説明

ネットワークカメラシステム

【課題】ローカルネットワークに属し、固定グローバルIPアドレスが付与されていない撮像装置と外部ネットワークとの通信を提供する。
【解決手段】ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、前記撮像装置から定期的に送信される当該撮像装置に対する接続要求の有無の問い合わせを受信する手段と、前記撮像装置からの問い合わせを受信した場合に、前記端末装置から前記撮像装置に対する接続要求を受信しているか否かを判定し、当該判定結果が是であることを条件に、前記問い合わせに基づいて確立した前記撮像装置との間の接続を維持する手段と、前記維持された接続を利用して前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮像した撮像データを受信する手段と、前記受信した前記撮影データを前記端末装置へ送信する手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークカメラシステムに関し、特に、ローカルエリアネットワーク内に配置された撮像装置に好適なネットワークカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置として、ネットワーク接続機能を備えたビデオカメラや、撮像機能を備えたパーソナルコンピュータ等の端末装置が提供されている。このような撮像装置で撮像した画像は、インターネット等を利用して離れた場所に位置するパソコンや携帯電話機から閲覧することが可能である。このようなネットワークカメラに関連する技術の一例が、特許文献1に記載されている。
【0003】
また、撮像装置等には、有線または無線のローカルエリアネットワーク(LAN)接続機能を備えるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4095395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような撮像装置等が住宅等に設置され、パソコン等の他の装置とともにLANを構成する場合、撮像装置等にはグローバルIPアドレスではなくプライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)が付与される場合が多いため、いわゆるNAT(Network Address Translation)越え問題が発生する。すなわち、利用者は、外部ネットワークに属する携帯端末等からローカルネットワーク内の撮像装置等へアクセスすることができず、せっかく撮像された撮像画像を外部から閲覧・取得することが困難であるという問題がある。また、利用者の間には、撮像装置等が撮像した画像を、自分が所望する機器や通信形態を用いて閲覧したいというニーズがある。
【0006】
そこで、本願発明は、ローカルネットワークに属し、固定グローバルIPアドレスが付与されていない撮像装置等と外部ネットワークとの通信を提供することを目的とする。
【0007】
また、本願発明は、ローカルネットワークに属し固定グローバルIPアドレスが付与されていない撮像装置等によって撮像された画像を、外部ネットワークから任意に閲覧することができるネットワークカメラシステムを提供することを目的とする。
【0008】
また、本願発明は、ローカルネットワークに属し固定グローバルIPアドレスが付与されていない撮像装置等によって撮像された画像を、利用者が所望する機器や通信形態を用いて閲覧することができるネットワークカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のサーバは、ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、前記撮像装置から定期的に送信される当該撮像装置に対する接続要求の有無の問い合わせを受信する手段と、前記撮像装置からの問い合わせを受信した場合に、前記端末装置から前記撮像装置に対する接続要求を受信しているか否かを判定し、当該判定結果が是であることを条件に、前記問い合わせに基づいて確立した前記撮像装置との間の接続を維持する手段と、前記維持された接続を利用して前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮像した撮像データを受信する手段と、前記受信した前記撮影データを前記端末装置へ送信する手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のサーバは、ローカルエリアネットワークに属する第1の端末装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する第2の端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、前記第1の端末装置から定期的に送信される当該第1の端末装置に対する接続要求の有無の問い合わせを受信する手段と、前記第1の端末装置からの問い合わせを受信した場合に、前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に対する接続要求を受信しているか否かを判定し、当該判定結果が是であることを条件に、前記問い合わせに基づいて確立した前記第1の端末装置との間の接続を維持する手段と、前記維持された接続を利用して前記第1の端末装置から送信されるデータを受信する手段と、前記受信した前記第1の端末装置から送信されるデータを前記第2の端末装置へ送信する手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明のサーバは、ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、前記端末装置から送信される前記端末装置の識別情報を受信する手段と、前記撮像装置から定期的に送信される、前記撮像装置の識別情報と前記撮像装置のIPアドレスとを受信する手段と、前記受信した端末装置の識別情報が、前記受信した撮像装置の識別情報と予め対応づけられている場合に、前記受信した撮像装置のIPアドレスに基づいて確立した前記撮像装置との間の接続を維持する接続維持手段と、前記接続維持手段により維持される接続を利用して前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮影したデータを受信する手段と、前記受信した前記撮像装置が撮影したデータを、前記端末装置へ送信する手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のサーバは、ローカルエリアネットワークに属する第1の端末装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する第2の端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、前記第2の端末装置から送信される前記第2の端末装置の識別情報を受信する手段と、前記第1の端末装置から一定間隔で送信される、前記第1の端末装置の識別情報と前記第1の端末装置のIPアドレスとを受信する手段と、前記受信した第2の端末装置の識別情報が、前記受信した第1端末装置の識別情報と予め対応づけられている場合に、前記受信した第1の端末装置のIPアドレスに基づいて確立した前記第1の端末装置との間の接続を維持する接