説明

ナノファイバーの合糸方法及び装置

【課題】電荷誘導紡糸法により製造したナノファイバーから成る高強度でかつ太さにばらつきのない均質な糸条を安定して生産性よく低コストにて製造する。
【解決手段】高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を紡糸ヘッド2に設けられた複数の小穴7から流出させるとともに帯電させ、静電爆発にて延伸させて複数本のナノファイバー20を生成し、生成されたナノファイバー20を、帯電したナノファイバー20に対して電位差を有するとともに軸芯部に貫通孔を有する収集電極3にて吸引しつつ旋回させて集束することで撚りをかけ、撚られたナノファイバー20を収集電極3の貫通孔を通して回収するようにし、かつ収集電極3の最大外径dを、紡糸ヘッド2と収集電極3の間の距離をLとして、L/10≧d≧L/100、好適にはd=L/50〜L/15とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子物質から成るナノファイバーを製造してこれを糸条にするナノファイバーの合糸方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高分子物質から成るサブミクロンスケールの直径を有するナノファイバーを製造する方法として、電荷誘導紡糸法(エレクトロスピニング法とも称される)が知られている。従来の電荷誘導紡糸法は、高電圧を印加した針状のノズルに高分子溶液を供給し、この針状のノズルから線状に流出する高分子溶液に電荷を帯電させることで、この電荷を帯電された線状の高分子溶液中の溶媒が蒸発するのに伴って帯電電荷間の距離が小さくなり、帯電電荷間に作用するクーロン力が大きくなり、そのクーロン力が線状の高分子溶液の表面張力より勝った時点で線状の高分子溶液が爆発的に延伸される現象が生じ、この静電爆発と称する現象が、一次、二次、場合によっては三次等と繰り返されることで、サブミクロンの直径の高分子から成るナノファイバーが製造されるものである。
【0003】
従来の電荷誘導紡糸法では、1本ノズルの先から1〜数本のナノファイバーしか製造されないので、生産性が上がらないという問題があった。そこで、ナノファイバーを多量に製造する方法として、複数のノズルを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、バレルに貯蔵された高分子溶液をポンプにて帯電された多数のニードル状のノズルに供給して吐出させることで多量のナノファイバーを作り出し、これをノズルと異なる極性に帯電されたコレクタにて回収し積層しながら搬送することで、ナノファイバーが3次元のネットワーク構造に積層した空隙率が非常に高い高多孔性の高分子ウエブを製造する技術が開示され、従来の実験的レベルから実用性レベルに高められている。
【0004】
また、従来、電荷誘導紡糸法によるナノファイバーがウエブとして製造され、人造皮革、フィルター、おむつ、生理用ナプキン、癒着紡糸剤、ワイピングクロス、人造血管、骨固定器具など多様に活用されているが、10MPa以上の力学物性を得るのが困難で広範囲な用途への利用に限界があること、このように製造されたナノファイバーのウエブを連続した糸条にして力学物性を高めようとすると、ウエブを一定長さに切断して短繊維を製造し、この短繊維から紡績糸を製造する別途の紡績工程を経なければならない問題があることを指摘した上で、電子紡糸法にて製造されたナノファイバーのウエブを用いて連続的に糸条を製造する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、列をなして帯電されたノズルからノズルと逆極性に帯電されたコレクタ内の水または有機溶媒の静的な表面上にナノファイバーを紡糸してウエブをなすように堆積させ、この堆積するウエブを、ノズルの列方向で見た一方の末端側より1cm以上離れた地点から一定の線速度で回転する回転ローラによって引き上げて連続した糸条とし、圧搾、延伸、乾燥および巻取りを行って連続した糸条を得ている。また、連続した糸条は撚糸することもできるとしている。
【特許文献1】特開2002−201559号公報
