説明

ノーマルダークのY字型デジタル光スイッチおよび可変光減衰器

【課題】停電時における光通信チャネルのセキュリティ性の向上。
【解決手段】入力導波セグメント1、出力導波セグメント2、エグゾースト導波セグメント3、遷移導波セグメント4、ヒータ5を具え、出力導波セグメントおよびエグゾースト導波セグメントが遷移導波セグメントに関して分岐して配置され、出力導波セグメントが入力導波セグメントの幅および高さの−50%から+100%の幅および高さであり、遷移導波エレメントが入力導波セグメントの長手軸に関して幾何学的に非対称であり、エグゾースト導波セグメントおよび出力導波セグメントの幅比が少なくとも2:1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力損失が生じた場合の光通信経路のセキュリティを向上するスイッチデバイスに関し、より広くは光通信信号プロセッサにおけるスイッチングの分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル光空間スイッチ(digital optical spatial switches;DOS)が当該分野においてよく知られている。一クラスのかかるスイッチは「Y字型デジタル光空間スイッチ」(DOS)として知られる1×2デジタル光スイッチであり、「ベース」すなわち「Y」の幹部分に入力した光が、出力ブランチの一方または双方の屈折率に効果的に変化を生じさせることより、出力ブランチの一方または他方に導かれる。スイッチはまた逆の動作を行うことも可能であり、「Y」の「上部ブランチ」の一方または他方を入力チャネルとして選択し、「Y」のベースが出力チャネルとなるようにすることも可能である。Y字型は光回路の基礎的な構成要素であり、単独で用いられたり、種々の組み合わせにおいて用いられることでより複雑なスイッチングおよび連結デバイスを形成したりする。
【0003】
Y字型DOSは広範な産業に受け入れられている。これは主として、供給される電力、偏光(polarization)、波長、温度などの重要なパラメータの変動に対する信頼性があることや、拡大に対しても信頼性があり、デバイスの幾何学的変化に対してすら信頼性があることによる。一般的なY字型DOSは、2つの導波ブランチが交わってY形状の構造を形成するよう設計されている。ここでブランチの交点における角度は非常に小さいものとなっている。導波構造の構成材には、ニオブ酸リチウム、半導体類、シリカ、あるいはポリマーなど、広範で多種の材料が含まれ得る。Y字型DOSは、出力導波路の一方における光の伝播方向を断熱的に変化させる(すなわち、急激に変化させるのではなく、ゆっくりと変化させる)ことにより、スイッチ機能を実行する。
【0004】
特に、Y字型DOSにおけるスイッチングは、一方の導波ブランチの屈折率を他方の屈折率と変化させることによって実現される。Y字型DOSの特性の中でも特に重要なものは、ステップ状の応答性をもつことである。Y字型DOSがスイッチングスレッショルド以上で作動するとき、偏光および波長の変化はY字型DOSのスイッチング能力に有意のインパクトを与えない。
【0005】
光通信システムの設計者にとって困難な問題は、停電したときのデータ伝送のセキュリティに関連したものである。多くの光通信要素は本来的に電気−光学的要素である。停電が生じると、光データ信号が誤った方向に導かれかねない。重要なことは、停電している間、不慮の誤転送が生じないような確固たる光伝送を行うフェイルセーフ機構を備えることである。これは、ノーマルダーク(normally dark)のデジタル光スイッチ(ND−DOS)またはその変形物に対して、ノーマルダークの可変光減衰器(ND−VOA)を直列に配設することで実現される。またNDの特徴により、光検出器を破壊してしまうような高い光出力が生じるのを防ぐことができる。またNDの特徴により、電力消費を伴うことなく光出力を遮断することができるようになる。
【0006】
NDの特徴は、VOAの微小電気機械システムのスイッチ(microelectromechanical switch)および光機械スイッチにおいて容易に活用し得る。平面状光波回路(planar light wave ciricuit)において信号を所要レベルに減衰させようとする試みは特に困難である。光回路要素を近接配置しなければならず、またクロストークの発生率が高くなるからである。最も重要な応用に対しては40dB以上の信号減衰が必要となる。PLCにNDの特徴を提供する本分野において示されたアプローチの1つは、非特許文献1に示されたような公知のMach-Zehnder Interferometer(MZI)など、干渉設計を使用することである。しかしながら、利用可能なデバイスは、高波長依存性(high wavelength dependence)をもつ20dB程度までの減衰を呈する。これらのデバイスはいくつかの応用には好適であるが、しかし改善が必要である。
【0007】
