説明

ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置

【課題】ノートブック型コンピュータを簡単に開くことができないようにしてコンピュータ内部のデータが外部に漏洩するのを効果的に防ぐこと。
【解決手段】挟み込みユニット及び位置決めユニットを含み、前記挟み込みユニットが相互に間隔を備えた第一、第二挟持片、前記第一挟持片から第二挟持片方向に延伸された固定片、及び前記第二挟持片から固定片方向に延伸され、且つ、一部が固定片上に重畳された延伸脚部を備え、前記位置決めユニットが前記固定片に穿入され、且つ、離脱可能に前記延伸脚部上に位置決めされ、前記第一、第二挟持片、固定片、延伸脚部でノートブック型コンピュータを挟み込むための挟持空間が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は挟持装置に関し、特にノートブック型コンピュータのロック機構上に取り付ける、ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マルチメディア情報を大量に保存できる保存設備やワイヤレスネットワークの迅速な発展に伴い、ノートブック型コンピュータまたはデスクトップ型コンピュータの成長は極めて迅速になっている。
ノートブック型コンピュータは携帯に便利であり、この携帯性が高いという利点は、ノートブック型コンピュータを窃盗のターゲットとなりやすくしている。
【0003】
ノートブック型コンピュータが盗難に遭いやすいという欠点を回避するため、通常ノートブック型コンピュータ上にセキュリティケーブルを設置し、このセキュリティケーブルの一端を固定設備(一般的なものでは机の脚など)上に掛け回して固定し、他端をノートブック型コンピュータのロック機構上に固定する。
【0004】
例えば、台湾特許第M284925号「ノートブック型コンピュータのロック機構(一)」、実用新案及び台湾特許公告第422266号「ノートブック型コンピュータの盗難防止ロックの改良」の公報には、ノートブック型コンピュータ上に使用するロック機構が開示されている。
このロック機構は、セキュリティケーブルを組み合わせ、ノートブック型コンピュータと固定設備を固定して、ノートブック型コンピュータが盗難に遭うリスクを低減することができるものである。
【0005】
しかしながら、上述の設計では、ノートブック型コンピュータが盗難に遭いにくくすることはできるものの、他人がノートブック型コンピュータを開き、コンピュータ内部に侵入してデータを盗み取ることが容易である。
そのため、ノートブック型コンピュータを開きにくくしてデータが外部に漏洩することを如何なる手段で防ぐかといった、ロック機構と組み合わせた新たな挟持装置の提案が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ノートブック型コンピュータを簡単に開くことができないようにしてコンピュータ内部のデータが外部に漏洩するのを効果的に防ぐことができる、ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置は、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダが前記挟持装置上に設置され、且つ、ノートブック型コンピュータ上にロックするために用いられ、前記挟持装置が前記ノートブック型コンピュータを挟み込むために用いられ、前記挟持装置が、挟み込みユニットと、位置決めユニットを含んで成る。
前記挟み込みユニットは、相互間に間隔を備えた第一挟持片と第二挟持片、前記第一挟持片から第二挟持片方向に延伸された固定片、及び前記第二挟持片から固定片の方向に延伸され、且つ一部が固定片上に重畳される延伸脚部を含み、前記固定片に前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを穿置するための取付部が設けられると共に、前記位置決めユニットは前記固定片に穿入され、且つ、前記延伸脚部上に離脱可能に位置決めされ、前記延伸脚部と固定片の重畳を適切な位置に調整した後に前記位置決めユニットが位置決めされる。
【0008】
