ネイルプリント装置及び印刷制御方法
【課題】ユーザの手を煩わせることなく、自動的に、ユーザが選択したデザイン画像のイメージにできるだけ近似したデザインをユーザの爪領域に印刷することのできるネイルプリント装置及び印刷制御方法を提供する。
【解決手段】デザイン画像を構成している複数のデザインパーツdp毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータを対応付けてデザインデータ保持部511に記憶させておき、ユーザが選択したデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpのサイズデータ及び位置データと、ユーザの爪領域Taの面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とに応じて、パーツレイアウト算出部54が各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出し、この印刷サイズ及び印刷位置と該各デザインパーツのイメージデータとに基づいて爪領域Taに印刷を施すための印刷用データを生成して、印刷部40により爪領域Taに印刷を施す。
【解決手段】デザイン画像を構成している複数のデザインパーツdp毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータを対応付けてデザインデータ保持部511に記憶させておき、ユーザが選択したデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpのサイズデータ及び位置データと、ユーザの爪領域Taの面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とに応じて、パーツレイアウト算出部54が各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出し、この印刷サイズ及び印刷位置と該各デザインパーツのイメージデータとに基づいて爪領域Taに印刷を施すための印刷用データを生成して、印刷部40により爪領域Taに印刷を施す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネイルプリント装置及び印刷制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネイルプリント装置は、印刷しようとする爪の指を、装置本体に設けた指載置台上に位置決めし、この位置決めされた指の爪に色や絵柄等のデザイン画像を印刷するプリント装置であり、こうしたネイルプリント装置では、ユーザが自分の爪に印刷したいデザイン画像を選択し、選択されたデザイン画像が指の爪部の領域(以下「爪領域」という。)に印刷される。
【0003】
そして、従来は、デザイン画像は一つの画像データとしてネイルプリント装置内等の記憶部に保持されており、この画像データ全体の縮尺をユーザの爪領域のサイズや形状等に応じて調整して印刷する手法がとられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デザイン画像の画像データ全体の縮尺を変えるだけでは、デザイン画像に含まれている個々の絵柄が歪んでしまったり、絵柄部分と爪領域の境界線との間の間隔が不自然に開き過ぎたり詰まり過ぎたりすることがある。
この場合、たとえ爪領域内にデザイン画像が収まったとしても、実際に爪領域に印刷される画像がユーザによって選択されたデザイン画像のイメージと異なってしまい、ユーザの所望するイメージ通りのデザインを適切に印刷することができないという問題がある。
【0006】
この点、例えば、デザイン画像に含まれる個々の絵柄についてユーザが微調整することができれば、このようなイメージのずれを防ぐことができる。しかし、このような微調整を行うには時間と手間を要し、ユーザにとって煩わしいという問題もある。
【0007】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの手を煩わせることなく、自動的に、ユーザが選択したデザイン画像のイメージにできるだけ近似したデザインをユーザの爪領域に印刷することのできるネイルプリント装置及び印刷制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のネイルプリント装置は、
デザイン画像を構成している複数のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられて複数組記憶されている記憶手段と、
指を撮影して指爪画像を得る撮影手段と、
この撮影手段によって取得された前記指爪画像から爪領域を抽出し、この爪領域の面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とを検出する爪領域情報検出手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記複数のデザイン画像の中から一つのデザイン画像を選択するデザイン選択手段と、
前記デザイン選択手段により選択された一つのデザイン画像を前記記憶手段から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている前記各デザインパーツのサイズデータ及び位置データと、前記爪領域情報検出手段により検出された前記爪領域の面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出手段と、
前記パーツレイアウト算出手段により算出された各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置と、前記記憶手段から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツのイメージデータとに基づいて前記爪領域に印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データ生成手段により生成された前記印刷用データに従って前記爪領域に印刷を施す印刷手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のネイルプリント装置において、
前記各デザインパーツのサイズデータは、前記デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツの面積と前記基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により前記各デザインパーツのサイズを特定するものであり、
前記各デザインパーツの位置データは、前記基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツの位置を特定するものであって、
前記パーツレイアウト算出手段は、前記基準爪モデルの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法を前記爪領域情報検出手段により検出された前記爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するものであることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に記載の印刷制御方法は、
指を撮影して指爪画像を得る撮影ステップと、
この撮影ステップにおいて取得された前記指爪画像から爪領域を抽出し、この爪領域の面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とを検出する爪領域情報検出ステップと、
デザイン画像を構成している複数のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられて複数組記憶されている記憶手段の中から一つのデザイン画像が選択されると、この選択された一つのデザイン画像を前記記憶手段から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている前記各デザインパーツのサイズ及び位置と、前記爪領域情報検出ステップにおいて検出された前記爪領域の面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出ステップと、
前記パーツレイアウト算出ステップにおいて算出された各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置と、前記記憶手段から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツのイメージデータとに基づいて前記爪領域に印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データ生成ステップにおいて生成された前記印刷用データに従って前記爪領域に印刷を施す印刷ステップと、
を含んでいることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の印刷制御方法において、
前記各デザインパーツのサイズデータは、前記デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツの面積と前記基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により前記各デザインパーツのサイズを特定するものであり、
前記各デザインパーツの位置データは、前記基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツの位置を特定するものであって、
前記パーツレイアウト算出ステップは、前記基準爪モデルの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法を前記爪領域情報検出ステップにおいて検出された前記爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するものであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び請求項3に記載の発明によれば、爪領域Taに印刷する複数のデザインパーツから構成されているデザイン画像のデータが、個々のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられた形で記憶されており、ユーザの爪領域の爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に応じて、デザイン画像の大きさや形状を調整する際に、各デザインパーツ毎にその印刷サイズ、印刷位置を算出することができる。このため、デザイン画像全体を一つのデータとして保持してデザイン画像全体の縮尺率を変えて印刷用データを生成する場合と異なり、各デザインパーツの形状が崩れたり、各デザインパーツ間の位置関係、各デザインパーツと爪領域の端部との位置関係が変わるのを防ぐことができ、ユーザが選択したデザイン画像をそのイメージに近い形でユーザの爪領域に印刷することができるとの効果を奏する。
また、請求項2及び請求項4に記載の発明によれば、各デザインパーツのサイズデータを基準爪モデルの面積との相対的な面積比率とし、各デザインパーツの位置データについても基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係を示す値としている。このため、基準爪モデルの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法を爪領域情報検出手段により検出されたユーザの爪領域の面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えることにより、当該ユーザの爪領域に応じた印刷サイズ、印刷位置を容易に算出することができ、様々な大きさや形状の爪領域に簡易に対応することができるとの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るネイルプリント装置の一実施形態を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。
【図2】図1のネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。
【図3】図1のネイルプリント装置の印刷指固定手段を示した断面図で、印刷指として人差し指から小指を印刷指挿入部に挿入した際の固定態様を示している。
【図4】図1のネイルプリント装置の正面側の断面図である。
【図5】図1のネイルプリント装置の側断面図である。
【図6】デザイン選択画面の一例を示す図である。
【図7】デザイン確認用画面の一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
【図9】基準爪モデル上にデザイン画像eを配置した図である。
【図10】デザイン画像eのデータ構成例を示す図である。
【図11】デザイン画像eのNo.1のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図12】デザイン画像eのNo.3のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図13】基準爪モデル上にデザイン画像bを配置した図である。
【図14】デザイン画像bのデータ構成例を示す図である。
【図15】本実施形態における印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図16】爪領域の一例を示す図である。
【図17】図16の爪領域の爪領域情報のデータ構成例を示す図である。
【図18】細長い形状の爪領域上にデザイン画像eを配置した図である。
【図19】図18におけるデザイン画像eのNo.1のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図20】図18におけるデザイン画像eのNo.3のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図21】幅広い形状の爪領域上にデザイン画像eを配置した図である。
