説明

ノートブックパソコンの枢接装置

【課題】 ノートブックパソコンのスクリーンの係合状態を解除した際、スクリーンが自動的に跳び上がることのできる、ノートブックパソコンの枢接装置を提供すること。
【解決手段】 パソコンケース(10)に設置する取り付けロッド(11)と、パソコンケース(10)に設置すると共に一側に貫通パイプ(120)が設けられる制限プレート(12)と、一端が貫通パイプ(120)を貫通すると共にスクリーンカバー(20)に固定する枢軸(13)と、一端が取り付けロッド(11)に嵌設されると共に他端が枢軸(13)に嵌設されるスプリング(14)とを備えることを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、特にノートブックパソコンのスクリーンの係合状態を解除した際、スクリーンが自動的に跳び上がることができる、ノートブックパソコンの枢接装置に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】
商工業の発展と技術の進歩に伴いパソコンは、サラリーマン、学生、主婦に頻繁に使用されている。パソコンは優れた文書処理能力と膨大な記憶容量を有するので、現代人に多くの利便性を与えている。
【0003】
しかし、卓上型パソコンの体積は大きく、且つ電力の取得の制限により、使用者は携帯して使用することができない。逆に、ノートブックパソコンは体積が小さく、且つどこでも電力を提供できるの電力供給装置を有するので、ますます消費者の目に掛かっている。
【0004】
ノートブックパソコンのスクリーンは液晶であるので、液晶スクリーンを保護するため、スクリーンカバーとパソコンケースに係合装置が設置される。しかし、こうすると、ノートブックパソコンを使用する際、使用者は、スクリーンカバーとパソコンケースとの係合状態を解除した後、一定の力を使ってスクリーンカバーを開けなければならない。そのため、ノートブックパソコンの製造業者が、枢接装置の付近に跳び上がり装置を設置すれば、使用者は、スクリーンカバーとパソコンケースとの係合状態を解除すれば、自動的にスクリーンカバーが上方に少し跳び上がるため、楽にスクリーンカバーを開けることができる。
【0005】
しかしながら、枢接装置の付近に設置する跳び上がり装置は、構造上複雑であると共に組み合わせも容易ではないため、無駄に製造コストを増加させることがある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
そこで、案出されたのが本考案であって、ノートブックパソコンのスクリーンの係合状態を解除した際、スクリーンが自動的に跳び上がるノートブックパソコンの枢接装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の考案は、パソコンケース(10)に設置する取り付けロッド(11)と、パソコンケース(10)に設置すると共に一側に貫通パイプ(120)が設けられる制限プレート(12)と、一端が貫通パイプ(120)を貫通すると共にスクリーンカバー(20)に固定する枢軸(13)と、一端が取り付けロッド(11)に嵌設されると共に他端が枢軸(13)に嵌設されるスプリング(14)とを備えたノートブックパソコンの枢接装置を特徴とした。
本願の請求項2の考案は、取り付けロッド(11)は一端が取り付け孔(110)を形成し、固定用ネジ(18)が取り付け孔(110)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、他端がより小さい軸径を有する挿入ロッド(111)を設置すると共に、挿入ロッド(111)に挟持溝(112)が形成され、 制限プレート(12)には取り付け孔(121)が形成され、固定用ネジ(15)が取り付け孔(121)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、制限プレート(12)の一側に貫通パイプ(120)が設けられると共に、取り付けロッド(11)と対面する貫通パイプ(120)の一側に制限凸部(122)が設けられ、 枢軸(13)は一端が制限プレート(12)の貫通パイプ(120)を貫通した後、スクリーンカバー(20)の両側における取り付け孔(16)に挿し込むと共に、該端が取り付け孔(16)の内部に嵌設され、枢軸(13)の他端には取り付けロッド(11)の挿入ロット(111)の軸径と等しい挿入ロッド(131)が設けられると共に、挿入ロッド(131)に挟持溝(132)が形成され、 スプリング(14)は一端が取り付けロッド(11)の挿入ロッド(111)
に設置されると共に、他端が枢軸(13)の挿入ロッド(131)に設置、スプリング(14)の両端の端部(140)は夫々挿入ロッド(111)(131)
における挟持溝(112)(132)に嵌設されることを特徴とする請求項1に記載のノートブックパソコンの枢接装置を特徴とした。