Y字型ブランチにおけるスイッチングは、ブランチの一方において屈折率の変化を生じさせることで実現される。本分野において、屈折率の所要の変化を生じさせるためのいくつかの方法が知られている。それらの方法には、電気光学効果、応力光学効果および熱光学効果が含まれる。本分野で知られている一般的なY字型熱光学DOSにおいては、「Y」の2つの上部ブランチに配置された、一般的には金属薄膜である加熱手段が設けられている。この加熱手段は、作動時に対応ブランチの屈折率の変化を生じさせ、これにより「Y」のベースに入力されたパワーを一方または他方のブランチに接続させる。一方のブランチの加熱をオンとし,他方のブランチの加熱をオフとすることによって、入来する光信号のスイッチングを行うことができる。両ブランチを同時に加熱すると、緩やかな信号減衰を生じさせることができる。
【0008】
ポリマー製のYブランチおよびガラス製のYブランチの双方が知られている。ポリマーの屈折率は非常に高い温度依存性をもつことから、熱光学デジタル光スイッチとしてポリマーを用いるのが好ましい。
【0009】
非特許文献2はポリマー性の2×2熱光学スイッチを開示しており、これはジューテロ化した(deuterated)、およびフルオロジューテロ化した(fluoro-deuterated)メタクリレートポリマーから作成された2つの結合Yブランチからなっている。その製造方法は、シリコン基板上にポリマー溶液をスピンコートし、次に通常のフォトリスグラフィによりY形状のコンポーネントを形成し、続いて反応性イオンエッチングによりコアリッジを形成する工程を含んでいる。上部ブランチには、電子ビーム蒸着およびウエットエッチングにより、クロムの薄膜ストリップヒータが形成されている。アームは250μm離れている。Crヒータのストリップは長さ5mm、幅50μmである。
【0010】
非特許文献3はポリマー材料で作成された1×2光学スイッチを開示しており、そのYブランチは2度未満の頂角に対して0.1dBの挿入損失を呈する。そこで実施されているようなハロゲン化アクリレートを用いるダイレクトフォトリソグラフィ製造法(direct photolithographic fabrication method)が開示されており、これによりコンポーネントをくっきりとした輪郭に形成でき、比較的小角度の頂部からでも残部を除去できるものとなっている。
【0011】
特許文献1は、Tg以上で作動する架橋重合体の導波路を用いた熱光学スイッチを開示している。実質的に長方形状の金属性ヒータが、導波路の伝播方向に僅かな角度をもって位置するようポリマー性光導波路表面に配置されることが開示されている。該ヒータは、ヒータの全領域にわたって導波路と均一な熱的接触を行うように配置されている。ポリマー性導波路材料の温度、従って屈折率はヒータからの距離に依存し、ヒータに最も近接した領域は離れたものより高温に曝されるものとなる。
【0012】
特許文献2は、シリコン性の光学台の熱的誘導ガイドを示している。その図2には、用いられている種々の光学材料を通じた、局所加熱の結果としての温度プロフィールが開示されている。
【0013】
非特許文献4は、約9μmのコアを有するシリカ製クラッドのポリマー導波路で作成された角度0.12度の「ほとんど完全な」頂部をもつYブランチを開示している。「Y」の上部ブランチはTiの薄膜ヒータでコートされている。出力ブランチ間では約180mWのヒータパワーに対して27dBのクロストーク抑制が実現されている。
【0014】
非特許文献5は、ポリマー製およびシリカ製の熱光学デジタルスイッチにおける熱光学スイッチングの物理的形態および熱移送の綿密な分析を示している。概してポリマーでは、特にポリカーボネートおよびポリメチルメタクリレートでは、スイッチング電力を50〜100mWの範囲とし、最小限の屈折率ばらつき(約0.001)を実現するためには導波路のコアで温度を約10℃とすることが必要であることが知られている。
【0015】
非特許文献6は、光モニタタップに一体化された非対称DOS/VOA導波路を用いて作成されたポリマー製の旋回可能な光減衰器を開示している。ここでは、電力が供給されないときに減衰レベルが最小となるようにされている。
【0016】
非特許文献7は、モード分離器(mode splitter)および出力分割器(power divider)として用いるための非対称Y字型導波路を開示している。
【0017】
【特許文献1】米国特許第6,236,774号明細書(Lackritz et al)
【特許文献2】米国特許第5,623,566号明細書(Lee et al)
【非特許文献1】Jinguji et al, IEEE J Lightwave Technology 14(10), 2301-2310(1996)
【非特許文献2】Hida et al, IEEE Photonics Technology Letters 5(7), 782-784(1997)
【非特許文献3】Eldada et al, Proc. SPIE, vol. 3950, pp. 78-89(2000)
【非特許文献4】Moosburger et al, Proc. 21th Eur. Conf. on Opt. Comm, pp. 1063-1067(1995)
【非特許文献5】Diemeer, Optical Materials 9, 192-200(1998)
【非特許文献6】Lee et al, IEEE Photonics Technology Letters 11(5), 1999, pp. 590-592