【特許文献2】特表2006−507428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、各ノズルから真下にナノファイバーを生成してコレクタ上のノズルに対応した位置へ静的に堆積させながら、その堆積域の広がりにより各ノズルから生成されたナノファイバー同士を絡み合わせて細帯状のウエブを形成し 、このウエブの一端からナノファイバー群を引出すことでウエブの他端側に連続しているナノファイバー群を順次引き出し、連続した糸条に集束させるものであり、そのため各ノズルから紡糸されたナノファイバーの堆積が静的でほぼ同等であるのに対し、引き出し作用が引き出し側に近い堆積域に集中しやすくなる関係から、引き出し側に近い堆積域と遠い堆積域とでナノファイバーの引出し量とに差が生じる恐れがあり、その場合引出し量の差が堆積量の差を来たし、堆積量に差を生じた状態で引き出されることで連続した糸条の太さや力学物性を適正に制御するのは困難で安定しないという問題がある。さらに、引出し作用が引き出し側から遠い側の堆積域にも均等に及ぶようにするのに引出し速度を抑える必要があり大量に製造するのも困難であるという問題がある。
【0006】
そこで、このような問題を解決するため、図7に示すようなナノファイバー合糸装置41が考えられた。図7において、ナノファイバー合糸装置41は、ナノファイバー生成手段42と、収集電極43と、芯糸供給手段44と、回収手段45を備えている。ナノファイバー生成手段42は、垂直な軸心周りに回転自在に支持され、周面に小穴47が多数形成されている円筒容器46と、円筒容器46内に高分子溶液を供給する高分子溶液供給手段(図示せず)と、円筒容器46に高電圧を印加する第1の高電圧発生手段48と、円筒容器46を矢印a方向に回転駆動する回転駆動手段(図示せず)と、円筒容器46の上部に配設された反射電極49と、反射電極49に円筒容器46と同極の高電圧を印加する第2の高電圧発生手段50とを備え、円筒容器46の小穴47から流出した高分子溶液を遠心力と静電爆発にて延伸させてナノファイバー51を生成し、生成されたナノファイバー51を反射電極49にて円筒容器46の下方に向けて旋回しつつ流動させるように構成されている。
【0007】
収集電極43は円板状で、円筒容器46の下方に間隔をあけて同軸状にかつ回転自在に配設され、その中心部に収束されたナノファイバー51が貫通する貫通孔52を有しており、第3の高電圧発生手段53にて円筒容器46や反射電極49とは逆極性の高電圧を印加するように構成され、かつ回転駆動手段(図示せず)にて収集電極43を矢印a方向とは逆の矢印b方向に回転駆動するように構成されている。芯糸供給手段44は、ナノファイバー生成手段42の上方に配設され、芯糸54を繰り出して円筒容器46の軸芯位置直上から下方に供給するように構成され、回収手段45は、収集電極43の下方に配設され、撚られて収束した糸条55を収集電極43の貫通孔52を貫通させて回収するように構成されている。
【0008】
以上の構成において、ナノファイバー生成手段42の円筒容器46内に高分子溶液を供給しつつ円筒容器46を高速で回転駆動すると、円筒容器46内の電荷を帯電された高分子溶液に遠心力が作用し、各小穴47から流出するとともに遠心力の作用で延伸されて細い高分子線状体が生成され、さらに一次〜三次等に至る静電爆発にて爆発的に延伸されてナノファイバー51が効率的に製造され、生成されたナノファイバー51は反射電極49にて円筒容器46の下方に向けて円筒容器46の軸芯回りに旋回しながら流動する。さらに、旋回しながら下方に向けて流動されたナノファイバー51は、下方に配設された収集電極43に向けて強く吸引され、かつその収集電極43がナノファイバー51の旋回流動方向とは逆方向に回転していることで、旋回流動しているナノファイバー51がより強く撚りをかけられて収束・合糸され、効率的に高強度の糸条55が形成される。形成された糸条55は、収集電極43の中心部の貫通孔52を通り、回収手段45にて回収される(特願2007−141907号参照。)。
【0009】
ところが、図7に示したような構成では、ナノファイバー生成手段42に対向させて大きな面積の平板状の収集電極43を配置しているので、図8に示すように、ナノファイバー生成手段42と収集電極43間に発生する電気力線56が収集電極43の全面に広がって形成され、この電気力線56に沿ってナノファイバー51が流動しようとすることで、ナノファイバー51が芯糸54に巻き付く位置が一定せず、そのため生成される糸条55 の太さが一定せず、糸条55の太さにばらつきが発生するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、電荷誘導紡糸法により製造したナノファイバーから成る高強度でかつ太さにばらつきのない均質な糸条を安定して生産性よく低コストにて製造することができるナノファイバーの合糸方法と装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のナノファイバーの合糸方法は、高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を紡糸ヘッドに設けられた複数の小穴から流出させるとともに帯電させ、静電爆発にて延伸させて複数本のナノファイバーを生成するナノファイバー生成工程と、生成されたナノファイバーを、帯電したナノファイバーに対して電位差を有するとともに軸芯部に貫通孔を有する収集電極にて吸引しつつ旋回させて集束することで撚りをかける撚り工程と、撚られたナノファイバーを収集電極の貫通孔を通して回収する回収工程とを有し、収集電極の最大外径dを、紡糸ヘッドと収集電極の間の距離をLとして、L/10≧d≧L/100、好適にはd=L/20〜L/80とするものである。
