説明

ネットワーク対応プリント処理システム

【目的】電子メールを用いてプリントサービスにデータを送出し得るネットワーク対応プリント処理システムを提供する。
【構成】クライアント10はプリント用パラメータファイル及びドキュメントファイルを含む電子メールを、プリントサービスを行うユーザに送信する。メール受信機構111はその電子メールを受信してメールボックス管理部112に渡す。メールボックス管理部112は電子メールを記憶装置113内の該当メールボックス113Aに格納する。パラメータファイル解析機構120は、その電子メールを取り出してパラメータファイルの内容をチェックする。パラメータファイル解析機構120は、その内容が正しい場合は、パラメータファイル及びドキュメントファイルをプリント要求機構130に渡してプリントサーバ140に対しプリントジョブの処理を依頼する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ネットワークを等してドキュメントをプリンタに送出し、プリントさせるネットワーク対応プリント処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ドキュメントをネットワークを通してプリンタに送り、プリントさせるためには、プリントサービス(プリントサーバ)がサポートするプロトコルに従ってドキュメントを送るようにしていた。
【0003】例えばXNSプリントサービスに対しては、クライアントはXNSプリンティングプロトコル(XNSS 119005 Printing Protocol )に従ってデータを送るようにしていた。
【0004】また現在ISO(国際標準化機構)で標準化が進められているDPA(ISO/IEC DIS 10175 Information technology-Text and office systems-Document Printing Application(DPA) )プリントサービスに対しては、クライアントはDPAプロトコルに従ってデータを送るよう取り決めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記XNSプリントサービス、DPAプリントサービスは、それぞれ単一のプロトコルのみしかサポートしていないため、そのプロトコルをサポートしないクライアントは、そのプリントサービスにプリント依頼することができない。例えばXNSプリンティングプロトコルをサポートしていないクライアントはXNSプリントサービスにプリント依頼することができない。
【0006】この発明は、電子メールを用いてプリントサービスにデータを送出することのできるネットワーク対応プリント処理システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、第1の発明のネットワーク対応プリント処理システムは、クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントを含む電子メールを受信するメール受信手段と、前記電子メール内のパラメータに基づいて前記電子メール内のドキュメントをプリントするプリント手段とを具えている。
【0008】第2の発明のネットワーク対応プリント処理システムは、第1の発明において、前記電子メールに対するプリント処理の結果をメッセージ化し、このメッセージ化されたプリント処理結果を、前記クライアントに返信する配信報告手段を更に具えたことを特徴とする。
【0009】第3の発明のネットワーク対応プリント処理システムは、第1の発明において、前記電子メールが自己のシステムが解釈できるメールプロトコル形式でなかった場合は、当該電子メールを当該メールプロトコルの内部フォーマットに変換するメールフォーマット変換手段を更に具えたことを特徴とする。
【0010】第4の発明のネットワーク対応プリント処理システムは、第3の発明において、前記電子メールに対するプリント処理の結果をメッセージ化する配信報告手段と、前記メッセージ化されたプリント処理結果を、前記クライアントに対応するメールプロトコルに変換し、このプロトコル変換されたプリント処理結果を前記クライアントに転送するメール転送手段とを更に具えたことを特徴とする。
【0011】第5の発明のネットワーク対応プリント処理システムは、クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントコンテントであるファイルへのリファレンス情報を含む電子メールを受信するメール受信手段と、前記受信した電子メール内のリファレンス情報に基づいて前記ファイルを取得するファイル転送手段と、前記受信した電子メール内のプリントのためのパラメータに基づいて前記取得したファイル内のドキュメントをプリントするプリント手段とを具えている。
【0012】
【作用】第1の発明では、メール受信手段によって、クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントを含む電子メールを受信し、プリント手段によって、前記電子メール内のパラメータに基づいて前記電子メール内のドキュメントをプリントする。
【0013】第2の発明では、第1の発明において、配信報告手段によって、前記電子メールに対するプリント処理の結果例えばプリント成功又はプリント失敗を示す旨をメッセージ化し、このメッセージ化されたプリント処理結果を、前記クライアントに返信する。
【0014】第3の発明では、第1の発明において、メールフォーマット変換手段によって、クラテアントから送信された前記電子メールが自己のシステムが解釈できるメールプロトコル形式でなかった場合は、当該電子メールを当該メールプロトコルの内部フォーマットに変換する。そしてプリント手段は、その変換された電子メール内のパラメータ及びドキュメントに基づいてプリント処理する。
【0015】第4の発明では、第3の発明において、配信報告手段によって、前記電子メールに対するプリント処理の結果例えばプリント成功又はプリント失敗を示す旨をメッセージ化し、更にメール転送手段によって、前記メッセージ化されたプリント処理結果を、プリント処理依頼した前記クライアントに対応するメールプロトコルに変換し、このプロトコル変換されたプリント処理結果を前記クライアントに転送する。
【0016】第5の発明では、メール受信手段によって、クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントコンテントであるファイルへのリファレンス情報を含む電子メールを受信し、ファイル転送手段によって、前記受信した電子メール内のリファレンス情報に基づいて前記ファイルを取得し、更にプリント手段によって、前記受信した電子メール内のプリントのためのパラメータに基づいて前記取得したファイル内のドキュメントをプリントする。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面参照して説明する。
【0018】図1は、本発明に係るネットワーク対応プリント処理システムを第1の実施例を構成図で示したものである。
【0019】同図において、ネットワーク対応プリント処理システムは、クライアント10と、プリント処理システム20とがネットワーク30に接続されて構成されている。
【0020】クライアント10は例えばワークステーションやコンピュータであり、プリントサービスを表現する特殊なユーザに電子メールを送る。
【0021】プリント処理システム20は、メールサーバ110と、パラメタファイル解析機構120と、プリント要求機構130と、プリントサーバ140とを有しており、メールサービス機能及びプリントサービス機能を提供する。
【0022】メールサーバ110において、メール受信機構111はネットワーク30を経て入力される電子メールを受信し、この電子メールをメールボックス管理部112に渡す。メールボックス管理部112は渡された電子メールを、通常のメールサーバと同様に、記憶装置113内の宛先毎(ユーザ毎)のメールボックスに格納する。配信報告機構114は、メールボックスに格納された電子メールに対するプリント処理の結果を配信報告メールとして、当該電子メールの発信元であるクライアントに送信する。
【0023】なお、この実施例においては、各プリントサーバにそれぞれ対応して、メールの宛先となり得る特殊なユーザが定義され、プリントサーバと共存するメールサーバには、そのユーザに対するメールボックスが用意されるようになっている。ここでは、このメールサーバに1つのプリントサーバが接続され、そのプリントサーバに対応してSharaku-PSというユーザが登録され、更にこのユーザに対応してメールボックス113Aが格納されている。なおこの例では、メールボックスは1つのみであるが、このメールサーバに複数のプリンタが接続されている場合は、各プリンタにそれぞれ対してメールボックスが存在することになる。
【0024】パラメタファイル解析機構120は、記憶装置113内のメールボックスからメールを取り出し、パラメタファイルを解析すると共に、必要なパラメタと共にドキュメントファイルをプリント要求機構130に送出する。プリント要求機構130では、それらの情報をプリントサーバ140に渡してプリント出力を依頼する。プリントサーバ140はパラメタ及びドキュメントファイルに基づいてプリント出力する。この実施例では、プリントサーバ140は「Sharaku-PS」というユーザとして設けられている。
【0025】係る構成において、ネットワーク対応プリント処理システムのプリント処理について、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0026】最初に、クライアント10は、プリント部数等、プリント時に必要なパラメタ群を記述したパラメタファイルとプリントしたいドキュメントファイルとをひとまとめにした電子メールを、プリントサーバを表現する特殊なユーザ(この例ではSharaku-PS)に送信する。なお、このようなパラメータファイルとドキュメントファイルの対は1つの電子メール本体の中に幾つあっても構わない。
【0027】ここに、クライアント10からの電子メールの一例を以下に示す。


