説明

バイオリアクタシステムと製造施設における情報取得、管理システム及び方法

本発明はある特定の態様において、識別、追跡、及び以下のものの場所の決定、以下のものによる材質消費の決定、以下のものからの浪費の除去、以下のものの中あるいは上における構成要素の位置付け、及び以下の組立を含むシステム、及び方法に関する。以下のものとはすなわち、容器、ユニット操作部、あるいは細胞培養、細胞収容、バイオリアクタ、化学的製造、あるいは薬学的製造システムの構成要素を言う。本発明の特定の容器、ユニット操作部、装置、あるいは他の構成要素は、そこに含まれる生物学的、化学的、あるいは薬学的製造工程の全て又は一部を実行するために用いられる。いくつかの実施形態において、本発明の方法はシステム構成要素を組み立て、システム構成要素が正確に組み立てられていることを検証し、構成要素の偽造品の使用から保護するなどのために用いられる。本発明の他の実施例はバイオリアクタシステムの自動化された組立を可能にする物質を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にリアクタもしくはバイオリアクタ、もしくはそれらの構成要素を含む製造システムに関し、またある特定の実施形態において、容器及びユニット操作部の識別や追跡、そして組立、又は細胞培養、細胞収容、バイオリアクタ、精製、形成、仕上げ、包装、化学製造、あるいは薬学の製造システムの構成要素を含むシステムや方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を操作する、または化学的、生化学的、あるいは生物学的な工程を実行する様々な容器、装置、構成要素そしてユニット操作部が利用可能である。例えば、哺乳動物、植物もしくは昆虫細胞を含む生体物質(例えば、動物及び植物細胞)及び微生物培養がバイオリアクタを用いて処理される。典型的に固定された再使用可能なタンクあるいはコンテナとして設計された従来のバイオリアクタ、あるいはプラスチック製の無菌袋体を利用する使い捨て可能なバイオリアクタはこのような目的で使用される。使い捨て可能な一回使用の製造システムは構成要素の部品(例えばチューブ、濾過材、袋体、付属品、接続部、センサ、等)から使い捨て可能な組立品へと組み立てられることが可能である。構成要素の部品や携帯可能な組立品の性能は、一方では組立品の構成を迅速に変更するための可撓性などの利便性を提供する。もう一方では携帯可能なモジュールの組立品は組立、取付け、そして使用においてヒューマンエラーの可能性を与える。これらの特定の利点や制約について対処するため、適切な使用、在庫管理、そして構成要素や組立品に対する偽造品からの保護を保証する包括的システムが有効となるだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は一般的に、リタクタもしくはバイオリアクタを含む製造システム、精製、形成、充填/完了及び包装操作、サンプル操作及び工程計画を含む原料あるいは製品の操作及び保存、あるいはこれらの構成要素に関する。ある特定の実施形態において、本発明は、バイオリアクタシステム及び製造施設における情報の取得及び管理を含むシステム及び方法に関する。本発明の特定の実施形態は、ユニット操作部、容器及び生物学的、化学的もしくは薬学的製造システムの他の構成要素の識別、追跡及び組み立てを行う装置及び方法を提供する。本発明の主題は、いくつかの場合においては、相互関連製品、代替可能な特定の問題に対する解決方法あるいは1もしくはそれより多いシステムもしくは物質の複数の異なる使用を含む。
【0004】
特定の実施形態において、本発明は、カスタマイズ可能な製造システムを構成する方法に関する。ある実施形態において方法は、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程もしくはこのような工程の作業を実行するよう構成される第1ユニット操作部を提供する段階を備え、前記第1ユニット操作部は、第1モジュールの内側を備えるもしくは該内側に配され、前記第1ユニット操作部は、前記ユニット操作部についての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第1識別子を有する。さらに、この実施形態の方法は、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程もしくはこのような工程の作業を実行するよう構成される第2ユニット操作部を提供する段階を備え、前記第2ユニット操作部は、第2モジュールの内側を備えるもしくは該内側に配され、前記第2ユニット操作部は、前記第2ユニット操作部についての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第2識別子を備える。この実施形態の方法は、前記第1及び第2モジュールの少なくとも1は、移動可能なように構成される。この実施形態の方法はさらに、前記第1モジュール及び第2モジュールを相互接続させる段階と、前記第1及び第2識別子の少なくとも1を処理するもしくは検知することにより情報を獲得する段階を備える。
【0005】
もう1つ別の実施形態において、方法は、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程もしくはこのような工程の作業を実行するよう構成されるユニット操作部を提供する段階を備え、前記ユニット操作部は、前記ユニット操作部についての情報にエンコードもしくは関連付けられる第1識別子を有する。さらにこの実施形態は、前記ユニット操作部に動作可能に関連付けるのに設置されるよう構成されるモジュールを提供する段階を備え、前記モジュールは、前記モジュールについての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第2識別子を備え、前記モジュールは移動可能に構成される。この実施形態の方法はさらに、少なくとも1の前記第1及び前記第2識別子を処理もしくは検知することにより情報を獲得する段階を備える。さらに方法は、前記ユニット操作部と前記モジュールを動作可能に関連付けて設置するかどうかを決定する段階、もしくは、前記情報を獲得する段階で獲得される情報に、少なくとも部分的に基づいて、関連づけて構成することを決定する段階を備える。
【0006】
さらにもう1つ別の実施形態において、方法は、生物学的、化学的、もしくは薬学的製造工程の少なくとも1の特定の作業を実行するように構成される第1ユニット操作部を収容する内部を備えるもしくは有する第1モジュールを提供する段階を備え、前記第1モジュールは、前記第1モジュールについての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第1識別子を備え、前記方法は、さらに、
前記第1識別子にエンコードされる情報もしくは関連付けられる情報に基づいて、前記第1モジュールにより実行される作業を決定する段階を備える。さらにこの実施形態において、方法は、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程の少なくとも1の特定の作業を実行するように構成される第2ユニット操作部を収容する内部を有する第2モジュールを提供する段階を備え、前記第2モジュールは前記第2モジュールについての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第2識別子を備え、前記方法はさらに、前記第2識別子にエンコードされるもしくは関連付けられる情報に基づいて、前記第2モジュールにより実行される作業を決定する段階を備える。さらに、この実施形態において、前記第1及び第2ユニット操作部のそれぞれは、前記ユニット操作部を相互接続させるように、前記操作部に関連付けられる少なくとも1の接続装置を備える。この実施形態の方法はさらに、少なくとも1の前記第1及び第2識別子上でエンコードされるもしくは関連付けられる情報に基づいて、接続性の構成を決定する段階と、前記接続性の構成に従って、前記モジュール内で前記第1及び第2ユニット操作部を相互接続させ、前記モジュールを配置させる段階を備える。
【0007】
もう1つ別の態様において、本発明はカスタマイズ可能な製造システムに関する。ある実施形態において、システムは、少なくとも2のモジュールを備え、モジュールのそれぞれが、もう一方のモジュールの内部空間と相互接続可能な内部空間を備え、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程の少なくとも1の特定の作業を実行するよう構成される1もしくはそれより多い構成要素を収容し、
前記モジュールの少なくとも1は、移動可能なように構成されるとともに、前記モジュールについての情報上でエンコードされる識別子もしくは前記モジュールについての情報に関連付けられる識別子を含む。さらに、この実施形態のシステムは、1もしくはそれより多い構成要素の操作及び工程制御を実行するよう構成される制御システムを備え、該制御システムはさらに、少なくとも1の前記モジュールの上の少なくとも1の識別子に関連付けられるもしくは該識別子から獲得される情報へとアクセス及び処理するよう構成され、少なくとも1のモジュール上の少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1のモジュール上の少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に基づいて、機能を実行するよう構成される。
【0008】
ある特定の実施形態において、本発明はカスタマイズ可能な製造システムに関する。該システムは、少なくとも2の携帯可能なモジュールを備え、該モジュールのそれぞれは、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程の少なくとも1の特定の作業を実行するための1もしくはそれより多いユニット操作部構成要素を含む内部を有し、前記システムはさらに、前記モジュールを相互接続させるための前記モジュールのそれぞれと関連付けられた接続ポートと、前記カスタマイズ可能な製造システムの構成要素についての情報を用いてエンコードされる識別子を備え、接続後、モジュールのそれぞれは、前記接続を解除することなく、他方のモジュールに対して移動可能である。
【0009】
もう1つ別の実施形態において、本発明は、液体の容量を収容するよう構成される容器を備え、該容器は、前記容器についての情報を用いてエンコードされる識別子と、前記液体を収容するよう構成される折り畳み可能な袋体と、前記折り畳み可能な袋体を囲むとともに収容する再利用可能な支持構造体を備える。
【0010】
さらにもう1つ別の実施形態において、本発明は折り畳み可能な袋体を備え、該袋体は、折り畳み可能な袋体についての情報を用いてエンコードされる識別子と、可撓性を有する壁部と、磁性羽根車を支持するように構成されるシャフトを含む基部を備える剛性部を備え、前記剛性部は、前記可撓性を有する壁部と接続される。
【0011】
本発明の他の利点及び新規な特徴は、以下の様々な本発明の制限されないさまざまな実施形態の詳細な説明から、添付図面とともに考慮すると、明らかである。本明細書及び参照することにより組み込まれた文書が相反する又は一貫性のない開示を含んでいる場合、本明細書を優先するものとする。参照することにより組み込まれた2もしくはそれより多い文書が相反する又は一貫性のない開示を互いに関連して含んでいる場合、より近い発行日を有する方の文書を優先するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、発明の一実施形態によって、製造システムにおいて使用されるいくつかのモジュールの相互接続を表す概略図である。
【図2】図2は、発明の一実施形態によって、製造システムにおいて使用される代表的なモジュールを表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の制約のない実施形態が添付の図と関連し一例として記載される。図は概略図であり、縮尺を意図して描かれたものではない。図において、図示されている同一の又はほぼ同一の構成要素の各々は一般的には一つの数字で表されている。明確化するために、全ての構成要素が全ての図で表示されているわけではなく、図示された本発明の各実施形態の全ての構成要素も全ての図で表示されているわけでもない。実際に、当業者が本発明を理解するために図解は必ずしも必要なわけではない。
【0014】
本発明はある態様において、容器及びユニット操作部の識別、追跡、組立、又は細胞培養、細胞収容、バイオリアクタ、化学製造、あるいは薬学の製造システムにおいて利用される構成要素、試薬、又は製品に関するシステム及び方法に関する。ある特定の容器、ユニット操作部、装置、あるいはシステムの他の構成要素は、生物学的、化学的、あるいは薬学的な製造工程の全て、あるいは一部を実行するために使用される。いくつかの実施形態においては、システム構成要素の適正な組立を導くため、システム構成要素が正確に組み立てられていることを検証するため、偽造品、不適切あるいは未認可の構成要素等の使用から保護するため、本発明技術が使用され得る。
【0015】
例えば、ある特定の実施形態において、固有の識別子が使用され、製造システムで使用される一もしくはそれより多い構成要素または材質に関連する。「識別子」は以下で非常に細かく説明されるように、識別子を含む構成要素についての「エンコードされた」情報(すなわち、無線周波数識別(RFID)タグもしくはバーコードなどの輸送、保存、生成もしくは搬送装置の情報の使用などにより、情報を輸送もしくは収容する。)である、あるいは、構成要素についてのエンコードされないあらゆる情報である。むしろ、識別子は、例えば、コンピュータ上のデータベースあるいはコンピュータで読み取り可能な媒体上のデータベースに収容される情報にのみ関連付けられる。後半の例において、識別子などを検知することで、データベースから関連付けられた情報を検索及び使用する。構成要素についての情報を用いて「エンコードされた」識別子は必ずしも構成要素についての完全な一式の情報を用いてエンコードされる必要はない。例えば、ある特定の実施形態においては、構成要素に関連する追加の情報(例えば型、使用、所有権、場所、位置、接続性、内容物、等)が隔離して保存され、ただ識別子と関連付けられるのみである一方で、識別子はただ装置の固有識別を可能にするのみにすぎない情報(例えばシリアル番号、パート番号などに関連する)を用いてエンコードされる。ユニット操作部、モジュール、材質あるいは構成要素等に「ついての情報」とは、ユニット操作部、モジュール、材質、あるいは構成要素の同一性、位置付け、又は場所に関する、あるいは、モジュール、ユニット操作部、あるいは構成要素の内容物の同一性、位置付け、または場所に関する任意の情報であり、さらにユニット操作部、材質、構成要素あるいは内容物の性質、状態、あるいは構成に関する情報を含み得る。ユニット操作部、モジュール、または構成要素、あるいはその内容物「についての情報」はユニット操作部、モジュール、または構成要素あるいはその内容物を識別し、ユニット操作部、モジュール、または構成要素あるいはその内容物を他のものから区別する情報を含み得る。例えば、ユニット操作部、モジュール、または構成要素あるいはその内容物が何であるのか、どこにあるのか、どこにあるべきか、どのように置かれているか、位置付けられるべきであるか、ユニット操作部、モジュール、または構成要素あるいはその内容物の機能や目的、ユニット操作部、モジュール、または構成要素あるいはその内容物がいかに組み立てられるべきか、あるいはシステムの他の構成要素とどのように接続されるべきか、ユニット操作部、モジュール、または構成要素あるいはその内容物等のロット番号、起源、目的、あるいは所有権などを指す情報を表す。