【図22】図21におけるデザイン画像eのNo.1のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図23】図21におけるデザイン画像eのNo.3のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から図23を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図であり、図2は、ネイルプリント装置の内部構成を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2及び蓋体4を備えている。このケース本体2及び蓋体4は、ケース本体2の上面後端部に設けたヒンジ3を介して、互いに連結されている。
【0016】
上記ケース本体2は平面視で長円状に形成されている。このケース本体2には前側には開閉板2cが起倒可能に設けられている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面下端部に設けたヒンジ(図示せず)を介して、ケース本体2に連結されている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面を開閉するためのものである。
また、ケース本体2の天板2fには後述する操作盤12が設置されており、天板2fのほぼ中央部には表示部13が設定されている。
なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
【0017】
また、ケース本体2にはネイルプリント装置1の装置本体10が収容されている。この装置本体10は、図2に示す印刷指固定手段を構成している印刷指固定部20、撮影手段を構成している撮影部30、印刷手段を構成している印刷部40及び制御手段を構成している制御装置50(図8参照)を備えている。これら印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50は機枠11に設けられている。
なお、機枠11は下部機枠11a及び上部機枠11bによって構成されている。そして、下部機枠11aは箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置され、上部機枠11bは下部機枠11aの上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている。
【0018】
印刷指固定部20は、機枠11の中の下部機枠11aに設けられている。この下部機枠11aに設けられた印刷指挿入部20a、非印刷指挿入部20b及び掴み部20cによって印刷指固定部20が構成されている。
ここで、印刷指挿入部20aは、印刷しようとする爪Tに対応する指(以下「印刷指」という。)U1を挿入するめための指挿入部である(図3参照)。印刷指挿入部20aの底面(印刷指載置面)は、印刷指U1を載置する指載置手段として機能する。印刷指U1の撮影や印刷は、印刷指U1がこの指載置手段としての印刷指挿入部20aの印刷指載置面に載置された状態で行われる。
また、非印刷指挿入部20bは、印刷指以外の指(以下「非印刷指」という。)U2を挿入するための指挿入部である(図3参照)。
また、掴み部20cは、印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで挟持することが可能な部分である。本実施形態において、この掴み部20cは印刷指挿入部20aと非印刷指挿入部20bとを仕切る隔壁21によって構成されている。
【0019】
この隔壁21の上面は平坦な印刷指載置面を構成している。この隔壁21の指挿入側端部には膨出部22が形成されている。この膨出部22は、印刷指挿入部20a及び非印刷指挿入部20bに印刷指U1及び非印刷指U2を深く挿入した際に、印刷指U1及び非印刷指U2の付け根U3が当接する部分に形成されている。膨出部22は、印刷指U1の腹全体が印刷指載置面に当接した状態で、印刷指U1と非印刷指U2とで隔壁21(掴み部20c)を強く挟持することができるように、指挿入方向の断面が、隔壁21の下面から下方に向けて膨出するように円形となっている。なお、膨出部22の形状は、断面円形に限定されることなく、断面楕円形,多角形等の非円形であってもよい。
【0020】
例えば、左手の親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)が印刷指U1となる場合には、図3に示すように、ユーザは印刷指挿入部20aに4本の印刷指U1を挿入し、非印刷指挿入部20bに非印刷指U2である親指を挿入する。この場合、ユーザが印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで掴み部20cを挟持することにより、印刷指U1が掴み部20cの上で固定される。
また、親指のみが印刷指U1となる場合には、親指(印刷指U1)を印刷指挿入部20aに挿入さし、親指以外の4本の指(非印刷指U2)を非印刷指挿入部20bに挿入する。この場合にも、ユーザが印刷指U1と非印刷指U2とで掴み部20cを挟持することで印刷指U1が固定される。
【0021】
また、図4は、本実施形態に係るネイルプリント装置1の正面側の断面図であり、図5は、ネイルプリント装置1の側断面図である。
図4及び図5に示すように、撮影部30は、機枠11の中の上部機枠11bに設けられている。
すなわち、上部機枠11bに設置された基板31の中央部下面には、ドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有するカメラ32が設置されている。また、基板31には、カメラ32を囲むように白色LED等の照明灯33が設置されている。撮影部30は、このカメラ32及び照明灯33を備えて構成されている。
この撮影部30は、指載置手段である印刷指挿入部20aに載置された印刷指U1を照明灯33によって照明し、カメラ32によってその印刷指U1を撮影して、指爪画像を得る撮影手段であり、この撮影部30は、後述する制御装置50の本体制御部52に接続され、該本体制御部52によって制御されるようになっている。
【0022】
また、印刷部40は、爪領域Taの座標値に基づく印刷用データに従って印刷対象領域である爪領域Ta(図7等参照)に色や模様等の印刷を施す印刷手段であり、主に上部機枠11bに設けられている。
すなわち、図4及び図5に示すように、上部機枠11bの両側板には、2本のガイドロッド41が平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、図5に示すように、主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、被印字媒体に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。
【0023】
主キャリッジ42は動力伝達手段(図示せず)を介してモータ43に連結され、モータ43の正逆回転によって、ガイドロッド41に沿って左右方向に移動ように構成されている。また、副キャリッジ45は動力伝達手段(図示せず)を介してモータ47に連結され、モータ47の正逆回転によって、ガイドロッド44に沿って前後方向に移動するように構成されている。
また、下部機枠11aには、印刷ヘッド46にインクを供給するためのインクカートリッジ48が設けられている。インクカートリッジ48は、図示しないインク供給管を介して印刷ヘッド46と接続されており、適宜印刷ヘッド46にインクを供給するようになっている。なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成としてもよい。
【0024】
印刷部40は、これらガイドロッド41、主キャリッジ42、モータ43、ガイドロッド44、副キャリッジ45、印刷ヘッド46、モータ47及びインクカートリッジ48等を備えて構成されている。この印刷部40のモータ43、印刷ヘッド46、モータ47は、後述する制御装置50の本体制御部52に接続され、該本体制御部52によって制御されるようになっている。
【0025】
操作盤12は、ユーザが各種入力を行うための入力手段である。
操作盤12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、その他各種の入力を行うための操作釦121が配置されている。
本実施形態では、操作釦121の内の一つは、後述する記憶部51のデザインデータ保持部511に記憶されている複数のデザイン画像の中から一つのデザイン画像を選択するデザイン選択手段として機能する。すなわち、表示部13には、図6に示すようにデザイン選択画面131が表示されるようになっており、ユーザは、所望のデザイン画像に対応するアルファベットを操作釦121によって選択することにより、印刷されるデザイン画像が選択される。
【0026】
表示部13は、例えば液晶パネル(液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display))等で構成された表示手段である。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、図示しないスタイラスペンや指先等によるタッチ操作により、表示部13の表面をタッチすることによっても各種の入力を行うことができるように構成される。
【0027】
表示部13には、例えば、印刷指U1を撮影した指爪画像やその中の爪領域Ta、印刷指U1の爪領域Taに印刷すべきネイル画像パターン、デザイン確認用のサムネイル画像等が表示されるようになっている。
また、表示部13には、前述のように、図6に示すデザイン選択画面131が表示されるようになっている。本実施形態では、デザイン画像としてデザイン画像aからデザイン画像eの5種類が選択可能となっており、デザイン選択画面131には、例えば、aからeのデザイン画像が並べて表示される。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されている場合には、ユーザが所望のデザイン画像をタッチするだけで、そのデザイン画像が印刷されるデザイン画像として選択されるようにしてもよい。
【0028】
また、表示部13には、図7に示すようなデザイン確認用画面132が表示される。デザイン確認用画面132は、ユーザの指爪画像の爪領域Taにユーザが選択したデザイン画像を重畳したものである。このデザイン確認用画面132において表示されるデザイン画像は、後述する制御装置50において、ユーザの爪領域Taに合うように、その全体のサイズや各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置が調整されたものであり、ユーザはこのデザイン確認用画面132により、最終的な印刷イメージを確認することができる。ユーザはこのデザイン確認用画面132によって爪領域Taに施される印刷の最終的なデザインを確認して、そのまま印刷を開始してよければ、印刷の開始(実行)を指示する操作釦121を操作する。また、デザイン画像を変更した場合には、変更を指示する操作釦121を操作することにより、デザイン選択画面131(図6参照)に戻ることができる。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されている場合には、ユーザがデザイン確認用画面132をタッチしたり、当該画面上にOK釦等の操作釦121を表示させて、これをタッチするだけで、そのデザイン画像を印刷する処理が開始されるようにしてもよい。
【0029】
また、制御装置50は、例えば上部機枠11bに配置された基板31等に設置されている。図8は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
【0030】
制御装置50は、図示しないCPU(Central Processing Unit)の他、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等(全て図示せず)で構成される記憶部51を備えるコンピュータである。
【0031】
記憶部51には、爪領域を抽出するための爪領域抽出プログラム、デザインパーツの印刷サイズや印刷位置を算出するためのパーツレイアウト算出プログラム、印刷用のデータを生成するための印刷用データ生成プログラム、印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、制御装置50はこれらのプログラムを実行してネイルプリント装置1の各部を制御するようになっている。
【0032】
また、本実施形態において記憶部51には、デザイン画像に関するデータを記憶するデザインデータ保持部511が設けられている。
デザインデータ保持部511は、複数のデザインパーツdpから構成され、個々のデザインパーツdp毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられているデザイン画像を複数組記憶している記憶手段である。
【0033】
図9は図6におけるデザイン画像eの構成例を示した説明図であり、図10は、図9に示すデザイン画像eに関するデータの構成例を示す表である。
デザイン画像eはNo.1からNo.4の4つのデザインパーツdpから構成されており、図10に示すように、各デザインパーツdp毎にそのサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられてデザインデータ保持部511に記憶されている。
【0034】
各デザインパーツdpのサイズデータは、当該デザイン画像を理想形状の爪領域(基準爪モデル)上に配置した場合における各デザインパーツdpの面積と基準爪モデルの面積との相対的な面積比率であり、基準爪モデルの面積を100%としたときの各デザインパーツdpの面積比率により各デザインパーツのサイズを特定するものである。例えば、基準爪モデルの面積を100%としたときにNo.1のデザインパーツdpのサイズは20%であり、No.2のデザインパーツdpのサイズは28%である。
【0035】
各デザインパーツdpの位置データは、基準爪モデルの横方向(x軸方向)の長さ及び縦方向(y軸方向)の長さを基準としたときの相対的な位置関係により各デザインパーツdpの位置を特定するものである。
