能な、締付あごが案内されている。
【背景技術】
【0002】
ドリリング装置には、ドリリングスピンドル、及び軸方向に位置シフト可能な駆動用のピンまたはボルトと、ドリリングスピンドル及び駆動伝達用のピンまたはボルトと、設定・切替部材とが備えられ、この駆動伝達用のピンまたはボルトは、動力源により、動力源の、機械スピンドルの側にて、中心歯車と、遊星歯車を支持する遊星支持体と、内歯歯車とからなる遊星歯車伝動機構を通じて駆動可能である。
【0003】
このようなドリリング装置が、本件の優先日より後に公開されたDE102011002331A1に示されている。ここに示されたドリリング装置は、駆動伝達筒部材の軸方向の位置シフトにより、締付または締付または締付解除の作動モードと、ねじ込みの作動モードとの間で切替可能である。このドリリング装置では、機械スピンドルの応力が、遊星歯車伝動機構の中心歯車に伝えられる。この中心歯車は、遊星支持体に取り付けられた複数の遊星歯車を駆動し、これら遊星歯車は、機械ハウジングに回転不能に接続された内歯歯車を伝いつつ回転して進む。これにより、遊星歯車支持体は、回転させられ、したがって、駆動されるのであり、駆動伝達用筒部材を介して、駆動伝達用のピンまたはボルトを駆動することとなる。この際、遊星歯車伝動機構のギア比(変速比)は、常に一定である。そのため、ドリリングの工程においても、締付の工程においても、常に同一の回転モーメントが駆動伝達用のピンまたはボルトに加えられるという、短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願公開EP2517811A(ドイツ特許出願公開DE10 2009 026075A)
【特許文献2】国際公開WO2011/000370
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、導入部で述べたようなドリリング装置について、相異なる複数の作動モードにて、ドリリング装置の回転モーメント負荷が、相異なるものとすることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、本発明によると以下によって解決される。すなわち、係止部材及び締付部材が、駆動伝達用のピンまたはボルトについての応力伝達連鎖とは並列に備えられ、これらは、機械ハウジングに回転不能に接続されており、駆動伝達用のピンまたはボルトに作用する回転モーメントを変化させるべく、設定・切替部材の位置・姿勢のシフトにより、複数の作動モードの間で、軸方向に位置・姿勢をシフト可能であることことによって解決される。
【発明の効果】
【0007】
このことは、次のような利点と結びついている。すなわち、「ねじ回し」の動作モード、及び/または「締付または締付または締付解除」の動作モード(これらのうちの少なくとも一方の動作モード)にある際に作用する最大の回転モーメントについて、「ドリリング」の動作モードのときの最大の回転モーメントに比べて引き下げることができるという利点と結びついている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のドリリング装置を示す部分断面・分解斜視図である。
【図2】図1のドリリング装置を示す、別の部分断面・分解斜視図である。
【図3】図1における細部I(楕円囲み部分)を拡大して示した分解斜視図である。
【図4】図2における細部II(楕円囲み部分)を拡大して示した分解斜視図である。
【図5】細部I(図3)に駆動伝達・筒部材を付け足し、「ドリリング」の動作モードでの相互に組み合わさった状態を示す部分断面・斜視図である。
【図6】細部I(図3)に駆動伝達・筒部材を付け足し、「ねじ回し」の動作モードでの相互に組み合わさった状態を示す部分断面・斜視図である。
【図7】細部I(図3)に駆動伝達・筒部材を付け足し、「締付または締付または締付解除」の動作モードでの相互に組み合わさった状態を示す部分断面・斜視図である。
【図8】「ドリリング」の動作モードにあるドリリング装置を部分的に断面で示す斜視図である。
【図9】「ドリリング」の動作モードにあるドリリング装置を部分的に断面で示す側面図である。
【図10】図9のX-X断面である。
【図11】図9のXI-XI断面である。
【図12】「ねじ回し」の動作モードにあるドリリング装置を部分的に断面で示す斜視図である。
【図13】「ねじ回し」の動作モードにあるドリリング装置を部分的に断面で示す側面図である。
【図14】図13のXIV-XIV断面である。
【図15】図13のXV-XV断面である。
【図16】図13のXVI-XVI断面である。
【図17】図13のXVII-XVII断面である。
【図18】「締付または締付解除」の動作モードにあるドリリング装置を部分的に断面で示す斜視図である。
【図19】「締付または締付解除」の動作モードにあるドリリング装置を部分的に断面で示す側面図である。
【図20】図19のXX-XX断面である。
【図21】図19のXXI-XXI断面である。
【図22】図19のXXII-XXII断面である。
【図23】図19のXXIII-XXIII断面である。
【図24】図19のXXIV-XXIV断面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、内歯歯車が、係止部材の少なくとも1つの係止張り出し部のための少なくとも1つの係止張り出し部・受入部を有しているならば、特に好ましい。この係止張り出し部は、内歯歯車を機械ハウジングと回転不能に固定するために利用することができ、これにより内歯歯車は、どのようなトルクが作用するときでも機械ハウジングに対して回転することがない。これにより、最大限可能なトルクを駆動伝達用のピンまたはボルトとドリリングスピンドルとに伝達することができる。
【0010】
したがって次のようであると特に好ましい。すなわち、「ドリリング」の動作モードでは、機械ハウジングに対して内歯歯車を回転不能に支持するための係止部材の軸方向の位置シフトにより、少なくとも1つの係止張り出し部が、内歯歯車の少なくとも1つの係止張り出し部受入部に差し込まれるなら特に好ましい。ここで、係止部材の軸方向の位置シフトは、係止張り出し部の位置・姿勢のコントロールのために利用される。
【0011】
「ねじ回し」および「締付または締付解除」の動作モードでは、係止部材の軸方向の位置シフトにより、少なくとも1つの係止張り出し部が少なくとも1つの係止張り出し部受入部から外れ出るのであっても好ましい。このようにして、内歯歯車が機械ハウジングに対して、滑りクラッチにより回転不能に保持され、事前に定義されたトルクを超過したときにのみ、この内歯歯車が遊星支持体とともに回転する。このようにして、力が駆動伝達用のピンまたはボルトへ伝達されないようにすることが可能である。
【0012】
したがって、内歯歯車における、機械スピンドルとは逆の側に、少なくとも1つの連結ピンと組み合わさって作動すべく、先端カム面を有する先端面が備えられるのも特に有意義である。滑りクラッチを具現すべく、この先端カム面は、事前に設定されたトルクに達するまで、内歯歯車を、機械ハウジングに対して回転しないように固定する。
