ハンガーフック
【課題】構造が簡素で、製造コストを抑えることができ、掛け止める物品を傷つけにくいハンガーフックを提供する。
【解決手段】ハンガーフック1は、壁面に固着される支持部材2と、支持部材2に枢支されるフック体3とを具備する。支持部材2は、ベース金具4と、これに嵌合固定されるカバー部材5とを具備する。ベース金具4は、金属板材で一体に構成され、底板6と、それ6の左右両端縁から直角に起立する平行一対の支持板7と、フック体3を起立位置に保持するストッパ片8とを具備する。フック体3は、支持板7間に架設される枢ピン10で枢支され、倒伏時に支持板7間に大部分が収まる形状である。カバー部材5は、弾性体で一体成形され、一対の側板部14と、側板部14間を接続するベース部15と、倒伏状態のフック体3を受け入れる受け入れ凹部16と、支持板7の周縁面を被覆する被覆縁部17とを具備する。
【解決手段】ハンガーフック1は、壁面に固着される支持部材2と、支持部材2に枢支されるフック体3とを具備する。支持部材2は、ベース金具4と、これに嵌合固定されるカバー部材5とを具備する。ベース金具4は、金属板材で一体に構成され、底板6と、それ6の左右両端縁から直角に起立する平行一対の支持板7と、フック体3を起立位置に保持するストッパ片8とを具備する。フック体3は、支持板7間に架設される枢ピン10で枢支され、倒伏時に支持板7間に大部分が収まる形状である。カバー部材5は、弾性体で一体成形され、一対の側板部14と、側板部14間を接続するベース部15と、倒伏状態のフック体3を受け入れる受け入れ凹部16と、支持板7の周縁面を被覆する被覆縁部17とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建造物等の壁面に面付けされ、不使用時にはフック体が壁面側へ倒伏し、使用時にはフック体が壁面から突出するハンガーフックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンガーフックとして、例えば特開2005−245554号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。このハンガーフックは、フックとフックを収納するケーシングとを備え、フックがケーシングに対して回転して起立することによって、フックに衣服等をかけることができる。フックは、付設ばねにより、ケーシングへの戻り方向、すなわちケーシングに収納される方向に回転付勢される。フックの回転軸には、歯車が形成され、ケーシングにはこれにかみ合う制動歯車が取り付けられる。制動歯車により、ケーシングに戻ろうとするフックを緩動作させることによって、フックに衣服をかける時間に余裕を持たせるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−245554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のハンガーフックは、用途によっては過剰機能で、そのために、構造が複雑で、高価となる難点がある。
したがって、この出願に係る発明は、より構造が簡素で、製造コストを抑えることができるハンガーフックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、この出願に係る発明のハンガーフック1は、壁面に固着される支持部材2と、使用時に壁面から起立し、不使用時に壁面側へ倒伏して支持部材2に収納されるように、基端側において支持部材2に枢支されるフック体3とを具備する。支持部材2は、ベース金具4と、このベース金具4に嵌合固定されるカバー部材5とを具備する。ベース金具4は、金属板材で一体に構成され、設置時に壁面に密着する底板6と、底板6の左右両端縁から直角に起立する平行一対の支持板7と、フック体3を起立位置に保持するストッパ片8とを具備する。フック体3は、ベース金具4の一対の支持板7間に架設される枢ピン10によって枢支され、倒伏時に一対の支持板7間に大部分が収まる形状に構成される。カバー部材5は、弾性体で一体成形され、ベース金具4の支持板7の内側面に沿う一対の側板部14と、この側板部14間を接続するベース部15と、倒伏状態のフック体3を受け入れるように、側板部14間に形成される受け入れ凹部16と、ベース金具4の支持板7の周縁面を被覆するように側板部14の周縁に沿って延在する被覆縁部17とを具備する。
上記ベース金具のストッパ片8は、底板6から起立し、フック体3の枢ピン10による枢支位置より基端側の上面に当接することにより、フック体3を起立位置に保持するように構成することができる。
