バイオリアクターの組換えタンパク質の濾過のための方法及び装置
潅流細胞培養物の調製及び精製を目的とすることができる、濾過システムと合わせた連続的に作動するバイオリアクターシステムが開示される。当該バイオリアクターシステムは新鮮な液体培地(10)を含有する第1の溜(100)を含んでなる。新鮮な液体培地(10)がバイオリアクター(200)中に導入され、そこで培養物は、入り口(250)をとおって導入される細胞と混合される間中、撹拌機(290)により撹拌される。次に、混合される液体培地を、回転装置(315)により回転されるスクリーン(330)を含んでなる濾過溜にポンプで送り、そこから保留物がバイオリアクター(200)に再循環される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実質的に連続的濾過又は分離システム及び関連方法に関する。より具体的には、本発明はタンパク質の生産のための連続的潅流細胞培養システムを含む。本発明は例えば、細胞培養バッチを終結せずにフィルターを交換することができる、例えば、細胞培養システムからの生産増加に有用な、バイオリアクターに外部のスピン濾過システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
多数の製薬学的に貴重なタンパク質は細胞培養及び組換え細胞培養技術を使用して生産される。典型的な潅流タンパク質生産システムにおいて、組換えタンパク質−産生細胞が、タンパク質生産物含有培地からの細胞をふるう、内部フィルターをも含有するバイオリアクター中に維持される。しかし、これらの内部フィルターはしばしば、細胞又は破片(debris)で目詰まりし、それにより技術的遅延又は故障を誘起する。より特別には、内部フィルターが目詰まりすると、それは細胞培養物から生産物−含有培地をもはや分離することができない。その場合には、バイオリアクター過程を恐らく早期に終結させ、細胞培養物を犠牲にし、生産を遅延させ、そして生産収率を低下させなければならない。
【発明の開示】
【0003】
本発明は例えば、故障したフィルターを交換する間、例えば、細胞培養を継続させる、外部の濾過装置を伴なう有利なバイオリアクターシステムを開示する。当該外部濾過システムは商業的規模の生産を最適化することができ、そして細胞培養の早期終結を防止し、従って生物反応過程の完了及び最大の生産物収率を許すことができる。
【0004】
本発明の目的は、例えば、バイオリアクター中における細胞培養から生産されるタンパク質からの細胞の外部の濾過のための方法、装置及びシステムを提供することを含む。外部濾過装置の特定の態様及び濾過装置の使用法には、液体細胞培地中にタンパク質を発現する細胞を提供し、回転可能なフィルターを使用して細胞培養保留物(retentate)から発現タンパク質を含む培地を分離し、そして回転可能なフィルター単位装置から発現タンパク質を含む分離された培地を取り出す段階が含まれる。本発明のもう1つの態様において、前記の段階のいずれか1つを休止してもよい。更にもう1つの態様において、細胞培地の分離は、発現タンパク質を含む細胞培地が、細胞含有培地が回転しているフィルター装置をとおって移動されるより実質的に遅い速度で収穫される回転フィルターにより達成される。
【0005】
本発明の1態様において、細胞から、発現タンパク質を含む細胞培地を分離することはまた、バイオリアクターへの細胞保留物の戻しと同様に実質的に連続的である。本発明のもう1つの態様において、発現タンパク質を含有する分離された培地を取り出すことは実質的に連続的である。本発明のもう1つ態様において、発現タンパク質を含有する分離された細胞培地を取り出すことはポンプのような、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための装置により容易にされる。
【0006】
本発明の1態様において、収穫された細胞培地は直接に又は間接に測定することができ、そしてこの測定は例えば、滅菌液体培地であらゆる容量の欠乏を補うことにより容量欠乏の補償を許すために使用することができる。1態様において、重量を測定するためにロードセル又は秤を使用することができる。もう1つの態様において、流量を測定するために流量計又は光学的測定手段を使用することができる。更にもう1つの態様において、濾過溜中の圧力を示すために圧力ゲージを使用することができる。
【0007】
本発明の1態様において、液体細胞培養物中の細胞から発現タンパク質を分離するために装置を使用することができる。当該装置はバイオリアクターの外側にあるようになっているハウジング、ハウジングの内部の回転可能なフィルター及び、ハウジング中への1又は複数の入り口を含むことができる。本発明のもう1つの態様において、バイオリアクター中への入り口は好ましくは、発現タンパク質を含むことができる液体細胞培地を受け入れるようになっている。本発明の更にもう1つの態様において、好ましくは、ハウジングからの第1及び第2の出口が存在する。本発明の1態様において、第1の出口はバイオリアクターと流体連絡するようになっており、そしてハウジングからバイオリアクターへ細胞含有保留物を戻すようにすることができる。本発明のもう1つの態様において、第2の出口は収穫溜と流体連絡していてもよく、そしてハウジングから収穫溜へ、発現タンパク質を含む分離された培地を移動させるために使用することができる。
【0008】
本発明の1態様において、回転可能なフィルターはバスケットを含むことができる。もう1つの態様において、バスケットはドラムのフレームに接合されたメッシュスクリーンからなることができる。本発明のもう1つの態様において、ドラムのフレーム及びメッシュスクリーンはステンレス鋼であることができる。本発明の更にもう1つの態様において、ドラムのフレーム及び/又はメッシュスクリーンは再利用可能にさせることができる。本発明のもう1つの態様において、メッシュスクリーンは好ましくは、焼きなましされる。本発明の更なる態様において、ドラムのフレームはハウジングから取り外し可能にさせることができる。
【0009】
本発明の態様において、流体の流れは実質的に連続的であることができる。もう1つの態様において、流体の流れは休止させることができる。本発明のもう1つの態様において、例えば、弁のような流体の流れを調整するために使用される1又は複数の装置を流体の流れを休止させるために使用することができる。もう1つの態様において、システム全体を外部環境に対して閉鎖することができ、そして滅菌そして/又は洗浄可能であることができる。更にもう1つの態様において、装置は蒸気供給源により滅菌可能であることができる。
【0010】
本発明の1態様において、表示システムは装置と連動して使用され、例えば、流量、重量、容量及び/又は圧力を測定するための装置からなることができる。
【0011】
本発明の他の目的、特徴及び利点は以下の詳細な説明から明白になるであろう。詳細な説明及び特定の例は本発明の特定の態様を示すが、例示のためにのみ提供される。従って、本発明はまた、この詳細な説明から当業者に明白になることができる、本発明の精神及び範囲内のこれらの様々な変化及び改変物を含む。
【0012】
本発明はこれらが変化することができるので、本明細書に記載の特定の方法、プロトコール、培地、細胞及びタンパク質等に限定されないことが理解される。更に、本明細書に使用される用語は特定の態様を説明する目的のためのみに使用され、本発明の範囲を限定する意図はもたれないことを理解することができる。本明細書及び付記の請求の範囲中に使用される単数形態「a」、「an」及び「the」は内容が明白にそうでないことを表わす場合を除き、複数の意味を含む。従って、例えば、「a protein」の意味は1又は複数のタンパク質の意味であり、当業者に知られたものと等しい物等を含む。
【0013】
別記に定義されない限り、本明細書に使用される技術的及び科学的用語はすべて、本発明が属する当該技術分野の当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記載のものに類似の又は等しいあらゆる方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができるが、好ましい方法、装置及び材料が説明される。本明細書に引用さ
れるすべての参考文献はそれら全体を本明細書中に引用により取り入れられている。
【0014】
本発明は細胞培養物中に発現された、例えばタンパク質、特に製薬学的又は診断的タンパク質のような成分の産生及び濾過のための方法、装置及びシステムを提供する。より特には、本発明は商業的規模の生物反応及び/又は濾過に有用な新規の外部濾過装置に関する。1態様において、本発明は、それにより細胞からのタンパク質の外部分離が、故障したフィルターにより誘起されかも知れない生物反応過程の早期終結を回避する、最初のタンパク質単離過程における外部濾過装置の使用を提供する。これに関しては、本発明は先行技術より、効率及び柔軟性における改善を提供する。
【0015】
特別の態様において、本発明は外部濾過装置及び使用の関連方法に関し、それにより細胞培養において、そして好ましくは、収率の増加及び生産価格の低下を伴なってタンパク質の生産を許す。
【0016】
特別の態様において、本発明は、細胞がバイオリアクター又は同等な生産源中で連続的に培養され、保留物回路をとおって連続的に流動する発酵及び濾過システムに関する。保留物回路は、液体培地中に懸濁された細胞培養物がバイオリアクターから外部の回転可能なフィルター装置中に流出し、そこで、細胞がタンパク質含有培地から分離され、次にこの保留物細胞培養物がバイオリアクターに戻される、閉鎖可能なループである。タンパク質含有培地は細胞から分離されるが、本明細書に説明される方法はタンパク質を濃縮しない、すなわち、あるタンパク質はバイオリアクターに戻される細胞培養保留物中に留まることができる。外部フィルターからの収穫タンパク質含有培地の流量は外部濾過単位装置をとおる保留物の流量より実質的に低いことができ、流量のこの差が外部フィルター及びバイオリアクター回路全体の性能を最適化することができる。保留物回路は概括的に閉鎖ループシステムであることができるが、外部スピンフィルターが詰まる場合は中断させ、フィルターを分離させて、交換させることができ、その後に、回路を再度作動させる。
【0017】
本発明のバイオリアクターシステムの1態様が図1に表わされる。このシステムの構成部品はすべて、滅菌されることができ、そしてこの特定の態様においては滅菌されるようになっており、そしてFDAにより概説されるGood Manufacturing Practice(良好製造実施法)に必要とされるような滅菌性を維持する。図1に示されるように、本発明のバイオリアクターシステムは新鮮な液体培地10を含むことができる第1の溜100を含んでなることができる。第1の溜100は酸化せずに流体を含み、滅菌培地を含むようになっている、大型ドラム又は類似の容器であることができる。第1の溜100は、例えばボール弁又はバタフライ弁のような弁あるいは、手動又は自動運動により駆動することができる、流量を調節することができるための当該技術分野で知られた任意の他の装置であることができる、流体流量を調節するために使用される装置と流体連絡している出口130をもつことができる。弁110は出口130及び第1の導管120を経て第1の溜100と流体連絡している。第1の導管120はチューブ、パイプ又は任意の他の液体輸送装置であることができ、流体の重量及び圧力を維持するために適する任意の材料で製造することができ、そして任意の直径をもつ。第1の導管120はステンレス鋼又はプラスチックのような、酸化に耐えるようになっており、そして汚染を伴なわない滅菌流体を含むことができる材料で製造することができる。第1の導管120は弁110及びバイオリアクター200と流体連絡している。1態様において、バイオリアクター200は、第1の溜100からバイオリアクター200への重力による流体の流れを容易にするために第1の溜100より実質的に低い高度にあることができる。代わりの態様において、例えば、濾過溜300がバイオリアクター200と同一の又はより高い高度にある場合は、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための装置を流体の流れをもたらすためにシステム内のいずこかに使用することができる。装置は加圧システム又は例えば、容積式ポンプのような機械的ポンプを含むことができる。
【0018】
代わりの態様において、バイオリアクター200は当該技術分野で知られた任意の外部手段により充填されることができるので、第1の溜100、弁110及び第1の導管120は必要とされない可能性がある。
【0019】
