バイパス装置を有するフィルタ・カートリッジ
本発明は、ろ過材チャンバと実質的に中空のネック部(18)とを有するフィルタ・カートリッジ(10)に向けられる。実質的に中空のネック部(18)は、ろ過材チャンバと係合すると共に入口導管と出口導管とを有するフィルタ・ヘッド(44、46、48、146)と接続する、基部端部(24)と、細長部(22)と、末端部(20)とを画定する。管状部材(34)はネック部の内部に軸方向に配置され,内側軸方向流路(30)と、管状部材の外周とネック部の内面とにより境界を定められる、半径方向外側軸方向流路(32)とを画定し、その結果、内側軸方向流路と外側軸方向流路とが、ネック部を流動する流体流のための独立した通路を与える。管状部材はネック部の末端部に開口(40)を有すると共に、外側軸方向流路は、ネック部の細長部に開口(38)を有する。また、外側軸方向流路(32)と通じるバイパス流路開口(42)は、ネック部の末端部(24)に配置される。ネック部は、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持するため細長部(22)の外周に沿って配置される半径方向密封部(26、28)を備える。この半径方向密封部は、ネック部がフィルタ・ヘッドに設置されるとき、フィルタ・ヘッド入口導管と外側軸方向流路開口との間、及びフィルタ・ヘッド出口導管と管状部材開口と外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の一体性をそれぞれ維持するのに役立つ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1.発明の分野
本出願は、ハウジングと組み合わせるバイパス装置を有する交換可能なフィルタ・カートリッジ・ハウジングを備えるろ過装置に関し、さらに具体的には、カートリッジ・ハウジングの内部に配置されたろ過材に接触せずにカートリッジの流入部からカートリッジの排出部へ流体を流すバイパス通路を備えるフィルタ・カートリッジ・ハウジングに関し、且つ、なおさらに具体的には、ろ過水の硬度を所望の範囲内に維持しながら、改良されたろ過容量を通じて経済的利益をもたらす交換可能なカートリッジに関する。
【0002】
2.関連技術の背景
消費者用及び産業用の両方の多くの場合、水のような流体が、意図する用途に使用するに先立ってろ過される。結果として、ろ過装置が、産業装置又は家庭電化製品と共に内部に又は外部に設置される。例えば、今日の近代社会では、飲料水と水とを提供する冷蔵庫が普及している。極く普通に、このタイプの冷蔵庫は、飲用と製氷に使用する水を純粋にするため内部ろ過装置を使用する。その上、水はソーダ水及びコーヒー等の多くの飲料の基本原料であるから、コーヒー又はソーダ水などの飲料を分配する商業用自動販売機の内部に又は付属して設置された水ろ過組み立て装置を見かけることも普通である。
【0003】
多くのろ過装置のように、ろ過材の頻繁な交換が、適切なろ過と流出流の品質とを持続するために必要である。それ故、典型的には、前述のろ過組み立て装置が、フィルタ装置の残りの構成要素の取り外しを必要とせずに、容易に、フィルタ・ヘッドから外すことができ、廃棄でき、且つ交換できるフィルタ・カートリッジと共に備えられる。
【0004】
使用の手軽さ以外に、フィルタ・カートリッジの販売業者及びエンド・ユーザのみならず製造業者も、長寿命、ろ過能力、低コスト設計を第一に重要であると考える。ろ過能力は、流入水の特性と流出水の所望の特性とに大きく依存するので、たぶん最も変化する特性である。フィルタの寿命は、フィルタを通過する運転流量と望まれるろ過の種類又は程度とに大いに関係する。所望のろ過能力を満たすフィルタ・カートリッジの注文生産は、コストの増大をもたらす。一種類又は数種の標準フィルタ・カートリッジを大量生産して複数の用途に使用することができる場合には、低コストが達成され、維持されることがある。
【0005】
ろ過能力とフィルタ寿命との間の関係の良い例が、水の硬度の低減にそのような交換可能なフィルタを組み込む用途に見られることがある。前置き的に云えば、本明細書で使用される水の硬度は、炭酸水素塩、炭酸塩、硫酸塩、塩化物、又は硝酸塩であることがある、カルシウム塩とマグネシウム塩の含有量を云うことに注目すべきである。また、硬度は、当量炭酸カルシウム含有量として表されるカルシウム塩とマグネシウム塩の尺度であり、通常、百万分の一部(ppm)又はグレイン・パー・ガロン(gpg)で以下のように記述される。重度軟水:15ppm未満、軟水:15−50ppm、軽度硬水:50−100ppm、硬水:100−200ppm、及び重度硬水:220ppm超。
【0006】
水の硬度を低減する場合、今日使用される多くのろ過材が、必ずしも必要でなくても、流入水から実質的に高い割合のカルシウムとマグネシウムを除去する能力を有する。多くの用途が、カルシウムとマグネシウムの全除去用フィルタ・カートリッジを使用し、より正確には、有害な結果を伴わないでそうした物質の除去に耐えることができる。しかしながら、高水準のカルシウムとマグネシウムの除去は、必ずしも全ての用途に望まれない。たとえば、とりわけ、心地よい味を持つ最終製品に供給するための一定範囲内の硬度水準を維持しなければならない「レシピ品質水」(例えば、飲料混合用途)を必要とする用途である。
【0007】