ここで、『』はパラメタファイルを示す。「」はドキュメントファイルを示す。
【0028】上記の電子メールにおいては、宛先となるユーザはSharaku-PSと指定されており、またパラメタファイルの中に、コメント及びドキュメントの名前(これらはプリント時のスタートシートに印字される)が指定され、またプリント枚数は2部と指定され、更にドキュメントのフォーマットはPostScript(ポストスクリプト)と指定されている。このファイルに続くドキュメントファイルは、PostScriptのプリントフォーマットファイルである。
【0029】この様な電子メールがクライアント10から送信されると、該電子メールは、ネットワーク30を経てメール受信機構111に入力され(ステップ201)、その後、メールボックス管理部112に入力される。メールボックス管理部112では、受け取った電子メール内の宛先(この例ではSharaku-PS)を参照し、この宛先に対応するメールボックス113Aに当該電子メールを格納する(ステップ202)。
【0030】メールボックス113Aに電子メールが届くと、パラメタファイル解析機構120は、メールボックス113Aからその電子メールを取り出して、パラメタファイルの内容をチェックし(ステップ203)、その内容にエラーがあるか否かを判断する(ステップ204)。
【0031】ステップ204において、エラーの場合はその旨をメールサーバ110の配信報告機構114に通知し(ステップ205)、一方、エラーでない場合は、指定されたパラメタ群をプリントサーバ140が理解できる形式に変換し(ステップ206)、この変換されたパラメタ群およびドキュメントファイルをプリントジョブとしてプリント要求機構130に渡す(ステップ207)。プリント要求機構130では、受け取ったプリントジョブを該当するプリントサーバ140(この例ではSharaku-PSに対応するプリントサーバ)に渡し、プリント出力を依頼する。
【0032】プリントサーバ140は、受け取ったドキュメントを指定されたパラメタに従ってプリントすると共に(ステップ208)、プリントが終了したか否かを判断する(ステップ209)。ここで、プリントが終了していない場合はエラーか否かを判断し(ステップ210)、エラーでない場合は上記ステップ207に戻りこのステップ以降を実行し、一方、エラーの場合はその旨をメールサーバ110の配信報告機構114に通知する(ステップ211)。
【0033】なおプリントサーバ140は、ステップ208において、プリント終了した場合は、プリントショブを終了した旨を配信報告機構114に通知する。
【0034】すると配信報告機構114は、ショブの状態(終了)を記述した配信報告メールを、元の電子メールの発信者を宛先(この例ではクライアント10)にして発信する(ステップ212)。
【0035】またステップ205、211におけるエラー通知を受け取った配信報告機構114は、ショブの状態(エラー)を記述した配信報告メールを、元の電子メールの発信者を宛先(この例ではクライアント10)にして発信する(ステップ213)。
【0036】次に、プリントサーバ140から出力されるプリント出力例を以下に示す。