図11及び図12に示すように、本実施形態において、各デザインパーツdpの横方向(x軸方向)の位置は、基準爪モデルの上下左右を枠で囲い、デザインパーツdpをその左端が基準爪モデルの枠の左端に重なるように基準爪モデル上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を0%とし、デザインパーツdpをその右端が基準爪モデルの枠の右端に重なるように基準爪モデル上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を100%としたときの相対的な位置である。
また、各デザインパーツdpの縦方向(y軸方向)の位置は、同様に、デザインパーツdpをその上端が基準爪モデルの枠の上端に重なるように基準爪モデル上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を0%とし、デザインパーツdpをその下端が基準爪モデルの枠の下端に重なるように基準爪モデル上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を100%としたときの相対的な位置である。
【0036】
なお、横方向(x軸方向)の位置及び縦方向(y軸方向)の位置における0%となる位置及び100%となる位置は、各デザインパーツdpのサイズによって変更される。
すなわち、図11及び図12に示すように、デザインパーツdpのサイズによって、デザインパーツdpの中心から端部までの距離が異なり、サイズの小さなデザインパーツdp(例えば図9及び図10におけるNo.1とNo.4のデザインパーツdp)の場合には、デザインパーツdpの中心から端部までの距離が短くなり、0%となる位置及び100%となる位置は、基準爪モデルの枠の端部に近い位置となる(図11参照)。他方、サイズの大きなデザインパーツdp(例えば図9及び図10におけるNo.2とNo.3のデザインパーツdp)の場合には、サイズの小さなデザインパーツdpよりもデザインパーツdpの中心から端部までの距離が長くなり、0%となる位置及び100%となる位置は、基準爪モデルの枠の端部から離れた位置となる(図12参照)。
【0037】
なお、図9では、No.1のデザインパーツdpについての横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の0%から100%の範囲における相対的な位置を一点鎖線で示し、No.3のデザインパーツdpについての横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の0%から100%の範囲における相対的な位置を二点鎖線で示している。
図9及び図10に示すように、本実施形態におけるデザイン画像eを構成するデザインパーツdpのうち、No.1のデザインパーツdpは、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が50%であり、縦方向(y軸方向)が15%の位置に配置される。また、No.3のデザインパーツdpは、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が80%であり、縦方向(y軸方向)が70%の位置に配置される。
【0038】
また、イメージデータは、各デザインパーツdpの絵柄自体のデータであり、例えば花柄や桜柄(例えばデザイン画像bの場合)、雪の結晶柄(例えばデザイン画像aの場合)等の画像データが、ビットマップデータ(bmp)として記憶されているものである。なお、イメージデータのデータ形式はビットマップデータ(bmp)に限定されず、その他のデータ形式で記憶されていてもよい。
【0039】
例えば、図13は図6におけるデザイン画像bの構成例を示した説明図であり、図14は、図13に示すデザイン画像bに関するデータの構成例を示す表である。
デザイン画像bはNo.1からNo.3の3つのデザインパーツdpから構成されており、図14に示すように、各デザインパーツ毎にそのサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられてデザインデータ保持部511に記憶されている。
【0040】
なお、図13では、No.1のデザインパーツdpについての横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の0%から100%の範囲における相対的な位置を一点鎖線で示し、No.3のデザインパーツdpについての横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の0%から100%の範囲における相対的な位置を二点鎖線で示している。
なお、各デザインパーツdpにおける横方向(x軸方向)の位置及び縦方向(y軸方向)の位置における0%となる位置及び100%となる位置の定め方については、デザイン画像eの場合(図11及び図12参照)と同様であるため、その説明を省略する。
【0041】
図13及び図14に示すように、本実施形態におけるデザイン画像bを構成するデザインパーツdpのうち、No.1のデザインパーツdpは、イメージデータが桜柄であり、サイズは30%である。また、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が8%であり、縦方向(y軸方向)が70%の位置に配置される。
また、No.3のデザインパーツdpは、イメージデータが花b柄であり、サイズは34%である。また、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が75%、縦方向(y軸方向)が12%の位置に配置される。
【0042】
さらに、本実施形態において記憶部51には、撮影部30によって取得されたユーザの印刷指U1の指爪画像から抽出された爪領域Ta(図16参照)の爪領域情報である爪領域Taの面積と横方向及び縦方向の長さ寸法を記憶する爪領域データ保持部512が設けられている。なお、図16では、図示の便宜上、印刷指U1の全体を二点鎖線で表している。
【0043】
図17は、爪領域データ保持部512において保持される爪領域情報の一例を示す図である。本実施形態において、爪領域Taの面積(S)は、図17に示すように、爪領域Taの面積を、爪領域Taを構成するドット数で表したものである。本実施形態では、爪領域Taが21593ドット(dot)で構成されている場合を例示している。
また、図16及び図17に示すように、横方向の長さ寸法(横幅:W)は、爪領域Taの横方向(x軸方向)の長さ寸法をドット数で表したものであり、本実施形態では、爪領域Taの横方向のドット数が115ドット(dot)である場合を例示している。
また、図16及び図17に示すように、縦方向の長さ寸法(縦幅:H)は、爪領域Taの縦方向(y軸方向)の長さ寸法をドット数で表したものであり、本実施形態では、爪領域Taの縦方向のドット数が211ドット(dot)である場合を例示している。
【0044】
本実施形態において制御装置50は、本体制御部52、爪領域情報検出部53、パーツレイアウト算出手段54、印刷用データ生成部55等の機能部を含んでいる。
【0045】
本体制御部52は、ネイルプリント装置1の全体を統括制御する機能部である。
本実施形態では、本体制御部52は、撮影部30を制御してユーザの印刷指U1を撮影させ、指爪画像を取得させる。また、本体制御部52は、後述する印刷用データ生成部55によって生成された印刷用のデータを印刷部40に出力して、この印刷用データにしたがって爪領域Taに印刷を施すように印刷部40を制御する印刷制御手段として機能する。
【0046】
爪領域情報検出部53は、撮影部40よって取得された指爪画像から爪領域Taを抽出し、この爪領域Taの面積(S)、横方向(x軸方向)の長さ寸法(W)、縦方向(y軸方向)の長さ寸法(H)を検出する爪領域情報検出手段である。
爪領域情報検出部53による検出結果は、記憶部51の爪領域データ保持部512に送られ、記憶される。
【0047】
パーツレイアウト算出部54は、操作盤12の操作釦121等のデザイン選択手段により選択された一つのデザイン画像を記憶部51のデザインデータ保持部511から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpのサイズデータ及び位置データと、爪領域情報検出部53により検出された爪領域Taの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法とに応じて、各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出手段である。
パーツレイアウト算出部54は、基準爪モデルの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法を爪領域情報検出部53により検出されたユーザの印刷指U1の爪領域Taの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出する。
【0048】
すなわち、例えば、デザイン画像eのNo.1のデザインパーツdpの基準爪モデル上におけるサイズは20%であるので、パーツレイアウト算出部54は、印刷指U1の爪領域Taの面積(S)に対して20%となる大きさ(dot数)を算出し、これが当該デザインパーツdpの印刷サイズとなる。
【0049】
また、No.1のデザインパーツdpは、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が50%であり、縦方向(y軸方向)が15%の位置に配置されるものであるため、パーツレイアウト算出部54は、印刷指U1の爪領域Taにおける横方向(x軸方向)が50%、縦方向(y軸方向)が15%となる位置を算出する。
ここで、0%となる位置及び100%となる位置は、当該デザインパーツdpのサイズに応じて変化するため、まず、印刷指U1の爪領域Taの上下左右を枠で囲い、上記のようにして算出された印刷サイズのデザインパーツdpを、その左端が爪領域Taの枠の左端に重なるように爪領域Ta上に配置し、このときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を0%とする。また、デザインパーツdpをその右端が爪領域Taの枠の右端に重なるように爪領域Ta上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を100%とする。同様に、縦方向(y軸方向)についても、0%の位置及び100%の位置を定める。
そして、No.1のデザインパーツdpの場合には、横方向(x軸方向)は、爪領域Ta上における0%から100%の範囲における50%の位置にデザインパーツdpの中心が位置するように配置される。また、縦方向(y軸方向)は、爪領域Ta上における0%から100%の範囲における15%の位置にデザインパーツdpの中心が位置するように配置される。
【0050】
図18から図20は、ユーザの印刷指U1の爪領域Taが基準爪モデルよりも細長い形状をしている場合における各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置の定め方を示す説明図である。
この場合、パーツレイアウト算出部54は、まず、爪領域Taの面積にしたがって、各デザインパーツdpの印刷サイズが算出される。次に、算出された印刷サイズのデザインパーツdpを爪領域Ta上に配置して、各デザインパーツdp毎の、上下左右の0%の位置及び100%の位置を算出する(デザイン画像eのNo.1及びNo.4のデザインパーツdpについて図18参照。No.2及びNo.3のデザインパーツdpについて図19参照。)。そして、算出された印刷サイズのデザインパーツdpを爪領域Ta上の算出された印刷位置にそれぞれ配置する(図20参照)。
これにより、ユーザの爪領域Taが基準爪モデルよりも細長い形状である場合でも、基準爪モデル上に配置されていたときとほぼ同じレイアウトとなるように各デザインパーツdpを配置することができる。
【0051】
図21から図23は、ユーザの印刷指U1の爪領域Taが基準爪モデルよりも縦の長さが短く幅広の形状をしている場合における各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置の定め方を示す説明図である。
この場合、パーツレイアウト算出部54は、まず、爪領域Taの面積にしたがって、各デザインパーツdpの印刷サイズが算出される。次に、算出された印刷サイズのデザインパーツdpを爪領域Ta上に配置して、各デザインパーツdp毎の、上下左右の0%の位置及び100%の位置を算出する(デザイン画像eのNo.1及びNo.4のデザインパーツdpについて図21参照。No.2及びNo.3のデザインパーツdpについて図22参照。)。そして、算出された印刷サイズのデザインパーツdpを爪領域Ta上の算出された印刷位置にそれぞれ配置する(図23参照)。
これにより、ユーザの爪領域Taが基準爪モデルよりも縦の長さが短く幅広の形状である場合でも、基準爪モデル上に配置されていたときとほぼ同じレイアウトとなるように各デザインパーツdpを配置することができる。
【0052】
印刷用データ生成部55は、パーツレイアウト算出部54により算出された各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置と、これら各デザインパーツdpのイメージデータとに基づいてユーザの爪領域Taに印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成手段である。
印刷用データ生成部55において生成された印刷用データは本体制御部52に出力される。
本体制御部52は、この印刷用データをユーザの指爪画像の爪領域Taに重畳した画像をデザイン確認用画面132として表示部13に表示させる。また、本体制御部52は、この印刷用データを印刷部40に出力することにより、印刷用データに従って爪領域Taに印刷を施すように印刷部40を制御する。
【0053】
次に、図15を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置1による印刷制御方法について説明する。
このネイルプリント装置1により印刷を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置50を起動させる。
図15に示すように、本体制御部52は、表示部13にデザイン選択画面131(図6参照)を表示させ(ステップS1)、ユーザは操作盤12の操作釦121等を操作して、デザイン選択画面131に表示された複数のデザイン画像の中から所望のデザイン画像を選択することにより、操作盤12から選択指示信号が出力されて一つのデザイン画像が選択される(ステップS2)。