その上、高い割合で除去することにより、フィルタ寿命が短くなり、従ってろ過容量が低下する。カルシウムとマグネシウムについて低い割合で除去することが許される用途に対しても多くのエンド・ユーザがそのようなフィルタを使用する。このようなエンド・ユーザは、流入水が硬水又は重度に硬水である状況では、フィルタ交換とろ過容量の低下から生じる高いコストを支払う必要はない。
【0008】
前述の問題及び問題に焦点を当てる方法は、製造業者とエンド・ユーザとに同じような課題を提出する。所望のレシピ品質水を達成するためのフィルタ・カートリッジ、ろ過ヘッド又はろ過装置の注文生産は、特定のニーズを満足させることができるが、そのような個別になされる変更は、とりわけ、著しいコスト増加及び/又は機器の使用に伴う問題を生じることになる。
【0009】
従って必要とされることは、水の硬度に関する上述の課題に関するのみならず、所望の流出水特性を達成するという及び/又は除去割合を低下させてろ過装置を運転することにより使用におけるコストを低減するという同様の課題についての、実現性が有り、コスト上有利な解決策である。
【発明の開示】
【0010】
発明の要約
本発明は、特に、ろ過材チャンバと、収容コア、第1及び第2流体導管を有するフィルタ・ヘッドとの間の流体連通を与えるフィルタ・カートリッジ用接続端部を提供することによって従来技術の課題を解決する。本発明による接続端部は、ろ過材チャンバに係合する、末端部と、細長長部と、基部端部とを画定している実質的に中空のネック部を備える。管状部材はネック部の軸方向に配置され、内側軸方向流路と、管状部材の外周部とネック部の内面により境界を定められる、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定する。その結果、内側軸方向流路と外側軸方向流路とがネック部を流動する二重の流体流動のための独立した通路を与える。
【0011】
管状部材はネック部の末端部に開口を有し、外側軸方向流路と通じる少なくとも1つの開口がネック部の細長部に位置決めされる。さらに、外側軸方向流路と通じるバイパス流路開口がネック部の末端部に配置される。
【0012】
ネック部は、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持するため細長部の外周に沿って配置される複数の密封部を備える。好ましくは、末端側半径方向密封部が末端部に隣接して配置され、基部側半径方向密封部が基部端部に隣接して配置される。同時に、基部及び末端部の密封部は、接続端部が収容コアの内部に組み合わされるとき、第1導管と外側軸方向流路開口(又は複数開口)との間、及び第2導管と管状部材開口と外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通(すなわち、特に、流入流と流出流との間の限定的接触)の完全性を維持するのに役立つ。
【0013】
上記の接続端部の好適実施例では、バイパス流路開口は、実質的に円形状であり、約0.762〜約1.78mmの範囲の直径寸法を有する。好ましくは、開口は約0.45〜約2.5mm2の範囲の面積を有する。
【0014】
本発明は、また、ろ過材チャンバと、ろ過材チャンバと組み合う、末端部、細長部及び基部端部を画定している実質的に中空のネック部と、ネック部に軸方向に配置されると共にろ過材チャンバ内に延在する管状部材とを備えるフィルタ・カートリッジに向けられる。管状部材は、内側軸方向流路と、管状部材の外周部とネック部の内面とにより境界を定められる、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定しており、内側軸方向流路と外側軸方向流路とは、ネック部とろ過材チャンバとを流動する二重の流体流のための独立した通路を与える。
【0015】
管状部材は、ネック部の末端部に配置される開口と、ネック部の細長部に配置される少なくとも1つの外側軸方向流路開口とを有する。また、外側軸方向バイパス流路開口はネック部の末端部に配置される。
【0016】
基部端部に隣接するネック部の細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部は、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持する。末端部に隣接するネック部の細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封部は、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持する。同時に、基部側及び末端側半径方向密封部は、第1導管と外側軸方向流路開口(又は複数の開口)との間、及び第2導管と管状部材開口と外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の完全性をそれぞれ維持する。
【0017】
上述のフィルタ・カートリッジの好適な実施例では、バイパス流路開口は、実質的に円形状であり、約0.762〜約1.78mmの範囲の直径寸法を有する。好ましくは、開口は約0.45〜約2.5mm2の範囲の面積を有する。
【0018】