【0016】
ある一例では、第1識別子を含む全てのシステムの第1モジュールは、第2識別子を含む第2モジュールに接続され得る。この場合、それぞれの識別子はそれらが関連する構成要素についての情報とエンコードあるいは関連付けされる。2つのモジュールは相互接続されることができ、また接続性の適合性は第1及び第2識別子とエンコードまたは関連付けされる情報に少なくとも部分的に基づいて検証され得る。もう一つの例としては、接続性の順序は第1及び第2識別子にエンコードまたは関連付けされた情報に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。発明の他の実施形態は、バイオリアクタシステムの自動化された組立を容易にする識別子を含む。
【0017】
本明細書記載の多くはバイオリアクタ(または液体収容装置を含む生化学的、化学的反応システム)に関連する本発明の典型的な応用例を備えるが、本発明及びその使用は制限されることなく、本発明の態様は、コンテナ内における(例えば混合システム)流体(例えば液体あるいはガス)の収容や処理のシステム、生物学的、化学的、あるいは薬学的製造工程に関するシステム(例えば一時回収、濾過及びクロマトグラフィシステム、細胞培養システム、顕微鏡法、または他の分析装置など)に関連するシステムだけでなく、他の応用をも含む他の設定においても使用され得ることを理解されたい。また本明細書中で提供される多くの例が折り畳み可能な袋体か可撓性を有するコンテナを備える容器の使用を含んでいるが、この発明の態様は折り畳み不可能あるいは剛性のコンテナ、そして液体収容に関する他の構成にも結び付けられ得ることも理解されるべきである。
【0018】
一つの態様において、発明は生物薬剤学的製造システムのようなカスタマイズ可能なシステムを構成することに関連する。図1に示された実施形態に見られるように、代表的なカスタマイズ可能な生物薬剤学的製造システム(10)は第1モジュール(20)を備える。このモジュールは生物学的、化学的、あるいは薬学的製造工程を、あるいはこのような工程の作業を実行するように構成されている。第1モジュール(20)は第1ユニット操作部(21)を備え、それは容器であるか、あるいは他の処理装置、またはその構成要素である。任意に、ユニット操作部(21)は収容装置(24)であるユニット操作部に囲まれる。
【0019】
第1ユニット操作部(21)は第1構成要素についての情報にエンコードあるいは関連付けされ得る識別子(22)を含む。一般に、本明細書中に用いられるように、用語「識別子」は、識別子が関連付けられ、あるいは取り付けられるユニット操作部についての情報(例えばユニット操作部またはその構成要素の一もしくはそれより多い同一性、場所、あるいは位置/位置付けを含む情報)を提供することができる任意の項目を指し、あるいは、識別され、検知されることができる任意の項目を指し、そして識別子が関連付けられるユニット操作部についての情報に関連付けられる識別及び検知事象を指す。発明の文脈で用いられる識別子の制約のない例にはとりわけ無線周波数識別(RFID)タグ、バーコード、シリアルナンバー、色つきタグ、蛍光灯、視覚タグ(例えば量子ドットの使用)、化学的化合物、無線タグ、磁性タグを含む。識別子を備え得る生物薬学的製造システムのユニット操作部の制約のない例には、可撓性を有するコンテナ(例えば使い捨て可能な袋体あるいはバイオリアクタのライナー、または混合容器)、再利用可能な支持構造体(例えば使い捨て可能な袋体あるいはバイオリアクタのライナー、または混合容器を収納し、支持するため)、センサ、チューブ、バルブ、試薬コンテナ、撹拌システム(例えば羽根車)、ポート、また柱部、遠心分離機、制御システム構成要素、コンピュータ・ハードウェアまたはソフトウェア構成要素、スパージャ、付属品といった分離装置、あるいはその他製造システムの機能的構成要素を含む。
【0020】
ある特定の実施形態では、後により詳しく述べるように、適切な組立を確保するために構成要素の位置取りやそれぞれ互いの構成要素の場所を検証するという方法で共同して作用する。ある一つの代表的な実施形態において、第1識別子は折り畳み可能な袋体に備えられ、第2識別子は袋体を収納し、支持するための再利用可能な支持構造体に備えられる。第1識別子と第2識別子はそれらが互いに一定の近接した場所に位置する時、あるいは互いにある相対的な位置にある時、適切、あるいは不適切な組立についいての情報を示す、あるいはそれに関連付けられる。
【0021】
第1モジュール(20)はいくつかの場合において、一識別子を備えるただ一つのユニット操作部(21)を備える。代替的に、ある特定の実施形態においては、第1モジュール(20)は、相互接続されているか、そうでなければ動作可能に互いに関連付けられている識別子を備える複数のユニット操作部を備える。ある特定の実施形態では、ユニット操作部(21)は収容装置(24)に動作可能に関連して位置付けられ得る。本明細書中に用いられるように、一般に、一もしくはそれより多い他のユニット操作部と「動作可能に関連付けられる」以下のことを示す。すなわち、このようなユニット操作部は、直接物理的に接触した状態で互いに直接接続される。このユニット操作部は互いに接続又は取り付けられておらず、あるいは互いに直接的に接続されていない又は互いに接触していない。あるいは、ユニット操作部は機械的、磁気的、電気的(空間を通して伝達された電磁信号を介することを含む)、又は流体的に相互接続あるいは関連付けられることにより、ユニット操作部に十分関連付けられることを可能にし、これにより所望の機能を発揮することができる。いくつかの実施形態では、収容装置(24)は識別子(26)も含む。後述の通り、識別子(22)および(26)の上にエンコードされたあるいは識別子(22)および(26)に関連付けされた情報は、ユニット操作部(21)と収容装置(24)の間の関連の適合性を確認するために使用される。
【0022】
ユニット操作部(21)と収容装置(24)は、特別な製造過程のニーズや要求によって、様々な構成を取ることができるいくつかの場合ではユニット操作部(21)は少なくとも部分的には収容装置(24)の内部に位置付けられる。ある一実施形態において収容装置(24)は環境収容エンクロージャである。ここで用いられる「環境収容エンクロージャ」とは、少なくとも部分的には、実質的に閉ざされた、あるいは閉ざすことのできる空間(「閉ざされた空間」)を取り囲み、作り出し、作動中に無菌の、実質的に無粒子あるいは低粒子の筺体内部の環境を持っているエンクロージャを指す(筺体を取り囲む環境と比較して)。収容装置は、収容装置内部のこのような環境を維持することを助ける換気装置(図示されず)を持つ流体流通の中にある。換気装置はエンクロージャの外部にあるか、あるいはエンクロージャの内部に部分的あるいは完全に収容されている。代替的に、換気装置の代わりに、あるいは換気装置に加えて、無菌の実質的に無粒子あるいは低粒子の環境を作り、維持するため、いくつか他の環境処理システムが用いられる。例えば、紫外線または他の形態の放射線滅菌器、水蒸気供給源、二酸化塩素、エチレン・オキシド、過酸化水素蒸気、あるいは他の殺菌剤など。
【0023】
ある特定の実施形態においては、収容装置(24)はステンレス鋼タンクのような再利用可能な支持構造体を備える容器であり、ユニット操作部(21)は液体を収容するために適合させられた使い捨ての容器(例えば折り畳み可能な袋体)である。他の実施形態では他の容器、あるいは他の処理装置、またはそれらの構成要素はモジュール(20)に収容されている。一般的に、平易性と簡潔性のために、周囲の文脈が禁じない限り、用語「容器」は用語「ユニット操作部」と同様に、液体、容積測定コンテナを支持するための支持構造体、あるいは細胞培養、細胞収容、バイオリアクタ、化学的製造、薬学的製造、あるいは他の製造システムの少なくとも一部を形成する他の構成要素、または他の装置、またはそれらの構成要素を収容するよう適合させられた容積測定コンテナを示す省略表現として使用され得る。例えば、容器(21)は生物学的、化学的、あるいは薬学的製造工程の特別な段階又は作業を実行するよう構成された構成要素の形態をとる。発明の生物学的、化学的、薬学的製造工程に採用されるユニット操作部の制約のない例は、撹拌槽型バイオリアクタ、濾過システム、種培養拡張システム、一次回収システム、クロマトグラフィシステム、充填システム、閉ざされた媒体/バッファ調合/収容/供給システム、そして浄水システム(例えば注射用蒸留水(WFI)システム)を含む。一もしくはそれより多い環境収容エンクロージャである追加の収容エンクロージャ(図示されず)は、ある特定の実施形態においては収容装置(24)と容器(21)両方を取り囲み、収容する。
【0024】
いくつかの実施形態において、第2モジュール(30)もまた提供されるであろう。第2モジュール(30)は、生物学的、化学的、あるいは薬学的製造工程あるいはそのような工程の作業を実行するよう構成された第2ユニット操作部(31)を含む。第2ユニット操作部(31)は第2ユニット操作部についての情報にエンコードあるいは関連付けされる識別子(32)を含む。第2ユニット操作部(31)は独立している装置を備え、あるいは、上述の通り、収容装置(34)の内部に位置付けられる。いくつかの実施形態においては、収容装置(34)もまた識別子(36)を含む。
【0025】
いくつかの場合において、第1及び第2モジュールは流体的に、電気的に、物理的に等、接続装置(40)を介して相互接続される。接続装置(40)はまた、接続装置についての情報を含む、あるいはその情報に関連付けられ得る識別子(42)を含む。モジュール(20)と(30)の間の接続は、第一モジュール(20)で処理が行われる以前、処理中、あるいは処理後に形成され得る。いくつかの実施形態においては、接続装置(40)は、モジュール間の流体流通をさせる導管、チューブ、パイプ、ダクト等といった流体流通である。任意に、モジュールは物理的に接続され得るが、それはモジュールの内部間に流体連結はなされない。
【0026】
モジュール(20)からモジュール(30)への材質の移動は、材質がさらに処理されるあるいはモジュール(30)において操作されるのを助けるが、それはモジュール(20)(例えば異なるユニット操作部)における機能性とは別の機能性を持つ。例えば、モジュール(20)は生物学的、化学的、あるいは薬学的物質を生み出すためのリアクタの形態のユニット操作部を備える一方で、モジュール(30)はモジュール(20)にて形成された物質を精製するよう構成されたユニット操作部を含むであろう。
【0027】
発明のいくつかの実施形態は制御システム(50)の使用を含む。制御システムは、以下に記されたもののうちの特に組立を指示すること、電子収集、そしてデータの記憶、プロセス制御、診断法を含む様々な機能を遂行できるよう構成またはプログラムされ得る。制御システムは随意に他の構成要素と同様に、制御ソフトウェア、1つ以上の警報を任意に実行する1以上のコンピュータを備える。
【0028】
いくつかの実施形態において制御システムは、システム内の識別子を対処あるいは検知するよう構成され、また識別子から識別子に関連付けられたユニット操作部についての情報を獲得するよう構成される、あるいは識別子を検知あるいは感知し次第、識別子(例えば制御システムのコンピュータあるいは別の場所に保存されているデータベースの中にある)の外面に収容された、識別子に関連付けられたユニット操作部についての情報を関連付けるよう、構成される。識別子は活性化され、対処され、そして情報は探知機、あるいは読取機(54)を使用することにより、通信経路(図1において識別子から出る点線によって示されている)を介して識別子から得られる。識別子の活性化、読取、検知などは、採用された特定の識別子の性質に応じて、当業者に知られている様々な方法によって完成されることができる。検出器の制約のない例には特に、RFID読取機、バーコードスキャナー、化学物質検出知器、カメラ、放射線検知器、磁場または電場検知器、マイクを含む。検知の方法及び検知器の適切な型は、利用される特定の識別子により、例えば光学的画像、蛍光励起や検知、質量分析、核磁気共鳴、優先順位付け、交配、電気泳動、分光法、顕微鏡検査等を含むことができる。いくつかの実施形態では、検知器は特定の場所に取り付けられ、あるいは事前に組み込まれるが、他の実施形態では検知器は携帯可能である。いくつかの場合では、検知器は通信経路(図1に一点鎖線によって図示される)を介して制御システム(50)と一体化される。検知器と制御システムの間の通信は、ハードウェアに組み込まれたネットワークに沿って起こる、あるいは、無線で送信される。
【0029】
制御システム(50)によって実行される機能は、少なくとも一部はシステム構成要素の一もしくはそれより多い識別子にエンコードあるいは関連付けされる情報によって決定される。このような情報と関連付けられる、または情報を使用する制御システム機能の制約のない例には特に、構成要素の分離若しくは付随を指揮すること、構成要素の移動を指揮すること、開始、中断、継続、あるいは特定の工程の選択、環境パラメータ(例えば温度、気圧)の調節、化学物質レベルの調節、一あるいはそれより多いアラームを作動させること、データベースまたは自動化されたレポートにデータを追加するまたはデータベースまたは自動レポートからデータを抽出すること、同一性、所有権あるいは、構成要素または物質の信頼性を検証することを含む。
【0030】
いくつかの場合において、識別子の上にエンコードされた、または識別子に関連付けられた情報は、少なくとも一部分においては、ユニット操作部、モジュール、接続装置、あるいは他のシステム構成要素の同一性または機能を検証するために用いられ得る。識別子はまた、例えばユニット操作部、モジュール、接続装置、あるいは他のシステム構成要素の場所を決定するためにも用いられる。いくつかの場合では、構成要素の場所又は同一性又は機能を決定することは、在庫管理工程または規則の順守工程の一部として実行される。構成要素の同一性または機能に関する情報は、いくつかの実施形態において、生物薬学的製造システムの組立、解体、あるいは動作を助けるため、場所や接続性に関する情報と同時に用いられ得る。いくつかの場合では、前述の作業は制御システム(50)と並行して実行される時、自動化され得る。