【非特許文献7】Tamir et al, Guided Wave Optoelectronics, Springer-Verlag, 1988 pp. 121-125
【非特許文献8】L. Eldada, Opt. Eng. 40, 1165(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、Y字型のデジタル光スイッチおよび減衰器のデバイスに関し、停電時における光通信チャネルのセキュリティ性が高くなるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、Y字型のノーマルダーク・デジタル光スイッチまたはノーマルダーク可変光減衰器であるND−DOS/VOAであって、入力導波セグメント、出力導波セグメント、エグゾースト導波セグメント、遷移導波セグメント、該遷移導波セグメントと前記出力導波セグメントとに近接して配置されたヒータを具え、
前記遷移セグメントが前記入力導波セグメントと前記出力導波セグメントおよび前記エグゾースト導波セグメントとの間に配置され、
前記出力導波セグメントおよび前記エグゾースト導波セグメントが前記遷移導波セグメントに関して分岐して(divergingly)配置され、前記出力導波セグメントが前記入力導波セグメントの幅および高さの−50%から+100%の幅および高さであり、前記遷移導波エレメントが前記入力導波セグメントの長手軸に関して幾何学的に非対称であり、前記エグゾースト導波セグメントおよび前記出力導波セグメントの幅比が少なくとも2:1であることで特徴づけられ、
前記入力導波セグメント、前記出力導波セグメント、前記エグゾースト導波セグメントおよび前記遷移導波セグメントが有機ポリマーまたはシリカで構成され、前記入力導波セグメント、前記出力導波セグメント、前記エグゾースト導波セグメントおよび前記遷移導波セグメントが有機ポリマーで構成される場合には、さらに前記加熱手段および前記出力導波セグメント間で横方向にずれが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、停電時における光通信チャネルのセキュリティ性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0022】
本発明の目的に対し、「ノーマルダーク(normally dark;ND)のデジタル光スイッチ(DOS)」は電気的に制御される光信号デバイスであり、停電時に光信号の伝送を阻止するとともに、所定閾値をある程度超える電力が供給されたときに光信号の伝送を許容するものである。「ノーマルダークの可変光減衰器(VOA)」は電気的に制御される光信号デバイスであり、VOA機能を実行することに加えて、停電時に光信号の伝送を阻止する。
【0023】
本発明の重要な要素がY字型DOSおよびY字型VOAに等しく適用されるため、「ND−DOS/VOA」という用語が用いられるが、これはノーマルダークのY字型デジタル光スイッチまたはノーマルダークの可変光減衰器の双方を意味することを当業者は理解されたい。またこれとともに、DOSおよびVOAは、本発明の要素がいずれかに関連しているというよりも、使用の方法に関して異なっていることを理解されたい。DOSまたはVOAを明示して参照することが望ましい場合には、それぞれを明示するようにする。
【0024】
特に明記しない限り、「減衰」という用語は、電気信号が供給されないときの本発明のND−DOS/VOAの出力セグメントにおける光信号パワーの低減を言うものであることを理解されたい。「電気信号が供給されないとき」とは、主に「停電したとき」などである。
【0025】
本発明の目的に対し、「幅比」という用語は出力導波セグメントの幅に対するエグゾースト導波セグメントの最大幅の比を言うものとして用いられる。従って、例えば幅比5:1とは、出力導波セグメントの幅に対してエグゾースト導波セグメントの最大幅が5倍の大きさであることを意味する。
【0026】
本発明に従い、少なくとも10dB、好ましくは少なくとも20dB、最も好ましくは少なくとも40dBの減衰を行うND−DOS/VOAが設けられる。本発明の中心をなすものは、オン/オフスイッチとして動作することでND−DOS/VOA機能を実現する幾何学的に非対称のY字型光導波エレメントである。これは、停電時にはオフ(ブロック)モードとなる。そして、本発明のND−DOSの場合には、ND−DOS/VOAの近くに位置する少なくとも1つの熱光学的および/または電気光学的スイッチ電極に対し所定閾値の電力レベルを超える電気信号が供給されたときに、オン(伝送)モードとなる。「オン」状態では、Y字型ブランチの入力セグメントに入る光が伝送セグメントを通って出力セグメントに導かれ、これによって光信号の連続した伝送が許容される。「オフ」状態では、光信号は伝送セグメントを通ってエグゾーストセグメントに導かれ、出力セグメントのパワーの減衰は、少なくとも−10dB、好ましくは少なくとも−20dB、最も好ましくは少なくとも−40dBとなる。すなわち、ND−DOS/VOAの挿入損失が非常に高くなる。本発明の非対称Y字型ND−DOS/VOAはどのようなPLCにも配置可能であり、電力供給の停止時に光信号の伝送を阻止することができる。
【0027】
本発明のND−VOAの場合には、ND−DOSについて述べたところが次のように変更される。すなわち、ヒータに加えられる電力が「オン」状態に対する閾値パワーレベルと非通電の「オフ」状態との中間にあるものとすればよい。
