説明

ハリケーン抵抗性複合材料

窓又はドアなどの、建築物の開口部用のカバーとして可撓性性のある複合材ファブリックを使用する。かかる複合材ファブリックは、ハリケーン級の風やそれに付随する飛散物から開口部を保護する。かかる複合材ファブリックは、高靭性ポリオレフィン繊維から構成されるファブリックの少なくとも1つの層と、プラスチックフィルムの少なくとも1つの層から形成される。かかるフィルムは、該高靭性ポリオレフィン繊維ファブリックの少なくとも1つの表面に付着される。かかるファブリック層及びフィルム層は各々、建築物の開口部に光を入れるのに充分に半透明である。かかるファブリック層は、強い風と飛散物からの衝撃に対する保護を提供し、かかるフィルム層は、風によって強くなる雨などの水に対する不浸透性のバリアを提供する。接着剤を使用して、ファブリック層とフィルム層の間の結合を強化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハリケーンや同様の現象に起因する強い風と、それに付随して飛散する物体からの衝撃によって引き起こされる損傷から不動産を保護するためのバリア材料に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の開口部(窓、ドア、スライドガラスドアなど)をハリケーンや同様の事象に付随する強い風と飛散物の影響から保護するために、種々の道具や材料が提案されており、そのうちいくつかは現在利用されている。もっとも簡単な形態では、合板のシートが使用されており、これは窓やドアのカバーとして建築物にくぎで打ち付けるか又はねじで取り付ける。使用者は、合板シートを適切な開口部の寸法にカットして設置する必要がある。合板構造は、そのかさ高さと重量のために、典型的には、ハリケーンや同様な事変が差し迫っているときにのみ設置される。ハリケーン等の間、合板は光が建築物に入るのを完全にシャットアウトする。ハリケーンの間は電気がたびたび遮断されるので、覆われた窓やドアにより洞窟のような効果がいっそう高くなり、これは建築物の居住者にとって居心地が悪い。合板シートは、損傷の脅威が過ぎ去ったあとには、手で取り外す必要がある。固定のためのシステム(くぎ等)は、建築構造物に損傷を与える原因ともなる。
【0003】
しばらくの間使用されてきた別の開口部保護システムは、波状鋼板、アルミニウムパネル、又は他の金属パネルという複数のものである。これらのパネルは通常、その周縁部に沿っていくつかの穴が設けられ、ねじで位置決めするように適合されており、保護すべき開口部を囲むように建築物に固定される。典型的には、蝶ナットを使用して金属パネルをねじに固定し、ねじ−蝶ナットのアセンブリと少なくとも部分的に窓又はドアを囲むレールとの組み合わせによりパネルを所定の位置に保持する。合板と同様に、これらのパネルは通常非常に重い。また、これらはハリケーン事象の前に取り付け、その後に取り外す必要がある。また、合板システムと同様に、これらの金属パネル又は「シャッター」は、所定の位置に取り付けた場合に殆ど完全に外部から遮断する。加えて、これらは、必要な場合にパネルをすぐに調達できる場所に保管しなければならない。このように、金属シャッターは、ハリケーンの影響に対して有効な保護を提供するが、不都合な点ももたらす。
【0004】
ハリケーンに対する保護を提供すると同時に建築物に光をもたらすために使用されているひとつのシステムは、ポリカーボネートで形成されたものなどの、重質プラスチックの波形シートである。これらのシートは、典型的には、金属パネルと同様なやり方で取り付ける。これらは重く、取り付けるのが厄介で、またかなりの保管スペースを必要とする。金属パネルとプラスチックパネルの組み合わせは、米国特許第6,615,555号にも示唆されている。
【0005】
別のタイプの保護デバイスは、相互に接続した金属の細長い薄板から形成されたフレキシブルな金属シャッターである。これらのシャッターは、手動で、又は電気的に作動することができ、建築物に永久に取り付けるものである。これらは、巻き上げるように、又はアコーディオンのようなやり方で横方向に開くように、適合されている。これらの構造は許容可能な保護を提供するが、保護する状態にあるときには同様に殆ど光を透過させない。また、これらのシステムは最も費用がかかる傾向がある。
【0006】
更に別の保護システムは、プラスチックを被覆したポリエステル材料からつくられた被覆されたファブリックである。被覆されたファブリックは、典型的には、風や飛散物による損傷に対して必要な保護を与えるために実質的に厚い。かかるファブリックは、その周囲に沿ってグロメットが提供される。ファブリックは、通常ねじを用いて建築物に固定され、ねじは建築物と蝶ナット留め具に取り付けられる。これらのファブリックは重く、取り付けるのが困難で、保管するには比較的かさばる。また、これらは、取り付けた場合に充分な光を透過させない。
【0007】
他のファブリック保護システムは、例えば、本明細書と矛盾しない範囲でその開示を参照により本明細書中に援用する、米国特許第6,176,050号;第6,263,949号;第6,851,464号;及び第6,886,300号、並びに以下の米国特許出願公開第2003/0079430号;第2004/0154242号;及び第2004/0221534号に開示されている。
【0008】
しかし、これまでに提案されたものよりよいシステムを提供する必要性がなお存在する。軽量で、光が入るのを可能にし、強い風と付随する飛散物に対して必要な保護を提供する、建築物を保護するためのバリアデバイスを提供することは望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,615,555号
【特許文献2】米国特許第6,176,050号
【特許文献3】米国特許第6,263,949号
【特許文献4】米国特許第6,851,464号
【特許文献5】米国特許第6,886,300号
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0079430号
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0154242号
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0221534号
【発明の概要】
【0010】
本発明にしたがえば、少なくとも一つの開口部を有する建築物であって、前記開口部が、前記開口部を覆う可撓性のある複合材ファブリックによりハリケーン級の風とそれに付随する飛散物から保護されており、前記可撓性のある複合材ファブリックが、
(a)高靭性ポリオレフィン繊維を含む少なくともひとつのファブリック層、及び
(b)前記高靭性ポリオレフィン繊維ファブリックの一表面に付着した少なくともひとつのプラスチックフィルム層
を含み、
前記ファブリック層及び前記フィルム層がそれぞれ、前記建築物の前記開口部に光を入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と投射物からの衝撃に対する保護を提供し、そして前記フィルム層が、水に対して不浸透性のバリアを提供し、それにより、前記開口部を、ハリケーン級の風とそれに付随する飛散物に対して保護する、前記建築物が提供される。
【0011】
また、本発明にしたがえば、開口部と保護スクリーニングカバーリングとを有する建築物であって、前記スクリーニングが可撓性のある複合材ファブリックを含み、前記ファブリックが、
(a)高靭性ポリオレフィン繊維を含む少なくともひとつのファブリック層、及び
(b)前記高靭性ポリオレフィン繊維ファブリックの一表面に付着した少なくともひとつのプラスチックフィルム層