【0031】
いくつかの実施形態においては、少なくとも一つの識別子から得られたあるいは少なくとも一つの識別子に関連付けられた情報が、以下の間の動作可能な関連性(例えば誤ったチューブを接続することや、製品AをバッチBに間違って混ぜることを防ぐため)の適合性を検証するために用いられ得る。すなわち、ユニット操作部間、ユニット操作部とモジュールの間、2つのモジュールの間、接続装置とユニット操作部あるいはモジュールの間、あるいは、システムの任意の2つの構成要素の間である。いくつかの場合では、検証されるべき動作可能な関連性は2つの構成要素間の接続性を含む。2つの構成要素が適合していると決定された場合、それらは互いに動作可能に関連付けて設置されることができる。2つの構成要素が適合しないと決定された場合、それらの相互接続を防ぐため、警報あるいはロックアウト条件が始動される、あるいはすでに接続された場合、作動を避けるロックアウト条件が始動されるか、あるいは構成要素が自動的に切断される。
【0032】
例として、バイオリアクタシステムの制御システムは、特定の構成要素(例えばモデル、製造者、サイズなどに関する情報を伝達する、あるいは情報に関連する)の識別子を、構成要素がシステムの他の構成要素に適合して接続されていることを示していると認識するようプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、2つの構成要素の接続性の適合性は、構成要素の接続の順序を決定することを含んでいる。2つの構成要素の接続性の適合性を検証することはまた、第1構成要素に含まれる材質が、第2構成要素に含まれる材質、あるいは第2構成要素が製造される材質と、生物学的または化学的に互換性があるかどうかを決定することを含む。構成要素の同一性のこのような認識は、例えば、多くの異なる部品の組立を要するシステム、特定の構成で部品の組み立てを要するシステム、組み立てられたり解体されたりされるよう設計されたシステム(例えば携帯可能なシステム)、あるいはシステムに慣れていない人たちによるシステムの組立を助けることにとっては有益である。バイオリアクタシステムの一もしくはそれより多い構成要素に関連する識別子は、特に第一の場所での顧客のために設計され、解体された(部分的に、あるいは完全に)後、第二の場所での顧客へ輸送されたシステムにとって、すなわちバイオリアクタシステムが使用前に再び組み立て(部分的に、あるいは完全に)られなければならない場合、特に有益である。
【0033】
もう一つの例では、バイオリアクタシステムの識別子あるいはシステムの構成要素はデータベースに含まれる所定の、あるいはプログラムされた、以下に関する情報に関連付けられることができる。その情報とは特定の目的、使用者又は製品、あるいは特別な反応条件においては、試薬、使用者等のためのシステム又は構成要素の使用に関するものである。誤った組み合わせが検知され、あるいは識別子が起動されなかった場合、使用者が知らされるまで、あるいは使用者が認識し次第、工程は停止される、またはシステムは操作不能な状態にされる。
【0034】
識別子の上にエンコードされる、あるいは識別子に関連付けられる情報はまた、例えば、識別子に関連付けられる構成要素が本物か偽造品かを決定するためにも使用される。本発明のいくつかの実施形態では、偽造品の構成要素の存在の決定は、システムのロックアウトを起こす。一つの例においては、識別子は特有の同一性コードを含む。この例においては、工程制御ソフトウェアまたはモジュールは、異質なあるいは不適合の同一性コード(あるいは非同一性コード)が検知された時、システムの再始動を許可しようとしなかった(例えばシステムが機能しなくなる)。識別子がRFIDタグであるならば、例えば(ただしこれらに限られない)、無線周波数識別(RFID)、あるいは、例えばモジュールの上あるいはモジュール内に近い場所、容器の壁部といったシステム内の特定の場所に位置付けられる、他の近接読取機を介して検証が行われ得る。ある特定の実施形態においては、構成要素に接続されたRFID識別子は適切な近接読取機を始動させ、適切なユニット、組立品、材質等が適切な位置にあると示す。同様に、ライナーに組み込まれたRFID識別子は、外部の撹拌機駆動モータ(下の図2の議論を参照)の作動より前に、ライナーが支持容器内に適切に位置していると示すために、支持容器内で読取機と相互作用し得る。製造システムが制御システム(50)を用いて操作される場合においては、システムロックアウトは自動化される。
【0035】
ある特定の実施形態においては、識別子から得られる情報、あるいは識別子に関連付けられる情報が、構成要素が売却された顧客、または生物学的、化学的、あるいは薬学的工程が実施される顧客の同一性を検証するために用いられることができる。いくつかの場合において、識別子から得られる情報、あるいは識別子に関連付けられる情報は、システムの修理のためにデータを収集する工程の一部として用いられている。識別子はまた、特にバッチの履歴、組立工程や計装図(P及びID)、修理の履歴といった情報をも収容している、あるいはそれらに関連付けられる。システムの修理はいくつかの場合では、遠隔アクセスまたは診断ソフトウェアなどを介して成し遂げられる。制御システム(50)は修理工程の一部として使用される。
【0036】
識別子の上にエンコードされる、または識別子に関連付けられる情報は、生物薬学的製造システムが適切に作動しているということを保証するためにも用いられる。いくつかの場合においては識別子の上にエンコードされる、または識別子に関連付けられる情報は、ユニット操作部、モジュール、接続装置、あるいは他のシステム構成要素が適切に機能していることを検証するためにも用いられる。識別子からの、あるいは識別子に関連付けられる情報はまた、ユニット操作部、モジュール、接続装置、あるいは他のシステム構成要素が適切に組み立てられているかどうかを決定するために用いられる。さらに別の実施形態においては、識別子からの情報の検知あるいは獲得は、生物学的、化学的、あるいは薬学的製造工程に対し、適切な試薬が用いられていることを検証するために実行され得る。いくつかの場合では、制御システム(50)は、識別子の上にエンコードされる、あるいは識別子に関連付けられる情報に基づくシステムにおける異常に対して、自動的にシステムを終了するために用いられる。加えて、制御システム(50)はいくつかの場合において、システム構成要素の不適切な組立または不適切な試薬の使用の修正を助け、あるいは導くために用いられる。
【0037】
いくつかの場合において、識別子の上にエンコードされる、あるいは識別子に関連付けられる情報はシステム構成要素を用いて製造される1もしくはそれより多い製品ロットにつながる、ユニット操作部、モジュール、接続装置、あるいは他の構成要素を追跡するために用いられる。一つの実施形態において、追跡は、処理データと原料バーコードあるいはRFIDタグとの間の相互接続のクロスリンク接続を成立させることを含む。いくつかの場合においてこのような追跡システムは、不適切あるいは未認可の構成要素または未加工物質の使用の検出が起こった場合に、例えば、アラーム状態を作動させるあるいはロックアウトを生じさせるといった方法によって、構成要素の交差混合や混同、あるいは、複数の製品への原料の使用の防止を確保するように構築される。識別子からのあるいは識別子に関連付けられる情報は、いくつかの実施形態においては、将来的な参照及び記録管理の目的のため、例えばコンピュータ・メモリの中、あるいはコンピュータで読み取り可能なメディア上に保存され得る。例えば、ある特定の制御システムは、ある特定の化学的または生物学的反応においてどの構成要素もしくは構成要素の型が用いられたのか、日付、時間、そして使用の期間、使用条件などを識別するために、識別子からのあるいは識別子に関連付けられる情報を使用する。このような情報は例えば、構成要素が取り除かれるあるいは取り換えられるべきであるかどうかを決定するためにも用いられる。識別子はまた、任意の時点で構成要素(あるいは構成要素のセット)の場所もしくは同一性を報告または記録する。任意に、識別子によってエンコードされるあるいは識別子に関連付けられる情報を含む製造システムは集められた情報で、それらは規制基準の順守や品質制御の検証の証明を提供することに用いられ得る情報を含むものであるが、その集められた情報からレポートを作成することができる。
【0038】
本発明の制御システムは、製造システムの一もしくはそれより多い構成要素に関連付けられる第2環境要因における変化に応答して、製造システムの1もしくはそれより多い構成要素に関連付けられる第1環境要因における変化を作り出すために構成される。環境要因とは、システム構成要素内の測定可能な特性で、気温、気圧、pH、流動場、溶解されたガスの濃度、モル濃度、オスモル濃度、グルコース濃度、グルタミン濃度、ピルビン酸濃度、リン灰石濃度、色、濁度、粘度、アミノ酸濃度、ビタミン濃度、ホルモン濃度、血清濃度、イオン濃度、ずり速度(shear rate)、そして撹拌度合いを含み、ただしこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、環境要因は、構成要素(例えばモジュール、ユニット操作部、接続装置など)の位置又は同一性、偽造品の構成要素の存在、不適切に組み立てられた構成要素の存在等といった、外的な要因をも含む。
【0039】
いくつかの場合においては、本発明の製造システムはまた、システム構成要素に動作可能なように関連付けられる作動装置をも含む。ある一式の実施形態において、センサ、あるいは識別子は、モジュール内環境要因において適切な変化を作り出すことのできる作動装置もしくはマイクロプロセッサと動作可能に関連付けられる。ある特定の一つの例において、作動装置は外部ポンプに接続され、作動装置がリザーバからの物質の除去を引き起こす。別の例においては、作動装置は構成要素あるいはその内容物を熱する、あるいは作動装置によって作られたある特定の型、あるいはある強さのエネルギーに影響を受けやすいある型の細胞を選択的に死滅させるエネルギーを作り出す。本明細書に公開されるどの制御システム及び技術も、他の制御システムや技術とどのように組み合わせても、組み合わせで提供され得ることは理解されるべきである。
【0040】
本明細書で記される制御システムは、多くの手法で実行可能である。この手法には専用のハードウェア又はファームウェアを用いたり、マイクロコードやソフトウェアを使用して上記に列挙された機能や又は前述の任意の適切な組み合わせを実行するようプログラムされたプロセッサを用いたりするものがある。制御システムは生物学的、生化学的、又は化学的な反応のユニット操作部の1もしくはそれより多い操作、又は複数の(別々の又は相互接続された)ユニット操作部の1もしくはそれより多い操作を制御する。
【0041】
本明細書に記載されたシステムの各々及びそれらの構成要素は、ソフトウェア(例えば、C、C#、C++、Java、又はそれらの組み合わせ)、ハードウェア(例えば1もしくはそれより多いアプリケーション特有の集積回路)、ファームウェア(例えば、電気的にプログラムされたメモリ)、又はそれらの任意の組み合わせを備える様々な技術を駆使して実行される。
【0042】
本発明によると、本明細書記載の様々な実施形態が1もしくはそれより多いコンピュータシステムで実行される。これらコンピュータシステムは例えば、Intel のPENTIUM-type及びXScale-typeのプロセッサ、Motorola のPower PC、MotorolaのDragonBall、IBMのHPC、SunのUltraSPARC、Hewlett-Packard のPA-RISCプロセッサ、Advanced Micro Devices(AMD)で利用できる様々なプロセッサ、又は任意の他の種類のプロセッサに基づいた汎用コンピュータである。1もしくはそれより多い任意の種類のコンピュータシステムが本発明の様々な実施例を実行するために用いられることを認識されたい。コンピュータシステムは特別にプログラムされた、特定の目的を有するハードウェア、例えば、アプリケーション特有の集積回路(ASIC)を備える。発明の態様はソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実行される。さらに、上記の方法、行為、システム、システムの要素及びこれらの構成要素は、記載されたコンピュータシステムの一部として又は独立した構成要素として実行される。
【0043】
ある実施形態では、本明細書記載のモジュールあるいは容器と動作可能に関連付けられる制御システムは携帯可能である。制御システムは、例えば、識別子を処理又は検知し、特定の識別子から情報を取り出す、あるいは情報と特別な識別子を関連付け、このような情報に基づいた行動をとる、流体操作を実行する(例えば混合及び反応)、製造システムにおける制御工程パラメータを測定及び制御する、などのために要求される必要な制御と機能の全てあるいは一部を含む。このような可動の/携帯可能の制御システムは運搬を容易にするための支持材とキャスターを含み、任意に、物理的にモジュールあるいは容器に接続され、例えばその上に取り付けられて、該モジュールもしくは容器に対して制御システムは動作可能に関連付けられる。有利なことに、上記のような携帯制御システムは設定された命令がプログラムされ、必要に応じて(任意で容器とともに)必要であれば輸送されるとともに容器に取り付けられ、従来の制御システムよりも短い時間で処理制御を行う準備を整えることが可能である(例えば、1週間未満、3日未満、1日未満、12時間未満、6時間未満、3時間未満、又は1時間未満で)。製造システムが複数のモジュールを含み、この複数のモジュールがそれに関連付けられる個別の制御システムを含むというある特定の実施形態に置いては、製造システムの統合や包括的制御を促進するために、モジュールから製造システムが組み立てられる次第、このような制御システムは互いに動作可能に及び協力的に関連付けて設置される。特定のこのような実施形態において、モジュール個々の制御システムはより高いレベルの主制御装置と通信している、あるいは主制御装置によって制御されている。
【0044】