【0054】
次に、ユーザは、印刷指U1を印刷指挿入部20aに挿入し、非印刷指U2を非印刷指挿入部20bに挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作する。
例えば、左手の人差し指、中指、薬指及び小指の爪領域Taに印刷を施したい場合には、図3に示すように、印刷指挿入部20aに人差し指、中指、薬指及び小指を平面的に並べて挿入し、非印刷指挿入部20bに親指を挿入する。そして、印刷指挿入部20aに挿入した人差し指、中指、薬指及び小指と非印刷指挿入部20bに挿入した親指とで掴み部20cを挟持する。これによって、印刷指U1である人差し指、中指、薬指及び小指が固定される。
【0055】
制御装置50は、表示部13の印刷スイッチから指示が入力されると、印刷動作を開始する前に、まず撮影部30を制御して、印刷指U1全体を撮影させる。これにより、印刷指U1の指爪画像が取得される(ステップS3)。爪領域情報検出部53は、この指爪画像から印刷対象領域となる爪領域Taを抽出し(ステップS4、図16参照)、この爪領域Taの面積(S)、横方向(x軸方向)の長さ寸法(W)、縦方向(y軸方向)の長さ寸法(H)を検出する(ステップS5)。爪領域情報検出部53による検出結果は、記憶部51の爪領域データ保持部512に送られ、記憶される(図17参照)。
【0056】
次に、パーツレイアウト算出部54は、ステップS2において選択されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpの各データ(図10参照)をデザインデータ保持部511から読み出して(ステップS6)、この読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpのサイズデータ及び2つの位置データと、前述した爪領域情報検出部53により検出されたユーザの印刷指U1の爪領域Taの面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出する(ステップS7、図18から図20参照)。
【0057】
さらに、印刷用データ生成部55は、このパーツレイアウト算出部54により算出された各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置と、前述したデザインデータ保持部511から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpのイメージデータ(ステップS6)とに基づいて、ユーザの爪領域Taに印刷を施すための印刷用データを生成する(ステップS8)。
【0058】
印刷用データ生成部55において生成された印刷用データは本体制御部52に出力され、本体制御部52は、この印刷用データをユーザの指爪画像の爪領域Taに重畳した画像をデザイン確認用画面132(図7参照)として表示部13に表示させる(ステップS9)。ユーザは、このデザイン確認用画面132を見て最終的な印刷イメージを確認し、この印刷イメージで印刷してよい場合には、操作盤12のOK釦等の操作釦121を操作して印刷開始指示を入力する。本体制御部52は、印刷開始指示が入力されたか否かを判断し(ステップS10)、印刷開始指示が入力されたと判断する場合(ステップS10;YES)には、印刷用データを印刷部40に出力して、印刷用データに従って爪領域Taに印刷を施すように印刷部40を制御する。これにより、印刷部40による印刷処理が開始される(ステップS11)。
他方、ユーザがOK釦等を操作せず、本体制御部52が印刷開始指示が入力されないと判断する場合(ステップS10;NO)には、本体制御部52は、ステップS1に戻って、再度デザイン選択画面131を表示部13に表示させ、以降の処理を繰り返す。
【0059】
なお、ここでは、1本の印刷指U1に対する対応について述べたが、本実施形態のように、例えば4本等、複数の印刷指U1に対して同時に印刷処理を行う場合には、以上の処理を各印刷指U1についてそれぞれ繰り返すことにより、全ての印刷指U1について印刷処理を行う。
【0060】
以上のように、本実施形態におけるネイルプリント装置1によれば、爪領域Taに印刷するデザイン画像のデータが、複数のデザインパーツdpから構成されており、個々のデザインパーツdp毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられた形でデザインデータ保持部511に記憶されており、ユーザの爪領域Taの面積や形状(例えば縦方向の長さが長い(図20参照)、横幅が広い(図23参照)等)に合わせて、デザイン画像の大きさや形状を調整する際に、各デザインパーツdp毎にその印刷サイズ、印刷位置を算出することができる。このため、デザイン画像全体を一つのデータとして保持してデザイン画像全体の縮尺率を変えて印刷用データを生成する場合と異なり、各デザインパーツdpの形状が崩れたり、各デザインパーツdp間の位置関係、各デザインパーツdpと爪領域Taの端部との位置関係が変わるのを防ぐことができ、ユーザがデザイン選択画面131で選択したデザイン画像をできるだけそのイメージに近い形でユーザの爪領域Taに印刷することができる。
また、各デザインパーツdpのサイズデータは、デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツdpの面積と基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により各デザインパーツdpのサイズを特定するものであり、各デザインパーツdpの位置データは、基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツdpの位置を特定するものであって、パーツレイアウト算出部54は、基準爪モデルの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法を爪領域情報検出部53により検出されたユーザの爪領域Taの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出するため、どのような面積や形状の爪領域Taであっても、各デザインパーツdpの当該爪領域Taに占める面積割合、相対位置を算出することで、簡易に各デザインパーツdpの印刷サイズ、印刷位置を算出することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、各デザインパーツdpの横方向(x軸方向)の位置は、基準爪モデル(または爪領域Ta)の上下左右を枠で囲い、デザインパーツdpをその左端が基準爪モデルの枠の左端に重なるように基準爪モデル(または爪領域Ta)上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を0%とし、デザインパーツdpをその右端が基準爪モデル(または爪領域Ta)の枠の右端に重なるように基準爪モデル(または爪領域Ta)上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を100%としたときの相対的な位置としたが、各デザインパーツdpの横方向(x軸方向)の位置を定める基準となる0%の位置及び100%の位置の定め方はここに例示したものに限定されない。
例えば、デザインパーツdpをその左端が基準爪モデルの枠の左端に重なるように基準爪モデル(または爪領域Ta)上に配置したときに、デザインパーツdpの左端が配置される位置を0%とし、デザインパーツdpをその右端が基準爪モデル(または爪領域Ta)の枠の右端に重なるように基準爪モデル(または爪領域Ta)上に配置したときに、デザインパーツdpの右端が配置される位置を100%と定めてもよい。
各デザインパーツdpの縦方向(y軸方向)の位置を定める基準となる0%の位置及び100%の位置の定め方についても同様である。
【0062】
また、本実施形態では、爪領域Taのデータとして、面積(S)をdot数で表したもの、横方向(x軸方向)の長さ寸法(W)及び縦方向(y軸方向)の長さ寸法(H)をdot数で表したものを保持するものとしたが、面積(S)、横方向(x軸方向)の長さ寸法(W)及び縦方向(y軸方向)の長さ寸法(H)のデータの持ち方はdot数で表したものに限定されない。
【0063】
また、本実施形態では、デザインデータ保持部511、爪領域データ保持部512が制御装置50の記憶部51内に設けられている場合を例としたが、デザインデータ保持部511、爪領域データ保持部512は制御装置50の記憶部51に設けられている場合に限定されず、別途記憶部が設けられていてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、4本の指に対して同時に印刷を行うことのできるネイルプリント装置1を例としたが、指を1本ずつ装置に挿入して順次印刷を行う装置に本発明を適用することも可能である。
【0065】
その他、本発明が本実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0066】
1 ネイルプリント装置
2 ケース本体
20a 印刷指挿入部
30 撮影部
40 印刷部
50 制御装置
51 記憶部
52 本体制御部
53 爪領域情報検出部
54 パーツレイアウト算出部
55 印刷用データ生成部
511 デザインデータ保持部
512 爪領域データ保持部
dp デザインパーツ
T 爪
Ta 爪領域
U1 印刷指
U2 非印刷指
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネイルプリント装置及び印刷制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネイルプリント装置は、印刷しようとする爪の指を、装置本体に設けた指載置台上に位置決めし、この位置決めされた指の爪に色や絵柄等のデザイン画像を印刷するプリント装置であり、こうしたネイルプリント装置では、ユーザが自分の爪に印刷したいデザイン画像を選択し、選択されたデザイン画像が指の爪部の領域(以下「爪領域」という。)に印刷される。
【0003】
そして、従来は、デザイン画像は一つの画像データとしてネイルプリント装置内等の記憶部に保持されており、この画像データ全体の縮尺をユーザの爪領域のサイズや形状等に応じて調整して印刷する手法がとられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デザイン画像の画像データ全体の縮尺を変えるだけでは、デザイン画像に含まれている個々の絵柄が歪んでしまったり、絵柄部分と爪領域の境界線との間の間隔が不自然に開き過ぎたり詰まり過ぎたりすることがある。
この場合、たとえ爪領域内にデザイン画像が収まったとしても、実際に爪領域に印刷される画像がユーザによって選択されたデザイン画像のイメージと異なってしまい、ユーザの所望するイメージ通りのデザインを適切に印刷することができないという問題がある。
【0006】
この点、例えば、デザイン画像に含まれる個々の絵柄についてユーザが微調整することができれば、このようなイメージのずれを防ぐことができる。しかし、このような微調整を行うには時間と手間を要し、ユーザにとって煩わしいという問題もある。
【0007】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの手を煩わせることなく、自動的に、ユーザが選択したデザイン画像のイメージにできるだけ近似したデザインをユーザの爪領域に印刷することのできるネイルプリント装置及び印刷制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のネイルプリント装置は、
デザイン画像を構成している複数のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられて複数組記憶されている記憶手段と、
指を撮影して指爪画像を得る撮影手段と、
この撮影手段によって取得された前記指爪画像から爪領域を抽出し、この爪領域の面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とを検出する爪領域情報検出手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記複数のデザイン画像の中から一つのデザイン画像を選択するデザイン選択手段と、
前記デザイン選択手段により選択された一つのデザイン画像を前記記憶手段から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている前記各デザインパーツのサイズデータ及び位置データと、前記爪領域情報検出手段により検出された前記爪領域の面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出手段と、
前記パーツレイアウト算出手段により算出された各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置と、前記記憶手段から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツのイメージデータとに基づいて前記爪領域に印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データ生成手段により生成された前記印刷用データに従って前記爪領域に印刷を施す印刷手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のネイルプリント装置において、
前記各デザインパーツのサイズデータは、前記デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツの面積と前記基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により前記各デザインパーツのサイズを特定するものであり、
前記各デザインパーツの位置データは、前記基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツの位置を特定するものであって、