バイオリアクター200は、洗浄され、滅菌されることができ、酸化されず、そして例えば、約500リットル〜約1000リットルの内容積をもつ、商業的生産の可能なほど十分に大きいことができる、ステンレス鋼のような材料で製造された大型ドラム又は類似の容器であることができる。バイオリアクター200はまた、3個の入り口250、255、260及び出口270をもつことができる、しかし、バイオリアクター200は任意の数の入り口又は出口をもつことができる。入り口250は細胞を受け入れるための入り口を提供し、入り口255は保留物細胞を受け入れるための入り口を提供し、そして入り口260は第1の溜100からの新鮮な培地10を受け入れる。バイオリアクター200はまた、撹拌機290を含むことができ、それは多ブレードミキサー又はパドルミキサーあるいはバイオリアクター200内で様々な成分を一緒に混合させる、流体を混合又は合わせるために使用される、他の任意のタイプの装置であることができる。特別の態様において、撹拌機290は316Lステンレス鋼又はその同等物で製造されてもよく、そして約2hpの入力(power capacity)をもつことができる。第2の導管220は好ましくは、ポンプ230と流体連絡している。ポンプ230は第2の導管220及び第3の導管240と流体連絡している。ポンプ230は316Lステンレス鋼又はその同等物で製造された例えば、容積式又は蠕動式ポンプのような、流体を揚げ、圧縮し、又は移動させるための装置であることができ、そして好ましくは、少なくとも1hpの入力を有する。以前に説明されたように、ポンプのような、流体を揚げ、圧縮し又は移動する装置は流体流動をもたらすために必要であるとは限らず、例えば、重力又は圧力を使用することもできる。第3の導管240はポンプ230、弁210及び濾過溜300と流体連絡している。弁210は例えば、ボール弁又はバタフライ弁のような任意のタイプの弁、あるいは手動又は自動運動により駆動されることができる流体流量を調節することができる当該技術分野で知られた他の任意の装置であることができる。バイオリアクター200はまた、容量、温度、溶解された酸素、pH及び細胞密度及び他の任意の関連パラメーターをモニターし、調節しそして制御するための適当な測定及び調節装置を含むことができる。
【0020】
図2に詳細に示された外部スピンフィルター装置は、例えば、316Lステンレス鋼のような酸化しない材料で製造された、大型ドラム又は類似の丸型容器であることができる濾過溜300を含み、そしてバイオリアクター200とほぼ同一高さに配置されることができ、ここで、このような高さは、実質的に連続的な流量を確保するために、ポンプのような、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための装置を要することにより流体の流れをもたらす。代わりの態様において、濾過溜300はポンプの必要を排除して、重力による流体流動をもたらすためにバイオリアクター200より低い高さに配置することができる。もう1つの代わりの態様において、濾過溜300は任意の高さに配置されて、流体流動を加圧システムの使用により達成することができる。1態様において、外部フィルターハウジングの高さは、好ましくは約500〜2000センチメーター、そしてより好ましくは約1314センチメーターであり、約100〜400センチメーター、そしてより好ましくは約294センチメーターの外径、約100〜400センチメーターそして好ましくは約292センチメーターの内径をもつことができ、そして316Lステンレス鋼又は同等な材料で製造することができる。濾過溜300の内側は好ましくは、操作中、バスケット310及び流体を含む。あるいはまた、外部フィルターのハウジングは商業的規模の生産の可能な任意のディメンションをもつことができる。
【0021】
バスケット310は回転可能なフィルターであることができる。1態様において、バス
ケット310の高さは、好ましくは500〜1200センチメーター、そしてより好ましくは約1134センチメーターの高さ、約100〜300センチメーター、好ましくは190センチメーターの外径、約100〜300センチメーター、好ましくは170センチメーターの内径をもち、そして約50〜100リットル、好ましくは80リットルを含むことができる。バスケット310は316Lステンレス鋼で製造され、フレーム320を有することができ、円筒形又はドラム状であることができそして中空の内核をもつようにさせることができる。代わりの態様において、バスケット310は商業的規模の生産に適する他のディメンションをもつことができ、培地及び細胞培養物との接触に許容できる任意の材料で製造されることができる。バスケット310は上端及び下端を機械的に封印することができ、すなわち流体がメッシュスクリーン330をとおってバスケット310の中空の内核にのみ侵入することができる。バスケット310の上端はバスケットの蓋としても働き、取り外し可能であり、そして回転するシールの他の部品(parts)を含む、引き揚げアイ(lifting eye)313をもつことができ、そして更に、例えば、テフロン(Teflon)のベアリングブロック及びo−リングによる収穫導管371への回転可能な接合のためにベアリングをそれに回転可能に接合させることができる、しかしバスケット310は当該技術分野で知られた任意の装置により持ち揚げることができ、回転可能な接合はまた、当該技術分野でも知られた他の機械的要素を使用して完成することができる。フレーム320はそれにメッシュスクリーン330を溶接させることができる。すべての溶接物は内側及び外側を研磨され、更に被膜で保護され、電解研磨されることができる。代わりの態様において、メッシュスクリーン330は培地及び細胞との接触に適し、液体浸漬に適する留め具、釘、ボルト、接着剤、等を含む任意の装置によりフレーム320に取り付けることができる。バスケット310は、濾過溜300の内側でバスケット310の回転を許し、そして例えば、好ましくは、おのおの約60〜約300RPM間にすることができる磁石駆動装置又は調節可能な撹拌機であることができる回転装置315と連絡している。
【0022】
図2において、メッシュスクリーン330は例えば、316L鋼のような高品質の鋼であることができ、4層のメッシュ層をもつことができそして焼きなましされ、使い捨て可能であることができる。メッシュスクリーン330のスクリーンタイプは例えば、Twill Dutch Weave,11−18ミクロンであることができるが、所望の細胞の保留率、細胞のサイズ及びタイプに応じて任意の適当な口径をもつことができる。特別の態様において、メッシュスクリーン330は約1000度の温度で焼きなましすることができる。この焼きなましメッシュスクリーンは例えば、GKD Gebr Kufferath GmbH & Co.,(Dueren,ドイツ)から市販されている。メッシュスクリーン330はまた、細胞及び培地をふるうことができ、そして流体及び回転力にさらされる時にその機械的特性を維持することができる任意の他の適した材料で製造することができる。
【0023】
収穫導管371はバスケット310の中空芯中に配置することができ、好ましくは、約2.5センチメーターの直径をもち、蓋311からバスケット310中をとおって延伸し、バスケット310の底部の手前ほぼ約81センチメーターで終結することができ、そしてタンパク質含有培地が濾過溜300からポンプで送り出される導管である。代わりの態様において、収穫導管は任意のサイズ及び形状をもち、そして溜300の内側でその長さに沿って任意の数の穴を含んでも含まなくてもよい。収穫導管371は好ましくは、収穫ポンプ375と流体連絡している。収穫ポンプ375は好ましくは、容積式ポンプであり、Teflonで製造され、少なくとも約1/2hpの入力(power capacity)をもつことができるが、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための任意のタイプの適したポンプ又は装置を使用することができる。代わりの態様において、収穫ポンプ375は必要でないかも知れない、すなわち流体の流れは重力により又は加圧システムにより達成することができる。
【0024】
図1及び図2において、濾過溜300はまた、例えば、2個の「o−リング」タイプのシールで封印することができる封印可能な蓋311をもつことができる。代わりの態様において、蓋311は当該技術分野で知られた任意の装置により封印することができる。封印可能な蓋311は2個の出口、340及び350を有する。出口340は例えば、実質的に垂直であることができるが、濾過溜300に対して任意の角度であることができる。出口340はまた、収穫導管371と流体連絡にあることができ、更に弁360と連絡することができる。弁360は例えば、ボール弁又はバタフライ弁のような任意のタイプの弁、あるいは手動又は自動運動により駆動され得る、流体の流れを調節することができるための当該技術分野で知られた任意の他の装置であることができる。出口350は蓋310に対して任意の角度で配置することができ、保留物回路の一部であり、そして例えば弁のような流体の流れを調節するために使用される装置をもつことができる。弁345は例えば、ボール弁又はバタフライ弁のような任意のタイプの弁、あるいは手動又は自動運動により作動され得る、流体の流れを調節することができるための当該技術分野で知られた任意の他の装置であることができる。蓋全体は蒸気供給源341又は当該技術分野で知られた滅菌のための任意の他の装置に接続されている。濾過溜300の底部には、第3の導管240に接続され、更に滅菌の目的のために蒸気供給源に接続されることができる、好ましくは、バスケット310の底部より下方に入り口70が存在する。濾過溜300は好ましくは、第3の導管240、第4の導管380及び第5の導管355に接続されている。第4の導管380は好ましくは、濾過溜380の出口350及びバイオリアクター200の入り口255と流体連絡している。更に、濾過溜300は圧力ゲージを備え、更に任意の与えられた高度で任意の数の導管と接合するようにさせることができる。
【0025】
第5の導管355はステンレス鋼又は、流体の重量及び流れを酸化させずに維持し、滅菌性を維持することができるプラスチックのような任意の他の適した又は同等な材料で製造することができ、そして任意の適した直径をもつことができる。第5の導管355は好ましくは、出口340及び収穫溜400を経て濾過溜300と流体連絡しており、更に弁360と流体連絡していることができる。収穫ポンプ375は好ましくは、第5の導管355及び第6の導管410と流体連絡しており、そして収穫導管371から第6導管410をとおり収穫溜410にタンパク質含有培地又は任意の所望の標的物質をポンプで送り出す。弁360は好ましくは、濾過溜300に密接な近位の第5の導管355上に配置されている。弁360は例えばボール弁又はバタフライ弁のような任意のタイプの弁あるいは手動又は自動運動により駆動させることができる流体の流量を調節することができるための当該技術分野で知られた任意の他の装置であることができる。第6の導管410は好ましくは、収穫ポンプ371及び収穫溜400と流体連絡している。
【0026】
収穫溜400は酸化せずに流体を含むようになっている大型ドラム又は類似の容器であることができ、濾過溜300より実質的に高い高度にそして、第1の溜100とほぼ同一の高さに配置されることができる。代わりの態様において、収穫溜300は任意の高度に配置することができる。任意の高度において収穫溜300に流体流動をもたらすためにはポンプ、加圧システム及び重力を使用することができる。あるいはまた、収穫溜は他の態様には必要ないかも知れない。
【0027】
新鮮な培地、細胞、バイオリアクターの内容物、保留物細胞及びタンパク質含有培地と流体接触しているバイオリアクターシステム中のすべての構成部品は、ステンレス鋼あるいは、容易に洗浄され、滅菌されることができ、汚染物を含まずに流体を含むことができ、鉄の酸化に耐え、そして漏洩せずに流体を取り扱うことができる、何か他のタイプの金属又は、例えばプラスチックのような非金属材料で製造されることができる。本明細書に開示される構成部品の特別の交換物は限定することを意味しない、すなわち弁、ポンプ、導管、入り口、出口及び溜の交換物は変更することができ、当業者には明白であろう。
作動バイオリアクターの外部濾過法
図1において、バイオリアクターの操作及び外部濾過法を開始する前に、すべての導管手段、溜手段、弁及び任意の他のアッセンブリー部品の内面が好ましくは、滅菌される。第1の溜100に好ましくは、新鮮な培地10で充填し、次に入り口250をとおり又は当該技術分野で知られた任意の他の適当な方法で細胞をバイオリアクター200中に入れることができる。