を含み、
前記ファブリック層及び前記フィルム層がそれぞれ、前記建築物の前記開口部に光を入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と投射物からの衝撃に対する保護を提供し、そして前記フィルム層が、水に対して不浸透性のバリアを提供し、それにより、前記開口部を、ハリケーン級の風とそれに付随する飛散物に対して保護する、前記建築物が提供される。
【0012】
更に、本発明にしたがえば、建築物の開口部をハリケーン級の風とそれに付随する飛散物から保護するための方法であって、前記建築物の開口部のためのスクリーンニングを提供することを含み、前記スクリーニングが前記開口部を覆う可撓性のある複合材ファブリックを含み、前記可撓性の複合材ファブリックが、
(a)高靭性ポリオレフィン繊維を含む少なくともひとつのファブリック層、及び
(b)前記高靭性ポリオレフィン繊維ファブリックの一表面に付着した少なくともひとつのプラスチックフィルム層
を含み、
前記ファブリック層及び前記フィルム層がそれぞれ、前記建築物の前記開口部に光を入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と投射物からの衝撃に対する保護を提供し、そして前記フィルム層が、水に対して不浸透性のバリアを提供し、それにより、前記開口部を、ハリケーン級の風とそれに付随する飛散物に対して保護する、前記方法が提供される。
【0013】
また、更に本発明にしたがえば、建築構造物において、窓、ドア、スライドガラスドアなどの少なくともひとつの開口部を覆うため、かつ、前記開口部をハリケーン級の風とそれに付随する飛散物から保護するための軽量の暴風雨カーテンであって、前記暴風雨カーテンは次のもの:
(a)可撓性のある複合材ファブリックであって、
(i)第一表面及び第二表面を有する、少なくともひとつのファブリックのベース層であって、前記ファブリックは伸びきり鎖(extended chain)ポリエチレン繊維を含む糸で形成され、前記糸は約50〜約5000の範囲のデニールを有する、前記ベース層と、
(ii)実質的に透明なプラスチックフィルムの少なくともひとつの防水層であって、前記プラスチックフィルムは第一表面及び第二表面を有する、前記防水層と、
(iii)前記ベース層の前記第一表面及び前記第二表面のうち一方を前記プラスチックフィルムの前記第一表面及び前記第二表面のうち一方に結合する少なくともひとつの接着剤層と、を含み、
(iv)前記複合材ファブリックの全重量が約2〜約30オンス/平方ヤード(67.8〜1017g/m)の範囲であり、前記複合材ファブリックの全厚さが約6〜約60ミル(150〜1500μm)の範囲である、前記複合材ファブリック;及び
(b)前記開口部を覆うように前記複合材ファブリックを前記建築構造物に取り外し可能に接続する固定器具
を含み、
前記複合材ファブリック層が、前記建築構造物の前記開口部に光を少なくとも約60%入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と投射物からの衝撃に対する保護を提供し、強い風と飛散物からの衝撃に対する保護を提供し、かつ、水に対するバリアを提供する、前記暴風雨カーテンが提供される。
【0014】
更に本発明にしたがえば、建築構造物において、窓、ドア、スライドガラスドアなどの少なくともひとつの開口部を覆うため、かつ、前記開口部をハリケーン級の風とそれに付随する飛散物から保護するための軽量の暴風雨カーテンであって、前記暴風雨カーテンは次のもの:
(a)可撓性のある複合材ファブリックであって、
(i)第一表面及び第二表面を有する、編んであるファブリックのベース層であって、前記編んであるファブリックは伸びきり鎖ポリエチレン繊維を含む糸で形成され、前記糸は約650〜約3000の範囲のデニールを有する、前記ベース層と、
(ii)実質的に透明なポリエチレンフィルムの防水層であって、前記ポリエチレンフィルムは第一表面及び第二表面を有する、前記防水層と、
(iii)前記ベース層の前記第一表面及び前記第二表面のうち一方を前記ポリエチレンフィルムの前記第一表面及び前記第二表面のうち一方に結合するエチレンビニルアセテート接着剤層と、を含み、
(iv)前記複合材ファブリックの全重量が約2〜約30オンス/平方ヤード(67.8〜1017g/m)の範囲であり、前記複合材ファブリックの全厚さが約6〜約60ミル(150〜1500μm)の範囲である、前記複合材ファブリック;及び
(b)前記開口部を覆うように前記複合材ファブリックを前記建築構造物に取り外し可能に接続する固定器具
を含み、
前記複合材ファブリック層が、前記建築構造物の前記開口部に光を少なくとも約75%入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と飛散物からの衝撃に対する保護を提供し、かつ、水に対するバリアを提供する、前記暴風雨カーテンが提供される。
【0015】
本発明は、更に、軽量であり、したがって取り付けるのが容易で保管するのにかさばらない、保護バリアシステムを提供する。複合材による構造は、ハリケーン級の風に対する必要な保護を提供するのに充分な強度を有するが、また、有意な量の光も透過させる。それゆえに、ハリケーンが通過した後、すぐに窓、ドア、及びスライドガラスドアなどから取り外す緊急性は少ない。かかる構造は、可撓性があり、ロールの形態、又はシートの形態にすることができる。また、かかる構造は耐水性であり、強い風による水から衝撃を受けることができる。また、かかる構造は、ファブリック層をフィルム層に結合する結合層を含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のハリケーン抵抗性の複合材構造は、高強度ポリオレフィンファブリックの少なくともひとつの層と、それにくっ付けられた少なくともひとつのプラスチックフィルムとを含む。高強度ポリオレフィンファブリックとプラスチックフィルムの間の接着を強めることが要求される場合は、接着層又は結合層を使用してもよい。
【0017】
高強度ポリオレフィンファブリック層(単数又は複数)は、高靭性ポリオレフィン繊維、好ましくは、高靭性ポリエチレン繊維及び/又は高靭性ポリプロピレン繊維から形成される。本発明の目的のために、繊維は、その長さの寸法が幅や厚みの横方向の寸法よりもはるかに大きい、細長い物体である。したがって、繊維という用語は、モノフィラメント、マルチフィラメント、リボン、ストリップ、短繊維、及び、規則的若しくは不規則的な断面を有する、刻まれた、切断された、又は不連続の繊維などの他の形態を含む。「繊維」という用語は、前述のうちいずれかのものを複数、又はその組み合わせを含む。糸は、多くの繊維又はフィラメントから形成された連続的なより糸である。
【0018】
本明細書中で使用するように、「高靭性繊維」とは、約7g/dと等しいか又はそれより大きい靭性を有する繊維を意味する。好ましくは、これらの繊維は、少なくとも約150g/dの初期引張係数と、ASTM D2256により測定して少なくとも約8J/gの破断エネルギー(energies-to-break)を有する。本明細書中で使用するように、「初期引張係数」「引張係数」及び「係数」という用語は、糸についてASTM 2256により、エラストマー又はマトリックス材料についてASTM D638により測定する弾性の係数を意味する。
【0019】
好ましくは、高靭性繊維は、約10g/dと等しいか又はそれより大きい、より好ましくは、約15g/dと等しいか又はそれより大きい、更により好ましくは、約20g/dと等しいか又はそれより大きい、最も好ましくは、約25g/dと等しいか又はそれより大きい靭性を有する繊維を意味する。
