説明

ナノミストとマイナスイオン発生装置

【課題】駆動モータの支軸と支持部との隙間から侵入する水を阻止するナノミストとマイナスイオン発生装置を提供する。
【解決手段】駆動モータ3を処理室2下方に備えると共に、支軸4を処理室2底部から貯水面より上方に立設した支持部5を貫通させて設け、この支持部5と支軸4との間には支持部5と接するパッキン15と支軸4と接する金属製の軸スペーサ16とを備えると共に、該軸スペーサ16と接する支軸4全周には下方に向かって徐々に細くなる三角形状の切り欠き17を設け、この切り欠き17と軸スペーサ16とで形成される貯留室18内に潤滑油19を貯留させたので、常に支軸4と軸スペーサ16との間には潤滑油19が流れていて、隙間が出来ることがなく、水滴の漏れによる駆動モータ3のショートや破損は長期に渡って阻止出来、安心して使用出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水の破砕によって発生する自然界で発生するものと同様なナノミストとマイナスイオンを室内に供給して空気を清浄にするナノミストとマイナスイオン発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、駆動モータに送風ファンと回転体とを回転自在に取り付けて、回転させることによりナノミスト状の霧を発生させて室内を良好に加湿しようとするものであり、又駆動モータはコンパクト化や器具の重心の問題から、水を貯水する処理室の底部に備えられるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3757889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、処理室底部に備えられた駆動モータの支軸が、該処理室を貫通してその先端に送風ファンや回転体、多孔体を備えているので、回転体や多孔体の回転により、処理室内から吸い上げられ飛散する水滴が、支軸と処理室底部から立設した支持部との隙間から侵入し、駆動モータに達して該駆動モータをショートさせてしまうと言う課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を、駆動モータの支軸に取り付けられ吸引口から吸引した空気を放出口から放出させる送風ファンと、前記送風ファンと同軸に取り付けられ回転することで、処理室に貯水された水を汲み上げ飛散させる回転体と、前記回転体と共に回転し該回転体から飛散した水がぶつかって破砕することで、ナノミストとマイナスイオンを発生させる多孔体とを備え、この発生したナノミストとマイナスイオンを前記送風ファンの送風で放出口から室内に放出するようにしたものに於いて、前記駆動モータを処理室下方に備えると共に、支軸を処理室底部から貯水面より上方に立設した支持部を貫通させて設け、この支持部と支軸との間には支持部と接するパッキンと支軸と接する金属製の軸スペーサとを備えると共に、該軸スペーサと接する支軸全周には下方に向かって徐々に細くなる三角形状の切り欠きを設け、この切り欠きと軸スペーサとで形成される貯留室内に潤滑油を貯留させたものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、貯留室内の潤滑油が支軸自身の周速度の違いによる吸引力で、三角形状の切り欠きの頂部に引き寄せられ、そして引き寄せられた潤滑油は軸スペーサにぶつけられ、勢いをなくして落下するが、再び三角形の昇り傾斜に沿って引き寄せられ、支軸の駆動時は順次この循環を繰り返すことで、常に支軸と軸スペーサとの間には潤滑油が流れていて、隙間が出来ることがなく、駆動モータのショートや破損は長期に渡って阻止出来、安心して使用出来るものである。
【0007】
更に水分子付加マイナスイオン分子群が直接肌等に作用し、又肺から吸引されたマイナスイオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止しアルカリ性の血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みや懲りを緩和することができるものと考えられ、又マイナスイオンには、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、更にナノミストによって、空気中の隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、勿論加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施形態を示すナノミストとマイナスイオン発生装置の概略構成図。
【図2】同要部説明図。
【図3】同電気回路図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次にこの発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1はナノミストとマイナスイオン発生装置で、内方中央部には凹状の処理室2が形成され、この処理室2にはカートリッジ式の給水タンク(図示せず)からの給水が供給され、落差方式で所定水位で水を貯水するものである。
【0010】
3は前記処理室2の下方に備えられた駆動モータで、支軸4を処理室2底部から貯水面上方まで立設した支持部5を水密に貫通させ、この支軸4の上端には細い縦羽根を複数並設し円状としたシロッコファンから成る送風ファン6が設けられ、回転することによって、器具背面上部の吸引口7から室内空気を吸引し、処理室2内に上部から垂下して送風ファン6を覆った空気案内筒8内に流入して、送風ファン6に吸引された後に、空気案内筒8下端と水面との隙間から該空気案内筒8と処理室2との流通隙間9を上昇し、器具前面上部の放出口10から室内に放出する送風経路11を形成しているものである。
【0011】
12は前記送風ファン6と同軸に取り付けられ回転することで、処理室2に貯水された水を汲み上げ、上端の複数の飛散穴13から外方に飛散させる下端に向かって徐々に小径となる擂り鉢状の回転体で、この回転体12の上部外周には飛散した水がぶつかって破砕することで、ナノミストとマイナスイオンを発生させるスリット、パンチングメタル、金網等から成る多孔体14が、飛散穴13と対向する位置に垂下して備えられている。
【0012】