【0028】
発酵及び濾過法において、当該方法は、出口130をとおり第1の導管120をとおるこのような流れを誘導するために、より高い高度にあることができる第1の溜100から新鮮な培地10が流動する時に開始する。代わりの態様において、第1の溜100は任意の高度にあることができ、流れは重力、圧力又は、ポンプのような、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための装置により誘導させることができる。弁110を使用して第1の導管120をとおり、そしてバイオリアクター200中へのこのような流れを制御することができる。新鮮な培地10はバイオリアクター200の上部の入り口260をとおりバイオリアクター200に侵入する。撹拌装置290が新鮮な培地10を入り口250をとおって添加される細胞と混合する。次に、適当な発酵時間後、混合物はバイオリアクター200から出口270をとおり第2の導管220中に重力により流入する。あるいはまた、ポンプ又は加圧システムを使用して、このような流体の流れを誘導することができる。次に、ポンプ230が導管240をとおり重力に対抗して濾過溜300中に混合物をポンプで送る。弁210はポンプ230から濾過溜300中への混合物の流れを制御する。例えば、温度、細胞密度、溶解酸素、pH、培養物容量及び他の関連パラメーターのような培養条件を適当な手段によりモニターし、制御し、調整することができる。
【0029】
図1及び2において、バイオリアクターから細胞及びタンパク質含有培地を受け入れる前に、濾過溜300は適当なレベルまで、新鮮な、滅菌培地を入り口340及び弁360を経て充填することができる。代わりの態様において、濾過溜300中への任意の入り口を使用することができる。細胞及び培地混合物は好ましくは、入り口370をとおって濾過溜300中にポンプで送られる。混合物は濾過溜300の底部又は上部からバスケット310と濾過溜300の内壁の間の空間に直接流入することができる。バスケット310は好ましくは、細胞がメッシュ330から吸引されて保留物中に留まる間に、タンパク質含有培地がメッシュスクリーン330をとおってフレーム320の内側に圧力差により押し出されるように、混合物を回転し、濾過する。タンパク質含有培地はポンプ230が保留物回路をとおって細胞培地を移動させる速度より有意に遅い速度で収穫ポンプ375により収穫導管371中に引き込まれることができる。次に、収穫されたタンパク質含有培地が出口340をとおって収穫溜400中に流入する。その間、細胞培養保留物はバスケット310の外側に残り、濾過溜300の上部に、出口350へ、第4の導管380中に、入り口255をとおってバイオリアクター200中に移動し、保留物回路を完了することができる。
【0030】
様々な表示装置がシステム全体の各部をモニターすることができる。例えば、バイオリアクターはバイオリアクターの条件が確実に最適化されるように、容量、pH、温度、溶存酸素含量、溶存CO2含量及び酸素密度をモニターすることができる。これらの表示装置は任意の適当な場所に配置することができる。1態様において、例えば、秤又はロードセルのような重量測定手段は、装置システム全体で測定される他の測定値と連動して作動し、そして好ましくはPC制御装置又は、信号を受信しそして伝達することができる任意の適当な同等なシステムと電気的に接続しているバイオリアクターと接続されている。1態様において、流量計のような流量測定手段は濾過溜300の入り口及び出口に配置され、更に好ましくは、PC制御装置と電気的に接続されている。特別の態様において、pH、温度、重量及び流量を測定するための装置は自動化され、関連測定値をPC制御装置上に表示することができる。PC制御装置は好ましくは、濾過装置に電気接続され、そして収穫導管371及び収穫ポンプ375を経て収穫される培地が好ましくは、新鮮な培地により交換されて、システム全体の、特に濾過溜300中の平衡を維持することを確実にするために、重量及び流量の同期化(synchronization)を計算しそして/又は制御することができる。場合により、濾過溜300の内圧をモニターすることができる。もう1つの態様において、装置を手動でモニターしそして/又は制御することができる。
【0031】
本発明は例えば、目詰まりが培養バッチを早期に終結させる可能性がある内部フィルターの目詰まりと関連する問題を回避するようになっている。このようなフィルターが目詰まりする場合、以下の説明は本発明の外部濾過装置と連動して使用される例示的方法に関する。フィルターの目詰まりは例えば、濾過溜300内の圧力を測定する圧力ゲージにより視覚的に表示することができる。目詰まりはまた、推定、すなわち満杯を示すことができるバイオリアクターの重量の増加により示すことができる。目詰まりが起ると、弁210、345及び360は、そこに流入又はそこから流出するあらゆる流体の流れから濾過溜300を隔離するために手動で閉鎖することができる。代わりの態様において、弁を自動化して、システムによりプロンプトされると、閉鎖することができる。弁が閉鎖される順序は他の態様では変わることができる。この態様においては、次に、弁210が閉鎖し、ポンプ230及び収穫ポンプ375が停止される。弁110もまた、バイオリアクター200中への新鮮な培地0の流入を妨げるために閉鎖することができるが、濾過バスケット又は単位装置の取り外し中はバイオリアクター200に供給を継続するために開放したままにすることもできる。バイオリアクター200は保留物回路が遮断されている間、培養操作を継続することができる。
【0032】
濾過単位装置全体は好ましくは、実際的に可能なできるだけ早期にバイオリアクターを含む室から取り出される。1態様において、濾過単位装置は好ましくは、前以て洗浄され、滅菌され、そして即座の使用の準備ができている同一単位装置と即座に交換される。あるいはまた、既に準備された交換バスケットを洗浄された溜中に挿入することができるように下記に概説される最初の洗浄段階を実行し、そしてシステムを滅菌し、以下に詳説されるように再開する。本発明は以下に概説される特定の洗浄及び交換法に限定されることを意味しない。
【0033】
図2について、洗浄及び滅菌法は濾過溜300中への入り口350又は入り口340中に不活性化流体をポンプで送り、NaOHによる化学的不活性化のような当該技術分野で知られた方法により流体内容物を不活性化することを伴なうことができる。次に、濾過溜300を排水して、蓋311を外すことができる。蓋311を外した後に、持ち揚げアイ313又は他の任意の適当な手段によりバスケット310を持ち揚げ、濾過溜300から取り外す。ドラムのフレーム320は再利用され、メッシュのスクリーン330は廃棄されることができ、単位装置は洗浄され、滅菌され、新規のメッシュスクリーンをドラムのフレーム320に溶接することができる。代わりの態様において、メッシュのスクリーン330を洗浄し、再利用することができる。
【0034】
図1において、単位装置が取り外されて、前以て洗浄された単位装置又はバスケットと交換されるか又は代わりの態様においては、取り外され、洗浄され、そしてシステム中に再挿入された後に、341のような蒸気供給源が駆動されることができて、蒸気がすべての内部導管手段、弁手段、入り口又は出口を滅菌する。代わりの態様において、当該技術分野で知られた他の装置を、洗浄及び取り外し法により露出されたこれらの構成部品を滅菌するために使用することができる。次に蒸気滅菌構成部品を冷却することができる。冷却後に、濾過溜を滅菌培地で充填することができる。次にPC制御装置を再設定することができる。弁手段、ポンプ及びフィルターの回転を再作動させて、流体流動、保留物回路の濾過及びタンパク質含有培地の収穫を許すことができる。
【実施例】
【0035】
更なる説明なしに、当業者は以上の説明を使用して、本発明を完全に利用することができると考えられる。以下の実施例は実例であるのみであり、いずれの方法でも残りの本開示を限定するものではない。
【0036】
組換えモノクローナル抗体を発現することができる骨髄腫細胞を液体窒素貯蔵物から取り出し、温水浴中で外気温に暖めた。細胞を洗浄し、1.5〜2Lの培地を含む3−Lのフラスコに移した。150−Lのシード潅流バイオリアクターを使用して、1000−L生産用バイオリアクターのための培養物を調製した。約4〜約9日間に約2.0×106細胞/mlの接種可能な細胞密度を得た。
【0037】
バイオリアクターにSFM 8又はSFM 10培地のいずれかを充填した。撹拌速度は10〜45rpmの範囲であった。上部空き高への噴霧二酸化炭素及び空気はpH制御を許す。噴霧空気及び/又は酸素は溶存酸素を供給するために使用した。ブドウ糖、グルタミン、ラクテート及びアンモニア濃度もモニターした。バイオリアクターの圧力は約1〜約5psigの間である。潅流速度は約240〜約870L/日の範囲内にあった。作業容量は約700〜約1100Lの範囲内にあった。バオマス(biomass)の取り出しはオフライン及びインラインのポンプを使用して達成することができる。最大の生存可能細胞密度は2.4×106生存可能細胞/ml〜13.5×106生存可能細胞/mlの範囲内にある。
【0038】
いくつかの1000−L生産用バイオリアクターを前記のような付着物(fouling)又は機械的故障時に交換することができる外部スピンフィルターとともに走行させた。スピンフィルタースクリーンは10μ−級(165×1400ステンレス鋼織物)であり、19cm又は25cmの直径をもち、それぞれ5cm及び0.7cmのバスケットとハウジングの壁間の透間を残した。外部スピンフィルター速度は約100〜約300rpm間に設定することができるが、前記のスクリーンに最適なスクリーン安定性は約135〜150rpmで認められた。スピンフィルター期間は細胞密度に応じて0.5〜27日間の範囲にあり、細胞密度が6×106生存可能細胞/mlを超えると付着物が増加した。約280〜約1125L/時間の再循環速度において、約100〜約300rpmの外部スピンフィルター速度及び約10〜約45rpmの撹拌速度において、細胞生存率は80パーセントを超えて維持された。比抗体産生レベル(specific antibody production level)は約20pg/vc/日〜約70pg/vc/日の範囲にあった。最大走行長さは約60日であった。総生産物集積量は1回の走行で約5kg〜約12.2kgであった。これらの走行のパラメーターは表1及び2に要約される。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
幾つかの品質調節試験を実施した。バイオリアクター細胞培養試料をマイコプラズマ及
びウイルス試験のためのバイオリアクターから取り出した。すべてのこのような試験は陰性であった。バイオリアクター中で産生されたcA2分子の全体の充填異質性、サイズ、構造及び活性をIEF(定性及び定量)、SDS−PAGE(還元及び非還元)、GF−HPLC、質量分光分析、オリゴ糖プロファイル及びWEHIアッセイにより測定した。これらの試験は試料及び対照の標準間に有意差を示さなかった。
【0042】
分子生物学、機械工学又は他の関連分野における当業者に明白な、本発明を実施するための記載のモードの様々な改変物は本発明の範囲内にあることが意図される。本発明は特定のタンパク質、組換えタンパク質により、又はバイオリアクター中で使用される細胞又は培地のタイプにより限定されることを意図されない。本明細書に開示された本発明の明細及び実施を考慮すると、濾過及び/又は分離法の一般的使用を含む本発明の他の態様が当業者には明白になるであろう。明細及び実施例は例示としてのみ考えられることが意図され、本発明の真の範囲及び精神は以下の請求の範囲により示される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のバイオリアクター及び濾過装置システム全体の態様のスキーム図である。
【図2】本発明の外部の濾過装置の態様のスキーム図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は実質的に連続的濾過又は分離システム及び関連方法に関する。より具体的には、本発明はタンパク質の生産のための連続的潅流細胞培養システムを含む。本発明は例えば、細胞培養バッチを終結せずにフィルターを交換することができる、例えば、細胞培養システムからの生産増加に有用な、バイオリアクターに外部のスピン濾過システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