【0020】
本発明において有用な繊維の断面は、広く変化することができる。これらの繊維は、断面が円形、平坦(flat)、又は矩形であることができる。また、これらの繊維は、フィラメントの直線軸又は縦軸から突出している規則的又は不規則的な突出物をひとつ又は複数有する、不規則的又は規則的な多突出物断面であることができる。繊維は、実質的に円形、平坦、又は矩形の断面をもつものであることが特に好ましく、最も好ましくは、繊維は実質的に円形断面をもつものである。
【0021】
糸は、例えば、約50〜約5000デニール、より好ましくは約200〜約5000デニール、更により好ましくは約650〜約3000デニール、最も好ましくは約800〜約1500デニールなどの任意の適するデニールのものであればよい。
【0022】
本発明のファブリックは、高靭性のポリオレフィン繊維、最も好ましくは高靭性の伸びきり鎖ポリエチレン繊維から形成された、織ってあるファブリック、編んであるファブリック、又は織っていないファブリックの形態であればよい。好ましくは、ファブリックにおける繊維の少なくとも約50重量%はそのような高靭性の繊維であり、より好ましくは、ファブリックにおける繊維の少なくとも約75重量%はそのような高靭性の繊維であり、最も好ましくは、ファブリックにおける繊維のすべてがそのような高靭性の繊維である。最も好ましいのは、すべての繊維が高靭性ポリオレフィン繊維であるファブリックである。ファブリック構成における残りの繊維は、任意の適する他の高靭性合成繊維(例えば、アラミド、ポリビニルアルコール、ポリベンザゾール、ポリアクリロニトリル、液晶コポリエステル、剛質棒状繊維など、並びに、これらのうちひとつ以上のブレンド)、又は、ポリエステル繊維若しくはナイロン繊維などの他の熱可塑性繊維であることができる。別の態様では、非熱可塑性の繊維をファブリックにおいて高靭性ポリオレフィン繊維と一緒に使用してもよい。そのような他の繊維の例としては、金属繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、グラファイト繊維などが挙げられる。
【0023】
糸は、本質的には平行の配列(一定方向に配列)であってもよく、又は、糸は、ねじれた、オーバーラップした、若しくはもつれたものであってもよい。本発明のファブリックは、縦方向と横方向とで、又は他の方向において、異なる繊維を有する糸により織られたものであってもよい。
【0024】
本発明において使用されるファブリックにおいて有用な高強度繊維は、高靭性ポリエチレン繊維及び/又は高靭性ポリプロピレン繊維を含む高靭性ポリオレフィン繊維である。高靭性ポリエチレン繊維は、伸びきり鎖ポリエチレン繊維であり、これは高配向高分子量ポリエチレン繊維とも呼ばれる。
【0025】
米国特許第4,457,985号は、一般的には、かかる高分子量のポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維を論じており、この特許の開示は、本明細書と矛盾しない範囲で参照により本明細書中に援用する。ポリエチレン繊維の場合、適する繊維は、少なくとも約150,000、好ましくは少なくとも約1,000,000、より好ましくは約2,000,000〜約5,000,000の重量平均分子量をもつものである。かかる高分子量ポリエチレン繊維は溶液中で紡いでもよく(米国特許第4,137,394号及び米国特許第4,356,138号を参照)、又は、溶液からフィラメントを紡いで、ゲル構造を形成してもよく(米国特許第4,413,110号、ドイツ公報(German Off.)第3,004,699号、及びドイツ特許第2051667号を参照)、又は、ポリエチレン繊維は、圧延・延伸法により製造してもよい(米国特許第5,702,657号参照)。本明細書中で使用するように、ポリエチレンという用語は、主に、直線状のポリエチレン材料を意味し、少量の鎖分岐又は主鎖炭素原子100個あたり修飾単位が5個を超えないコポリマーを含有してもよく、また、アルケネルポリマー(alkene-l polymers)、特に、低密度のポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブチレン、主モノマーとしてモノオレフィンを含有するコポリマー、酸化されたポリオレフィン、グラフトポリオレフィンコポリマー、及びポリオキシメチレンなどの高分子添加剤、あるいは、抗酸化物質、潤滑剤、紫外線スクリーニング剤、着色剤、などの低分子量の添加剤(これらは一般に組み込まれる)のうち1種又はそれより多くを約50重量%以下含有してもよいポリエチレン材料を意味する。
【0026】
高靭性ポリエチレン繊維は商業的に入手可能であり、アメリカ合衆国ニュージャージー州モリスタウンのハネウェル・インターナショナル・インクによりSPECTRA(登録商標)の商標で販売されている。
【0027】
形成手法、延伸比、及び温度、並びに他の条件に依存して、種々の特性をこれらの繊維に付与することができる。ポリエチレン繊維の靭性は、少なくとも約7g/d、好ましくは少なくとも約15g/d、より好ましくは少なくとも約20g/d、更により好ましくは少なくとも約25g/d、最も好ましくは少なくとも約30g/dである。同様に、繊維の初期引張係数は、インストロン引張試験機により測定して、好ましくは少なくとも約300g/d、より好ましくは少なくとも約500g/d、更により好ましくは少なくとも約1,000g/d、最も好ましくは少なくとも約1,200g/dである。初期引張係数及び靭性についてこれらの最も高い値は、一般に、溶液成長法又はゲル紡糸法を使用することによってのみ得られる。フィラメントの多くは、それらが形成されたポリマーの融点よりも高い融点を有する。したがって、例えば、約150,000、約1,000,000、及び約2,000,000の分子量をもつ高分子量ポリエチレンは、一般的に、138℃のバルクの融点を有する。これらの材料からつくられた高配向ポリエチレンフィラメントは、約7℃〜約13℃高い融点を有する。したがって、融点のわずかな増加が、結晶の完成と、バルクポリマーと比較して高いフィラメントの結晶配向とに反映する。
【0028】
同様に、重量平均分子量が少なくとも約200,000、好ましくは少なくとも1,000,000、より好ましくは少なくとも約2,000,000の高配向高分子量ポリプロピレン繊維を使用してもよい。かかる伸びきり鎖ポリプロピレンは、これまでに述べた種々の参考文献に規定された手法により、特に米国特許第4,413,110号の手法により、適度によく配向されたフィラメントへと形成することができる。ポリプロピレンはポリエチレンよりもはるかに結晶性の低い材料であり、ペンダントメチル基を含有することから、ポリプロピレンにより達成され得る靭性の値は、一般的に、ポリエチレンについて対応する値よりも実質的に低い。したがって、適する靭性は、好ましくは少なくとも約8g/d、より好ましくは少なくとも約11g/dである。ポリプロピレンについて初期引張係数は、好ましくは少なくとも約160g/d、より好ましくは少なくとも約200g/dである。ポリプロピレンの融点は、一般的には、ポリプロピレンフィラメントが少なくとも168℃、より好ましくは少なくとも170℃の融点を有するように、配向処理により数度上げられる。これまでに説明したパラメータについて特に好ましい範囲により、有利なことに、仕上がり製品において改良された性能を提供することができる。これまでに説明したパラメータ(係数及び靭性)について好ましい範囲に加えて少なくとも約200,000の重量平均分子量を有する繊維を使用することにより、