【0013】
さらに、少なくとも1つの連結ピンが回転モーメント・バネによるバネ力を受けており、機械ハウジングに対して、内歯歯車を、トルク依存的に回転不能に支持すべく、連結ピンが内歯歯車の先端面に押し付けられているならば好ましい。ここで、トルク依存的に回転不能に支持するとは、設定可能なトルクが作用するまで、内歯歯車が機械ハウジングに対して回転不能に支持されることである。この設定可能なトルクを超過すると、連結ピンが回転モーメント・バネの力に抗して引き戻され、内歯歯車が機械ハウジングに対して回転できるようになる。これによって、駆動伝達用のピンまたはボルトの回転が停止する。このようなことによっても、設定可能なトルクを超過したときに内歯歯車をリリースして機械ハウジングに対して回転させるという、滑りクラッチの1つの実施形態が具現される。回転モーメント・バネの圧縮の程度によっては、内歯歯車についての、機械ハウジングに対する回転不能な支持を解除するためには、いっそう高いトルクが必要となる。
【0014】
また、回転モーメント・バネの圧縮の程度を調整するためには、少なくとも1つの回転モーメント筒部材が備えられていると特に好都合であることが知られた。このことは、回転モーメント・バネの圧縮の程度をユーザーによって設定する簡単な手段を提供する。ユーザーは、「締付または締付解除」の動作モードについて最大限許容されるトルクを小さく抑えるために、回転モーメント・バネをあまり圧縮しないでおくことができる。ユーザーは、ねじ回し工程の際に、最大限許容される高いトルクを設定すべく、「ねじ回し」の動作モードにおける回転モーメント・バネの圧縮を、「締付または締付解除」の動作モードにおける圧縮よりも、より程度の大きいものとすることができる。最後に、ユーザーにとっては、回転モーメント筒部材の位置シフトによって回転モーメント・バネを完全に圧縮することも可能である。これにより、少なくとも1つの連結ピンが少なくとも1つの先端カム面から外れることができなくなる。また、これにより、機械ハウジングと内歯歯車の回転不能の接続を解消することができなくなっている。これらの結果として、「ドリリング」の動作モードのために最大限可能なトルクを提供することができる。
【0015】
ここで、回転モーメント・バネは機械スピンドルとは逆の側で、回転モーメント筒部材により軸方向に位置・姿勢をシフト可能なバネ受入リングによって支持されていると特に好ましい。このバネ受入リングは、特には回転モーメント筒部材の内部で、回転モーメント・バネの適正な案内と圧縮ないし伸長を行うのに役立つ。
【0016】
設定・切替部材は、次のようであると好ましいことが知られている。すなわち、駆動伝達用のピンまたはボルトを挿通する役目をする設定・切替部材・ピン通し孔と、係止部材に備えられた少なくとも1つの係止部材・切替カム面と相互作用する少なくとも1つの係止カム部と、締付部材に備えられた少なくとも1つの締付部材・切替カム面と相互作用する少なくとも1つの締付カム部とを有していると好ましいことが知られている。このような実施形態は、係止カム部と係止部材・切替カム面の相互作用を通じて、また、締付カム部と締付部材・切替カム面の相互作用を通じて、締付部材及び係止部材の両者について軸方向に動かすために設定・切替部材を用いるにあたってのシンプルな実施形態をなす。
【0017】
ここで、少なくとも1つの係止カム部が、少なくとも1つの締付カム部に対して、駆動伝達用のピンまたはボルトに関して半径方向にずらされては位置されるというのも好ましい。これにより、設定・切替部材をリング状に、かつ非常に小さい寸法で形成することができ、これによってドリリング装置が軽量かつコンパクトなままに保たれる。
【0018】
さらに、締付部材は、駆動伝達用のピンまたはボルトを挿通する役目を果たす締付部材・ピン通し孔と、締付部材・外面歯切部を有する締付部材・延在部と、少なくとも1つの締付部材・案内部とを有していると好ましい。ここで、締付部材挿通手段は、係止部材の内部または外部での締付部材の案内された軸方向の位置シフトのために役立つとともに、その半径方向の位置を固定する役目を果たす。締付部材そのものは、ドリリング装置の「締付または締付解除」の動作モードを実現させ、締付モードの際に、駆動伝達・筒部材ないしドリリングスピンドルを半径方向に保持するのに利用される。
【0019】
係止部材は、駆動伝達用のピンまたはボルトを挿通する役目をする係止部材・ピン通し孔と、少なくとも1つの締付部材案内部と、少なくとも1つの係止部材・突き当て面とを有しているのも有意義である。これにより、締付部材は確実な動作で締付部材案内部の中を摺動することができ、この際、係止部材・突き当て面は、係止部材に対して相対的な設定・切替部材の回転を可能にする。
【0020】
ここで、「締付または締付解除」の動作モードのときに締付部材の軸方向の位置シフトによって締付部材とドリリングスピンドルの間で嵌合が有効となり、それによってドリリングスピンドルが機械ハウジングと回転不能に接続され、駆動伝達用のピンまたはボルトは締付部材による連れ動かしによってネジ切筒部材と嵌合式に接続されると特に好ましい。これにより、締付部材によって機械ハウジングと回転不能に接続されるドリリングスピンドルに対する、ネジ切筒部材の相対回転が可能となる。ドリリングスピンドルそのものはチャック駆幹体と回転不能に接続されており、これにより、ネジ切筒部材の相対回転は定置のチャック駆幹体に対しても可能であり、それによって連れ動かし具は駆動伝達用のピンまたはボルトが操作されたときに、ネジ接続によって内ないし外へ回転する。これにより、チャック駆幹体のテーパ部で案内されている締付あごが、連れ動かし具による連れ動かしによって開閉される。この位置にあるとき、係止部材はその係止張り出し部で内歯歯車のロック受入部から押し出され、連結ピンだけが内歯歯車の先端面に当接する。
【0021】
別の特に好ましい実施形態においては、以下を想定している。すなわち、「締付または締付解除」の動作モードにおいて、締付部材の軸方向の位置シフトによって、締付部材とドリリングスピンドルの間での嵌合がアクティブ(作動)状態となり、これにより、ドリリングスピンドルが機械ハウジングと回転不能に接続される。駆動伝達用のピンまたはボルトは締付部材による連れ動かしによって、ネジ切筒部材と嵌合式に接続される。また、先端面に押し付けられる少なくとも1つの連結ピンの軸方向の位置を固定するためのロッキング・リングが備えられる。内歯歯車は、機械ハウジングから、トルク依存的に回転不能に支持するために、機械スピンドルの側に備えられた内歯歯車バネによって支持される。このようなことが想定される。この実施形態では、事前に定義されたトルクを超過したときに少なくとも1つの連結ピンが先端カム面に対して軸方向に引き戻され、それによって内歯歯車が機械ハウジングに対して回転に関してリリースされることは、可能ではない。連結ピンはロッキング・リングにより、内歯歯車の先端面に押し付けられた位置で固定される。また、事前に定義されたトルクを超過すると、内歯歯車そのものが内歯歯車バネの圧力に抗して軸方向へと、すなわち機械スピンドルの側へと引き戻される。その結果、内歯歯車バネのバネ力によって、トルクの制限のさらなる可能性が創出され、それに伴って、滑りクラッチのさらに別の実施形態が創出される。ここで、この内歯歯車バネの圧縮の程度についての変化または変更ができるようにすることも同様に可能である。
