説明

ハードディスクの状態指示装置

【課題】構造が簡単で、且つコストが低いハードディスクの状態指示装置を提供する。
【解決手段】ハードディスクの状態指示装置10は、ハードディスクの状態を指示し、且つ少なくとも一つのハードディスクの制御端末に接続され、前記少なくとも一つのハードディスクからのシリアル信号を受信するSGPIO入力端11と、前記SGPIO入力端に接続され、且つ前記SGPIO入力端からのシリアル信号をパラレル信号に変換するシリアル・パラレル変換ユニット12と、前記シリアル・パラレル変換ユニットに接続され、且つ前記シリアル・パラレル変換ユニットから伝送されたパラレル信号を一時的に格納するバッファユニット13と、前記バッファユニットに接続され、且つ前記バッファユニットからのパラレル信号に基づいて、前記少なくとも一つのハードディスクの状態を指示するための状態指示ユニット14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクの状態を指示する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、SGPIO(Serial General Purpose Input/Output)バス(シリアル通用入力/入力ポート)は、サーバー及び記憶装置など広範に用いられ、特に記憶装置にとっては欠くことのできないものであり、記憶装置の周辺機器管理(Peripheral Component Management)方面において、SGPIOは、ICバス制御に取って代わるものとなった。
【0003】
しかし、SGPIOチップ(例えば、AMIのMG9082チップ)は価格が比較的高いため、該SGPIOチップの採用は、コストアップになる。また、CPLDを採用して周辺機器の管理を行えば、該CPLDのソースコード使用及びメンテナンス費用の必要性によりコスト増加を招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、構造が簡単で、且つコストが低いハードディスクの状態指示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係るハードディスクの状態指示装置は、ハードディスクの状態を指示し、且つ少なくとも一つのハードディスクの制御端末に接続され、前記少なくとも一つのハードディスクからのシリアル信号を受信するSGPIO入力端と、前記SGPIO入力端に接続され、且つ前記SGPIO入力端からのシリアル信号をパラレル信号に変換するシリアル・パラレル変換ユニットと、前記シリアル・パラレル変換ユニットに接続され、且つ前記シリアル・パラレル変換ユニットから伝送されたパラレル信号を一時的に格納するバッファユニットと、前記バッファユニットに接続され、且つ前記バッファユニットからのパラレル信号に基づいて、前記少なくとも一つのハードディスクの状態を指示するための状態指示ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術とは異なり、本発明のハードディスクの状態指示装置は、シリアル信号をパラレル信号に変換するためのシリアル・パラレル変換チップ及びバッファチップを利用して、複数のハードディスクの状態を制御することができる。前記シリアル・パラレル変換チップ及び前記バッファチップの価格は安いため、SGPIOのチップを採用することに起因するコストアップの問題を効果的に解決できる。また、前記シリアル・パラレル変換チップ及び前記バッファチップとは、簡単な論理回路で互いに接続されるので、CPLDチップを採用することで発生する高いメンテナンス費用を低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係るハードディスクの状態指示装置の作動原理を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るハードディスクの状態指示装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係るハードディスクの状態指示装置10は、SGPIO入力端11と、シリアル・パラレル変換ユニット12と、バッファユニット13及び状態指示ユニット14と、を備える。前記シリアル・パラレル変換ユニット12は、前記SGPIO入力端11からのシリアル信号をパラレル信号に変換した後、該パラレル信号を前記バッファユニット13に伝送する。前記バッファユニット13は、前記シリアル・パラレル変換ユニット12から伝送された該パラレル信号を一時的に格納し、且つ一定の法則に基づいて、前記パラレル信号を前記状態指示ユニット14に伝送して、ハードディスクの状態を指示する。前記SGPIO入力端11は、少なくとも一つのハードディスクの制御端末(図示せず)に接続され、且つ前記少なくとも一つのハードディスクからのシリアル信号を受信する。
【0009】
前記SGPIO入力端11は、SLOAD信号線111と、SDATAIN信号線112と、SDATAOUT信号線113及びSCLOCK信号線114と、の四つの信号線を備える。前記SLOAD信号線111は、前記少なくとも一つのハードディスクからのシリアル信号が伝送された時に制御信号を発信する。前記SDATAIN信号線112は、遊休ピンであり、信号を転送しない。また、該SDATAIN信号線112は、全てのSGPIO設備がサポートするのではなく、選択することができる。前記SDATAOUT信号線113は、シリアルのデータ出力ビットストリームであり、且つ前記少なくとも一つのハードディスクからのシリアル信号のビットストリームを、前記シリアル・パラレル変換ユニット12に転送する。前記SCLOCK信号線114は複数のクロック信号を送信する。
【0010】
例えば、前記制御端末が、二つのハードディスクを制御する場合、前記SDATAOUT信号線113は、第一ハードディスク及び第二ハードディスクのシリアル信号を伝送する。各々のハードディスクは、ハードディスクの正常、異常及びデータの読み込み中、この三つの状態及び各々のクロック信号の上昇に基づいて、三つのシリアル信号を発生する。従って、各々のハードディスクは、三つのクロック信号に対応する。
【0011】
前記シリアル・パラレル変換ユニット12は、四つのシリアル・パラレル変換チップ120を備える。各々のシリアル・パラレル変換チップ120は、8ビットの変換チップ(例えば、SN74LV164チップ)であり、且つ各々入力ピンであるAピン、Bピン、CLRピン、