【0012】
なお、高分子溶液としては、各種の合成樹脂材料や核酸や蛋白質などの生体高分子などの高分子物質(本発明では、分子量が10000以上の一般的な高分子物質に限らず、分子量が1000〜10000の準高分子物質も含める)を溶媒に溶解したものが好適に適用される。また、上記高分子物質は単体物に限らず、各種高分子物質の混合物であっても良い。
【0013】
上記構成によれば、紡糸ヘッドの複数の小穴から高分子溶液が流出して電荷誘導紡糸法にて高分子物質から成る複数本のナノファイバーが生成されるとともに、生成された複数本のナノファイバーを旋回させつつ、収集電極にて吸引して集束することで、複数本のナノファイバーに撚りがかけられるので、均質で高強度の糸条が形成され、その糸条を収集電極の軸芯部の貫通孔を通してそのまま回収することで、ナノファイバーから成る高強度で均質な糸条を生産性よく低コストにて製造することができる。特に、収集電極の最大外径を、紡糸ヘッドと収集電極の間の距離Lの1/10以下としていることで、紡糸ヘッドから収集電極に向かう電気力線が収集電極の軸芯部の周囲に収束するように安定して形成され、それによって旋回して流動するすべてのナノファイバーがこの電気力線に沿って流動して収集電極に吸引され、収集電極の軸芯部に安定して集束されることで、ナノファイバーを均一に撚りをかけて太さにばらつきのない均質な糸条を安定して生産性よくすることができる。なお、収集電極の最大外径が距離Lの1/100未満まで小さくなると、形成される電気力線が不均等かつ不安定になる恐れがある。好適には、dをL/20〜L/80とすることで、上記作用がより効果的に安定して得られる。
【0014】
また、収集電極は、紡糸ヘッド側の端部に拡大頭部を有する軸体からなり、かつその拡大頭部の形状が、軸芯部に貫通孔を有する断面ハート形の回転体であると、収集電極の軸芯部の周囲に均等に安定した電気力線が形成されるので、上記作用がより確実にかつ安定して得られる。
【0015】
また、撚り工程が、収集電極に向けて流動するナノファイバーをその流動方向に沿う軸心回りに旋回させ、旋回して流動するナノファイバーを収束することで撚りをかけるものであると、旋回して流動してきたナノファイバーを収束されることで強い撚りをかけることができて、高強度の糸条を生産性よく製造することができる。このように生成されたナノファイバーを旋回させて流動させる方法としては、複数の小穴を有する回転容器の小穴から線状の高分子溶液を流出させて遠心力で延伸させるとともに静電爆発にて延伸させて ナノファイバーを生成し、かつ生成されたナノファイバーを気体流を送風する送風手段や反射電極等の流動手段にて回転容器の軸心方向一側方に向けて強制的に流動させる方法が、効率的に大量のナノファイバーを生成しながらそのナノファイバーを一方向に旋回して流動させることができるので好適である。また、複数の小穴から高分子溶液を流出させてナノファイバーを一方向に流動させて生成するとともに、その高分子溶液を流出させる複数の小穴をナノファイバーの流動方向に沿う軸心回りに回転させるようにしても良い。
【0016】
また、撚り工程を、収集電極をその軸芯回りに回転させることで撚りをかけるようにすることもできる。すなわち、生成されたナノファイバーが収集電極に吸引されている状態でその収集電極を回転させることで、ナノファイバーが収集電極に向けて流動しつつ旋回されて確実に撚りをかけることができるのである。さらに、上記生成されたナノファイバーを旋回させて流動させる方法と組み合わせ、収集電極を旋回流動してくるナノファイバーの旋回方向と逆方向に回転させることで、より強い撚りをかけることができる。
【0017】
また、少なくとも合糸初期に、ナノファイバーの旋回軸芯部及び収集電極の貫通孔を通して芯糸を供給し、この芯糸を回収工程でナノファイバーとともに回収するようにすると、芯糸にナノファイバーが絡むことで、特に合糸作用の不安定な合糸初期においても確実に合糸することができる。
【0018】