続維持手段と、前記接続維持手段により維持される接続を利用して前記第1の端末装置から送信されるデータを受信する手段と、前記受信した前記第1の端末装置から送信されたデータを、前記第2の端末装置へ送信する手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明のサーバは、ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属しテレビ電話機能を有する携帯電話端末と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、前記携帯電話端末の識別情報と前記撮像装置の識別情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記撮像装置の識別情報とIPアドレスとポート番号とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記撮像装置から定期的に送信される当該撮像装置の識別情報とIPアドレスとポート番号とを受信して、前記第2の記憶手段の対応する情報を登録更新する更新手段と、前記携帯電話端末からのテレビ電話の発信を受け付けると、当該携帯電話端末の識別情報に対応する前記撮像装置の識別情報を前記第1の記憶手段から抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段が抽出した撮像装置の識別情報に対応するIPアドレス及びポート番号を前記第2の記憶手段から抽出する第2の抽出手段と、前記第2の抽出手段が抽出したIPアドレス及びポート番号に基づいて、前記撮像装置にテレビ電話の発信を転送する転送手段と、前記転送手段により転送されたテレビ電話の発信に対応して、前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮像した動画音声データを受信する手段と、前記受信した前記動画音声データを前記携帯電話端末へ送信する手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明のサーバは、ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する情報処理端末と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、前記撮像装置のドメイン名とIPアドレスを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記撮像装置の識別情報、IPアドレス及びポート番号を対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記撮像装置から定期的に送信される、当該撮像装置のドメイン名とIPアドレスを受信して、前記第1の記憶手段の対応する情報を登録更新する第1の更新手段と、前記撮像装置から定期的に送信される当該撮像装置の識別情報とIPアドレスとポート番号とを受信して、前記第2の記憶手段の対応する情報を登録更新する第2の更新手段と、前記情報処理端末からドメイン名を含む閲覧要求を受け付けると、当該ドメイン名に対応するIPアドレスを前記第1の記憶手段から抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段が抽出したIPアドレスに対応するポート番号を前記第2の記憶手段から抽出する第2の抽出手段と、前記第1の抽出手段が抽出したIPアドレスと前記第2の抽出手段が抽出したポート番号を前記情報処理端末に送信する手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
なお、本明細書等において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【0016】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述の各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ローカルネットワークに属し、固定グローバルIPアドレスが付与されていない撮像装置等と外部ネットワークとの通信が可能になる。また、本発明によれば、そのような撮像装置等よって撮像された画像を外部ネットワークから任意に閲覧することができるようになる。また、本発明によれば、ユーザは、自分が所望する機器や通信形態を用いて撮像画像を閲覧することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る画像配信システムの全体構成を説明する図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像配信処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態に係るネットワークカメラシステムの構成を表すブロック図である。
【図4】第2の実施形態に係る撮像装置の構成を表すブロック図である。
【図5】第2の実施形態に係る中継サーバの構成を表すブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係るゲートウェイの構成を表すブロック図である。
【図7】第2の実施形態に係る携帯端末の構成を説明する図である。
【図8】第2の実施形態に係るNAT越え処理の流れを説明する図である。
【図9】第3の実施形態に係るネットワークカメラシステムの全体構成を説明する図である。
【図10】第3の実施形態に係る撮像装置の構成を表すブロック図である。
【図11】第3の実施形態に係るNAT越え処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(1)第1の実施形態
以下、第1の実施形態に係るネットワークカメラシステムについて詳細に説明する。図1は、ネットワークカメラシステムとしての画像配信システム1の全体構成を示す構成図である。撮像装置(端末装置)5は、例えば、ネットワークカメラであり、家庭や企業等の施設内に設置され、情報処理端末6、情報処理端末7、ハブ8及びルータ9とともにLAN4(Local Area Network)を構成する。端末装置3、中継サーバ2、録画・課金サーバ10は、通信ネットワークN(有線、無線を含む)を介して相互に通信可能に構成され、さらにLAN4内の各装置とも通信可能に構成されている。
【0020】
LAN4を構成する撮像装置5、情報処理端末6、情報処理端末7には、プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)が割り当てられる一方、これら撮像装置5等とLAN4の外部ネットワークとの接続は、グローバルIPアドレスが割り当てられたブロードバンドルータ9を介して行われる。なお、ブロードバンドルータ9は、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを透過的に相互変換するNAT(Network Address Translation)機能、または、IPアドレスに加えてポート番号も相互変換するNAPT(Network Address Port Translation)機能を備える。
【0021】