【0022】
また、内歯歯車バネは軸方向後方にて、すなわち機械スピンドルの側にて、機械ハウジングに形成された確実固定ショルダーによって、または確実固定リングによって支持されていると有意義である。これによっても、ドリリング装置の動作確実性が高くなる。
【0023】
これに加えて、設定・切替部材が、モード設定切替・筒部材によって位置・姿勢をシフト可能であると、シンプルな操作性に基づいて特に有意義であることが知られている。
【0024】
設定・切替部材の簡単な位置シフトは、次のことを特徴としている。すなわち、モード設定切替・筒部材が内面歯切部を有するとともに、設定・切替部材が設定・切替歯切部を有しており、これらの歯切部がベアリング軸に支持された設定・切替歯車を介して相互作用するように係合することを特徴としている。これにより、個々の動作モードの間で特に簡単に相互切換を行うことができる。
【0025】
モード設定切替・筒部材が各動作モードに対応する複数の留め位置を有しており、機械ハウジングに支持される少なくとも1つの留め部材がこの留め位置に係合可能であるのも好ましい。これによって形成されるこの留め装置によると、ドリリング装置が自動的に別の動作モードに変わったり、ユーザーが意図せず設定スリーブに接触することでそのような事態が起こったりすることが、確実に防がれている。
【0026】
また、駆動伝達用のピンまたはボルトは、機械スピンドルとは逆の側に、特には平歯として形成された平歯車を有していると好ましい。これにより、力伝達連鎖で駆動されるべき各部材と、駆動伝達用のピンまたはボルトとの嵌合を実現させるのがいっそう簡単になる。
【0027】
次のようであると好ましいことが知られている。すなわち、個々の動作モードへの駆動伝達用のピンまたはボルトの確実な動作での位置シフトを保証するために、引き戻しバネによるバネ力を受ける引き戻し部材が、平歯車に支持されていると、好ましいことが知られている。
【0028】
次のようであると好ましいことが知られている。すなわち、特に確実な動作での締付工程ないし解除工程を保証するためには、引き戻し部材が、特に「締付または締付解除」の動作モードのときにネジ切筒部材と回転不能に接続される引き戻し歯切部を有しており、スピンドル歯切部との嵌合が解消されているならば好ましいことが知られている。
【0029】
ここで、引き戻しバネは、ネジ切筒部材に形成された引き戻しフランジに支持されているのも好ましい。これにより、引き戻しバネを確実な位置でドリリング装置に配置することができ、それによって引き戻しバネが駆動伝達用のピンまたはボルトを適正に、軸方向後方に、すなわち機械スピンドルの方向へと、引き戻す。
【0030】
締付部材の位置シフトによる連れ動かしの役目をする連れ動かしリングが、駆動伝達用のピンまたはボルトに付属しているのも特に好ましい。これにより、駆動伝達用のピンまたはボルトを、設定・切替部材の操作により、締付部材の軸方向への位置シフトを通じて一緒に案内することができる。
【0031】
また、駆動伝達用のピンまたはボルトは連れ動かしショルダーおよび/または連れ動かし溝(すなわちこれらの少なくとも一方)を有しているのも好ましい。そのような連れ動かし溝の中で、連れ動かしリングを位置決めすることができる。一方、連れ動かしショルダーは、締付部材による付勢をうけて、これを軸方向前方に向かって工具受入部の方向へ案内する役目をする。
【0032】
係止部材及び締付部材を確実な動作にて、それぞれの動作モードを具現する位置・姿勢へとシフトさせるためには、係止部材が係止部材バネによるバネ力を受けているか、およ締付部材が締付部材バネによよるバネ力を受けているかの、少なくとも一方であると好ましいことが知られている。
【0033】
さらには、ドリリングスピンドルが複数の別体の部材で形成されており、特には、機械中空スピンドルと、これと回転不能に接続された駆動伝達・筒部材とで形成されているならば好ましい。このことは、ドリルチャックを駆動する各部材の製造を容易にし、ドリルチャックの組み付けも容易になる。
【0034】
最後に、駆動伝達用のピンまたはボルトに回転不能に接続された駆動伝達ブッシュが、遊星支持体と嵌合式に備えられていると好ましいことが知られている。標準型の遊星歯車伝動機構を使用することができる。遊星支持体は、回転不能ではあるが軸方向にリリースをする駆動伝達用のピンまたはボルトとの嵌合を形成するための輪郭面を、特に形成する必要がないからである。
【実施例】
【0035】
次に、図面に示されている実施例を参照しながら、本発明について詳しく説明する。
【0036】
図1及び図2、及び、図8及び図9の分解図にドリリング装置を示す。このドリリング装置には、概略をつかみやすいように全部を示してはいないドリリング機械が備えられる。このドリリング機械は、機械ハウジング1と、モータ2により駆動可能な機械スピンドル3とを有する。また、ドリリング装置には、チャック駆幹体4を備えたドリルチャックが含まれる。このチャック駆幹体4中には、連れ動かし具5とネジ切筒部材6との間で形成されたネジ接続7でもって位置・姿勢をシフト可能な複数の締付あご8が案内されている。ドリルチャックには、ドリリングスピンドル9と、軸方向に位置・姿勢をシフト可能な駆動伝達ピン10とが備えられる。この駆動伝達ピン10は、モータ2により、その、機械スピンドル3側にて、遊星歯車伝動機構11を通じて駆動可能となっている。この遊星歯車伝動機構11は、中心歯車12と、遊星歯車13を支持する遊星支持体14と、内歯歯車15とからなる。この駆動の方式については、以下に詳細に説明する。ドリリング装置の一部として、設定・切替部材16も備えられる。係止部材17及び締付部材18が、駆動伝達ピン10についての力伝達連鎖に、並列に備えられる。これら係止部材17及び締付部材18は、機械ハウジング1に、回転不能に接続されており、設定・切替部材16(図10)の位置・姿勢のシフトにより軸方向へ位置・姿勢をシフト可能である。この位置・姿勢のシフトは、「ドリリング」、「ねじ回し」、または「締付または締付解除」の各動作モードの間で切り換える際に駆動伝達ピン10に作用するトルクを変化させるべく行われる。内歯歯車15は、係止部材17の3つの係止張り出し部17.1のための、複数の係止張り出し部・受入部15.1を有している(図1)。これらの係止張り出し部・受入部15.1は、係止張り出し部17.1が、クリアランスなしに、またはクリアランスをもって、それぞれの係止張り出し部受入部15.1へ差し込まれるように、寸法設計することができる。3つよりも多い、または3つよりも少ない係止張り出し部17.1を備えることもできる。また、内歯歯車15は、機械スピンドル3とは逆の側に、先端カム面15.2を有する先端面15.3を有している。
【0037】