本発明は、フィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体にも向けられる。フィルタ・カートリッジは、ろ過材チャンバと、実質的に中空のネック部と、ネック部に軸方向に配置されると共にろ過材チャンバ内に延在する管状部材とを備える。中空ネック部は、ろ過材チャンバと組み合う、末端部と、細長部と、基部端部とを備える。管状部材は、ネック部内に内側軸方向流路と、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定する。外側軸方向流路は、管状部材の外周部とネック部の内面とにより境界を定められる。内側軸方向流路と外側軸方向流路とは、ネック部とろ過材チャンバを流動する二重の流体流のための独立した通路を与える。
【0019】
管状部材はネック部の末端部に配置される開口と、ネック部の細長部に位置決めされる少なくとも1つの外側軸方向流路開口とを有する。また、外側軸方向バイパス流路開口は、ネック部の末端部に配置される。
【0020】
ネック部の細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部は、基部端部に隣接し、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持する。ネック部の細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封部は、末端部に隣接し、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持する。同時に、基部側及び末端側半径方向密封部は、第1導管と外側軸方向流路開口(又は複数の開口)との間、及び第2導管と管状部材開口と、外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の完全性をそれぞれ維持する。
【0021】
本発明のフィルタ・ヘッドは、フィルタ・カートリッジのネック部と係合するように配置される収容コア、流体流のための第1導管及び第2導管を備える。第1導管は、フィルタ・カートリッジのネック部が収容コアの内部に組み合わされるとき、ネック部の細長部に隣接するように位置決めされる、収容コアと通じる開口を備える。第2導管は、フィルタ・カートリッジのネック部が収容コアの内部に組み合わされるとき、ネック部の末端部に隣接するように位置決めされる、収容コアと通じる開口を備える。
【0022】
基部側及び末端側半径方向密封部は第1導管の開口と外側軸方向流路開口(又は複数の開口)と流体連通するように基部側及び末端側半径方向密封部と収容コアとにより境界を定められる第1の流体溜めを画定する。第2の流体溜めが、また、第2導管の開口と、管状部材開口と、外側軸方向バイパス流路開口とを流体連通するように末端密封部と収容コアとにより画定される。
【0023】
本出願の他の目的と効果が、以下の記述と、付随する図と、付属の請求の範囲から明らかになるであろう。
【0024】
好適な実施例の詳細な記述
本発明により組立てられる又は改修されるろ過アセンブリの効果は、本発明の代表的な実施例を記述する図に関連している特定の好適実施例についての以下の詳細な説明から、当業者にさらに容易に明らかになるであろう。別に明らかである又は記述される場合を除き、「下側の」又は「上側の」のような方向の参照は、具体的な実施例の初めの番号を付した図に示すように発明のその実施例の配置に関係するように意図される。
【0025】
図1を参照すると、(参照番号10で表示される)本開示の好適な実施例により構成されたフィルタ・カートリッジが示される。フィルタ・カートリッジ10は、好ましくは円筒形である、主ハウジング12を備え、主ハウジングは、密閉下側本体部14と概略平らなカバー16とを備える。カバー16は、ろ過材料(図1に示されない。)がハウジングに配置された後、下側本体部14と組み合わされる。ソフト・ドリンクと特に炭酸水用の原水のろ過に用いる好適ろ過材は、活性炭である。しかしながら、財産権的材料がハウジング12に採用されることが多い。さらに、スクリーン又は磨き剤のようなプレ及び/又はポストろ過材が、ハウジング12に入れられることがある。
【0026】
以下の記述では、円筒形ハウジング12を通って(即ち、カバー16のセンタを通って下部14から)縦方向に延在する軸が、参照として使用され、前述の縦方向の軸に関して「軸方向」及び「半径方向」であるように、本発明のフィルタ・カートリッジの特徴と構成要素を記述する。しかしながら、種々の形状と寸法のフィルタ・カートリッジが、組立てられて本明細書に記述した利点から十分に利益を得ることがあることも理解されるべきである。
【0027】
図2−6に関連して図1を続けて参照すると、実質的に均一な外径のネック部18は、主ハウジング12のカバー16から突出ている。ネック部18は、カバー16と接続する基部端部20と、末端部20から軸方向に延在する細長部22と、末端部24とにより形成される。好適には、基部端部20は、カバー16と共に又は一体に組み合わされる。
【0028】