いずれのモジュールも可動/携帯可能に構成されている。キャスター(図1には示されず)あるいはモジュールの動き/携帯性を容易にするための他のどの構成要素も、図1に示されたどのモジュールにも含まれ得る。ある特定の実施形態において、モジュールの場所または設備を通る通路、あるいは保存場所を識別するため、識別子がモジュールの上に取り付けられることもある。有利な点としては、個別に可動/携帯可能に構成されているモジュールは使用後に、例えば異なる配置において、モジュールを使用して実行された化学的、あるいは薬学的工程とは異なる生物学的、化学的、あるいは薬学的工程をモジュール内で実行するために、再構成されることができる。例えば、モジュール(20)における材質がモジュール(30)に移された後、モジュール(20)及び(30)が切断され、モジュール(20)が異なる工程を実行するために使用される。いくつかの場合において、第2工程は当該モジュールを使用して実行された第1工程と関係していない、例えば、第1工程が薬の合成を含み、第2工程が細胞の採取を含む。識別子はモジュール(20)の別の工程段階との互換性についての情報にエンコードまたは関連付けされ、また識別子は、モジュール(20)の第2システム組立への適切な再組立を確保するために、システムの一部として用いられる。他の場合においては、第2工程は第1工程に関係する。例えば、第1工程は薬の前駆体を形成することで、第2段階が薬を形成するため薬の前駆体を化合物と反応させることである。
【0045】
モジュール内の使い捨て可能な構成要素の使用は、モジュールの再構成を容易にすることができる。例えば、第1工程が使い捨て可能な袋体バイオリアクタ(例えばこの場合ユニット操作部(21))において実行され、そして材質がモジュール(20)からモジュール(30)に移された後、使い捨て可能な袋体はモジュール(20)から取り除かれ、新しい使い捨て可能な袋体がその中に差し込まれることが可能である。この配置は、移された物質がモジュール(30)において処理される間、第2工程がモジュール(20)内において実行されることを可能にする。同様に、モジュール(20)における第2工程が実行された後、モジュール内の材質はモジュール(30)に移されることができる。代替的に、またはもう一つの方法として、モジュール(20)は以下により詳しく述べられるように、接続部(70)を介して第3モジュール(60)と相互接続され得る。ある特定の実施形態においては、1もしくはそれより多い工程がシステム(10)を用いて、同時に実行されることができ、使用者の時間や空間を節約できる。
【0046】
本明細書中に述べられるシステムは、自足であり、また特定の生物学的、化学的、あるいは薬学的工程を実行するように独立的にカスタマイズされる。これにより、例えば、システム(10)が第1の場所で特定の工程を実行するようにカスタマイズされ、分解され、そして第2の場所で同じ工程を実行するために第2の場所に出荷されることが可能となる。ある特定の実施形態におけるモジュールと他の構成要素は組み立てを容易にする識別子を含んでいるため、第1の場所でモジュールを分解し、第2の場所でモジュールを組み立てるために求められる時間や専門知識は減らされる。識別子及び自動化をもたらす制御システムの使用はまた、特に、使用者がシステムについて訓練を受けていない、あるいは慣れていない時には、モジュールのより容易な操作を容易にすることができる。この特徴はシステムを遠隔の場所にて操作する時、特に有利である。
【0047】
一つの実施形態において、製造システムにおいて用いられる情報を用いてエンコードされた少なくとも一つの識別子はRFIDタグを備える。RFIDタグは集積回路(例えば情報を保存及び処理し、無線周波数(RF)信号を変調及び復調するなどのための)や、信号を受信及び送信するためのアンテナを含む。RFIDタグは受動的、準受動的(例えば電動補助)、あるいは能動的である。RFIDタグは一般的に当業種において知られており、任意の適合するRFIDタグが潜在的に上記のように本発明との文脈で用いられ得る。本発明の識別子は直接的にあるいは間接的に、任意の適合する方法で構成要素に接続される。識別子をシステム構成要素に取り付ける方法は後に詳しく論じられている。識別子は、第2製品のために指定された全ての使い捨て可能品/製品の接触材質が導入される前に、全ての使い捨て可能品/製品の接触材質がモジュールあるいは装置から取り除かれたことを確認するために用いられることができる。
【0048】
前に言及された通り、図1に示されるカスタマイズ可能な生物薬学的製造システムは2より多いモジュールあるいはユニット操作部を含むよう構成される。図1を参照すると、第3モジュール(60)は生物学的、化学的、あるいは薬学的製造工程あるいはそのような工程の作業を実行するよう提供あるいは構成される。第3モジュール(60)は、液体を収容している容器、分離装置、あるいは他の処理装置またはそれらの構成要素である第3ユニット操作部(61)を含む。例えば、第2モジュール(30)内の材質の更なる処理あるいは操作が要求される時に第3モジュール(60)は求められ、そのような時にはモジュール(60)はモジュール(30)と相互接続される(図示されず)。ある特定の実施形態において、第3モジュール(60)は、以前述べられたように、一より多くの工程が並行して運転している時、有利である。第3モジュールは第1あるいは第2モジュールの工程よりも異なる工程を実行するよう設計及び構成される。例えば、第3ユニット操作部(61)は、モジュール(20)のユニット操作部(21)を備えるバイオリアクタにおいて生成される所望の製品の分離のための限外濾過装置を備える容器を含み、一方でモジュール(30)のユニット操作部(31)は、中間供給/保存/調合の装置あるいはシステムを備える。
【0049】
図示されているように、第3ユニット操作部(61)は、第3ユニット操作部についての情報にエンコードあるいは関連付けされる識別子(62)を含む。第3ユニット操作部は独立し、それ自体モジュールを備え、あるいは収容装置(64)の内部に位置付けられる。識別子(62)は前に記された任意の機能の実行において用いられることができる。いくつかの実施形態において、収容装置(64)は識別子(66)をも含む。接続装置(70)はモジュール(20)と(60)を相互接続し、またモジュール等の接続装置あるいは接続性についての情報を含む識別子(72)をも含む。本発明の他の実施形態においては、更なる処理機能を実行するために、同様の方法で、追加のモジュールあるいはユニット操作部が加えられる。
【0050】
以前言及したように、ユニット操作部、モジュール、あるいは他の構成要素は少なくとも部分的には、環境的収容エンクロージャに囲まれている。該エンクロージャは、エンクロージャ内を殺菌された、無菌の、実質的上無粒子の、あるいは粒子を減らした環境に保つように構成された環境的収容システムの一部である。ある特定の実施形態において、モジュールまたはユニット操作部内に収容される材質へのアクセスは、材質を環境的収容エンクロージャを取り囲む外部の大気にさらさせることなくなされる。従って、このような環境的収容システムは、例えば、職員、装置、そして外気からの容器に収容される物質の雑菌混入の量、または使用者が物質にさらされる度合いを抑え、または減らすことができる。これらのシステムは特に、容器内にて毒物や他の感染性の材質を向上した安全性を伴って製造あるいは分離するために有益である。さらに、環境的収容エンクロージャをもつモジュールを使用することで、モジュールが殺菌されていない、清潔でない環境においてそのような環境が求められる工程のためにモジュールが使用されることを可能にする。なぜなら環境的収容エンクロージャによって形成される密閉空間は、殺菌された、無菌の、実質的上無粒子の、あるいは粒子を減らした状況に操作されることができるためである。この特性によって、清潔な空間または他の施設を要求されないために実質的に費用を抑えることができる。環境的収容システム及びそれとともに関連する方法は共同所有された、「Environmental Containment Systems」とタイトルが付された2007年7月13日出願の米国特許出願第11/879,033号により詳しく記されており、参照することにより、本書に組み込まれる。
【0051】
モジュール間の接続は、例えば、剛性のまたは可撓性を有するチューブ、ラッチ、電気配線などといった様々な手段を通して起こる。接続装置は製造システムの組立を助ける識別子を含む。ある特定の実施形態においては、接続チューブは、チューブによって接続されたモジュールあるいはユニット操作部の両方における識別子へ接続する組み込み線を収容する。いくつかの例において、モジュール間の可撓性を有する接続が形成されることにより、モジュールそれぞれが、相互に接続されている場合であっても、互いに異なる配向に動かされることが可能である。この特性は特に、モジュール移動が自動化されているようなシステムにおいて有益である。モジュールとそれに関連付けられる方法の間の相互接続は、参照することにより、本書に組み込まれる、共同所有された米国特許出願公報第2005/0226794号においてより詳しく記されている。
【0052】
モジュールあるいはモジュールのユニット操作部を備えるバイオリアクタシステムの制約のない例は、図2に図示される。モジュール(100)は例えば可撓性を有するコンテナであり得るコンテナ(118)を含む。コンテナ(118)は識別子(119)を含む。識別子(119)は、例えば、コンテナの壁部に組み込まれる、そうでなければ取り付けられる、コンテナの壁に表示される(例えばバーコードとして)、コンテナに収容される液体中に懸濁される、など様々な方法で、容器(118)に関連付けられる。モジュール(100)はさらに、コンテナ(118)を取り囲み、支持し、また収容する再利用可能な支持構造体(114)(例えばステンレス鋼タンク)を備える。いくつかの場合において、支持構造体(114)は識別子(115)を含む。いくつかの実施形態において、コンテナは折り畳み可能な袋体(例えばポリマ袋体)として構成される。他の実施形態においては、コンテナは剛性のプラスチック製のカーボイ(carboy)といった剛性のコンテナであり得る。加えて、又は代替的に、折り畳み可能な袋体、又は他のコンテナの全て又は一部が、剛性ポリマ、金属、又はガラスなどのほぼ剛性の材料を備えることもある。これらの実施形態のいくつかにおいては、コンテナ(118)は、可撓性を有する壁部分及び基部を備える剛性の部分を持つ折り畳み可能な袋体を備える。いくつかの実施形態において、基部を備える折り畳み可能な袋体の剛性部分は可撓性を有する壁部分に密封される。いくつかの場合において、基部を備える剛性の部分は、シャフトや、あるいは撹拌のための手段(例えば羽根車)を支持するために構成された他のレシーバを含む。コンテナは使い捨て可能で、支持構造体から容易に取り外しできるように構成されている。いくつかの場合では、コンテナは支持構造体と不完全に接続される。
【0053】
折り畳み可能な袋体を用いる際、折り畳み可能な袋体は液体(122)を収容するために構築されるとともに配置され、該折り畳み可能な袋体は化学的、生化学的又は生物学的な反応等の所望の工程を実行するための反応物、培地、有機体又は他の構成要素を収容する。さらに、使用中に液体(122)が折り畳み可能な袋体とのみほぼ接触し、支持構造体(114)とは接触しないように折り畳み可能な袋体が構成されることもある。このような実施例において、袋体は使い捨て可能で、一度の反応又は単一の一連の反応に用いられ、反応後に処分される。折り畳み可能な袋体の液体が支持構造体と接触しないため、支持構造体は洗浄することなく再利用可能である。すなわち、コンテナ(118)で反応が起きた後に、コンテナは支持構造体から切り離され、第2(例えば、使い捨て可能な)コンテナと交換可能である。第1コンテナ又は再利用可能な支持構造体のいずれかを洗浄する必要なく、第2反応は第2コンテナ内で実行可能である。識別子は、操作の取り囲み前及び開始前にモジュールに全ての適切な試薬、構成要素等がそろっていることを検証するためモジュール内外の在庫通路を追跡するために用いられることが可能である。在庫データは在庫を追跡するため、及びバッチの動作におけるそれぞれの構成要素の使用を検証するために用いられることができる。識別子はまた、ユニット操作部あるいは構成要素からの漏れの状況を示す漏れ検知センサと共同するよう、あるいは漏れ検知センサとして働くよう構成され及び採用され得る。例えば、漏れ検知との関連での識別子の使用は特に以下の識別子にとって好都合である。すなわち該識別子とは、本発明システムの折り畳み可能な袋体コンテナに組み込まれるあるいは関連する識別子、あるいは、本発明システムの折り畳み可能な袋体コンテナを収容するあるいは支持する再利用可能な支持構造体に組み込まれるあるいは関連する識別子である。
【0054】
モジュール(100)は任意に、コンテナ(118)内に位置付けられる一もしくはそれより多い羽根車(151)といった混合手段を含むことができ、該羽根車(151)はコンテナの外部にあり得るモータ(152)を用いて回転され得る(例えば単軸を中心として)。一実施形態において、識別子(153)は羽根車の任意の部分(例えば基部、翼板など)に含まれる。いくつかの実施形態において、羽根車とモータは磁気的に結合されている。混合システムあるいは他のモジュール構成要素は、制御システム(134)によって制御されることができ、該制御システム(134)もまた識別子を処理あるいは検知するため、及び識別子からの情報を受け取るため、及び情報を処理、保存、また情報に従って行動するためにプログラムあるいは構成され得る。制御システム(150)はいくつかの実施形態において、処理制御をもたらすために混合手段または他の構成要素と通信する。いくつかの場合において、混合手段の制御は、混合手段あるいはコンテナに関連する識別子によって助けられる。
【0055】
識別子は直接的あるいは間接的に、任意の適合する方法を用いてユニット操作部、モジュール、羽根車、あるいはシステムの任意の部分に(あるいは図1の製造システム(10)の任意の構成要素に)接続され得る。例えば、識別子は可撓性を有するコンテナ、容器、あるいは他の構成要素の壁部に組みこまれる。取り付けは裏返し可能にあるいは不可能になされ得るが、多くの例においては、識別子は構成要素に裏返し不可能に取り付けられている(例えば接着、組み込み、接着剤の使用、ラミネーション、カプセル化、留め付け、あるいは構成要素を取り付ける他のあらゆる適合する方法によって)。
【0056】