多数の製薬学的に貴重なタンパク質は細胞培養及び組換え細胞培養技術を使用して生産される。典型的な潅流タンパク質生産システムにおいて、組換えタンパク質−産生細胞が、タンパク質生産物含有培地からの細胞をふるう、内部フィルターをも含有するバイオリアクター中に維持される。しかし、これらの内部フィルターはしばしば、細胞又は破片(debris)で目詰まりし、それにより技術的遅延又は故障を誘起する。より特別には、内部フィルターが目詰まりすると、それは細胞培養物から生産物−含有培地をもはや分離することができない。その場合には、バイオリアクター過程を恐らく早期に終結させ、細胞培養物を犠牲にし、生産を遅延させ、そして生産収率を低下させなければならない。
【発明の開示】
【0003】
本発明は例えば、故障したフィルターを交換する間、例えば、細胞培養を継続させる、外部の濾過装置を伴なう有利なバイオリアクターシステムを開示する。当該外部濾過システムは商業的規模の生産を最適化することができ、そして細胞培養の早期終結を防止し、従って生物反応過程の完了及び最大の生産物収率を許すことができる。
【0004】
本発明の目的は、例えば、バイオリアクター中における細胞培養から生産されるタンパク質からの細胞の外部の濾過のための方法、装置及びシステムを提供することを含む。外部濾過装置の特定の態様及び濾過装置の使用法には、液体細胞培地中にタンパク質を発現する細胞を提供し、回転可能なフィルターを使用して細胞培養保留物(retentate)から発現タンパク質を含む培地を分離し、そして回転可能なフィルター単位装置から発現タンパク質を含む分離された培地を取り出す段階が含まれる。本発明のもう1つの態様において、前記の段階のいずれか1つを休止してもよい。更にもう1つの態様において、細胞培地の分離は、発現タンパク質を含む細胞培地が、細胞含有培地が回転しているフィルター装置をとおって移動されるより実質的に遅い速度で収穫される回転フィルターにより達成される。
【0005】
本発明の1態様において、細胞から、発現タンパク質を含む細胞培地を分離することはまた、バイオリアクターへの細胞保留物の戻しと同様に実質的に連続的である。本発明のもう1つの態様において、発現タンパク質を含有する分離された培地を取り出すことは実質的に連続的である。本発明のもう1つ態様において、発現タンパク質を含有する分離された細胞培地を取り出すことはポンプのような、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための装置により容易にされる。
【0006】
本発明の1態様において、収穫された細胞培地は直接に又は間接に測定することができ、そしてこの測定は例えば、滅菌液体培地であらゆる容量の欠乏を補うことにより容量欠乏の補償を許すために使用することができる。1態様において、重量を測定するためにロードセル又は秤を使用することができる。もう1つの態様において、流量を測定するために流量計又は光学的測定手段を使用することができる。更にもう1つの態様において、濾過溜中の圧力を示すために圧力ゲージを使用することができる。
【0007】
本発明の1態様において、液体細胞培養物中の細胞から発現タンパク質を分離するために装置を使用することができる。当該装置はバイオリアクターの外側にあるようになっているハウジング、ハウジングの内部の回転可能なフィルター及び、ハウジング中への1又は複数の入り口を含むことができる。本発明のもう1つの態様において、バイオリアクター中への入り口は好ましくは、発現タンパク質を含むことができる液体細胞培地を受け入れるようになっている。本発明の更にもう1つの態様において、好ましくは、ハウジングからの第1及び第2の出口が存在する。本発明の1態様において、第1の出口はバイオリアクターと流体連絡するようになっており、そしてハウジングからバイオリアクターへ細胞含有保留物を戻すようにすることができる。本発明のもう1つの態様において、第2の出口は収穫溜と流体連絡していてもよく、そしてハウジングから収穫溜へ、発現タンパク質を含む分離された培地を移動させるために使用することができる。
【0008】
本発明の1態様において、回転可能なフィルターはバスケットを含むことができる。もう1つの態様において、バスケットはドラムのフレームに接合されたメッシュスクリーンからなることができる。本発明のもう1つの態様において、ドラムのフレーム及びメッシュスクリーンはステンレス鋼であることができる。本発明の更にもう1つの態様において、ドラムのフレーム及び/又はメッシュスクリーンは再利用可能にさせることができる。本発明のもう1つの態様において、メッシュスクリーンは好ましくは、焼きなましされる。本発明の更なる態様において、ドラムのフレームはハウジングから取り外し可能にさせることができる。
【0009】
本発明の態様において、流体の流れは実質的に連続的であることができる。もう1つの態様において、流体の流れは休止させることができる。本発明のもう1つの態様において、例えば、弁のような流体の流れを調整するために使用される1又は複数の装置を流体の流れを休止させるために使用することができる。もう1つの態様において、システム全体を外部環境に対して閉鎖することができ、そして滅菌そして/又は洗浄可能であることができる。更にもう1つの態様において、装置は蒸気供給源により滅菌可能であることができる。
【0010】
本発明の1態様において、表示システムは装置と連動して使用され、例えば、流量、重量、容量及び/又は圧力を測定するための装置からなることができる。
【0011】
本発明の他の目的、特徴及び利点は以下の詳細な説明から明白になるであろう。詳細な説明及び特定の例は本発明の特定の態様を示すが、例示のためにのみ提供される。従って、本発明はまた、この詳細な説明から当業者に明白になることができる、本発明の精神及び範囲内のこれらの様々な変化及び改変物を含む。
【0012】
本発明はこれらが変化することができるので、本明細書に記載の特定の方法、プロトコール、培地、細胞及びタンパク質等に限定されないことが理解される。更に、本明細書に使用される用語は特定の態様を説明する目的のためのみに使用され、本発明の範囲を限定する意図はもたれないことを理解することができる。本明細書及び付記の請求の範囲中に使用される単数形態「a」、「an」及び「the」は内容が明白にそうでないことを表わす場合を除き、複数の意味を含む。従って、例えば、「a protein」の意味は1又は複数のタンパク質の意味であり、当業者に知られたものと等しい物等を含む。
【0013】
別記に定義されない限り、本明細書に使用される技術的及び科学的用語はすべて、本発明が属する当該技術分野の当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記載のものに類似の又は等しいあらゆる方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができるが、好ましい方法、装置及び材料が説明される。本明細書に引用さ
れるすべての参考文献はそれら全体を本明細書中に引用により取り入れられている。
【0014】
本発明は細胞培養物中に発現された、例えばタンパク質、特に製薬学的又は診断的タンパク質のような成分の産生及び濾過のための方法、装置及びシステムを提供する。より特には、本発明は商業的規模の生物反応及び/又は濾過に有用な新規の外部濾過装置に関する。1態様において、本発明は、それにより細胞からのタンパク質の外部分離が、故障したフィルターにより誘起されかも知れない生物反応過程の早期終結を回避する、最初のタンパク質単離過程における外部濾過装置の使用を提供する。これに関しては、本発明は先行技術より、効率及び柔軟性における改善を提供する。
【0015】
特別の態様において、本発明は外部濾過装置及び使用の関連方法に関し、それにより細胞培養において、そして好ましくは、収率の増加及び生産価格の低下を伴なってタンパク質の生産を許す。
【0016】
特別の態様において、本発明は、細胞がバイオリアクター又は同等な生産源中で連続的に培養され、保留物回路をとおって連続的に流動する発酵及び濾過システムに関する。保留物回路は、液体培地中に懸濁された細胞培養物がバイオリアクターから外部の回転可能なフィルター装置中に流出し、そこで、細胞がタンパク質含有培地から分離され、次にこの保留物細胞培養物がバイオリアクターに戻される、閉鎖可能なループである。タンパク質含有培地は細胞から分離されるが、本明細書に説明される方法はタンパク質を濃縮しない、すなわち、あるタンパク質はバイオリアクターに戻される細胞培養保留物中に留まることができる。外部フィルターからの収穫タンパク質含有培地の流量は外部濾過単位装置をとおる保留物の流量より実質的に低いことができ、流量のこの差が外部フィルター及びバイオリアクター回路全体の性能を最適化することができる。保留物回路は概括的に閉鎖ループシステムであることができるが、外部スピンフィルターが詰まる場合は中断させ、フィルターを分離させて、交換させることができ、その後に、回路を再度作動させる。
【0017】
本発明のバイオリアクターシステムの1態様が図1に表わされる。このシステムの構成部品はすべて、滅菌されることができ、そしてこの特定の態様においては滅菌されるようになっており、そしてFDAにより概説されるGood Manufacturing Practice(良好製造実施法)に必要とされるような滅菌性を維持する。図1に示されるように、本発明のバイオリアクターシステムは新鮮な液体培地10を含むことができる第1の溜100を含んでなることができる。第1の溜100は酸化せずに流体を含み、滅菌培地を含むようになっている、大型ドラム又は類似の容器であることができる。第1の溜100は、例えばボール弁又はバタフライ弁のような弁あるいは、手動又は自動運動により駆動することができる、流量を調節することができるための当該技術分野で知られた任意の他の装置であることができる、流体流量を調節するために使用される装置と流体連絡している出口130をもつことができる。弁110は出口130及び第1の導管120を経て第1の溜100と流体連絡している。第1の導管120はチューブ、パイプ又は任意の他の液体輸送装置であることができ、流体の重量及び圧力を維持するために適する任意の材料で製造することができ、そして任意の直径をもつ。第1の導管120はステンレス鋼又はプラスチックのような、酸化に耐えるようになっており、そして汚染を伴なわない滅菌流体を含むことができる材料で製造することができる。第1の導管120は弁110及びバイオリアクター200と流体連絡している。1態様において、バイオリアクター200は、第1の溜100からバイオリアクター200への重力による流体の流れを容易にするために第1の溜100より実質的に低い高度にあることができる。代わりの態様において、例えば、濾過溜300がバイオリアクター200と同一の又はより高い高度にある場合は、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための装置を流体の流れをもたらすためにシステム内のいずこかに使用することができる。装置は加圧システム又は例えば、容積式ポンプのような機械的ポンプを含むことができる。
【0018】
代わりの態様において、バイオリアクター200は当該技術分野で知られた任意の外部手段により充填されることができるので、第1の溜100、弁110及び第1の導管120は必要とされない可能性がある。
【0019】
バイオリアクター200は、洗浄され、滅菌されることができ、酸化されず、そして例えば、約500リットル〜約1000リットルの内容積をもつ、商業的生産の可能なほど十分に大きいことができる、ステンレス鋼のような材料で製造された大型ドラム又は類似の容器であることができる。バイオリアクター200はまた、3個の入り口250、255、260及び出口270をもつことができる、しかし、バイオリアクター200は任意の数の入り口又は出口をもつことができる。入り口250は細胞を受け入れるための入り口を提供し、入り口255は保留物細胞を受け入れるための入り口を提供し、そして入り口260は第1の溜100からの新鮮な培地10を受け入れる。バイオリアクター200はまた、撹拌機290を含むことができ、それは多ブレードミキサー又はパドルミキサーあるいはバイオリアクター200内で様々な成分を一緒に混合させる、流体を混合又は合わせるために使用される、他の任意のタイプの装置であることができる。特別の態様において、撹拌機290は316Lステンレス鋼又はその同等物で製造されてもよく、そして約2hpの入力(power capacity)をもつことができる。第2の導管220は好ましくは、ポンプ230と流体連絡している。ポンプ230は第2の導管220及び第3の導管240と流体連絡している。ポンプ230は316Lステンレス鋼又はその同等物で製造された例えば、容積式又は蠕動式ポンプのような、流体を揚げ、圧縮し、又は移動させるための装置であることができ、そして好ましくは、少なくとも1hpの入力を有する。以前に説明されたように、ポンプのような、流体を揚げ、圧縮し又は移動する装置は流体流動をもたらすために必要であるとは限らず、例えば、重力又は圧力を使用することもできる。第3の導管240はポンプ230、弁210及び濾過溜300と流体連絡している。弁210は例えば、ボール弁又はバタフライ弁のような任意のタイプの弁、あるいは手動又は自動運動により駆動されることができる流体流量を調節することができる当該技術分野で知られた他の任意の装置であることができる。バイオリアクター200はまた、容量、温度、溶解された酸素、pH及び細胞密度及び他の任意の関連パラメーターをモニターし、調節しそして制御するための適当な測定及び調節装置を含むことができる。