一対の密封部が、ネック部の外周に沿って設けられる、内部にO−リングを収容するように構成される環状凹部29内に取り付けられる。この密封部は好ましくはO−リングである、基部O−リング26と末端O−リング28とを備える。末端O−リング26及び基部O−リング28は、好ましくは弾性、耐久性且つ不活性の材料から製作される。ネック部18は、少なくとも部分的に中空であり、ハウジング12の内部に入る軸方向流路を形成する。ネック部18の軸方向流路は、半径方向内側の軸方向流路30と半径方向外側の軸方向流路32に分割される。この実施例では、半径方向内側の軸方向流路30は、下側本体部14の内部に軸方向に延在する管34で形成されており、これはネック部18の内面から半方向内側に延在する、正反対に向く、一対の歯状突起36でネック部18に支持されている。半径方向外側の軸方向流路32は、特に、図6に示すように、管34の外周とネック部18の内周部とにより画定される。細長部22の正反対に向く一対の開口、すなわち、開口38は半径方向外側軸方向流路32との連通をもたらす。末端部24に形成される管開口40は、ネック部18を通ってハウジングの下側本体部14に達する第2導管を与える。末端部に形成される第2開口42は、外側軸方向流路32との連通をもたらすが、本明細書でバイパス流路開口と称される。好ましくは、バイパス流路開口42は、中心に穿たれ、又は別の加工法で穿設され、管開口40に隣接する。
【0029】
フィルタ・カートリッジ10のネック部18は、図6、7、及び8にそれぞれ示すフィルタ・ヘッド44、46及び48のようなフィルタ・ヘッドの中心コア内部に収容されるように構成され、適応される。この3つの代表的フィルタ・ヘッドの各々はカートリッジ10のネック部18を収容するためのコアと、ネック部18がコア内部に設置されるとき、開口38、40、42と流体連通させるための導管とを備える。導管はフィルタ・ヘッド又は流体混合器のような最終用途用装置をさらに備える流体供給装置と流体受け入れ装置に螺合可能に又は別の手段で取り付けられる。
【0030】
図10及び図11に示すように、ネック部18は、図9のフィルタ・ヘッド48に実質的に類似しているフィルタ・ヘッドのコア50に設置される。カートリッジ10をコア50内に設置したとき、第1の環状流体溜め54が画定される。これは、コア50の内周と細長部22の外周との間に半径方向に境界を定められると共に、基部及び末端の双方のO−リング26,28の間に軸方向に境界を定められる。第2の流体溜め56は、また、コア50の末端部とネック部18の末端部24との間にカートリッジ10をコア50に設置することにより画定される。
【0031】
運転では、未処理流体がフィルタ・ヘッド48の導管58を通って第1の流体溜め54に供給され、次いで、開口38を通ってカートリッジ10の外側軸方向流路内に流れる。外側軸方向流路32に入る流体は、主として下側本体部14に流入し、処理のためにろ過材60と接触する。外側軸方向流路32に入る流体流の一部は、第2の流体溜め56に供給するバイパス流路42を経由して未処理のままカートリッジ10から流出する。ろ過材60と接触する流入流体の一部は、その後、基部開口62を通って管34内に流入する。カートリッジ10内の流体圧力のために、管34から、末端部24の開口40を通って第2の流体溜め56に達する流体流が生じる。このように、運転では、開口40から流れる処理後流体がバイパス流路42から流れる、流入量の一部である未処理流体と第2の流体溜め56において混合する。集合した流体流は流体溜め56からフィルタ・ヘッド48に画定される導管64まで供給され、その後、処理機器又は追加のフィルタ・ヘッド及び本発明によるカートリッジ装置或いは他の手段に向けられる。この実施例による流体流は、図10及び図11に矢印66で示される。これに代わるものでは、流入流体が流体溜め56から流出して開口40及び開口42に流入し、開口38を通ってカートリッジを出て流体溜め54に達するように逆方向に流体流を流すことができる。
【0032】
図12は、カートリッジ110及びフィルタ・ヘッド146の別の代表的組み合わせを描いている。ここでは、流体溜め154と流体溜め156とは、図10及び図11の先の実施例と比較した場合、フィルタ・ヘッド146の内部設計が異なるために容積が相違する。
【0033】
以下の試験結果は、本発明により構成されるフィルタ・カートリッジの幾つかの利点を示す。水の硬度を低減するろ過材を有するフィルタ・カートリッジは、バイパス寸法(直径による)が硬度の低減と除去効率とに及ぼす影響を測定するために試験された。硬度、即ち、カルシウム(Ca)及びマグネシウム(Mg)の存在は全カートリッジを対象に流入水と流出水との比較により試験された。
【0034】
試験が行われた各回とも同じ条件下(例えば、0.00227m3/分(0.6gal/分)の流量と345kPa(50psi)のライン圧力で0.0757m3(20gal)後に)で水サンプルが取り出され、サンプルに含まれるCa及びMgの存在が誘導結合プラズマ原子分光分析で測定された。硬度は、以下のように炭酸カルシウム(CaCO3)当量としてグレイン/ガロン(gpg)、百万分の一(ppm又はmg/L)にて表されることがある(1gpg硬度が17.1ppm又はmg/Lに等しいことに注目を要する。)。
【0035】
以下の式が、ppm単位の硬度の決定に使用される。
【0036】
硬度、ppm=([Ca、ppm]*2.497)+([Mg、ppm]*4.116)
例えば、0.0757m3(20gal)後の流入サンプルが、カートリッジ210に流入した。ここで、直径1.32mm(0.052in)を有するバイパス流路242が33ppmのCaと7.0ppmのMgの濃度を有すると判明した。このようにして、上述の式によって、