これまでに説明したように、高強度繊維は、織ってあるファブリック、編んであるファブリック、又は織っていないファブリックの形態であることができる。ひとつの好ましい材料は、SPECTRA(登録商標)伸びきり鎖ポリエチレン繊維から形成された、織ってあるファブリックである。
【0029】
ひとつの態様において、ファブリックは、好ましくは、縦糸方向及び横糸方向の両方において約15〜約55エンド/インチ(約5.9〜約21.6エンド/cm)、より好ましくは約17〜約45エンド/インチ(約6.7〜約17.7エンド/cm)である。糸は、好ましくは、約375〜約1300のデニールを有する。結果として、好ましくは約5〜約12オンス/平方ヤード(約169.5〜約406.8g/m)、より好ましくは約5〜約11オンス/平方ヤード(約169.5〜約373.0g/m)の重さである、織ってあるファブリックである。かかるファブリックの例は、SPECTRA(登録商標)ファブリックスタイル902、904、952、955、及び960と指定されたものである。当業者であれば理解するように、本明細書中に説明するファブリック構成は、例示的なものにすぎず、本発明をそれに限定することを意図するものではない。これらのコーティングされていないファブリックは、各々、サウスカロライナ州アンダーソンのヘクセルから入手可能であり、SPECTRA(登録商標)繊維からつくられる。
【0030】
【表1】

【0031】
表に示すように、縦糸方向及び横糸方向の両方において17エンド/インチの1200デニールSPECTRA(登録商標)900繊維を有する平織りファブリックは、わずか約5.5オンス/平方ヤード(約186.5g/m)の重さであるが、両方の方向において800ポンドフォース/インチ(1401N/cm)より大きい破断強度を有する。表に示すバスケット織りなどの平織り以外の他の織りを使用してもよい。
【0032】
織ってあるファブリックを使用する場合、平織りファブリック、バスケット織りファブリック、綾織りファブリック、しゅす織りファブリック、三次元織りファブリック、及びこれらのいくつかのバリエーションのうち任意のものを含む、任意の織りパターンのものであることができる。平織りファブリック及びバスケット織りファブリックが好ましく、より好ましいのは、等しい縦糸及び横糸カウントを有するファブリックである。織ってあるファブリックは、好ましくは、樹脂マトリクスを含まないが、織っていないファブリックに関して以下に説明するように望ましい場合は使用してもよい。かかる樹脂マトリクスは、複合材料の光透過性を損なわないように充分に半透明であるべきである。織ってあるファブリックに関して樹脂マトリクスを使用する場合、ファブリックは、適する樹脂マトリクスにより表面をコーティングしてもよく、又は、完全に含浸してもよい。例えば、織ってあるファブリックは、樹脂マトリクスによりスプレーコートし、又は、樹脂マトリクスを含有する容器に浸漬して、その後に水又は溶媒を除去してもよい。
【0033】
複合材構造において使用するファブリックは、比較的薄いが、非常に強い。ファブリックの好ましい厚みは、約0.005〜約0.036インチ(127〜911μm)、より好ましくは約0.011〜約0.028インチ(279〜711μm)、最も好ましくは約0.015〜約0.023インチ(381〜584μm)である。かかる繊維の厚み及び透光性により、実質的な量の光を透過させる。また、かかるファブリックは、低い伸び特徴(典型的には、5%又はそれより小さい伸び)を有するので、窓又はドア用の戸外スクリーンとして有効である。ポリオレフィン繊維は水により悪影響を受けず、その結果、風によって飛ぶ水により質が低下しない。
【0034】
好ましい織ってあるファブリックに加えて、本発明において使用することができる他のタイプの高靭性ポリオレフィン繊維としては、一方向に配向させた繊維又はランダムな方向にフェルト繊維のパイルなどの、編んであるファブリック及び織っていないファブリックが挙げられる。かかるフェルトファブリックは、所望の厚みに圧縮してもよい。典型的には、織っていないファブリックは、当技術分野において知られているように、適する樹脂マトリクスに埋め込まれる。一方向に配向させた繊維から形成されたファブリックは、典型的には、一方向に延びる繊維の一の層と、第一の繊維から90°の方向に延びる繊維の第二の層とを有する。個々のプライが一方向に配向した繊維である場合、次に続くプライは、好ましくは、互いに対して、例えば、0°/90°の角度、又は0°/45°/90°45°/0°の角度、又は他の角度で回転される。
【0035】
樹脂マトリクスを使用する場合、当技術分野において知られているような所望の特徴を有する、多種多様の熱可塑性材料、好ましくはエラストマーの材料から形成することができる。ひとつの態様において、かかるマトリクスにおいて使用するエラストマー材料は、ASTM D638により測定して約6,000psi(41.4MPa)と等しいか又はそれ未満の初期引張係数(弾性率)を有する。より好ましくは、エラストマーは、約2,400psi(16.5MPa)と等しいか又はそれ未満の初期引張係数を有する。最も好ましくは、エラストマー材料は、約1,200psi(8.23MPa)と等しいか又はそれ未満の初期引張係数を有する。これらの樹脂材料は、典型的には、熱可塑性である。
【0036】
ファブリックマトリクスにおける樹脂マトリクス材料対繊維の比率は、ファブリックマトリクスの全重量の約1〜約98重量%、より好ましくは約5〜約95重量%、最も好ましくは約5〜約40重量%である。
【0037】
多種多様な熱可塑性材料を樹脂マトリクスとして利用することができる。例えば、以下の材料のうち任意のものを使用することができる:ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、ポリスルフィドポリマー、ポリウレタンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリクロロプレン、ジオクチルフタレート又は当技術分野において周知の他の可塑剤を用いて可塑化されたポリビニルクロライド、ブタジエンアクリロニトリルエラストマー、ポリ(イソブチレン−コ−イソプレン)、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリエーテル、フルオロエラストマー、ケイ素エラストマー、熱可塑性エラストマー、及びエチレンのコポリマー。
【0038】
高靭性ポリオレフィン繊維ファブリック、特に高靭性伸びきり鎖ポリエチレン繊維ファブリックについてひとつの好ましい材料の群は、共役ジエンのブロックコポリマー、及びビニル芳香族コポリマーである。ブタジエン及びイソプレンが好ましい共役ジエンエラストマーである。スチレン、ビニルトルエン、及びt−ブチルスチレンは好ましい共役芳香族モノマーである。ポリイソプレンを組み込むブロックコポリマーを水素化して、飽和炭化水素エラストマーセグメントを有する熱可塑性エラストマーを生成してもよい。ポリマーは、タイプR−(BA)(x=3〜150)の簡単なトリ−ブロックコポリマーであってもよい;その際、Aはポリビニル芳香族モノマーからのブロックであり、Bは共役ジエンエラストマーからのブロックである。好ましくは、樹脂マトリクスは可撓性のある熱可塑性材料である。好ましい樹脂マトリクスは、クラトン・ポリマー・エルエルシーから入手可能なKraton(登録商標)D1107イソプレン−スチレン−イソプレンブロックコポリマーなどのイソプレン−スチレン−イソプレンブロックコポリマーである。
【0039】