すなわち、本願の第1発明は、ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置であって、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダが前記挟持装置上に設置され、且つ、ノートブック型コンピュータ上にロックされるために用いられ、前記挟持装置が前記ノートブック型コンピュータを挟み込むために用いられ、さらに前記挟持装置が、相互間に間隔を備えた第一挟持片と第二挟持片、前記第一挟持片から第二挟持片方向に延伸された固定片、及び前記第二挟持片から固定片方向に延伸され、一部が前記固定片上に重畳される延伸脚部を含み、且つ、そのうち前記固定片が前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを穿置するための取付部を備えた挟み込みユニットと、前記固定片に穿入され、且つ、離脱可能に前記延伸脚部上に位置決めされる位置決めユニットを含み、前記延伸脚部と固定片の重畳を適切な位置に調整した後、前記位置決めユニットが位置決めされ、前記第一、第二挟持片、固定片、延伸脚部に前記ノートブック型コンピュータを挟み込むための挟持空間を定義させるように構成したことを特徴とする、ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0009】
本願の第2発明は、前記挟み込みユニットの固定片が、少なくとも1つの前記第二挟持片に面する表面から凹陥状に形成された受容部と、少なくとも1つの前記固定片表面から間隔をあけて凹陥状に形成され、且つ、前記受容部内に通じる第一収容部を備え、前記延伸脚部が少なくとも1つの前記第二挟持片から固定片の方向に延伸され、且つ、移動可能に前記受容部内に挿入される延伸柱体を備え、前記位置決めユニットが少なくとも前記第一収容部に穿通され、且つ、離脱可能に前記延伸柱体上に位置決めされる位置決め部材を備え、前記延伸柱体が前記受容部内で適切な位置に調整された後、位置決めされることを特徴とする、前記第1発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0010】
本願の第3発明は、前記挟み込みユニットの固定片が2つの相互に間隔をあけて前記第二挟持片二面する表面から凹陥状に形成され、且つ、前記取付部の両側にそれぞれ配置された受容部と、固定片表面に間隔をあけて凹陥状に形成され、且つ、それぞれ前記2つの受容部内に通じる2つの第一収容部を備え、前記延伸脚部が相互に間隔をあけて前記第二挟持片から固定片の方向に延伸され、且つ、それぞれ移動可能に前記2つの受容部内に挿入される2つの延伸柱体を備え、前記位置決めユニットが前記2つの第一収容部にそれぞれ穿入され、且つ、離脱可能に前記2つの延伸柱体上に位置決めされる位置決め部材を備え、前記2つの延伸柱体が前記2つの受容部内で適切な位置に調整された後、位置決めされることを特徴とする、前記第2発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0011】
本願の第4発明は、前記延伸脚部の各延伸柱体が軸方向に間隔をあけて配列された複数の位置決め孔を備え、前記2つの延伸柱体が前記2つの受容部内でそれぞれ移動され、且つ、前記2つの位置決め部材が前記2つの第一収容部に穿入されて前記2つの延伸柱体の対応する位置決め孔内に穿入されることにより、前記2つの延伸柱体が前記2つの受容部内で適切な位置に調整された後、位置決めされることを特徴とする、前記第3発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0012】
本願の第5発明は、前記挟み込みユニットの固定片がさらに固定片表面から間隔をあけて凹陥状に形成され、且つ、それぞれ前記2つの受容部内に通じる2つの第二収容部を備え、前記位置決めユニットがさらに2つの弾性部材セットを備え、前記2つの弾性部材セットが、対応する前記第二収容部に配置されるスリーブ部材と、前記スリーブ部材内に設置される弾性部材と、前記弾性部材の末端に設置され、且つ、対応する位置決め孔内に穿置される位置決めボールをそれぞれ含むことを特徴とする、前記第4発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0013】
本願の第6発明は、前記位置決めユニットの各位置決め部材がネジであり、対応する第一収容部に螺合され、且つ、その末端が対応する位置決め孔内に穿入されて位置決めされることを特徴とする、前記第5発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0014】
本願の第7発明は、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダが、間隔をあけてその周面上に形成された複数の止まり穴を備え、前記固定片がさらにその表面から凹陥状に形成され、且つ、前記取付部に通じる貫通孔を備え、且つ、前記貫通孔と前記止まり穴のいずれかが相互に対応され、前記挟み込みユニットがさらに前記貫通孔に穿通され、且つ、その末端が対応する前期止まり穴内に穿入される固定部材を備え、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダが前記挟持装置の取付部内に位置決めされることを特徴とする、前記第1または第2、或いは第6発明のいずれかのノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0015】