硬度、ppm=([33ppm]*2.497)+([7.0ppm]*4.116)
硬度、ppm=82.4ppm+28.8ppm
硬度、ppm=111ppm
流入流から採取された試料は、6.7ppmのCaと1.9ppmのMgを含むと測定され、従って、硬度は25ppmであると計算された。
【0037】
硬度除去効率は、流入流と流出流との間の硬度差を流入流の硬度で除することにより決定する。上述のサンプルでは、硬度除去効率は、77.5%であると計算される。
【0038】
比較の目的のためであるが、同一条件下に置かれる、バイパス流路242を有しない、又は、別の手段で流入流を流出流と混合しない類似のフィルタ・カートリッジは、たとえ存在したとしても無視できる程度の量のCa及びMgを含む流出流を出力することが理解されるべきである。従って、上述のフィルタ・カートリッジは、硬度ゼロの流出流と100%の硬度除去率を有効に出力する。硬度除去効率における減少は、それゆえ、全硬度除去(即ち、100%)と、本実施例では22.5%である実際の硬度除去との差である。
【0039】
【表1】
好ましくは、バイパス流路は、実質的に円形状であり、真円形状のドリル又は中ぐり装置を用いて既存のフィルタ・カートリッジを加工して形成することができる。従って、上述の具体例では、1.32mm(0.052in)のバイパス直径を有するカートリッジは、1.37mm2(0.00212in2)の開口面積を有し、1.5mm(0.059in)のバイパス直径寸法を有するカートリッジは、1.77mm2(0.00273in2)の開口面積を備える。
【0040】
表2は、約1.181mm(0.0465in)のバイパス直径寸法と2.58mm2(0.0017in2)の開口面積とを有するバイパス流路を備えるカートリッジ310で行われた試験結果を示す。供給水ラインの圧力は、483kPa(70psi)であり、カートリッジ310に流入する水の流量は以下に示すように変化させた。
【0041】
【表2】
表2に示すように、所定のバイパス直径に対する硬度除去率(66.7%)は種々の流量に渡って一定に維持された。従って、硬度除去率の減少もまた一定に維持された。以下の表3は、カートリッジ310と同様ではあるがバイパス流路342を有しないフィルタ・カートリッジに適用された、表2に示された試験と同じ試験の結果を示す。
【0042】
【表3】
表3に示すように、硬度除去は100%である。圧力損失は同じ条件下におけるカートリッジ310の圧力損失より大きいことにも注目すべきである。
【0043】
本発明により構成されたフィルタ・カートリッジは、100%硬度低下を必要とする装置に適さないことが即座に明白にされるべきである。しかしながら、本明細書に示すように、硬度低下率は、本発明により構成されたフィルタ・カートリッジのバイパス直径寸法を変化させることにより調節されることがある。さらに、本発明のフィルタ・カートリッジは、特に、流入流の一部を未処理で通過させることにより、圧力損失をより減少させ、機器寿命をより延ばすことができる。本発明は、既存の機器を再設計又は再構成する又はカートリッジ自体の設計を根本的に変更することなしに既存の装置に有効に適応させることができる。
【0044】
本明細書に含まれる装置と装置の使用方法は、本発明の好適な実施例を構成するけれども、本発明がこれらのまさにその装置と使用法に限定されないこと、及び付属の請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱せずにこれらに対して変更がなされることがあることを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本出願が属する当業者が、製造方法と使用方法をより容易に理解するように、以下の図面が参照される。
【図1】本発明により構成される使い捨て可能なフィルタ・カートリッジの斜視図である。
【図2】カバーとネック部とを備える、図1に示すフィルタ・カートリッジの上部の側面図である。
【図3】図1に示すフィルタ・カートリッジ用カバーの平面図である。
【図4】内部にネック部と流体開口を備える、図1に示すフィルタ・カートリッジの上部の側面図である。
【図5】線5−5に沿って切断した、図3のカバーの横断立面図である。
【図6】線6−6に沿って切断した、図4のカバーの底面図である。
【図7】本発明により構成されるフィルタ・カートリッジが設置される、代表的フィルタ・ヘッドの斜視図である。
【図8】本発明により構成されるフィルタ・カートリッジが設置される、別の代表的フィルタ・ヘッドの斜視図である。
【図9】本発明により構成されるフィルタ・カートリッジが設置される、別の代表的フィルタ・ヘッドの斜視図である。
【図10】本発明により構成されると共に図9のフィルタ・ヘッドと組み合わされる使い捨て可能なフィルタ・カートリッジの拡大断面図である。
【図11】本発明により構成されると共に図9のフィルタ・ヘッドと組み合わされる使い捨て可能なフィルタ・カートリッジの横断立面図である。
【図12】本発明により構成されると共に図8のフィルタ・ヘッドと組み合わされる使い捨て可能なフィルタ・カートリッジの断面図である。
【背景技術】
【0001】
1.発明の分野