前記パーツレイアウト算出手段は、前記基準爪モデルの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法を前記爪領域情報検出手段により検出された前記爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するものであることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に記載の印刷制御方法は、
指を撮影して指爪画像を得る撮影ステップと、
この撮影ステップにおいて取得された前記指爪画像から爪領域を抽出し、この爪領域の面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とを検出する爪領域情報検出ステップと、
デザイン画像を構成している複数のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられて複数組記憶されている記憶手段の中から一つのデザイン画像が選択されると、この選択された一つのデザイン画像を前記記憶手段から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている前記各デザインパーツのサイズ及び位置と、前記爪領域情報検出ステップにおいて検出された前記爪領域の面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出ステップと、
前記パーツレイアウト算出ステップにおいて算出された各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置と、前記記憶手段から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツのイメージデータとに基づいて前記爪領域に印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データ生成ステップにおいて生成された前記印刷用データに従って前記爪領域に印刷を施す印刷ステップと、
を含んでいることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の印刷制御方法において、
前記各デザインパーツのサイズデータは、前記デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツの面積と前記基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により前記各デザインパーツのサイズを特定するものであり、
前記各デザインパーツの位置データは、前記基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツの位置を特定するものであって、
前記パーツレイアウト算出ステップは、前記基準爪モデルの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法を前記爪領域情報検出ステップにおいて検出された前記爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するものであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び請求項3に記載の発明によれば、爪領域Taに印刷する複数のデザインパーツから構成されているデザイン画像のデータが、個々のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられた形で記憶されており、ユーザの爪領域の爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に応じて、デザイン画像の大きさや形状を調整する際に、各デザインパーツ毎にその印刷サイズ、印刷位置を算出することができる。このため、デザイン画像全体を一つのデータとして保持してデザイン画像全体の縮尺率を変えて印刷用データを生成する場合と異なり、各デザインパーツの形状が崩れたり、各デザインパーツ間の位置関係、各デザインパーツと爪領域の端部との位置関係が変わるのを防ぐことができ、ユーザが選択したデザイン画像をそのイメージに近い形でユーザの爪領域に印刷することができるとの効果を奏する。
また、請求項2及び請求項4に記載の発明によれば、各デザインパーツのサイズデータを基準爪モデルの面積との相対的な面積比率とし、各デザインパーツの位置データについても基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係を示す値としている。このため、基準爪モデルの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法を爪領域情報検出手段により検出されたユーザの爪領域の面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えることにより、当該ユーザの爪領域に応じた印刷サイズ、印刷位置を容易に算出することができ、様々な大きさや形状の爪領域に簡易に対応することができるとの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るネイルプリント装置の一実施形態を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。
【図2】図1のネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。
【図3】図1のネイルプリント装置の印刷指固定手段を示した断面図で、印刷指として人差し指から小指を印刷指挿入部に挿入した際の固定態様を示している。
【図4】図1のネイルプリント装置の正面側の断面図である。
【図5】図1のネイルプリント装置の側断面図である。
【図6】デザイン選択画面の一例を示す図である。
【図7】デザイン確認用画面の一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
【図9】基準爪モデル上にデザイン画像eを配置した図である。
【図10】デザイン画像eのデータ構成例を示す図である。
【図11】デザイン画像eのNo.1のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図12】デザイン画像eのNo.3のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図13】基準爪モデル上にデザイン画像bを配置した図である。
【図14】デザイン画像bのデータ構成例を示す図である。
【図15】本実施形態における印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図16】爪領域の一例を示す図である。
【図17】図16の爪領域の爪領域情報のデータ構成例を示す図である。
【図18】細長い形状の爪領域上にデザイン画像eを配置した図である。
【図19】図18におけるデザイン画像eのNo.1のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図20】図18におけるデザイン画像eのNo.3のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図21】幅広い形状の爪領域上にデザイン画像eを配置した図である。
【図22】図21におけるデザイン画像eのNo.1のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【図23】図21におけるデザイン画像eのNo.3のデザインパーツの横方向及び縦方向の0%位置及び100%位置の定め方を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から図23を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図であり、図2は、ネイルプリント装置の内部構成を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2及び蓋体4を備えている。このケース本体2及び蓋体4は、ケース本体2の上面後端部に設けたヒンジ3を介して、互いに連結されている。
【0016】
上記ケース本体2は平面視で長円状に形成されている。このケース本体2には前側には開閉板2cが起倒可能に設けられている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面下端部に設けたヒンジ(図示せず)を介して、ケース本体2に連結されている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面を開閉するためのものである。
また、ケース本体2の天板2fには後述する操作盤12が設置されており、天板2fのほぼ中央部には表示部13が設定されている。
なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
【0017】
また、ケース本体2にはネイルプリント装置1の装置本体10が収容されている。この装置本体10は、図2に示す印刷指固定手段を構成している印刷指固定部20、撮影手段を構成している撮影部30、印刷手段を構成している印刷部40及び制御手段を構成している制御装置50(図8参照)を備えている。これら印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50は機枠11に設けられている。
なお、機枠11は下部機枠11a及び上部機枠11bによって構成されている。そして、下部機枠11aは箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置され、上部機枠11bは下部機枠11aの上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている。
【0018】
印刷指固定部20は、機枠11の中の下部機枠11aに設けられている。この下部機枠11aに設けられた印刷指挿入部20a、非印刷指挿入部20b及び掴み部20cによって印刷指固定部20が構成されている。
ここで、印刷指挿入部20aは、印刷しようとする爪Tに対応する指(以下「印刷指」という。)U1を挿入するめための指挿入部である(図3参照)。印刷指挿入部20aの底面(印刷指載置面)は、印刷指U1を載置する指載置手段として機能する。印刷指U1の撮影や印刷は、印刷指U1がこの指載置手段としての印刷指挿入部20aの印刷指載置面に載置された状態で行われる。
また、非印刷指挿入部20bは、印刷指以外の指(以下「非印刷指」という。)U2を挿入するための指挿入部である(図3参照)。
また、掴み部20cは、印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで挟持することが可能な部分である。本実施形態において、この掴み部20cは印刷指挿入部20aと非印刷指挿入部20bとを仕切る隔壁21によって構成されている。
【0019】
この隔壁21の上面は平坦な印刷指載置面を構成している。この隔壁21の指挿入側端部には膨出部22が形成されている。この膨出部22は、印刷指挿入部20a及び非印刷指挿入部20bに印刷指U1及び非印刷指U2を深く挿入した際に、印刷指U1及び非印刷指U2の付け根U3が当接する部分に形成されている。膨出部22は、印刷指U1の腹全体が印刷指載置面に当接した状態で、印刷指U1と非印刷指U2とで隔壁21(掴み部20c)を強く挟持することができるように、指挿入方向の断面が、隔壁21の下面から下方に向けて膨出するように円形となっている。なお、膨出部22の形状は、断面円形に限定されることなく、断面楕円形,多角形等の非円形であってもよい。
【0020】
例えば、左手の親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)が印刷指U1となる場合には、図3に示すように、ユーザは印刷指挿入部20aに4本の印刷指U1を挿入し、非印刷指挿入部20bに非印刷指U2である親指を挿入する。この場合、ユーザが印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで掴み部20cを挟持することにより、印刷指U1が掴み部20cの上で固定される。
また、親指のみが印刷指U1となる場合には、親指(印刷指U1)を印刷指挿入部20aに挿入さし、親指以外の4本の指(非印刷指U2)を非印刷指挿入部20bに挿入する。この場合にも、ユーザが印刷指U1と非印刷指U2とで掴み部20cを挟持することで印刷指U1が固定される。
【0021】
また、図4は、本実施形態に係るネイルプリント装置1の正面側の断面図であり、図5は、ネイルプリント装置1の側断面図である。
図4及び図5に示すように、撮影部30は、機枠11の中の上部機枠11bに設けられている。
すなわち、上部機枠11bに設置された基板31の中央部下面には、ドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有するカメラ32が設置されている。また、基板31には、カメラ32を囲むように白色LED等の照明灯33が設置されている。撮影部30は、このカメラ32及び照明灯33を備えて構成されている。
この撮影部30は、指載置手段である印刷指挿入部20aに載置された印刷指U1を照明灯33によって照明し、カメラ32によってその印刷指U1を撮影して、指爪画像を得る撮影手段であり、この撮影部30は、後述する制御装置50の本体制御部52に接続され、該本体制御部52によって制御されるようになっている。
【0022】
また、印刷部40は、爪領域Taの座標値に基づく印刷用データに従って印刷対象領域である爪領域Ta(図7等参照)に色や模様等の印刷を施す印刷手段であり、主に上部機枠11bに設けられている。
すなわち、図4及び図5に示すように、上部機枠11bの両側板には、2本のガイドロッド41が平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、図5に示すように、主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、被印字媒体に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。
【0023】