本願の請求項3の考案は、パソコンケース(10)に設置する取り付けロッド(11)と、パソコンケース(10)に設置すると共に一側に貫通孔(120’)が形成される制限ブロック(12’)と、一端が貫通孔(120’)を貫通すると共にスクリーンカバー(20)に固定する枢軸(13)と、一端が取り付けロッド(11)に嵌設されると共に他端が枢軸(13)に嵌設されるスプリング(14)とを備えるノートブックパソコンの枢接装置であって、 取り付けロッド(11)は一端が取り付け孔(110)を形成し、固定用ネジ(18)が取り付け孔(110)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、他端がより小さい軸径を有する挿入ロッド(111)を設置すると共に、挿入ロッド(111)に挟持溝(112)が形成され、 制限ブロック(12’)には取り付け孔(121’)が形成され、固定用ネジ(15)が取り付け孔(121’)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、制限ブロック(12’)の一側に貫通孔(120’)が形成されると共に、取り付けロッド(11)と対面する貫通孔(120’)の一側に制限凸部(122’)が設けられ、 枢軸(13)は一端が制限ブロック(12’)の貫通孔(120’)を貫通した後、スクリーンカバー(20)の両側における取り付け孔(16)に挿し込むと共に、該端が取り付け孔(16)の内部に嵌設され、枢軸(13)の他端には取り付けロッド(11)の挿入ロット(111)の軸径と等しい挿入ロッド(131)が設けられると共に、挿入ロッド(131)に挟持溝(132)が形成され、 スプリング(14)は一端が取り付けロッド(11)の挿入ロッド(111)
に設置されると共に、他端が枢軸(13)の挿入ロッド(131)に設置、スプリング(14)の両端の端部(140)は夫々挿入ロッド(111)(131)
における挟持溝(112)(132)に嵌設されるノートブックパソコンの枢接装置を特徴とした。
【0008】
【作用】
本考案は、上記の課題を解決するものであり、スプリングによって、自動的にスクリーンカバーを上方へ少し跳び上がらせることができる。従って、製造コストを下げるだけでなく、使用者は手で楽にスクリーンカバーを開けることができる。
【0009】
以下、添付図面を参照して本考案の好適な実施の形態を詳細に説明する。勿論、下記実施例は、本考案の好適な実施の形態を示したものにすぎず、本考案の技術的範囲は、下記実施例そのものに何ら限定されるものではない。
【0010】
図1は、本考案のノートブックパソコンの枢接装置の使用状態を示す一部斜視図である。図2は、本考案のノートブックパソコンの枢接装置の使用状態を示す一部拡大斜視図である。図3は、本考案のノートブックパソコンの枢接装置の一部分解斜視図である。図4は、本考案のノートブックパソコンの枢接装置のスプリングが、スクリーンと連動して回転する状態を示す参考図である。図5は、本考案のノートブックパソコンのスクリーンをクローズした際の、枢接装置の枢軸と制限プレートとの相対位置を示す参考図である。図6は、本考案のノートブックパソコンのスクリーンをオープンした際の、枢接装置の枢軸と制限プレートとの相対位置を示す参考図である。図7は、本考案のノートブックパソコンの枢接装置の他の実施例を示す斜視図である。図8は、本考案のノートブックパソコンの枢接装置の他の実施例を示す分解斜視図である。
【0011】
【考案の実施の形態】
図1乃至図3に示すように、本考案のノートブックパソコンの枢接装置は、パソコンケース(10)に設置する取り付けロッド(11)と、パソコンケース(10)に設置すると共に一側に貫通パイプ(120)が設けられる制限プレート(12)と、一端が貫通パイプ(120)を貫通すると共にスクリーンカバー(20)に固定する枢軸(13)と、一端が取り付けロッド(11)に嵌設されると共に他端が枢軸(13)に嵌設されるスプリング(14)とを備える。
【0012】
取り付けロッド(11)は、一端が取り付け孔(110)を形成し、固定用ネジ(18)が取り付け孔(110)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、他端により小さい軸径を有する挿入ロッド(111)を設置すると共に、挿入ロッド(111)に挟持溝(112)が形成される。
【0013】
前記制限プレート(12)には、取り付け孔(121)が形成され、固定用ネジ(15)が取り付け孔(121)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置される。制限プレート(12)の一側には、貫通パイプ(120)が設けられると共に、取り付けロッド(11)と対面する貫通パイプ(120)の一側に制限凸部(122)が設けられる。
【0014】