というスタートシートに続いて、実際のドキュメントの内容がプリント出力される。
【0037】続いて、プリントジョブ成功の場合の配信報告機構114から送信される配信報告メールの一例を以下に示す。




ここで、「」は配信報告メールを示し、『』はパラメタファイルを示す。
【0038】引き続いて、エラーの場合の配信報告機構114から送信される配信報告メールの一例を以下に示す。




ここで、「」は配信報告メールを示し、『』はパラメタファイルを示す。
【0039】次に、本発明の第2の実施例について説明する。
【0040】図3は、本発明に係るネットワーク対応プリント処理システムを第2の実施例を構成図で示したものである。この構成図は、図1に示した第1の実施例の構成図において、プリントサーバ310、プリンタ選択機構320及びプリントステータス問合わ機構330を追加し、またメールボックス113Aをメールボックス340に変更し、更にプリントサーバ140を削除した構成になっている。
【0041】この実施例においては、メールサーバ110は、クライアントに代わってプリントサーバにプリント要求を発行するエージェントとして捕らえることができるので、このメールサーバ110は、記憶装置113内に、PrintAgentという名前のメールボックス340を持っている。
【0042】プリントサーバ310には「Sharaku-PS」という名前が設定されている。この実施例ではネットワーク30には1つのプリントサーバのみしか接続されていないが、ネットワーク30に複数のプリントサーバを接続するようにしても良い。この場合は、各プリントサーバにそれぞれ対応してサーバ名(プリンタ名)が設定される。クライアント10は、電子メール内のパラメタファイル中に、プリント出力を希望するプリンタを記述することができる。
【0043】プリンタ選択機構320は、プリント要求を送信すべきプリントサーバを決定して、プリント出力を依頼する。
【0044】プリントステータス問合せ機構330は、プリント要求されたプリントサーバに対して、プリントジョブのステータスを一定時間毎に問合わせする。
【0045】係る構成において、ネットワーク対応プリント処理システムのプリント処理について、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0046】最初に、クライアント10は、第1の実施例と同様に、パラメタファイルとドキュメントファイルとをひとまとめにした電子メールを、仮想的なユーザつまりPrintAgentというユーザに対して電子メールを送信する。
【0047】ここに、クライアント10からの電子メールの一例を以下に示す。


ここで、『』はパラメタファイルを示す。「」はドキュメントファイルを示す。
【0048】上記の電子メールにおいては、Sharaku-PSというプリントサーバが指定されている。この指定は無くても構わない。
【0049】この様な電子メールがクライアント10から送信されると、上記第1の実施例で説明した図2のステップ201〜206と同様の処理が行われる(ステップ401〜406)。
【0050】パラメタファイル解析機構120は、変換されたパラメタ群およびドキュメントファイルをプリントジョブとしてプリンタ選択機構320に渡す(ステップ407)。プリンタ選択機構320では、パラメタ群に基づいて、プリント要求を送信すべきプリントサーバが存在するか否かを調べる(ステップ408)。ここで、存在しない場合には、配信報告機構114にエラーの旨を通知し(ステップ409)、一方、存在する場合は、プリント要求機構130に対して、該当するプリントサーバを示す情報と、プリンタ選択機構320から渡されたプリントジョブとを渡す(ステップ410)。
【0051】なおプリントサーバの選択に当たっては、プリンタ選択機構320は、パラメタファイル中にプリンタが指定されている場合には、そのプリンタを選択する。またプリンタの指定がなく、パラメタファイル中に例えば使用するフォント等の指定がある場合はその条件を満たすプリンタを選択する。その条件を満たすプリンタを見付けられない場合は、配信報告機構114にエラーを通知することになる。
【0052】従ってこの例では、プリント要求機構130には、プリントサーバ310のサーバ名である「Sharaku-PS」と上記プリントジョブとが渡されることになるので、プリント要求機構130は、決定されたプリントサーバに対し、該プリントサーバがサポートするプロトコルでPrint 要求を発行する(ステップ411)。
【0053】そしてプリント要求機構130は、Print 要求が成功したか否かを判断し(ステップ412)、ここで、何等かの理由でPrint 要求が失敗した場合には、メールサーバ110の配信報告機構114にエラーを通知し(ステップ413)、一方、Print 要求が成功した場合は、その旨及びプリントサーバを示す情報をプリントステータス問合せ機構330に通知する。
【0054】プリントステータス問合せ機構330は、通知されたプリントサーバを示す情報に基づくプリントサーバに対して、プリントジョブのステータスを一定時間毎に問合わせする(ステップ414)。次に、その問合わせの結果が、プリントの終了を示す旨であるかを調べる(ステップ415)。プリントの終了を示す旨でない場合は、エラーを示す旨であるかを調べる(ステップ416)。エラーを示す旨でない場合には、上記ステップ414に戻りこのステップ以降を実行し、一方、エラーを示す旨の場合は、メールサーバ110の配信報告機構114にエラーを通知し(ステップ417)。
【0055】なおプリントステータス問合せ機構330は、ステップ415において、問合せの結果がプリントの終了を示す旨であった場合は、プリントショブを終了した旨を配信報告機構114に通知する。なおプリント要求依頼されたプリントサーバからは、第1の実施例で説明したようなプリント内容が出力される。
【0056】すると配信報告機構114は、ショブの状態(終了)を記述した配信報告メールを、元の電子メールの発信者を宛先(この例ではクライアント10)にして発信する(ステップ418)。なおこの配信報告メールには、プリントジョブを実行したプリントサーバ名が含まれている。これにより、ユーザは、プリントジョブが実際にどのプリントサーバにより実行されたかを知ることができる。
【0057】またステップ405、409、413、417におけるエラー通知を受け取った配信報告機構114は、ショブの状態(エラー)を記述した配信報告メールを、元の電子メールの発信者を宛先(この例ではクライアント10)にして発信する(ステップ419)。
【0058】ここに、プリントジョブ成功の場合の配信報告機構114から送信される配信報告メールの一例を以下に示す。