上記フック体3は、金属製丸棒材をほぼL字状に屈折させてなり、起立位置において前方へ真っ直ぐに延出する主体部11と、この主体部11の先端側に屈曲部13を介して連続し、起立位置において上向きに延出するフック部12とを具備するものとし、ベース金具4の支持板7は、下部から上部に向かうにしたがって底板からの高さが徐々に低くなる形状に構成し、倒伏位置にあるフック体3の屈曲部13が支持板7間から露出した状態となり、この屈曲部13を掴んでフック体3の起立操作が可能となるように構成することができる。
上記カバー部材5における側板部14の内側対向部に倒伏保持突部19が形成され、この突部19が、側板部14間に形成されるフック体3の起立方向回転進路途上を狭め、それによってフック体3を倒伏位置に保持するように構成することができる。
上記フック体3は、常時倒伏位置に復帰するように、ばね20により回転付勢されるように構成することができる。
上記フック体3がばね20により倒伏位置に回転付勢される場合、カバー部材5における側板部14の内側対向部に起立保持突部21が形成され、この突部21が、側板部14間に形成されるフック体3の倒伏方向回転進路途上を狭め、それによってフック体3をばね力に抗して起立位置に保持するように構成することができる。
【発明の効果】
【0006】
この出願に係る発明のハンガーフックによれば、金属板材のベース金具4と、それに枢支されるフック体3と、ベース金具4に嵌合固定されるカバー部材5とからなる簡素な構造で、安価に提供することができる。カバー部材5の側板部14の周縁に沿って延在する被覆縁部17が、ベース金具4の支持板7の周縁面を被覆するので、フックに掛ける物品が、金属エッジで傷つくことがない。
上記カバー部材5における側板部14の内側対向部に倒伏保持突部19を形成する場合には、フック体3を倒伏位置に保持するための極めて簡易な構成を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るハンガーフックの分解斜視図である。
【図2】図1のハンガーフックの正面図である。
【図3】図1のハンガーフックの側面図である。
【図4】図1のハンガーフックの背面図である。
【図5】図3におけるV−V断面図である。
【図6】図2におけるVI−VI断面図である。
【図7】図1のハンガーフックにおけるベース金具の正面図である。
【図8】図7のベース金具の平面図である。
【図9】図7のIX−IX断面図である。
【図10】図1のハンガーフックにおけるカバー部材の正面図である。
【図11】図10のカバー部材の側面図である。
【図12】図10におけるXII−XII断面図である。
【図13】図12におけるXIII−XIII断面図である。
【図14】本発明に係る他の実施形態のハンガーフックの断面図である。
【図15】本発明に係るさらに他の実施形態のハンガーフックの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1ないし図6において、ハンガーフック1は、壁面Wにビスで固着される支持部材2と、支持部材2に枢支されるフック体3とを具備する。フック体3は、使用時に壁面から前方へ起立し、不使用時には壁面W側へ倒伏して支持部材2に収納される。支持部材2は、ベース金具4と、このベース金具4に嵌合固定されるカバー部材5とを具備する。
【0009】
ベース金具4は、金属板材で一体に構成され、設置時に壁面Wに密着する底板6と、底板6の左右両端縁から直角に前方へ起立する平行一対の支持板7,7と、フック体3を起立位置に保持するストッパ片8とを具備する。
支持板7は、下部から上部に向かうにしたがって底板6からの高さが徐々に低くなる形状である。支持板7は、その基部に、縦方向に相互間隔を置いて並んだ複数の係合孔9を有する。ストッパ片8は、底板6から直角に起立し、前方へ水平に延出する。底板6には、壁面Wへ取り付けるためのビスを挿入する取り付け孔6aが形成される。
【0010】
フック体3は、ベース金具4の一対の支持板7,7間に水平に架設される枢ピン10によって枢支され、倒伏時に一対の支持板7,7間に大部分が収まる形状に構成される。すなわち、フック体3は、金属製丸棒材をほぼL字状に屈折させてなり、主体部11と、屈曲部13と、フック部12とを具備する。主体部11は、起立位置において前方へ真っ直ぐに延出する。この主体部11の先端側に屈曲部13を介してフック部12が連続する。フック部12は、起立位置において斜め上向きに延出する。フック体3が倒伏位置にあるとき、フック部12の先端が支持部材2に当接し、主体部11が上前方へ傾いた状態となることと、支持板7が上方に低くなる形状であることとが相まって、屈曲部13が支持板7間から露出する状態となる。したがって、屈曲部13を掴んで、倒伏位置にあるフック体3を起立方向へ回転させる操作が可能である。図6に示すように、フック体3が起立位置にあるとき、基端側の上面にベース金具4のストッパ片8が当接し、フック体3を起立位置に保持する。
【0011】