【0028】
図1Aを参照するに、負の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの一実施形態が示されている。本発明は、入力導波セグメント1、出力導波セグメント2、エグゾースト導波セグメント3、遷移導波セグメント4、該遷移導波セグメント4のエグゾースト導波コンポーネントの左縁上部に配置されたヒータ5を具えている。ヒータ5は出力導波セグメントの内側縁に沿っているが、接触はしておらず、その上にあってギャップ6の分だけ横方向に離れている。図1Aでは、出力導波路の内側縁に正しく沿うヒータが示されているが、図示の経路から幾分それていてもよい。遷移セグメントは入力導波セグメント1、出力およびエグゾースト導波セグメント2,3間に配置され、出力導波セグメントおよびエグゾースト導波セグメントが遷移導波セグメントに関して分岐して(divergingly)配置されている。出力導波セグメントは前記入力導波セグメントの幅および高さの−50%から+100%の幅および高さをもつ。前記遷移導波エレメントは前記入力導波エレメントの長手軸に関して幾何学的に非対称であり、幅比は少なくとも2:1よりも大きい。
【0029】
図1Bは遷移導波セグメント4の断面図であり、クラッド7上に配置され、エグゾースト導波セグメント3のコア8の内側領域に直上にあるヒータ5が示されている。図1Bにはまたヒータ平面9が示され、出力導波セグメントのコア10の水平縁10はヒータ平面に近接している。
【0030】
本発明のND−DOS/VOAの各導波セグメントは、本発明の動作性を阻害しない範囲で組成および屈折率が異なったものとすることができる。しかし実際的な見地からは、本発明のND−DOS/VOA全体の各導波セグメントが単一の組成であることが好ましい。本発明のND−DOS/VOAはシリカまたは有機ポリマーで構成されたものとすることができる。好ましくは、本発明のND−DOS/VOAは有機ポリマーで構成される。
【0031】
本発明のND−DOS/VOAの出力導波セグメントは、入力導波セグメントと寸法および形状が等しい。出力導波セグメントの幅は、入力導波セグメントの幅の50%小から100%大までの範囲とすることができる。しかしながら、出力導波セグメントの寸法はは入力導波セグメントと等しいことが好ましい。
【0032】
本発明では、入力導波セグメントの長手方向軸に関して、遷移導波エレメントが幾何学的に非対称である。入力導波セグメントの長手方向軸は入来する光波の伝播方向に対応する。非対称とするレベルは、図1Cに示すように、入力導波路の、その端部における中心(A)と、遷移導波路の、その端部における中心(B)との間の横方向ずれ量d2によって決定される。本発明では、これによって測定されるずれ量が、入力導波セグメントの、その出力端における幅d1の少なくとも3倍、好ましくは少なくとも10倍となっている。
【0033】
さらに本発明では、先に定義したように、幅比が2:1以上、好ましくは少なくとも5:1、より好ましくは少なくとも15:1、最も好ましくは少なくとも25:1となっている。
【0034】
代表的な実施形態において、本発明のND−DOS/VOAの導波セグメントのコアおよびクラッドの屈折率は全体的に均等であり、コアの屈折率はクラッドより約0.5%高くなっている。この実施形態では、本発明を実現するにあたり、幅比が少なくとも5:1、より好ましくは少なくとも15:1、最も好ましくは少なくとも25:1であることがわかった。
【0035】
他の実施形態では、コアおよびクラッド間の屈折率の差を0.5%より大きくし、幅比が2:1程度と低い場合にも十分な信号減衰の実現が可能となるようにした。加えて、エグゾースト導波セグメントが、そのコアの屈折率が出力導波セグメントより高くなるように作成されているとすれば、そのような実施形態では十分な信号減衰に必要な幅比を2:1から5:1の範囲で実現することができる。
【0036】
図1Aにおいて符号5で示す加熱エレメントは、遷移導波セグメント4および出力導波セグメント2の近傍に配置されている。加熱エレメントは、熱光学効果による屈折率変化を生じさせるために導波コアを加熱するのに用いられる。
【0037】
図1Aから1Cに示した実施形態では、加熱エレメントは、少なくとも、ヒータが駆動された場合の導波モード(guided mode)のモードフィールド直径(mode field diameter)によって定まる距離だけ、出力導波セグメントのコアの中心軸から離れて配置されている。加熱エレメントは好ましくは導波路の上部(top)または底部に配置される。「導波路の上部」とはチップ支持体からの距離が導波路コアがある位置よりも遠くに配置されることを意味し、一方「導波路の底部」とはチップ支持体からの距離が導波路コアがある位置よりも近くに配置されることを意味する。底部にヒータを配置することが好ましい。
【0038】