ここで、「」は配信報告メールを示し、『』はパラメタファイルを示す。
【0059】引き続いて、エラーの場合の配信報告機構114から送信される配信報告メールの一例を以下に示す。


ここで、「」は配信報告メールを示し、『』はパラメタファイルを示す。次に第3の実施例を説明する。
【0060】図5は、本発明に係るネットワーク対応プリント処理システムの第3の実施例を構成図で示したものである。
【0061】同図において、ネットワーク対応プリント処理システムは、複数のクライアント501、502、503と、複数の記憶装置504、505と、プリント処理システム506とがネットワーク507に接続されて構成されている。
【0062】各クライアントは例えばワークステーションやコンピュータであり、プリントサービスを表現する特殊なユーザに電子メールを送る。
【0063】クライアント501はSMTP(シンプル・メール・トランスファ・プロトコル)のメールプロトコルをサポートするUNIXクライアントであり、クライアント502はXNS(ゼロックス・ネットワーク・システム)のメールプロトコルをサポートするXNSクライアントであり、クライアント503はMHS(メッセージ・ハンドリング・システム)のメールプロトコルをサポートするOSI(開放型システム間相互接続)クライアントである。
【0064】記憶装置504にはクライアント501から送信された電子メールが、宛先毎に確保されたメールボックスに格納され、記憶装置505にはクライアント502から送信された電子メールが、宛先毎に確保されたメールボックスに格納される。
【0065】プリント処理システム506は、メールサーバ510と、第1の実施例のパラメタファイル解析機構120と同様の機能を果たすパラメタファイル解析機構520と、第1の実施例のプリント要求機構130と同様の機能を果たすプリント要求機構530と、第1の実施例のプリントサーバ140と同様の機能を果たすプリントサーバ540とを有しており、メールサービス機能及びプリントサービス機能を提供する。
【0066】この実施例においては、メールサーバ510は、MHSのメールプロトコル形式に従って、電子メールに対する処理を行うように設定されているので、メール受信機構511は、ネットワーク507を経て入力されるクライアント503からの電子メール(MHSメール)を受信すると、その電子メールをメールボックス管理部512に渡す。メールボックス管理部512は、渡された電子メールを、記憶装置513内の宛先毎(ユーザ毎)のメールボックスに格納する。
【0067】またメール受信機構511は、一定周期毎に、記憶装置504及び記憶装置505内のメールボックスを調べ、メールボックス内に電子メールがある場合は、それを取り出して、その電子メールのフォーマット変換をフォーマット変換機構514に依頼する。
【0068】フォーマット変換機構514はフォーマット変換依頼のあった電子メールのフォーマットをMHSの形式に変換し、該変換後の電子メールをメール受信機構511に渡す。この変換後の電子メールは、メール受信機構511、メールボックス管理部512を経て、記憶装置513内の該当するメールボックスに格納される。
【0069】配信報告機構515は、メールボックスに格納された電子メールに対するプリント処理の結果を、MHSの形式で配信報告メールを作成し、この配信報告メールをメール転送機構516に転送する。
【0070】メール転送機構516は、配信報告メールの宛先を参照して、宛先が、MHSクライアントのときは、そのクライアントに対して配信報告メールをMHS形式のまま送信し、一方、MHS以外のクライアントのときは、そのクライアントに対して、配信報告メールを適したフォーマットに変換した後に送信する。
【0071】プリントサーバ540内のプリンタはネットワーク上のユーザと同様に登録される。なおUNIX、OSI、XNSの各クライアントがサポートするメールプロトコルに応じて、登録されるユーザ名(プリンタ名)が異なるので、次にそのユーザ名について説明する。
【0072】UNIXのプロトコルにおいては、プリンタ名は、sharaku@netg.fujixerox.cop.jpとなる。OSI(MHS)のプロトコルにおいては、プリンタ名は、/S=sharaku/OU=KSPB/O=FujiXerox/PRMD=Xerox/ADMD=/C=JP/となる。XNSのプロトコルにおいては、プリンタ名は、sharaku:KSPB:FujiXeroxとなる。
【0073】係る構成において、ネットワーク対応プリント処理システムのプリント処理について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0074】クライアント501(UNIXクライアント)は、「sharaku@netg.fujixerox.cop.jp 」というユーザに対して電子メールを送信する。この電子メールは通常のSMTPメールであり、UNIXファイルシステムのディレクトリ/usr/spool/mail の下のsharaku というファイルに配達される。つまりこの電子メールはネットワーク507を経て記憶装置504内のメールボックスに格納される。
【0075】なおSMTPメールではバイナリファイルを送れないので、ユーザは、電子メールをuuencodeしてASCII ファイル形式にして送る。またXNSなどのようにドキュメントコンテントとしてのドキュメントコンテントファイルを付けることはできないので、1つのファイル中にControl-L などの制御文字列を入れて区切りながらパラメタ部分、(ASCII 化した)ドキュメントコンテント部分を入れていくことになる。
【0076】ここに、クライアント501からの電子メールの一例を以下に示す。
「 From:tsubo@nbetg.ksp.fujixerox.co.jp To:sharaku@nbetg.ksp.fujixerox.co.jp 『パラメタ』 『ドキュメントコンテント』