一般的には、本明細書中において有用な織っていないファブリックは、好ましくは、まず繊維ネットワークを構成し、次いで、ネットワークをマトリクス組成物によりコーティングすることにより形成される。本明細書中で使用するように、「コーティング」という用語は、広い意味で、個々の繊維がそれら繊維を取り囲むマトリクス組成の連続層を有するか、又は、それら繊維の表面上にマトリクス組成の不連続層を有する、繊維ネットワークを表す。前者の場合、繊維は完全にマトリクス組成に埋め込まれていると言うことができる。コーティング及び含浸という用語は、本明細書中において互換できるように使用している。織っていないファブリックは、種々の方法により構成することができる。一方向に配列させたファブリックの好ましい場合において、高靭性フィラメントの糸の束をクリールから供給し、マトリクス材料でコーティングする前に、ガイド及び一又はそれより多いスプレッダーバーを通して平行コームへと導く。平行コームは、フィラメントを同一平面上に実質的に一方向に配列する。
【0040】
高靭性ファブリックは、マトリクス組成を繊維に施用し、次いでマトリクス組成/高靭性繊維を既知のやり方で統一することにより、選択されたマトリクス樹脂によりコーティングすることができる。「統一する」とは、マトリクス材料及び繊維ネットワーク層を単一の統一された層へと組み合わせることを意味する。統一は、乾燥、冷却、圧力、又はこれらの組み合わせにより行うことができる。一方向の織っていないファブリックの場合、例えば、ひとつの既知の手法は、繊維をクリールからコーミングステーションに通して、一方向の繊維ネットワークを形成することである。次いで、繊維ネットワークを搬送ウェブ上に置き、吹き付け又はロールコーターなどを用いた浸漬により、その上にマトリクス樹脂をコーティングする。次いで、コーティングされた繊維(ユニテープ)をオーブンに通して、水を蒸発させ、又は組成から溶媒を除き、ローラーに巻き上げる。搬送ウェブは、圧延時にファブリックからはがすか、又はファブリックを使用するときにはがせばよい。
【0041】
これまでに説明したように、ファブリックは、編んであるファブリックの形態であってもよい。編み構造は、互いにかみ合ったループからなる構成であり、4つの主要なタイプは、トリコット、ラッシェル、ネット、及び配向された構造である。ループ構造の性質のために、最初の3つのカテゴリーの編みは、繊維の強度を活用するには適していない。しかし、配向された編んである構造は、細かいデニールの編みステッチにより所定の位置に保持された直線状のインレー(inlaid)糸を使用する。これらの糸は、糸に対する織り交ぜ効果のために、織ってあるファブリックに見られる縮れ効果がなく、完全に直線である。これらのレイイン(laid in)糸は、強化の要求に依存して、一軸、二軸、又は多軸方向に配向させることができる。耐荷重糸(load bearing yarn)を組み込む際に使用する具体的な編み装置は、糸を貫通しないようなものであることが好ましい。織ってあるファブリックと同様に、編んであるファブリックは樹脂マトリクスを含んでもよい。
【0042】
これまでに説明したように、本ファブリックは所望の程度の半透明性を有するように選択する。好ましくは、ファブリックは、光の少なくとも約60パーセント、より好ましくは少なくとも約65パーセント、最も好ましくは少なくとも約75パーセントを透過する。言い換えれば、好ましくは、ファブリックは、光の約60〜約90パーセント、より好ましくは約65〜約85パーセント、最も好ましくは約75〜約85パーセントを透過する。光の透過は、例えば、ASTM D 1746の手順に基づいて決定することができる。
【0043】
高強度ポリオレフィンファブリックの少なくともひとつの表面には、少なくともひとつのプラスチック薄膜が付着される。好ましくは、プラスチックフィルムをファブリックの両面に付着する。かかるフィルムは、典型的には、約0.1〜約10ミル(2.5〜25μm)、より好ましくは約0.2〜約2ミル(5〜50μm)、最も好ましくは約0.5〜約1.5ミル(12.5〜37.5μm)の厚みを有する。プラスチックフィルムは、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンを含む)、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンホモポリマー及びコポリマーなどのフルオロポリマー、並びにポリエステル、ナイロン、ポリカーボネートなどから形成することができる。最も好ましくは、フィルムは低密度ポリエチレンフィルムである。高分子フィルムは、ファブリックに向上した耐水性を提供するため、耐水性であるべきである。好ましくは、プラスチックフィルムは、通過する光の量を最大限にするために実質的に透明である。しかし、光の透過が少ないことが望まれる場合は、色の付いたフィルムを使用してもよい。
【0044】
本複合材ファブリックは、好ましくは交互に、ファブリック層とフィルム層の複数の層から形成することができる。プラスチックフィルム層は、加熱及び/又は圧力、コーティング(押出しコーティングを含む)、接着剤の使用などの任意の適するやり方で、ファブリック層の一表面又は両面に付着させることができる。適する手法は、例えば、米国特許第6,280,546号に説明されており、本明細書と矛盾しない範囲において参照によりその開示を本明細書中に援用する。
【0045】
好ましくは、高靭性ポリオレフィンファブリック層(単数又は複数)とプラスチックフィルム層(単数又は複数)の間には接着剤又は結合層を使用する。好ましくは、結合層は熱可塑性材料であるが、可撓性のあるエポキシ、又は高伸び(high elongation)ポリウレタンなどの熱硬化性材料、並びに圧感接着剤も使用することができる。結合層は、樹脂の形態、又はキャストフィルムの形態であることができる。結合層のために好ましい熱可塑性結合材料は、約140℃未満の融点又は融点範囲を有するオレフィンポリマー又はコポリマーのフィルム、特にエチレンポリマー及びコポリマー(例えば、エチレン/プロピレンコポリマー)のフィルムである。融点は、例えば、10℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定(DSC)により測定する。最も好ましい結合材料は、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンビニルアセテート(EVA)、及びLDPE/EVAコポリマーである。結合層は、フィルムが特に好ましいが、任意の適する形態で施用することができる。フィルムを使用して、これまで本明細書中に説明した高性能ファブリックベースをコーティングし、これに結合し、同時に中間結合層をつくることができる。EVAは、高強度、高分子量ポリエチレン繊維を含有する糸から織られたファブリックに特によく結合する。EVA層は、ポリエチレンファブリックベース層とフィルム層の両方に対して結合親和性を有する、非常に申し分のない中間結合層として機能する。
【0046】
また、本発明の複合材構造は、所望の量の半透明性を有する。複合材構造を透過する光の量は、好ましくは、ファブリックに関して述べた量と同じである。すなわち、好ましくは、複合材ファブリックは、光の少なくとも約60パーセント、より好ましくは少なくとも約65パーセント、最も好ましくは少なくとも約75パーセントを透過する。言い換えれば、複合材ファブリックは、光の約60〜90パーセント、より好ましくは約65〜約85パーセント、最も好ましくは約75〜約85パーセントを透過する。再び、光の透過は、例えば、ASTM D 1746の手順に基づいて決定することができる。
【0047】