特には図1、8、12及び18に示されるように、内歯歯車15の、この先端面15.3に接して、図示した実施例では、6つの連結ピン20が存在する。これら連結ピン60は、機械ハウジング1に対して回転不能に支持された、回転モーメント・バネ19により、バネ力を受けている。内歯歯車15が機械ハウジング1からトルク依存的に、回転不能に支持されるようにするためには、連結ピン20が先端面15.3に押し付けられている。ここで、連結ピン20が、6つよりも多く備えられても、またはこれより少なく備えられえられても良い。また、各連結ピン20が、他のものとは別個の、それぞれ1つの回転モーメント・バネ19からバネ力を受けるのであっても良い。このようにして、複数の回転モーメント・バネ19を使用可能である。また、内歯歯車15の先端面15.3には、さらに、連結ピン20を受け入れる案内溝15.6が形成されていてもよい。回転モーメント・バネ19の圧縮について調整や選択・設定を行うべく、回転モーメント筒部材21が備えられる。回転モーメント・バネ19は、機械スピンドル3とは逆の側から、回転モーメント筒部材21でもって軸方向へ位置・姿勢をシフト可能なバネ受入リング21.1によって、支持されている。内歯歯車15は、軸方向後方から、内歯歯車バネ15.4によって支持されている。また、この内歯歯車バネ15.4は、確実固定リング15.5により、機械ハウジング1中での軸方向の位置が固定されている。ここに図示した確実固定リング15.5は、円周方向に閉じておらず、C字状となっている。このようであるので、自由端同士を互いに弾性的に押し付けることによって、確実固定リングを、機械ハウジング1中に、容易に組み付けることができる。また、同様に、内歯歯車バネ15.4について、その位置・姿勢を保つように保持する確実固定ショルダーを、機械ハウジング1の内面に設けることも可能である。
【0038】
本実施例の連結ピン20には、リング状凹部20.1が備えられる。このリング状凹部20.1により、連結ピン20は、ロッキング・リング22に形成された棚状部分22.1に噛み合わされることにより、軸方向の位置を固定することができる。また、ロッキング・リング22は、本実施例において、複数のピン案内部22.2を有している。さらに、連結ピン20は、内歯歯車15の側の端部が、円錐形、円錐台形、または、これらの先端や稜部を丸めた形のテーパ状に形成されている。
【0039】
駆動伝達ピン10は、機械スピンドル3とは逆の側に、図示した実施例では平歯10.2として形成された平歯車10.1を有している。平歯10.2に隣接して、すなわち機械スピンドル3の側へとずらされて、締付部材18によって連れ動かすための連れ動かしショルダー10.3が形成されている。この連れ動かしショルダー10.3に、締付部材18が突き当てられて支持されるようにすることができる。図示した実施例では、駆動伝達ピン10に、連れ動かし溝10.4も形成されており、この連れ動かし溝10.4中に、連れ動かしリング28が位置決めされている。さらに、引き戻しバネ26が備えられており、これが、引き戻し部材27にバネ力を加えている。引き戻し部材27は、平歯車10.1から支持されている。引き戻し部材26には、引き戻し歯切部27.1が備えられる。この引き戻し歯切部27.1は、ネジ切・筒部材6に形成された引き戻し・対向歯切部6.2に噛み合わされ得る。引き戻しバネ26は、ネジ切・筒部材6に形成された引き戻しフランジ6.1により、軸方向前方から支持されている。駆動伝達ピン10における軸方向後方の端部には、複数の平坦部10.5が備えられる。この平坦部10.5は、遊星支持体14と回転不能に接続された駆動伝達ブッシュ31との間に、回転不能であって軸方向へ位置・姿勢をシフト可能な接続を形成する。しかしながら、1つの平坦部10.5が駆動伝達ピン10に備えられるだけでも、好都合かつ十分である。
【0040】
締付部材18は、締付部材バネ30によるバネ力を受けており、係止部材17は、係止部材バネ29によるバネ力を受けている。設定・切替部材16は、軸方向位置が固定されており、モード設定切替・筒部材23により回転可能である(図10)。このモード設定切替・筒部材23には内面歯切部23.1が備えられ、設定・切替部材16には、設定・切替歯切部16.4が備えられる。これら内面歯切部23.1及び設定・切替歯切部16.4は、ベアリング軸24に取り付けられた設定・切替歯車25を通じて、相互作用を行うべく噛み合わされている。本実施例では、設定・切替歯切部16.4が、設定・切替部材の外側円周全体にわたって配置されている。これに対して、内面歯切部23.1は、モード設定切替・筒部材23における一つの円弧部分にのみ備えられている。モード設定切替・筒部材23の内周面の約3分の2が内面歯切部23.1で覆われている。内面歯切部23.1を円周方向に連続するように形成すること、または、設定・切替歯切部16.4を円弧部分にのみ形成することも可能である。また、モード設定切替・筒部材23は、3つの動作モードに対応する3つの留め位置23.3を二重に有しており、バネによって機械ハウジング1に支持されるちょうど2つの留め部材23.2が、これらの留め位置に噛み合わされる。図示の実施例において、モード設定切替・筒部材23は、ロッキング・リング22との相互作用を行うことで、連結ピン20の軸方向の位置を固定するようにする。しかしながら、さらなる筒部材を備えるようにして、この筒部材の操作により連結ピン20を固定するということも同様に可能である。
【0041】
ドリリングスピンドル9は、図示の実施例において、機械中空スピンドル9.1と、これに少なくとも回転不能に接続された駆動伝達・筒部材9.2とよりなる、複数部材構成となっている(図1、8、9)。ここに図示した駆動伝達・筒部材9.2は、平歯10.2及び締付部材18と相互作用することができる筒部材内面歯切部9.3を有している。一方、図示の機械中空スピンドル9.1は、引き戻し部材27の引き戻し歯切部27.1に噛み合わせることができるスピンドル歯切部9.4を有している。防塵部としてのキャッピングカバー33も備えられている。また、機械中空スピンドル9.1と機械ハウジングとの間にて、ベアリング34が位置決めされており、さらに、ピン・ベアリング35が設定・切替部材16と駆動伝達ピン10の間に備えられている。
【0042】
図3と図4から知られるように、設定・切替部材16には、駆動伝達ピン10を差し込んで通すのに役立つ設定切替部材・ピン通し孔16.1が備えられる。図示の実施例において、係止部材17に備えられた3つの係止部材・切替カム面17.2と相互作用する3つの係止カム部16.2と、締付部材18に備えられた3つの締付部材・切替カム面18.1と相互作用する3つの締付カム部16.3とが形成されている。係止カム部16.2は、締付カム部16.3と比べて、半径方向に駆動伝達ピン10の側へとずらされて配置されている。また、締付カム部16.3は、係止カム部16.2と比べて、異なる傾斜と、異なる大きさの軸方向長さと、異なる長さの円弧長とを有している。ここで円弧長とは、それぞれの係止カム部16.2や締付カム部16.3の円周方向の長さを表している。図示の実施例において、各係止カム部16.2は設定・切替部材16の円周の約9分の1だけ延びており、各締付カム部16.3は当該円周の約8分の1だけ延びている。締付カム部16.3は、係止カム部16.2と比べて、図示の実施例において、軸方向長さが、より大きくなるように形成されている。