ここで、「」は電子メールを示し、『』はファイルを示す。
【0077】またクライアント502(XNS クライアント)は「sharaku:KSPB:FujiXerox」というユーザに対して電子メールを送る。この電子メールは通常のXNSメールであり、XNSのメールサーバ(Magic:KSPB:Xerox)上の個人メールボックスに配達される。つまりこの電子メールはネットワーク507を経て記憶装置505内のメールボックスに格納される。
【0078】ここに、クライアント502からの電子メールの一例を以下に示す。
「 From:Tsuboyama:KSPB:Fuji Xerox To:sharaku:KSPB:Fuji Xerox 『パラメタ』 『ドキュメントコンテント(アタッチメント)』

ここで、「」は電子メールを示し、『』はファイルを示す。
【0079】更にクライアント503(OSI クライアント)は「/S=sharaku/OU=KSPB/O=FujiXerox/PRMD=Xerox/ADMD=/C=JP/ 」というユーザに対して電子メールを送る。
【0080】ここに、クライアント503からの電子メールの一例を以下に示す。
「 From:/S=Tsuboyama/OU=KSPB/O=Fuji Xerox/PRMD=Xerox/ADMD=/C=JP/ To:/S=sharaku/OU=KSPB/O=Fuji Xerox/PRMD=Xerox/ADMD=/C=JP/ 『パラメタ』 『ドキュメントコンテント(ボディパート)』

ここで、「」は電子メールを示し、『』はファイルを示す。
【0081】この様な電子メールは、MHS形式のメールであるので、ネットワーク507を経てメール受信機構511によって直接受信される。
【0082】最初に、メール受信機構511は、自己のシステムが理解できるメールプロトコル(この例ではMHSのメールプロトコル)形式の電子メールが自己のプリント処理システム宛てに送信されてきたかを調べる(ステップ601)。電子メールが送信されてきた場合は、その電子メールを受信して(ステップ602)、メールボックス管理部512に渡す。メールボックス管理部512は、渡された電子メールを記憶装置513の該当するメールボックスに格納する(ステップ603)。
【0083】またメール受信機構511は、ステップ601において電子メールが送信されて来ない場合は、一定周期毎に、記憶装置504及び記憶装置505内のメールボックスを調べ、それらのメールボックス内に電子メールが存在するか否かを判断する(ステップ604)。電子メールが存在しない場合には上記ステップ601に戻りこのステップ以降を実行し、一方、電子メールが存在する場合は、その電子メールを取り出して(ステップ605)、その電子メールのフォーマット変換をフォーマット変換機構514に依頼する。
【0084】なおメール受信機構511は、上記ステップ605において、SMTPメールの属性を見て、バイナリファイルがuuencodeされていることがわかれば、uudecode処理を施して、元のバイナリファイルに戻す作業を行う。
【0085】フォーマット変換機構514はフォーマット変換依頼のあった電子メールのフォーマットをMHSの形式に変換し(ステップ606)、変換後の電子メールをメール受信機構511に渡す。この変換後の電子メールは、メール受信機構511、メールボックス管理部512を経て、記憶装置513内の該当するメールボックスに格納される。
【0086】メールボックスに電子メールが届くと、パラメタファイル解析機構520は、メールボックスに格納されている電子メールを先頭から取り出して、その電子メール内のパラメタファイルの内容をチェックする(ステップ607)。
【0087】その後、図2に示したステップ204〜211と同様の処理が行われる(ステップ608〜615)。
【0088】そしてプリントサーバ540は、ステップ613において、プリント終了した場合は、その旨を配信報告機構515に通知する。すると配信報告機構515は、メールボックスに格納された電子メールに対するプリント処理の結果つまりジョブの状態(終了)を記述した配信報告メールを、MHSのメールプロトコル形式で配信報告メールを作成し(ステップ616)、この配信報告メールをメール転送機構516に転送する。
【0089】またステップ609、615におけるエラー通知を受け取った配信報告機構515は、ジョブの状態(エラー)を記述した配信報告メールを、MHSのメールプロトコル形式で配信報告メールを作成し(ステップ617)、この配信報告メールをメール転送機構516に転送する。
【0090】メール転送機構516では、転送されてきた配信報告メールの宛先を参照し、該宛先に対して、MHSのメールプロトコルで転送可能か否かを判断し(ステップ618)、転送可能であれば、その宛先に対して、配信報告メールをMHSの形式で転送し(ステップ619)、一方、転送不可能であれば、そのクライアントに対して、配信報告メールを適したフォーマットに変換した後に送信する(ステップ620)。
【0091】ここで、プリントサーバ540から出力されるプリント出力例を以下に示す。