本発明の複合材ファブリックは可撓性であり、建築物において開口部を覆う保護位置にない場合は巻き上げることができる。ファブリックは、手動又は電気的なシャッターシステムにおいて使用することができ、暴風雨カーテンとして作用するのに役立つことができる。また、ファブリックは、固定器具により、開口部を覆う位置で取り外し可能なように建築物に接続することができる。本明細書中で使用する「固定器具」という用語は、フレーム、リストレイント(restraint)、アセンブリ、ガイド、ローラー、あるいは、ネジ及び蝶ナットタイプの締め具を受けるグロメットなどの一又はそれより多いファスナー、あるいは他の任意の適する固定デバイスをいう。ひとつの態様において、ファブリックは、適するローラー上に載せ、建築物においてドア又は窓のまわりのその保護位置に巻き解くことができる。暴風雨カーテンの底部、あるいは端部を所定の位置に固定するために適切に提供すべきである。典型的な手段としては、カーテンの底部及び/又は端部に金属支持チャンネル又はグロメットを使用することであり、これを通じて適切な縛り付けデバイスを配置することができる。別の態様において、複合材ファブリックは、シートの形態(保管のために折り畳むことができる)で使用してもよく、その周囲の一部分又はすべてに沿ってグロメットを含むことができ、グロメットは、ネジ及び蝶ナットタイプの締め具、又は他の任意の適する固定デバイスを受けるように適合される。
【0048】
好ましくは、本発明の複合材ファブリックは、約6〜約60ミル(150〜1500μm)、より好ましくは約10〜約50ミル(250〜1250μm)、最も好ましくは約25〜約50ミル(625〜1250μm)の組み合わせた厚みを有する。加えて、複合材ファブリックは、好ましくは約2〜約30オンス/平方ヤード(67.8〜1017g/m)、より好ましくは約5〜約25オンス/平方ヤード(169.5〜847.5g/m)、最も好ましくは約10〜約22オンス/平方ヤード(339〜745.8g/m)の重量を有する。
【0049】
本発明の複合材ファブリックは、その軽い重量のために、ロールの形態である場合には巻き上げるのが容易であり、シートの形態である場合には設置/取外しのために手で取り扱うのが容易である。当技術分野において知られているように、また、種々の建築物の標準に合致して、複合材ファブリックは、保護すべき窓又はドアから予め決められた距離で設置する。複合材ファブリックは、種々の暴風雨建築物コードに従うよう、影響を与える物体からのたわみの量を限定するように設計することができる。
【0050】
本発明の複合材ファブリックは、高靭性ポリオレフィン繊維から形成されていることから、軽量で、強く、耐衝撃性であり、水に対して不活性である。これらのファブリックは、ドアや窓を含む建築物の種々の開口部を保護するため建築物用の暴風雨カーテンなどとしてすぐれた保護を提供する。複合材ファブリックの薄さと透光性により、より多くの光が透過することができる。ポリオレフィン繊維は伸びが少ない特徴をもつために、得られるファブリックは、建築物の開口部用の効果的な外部保護スクリーンとなる。
【0051】
以下の非限定的な実施例は、本発明のより完全な理解を提供するために示す。本発明の原則を例示するために示された具体的な手法、条件、材料、比率、及び報告されたデータは、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。すべてのパーセントは、別に示さない限り、重量基準である。
【実施例】
【0052】
実施例1
伸びきり鎖ポリエチレン繊維からつくられたシングルプライファブリックから、可撓性のある複合材ファブリックを形成した。かかる繊維は、ハネウェル・インターナショナル・インクから入手可能なSpectra(登録商標)900の650デニールの糸であり、30.5g/dの靭性を有するものであった。ファブリックは、6.3オンス/平方ヤード(0.02g/cm)の重量、34×34エンド/インチ(13.4×13.4エンド/cm)、縦糸及び横糸の両方において650の糸デニール、及び17ミル(425μm)の厚みを有することを特徴とする、平織りファブリック(ヘクセル・リインフォースメント・コーポレーションによりつくられたスタイル904)の形態であった。このファブリックを、1.5ミル(37.5μm)の厚みを有する低密度ポリエチレンフィルムの両側に積層した。エチレンビニルアセテートの4ミル(100μm)フィルムを、ファブリック層とふたつのポリエチレンフィルム層との間の結合層として使用した。これらの層は、米国特許第6,280,546号及び第6,818,091号に記載されるような熱積層法により積層した。
【0053】
複合材ファブリックの全重量は14.8オンス/平方ヤード(0.05g/cm)であり、複合材ファブリックの全厚みは0.030インチ(0.76mm)であった。この複合材は、ASTM 1682により測定して、ファブリックの幅1インチあたり850〜950ポンド(148.8kN/m)の範囲のグラブ強度(grab strength)を有していた。
【0054】
幅58インチ×高さ67インチ(147.3×170.2cm)の複合材ファブリックを、ASTM E1886/1996(フロリダ州の建築物コード試験アプリケーション標準 TAS 201と等しい)にしたがってハリケーンカーテンとして試験した。これらの標準は、「大きなミサイル」(#2サザン・パイン・スタッド、2インチ×4インチ×96インチ(5.1cm×10.2cm×243.8cm)の寸法、9ポンド(4.1kg)の重量)をファブリックに垂直に50フィート/s(15.24m/s)で撃つことを伴う。複合材カーテンを、その端部の周りに配置された金属グロメットを用いて、木製フレーム上に載せた。衝撃を2回与え、1回は複合材カーテンの正確な中心において、もう1回は角で、同じカーテンの端部から約7インチ(17.8cm)においてであった。複合材カーテンは、いずれの衝撃も、ファブリックに裂け目や割れ目を生じることなくパスした。また、同じカーテン(2回の衝撃の後)は、ASTM E1886/1996(TAS203)にしたがって、±60ポンド/平方フィート(2.87kPa)(1時間あたり153マイル(244.8km)のハリケーン風速度に等しい)の循環風荷重試験もパスした。
【0055】
また、この複合材カーテンをテーバー摩耗試験(ASTM D3389)に供し、106,000サイクルを超えて持続することがわかった。
この複合材を通る透過光のパーセントは、約80%であることがわかった(ASTM D1746に基づく試験法)。
【0056】
実施例2
実施例1の構造と同様の幅60インチ×高さ60インチ(152.4×152.4cm)の複合材ファブリックを、実施例1と同様に、ASTM E1886/1996(フロリダ州の建築物コード試験アプリケーション標準 TAS 201と等しい)にしたがってハリケーンカーテンとして試験した。複合材シャッターは、木製フレーム上に載せるために頂部端にグロメットが配置されたものであった。シャッターの底部端は、手動式の巻上げ/巻下げ機構によりフレームに取り付けられていた。衝撃を2回与え、1回は複合材カーテンの正確な中心において、もう1回は角で、同じカーテンの端部から約7〜8インチ(17.8〜20.3cm)においてであった。複合材カーテンは、いずれの衝撃も、ファブリックに裂け目や割れ目を生じることなくパスした。衝撃によるたわみは、8.5インチ(21.6cm)未満であることが分かった。また、同じカーテン(2回の衝撃の後)は、ASTM E1886/1996(TAS 203)にしたがって、±80ポンド/平方フィート(3.83kPa)(1時間あたり177マイル(283.2km)のハリケーン風速度に等しい)の循環風荷重試験もパスした。
【0057】
また、この複合材カーテンを静的空気圧試験(ASTM E330及びTAS 202)に供し、120ポンド/平方フィート(5.75kPa)の風圧においてたわみが8.2インチ(20.8cm)未満であることがわかった。