本出願は、ハウジングと組み合わせるバイパス装置を有する交換可能なフィルタ・カートリッジ・ハウジングを備えるろ過装置に関し、さらに具体的には、カートリッジ・ハウジングの内部に配置されたろ過材に接触せずにカートリッジの流入部からカートリッジの排出部へ流体を流すバイパス通路を備えるフィルタ・カートリッジ・ハウジングに関し、且つ、なおさらに具体的には、ろ過水の硬度を所望の範囲内に維持しながら、改良されたろ過容量を通じて経済的利益をもたらす交換可能なカートリッジに関する。
【0002】
2.関連技術の背景
消費者用及び産業用の両方の多くの場合、水のような流体が、意図する用途に使用するに先立ってろ過される。結果として、ろ過装置が、産業装置又は家庭電化製品と共に内部に又は外部に設置される。例えば、今日の近代社会では、飲料水と水とを提供する冷蔵庫が普及している。極く普通に、このタイプの冷蔵庫は、飲用と製氷に使用する水を純粋にするため内部ろ過装置を使用する。その上、水はソーダ水及びコーヒー等の多くの飲料の基本原料であるから、コーヒー又はソーダ水などの飲料を分配する商業用自動販売機の内部に又は付属して設置された水ろ過組み立て装置を見かけることも普通である。
【0003】
多くのろ過装置のように、ろ過材の頻繁な交換が、適切なろ過と流出流の品質とを持続するために必要である。それ故、典型的には、前述のろ過組み立て装置が、フィルタ装置の残りの構成要素の取り外しを必要とせずに、容易に、フィルタ・ヘッドから外すことができ、廃棄でき、且つ交換できるフィルタ・カートリッジと共に備えられる。
【0004】
使用の手軽さ以外に、フィルタ・カートリッジの販売業者及びエンド・ユーザのみならず製造業者も、長寿命、ろ過能力、低コスト設計を第一に重要であると考える。ろ過能力は、流入水の特性と流出水の所望の特性とに大きく依存するので、たぶん最も変化する特性である。フィルタの寿命は、フィルタを通過する運転流量と望まれるろ過の種類又は程度とに大いに関係する。所望のろ過能力を満たすフィルタ・カートリッジの注文生産は、コストの増大をもたらす。一種類又は数種の標準フィルタ・カートリッジを大量生産して複数の用途に使用することができる場合には、低コストが達成され、維持されることがある。
【0005】
ろ過能力とフィルタ寿命との間の関係の良い例が、水の硬度の低減にそのような交換可能なフィルタを組み込む用途に見られることがある。前置き的に云えば、本明細書で使用される水の硬度は、炭酸水素塩、炭酸塩、硫酸塩、塩化物、又は硝酸塩であることがある、カルシウム塩とマグネシウム塩の含有量を云うことに注目すべきである。また、硬度は、当量炭酸カルシウム含有量として表されるカルシウム塩とマグネシウム塩の尺度であり、通常、百万分の一部(ppm)又はグレイン・パー・ガロン(gpg)で以下のように記述される。重度軟水:15ppm未満、軟水:15−50ppm、軽度硬水:50−100ppm、硬水:100−200ppm、及び重度硬水:220ppm超。
【0006】
水の硬度を低減する場合、今日使用される多くのろ過材が、必ずしも必要でなくても、流入水から実質的に高い割合のカルシウムとマグネシウムを除去する能力を有する。多くの用途が、カルシウムとマグネシウムの全除去用フィルタ・カートリッジを使用し、より正確には、有害な結果を伴わないでそうした物質の除去に耐えることができる。しかしながら、高水準のカルシウムとマグネシウムの除去は、必ずしも全ての用途に望まれない。たとえば、とりわけ、心地よい味を持つ最終製品に供給するための一定範囲内の硬度水準を維持しなければならない「レシピ品質水」(例えば、飲料混合用途)を必要とする用途である。
【0007】
その上、高い割合で除去することにより、フィルタ寿命が短くなり、従ってろ過容量が低下する。カルシウムとマグネシウムについて低い割合で除去することが許される用途に対しても多くのエンド・ユーザがそのようなフィルタを使用する。このようなエンド・ユーザは、流入水が硬水又は重度に硬水である状況では、フィルタ交換とろ過容量の低下から生じる高いコストを支払う必要はない。
【0008】
前述の問題及び問題に焦点を当てる方法は、製造業者とエンド・ユーザとに同じような課題を提出する。所望のレシピ品質水を達成するためのフィルタ・カートリッジ、ろ過ヘッド又はろ過装置の注文生産は、特定のニーズを満足させることができるが、そのような個別になされる変更は、とりわけ、著しいコスト増加及び/又は機器の使用に伴う問題を生じることになる。
【0009】
従って必要とされることは、水の硬度に関する上述の課題に関するのみならず、所望の流出水特性を達成するという及び/又は除去割合を低下させてろ過装置を運転することにより使用におけるコストを低減するという同様の課題についての、実現性が有り、コスト上有利な解決策である。
【発明の開示】
【0010】
発明の要約
本発明は、特に、ろ過材チャンバと、収容コア、第1及び第2流体導管を有するフィルタ・ヘッドとの間の流体連通を与えるフィルタ・カートリッジ用接続端部を提供することによって従来技術の課題を解決する。本発明による接続端部は、ろ過材チャンバに係合する、末端部と、細長長部と、基部端部とを画定している実質的に中空のネック部を備える。管状部材はネック部の軸方向に配置され、内側軸方向流路と、管状部材の外周部とネック部の内面により境界を定められる、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定する。その結果、内側軸方向流路と外側軸方向流路とがネック部を流動する二重の流体流動のための独立した通路を与える。