また、本発明のナノファイバーの合糸装置は、高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を複数の小穴から流出させる紡糸ヘッドと、紡糸ヘッドから流出する高分子溶液に電荷を帯電させる電界発生手段と、紡糸ヘッドから帯電して流出した高分子溶液が静電爆発にて延伸されて生成されたナノファイバーを、帯電したナノファイバーと電位差のある電圧が印加されて生成されたナノファイバーを吸引する軸芯部に貫通孔を有する収集電極と、収集電極に吸引されるナノファイバーを旋回させて撚りをかけて集束するナノファイバー旋回手段と、撚りをかけて集束されたナノファイバーを収集電極の貫通孔を通して回収する回収手段とを備え、収集電極の最大外径dを紡糸ヘッドと収集電極の間の距離をLとして、L/10≧d≧L/100としたものである。
【0019】
この構成によれば、紡糸ヘッドから帯電して流出した高分子溶液にてナノファイバーが生成され、そのナノファイバーが収集電極にて吸引されつつナノファイバー旋回手段にて旋回されることで撚りをかけて集束されて糸条が形成され、回収手段にて回収されるので、上記合糸方法を実施してナノファイバーから成る高強度でかつ太さにばらつきのない均質な糸条を安定して生産性よく低コストにて製造することができる。
【0020】
また、紡糸ヘッドとナノファイバー旋回手段を、周面に複数の小穴を有する円筒容器と、円筒容器内に高分子溶液を供給する高分子溶液供給手段と、回転容器をナノファイバーの流動方向に沿う軸心回りに回転させる回転駆動手段と、円筒容器の小穴から放射状に流出した高分子溶液及び生成されたナノファイバーを収集電極に向けて流動させる流動手段にて構成すると、効率的に大量のナノファイバーを生成するとともに旋回流動させることができるので、生産性良く高強度の糸条を製造することができて好適である。
【0021】
また、ナノファイバー旋回手段を、収集電極に向けて流動するナノファイバーの流動方向に沿う軸心回りに紡糸ヘッドを回転させる手段にて構成することもできる。
【0022】
また、ナノファイバー旋回手段を、収集電極をその軸芯回りに回転させる手段にて構成すると、生成されたナノファイバーが収集電極に吸引されている状態でその収集電極を回転させることで、ナノファイバーが収集電極に向けて流動しつつ旋回されて確実に撚りをかけることができる。また、上記ナノファイバー側の旋回流動を組み合わせて、収集電極の回転を旋回方向と逆方向とすることで、より強い撚りをかけることができる。
【0023】
また、旋回して集束するナノファイバーの旋回軸芯部を通して回収手段に芯糸を送給する芯糸供給手段を配設すると、上記のように少なくとも合糸初期に芯糸を旋回軸芯部を通して回収することにより、この芯糸にナノファイバーが絡んで確実且つ安定して合糸することができ、特に合糸作用の不安定な合糸初期に適用すると効果的である。
【発明の効果】
【0024】
本発明のナノファイバーの合糸方法と装置によれば、紡糸ヘッドから高分子溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて生成した複数本のナノファイバーを旋回させつつ小さな収集電極にて吸引することで、ナノファイバーが紡糸ヘッドと収集電極間の電気力線に沿って流動して確実に集束して撚りがかけられるので、均質で高強度の糸条が形成され、その糸条を収集電極の軸芯部の貫通孔を通してそのまま回収することで、ナノファイバーから成る高強度でかつ太さにばらつきのない均質な糸条を安定して生産性よく低コストにて製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明のナノファイバーの合糸方法と装置の各実施形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
まず、本発明のナノファイバー合糸装置の第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
【0027】
図1において、1はナノファイバー合糸装置であって、ナノファイバー20を生成する紡糸ヘッド2と、収集電極3と、芯糸供給手段4と、回収手段5とを備えている。
【0028】
紡糸ヘッド2は、図1及び図2に示すように、水平な軸心周りに回転自在に支持され、周面に直径が0.02〜2mm程度の小穴7が数mmピッチ間隔で多数形成されている円筒容器からなる回転容器 6を備え、この回転容器6を回転駆動手段8にて矢印a方向に回転駆動するように構成されている。回転駆動手段8としては、中空軸からなる出力軸を貫通して配設したDCモータが好適に適用される。回転容器6は、一端が閉鎖壁6aにて閉鎖され、その閉鎖壁6aの内面の軸芯部に、大径のテーパ嵌合孔9aと小径の貫通孔9bを有する支持ボス9が設けられている。回転駆動手段8の出力軸又はそれに同一軸芯状に連結された中空回転軸10の先端部に、支持ボス9のテーパ嵌合孔9aにテーパ嵌合する大径の取付部11が設けられている。かくして、中空回転軸10の先端部を覆うように回転容器6を配置し、取付部11にテーパ嵌合孔9aを嵌合させた状態で、取付ボルト12にて閉鎖壁6aと取付部11を締結固定することで中空回転軸10に回転容器6が取付けられる。