【0020】
図2に詳細に示された外部スピンフィルター装置は、例えば、316Lステンレス鋼のような酸化しない材料で製造された、大型ドラム又は類似の丸型容器であることができる濾過溜300を含み、そしてバイオリアクター200とほぼ同一高さに配置されることができ、ここで、このような高さは、実質的に連続的な流量を確保するために、ポンプのような、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための装置を要することにより流体の流れをもたらす。代わりの態様において、濾過溜300はポンプの必要を排除して、重力による流体流動をもたらすためにバイオリアクター200より低い高さに配置することができる。もう1つの代わりの態様において、濾過溜300は任意の高さに配置されて、流体流動を加圧システムの使用により達成することができる。1態様において、外部フィルターハウジングの高さは、好ましくは約500〜2000センチメーター、そしてより好ましくは約1314センチメーターであり、約100〜400センチメーター、そしてより好ましくは約294センチメーターの外径、約100〜400センチメーターそして好ましくは約292センチメーターの内径をもつことができ、そして316Lステンレス鋼又は同等な材料で製造することができる。濾過溜300の内側は好ましくは、操作中、バスケット310及び流体を含む。あるいはまた、外部フィルターのハウジングは商業的規模の生産の可能な任意のディメンションをもつことができる。
【0021】
バスケット310は回転可能なフィルターであることができる。1態様において、バス
ケット310の高さは、好ましくは500〜1200センチメーター、そしてより好ましくは約1134センチメーターの高さ、約100〜300センチメーター、好ましくは190センチメーターの外径、約100〜300センチメーター、好ましくは170センチメーターの内径をもち、そして約50〜100リットル、好ましくは80リットルを含むことができる。バスケット310は316Lステンレス鋼で製造され、フレーム320を有することができ、円筒形又はドラム状であることができそして中空の内核をもつようにさせることができる。代わりの態様において、バスケット310は商業的規模の生産に適する他のディメンションをもつことができ、培地及び細胞培養物との接触に許容できる任意の材料で製造されることができる。バスケット310は上端及び下端を機械的に封印することができ、すなわち流体がメッシュスクリーン330をとおってバスケット310の中空の内核にのみ侵入することができる。バスケット310の上端はバスケットの蓋としても働き、取り外し可能であり、そして回転するシールの他の部品(parts)を含む、引き揚げアイ(lifting eye)313をもつことができ、そして更に、例えば、テフロン(Teflon)のベアリングブロック及びo−リングによる収穫導管371への回転可能な接合のためにベアリングをそれに回転可能に接合させることができる、しかしバスケット310は当該技術分野で知られた任意の装置により持ち揚げることができ、回転可能な接合はまた、当該技術分野でも知られた他の機械的要素を使用して完成することができる。フレーム320はそれにメッシュスクリーン330を溶接させることができる。すべての溶接物は内側及び外側を研磨され、更に被膜で保護され、電解研磨されることができる。代わりの態様において、メッシュスクリーン330は培地及び細胞との接触に適し、液体浸漬に適する留め具、釘、ボルト、接着剤、等を含む任意の装置によりフレーム320に取り付けることができる。バスケット310は、濾過溜300の内側でバスケット310の回転を許し、そして例えば、好ましくは、おのおの約60〜約300RPM間にすることができる磁石駆動装置又は調節可能な撹拌機であることができる回転装置315と連絡している。
【0022】
図2において、メッシュスクリーン330は例えば、316L鋼のような高品質の鋼であることができ、4層のメッシュ層をもつことができそして焼きなましされ、使い捨て可能であることができる。メッシュスクリーン330のスクリーンタイプは例えば、Twill Dutch Weave,11−18ミクロンであることができるが、所望の細胞の保留率、細胞のサイズ及びタイプに応じて任意の適当な口径をもつことができる。特別の態様において、メッシュスクリーン330は約1000度の温度で焼きなましすることができる。この焼きなましメッシュスクリーンは例えば、GKD Gebr Kufferath GmbH & Co.,(Dueren,ドイツ)から市販されている。メッシュスクリーン330はまた、細胞及び培地をふるうことができ、そして流体及び回転力にさらされる時にその機械的特性を維持することができる任意の他の適した材料で製造することができる。
【0023】
収穫導管371はバスケット310の中空芯中に配置することができ、好ましくは、約2.5センチメーターの直径をもち、蓋311からバスケット310中をとおって延伸し、バスケット310の底部の手前ほぼ約81センチメーターで終結することができ、そしてタンパク質含有培地が濾過溜300からポンプで送り出される導管である。代わりの態様において、収穫導管は任意のサイズ及び形状をもち、そして溜300の内側でその長さに沿って任意の数の穴を含んでも含まなくてもよい。収穫導管371は好ましくは、収穫ポンプ375と流体連絡している。収穫ポンプ375は好ましくは、容積式ポンプであり、Teflonで製造され、少なくとも約1/2hpの入力(power capacity)をもつことができるが、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための任意のタイプの適したポンプ又は装置を使用することができる。代わりの態様において、収穫ポンプ375は必要でないかも知れない、すなわち流体の流れは重力により又は加圧システムにより達成することができる。
【0024】
図1及び図2において、濾過溜300はまた、例えば、2個の「o−リング」タイプのシールで封印することができる封印可能な蓋311をもつことができる。代わりの態様において、蓋311は当該技術分野で知られた任意の装置により封印することができる。封印可能な蓋311は2個の出口、340及び350を有する。出口340は例えば、実質的に垂直であることができるが、濾過溜300に対して任意の角度であることができる。出口340はまた、収穫導管371と流体連絡にあることができ、更に弁360と連絡することができる。弁360は例えば、ボール弁又はバタフライ弁のような任意のタイプの弁、あるいは手動又は自動運動により駆動され得る、流体の流れを調節することができるための当該技術分野で知られた任意の他の装置であることができる。出口350は蓋310に対して任意の角度で配置することができ、保留物回路の一部であり、そして例えば弁のような流体の流れを調節するために使用される装置をもつことができる。弁345は例えば、ボール弁又はバタフライ弁のような任意のタイプの弁、あるいは手動又は自動運動により作動され得る、流体の流れを調節することができるための当該技術分野で知られた任意の他の装置であることができる。蓋全体は蒸気供給源341又は当該技術分野で知られた滅菌のための任意の他の装置に接続されている。濾過溜300の底部には、第3の導管240に接続され、更に滅菌の目的のために蒸気供給源に接続されることができる、好ましくは、バスケット310の底部より下方に入り口70が存在する。濾過溜300は好ましくは、第3の導管240、第4の導管380及び第5の導管355に接続されている。第4の導管380は好ましくは、濾過溜380の出口350及びバイオリアクター200の入り口255と流体連絡している。更に、濾過溜300は圧力ゲージを備え、更に任意の与えられた高度で任意の数の導管と接合するようにさせることができる。
【0025】
第5の導管355はステンレス鋼又は、流体の重量及び流れを酸化させずに維持し、滅菌性を維持することができるプラスチックのような任意の他の適した又は同等な材料で製造することができ、そして任意の適した直径をもつことができる。第5の導管355は好ましくは、出口340及び収穫溜400を経て濾過溜300と流体連絡しており、更に弁360と流体連絡していることができる。収穫ポンプ375は好ましくは、第5の導管355及び第6の導管410と流体連絡しており、そして収穫導管371から第6導管410をとおり収穫溜410にタンパク質含有培地又は任意の所望の標的物質をポンプで送り出す。弁360は好ましくは、濾過溜300に密接な近位の第5の導管355上に配置されている。弁360は例えばボール弁又はバタフライ弁のような任意のタイプの弁あるいは手動又は自動運動により駆動させることができる流体の流量を調節することができるための当該技術分野で知られた任意の他の装置であることができる。第6の導管410は好ましくは、収穫ポンプ371及び収穫溜400と流体連絡している。
【0026】
収穫溜400は酸化せずに流体を含むようになっている大型ドラム又は類似の容器であることができ、濾過溜300より実質的に高い高度にそして、第1の溜100とほぼ同一の高さに配置されることができる。代わりの態様において、収穫溜300は任意の高度に配置することができる。任意の高度において収穫溜300に流体流動をもたらすためにはポンプ、加圧システム及び重力を使用することができる。あるいはまた、収穫溜は他の態様には必要ないかも知れない。
【0027】
新鮮な培地、細胞、バイオリアクターの内容物、保留物細胞及びタンパク質含有培地と流体接触しているバイオリアクターシステム中のすべての構成部品は、ステンレス鋼あるいは、容易に洗浄され、滅菌されることができ、汚染物を含まずに流体を含むことができ、鉄の酸化に耐え、そして漏洩せずに流体を取り扱うことができる、何か他のタイプの金属又は、例えばプラスチックのような非金属材料で製造されることができる。本明細書に開示される構成部品の特別の交換物は限定することを意味しない、すなわち弁、ポンプ、導管、入り口、出口及び溜の交換物は変更することができ、当業者には明白であろう。
作動バイオリアクターの外部濾過法
図1において、バイオリアクターの操作及び外部濾過法を開始する前に、すべての導管手段、溜手段、弁及び任意の他のアッセンブリー部品の内面が好ましくは、滅菌される。第1の溜100に好ましくは、新鮮な培地10で充填し、次に入り口250をとおり又は当該技術分野で知られた任意の他の適当な方法で細胞をバイオリアクター200中に入れることができる。
【0028】
発酵及び濾過法において、当該方法は、出口130をとおり第1の導管120をとおるこのような流れを誘導するために、より高い高度にあることができる第1の溜100から新鮮な培地10が流動する時に開始する。代わりの態様において、第1の溜100は任意の高度にあることができ、流れは重力、圧力又は、ポンプのような、流体を揚げ、圧縮し又は移動させるための装置により誘導させることができる。弁110を使用して第1の導管120をとおり、そしてバイオリアクター200中へのこのような流れを制御することができる。新鮮な培地10はバイオリアクター200の上部の入り口260をとおりバイオリアクター200に侵入する。撹拌装置290が新鮮な培地10を入り口250をとおって添加される細胞と混合する。次に、適当な発酵時間後、混合物はバイオリアクター200から出口270をとおり第2の導管220中に重力により流入する。あるいはまた、ポンプ又は加圧システムを使用して、このような流体の流れを誘導することができる。次に、ポンプ230が導管240をとおり重力に対抗して濾過溜300中に混合物をポンプで送る。弁210はポンプ230から濾過溜300中への混合物の流れを制御する。例えば、温度、細胞密度、溶解酸素、pH、培養物容量及び他の関連パラメーターのような培養条件を適当な手段によりモニターし、制御し、調整することができる。