【0043】
締付部材18には、それ自体に、駆動伝達ピン10を差し込んで通すのに役立つ締付部材・ピン通し孔18.2と、締付部材・外面歯切部18.3を有する締付部材・延在部18.4と、好ましい実施例において具体的には3つである締付部材・案内部18.5とが備えられる。この締付部材・外面歯切部18.3は、駆動伝達・筒部材9.2の筒部材・内面歯切部9.3と相互作用する。ここで、駆動伝達・筒部材9.2に外面歯切部が備えられ、締付部材18に内面歯切部が備えられるというのも、同様に想定可能である。
【0044】
本実施例において、係止部材17には、それ自体に、駆動伝達ピン10を通すのに役立つ係止部材・ピン通し孔17.4と、具体的には3つの締付部材案内部17.5とが備えられる。こられの締付部材案内部17.5は、締付部材18に備えられた締付部材・案内部18.5を案内すべく、内壁17.6に形成されている。また、係止部材17には、係止部材・突き当て面17.3が形成されており、この面に沿って設定・切替部材16が摺動する。
【0045】
図5には、「ドリリング」の動作モードにおける、締付部材18と係止部材17の位置・姿勢について、設定・切替部材16との関係で示されている。概略をつかみやすいように、機械中空スピンドル9.1に回転不能に接続された駆動伝達・筒部材9.2も図示されている。係止部材17が係止部材バネ29の押圧力によって設定・切替部材16に押し付けられ、また締付部材18が締付部材バネ30の押圧力によって設定・切替部材16に押し付けられる。締付部材18及び係止部材17は、ドリリング装置中にて、機械ハウジング1より、これに対し回転不能に支持されている。係止カム部16.2及び係止部材・切替カム面17.2は、この動作モードでは互いに相互作用していない。その結果、係止部材17は軸方向後方へとずらされており、係止張り出し部17.1は、図示しない内歯歯車15の係止張り出し部・受入部15.1の中へ押し込まれている。締付部材18は、その締付部材・外面歯切部18.3により、駆動伝達・筒部材9.2の筒部材内面歯切部9.3との噛み合いから外れ出ている。その結果、駆動伝達・筒部材9.2は、機械ハウジング1に対して回転不能に支持されているのではない。
【0046】
図6には、「ねじ回し」の動作モードにおける締付部材18及び係止部材17の位置・姿勢が、設定・切替部材16との関係で示されている。ここでは、設定・切替部材16を回すことで、すなわちモード設定切替・筒部材23を回すことで、係止カム部16.2が係止部材・切替カム面17.2に沿って案内され、係止カム部16.2が係止部材・突き当て面17.3に突き当てられた状態となっている。設定・切替部材16の軸方向位置が固定されているので、係止部材17は、係止部材バネ30の力に抗して軸方向前方へと向かって、すなわち締付あご8の側へと位置シフトされる。また、係止張り出し部17.1は、内歯歯車15の係止張り出し部受入部15.1と噛み合った状態から外れ出ている。しかしながら、「ドリリング」の動作モードから「ねじ回し」の動作モードへ移行する際には、締付カム部16.3と締付部材・切替カム面18.1との相互作用は生じていない。
【0047】
図7には、「締付または締付解除」の動作モードにおける締付部材18及び係止部材17の位置・姿勢が、設定・切替部材16との関係で示されている。この動作モードでは、設定・切替部材16の回転により、今や、締付カム部16.3と、締付部材・切替カム面18.1とが相互作用することとなっている。そのため、締付部材18の位置は、軸方向へと締付あご8の側へとシフトしている。また、係止カム部16.2は、係止部材17の位置・姿勢をシフトさせることなく、係止部材・突き当て面17.3に接して摺動する。締付部材・外面歯切部18.3は、駆動伝達・筒部材9.2の筒部材内面歯切部9.3に噛み合わされており、これにより、筒部材内面歯切部9.3を機械ハウジング1に対して回転不能に保持している。
【0048】
図8から図11には、「ドリリング」の動作モードにおけるドリリング装置を示す。この動作モードでは、内歯歯車15が、機械ハウジング1に回転不能に機械ハウジング1から支持されるように係止部材17の位置が軸方向へとシフトしたことにより、係止張り出し部17.1が、係止張り出し部受入部15.1中に差し込まれて噛み合わされている。この差し込みは、係止部材17に加えられる係止部材バネ29のバネ力によって引き起こされている。この係止部材バネ29は、この軸方向後方へと向かって、すなわち機械スピンドル3の側へと、押圧をするものである。また、ロッキング・リング22がその棚状部分22.1により連結ピン20と噛み合わされている。この連結ピンは、先端カム面15.3を有する内歯歯車15の先端面15.3に押し付けられている。
【0049】
図10には、モード設定切替・筒部材23の内面歯切部23.1が現れている。この内面歯切部23.1を通じて、ベアリング軸24から支持された設定・切替歯車25が、設定・切替部材16の設定・切替歯切部16.4と、相互作用を行うように噛み合わされている。また、2つの留め部材23.2が、「ドリリング」の動作モードにおける、それぞれの留め位置23.3にて位置決めされている。モード設定切替・筒部材23に備えられる外周面23.4は、オペレーターが手でつかむなどして取り扱う場合における、シンプルで容易な操作性を実現している。
【0050】
図11には、ロッキング・リング22及びその棚状部分22.1が示されている。この棚状部分22.1は、連結ピン20のリング状凹部20.1に噛み合わされている。これにより、連結ピン20の軸方向の位置が固定されている。ここで、連結ピン20は、内歯歯車15の先端面15.3に突き当てられることで、内歯歯車15を機械ハウジング1に対して相対回転しないように追加的に、すなわち係止張り出し部17.1を補助するように固定を行う。但し、連結ピン20によるこのような追加の固定は、必ずしも必要なわけではない。駆動伝達ピン10が、駆動伝達・筒部材9.2に、嵌め合わされて(嵌合により)接続しており、また、この駆動伝達・筒部材9.2が、機械中空スピンドル9.1に、嵌め合わされて接続している。駆動伝達ピン10が、軸方向後方に向かって機械スピンドル3の側へとずらされている。ここで、引き戻しバネ26の力により、引き戻し部材27の引き戻し歯切部27.1が、スピンドル歯切部9.4に嵌め合わされて接続している。詳細を示さない一実施例において、引き戻し部材27が備えられておらず、駆動伝達ピン10は、次のように構成されている。すなわち、駆動伝達ピン10は、「ドリリング」の動作モードにおいて、ネジ切筒部材6に、嵌め合わされて接続するとともに、駆動伝達・筒部材9.2に嵌合により接続するように構成されている。
【0051】