前記枢軸(13)は、一端が制限プレート(12)の貫通パイプ(120)を貫通した後、スクリーンカバー(20)の両側における取り付け孔(16)に挿し込むと共に、該端が取り付け孔(16)の内部に嵌設され、これにより、枢軸(13)はスクリーンカバー(20)と共に回転することができる。枢軸(13)の他端の外縁には扇形凸部(130)が設けられ、この扇形凸部(130)は、前記制限プレート(12)の制限凸部(122)と配合して枢軸(13)の回転角度を制限することができる。又、枢軸(13)の他端には、取り付けロッド(11)の挿入ロット(111)の軸径と等しい挿入ロッド(131)が設けられると共に、挿入ロッド(131)に挟持溝(132)が形成される。
【0015】
前記スプリング(14)は、一端が取り付けロッド(11)の挿入ロッド(111)に設置されると共に、他端が枢軸(13)の挿入ロッド(131)に設置される。又、スプリング(14)の両端の端部(140)は夫々挿入ロッド(111)(131)の挟持溝(112)(132)に嵌設される。
【0016】
図3及び図4に示すように、スクリーンカバー(20)とパソコンケース(10)との係合状態を解除した後、使用者は、スクリーンカバー(20)の縁部を押圧すると、挟持溝(132)が枢軸(13)と一緒に回転される。スプリング(14)は一つの端部(140)が挟持溝(132)に嵌設されると共に、他の端部(140)が回転しない取り付けロッド(11)の挟持溝(112)に嵌設されるため、スプリング(14)に勢力を付けている。使用者がスクリーンカバー(20)の係合状態を解除すればスクリーンカバー(20)は、スプリング(14)の勢力によって上方へ少し跳び上がる。これにより使用者は、手で楽にスクリーンカバー(20)を開けることができる。
【0017】
図5及び図6に示すように、使用者がスクリーンカバー(20)をクローズする際は、枢軸(13)の扇形凸部(130)が制限プレート(12)の制限凸部(122)の下方に係り合う。逆に使用者がスクリーンカバー(20)をオープンする際は、枢軸(13)の扇形凸部(130)が制限プレート(12)の制限凸部(122)の上方に係り合う。つまり、制限凸部(122)の長さによって枢軸(13)の回転角度を制限するので、スクリーンカバー(20)の開け角度を制限することができる。
【0018】
図7及び図8に示すように、本考案は制限ブロック(12’)によってスクリーンカバー(20)の開け角度を制限してもよい。この制限ブロック(12’)
には、取り付け孔(121’)が形成されると共に、固定用ネジ(15)が取り付け孔(121’)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置される。制限ブロック(12’)の一端に貫通孔(120’)が形成されると共に、締付け部材(123’)が貫通孔(120’)に嵌め込まれ、取り付けロッド(11)と対面する貫通孔(120’)の一側に制限凸部(122’)が設けられる。これにより、上記構造と等しい効果を達成することができる。
【0019】
【考案の効果】
本考案は、上記の構成により、枢接装置の部品であるスプリングによって、自動的にスクリーンカバーが上方へ少し跳び上がることができる。これにより、製造コストを下げるだけでなく、使用者は、手で楽にスクリーンカバーを開けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のノートブックパソコンの枢接装置の使用状態を示す一部斜視図である。
【図2】本考案のノートブックパソコンの枢接装置の使用状態を示す一部拡大斜視図である。
【図3】本考案のノートブックパソコンの枢接装置の一部分解斜視図である。
【図4】本考案のノートブックパソコンの枢接装置のスプリングが、スクリーンと連動して回転する状態を示す参考図である。
【図5】本考案のノートブックパソコンのスクリーンをクローズした際の、枢接装置の枢軸と制限プレートとの相対位置を示す参考図である。
【図6】本考案のノートブックパソコンのスクリーンをオープンした際の、枢接装置の枢軸と制限プレートとの相対位置を示す参考図である。
【図7】本考案のノートブックパソコンの枢接装置の他の実施例を示す斜視図である。
【図8】本考案のノートブックパソコンの枢接装置の他の実施例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 パソコンケース
11 取り付けロッド
110 取り付け孔
111 挿入ロッド
112 挟持溝
12 制限プレート
12’ 制限ブロック
120 貫通パイプ
120’ 貫通孔
121 取り付け孔
121’ 取り付け孔
122 制限凸部
122’ 制限凸部
123’ 締付け部材
13 枢軸
130 扇形凸部
131 挿入ロッド
132 挟持溝
14 スプリング
140 端部
15 固定用ネジ
16 取り付け孔
18 固定用ネジ