主キャリッジ42は動力伝達手段(図示せず)を介してモータ43に連結され、モータ43の正逆回転によって、ガイドロッド41に沿って左右方向に移動ように構成されている。また、副キャリッジ45は動力伝達手段(図示せず)を介してモータ47に連結され、モータ47の正逆回転によって、ガイドロッド44に沿って前後方向に移動するように構成されている。
また、下部機枠11aには、印刷ヘッド46にインクを供給するためのインクカートリッジ48が設けられている。インクカートリッジ48は、図示しないインク供給管を介して印刷ヘッド46と接続されており、適宜印刷ヘッド46にインクを供給するようになっている。なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成としてもよい。
【0024】
印刷部40は、これらガイドロッド41、主キャリッジ42、モータ43、ガイドロッド44、副キャリッジ45、印刷ヘッド46、モータ47及びインクカートリッジ48等を備えて構成されている。この印刷部40のモータ43、印刷ヘッド46、モータ47は、後述する制御装置50の本体制御部52に接続され、該本体制御部52によって制御されるようになっている。
【0025】
操作盤12は、ユーザが各種入力を行うための入力手段である。
操作盤12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、その他各種の入力を行うための操作釦121が配置されている。
本実施形態では、操作釦121の内の一つは、後述する記憶部51のデザインデータ保持部511に記憶されている複数のデザイン画像の中から一つのデザイン画像を選択するデザイン選択手段として機能する。すなわち、表示部13には、図6に示すようにデザイン選択画面131が表示されるようになっており、ユーザは、所望のデザイン画像に対応するアルファベットを操作釦121によって選択することにより、印刷されるデザイン画像が選択される。
【0026】
表示部13は、例えば液晶パネル(液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display))等で構成された表示手段である。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、図示しないスタイラスペンや指先等によるタッチ操作により、表示部13の表面をタッチすることによっても各種の入力を行うことができるように構成される。
【0027】
表示部13には、例えば、印刷指U1を撮影した指爪画像やその中の爪領域Ta、印刷指U1の爪領域Taに印刷すべきネイル画像パターン、デザイン確認用のサムネイル画像等が表示されるようになっている。
また、表示部13には、前述のように、図6に示すデザイン選択画面131が表示されるようになっている。本実施形態では、デザイン画像としてデザイン画像aからデザイン画像eの5種類が選択可能となっており、デザイン選択画面131には、例えば、aからeのデザイン画像が並べて表示される。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されている場合には、ユーザが所望のデザイン画像をタッチするだけで、そのデザイン画像が印刷されるデザイン画像として選択されるようにしてもよい。
【0028】
また、表示部13には、図7に示すようなデザイン確認用画面132が表示される。デザイン確認用画面132は、ユーザの指爪画像の爪領域Taにユーザが選択したデザイン画像を重畳したものである。このデザイン確認用画面132において表示されるデザイン画像は、後述する制御装置50において、ユーザの爪領域Taに合うように、その全体のサイズや各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置が調整されたものであり、ユーザはこのデザイン確認用画面132により、最終的な印刷イメージを確認することができる。ユーザはこのデザイン確認用画面132によって爪領域Taに施される印刷の最終的なデザインを確認して、そのまま印刷を開始してよければ、印刷の開始(実行)を指示する操作釦121を操作する。また、デザイン画像を変更した場合には、変更を指示する操作釦121を操作することにより、デザイン選択画面131(図6参照)に戻ることができる。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されている場合には、ユーザがデザイン確認用画面132をタッチしたり、当該画面上にOK釦等の操作釦121を表示させて、これをタッチするだけで、そのデザイン画像を印刷する処理が開始されるようにしてもよい。
【0029】
また、制御装置50は、例えば上部機枠11bに配置された基板31等に設置されている。図8は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
【0030】
制御装置50は、図示しないCPU(Central Processing Unit)の他、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等(全て図示せず)で構成される記憶部51を備えるコンピュータである。
【0031】
記憶部51には、爪領域を抽出するための爪領域抽出プログラム、デザインパーツの印刷サイズや印刷位置を算出するためのパーツレイアウト算出プログラム、印刷用のデータを生成するための印刷用データ生成プログラム、印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、制御装置50はこれらのプログラムを実行してネイルプリント装置1の各部を制御するようになっている。
【0032】
また、本実施形態において記憶部51には、デザイン画像に関するデータを記憶するデザインデータ保持部511が設けられている。
デザインデータ保持部511は、複数のデザインパーツdpから構成され、個々のデザインパーツdp毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられているデザイン画像を複数組記憶している記憶手段である。
【0033】
図9は図6におけるデザイン画像eの構成例を示した説明図であり、図10は、図9に示すデザイン画像eに関するデータの構成例を示す表である。
デザイン画像eはNo.1からNo.4の4つのデザインパーツdpから構成されており、図10に示すように、各デザインパーツdp毎にそのサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられてデザインデータ保持部511に記憶されている。
【0034】
各デザインパーツdpのサイズデータは、当該デザイン画像を理想形状の爪領域(基準爪モデル)上に配置した場合における各デザインパーツdpの面積と基準爪モデルの面積との相対的な面積比率であり、基準爪モデルの面積を100%としたときの各デザインパーツdpの面積比率により各デザインパーツのサイズを特定するものである。例えば、基準爪モデルの面積を100%としたときにNo.1のデザインパーツdpのサイズは20%であり、No.2のデザインパーツdpのサイズは28%である。
【0035】
各デザインパーツdpの位置データは、基準爪モデルの横方向(x軸方向)の長さ及び縦方向(y軸方向)の長さを基準としたときの相対的な位置関係により各デザインパーツdpの位置を特定するものである。
図11及び図12に示すように、本実施形態において、各デザインパーツdpの横方向(x軸方向)の位置は、基準爪モデルの上下左右を枠で囲い、デザインパーツdpをその左端が基準爪モデルの枠の左端に重なるように基準爪モデル上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を0%とし、デザインパーツdpをその右端が基準爪モデルの枠の右端に重なるように基準爪モデル上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を100%としたときの相対的な位置である。
また、各デザインパーツdpの縦方向(y軸方向)の位置は、同様に、デザインパーツdpをその上端が基準爪モデルの枠の上端に重なるように基準爪モデル上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を0%とし、デザインパーツdpをその下端が基準爪モデルの枠の下端に重なるように基準爪モデル上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を100%としたときの相対的な位置である。
【0036】
なお、横方向(x軸方向)の位置及び縦方向(y軸方向)の位置における0%となる位置及び100%となる位置は、各デザインパーツdpのサイズによって変更される。
すなわち、図11及び図12に示すように、デザインパーツdpのサイズによって、デザインパーツdpの中心から端部までの距離が異なり、サイズの小さなデザインパーツdp(例えば図9及び図10におけるNo.1とNo.4のデザインパーツdp)の場合には、デザインパーツdpの中心から端部までの距離が短くなり、0%となる位置及び100%となる位置は、基準爪モデルの枠の端部に近い位置となる(図11参照)。他方、サイズの大きなデザインパーツdp(例えば図9及び図10におけるNo.2とNo.3のデザインパーツdp)の場合には、サイズの小さなデザインパーツdpよりもデザインパーツdpの中心から端部までの距離が長くなり、0%となる位置及び100%となる位置は、基準爪モデルの枠の端部から離れた位置となる(図12参照)。
【0037】
なお、図9では、No.1のデザインパーツdpについての横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の0%から100%の範囲における相対的な位置を一点鎖線で示し、No.3のデザインパーツdpについての横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の0%から100%の範囲における相対的な位置を二点鎖線で示している。
図9及び図10に示すように、本実施形態におけるデザイン画像eを構成するデザインパーツdpのうち、No.1のデザインパーツdpは、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が50%であり、縦方向(y軸方向)が15%の位置に配置される。また、No.3のデザインパーツdpは、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が80%であり、縦方向(y軸方向)が70%の位置に配置される。
【0038】
また、イメージデータは、各デザインパーツdpの絵柄自体のデータであり、例えば花柄や桜柄(例えばデザイン画像bの場合)、雪の結晶柄(例えばデザイン画像aの場合)等の画像データが、ビットマップデータ(bmp)として記憶されているものである。なお、イメージデータのデータ形式はビットマップデータ(bmp)に限定されず、その他のデータ形式で記憶されていてもよい。
【0039】
例えば、図13は図6におけるデザイン画像bの構成例を示した説明図であり、図14は、図13に示すデザイン画像bに関するデータの構成例を示す表である。
デザイン画像bはNo.1からNo.3の3つのデザインパーツdpから構成されており、図14に示すように、各デザインパーツ毎にそのサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられてデザインデータ保持部511に記憶されている。
【0040】
なお、図13では、No.1のデザインパーツdpについての横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の0%から100%の範囲における相対的な位置を一点鎖線で示し、No.3のデザインパーツdpについての横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の0%から100%の範囲における相対的な位置を二点鎖線で示している。
なお、各デザインパーツdpにおける横方向(x軸方向)の位置及び縦方向(y軸方向)の位置における0%となる位置及び100%となる位置の定め方については、デザイン画像eの場合(図11及び図12参照)と同様であるため、その説明を省略する。
【0041】
図13及び図14に示すように、本実施形態におけるデザイン画像bを構成するデザインパーツdpのうち、No.1のデザインパーツdpは、イメージデータが桜柄であり、サイズは30%である。また、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が8%であり、縦方向(y軸方向)が70%の位置に配置される。
また、No.3のデザインパーツdpは、イメージデータが花b柄であり、サイズは34%である。また、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が75%、縦方向(y軸方向)が12%の位置に配置される。
【0042】
さらに、本実施形態において記憶部51には、撮影部30によって取得されたユーザの印刷指U1の指爪画像から抽出された爪領域Ta(図16参照)の爪領域情報である爪領域Taの面積と横方向及び縦方向の長さ寸法を記憶する爪領域データ保持部512が設けられている。なお、図16では、図示の便宜上、印刷指U1の全体を二点鎖線で表している。
【0043】
図17は、爪領域データ保持部512において保持される爪領域情報の一例を示す図である。本実施形態において、爪領域Taの面積(S)は、図17に示すように、爪領域Taの面積を、爪領域Taを構成するドット数で表したものである。本実施形態では、爪領域Taが21593ドット(dot)で構成されている場合を例示している。
また、図16及び図17に示すように、横方向の長さ寸法(横幅:W)は、爪領域Taの横方向(x軸方向)の長さ寸法をドット数で表したものであり、本実施形態では、爪領域Taの横方向のドット数が115ドット(dot)である場合を例示している。
また、図16及び図17に示すように、縦方向の長さ寸法(縦幅:H)は、爪領域Taの縦方向(y軸方向)の長さ寸法をドット数で表したものであり、本実施形態では、爪領域Taの縦方向のドット数が211ドット(dot)である場合を例示している。
【0044】