いくつかの実施形態において、識別子(RFIDタグといった)は、バイオプロセス流体(122)中に置かれる。識別子は例えば、ユニット操作部内の液体の値、少なくとも一つの特性を測定し、また任意に保存するために用いられる。液体内に置かれる識別子を用いて記録及び任意に追跡される特性の制約のない例は、例えば、pH、気温、気圧、流体の流れのパターン、酸素レベル、COレベル、試薬レベル、製品レベル、代謝レベル、伝導性、あるいは他のリアクタまたは処理パラメータを含む。支持構造体あるいはコンテナはまた、いくつかの実施形態において、サンプリング、分析(例えばpHあるいは液体内に溶けたガスの量の決定)、あるいは他の目的のために用いられる一もしくはそれより多いポート(154)をも含む。いくつかの場合において、識別子はサンプリングツールあるいは分析ツールと合わせて働くよう組み込まれる。パラメータはまた、反応部位から上流へ、あるいは下流へ測定されることができる。いくつかの例において、バイオプロセス操作が実行されている間あるいはその後に、一もしくはそれより多い識別子が流体に加えられ、遠隔に感知され及び分析(例えば継続的にまたは周期的に)される。更に他の実施形態において、識別子はそれ自体ユニット操作部についての情報を伝送しないが、むしろ処理流体内に懸濁あるいは溶解された検知可能な材質あるいは物質を備える。そこでは、材質または物質の検知は、制御システムによるユニット操作部/処理流体についての情報に関連付けられる。
【0057】
いくつかの場合において、化学的または生物学的反応による製品あるいはこのような製品を収容するコンテナまたはユニット操作部は、そこに収容された保存された情報を含む識別子で標識されることができ、それによって、製品を形成するために用いられる構成要素、条件、一連の条件が必要な時に迅速にかつ容易に識別されることができる。一パッケージの製品に関連付けられる識別子はさらに製品の認証を可能にすることができる。
【0058】
図2でも示されるごとく、任意の流入ポート(142)及び任意の排出ポート(146)は、コンテナ(118)及び任意で再利用可能な支持構造体の中で形成されることができ、コンテナからの液体又はガスの出し入れをより効率的に行うことを容易にする。コンテナは適合する数の流入ポートと適切な数の排出ポートを有する。例えば、複数の流入ポートは様々なガス組成物を供給する(例えば複数のスパージャ(147)を介して)又はコンテナ内に取り込まれる前にガスを分離させるために用いられる。上記ポートはコンテナ(118)に対して適合する場所に位置付けられる。例えば、スパージャを含む特定の容器では、コンテナは底部に配された一もしくはそれより多いガス流入ポートを有する。チューブは流入ポート又は排出ポートに接続され、例えば、送り出し管と取り込み管を形成して、各々がコンテナから液体を出し入れする。ポートは任意に、ポート型の識別、適切なコネクタと関連付けるための適切なポートの識別、などといった機能のために用いられる識別子(図示されず)を含み得る。任意に、コンテナ又は支持構造体はユーティリティタワー(150)を備え、ユーティリティタワー(150)は、コンテナ又は支持構造体内部の一またはそれより多い装置を一またはそれより多いポンプ、制御装置、又は電子機器(例えば、センサ電子機器、電子インターフェイス、加圧ガス制御装置)又は他の装置を相互接続させるために役立つ。上記のような装置は制御システム(134)を用いて制御される。制御システム(134)は製造システムの組立及び操作を制御するのに用いられる装置(例えば図1の制御システム(50))と同じである、あるいはそれはモジュール(100)の制御専用の別の装置である。概して、モジュール(100)の様々な識別子及び制御システムは、以下の任意の機能を実行するよう構成及び操作されている。すなわち、識別、認証、在庫/供給源/宛先管理、組立及び互換性の検証、製品ロットの特定の構成要素(例えば特定の使い捨て可能な袋体コンテナ)の使用との相関関係、データ収集及び規制順守の管理などといった、図1のシステム(10)のモジュールの識別子のための前述した機能である。
【0059】
複数のスパージャを含むシステムにとって、制御システム(134)はスパージャの各々と動作可能に関連付けられ、互いに独立してスパージャを操作するように構成されている。これによって、例えば、コンテナ内に導入される複数のガスを制御することが可能となる。スパージャはいくつかの実施形態において、制御システムが適切なガス同一性、供給、および接続性(例えばスパージャの識別子とそれに接続されるガス供給シリンダ上の他の識別子の間の互換性の保証)を保証し、スパージャの自動化された制御を容易にし、あるいはこれらに加えてもしくはこれらの代わりに他の機能を実行することを可能にする識別子を含む。
【0060】
加えて、又は、代替的に、モジュール(100)は機械的な消泡装置等の消泡システムを備えてもよい。図2の実施形態に示されているごとく、消泡装置は例えばコンテナの外部に配されるモータ(162)を用いて回転可能な(例えば、磁気的に)羽根車(161)を備えてもかまわない。羽根車はコンテナの上部空間(163)に収容される泡を分散させるために用いられることもある。いくつかの実施形態において、消泡システムは制御システム(134)を介してセンサ(143)(例えば、泡センサ)と電気的に接続している。ある特定の実施形態において、消泡装置あるいはそれらの一部分あるいは泡センサは、それらが関連付けられる構成要素についての情報にエンコードあるいは該情報に関連付けられる一もしくはそれより多い識別子を含む。このセンサ(143)は例えば上部空間内の泡の液位又は容量、又はコンテナ内の圧力を決定することもあり、これによって消泡システムの調整又は制御を誘引することが可能である。他の実施形態において、消泡システムは任意のセンサから独立して操作される。消泡装置は、共同所有される、「GAS DELIVERY CONFIGURATIONS, FOAM CONTROL SYSTEMS, AND BAG MOLDING METHODS AND ARTICLES FOR COLLAPSIBLE BAG VESSELS AND BIOREACTORS」というタイトルが付された2007年6月15日出願の米国特許出願第11/818,901号により詳しく記述されており、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0061】
支持構造体(114)はまた、コンテナ(118)中の液体レベルを見るための一もしくはそれより多いサイトウィンドウ(160)を含む。いくつかの実施形態において、レベルセンサはサイトウィンドウに組み込まれる。レベルセンサにより、制御システム(134)に対する液体レベルの通信が可能になる。一もしくはそれより多い接続部(164)がコンテナの上部又は他の適合する場所に位置づけられる。接続部(164)はコンテナから液体、ガス等を出し入れするための開口部、チューブ、又はバルブを備え、該接続部(164)の各々は流量センサ又はフィルタ(図示されず)を任意で備える。前述のように、これらの接続部はモジュールの適切な組立あるいは機能を保証するのに役立つ識別子を含む。支持構造体は複数の脚部(166)をさらに備え、容器の運搬を容易にするために任意でキャスター(168)を有する。
【0062】
図2で示された全ての特性が本発明の全ての実施形態で必要とされるわけではないこと、及び図示された構成要素は異なるように位置づけられたり、構成されたりしてもかまわないことを留意されたい。同様に、ここで記載された構成要素等を他の実施例で追加してもかまわない。
【0063】
本明細書中に記述される様々な実施形態は、折り畳み可能な袋体等のコンテナを含む。本明細書中で用いられる「可撓性を有するコンテナ」、「可撓性を有する袋体」、「折り畳み可能な袋体」とは、コンテナ又は袋体が内部の圧力に晒された際に(操作中に予想される収容された液体又はガスの重量又は静水圧によって)、個々の支持構造体の恩恵を受けることなくしてはその形状又は構造的な統合性を維持することができないということを指し示している。折り畳み可能な袋体は本来、多くのプラスチック等の可撓性材質からできているか、又は通常、剛性材質とみなされるもの(例えば、ガラス又は特定の金属)からできているが、操作中に予想される内部圧力に晒された際には、その厚み又は物理的特性ゆえに、コンテナは個々の支持構造体の恩恵を受けることなくしては全体としての形状又は構造的な統合性を維持することができない。いくつかの実施形態では、折り畳み可能な袋体は可撓性材質と剛性材質の組み合わせを備え、例えば、その袋体は接続部、ポート、一もしくはそれより多いRFIDタグ等の識別子、混合システム又は消泡システム等の支持部のような剛性の構成要素を備える。
【0064】
コンテナ(例えば、折り畳み可能な袋体)は液体を収容するための適切な大きさを有する。例えば、コンテナには、0.1−40リットル、40−100リットル、100−200リットル、200−300リットル、300−500リットル、500−750リットル、750−1000リットル、1000−2000リットル、2000−5000リットル、又は5000−10000リットルの容量がある。いくつかの例において、コンテナは1リットルを超える容量を持ち、他の例においては10リットル、20リットル、40リットル、100リットル、200リットル、500リットル、あるいは1000リットルを超える容量を持つ。10000リットル以上の容量であっても同様に可能である。
【0065】
いくつかの実施形態において、折り畳み可能な袋体は使い捨て可能であり、適合する可撓性材質から形成される。可撓性材質は例えば、シリコン、ポリカーボネート、ポリエチレン、及びポリプロピレンといったUSPのVI級と認定されたなかのひとつであるか、あるいは、薬学的用途に認定されていないものである。可撓性を有する材質の制約のない例は、ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ二塩化ビニル、ポリ塩化ビニデリン、エチレン酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ナイロン、シリコンゴム、他の合成ゴム、又はプラスチック等のポリマを備える。上記のごとく、可撓性を有するコンテナの一部は剛性ポリマ(例えば、高密度ポリエチレン)、金属、又はガラス(例えば、器具を支持する領域で)等の剛性材質を備える。他の実施例では、コンテナはほぼ剛性の材質からできる。任意により、コンテナの全て又は一部は光学的に透明で、コンテナ内部の内容物を見渡せることができる。コンテナを形成するために用いられる材質又はその組み合わせは、可撓性、穿刺力、抗張力、液体及びガスの浸透性、不透明性、及びブロー成形、射出成形、又は回転成形(例えば、継ぎ目のない折り畳み可能な袋体を形成するため)等の特定の工程に対する適応性などの一もしくはそれより多くの特性に基づいて選択される。
【0066】
コンテナ(例えば折り畳み可能な袋体)は液体を収容する適合する厚みを有するとともに、操作中又は取り扱い中の穿刺に対する耐性を有するように設計される。例えば、コンテナの壁部は250ミル以下(1ミルは25.4マイクロメートル)、200ミル以下、100ミル以下、70ミル以下(1ミルは25.4マイクロメートル)、50ミル以下、25ミル以下、15ミル以下、又は10ミル以下の全体的な厚みを有する。実施例のなかには、コンテナが1層よりも多い材質層を有することもあり、該一よりも多い材質層はともに薄層にされるか又は互いに付着して一定の特性をコンテナに与えることになる。例えば、ある層は酸素がほぼ浸透しない材質で形成される。別の層はコンテナに強度をもたらすある材質で形成される。さらに別の層が含まれることもあり、コンテナ内に収容される流体へ化学的な耐性を与える。コンテナは幾層かの適合する組み合わせから形成されることは理解されるべきである。コンテナ(例えば折り畳み可能な袋体)は例えば、1層、2層以上、3層以上、又は5層以上の材料の層を有することもある。各層は200ミル以下、100ミル以下、50ミル以下、25ミル以下、15ミル以下、又は10ミル以下、5ミル以下、又は3ミル以下、又はその組み合わせの厚みを有することもある。
【0067】
前述のように、ある特定の実施形態において、モジュール(24)は図2に示されるように、ユニット操作部(20)を囲み、収容することのできる支持構造体の形態をとる。支持構造体は適切な形状を有し、コンテナの周囲を囲う又は収容することが可能である。場合によっては、支持構造体は再利用可能である。支持構造体はほぼ剛性の材質で形成される。再利用可能な支持構造体を形成するために使用可能な材質の制約のない実施形態は、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、樹脂含浸処理されたファイバグラス又はカーボンファイバ、ポリマ(例えば、高密度ポリエチレン、ポリアクリル酸塩、ポリカーボネート、ポリスチレン、ナイロン、又は他のポリアミド、ポリエステル、フェノール性ポリマ)、及びこれらの組み合わせを有する。材質は用いられる環境においてその使用を補償される。例えば、脱粒することのない材質が用いられるのは最小の微粒子の発生が必要となる環境である。
【0068】
実施形態によっては、再利用可能な支持構造体は標準的な工業規模のステンレス鋼のバイオリアクタ(又は他の標準的なリアクタ又は容器)と同様の高さ及び直径を有するように設計される。その構造は容量の小さな卓上リアクタシステムに縮小可能である。したがって、再利用可能な支持構造体は、所望の化学的、生化学的、又は生物学的反応を行う適切な容量を有する。多くの例において、再利用可能な支持構造体はコンテナとほぼ同様の容量を有する。例えば、単一の再利用可能な支持構造体は、ほぼ同様の容量を有する単一のコンテナを支持するとともに収容するために用いられる。しかしながら、他の場合では、再利用可能な支持構造体は一より多いコンテナを収容するために用いられる。再利用可能な支持構造体は、例えば01−100リットル、100−200リットル、200−300リットル、300−500リットル、500−750リットル、750−1000リットル、1000−2000リットル、2000−5000リットル、又は5000−10000リットルの容量を有する。いくつかの例においては、再利用可能な支持構造体は1リットルを超える容量を持ち、他の例においては、10リットル、20リットル、40リットル、100リットル、200リットル、500リットル、あるいは1000リットルを超える容量を持つ。10000リットルより多い容量も可能である。
【0069】
しかしながら、他の実施形態においては、本発明のユニット操作部は個別のコンテナ(例えば折り畳み可能な袋体)及びモジュールを備えないが、代わりに、自立型の使い捨てのあるいは再利用可能なコンテナを備える。コンテナは例えば、プラスチックの容器でも良く、場合によってはコンテナに一体的に取り付けられた攪拌システム又は取り外し可能な攪拌システムを備える。攪拌システムはコンテナとともに使い捨て可能である。ある特定の実施形態において、上記のようなシステムはポリマ製のコンテナに溶接又は固定された羽根車を備える。したがって、コンテナ及び支持構造体(例えば、継ぎ目のないコンテナ、スパージシステム、消泡装置など)に関する本明細書記載の容器の形態および特性は、自立型の使い捨て可能なコンテナにも応用可能であることを留意されたい。
【0070】