【0029】
図1及び2において、バイオリアクターから細胞及びタンパク質含有培地を受け入れる前に、濾過溜300は適当なレベルまで、新鮮な、滅菌培地を入り口340及び弁360を経て充填することができる。代わりの態様において、濾過溜300中への任意の入り口を使用することができる。細胞及び培地混合物は好ましくは、入り口370をとおって濾過溜300中にポンプで送られる。混合物は濾過溜300の底部又は上部からバスケット310と濾過溜300の内壁の間の空間に直接流入することができる。バスケット310は好ましくは、細胞がメッシュ330から吸引されて保留物中に留まる間に、タンパク質含有培地がメッシュスクリーン330をとおってフレーム320の内側に圧力差により押し出されるように、混合物を回転し、濾過する。タンパク質含有培地はポンプ230が保留物回路をとおって細胞培地を移動させる速度より有意に遅い速度で収穫ポンプ375により収穫導管371中に引き込まれることができる。次に、収穫されたタンパク質含有培地が出口340をとおって収穫溜400中に流入する。その間、細胞培養保留物はバスケット310の外側に残り、濾過溜300の上部に、出口350へ、第4の導管380中に、入り口255をとおってバイオリアクター200中に移動し、保留物回路を完了することができる。
【0030】
様々な表示装置がシステム全体の各部をモニターすることができる。例えば、バイオリアクターはバイオリアクターの条件が確実に最適化されるように、容量、pH、温度、溶存酸素含量、溶存CO2含量及び酸素密度をモニターすることができる。これらの表示装置は任意の適当な場所に配置することができる。1態様において、例えば、秤又はロードセルのような重量測定手段は、装置システム全体で測定される他の測定値と連動して作動し、そして好ましくはPC制御装置又は、信号を受信しそして伝達することができる任意の適当な同等なシステムと電気的に接続しているバイオリアクターと接続されている。1態様において、流量計のような流量測定手段は濾過溜300の入り口及び出口に配置され、更に好ましくは、PC制御装置と電気的に接続されている。特別の態様において、pH、温度、重量及び流量を測定するための装置は自動化され、関連測定値をPC制御装置上に表示することができる。PC制御装置は好ましくは、濾過装置に電気接続され、そして収穫導管371及び収穫ポンプ375を経て収穫される培地が好ましくは、新鮮な培地により交換されて、システム全体の、特に濾過溜300中の平衡を維持することを確実にするために、重量及び流量の同期化(synchronization)を計算しそして/又は制御することができる。場合により、濾過溜300の内圧をモニターすることができる。もう1つの態様において、装置を手動でモニターしそして/又は制御することができる。
【0031】
本発明は例えば、目詰まりが培養バッチを早期に終結させる可能性がある内部フィルターの目詰まりと関連する問題を回避するようになっている。このようなフィルターが目詰まりする場合、以下の説明は本発明の外部濾過装置と連動して使用される例示的方法に関する。フィルターの目詰まりは例えば、濾過溜300内の圧力を測定する圧力ゲージにより視覚的に表示することができる。目詰まりはまた、推定、すなわち満杯を示すことができるバイオリアクターの重量の増加により示すことができる。目詰まりが起ると、弁210、345及び360は、そこに流入又はそこから流出するあらゆる流体の流れから濾過溜300を隔離するために手動で閉鎖することができる。代わりの態様において、弁を自動化して、システムによりプロンプトされると、閉鎖することができる。弁が閉鎖される順序は他の態様では変わることができる。この態様においては、次に、弁210が閉鎖し、ポンプ230及び収穫ポンプ375が停止される。弁110もまた、バイオリアクター200中への新鮮な培地0の流入を妨げるために閉鎖することができるが、濾過バスケット又は単位装置の取り外し中はバイオリアクター200に供給を継続するために開放したままにすることもできる。バイオリアクター200は保留物回路が遮断されている間、培養操作を継続することができる。
【0032】
濾過単位装置全体は好ましくは、実際的に可能なできるだけ早期にバイオリアクターを含む室から取り出される。1態様において、濾過単位装置は好ましくは、前以て洗浄され、滅菌され、そして即座の使用の準備ができている同一単位装置と即座に交換される。あるいはまた、既に準備された交換バスケットを洗浄された溜中に挿入することができるように下記に概説される最初の洗浄段階を実行し、そしてシステムを滅菌し、以下に詳説されるように再開する。本発明は以下に概説される特定の洗浄及び交換法に限定されることを意味しない。
【0033】
図2について、洗浄及び滅菌法は濾過溜300中への入り口350又は入り口340中に不活性化流体をポンプで送り、NaOHによる化学的不活性化のような当該技術分野で知られた方法により流体内容物を不活性化することを伴なうことができる。次に、濾過溜300を排水して、蓋311を外すことができる。蓋311を外した後に、持ち揚げアイ313又は他の任意の適当な手段によりバスケット310を持ち揚げ、濾過溜300から取り外す。ドラムのフレーム320は再利用され、メッシュのスクリーン330は廃棄されることができ、単位装置は洗浄され、滅菌され、新規のメッシュスクリーンをドラムのフレーム320に溶接することができる。代わりの態様において、メッシュのスクリーン330を洗浄し、再利用することができる。
【0034】
図1において、単位装置が取り外されて、前以て洗浄された単位装置又はバスケットと交換されるか又は代わりの態様においては、取り外され、洗浄され、そしてシステム中に再挿入された後に、341のような蒸気供給源が駆動されることができて、蒸気がすべての内部導管手段、弁手段、入り口又は出口を滅菌する。代わりの態様において、当該技術分野で知られた他の装置を、洗浄及び取り外し法により露出されたこれらの構成部品を滅菌するために使用することができる。次に蒸気滅菌構成部品を冷却することができる。冷却後に、濾過溜を滅菌培地で充填することができる。次にPC制御装置を再設定することができる。弁手段、ポンプ及びフィルターの回転を再作動させて、流体流動、保留物回路の濾過及びタンパク質含有培地の収穫を許すことができる。
【実施例】
【0035】
更なる説明なしに、当業者は以上の説明を使用して、本発明を完全に利用することができると考えられる。以下の実施例は実例であるのみであり、いずれの方法でも残りの本開示を限定するものではない。
【0036】
組換えモノクローナル抗体を発現することができる骨髄腫細胞を液体窒素貯蔵物から取り出し、温水浴中で外気温に暖めた。細胞を洗浄し、1.5〜2Lの培地を含む3−Lのフラスコに移した。150−Lのシード潅流バイオリアクターを使用して、1000−L生産用バイオリアクターのための培養物を調製した。約4〜約9日間に約2.0×106細胞/mlの接種可能な細胞密度を得た。
【0037】
バイオリアクターにSFM 8又はSFM 10培地のいずれかを充填した。撹拌速度は10〜45rpmの範囲であった。上部空き高への噴霧二酸化炭素及び空気はpH制御を許す。噴霧空気及び/又は酸素は溶存酸素を供給するために使用した。ブドウ糖、グルタミン、ラクテート及びアンモニア濃度もモニターした。バイオリアクターの圧力は約1〜約5psigの間である。潅流速度は約240〜約870L/日の範囲内にあった。作業容量は約700〜約1100Lの範囲内にあった。バオマス(biomass)の取り出しはオフライン及びインラインのポンプを使用して達成することができる。最大の生存可能細胞密度は2.4×106生存可能細胞/ml〜13.5×106生存可能細胞/mlの範囲内にある。
【0038】
いくつかの1000−L生産用バイオリアクターを前記のような付着物(fouling)又は機械的故障時に交換することができる外部スピンフィルターとともに走行させた。スピンフィルタースクリーンは10μ−級(165×1400ステンレス鋼織物)であり、19cm又は25cmの直径をもち、それぞれ5cm及び0.7cmのバスケットとハウジングの壁間の透間を残した。外部スピンフィルター速度は約100〜約300rpm間に設定することができるが、前記のスクリーンに最適なスクリーン安定性は約135〜150rpmで認められた。スピンフィルター期間は細胞密度に応じて0.5〜27日間の範囲にあり、細胞密度が6×106生存可能細胞/mlを超えると付着物が増加した。約280〜約1125L/時間の再循環速度において、約100〜約300rpmの外部スピンフィルター速度及び約10〜約45rpmの撹拌速度において、細胞生存率は80パーセントを超えて維持された。比抗体産生レベル(specific antibody production level)は約20pg/vc/日〜約70pg/vc/日の範囲にあった。最大走行長さは約60日であった。総生産物集積量は1回の走行で約5kg〜約12.2kgであった。これらの走行のパラメーターは表1及び2に要約される。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
幾つかの品質調節試験を実施した。バイオリアクター細胞培養試料をマイコプラズマ及
びウイルス試験のためのバイオリアクターから取り出した。すべてのこのような試験は陰性であった。バイオリアクター中で産生されたcA2分子の全体の充填異質性、サイズ、構造及び活性をIEF(定性及び定量)、SDS−PAGE(還元及び非還元)、GF−HPLC、質量分光分析、オリゴ糖プロファイル及びWEHIアッセイにより測定した。これらの試験は試料及び対照の標準間に有意差を示さなかった。
【0042】
分子生物学、機械工学又は他の関連分野における当業者に明白な、本発明を実施するための記載のモードの様々な改変物は本発明の範囲内にあることが意図される。本発明は特定のタンパク質、組換えタンパク質により、又はバイオリアクター中で使用される細胞又は培地のタイプにより限定されることを意図されない。本明細書に開示された本発明の明細及び実施を考慮すると、濾過及び/又は分離法の一般的使用を含む本発明の他の態様が当業者には明白になるであろう。明細及び実施例は例示としてのみ考えられることが意図され、本発明の真の範囲及び精神は以下の請求の範囲により示される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のバイオリアクター及び濾過装置システム全体の態様のスキーム図である。
【図2】本発明の外部の濾過装置の態様のスキーム図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオリアクター中で生産される液体細胞培地中の保留物(retentate)から発現タンパク質を分離することができる装置であって、前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている濾過溜、
入り口が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっており、そして前記入り口が前記バイオリアクターから液体細胞培養物を受け入れるようになっている、前記濾過溜中への少なくとも1個の入り口、
フィルターが前記濾過溜中の保留物から発現タンパク質を含む培地を分離する、前記濾過溜内に配置された回転可能なフィルター、
出口が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっており、そして前記濾過溜からの第1の出口をとおり前記バイオリアクターに前記の分離された保留物を移動させるようになっている、前記濾過溜からの第1の出口、及び
前記出口が収穫溜と流体連絡しており、そして前記濾過溜から前記収穫溜に前記発現タンパク質を含む前記の分離された培地を移動するようになっている、前記濾過溜からの第2の出口、
を含んでなる装置。
【請求項2】
前記回転可能なフィルターが更に濾過バスケットを含んでなる、請求項1の装置。
【請求項3】
前記濾過バスケットがドラムのフレームを含んでなる、請求項2の装置。
【請求項4】
前記濾過バスケットがメッシュのスクリーンを含んでなる、請求項2の装置。
【請求項5】
前記メッシュのスクリーンが焼きなましされている、請求項4の装置。
【請求項6】
前記メッシュのスクリーンが取り外し可能になっている、請求項4の装置。
【請求項7】
前記ドラムのフレームがステンレス鋼である、請求項3の装置。
【請求項8】
前記メッシュのスクリーンがステンレス鋼である、請求項4の装置。
【請求項9】
前記濾過バスケットがメッシュのスクリーン及びドラムのフレームを含んでなる、請求項6の装置。
【請求項10】
前記濾過バスケットが取り外し可能になっている、請求項6の装置。