というスタートシートに続いて、実際のドキュメントの内容がプリント出力される。
【0092】この第3の実施例では、SMTPメールとXNSメールとMHSメールについて説明したが、これら以外のメールに関しても、上述したような処理を行うように設定することによりサポートすることができる。
【0093】以上説明したように、第3の実施例によれば、プリンティングアプリケーション、メールアプリケーションを導入しなくても、クライアントは、プリントサーバにドキュメントを送り、プリントアウトさせることができる。またクライアントはプリンティングプロトコルをサポートする必要はない。また使用しているメーリングプロトコルを意識する必要もない。さらにクライアントから見ると新たなツールを覚える必要がない。
【0094】次に、第4の実施例について説明する。
【0095】図7は、本発明に係るネットワーク対応プリント処理システムの第4の実施例を構成図で示したものである。
【0096】同図において、ネットワーク対応プリント処理システムは、クライアント701と、記憶装置702と、プリント処理システム703とがネットワーク704に接続されて構成されている。
【0097】クライアント701は例えばワークステーションやコンピュータであり、プリントサーバを表現する特殊なユーザに電子メールを送る。記憶装置702にはプリント出力すべきドキュメントファイルが格納されている。
【0098】プリント処理システム703は、メールサーバ710と、パラメタファイル解析機構720と、プリント要求管理機構730と、ファイル転送機構740と、プリント要求機構750と、プリントサーバ760と、プリントステータス監視機構770とを有しており、メールサービス機能及びプリントサービス機能を提供する。
【0099】メールサーバ710は、メール受信機構711とメールボックス管理部712と記憶装置713と配信報告機構714とを備えて構成されており、図1に示した第1の実施例の構成図のメールサーバ110と同様の機能を果たす。
【0100】パラメタファイル解析機構720、プリント要求機構750及びプリントサーバ760は、それぞれ図1に示した第1の実施例の構成図のパラメタファイル解析機構120、プリント要求機構130及びプリントサーバ140と同様の機能を果たす。
【0101】プリント要求管理機構730は、パラメタファイル解析機構720から渡されたプリントジョブを参照して、ファイル転送機構740に対して、該当するドキュメントファイルのファイル転送を指示する。またプリント要求管理機構730は、ファイル転送指示に応答したファイル転送機構740によって転送されてきたドキュメントファイル及び上記プリントジョブ内のパラメタ群をプリント要求機構750に渡す。この結果、プリントサーバ140からは、パラメタ群に従ってドキュメントがプリントアウトされる。
【0102】ファイル転送機構740は、ファイル転送指示に従って該当するドキュメントファイルを取得し、これをプリント処理システム703内に設けられた図示しないメモリに一時的に保存すると共に、ファイル削除指示に従って、前記図示しないメモリに保存されているドキュメントファイルを削除する。
【0103】プリントステータス監視機構770は、記憶装置713のメールボックスから取り出した電子メールに対するプリント処理の状態を監視すると共に、ファイル転送機構740に対して、プリント処理を終了したドキュメントファイルを削除するよう指示する。また配信報告機構714に対して、配信報告メールを送信するように指示する。
【0104】係る構成において、ネットワーク対応プリント処理システムのプリント処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0105】クライアント701は以下の情報をひとまとめにして、プリントサーバを表現する特殊なユーザにメールを送る。
(1)プリントデータが格納されているホスト、プリントデータが格納されているパス名、プリントデータの格納に当たっての識別名、ファイル転送サービスの種類等、プリントデータ取得時に必要なリファレンス情報。
(2)プリント部数、プリント時に必要なパラメタ。
なおリファレンス情報とプリントパラメタとが記述されたファイルは1つのメール本体の中に幾つ有っても構わない。
【0106】若しくは(3)プリント部数など、プリント時に必要なパラメタ群を記述したファイル。
(4)プリントしたいドキュメントファイル。
なおパラメタファイルとドキュメントファイルの対は1つのメール本体の中に幾つ有っても構わない。
【0107】ここに、クライアント701から送信される電子メールの一例を以下に示す。
「 From:Yomoda To:Sharaku-PS 『doc-name:DevPlan comment:Development Plan copies:2 doc-type:Post Script doc-content-type:referenced-document-by-ftp transfer-method:referenced-data-transfer doc-content-reference-ftp-hostname:parsley doc-content-reference-ftp-pathname: /usr/export/home/yomoda/doc/PostScript/ doc-content-reference-ftp-filename:DevPlan.ps 』