導波材の熱光学係数の符号に従い、ヒータは次の位置の1つに配置される。図1A〜1Cに示された有機ポリマーなどのように、導波材が負の熱光学係数を有している場合、すなわちdn/dT<0(nは屈折率、Tは温度)の場合、加熱エレメントはエグゾースト導波セグメントの内側部分に沿って遷移セグメントの上部または底部に好ましく配置される。ここで、加熱エレメントは遷移セグメントの外側端から距離d3(図1C)だけ離れている。これはすなわち、少なくとも入力または出力セグメントの幅d2よりは小さいが、入力または出力セグメントの幅に、ヒータ平面9および導波コアの水平端10間の距離d4(図1B)の10倍を加えた量以下である。
【0039】
負の熱光学係数を持つ導波材とともに用いて好適な本発明の他の実施形態が図1A〜1Cおよび図2A〜2Fに示されている。図1は本発明のND−DOSの一実施形態を示し、ここでは平行四辺形状のエグゾースト導波セグメントが出力導波セグメントの2倍の幅となっている。図2Aは、伝播方向においてエグゾースト導波セグメントの幅が線形かつ単調に増大するようにした実施形態を示している。図2Bは、エグゾースト導波セグメントが遷移導波セグメントの部分において切り欠かれ(clip)、光ビームが分岐時に大きく突き当たらないようにした実施形態を示している。図2Cは、図2Bと同様の実施形態であるが、2つのアームが交わるポイントから横方向に切り欠きが始まるようにした極端な場合である。図2Dは、エグゾースト導波セグメントの端部がPLCチップの手前にあり、傾けたミラー12などの構造物を端部に配置できるようにした実施形態である。当該構造物はエグゾースト導波セグメントからの出射光をPLCからそらし、支持体に向かうよう、あるいは覆っている媒体(通常空気またはその他の気体、あるいは真空)に向かうようにするものである。図2Eおよび2Fは本発明のND−DOS/VOAのさらなる実施形態であり、本発明のND−DOS/VOAを構成するコンポーネントである導波セグメントおよびヒータは滑らかに湾曲している。
【0040】
図3Aはシリカ(これに限られるものではない)など正の熱光学係数をもつ、すなわちdn/dT>0であることに特徴がある材料を用いて好適な本発明のND−DOS/VOAの実施形態を示す。本実施形態において、加熱エレメントは、図3Bに示すように遷移導波セグメントの上部に配置され、遷移セグメントの出力領域上、入力/出力の幅に等しい(または、これらの幅が等しくない場合には入力幅と出力幅との間の)幅の範囲の内側に配置されている。
【0041】
本発明のND−DOS/VOAは、チップマウントタイプの光導波路を調製するのに好適な、技術分野においてよく知られたいかなるプロセスによっても作製することができる。ND−DOS/VOAが有機ポリマーで作成される場合、特に有効なものは、非特許文献8に記載されたような、好ましい光透過性をもつフォトレジストポリマー(suitably transparent photoresistive polymer)に適用されるダイレクト・フォトリソグラフィプロセスである。導波路を形成するのにフォトレジストポリマー自体を利用できるので、技術分野の他のプロセスで要しているイオンエッチング工程は不要である。リアクティブ・イオン・エッチングが導波路壁に条線を生じさせることが知られており、これは分散損失および偏向従属損失(polaraization dependent loss;PDL)の悪化につながる。分散損失およびPDLは、ダイレクト・フォトリソグラフィを用いることで最小限にされる。非特許文献8に教示されたプロセスによって得られた導波路はグレーデッド・インデックス・ポリマー導波路であり、伝播信号の分散損失およびPDLを低減できるものである。
【0042】
シリカまたはドープ・シリカ(doped silica)で構成される本発明のND−DOS/VOAを調製するには、リアクティブ・イオン・エッチングを含め、他のフォトリソグラフィ法が好適である。
【0043】
技術分野においては、有機ポリマーについてのdn/dTの絶対等級(absolute magnitude)は、ほぼ等級オーダで無機ガラスのそれを超えていることが知られている。この理由により、有機ポリマーを用いる実施形態が好ましい。しかしながら、半導体および無機ガラス、特にシリカやシリコンなどの無機材料で作成されたY字型ブランチも本発明の範囲にある。
【0044】
ここで述べる代表的な実施形態では、ND−DOS/VOAの全長は2.5〜5mmの範囲であり、遷移導波セグメントは1.5〜2.5mmの範囲である。入力および出力導波セグメントのコアの幅(上から見下ろした場合の)は5〜10μmの範囲であり、遷移セグメントのコアの幅(上から見下ろした場合の)は10〜200μmの範囲である。エグゾースト導波セグメントの屈折率については、出力導波セグメントと等しくするか、または0.05程度大とすることができる。非通電状態で40dBの信号減衰を実現するのに要する幅比は、屈折率が増すほど減らされる。幅比は、遷移導波セグメントの長さの増大とともに屈折率の増大にも従うものである。
【0045】
本発明は、技術分野において知られたような適宜のいかなる加熱手段とともに実施可能である。これは、誘導加熱、放射加熱および電気抵抗加熱を含むことができる。実装の容易化の観点からは、電気抵抗加熱が好ましい。電気抵抗加熱は技術分野においてよく知られた手段によって実現可能である。一法としては、所望のヒータ形状を得るためのマスクを用いて導波路上に金属ストリップをスパッタコーティングするものが挙げられる。出力ブランチの全長にわたる表面上にヒータを配置しない場合には、直下にコアが無いチップのオーバークラッドの部分の上にヒータを配置する。