【請求項11】
前記ドラムのフレームが再利用可能である、請求項7の装置。
【請求項12】
前記メッシュのスクリーンが使い捨て可能である、請求項8の装置。
【請求項13】
前記の少なくとも1個の入り口が前記バイオリアクターから前記培地の実質的に連続的な流れに適応する、請求項1の装置。
【請求項14】
前記装置全体に実質的に連続的な流れを提供するようになっている少なくとも1個のポンプを更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項15】
前記第1の出口が前記バイオリアクターへの培地の実質的に連続的な流れに適する、請求項1の装置。
【請求項16】
前記第2の出口が前記収穫溜への実質的に連続的な流れに適応する、請求項1の装置。
【請求項17】
前記溜が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている、培地含有溜を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項18】
前記装置が滅菌されるようになっている、請求項1の装置。
【請求項19】
前記装置が蒸気供給源により滅菌される、請求項1の装置。
【請求項20】
前記装置が洗浄されるようになっている、請求項1の装置。
【請求項21】
前記装置の内部が外部環境から隔離されたままでいることができる、請求項1の装置。
【請求項22】
1又は複数の弁が前記の少なくとも1個の入り口及び前記濾過溜と流体連絡している、前記濾過溜中への前記の少なくとも1個の入り口をとおる流体の流れを中断するための1又は複数の弁を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項23】
前記の1又は複数の弁が前記の第1の出口と流体連絡しておりそして、前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている、前記バイオリアクターへの前記第1の出口をとおる流体の流れを中断するための1又は複数の弁を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項24】
前記1又は複数の弁が前記第2の出口及び前記収穫溜と流体連絡している、前記収穫溜への前記第2の出口をとおる流体の流れを中断するための1又は複数の弁を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項25】
前記第2の出口からの前記の分離された培地の流れを測定するための流量計、前記濾過溜への前記発現タンパク質流体を含有する前記液体細胞培地の流れを測定するための流量計及び、前記細胞培養物の重量を測定するための1又は複数のロードセルからなる群の少なくとも1員を含んでなる、PC制御装置と電気的接続している表示システムを更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項26】
圧力ゲージが前記濾過溜の内圧を測定するようになっている、前記濾過溜と連絡している圧力ゲージを更に含んでなる、請求項25の装置。
【請求項27】
前記培地含有溜から新鮮な培地を放出するための前記の1又は複数の弁が、前記第2の出口から前記収穫溜中へ前記流体流量に実質的に等しい量の前記の新鮮な培地を放出するようになっている、前記培地含有溜及び前記バイオリアクターと流体連絡している前記バイオリアクターに前記培地含有溜から新鮮な培地を放出するための1又は複数の弁を更に含んでなる、請求項25の装置。
【請求項28】
前記バイオリアクターから前記濾過溜へそして前記バイオリアクターへの前記の流れが保留物回路を含んでなる、請求項1の装置。
【請求項29】
液体細胞培地中に前記タンパク質を発現する細胞を提供し、
回転可能なフィルターを使用して、前記細胞培地を、前記発現タンパク質を含む細胞培地及び細胞保留物に分離し、
前記の分離された細胞保留物を前記回転可能なフィルターからバイオリアクターに戻し、そして
前記回転可能なフィルターから前記の発現されたタンパク質を含有する分離された細胞培地を取り出す、
段階を含んでなる液体細胞培地中の細胞保留物から発現タンパク質を分離する方法。
【請求項30】
前記取り出し段階が更に、前記回転可能なフィルターから前記発現タンパク質を含有する分離された細胞培地の一部をポンプで送ることを含んでなる、請求項29の方法。
【請求項31】
前記取り出し段階が更に、収穫溜中に、前記濾過溜からの前記発現タンパク質を含有する分離された細胞培地を貯蔵することを含んでなる、請求項29の方法。
【請求項32】
前記分離段階が実質的に連続的である、請求項29の方法。
【請求項33】
前記戻し段階が前記取り出し段階よりも少なくとも約10倍早い速度で実施される、請求項29の方法。
【請求項34】
前記取り出し段階が前記移動及び戻し段階より少なくとも10倍遅く取り出す、請求項29の方法。
【請求項35】
前記戻し段階が実質的に連続的である、請求項29の方法。
【請求項36】
前記発現されたタンパク質を含有する前記の取り出された細胞培地を測定し、そして
前記取り出し段階によりもたらされるあらゆる容量の欠乏を補う、
段階を更に含んでなる、請求項29の方法。
【請求項37】
前記測定段階が更に、1又は複数の以下:重量測定、圧力測定及び流量測定すること、を含んでなる、請求項36の方法。
【請求項38】
前記分離段階を休止させてもよい、請求項29の方法。
【請求項39】
前記戻し段階を休止させてもよい、請求項29の方法。
【請求項40】
濾過溜がバイオリアクターの外部にあり、そして前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている、濾過溜、
フィルターが取り外し可能な濾過バスケットを有する、前記濾過溜内に配置された回転可能なフィルター、
焼きなましメッシュスクリーン及びドラムのフレームを含んでなる前記濾過バスケット、
入り口が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっており、そして前記入り口が前記バイオリアクターからの前記回転可能なフィルター中への前記液体細胞培養物を受け入れるようになっており、そしてフィルターが前記濾過溜中の前記保留物から発現タンパク質を含有する培地を分離するようになっている、前記濾過溜中への少なくとも1個の入り口、
出口が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっており、そして前記濾過溜からの第1の出口が前記バイオリアクターへ前記保留物を戻すようになっている、前記濾過溜からの第1の出口、
出口が収穫溜と流体連絡しており、そして前記発現タンパク質を含有する前記の分離された培地が前記濾過溜から前記収穫溜に移動される、前記濾過溜からの第2の出口、
前記バイオリアクター及び前記濾過溜と流体連絡するようになっているポンプ、
前記濾過溜及び前記収穫溜と流体連絡している第2のポンプ、
前記収穫溜、前記濾過溜及び前記バイオリアクターと流体連絡している蒸気供給源、
前記濾過溜と流体連絡しており、前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている前記濾過溜中への少なくとも1個の入り口をとおる流体の流れを中断するための第1の
弁、
第2の弁が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている、前記バイオリアクターへの前記第1の出口をとおる流体の流れを中断するための第2の弁、
前記濾過溜及び前記収穫溜と流体連絡している前記収穫溜への前記第2の出口をとおる流体の流れを中断するための第3の弁、
表示システムが前記バイオリアクター、前記収穫溜、前記濾過溜及び前記PC制御装置と電気的に接続するようになっている、1又は複数の以下:前記第2の出口からの前記の分離された培地の流れを測定するための第1の流量計、前記濾過溜への前記発現タンパク質流体を含有する前記液体細胞培地の流れを測定するための第2の流量計、前記濾過溜中の圧力を測定するための圧力ゲージ及び前記細胞培地物の重量を測定するためのロードセル、を含んでなる、PC制御装置に接続された表示システム、
前記第2の出口から前記収穫溜中への前記流体の流れに実質的に等しい量の新鮮な培地を提供するようになっている第4の弁、並びに
前記濾過溜及び前記収穫溜と流体連絡している前記回転可能なフィルターから発現タンパク質含有の前記培地を取り出すためのポンプ、
を含んでなる、液体細胞培地中の保留物から発現タンパク質を分離することができる装置。
【請求項41】
前記メッシュのスクリーンが取り外し可能になっている、請求項40の装置。
【請求項42】
前記ドラムのフレームがステンレス鋼である、請求項40の装置。
【請求項43】
前記メッシュのスクリーンがステンレス鋼である、請求項40の装置。
【請求項44】
前記濾過バスケットが取り外し可能になっている、請求項40の装置。
【請求項45】
前記ドラムのフレームが再利用可能である、請求項40の装置。
【請求項46】
前記メッシュのスクリーンが使い捨て可能である、請求項40の装置。
【請求項47】
前記第2の出口から前記収穫溜への前記の流出流が実質的に連続的である、請求項40の装置。
【請求項48】
前記装置が洗浄されるようになっている、請求項40の装置。
【請求項49】
前記装置の内部が外部環境から隔離されたままでいることができる、請求項40の装置。
【請求項50】
前記バイオリアクターからの前記濾過溜に、そして前記バイオリアクターへの前記の流れが保留物回路を含んでなる、請求項40の装置。
【請求項51】
ハウジング、
前記濾過バスケットが前記ハウジングの内部に存在する濾過バスケット及び
前記バスケットに回転可能に接合された回転装置、
を含んでなる、液体細胞培地中の保留物から発現タンパク質を分離するための装置。
【請求項52】
前記フィルターがバイオリアクターに対して外部にあるようになっている、請求項51の装置。
【請求項53】
前記濾過バスケットが実質的に連続的に回転する、請求項51の装置。
【請求項54】
前記濾過バスケットが交換可能になっている、請求項51の装置。
【請求項55】
前記フィルターが発酵システムから分離可能になっている、請求項51の装置。
【請求項56】
前記フィルターが商業規模の生産に適する、請求項51の装置。
【請求項57】
前記濾過バスケットが更にドラム及びメッシュのスクリーンを含んでなる、請求項51の装置。
【請求項58】
前記メッシュのスクリーンが焼きなましされている、請求項57の装置。
【請求項59】
前記メッシュのスクリーンがステンレス鋼である、請求項57の装置。
【請求項60】
前記フレームがステンレス鋼である、請求項57の装置。
【請求項61】
前記ドラムのフレームが再利用可能になっている、請求項57の装置。
【請求項62】
前記メッシュのスクリーンが使い捨て可能になっている、請求項57の装置。
【請求項1】
バイオリアクター中で生産される液体細胞培地中の保留物(retentate)から発現タンパク質を分離することができる装置であって、前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている濾過溜、
入り口が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっており、そして前記入り口が前記バイオリアクターから液体細胞培養物を受け入れるようになっている、前記濾過溜中への少なくとも1個の入り口、
フィルターが前記濾過溜中の保留物から発現タンパク質を含む培地を分離する、前記濾過溜内に配置された回転可能なフィルター、
出口が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっており、そして前記濾過溜からの第1の出口をとおり前記バイオリアクターに前記の分離された保留物を移動させるようになっている、前記濾過溜からの第1の出口、及び
前記出口が収穫溜と流体連絡しており、そして前記濾過溜から前記収穫溜に前記発現タンパク質を含む前記の分離された培地を移動するようになっている、前記濾過溜からの第2の出口、
を含んでなる装置。
【請求項2】
前記回転可能なフィルターが更に濾過バスケットを含んでなる、請求項1の装置。
【請求項3】
前記濾過バスケットがドラムのフレームを含んでなる、請求項2の装置。
【請求項4】
前記濾過バスケットがメッシュのスクリーンを含んでなる、請求項2の装置。
【請求項5】
前記メッシュのスクリーンが焼きなましされている、請求項4の装置。
【請求項6】
前記メッシュのスクリーンが取り外し可能になっている、請求項4の装置。