本実施形態では、ユーザが操作する端末装置3として、カメラ機能を備えた携帯端末31、デジタルビデオレコーダ32、パーソナルコンピュータ33が、図1に例示されている。しかし、端末装置3は、中継サーバ2へ接続要求を送信できる装置であればよく、これらに限られない。
【0022】
このようなネットワーク環境において、ユーザが、撮像装置5が撮影する被写体(例えば、自宅にいるペット等)の映像を閲覧したい場合、ユーザは、端末装置3を操作して被写体の映像の閲覧要求を中継サーバ2に送信する。しかし、中継サーバ2は、LAN4に属しプライベートIPアドレスが割り当てられた撮像装置5に対しては、外部からアクセスすることができない。
【0023】
そこで、本実施形態では、撮像装置5が、定期的に外部ネットワークに属する中継サーバ2に対して端末装置3の閲覧要求の有無を問い合わせ、中継サーバ2は、端末装置3から閲覧要求がない場合は、撮像装置5との接続(セッション)をその都度解除し、端末装置3から閲覧要求があった場合に、かかる接続を維持する。撮像装置5は、中継サーバ2との接続が維持された状態で被写体を撮影し、この撮影したデータを中継サーバ2に送信する。このように、中継サーバ2は、ユーザの閲覧要求に応じて、撮像装置5との間の接続を確立して維持し、この維持した接続を利用して、撮像装置5からリアルタイムで撮影データを受信し、これを端末装置3へ送信するように構成した。
【0024】
このような画像配信システム1によれば、撮像装置5の利用者は、端末装置3を利用して中継サーバ2にアクセスすることにより、撮像装置5が撮影した被写体の映像を、遠隔地からリアルタイムで閲覧することができる。
【0025】
図2は、本実施形態に係る画像配信システム1による画像配信処理の流れを示すフローチャートである。後述するフローチャートにおける各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0026】
画像配信システム1による画像配信サービスの利用に先立ち、ユーザは、端末装置3から中継サーバ2にアクセスし、ユーザ登録情報を送信する(S100)。ユーザ登録情報には、ユーザの端末装置3を一意的に識別するための識別情報(例えば、端末装置IDや携帯電話番号)と、ユーザの撮像装置5を一意的に識別するための識別情報(例えば、撮像装置ID)とが含まれる。
【0027】
ユーザは、例えば、撮像装置5に添付されたバーコード(図示せず)を端末装置3のカメラで撮影し、この撮影したバーコード画像を端末装置IDとともに中継サーバ2に送信する。中継サーバ2は、ユーザ登録情報を受信すると、受信した端末装置IDと撮像装置ID(バーコード画像を変換して得られたもの)とを対応づけて、所定のテーブルに記憶する(S102)。これにより、中継サーバ2において、ユーザの撮像装置5と端末装置3とが対応付けて管理される。
【0028】
撮像装置5は、電源がONになると(S104)、メモリに格納された所定のプログラム(NAT越えモジュール)がCPUによって実行され、ルータ9を介して中継サーバ2に対して接続要求の有無の問い合わせを送信する(S106)。接続要求の有無の問い合わせは、端末装置3から接続要求の問い合わせ(撮像装置5の撮影データの取得/閲覧要求)があったか否かを確認するためのものである。この問い合わせには、撮像装置IDと、撮像装置に付与されたプライベートIPアドレスと、ポート番号とを含む。
【0029】
なお、ルータ9は、問い合わせを受け付けると、IPアドレスとポート番号の対応関係を定義したマッピングテーブルを参照して、問い合わせに含まれる撮像装置5のプライベートIPアドレスとポート番号を、それぞれ対応するグローバルIPアドレスと他のポート番号に変換し、通信ネットワークNに送出する。また、同様に、撮像装置5を宛先とするデータを通信ネットワークNから受け付けた場合は、マッピングテーブルを参照して、データ内のグローバルIPアドレスとポート番号を、それぞれ対応するプライベートIPアドレスと他のポート番号に変換して、LAN4に送出する。
【0030】
中継サーバ2は、撮像装置5から接続要求の有無の問い合わせを受信すると、問い合わせに含まれる撮像装置5のプライベートIPアドレスとポート番号(中継サーバから見た場合は変換後のグローバルIPアドレスとポート番号)を用いて、撮像装置5との間でTCP/IPに基づく接続を確立する。
【0031】
そして、撮像装置IDに対応づけられた端末装置IDを有する端末装置3の接続要求情報を所定のテーブル(接続要求管理テーブル)から参照する。接続要求情報にはデフォルトとしてOFFが設定されているので、中継サーバ2は、接続要求情報(OFF)を返信する(S110)。そして、中継サーバ2は、接続要求情報に(OFF)が設定されているので、撮像装置5との間の接続を解除する(S112)。
【0032】
撮像装置5は、中継サーバ2から接続要求情報(OFF)を受信すると、予め設定された一定間隔に従い、接続要求の有無の問い合わせを継続的に送信する(S114)。一定間隔は、仕様に応じてまたは利用者が任意に設定することができ、本実施形態では、一例として5秒が設定されている。
【0033】
一方、撮像装置5が撮影した被写体の映像をユーザが閲覧したい場合、ユーザは、端末装置3を操作して、中継サーバ2に対して接続要求(撮像装置5の撮影データの取得要求)送信する(S116)。接続要求には、端末装置IDが含まれる。
【0034】
中継サーバ2は、接続要求を端末装置3から受信すると(S118)、所定のテーブル(接続要求管理テーブル)を参照し、接続要求に含まれる端末装置IDに対応する接続要求情報に「ON」を設定する(S120)。
【0035】
なお、S106の送信後、撮像装置5は、一定間隔(5秒)で、ルータ9を介して中継サーバ2に対して接続要求の有無の問い合わせを送信する(S122)。問い合わせには、撮像装置IDと、撮像装置に付与されたプライベートIPアドレスと、ポート番号とが含まれる。なお、ルータ9による変換後は、撮像装置IDとグローバルIPアドレスとポート番号が含まれる。
【0036】
中継サーバ2は、撮像装置5から接続要求の有無の問い合わせを受信すると、問い合わせに含まれる撮像装置のプライベートIPアドレスとポート番号(中継サーバから見た場合は変換後のグローバルIPアドレスとポート番号)を用いて、撮像装置5との間でTCP/IPに基づく接続を確立する。
【0037】
そして、問い合わせに含まれる撮像装置IDに対応する端末装置3の接続要求情報を所定のテーブル(接続要求管理テーブル)から参照する。ここでは、接続要求情報にONが設定されているので、中継サーバ2は、接続要求情報(ON)を返信する(S126)。そして、中継サーバ2は、接続要求情報に(ON)が設定されているので、撮像装置5との間に確立した接続をTCP/IPに基づいて維持する(S128)。
【0038】
撮像装置5は、中継サーバ2から接続要求情報(ON)を受信すると、データ送信処理を開始する(S130)。撮像装置5は、そのカメラ機構により被写体を撮影し(S132)、撮影した撮影データ(被写体の静止画、動画、及び/または、音声)を、維持されている接続(セッション)を利用して、中継サーバ2へ送信する(S134)。撮影データの送信には、UDP/IPを利用することができる。また、被写体の撮影及びその撮影データの送信は、仕様や設定に応じて行うことができ、例えば、所定間隔で静止画を送信してもよいし、動画を送信してもよい。
【0039】
中継サーバ2は、撮影データを受信すると(S136)、受信した撮影データに対して所定の画像処理を施し、端末装置3へ送信する(S138)。端末装置3は、撮影データを受信すると、ディスプレイに出力する(S140)。