ピン及び各々出力ピンであるQAピン〜QGピンを備える。前記シリアル・パラレル変換チップ120の


ピンは、一つの抵抗値が1KΩである第一電気抵抗121を介してP3V3電圧に接続され、前記シリアル・パラレル変換チップ120のCLRピンは、前記SGPIO入力端11のSCLOCK信号線114に接続される。一つ目のシリアル・パラレル変換チップ120のAピン及びBピンは、SDATAOUT信号線113に接続され、二つ目のシリアル・パラレル変換チップ120のAピン及びBピンは、一つ目のシリアル・パラレル変換チップ120のQGピンにそれぞれ接続され、三つ目のシリアル・パラレル変換チップ120のAピン及びBピンは、二つ目のシリアル・パラレル変換チップ120のQGピンにそれぞれ接続され、四つ目のシリアル・パラレル変換チップ120Aピン及びBピンは、三つ目のシリアル・パラレル変換チップ120のQGピンにそれぞれ接続される。これによって、四つのシリアル・パラレル変換チップ120は、互いに直列接続される。
【0012】
前記バッファユニット13は、四つのバッファチップ130を備える。各々のバッファチップ130は、74LVC244チップであり、且つ各々入力ピンである一つの


ピン、一つの


ピン、1A0ピン〜2A1ピン及び各々出力ピンである1Y0ピン〜2Y1ピンを備える。前記シリアル・パラレル変換チップ120のQA〜QFピンは、前記バッファチップ130の1A0〜2A1ピンに順次に接続される。前記バッファチップ130の