【0029】
回転容器6の他端内周には環状の堰13が設けられて、回転容器6を回転している状態で遠心力にて回転容器6内の外周部に所定厚さの高分子溶液15の層が形成されるように構成されている。この回転容器6内に、供給ポンプ16aと供給管16bから成る高分子溶液供給手段16にて、貯留容器14内に収容されている高分子溶液15が所定流量で供給され、かつ過剰に供給された高分子溶液15は堰13を越して流出し、溶液回収手段17にて回収されて貯留容器14に戻される。
【0030】
高分子溶液15は、高分子物質を溶媒に溶解したものであり、その高分子物質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフラテート、ポリフッ化ビニリ デン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ナイロン、アラミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等が好適なものとして例示でき、さらには核酸や蛋白質などの生体高分子なども例示でき、これらより選ばれる少なくとも一種が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0031】
また、使用できる溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、水等を例示でき、これらより選ばれる少なくとも一種が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0032】
回転駆動手段8の回転容器6とは反対側の背部には、生成されたナノファイバー20を収集電極3側に向けて強制的に流動させる流動手段としての送風手段18が配設され、回転容器6の外周部に向けて気体流21を送風するように構成されている。流動手段としては、この送風手段18に代えて、若しくは送風手段18と併用してナノファイバー20の帯電極性と同極性の高電圧を印加した反射電極を配設しても良い。
【0033】
送風手段18のさらに背部に芯糸供給手段4が配設されている。芯糸供給手段4は、芯糸19を繰り出し可能に巻回した芯糸供給ロール4aと、繰り出した芯糸19を回転容器6の軸芯位置に供給するようにガイドするガイドローラ4bとを備えている。この芯糸供給手段4による芯糸19の供給は、少なくとも合糸初期の一定期間であれば良い。この芯糸供給手段4から繰り出された芯糸19が、送風手段18の軸心位置に形成された貫通孔18a、回転駆動手段8の中空出力軸及び中空回転軸10の中空部、及び回転容器6の支持ボス9の貫通孔9bを通り、収集電極3の軸芯位置に向けて供給される。
【0034】
紡糸ヘッド2の回転容器6に対して距離Lだけ離れた位置に回転容器6の回転軸芯と同一軸芯状に収集電極3が配設されている。距離Lは、回転容器6の小穴7から線状に流出した高分子溶液15に一次〜三次等の静電爆発が生じてナノファイバー20を生成されるのに必要な所要の距離である。収集電極3は、図1及び図3に示すように、紡糸ヘッド2側の一端部に拡大頭部22aを有する軸体22にて構成され、かつその拡大頭部22aの形状は、軸芯部に貫通孔22bを有する断面ハート形の回転体である。なお、収集電極3は、その拡大頭部22aの外表面が導電性を有するものであれば良く、他の部分は必ずしも導電性を有する必要はない。貫通孔22bは、軸体22を貫通して形成されている。収集電極3は、その軸体22の他端部が軸受23にてその軸芯回りに回転自在に支持され、かつ他端が絶縁材料から成る中空軸継手24を介して回転駆動手段25に連結され、回転容器6の回転方向aとは逆の矢印b方向に回転駆動される。この回転駆動手段25も、中空軸からなる出力軸を貫通して配設したDCモータが好適に適用される。ナノファイバー 20が収集電極3にて収束されて合糸された糸条30は、収集電極3の貫通孔22b、中空軸継手24、及び回転駆動手段25の中空出力軸部を通して回収手段5に向けて移動して回収される。
【0035】
収集電極3は、図4に示すように、その拡大頭部22aの最大外径d及び軸芯方向の長さmを、回転容器6と収集電極3の間の距離をLとして、略L/20に設定されている。このd及びmは、L/20〜L/80に設定するのが好適であるが、L/10≧d≧L/100の範囲で設定することができる。
【0036】