【0040】
また、中継サーバ2は、撮影データを、端末装置IDや撮像装置IDと対応付けて録画/課金サーバ10へ送信し(S142)、録画/課金サーバ10は、受信した撮影データを端末装置IDや撮像装置IDと対応付けて所定の記憶領域に格納する(S144)。録画/課金サーバ10は、所定の設定条件に従って、撮影データの利用に対する課金処理を実行する。
【0041】
上記第1の実施形態によれば、ローカルエリアネットワークに属し、グローバルIPアドレスが付与されていない撮像装置5と、外部ネットワークに属する中継サーバ2との通信が可能になる。
【0042】
また、端末装置3から接続要求があった場合のみ、撮像装置5と中継サーバ2との間の接続が維持され、撮像装置5から中継サーバ2へ撮影データが送信される。従って、撮像装置5と中継サーバ2との間の接続は効率的に維持され、中継サーバ2の負荷を軽減することが可能になる。
【0043】
なお、上記第1の実施形態では、端末装置3から撮像装置(端末装置)5に対して、その撮像データに対する取得要求があった場合を例に説明したが、第1の実施形態の構成はこれに限られず、例えば、端末装置3が、情報処理端末6や情報処理端末7に対して、それらが保有するデータに対する取得要求を行う場合についても同様に適用できる。
【0044】
上記第1の実施形態では、サーバは、端末装置と、ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、通信可能に構成されたサーバであって、前記撮像装置から一定間隔で送信される第1の接続要求を受信する手段と、前記端末装置から送信される第2の接続要求を受信する手段と、前記第1の接続要求を受信した場合に、前記第2の接続要求を受信したか否かを判定し、前記第2の接続要求を受信したと判定した場合は、前記第1の接続要求に基づいて確立した前記撮像装置との間の接続を維持する接続維持手段と、前記接続維持手段により維持される接続を利用して前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮影したデータを受信する手段と、前記受信した前記撮像装置が撮影したデータを、前記端末装置へ送信する手段と、を備える。
【0045】
また、サーバは、第1の端末装置と、ローカルエリアネットワークに属する第2の端末装置と、通信可能に構成されたサーバであって、前記第2の端末装置から一定間隔で送信される第1の接続要求を受信する手段と、前記第1の端末装置から送信される第2の接続要求を受信する手段と、前記第1の接続要求を受信した場合に、前記第2の接続要求を受信したか否かを判定し、前記第2の接続要求を受信したと判定した場合は、前記第1の接続要求に基づいて確立した前記第2の端末装置との間の接続を維持する接続維持手段と、前記接続維持手段により維持される接続を利用して前記第2の端末装置から送信されるデータを受信する手段と、前記受信した前記第2の端末装置が送信したデータを、前記第1の端末装置へ送信する手段と、を備える。
【0046】
また、サーバは、端末装置と、ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、通信可能に構成されたサーバであって、前記端末装置から送信される前記端末装置の識別情報を受信する手段と、前記撮像装置から一定間隔で送信される、前記撮像装置の識別情報と前記撮像装置のプライベートIPアドレスとを受信する手段と、前記受信した端末装置の識別情報が、前記受信した撮像装置の識別情報と予め対応づけられている場合に、前記受信した撮像装置のプライベートIPアドレスに基づいて確立した前記撮像装置との間の接続を維持する接続維持手段と、前記接続維持手段により維持される接続を利用して前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮影したデータを受信する手段と、前記受信した前記撮像装置が撮影したデータを、前記端末装置へ送信する手段と、を備える。
【0047】
サーバは、第1の端末装置と、ローカルエリアネットワークに属する第2の端末装置と、通信可能に構成されたサーバであって、前記第1の端末装置から送信される前記第1の端末装置の識別情報を受信する手段と、前記第2の端末装置から一定間隔で送信される、前記第2の端末装置の識別情報と前記第2の端末装置のプライベートIPアドレスとを受信する手段と、前記受信した第1の端末装置の識別情報が、前記受信した第2の端末装置の識別情報と予め対応づけられている場合に、前記受信した第2の端末装置のプライベートIPアドレスに基づいて確立した前記第2の端末装置との間の接続を維持する接続維持手段と、前記接続維持手段により維持される接続を利用して前記第2の端末装置から送信されるデータを受信する手段と、前記受信した前記第2の端末装置から送信されたデータを、前記第1の端末装置へ送信する手段と、を備える。
【0048】
(2)第2の実施形態
図3は、第2の実施形態に係るネットワークカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。第2の実施形態では、携帯TV電話を利用してネットワークカメラの撮像画像を閲覧する場合について説明する。なお、図3において、図1と同一構成については同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0049】
第2の実施形態に係るネットワークカメラシステムは、端末装置がTV電話機能を有する携帯電話機である点と、この携帯電話機からTV電話の発信を受け付けるゲートウェイサーバ11を備える点におもな特徴がある。撮像装置としてのネットワークカメラ51は、情報処理端末6、情報処理端末7、ハブ8及びルータ9とともにLAN4(Local Area Network)を構成する。ネットワークカメラ51と携帯電話機34は、通信ネットワークN2(例えば、ISDN回線が該当するが、これに限られない。)、ゲートウェイサーバ11及び通信ネットワークN(例えば、インターネットが該当するが、これに限られない)を介して、相互に通信可能に構成されている。なお、図3では、1つの携帯電話機34を例示しているが、ネットワークカメラシステムには1つ以上の携帯電話機34を接続可能である。また、図3では、中継サーバ21とゲートウェイサーバ11とを別々に記載したが、これらの機能を単一のコンピュータより構成されるようにしてもよい。
【0050】
図4は、第2の実施形態に係るネットワークカメラの機能構成を表すブロック図である。ネットワークカメラ51は、通信部(通信手段)511、制御部(制御手段)512、記憶部(記憶手段)513、音声入出力部(音声入出力手段)514、撮像部(撮像手段)515、表示部(表示手段)516、操作部(操作手段)517を備える。ネットワークカメラ51は、図示してはいないが、CPU、メモリ、外部記憶装置、入出力インタフェース、通信インタフェース、カメラ機構及びこれらを結ぶバスを備えるハードウェアを備え、例えばCPUがメモリや記憶装置に格納された各種プログラムを実行して各ハードウェアを制御することにより上記の各機能手段は実現される。
【0051】