【0046】
あるいは、蒸着その他の金属堆積プロセスにてヒータを形成してもよい。本発明による電気抵抗加熱に適切な金属にはクロム、チタン、アルミニウム、ニッケル、金、プラチナなどが含まれるが、これらに限られるものでもない。好ましいものはクロム、チタン、ニッケルおよび金である。
【0047】
Y字型ブランチの全長寸法を超えるものでない限り、および本発明の目的を達成するのに必要な局部加熱を行うものである限り、ヒータストリップのサイズについては特に制限はない。しかし、2〜3mmのヒータ長、3〜30μmの範囲、より好ましくは5〜15μmの範囲のヒータ幅、0.05〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μmのヒータ厚とすることが好ましい。
【0048】
本発明を実現するについて、伝播方向に沿ったヒータ長の1mmあたり10〜100mWの電力レベルとすることが、−2〜−5×10-4/℃の範囲のdn/dTをもつことに特徴があるポリマーのスイッチングを行うのに効果的であることがわかった。かかるポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリフルオロアクリレートおよびポリクロロアクリレートなどが挙げられるが、これらに限られるものでもない。−0.5〜−2×10-4/℃の範囲のdn/dTをもつことに特徴があるポリマーに対しては、伝播方向に沿ったヒータ長の1mmあたり30〜300mWの電力レベルとすることが効果的であることがわかった。かかるポリマーの例としては、ポリカーボネートおよびポリメチルメタクリレートなどが挙げられるが、これらに限られるものでもない。本発明の代表的な実施形態では、導波路全体が同じ重合体系で作成されている。
【実施例】
【0049】
Y字型ND−DOSは、シリコンウェハ上の熱光学ポリマー(thermo-optic polymer)導波路として設計され、製造された。図2Fの設計が製造に用いられた。出力導波路セグメントは2cmの曲率半径および7μmの幅を有していた。エグゾースト導波セグメントは本質的に均一の幅200μmを有していた。出力導波路セグメントおよびエグゾースト導波路セグメントの内側端の間の初期のアーム分離角は3.5度であった。
【0050】
94重量%のエトキシル化(ethoxylated)ペルフルオロポリエーテル・ジアクリレート(MW1100)、4重量%のジトリメチロールプロパン・テトラアクリレート、および、チバ・ガイギー社から入手可能な光開始剤である2重量%のDarocur 1173を組み合わせることで、B3で表される組成を準備した。
【0051】
98重量%のエトキシル化(ethoxylated)ペルフルオロポリエーテル・ジアクリレート(MW1100)および2重量%のDarocur 1173を組み合わせることで、BF3で表される組成を準備した。
【0052】
91重量%のエトキシル化(ethoxylated)ペルフルオロポリエーテル・ジアクリレート(MW1100)、6.5重量%のジトリメチロールプロパン・テトラアクリレート、2重量%のDarocur 1173、および、チバ・ガイギーから入手可能な別の光開始剤である0.5重量%のDarocur 4265を組み合わせることで、C3で表される組成を準備した。
【0053】
6インチの酸化シリコン基体をKOHにより清浄化し、(3−アクリルオキシプロピル)トリクロロシラン(Gelest社)を用いて処理した。そのように準備したウェハの中心5インチの領域に、ネガティブトーン感光性モノマーを用いて、ポリマー導波路を以下の方法で形成した。すなわち、ウェハ上に2mlのBF3成分をデポジットし、CEE-100スピンコータ(Brewer Scientific社)上で13秒間、1000rpmで回転させ、10μm厚のBF3アンダークラッド層を形成した。そのように準備したコート済み基体を、0.02Torrの窒素雰囲気内で1000Wの水銀灯からの350nmのUV光(Hg−iライン)を用いて処理した。かかる層に適用したのと同様の方法で、成分C3の7μm厚のコア層をデポジットした。
【0054】
1000Wの水銀灯から350nmのUV光(Hg−iライン)を暗視野(dark-field)フォトマスクを通して照射し、エチルアセテート(HPLC等級、Fisher Scietific社)を用いて非露光領域を現像することで、本発明のND−DOSのY字型ブランチをパターニングしてコーティングした。パターニングしたウェハ上にB3の成分を3ml置き、CEE-100スピンコータ上で14秒間、700rpmで回転させ、17μm厚のB3のオーバークラッド層を形成した。そのように準備したコート層を、大気圧の窒素雰囲気内で、1000Wの水銀灯からのHg−iラインを用いて処理した。
【0055】