回転容器6は少なくともその外周面あるいは小穴7の近傍が導電性を有するととともに接地されており、収集電極3の少なくとも拡大頭部22aは1kV〜100kV、好適には10kV〜100kVの正又は負(図示例では負)の高電圧を発生する高電圧発生手段26に接続され、回転容器6の外周と収集電極3の間に電界を発生させている。この回転容器6と収集電極3の間の電界によって発生する電気力線27は、図4に示すように、回転容器6の小穴7が配設されている外周面から出て収集電極3の拡大頭部22aの貫通孔22bの周囲の環状突出部に収束するように形成される。かくして、負の高電圧に帯電した収集電極3に対して回転容器6の外周面の小穴7近傍に帯電した正の電荷が、小穴7から流出する高分子溶液15に帯電され、帯電した高分子溶液15及び静電爆発が発生して生成されたナノファイバー20が収集電極3に向けて上記電気力線27に沿って収集電極3に向けて吸引される。
【0037】
以上の構成において、紡糸ヘッド2の回転容器6内に高分子溶液15を供給しつつ回転容器6を高速で回転駆動する。すると、回転容器6内の高分子溶液15が遠心力によって各小穴7から線状に流出するとともに電荷を帯電され、電荷を帯電した高分子線状体が遠心力の作用でさらに延伸されるとともに、高分子線状体中の溶媒が蒸発することで高分子線状体の径が細くなり、帯電されていた電荷が集中し、そのクーロン力が高分子溶液の表面張力を超えた時点で一次静電爆発が生じて爆発的に延伸され、その後さらに溶媒が蒸発して同様に二次静電爆発が生じて爆発的に延伸され、場合によってはさらに三次静電爆発等が生じて延伸されることで、サブミクロンの直径を有する高分子物質から成るナノファイバー20が効率的に製造される。
【0038】
生成されたナノファイバー20は、送風手段18にて送風される気体流21にて回転容器6の外周から収集電極3に向けて、かつ回転容器6の高速回転により回転容器6の軸芯回りに旋回しながら流動することになる。なお、気体流21を温風にすると、溶媒の蒸発を促進するので、ナノファイバー20の生成を促進できて好ましい。気体流21にて旋回しながら流動するナノファイバー20は、収集電極3にて強く吸引され、かつその収集電極3がナノファイバー20の旋回流動方向とは逆方向に回転していることで、旋回流動しているナノファイバー20がより強く撚りをかけられて収束・合糸される。
【0039】
ここで、収集電極3の拡大頭部22aの最大外径dが、紡糸ヘッド2の回転容器6と収集電極3の間の距離Lの1/10以下、具体的には略1/20としていることで、回転容器6から収集電極3に向かう電気力線27が収集電極3の軸芯部の周囲に収束するように安定して形成されるので、旋回して流動してきたすべてのナノファイバー20がこの電気力線27に沿って流動して収集電極3に吸引されて収集電極3の軸芯部に安定して集束され、かくしてすべてのナノファイバー20が均一に撚りをかけられて、太さにばらつきのない均質な糸条30が生成され、高強度の糸条30が安定して生産性よく形成される。形成された糸条30は、収集電極3の貫通孔22bを通り、回収手段5にて回収される。
【0040】
また、旋回流動する複数本のナノファイバー20を収束させ、撚りをかけて合糸する作用は、少なくとも合糸を開始するときから合糸初期の間は不安定となる場合がある。その ため、合糸を開始する前に、芯糸供給手段4から芯糸19を繰り出し、紡糸ヘッド2及び収集電極3の軸芯部を貫通させ、その先端を回収手段5に結合しておく。その状態で紡糸ヘッド2及び収集電極3を作動させると、複数本のナノファイバー20が生成されて旋回しながら収集電極3に向けて流動し、収集電極3に近づいて収束し始める。ここで、回収手段5を作動させることで、収束しつつ流動するナノファイバー20が芯糸19に絡み付いて一挙に収束され、芯糸19の回りに確実に合糸されて糸条30が形成され、回収手段5にて回収される。
【0041】
なお、回収手段5による糸条30の回収が安定すると、芯糸19を供給しなくても、先に収束されて合糸されつつあるナノファイバー20に後続するナノファイバー20が絡みついて合糸され、芯糸19の機能が合糸されつつあるナノファイバー20によって果たされるようになるため、芯糸供給手段4から芯糸19を供給することなく、合糸することができる。なお、中芯に芯糸19のある糸条を製造したい場合には、当然のことながら芯糸19を継続して供給すれば良い。
【0042】
なお、図1、図2の図示例では、周面に小穴7を形成した回転容器6を適用した例を示したが、回転容器6の周面に適当なピッチ間隔で多数の短寸のノズル部材を配設し、そのノズル部材に形成されているノズル穴を小穴7として機能させるようにした構成としても良い。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明のナノファイバー合糸装置の第2の実施形態について、図5、図6を参照して説明する。なお、この実施形態の説明においては、上記第1の実施形態の構成要素と同一の構成要素について同じ参照符号を付して説明を省略し、主として相違点についてのみ説明する。