通信部511は、LAN4を介してネットワークカメラ51に対して情報を入出力するように通信を制御するものであり、例えば、TCP/IP等のモジュールを備える。制御部512は、ネットワークカメラ51全体の動作を制御するものであり、NAT越え処理を実行するNAT越え処理部や、テレビ電話処理を実行するテレビ電話処理部などを備える。記憶部513は、NAT越え処理等に必要な各種プログラムやデータを適宜記憶するものであり、ここでは、ネットワークカメラを一意的に識別するカメラIDをユーザ登録情報として記憶する。音声入出力部514は、ネットワークカメラ51に対して音声の入出力を制御し、例えばスピーカ、マイク、イヤホンなどが該当する。撮像部515は、例えばCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサにより被写体を撮像し、その撮像結果(画像信号)に対してA/D変換処理や画像処理等を適宜施すことにより撮像画像を生成する。表示部516は、撮像画像等を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイが該当する。操作部517は、ユーザの操作を受け付けるものであり、例えば、スイッチ、ボタン、操作キー、キーボード等が該当する。なお、ネットワークカメラ51が備える構成や機能はこれらに限られず、設定に応じて機能の追加や変更が可能である。
【0052】
図5は、第2の実施形態に係る中継サーバの構成を表すブロック図である。中継サーバ21は、通信部211、制御部212、記憶部213、入力部214、出力部215を備える。なお、中継サーバ21は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成されるものであってもよい。中継サーバ21は、図示してはいないが、CPU、メモリ、外部記憶装置、入出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバスを備えるハードウェアを備え、例えばCPUがメモリや記憶装置に格納された各種プログラムを実行することにより各種機能を実現する。
【0053】
通信部211は、通信ネットワークNを介して中継サーバ21に対して情報を入出力するように通信を制御するものであり、例えば、TCP/IP等のモジュールを備える。制御部212は、中継サーバ21全体の動作を制御するものであり、カメラ情報を適宜更新するカメラ情報更新部や、NAT越えのためにアクセス先(ネットワークカメラ)を判定する判定部などを備える。また、記憶部213は、NAT越え処理等に必要な各種プログラムやデータを適宜記憶するものであり、ここでは、ネットワークカメラ51を一意的に識別するカメラID、ネットワークカメラ51に付与されたIPアドレスとポート番号が対応付けてユーザ登録情報として記憶される。入力部214及び出力部215は、各種データを入出力するためのものであり、例えば、キーボードやディスプレイ等が該当する。なお、中継サーバ21が備える構成や機能はこれらに限られず、設定に応じて機能の追加や変更が可能である。
【0054】
図6は、第2の実施形態に係るゲートウェイサーバの構成を表すブロック図である。ゲートウェイサーバ11は、通信部111、制御部112、記憶部113、入力部114、出力部115を備える。なお、ゲートウェイサーバ11は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成されるものであってもよい。ゲートウェイサーバ11は、図示してはいないが、CPU、メモリ、外部記憶装置、入出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバスを備えるハードウェアを備え、例えばCPUがメモリや記憶装置に格納された各種プログラムを実行することにより各種機能を実現する。
【0055】
通信部111は、通信ネットワークN及び通信ネットワークN2をそれぞれ介してゲートウェイサーバ11に対して情報を入出力するように通信を制御するものであり、例えば、TCP/IPやSIP等のモジュールを備える。制御部212は、ゲートウェイサーバ11全体の動作を制御するものであり、ユーザ情報を登録するユーザ情報登録部や、NAT越えのためにアクセス先(ネットワークカメラ)を問い合わせる問い合わせ部、テレビ電話を中継するTV電話中継部などを備える。また、記憶部113は、NAT越え処理等に必要な各種プログラムやデータを適宜記憶するものであり、ここでは、携帯電話機34の携帯電話番号とネットワークカメラ51を一意的に識別するカメラIDとが対応付けて記憶される。入力部114及び出力部115は、各種データを入出力するためのものであり、例えば、キーボードやディスプレイ等が該当する。なお、ゲートウェイサーバ11が備える構成や機能はこれらに限られず、設定に応じて機能の追加や変更が可能である。
【0056】
図7は、第2の実施形態に係る携帯電話機の構成を説明する図である。携帯電話機34は、通信部341、制御部342、記憶部343、音声入出力部344、撮像部345、表示部346、操作部347を備える。携帯電話機34は、図示してはいないが、CPU、メモリ、外部記憶装置、入出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバスを備えるハードウェアを備え、例えばCPUがメモリや記憶装置に格納された各種プログラムを実行することにより各種機能を実現する。
【0057】
通信部341は、通信ネットワークN2を介して携帯電話機34に対して情報を入出力するように通信を制御するものであり、例えば、SIP等のモジュールを備える。制御部342は、携帯電話機34全体の動作を制御するものであり、テレビ電話に関する処理を実行するTV電話処理部などを備える。また、記憶部343は、各種プログラムやデータを適宜記憶するものであり、ここでは、携帯電話機34の携帯電話番号が記憶される。音声入出力部344は、携帯電話機34に対して音声の入出力を制御し、例えばスピーカ、マイク、イヤホンなどが該当する。撮像部345は、例えばCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサにより被写体を撮像し、その撮像結果(画像信号)に対してA/D変換処理や画像処理等を適宜施すことにより撮像画像を生成する。表示部346は、撮像画像等を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイが該当する。操作部347は、ユーザの操作を受け付けるものであり、例えば、ボタンや操作キー等が該当する。なお、携帯電話機34が備える構成や機能はこれらに限られず、設定に応じて機能の追加や変更が可能である。
【0058】
次に、以上のように構成される第2の実施形態に係るネットワークカメラシステムの処理の流れについて詳細に説明する。図8は、第2の実施形態に係るNAT越え処理の流れを示すフローチャートである。後述するフローチャートにおける各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0059】
ネットワークシステムによるサービスの利用に先立ち、ユーザは、携帯電話機34からゲートウェイサーバ11と中継サーバ21にそれぞれアクセスし、ユーザ登録情報を送信する(S200)。ゲートウェイサーバ11宛てのユーザ登録情報には、ユーザの携帯電話機34を一意的に識別するための識別情報(例えば、携帯電話機34のSIMカードに登録されている端末ID又は電話番号)と、ユーザのネットワークカメラ51を一意的に識別するための識別情報(例えば、カメラID)とが含まれる。中継サーバ21宛てのユーザ登録情報には、少なくともカメラIDが含まれる。