幅8μm、長さ2.44mmおよび厚み0.3μmをもち、29.5μmの遷移導波セグメントの外側面の外側縁から横方向に分離するヒータを、金属であるニッケルの層、続いて金の層をポリマーコーティングされたウェハ上にスパッタ堆積することで形成し、2層ヒータスタックを形成した。そのように形成されたヒータスタックを、ポジ型フォトレジストおよび明視野(clear-field)フォトマスク(Shipley社から入手可能なType 1808)を用いてパターニングし、続いて酸エッチング法を用いることで、ヒータおよび相互接続/ワイヤボンディングパッドのベースを形成した。チタンの層、続いて金の層からなる電気めっきベースをヒータスタック上部にスパッタ堆積し、スピンコート法によりフォトレジスト(Shipley社のSJR5740)を塗布した。暗視野フォトマスクを用いたUV露光を相互接続/ワイヤボンディングパッドのベースに対して施した。最後に、ポジ型フォトレジストを現像し、前記電気めっきベースに酸エッチングを施し、ND−DOS/VOAをもつチップのあるウェハを得た。そのように準備されたウェハは、同じデザインの、中心間距離が250μmの8個のND−DOS/VOAを有するものであった。チップ内に形成された8個のND−DOS/VOAのすべてが、停電時に40dB減衰を超えるデジタルスイッチング性能を示した。8個のND−DOS/VOAの1つについて実験で得た伝送曲線を図4に示す。これは、ヒータ電力ゼロで40dBを超える減衰を示しており、従ってND特性が実証された。「デジタル」性能は、デバイスがND−DOSとして使用されるときに特に有効なものであるが、70mW以上の本質的に一定のヒータ電力が加えられたときに最高の伝送性を示すものであることに注意されたい。以上のように作成されたND−DOS/VOAはまた、波長(□)依存性も低いものであった。
【0056】
以上のように作成された8個のND−DOS/VOAで得られた減衰のデータを表1に示す。これは、8個のデバイスのすべてについて、49.4dBを超える受動的(電力がないことを示す)減衰が得られたことを示している。観測される減衰には製造プロセスにおけるばらつきが関与している可能性があるが、測定技術も少なくとも同程度関与している可能性がある。
【0057】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1A】負の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの一実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す上面(top-down)図である。
【図1B】図1Aに示した実施形態の遷移導波エレメントの断面図である。
【図1C】図1Aと同じ実施形態であり、遷移導波エレメントの非対称性を特徴づけるのに用いられるパラメータを示す図である。
【図2A】負の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの他の実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す上面図である。
【図2B】は負の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの他の実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す上面図である。
【図2C】負の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの他の実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す上面図である。
【図2D】負の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの他の実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す上面図である。
【図2E】負の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの他の実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す上面図である。
【図2F】負の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの他の実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す上面図である。
【図3A】正の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの一実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す上面図である。
【図3B】正の熱光学係数をもつ導波材を具えた本発明のND−DOS/VOAの一実施形態であり、コンポーネント配置を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 入力導波セグメント
2 出力導波セグメント
3 エグゾースト導波セグメント
4 遷移導波セグメント
5 ヒータ
6 ギャップ
7 クラッド
8 コア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Y字型のノーマルダーク・デジタル光スイッチまたはノーマルダーク可変光減衰器であるND−DOS/VOAであって、入力導波セグメント、出力導波セグメント、エグゾースト導波セグメント、遷移導波セグメント、該遷移導波セグメントと前記出力導波セグメントとに近接して配置されたヒータを具え、