前記駆動モータ3の支軸4と支持部5との間には、支持部5と接する断面略S字状のゴム製のパッキン15と、該パッキン15と支軸4との間に挿入された断面逆L字状で金属からなる軸スペーサ16とを備え、更にこの軸スペーサ16と対向する支軸4全周には、下方に向かって徐々に細くなる三角形状の切り欠き17を設け、この切り欠き17と軸スペーサ16とで形成される貯留室18内には潤滑油19を貯留するものである。
【0013】
20は駆動モータ3の下に備えた保管タンクで、電動開閉弁21を途中に設けた連絡パイプ22を介して処理室2と連通し、運転停止時の自動清掃運転時には、制御回路23からの信号で電動開閉弁21を開成して、処理室2内の貯水を保管タンク20へ移して該処理室2を空の状態にするものである。
【0014】
前記制御回路23は、運転停止スイッチ24からの信号で、駆動モータ3の駆動を停止させて運転停止するが、これと同時に制御回路23内のタイマ手段25が駆動開始して自動的に清掃運転に入るもので、所定時間ここでは5分間のカウントを行うが、この間に前記したように処理室2内を空の状態として、駆動モータ3を再駆動させ送風ファン6及び回転体12及び多孔体14を回転させて付着している水を切るものであり、又これと同時に吸引口7近傍に備えられた気化用ヒータ26にもタイマ手段25を介して通電され、回転している送風ファン6の給気で温風となって、送風ファン6及び多孔体14、回転体12、処理室2と順に送風されることで、これらの湿気をなくして乾燥させて、カビや雑菌の発生を阻止して常に清潔な状態から運転開始出来るように自動的な清掃運転を行うようにしたものである。
【0015】
次にこの一実施形態の作動について説明する。
今運転が開始されれば、制御回路23を介して駆動モータ3が駆動開始し、これにより支軸4を介して送風ファン6が回転して吸引口7から室内空気が吸引され、又これと同時に同軸の回転体12も回転して、処理室2に貯水されている水を回転による遠心力で汲み上げ、飛散穴13から外周に飛散させることで多孔体14にぶつかり、そして多孔体14の全周壁に形成した多数のスリットや金網やパンチングメタル等を、通過させたり、ぶつけて破砕させることで、水の粒子を微細化してナノメートル(nm)サイズの微細水滴を生成すると共に、この水の粒子の微細化によるレナード効果でマイナスイオンを発生させるものである。
【0016】
そしてここに前記した送風ファン6で給気された室内空気が送風され、ナノミストを含んで空気案内筒8下端と水面との隙間から該空気案内筒8と処理室2との流通隙間9を上昇する段階で、大粒の水滴は水中に落下してナノサイズのミストのみが流通隙間8を上昇し、又送風中のマイナスイオンも同時に放出口10から室内に放出されるものである。
【0017】
そしてこれにより、水分子付加マイナスイオン分子群が直接肌等に作用し、又肺から吸引されたマイナスイオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止しアルカリ性の血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みや懲りを緩和することができるものと考えられ、又マイナスイオンには、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、更にナノミストによって、空気中の隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、勿論加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものである。
【0018】
一方駆動モータ3の駆動により支軸4を介して回転する送風ファン6や回転体12や多孔体14により、飛散する水滴が支軸4や支持部5にも付着し、ここを伝って駆動モータ3に侵入及び滴下しようとするが、ここでは貯留室18内の潤滑油19が支軸4自身の半径差からくる周速度の違いによる吸引力で、三角形状の切り欠き17の頂部に引き寄せられ、そして引き寄せられた潤滑油19は軸スペーサ16にぶつけられ、勢いをなくして落下するが、再び三角形の昇り傾斜に沿って引き寄せられ、支軸4の駆動時は順次この循環を繰り返すことで、常に支軸4と軸スペーサ16との間には潤滑油19が流れていて、隙間が出来ることがなく、水滴の漏れによる駆動モータ3のショートや破損は長期に渡って阻止出来、安心して使用出来るものである。
【0019】
更に回転駆動する支軸4と、それを支持する軸スペーサ16との間には、前記したように引き寄せられたり落下する潤滑油19が位置し、支軸4の駆動は滑らかでスムーズに行われるものであり、又この潤滑油19は周速度の相違により自然循環しているので、摩擦による温度上昇の心配がなく、潤滑油本来の潤滑が常に得られるものである。
【符号の説明】
【0020】
1 ナノミストとマイナスイオン発生装置
2 処理室
3 駆動モータ
4 支軸
5 支持部
6 送風ファン
7 吸引口
15 パッキン
16 軸スペーサ
17 切り欠き
18 貯留室
19 潤滑油

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モータの支軸に取り付けられ吸引口から吸引した空気を放出口から放出させる送風ファンと、前記送風ファンと同軸に取り付けられ回転することで、処理室に貯水された水を汲み上げ飛散させる回転体と、前記回転体と共に回転し該回転体から飛散した水がぶつかって破砕することで、ナノミストとマイナスイオンを発生させる多孔体とを備え、この発生したナノミストとマイナスイオンを前記送風ファンの送風で放出口から室内に放出するようにしたものに於いて、前記駆動モータを処理室下方に備えると共に、支軸を処理室底部から貯水面より上方に立設した支持部を貫通させて設け、この支持部と支軸との間には支持部と接するパッキンと支軸と接する金属製の軸スペーサとを備えると共に、該軸スペーサと接する支軸全周には下方に向かって徐々に細くなる三角形状の切り欠きを設け、この切り欠きと軸スペーサとで形成される貯留室内に潤滑油を貯留させた事を特徴とするナノミストとマイナスイオン発生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−88003(P2012−88003A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236327(P2010−236327)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)