【0060】
ゲートウェイサーバ11と中継サーバ21は、ユーザの登録情報を受信すると、受信したユーザ登録情報をそれぞれ所定の記憶領域に格納する(S202、S204)。
【0061】
一方、ネットワークカメラ51の制御部512は、電源がONになると、NAT越えモジュールを実行し、ネットワークカメラ51に関する情報(カメラ情報)をルータ9経由で中継サーバ2に定期的に送信する(S206)。カメラ情報は、カメラIDと、ネットワークカメラ51に付与されたプライベートIPアドレス及びポートNo(ポート番号)を含む。カメラ情報を送信するタイミングは、設計に応じて適宜設定することが可能である。なお、図8中のS206、S208、S210に係る処理工程を囲む点線は、S206、S208、S210に係る処理工程が、既定条件(例えば、電源がOFFになるまで)を満たすまで繰り返し実行されることを示している。
【0062】
ネットワークカメラ51から送出されたカメラ情報は、ルータ9によってIPアドレスとポート番号の変換が行われた後、中継サーバ21に送られる(S208)。
【0063】
中継サーバ21は、カメラ情報を取得すると、カメラ情報に含まれるカメラID、グローバルIPアドレス及びポートNoを対応付けて所定の記憶領域に格納する(S210)。カメラ情報が既に格納されている場合は、中継サーバ21は、カメラIDに基づいて該当するデータを特定し、特定されたデータを登録更新する。これにより、中継サーバ21には、ネットワークカメラ51の最新のIPアドレス及びポートNoが保持されることになる。
【0064】
一方、ユーザは、ネットワークカメラ51の撮像画像を閲覧したい場合、携帯電話機34に対してテレビ電話発信のための操作をすることにより、ゲートウェイサーバ11に向けてテレビ電話を発信し(S212)、ゲートウェイサーバ11は、携帯電話機34からのテレビ電話を着信する(S214)。
【0065】
ゲートウェイサーバ11は、テレビ電話を着信すると、例えば、発信者番号通知機能などに基づいてテレビ電話の発信元である携帯電話機34の携帯電話番号を特定し(S216)、特定した携帯電話番号をキーにユーザ登録情報を参照することにより、携帯電話番号に対応するカメラIDを特定する(S216)。
【0066】
ゲートウェイサーバ11は、特定したカメラIDに基づいて、テレビ電話の着信先すなわちアクセス先(ネットワークカメラ)を、中継サーバ21に問い合わせる(S218)。
【0067】
中継サーバ21は、受けつけた問い合わせに含まれるカメラIDをキーにカメラ情報を参照することにより、カメラIDに対応するアクセス先情報(グローバルIPアドレスとポートNo)を特定する(S220)。
【0068】
中継サーバ21は、特定したアクセス先情報(グローバルIPアドレスとポートNo)を、ゲートウェイサーバ11に送り返す(S222)。
【0069】
ゲートウェイサーバ11は、携帯電話34の発信情報と、受信したアクセス先情報(グローバルIPアドレスとポートNo)とに基づいて、をルータ9経由でネットワークカメラ51に送信する(S226)。
【0070】
ルータ9は、テレビ電話の要求に含まれる送信先アドレスを所定のマッピングテーブルに従ってアドレス変換し(グローバルIPアドレス→プライベートIPアドレス、ポートNo→他のポートNo)LAN4に送出する(S228)。
【0071】
ネットワークカメラ51は、テレビ電話の要求を受信すると(S230)、テレビ電話処理を開始し、動画音声データ(撮像画像)の送信を開始する(S232)。
【0072】
ルータ9は、動画音声データに含まれる送信元アドレスを、所定のマッピングテーブルに従ってアドレス変換し(プライベートIPアドレス→グローバルIPアドレス、他のポートNo→ポートNo)、通信ネットワークNに送出する(S234)。
【0073】
動画音声データは、ゲートウェイサーバ11を経由して(S236)、携帯電話機34に送信され、携帯電話機34は、動画音声データを受信して再生する(S238)。図8中のS232、S234、S236に係る処理工程は、既定条件(例えば、テレビ電話終了指示を受け付けるまで)を満たすまで繰り返し実行される。
【0074】
ユーザが、携帯電話機34に対してテレビ電話終了のための操作を実行すると、携帯電話機34は、テレビ電話の終了指示をネットワークカメラ51に対して送信する(S240)。テレビ電話の終了指示は、ゲートウェイサーバ11を経由して(S242)、ネットワークカメラ51に対して送信される。
【0075】
ルータ9は、テレビ電話の終了指示に含まれる送信先アドレスを所定のマッピングテーブルに従ってアドレス変換し(グローバルIPアドレス→プライベートIPアドレス、ポートNo→他のポートNo)LAN4に送出する(S244)。
【0076】
ネットワークカメラ51は、テレビ電話の終了指示を受信すると、動画音声データの送信を中止する(S246)。
【0077】
なお、上記フローでは、ネットワークカメラ51で撮像した動画音声データを携帯電話機34が受信して再生する場合について説明したが、同時に、携帯電話機34で撮像した動画音声データを動画音声データが受信して再生するようにしてもよい。
【0078】
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、ユーザは、テレビ電話機能という自分が所望する通信形態を利用して、ネットワークカメラの撮像画像を閲覧することができるようになる。また、テレビ電話機能を利用することで、ネットワークカメラの撮像画像をリアルタイムで閲覧することが可能になる。
【0079】
(3)第3の実施形態
図9は、第3の実施形態に係るネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。第3の実施形態では、DDNSサーバを利用してネットワークカメラの撮像画像を閲覧する場合について説明する。なお、図9において、図1と同一構成については同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0080】
図9に示すように、第3の実施形態に係るネットワークカメラシステムは、DDNS(Dynamic Domain Name System)サーバを利用してパーソナルコンピュータ等の端末装置から撮像画像を閲覧する点に特徴がある。撮像装置としてのネットワークカメラ52は、情報処理端末6、情報処理端末7、ハブ8及びルータ9とともにLAN4(Local Area Network)を構成する。ネットワークカメラ52、中継サーバ22及び端末装置3は、通信ネットワークN(例えば、インターネットが該当するが、これに限られない。)を介して、相互に通信可能に構成されている。DDNSサーバ12は、動的に割り当てられるIPアドレスとそのホスト名の対応を動的に登録し管理する機能を有する。また、図9では、中継サーバ21とDDNSサーバ12とを別々に記載したが、これらの機能を単一のコンピュータより構成されるようにしてもよい。
【0081】
図10は、第3の実施形態に係るネットワークカメラの機能構成を表すブロック図である。ネットワークカメラ52は、通信部521、制御部522、記憶部523、音声入出力部524、撮像部525、表示部526、操作部527を備える。図10に示すネットワークカメラは、その制御部がテレビ電話処理部の代わりにDDNS処理部を備える点で、図4に示すネットワークカメラの制御部と相違しているが、その他の構成は共通する。DDNS処理部は、後述するように、定期的にドメイン名とIPアドレスをDDNSサーバ12に送信する。