【0058】
実施例3
伸びきり鎖ポリエチレン繊維からつくられたシングルプライファブリックから、可撓性のある複合材ファブリックを形成した。かかる繊維は、ハネウェル・インターナショナル・インクから入手可能なSpectra(登録商標)900の1200デニールの糸であり、30g/dの靭性を有するものであった。ファブリックは、11.3オンス/平方ヤード(0.044g/cm)の重量、34×34エンド/インチ(13.4×13.4エンド/cm)、縦糸及び横糸の両方において1200の糸デニール、及び28ミル(700μm)の厚みを有することを特徴とする、バスケット織りファブリック(ヘクセル・リインフォースメント・コーポレーションによりつくられたスタイル912)の形態であった。このファブリックを、約2ミル(10μm)の厚みを有する低密度ポリエチレンフィルムの両側に積層した。エチレンビニルアセテートの7〜8ミル(175〜200μm)フィルムを、ファブリックとふたつのポリエチレンフィルム層との間の結合層として使用した。これらの層は、米国特許第6,280,546号及び第6,818,091号に記載されるような熱積層法により積層した。
【0059】
複合材ファブリックの全重量は20オンス/平方ヤード(0.07g/cm)であり、複合材ファブリックの全厚みは0.045インチ(1.14mm)であった。この複合材は、ASTM 1682により測定して、ファブリックの幅1インチあたり1700〜1900ポンド(298〜333kN/m)の範囲のグラブ強度(grab strength)を有していた。
【0060】
幅114インチ×高さ120インチ(289.6×304.8cm)の複合材ファブリックを、ASTM E1886/1996(フロリダ州の建築物コード試験アプリケーション標準 TAS 201と等しい)にしたがってハリケーンシャッターとして試験した。これらの標準は、「大きなミサイル」(実施例1と同様)をファブリックに垂直に50フィート/s(15.24m/s)で撃つことを伴う。複合材シャッターは、木製フレーム上に載せるため頂部端と底部端とに配置されたグロメットを有する。カーテンの側面は開放したままとした(木製フレームに取り付けなかった)。衝撃を2回与え、1回は複合材カーテンの正確な中心において、もう1回は角で、同じカーテンの端部から約7〜8インチ(17.8〜20.3cm)においてであった。複合材カーテンは、いずれの衝撃も、ファブリックに裂け目や割れ目を生じることなくパスした。衝撃によるたわみは、10インチ(25.4cm)未満であることがわかった。また、同じカーテン(2回の衝撃の後)は、ASTM E1886/1996(TAS203)にしたがって、±60ポンド/平方フィート(2.87kPa)(1時間あたり153マイル(244.8km)のハリケーン風速度に等しい)の循環風荷重試験もパスした。
【0061】
また、この複合材カーテンを静的空気圧試験(ASTM E330及びTAS 202)に供し、90ポンド/平方フィート(4.31kPa)の風圧においてたわみが14.9インチ(37.8cm)未満であることがわかった。
【0062】
実施例4(比較例)
比較のため、重量が36.52オンス/平方ヤード(0.124g/cm)で厚みが0.042インチ(1.1mm)である標準的なビニルコートポリエステルファブリックを実施例1と同じ衝撃試験に供した。このファブリックは、スタッドがファブリックを貫通し、試験は失敗に終わった。ファブリックは、±60ポンド/平方フィート(2.87kPa)においてたわみが12.5インチ(31.75cm)より大きいことがわかった。
【0063】
また、このビニルコートポリエステルファブリックをテーバー摩耗試験(ASTM D3389)に供し、20,550サイクルしか持続しないことがわかった。
この複合材を通る透過光のパーセントは、実施例1と同じ試験に基づいて、約64%であることがわかった。
【0064】
理解できるように、上述の複合材ファブリックは、従来のファブリックスクリーニングより良好な耐衝撃性を有し、重量はより軽い。複合材ファブリックは、ハリケーン級の風に抵抗することができ、はるかに重いビニルコートポリエステルファブリックと比較して有意に改良された耐摩耗性を有する。したがって、本明細書中に説明したファブリックにより建築物の開口部をハリケーン級の力に対して保護することができる。
【0065】
このように本発明をかなり詳細に説明してきたが、このような詳細に厳密に忠実である必要はなく、当業者にとっては、更なる変更及び修飾が示唆され、そのすべてが特許請求の範囲により規定される本発明の範囲に含まれることは理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの開口部を有する建築物であって、前記開口部が、前記開口部を覆う可撓性のある複合材ファブリックによりハリケーン級の風とそれに付随する飛散物から保護されており、前記可撓性のある複合材ファブリックが、
(a)高靭性ポリオレフィン繊維を含む少なくともひとつのファブリック層、及び
(b)前記高靭性ポリオレフィン繊維ファブリックの一表面に付着した少なくともひとつのプラスチックフィルム層
を含み、
前記ファブリック層及び前記フィルム層がそれぞれ、前記建築物の前記開口部に光を入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と投射物からの衝撃に対する保護を提供し、そして前記フィルム層が、水に対して不浸透性のバリアを提供し、それにより、前記開口部を、ハリケーン級の風とそれに付随する飛散物に対して保護する、前記建築物。
【請求項2】
前記可撓性のある複合材ファブリックが、前記ファブリック層を前記フィルム層に決意号する結合層を更に含む、請求項1記載の建築物。
【請求項3】
前記ファブリック層が直接前記フィルム層に積層されている、請求項1記載の建築物。
【請求項4】
前記複合材ファブリックの厚さが約6〜約60ミル(150〜1500μm)である、請求項1記載の建築物。
【請求項5】
前記フィルム層が実質的に透明である、請求項1記載の建築物。
【請求項6】
前記繊維が伸びきり鎖ポリエチレン繊維を含む、請求項1記載の建築物。
【請求項7】
前記ファブリック中の前記繊維の少なくとも約75%が伸びきり鎖ポリエチレン繊維である、請求項1記載の建築物。
【請求項8】
前記フィルム層がポリオレフィン又はフルオロポリマーの繊維を含む、請求項7記載の建築物。
【請求項9】
前記熱可塑性フィルムがポリエチレンフィルムを含む、請求項7記載の建築物。
【請求項10】
前記フィルム層が約0.1〜約10ミル(2.5〜25μm)の厚さを有する、請求項7記載の建築物。
【請求項11】
前記複合材ファブリックが約2〜約30オンス/平方ヤード(67.8〜1017g/m)の重量を有する、請求項7記載の建築物。
【請求項12】
前記可撓性のある複合材ファブリックが、巻き上げられるように適合されている、請求項1記載の建築物。
【請求項13】
前記高靭性ポリオレフィン繊維が少なくとも約25グラム/デニールの靭性を有する、請求項1記載の建築物。
【請求項14】
前記ファブリックが編んであるファブリックである、請求項1記載の建築物。
【請求項15】
前記ファブリックが編まれていないファブリックである、請求項1記載の建築物。
【請求項16】
開口部と保護スクリーニングカバーリングとを有する建築物であって、前記スクリーニングが可撓性のある複合材ファブリックを含み、前記ファブリックが、
(a)高靭性ポリオレフィン繊維を含む少なくともひとつのファブリック層、及び
(b)前記高靭性ポリオレフィン繊維ファブリックの一表面に付着した少なくともひとつのプラスチックフィルム層
を含み、