カバー部材5は、ゴムのような弾性体で一体成形され、ベース金具4に嵌合固定される。カバー部材5は、ベース金具4の支持板7の内側面に沿う平行一対の側板部14と、この側板部14間を接続するベース部15と、倒伏状態のフック体3を受け入れるように、側板部14間に形成される受け入れ凹部16とを具備する。側板部14の周縁には、外側へ張り出す被覆縁部17が形成される。被覆縁部17は、支持板14の周縁面が外部に露出しないように、これを被覆する。側板14部の外側面には、支持板の係合孔9にスナップ係合する係合突起18が形成される。側板部14の内側対向部には、フック体3の起立方向回転進路の途上に位置して倒伏保持突部19が形成される。この保持突部19は、フック体3が倒伏位置から起立方向へ回転する進路の途上を狭め、それによってフック体3を倒伏位置に保持する。側板部14は、ベース金具4へカバー部材5を嵌合するときに枢ピン10を通すための切欠溝14aを有する。切欠溝14aは、側板部14の、底板6に当接する後方端縁に開放し、前方へ延びている。
【0012】
この実施形態のハンガーフック1は、フック体3を組み付けたベース金具4を、カバー部材5を装着しない状態で壁面Wに固定する。図5に示すように、ベース金具4の底板6に形成された取り付け孔6aにビス22を挿入し、壁面Wにねじ止めするだけで、取り付けは容易である。ベース金具4を固定した後、前面側からカバー部材5を押し込んで、ベース金具4に嵌合させる。カバー部材5は弾性的に撓むので、その装着は容易である。フック体3は、図3,6に仮想線で示すように、不使用時には壁面W側へ倒伏して、支持部材2の受け入れ凹部16に収納される。この状態で、フック体3は、倒伏保持突部19に当接して、保持される。使用時には、フック体3を前方へ回転起立させる。その際、支持板7間から露出した屈曲部13を掴んで、引き出すと、倒伏保持突部19がフック体3に押されて弾性的に撓み、あるいは同時に支持板7間が弾性的に押し開かれて、倒伏保持突部19間をフック体3が通過する。
【0013】
例えば、電気自動車のバッテリ充電装置付近の壁面に、このハンガーフックを設置し、充電用ケーブルの保管の用に供することができる。この場合、不使用時に輪に巻いたケーブルをこのハンガーフックに掛けて保管することができる。このハンガーフック1は、支持板7の上方が低くなっているので、ケーブルを掛ける際に、支持板7にケーブルの輪が引っかかることがなく、これを円滑にフック体3に掛けることができる。また、その際に、支持板7の周縁がカバー部材5の被覆縁部17で覆われているので、ケーブルが直接金属に触れることがなく、したがって、絶縁被覆が損傷を受けることもない。
【0014】
図14に示す他の実施形態においては、フック体3が、常時倒伏位置に復帰するように、ばね20により回転付勢される。すなわち、枢ピン10を支持軸としたねじりばね20の一端がフック体3に係止され、他端がベース金具の底板6に係止される。この場合、使用時には、一方の手でフック体3を起立保持した状態で、物品をフック体3に掛ける。物品をフック体3から外すと、フック体3は、バネ力で自動的に倒伏位置へ復帰して保持される。したがって、先の実施形態における倒伏保持突部19は設けられない。この点と、ばね20が付加される点を除き、他の構成は先の実施形態と同等であるから、同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
図15に示すさらに他の実施形態は、図14の実施形態におけるカバー部材5の側板部14に、フック体3を起立状態に保持する起立保持突部21の構成を付加したものである。すなわち、カバー部材5における側板部14の内側対向部に形成される起立保持突部21は、起立位置にあるフック体3が倒伏方向へ回転する進路の途上を狭め、それによってばね20の付勢力に抗してフック体3を起立位置に保持する。この場合、使用時にフック体3をいったん起立位置に持ち来すと、その状態で保持されるので、フック体3から手を離して作業を行うことができる。フック体3を収納するときには、これをわずかに押し上げると、起立保持突部21間が弾性的に広がって通過が許容され、後は自動的に倒伏位置へ復帰する。
【符号の説明】
【0016】
1 ハンガーフック
2 支持部材
3 フック体
4 ベース金具
5 カバー部材
6 底板
6a 取り付け孔
7 支持板
8 ストッパ片
9 係合孔
10 枢ピン
11 主体部
12 フック部
13 屈曲部
14 側板部
14a 切欠溝
15 ベース部
16 受け入れ凹部
17 被覆縁部
18 係合突部
19 倒伏保持突部
20 ばね
21 起立保持突部
22 ビス
W 壁面
【技術分野】
【0001】