【0082】
次に、以上のように構成される第3の実施形態に係るネットワークカメラシステムの処理の流れについて詳細に説明する。図11は、第3の実施形態に係るNAT越え処理の流れを示すフローチャートである。後述するフローチャートにおける各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0083】
ネットワークカメラ52の制御部522は、電源がONになると、NAT越えモジュールを実行し、ネットワークカメラ52に関する情報(カメラ情報)をルータ9経由で中継サーバ22に定期的に送信する(S300)。カメラ情報は、カメラIDと、ネットワークカメラ51に付与されたプライベートIPアドレス及びポートNoを含む。カメラ情報を送信するタイミングは、設計に応じて適宜設定することが可能である。なお、図8中のS300〜S310に係る処理工程を囲む点線は、S300〜S310に係る処理工程が、既定条件(例えば、電源がOFFになるまで)を満たすまで繰り返し実行されることを示している。
【0084】
ネットワークカメラ52から送出されたカメラ情報は、ルータ9によってIPアドレスとポート番号の変換が行われた後、中継サーバ22に送られる(S302)。
【0085】
中継サーバ22は、カメラ情報を取得すると、カメラ情報に含まれるカメラID、グローバルIPアドレス及びポートNoを対応付けて所定の記憶領域に格納する(S304)。カメラ情報が既に格納されている場合は、中継サーバ22は、カメラIDに基づいて該当するデータを特定し、特定されたデータを登録更新する。これにより、中継サーバ22には、ネットワークカメラ52の最新のIPアドレスやポートNoが保持されることになる。
【0086】
同様に、ネットワークカメラ52の制御部522は、DDNSモジュールを実行し、ネットワークカメラ52のドメインに関する情報(ドメイン情報)をルータ9経由で中継サーバ22に定期的に送信する(S306)。ドメイン情報は、ドメイン名とネットワークカメラ51に付与されたプライベートIPアドレスとを含む。ドメイン情報を送信するタイミングは、設計に応じて適宜設定することが可能である。
【0087】
ネットワークカメラ52から送出されたドメイン情報は、ルータ9によってIPアドレスとポート番号の変換が行われた後、DDNSサーバ12に送られる(S308)。
【0088】
DDNSサーバ12は、ドメイン情報を取得すると、ドメイン名とグローバルIPアドレスを対応付けて所定の記憶領域に格納する(S310)。ドメイン名が既に格納されている場合は、ドメイン名に基づいて該当するデータを特定して登録更新する。これにより、DDNSサーバ12には、ネットワークカメラ52の最新のIPアドレスとドメイン名の対応付け情報が保持されることになる。
【0089】
一方、ユーザは、端末装置3からドメイン名を入力して閲覧要求を送信し(S311)、DDNSサーバ12は、閲覧要求を受信する(S312)。
【0090】
DDNSサーバ12は、閲覧要求に含まれるドメイン名に対応するグローバルIPアドレスを、所定の記憶領域から特定し(S314)、特定したグローバルIPアドレスに基づいて閲覧要求を転送する(S316)。
【0091】
中継サーバ22は、閲覧要求に含まれるグローバルIPアドレスをキーにカメラ情報を参照することにより、グローバルIPアドレスに対応するカメラIDとポートNoを特定する(S318)。
【0092】
中継サーバ22は、特定したアクセス先情報(グローバルIPアドレスとポートNo)を、端末装置3に送り返す(S320)。
【0093】
端末装置3は、取得したアクセス先情報(グローバルIPアドレスとポートNo)(S322)に基づいて、撮像データの取得要求を送信する(S324)。
【0094】
撮像データの取得要求は、ルータ9を経由してアドレス変換が行われた後(S326)、ネットワークカメラ52に送信される(S328)。
【0095】
ネットワークカメラ52は、撮像データの取得要求を受信すると(S328)、撮像処理を開始し、撮像した動画音声データ(撮像画像)の送信を開始する(S330)。
【0096】
送信された撮像した動画音声データ(撮像画像)は、ルータ9を経由してアドレス変換が行われた後(S332)、端末装置3に送信される。
【0097】
端末装置3は、動画音声データ(撮像画像)を受信して、これを再生する(S334)。図11中のS330、S332、S334に係る処理工程は、既定条件(例えば、取得終了指示を受け付けるまで)を満たすまで繰り返し実行される。
【0098】
ユーザが、端末装置3に対して取得終了指示の操作を実行すると、端末装置3は、撮像データの取得終了指示をネットワークカメラ52に対して送信する(S336)。この終了指示は、ルータ9を経由してアドレス変換され(S338)、ネットワークカメラ52によって受信される(S340)。
【0099】
ネットワークカメラ52は、終了指示を受信すると、撮像を中止して、動画音声データの送信を中止する(S340)。
【0100】
以上、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、ユーザは、パーソナルコンピュータ等の端末装置を利用して、ネットワークカメラが撮像した動画像をリアルタイムで閲覧することができるようになる。
【0101】
(4)その他の実施形態
上記第2の実施形態では、ネットワークカメラ51及びルータ9からIPアドレスを中継サーバ21へ定期的に送信し、中継サーバ21は、この受信したIPアドレスを用いてネットワークカメラ51と携帯電話34との間のTV電話接続を確立している。しかし、接続を確立している最中にルータ9がリセット等された場合には、グローバルIPアドレスが変更してしまう可能性がある。そこで、ネットワークカメラ51に、ルータ9の動作を常時監視し、ルータ9の異常を自動的に検知する機能を有する死活監視手段を設けることが望ましい。この死活監視手段は、例えば、TV電話接続を確立している最中にルータ9の異常を検知した場合には、ルータ9が回復して新たにグローバルIPアドレスが割り当てられたタイミングで、中継サーバ21にカメラ情報(カメラID、プライベートIPアドレス、ポートNo)を送信する。ルータ9は、プライベートIPアドレスを最新のグローバルIPアドレスに変換して中継サーバ21へ送信する。中継サーバ21は、最新のグローバルIPアドレスを受信すると、これによって該当する登録済みのグローバルIPアドレスを更新する。これにより、接続を確立している最中にルータ9がリセット等されることによりTV電話接続が中断された場合でも、新たなグローバルIPアドレスに基づいてTV電話接続を再開することが可能になる。なお、この死活監視手段が備えるルータの異常を自動的に検知する機能は、従来の技術を用いて実現することができる。また、死活監視手段は、第3の実施形態におけるネットワークカメラ52にも適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1…画像配信システム、2…中継サーバ、3…端末装置、4…LAN、5…撮像装置、6…情報処理端末、7…情報処理端末、8…ハブ、9…ルータ、10…録画・課金サーバ、N…通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、