【0044】
上記第1の実施形態では、紡糸ヘッド2として、周面に複数の小穴7を有する回転容器6を用い、回転容器6を高速回転させて遠心力で高分子溶液15を放射状に流出させ、送風手段18などの流動手段にて回転容器6の軸芯方向一側方の収集電極3に向けて流動させるようにした例を示したが、本実施形態では、図5に示すように、垂直軸芯周りに回転駆動可能で、その下側の端面31aに複数のノズル部材32又は小穴を配設した円筒状の回転容器31を適用している。ノズル部材32の配設状態は、図6に示すように、端面31aの外周部に周方向に適当ピツチ間隔で配設するのが好適であるが、端面31aの全面に適当ピツチ間隔で分散配置しても良い。この回転容器31の直下に所定距離をあけて同一軸芯状に収集電極3が配設されている。そして、回転容器31を接地し、収集電極3を高電圧発生手段26に接続している。
【0045】
本実施形態においても、収集電極3に高電圧を印加して回転容器31との間に電界を発生させ、回転容器31を矢印a方向に回転させるとともに収集電極3を矢印b方向に回転させ、回転容器31に高分子溶液15を送給することにより、高分子溶液15がノズル部材32から旋回しながら流出するとともに、静電爆発にて爆発的に延伸されてナノファイバー20が生成され、生成されたナノファイバー20は旋回して収集電極3に向けて流動するとともに、その際にすべてのナノファイバー20が回転容器31と収集電極3の間の発生している電気力線27に沿って流動して収集電極3の拡大頭部22aの貫通孔22bの周囲に吸引されるため、収集電極3の軸芯部に安定して集束され、かくしてすべてのナノファイバー20が均一に撚りをかけられて、太さにばらつきのない均質な糸条30が生成され、高強度の糸条30が安定して生産性よく形成される。
【0046】
以上の実施形態においては、紡糸ヘッド2の回転容器6、31を矢印a方向に回転させ、収集電極3をa方向とは逆の矢印b方向に回転させるようにした例を示したが、紡糸ヘッド2は回転せずに、収集電極3側のみを回転させても、逆に収集電極3は回転させずに紡糸ヘッド2側のみを回転させても良い。
【0047】
また、以上の実施形態においては、紡糸ヘッド2は接地し、収集電極3に高電圧を印加して紡糸ヘッド2と収集電極3間に電界を発生させるようにした例を示したが、紡糸ヘッド2に高電圧を印加して収集電極3を接地電位にしたり、紡糸ヘッド2と収集電極3に互いに逆極性の高電圧を印加するようにしても良く、要するに紡糸ヘッド2と収集電極3の間に高い電位差を印加してそれらの間に電界を発生するように構成すれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のナノファイバーの合糸方法と装置によれば、電荷誘導紡糸法にて生成した複数本のナノファイバーを旋回させつつ小さな収集電極にて吸引することで、ナノファイバーが紡糸ヘッドと収集電極間の電気力線に沿って流動して確実に集束して撚りがかけられて均質で高強度の糸条が形成されるので、その糸条を回収することでナノファイバーから成る高強度でかつ太さにばらつきのない均質な糸条を安定して生産性よく低コストにて製造することができるので、ナノファイバーから成る高強度の糸条の生産に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるナノファイバー合糸装置の全体概略構成を示す部分断面正面図。
【図2】同実施形態における紡糸ヘッドの構成を示す断面図。
【図3】同実施形態における収集電極を示し、(a)は断面図、(b)は外観斜視図。
【図4】同実施形態における紡糸ヘッドと収集電極間の電気力線の発生状態を示す説明図。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるナノファイバー合糸装置の全体概略構成を示す斜視図。
【図6】同実施形態における回転容器の下面図。
【図7】本発明に先行するナノファイバー合糸装置の全体概略構成を示す斜視図。
【図8】同ナノファイバー合糸装置における紡糸ヘッドと収集電極間の電気力線の発生状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0050】
1 ナノファイバー合糸装置
2 紡糸ヘッド
3 収集電極
4 芯糸供給手段
5 回収手段
6 回転容器
7 小穴
8 回転駆動手段
15 高分子溶液
16 高分子溶液供給手段
18 送風手段(流動手段)
19 芯糸
20 ナノファイバー
22 軸体
22a 拡大頭部