ここで、「」は電子メールを示し、『』はリファレンス情報とプリントパラメタとが記述されたファイルを示す。
【0108】パラメタ群の中には、ドキュメントの名前とコメント(これはプリント時のスタートシートに印字される)が指定され、プリント枚数が2部と指定され、ドキュメントのフォーマットはPostScriptと指定されている。またファイル転送サービスの種類もdoc-content-typeというローカルな属性がreferenced-document-by-ftpという値に設定されている。これによってファイル転送サービスの種類が特定されている。プリントデータ(document-content)がincluded-document でなくreferenced-document であることが指定されている。更にtrancefer-methodも指定されている。
【0109】このプリントデータをサーバが取得するためのリファレンス情報として、プリントデータが格納されているホストの名前 (doc-content-reference-ftp-hostname:parsley) 、プリントデータが格納されているパス名 (doc-content-reference-ftp-pathname:/usr/export/home/yomoda/doc/PostScript/) 、プリントデータの格納当たっての識別名(doc-content-reference-ftp-filename:DevPlan.ps) がそれぞれ指定されている。
【0110】なおドキュメントファイル自身はPostScriptのプリントフォーマットファイルである。
【0111】なお、ここでは、上記電子メールのリファイレンス情報に基づくドキュメントファイルは記憶装置702に格納されているものとする。そのドキュメントファイルは以下のようになっている。
【0112】
「parsley:/home/yomoda/doc/PostScript/DevPlan.ps [PostScript Format ] 」
という情報に続いて、実際のドキュメントが保存されている。
【0113】さて、上記のような電子メールがクライアント701から送信されると、この電子メールは、ネットワーク704を経てメールサーバ710に入力され、図2に示したステップ201〜204と同様の処理が行われる(ステップ801〜804)。
【0114】そして、パラメタファイル解析機構720は、ステップ804において、エラーの場合はその旨をプリントステータス監視機構770に通知し(ステップ805)、一方、エラーがない場合は、パラメタ群をプリントサーバが理解できる形式に変換し(ステップ806)、その後、その変換したパラメタ群中のリファレンス情報を解析すると共に(ステップ807)、リファレンス情報の内容をチェックし(ステップ808)、更に、その内容が正しいか否かを判断する(ステップ809)。
【0115】ステップ809において、エラーの場合にはその旨をプリントステータス監視機構770に通知し(ステップ810)、一方、エラーでない場合は、パラメタ群をプリント要求管理機構730に渡す(ステップ811)。
【0116】プリント要求管理機構730はパラメタ群中のリファレンス情報を参照すると共に、ファイル転送機構740に、その情報を渡すと共に該当するドキュメントファイルの転送を指示する。
【0117】ファイル転送機構740は渡されたリファレンス情報に基づいて、プリントすべきドキュメントファイルの転送処理を実行し(ステップ812)、ファイル転送が成功したか否かを判断する(ステップ813)。この場合、ドキュメントファイルは記憶装置702内から取得される。
【0118】ステップ813において、失敗するなどエラーが発生した場合は、その旨をプリントステータス監視機構770に通知し(ステップ814)、一方、成功した場合は、プリント処理システム703内の図示しないメモリにら一時的に保存する(ステップ815)。
【0119】そしてプリント要求管理機構730は、転送されてきたドキュメントファイル及び、パラメタファイル解析機構730から既に渡されているパラメタ群をプリントジョブとしてプリント要求機構750に渡す(ステップ816)。
【0120】プリント要求機構750では、受け取ったプリントジョブを該当するプリントサーバ760(この例ではSharaku-PSに対応するプリントサーバ)に渡し、プリント出力を依頼する。
【0121】プリントサーバ760は、受け取ったドキュメントファイルをプリントデータ(document-content)とし、このプリントデータを指定されたパラメタに従ってプリントすると共に(ステップ817)、プリントが終了したか否かを判断する(ステップ818)。ここで、プリントが終了していない場合はエラーか否かを判断し(ステップ819)、エラーでない場合は上記ステップ817に戻りこのステップ以降を実行し、一方、エラーの場合はその旨をプリントステータス監視機構770に通知する(ステップ820)。
【0122】ステップ818においてプリントが終了した場合はその旨が、プリントサーバ760からプリントステータス監視機構770に通知されるので、プリントステータス監視機構770は、メールサーバ710の配信報告機構714に、ジョブが終了した旨の配信報告をするように指示する(ステップ821)。この結果、配信報告機構714からは、ジョブの終了を示す旨の配信報告メールが、元の電子メールの発信者宛て送信される。
【0123】またステップ805、810、814、820におけるエラー通知を受け取ったプリントステータス監視機構770は、メールサーバ710の配信報告機構714に、エラーの旨の配信報告をするように指示する(ステップ822)。この結果、配信報告機構714からは、ジョブのエラーを示す旨の配信報告メールが、元の電子メールの発信者宛て送信される。
【0124】そしてプリントステータス監視機構770は、上記ステップ821、822を終了したら、ファイル転送機構740に対して、ファイル転送機構740に対して、リファレンス情報に基づいて、一時的に取得したドキュメントファイルを削除するよう指示する(ステップ823)。すると、ファイル転送機構740は、リファレンス情報に基づいて、プリント処理システム703内の図示しないメモリに一時的に保存されているドキュメントファイルを削除する。
【0125】次に、プリントサーバ760から出力されるプリント出力例を以下に示す。


というスタートシートに続いて、実際のドキュメントの内容がプリント出力される。
【0126】続いて、プリントジョブ成功の場合の配信報告機構714から送信される配信報告メールの一例を以下に示す。




ここで、「」は配信報告メールを示し、『』はパラメタファイルを示す。
【0127】引き続いて、エラーの場合の配信報告機構714から送信される配信報告メールの一例を以下に示す。