前記撮像装置から定期的に送信される当該撮像装置に対する接続要求の有無の問い合わせを受信する手段と、
前記撮像装置からの問い合わせを受信した場合に、前記端末装置から前記撮像装置に対する接続要求を受信しているか否かを判定し、当該判定結果が是であることを条件に、前記問い合わせに基づいて確立した前記撮像装置との間の接続を維持する手段と、
前記維持された接続を利用して前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮像した撮像データを受信する手段と、
前記受信した前記撮影データを前記端末装置へ送信する手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
ローカルエリアネットワークに属する第1の端末装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する第2の端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、
前記第1の端末装置から定期的に送信される当該第1の端末装置に対する接続要求の有無の問い合わせを受信する手段と、
前記第1の端末装置からの問い合わせを受信した場合に、前記第2の端末装置から前記第1の端末装置に対する接続要求を受信しているか否かを判定し、当該判定結果が是であることを条件に、前記問い合わせに基づいて確立した前記第1の端末装置との間の接続を維持する手段と、
前記維持された接続を利用して前記第1の端末装置から送信されるデータを受信する手段と、
前記受信した前記第1の端末装置から送信されるデータを前記第2の端末装置へ送信する手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項3】
ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、
前記端末装置から送信される前記端末装置の識別情報を受信する手段と、
前記撮像装置から定期的に送信される、前記撮像装置の識別情報と前記撮像装置のIPアドレスとを受信する手段と、
前記受信した端末装置の識別情報が、前記受信した撮像装置の識別情報と予め対応づけられている場合に、前記受信した撮像装置のIPアドレスに基づいて確立した前記撮像装置との間の接続を維持する接続維持手段と、
前記接続維持手段により維持される接続を利用して前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮影したデータを受信する手段と、
前記受信した前記撮像装置が撮影したデータを、前記端末装置へ送信する手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項4】
ローカルエリアネットワークに属する第1の端末装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する第2の端末装置と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、
前記第2の端末装置から送信される前記第2の端末装置の識別情報を受信する手段と、
前記第1の端末装置から一定間隔で送信される、前記第1の端末装置の識別情報と前記第1の端末装置のIPアドレスとを受信する手段と、
前記受信した第2の端末装置の識別情報が、前記受信した第1端末装置の識別情報と予め対応づけられている場合に、前記受信した第1の端末装置のIPアドレスに基づいて確立した前記第1の端末装置との間の接続を維持する接続維持手段と、
前記接続維持手段により維持される接続を利用して前記第1の端末装置から送信されるデータを受信する手段と、
前記受信した前記第1の端末装置から送信されたデータを、前記第2の端末装置へ送信する手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項5】
ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属しテレビ電話機能を有する携帯電話端末と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、
前記携帯電話端末の識別情報と前記撮像装置の識別情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記撮像装置の識別情報とIPアドレスとポート番号とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記撮像装置から定期的に送信される当該撮像装置の識別情報とIPアドレスとポート番号とを受信して、前記第2の記憶手段の対応する情報を登録更新する更新手段と、
前記携帯電話端末からのテレビ電話の発信を受け付けると、当該携帯電話端末の識別情報に対応する前記撮像装置の識別情報を前記第1の記憶手段から抽出する第1の抽出手段と、
前記第1の抽出手段が抽出した撮像装置の識別情報に対応するIPアドレス及びポート番号を前記第2の記憶手段から抽出する第2の抽出手段と、
前記第2の抽出手段が抽出したIPアドレス及びポート番号に基づいて、前記撮像装置にテレビ電話の発信を転送する転送手段と、
前記転送手段により転送されたテレビ電話の発信に対応して、前記撮像装置から送信される前記撮像装置が撮像した動画音声データを受信する手段と、
前記受信した前記動画音声データを前記携帯電話端末へ送信する手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項6】
ローカルエリアネットワークに属する撮像装置と、当該ローカルエリアネットワーク以外のネットワークに属する情報処理端末と、それぞれ通信可能に構成されたサーバであって、
前記撮像装置のドメイン名とIPアドレスを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記撮像装置の識別情報、IPアドレス及びポート番号を対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記撮像装置から定期的に送信される、当該撮像装置のドメイン名とIPアドレスを受信して、前記第1の記憶手段の対応する情報を登録更新する第1の更新手段と、
前記撮像装置から定期的に送信される当該撮像装置の識別情報とIPアドレスとポート番号とを受信して、前記第2の記憶手段の対応する情報を登録更新する第2の更新手段と、
前記情報処理端末からドメイン名を含む閲覧要求を受け付けると、当該ドメイン名に対応するIPアドレスを前記第1の記憶手段から抽出する第1の抽出手段と、
前記第1の抽出手段が抽出したIPアドレスに対応するポート番号を前記第2の記憶手段から抽出する第2の抽出手段と、
前記第1の抽出手段が抽出したIPアドレスと前記第2の抽出手段が抽出したポート番号を前記情報処理端末に送信する手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−57165(P2010−57165A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173418(P2009−173418)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(508227994)株式会社デジックス (6)
【Fターム(参考)】