ピン及び


ピンは、一つの否定積ゲート15(例えば、74LVC06)を介して、前記SGPIO入力端11のSLOAD信号線111に接続される。前記バッファチップ130の1Y0ピン〜2Y1ピンは、抵抗値が470Ωである第二電気抵抗131を介して、前記状態指示ユニット14にそれぞれ接続される。
【0013】
前記状態指示ユニット14は、ハードディスクの正常、異常及びデータの読み込み中との三つの状態にそれぞれ対応する第一発光ダイオード141、第二発光ダイオード142及び第三発光ダイオード143を備え、且つこれ(141、142、143)を一つのグループとする、八つのグループの発光ダイオードユニット140を備える。
【0014】
各々のバッファチップ130が二つのグループの発光ダイオードユニット140をそれぞれ備え、四つのバッファチップ130が八つの発光ダイオードユニット140を備えるので、四つのシリアル・パラレル変換チップ120は、8個のハードディスクの状態を制御することができる。
【0015】
図2に示すように、四つ目のシリアル・パラレル変換チップ120は、第一ハードディスク及び第二ハードディスクからのパラレル信号を、四つ目のバッファチップ130に伝送する。三つ目のシリアル・パラレル変換チップ120は、第三ハードディスク及び第四ハードディスクからのパラレル信号を、三つ目のバッファチップ130に伝送する。二つ目のシリアル・パラレル変換チップ120は、第五ハードディスク及び第六ハードディスクからのパラレル信号を二つ目のバッファチップ130に伝送する。一つ目の第一シリアル・パラレル変換チップ120は、第七ハードディスク及び第八ハードディスクからのパラレル信号を一つ目のバッファチップ130に伝送する。
【0016】
これにより、八つのグループの該発光ダイオードユニット140のうちの二つのグループは、四つ目のバッファチップ130に接続されて、第一ハードディスク及び第二ハードディスクの状態を指示する。他の二つのグループの発光ダイオードユニット140は、前記三つ目のバッファチップ130に接続されて、第三ハードディスク及び第四ハードディスクの状態を指示する。他の二つのグループの発光ダイオードユニット140は、前記二つ目のバッファチップ130に接続されて、第五ハードディスク及び第六ハードディスクの状態を指示する。さらに、他の二つのグループの発光ダイオードユニット140は、前記一つ目のバッファチップ130に接続されて、第七ハードディスク及び第八ハードディスクの状態を指示する。つまり、最後の二つのグループの発光ダイオードユニット140は、最後のバッファチップ130(つまり、四つ目のバッファチップ130)に接続されて、第一ハードディスク及び第二ハードディスクの状態を指示し、前の二つのグループの発光ダイオードユニット140は、直後の二つのハードディスクの状態を指示する。
【0017】
具体的には、例えば、一つ目の発光ダイオードユニット140の第一発光ダイオード141、第二発光ダイオード142及び第三発光ダイオード143は、第一ハードディスクの正常、異常及びデータの読み込み中、この三つの状態をそれぞれ指示し、第一発光ダイオード141が光っている場合、第一ハードディスクは正常に運行していることを表す。また、第二発光ダイオード142が光っている場合、第一ハードディスクは故障していることを表す。
【0018】
前記シリアル・パラレル変換ユニット12のシリアル・パラレル変換チップ120及び前記バッファユニット13のバッファチップ130の数を変更すると、異なる個数のハードディスクを制御することができる。例えば、前記シリアル・パラレル変換チップ120及び前記バッファチップ130が各々1つである場合、二つのハードディスクを制御することができる。前記シリアル・パラレル変換チップ120及び前記バッファチップ130が各々2つである場合、四つのハードディスクを制御することができる。前記シリアル・パラレル変換チップ120及び前記バッファチップ130が各々三つである場合、六つのハードディスクを制御することができる。即ち、ハードディスクの数は、前記シリアル・パラレル変換チップ120と前記バッファチップ130との数の和である。
【0019】
SGPIOチップの信号の定義から分かるように、全てのSCLOCK信号線114の上昇は、1ビットのSDATAOUT信号線113に対応し、3ビットごとに、一つのハードディスクの正常、異常及びデータ読み込み中、この三つの状態にそれぞれ対応する。例えば、8個のハードディスクがあるとすると、各々のハードディスクは三つの制御ビットに対応し、合わせて24個のSCLOCK信号線114を必要する。この際、ローレベル電圧信号を受信するSLOAD信号線111の長さは、24個のSCLOCK信号線114に等しい。これにより、一回であらゆるハードディスクを制御することができ、その後も、該方法によってハードディスクの状態を絶えず即時に観測することができる。
【0020】
本発明のハードディスクの状態指示装置は、シリアル信号をパラレル信号に変換するためのシリアル・パラレル変換チップ及びバッファチップを利用して、複数のハードディスクの状態を制御することができる。前記シリアル・パラレル変換チップ及び前記バッファチップの価格は安いため、SGPIOのチップを採用することに起因するコストアップの問題を効果的に解決できる。また、前記シリアル・パラレル変換チップ及び前記バッファチップは、簡単な論理回路で互いに接続されているため、CPLDチップを採用することで発生する高いメンテナンス費用を削減することができる。
【0021】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0022】
10 ハードディスク状態の指示装置
11 SGPIO入力端
12 シリアル・パラレル変換ユニット
13 バッファユニット
14 状態指示ユニット
15 否定積ゲート
111 SLOAD信号線
112 SDATAIN信号線
113 SDATAOUT信号線
114 SCLOCK信号線
120 シリアル・パラレル変換チップ
121 第一電気抵抗
130 バッファチップ
131 第二電気抵抗
140 発光ダイオードユニット
141 第一発光ダイオード
142 第二発光ダイオード
143 第三発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスクの状態を指示するためのハードディスクの状態指示装置であって、
少なくとも一つのハードディスクの制御端末に接続され、前記少なくとも一つのハードディスクからのシリアル信号を受信するSGPIO入力端と、前記SGPIO入力端に接続され、且つ前記SGPIO入力端からのシリアル信号をパラレル信号に変換するシリアル・パラレル変換ユニットと、前記シリアル・パラレル変換ユニットに接続され、且つ前記シリアル・パラレル変換ユニットから伝送されたたパラレル信号を一時的に格納するバッファユニットと、前記バッファユニットに接続され、且つ前記バッファユニットからのパラレル信号に基づいて、前記少なくとも一つのハードディスクの状態を指示するための状態指示ユニットと、を備えることを特徴とするハードディスクの状態指示装置。
【請求項2】
前記シリアル・パラレル変換ユニットは、少なくとも一つのシリアル・パラレル変換チップを備え、前記バッファユニットは、少なくとも一つのバッファチップを備え、前記バッファチップは、前記シリアル・パラレル変換チップと互いに接続されることを特徴とする請求項1に記載のハードディスクの状態指示装置。
【請求項3】
前記状態指示ユニットは、少なくとも一つの発光ダイオードユニットを備え、前記発光ダイオードユニットは、三つの発光ダイオードを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のハードディスクの状態指示装置。
【請求項4】
前記バッファチップは、一つの電気抵抗を介して前記状態指示ユニットに接続されることを特徴とする請求項2から3の何れか一項に記載のハードディスクの状態指示装置。
【請求項5】
前記シリアル・パラレル変換チップは、SN74LV164チップであり、前記バッファチップは、74LVC244チップであることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のハードディスクの状態指示装置。
【請求項6】
前記バッファチップの


ピンは、一つの否定積ゲートを介して、前記SGPIO入力端のSLOAD信号線に接続されることを特徴とする請求項5に記載のハードディスク状態の指示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−89254(P2013−89254A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−231564(P2012−231564)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)