本願の第8発明は、前記挟み込みユニットがさらに、前記固定片の貫通孔内に穿置されるシャフトスリーブを備え、前記シャフトスリーブの両端が開放状を呈し、且つ、内部に雌ネジが形成され、前記固定部材が前記シャフトスリーブの一端から穿入され、且つ、前記シャフトスリーブ内に螺合されて固定され、その末端が前記シャフトスリーブの他端から対応する止まり穴内に穿入されることを特徴とする、前記第7発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0016】
本願の第9発明は、前記挟み込みユニットがさらに、前記第一、第二挟持片上にそれぞれ設置され、且つ、相互に対面して設けられた保護パッドを備えていることを特徴とする、前記第8発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0017】
本願の第10発明は、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダがさらに、前記止まり穴の付近にそれぞれ対応して配置された複数の突起を備え、前記固定片がさらに前記取付部内に位置し、且つ、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダの各突起が対応して嵌入される複数の嵌合部を備えていることを特徴とする、前記第9発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【0018】
本願の第11発明は、前記挟み込みユニットの第一、第二挟持片、固定片、延伸脚部の四者がそれぞれ金属芯材と、前記金属芯材を覆う硬質保護カバーを備えていることを特徴とする、前記第10発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果は、異なる型式のノートブック型コンピュータにより、その高さにはそれぞれ違いがあるため、延伸脚部の位置を調整し、第一挟持片、第二挟持片間に適切な距離を形成すると、第一挟持片、第二挟持片、固定片、延伸脚部で前記ノートブック型コンピュータを間に挟持するための挟持空間を定義することができ、前記ノートブック型コンピュータは簡単に開くことができなくなり、コンピュータ内部のデータが外部に漏洩しないよう効果的に保護することができる。
さらに、窃盗を図ろうとしても前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを容易に破壊することができないため、ノートブック型コンピュータが盗難に遭うリスクを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の前述及びその他技術内容、特徴、効果についてはっきりと示すため、以下、図面と最良の実施例に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1に本発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1の挟持装置2の最良の実施例を示す。
ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1は挟持装置2上に取り付けられる。
前記挟持装置2は前記ノートブック型コンピュータ5を挟み込むために用いられ、且つ、挟み込みユニット3と位置決めユニット4を含んで成る。
【0022】
図2、図3に示すように、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1は4つの等角度間隔にその周面上に形成された止まり穴11(図2には視角の関係でそのうち2つだけを示す)、ノートブック型コンピュータ5のロックスロット51上に挿入しロックするために用いられるロック端12、及び前記四4つの止まり穴11の付近にそれぞれ配置された4つの突起13(図2には視角の関係でそのうち2つだけを示す)を備えている。
【0023】
前記挟持装置2の挟み込みユニット3は、相互間に間隔を備えた第一挟持片31と第二挟持片32、前記第一挟持片31から第二挟持片32方向に延伸された固定片33、前記第二挟持片32から固定片33方向に延伸された延伸脚部34、前記第一、第二挟持片31、32上にそれぞれ相互に対面して設置された2つの保護パッド35、固定部材36、シャフトスリーブ37を備える。
そのうち、前記第一、第二挟持片31、32、固定片33、延伸脚部34の四者はそれぞれ金属芯材381〜384及び前記金属芯材381〜384を包み込む硬質保護カバー391〜394を備える。
前記硬質保護カバー391〜394は一般にプラスチック材質から成り、金属芯材381〜384が直接前記ノートブック型コンピュータ5の表面に接触して摩損破壊を発生するのを回避することができる。
前記2つの保護パッド35はスポンジから成り、同様に前記ノートブック型コンピュータ5の表面に摩損破壊を発生するのを回避することができる。
【0024】
本実施例において、前記第一、第二挟持片31、32、固定片33、延伸脚部34の四者がそれぞれ金属芯材381〜384と硬質保護カバー391〜394を備えていると記載したが、当然金属芯材381〜384のみから構成し、硬質保護カバー391〜394で覆わなくともよく、このため、本実施例の説明のみに限られないものとする。
【0025】
前記固定片33は、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1を穿置するための取付部331、相互間に間隔をあけて前記第二挟持片32に面した固定片33の表面から凹陥状に形成される。
前記取付部331の両側にはそれぞれ配置された2つの受容部332、前記固定片33表面から凹陥状に形成される。
前記取付部331に通じる貫通孔335(図4参照)、固定片33の表面から間隔をあけて凹陥状に形成され、且つ、前記2つの受容部332内にそれぞれ通じる2つの第一収容部333と2つの第二収容部334、及びこれら四つの収容部が前記取付部331内に位置する。
固定片33は前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1の4つの突起13が対応して嵌入される嵌合部336(図4参照)を備えている。
【0026】
前記延伸脚部34は、相互間に間隔をあけて前記第二挟持片32から前記固定片33の方向に延伸される。
前記延伸脚部34は、前記2つの受容部332内に移動可能に挿入される2つの延伸柱体341を備え、前記第一、第二挟持片31、32の間の距離を変えて調整するために用いられ、各延伸柱体341は軸方向に間隔をあけて配列された複数の位置決め孔342を備えている。
【0027】
前記位置決めユニット4は、前記2つの第一収容部333に穿通され、且つ、前記2つの延伸柱体341の対応する位置決め孔342内に挿入されて位置決めされる2つの位置決め部材41、及び2つの弾性部材セット42を備える。
各位置決め部材41はネジとし、対応する第一収容部333に螺合され、且つ、その末端が対応する位置決め孔342内に挿入されて位置決めされる。
前記2つの弾性部材セット42は、対応する第二収容部334に挿入されるスリーブ部材421、前記スリーブ部材421内に設置される弾性部材422、及び前記弾性部材422の末端に設置され、且つ、対応する位置決め孔342内に挿入される位置決めボール423をそれぞれ備えている。
【0028】
本実施例において、2つの延伸柱体341と2つの受容部332を設けた形態を示すが、当然、1つの延伸柱体341と1つの受容部332のみを設置し、同様に前記延伸柱体341を移動可能に前記受容部332内に挿入できるようにしてもよいし、また上述の設計に合わせて、第一収容部333と第二収容部334、位置決め部材41と弾性部材セット42も1つのみ設置し、前記延伸柱体341を前記受容部332内で適切な位置に調整した後、位置決めすることができるように構成しても、前記第一、第二挟持片31、32間の距離を調整することができる。
したがって、第一、第二挟持片31、32間の距離の調整手段は本実施例の記載に限定されるものではない。
【0029】
図2及び図4に示すように、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1の4つの突起13は、前記固定片33の4つの嵌合部336内にのみ嵌入させることができるため、これにより一種のポカよけ設計が形成され、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1が正確に前記取付部331内に設置されるよう確保することができる。
このとき、前記固定片33の貫通孔335が前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1のうちいずれか1つの止まり穴11と相互に対応し、前記挟み込みユニット3のシャフトスリーブ37が前記貫通孔335内に穿置され、前記シャフトスリーブ37はその両端が開放状を呈し、且つ、内部に雌ネジが形成されており、前記固定部材36の周面に対応する雄ネジが形成されているため、前記固定部材36を前記シャフトスリーブ37の一端に穿入させ、且つ、前記シャフトスリーブ37内に螺合して固定し、その末端を前記シャフトスリーブ37の他端から穿出させて対応する止まり穴11内に穿入させ、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1を前記取付部331内に位置決めすることができる。
【0030】
図1に示すように、本実施例において、前記ノートブック型コンピュータ5のロックスロット51は垂直状を呈し、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1のロック端12もこれに合わせて垂直状を呈しているが、当然に、前記ロックスロット51は水平状の様態のものもあり得る。
【0031】
この場合は、図2及び図5に示すように、前記固定部材36を緩め、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1の止まり穴11内に穿入されないようにし、その後前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1を90度回転させて、前記固定部材36を再度前記シャフトスリーブ37内に螺合して固定し、前記固定部材36の末端を別の止まり穴11内に穿入させるだけで、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1のロック端12を水平状にし、水平状のロックスロット51上に組み合わせてロックすることができて、使用する上で非常に便利である。
【0032】
図3に示すように、異なる型式のノートブック型コンピュータ5はその高さにそれぞれ違いがある。
そのため、本発明に係る挟持装置2は、ノートブック型コンピュータ5の高さに合わせて前記第一、第二挟持片31、32間の距離を調整することができる。
その調整方法は、まず前記2つの位置決め部材41を緩めて対応する位置決め孔342から離脱させると、前記2つの延伸柱体341を自由に前記2つの受容部332内で縦方向に移動させることができる。
各弾性部材セット42の位置決めボール423もその弾性部材422の弾力伸張作用により、前記2つの延伸柱体341の縦方向の移動過程において逐一各位置決め孔342内に嵌入する動作を行い、これにより使用者に前記2つの延伸柱体341が現在前記2つの位置決め部材41を締め付けて固定することができる状態にあるか否かを判断させ、且つ、前記2つの延伸柱体341を安定した状態で円滑に縦方向に移動させて、変位や傾斜を発生しないようにすることができる。
【0033】
前記第一、第二挟持片31、32が適切な間隔を形成するまで前記2つの延伸柱体341を前記2つの受容部332内で縦方向に移動させる。
前記2つの弾性部材セット42の位置決めボール423も前記2つの延伸柱体341の対応する位置決め孔342内に嵌入させると、前記第一、第二挟持片31、32、固定片33、2つの延伸柱体341により前記ノートブック型コンピュータ5を挟み込むための挟持空間30が形成される。
このとき、前記2つの位置決め部材41を締め付けて固定し、且つ、その末端を前記2つの延伸柱体341の対応する位置決め孔342内に穿入させて位置決めすると、前記ノートブック型コンピュータ5を前記挟持空間30内に挟み込むことができ、且つ、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1のロック端12を前記ノートブック型コンピュータ5のロックスロット51上にロックすれば、前記ノートブック型コンピュータ5が盗難に遭うリスクを低減できるだけでなく、前記ノートブック型コンピュータ5を簡単に開くことができないようにし、コンピュータ内部のデータが外部に漏洩するのを効果的に防ぐことができる。
【0034】
前記2つの保護パッド35は緊密に前記ノートブック型コンピュータ5表面に密着され、前記ノートブック型コンピュータ5が前記挟持空間30に挟みこまれるとき、前記2つの保護パッド35はスポンジから成るため、往々にして過度に緊密に密着されるために外形に一定程度の変形が生じる。
前記挟持装置2と前記ノートブック型コンピュータ5が離脱した状態が形成されると、同じ高さの挟持空間30内に再度前記ノートブック型コンピュータ5を挟み込みたい場合、前記ノートブック型コンピュータ5を前記挟持空間30に入れる経路で前記2つの保護パッド35が邪魔になる確率が非常に高い。そのため、本発明は前記2つの保護パッド35の外側に面した箇所に傾斜状の導引面351を形成し、前記ノートブック型コンピュータ5を前記2つの導引面351に沿って円滑に前記挟持空間30内に入れることができるようにして、上述の邪魔になることがないようにした。
【0035】
上述の設計方式により、本実施例には以下のような利点がある。
(1)前記ノートブック型コンピュータ5を簡単に開くことができない。
すなわち、異なる型式のノートブック型コンピュータ5はその高さがそれぞれ異なり、前記第一、第二挟持片31、32は前記2つの延伸柱体341を前記2つの受容部332内で縦方向に適切な位置まで移動させた後位置決めし、前記ノートブック型コンピュータ5を前記挟持空間30内に挟み込むことで、前記ノートブック型コンピュータ5を簡単に開くことができなくなり、コンピュータ内部のデータが外部に漏洩されるのを効果的に防ぐことができる。
(2)前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1は破壊されにくい。