以下の共同所有される特許出願及び公報に、本発明のある特定の実施形態を実行するのに有益であろう上記の種々の構成要素についてより詳しく述べられている。以下のそれぞれはここに参照することにより全体として本明細書に組み込まれる。P.A. Mitchell, et alによる「Weight Measurements of Liquids in Flexible Containers」というタイトルが付された2007年2月28日出願の米国仮特許出願第60/903,977号。G. Hodge, et alによる「Stirred Tank Bioreactor Having Environmental Containment」というタイトルが付された2006年7月14日出願の米国仮特許出願第60/830,997号。G. Hodge, et alによる「Disposable Bioreactor Systems and Methods」というタイトルが付された2005年6月6日出願の米国特許出願第11/147,124号、これは2005年12月8日に米国特許出願公開公報第2005/0272146号として公開されている。G. Hodge, et alによる「Disposable Bioreactor Systems and Methods」というタイトルが付された2005年6月6日出願の国際特許出願PCT/US2005/020083号、これは2005年12月15日にWO2005/118771号として公開されている。G. Hodge, et alによる「System and Method for Manufacturing」というタイトルが付された2005年2月3日出願の米国特許出願第11/050,133号、これは2005年10月13日に米国特許出願公開公報第2005/0226794号として公開されている。G. Hodge, et alによる「System and Method for Manufacturing」というタイトルが付された2005年2月3日出願の国際特許出願PCT/US2005/002985号、これは2005年8月18日にWO2005/076093号として公開されている。G. Hodge, et alによる「Disposable Bioreactor Systems and Methods」というタイトルが付された2005年6月6日出願の米国特許出願第11/147,124号、これは2005年12月8日に米国特許出願公開公報第2005/0272146号として公開されている。「Continuous Perfusion Bioreactor System」というタイトルが付された2007年7月30日出願の米国特許出願第60/962,671号、及び「Bag Wrinkle Remover, Leak Detection Systems, and Electromagnetic Agitation for Liquid Containment Systems」というタイトルが付された同日付に出願された米国特許出願。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書において説明及び描写される一方で、通常の技術を有する当業者は、機能を実行すること、又は結果又は本明細書に記載の一もしくはそれより多い効果を得るための他の手段又は構造を容易に想到することができる。またこのような変形又は修正は、本発明の範囲内であるとみなされる。さらに通常は、当業者は本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材質及び構成が模範とされること、及び実際のパラメータ、寸法、材質又は構成は、特定の適用或いは本発明の教示が用いられる応用に基づいていることを認識している。当業者は、通常の実験、本明細書に説明される特定の実施形態の多くの同等物だけを用いずとも理解し、或いは解明することが可能である。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示される。また添付の請求の範囲及びその同等物の範囲内において、本発明は、特に説明及び請求の範囲に記載された以外の別の方法で実施されてもよい。本発明は、本明細書に記載の各個別の特徴、システム、物質、材質、キット又は方法を対象とするものである。さらに、このような特徴、システム、物質、材質、キット又は方法を二もしくはそれより多く組み合わせることも本発明の範囲内に含まれる。それは、特徴、システム、物質、材質、キット又は方法が互いに矛盾したものでない場合に限る。
【0072】
本明細書中で定義され用いられる全ての定義は当然、辞書の定義、参照することにより本明細書に組み込まれる文献中の定義、又は用語の普通の意味を使い分ける。
【0073】
本発明の明細書及び請求の範囲において用いられる不定冠詞「a」や「an」は、はっきりと反対の意味に提示されない限り、当然「少なくとも1つ」という意味である。
【0074】
また、はっきりと反対の意味に提示されない限り、本明細書中に主張される本方法の一より多い段階或いは作用、又は本方法の段階或いは作用の順番は、必ずしも限定される必要はない。
【0075】
本本明細書及び請求の範囲において用いられる表現「or」は、等位結合される要素の「いずれか、又は両方」を意味するものとし、すなわち、要素はある場合において接続的に存在し、他の場合においては選言的に存在する。特に識別されている要素に関連しているか否かによらず、表現「or」によって特に識別される要素の他に他の要素が任意に存在する可能性もある。このように、制約のない例として、「A or B」への言及は、一つの実施形態においてはAのみ(任意にB以外の要素を含む)を、他の実施形態においてはBのみ(任意にA以外の要素を含む)を、さらに他の実施形態においてはA及びBの両方(任意に他の要素を含む)などを表すことができる。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「or」は包含的であると解釈されるべきである、すなわち、ある数の要素あるいは一覧の要素のうちの少なくとも一つ、さらに一つ以上を含み、任意にさらに挙げられていない項目をも含む。「ただ一つの(only one of)」あるいは「厳密にただ一つの(exactly one of)」のように、反対の意味にはっきりと提示された表現のみ、厳密にある数の要素あるいは一覧の要素の一つを含むことを表す。一般的に、「どちらか(either)」「一つの(one of)」「ただ一つの(only one of)」又は「厳密に一つの(exactly one of)」といった排他性の表現が前置される時には、本明細書中で用いられる表現「or」は排他的選択肢(すなわち「一方あるいはもう一方であり、両方ではない」)を指すものとしてのみ解釈されるべきである。
【0076】
上記の明細書と同様に請求の範囲において、全ての移行句は非限定的に用いられるものである。移行句とは例えば、「備える(comprising)」「含む(including)」「運ぶ(carrying)」「有する(having)」「収容する(containing)」「包含する(involving)」「保持する(holding)」「〜なる(composed of)」などである。非限定的とはすなわち、それを含むがそれに限定されることはないということを意味する。「〜からなる(consisting of)」及び「不可欠に〜からなる(consisting essentially of)」という移行句のみが、それぞれ限定的或いは半限定的な移行句である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズ可能な製造システムを構成する方法であって、
生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程もしくはこのような工程の作業を実行するよう構成された第1ユニット操作部を提供する段階を備え、前記第1ユニット操作部は、第1モジュールの内側を備えるもしくは該内側に配され、前記第1ユニット操作部は、前記ユニット操作部についての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第1識別子を有し、
前記方法はさらに、
生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程もしくはこのような工程の作業を実行するよう構成される第2ユニット操作部を提供する段階を備え、前記第2ユニット操作部は、第2モジュールの内側を備えるもしくは該内側に配され、前記第2ユニット操作部は、前記第2ユニット操作部についての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第2識別子を備え、前記第1及び第2モジュールの少なくとも1は、移動可能なように構成され、
前記方法は、さらに、
前記第1モジュール及び第2モジュールを相互接続させる段階と、
前記第1及び第2識別子の少なくとも1を処理するもしくは検知することにより情報を獲得する段階を備えることを特徴とする、カスタマイズ可能な製造システムを構成する方法。
【請求項2】
前記情報を獲得する段階は、前記第1及び第2識別子にエンコードされたもしくは関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、前記第1及び第2ユニット操作部の接続性の適合性を検証する段階をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2ユニット操作部の接続性の適合性を検証する段階は、前記ユニット操作部の組み立て順序を検証する段階を備えることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記ユニット操作部の同一性もしくは機能を検証する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記ユニット操作部が販売された顧客、もしくは、前記生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程が実行される顧客の同一性を検証する段階を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記システムの修理のための前記第1及び第2識別子の少なくとも1から情報を収集する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部の場所を決定する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記情報を獲得する段階は、在庫管理工程の一部として実行される段階であることを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部が適切に機能することを検証する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記ユニット操作部は前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部が偽造品かどうかを決定する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項11】
偽造構成要素の存在を決定することで、システムのロックアウトを引き起こすことを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部を用いて製造される製品ロットにつながる前記ユニット操作部を追跡する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報、もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1のユニット操作部が適切に組み立てられるかどうかを決定する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記システムを用いて製造された材質の第1バッチの試薬もしくは製品が、前記システムで製造された材質の第2バッチの製造前に、前記システムから除去されることを検証する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記情報を獲得する段階はさらに、前記第1及び前記第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び前記第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、前記適切な試薬が生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程に用いられることを検証する段階を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記第1ユニット操作部は容器を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記容器は折り畳み可能な袋体及び支持体を備えることを特徴とする、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記折り畳み可能な袋体は、前記折り畳み可能な袋体についての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる識別子と、前記折り畳み可能な袋体に接続されるチューブ、前記折り畳み可能な袋体に関連付けられるフィルタと、前記折り畳み可能な袋体に接続される接続装置、もしくは前記折り畳み可能な袋体の内容物を備えることを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記折り畳み可能な袋体は、羽根車を備えることを特徴とする、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記羽根車は、前記羽根車についての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる識別子を備えることを特徴とする、請求項19記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1の識別子は、無線周波数識別(RFID)タグを備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1の識別子は、バーコードを備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1の識別子は、少なくとも1のユニット操作部における処理流体に含まれる検知可能な物質もしくは材質を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項24】
カスタマイズ可能な製造システムを構成する方法であって、
生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程もしくはこのような工程の作業を実行するよう構成されるユニット操作部を提供する段階を備え、前記ユニット操作部は、前記ユニット操作部についての情報にエンコードもしくは関連付けられる第1識別子を有し、
前記方法はさらに、
前記ユニット操作部に動作可能に関連付けるのに設置されるよう構成されるモジュールを提供する段階を備え、前記モジュールは、前記モジュールについての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第2識別子を備え、前記モジュールは可能に構成され、
前記方法はさらに、
少なくとも1の前記第1及び前記第2識別子を処理もしくは検知することにより情報を獲得する段階と、
前記ユニット操作部と前記モジュールを動作可能に関連付けて設置するかどうかを決定する段階、もしくは、前記情報を獲得する段階で獲得される情報に、少なくとも部分的に基づいて、関連づけて構成することを決定する段階を備えることを特徴とする、カスタマイズ可能な製造システムを構成する方法。
【請求項25】
前記ユニット操作部と、前記モジュールを互いに動作可能に関連付けられるように設置する段階をさらに備えることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ユニット操作部と前記モジュールを互いに動作可能に関連付けられるように設置する段階は、前記ユニット操作部を前記モジュールに接続する段階を備えることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記ユニット操作部と前記モジュールを互いに動作可能に関連付けられるように設置する段階は、前記ユニット操作部を前記モジュールの内側に設置する段階を備えることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記ユニット操作部は、折り畳み可能な袋体を備え、前記モジュールは、支持容器を備えることを特徴とする、請求項27記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1の前記第1及び第2識別子内でエンコードされる情報、もしくは少なくとも1の前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報が用いられることで、前記ユニット操作部及び前記モジュールは、互換性を有する、もしくは正しく組み合わされるあるいは組み立てられることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1の前記第1及び第2識別子内でエンコードされる情報、もしくは少なくとも1の前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報が用いられることで、前記ユニット操作部は適切に機能することを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項31】
前記モジュールは容器を備え、前記ユニット操作部は、折り畳み可能な袋体を備えることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項32】
前記モジュールはバイオリアクタを備え、前記ユニット操作部は、試薬もしくは培養液供給コンテナを備えることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1の識別子は、RFIDタグを備えることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1の識別子はバーコードを備えることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1の識別子は、前記ユニット操作部における処理流体に含まれる検知可能な物質もしくは材質を備えることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項36】
2もしくはそれより多いモジュールが互いに接続されることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項37】
前記モジュールは、環境収容エンクロージャを備えることを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項38】
前記ユニット操作部は、バイオリアクタを備え、前記バイオリアクタの少なくとも一部は、前記環境収容エンクロージャ内で収容されることを特徴とする、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記ユニット操作部は、分離システムを備えることを特徴とする、請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記分離システムは、カラムクロマトグラフィを備えることを特徴とする、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記分離システムは、遠心分離機を備えることを特徴とする、請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記ユニット操作部は、培養液保存コンテナを備えることを特徴とする、請求項37記載の方法。
【請求項43】
カスタマイズ可能な製造システムを構成する方法であって、
生物学的、化学的、もしくは薬学的製造工程の少なくとも1の特定の作業を実行するように構成される第1ユニット操作部を収容する内部を備えるもしくは有する第1モジュールを提供する段階を備え、
前記第1モジュールは、前記第1モジュールについての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第1識別子を備え、
前記方法は、さらに、
前記第1識別子にエンコードされる情報もしくは関連付けられる情報に基づいて、前記第1モジュールにより実行される作業を決定する段階と、
生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程の少なくとも1の特定の作業を実行するように構成される第2ユニット操作部を収容する内部を有する第2モジュールを提供する段階と、
前記第2モジュールは前記第2モジュールについての情報にエンコードされるもしくは関連付けられる第2識別子を備え、
前記方法はさらに、
前記第2識別子にエンコードされるもしくは関連付けられる情報に基づいて、前記第2モジュールにより実行される作業を決定する段階を備え、
前記第1及び第2ユニット操作部のそれぞれは、前記ユニット操作部を相互接続させるように、前記操作部に関連付けられる少なくとも1の接続装置を備え、
前記方法はさらに、
少なくとも1の前記第1及び第2識別子上でエンコードされた情報に基づいて、接続性の構成を決定する段階と、
前記接続性の構成に従って、前記モジュール内で前記第1及び第2ユニット操作部を相互接続させ、前記モジュールを配置させる段階を備えることを特徴とする、カスタマイズ可能な製造システムを構成する方法。
【請求項44】
前記決定する段階は、製造システムを生成するように構成される第1接続順序を決定する段階を備え、前記製造システムは、前記第1及び第2識別子の少なくとも1にエンコードされる、もしくは関連付けられる情報の少なくとも部分的に基づいて、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程の第1製品を生成する、もしくは生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程の特定の第1の一連の作業を実行するよう構成されることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記配置させる段階は、前記第1接続順序において、前記モジュール内で前記第1及び第2ユニット操作部を相互接続させ、前記モジュールを配置させる段階を備えることを特徴とする、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記決定する段階は、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に少なくとも部分的に基づくことで、前記第1及び第2ユニット操作部の前記接続性の適合性を検証する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項47】
前記第1及び第2ユニット操作部の前記接続性の適合性を検証する段階は、前記ユニット操作部の前記順序を検証する段階を備えることを特徴とする、請求項44記載の方法。
【請求項48】
前記決定する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは関連付けられる情報に少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部の同一性もしくは機能を検証する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項49】
前記決定する段階はさらに、前記ユニット操作部が販売される顧客もしくは生物薬学的製造工程が前記第1及び第2識別子にエンコードされるもしくは関連付けられる情報に少なくとも部分的に基づいて実行される顧客の同一性を検証する段階を備えることを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項50】
前記決定する段階はさらに、前記モジュールの場所を決定する段階をさらに備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項51】
前記決定する段階はさらに、前記システムの修理のために前記第1及び第2識別子の少なくとも1から情報を収集する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項52】
前記決定する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に少なくとも部分的に基づいて、前記モジュールの場所を決定する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項53】
前記決定する段階は、在庫管理工程の一部として実行されることを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記決定する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部が適切に機能することを検証する段階を備えることを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項55】
前記決定する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部が偽造品であるかどうか決定する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項56】
偽造構成要素の存在を決定することで、システムのロックアウトを引き起こすことを特徴とする、請求項55記載の方法。
【請求項57】
前記決定する段階はさらに、識別子の存在が期待される場合、不適切な識別子の存在である場合、もしくは前記システムの1もしくはそれより多いモジュールあるいは構成要素の誤った配向もしくは位置の状態である場合、識別子が存在しないことを決定する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項58】
識別子の存在が期待される場合、不適切な識別子の存在である場合、もしくは前記システムの1もしくはそれより多いモジュールあるいは構成要素の誤った配向もしくは位置の状態である場合、識別子が存在しないことを決定する段階により、システムのロックアウトを引き起こすことを特徴とする、請求項55記載の方法。
【請求項59】
前記決定する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部を用いて製造される製品ロットにつながる前記ユニット操作部を追跡する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項60】
前記決定する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、前記ユニット操作部の少なくとも1が適切に組み立てられるかどうかを決定する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項61】
前記決定する段階はさらに、前記第1及び第2識別子上にエンコードされる情報もしくは前記第1及び第2識別子に関連付けられる情報に、少なくとも部分的に基づいて、適切な試薬が生物薬学的製造工程に用いられることを検証する段階を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項62】
前記モジュールの少なくとも1は、支持体内に収容される折り畳み可能な袋体を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項63】
前記折り畳み可能な袋体は、羽根車を備えることを特徴とする、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記羽根車は前記羽根車についての情報上にエンコードされる識別子もしくは前記羽根車についての情報に関連付けられる識別子を備えることを特徴とする、請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記折り畳み可能な袋体は、前記折り畳み可能な袋体についての情報上にエンコードされる識別子もしくは前記折り畳み可能な袋体についての情報に関連付けられる識別子と、前記折り畳み可能な袋体に接続されるチューブ、前記折り畳み可能な袋体に関連付けられるフィルタと、前記折り畳み可能な袋体に接続される接続装置、もしくは前記折り畳み可能な袋体の内容物を備えることを特徴とする、請求項62記載の方法。
【請求項66】
少なくとも1の識別子は、RFIDタグを備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項67】
少なくとも1の識別子は、バーコードを備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項68】
少なくとも1の識別子は、少なくとも1のユニット操作部における処理流体に含まれる検知可能な物質もしくは材質を備えることを特徴とする、請求項43記載の方法。