【請求項7】
前記ドラムのフレームがステンレス鋼である、請求項3の装置。
【請求項8】
前記メッシュのスクリーンがステンレス鋼である、請求項4の装置。
【請求項9】
前記濾過バスケットがメッシュのスクリーン及びドラムのフレームを含んでなる、請求項6の装置。
【請求項10】
前記濾過バスケットが取り外し可能になっている、請求項6の装置。
【請求項11】
前記ドラムのフレームが再利用可能である、請求項7の装置。
【請求項12】
前記メッシュのスクリーンが使い捨て可能である、請求項8の装置。
【請求項13】
前記の少なくとも1個の入り口が前記バイオリアクターから前記培地の実質的に連続的な流れに適応する、請求項1の装置。
【請求項14】
前記装置全体に実質的に連続的な流れを提供するようになっている少なくとも1個のポンプを更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項15】
前記第1の出口が前記バイオリアクターへの培地の実質的に連続的な流れに適する、請求項1の装置。
【請求項16】
前記第2の出口が前記収穫溜への実質的に連続的な流れに適応する、請求項1の装置。
【請求項17】
前記溜が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている、培地含有溜を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項18】
前記装置が滅菌されるようになっている、請求項1の装置。
【請求項19】
前記装置が蒸気供給源により滅菌される、請求項1の装置。
【請求項20】
前記装置が洗浄されるようになっている、請求項1の装置。
【請求項21】
前記装置の内部が外部環境から隔離されたままでいることができる、請求項1の装置。
【請求項22】
1又は複数の弁が前記の少なくとも1個の入り口及び前記濾過溜と流体連絡している、前記濾過溜中への前記の少なくとも1個の入り口をとおる流体の流れを中断するための1又は複数の弁を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項23】
前記の1又は複数の弁が前記の第1の出口と流体連絡しておりそして、前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている、前記バイオリアクターへの前記第1の出口をとおる流体の流れを中断するための1又は複数の弁を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項24】
前記1又は複数の弁が前記第2の出口及び前記収穫溜と流体連絡している、前記収穫溜への前記第2の出口をとおる流体の流れを中断するための1又は複数の弁を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項25】
前記第2の出口からの前記の分離された培地の流れを測定するための流量計、前記濾過溜への前記発現タンパク質流体を含有する前記液体細胞培地の流れを測定するための流量計及び、前記細胞培養物の重量を測定するための1又は複数のロードセルからなる群の少なくとも1員を含んでなる、PC制御装置と電気的接続している表示システムを更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項26】
圧力ゲージが前記濾過溜の内圧を測定するようになっている、前記濾過溜と連絡している圧力ゲージを更に含んでなる、請求項25の装置。
【請求項27】
前記培地含有溜から新鮮な培地を放出するための前記の1又は複数の弁が、前記第2の出口から前記収穫溜中へ前記流体流量に実質的に等しい量の前記の新鮮な培地を放出するようになっている、前記培地含有溜及び前記バイオリアクターと流体連絡している前記バイオリアクターに前記培地含有溜から新鮮な培地を放出するための1又は複数の弁を更に含んでなる、請求項25の装置。
【請求項28】
前記バイオリアクターから前記濾過溜へそして前記バイオリアクターへの前記の流れが保留物回路を含んでなる、請求項1の装置。
【請求項29】
液体細胞培地中に前記タンパク質を発現する細胞を提供し、
回転可能なフィルターを使用して、前記細胞培地を、前記発現タンパク質を含む細胞培地及び細胞保留物に分離し、
前記の分離された細胞保留物を前記回転可能なフィルターからバイオリアクターに戻し、そして
前記回転可能なフィルターから前記の発現されたタンパク質を含有する分離された細胞培地を取り出す、
段階を含んでなる液体細胞培地中の細胞保留物から発現タンパク質を分離する方法。
【請求項30】
前記取り出し段階が更に、前記回転可能なフィルターから前記発現タンパク質を含有する分離された細胞培地の一部をポンプで送ることを含んでなる、請求項29の方法。
【請求項31】
前記取り出し段階が更に、収穫溜中に、前記濾過溜からの前記発現タンパク質を含有する分離された細胞培地を貯蔵することを含んでなる、請求項29の方法。
【請求項32】
前記分離段階が実質的に連続的である、請求項29の方法。
【請求項33】
前記戻し段階が前記取り出し段階よりも少なくとも約10倍早い速度で実施される、請求項29の方法。
【請求項34】
前記取り出し段階が前記移動及び戻し段階より少なくとも10倍遅く取り出す、請求項29の方法。
【請求項35】
前記戻し段階が実質的に連続的である、請求項29の方法。
【請求項36】
前記発現されたタンパク質を含有する前記の取り出された細胞培地を測定し、そして
前記取り出し段階によりもたらされるあらゆる容量の欠乏を補う、
段階を更に含んでなる、請求項29の方法。
【請求項37】
前記測定段階が更に、1又は複数の以下:重量測定、圧力測定及び流量測定すること、を含んでなる、請求項36の方法。
【請求項38】
前記分離段階を休止させてもよい、請求項29の方法。
【請求項39】
前記戻し段階を休止させてもよい、請求項29の方法。
【請求項40】
濾過溜がバイオリアクターの外部にあり、そして前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている、濾過溜、
フィルターが取り外し可能な濾過バスケットを有する、前記濾過溜内に配置された回転可能なフィルター、
焼きなましメッシュスクリーン及びドラムのフレームを含んでなる前記濾過バスケット、
入り口が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっており、そして前記入り口が前記バイオリアクターからの前記回転可能なフィルター中への前記液体細胞培養物を受け入れるようになっており、そしてフィルターが前記濾過溜中の前記保留物から発現タンパク質を含有する培地を分離するようになっている、前記濾過溜中への少なくとも1個の入り口、
出口が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっており、そして前記濾過溜からの第1の出口が前記バイオリアクターへ前記保留物を戻すようになっている、前記濾過溜からの第1の出口、
出口が収穫溜と流体連絡しており、そして前記発現タンパク質を含有する前記の分離された培地が前記濾過溜から前記収穫溜に移動される、前記濾過溜からの第2の出口、
前記バイオリアクター及び前記濾過溜と流体連絡するようになっているポンプ、
前記濾過溜及び前記収穫溜と流体連絡している第2のポンプ、
前記収穫溜、前記濾過溜及び前記バイオリアクターと流体連絡している蒸気供給源、
前記濾過溜と流体連絡しており、前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている前記濾過溜中への少なくとも1個の入り口をとおる流体の流れを中断するための第1の
弁、
第2の弁が前記バイオリアクターと流体連絡するようになっている、前記バイオリアクターへの前記第1の出口をとおる流体の流れを中断するための第2の弁、
前記濾過溜及び前記収穫溜と流体連絡している前記収穫溜への前記第2の出口をとおる流体の流れを中断するための第3の弁、
表示システムが前記バイオリアクター、前記収穫溜、前記濾過溜及び前記PC制御装置と電気的に接続するようになっている、1又は複数の以下:前記第2の出口からの前記の分離された培地の流れを測定するための第1の流量計、前記濾過溜への前記発現タンパク質流体を含有する前記液体細胞培地の流れを測定するための第2の流量計、前記濾過溜中の圧力を測定するための圧力ゲージ及び前記細胞培地物の重量を測定するためのロードセル、を含んでなる、PC制御装置に接続された表示システム、
前記第2の出口から前記収穫溜中への前記流体の流れに実質的に等しい量の新鮮な培地を提供するようになっている第4の弁、並びに
前記濾過溜及び前記収穫溜と流体連絡している前記回転可能なフィルターから発現タンパク質含有の前記培地を取り出すためのポンプ、
を含んでなる、液体細胞培地中の保留物から発現タンパク質を分離することができる装置。
【請求項41】
前記メッシュのスクリーンが取り外し可能になっている、請求項40の装置。
【請求項42】
前記ドラムのフレームがステンレス鋼である、請求項40の装置。
【請求項43】
前記メッシュのスクリーンがステンレス鋼である、請求項40の装置。
【請求項44】
前記濾過バスケットが取り外し可能になっている、請求項40の装置。
【請求項45】
前記ドラムのフレームが再利用可能である、請求項40の装置。
【請求項46】
前記メッシュのスクリーンが使い捨て可能である、請求項40の装置。
【請求項47】
前記第2の出口から前記収穫溜への前記の流出流が実質的に連続的である、請求項40の装置。
【請求項48】
前記装置が洗浄されるようになっている、請求項40の装置。
【請求項49】
前記装置の内部が外部環境から隔離されたままでいることができる、請求項40の装置。
【請求項50】
前記バイオリアクターからの前記濾過溜に、そして前記バイオリアクターへの前記の流れが保留物回路を含んでなる、請求項40の装置。
【請求項51】
ハウジング、
前記濾過バスケットが前記ハウジングの内部に存在する濾過バスケット及び
前記バスケットに回転可能に接合された回転装置、
を含んでなる、液体細胞培地中の保留物から発現タンパク質を分離するための装置。
【請求項52】
前記フィルターがバイオリアクターに対して外部にあるようになっている、請求項51の装置。
【請求項53】
前記濾過バスケットが実質的に連続的に回転する、請求項51の装置。
【請求項54】
前記濾過バスケットが交換可能になっている、請求項51の装置。
【請求項55】
前記フィルターが発酵システムから分離可能になっている、請求項51の装置。
【請求項56】
前記フィルターが商業規模の生産に適する、請求項51の装置。
【請求項57】
前記濾過バスケットが更にドラム及びメッシュのスクリーンを含んでなる、請求項51の装置。
【請求項58】
前記メッシュのスクリーンが焼きなましされている、請求項57の装置。
【請求項59】
前記メッシュのスクリーンがステンレス鋼である、請求項57の装置。
【請求項60】
前記フレームがステンレス鋼である、請求項57の装置。
【請求項61】
前記ドラムのフレームが再利用可能になっている、請求項57の装置。
【請求項62】
前記メッシュのスクリーンが使い捨て可能になっている、請求項57の装置。
【図1】
【図2】
【図2】
【公表番号】特表2006−527642(P2006−527642A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504449(P2005−504449)
【出願日】平成15年6月17日(2003.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/019125
【国際公開番号】WO2005/007269
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
TEFLON
テフロン
【出願人】(503054122)セントカー・インコーポレーテツド (74)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年6月17日(2003.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/019125
【国際公開番号】WO2005/007269
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
TEFLON
テフロン
【出願人】(503054122)セントカー・インコーポレーテツド (74)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]