前記ファブリック層及び前記フィルム層がそれぞれ、前記建築物の前記開口部に光を入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と投射物からの衝撃に対する保護を提供し、そして前記フィルム層が、水に対して不浸透性のバリアを提供し、それにより、前記開口部を、ハリケーン級の風とそれに付随する飛散物に対して保護する、前記建築物。
【請求項17】
前記高靭性ポリオレフィン繊維が高靭性ポリエチレン繊維を含む、請求項16記載の建築物。
【請求項18】
建築物の開口部をハリケーン級の風とそれに付随する飛散物から保護するための方法であって、前記建築物の開口部のためのスクリーンニングを提供することを含み、前記スクリーニングが前記開口部を覆う可撓性のある複合材ファブリックを含み、前記可撓性の複合材ファブリックが、
(a)高靭性ポリオレフィン繊維を含む少なくともひとつのファブリック層、及び
(b)前記高靭性ポリオレフィン繊維ファブリックの一表面に付着した少なくともひとつのプラスチックフィルム層
を含み、
前記ファブリック層及び前記フィルム層がそれぞれ、前記建築物の前記開口部に光を入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と投射物からの衝撃に対する保護を提供し、そして前記フィルム層が、水に対して不浸透性のバリアを提供し、それにより、前記開口部を、ハリケーン級の風とそれに付随する飛散物に対して保護する、前記方法。
【請求項19】
前記高靭性ポリオレフィン繊維が高靭性ポリエチレン繊維を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記ファブリック層及び前記プラスチック層の間に結合層を更に含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
建築構造物において、窓、ドア、スライドガラスドアなどの少なくともひとつの開口部を覆うため、かつ、前記開口部をハリケーン級の風とそれに付随する飛散物から保護するための軽量の暴風雨カーテンであって、前記暴風雨カーテンは次のもの:
(a)可撓性のある複合材ファブリックであって、
(i)第一表面及び第二表面を有する、少なくともひとつのファブリックのベース層であって、前記ファブリックは伸びきり鎖ポリエチレン繊維を含む糸で形成され、前記糸は約50〜約5000の範囲のデニールを有する、前記ベース層と、
(ii)実質的に透明なプラスチックフィルムの少なくともひとつの防水層であって、前記プラスチックフィルムは第一表面及び第二表面を有する、前記防水層と、
(iii)前記ベース層の前記第一表面及び前記第二表面のうち一方を前記プラスチックフィルムの前記第一表面及び前記第二表面のうち一方に結合する少なくともひとつの接着剤層と、を含み、
(iv)前記複合材ファブリックの全重量が約2〜約30オンス/平方ヤード(67.8〜1017g/m)の範囲であり、前記複合材ファブリックの全厚さが約6〜約60ミル(150〜1500μm)の範囲である、前記複合材ファブリック;及び
(b)前記開口部を覆うように前記複合材ファブリックを前記建築構造物に取り外し可能に接続する固定器具
を含み、
前記複合材ファブリック層が、前記建築構造物の前記開口部に光を少なくとも約60%入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と投射物からの衝撃に対する保護を提供し、強い風と飛散物からの衝撃に対する保護を提供し、かつ、水に対するバリアを提供する、前記暴風雨カーテン。
【請求項22】
前記ファブリックが編んであるファブリックであり、前記糸が前記伸びきり鎖ポリエチレン繊維の重量基準で少なくとも約50%を含み、前記糸が約650〜約3000の範囲のデニールを有する、請求項21記載の軽量暴風雨カーテン。
【請求項23】
前記プラスチックフィルムがポリエチレンフィルムを含む、請求項22記載の軽量暴風雨カーテン。
【請求項24】
前記接着剤がエチレンビニルアセテートを含む、請求項23記載の軽量暴風雨カーテン。
【請求項25】
前記複合材ファブリックが、約5〜約25オンス/平方ヤード(169.5〜847.5g/m)の範囲の全重量と、約10〜約50ミル(250〜1250μm)の範囲の全厚さを有する、請求項24記載の軽量暴風雨カーテン。
【請求項26】
前記複合材ファブリック層が、前記建築構造物の前記開口部に光を少なくとも約75%入れるために充分な半透明性を有する、請求項25記載の軽量暴風雨カーテン。
【請求項27】
前記プラスチックフィルムを二層、及び前記接着剤を二層含み、前記プラスチックフィルム層が前記接着剤層により前記ベース層の両方の表面に結合されている、請求項21記載の軽量暴風雨カーテン。
【請求項28】
建築構造物において、窓、ドア、スライドガラスドアなどの少なくともひとつの開口部を覆うため、かつ、前記開口部をハリケーン級の風とそれに付随する飛散物から保護するための軽量の暴風雨カーテンであって、前記暴風雨カーテンは次のもの:
(a)可撓性のある複合材ファブリックであって、
(i)第一表面及び第二表面を有する、編んであるファブリックのベース層であって、前記編んであるファブリックは伸びきり鎖ポリエチレン繊維を含む糸で形成され、前記糸は約650〜約3000の範囲のデニールを有する、前記ベース層と、
(ii)実質的に透明なポリエチレンフィルムの防水層であって、前記ポリエチレンフィルムは第一表面及び第二表面を有する、前記防水層と、
(iii)前記ベース層の前記第一表面及び前記第二表面のうち一方を前記ポリエチレンフィルムの前記第一表面及び前記第二表面のうち一方に結合するエチレンビニルアセテート接着剤層と、を含み、
(iv)前記複合材ファブリックの全重量が約2〜約30オンス/平方ヤード(67.8〜1017g/m)の範囲であり、前記複合材ファブリックの全厚さが約6〜約60ミル(150〜1500μm)の範囲である、前記複合材ファブリック;及び
(b)前記開口部を覆うように前記複合材ファブリックを前記建築構造物に取り外し可能に接続する固定器具
を含み、
前記複合材ファブリック層が、前記建築構造物の前記開口部に光を少なくとも約75%入れるために充分な半透明性を有し、前記ファブリック層が、強い風と飛散物からの衝撃に対する保護を提供し、かつ、水に対するバリアを提供する、前記暴風雨カーテン。
【請求項29】
前記糸が前記伸びきり鎖ポリエチレン繊維の重量基準で少なくとも約50%を含み、前記糸が約800〜約1500の範囲のデニールを有する、請求項28記載の軽量暴風雨カーテン。
【請求項30】
前記複合材ファブリックが、約5〜約25オンス/平方ヤード(169.5〜847.5g/m)の範囲の全重量と、約10〜約50ミル(250〜1250μm)の範囲の全厚さを有する、請求項29記載の軽量暴風雨カーテン。
【請求項31】
前記ポリエチレンフィルムを二層含み、その各々が前記ベース層の向かい合う第一表面及び第二表面に結合している、請求項28記載の軽量暴風雨カーテン。

【公表番号】特表2010−516927(P2010−516927A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547367(P2009−547367)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/051545
【国際公開番号】WO2008/091811
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【出願人】(502139091)ジェーエイチアールジー, エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】