ここで、「」は配信報告メールを示し、『』はパラメタファイルを示す。
【0128】上述した第4の実施例では、プリント処理システムにメールサーバとプリントサーバとが存在する場合の処理について説明したが、プリント処理システムにメールサーバのみ存在し、プリントサーバがネットワークに接続されている場合にも、第2の実施例と第4の実施例とを組み合わせることにより容易に適用できるということは言うまでもまい。
【0129】以上説明したように第4の実施例によれば、ファイルリファレンス情報を電子メールで送信することのできるクライアントは、メール転送時のネットワーク及びクライアントの負荷を抑制しつつ、プリントサーバから所望のプリント出力を得ることができる。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれば、メール受信手段によって、クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントを含む電子メールを受信し、プリント手段によって、前記電子メール内のパラメータに基づいて前記電子メール内のドキュメントをプリントするようにしたので、電子メールを用いてプリントサービス(プリントサーバ)にデータを送信することができるという利点がある。またクライアントはプリントプロトコルをサポートする必要はないので、ユーザの作業性が良いという利点もある。
【0131】第2の発明によれば、第1の発明において、配信報告手段によって、前記電子メールに対するプリント処理の結果例えばプリント成功又はプリント失敗を示す旨をメッセージ化し、このメッセージ化されたプリント処理結果を、前記クライアントに返信するようにしたので、ユーザはプリントジョブが実際にどのプリントサービスにより実行されたかを知ることができるという利点がある。
【0132】第3の発明によれば、第1の発明において、メールフォーマット変換手段によって、クラテアントから送信された前記電子メールが自己のシステムが解釈できるメールプロトコル形式でなかった場合は、当該電子メールを当該メールプロトコルの内部フォーマットに変換する。そしてプリント手段は、その変換された電子メール内のパラメータ及びドキュメントに基づいてプリント処理するようにしたので、任意のメールプロトコル形式に従った電子メールを用いてプリントサービスにデータを送信できるという利点がある。従って、複数の異なるメールプロトコル形式の電子メールに対するプリント処理を実行することのできるネットワーク対応プリント処理システムを提供することができるという利点がある。
【0133】第4の発明によれば、第3の発明において、配信報告手段によって、前記電子メールに対するプリント処理の結果例えばプリント成功又はプリント失敗を示す旨をメッセージ化し、更にメール転送手段によって、前記メッセージ化されたプリント処理結果を、プリント処理依頼した前記クライアントに対応するメールプロトコルに変換し、このプロトコル変換されたプリント処理結果を前記クライアントに転送するようにしたので、ユーザはプリントジョブが実際にどのプリントサービスにより実行されたかを知ることができるという利点がある。
【0134】第5の発明によれば、メール受信手段によって、クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントコンテントであるファイルへのリファレンス情報を含む電子メールを受信し、ファイル転送手段によって、前記受信した電子メール内のリファレンス情報に基づいて前記ファイルを取得し、更にプリント手段によって、前記受信した電子メール内のプリントのためのパラメータに基づいて前記取得したファイル内のドキュメントをプリントするようにしたので、大容量のデータであるドキュメントァイルを、大容量のデータ転送に適していないメールプロトコルを使用してデータ転送する必要がないこととなり、よってメール転送時のネットワーク上の転送効率を工場させることができ、かつメールサービスの負荷を抑制することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るネットワーク対応プリント処理システムの第1の実施例を示す構成図。
【図2】第1の実施例のプリント処理動作を示すフローチャート。
【図3】本発明に係るネットワーク対応プリント処理システムの第2の実施例を示す構成図。
【図4】第2の実施例のプリント処理動作を示すフローチャート。
【図5】本発明に係るネットワーク対応プリント処理システムの第3の実施例を示す構成図。
【図6】第3の実施例のプリント処理動作を示すフローチャート。
【図7】本発明に係るネットワーク対応プリント処理システムの第4の実施例を示す構成図。
【図8】第4の実施例のプリント処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
10、501、502、503、701…クライアント
20、506、703…プリント処理システム
30、507、704…ネットワーク
110、510、710…メールサーバ
111、511、711…メール受信機構
112、512、712…メールボックス管理部
113、504、505、513、702、713…記憶装置
113A、340…メールボックス
114、515、714…配信報告機構
120、520、720…パラメタファイル解析機構
130、530、750…プリント要求機構
140、310、540、760…プリントサーバ
320…プリンタ選択機構
330…プリントステータス問合せ機構
514…メールフォーマット変換機構
516…メール転送機構
730…プリント要求管理機構
740…ファイル転送機構
770…プリントステータス監視機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントを含む電子メールを受信するメール受信手段と、前記電子メール内のパラメータに基づいて前記電子メール内のドキュメントをプリントするプリント手段とを具えたことを特徴とするネットワーク対応プリント処理システム。
【請求項2】前記電子メールに対するプリント処理の結果をメッセージ化し、このメッセージ化されたプリント処理結果を、前記クライアントに返信する配信報告手段を更に具えたことを特徴とする請求項1記載のネットワーク対応プリント処理システム。
【請求項3】前記電子メールが自己のシステムが解釈できるメールプロトコル形式でなかった場合は、当該電子メールを当該メールプロトコルの内部フォーマットに変換するメールフォーマット変換手段を更に具えたことを特徴とする請求項1記載のネットワーク対応プリント処理システム。
【請求項4】前記電子メールに対するプリント処理の結果をメッセージ化する配信報告手段と、前記メッセージ化されたプリント処理結果を、前記クライアントに対応するメールプロトコルに変換し、このプロトコル変換されたプリント処理結果を前記クライアントに転送するメール転送手段とを更に具えたことを特徴とする請求項3記載のネットワーク対応プリント処理システム。
【請求項5】クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントコンテントであるファイルへのリファレンス情報を含む電子メールを受信するメール受信手段と、前記受信した電子メール内のリファレンス情報に基づいて前記ファイルを取得するファイル転送手段と、前記受信した電子メール内のプリントのためのパラメータに基づいて前記取得したファイル内のドキュメントをプリントするプリント手段とを具えたことを特徴とするネットワーク対応プリント処理システム。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate