ノード装置、通信システム及びチャネル選択方法
【課題】使用チャネルが違う複数ゲートウエイにより他通信網に接続されるアドホックネットワークにて、より安定してゲートウエイへ経路を確立するチャネルを選択する。
【解決手段】ノード装置(5)は、無線アドホックネットワーク(4)を他のネットワーク(3)へ接続するゲートウエイ装置(6)を認識できるか否かを判断する認識可否判断部(34)と、受信パケットの送信元ノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部(33)と、ゲートウエイ(6)が認識できない場合に、無線アドホックネットワーク(4)で送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数チャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部(35)と、複数チャネルの各々において隣接ノード検出部(33)が検出した隣接ノード数に基づき、無線アドホックネットワーク(4)での通信に使うチャネルを複数チャネルから選択するチャネル選択部(37)を備える。
【解決手段】ノード装置(5)は、無線アドホックネットワーク(4)を他のネットワーク(3)へ接続するゲートウエイ装置(6)を認識できるか否かを判断する認識可否判断部(34)と、受信パケットの送信元ノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部(33)と、ゲートウエイ(6)が認識できない場合に、無線アドホックネットワーク(4)で送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数チャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部(35)と、複数チャネルの各々において隣接ノード検出部(33)が検出した隣接ノード数に基づき、無線アドホックネットワーク(4)での通信に使うチャネルを複数チャネルから選択するチャネル選択部(37)を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で論じられる実施態様は、無線アドホックネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
無線アドホックネットワークと他のネットワークとの間をゲートウエイ装置で中継する通信システムが知られている。このような通信システムに関連する技術として、例えば、ネットワークに接続される無線端末群と、無線端末との間で所定の無線帯域により通信し、センターとの中継手段として機能する第1コレクタと、無線端末との間で前記無線帯域と異なる無線帯域により通信し、センターとの中継手段として機能する第2コレクタを備える無線システムが知られている。このシステムでは、第1コレクタと通信する無線端末と、第2コレクタと通信する無線端末は、第1あるいは第2コレクタの障害に備え、互いに他方の無線帯域で通信されるネットワークへの参入を事前に実行する。
【0003】
なお、他の関連する技術として、予め定められた通信チャネル上で通信相手装置を検索する第一の検索工程と、通信可能な全ての通信チャネル上で通信相手装置を検索する第二の検索工程と、第一の検索工程と第二の検索工程を使用して通信相手装置を検索する検索制御工程とを有する通信方法が知られている。
【0004】
また、無線通信によりデータを送受する無線インタフェースと、無線インタフェースにより周辺の無線インタフェースの情報をチャネル情報として取得するチャネル情報取得部と、該取得したチャネル情報の中から無線インタフェースとの間でネットワークを構成することが可能な同一システムの無線インタフェースを検出した場合に、無線インタフェースの設定を変更して、無線インタフェースと同一システムの無線インタフェースとを接続する通信接続制御部を有するノードが知られている。ノードは、無線インタフェースの受信信号強度を考慮して接続可否の判断を行う。
【0005】
また、複数のセンサノードと、このセンサノードが中継器を介在ないし非介在でつながる基地局と、センサノード、中継器、および基地局が作る通信網内で交わす通信に用いる無線通信手段を有する無線通信ネットワークシステムが知られている。無線通信手段は選択できる複数の搬送周波数チャンネルを有し、センサノードと基地局との接続経路情報より通信網内での通信に適する搬送周波数チャンネルを判別するチャンネル判別手段を有する。
【0006】
また、複数の基地局や無線端末から構成される無線ネットワークシステムが知られている。基地局や、親局となる無線端末は子局の通信方法を制御するための通信制御情報を送信する。各無線端末の通信制御部は、親局から受信した通信制御情報に従った通信方法で、さらに自分の親局や子局との通信を行うと同時に、通信品質測定部により、通信経路の通信品質を測定する。基地局は各無線端末の通信品質集計部からあつめた通信品質をもとに、各通信経路の通信品質を評価し、各無線端末が使用する最適な通信経路を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−187316号公報
【特許文献2】特開2010−93448号公報
【特許文献3】特開2009−206999号公報
【特許文献4】特開2009−200583号公報
【特許文献5】特開2010−35068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
無線アドホックネットワークと他のネットワークとの中継に複数のゲートウエイ装置が使用され、複数のゲートウエイ装置が互いに異なる周波数チャネルを用いて無線アドホックネットワークと通信を行う場合を想定する。以下、周波数チャネルを単に「チャネル」と表記する場合がある。
【0009】
この場合、無線アドホックネットワークを形成する複数のノード装置は、使用チャネルがそれぞれ異なる各ゲートウエイ装置に接続される複数のグループに分割される。各ノード装置は、ゲートウエイまでの経路が存在するいずれかのグループに所属し、各グループで使用される周波数チャネルを使用してパケットを送受信する。
【0010】
上記の通信システムにおいて、例えば、ゲートウエイ装置の故障、使用チャネルの変更やノード装置の移動などの状態の変化が生じることがある。無線アドホックネットワークの状態の変化によって、ゲートウエイ装置との間でパケットを伝送する経路が無くなることにより、ゲートウエイ装置を認識できなくなるノード装置が発生する。
【0011】
この場合、ノード装置は、使用チャネルを変更して所属グループを変更することによりゲートウエイを再認識できるようになる。チャネル変更の際には、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立できる可能性が高いチャネルを選択することが望ましい。
【0012】
開示の装置及び方法は、使用チャネルが異なる複数のゲートウエイ装置により他ネットワークに接続される無線アドホックネットワークにて、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立されるチャネルをノード装置に選択させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
装置の一観点によれば、無線アドホックネットワークを形成するノード装置が与えられる。このノード装置は、無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、ゲートウエイ装置を認識できないと認識可否判断部が判断した場合に、無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、複数のチャネルの各々において隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、を備える。
【0014】
方法の一観点によれば、無線アドホックネットワークにおいてノード装置により使用されるチャネルを選択するチャネル選択方法が与えられる。この方法では、無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置をノード装置が認識できるか否かを判断し、ゲートウエイ装置を認識できない場合に、無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信にノード装置が使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換え、複数のチャネルの各々において、ノード装置にパケットを送信する隣接ノードを検出し、複数のチャネルの各々において検出された隣接ノード数に基づいて、無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを複数のチャネルの中から選択する。
【発明の効果】
【0015】
開示の装置又は方法によれば、使用チャネルが異なる複数のゲートウエイ装置により他ネットワークに接続される無線アドホックネットワークにて、ノード装置は、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立されるチャネルを選択することが可能になる。
【0016】
本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示した要素及びその組合せを用いて具現化され達成される。前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、単なる例示及び説明であり、特許請求の範囲のように本発明を限定するものでないと解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】通信システムの全体構成例を示す図である。
【図2】(A)〜(C)は、チャネル検索を実施する状況の一例の説明図である。
【図3】ノード装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図4】ノード装置の第1構成例を示す図である。
【図5】経路制御パケットの第1例の構成の説明図である。
【図6】隣接ノード情報の第1例を示す図である。
【図7】アドホックネットワークで伝送されるフラッディングパケットの構成の一例の説明図である。
【図8】経路制御パケットの第2例の構成の説明図である。
【図9】ホップ数情報の例を示す図である。
【図10】ノード装置の処理の第1例の説明図である。
【図11】図10の処理におけるチャネル切換の説明図である。
【図12】チャネル選択処理の第1例の説明図である。
【図13】図11のサブルーチンにおける処理の説明図である。
【図14】チャネル選択処理の第3例の説明図である。
【図15】図14のサブルーチンにおける処理の説明図である。
【図16】ノード装置の第2構成例を示す図である。
【図17】ノード装置の処理の第2例の説明図である。
【図18】図17の処理におけるチャネル切換の説明図である。
【図19】(A)及び(B)は、集団孤立と単独孤立の説明図である。
【図20】ノード装置の第3構成例を示す図である。
【図21】ノード装置の処理の第3例の説明図である。
【図22】隣接ノード情報の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<1.通信システムの構成>
以下、添付される図面を参照して、好ましい実施例について説明する。図1は、通信システムの全体構成例を示す図である。通信システム1は、サーバ装置2と、無線アドホックネットワーク4と、ゲートウエイ装置6a〜6cを備える。無線アドホックネットワーク4は、複数のノード装置5a〜5iによって形成されている。
【0019】
なお、添付する図面において、ゲートウエイ装置を「GW」と表記し、ノード装置を「ND」と表記することがある。また、以下の説明において、ゲートウエイ装置6a〜6cを総称して「ゲートウエイ装置6」と表記することがある。また、ノード装置5a〜5iを総称して「ノード装置5」と表記することがある。
【0020】
通信システム1は、例えば、ノード装置5にて採取された電力、ガス及び水道などの検針データを、ゲートウエイ装置6を経由して、サーバ装置2にて収集されるデータ収集システムであってよい。
【0021】
サーバ装置2及びゲートウエイ装置6は、通信ネットワーク3に接続されており、ゲートウエイ装置6は、通信ネットワーク3と無線アドホックネットワーク4との間を中継する。通信ネットワーク3は、サーバ装置2とゲートウエイ装置6との間の通信機能を提供するネットワークであり、様々なプロトコルや通信媒体を使用するネットワークを利用することができる。
【0022】
通信システム1は、複数のゲートウエイ装置6a〜6cを備える。ゲートウエイ装置6a〜6cは、無線アドホックネットワーク4との間の通信にそれぞれ異なるチャネルを使用する。図1の例では、ゲートウエイ装置6a、6b及び6cは、それぞれチャネルCH1、CH2及びCH3を使用する。
【0023】
これら異なるチャネルを使用する複数のゲートウエイ装置6a〜6cが無線アドホックネットワーク4にて通信を行うことにより、無線アドホックネットワーク4を形成するノード装置5a〜5iは複数のグループ11〜13に分割される。グループ11、12及び13は、それぞれゲートウエイ装置6a、6b及び6cを経由して通信ネットワーク3に接続されるノード装置5のグループである。図1の例では、ノード装置5a〜5cがグループ11を形成し、ノード装置5d〜5gがグループ12を形成し、ノード装置5h〜5iがグループ13を形成する。
【0024】
グループ11のノード装置5a〜5cは、チャネルCH1を使用してパケットを伝送する。各ノード装置5a〜5cがグループ11の他のノード装置やゲートウエイ装置6aが送受信するパケットを中継することで、ノード装置5a〜5cとゲートウエイ装置6aとを含むアドホックネットワークが形成される。他のグループ12及び13についても同様である。
【0025】
上述の通り、無線アドホックネットワーク4の状態の変化によって、ゲートウエイ装置6を認識できなくなるノード装置5が発生する。同様に、隣接のノード装置を1つも認識できないノード装置5が発生する。なお、本明細書の説明において、ノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるとは、ノード装置5がゲートウエイ装置6までパケットを伝送する経路を確立できる状態をいう。また、ノード装置5が隣接のノード装置を認識できるとは、ノード装置5が隣接のノード装置までパケットを伝送する経路を確立できる状態をいう。
【0026】
また、以下の説明において、ノード装置5が、ゲートウエイ装置6を認識出来ない状態や隣接のノード装置を1つも認識できない状態を「孤立」と表記することがある。また、ノード装置5が「孤立」状態になることを「孤立する」と表記することがある。
【0027】
孤立したノード装置5は、周囲で使用されているチャネルを検索し、通信に使用するチャネルを変更することによって所属するグループを変更する。本明細書の説明において、孤立したノード装置5が、通信に使用可能なチャネルを検索する処理を「チャネル検索」と表記することがある。図2の(A)〜図2の(C)は、ノード装置5が、チャネル検索を実施する状況の一例の説明図である。
【0028】
本例では、図1の通信システム1において、ゲートウエイ装置6bが故障した場合を想定する。図2の(A)は、ゲートウエイ装置6bの故障前の状態を示す。各ゲートウエイ装置6及びノード装置5の使用チャネル、並びに各グループ11〜13に所属するノード装置5は、図1と同様である。
【0029】
図2の(B)は、ゲートウエイ装置6bが故障した直後の状態を示す。チャネルCH2を使用するノード装置5d〜5gは、他のグループ11及び13のノード装置5a〜5c並びに5h及び5iや、ゲートウエイ装置6a及び6cと通信することができない。したがって、ノード装置5d〜5gはゲートウエイ装置6a及び6cを認識できない孤立状態となる。
【0030】
孤立したノード装置5d〜5gは、その周囲で使用中の通信状態が良好なチャネルを検索する。ノード装置5d〜5gは、検出したチャネルに使用チャネルを変更することによって所属するグループを変更する。
【0031】
図2の(C)は、使用チャネル変更後の状態を示す。ノード装置5d及び5eはチャネルCH1を選択することによって、グループ11のネットワークに所属する。ノード装置5g及び5fはチャネルCH3を選択することによって、グループ13のネットワークに所属する。
【0032】
<2.第1の実施の形態>
続いて、各実施の形態におけるノード装置5の構成及び機能について説明する。図3は、ノード装置5のハードウエア構成の一例を示す図である。ノード装置5は、プロセッサ21、補助記憶装置22、メモリ23、入力部24、無線通信部25及びデータバス26を備える。
【0033】
プロセッサ21は、補助記憶装置22に記憶される制御プログラムを実行することにより、ノード装置5の動作を制御するための各処理や、ノード装置5によるチャネル検索のための下記の処理を実行する。補助記憶装置22には、プロセッサ21に上記処理を実行させる制御プログラムが記憶される。補助記憶装置22は、不揮発性メモリや、読み出し専用メモリ(ROM: Read Only Memory)やハードディスクなどを記憶素子として含んでいてもよい。
【0034】
メモリ23には、プロセッサ21により実行中のプログラムや、このプログラムによって一時的に使用されるデータが記憶される。メモリ23は、ランダムアクセスメモリ(RAM: Random Access Memory)を含んでいてよい。入力部24は、ノード装置5が取得する情報の入力を受け付ける構成要素である。例えば、通信システム1が上述のデータ収集システムである場合、入力部24は、電力、ガス及び水道などのメータにアクセスして検針データを取得する機能を有する。また、入力部24は、オペレータによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースを備えていてもよい。
【0035】
無線通信部25は、他のノード装置5やゲートウエイ装置6との間の無線通信処理を行う。無線通信部25は、プロセッサ21がチャネル検索処理を経て選択したチャネルを、無線通信に使用するチャネルとして設定する。上記の構成要素21〜25は、データバス26によって電気的に接続されている。
【0036】
図4は、ノード装置5の第1構成例を示す図である。図3のプロセッサ21は、補助記憶装置22に記憶されるプログラムに従い、必要に応じてノード装置5の他のハードウエア要素との協調動作を行うことにより、図4に示すノード装置5の構成要素による情報処理を行う。なお、図4は、以下の説明に関係する機能を中心として示している。したがって、ノード装置5は図示の構成要素以外の他の構成要素を含んでいてよい。他の実施の携帯についても同様である。
【0037】
ノード装置5は、通信部30と、パケット解析部31と、通信状態測定部32と、隣接ノード検出部33と、認識可否判断部34と、チャネル変更部35と、記憶部36と、チャネル選択部37を備える。
【0038】
通信部30は、他のノード装置5又はゲートウエイ装置6へ、ユニキャスト形式又はブロードキャスト形式により無線パケットを送信する。また通信部30は、他のノード装置5又はゲートウエイ装置6から送信された無線パケットを受信する。通信部30によるパケットの送受信に使用されるチャネルは、無線通信部25により設定される。パケット解析部31は、受信したパケットの解析を行い、パケットのヘッダ部及びメッセージ部に格納されている情報の抽出を行う。
【0039】
通信状態測定部32は、ノード装置5へパケットを送信するノード装置との通信状態を測定する。以下の説明において、ノード装置5へパケットを送信するノード装置、すなわちノード装置5により受信されるパケットの送信元のノード装置を「隣接ノード」と表記することがある。
【0040】
例えば通信状態測定部32は、隣接ノードからの無線パケットを受信した場合に、通信状態を示す指標として受信品質を測定してよい。受信品質は、例えば受信信号強度(RSSI: Received Signal Strength Indicator)であってよい。
【0041】
通信状態測定部32は、隣接ノードから周期的に送信される定期パケットの受信率を通信状態を示す指標として測定してよい。このような定期パケットは、例えば、無線アドホックネットワーク4にて利用される特定の経路制御プロトコルが使用する経路制御パケットであってよい。経路制御パケットは、例えばOLSR(Optimized Link State Routing)等で使用されるハローパケットであってよい。
【0042】
図5は、経路制御パケットの第1例の構成の説明図である。経路制御パケットは、ヘッダ部50及びメッセージ部60を含む。ヘッダ部50は、パケットの送信元アドレス51、送信先アドレス52、タイプ53、TLL(Time To Live)部54、ホップ数55を含む。メッセージ部60には、経路制御プロトコルにおいて各ノード装置5が経路テーブルを作成するために使用する経路情報を含んでいる。
【0043】
通信状態測定部32は、例えば次式(1)に従って定期パケットの受信率を算出してよい。
受信率=定期パケット受信数÷(受信期間÷定期パケットの送信周期) (1)
【0044】
図4を参照する。隣接ノード検出部33は、他のノード装置5からのパケットが受信された場合に、送信元の他のノード装置5を隣接ノードとして検出する。隣接ノード検出部33は、隣接ノードを検出した場合に、検出された隣接ノードに関する隣接ノード情報40を記憶部36に格納する。ある実施例では、隣接ノード検出部33は、上述の経路制御パケットを受信することによって隣接ノードを検出してよい。
【0045】
図6は、隣接ノード情報40の第1例を示す図である。隣接ノード情報40は、情報要素として「チャネル」及び「ノード識別子」を含んでいてよい。ある実施例では、隣接ノード情報40は、隣接ノードについて通信状態測定部32により測定された通信状態を示す情報要素を含んでいてよい。これらの情報要素は、例えば「受信品質」及び「定期パケット受信率」であってよい。後述するように他の実施例では、通信状態を示す情報要素を省略してもよい。
【0046】
情報要素「チャネル」は、隣接ノードがパケットを送受信するチャネルの識別子である。情報要素「ノード識別子」は、隣接ノードの識別子である。識別子は、例えばMACアドレスであってよい。情報要素「受信品質」及び「定期パケット受信率」は、隣接ノードについて通信状態測定部32が測定した受信品質及び定期パケットの受信率である。
【0047】
図6に示す例では、ノード識別子「1」の隣接ノードは、チャネル「CH1」を使用してパケットを送受信する。この隣接ノードは、通信部30がチャネルCH1を使用してパケットの送受信を行っている期間に隣接ノード検出部33が検出した隣接ノードである。また、ノード識別子「46」の隣接ノードは、チャネル「CH2」を使用してパケットを送受信する。この隣接ノードは、チャネルCH2を使用してパケットの送受信が行われている期間に検出された隣接ノードである。また、ノード識別子「1」の隣接ノードの受信品質及び定期パケットの受信率はそれぞれ「−65dBm」及び「100%」であり、ノード識別子「46」の隣接ノードの受信品質及び定期パケットの受信率はそれぞれ「−69dBm」及び「98%」である。
【0048】
図4を参照する。認識可否判断部34は、ノード装置5が、いずれかのゲートウエイ装置6を認識できるか否かを判断する。他の言い方をすれば、認識可否判断部34は、ノード装置5とゲートウエイ装置6との間にパケットを経路が確立できるか否か、すなわちノード装置5が孤立しているか否かを判断する。
【0049】
ある実施例では、認識可否判断部34は、ゲートウエイ装置6から無線アドホックネットワーク4へ送信されるフラッディングパケットを受信した場合に、ゲートウエイ装置6を認識できると判断する。このフラッディングパケットは、ゲートウエイ装置6から定期的に送信されるパケットであってよい。ある実施例においてこのフラッディングパケットは、例えば、IPv6(Internet Protocol Version 6)にて使用されるルータ広告(Router Advertisement)パケットであってよい。他の実施例においてフラッディングパケットは、例えば、特定の経路制御プロトコルにおいてゲートウエイ装置6の死活を通知する制御パケットであってもよい。
【0050】
図7は、アドホックネットワークで伝送されるフラッディングパケットの構成の一例の説明図である。フラッディングパケットのヘッダ部50は、図5を参照して説明した経路制御パケットのヘッダ部50と同様である。タイプ53はパケットの種別を示す。タイプ53の値によりパケットがフラッディングパケットであることが示される。また、ホップ数55は、パケットの送信元であるゲートウエイ装置6からのホップ数が格納される。メッセージ部60には、ゲートウエイ装置6からノード装置5へブロードキャスト形式で配信される情報が格納される。
【0051】
ある実施例では、認識可否判断部34は、隣接ノードから受信する経路制御パケットを参照してゲートウエイ装置6の認識可否を判断してよい。図8は、経路制御パケットの第2例の構成の説明図である。この実施例におけるノード装置5は、記憶部36に、ノード装置5とゲートウエイ装置6との間のホップ数をそれぞれ記憶する。ノード装置5は、経路制御パケットを送信する際に、メッセージ部60の付加情報62としてゲートウエイ装置6までのホップ数を格納する。認識可否判断部34は、経路制御パケットを受信したとき、メッセージ部60に付加情報62が格納されているか否かに応じて、ゲートウエイ装置6の認識可否を判断する。
【0052】
図4を参照する。チャネル変更部35は、認識可否判断部34がいずれのゲートウエイ装置も認識できないと判断した場合、すなわちゲートウエイ装置6との間の経路が全て失われノード装置5が孤立した場合に、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルを順次切り替える。このときチャネル変更部35は、無線アドホックネットワーク4における通信のために用意されたN個のチャネルCH1〜CHNの全てに亘って、ノード装置5がパケットの受信に使用するチャネルを切り換える。
【0053】
認識可否判断部34は、チャネル変更部35によるチャネル切換処理中に、各チャネルにおいて認識可能なゲートウエイ装置6までのホップ数をそれぞれ検出する。本実施の形態では、認識可否判断部34は、チャネル切換処理中にゲートウエイ装置6から送信されるフラッディングパケットのホップ数55から、ゲートウエイ装置6までのホップ数を取得する。
【0054】
図9は、ホップ数情報41の例を示す図である。ホップ数情報41は、情報要素として「チャネル」及び「ホップ数」を含んでいてよい。情報要素「チャネル」は、ゲートウエイ装置6が認識されたチャネルの識別子である。情報要素「ホップ数」は、認識されたゲートウエイ装置6までのホップ数である。図8に示す例では、チャネル「CH1」で認識されたゲートウエイ装置6までのホップ数は「3」であり、チャネル「CH2」で認識されたゲートウエイ装置6までのホップ数は「2」である。
【0055】
ホップ数情報41にホップ数が格納されているゲートウエイ装置6については、ノード装置5からのホップ数を特定することができる。すなわち、ホップ数情報41は、各チャネルにおいてノード装置5が認識可能なゲートウエイ装置6を示す。
【0056】
また隣接ノード検出部33は、チャネル変更部35によるチャネル切換処理中に、各チャネルにおいて隣接ノードを検出する。チャネル変更部35によるチャネル切換処理が終了すると、チャネル選択部37は、各チャネルにて検出された隣接ノード数に基づいて、無線アドホックネットワーク4での通信に使用するチャネルを複数のチャネルCH1〜CHNの中から選択する。
【0057】
以下、チャネル選択部37によるチャネルの選択処理の例について説明する。
<2−1.チャネル選択処理の第1例>
(処理1−1) チャネル選択部37は、隣接ノード情報40を参照して、各チャネルで検出された隣接ノードのうち所定の通信状態を満たす隣接ノード数を特定する。例えば、チャネル選択部37は、受信信号強度および定期パケット受信率が所定の閾値以上である隣接ノードの数を、所定の通信状態を満たす隣接ノード数として特定する。他の実施例では、チャネル選択部37は、各チャネルで検出された全ての隣接ノードの数を隣接ノード数として特定してもよい。この場合、隣接ノード情報40から通信状態を示す情報要素を省略してもよい。
【0058】
(処理1−2) チャネル選択部37は、ホップ情報41を参照して、各チャネルにおいてゲートウエイ装置6が認識可能であるか否かを判断する。チャネル選択部37は、ノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるチャネルを特定する。ある実施例においてチャネル選択部37は、ゲートウエイ装置6までのホップ数が所定のホップ数より短いチャネルのみを特定してもよい。ある実施例において所定のホップ数は、経路制御プロトコルによって定まる制限ホップ数であってよい。
【0059】
(処理1−3) チャネル選択部37は、ホップ情報41を参照して、(処理1−2)で特定されたチャネルにおけるゲートウエイ装置6までのホップ数を判断する。ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルが1つしか存在しない場合、チャネル選択部37は、このチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0060】
(処理1−4) ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルが複数存在する場合、チャネル選択部37は、これらのチャネルのうちから、(処理1−1)で特定した隣接ノード数に基づいて通信に使用するチャネルを選択する。隣接ノード数に基づくチャネルの選択方法の例については後述する。
【0061】
(処理1−5) 処理(1−2)において特定されるチャネルが存在しない場合、チャネル選択部37は、全チャネルのうちから(処理1−1)で特定した隣接ノード数に基づいて通信に使用するチャネルを選択する。
【0062】
<2−2.チャネルの選択処理の第2例>
(処理2−1) チャネル選択部37は、(処理1−1)と同様に隣接ノード数を特定する。
【0063】
(処理2−2) チャネル選択部37は(処理1−2)と同様にチャネルを特定する。
【0064】
(処理2−3) チャネル選択部37は、(処理2−2)で特定される全チャネルにおいて(処理2−1)で特定された隣接ノード数が所定の閾値Mを超えるか否かを判断する。隣接ノード数が所定の閾値Mを超える場合、ゲートウエイ装置6までホップ数が最少のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0065】
(処理2−4) (処理2−2)で特定される全チャネルにおいて(処理2−1)で特定された隣接ノード数が所定の閾値Mを超えない場合、チャネル選択部37は、以下に従って通信に使用するチャネルとして選択する。
【0066】
まず(処理2−2)で特定されたチャネルのうち(処理2−1)で特定した隣接ノード数が最多のチャネルが1つしかない場合には、このチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。
【0067】
(処理2−5) (処理2−2)で特定されたチャネルのうち(処理2−1)で特定した隣接ノード数が最多のチャネルが複数ある場合には、これらのチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。
【0068】
(処理2−6) 一方で、処理(2−2)で特定されるチャネルが存在しない場合、チャネル選択部37は、全チャネルのうちから(処理2−1)で特定した隣接ノード数に基づいて通信に使用するチャネルを選択する。
【0069】
以下、本実施の形態のノード装置5のチャネル検索処理について説明する。図10は、ノード装置5の処理の第1例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションAA〜AHはステップであってよい。
【0070】
オペレーションAAにおいて認識可否判断部34は、現在、ノード装置5が通信に使用しているチャネルにおいてゲートウエイ装置6を認識できるか否かを判断する。すなわち、ノード装置5が孤立しているか否かを判断する。認識できる場合(オペレーションAA:Y)、認識可否判断部34は、オペレーションAAを繰り返す。認識できない場合(オペレーションAA:N)、処理はオペレーションABへ進む。
【0071】
オペレーションABにおいて各チャネルCH1〜CHNを順次選択する変数iの値が、「1」に初期化される。オペレーションACにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをチャネルCHiへ切り替える。
【0072】
オペレーションADにおいて通信部30は、隣接ノード又はゲートウエイ装置6から送信されるパケットを受信する。隣接ノードからパケットが受信された場合、隣接ノード検出部33は、パケットの送信元の隣接ノードに関する隣接ノード情報を記憶部36へ格納する。ゲートウエイ装置6からフラッディングパケットが受信された場合、認識可否判断部34は、フラッディングパケットの送信元のゲートウエイ装置6に関するホップ数情報41を記憶部36へ格納する。
【0073】
オペレーションAEにおいてチャネル変更部35は、所定のチャネル切換期間T1が経過したか否かを判断する。チャネル切換期間T1が経過しない場合(オペレーションAE:N)には、処理はオペレーションADへ戻る。チャネル切換期間T1が経過した場合(オペレーションAE:Y)には、処理はオペレーションAFへ進む。
【0074】
オペレーションAFにおいて、変数iの値が1つ増加される。オペレーションAGにおいて、変数iの値が、パケットの送受信のために用意されたチャネルCN1〜CNNのチャネル数Nを超えるか否かが判定される。変数iの値がチャネル数を超えない場合(オペレーションAG:N)には、処理はオペレ−ションACへ戻る。変数iの値がチャネル数を超える場合(オペレーションAG:Y)には、処理はオペレ−ションAHへ進む。
【0075】
オペレーションAHにおいてチャネル選択部37は、上記の処理(1−1)〜(1−5)又は処理(2−1)〜(2−6)等の選択処理に従って、無線アドホックネットワーク4における通信に使用するチャネルを選択する。チャネル選択部37における選択処理については、さらに後述する。
【0076】
次に、図10に示す処理においてチャネル変更部35により行われるチャネル切換について説明する。図11は、チャネル変更部35によるチャネル切替の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BIはステップであってよい。
【0077】
なお、図11においてノード装置5xは、図10の処理を実行するノード装置5を示す。またノード装置5k〜5nは、それぞれチャネルCH1〜CH3を使用する隣接ノードを示す。またゲートウエイ装置は、チャネルCH1を使用している。なお、図11は、チャネル数N=3の場合の例を示すが、他の実施例ではチャネル数Nは3以外の整数であってよい。
【0078】
オペレーションBAにおいてノード装置5xの認識可否判断部34は、ノード装置5xの孤立を検出する。オペレーションBBにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH1へ切り換える。
【0079】
オペレーションBBに続くチャネル切換期間T1の間、ノード装置5xは、チャネルCH1を使用して送信されるパケットを受信できる。オペレーションBCにおいてノード装置5xは、チャネルCH1を使用する隣接ノード5kからパケットを受信する。オペレーションBDにおいてノード装置5xは、ゲートウエイ装置6からフラッディングパケットを受信する。
【0080】
チャネル切換期間T1が経過した後、オペレーションBEにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH2へ切り換える。オペレーションBEに続くチャネル切換期間T1の間、ノード装置5xは、チャネルCH2を使用して送信されるパケットを受信できる。オペレーションBFにおいてノード装置5xは、チャネルCH2を使用する隣接ノード5mからパケットを受信する。
【0081】
チャネル切換期間T1が経過した後、オペレーションBGにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH3へ切り換える。オペレーションBGに続くチャネル切換期間T1の間、ノード装置5xは、チャネルCH3を使用して送信されるパケットを受信できる。オペレーションBHにおいてノード装置5xは、チャネルCH3を使用する隣接ノード5nからパケットを受信する。
【0082】
以上のオペレーションBB〜BHにおいてノード装置5xは、使用可能な全てのチャネルCH1〜CH3において、隣接ノードからのパケット及びゲートウエイ装置6からフラッディングパケットを受信する。オペレーションBIにおいて、チャネル選択部37は、無線アドホックネットワーク4における通信に使用するチャネルを選択する。オペレーションBIの処理は、図10のオペレーションAHにて行われるチャネル選択処理と同様である。
【0083】
続いて、図10のオペレーションAHにて行われるチャネル選択処理について説明する。図12及び図13は、チャネル選択処理の第1例の説明図である。図12及び図13に示すチャネル選択処理は、上述の<2−1.チャネルの選択処理の第1例>に対応する。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションCA〜CG及びオペレーションDA〜DGはステップであってよい。
【0084】
オペレーションCAにおいてチャネル選択部37は、隣接ノード情報40を参照して、各チャネルで検出された隣接ノードのうち所定の通信状態を満たす隣接ノード数を特定する。オペレーションCBにおいてチャネル選択部37は、ノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるチャネルを特定する。ある実施例においてチャネル選択部37は、ゲートウエイ装置6までのホップ数が所定のホップ数より短いチャネルのみを特定してもよい。
【0085】
オペレーションCCにおいてチャネル選択部37は、オペレーションCBで特定されるチャネルが少なくとも1つあるか否かを判定する。特定されるチャネルが1つもない場合(オペレーションCC:Y)には、処理はオペレーションCGへ進む。特定されるチャネルが少なくとも1つある場合(オペレーションCC:N)には、処理はオペレーションCDへ進む。
【0086】
オペレーションCDにおいてチャネル選択部37は、オペレーションCBで特定されるチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判定する。複数のチャネルが存在する場合(オペレーションCD:Y)には、処理はオペレーションCFへ進む。複数のチャネルが存在しない場合(オペレーションCD:N)には、処理はオペレーションCEへ進む。
【0087】
オペレーションCEにおいてチャネル選択部37は、ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。
【0088】
オペレーションCFにおいてチャネル選択部37は、図13に示す第1選択サブルーチンによって、ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルの中から、通信に使用するチャネルを選択する。
【0089】
図13の説明において、第1選択サブルーチンによって通信に使用するチャネルが選択される母集団のチャネルの集合を「対象のチャネル」と表記する。例えば、オペレーションCFにおいて第1選択サブルーチンが実行される場合には、オペレーションCBによって特定されたチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルが対象のチャネルである。
【0090】
オペレーションDAにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルの全てにおいて、オペレーションCAで特定された隣接ノード数が、所定の閾値Mを超えるか否かを判定する。隣接ノード数が閾値Mを超えない場合(オペレーションDA:N)には、処理はオペレーションDBへ進む。隣接ノード数が閾値Mを超える場合(オペレーションDA:Y)には、処理はオペレーションDEへ進む。
【0091】
オペレーションDBにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルであって隣接ノード数が閾値M以下であるチャネルのうちオペレーションCAで特定された隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判断する。隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが複数ある場合(オペレーションDB:Y)には、処理はオペレーションDCへ進む。隣接ノード数が最多のチャネルが1つしかない場合(オペレーションDB:N)には、処理はオペレーションDDへ進む。
【0092】
オペレーションDCにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルのうちオペレーションCAで特定された隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルの中のいずれかのチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。例えば、チャネル選択部37は、チャネルの識別番号が最も若いチャネルを選んでよい。オペレーションDDにおいてチャネル選択部37は、隣接ノード数が最多のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0093】
一方で、オペレーションDEにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルのうちオペレーションCAで特定された隣接ノード数が最少かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判断する。隣接ノード数が最少かつ同数のチャネルが複数ある場合(オペレーションDE:Y)には、処理はオペレーションDFへ進む。隣接ノード数が最少のチャネルが1つしかない場合(オペレーションDE:N)には、処理はオペレーションDGへ進む。
【0094】
オペレーションDFにおいてチャネル選択部37は、オペレーションCAで特定された隣接ノード数が最少かつ同数のチャネルの中から、いずれかのチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。例えば、チャネル選択部37は、チャネルの識別番号が最も若いチャネルを選んでよい。オペレーションDGにおいてチャネル選択部37は、隣接ノード数が最少のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0095】
図13に示す第1選択サブルーチンによれば、オペレーションCAで特定された隣接ノード数が出来るだけ閾値Mに近いチャネルが選択される。これにより、隣接ノード数が過小であることによりゲートウエイ装置6までの経路が不安定なチャネルを選択する可能性が低減される。また、隣接ノード数が過大であるような、混雑したチャネルを選択する可能性が低減される。
【0096】
図12を参照する。オペレーションCGにおいてチャネル選択部37は、図13に示す第1選択サブルーチンによって、全チャネルCH1〜CHNの中から通信に使用するチャネルを選択する。オペレーションCGにおいて第1選択サブルーチンが実行される場合には、全チャネルが第1選択サブルーチンの対象のチャネルとなる。
【0097】
オペレーションCGでは、ノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるチャネルが1つもない場合であっても、隣接ノード数が出来るだけ閾値Mに近いチャネルが選択される。このため、ネットワークの状態の変化によってゲートウエイ装置6が認識可能になった場合には、その後、ゲートウエイ装置6までの経路が安定することが期待される。
【0098】
続いて、図10のオペレーションAHにて行われる他のチャネル選択処理について説明する。図14及び図15は、チャネル選択処理の第2例の説明図である。図14及び図15に示すチャネル選択処理は、上述の<2−2.チャネルの選択処理の第2例>に対応する。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションEA〜EI及びオペレーションFA〜FCはステップであってよい。
【0099】
オペレーションEA及びEBの処理は、図12のオペレーションCA及びCBと同様である。オペレーションECにおいてチャネル選択部37は、オペレーションEBで特定されるチャネルが少なくとも1つあるか否かを判定する。特定されるチャネルが1つもない場合(オペレーションEC:Y)には、処理はオペレーションEDへ進む。特定されるチャネルが少なくとも1つある場合(オペレーションEC:N)には、処理はオペレーションEEへ進む。
【0100】
オペレーションEDの処理は、図12に示すオペレーションCGの処理と同様である。オペレーションEEにおいてチャネル選択部37は、オペレーションEBで特定されたチャネルの全てにおいて、オペレーションEAで特定された隣接ノード数が、所定の閾値Mを超えるか否かを判定する。隣接ノード数が閾値Mを超えない場合(オペレーションEE:N)には、処理はオペレーションEFへ進む。隣接ノード数が閾値Mを超える場合(オペレーションEE:Y)には、処理はオペレーションEIへ進む。
【0101】
オペレーションEFにおいてチャネル選択部37は、オペレーションEBで特定されたチャネルであって隣接ノード数が閾値M以下であるチャネルのうちオペレーションEAで特定された隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判断する。隣接ノード数が最多のチャネルが一つしかない場合(オペレーションEF:N)には、処理はオペレーションEGへ進む。隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが複数ある場合(オペレーションEF:Y)には、処理はオペレーションEHへ進む。
【0102】
オペレーションEGにおいてチャネル選択部37は、隣接ノード数が最多のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。オペレーションEHにおいてチャネル選択部37は、図15に示す第2選択サブルーチンによって、隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルの中から、通信に使用するチャネルを選択する。
【0103】
図15の説明において、第2選択サブルーチンによって通信に使用するチャネルが選択される母集団のチャネルの集合を「対象のチャネル」と表記する。例えば、オペレーションEHにて第2選択サブルーチンが実行される場合には、オペレーションEBによって特定されたチャネルのうち、オペレーションEAで特定された隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが対象のチャネルである。
【0104】
オペレーションFAにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判断する。ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルが複数ある場合(オペレーションFA:Y)には、処理はオペレーションFBへ進む。ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルが1つしかない場合(オペレーションFA:N)には、処理はオペレーションFCへ進む。
【0105】
オペレーションFBにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルの中のいずれかのチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。例えば、チャネル選択部37は、チャネルの識別番号が最も若いチャネルを選んでよい。オペレーションFCにおいてチャネル選択部37は、ホップ数が最少のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0106】
図14を参照する。オペレーションEIにおいてチャネル選択部37は、第2選択サブルーチンによって、オペレーションEBで特定されたチャネルの全ての中から、通信に使用するチャネルを選択する。オペレーションEIにて第2選択サブルーチンが実行される場合には、オペレーションEBによって特定されたチャネルの全てが第2選択サブルーチンの対象のチャネルとなる。
【0107】
本実施の形態によれば、ノード装置5は、無線アドホックネットワーク4へ制御パケットを送信することなくチャネル検索を行うことができる。このため、チャネル検索処理は、無線アドホックネットワーク4の無線リソースを消費しない。
【0108】
本実施の形態によれば、ノード装置5は、できるだけ閾値Mに近い数の隣接ノードが検出されるチャネルを選択することができる。閾値Mを適切に設定することにより、ノード装置5は、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立されるチャネルを選択することができる。また、隣接ノード数の算出にあたり、所定の通信状態の隣接ノードのみを対象とすることにより、より安定したチャネルを選択することが可能となる。
【0109】
また、本実施の形態によれば、ノード装置5は、ゲートウエイ装置6までのホップ数がより少ないチャネルを選択することができる。このため、ノード装置5は、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立されるチャネルを選択することができ、また伝送遅延を少なくすることが可能となる。
【0110】
<3.第2の実施の形態>
続いて他の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、チャネル変更部35がチャネルを変更する際に、隣接ノードからのパケットの受信を待つための期間と、ゲートウエイ装置6からフラッディングパケットの受信を待つための期間に、異なる長さの待機時間を使用する。
【0111】
チャネル変更部35のチャネル切換処理では、隣接ノードからのパケットの送信周期及びゲートウエイ装置6からのフラッディングパケットの送信周期の経過までチャネル切換を行わないことでこれらのパケットをより確実に受信することができる。無線アドホックネットワーク4では、ノード装置5がパケットを送信する周期に比べて、ゲートウエイ装置6がフラッディングパケットを送信する周期の方が長い場合がある。
【0112】
しかし、ゲートウエイ装置6により使用されていないチャネルを使用するアドホックネットワークが形成されている可能性は少ない。したがって、あるチャネルの選択中に隣接ノードからの受信パケットがなければ、そのチャネルを使用するゲートウエイ装置6が存在しない可能性が高い。
【0113】
そこで、本実施の形態では、チャネル変更部35は、ノード装置5による定期パケットの送信周期が満了するまで、隣接ノードからのパケット受信を待つ。ノード装置5の送信周期が満了するまでの間に隣接ノードからパケット受信がなかった場合、チャネル変更部35は、受信に使用するチャネルを次のチャネルに切り換える。ノード装置5の送信周期が満了するまでの間に隣接ノードからパケット受信があった場合、チャネル変更部35は、フラッディングパケットの送信周期の満了までチャネル切換時期を延長する。
【0114】
図16は、ノード装置5の第2構成例を示す図である。図4に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付する。同一の参照符号が付された構成要素の動作は特に説明しない限り同じである。また、図16に示す構成要素やその機能を他の実施例が備えていてもよい。
【0115】
チャネル変更部35は、切換期間設定部38を備える。切換期間設定部38は、チャネル変更部35がチャネルを切り換えるチャネル切換期間を以下の通りに設定する。
【0116】
まず、チャネル変更部35がチャネルを切り換えた直後には、切換期間設定部38は、チャネル切換期間を期間T2に設定する。チャネル切換期間T2は、ノード装置5が定期パケットを送信する周期以上の長さであってよい。例えば、定期パケットは、ハローパケットのような経路制御パケットであってよい。ある実施例では、チャネル切換期間T2は120秒に設定される。
【0117】
チャネル切換期間T2を満了する前に隣接ノードからのパケット受信があった場合には、切換期間設定部38は、チャネル切換期間T2満了後にチャネル切換期間T3を設定する。チャネル切換期間T3は、ゲートウエイ装置6がフラッディングパケットを送信する周期以上の長さであってよい。ある実施例では、チャネル切り換え期間T3は、例えば12分に設定される。したがって、隣接ノードからのパケット受信があった場合のチャネル切換期間の合計は14分間となる。
【0118】
一方で、チャネル切換期間T2を満了する前に隣接ノードからのパケット受信がなかった場合には、チャネル変更部35は、チャネル切換期間T2満了後にチャネルを切り換える。したがって、隣接ノードからのパケット受信がない場合のチャネル切換期間は2分間となる。
【0119】
以下、本実施の形態のノード装置5のチャネル検索処理について説明する。図17は、ノード装置5の処理の第2例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションGA〜GKはステップであってよい。
【0120】
オペレーションGA及びGBの処理は、図10のオペレーションAA及びABの処理と同様である。オペレーションGCにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをチャネルCHiへ切り替える。この際に、切換期間設定部38は、チャネル切換期間を期間T2に設定する。
【0121】
オペレーションGDの処理は、図10のオペレーションADと同様である。オペレーションGEにおいてチャネル変更部35は、チャネル切換期間T2が経過したか否かを判断する。チャネル切換期間T2が経過しない場合(オペレーションGE:N)には、処理はオペレーションGDへ戻る。チャネル切換期間T2が経過した場合(オペレーションGE:Y)には、処理はオペレーションGFへ進む。
【0122】
オペレーションGFにおいて切換期間設定部38は、チャネル切換期間T2の間に隣接ノードが検出されたか否かを判断する。隣接ノードが検出された場合(オペレーションGF:Y)には、切換期間設定部38は、チャネル切換期間を期間T3に設定する。その後処理は、オペレーションGGへ進む。隣接ノードが検出された場合(オペレーションGF:Y)には、オペレーションGG及びGHは実行されず、処理はオペレーションGIへ進む。
【0123】
オペレーションGGの処理は、オペレーションGDの処理と同様である。オペレーションGHにおいてチャネル変更部35は、チャネル切換期間T3が経過したか否かを判断する。チャネル切換期間T3が経過しない場合(オペレーションGH:N)には、処理はオペレーションGGへ戻る。チャネル切換期間T3が経過した場合(オペレーションGH:Y)には、処理はオペレーションGIへ進む。オペレーションGI〜GKの処理は、図10のオペレーションAFからAHと同様である。
【0124】
次に、図17に示す処理においてチャネル変更部35により行われるチャネル切換について説明する。図18は、図17の処理におけるチャネル切換の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションHA〜HHはステップであってよい。ノード装置5x及びノード装置5k及び5nの用語の用法及びノード装置5k及び5n及びゲートウエイ装置6が使用するチャネルは図11を参照して行った上記説明の場合と同様である。
【0125】
オペレーションHAにおいてノード装置5xの認識可否判断部34は、ノード装置5xの孤立を検出する。オペレーションHBにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH1へ切り換える。
【0126】
チャネル切換期間T2の満了前に、オペレーションHCにおいてノード装置5xは、隣接ノード5kからパケットを受信する。このためノード装置5xは、チャネル切換期間を期間T3だけ延長する。その後、オペレーションHDにおいてノード装置5xは、ゲートウエイ装置6からフラッディングパケットを受信する。
【0127】
チャネル切換期間T3が満了した後、オペレーションHEにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH2へ切り換える。オペレーションHEに続くチャネル切換期間T2の間には、隣接ノードからのパケットの受信はない。この結果、チャネル切換期間T2が満了した後、オペレーションHFにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH3へ切り換える。
【0128】
チャネル切換期間T2の満了前に、オペレーションHGにおいてノード装置5xは、隣接ノード5nからパケットを受信する。このためノード装置5xは、チャネル切換期間を期間T3だけ延長する。チャネル切換期間T3が満了した後、オペレーションBIにおいて、チャネル選択部37は、無線アドホックネットワーク4における通信に使用するチャネルを選択する。
【0129】
本実施の形態によれば、受信チャネルを切り換えながら、各チャネルにおける隣接ノードからのパケットとゲートウエイ装置6からのフラッディングパケットを受信する際に、チャネル切換周期の平均長を短縮することができる。このため、ノード装置5がチャネル検索処理を行う時間を短縮することができる。
【0130】
<4.第3の実施の形態>
続いて他の実施の形態について説明する。ノード装置5の孤立には2つの態様が考えられる。いま、この2つの態様をそれぞれ「単独孤立」及び「集団孤立」と表記する。単独孤立は、ノード装置5は隣接ノードを1つも認識できない結果、ゲートウエイ装置6も認識できない状態である。集団孤立は、ノード装置5は隣接ノードを認識しているが、ノード装置5及び隣接ノードのいずれもゲートウエイ装置6を認識できない状態である。
【0131】
図19の(A)は、集団孤立の状態の説明図である。無線アドホックネットワーク4において、ノード装置5a〜5cはチャネルCH1を使用するグループ11を形成し、ノード装置5d〜5gはチャネルCH2を使用するグループ12を形成する。また、ノード装置5h及び5iはチャネルCH3を使用するグループ13を形成する。
【0132】
図19の(A)の例では、各グループ11〜13のノード装置がそれぞれゲートウエイ装置6a〜6cを認識していたが、ゲートウエイ装置6bの故障によってグループ12のノード装置5d〜5gがゲートウエイ装置を認識できなくなった場合を想定する。ゲートウエイ装置6bの故障の直後では、ノード装置5d〜5gが同じチャネルを使用しているために、ノード装置5d〜5g同士は互いを認識することができる。このため、ノード装置5d〜5g同士は互いを認識できるが、ゲートウエイ装置を認識できない集団孤立の状態が発生する。
【0133】
図19の(B)は、単独孤立の状態の説明図である。無線アドホックネットワーク4において、ノード装置5a〜5eはチャネルCH1を使用するグループ11を形成し、ノード装置5g〜5iはチャネルCH3を使用するグループ13を形成する。チャネルCH2を使用するノード装置5fは、グループ11及びグループ13のいずれのノード装置5も認識できず、また認識可能なゲートウエイ装置6も存在しない。
【0134】
集団孤立状態にある場合、互いに認識可能であるノード装置5のグループのうちいずれかがゲートウエイ装置6を認識することで、グループ全体のノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるようになる。したがって集団孤立状態にある場合には、ノード装置5は、現在使用中のチャネルを継続して使用しグループを維持した方が、より早くゲートウエイ装置6との通信を復旧できる可能性がある。そこで、本実施の形態では、集団孤立状態になった場合には、ノード装置5はチャネル検索をすぐに始めずに所定の待機時間が経過した後に開始する。
【0135】
図20は、ノード装置5の第3構成例を示す図である。図4に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付する。同一の参照符号が付された構成要素の動作は特に説明しない限り同じである。また、図20に示す構成要素やその機能を他の実施例が備えていてもよい。
【0136】
チャネル変更部35は、抑止部39を備える。抑止部39は、隣接ノード検出部33が隣接ノードを検出しているか否かを判断する。認識可否判断部34が現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6も認識できないと判断しても、隣接ノード検出部33が隣接ノードを検出している場合には、抑止部39は、チャネル変更部35によるチャネルの切換処理を待機時間T4の間だけ抑止する。
【0137】
ある実施例において抑止部39は、現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6が認識可能であった場合に、ゲートウエイ装置6を認識した旨の履歴を記憶部36に記憶してよい。抑止部39は、現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6も認識できない場合に、過去にゲートウエイ装置6を認識した旨の履歴があるか否かを判断する。過去にゲートウエイ装置6を認識した旨の履歴がない場合には、抑止部39は、隣接ノードが検出されてもチャネル変更部35によるチャネルの切換処理を抑止しない。過去にゲートウエイ装置6を認識したことがなければ、現在使用中のチャネルでゲートウエイ装置との通信が復旧する可能性が低いためである。
【0138】
以下、本実施の形態のノード装置5のチャネル検索処理について説明する。図21は、ノード装置5の処理の第3例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションIA〜ILはステップであってよい。
【0139】
オペレーションIAの処理は図10のオペレーションAAの処理と同様である。オペレーションIBにおいて抑止部39は、隣接ノードが検出されるか否かを判断する。隣接ノードが検出される場合(オペレーションIB:Y)には、処理はオペレーションICへ進む。隣接ノードが検出されない場合(オペレーションIB:Y)には、処理はオペレーションIFへ進む。
【0140】
オペレーションICにおいて抑止部39は、現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6を認識した履歴があるか否かを判断する。ゲートウエイ装置6を認識した履歴がある場合(オペレーションIC:Y)には、処理はオペレーションIDへ進む。ゲートウエイ装置6を認識した履歴がない場合(オペレーションIC:N)には、処理はオペレーションIFへ進む。
【0141】
オペレーションIDにおいて抑止部39は、待機時間T4が経過したか否かを判断する。抑止部39は、待機時間T4が経過するまで(オペレーションID:N)、オペレーションIDを繰り返す。待機時間T4が経過した場合(オペレーションID:Y)には、処理はオペレーションIEに進む。
【0142】
オペレーションIEにおいて認識可否判断部34は、現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6を認識可能か否かを判断する。ゲートウエイ装置6が認識可能である場合(オペレーションIE:Y)には、処理は終了する。ゲートウエイ装置6が認識可能でない場合(オペレーションIE:N)には、処理はオペレーションIFへ進む。オペレーションIF〜ILの処理は、図10のオペレーションAB〜AHの処理と同様である。
【0143】
本実施の形態によれば、集団孤立状態になった場合に、そのまま現在のチャネルを使用し続けることによってゲートウエイ装置6を認識できるようになれば、チャネル検索を省略することができる。このため、本実施の形態によれば、ノード装置5が無駄なチャネル検索処理を行うことを回避することができる。
【0144】
<5.第4の実施の形態>
続いて他の実施の形態について説明する。上述の第1の実施の形態は、各チャネルにおけるゲートウエイ装置6までのホップ数を、ゲートウエイ装置6から送信されるフラッディングパケットのホップ数55から検出した。これに代えて、本実施の形態は、隣接ノードから受信する経路制御パケットから、ゲートウエイ装置6までのホップ数を検出する。
【0145】
経路制御パケットからゲートウエイ装置6までのホップ数を検出するために、各ノード装置は、図8を参照して説明した経路制御パケットを送信する。ある実施例では、各ノード装置5は、メッセージ部60の付加情報62として本ノード装置5からゲートウエイ装置6までのホップ数を指定する。隣接ノードから経路制御パケットを受信したノード装置5の隣接ノード検出部33は、図22に示す隣接ノード情報を記憶部36に格納する。
【0146】
図22は、隣接ノード情報40の第2例を示す図である。本実施の形態における隣接ノード情報40は、情報要素「ホップ数」を含む。なお、図6に示す隣接ノード情報40の例と同様に、隣接ノード情報40は、情報要素として「チャネル」及び「ノード識別子」を含んでいてよい。ある実施例において隣接ノード情報40は、通信状態を示す情報要素を含んでいてよい。
【0147】
図22の例では、ノード識別子「1」の隣接ノードを経由するホップ数は「4」であり、ノード識別子「109」の隣接ノードを経由するホップ数は「5」である。隣接ノード検出部33は、メッセージ部60の付加情報62に格納されたホップ数に1を加えた値を情報要素「ホップ数」の値に設定する。
【0148】
他の実施例では、各ノード装置5は、メッセージ部60の付加情報62として本ノード装置5からゲートウエイ装置6までのホップ数に1を加えた値を指定してよい。この場合に経路制御パケットを受信したノード装置5の隣接ノード検出部33は、メッセージ部60の付加情報62に格納されたホップ数の値をそのまま、情報要素「ホップ数」の値に設定する。
【0149】
1つのチャネルで複数の隣接ノードが検出される場合には、それぞれの隣接ノードを経由した場合のホップ数は互いに異なる。チャネル選択部37は、各チャネルにおけるゲートウエイ装置6までのホップ数を特定する際に、所定の通信状態を満たす隣接ノードを経由するホップ数のうち、最短のホップ数を使用してよい。
【0150】
本実施例によれば、ゲートウエイ装置6から送信されるフラッディングパケットに代えて、隣接ノードからの経路制御パケットからゲートウエイ装置6までのホップ数を決定することが可能となる。
【0151】
ここに記載されている全ての例及び条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものであり、具体的に記載されている上記の例及び条件、並びに本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく解釈されるべきものである。本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
【0152】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
無線アドホックネットワークを形成するノード装置であって、
前記無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、
受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、
前記ゲートウエイ装置を認識できないと前記認識可否判断部が判断した場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、
前記複数のチャネルの各々において前記隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、
を備えることを特徴とするノード装置。
【0153】
(付記2)
前記チャネル選択部は、前記受信に使用するチャネルを変更した後の第1期間内に隣接ノードが検出されない場合には、該第1期間経過後に前記受信に使用するチャネルを次のチャネルへ切り換え、該第1期間内に隣接ノードが検出される場合には、該第1期間よりも長い第2期間経過後に前記受信に使用するチャネルを次のチャネルへ切り換えることを特徴とする付記1に記載のノード装置。
【0154】
(付記3)
前記チャネル変更部は、隣接ノードが検出される場合に、ある待機期間が経過した後にチャネルの切り換えを開始することを特徴とする付記1又は2に記載のノード装置。
【0155】
(付記4)
前記ゲートウエイ装置が認識できると前記認識可否判断部が判断した履歴を記憶する認識履歴記憶部を備え、
前記履歴がない場合に、前記待機期間が経過する前に前記チャネルの切り換えを開始することを特徴とする付記3に記載のノード装置。
【0156】
(付記5)
前記認識可否判断部は、前記チャネル変更部がチャネルを変更する間に前記複数のチャネルの各々において前記ゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断し、
前記チャネル選択部は、前記ゲートウエイ装置を認識可能なチャネルの中から前記使用チャネルを選択することを特徴とする付記1〜4のいずれか一項に記載のノード装置。
【0157】
(付記6)
前記認識可否判断部は、各前記チャネルにおいて認識可能なゲートウエイ装置までのホップ数と各前記チャネルにおいて検出された隣接ノード数に基づいて前記使用チャネルを選択することを特徴とする付記5に記載のノード装置。
【0158】
(付記7)
前記チャネル選択部は、各前記チャネルにおいて検出された隣接ノードのうち、該隣接ノードから送信されるパケットの受信状態が所定条件を満たすものの数に基づいて、前記使用チャネルを選択することを特徴とする付記1〜6に記載のノード装置。
【0159】
(付記8)
無線アドホックネットワークを形成する複数のノード装置と、該無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置とを備える通信システムであって、
前記ノード装置は、
前記ゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、
受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、
前記ゲートウエイ装置を認識できないと前記認識可否判断部が判断した場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、
前記複数のチャネルの各々において前記隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【0160】
(付記9)
無線アドホックネットワークにおいてノード装置により使用されるチャネルを選択するチャネル選択方法であって、
前記無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を前記ノード装置が認識できるか否かを判断し、
前記ゲートウエイ装置を認識できない場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に前記ノード装置が使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換え、
前記複数のチャネルの各々において、前記ノード装置にパケットを送信する隣接ノードを検出し、
前記複数のチャネルの各々において検出された隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択する、ことを特徴とするチャネル選択方法。
【符号の説明】
【0161】
1 通信システム
2 サーバ装置
3 通信ネットワーク
4 無線アドホックネットワーク
5、5a〜5i ノード装置
6、6a〜6c ゲートウエイ装置
33 隣接ノード検出部
34 認識可否判断部
35 チャネル変更部
37 チャネル選択部
【技術分野】
【0001】
本明細書で論じられる実施態様は、無線アドホックネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
無線アドホックネットワークと他のネットワークとの間をゲートウエイ装置で中継する通信システムが知られている。このような通信システムに関連する技術として、例えば、ネットワークに接続される無線端末群と、無線端末との間で所定の無線帯域により通信し、センターとの中継手段として機能する第1コレクタと、無線端末との間で前記無線帯域と異なる無線帯域により通信し、センターとの中継手段として機能する第2コレクタを備える無線システムが知られている。このシステムでは、第1コレクタと通信する無線端末と、第2コレクタと通信する無線端末は、第1あるいは第2コレクタの障害に備え、互いに他方の無線帯域で通信されるネットワークへの参入を事前に実行する。
【0003】
なお、他の関連する技術として、予め定められた通信チャネル上で通信相手装置を検索する第一の検索工程と、通信可能な全ての通信チャネル上で通信相手装置を検索する第二の検索工程と、第一の検索工程と第二の検索工程を使用して通信相手装置を検索する検索制御工程とを有する通信方法が知られている。
【0004】
また、無線通信によりデータを送受する無線インタフェースと、無線インタフェースにより周辺の無線インタフェースの情報をチャネル情報として取得するチャネル情報取得部と、該取得したチャネル情報の中から無線インタフェースとの間でネットワークを構成することが可能な同一システムの無線インタフェースを検出した場合に、無線インタフェースの設定を変更して、無線インタフェースと同一システムの無線インタフェースとを接続する通信接続制御部を有するノードが知られている。ノードは、無線インタフェースの受信信号強度を考慮して接続可否の判断を行う。
【0005】
また、複数のセンサノードと、このセンサノードが中継器を介在ないし非介在でつながる基地局と、センサノード、中継器、および基地局が作る通信網内で交わす通信に用いる無線通信手段を有する無線通信ネットワークシステムが知られている。無線通信手段は選択できる複数の搬送周波数チャンネルを有し、センサノードと基地局との接続経路情報より通信網内での通信に適する搬送周波数チャンネルを判別するチャンネル判別手段を有する。
【0006】
また、複数の基地局や無線端末から構成される無線ネットワークシステムが知られている。基地局や、親局となる無線端末は子局の通信方法を制御するための通信制御情報を送信する。各無線端末の通信制御部は、親局から受信した通信制御情報に従った通信方法で、さらに自分の親局や子局との通信を行うと同時に、通信品質測定部により、通信経路の通信品質を測定する。基地局は各無線端末の通信品質集計部からあつめた通信品質をもとに、各通信経路の通信品質を評価し、各無線端末が使用する最適な通信経路を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−187316号公報
【特許文献2】特開2010−93448号公報
【特許文献3】特開2009−206999号公報
【特許文献4】特開2009−200583号公報
【特許文献5】特開2010−35068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
無線アドホックネットワークと他のネットワークとの中継に複数のゲートウエイ装置が使用され、複数のゲートウエイ装置が互いに異なる周波数チャネルを用いて無線アドホックネットワークと通信を行う場合を想定する。以下、周波数チャネルを単に「チャネル」と表記する場合がある。
【0009】
この場合、無線アドホックネットワークを形成する複数のノード装置は、使用チャネルがそれぞれ異なる各ゲートウエイ装置に接続される複数のグループに分割される。各ノード装置は、ゲートウエイまでの経路が存在するいずれかのグループに所属し、各グループで使用される周波数チャネルを使用してパケットを送受信する。
【0010】
上記の通信システムにおいて、例えば、ゲートウエイ装置の故障、使用チャネルの変更やノード装置の移動などの状態の変化が生じることがある。無線アドホックネットワークの状態の変化によって、ゲートウエイ装置との間でパケットを伝送する経路が無くなることにより、ゲートウエイ装置を認識できなくなるノード装置が発生する。
【0011】
この場合、ノード装置は、使用チャネルを変更して所属グループを変更することによりゲートウエイを再認識できるようになる。チャネル変更の際には、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立できる可能性が高いチャネルを選択することが望ましい。
【0012】
開示の装置及び方法は、使用チャネルが異なる複数のゲートウエイ装置により他ネットワークに接続される無線アドホックネットワークにて、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立されるチャネルをノード装置に選択させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
装置の一観点によれば、無線アドホックネットワークを形成するノード装置が与えられる。このノード装置は、無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、ゲートウエイ装置を認識できないと認識可否判断部が判断した場合に、無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、複数のチャネルの各々において隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、を備える。
【0014】
方法の一観点によれば、無線アドホックネットワークにおいてノード装置により使用されるチャネルを選択するチャネル選択方法が与えられる。この方法では、無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置をノード装置が認識できるか否かを判断し、ゲートウエイ装置を認識できない場合に、無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信にノード装置が使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換え、複数のチャネルの各々において、ノード装置にパケットを送信する隣接ノードを検出し、複数のチャネルの各々において検出された隣接ノード数に基づいて、無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを複数のチャネルの中から選択する。
【発明の効果】
【0015】
開示の装置又は方法によれば、使用チャネルが異なる複数のゲートウエイ装置により他ネットワークに接続される無線アドホックネットワークにて、ノード装置は、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立されるチャネルを選択することが可能になる。
【0016】
本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示した要素及びその組合せを用いて具現化され達成される。前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、単なる例示及び説明であり、特許請求の範囲のように本発明を限定するものでないと解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】通信システムの全体構成例を示す図である。
【図2】(A)〜(C)は、チャネル検索を実施する状況の一例の説明図である。
【図3】ノード装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図4】ノード装置の第1構成例を示す図である。
【図5】経路制御パケットの第1例の構成の説明図である。
【図6】隣接ノード情報の第1例を示す図である。
【図7】アドホックネットワークで伝送されるフラッディングパケットの構成の一例の説明図である。
【図8】経路制御パケットの第2例の構成の説明図である。
【図9】ホップ数情報の例を示す図である。
【図10】ノード装置の処理の第1例の説明図である。
【図11】図10の処理におけるチャネル切換の説明図である。
【図12】チャネル選択処理の第1例の説明図である。
【図13】図11のサブルーチンにおける処理の説明図である。
【図14】チャネル選択処理の第3例の説明図である。
【図15】図14のサブルーチンにおける処理の説明図である。
【図16】ノード装置の第2構成例を示す図である。
【図17】ノード装置の処理の第2例の説明図である。
【図18】図17の処理におけるチャネル切換の説明図である。
【図19】(A)及び(B)は、集団孤立と単独孤立の説明図である。
【図20】ノード装置の第3構成例を示す図である。
【図21】ノード装置の処理の第3例の説明図である。
【図22】隣接ノード情報の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<1.通信システムの構成>
以下、添付される図面を参照して、好ましい実施例について説明する。図1は、通信システムの全体構成例を示す図である。通信システム1は、サーバ装置2と、無線アドホックネットワーク4と、ゲートウエイ装置6a〜6cを備える。無線アドホックネットワーク4は、複数のノード装置5a〜5iによって形成されている。
【0019】
なお、添付する図面において、ゲートウエイ装置を「GW」と表記し、ノード装置を「ND」と表記することがある。また、以下の説明において、ゲートウエイ装置6a〜6cを総称して「ゲートウエイ装置6」と表記することがある。また、ノード装置5a〜5iを総称して「ノード装置5」と表記することがある。
【0020】
通信システム1は、例えば、ノード装置5にて採取された電力、ガス及び水道などの検針データを、ゲートウエイ装置6を経由して、サーバ装置2にて収集されるデータ収集システムであってよい。
【0021】
サーバ装置2及びゲートウエイ装置6は、通信ネットワーク3に接続されており、ゲートウエイ装置6は、通信ネットワーク3と無線アドホックネットワーク4との間を中継する。通信ネットワーク3は、サーバ装置2とゲートウエイ装置6との間の通信機能を提供するネットワークであり、様々なプロトコルや通信媒体を使用するネットワークを利用することができる。
【0022】
通信システム1は、複数のゲートウエイ装置6a〜6cを備える。ゲートウエイ装置6a〜6cは、無線アドホックネットワーク4との間の通信にそれぞれ異なるチャネルを使用する。図1の例では、ゲートウエイ装置6a、6b及び6cは、それぞれチャネルCH1、CH2及びCH3を使用する。
【0023】
これら異なるチャネルを使用する複数のゲートウエイ装置6a〜6cが無線アドホックネットワーク4にて通信を行うことにより、無線アドホックネットワーク4を形成するノード装置5a〜5iは複数のグループ11〜13に分割される。グループ11、12及び13は、それぞれゲートウエイ装置6a、6b及び6cを経由して通信ネットワーク3に接続されるノード装置5のグループである。図1の例では、ノード装置5a〜5cがグループ11を形成し、ノード装置5d〜5gがグループ12を形成し、ノード装置5h〜5iがグループ13を形成する。
【0024】
グループ11のノード装置5a〜5cは、チャネルCH1を使用してパケットを伝送する。各ノード装置5a〜5cがグループ11の他のノード装置やゲートウエイ装置6aが送受信するパケットを中継することで、ノード装置5a〜5cとゲートウエイ装置6aとを含むアドホックネットワークが形成される。他のグループ12及び13についても同様である。
【0025】
上述の通り、無線アドホックネットワーク4の状態の変化によって、ゲートウエイ装置6を認識できなくなるノード装置5が発生する。同様に、隣接のノード装置を1つも認識できないノード装置5が発生する。なお、本明細書の説明において、ノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるとは、ノード装置5がゲートウエイ装置6までパケットを伝送する経路を確立できる状態をいう。また、ノード装置5が隣接のノード装置を認識できるとは、ノード装置5が隣接のノード装置までパケットを伝送する経路を確立できる状態をいう。
【0026】
また、以下の説明において、ノード装置5が、ゲートウエイ装置6を認識出来ない状態や隣接のノード装置を1つも認識できない状態を「孤立」と表記することがある。また、ノード装置5が「孤立」状態になることを「孤立する」と表記することがある。
【0027】
孤立したノード装置5は、周囲で使用されているチャネルを検索し、通信に使用するチャネルを変更することによって所属するグループを変更する。本明細書の説明において、孤立したノード装置5が、通信に使用可能なチャネルを検索する処理を「チャネル検索」と表記することがある。図2の(A)〜図2の(C)は、ノード装置5が、チャネル検索を実施する状況の一例の説明図である。
【0028】
本例では、図1の通信システム1において、ゲートウエイ装置6bが故障した場合を想定する。図2の(A)は、ゲートウエイ装置6bの故障前の状態を示す。各ゲートウエイ装置6及びノード装置5の使用チャネル、並びに各グループ11〜13に所属するノード装置5は、図1と同様である。
【0029】
図2の(B)は、ゲートウエイ装置6bが故障した直後の状態を示す。チャネルCH2を使用するノード装置5d〜5gは、他のグループ11及び13のノード装置5a〜5c並びに5h及び5iや、ゲートウエイ装置6a及び6cと通信することができない。したがって、ノード装置5d〜5gはゲートウエイ装置6a及び6cを認識できない孤立状態となる。
【0030】
孤立したノード装置5d〜5gは、その周囲で使用中の通信状態が良好なチャネルを検索する。ノード装置5d〜5gは、検出したチャネルに使用チャネルを変更することによって所属するグループを変更する。
【0031】
図2の(C)は、使用チャネル変更後の状態を示す。ノード装置5d及び5eはチャネルCH1を選択することによって、グループ11のネットワークに所属する。ノード装置5g及び5fはチャネルCH3を選択することによって、グループ13のネットワークに所属する。
【0032】
<2.第1の実施の形態>
続いて、各実施の形態におけるノード装置5の構成及び機能について説明する。図3は、ノード装置5のハードウエア構成の一例を示す図である。ノード装置5は、プロセッサ21、補助記憶装置22、メモリ23、入力部24、無線通信部25及びデータバス26を備える。
【0033】
プロセッサ21は、補助記憶装置22に記憶される制御プログラムを実行することにより、ノード装置5の動作を制御するための各処理や、ノード装置5によるチャネル検索のための下記の処理を実行する。補助記憶装置22には、プロセッサ21に上記処理を実行させる制御プログラムが記憶される。補助記憶装置22は、不揮発性メモリや、読み出し専用メモリ(ROM: Read Only Memory)やハードディスクなどを記憶素子として含んでいてもよい。
【0034】
メモリ23には、プロセッサ21により実行中のプログラムや、このプログラムによって一時的に使用されるデータが記憶される。メモリ23は、ランダムアクセスメモリ(RAM: Random Access Memory)を含んでいてよい。入力部24は、ノード装置5が取得する情報の入力を受け付ける構成要素である。例えば、通信システム1が上述のデータ収集システムである場合、入力部24は、電力、ガス及び水道などのメータにアクセスして検針データを取得する機能を有する。また、入力部24は、オペレータによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースを備えていてもよい。
【0035】
無線通信部25は、他のノード装置5やゲートウエイ装置6との間の無線通信処理を行う。無線通信部25は、プロセッサ21がチャネル検索処理を経て選択したチャネルを、無線通信に使用するチャネルとして設定する。上記の構成要素21〜25は、データバス26によって電気的に接続されている。
【0036】
図4は、ノード装置5の第1構成例を示す図である。図3のプロセッサ21は、補助記憶装置22に記憶されるプログラムに従い、必要に応じてノード装置5の他のハードウエア要素との協調動作を行うことにより、図4に示すノード装置5の構成要素による情報処理を行う。なお、図4は、以下の説明に関係する機能を中心として示している。したがって、ノード装置5は図示の構成要素以外の他の構成要素を含んでいてよい。他の実施の携帯についても同様である。
【0037】
ノード装置5は、通信部30と、パケット解析部31と、通信状態測定部32と、隣接ノード検出部33と、認識可否判断部34と、チャネル変更部35と、記憶部36と、チャネル選択部37を備える。
【0038】
通信部30は、他のノード装置5又はゲートウエイ装置6へ、ユニキャスト形式又はブロードキャスト形式により無線パケットを送信する。また通信部30は、他のノード装置5又はゲートウエイ装置6から送信された無線パケットを受信する。通信部30によるパケットの送受信に使用されるチャネルは、無線通信部25により設定される。パケット解析部31は、受信したパケットの解析を行い、パケットのヘッダ部及びメッセージ部に格納されている情報の抽出を行う。
【0039】
通信状態測定部32は、ノード装置5へパケットを送信するノード装置との通信状態を測定する。以下の説明において、ノード装置5へパケットを送信するノード装置、すなわちノード装置5により受信されるパケットの送信元のノード装置を「隣接ノード」と表記することがある。
【0040】
例えば通信状態測定部32は、隣接ノードからの無線パケットを受信した場合に、通信状態を示す指標として受信品質を測定してよい。受信品質は、例えば受信信号強度(RSSI: Received Signal Strength Indicator)であってよい。
【0041】
通信状態測定部32は、隣接ノードから周期的に送信される定期パケットの受信率を通信状態を示す指標として測定してよい。このような定期パケットは、例えば、無線アドホックネットワーク4にて利用される特定の経路制御プロトコルが使用する経路制御パケットであってよい。経路制御パケットは、例えばOLSR(Optimized Link State Routing)等で使用されるハローパケットであってよい。
【0042】
図5は、経路制御パケットの第1例の構成の説明図である。経路制御パケットは、ヘッダ部50及びメッセージ部60を含む。ヘッダ部50は、パケットの送信元アドレス51、送信先アドレス52、タイプ53、TLL(Time To Live)部54、ホップ数55を含む。メッセージ部60には、経路制御プロトコルにおいて各ノード装置5が経路テーブルを作成するために使用する経路情報を含んでいる。
【0043】
通信状態測定部32は、例えば次式(1)に従って定期パケットの受信率を算出してよい。
受信率=定期パケット受信数÷(受信期間÷定期パケットの送信周期) (1)
【0044】
図4を参照する。隣接ノード検出部33は、他のノード装置5からのパケットが受信された場合に、送信元の他のノード装置5を隣接ノードとして検出する。隣接ノード検出部33は、隣接ノードを検出した場合に、検出された隣接ノードに関する隣接ノード情報40を記憶部36に格納する。ある実施例では、隣接ノード検出部33は、上述の経路制御パケットを受信することによって隣接ノードを検出してよい。
【0045】
図6は、隣接ノード情報40の第1例を示す図である。隣接ノード情報40は、情報要素として「チャネル」及び「ノード識別子」を含んでいてよい。ある実施例では、隣接ノード情報40は、隣接ノードについて通信状態測定部32により測定された通信状態を示す情報要素を含んでいてよい。これらの情報要素は、例えば「受信品質」及び「定期パケット受信率」であってよい。後述するように他の実施例では、通信状態を示す情報要素を省略してもよい。
【0046】
情報要素「チャネル」は、隣接ノードがパケットを送受信するチャネルの識別子である。情報要素「ノード識別子」は、隣接ノードの識別子である。識別子は、例えばMACアドレスであってよい。情報要素「受信品質」及び「定期パケット受信率」は、隣接ノードについて通信状態測定部32が測定した受信品質及び定期パケットの受信率である。
【0047】
図6に示す例では、ノード識別子「1」の隣接ノードは、チャネル「CH1」を使用してパケットを送受信する。この隣接ノードは、通信部30がチャネルCH1を使用してパケットの送受信を行っている期間に隣接ノード検出部33が検出した隣接ノードである。また、ノード識別子「46」の隣接ノードは、チャネル「CH2」を使用してパケットを送受信する。この隣接ノードは、チャネルCH2を使用してパケットの送受信が行われている期間に検出された隣接ノードである。また、ノード識別子「1」の隣接ノードの受信品質及び定期パケットの受信率はそれぞれ「−65dBm」及び「100%」であり、ノード識別子「46」の隣接ノードの受信品質及び定期パケットの受信率はそれぞれ「−69dBm」及び「98%」である。
【0048】
図4を参照する。認識可否判断部34は、ノード装置5が、いずれかのゲートウエイ装置6を認識できるか否かを判断する。他の言い方をすれば、認識可否判断部34は、ノード装置5とゲートウエイ装置6との間にパケットを経路が確立できるか否か、すなわちノード装置5が孤立しているか否かを判断する。
【0049】
ある実施例では、認識可否判断部34は、ゲートウエイ装置6から無線アドホックネットワーク4へ送信されるフラッディングパケットを受信した場合に、ゲートウエイ装置6を認識できると判断する。このフラッディングパケットは、ゲートウエイ装置6から定期的に送信されるパケットであってよい。ある実施例においてこのフラッディングパケットは、例えば、IPv6(Internet Protocol Version 6)にて使用されるルータ広告(Router Advertisement)パケットであってよい。他の実施例においてフラッディングパケットは、例えば、特定の経路制御プロトコルにおいてゲートウエイ装置6の死活を通知する制御パケットであってもよい。
【0050】
図7は、アドホックネットワークで伝送されるフラッディングパケットの構成の一例の説明図である。フラッディングパケットのヘッダ部50は、図5を参照して説明した経路制御パケットのヘッダ部50と同様である。タイプ53はパケットの種別を示す。タイプ53の値によりパケットがフラッディングパケットであることが示される。また、ホップ数55は、パケットの送信元であるゲートウエイ装置6からのホップ数が格納される。メッセージ部60には、ゲートウエイ装置6からノード装置5へブロードキャスト形式で配信される情報が格納される。
【0051】
ある実施例では、認識可否判断部34は、隣接ノードから受信する経路制御パケットを参照してゲートウエイ装置6の認識可否を判断してよい。図8は、経路制御パケットの第2例の構成の説明図である。この実施例におけるノード装置5は、記憶部36に、ノード装置5とゲートウエイ装置6との間のホップ数をそれぞれ記憶する。ノード装置5は、経路制御パケットを送信する際に、メッセージ部60の付加情報62としてゲートウエイ装置6までのホップ数を格納する。認識可否判断部34は、経路制御パケットを受信したとき、メッセージ部60に付加情報62が格納されているか否かに応じて、ゲートウエイ装置6の認識可否を判断する。
【0052】
図4を参照する。チャネル変更部35は、認識可否判断部34がいずれのゲートウエイ装置も認識できないと判断した場合、すなわちゲートウエイ装置6との間の経路が全て失われノード装置5が孤立した場合に、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルを順次切り替える。このときチャネル変更部35は、無線アドホックネットワーク4における通信のために用意されたN個のチャネルCH1〜CHNの全てに亘って、ノード装置5がパケットの受信に使用するチャネルを切り換える。
【0053】
認識可否判断部34は、チャネル変更部35によるチャネル切換処理中に、各チャネルにおいて認識可能なゲートウエイ装置6までのホップ数をそれぞれ検出する。本実施の形態では、認識可否判断部34は、チャネル切換処理中にゲートウエイ装置6から送信されるフラッディングパケットのホップ数55から、ゲートウエイ装置6までのホップ数を取得する。
【0054】
図9は、ホップ数情報41の例を示す図である。ホップ数情報41は、情報要素として「チャネル」及び「ホップ数」を含んでいてよい。情報要素「チャネル」は、ゲートウエイ装置6が認識されたチャネルの識別子である。情報要素「ホップ数」は、認識されたゲートウエイ装置6までのホップ数である。図8に示す例では、チャネル「CH1」で認識されたゲートウエイ装置6までのホップ数は「3」であり、チャネル「CH2」で認識されたゲートウエイ装置6までのホップ数は「2」である。
【0055】
ホップ数情報41にホップ数が格納されているゲートウエイ装置6については、ノード装置5からのホップ数を特定することができる。すなわち、ホップ数情報41は、各チャネルにおいてノード装置5が認識可能なゲートウエイ装置6を示す。
【0056】
また隣接ノード検出部33は、チャネル変更部35によるチャネル切換処理中に、各チャネルにおいて隣接ノードを検出する。チャネル変更部35によるチャネル切換処理が終了すると、チャネル選択部37は、各チャネルにて検出された隣接ノード数に基づいて、無線アドホックネットワーク4での通信に使用するチャネルを複数のチャネルCH1〜CHNの中から選択する。
【0057】
以下、チャネル選択部37によるチャネルの選択処理の例について説明する。
<2−1.チャネル選択処理の第1例>
(処理1−1) チャネル選択部37は、隣接ノード情報40を参照して、各チャネルで検出された隣接ノードのうち所定の通信状態を満たす隣接ノード数を特定する。例えば、チャネル選択部37は、受信信号強度および定期パケット受信率が所定の閾値以上である隣接ノードの数を、所定の通信状態を満たす隣接ノード数として特定する。他の実施例では、チャネル選択部37は、各チャネルで検出された全ての隣接ノードの数を隣接ノード数として特定してもよい。この場合、隣接ノード情報40から通信状態を示す情報要素を省略してもよい。
【0058】
(処理1−2) チャネル選択部37は、ホップ情報41を参照して、各チャネルにおいてゲートウエイ装置6が認識可能であるか否かを判断する。チャネル選択部37は、ノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるチャネルを特定する。ある実施例においてチャネル選択部37は、ゲートウエイ装置6までのホップ数が所定のホップ数より短いチャネルのみを特定してもよい。ある実施例において所定のホップ数は、経路制御プロトコルによって定まる制限ホップ数であってよい。
【0059】
(処理1−3) チャネル選択部37は、ホップ情報41を参照して、(処理1−2)で特定されたチャネルにおけるゲートウエイ装置6までのホップ数を判断する。ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルが1つしか存在しない場合、チャネル選択部37は、このチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0060】
(処理1−4) ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルが複数存在する場合、チャネル選択部37は、これらのチャネルのうちから、(処理1−1)で特定した隣接ノード数に基づいて通信に使用するチャネルを選択する。隣接ノード数に基づくチャネルの選択方法の例については後述する。
【0061】
(処理1−5) 処理(1−2)において特定されるチャネルが存在しない場合、チャネル選択部37は、全チャネルのうちから(処理1−1)で特定した隣接ノード数に基づいて通信に使用するチャネルを選択する。
【0062】
<2−2.チャネルの選択処理の第2例>
(処理2−1) チャネル選択部37は、(処理1−1)と同様に隣接ノード数を特定する。
【0063】
(処理2−2) チャネル選択部37は(処理1−2)と同様にチャネルを特定する。
【0064】
(処理2−3) チャネル選択部37は、(処理2−2)で特定される全チャネルにおいて(処理2−1)で特定された隣接ノード数が所定の閾値Mを超えるか否かを判断する。隣接ノード数が所定の閾値Mを超える場合、ゲートウエイ装置6までホップ数が最少のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0065】
(処理2−4) (処理2−2)で特定される全チャネルにおいて(処理2−1)で特定された隣接ノード数が所定の閾値Mを超えない場合、チャネル選択部37は、以下に従って通信に使用するチャネルとして選択する。
【0066】
まず(処理2−2)で特定されたチャネルのうち(処理2−1)で特定した隣接ノード数が最多のチャネルが1つしかない場合には、このチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。
【0067】
(処理2−5) (処理2−2)で特定されたチャネルのうち(処理2−1)で特定した隣接ノード数が最多のチャネルが複数ある場合には、これらのチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。
【0068】
(処理2−6) 一方で、処理(2−2)で特定されるチャネルが存在しない場合、チャネル選択部37は、全チャネルのうちから(処理2−1)で特定した隣接ノード数に基づいて通信に使用するチャネルを選択する。
【0069】
以下、本実施の形態のノード装置5のチャネル検索処理について説明する。図10は、ノード装置5の処理の第1例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションAA〜AHはステップであってよい。
【0070】
オペレーションAAにおいて認識可否判断部34は、現在、ノード装置5が通信に使用しているチャネルにおいてゲートウエイ装置6を認識できるか否かを判断する。すなわち、ノード装置5が孤立しているか否かを判断する。認識できる場合(オペレーションAA:Y)、認識可否判断部34は、オペレーションAAを繰り返す。認識できない場合(オペレーションAA:N)、処理はオペレーションABへ進む。
【0071】
オペレーションABにおいて各チャネルCH1〜CHNを順次選択する変数iの値が、「1」に初期化される。オペレーションACにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをチャネルCHiへ切り替える。
【0072】
オペレーションADにおいて通信部30は、隣接ノード又はゲートウエイ装置6から送信されるパケットを受信する。隣接ノードからパケットが受信された場合、隣接ノード検出部33は、パケットの送信元の隣接ノードに関する隣接ノード情報を記憶部36へ格納する。ゲートウエイ装置6からフラッディングパケットが受信された場合、認識可否判断部34は、フラッディングパケットの送信元のゲートウエイ装置6に関するホップ数情報41を記憶部36へ格納する。
【0073】
オペレーションAEにおいてチャネル変更部35は、所定のチャネル切換期間T1が経過したか否かを判断する。チャネル切換期間T1が経過しない場合(オペレーションAE:N)には、処理はオペレーションADへ戻る。チャネル切換期間T1が経過した場合(オペレーションAE:Y)には、処理はオペレーションAFへ進む。
【0074】
オペレーションAFにおいて、変数iの値が1つ増加される。オペレーションAGにおいて、変数iの値が、パケットの送受信のために用意されたチャネルCN1〜CNNのチャネル数Nを超えるか否かが判定される。変数iの値がチャネル数を超えない場合(オペレーションAG:N)には、処理はオペレ−ションACへ戻る。変数iの値がチャネル数を超える場合(オペレーションAG:Y)には、処理はオペレ−ションAHへ進む。
【0075】
オペレーションAHにおいてチャネル選択部37は、上記の処理(1−1)〜(1−5)又は処理(2−1)〜(2−6)等の選択処理に従って、無線アドホックネットワーク4における通信に使用するチャネルを選択する。チャネル選択部37における選択処理については、さらに後述する。
【0076】
次に、図10に示す処理においてチャネル変更部35により行われるチャネル切換について説明する。図11は、チャネル変更部35によるチャネル切替の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BIはステップであってよい。
【0077】
なお、図11においてノード装置5xは、図10の処理を実行するノード装置5を示す。またノード装置5k〜5nは、それぞれチャネルCH1〜CH3を使用する隣接ノードを示す。またゲートウエイ装置は、チャネルCH1を使用している。なお、図11は、チャネル数N=3の場合の例を示すが、他の実施例ではチャネル数Nは3以外の整数であってよい。
【0078】
オペレーションBAにおいてノード装置5xの認識可否判断部34は、ノード装置5xの孤立を検出する。オペレーションBBにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH1へ切り換える。
【0079】
オペレーションBBに続くチャネル切換期間T1の間、ノード装置5xは、チャネルCH1を使用して送信されるパケットを受信できる。オペレーションBCにおいてノード装置5xは、チャネルCH1を使用する隣接ノード5kからパケットを受信する。オペレーションBDにおいてノード装置5xは、ゲートウエイ装置6からフラッディングパケットを受信する。
【0080】
チャネル切換期間T1が経過した後、オペレーションBEにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH2へ切り換える。オペレーションBEに続くチャネル切換期間T1の間、ノード装置5xは、チャネルCH2を使用して送信されるパケットを受信できる。オペレーションBFにおいてノード装置5xは、チャネルCH2を使用する隣接ノード5mからパケットを受信する。
【0081】
チャネル切換期間T1が経過した後、オペレーションBGにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH3へ切り換える。オペレーションBGに続くチャネル切換期間T1の間、ノード装置5xは、チャネルCH3を使用して送信されるパケットを受信できる。オペレーションBHにおいてノード装置5xは、チャネルCH3を使用する隣接ノード5nからパケットを受信する。
【0082】
以上のオペレーションBB〜BHにおいてノード装置5xは、使用可能な全てのチャネルCH1〜CH3において、隣接ノードからのパケット及びゲートウエイ装置6からフラッディングパケットを受信する。オペレーションBIにおいて、チャネル選択部37は、無線アドホックネットワーク4における通信に使用するチャネルを選択する。オペレーションBIの処理は、図10のオペレーションAHにて行われるチャネル選択処理と同様である。
【0083】
続いて、図10のオペレーションAHにて行われるチャネル選択処理について説明する。図12及び図13は、チャネル選択処理の第1例の説明図である。図12及び図13に示すチャネル選択処理は、上述の<2−1.チャネルの選択処理の第1例>に対応する。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションCA〜CG及びオペレーションDA〜DGはステップであってよい。
【0084】
オペレーションCAにおいてチャネル選択部37は、隣接ノード情報40を参照して、各チャネルで検出された隣接ノードのうち所定の通信状態を満たす隣接ノード数を特定する。オペレーションCBにおいてチャネル選択部37は、ノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるチャネルを特定する。ある実施例においてチャネル選択部37は、ゲートウエイ装置6までのホップ数が所定のホップ数より短いチャネルのみを特定してもよい。
【0085】
オペレーションCCにおいてチャネル選択部37は、オペレーションCBで特定されるチャネルが少なくとも1つあるか否かを判定する。特定されるチャネルが1つもない場合(オペレーションCC:Y)には、処理はオペレーションCGへ進む。特定されるチャネルが少なくとも1つある場合(オペレーションCC:N)には、処理はオペレーションCDへ進む。
【0086】
オペレーションCDにおいてチャネル選択部37は、オペレーションCBで特定されるチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判定する。複数のチャネルが存在する場合(オペレーションCD:Y)には、処理はオペレーションCFへ進む。複数のチャネルが存在しない場合(オペレーションCD:N)には、処理はオペレーションCEへ進む。
【0087】
オペレーションCEにおいてチャネル選択部37は、ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。
【0088】
オペレーションCFにおいてチャネル選択部37は、図13に示す第1選択サブルーチンによって、ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルの中から、通信に使用するチャネルを選択する。
【0089】
図13の説明において、第1選択サブルーチンによって通信に使用するチャネルが選択される母集団のチャネルの集合を「対象のチャネル」と表記する。例えば、オペレーションCFにおいて第1選択サブルーチンが実行される場合には、オペレーションCBによって特定されたチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルが対象のチャネルである。
【0090】
オペレーションDAにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルの全てにおいて、オペレーションCAで特定された隣接ノード数が、所定の閾値Mを超えるか否かを判定する。隣接ノード数が閾値Mを超えない場合(オペレーションDA:N)には、処理はオペレーションDBへ進む。隣接ノード数が閾値Mを超える場合(オペレーションDA:Y)には、処理はオペレーションDEへ進む。
【0091】
オペレーションDBにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルであって隣接ノード数が閾値M以下であるチャネルのうちオペレーションCAで特定された隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判断する。隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが複数ある場合(オペレーションDB:Y)には、処理はオペレーションDCへ進む。隣接ノード数が最多のチャネルが1つしかない場合(オペレーションDB:N)には、処理はオペレーションDDへ進む。
【0092】
オペレーションDCにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルのうちオペレーションCAで特定された隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルの中のいずれかのチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。例えば、チャネル選択部37は、チャネルの識別番号が最も若いチャネルを選んでよい。オペレーションDDにおいてチャネル選択部37は、隣接ノード数が最多のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0093】
一方で、オペレーションDEにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルのうちオペレーションCAで特定された隣接ノード数が最少かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判断する。隣接ノード数が最少かつ同数のチャネルが複数ある場合(オペレーションDE:Y)には、処理はオペレーションDFへ進む。隣接ノード数が最少のチャネルが1つしかない場合(オペレーションDE:N)には、処理はオペレーションDGへ進む。
【0094】
オペレーションDFにおいてチャネル選択部37は、オペレーションCAで特定された隣接ノード数が最少かつ同数のチャネルの中から、いずれかのチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。例えば、チャネル選択部37は、チャネルの識別番号が最も若いチャネルを選んでよい。オペレーションDGにおいてチャネル選択部37は、隣接ノード数が最少のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0095】
図13に示す第1選択サブルーチンによれば、オペレーションCAで特定された隣接ノード数が出来るだけ閾値Mに近いチャネルが選択される。これにより、隣接ノード数が過小であることによりゲートウエイ装置6までの経路が不安定なチャネルを選択する可能性が低減される。また、隣接ノード数が過大であるような、混雑したチャネルを選択する可能性が低減される。
【0096】
図12を参照する。オペレーションCGにおいてチャネル選択部37は、図13に示す第1選択サブルーチンによって、全チャネルCH1〜CHNの中から通信に使用するチャネルを選択する。オペレーションCGにおいて第1選択サブルーチンが実行される場合には、全チャネルが第1選択サブルーチンの対象のチャネルとなる。
【0097】
オペレーションCGでは、ノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるチャネルが1つもない場合であっても、隣接ノード数が出来るだけ閾値Mに近いチャネルが選択される。このため、ネットワークの状態の変化によってゲートウエイ装置6が認識可能になった場合には、その後、ゲートウエイ装置6までの経路が安定することが期待される。
【0098】
続いて、図10のオペレーションAHにて行われる他のチャネル選択処理について説明する。図14及び図15は、チャネル選択処理の第2例の説明図である。図14及び図15に示すチャネル選択処理は、上述の<2−2.チャネルの選択処理の第2例>に対応する。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションEA〜EI及びオペレーションFA〜FCはステップであってよい。
【0099】
オペレーションEA及びEBの処理は、図12のオペレーションCA及びCBと同様である。オペレーションECにおいてチャネル選択部37は、オペレーションEBで特定されるチャネルが少なくとも1つあるか否かを判定する。特定されるチャネルが1つもない場合(オペレーションEC:Y)には、処理はオペレーションEDへ進む。特定されるチャネルが少なくとも1つある場合(オペレーションEC:N)には、処理はオペレーションEEへ進む。
【0100】
オペレーションEDの処理は、図12に示すオペレーションCGの処理と同様である。オペレーションEEにおいてチャネル選択部37は、オペレーションEBで特定されたチャネルの全てにおいて、オペレーションEAで特定された隣接ノード数が、所定の閾値Mを超えるか否かを判定する。隣接ノード数が閾値Mを超えない場合(オペレーションEE:N)には、処理はオペレーションEFへ進む。隣接ノード数が閾値Mを超える場合(オペレーションEE:Y)には、処理はオペレーションEIへ進む。
【0101】
オペレーションEFにおいてチャネル選択部37は、オペレーションEBで特定されたチャネルであって隣接ノード数が閾値M以下であるチャネルのうちオペレーションEAで特定された隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判断する。隣接ノード数が最多のチャネルが一つしかない場合(オペレーションEF:N)には、処理はオペレーションEGへ進む。隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが複数ある場合(オペレーションEF:Y)には、処理はオペレーションEHへ進む。
【0102】
オペレーションEGにおいてチャネル選択部37は、隣接ノード数が最多のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。オペレーションEHにおいてチャネル選択部37は、図15に示す第2選択サブルーチンによって、隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルの中から、通信に使用するチャネルを選択する。
【0103】
図15の説明において、第2選択サブルーチンによって通信に使用するチャネルが選択される母集団のチャネルの集合を「対象のチャネル」と表記する。例えば、オペレーションEHにて第2選択サブルーチンが実行される場合には、オペレーションEBによって特定されたチャネルのうち、オペレーションEAで特定された隣接ノード数が最多かつ同数のチャネルが対象のチャネルである。
【0104】
オペレーションFAにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルが複数あるか否かを判断する。ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルが複数ある場合(オペレーションFA:Y)には、処理はオペレーションFBへ進む。ゲートウエイ装置6までのホップ数が最少のチャネルが1つしかない場合(オペレーションFA:N)には、処理はオペレーションFCへ進む。
【0105】
オペレーションFBにおいてチャネル選択部37は、対象のチャネルのうちゲートウエイ装置6までのホップ数が最少かつ同数のチャネルの中のいずれかのチャネルを、通信に使用するチャネルとして選択する。例えば、チャネル選択部37は、チャネルの識別番号が最も若いチャネルを選んでよい。オペレーションFCにおいてチャネル選択部37は、ホップ数が最少のチャネルを通信に使用するチャネルとして選択する。
【0106】
図14を参照する。オペレーションEIにおいてチャネル選択部37は、第2選択サブルーチンによって、オペレーションEBで特定されたチャネルの全ての中から、通信に使用するチャネルを選択する。オペレーションEIにて第2選択サブルーチンが実行される場合には、オペレーションEBによって特定されたチャネルの全てが第2選択サブルーチンの対象のチャネルとなる。
【0107】
本実施の形態によれば、ノード装置5は、無線アドホックネットワーク4へ制御パケットを送信することなくチャネル検索を行うことができる。このため、チャネル検索処理は、無線アドホックネットワーク4の無線リソースを消費しない。
【0108】
本実施の形態によれば、ノード装置5は、できるだけ閾値Mに近い数の隣接ノードが検出されるチャネルを選択することができる。閾値Mを適切に設定することにより、ノード装置5は、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立されるチャネルを選択することができる。また、隣接ノード数の算出にあたり、所定の通信状態の隣接ノードのみを対象とすることにより、より安定したチャネルを選択することが可能となる。
【0109】
また、本実施の形態によれば、ノード装置5は、ゲートウエイ装置6までのホップ数がより少ないチャネルを選択することができる。このため、ノード装置5は、より安定的にゲートウエイ装置への経路が確立されるチャネルを選択することができ、また伝送遅延を少なくすることが可能となる。
【0110】
<3.第2の実施の形態>
続いて他の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、チャネル変更部35がチャネルを変更する際に、隣接ノードからのパケットの受信を待つための期間と、ゲートウエイ装置6からフラッディングパケットの受信を待つための期間に、異なる長さの待機時間を使用する。
【0111】
チャネル変更部35のチャネル切換処理では、隣接ノードからのパケットの送信周期及びゲートウエイ装置6からのフラッディングパケットの送信周期の経過までチャネル切換を行わないことでこれらのパケットをより確実に受信することができる。無線アドホックネットワーク4では、ノード装置5がパケットを送信する周期に比べて、ゲートウエイ装置6がフラッディングパケットを送信する周期の方が長い場合がある。
【0112】
しかし、ゲートウエイ装置6により使用されていないチャネルを使用するアドホックネットワークが形成されている可能性は少ない。したがって、あるチャネルの選択中に隣接ノードからの受信パケットがなければ、そのチャネルを使用するゲートウエイ装置6が存在しない可能性が高い。
【0113】
そこで、本実施の形態では、チャネル変更部35は、ノード装置5による定期パケットの送信周期が満了するまで、隣接ノードからのパケット受信を待つ。ノード装置5の送信周期が満了するまでの間に隣接ノードからパケット受信がなかった場合、チャネル変更部35は、受信に使用するチャネルを次のチャネルに切り換える。ノード装置5の送信周期が満了するまでの間に隣接ノードからパケット受信があった場合、チャネル変更部35は、フラッディングパケットの送信周期の満了までチャネル切換時期を延長する。
【0114】
図16は、ノード装置5の第2構成例を示す図である。図4に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付する。同一の参照符号が付された構成要素の動作は特に説明しない限り同じである。また、図16に示す構成要素やその機能を他の実施例が備えていてもよい。
【0115】
チャネル変更部35は、切換期間設定部38を備える。切換期間設定部38は、チャネル変更部35がチャネルを切り換えるチャネル切換期間を以下の通りに設定する。
【0116】
まず、チャネル変更部35がチャネルを切り換えた直後には、切換期間設定部38は、チャネル切換期間を期間T2に設定する。チャネル切換期間T2は、ノード装置5が定期パケットを送信する周期以上の長さであってよい。例えば、定期パケットは、ハローパケットのような経路制御パケットであってよい。ある実施例では、チャネル切換期間T2は120秒に設定される。
【0117】
チャネル切換期間T2を満了する前に隣接ノードからのパケット受信があった場合には、切換期間設定部38は、チャネル切換期間T2満了後にチャネル切換期間T3を設定する。チャネル切換期間T3は、ゲートウエイ装置6がフラッディングパケットを送信する周期以上の長さであってよい。ある実施例では、チャネル切り換え期間T3は、例えば12分に設定される。したがって、隣接ノードからのパケット受信があった場合のチャネル切換期間の合計は14分間となる。
【0118】
一方で、チャネル切換期間T2を満了する前に隣接ノードからのパケット受信がなかった場合には、チャネル変更部35は、チャネル切換期間T2満了後にチャネルを切り換える。したがって、隣接ノードからのパケット受信がない場合のチャネル切換期間は2分間となる。
【0119】
以下、本実施の形態のノード装置5のチャネル検索処理について説明する。図17は、ノード装置5の処理の第2例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションGA〜GKはステップであってよい。
【0120】
オペレーションGA及びGBの処理は、図10のオペレーションAA及びABの処理と同様である。オペレーションGCにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをチャネルCHiへ切り替える。この際に、切換期間設定部38は、チャネル切換期間を期間T2に設定する。
【0121】
オペレーションGDの処理は、図10のオペレーションADと同様である。オペレーションGEにおいてチャネル変更部35は、チャネル切換期間T2が経過したか否かを判断する。チャネル切換期間T2が経過しない場合(オペレーションGE:N)には、処理はオペレーションGDへ戻る。チャネル切換期間T2が経過した場合(オペレーションGE:Y)には、処理はオペレーションGFへ進む。
【0122】
オペレーションGFにおいて切換期間設定部38は、チャネル切換期間T2の間に隣接ノードが検出されたか否かを判断する。隣接ノードが検出された場合(オペレーションGF:Y)には、切換期間設定部38は、チャネル切換期間を期間T3に設定する。その後処理は、オペレーションGGへ進む。隣接ノードが検出された場合(オペレーションGF:Y)には、オペレーションGG及びGHは実行されず、処理はオペレーションGIへ進む。
【0123】
オペレーションGGの処理は、オペレーションGDの処理と同様である。オペレーションGHにおいてチャネル変更部35は、チャネル切換期間T3が経過したか否かを判断する。チャネル切換期間T3が経過しない場合(オペレーションGH:N)には、処理はオペレーションGGへ戻る。チャネル切換期間T3が経過した場合(オペレーションGH:Y)には、処理はオペレーションGIへ進む。オペレーションGI〜GKの処理は、図10のオペレーションAFからAHと同様である。
【0124】
次に、図17に示す処理においてチャネル変更部35により行われるチャネル切換について説明する。図18は、図17の処理におけるチャネル切換の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションHA〜HHはステップであってよい。ノード装置5x及びノード装置5k及び5nの用語の用法及びノード装置5k及び5n及びゲートウエイ装置6が使用するチャネルは図11を参照して行った上記説明の場合と同様である。
【0125】
オペレーションHAにおいてノード装置5xの認識可否判断部34は、ノード装置5xの孤立を検出する。オペレーションHBにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH1へ切り換える。
【0126】
チャネル切換期間T2の満了前に、オペレーションHCにおいてノード装置5xは、隣接ノード5kからパケットを受信する。このためノード装置5xは、チャネル切換期間を期間T3だけ延長する。その後、オペレーションHDにおいてノード装置5xは、ゲートウエイ装置6からフラッディングパケットを受信する。
【0127】
チャネル切換期間T3が満了した後、オペレーションHEにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH2へ切り換える。オペレーションHEに続くチャネル切換期間T2の間には、隣接ノードからのパケットの受信はない。この結果、チャネル切換期間T2が満了した後、オペレーションHFにおいてチャネル変更部35は、通信部30がパケットの受信に使用するチャネルをCH3へ切り換える。
【0128】
チャネル切換期間T2の満了前に、オペレーションHGにおいてノード装置5xは、隣接ノード5nからパケットを受信する。このためノード装置5xは、チャネル切換期間を期間T3だけ延長する。チャネル切換期間T3が満了した後、オペレーションBIにおいて、チャネル選択部37は、無線アドホックネットワーク4における通信に使用するチャネルを選択する。
【0129】
本実施の形態によれば、受信チャネルを切り換えながら、各チャネルにおける隣接ノードからのパケットとゲートウエイ装置6からのフラッディングパケットを受信する際に、チャネル切換周期の平均長を短縮することができる。このため、ノード装置5がチャネル検索処理を行う時間を短縮することができる。
【0130】
<4.第3の実施の形態>
続いて他の実施の形態について説明する。ノード装置5の孤立には2つの態様が考えられる。いま、この2つの態様をそれぞれ「単独孤立」及び「集団孤立」と表記する。単独孤立は、ノード装置5は隣接ノードを1つも認識できない結果、ゲートウエイ装置6も認識できない状態である。集団孤立は、ノード装置5は隣接ノードを認識しているが、ノード装置5及び隣接ノードのいずれもゲートウエイ装置6を認識できない状態である。
【0131】
図19の(A)は、集団孤立の状態の説明図である。無線アドホックネットワーク4において、ノード装置5a〜5cはチャネルCH1を使用するグループ11を形成し、ノード装置5d〜5gはチャネルCH2を使用するグループ12を形成する。また、ノード装置5h及び5iはチャネルCH3を使用するグループ13を形成する。
【0132】
図19の(A)の例では、各グループ11〜13のノード装置がそれぞれゲートウエイ装置6a〜6cを認識していたが、ゲートウエイ装置6bの故障によってグループ12のノード装置5d〜5gがゲートウエイ装置を認識できなくなった場合を想定する。ゲートウエイ装置6bの故障の直後では、ノード装置5d〜5gが同じチャネルを使用しているために、ノード装置5d〜5g同士は互いを認識することができる。このため、ノード装置5d〜5g同士は互いを認識できるが、ゲートウエイ装置を認識できない集団孤立の状態が発生する。
【0133】
図19の(B)は、単独孤立の状態の説明図である。無線アドホックネットワーク4において、ノード装置5a〜5eはチャネルCH1を使用するグループ11を形成し、ノード装置5g〜5iはチャネルCH3を使用するグループ13を形成する。チャネルCH2を使用するノード装置5fは、グループ11及びグループ13のいずれのノード装置5も認識できず、また認識可能なゲートウエイ装置6も存在しない。
【0134】
集団孤立状態にある場合、互いに認識可能であるノード装置5のグループのうちいずれかがゲートウエイ装置6を認識することで、グループ全体のノード装置5がゲートウエイ装置6を認識できるようになる。したがって集団孤立状態にある場合には、ノード装置5は、現在使用中のチャネルを継続して使用しグループを維持した方が、より早くゲートウエイ装置6との通信を復旧できる可能性がある。そこで、本実施の形態では、集団孤立状態になった場合には、ノード装置5はチャネル検索をすぐに始めずに所定の待機時間が経過した後に開始する。
【0135】
図20は、ノード装置5の第3構成例を示す図である。図4に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付する。同一の参照符号が付された構成要素の動作は特に説明しない限り同じである。また、図20に示す構成要素やその機能を他の実施例が備えていてもよい。
【0136】
チャネル変更部35は、抑止部39を備える。抑止部39は、隣接ノード検出部33が隣接ノードを検出しているか否かを判断する。認識可否判断部34が現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6も認識できないと判断しても、隣接ノード検出部33が隣接ノードを検出している場合には、抑止部39は、チャネル変更部35によるチャネルの切換処理を待機時間T4の間だけ抑止する。
【0137】
ある実施例において抑止部39は、現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6が認識可能であった場合に、ゲートウエイ装置6を認識した旨の履歴を記憶部36に記憶してよい。抑止部39は、現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6も認識できない場合に、過去にゲートウエイ装置6を認識した旨の履歴があるか否かを判断する。過去にゲートウエイ装置6を認識した旨の履歴がない場合には、抑止部39は、隣接ノードが検出されてもチャネル変更部35によるチャネルの切換処理を抑止しない。過去にゲートウエイ装置6を認識したことがなければ、現在使用中のチャネルでゲートウエイ装置との通信が復旧する可能性が低いためである。
【0138】
以下、本実施の形態のノード装置5のチャネル検索処理について説明する。図21は、ノード装置5の処理の第3例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションIA〜ILはステップであってよい。
【0139】
オペレーションIAの処理は図10のオペレーションAAの処理と同様である。オペレーションIBにおいて抑止部39は、隣接ノードが検出されるか否かを判断する。隣接ノードが検出される場合(オペレーションIB:Y)には、処理はオペレーションICへ進む。隣接ノードが検出されない場合(オペレーションIB:Y)には、処理はオペレーションIFへ進む。
【0140】
オペレーションICにおいて抑止部39は、現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6を認識した履歴があるか否かを判断する。ゲートウエイ装置6を認識した履歴がある場合(オペレーションIC:Y)には、処理はオペレーションIDへ進む。ゲートウエイ装置6を認識した履歴がない場合(オペレーションIC:N)には、処理はオペレーションIFへ進む。
【0141】
オペレーションIDにおいて抑止部39は、待機時間T4が経過したか否かを判断する。抑止部39は、待機時間T4が経過するまで(オペレーションID:N)、オペレーションIDを繰り返す。待機時間T4が経過した場合(オペレーションID:Y)には、処理はオペレーションIEに進む。
【0142】
オペレーションIEにおいて認識可否判断部34は、現在のチャネルでいずれかのゲートウエイ装置6を認識可能か否かを判断する。ゲートウエイ装置6が認識可能である場合(オペレーションIE:Y)には、処理は終了する。ゲートウエイ装置6が認識可能でない場合(オペレーションIE:N)には、処理はオペレーションIFへ進む。オペレーションIF〜ILの処理は、図10のオペレーションAB〜AHの処理と同様である。
【0143】
本実施の形態によれば、集団孤立状態になった場合に、そのまま現在のチャネルを使用し続けることによってゲートウエイ装置6を認識できるようになれば、チャネル検索を省略することができる。このため、本実施の形態によれば、ノード装置5が無駄なチャネル検索処理を行うことを回避することができる。
【0144】
<5.第4の実施の形態>
続いて他の実施の形態について説明する。上述の第1の実施の形態は、各チャネルにおけるゲートウエイ装置6までのホップ数を、ゲートウエイ装置6から送信されるフラッディングパケットのホップ数55から検出した。これに代えて、本実施の形態は、隣接ノードから受信する経路制御パケットから、ゲートウエイ装置6までのホップ数を検出する。
【0145】
経路制御パケットからゲートウエイ装置6までのホップ数を検出するために、各ノード装置は、図8を参照して説明した経路制御パケットを送信する。ある実施例では、各ノード装置5は、メッセージ部60の付加情報62として本ノード装置5からゲートウエイ装置6までのホップ数を指定する。隣接ノードから経路制御パケットを受信したノード装置5の隣接ノード検出部33は、図22に示す隣接ノード情報を記憶部36に格納する。
【0146】
図22は、隣接ノード情報40の第2例を示す図である。本実施の形態における隣接ノード情報40は、情報要素「ホップ数」を含む。なお、図6に示す隣接ノード情報40の例と同様に、隣接ノード情報40は、情報要素として「チャネル」及び「ノード識別子」を含んでいてよい。ある実施例において隣接ノード情報40は、通信状態を示す情報要素を含んでいてよい。
【0147】
図22の例では、ノード識別子「1」の隣接ノードを経由するホップ数は「4」であり、ノード識別子「109」の隣接ノードを経由するホップ数は「5」である。隣接ノード検出部33は、メッセージ部60の付加情報62に格納されたホップ数に1を加えた値を情報要素「ホップ数」の値に設定する。
【0148】
他の実施例では、各ノード装置5は、メッセージ部60の付加情報62として本ノード装置5からゲートウエイ装置6までのホップ数に1を加えた値を指定してよい。この場合に経路制御パケットを受信したノード装置5の隣接ノード検出部33は、メッセージ部60の付加情報62に格納されたホップ数の値をそのまま、情報要素「ホップ数」の値に設定する。
【0149】
1つのチャネルで複数の隣接ノードが検出される場合には、それぞれの隣接ノードを経由した場合のホップ数は互いに異なる。チャネル選択部37は、各チャネルにおけるゲートウエイ装置6までのホップ数を特定する際に、所定の通信状態を満たす隣接ノードを経由するホップ数のうち、最短のホップ数を使用してよい。
【0150】
本実施例によれば、ゲートウエイ装置6から送信されるフラッディングパケットに代えて、隣接ノードからの経路制御パケットからゲートウエイ装置6までのホップ数を決定することが可能となる。
【0151】
ここに記載されている全ての例及び条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものであり、具体的に記載されている上記の例及び条件、並びに本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく解釈されるべきものである。本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
【0152】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
無線アドホックネットワークを形成するノード装置であって、
前記無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、
受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、
前記ゲートウエイ装置を認識できないと前記認識可否判断部が判断した場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、
前記複数のチャネルの各々において前記隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、
を備えることを特徴とするノード装置。
【0153】
(付記2)
前記チャネル選択部は、前記受信に使用するチャネルを変更した後の第1期間内に隣接ノードが検出されない場合には、該第1期間経過後に前記受信に使用するチャネルを次のチャネルへ切り換え、該第1期間内に隣接ノードが検出される場合には、該第1期間よりも長い第2期間経過後に前記受信に使用するチャネルを次のチャネルへ切り換えることを特徴とする付記1に記載のノード装置。
【0154】
(付記3)
前記チャネル変更部は、隣接ノードが検出される場合に、ある待機期間が経過した後にチャネルの切り換えを開始することを特徴とする付記1又は2に記載のノード装置。
【0155】
(付記4)
前記ゲートウエイ装置が認識できると前記認識可否判断部が判断した履歴を記憶する認識履歴記憶部を備え、
前記履歴がない場合に、前記待機期間が経過する前に前記チャネルの切り換えを開始することを特徴とする付記3に記載のノード装置。
【0156】
(付記5)
前記認識可否判断部は、前記チャネル変更部がチャネルを変更する間に前記複数のチャネルの各々において前記ゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断し、
前記チャネル選択部は、前記ゲートウエイ装置を認識可能なチャネルの中から前記使用チャネルを選択することを特徴とする付記1〜4のいずれか一項に記載のノード装置。
【0157】
(付記6)
前記認識可否判断部は、各前記チャネルにおいて認識可能なゲートウエイ装置までのホップ数と各前記チャネルにおいて検出された隣接ノード数に基づいて前記使用チャネルを選択することを特徴とする付記5に記載のノード装置。
【0158】
(付記7)
前記チャネル選択部は、各前記チャネルにおいて検出された隣接ノードのうち、該隣接ノードから送信されるパケットの受信状態が所定条件を満たすものの数に基づいて、前記使用チャネルを選択することを特徴とする付記1〜6に記載のノード装置。
【0159】
(付記8)
無線アドホックネットワークを形成する複数のノード装置と、該無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置とを備える通信システムであって、
前記ノード装置は、
前記ゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、
受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、
前記ゲートウエイ装置を認識できないと前記認識可否判断部が判断した場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、
前記複数のチャネルの各々において前記隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【0160】
(付記9)
無線アドホックネットワークにおいてノード装置により使用されるチャネルを選択するチャネル選択方法であって、
前記無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を前記ノード装置が認識できるか否かを判断し、
前記ゲートウエイ装置を認識できない場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に前記ノード装置が使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換え、
前記複数のチャネルの各々において、前記ノード装置にパケットを送信する隣接ノードを検出し、
前記複数のチャネルの各々において検出された隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択する、ことを特徴とするチャネル選択方法。
【符号の説明】
【0161】
1 通信システム
2 サーバ装置
3 通信ネットワーク
4 無線アドホックネットワーク
5、5a〜5i ノード装置
6、6a〜6c ゲートウエイ装置
33 隣接ノード検出部
34 認識可否判断部
35 チャネル変更部
37 チャネル選択部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アドホックネットワークを形成するノード装置であって、
前記無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、
受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、
前記ゲートウエイ装置を認識できないと前記認識可否判断部が判断した場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、
前記複数のチャネルの各々において前記隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、
を備えることを特徴とするノード装置。
【請求項2】
前記チャネル選択部は、前記受信に使用するチャネルを変更した後の第1期間内に隣接ノードが検出されない場合には、該第1期間経過後に前記受信に使用するチャネルを次のチャネルへ切り換え、該第1期間内に隣接ノードが検出される場合には、該第1期間よりも長い第2期間経過後に前記受信に使用するチャネルを次のチャネルへ切り換えることを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
【請求項3】
前記チャネル変更部は、隣接ノードが検出される場合に、ある待機期間が経過した後にチャネルの切り換えを開始することを特徴とする請求項1又は2に記載のノード装置。
【請求項4】
前記ゲートウエイ装置が認識できると前記認識可否判断部が判断した履歴を記憶する認識履歴記憶部を備え、
前記履歴がない場合に、前記待機期間が経過する前に前記チャネルの切り換えを開始することを特徴とする請求項3に記載のノード装置。
【請求項5】
前記認識可否判断部は、前記チャネル変更部がチャネルを変更する間に前記複数のチャネルの各々において前記ゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断し、
前記チャネル選択部は、前記ゲートウエイ装置を認識可能なチャネルの中から前記使用チャネルを選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のノード装置。
【請求項6】
無線アドホックネットワークを形成する複数のノード装置と、該無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置とを備える通信システムであって、
前記ノード装置は、
前記ゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、
受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、
前記ゲートウエイ装置を認識できないと前記認識可否判断部が判断した場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、
前記複数のチャネルの各々において前記隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項7】
無線アドホックネットワークにおいてノード装置により使用されるチャネルを選択するチャネル選択方法であって、
前記無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を前記ノード装置が認識できるか否かを判断し、
前記ゲートウエイ装置を認識できない場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に前記ノード装置が使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換え、
前記複数のチャネルの各々において、前記ノード装置にパケットを送信する隣接ノードを検出し、
前記複数のチャネルの各々において検出された隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択する、ことを特徴とするチャネル選択方法。
【請求項1】
無線アドホックネットワークを形成するノード装置であって、
前記無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、
受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、
前記ゲートウエイ装置を認識できないと前記認識可否判断部が判断した場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、
前記複数のチャネルの各々において前記隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、
を備えることを特徴とするノード装置。
【請求項2】
前記チャネル選択部は、前記受信に使用するチャネルを変更した後の第1期間内に隣接ノードが検出されない場合には、該第1期間経過後に前記受信に使用するチャネルを次のチャネルへ切り換え、該第1期間内に隣接ノードが検出される場合には、該第1期間よりも長い第2期間経過後に前記受信に使用するチャネルを次のチャネルへ切り換えることを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
【請求項3】
前記チャネル変更部は、隣接ノードが検出される場合に、ある待機期間が経過した後にチャネルの切り換えを開始することを特徴とする請求項1又は2に記載のノード装置。
【請求項4】
前記ゲートウエイ装置が認識できると前記認識可否判断部が判断した履歴を記憶する認識履歴記憶部を備え、
前記履歴がない場合に、前記待機期間が経過する前に前記チャネルの切り換えを開始することを特徴とする請求項3に記載のノード装置。
【請求項5】
前記認識可否判断部は、前記チャネル変更部がチャネルを変更する間に前記複数のチャネルの各々において前記ゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断し、
前記チャネル選択部は、前記ゲートウエイ装置を認識可能なチャネルの中から前記使用チャネルを選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のノード装置。
【請求項6】
無線アドホックネットワークを形成する複数のノード装置と、該無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置とを備える通信システムであって、
前記ノード装置は、
前記ゲートウエイ装置を認識できるか否かを判断する認識可否判断部と、
受信パケットの送信元の他のノード装置を隣接ノードとして検出する隣接ノード検出部と、
前記ゲートウエイ装置を認識できないと前記認識可否判断部が判断した場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換えるチャネル変更部と、
前記複数のチャネルの各々において前記隣接ノード検出部が検出した隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択するチャネル選択部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項7】
無線アドホックネットワークにおいてノード装置により使用されるチャネルを選択するチャネル選択方法であって、
前記無線アドホックネットワークを他のネットワークへ接続するゲートウエイ装置を前記ノード装置が認識できるか否かを判断し、
前記ゲートウエイ装置を認識できない場合に、前記無線アドホックネットワークで送信されるパケットの受信に前記ノード装置が使用するチャネルを、複数のチャネルの各々に順次切り換え、
前記複数のチャネルの各々において、前記ノード装置にパケットを送信する隣接ノードを検出し、
前記複数のチャネルの各々において検出された隣接ノード数に基づいて、前記無線アドホックネットワークでの通信に使用するチャネルを前記複数のチャネルの中から選択する、ことを特徴とするチャネル選択方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−253518(P2012−253518A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123708(P2011−123708)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】
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