「ドリリング」の動作モードにおいて、モータ2の力は機械スピンドル3によって遊星歯車伝動機構11を介して駆動伝達ピン10へと伝達される。駆動伝達ピン10における先端の歯車部の平歯10.2が、駆動伝達・筒部材9.2の筒部材内面歯切部9.3に噛み合い、これにより機械中空スピンドル9.1が駆動されている。また、引き戻しバネ26の力により、引き戻し歯切部27.1がスピンドル歯切部9.4に噛み合わされている。ネジ切筒部材6と機械中空スピンドル9.1との間の相対回転は起こり得なくなっている。ネジ切筒部材6及び機械中空スピンドル9.1は、いずれも、駆動伝達ピン10の回転と同時に同期しつつ回転するからである。内歯歯車15は、係止張り出し部・受入部15.1に差し込まれた係止張り出し部17.1により、機械ハウジング1に対する回転が防がれている。したがって「ドリリング」の動作モードでは、最大限可能なトルクが駆動伝達ピン10に伝達される。
【0052】
図12から図17には、「ねじ回し」の動作モードにおける、本発明によるドリリング装置を示す。この動作モードでは、係止部材バネ29の力に抗して、係止部材17の位置が軸方向で前方へとシフトしていることにより、係止張り出し部17.1が、内歯歯車15の係止張り出し部受入部15.1から外れ出ている。「ドリリング」の動作モードと「ねじ回し」の動作モードとの間で、係止部材バネ29の圧縮の程度が異なることは、図13と図9を、直接対比することで知られる。また、依然として連結ピン20は回転モーメント・バネ19によるバネ力を受けており、内歯歯車15の先端面15.3に押し付けられている。
【0053】
図14から知られるように、モード設定切替・筒部材14は、「ねじ回し」の動作モードにおいて、「ドリリング」の動作モードにおける位置・姿勢から、回転された状態となっている。また、2つの留め部材23.2は、「ねじ回し」の動作モードのそれぞれの留め位置23.3に配置されている。本実施例において、これらの留め位置23.3は、「ドリリング」における留め位置23.3と「締付または締付解除」における留め位置23.3との間に、位置決めされている。
【0054】
図15から知られるように、連結ピン20は、ロッキング・リング22との噛み合わせから外れており、ピン案内部22.2の中にて、回転モーメント・バネ19のバネ力に抗して軸方向へと位置シフトを行うことができる。回転モーメント・バネ19は、機械スピンドル3とは逆の側で、回転モーメント筒部材21によって軸方向へと位置シフト可能なバネ受入リング21.1により支持されている。このようであることにより、最大限伝達可能なトルクを、回転モーメント筒部材21の位置をシフトさせることにより、変化させることができる。回転モーメント・バネ19の圧縮の程度が大きくなるほど、連結ピン20を内歯歯車15の先端カム面15.2により、軸方向前方に向かって工具受入部32の側へと押圧するのに大きいトルクが必要となる。
【0055】
図16により明らかなように、「ドリリング」の動作モード及び「ねじ回し」の動作モードにおけると同様に、駆動伝達ピン10が、駆動伝達・筒部材9.2に、嵌め合わされて支持を行っている。また、ここでは、回転モーメント・バネ19が連結ピン20にバネ力を加えていること、係止部材バネ29が係止部材17にバネ力を加えていること、及び、締付部材バネ30が締付部材18にバネ力を加えていることについて知ることができる。締付部材バネ30は、図示の実施例に示されているように、機械スピンドル3の側へと向かって、円錐台形状にテーパー状をなすように延びている。
【0056】
図13と図17から見てとれるように、引き戻しバネ26によるバネ力を受けている引き戻し部材27の引き戻し歯切部27.1は、ネジ切筒部材6に形成された引き戻し・対向歯切部6.2に噛み合わされている。引き戻し歯切部27.1は、上記と同様の嵌合式にスピンドル歯切部9.4に接続されている。モータ2の力が、この状態では、機械スピンドル3により遊星歯車伝動機構11を介して駆動伝達ピン10へと伝達される。さらに、駆動伝達ピン10の先端歯車部の平歯10.2が、駆動伝達・筒部材9.2を駆動するとともに、チャック駆幹体4に接続された機械中空スピンドル9.1を駆動する。同時に、ネジ切筒部材6は、スピンドル歯切部9.4と引き戻し歯切部27.1との嵌合により、半径方向へ位置がシフトしないように固定されている。これにより、機械中空スピンドル9.1に対するネジ切筒部材6の相対回転は起こり得ない。「ねじ回し」の動作モードにおける設定可能なトルクを超過すると、内歯歯車15の先端面15.3にある先端カム面15.2から連結ピン20が引き戻され、内歯歯車15は、もはや機械ハウジング1に回転不能に固定されていないこととなる。機械ハウジング1に対して相対的に内歯歯車15が回転することにより、駆動伝達ピン10に力が伝達されなくなる。これにより、ドリルチャックが、瞬間的または一時的に、それ以上駆動されなくなる。
【0057】
図18から図24には、「締付または締付解除」の動作モードにおける、本発明によるドリリング装置を示す。設定・切替部材16が位置シフトを行ったことにより、また、これにより、締付部材バネ30の力に抗して、締付部材18の軸方向の位置のシフトが引き起こされたことにより、締付部材18及びその締付部材・延在部18.4と、駆動伝達・筒部材9.2との間にて、嵌め合わせによる噛み合いが実現されている。すなわち、これらの間の嵌合がアクティブ状態となっている。この様子は特に図23から見て取ることができる。図19と図13、並びに、図19と図9を対比すると知られるとおり、「締付または締付解除」の動作モードにおいて、締付部材バネ30が圧縮されている。締付部材18と駆動伝達・筒部材9.2との嵌合により、駆動伝達・筒部材9.2は機械ハウジング1に回転不能に保持されている。これにより、機械中空スピンドル9.1が機械ハウジング1から回転不能に支持され、これに伴い、駆幹体4の全体も機械ハウジング1から、回転不能に支持されている。駆動伝達ピン10は、締付部材18の軸方向位置がシフトさせられる際に連れ動かされることにより、ネジ切筒部材6に、嵌合式に接続されている。
【0058】
図20には、遊星歯車伝動機構11を示す。この遊星歯車伝動機構11は、図示の実施例にて遊星歯車支持体14に取り付けられた5つの遊星歯車13を備える。中心歯車12が、これらの遊星歯車13と噛み合っており、また、遊星歯車が内歯歯車15を伝って回転する。
【0059】
図21には、「締付または締付解除」の動作モードの位置・姿勢にある場合のモード設定切替・筒部材23を示す。この図から明らかなように、留め部材23.2は、「締付または締付解除」に対応する第3の、2つの留め位置23.3にて受け入れられている。ベアリング軸24に支持された設定・切替歯車25を介して、モード設定切替・筒部材23の歯が、設定・切替部材16の設定・切替歯切部16.4と噛み合っていることについても、知ることができる。
【0060】
図22には、「締付または締付解除」の動作モードにおいても、連結ピン20の軸方向位置がロッキング・リング22により固定されており、これにより、連結ピン20が内歯歯車15の先端面15.3に常に押し付けられていることにつき示す。内歯歯車15が機械ハウジング1から、トルク依存的に回転不能に支持されるようにすべく、機械スピンドル3の側に備えられた内歯歯車バネ15.4を通じて内歯歯車が支持されている。また、この内歯歯車バネ15.4が、確実固定リング15.5を通じて支持されている。
【0061】
図24に示すように、引き戻しバネ26の力に抗して軸方向前方へと駆動伝達ピン10の位置をシフトさせたことにより、引き戻し部材27の引き戻し歯切部27.1が、ネジ切筒部材6の引き戻し・対向歯切部6.2に、回転不能に噛み合っている。ここで、引き戻しバネ26は、ネジ切筒部材6に形成された引き戻しフランジ6.1に支持される。
【0062】
「締付または締付解除」の動作モードにおいて、モータ2の力は、機械スピンドル3により、遊星歯車伝動機構11を介して駆動伝達ピン10へと伝達される。駆動伝達ピン10は、ネジ切筒部材6との嵌合がアクティブ状態となっていることにより、ネジ切筒部材6を駆動する状態となっている。駆動伝達・筒部材9.2締付部材18との間、及び、これにより機械中空スピンドル9.1と締付部材18との間において、チャック駆幹体4を機械ハウジング1と回転不能に接続する嵌合がアクティブ状態となっている。機械中空スピンドル9.1に関するネジ切筒部材6の相対回転が可能となっており、ネジ切筒部材6は、連れ動かし具5とのネジ接続7を介して締付あご8に位置をシフトさせる。
【0063】
事前に設定されたトルクを超過すると、内歯歯車15が内歯歯車バネ15.4の力に抗して軸方向後方へと後退する。これによって機械ハウジング1に対する回転を自由に行えるようになる。これにより、駆動伝達ピン10の回転、及びこれに伴う締付あご8の位置シフトが停止する。
【0064】
以上においてドリリング装置の設計上の構造について説明したので、次に、作動形態について簡単に説明する。
【0065】
ドリリング装置は、初期状態で「ドリリング」の動作モードになっている。この際、工具受入部32の中では、ドリル工具が締付あご8によって締め付けられている。留め部材23.2は、モード設定切替・筒部材23の「ドリリング」の留め位置23.3にて受け入れられている(図10)。連結ピン20は、軸方向の位置シフトが不能な状態で、内歯歯車15の先端面15.3に押し付けられている。このような軸方向への位置シフト不能性は、連結ピン20のリング状凹部20.1に、ロッキング・リング22の棚状部分22.1が係合することによって実現されている(図8)。この動作モードにおいて、係止部材17は軸方向後方へと位置シフトされている。これにより、係止張り出し部17.1が内歯歯車15の係止張り出し部受入部15.1に差し込まれている。これに伴い、最大限可能なトルクを駆動伝達ピン10へと伝達可能である(図8、9)。駆動伝達・筒部材9.2は、駆動伝達ピン10と嵌合式に接続されており、これによって駆動される。これにより、少なくとも、駆動伝達・筒部材9.2と機械中空スピンドル9.1との回転不能の接続を通じて、チャック駆幹体4が回転する。駆動伝達ピン10そのものについての駆動は、モータ2の力により、遊星歯車伝動機構11及び駆動伝達ブッシュ31を介して行われる。
【0066】
ドリリング工程の後、例えば、ドリル工具を工具受入部32から取り出して、ドライバービットを締め付けることが想定される。このために、ユーザーは、モード設定切替・筒部材23を回す。これにより、留め部材23.2は、「ねじ回し」の留め位置23.3を超えて、「締付または締付解除」の留め位置23.3に受け入れられる。設定・切替歯車25がモード設定切替・筒部材23の内面歯切部23.1によって回転し、ひいては、設定・切替歯切部16.4を介して設定・切替部材16を回転させる(図21)。設定・切替部材16が回転すると、まず最初に係止カム部16.2と係止部材・切替カム面17.2が組み合わさって作動する。これにより、係止部材17が、係止部材バネ29の力に抗して、軸方向前方へと位置シフトされる。このようにして、係止張り出し部17.1が内歯歯車15の係止張り出し部受入部15.1から外れ出る。これに引き続いて、締付カム部16.3と締付部材・切替カム面18.1とが組み合わさって作動し、これにより締付部材18が、締付部材バネ30の力に抗して、軸方向前方に向かって位置シフトされる。締付部材18が前に押されることで、締付部材・延在部18.4の締付部材・外面歯切部18.3が、駆動伝達・筒部材9.2の筒部材内面歯切部9.3に係合する(図18、19)。これにより駆動伝達・筒部材が機械ハウジング1に対して回転不能に支持され、これに伴って機械中空スピンドル9.1及びチャック駆幹体4が、機械ハウジング1に対して回転不能に支持される。締付部材18を軸方向に位置シフトすることで、駆動伝達ピン10も共に連れ動かされる。そして駆動伝達ピンは、ネジ切筒部材6と嵌合式に接続されて、これを駆動する。すなわちモータ2が締付をする回転方向にて作動すると、モータは駆動伝達ピン10に回転を伝え、これによってネジ切筒部材6が回転する。機械ハウジング1に対するチャック駆幹体4の回転不能の支持に基づき、連れ動かし具5が、工具受入部32への方向に沿ってねじ込まれていく。これによって、締付あごが軸方向後方へと引っ張られ、テーパ部での案内の結果として外方へ開くように位置シフトされて、締付あご8の位置シフトによりドリル工具がリリースされる。
【0067】
すると、ドライバービットを挿入することができる。この挿入のためには、ドライバービットが工具受入部の中で位置決めされ、モータ2の回転方向が反転させられる。すなわちモータ2が締付に相当する回転方向で作動する。締付工程の際に特定のトルクを超過すると、内歯歯車15が内歯歯車バネ15.4の力に抗して引き込まれる。これにより、内歯歯車15が機械ハウジング1に対して回転し、モータ2の力が駆動伝達ピン10に全面的に伝達されることはなくなる。すなわち、ドリリング装置中に具現されている2つの滑りクラッチのうちの一方が作動状態(アクティブ状態)となる。
【0068】
この後、ドリリング装置を「ねじ回し」の動作モードで作動させるためには、ユーザーが、モード設定切替・筒部材23を回して操作しなくてはならない。このような操作により、モード設定切替・筒部材23の内面歯切部23.1が設定・切替歯車25を回転させ、設定・切替歯車が設定・切替部材16を回転させる。すると留め部材23.2は、「ねじ回し」の留め位置23.3に受け入れられる(図14)。このような回転により、再び設定・切替部材16の締付カム部16.3が締付部材・切替カム面18.1と組み合わさって作動する。これにより、締付部材バネ30が締付部材18を軸方向後方へとズレ動く。係止カム部16.2と、係止部材17の係止部材・切替カム面17.2との間の相互作用は行われていない。その結果、係止張り出し部17.1は、依然として内歯歯車15の係止張り出し部・受入部15.1から外れ出ている。駆動伝達・筒部材9.2と締付部材18との間の接続は、設定・切替部材16が回転したときに解消される。駆動伝達ピン10は、連れ動かし具リング28によって再び軸方向後方に向かって、締付部材18の位置シフトにより共に連れ動かされる。そして駆動伝達ピン10は、「ドリリング」の動作モードのときと同じく、再び駆動伝達・筒部材9.2と嵌合式に接続され、これにより、駆動伝達用のピンまたはボルトがチャック駆幹体4を駆動する。「ねじ回し」の動作モードでは、連結ピン20は、ロッキング・リング22から解き放たれている。この際、ユーザーは、回転モーメント筒部材21を回すことで、当該滑りクラッチが反応するトルクを選択することができる。回転モーメント筒部材21によってユーザーにより設定可能なトルクを超過することで、連結ピン20が軸方向に、内歯歯車15の先端カム面15.2から外れる。これにより、内歯歯車が機械ハウジング1に対して回転する。こうしてモータ2の力が、駆動伝達ピン10に全面的に伝達されることはなくなる。
【0069】
2つの滑りクラッチにより設定可能なトルクを超過すると、連結ピン20は内歯歯車15の先端カム面15.2を介して摺動する。このことはカチリという音を結果的に生じさせ、この音は、そのつど事前に設定されたトルクを超過したことをユーザーに知らせる。つまり、このようにして、ユーザーに対するトルクインジケータも、滑りクラッチによって創出されている。
【符号の説明】
【0070】
1…機械ハウジング; 2…モーター; 3…機械スピンドル;
4…チャック駆幹体; 5…連れ動かし具; 6…ネジ切筒部材;
6.1…引き戻しフランジ; 6.2…引き戻し・対向歯切部;
7…ネジ接続; 8…締付あご; 9…ドリリングスピンドル;
9.1…機械中空スピンドル; 9.2…駆動伝達・筒部材;
9.3…筒部材内面歯切部; 9.4…スピンドル歯切部;
10…駆動伝達ピン 10.1…平歯車;
10.2…平歯歯切部; 10.3…連れ動かしショルダー;
10.4…連れ動かし溝; 10.5…平坦化部; 11…遊星歯車伝動機構;
12…中心歯車; 13…遊星歯車; 14…遊星支持体;
15…内歯歯車; 15.1…係止張り出し部受入部;
15.2…先端カム面; 15.3…先端面; 15.4…内歯歯車バネ;
15.5…確実固定リング; 15.6…案内溝; 16…設定・切替部材;
16.1…設定切替部材・ピン通し孔; 16.2…係止カム部;
16.3…締付カム部; 16.4…設定・切替歯切部; 17…係止部材;
17.1…係止張り出し部; 17.2…係止部材・切替カム面;
17.3…係止部材・突き当て面; 17.4…係止部材・ピン通し孔;
17.5…係止部材・案内部; 17.6…内壁;
18…締付部材; 18.1…締付部材・切替カム面;
18.2…締付部材・ピン通し孔; 18.3…締付部材・外面歯切部;
18.4…締付部材・延在部; 18.5…締付部材・案内部;
19…回転モーメント・バネ; 20…連結ピン;
20.1…リング状凹部; 21…回転モーメント筒部材;
21.1…バネ受入リング; 22…ロッキング・リング;
22.1…棚状部分; 22.2…ピン案内部; 23…モード設定切替・筒部材;
23.1…内面歯切部; 23.2…留め部材; 23.3…留め位置;
23.4…外周面; 24…支持軸; 25…設定・切替歯車;
26…引き戻しバネ; 27…引き戻し部材; 27.1…引き戻し歯切部切部;
28…連れ動かしリング; 29…係止部材バネ; 30…締付部材バネ;
31…駆動伝達ブッシュ; 32…工具受入部; 33…キャッピングカバー;
34…支持部; 35…ベアリング; 36…ピン・ベアリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械ハウジング(1)、及び、動力源(2)でもって駆動可能な機械スピンドル(3)を有するドリリング機械と、
チャック駆幹体(4)を有し、チャック駆幹体(4)中には、連れ動かし具(5)と、ネジ切筒(6)との間に形成されたネジ接続でもって位置・姿勢をシフト可能な、締付あご(8)が案内されているドリルチャックと、
ドリリングスピンドル(9)及び駆動伝達用のピンまたはボルト(10)と、
設定・切替部材(16)とを備えるドリリング装置であって、
駆動伝達用のピンまたはボルト(10)は、動力源(2)により、動力源(2)の、機械スピンドル(3)の側にて、中心歯車(12)と、遊星歯車(13)を支持する遊星支持体(14)と、内歯歯車(15)とからなる遊星歯車伝動機構(11)を通じて駆動可能であるものにおいて、
係止部材(17)及び締付部材(18)が、駆動伝達用のピンまたはボルト(10)についての応力伝達連鎖とは並列に備えられ、これらは、機械ハウジング(1)に回転不能に接続されており、駆動伝達用のピンまたはボルト(10)に作用する回転モーメントを変化させるべく、設定・切替部材(16)の位置・姿勢のシフトにより、複数の作動モードの間で、軸方向に位置・姿勢をシフト可能であることを特徴とするドリリング装置。
【請求項2】
内歯歯車(15)には、少なくとも、係止部材(17)の係止張り出し部(17.1)のために、少なくとも係止張り出し部受入部(15.1)が備えられることを特徴とする請求項1にドリリング装置。
【請求項3】
ドリリングの作動モードにある際には、係止部材(17)が軸方向に位置・姿勢をシフトすることにより、内歯歯車(15)を機械ハウジング(1)に対して回転不能に固定すべく、少なくとも1つの係止張り出し部(17.1)が、少なくとも1つの係止張り出し部受入部(15.1)に差し込まれていることを特徴とする請求項2に記載のドリリング装置。
【請求項4】
ねじ込みの作動モードにある際、及び、締付または締付または締付解除の作動モードにある際には、係止部材(17)が軸方向に位置・姿勢をシフトすることにより、少なくとも1つの係止張り出し部(17.1)が、少なくとも1つの係止張り出し部受入部(15.1)から外れ出ていることを特徴とする請求項2に記載のドリリング装置。
【請求項5】
内歯歯車(15)には、機械スピンドル(3)とは逆の側に、先端側カム面(15.2)を有する先端面(15.3)が備えられ、少なくとも1つの連結用のピンまたはボルト(20)と組み合わさって作動することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドリリング装置。
【請求項6】
少なくとも1つの連結用のピンまたはボルト(20)は、回転モーメントバネ(19)によるバネ力を受けており、回転モーメントに依存して内歯歯車(15)が機械ハウジング(1)に回転不能に支持されるようにすべく、内歯歯車(15)の先端面(15.3)に押し付けられていることを特徴とする請求項5に記載のドリリング装置。
【請求項7】
回転モーメントバネ(19)の圧縮の程度について調整するための回転モーメント筒部材(21)が備えられることを特徴とする請求項6に記載のドリリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−111747(P2013−111747A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−263044(P2012−263044)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【出願人】(597007204)ロェーム ゲーエムベーハー (33)
【Fターム(参考)】