【請求項69】
カスタマイズ可能な製造システムであって、
少なくとも2のモジュールを備え、モジュールのそれぞれが、もう一方のモジュールの内部空間と相互接続可能な内部空間を備え、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程の少なくとも1の特定の作業を実行するよう構成される1もしくはそれより多い構成要素を収容し、
前記モジュールの少なくとも1は、移動可能なように構成されるとともに、前記モジュールについての情報上でエンコードされる識別子もしくは前記モジュールについての情報に関連付けられる識別子を含み、
前記システムはさらに、
1もしくはそれより多い構成要素の操作及び工程制御を実行するよう構成される制御システムを備え、該制御システムはさらに、少なくとも1の前記モジュールの上の少なくとも1の識別子に関連付けられるもしくは該識別子から獲得される情報へとアクセス及び処理するよう構成され、少なくとも1のモジュール上の少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1のモジュール上の少なくとも1の識別子に関連付けられた情報に基づいて、機能を実行するよう構成されることを特徴とする、カスタマイズ可能な製造システム。
【請求項70】
前記モジュールの少なくとも1は、前記モジュール内の環境を制御するための環境制御システムを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項71】
前記制御システムは、少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に少なくとも部分的に基づいて、品質制御検証レポートを生成するよう構成及びプログラムされるコンピュータを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項72】
少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に基づいて実行される前記制御システム機能は、前記少なくとも2のモジュールの接続の適正を検証することを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項73】
少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に基づいて実行される前記制御システム機能は、少なくとも2のモジュールの同一性もしくは機能を検証することを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項74】
少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に基づいて実行される前記制御システム機能は、前記少なくとも2のモジュールの少なくとも1のモジュールの場所もしくは相対位置を決定することを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項75】
少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に基づいて実行される前記制御システム機能は、前記容器が適切に機能することを検証することを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項76】
少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に基づいて実行される前記制御システム機能は、少なくとも1のモジュールが偽造品もしくは偽造構成要素かどうかを決定することを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項77】
偽造品のモジュールもしくは偽造品の構成要素の存在により、システムのロックアウトを引き起こすことを決定することを特徴とする、請求項76記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項78】
少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に基づいて実行される前記制御システム機能は、前記モジュールを用いて製造される製品ロットにつながるモジュールを追跡することを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項79】
少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子により関連付けられる情報に基づいて実行される前記制御システム機能は、少なくとも1の前記ユニット操作部が適切に組み立てられるかどうかを決定することを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項80】
少なくとも1の識別子によりエンコードされる情報もしくは少なくとも1の識別子に関連付けられる情報に基づいて実行される前記制御システム機能は、適切な試薬は、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程に用いられるのを検証することを備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項81】
少なくとも1の前記モジュールは、容器を備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項82】
前記容器は、折り畳み可能な袋体と支持構造体を備えることを特徴とする、請求項81記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項83】
前記折り畳み可能な袋体は羽根車を備えることを特徴とする、請求項82記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項84】
前記羽根車は、情報にエンコードされるもしくは関連付けられる識別子を備えることを特徴とする、請求項83記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項85】
前記折り畳み可能な袋体は、情報にエンコードされるもしくは関連付けられる識別子を備えることを特徴とする、請求項81記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項86】
前記少なくとも1の識別子はRFIDタグを備えることを特徴とする請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項87】
前記少なくとも1の識別子はバーコードを備えることを特徴とする請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項88】
前記少なくとも1の識別子は検知可能な物質もしくは少なくとも1のユニット操作部における処理流体に含まれる材質を備えることを特徴とする、請求項69記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項89】
液体の容量を収容するよう構成される容器であって、
前記容器についての情報を用いてエンコードされる識別子と、
前記液体を収容するよう構成される折り畳み可能な袋体と、
前記折り畳み可能な袋体を囲むとともに収容する再利用可能な支持構造体を備えることを特徴とする、液体の容量を収容するよう構成される容器。
【請求項90】
前記容器は、生物学的、生化学的もしくは化学的反応システムにおけるリアクタの一部であることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項91】
前記識別子は、前記容器の壁部に組み込まれていることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項92】
前記容器についての前記情報は、前記折り畳み可能な袋体内に収容される前記液体の少なくとも1の特性に関する情報を備えることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項93】
前記液体の前記少なくとも1の特性は、pH、温度、圧力、流体の流れのパターン、酸素レベル、CO2レベル、試薬レベル、製品レベル、代謝レベルもしくは伝導性の中の少なくとも1であることを特徴とする請求項92記載の容器。
【請求項94】
前記識別子上にエンコードされる情報は、製造システムの他の構成要素に対する前記容器の互換性に関する情報を備えることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項95】
前記識別子上にエンコードされる情報は、前記容器の同一性もしくは機能に関する情報を備えることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項96】
前記識別子上にエンコードされる情報は、前記容器の場所もしくは位置に関する情報を備えることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項97】
前記識別子上にエンコードされる情報は、前記容器が適切に機能しているという検証に関する情報を備えることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項98】
前記識別子上にエンコードされる情報は、信頼性検証に関する情報を備えることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項99】
前記識別子上にエンコードされる情報は、前記容器を用いて製造される製品ロットに前記容器を関連付ける情報を備えることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項100】
前記折り畳み可能な袋体は羽根車を有することを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項101】
前記識別子は、検知可能な材質もしくは物質を備え、該材質もしくは物質は、前記容器に収容される処理流体において懸濁もしくは溶解されることを特徴とする、請求項89記載の容器。
【請求項102】
前記容器についての前記情報は、前記容器に収容される前記処理流体についての情報を備えることを特徴とする、請求項101記載の容器。
【請求項103】
折り畳み可能な袋体についての情報を用いてエンコードされる識別子と、
可撓性を有する壁部と、
磁性羽根車を支持するように構成されるシャフトを含む基部を備える剛性部を備え、前記剛性部は、前記可撓性を有する壁部と接続されることを特徴とする、折り畳み可能な袋体。
【請求項104】
前記折り畳み可能な袋体は、生物学的、生化学的もしくは化学的反応システムにおいてリアクタの一部であることを特徴とする、請求項103記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項105】
前記識別子は、前記折り畳み可能な袋体の前記壁部へと組み込まれることを特徴とする請求項103記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項106】
前記折り畳み可能な袋体についての前記情報は、前記折り畳み可能な袋体内に収容される液体の少なくとも1の特性に関する情報を備えることを特徴とする、請求項103記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項107】
前記液体の前記少なくとも1の特性は、pH、温度、圧力、流体の流れのパターン、酸素レベル、CO2レベル、試薬レベル、製品レベル、代謝レベルもしくは伝導性の中の少なくとも1であることを特徴とする請求項106記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項108】
前記識別子上にエンコードされる前記情報は、前記折り畳み可能な袋体が用いられる製造システムの他の構成要素に対する前記折り畳み可能な袋体の前記互換性に関する情報を備えることを特徴とする、請求項103記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項109】
前記識別子上にエンコードされる情報は、前記折り畳み可能な袋体の所有者の同一性に関する情報を備えることを特徴とする、請求項103記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項110】
前記識別子上にエンコードされる情報は、前記折り畳み可能な袋体が適切に機能することの検証に関する情報を備えることを特徴とする、請求項103記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項111】
前記識別子上にエンコードされる情報は、信頼性検証に関する情報を備えることを特徴とする、請求項103記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項112】
前記識別子上にエンコードされる情報は、前記折り畳み可能な袋体を用いて製造される製品ロットに前記折り畳み可能な袋体を関連付ける情報を備えることを特徴とする、請求項103記載の折り畳み可能な袋体。
【請求項113】
カスタマイズ可能な製造システムであって、
少なくとも2の携帯可能なモジュールを備え、該モジュールのそれぞれは、生物学的、化学的もしくは薬学的製造工程の少なくとも1の特定の作業を実行するための1もしくはそれより多いユニット操作部構成要素を含む内部を有し、
前記システムはさらに、
前記モジュールを相互接続させるための前記モジュールのそれぞれと関連付けられた接続ポートと、
前記カスタマイズ可能な製造システムの構成要素についての情報を用いてエンコードされる識別子を備え、
接続後、モジュールのそれぞれは、前記接続を解除することなく、他方のモジュールに対して移動可能であることを特徴とする、カスタマイズ可能な製造システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−509685(P2011−509685A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544279(P2010−544279)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/001051
【国際公開番号】WO2009/093997
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(508230743)エクセレレックス インク. (11)
【Fターム(参考)】