【0011】
管状部材はネック部の末端部に開口を有し、外側軸方向流路と通じる少なくとも1つの開口がネック部の細長部に位置決めされる。さらに、外側軸方向流路と通じるバイパス流路開口がネック部の末端部に配置される。
【0012】
ネック部は、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持するため細長部の外周に沿って配置される複数の密封部を備える。好ましくは、末端側半径方向密封部が末端部に隣接して配置され、基部側半径方向密封部が基部端部に隣接して配置される。同時に、基部及び末端部の密封部は、接続端部が収容コアの内部に組み合わされるとき、第1導管と外側軸方向流路開口(又は複数開口)との間、及び第2導管と管状部材開口と外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通(すなわち、特に、流入流と流出流との間の限定的接触)の完全性を維持するのに役立つ。
【0013】
上記の接続端部の好適実施例では、バイパス流路開口は、実質的に円形状であり、約0.762〜約1.78mmの範囲の直径寸法を有する。好ましくは、開口は約0.45〜約2.5mm2の範囲の面積を有する。
【0014】
本発明は、また、ろ過材チャンバと、ろ過材チャンバと組み合う、末端部、細長部及び基部端部を画定している実質的に中空のネック部と、ネック部に軸方向に配置されると共にろ過材チャンバ内に延在する管状部材とを備えるフィルタ・カートリッジに向けられる。管状部材は、内側軸方向流路と、管状部材の外周部とネック部の内面とにより境界を定められる、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定しており、内側軸方向流路と外側軸方向流路とは、ネック部とろ過材チャンバとを流動する二重の流体流のための独立した通路を与える。
【0015】
管状部材は、ネック部の末端部に配置される開口と、ネック部の細長部に配置される少なくとも1つの外側軸方向流路開口とを有する。また、外側軸方向バイパス流路開口はネック部の末端部に配置される。
【0016】
基部端部に隣接するネック部の細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部は、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持する。末端部に隣接するネック部の細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封部は、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持する。同時に、基部側及び末端側半径方向密封部は、第1導管と外側軸方向流路開口(又は複数の開口)との間、及び第2導管と管状部材開口と外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の完全性をそれぞれ維持する。
【0017】
上述のフィルタ・カートリッジの好適な実施例では、バイパス流路開口は、実質的に円形状であり、約0.762〜約1.78mmの範囲の直径寸法を有する。好ましくは、開口は約0.45〜約2.5mm2の範囲の面積を有する。
【0018】
本発明は、フィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体にも向けられる。フィルタ・カートリッジは、ろ過材チャンバと、実質的に中空のネック部と、ネック部に軸方向に配置されると共にろ過材チャンバ内に延在する管状部材とを備える。中空ネック部は、ろ過材チャンバと組み合う、末端部と、細長部と、基部端部とを備える。管状部材は、ネック部内に内側軸方向流路と、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定する。外側軸方向流路は、管状部材の外周部とネック部の内面とにより境界を定められる。内側軸方向流路と外側軸方向流路とは、ネック部とろ過材チャンバを流動する二重の流体流のための独立した通路を与える。
【0019】
管状部材はネック部の末端部に配置される開口と、ネック部の細長部に位置決めされる少なくとも1つの外側軸方向流路開口とを有する。また、外側軸方向バイパス流路開口は、ネック部の末端部に配置される。
【0020】
ネック部の細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部は、基部端部に隣接し、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持する。ネック部の細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封部は、末端部に隣接し、ネック部と収容コアとの間を実質的に水密に保持する。同時に、基部側及び末端側半径方向密封部は、第1導管と外側軸方向流路開口(又は複数の開口)との間、及び第2導管と管状部材開口と、外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の完全性をそれぞれ維持する。
【0021】