本実施形態において制御装置50は、本体制御部52、爪領域情報検出部53、パーツレイアウト算出手段54、印刷用データ生成部55等の機能部を含んでいる。
【0045】
本体制御部52は、ネイルプリント装置1の全体を統括制御する機能部である。
本実施形態では、本体制御部52は、撮影部30を制御してユーザの印刷指U1を撮影させ、指爪画像を取得させる。また、本体制御部52は、後述する印刷用データ生成部55によって生成された印刷用のデータを印刷部40に出力して、この印刷用データにしたがって爪領域Taに印刷を施すように印刷部40を制御する印刷制御手段として機能する。
【0046】
爪領域情報検出部53は、撮影部40よって取得された指爪画像から爪領域Taを抽出し、この爪領域Taの面積(S)、横方向(x軸方向)の長さ寸法(W)、縦方向(y軸方向)の長さ寸法(H)を検出する爪領域情報検出手段である。
爪領域情報検出部53による検出結果は、記憶部51の爪領域データ保持部512に送られ、記憶される。
【0047】
パーツレイアウト算出部54は、操作盤12の操作釦121等のデザイン選択手段により選択された一つのデザイン画像を記憶部51のデザインデータ保持部511から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpのサイズデータ及び位置データと、爪領域情報検出部53により検出された爪領域Taの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法とに応じて、各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出手段である。
パーツレイアウト算出部54は、基準爪モデルの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法を爪領域情報検出部53により検出されたユーザの印刷指U1の爪領域Taの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出する。
【0048】
すなわち、例えば、デザイン画像eのNo.1のデザインパーツdpの基準爪モデル上におけるサイズは20%であるので、パーツレイアウト算出部54は、印刷指U1の爪領域Taの面積(S)に対して20%となる大きさ(dot数)を算出し、これが当該デザインパーツdpの印刷サイズとなる。
【0049】
また、No.1のデザインパーツdpは、基準爪モデル上において、横方向(x軸方向)が50%であり、縦方向(y軸方向)が15%の位置に配置されるものであるため、パーツレイアウト算出部54は、印刷指U1の爪領域Taにおける横方向(x軸方向)が50%、縦方向(y軸方向)が15%となる位置を算出する。
ここで、0%となる位置及び100%となる位置は、当該デザインパーツdpのサイズに応じて変化するため、まず、印刷指U1の爪領域Taの上下左右を枠で囲い、上記のようにして算出された印刷サイズのデザインパーツdpを、その左端が爪領域Taの枠の左端に重なるように爪領域Ta上に配置し、このときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を0%とする。また、デザインパーツdpをその右端が爪領域Taの枠の右端に重なるように爪領域Ta上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を100%とする。同様に、縦方向(y軸方向)についても、0%の位置及び100%の位置を定める。
そして、No.1のデザインパーツdpの場合には、横方向(x軸方向)は、爪領域Ta上における0%から100%の範囲における50%の位置にデザインパーツdpの中心が位置するように配置される。また、縦方向(y軸方向)は、爪領域Ta上における0%から100%の範囲における15%の位置にデザインパーツdpの中心が位置するように配置される。
【0050】
図18から図20は、ユーザの印刷指U1の爪領域Taが基準爪モデルよりも細長い形状をしている場合における各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置の定め方を示す説明図である。
この場合、パーツレイアウト算出部54は、まず、爪領域Taの面積にしたがって、各デザインパーツdpの印刷サイズが算出される。次に、算出された印刷サイズのデザインパーツdpを爪領域Ta上に配置して、各デザインパーツdp毎の、上下左右の0%の位置及び100%の位置を算出する(デザイン画像eのNo.1及びNo.4のデザインパーツdpについて図18参照。No.2及びNo.3のデザインパーツdpについて図19参照。)。そして、算出された印刷サイズのデザインパーツdpを爪領域Ta上の算出された印刷位置にそれぞれ配置する(図20参照)。
これにより、ユーザの爪領域Taが基準爪モデルよりも細長い形状である場合でも、基準爪モデル上に配置されていたときとほぼ同じレイアウトとなるように各デザインパーツdpを配置することができる。
【0051】
図21から図23は、ユーザの印刷指U1の爪領域Taが基準爪モデルよりも縦の長さが短く幅広の形状をしている場合における各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置の定め方を示す説明図である。
この場合、パーツレイアウト算出部54は、まず、爪領域Taの面積にしたがって、各デザインパーツdpの印刷サイズが算出される。次に、算出された印刷サイズのデザインパーツdpを爪領域Ta上に配置して、各デザインパーツdp毎の、上下左右の0%の位置及び100%の位置を算出する(デザイン画像eのNo.1及びNo.4のデザインパーツdpについて図21参照。No.2及びNo.3のデザインパーツdpについて図22参照。)。そして、算出された印刷サイズのデザインパーツdpを爪領域Ta上の算出された印刷位置にそれぞれ配置する(図23参照)。
これにより、ユーザの爪領域Taが基準爪モデルよりも縦の長さが短く幅広の形状である場合でも、基準爪モデル上に配置されていたときとほぼ同じレイアウトとなるように各デザインパーツdpを配置することができる。
【0052】
印刷用データ生成部55は、パーツレイアウト算出部54により算出された各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置と、これら各デザインパーツdpのイメージデータとに基づいてユーザの爪領域Taに印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成手段である。
印刷用データ生成部55において生成された印刷用データは本体制御部52に出力される。
本体制御部52は、この印刷用データをユーザの指爪画像の爪領域Taに重畳した画像をデザイン確認用画面132として表示部13に表示させる。また、本体制御部52は、この印刷用データを印刷部40に出力することにより、印刷用データに従って爪領域Taに印刷を施すように印刷部40を制御する。
【0053】
次に、図15を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置1による印刷制御方法について説明する。
このネイルプリント装置1により印刷を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置50を起動させる。
図15に示すように、本体制御部52は、表示部13にデザイン選択画面131(図6参照)を表示させ(ステップS1)、ユーザは操作盤12の操作釦121等を操作して、デザイン選択画面131に表示された複数のデザイン画像の中から所望のデザイン画像を選択することにより、操作盤12から選択指示信号が出力されて一つのデザイン画像が選択される(ステップS2)。
【0054】
次に、ユーザは、印刷指U1を印刷指挿入部20aに挿入し、非印刷指U2を非印刷指挿入部20bに挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作する。
例えば、左手の人差し指、中指、薬指及び小指の爪領域Taに印刷を施したい場合には、図3に示すように、印刷指挿入部20aに人差し指、中指、薬指及び小指を平面的に並べて挿入し、非印刷指挿入部20bに親指を挿入する。そして、印刷指挿入部20aに挿入した人差し指、中指、薬指及び小指と非印刷指挿入部20bに挿入した親指とで掴み部20cを挟持する。これによって、印刷指U1である人差し指、中指、薬指及び小指が固定される。
【0055】
制御装置50は、表示部13の印刷スイッチから指示が入力されると、印刷動作を開始する前に、まず撮影部30を制御して、印刷指U1全体を撮影させる。これにより、印刷指U1の指爪画像が取得される(ステップS3)。爪領域情報検出部53は、この指爪画像から印刷対象領域となる爪領域Taを抽出し(ステップS4、図16参照)、この爪領域Taの面積(S)、横方向(x軸方向)の長さ寸法(W)、縦方向(y軸方向)の長さ寸法(H)を検出する(ステップS5)。爪領域情報検出部53による検出結果は、記憶部51の爪領域データ保持部512に送られ、記憶される(図17参照)。
【0056】
次に、パーツレイアウト算出部54は、ステップS2において選択されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpの各データ(図10参照)をデザインデータ保持部511から読み出して(ステップS6)、この読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpのサイズデータ及び2つの位置データと、前述した爪領域情報検出部53により検出されたユーザの印刷指U1の爪領域Taの面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出する(ステップS7、図18から図20参照)。
【0057】
さらに、印刷用データ生成部55は、このパーツレイアウト算出部54により算出された各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置と、前述したデザインデータ保持部511から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツdpのイメージデータ(ステップS6)とに基づいて、ユーザの爪領域Taに印刷を施すための印刷用データを生成する(ステップS8)。
【0058】
印刷用データ生成部55において生成された印刷用データは本体制御部52に出力され、本体制御部52は、この印刷用データをユーザの指爪画像の爪領域Taに重畳した画像をデザイン確認用画面132(図7参照)として表示部13に表示させる(ステップS9)。ユーザは、このデザイン確認用画面132を見て最終的な印刷イメージを確認し、この印刷イメージで印刷してよい場合には、操作盤12のOK釦等の操作釦121を操作して印刷開始指示を入力する。本体制御部52は、印刷開始指示が入力されたか否かを判断し(ステップS10)、印刷開始指示が入力されたと判断する場合(ステップS10;YES)には、印刷用データを印刷部40に出力して、印刷用データに従って爪領域Taに印刷を施すように印刷部40を制御する。これにより、印刷部40による印刷処理が開始される(ステップS11)。
他方、ユーザがOK釦等を操作せず、本体制御部52が印刷開始指示が入力されないと判断する場合(ステップS10;NO)には、本体制御部52は、ステップS1に戻って、再度デザイン選択画面131を表示部13に表示させ、以降の処理を繰り返す。
【0059】
なお、ここでは、1本の印刷指U1に対する対応について述べたが、本実施形態のように、例えば4本等、複数の印刷指U1に対して同時に印刷処理を行う場合には、以上の処理を各印刷指U1についてそれぞれ繰り返すことにより、全ての印刷指U1について印刷処理を行う。
【0060】
以上のように、本実施形態におけるネイルプリント装置1によれば、爪領域Taに印刷するデザイン画像のデータが、複数のデザインパーツdpから構成されており、個々のデザインパーツdp毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられた形でデザインデータ保持部511に記憶されており、ユーザの爪領域Taの面積や形状(例えば縦方向の長さが長い(図20参照)、横幅が広い(図23参照)等)に合わせて、デザイン画像の大きさや形状を調整する際に、各デザインパーツdp毎にその印刷サイズ、印刷位置を算出することができる。このため、デザイン画像全体を一つのデータとして保持してデザイン画像全体の縮尺率を変えて印刷用データを生成する場合と異なり、各デザインパーツdpの形状が崩れたり、各デザインパーツdp間の位置関係、各デザインパーツdpと爪領域Taの端部との位置関係が変わるのを防ぐことができ、ユーザがデザイン選択画面131で選択したデザイン画像をできるだけそのイメージに近い形でユーザの爪領域Taに印刷することができる。
また、各デザインパーツdpのサイズデータは、デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツdpの面積と基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により各デザインパーツdpのサイズを特定するものであり、各デザインパーツdpの位置データは、基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツdpの位置を特定するものであって、パーツレイアウト算出部54は、基準爪モデルの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法を爪領域情報検出部53により検出されたユーザの爪領域Taの面積及び横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、各デザインパーツdpの印刷サイズ及び印刷位置を算出するため、どのような面積や形状の爪領域Taであっても、各デザインパーツdpの当該爪領域Taに占める面積割合、相対位置を算出することで、簡易に各デザインパーツdpの印刷サイズ、印刷位置を算出することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、各デザインパーツdpの横方向(x軸方向)の位置は、基準爪モデル(または爪領域Ta)の上下左右を枠で囲い、デザインパーツdpをその左端が基準爪モデルの枠の左端に重なるように基準爪モデル(または爪領域Ta)上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を0%とし、デザインパーツdpをその右端が基準爪モデル(または爪領域Ta)の枠の右端に重なるように基準爪モデル(または爪領域Ta)上に配置したときに、デザインパーツdpの中心が配置される位置を100%としたときの相対的な位置としたが、各デザインパーツdpの横方向(x軸方向)の位置を定める基準となる0%の位置及び100%の位置の定め方はここに例示したものに限定されない。