20 スクリーンカバー

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】パソコンケース(10)に設置する取り付けロッド(11)と、パソコンケース(10)に設置すると共に一側に貫通パイプ(120)が設けられる制限プレート(12)と、一端が貫通パイプ(120)を貫通すると共にスクリーンカバー(20)に固定する枢軸(13)と、一端が取り付けロッド(11)に嵌設されると共に他端が枢軸(13)に嵌設されるスプリング(14)とを備えることを特徴とするノートブックパソコンの枢接装置。
【請求項2】取り付けロッド(11)は一端が取り付け孔(110)を形成し、固定用ネジ(18)が取り付け孔(110)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、他端がより小さい軸径を有する挿入ロッド(111)を設置すると共に、挿入ロッド(111)に挟持溝(112)が形成され、制限プレート(12)には取り付け孔(121)が形成され、固定用ネジ(15)が取り付け孔(121)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、制限プレート(12)の一側に貫通パイプ(120)が設けられると共に、取り付けロッド(11)と対面する貫通パイプ(120)の一側に制限凸部(122)が設けられ、枢軸(13)は一端が制限プレート(12)の貫通パイプ(120)を貫通した後、スクリーンカバー(20)の両側における取り付け孔(16)に挿し込むと共に、該端が取り付け孔(16)の内部に嵌設され、枢軸(13)の他端には取り付けロッド(11)の挿入ロット(111)の軸径と等しい挿入ロッド(131)が設けられると共に、挿入ロッド(131)に挟持溝(132)が形成され、スプリング(14)は一端が取り付けロッド(11)の挿入ロッド(111)に設置されると共に、他端が枢軸(13)の挿入ロッド(131)に設置、スプリング(14)の両端の端部(140)は夫々挿入ロッド(111)(131)における挟持溝(112)(132)に嵌設されることを特徴とする請求項1に記載のノートブックパソコンの枢接装置。
【請求項3】パソコンケース(10)に設置する取り付けロッド(11)と、パソコンケース(10)に設置すると共に一側に貫通孔(120’)が形成される制限ブロック(12’)と、一端が貫通孔(120’)を貫通すると共にスクリーンカバー(20)に固定する枢軸(13)と、一端が取り付けロッド(11)に嵌設されると共に他端が枢軸(13)に嵌設されるスプリング(14)とを備えるノートブックパソコンの枢接装置であって、取り付けロッド(11)は一端が取り付け孔(110)を形成し、固定用ネジ(18)が取り付け孔(110)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、他端がより小さい軸径を有する挿入ロッド(111)を設置すると共に、挿入ロッド(111)に挟持溝(112)が形成され、制限ブロック(12’)には取り付け孔(121’)が形成され、固定用ネジ(15)が取り付け孔(121’)を貫通することによってパソコンケース(10)に設置され、制限ブロック(12’)の一側に貫通孔(120’)が形成されると共に、取り付けロッド(11)と対面する貫通孔(120’)の一側に制限凸部(122’)が設けられ、枢軸(13)は一端が制限ブロック(12’)の貫通孔(120’)を貫通した後、スクリーンカバー(20)の両側における取り付け孔(16)に挿し込むと共に、該端が取り付け孔(16)の内部に嵌設され、枢軸(13)の他端には取り付けロッド(11)の挿入ロット(111)の軸径と等しい挿入ロッド(131)が設けられると共に、挿入ロッド(131)に挟持溝(132)が形成され、スプリング(14)は一端が取り付けロッド(11)の挿入ロッド(111)に設置されると共に、他端が枢軸(13)の挿入ロッド(131)に設置、スプリング(14)の両端の端部(140)は夫々挿入ロッド(111)(131)における挟持溝(112)(132)に嵌設されることを特徴とするノートブックパソコンの枢接装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【登録番号】実用新案登録第3093566号(U3093566)
【登録日】平成15年2月19日(2003.2.19)
【発行日】平成15年5月16日(2003.5.16)
【考案の名称】ノートブックパソコンの枢接装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2002−6662(U2002−6662)
【出願日】平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願人】(301031716)新日興股▲分▼有限公司 (2)