22b 貫通孔 25 回転駆動手段
26 高電圧発生手段(電界発生手段)
30 糸条
31 回転容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を紡糸ヘッドに設けられた複数の小穴から流出させるとともに帯電させ、静電爆発にて延伸させて複数本のナノファイバーを生成するナノファイバー生成工程と、生成されたナノファイバーを、帯電したナノファイバーに対して電位差を有するとともに軸芯部に貫通孔を有する収集電極にて吸引しつつ旋回させて集束することで撚りをかける撚り工程と、撚られたナノファイバーを収集電極の貫通孔を通して回収する回収工程とを有し、収集電極の最大外径dを、紡糸ヘッドと収集電極の間の距離をLとして、L/10≧d≧L/100とすることを特徴とするナノファイバーの合糸方法。
【請求項2】
収集電極は、紡糸ヘッド側の端部に拡大頭部を有する軸体からなり、かつその拡大頭部の形状が、軸芯部に貫通孔を有する断面ハート形の回転体であることを特徴とする請求項1記載のナノファイバーの合糸方法。
【請求項3】
撚り工程は、収集電極に向けて流動するナノファイバーをその流動方向に沿う軸心回りに旋回させ、旋回して流動するナノファイバーを収束することで撚りをかけることを特徴とする請求項1記載のナノファイバーの合糸方法。
【請求項4】
撚り工程は、収集電極をその軸芯回りに回転させることで撚りをかけることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のナノファイバーの合糸方法。
【請求項5】
少なくとも合糸初期に、ナノファイバーの旋回軸芯部及び収集電極の貫通孔を通して芯糸を供給し、この芯糸を回収工程でナノファイバーとともに回収することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のナノファイバーの合糸方法。
【請求項6】
高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を複数の小穴から流出させる紡糸ヘッドと、紡糸ヘッドから流出する高分子溶液に電荷を帯電させる電界発生手段と、紡糸ヘッドから帯電して流出した高分子溶液が静電爆発にて延伸されて生成されたナノファイバーを、帯電したナノファイバーと電位差のある電圧が印加されて生成されたナノファイバーを吸引する軸芯部に貫通孔を有する収集電極と、収集電極に吸引されるナノファイバーを旋回させて撚りをかけて集束するナノファイバー旋回手段と、撚りをかけて集束されたナノファイバーを収集電極の貫通孔を通して巻き取って回収する回収手段とを備え、収集電極の最大外径dを紡糸ヘッドと収集電極の間の距離をLとして、L/10≧d≧L/100としたことを特徴とするナノファイバーの合糸装置。
【請求項7】
紡糸ヘッドとナノファイバー旋回手段を、周面に複数の小穴を有する円筒容器と、円筒容器内に高分子溶液を供給する高分子溶液供給手段と、回転容器をナノファイバーの流動方向に沿う軸心回りに回転させる回転駆動手段と、円筒容器の小穴から放射状に流出した高分子溶液及び生成されたナノファイバーを収集電極に向けて流動させる流動手段にて構成したことを特徴とする請求項6記載のナノファイバーの合糸装置。
【請求項8】
ナノファイバー旋回手段を、収集電極に向けて流動するナノファイバーの流動方向に沿う軸心回りに紡糸ヘッドを回転させる手段にて構成したことを特徴とする請求項6記載のナノファイバーの合糸装置。
【請求項9】
ナノファイバー旋回手段を、収集電極をその軸芯回りに回転させる手段にて構成したことを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のナノファイバーの合糸装置。
【請求項10】
旋回して集束するナノファイバーの旋回軸芯部を通して回収手段に芯糸を送給する芯糸 供給手段を配設したことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のナノファイバーの合糸装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−68121(P2009−68121A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234762(P2007−234762)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「革新的部材産業創出プログラム/新産業創造高度部材基盤技術開発/先端機能発現型新構造繊維部材基盤技術の開発」にかかる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】