この発明は、建造物等の壁面に面付けされ、不使用時にはフック体が壁面側へ倒伏し、使用時にはフック体が壁面から突出するハンガーフックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンガーフックとして、例えば特開2005−245554号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。このハンガーフックは、フックとフックを収納するケーシングとを備え、フックがケーシングに対して回転して起立することによって、フックに衣服等をかけることができる。フックは、付設ばねにより、ケーシングへの戻り方向、すなわちケーシングに収納される方向に回転付勢される。フックの回転軸には、歯車が形成され、ケーシングにはこれにかみ合う制動歯車が取り付けられる。制動歯車により、ケーシングに戻ろうとするフックを緩動作させることによって、フックに衣服をかける時間に余裕を持たせるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−245554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のハンガーフックは、用途によっては過剰機能で、そのために、構造が複雑で、高価となる難点がある。
したがって、この出願に係る発明は、より構造が簡素で、製造コストを抑えることができるハンガーフックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、この出願に係る発明のハンガーフック1は、壁面に固着される支持部材2と、使用時に壁面から起立し、不使用時に壁面側へ倒伏して支持部材2に収納されるように、基端側において支持部材2に枢支されるフック体3とを具備する。支持部材2は、ベース金具4と、このベース金具4に嵌合固定されるカバー部材5とを具備する。ベース金具4は、金属板材で一体に構成され、設置時に壁面に密着する底板6と、底板6の左右両端縁から直角に起立する平行一対の支持板7と、フック体3を起立位置に保持するストッパ片8とを具備する。フック体3は、ベース金具4の一対の支持板7間に架設される枢ピン10によって枢支され、倒伏時に一対の支持板7間に大部分が収まる形状に構成される。カバー部材5は、弾性体で一体成形され、ベース金具4の支持板7の内側面に沿う一対の側板部14と、この側板部14間を接続するベース部15と、倒伏状態のフック体3を受け入れるように、側板部14間に形成される受け入れ凹部16と、ベース金具4の支持板7の周縁面を被覆するように側板部14の周縁に沿って延在する被覆縁部17とを具備する。
上記ベース金具のストッパ片8は、底板6から起立し、フック体3の枢ピン10による枢支位置より基端側の上面に当接することにより、フック体3を起立位置に保持するように構成することができる。
上記フック体3は、金属製丸棒材をほぼL字状に屈折させてなり、起立位置において前方へ真っ直ぐに延出する主体部11と、この主体部11の先端側に屈曲部13を介して連続し、起立位置において上向きに延出するフック部12とを具備するものとし、ベース金具4の支持板7は、下部から上部に向かうにしたがって底板からの高さが徐々に低くなる形状に構成し、倒伏位置にあるフック体3の屈曲部13が支持板7間から露出した状態となり、この屈曲部13を掴んでフック体3の起立操作が可能となるように構成することができる。
上記カバー部材5における側板部14の内側対向部に倒伏保持突部19が形成され、この突部19が、側板部14間に形成されるフック体3の起立方向回転進路途上を狭め、それによってフック体3を倒伏位置に保持するように構成することができる。
上記フック体3は、常時倒伏位置に復帰するように、ばね20により回転付勢されるように構成することができる。
上記フック体3がばね20により倒伏位置に回転付勢される場合、カバー部材5における側板部14の内側対向部に起立保持突部21が形成され、この突部21が、側板部14間に形成されるフック体3の倒伏方向回転進路途上を狭め、それによってフック体3をばね力に抗して起立位置に保持するように構成することができる。
【発明の効果】
【0006】
この出願に係る発明のハンガーフックによれば、金属板材のベース金具4と、それに枢支されるフック体3と、ベース金具4に嵌合固定されるカバー部材5とからなる簡素な構造で、安価に提供することができる。カバー部材5の側板部14の周縁に沿って延在する被覆縁部17が、ベース金具4の支持板7の周縁面を被覆するので、フックに掛ける物品が、金属エッジで傷つくことがない。
上記カバー部材5における側板部14の内側対向部に倒伏保持突部19を形成する場合には、フック体3を倒伏位置に保持するための極めて簡易な構成を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るハンガーフックの分解斜視図である。
【図2】図1のハンガーフックの正面図である。
【図3】図1のハンガーフックの側面図である。
【図4】図1のハンガーフックの背面図である。
【図5】図3におけるV−V断面図である。
【図6】図2におけるVI−VI断面図である。
【図7】図1のハンガーフックにおけるベース金具の正面図である。
【図8】図7のベース金具の平面図である。
【図9】図7のIX−IX断面図である。
【図10】図1のハンガーフックにおけるカバー部材の正面図である。
【図11】図10のカバー部材の側面図である。
【図12】図10におけるXII−XII断面図である。
【図13】図12におけるXIII−XIII断面図である。
【図14】本発明に係る他の実施形態のハンガーフックの断面図である。
【図15】本発明に係るさらに他の実施形態のハンガーフックの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1ないし図6において、ハンガーフック1は、壁面Wにビスで固着される支持部材2と、支持部材2に枢支されるフック体3とを具備する。フック体3は、使用時に壁面から前方へ起立し、不使用時には壁面W側へ倒伏して支持部材2に収納される。支持部材2は、ベース金具4と、このベース金具4に嵌合固定されるカバー部材5とを具備する。
【0009】
ベース金具4は、金属板材で一体に構成され、設置時に壁面Wに密着する底板6と、底板6の左右両端縁から直角に前方へ起立する平行一対の支持板7,7と、フック体3を起立位置に保持するストッパ片8とを具備する。
支持板7は、下部から上部に向かうにしたがって底板6からの高さが徐々に低くなる形状である。支持板7は、その基部に、縦方向に相互間隔を置いて並んだ複数の係合孔9を有する。ストッパ片8は、底板6から直角に起立し、前方へ水平に延出する。底板6には、壁面Wへ取り付けるためのビスを挿入する取り付け孔6aが形成される。
【0010】
フック体3は、ベース金具4の一対の支持板7,7間に水平に架設される枢ピン10によって枢支され、倒伏時に一対の支持板7,7間に大部分が収まる形状に構成される。すなわち、フック体3は、金属製丸棒材をほぼL字状に屈折させてなり、主体部11と、屈曲部13と、フック部12とを具備する。主体部11は、起立位置において前方へ真っ直ぐに延出する。この主体部11の先端側に屈曲部13を介してフック部12が連続する。フック部12は、起立位置において斜め上向きに延出する。フック体3が倒伏位置にあるとき、フック部12の先端が支持部材2に当接し、主体部11が上前方へ傾いた状態となることと、支持板7が上方に低くなる形状であることとが相まって、屈曲部13が支持板7間から露出する状態となる。したがって、屈曲部13を掴んで、倒伏位置にあるフック体3を起立方向へ回転させる操作が可能である。図6に示すように、フック体3が起立位置にあるとき、基端側の上面にベース金具4のストッパ片8が当接し、フック体3を起立位置に保持する。
【0011】
カバー部材5は、ゴムのような弾性体で一体成形され、ベース金具4に嵌合固定される。カバー部材5は、ベース金具4の支持板7の内側面に沿う平行一対の側板部14と、この側板部14間を接続するベース部15と、倒伏状態のフック体3を受け入れるように、側板部14間に形成される受け入れ凹部16とを具備する。側板部14の周縁には、外側へ張り出す被覆縁部17が形成される。被覆縁部17は、支持板14の周縁面が外部に露出しないように、これを被覆する。側板14部の外側面には、支持板の係合孔9にスナップ係合する係合突起18が形成される。側板部14の内側対向部には、フック体3の起立方向回転進路の途上に位置して倒伏保持突部19が形成される。この保持突部19は、フック体3が倒伏位置から起立方向へ回転する進路の途上を狭め、それによってフック体3を倒伏位置に保持する。側板部14は、ベース金具4へカバー部材5を嵌合するときに枢ピン10を通すための切欠溝14aを有する。切欠溝14aは、側板部14の、底板6に当接する後方端縁に開放し、前方へ延びている。
【0012】
この実施形態のハンガーフック1は、フック体3を組み付けたベース金具4を、カバー部材5を装着しない状態で壁面Wに固定する。図5に示すように、ベース金具4の底板6に形成された取り付け孔6aにビス22を挿入し、壁面Wにねじ止めするだけで、取り付けは容易である。ベース金具4を固定した後、前面側からカバー部材5を押し込んで、ベース金具4に嵌合させる。カバー部材5は弾性的に撓むので、その装着は容易である。フック体3は、図3,6に仮想線で示すように、不使用時には壁面W側へ倒伏して、支持部材2の受け入れ凹部16に収納される。この状態で、フック体3は、倒伏保持突部19に当接して、保持される。使用時には、フック体3を前方へ回転起立させる。その際、支持板7間から露出した屈曲部13を掴んで、引き出すと、倒伏保持突部19がフック体3に押されて弾性的に撓み、あるいは同時に支持板7間が弾性的に押し開かれて、倒伏保持突部19間をフック体3が通過する。
【0013】
例えば、電気自動車のバッテリ充電装置付近の壁面に、このハンガーフックを設置し、充電用ケーブルの保管の用に供することができる。この場合、不使用時に輪に巻いたケーブルをこのハンガーフックに掛けて保管することができる。このハンガーフック1は、支持板7の上方が低くなっているので、ケーブルを掛ける際に、支持板7にケーブルの輪が引っかかることがなく、これを円滑にフック体3に掛けることができる。また、その際に、支持板7の周縁がカバー部材5の被覆縁部17で覆われているので、ケーブルが直接金属に触れることがなく、したがって、絶縁被覆が損傷を受けることもない。
【0014】
図14に示す他の実施形態においては、フック体3が、常時倒伏位置に復帰するように、ばね20により回転付勢される。すなわち、枢ピン10を支持軸としたねじりばね20の一端がフック体3に係止され、他端がベース金具の底板6に係止される。この場合、使用時には、一方の手でフック体3を起立保持した状態で、物品をフック体3に掛ける。物品をフック体3から外すと、フック体3は、バネ力で自動的に倒伏位置へ復帰して保持される。したがって、先の実施形態における倒伏保持突部19は設けられない。この点と、ばね20が付加される点を除き、他の構成は先の実施形態と同等であるから、同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
図15に示すさらに他の実施形態は、図14の実施形態におけるカバー部材5の側板部14に、フック体3を起立状態に保持する起立保持突部21の構成を付加したものである。すなわち、カバー部材5における側板部14の内側対向部に形成される起立保持突部21は、起立位置にあるフック体3が倒伏方向へ回転する進路の途上を狭め、それによってばね20の付勢力に抗してフック体3を起立位置に保持する。この場合、使用時にフック体3をいったん起立位置に持ち来すと、その状態で保持されるので、フック体3から手を離して作業を行うことができる。フック体3を収納するときには、これをわずかに押し上げると、起立保持突部21間が弾性的に広がって通過が許容され、後は自動的に倒伏位置へ復帰する。
【符号の説明】
【0016】
1 ハンガーフック
2 支持部材
3 フック体
4 ベース金具
5 カバー部材
6 底板
6a 取り付け孔
7 支持板
8 ストッパ片
9 係合孔
10 枢ピン
11 主体部
12 フック部
13 屈曲部
14 側板部
14a 切欠溝
15 ベース部
16 受け入れ凹部
17 被覆縁部
18 係合突部
19 倒伏保持突部
20 ばね
21 起立保持突部
22 ビス
W 壁面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に固着される支持部材と;使用時に壁面から起立し、不使用時に壁面側へ倒伏して前記支持部材に収納されるように、基端側において支持部材に枢支されるフック体とを具備し、
前記支持部材は、ベース金具と;このベース金具に嵌合固定されるカバー部材とを具備し、
前記ベース金具は、金属板材で一体に構成され、設置時に壁面に密着する底板と;底板の左右両端縁から直角に起立する平行一対の支持板と;前記フック体を起立位置に保持するストッパ片とを具備し、
前記フック体は、前記ベース金具の一対の支持板間に架設される枢ピンによって枢支され、倒伏時に一対の支持板間に大部分が収まる形状に構成され、
前記カバー部材は、弾性体で一体成形され;前記ベース金具の支持板の内側面に沿う一対の側板部と;この側板部間を接続するベース部と;倒伏状態の前記フック体を受け入れるように、側板部間に形成される受け入れ凹部と;ベース金具の支持板の周縁面を被覆するように、側板部の周縁に沿って延在する被覆縁部とを具備することを特徴とするハンガーフック。
【請求項2】
前記ベース金具のストッパ片は、前記底板から起立し、前記フック体の前記枢ピンによる枢支位置より基端側の上面に当接することにより、フック体を起立位置に保持するように設けられることを特徴とする請求項1に記載のハンガーフック。
【請求項3】
前記フック体は、金属製丸棒材をほぼL字状に屈折させてなり、起立位置において前方へ真っ直ぐに延出する主体部と、この主体部の先端側に屈曲部を介して連続し、起立位置において斜め上向きに延出するフック部とを具備し、
前記ベース金具の支持板は、下部から上部に向かうにしたがって底板からの高さが徐々に低くなる形状に構成され、倒伏位置にある前記フック体の屈曲部が支持板間から露出し、当該屈曲部を掴んでフック体の起立操作が可能とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のハンガーフック。
【請求項4】
前記ベース金具の支持板には、係合孔が形成され、
前記カバー部材における側板部の外側面には、前記支持板の係合孔にスナップ係合する係合突起が形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハンガーフック。
【請求項5】
前記カバー部材における側板部の内側対向部には、前記フック体の起立方向回転進路途上に位置して、当該進路途上を狭める倒伏保持突部が形成され、それによってフック体を倒伏位置に保持することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハンガーフック。
【請求項6】
前記フック体は、常時倒伏位置に復帰するように、ばねにより回転付勢されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハンガーフック。
【請求項7】
前記カバー部材における側板部の内側対向部には、前記フック体の倒伏方向回転進路途上に位置して、当該進路途上を狭める起立保持突部が形成され、それによって前記ばねの付勢力に抗してフック体を起立位置に保持することを特徴とする請求項6に記載のハンガーフック。
【請求項1】
壁面に固着される支持部材と;使用時に壁面から起立し、不使用時に壁面側へ倒伏して前記支持部材に収納されるように、基端側において支持部材に枢支されるフック体とを具備し、
前記支持部材は、ベース金具と;このベース金具に嵌合固定されるカバー部材とを具備し、
前記ベース金具は、金属板材で一体に構成され、設置時に壁面に密着する底板と;底板の左右両端縁から直角に起立する平行一対の支持板と;前記フック体を起立位置に保持するストッパ片とを具備し、
前記フック体は、前記ベース金具の一対の支持板間に架設される枢ピンによって枢支され、倒伏時に一対の支持板間に大部分が収まる形状に構成され、
前記カバー部材は、弾性体で一体成形され;前記ベース金具の支持板の内側面に沿う一対の側板部と;この側板部間を接続するベース部と;倒伏状態の前記フック体を受け入れるように、側板部間に形成される受け入れ凹部と;ベース金具の支持板の周縁面を被覆するように、側板部の周縁に沿って延在する被覆縁部とを具備することを特徴とするハンガーフック。
【請求項2】
前記ベース金具のストッパ片は、前記底板から起立し、前記フック体の前記枢ピンによる枢支位置より基端側の上面に当接することにより、フック体を起立位置に保持するように設けられることを特徴とする請求項1に記載のハンガーフック。
【請求項3】
前記フック体は、金属製丸棒材をほぼL字状に屈折させてなり、起立位置において前方へ真っ直ぐに延出する主体部と、この主体部の先端側に屈曲部を介して連続し、起立位置において斜め上向きに延出するフック部とを具備し、
前記ベース金具の支持板は、下部から上部に向かうにしたがって底板からの高さが徐々に低くなる形状に構成され、倒伏位置にある前記フック体の屈曲部が支持板間から露出し、当該屈曲部を掴んでフック体の起立操作が可能とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のハンガーフック。
【請求項4】
前記ベース金具の支持板には、係合孔が形成され、
前記カバー部材における側板部の外側面には、前記支持板の係合孔にスナップ係合する係合突起が形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハンガーフック。
【請求項5】
前記カバー部材における側板部の内側対向部には、前記フック体の起立方向回転進路途上に位置して、当該進路途上を狭める倒伏保持突部が形成され、それによってフック体を倒伏位置に保持することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハンガーフック。
【請求項6】
前記フック体は、常時倒伏位置に復帰するように、ばねにより回転付勢されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハンガーフック。
【請求項7】
前記カバー部材における側板部の内側対向部には、前記フック体の倒伏方向回転進路途上に位置して、当該進路途上を狭める起立保持突部が形成され、それによって前記ばねの付勢力に抗してフック体を起立位置に保持することを特徴とする請求項6に記載のハンガーフック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−105849(P2012−105849A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257640(P2010−257640)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)
【Fターム(参考)】
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