すなわち、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1のロック端12が前記ノートブック型コンピュータ5のロックスロット51上にロックされるとき、前記ロック端12が同時に前記第一、第二挟持片31、32により遮蔽されるため、窃盗を図る者は前記ロック端12を破壊しにくく、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1の保護作用が失われにくいため、ノートブック型コンピュータ5の盗難のリスクをさらに低減することができる。
(3)前記挟持装置2の高さ調整時の安定性が高く、傾斜を発生しにくい。
すなわち、前記挟持装置2の高さを調整するとき、各弾性部材セット42の位置決めボール423が弾性部材422の弾力伸張作用により、前記2つの延伸柱体341の縦方向の移動過程において逐一各位置決め孔342内に嵌入する動作を行なうため、これにより前記2つの延伸柱体341が高さの調整時に昇降が不均一になる現象が起こらず、同時に昇降させることができ、安定した操作が得られ、傾斜を発生しにくい。
(4)前記ノートブック型コンピュータ5の表面を摩損しにくい。
すなわち、前記第一、第二挟持片31、32、固定片33、延伸脚部34の四者はすべて硬質保護カバー391〜394で保護が加えられ、内部の金属芯材381〜384が前記ノートブック型コンピュータ5表面に直接接触しないようにされているため、前記ノートブック型コンピュータ5表面が金属材質により摩損されにくい。
(5)垂直または水平状のロックスロット51に適用することができる。
すなわち、前記固定部材36が離脱可能に前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1の止まり穴11内に固定され、且つ、止まり穴11の数が4つあり、それぞれ90度の間隔をあけて前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1上に配置されるため、ノートブック型コンピュータ5のロックスロット51が垂直または水平のいずれの状態を呈していても、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1を前記挟持装置2内で90度ずつ回転させ、前記ロック端12とロックスロット51が同じ方向になったとき、前記固定部材36を前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1の止まり穴11内に穿入させて固定することができ、この方法により、ロックスロット51が垂直または水平のいずれの状態を呈していても、本挟持装置2とノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1を組み合わせて適用することができる。
(6)前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1と挟持装置2に相互に組み込むときのポカよけ設計が施されている。
すなわち、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1と挟持装置2を相互に結合させるとき、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1の4つの突起13が前記固定片33の4つの嵌合部336内に対応されたときのみ嵌合されるため、これにより一種のポカよけ設計が形成され、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1を正確に前記取付部331内に設置されるよう確保することができ、その後前記固定部材36を止まり穴11内に螺合して固定し、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1と挟持装置2が相互に結合される。
【0036】
以上のように本発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1を備えた挟持装置2は、異なる高さのノートブック型コンピュータ5に合わせて前記挟持装置2の高さを調整し、前記ノートブック型コンピュータ5を前記挟持空間30内に挟み込み、前記ノートブック型コンピュータ5が簡単に開かないようにすることができ、コンピュータ内部のデータが外部に漏洩されるのを効果的に防止することができる。さらに、窃盗を図る者が前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ1のロック端12を破壊しにくく、さらにノートブック型コンピュータ5の盗難のリスクを低減することができる。このほか、前記挟持装置2は高さを調整するときの安定性が高いため傾斜を生じにくく、また前記ノートブック型コンピュータ5の表面を摩損しにくいため、本発明の目的を確実に達することができる。