例えば、デザインパーツdpをその左端が基準爪モデルの枠の左端に重なるように基準爪モデル(または爪領域Ta)上に配置したときに、デザインパーツdpの左端が配置される位置を0%とし、デザインパーツdpをその右端が基準爪モデル(または爪領域Ta)の枠の右端に重なるように基準爪モデル(または爪領域Ta)上に配置したときに、デザインパーツdpの右端が配置される位置を100%と定めてもよい。
各デザインパーツdpの縦方向(y軸方向)の位置を定める基準となる0%の位置及び100%の位置の定め方についても同様である。
【0062】
また、本実施形態では、爪領域Taのデータとして、面積(S)をdot数で表したもの、横方向(x軸方向)の長さ寸法(W)及び縦方向(y軸方向)の長さ寸法(H)をdot数で表したものを保持するものとしたが、面積(S)、横方向(x軸方向)の長さ寸法(W)及び縦方向(y軸方向)の長さ寸法(H)のデータの持ち方はdot数で表したものに限定されない。
【0063】
また、本実施形態では、デザインデータ保持部511、爪領域データ保持部512が制御装置50の記憶部51内に設けられている場合を例としたが、デザインデータ保持部511、爪領域データ保持部512は制御装置50の記憶部51に設けられている場合に限定されず、別途記憶部が設けられていてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、4本の指に対して同時に印刷を行うことのできるネイルプリント装置1を例としたが、指を1本ずつ装置に挿入して順次印刷を行う装置に本発明を適用することも可能である。
【0065】
その他、本発明が本実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0066】
1 ネイルプリント装置
2 ケース本体
20a 印刷指挿入部
30 撮影部
40 印刷部
50 制御装置
51 記憶部
52 本体制御部
53 爪領域情報検出部
54 パーツレイアウト算出部
55 印刷用データ生成部
511 デザインデータ保持部
512 爪領域データ保持部
dp デザインパーツ
T 爪
Ta 爪領域
U1 印刷指
U2 非印刷指
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デザイン画像を構成している複数のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられて複数組記憶されている記憶手段と、
指を撮影して指爪画像を得る撮影手段と、
この撮影手段によって取得された前記指爪画像から爪領域を抽出し、この爪領域の面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とを検出する爪領域情報検出手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記複数のデザイン画像の中から一つのデザイン画像を選択するデザイン選択手段と、
前記デザイン選択手段により選択された一つのデザイン画像を前記記憶手段から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている前記各デザインパーツのサイズデータ及び位置データと、前記爪領域情報検出手段により検出された前記爪領域の面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出手段と、
前記パーツレイアウト算出手段により算出された各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置と、前記記憶手段から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツのイメージデータとに基づいて前記爪領域に印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データ生成手段により生成された前記印刷用データに従って前記爪領域に印刷を施す印刷手段と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
【請求項2】
前記各デザインパーツのサイズデータは、前記デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツの面積と前記基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により前記各デザインパーツのサイズを特定するものであり、
前記各デザインパーツの位置データは、前記基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツの位置を特定するものであって、
前記パーツレイアウト算出手段は、前記基準爪モデルの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法を前記爪領域情報検出手段により検出された前記爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するものであることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項3】
指を撮影して指爪画像を得る撮影ステップと、
この撮影ステップにおいて取得された前記指爪画像から爪領域を抽出し、この爪領域の面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とを検出する爪領域情報検出ステップと、
デザイン画像を構成している複数のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられて複数組記憶されている記憶手段の中から一つのデザイン画像が選択されると、この選択された一つのデザイン画像を前記記憶手段から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている前記各デザインパーツのサイズ及び位置と、前記爪領域情報検出ステップにおいて検出された前記爪領域の面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出ステップと、
前記パーツレイアウト算出ステップにおいて算出された各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置と、前記記憶手段から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツのイメージデータとに基づいて前記爪領域に印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データ生成ステップにおいて生成された前記印刷用データに従って前記爪領域に印刷を施す印刷ステップと、
を含んでいることを特徴とする印刷制御方法。
【請求項4】
前記各デザインパーツのサイズデータは、前記デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツの面積と前記基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により前記各デザインパーツのサイズを特定するものであり、
前記各デザインパーツの位置データは、前記基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツの位置を特定するものであって、
前記パーツレイアウト算出ステップは、前記基準爪モデルの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法を前記爪領域情報検出ステップにおいて検出された前記爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するものであることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御方法。
【請求項1】
デザイン画像を構成している複数のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられて複数組記憶されている記憶手段と、
指を撮影して指爪画像を得る撮影手段と、
この撮影手段によって取得された前記指爪画像から爪領域を抽出し、この爪領域の面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とを検出する爪領域情報検出手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記複数のデザイン画像の中から一つのデザイン画像を選択するデザイン選択手段と、
前記デザイン選択手段により選択された一つのデザイン画像を前記記憶手段から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている前記各デザインパーツのサイズデータ及び位置データと、前記爪領域情報検出手段により検出された前記爪領域の面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出手段と、
前記パーツレイアウト算出手段により算出された各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置と、前記記憶手段から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツのイメージデータとに基づいて前記爪領域に印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データ生成手段により生成された前記印刷用データに従って前記爪領域に印刷を施す印刷手段と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
【請求項2】
前記各デザインパーツのサイズデータは、前記デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツの面積と前記基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により前記各デザインパーツのサイズを特定するものであり、
前記各デザインパーツの位置データは、前記基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツの位置を特定するものであって、
前記パーツレイアウト算出手段は、前記基準爪モデルの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法を前記爪領域情報検出手段により検出された前記爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するものであることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項3】
指を撮影して指爪画像を得る撮影ステップと、
この撮影ステップにおいて取得された前記指爪画像から爪領域を抽出し、この爪領域の面積と横方向及び縦方向の長さ寸法とを検出する爪領域情報検出ステップと、
デザイン画像を構成している複数のデザインパーツ毎にサイズデータ、位置データ、イメージデータが対応付けられて複数組記憶されている記憶手段の中から一つのデザイン画像が選択されると、この選択された一つのデザイン画像を前記記憶手段から読み出して、この読み出されたデザイン画像に含まれている前記各デザインパーツのサイズ及び位置と、前記爪領域情報検出ステップにおいて検出された前記爪領域の面積、横方向及び縦方向の長さ寸法とに基づいて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するパーツレイアウト算出ステップと、
前記パーツレイアウト算出ステップにおいて算出された各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置と、前記記憶手段から読み出されたデザイン画像に含まれている各デザインパーツのイメージデータとに基づいて前記爪領域に印刷を施すための印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データ生成ステップにおいて生成された前記印刷用データに従って前記爪領域に印刷を施す印刷ステップと、
を含んでいることを特徴とする印刷制御方法。
【請求項4】
前記各デザインパーツのサイズデータは、前記デザイン画像を基準爪モデル上に配置した場合における各デザインパーツの面積と前記基準爪モデルの面積との相対的な面積比率により前記各デザインパーツのサイズを特定するものであり、
前記各デザインパーツの位置データは、前記基準爪モデルの横方向の長さ及び縦方向の長さを基準としたときの相対的な位置関係により前記各デザインパーツの位置を特定するものであって、
前記パーツレイアウト算出ステップは、前記基準爪モデルの面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法を前記爪領域情報検出ステップにおいて検出された前記爪領域の面積並びに横方向及び縦方向の長さ寸法に置き換えて、前記各デザインパーツの印刷サイズ及び印刷位置を算出するものであることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−90841(P2012−90841A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241708(P2010−241708)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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