前記遷移セグメントが前記入力導波セグメントと前記出力導波セグメントおよび前記エグゾースト導波セグメントとの間に配置され、前記出力導波セグメントおよび前記エグゾースト導波セグメントが前記遷移導波セグメントに関して分岐して配置され、前記出力導波セグメントが前記入力導波セグメントの幅および高さの−50%から+100%の幅および高さであり、
前記遷移導波エレメントが前記入力導波セグメントの長手軸に関して幾何学的に非対称であり、
前記エグゾースト導波セグメントおよび前記出力導波セグメントの幅比が少なくとも2:1であることで特徴づけられ、
前記入力導波セグメント、前記出力導波セグメント、前記エグゾースト導波セグメントおよび前記遷移導波セグメントが有機ポリマーまたはシリカで構成され、前記入力導波セグメント、前記出力導波セグメント、前記エグゾースト導波セグメントおよび前記遷移導波セグメントが有機ポリマーで構成される場合には、さらに前記加熱手段および前記出力導波セグメント間で横方向にずれが設けられていることを特徴とするND−DOS/VOA。
【請求項2】
ノーマルダーク・デジタル光スイッチの形態である請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項3】
前記幅比が少なくとも5:1である請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項4】
前記幅比が少なくとも15:1である請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項5】
前記幅比が少なくとも25:1である請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項6】
前記ヒータが電気抵抗ヒータである請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項7】
有機ポリマーで構成されてなる請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項8】
前記入力導波セグメントの、その出力端における幅の少なくとも3倍、前記遷移導波セグメントが横方向にシフトされている請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項9】
前記横方向のシフトの量は、前記入力導波セグメントのその出力端における幅の少なくとも10倍である請求項7のND−DOS/VOA。
【請求項10】
それぞれの前記導波セグメントがコアおよびクラッドを有し、該コアおよびクラッドの屈折率が全体を通じて均一である請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項11】
それぞれの前記導波セグメントがコアおよびクラッドを有し、前記エグゾースト導波セグメントのコアの屈折率が前記出力導波セグメントのコアの屈折率より高くなっている請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項12】
前記遷移導波セグメントが1.5〜2.5mmの長さをもつことで特徴づけられている請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項13】
前記遷移導波セグメントが、10〜200μmの幅をもつコアによって特徴づけられている請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項14】
前記エグゾースト導波セグメントが平行四辺形状である請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項15】
伝播方向において前記エグゾースト導波セグメントの幅が線形かつ単調に増大するようにした請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項16】
前記エグゾースト導波セグメントが前記遷移導波セグメントの部分において切り欠かれている請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項17】
前記エグゾースト導波セグメントは、これが取り付けられるPLCチップの手前に端部を有している請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項18】
前記エグゾースト導波セグメントの端部に傾斜ミラーを具えた請求項17のND−DOS/VOA。
【請求項19】
前記エグゾースト導波セグメントが、湾曲した側部をもつことで特徴づけられる請求項1のND−DOS/VOA。
【請求項20】
導波セグメント要素である前記エグゾースト導波セグメントおよびヒータが滑らかに湾曲している請求項1のND−DOS/VOA。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2006−72369(P2006−72369A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−254925(P2005−254925)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】