【0037】
以上の説明は本発明の最良の実施例に基づくものであり、これにより本発明の実施の範囲が制限されることはなく、本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容に基づき行なわれた簡単な同等効果の変化や修飾はすべて本発明の特許の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置の最良の実施例をノートブック型コンピュータ上に取り付けた状態を示す立体分解図である。
【図2】前記最良の実施例の各部構成部材の相対位置関係を示す立体分解図である。
【図3】図2の最良の実施例の組み立て後の状態を示す側面断面図である。
【図4】図2の最良の実施例においてノートブック型コンピュータのロックスロットが垂直状を呈する場合の組み立て後の状態を示す正面断面図である。
【図5】図4のノートブック型コンピュータのロックスロットが水平状を呈する場合の正面断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1・・・・・・ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダ
11・・・・・ネジ孔
12・・・・・ロック端
13・・・・・突起
2・・・・・・挟持装置
3・・・・・・挟み込みユニット
30・・・・・挟持空間
31・・・・・第一挟持片
32・・・・・第二挟持片
33・・・・・固定片
331・・・・取付部
332・・・・受容部
333・・・・第一収容部
334・・・・第二収容部
335・・・・貫通孔
336・・・・嵌合部
34・・・・・延伸脚部
341・・・・延伸柱体
342・・・・位置決め孔
35・・・・・保護パッド
351・・・・導引面
36・・・・・固定部材
37・・・・・シャフトスリーブ
381〜384・・・・・金属芯材
391〜394・・・・・硬質保護カバー
4・・・・・・位置決めユニット
41・・・・・位置決め部材
42・・・・・弾性部材セット
421・・・・スリーブ部材
422・・・・弾性部材
423・・・・位置決めボール
5・・・・・・ノートブック型コンピュータ
51・・・・・ロックスロット
52・・・・・止まり穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置であって、
前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダが前記挟持装置上に設置され、且つ、ノートブック型コンピュータ上にロックされるために用いられ、前記挟持装置が前記ノートブック型コンピュータを挟み込むために用いられ、さらに、
相互間に間隔を備えた第一挟持片と第二挟持片、前記第一挟持片から第二挟持片方向に延伸された固定片、及び前記第二挟持片から固定片方向に延伸され、且つ、一部が前記固定片上に重畳される延伸脚部を含み、前記固定片が前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを穿置するための取付部を備えた挟み込みユニットと、
前記固定片に穿入され、且つ、離脱可能に前記延伸脚部上に位置決めされる位置決めユニットとを含み、
前記延伸脚部と固定片の重畳を適切な位置に調整した後、前記位置決めユニットが位置決めされ、前記第一、第二挟持片、固定片、延伸脚部に前記ノートブック型コンピュータを挟み込むための挟持空間を定義させることを特徴とする、
ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項2】
前記挟み込みユニットの固定片が、少なくとも1つの前記第二挟持片に面する表面から凹陥状に形成された受容部と、少なくとも1つの前記固定片表面から間隔をあけて凹陥状に形成され、且つ、前記受容部内に通じる第一収容部を備え、前記延伸脚部が少なくとも1つの前記第二挟持片から固定片の方向に延伸され、且つ、移動可能に前記受容部内に挿入される延伸柱体を備え、前記位置決めユニットが少なくとも前記第一収容部に穿通され、且つ、離脱可能に前記延伸柱体上に位置決めされる位置決め部材を備え、前記延伸柱体が前記受容部内で適切な位置に調整された後、位置決めされることを特徴とする、請求項1に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項3】
前記挟み込みユニットの固定片が2つの相互に間隔をあけて前記第二挟持片二面する表面から凹陥状に形成され、且つ、前記取付部の両側にそれぞれ配置された受容部と、固定片表面に間隔をあけて凹陥状に形成され、且つ、それぞれ前記2つの受容部内に通じる2つの第一収容部を備え、前記延伸脚部が相互に間隔をあけて前記第二挟持片から固定片の方向に延伸され、且つ、それぞれ移動可能に前記2つの受容部内に挿入される2つの延伸柱体を備え、前記位置決めユニットが前記2つの第一収容部にそれぞれ穿入され、且つ、離脱可能に前記2つの延伸柱体上に位置決めされる位置決め部材を備え、前記2つの延伸柱体が前記2つの受容部内で適切な位置に調整された後、位置決めされることを特徴とする、請求項2に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項4】
前記延伸脚部の各延伸柱体が軸方向に間隔をあけて配列された複数の位置決め孔を備え、前記2つの延伸柱体が前記2つの受容部内でそれぞれ移動され、且つ、前記2つの位置決め部材が前記2つの第一収容部に穿入されて前記2つの延伸柱体の対応する位置決め孔内に穿入されることにより、前記2つの延伸柱体が前記2つの受容部内で適切な位置に調整された後、位置決めされることを特徴とする、請求項3に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項5】
前記挟み込みユニットの固定片がさらに固定片表面から間隔をあけて凹陥状に形成され、且つ、それぞれ前記2つの受容部内に通じる2つの第二収容部を備え、前記位置決めユニットがさらに2つの弾性部材セットを備え、前記2つの弾性部材セットが、対応する前記第二収容部に配置されるスリーブ部材と、前記スリーブ部材内に設置される弾性部材と、前記弾性部材の末端に設置され、且つ、対応する位置決め孔内に穿置される位置決めボールをそれぞれ含むことを特徴とする、請求項4に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項6】
前記位置決めユニットの各位置決め部材がネジであり、対応する第一収容部に螺合され、且つ、その末端が対応する位置決め孔内に穿入されて位置決めされることを特徴とする、請求項5に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項7】
前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダが、間隔をあけてその周面上に形成された複数の止まり穴を備え、前記固定片がさらにその表面から凹陥状に形成され、且つ、前記取付部に通じる貫通孔を備え、且つ、前記貫通孔と前記止まり穴のいずれかが相互に対応され、前記挟み込みユニットがさらに前記貫通孔に穿通され、且つ、その末端が対応する前期止まり穴内に穿入される固定部材を備え、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダが前記挟持装置の取付部内に位置決めされることを特徴とする、請求項1または2、或いは6のいずれかに記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項8】
前記挟み込みユニットがさらに、前記固定片の貫通孔内に穿置されるシャフトスリーブを備え、前記シャフトスリーブの両端が開放状を呈し、且つ、内部に雌ネジが形成され、前記固定部材が前記シャフトスリーブの一端から穿入され、且つ、前記シャフトスリーブ内に螺合されて固定され、その末端が前記シャフトスリーブの他端から対応する止まり穴内に穿入されることを特徴とする、請求項7に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項9】
前記挟み込みユニットがさらに、前記第一、第二挟持片上にそれぞれ設置され、且つ、相互に対面して設けられた保護パッドを備えていることを特徴とする、請求項8に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項10】
前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダがさらに、前記止まり穴の付近にそれぞれ対応して配置された複数の突起を備え、前記固定片がさらに前記取付部内に位置し、且つ、前記ノートブック型コンピュータ用ロックシリンダの各突起が対応して嵌入される複数の嵌合部を備えていることを特徴とする、請求項9に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。
【請求項11】
前記挟み込みユニットの第一、第二挟持片、固定片、延伸脚部の四者がそれぞれ金属芯材と、前記金属芯材を覆う硬質保護カバーを備えていることを特徴とする、請求項10に記載のノートブック型コンピュータ用ロックシリンダを備えた挟持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−41101(P2008−41101A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205534(P2007−205534)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(507266842)申翔有限公司 (2)