本発明のフィルタ・ヘッドは、フィルタ・カートリッジのネック部と係合するように配置される収容コア、流体流のための第1導管及び第2導管を備える。第1導管は、フィルタ・カートリッジのネック部が収容コアの内部に組み合わされるとき、ネック部の細長部に隣接するように位置決めされる、収容コアと通じる開口を備える。第2導管は、フィルタ・カートリッジのネック部が収容コアの内部に組み合わされるとき、ネック部の末端部に隣接するように位置決めされる、収容コアと通じる開口を備える。
【0022】
基部側及び末端側半径方向密封部は第1導管の開口と外側軸方向流路開口(又は複数の開口)と流体連通するように基部側及び末端側半径方向密封部と収容コアとにより境界を定められる第1の流体溜めを画定する。第2の流体溜めが、また、第2導管の開口と、管状部材開口と、外側軸方向バイパス流路開口とを流体連通するように末端密封部と収容コアとにより画定される。
【0023】
本出願の他の目的と効果が、以下の記述と、付随する図と、付属の請求の範囲から明らかになるであろう。
【0024】
好適な実施例の詳細な記述
本発明により組立てられる又は改修されるろ過アセンブリの効果は、本発明の代表的な実施例を記述する図に関連している特定の好適実施例についての以下の詳細な説明から、当業者にさらに容易に明らかになるであろう。別に明らかである又は記述される場合を除き、「下側の」又は「上側の」のような方向の参照は、具体的な実施例の初めの番号を付した図に示すように発明のその実施例の配置に関係するように意図される。
【0025】
図1を参照すると、(参照番号10で表示される)本開示の好適な実施例により構成されたフィルタ・カートリッジが示される。フィルタ・カートリッジ10は、好ましくは円筒形である、主ハウジング12を備え、主ハウジングは、密閉下側本体部14と概略平らなカバー16とを備える。カバー16は、ろ過材料(図1に示されない。)がハウジングに配置された後、下側本体部14と組み合わされる。ソフト・ドリンクと特に炭酸水用の原水のろ過に用いる好適ろ過材は、活性炭である。しかしながら、財産権的材料がハウジング12に採用されることが多い。さらに、スクリーン又は磨き剤のようなプレ及び/又はポストろ過材が、ハウジング12に入れられることがある。
【0026】
以下の記述では、円筒形ハウジング12を通って(即ち、カバー16のセンタを通って下部14から)縦方向に延在する軸が、参照として使用され、前述の縦方向の軸に関して「軸方向」及び「半径方向」であるように、本発明のフィルタ・カートリッジの特徴と構成要素を記述する。しかしながら、種々の形状と寸法のフィルタ・カートリッジが、組立てられて本明細書に記述した利点から十分に利益を得ることがあることも理解されるべきである。
【0027】
図2−6に関連して図1を続けて参照すると、実質的に均一な外径のネック部18は、主ハウジング12のカバー16から突出ている。ネック部18は、カバー16と接続する基部端部20と、末端部20から軸方向に延在する細長部22と、末端部24とにより形成される。好適には、基部端部20は、カバー16と共に又は一体に組み合わされる。
【0028】
一対の密封部が、ネック部の外周に沿って設けられる、内部にO−リングを収容するように構成される環状凹部29内に取り付けられる。この密封部は好ましくはO−リングである、基部O−リング26と末端O−リング28とを備える。末端O−リング26及び基部O−リング28は、好ましくは弾性、耐久性且つ不活性の材料から製作される。ネック部18は、少なくとも部分的に中空であり、ハウジング12の内部に入る軸方向流路を形成する。ネック部18の軸方向流路は、半径方向内側の軸方向流路30と半径方向外側の軸方向流路32に分割される。この実施例では、半径方向内側の軸方向流路30は、下側本体部14の内部に軸方向に延在する管34で形成されており、これはネック部18の内面から半方向内側に延在する、正反対に向く、一対の歯状突起36でネック部18に支持されている。半径方向外側の軸方向流路32は、特に、図6に示すように、管34の外周とネック部18の内周部とにより画定される。細長部22の正反対に向く一対の開口、すなわち、開口38は半径方向外側軸方向流路32との連通をもたらす。末端部24に形成される管開口40は、ネック部18を通ってハウジングの下側本体部14に達する第2導管を与える。末端部に形成される第2開口42は、外側軸方向流路32との連通をもたらすが、本明細書でバイパス流路開口と称される。好ましくは、バイパス流路開口42は、中心に穿たれ、又は別の加工法で穿設され、管開口40に隣接する。
【0029】
フィルタ・カートリッジ10のネック部18は、図6、7、及び8にそれぞれ示すフィルタ・ヘッド44、46及び48のようなフィルタ・ヘッドの中心コア内部に収容されるように構成され、適応される。この3つの代表的フィルタ・ヘッドの各々はカートリッジ10のネック部18を収容するためのコアと、ネック部18がコア内部に設置されるとき、開口38、40、42と流体連通させるための導管とを備える。導管はフィルタ・ヘッド又は流体混合器のような最終用途用装置をさらに備える流体供給装置と流体受け入れ装置に螺合可能に又は別の手段で取り付けられる。
【0030】
図10及び図11に示すように、ネック部18は、図9のフィルタ・ヘッド48に実質的に類似しているフィルタ・ヘッドのコア50に設置される。カートリッジ10をコア50内に設置したとき、第1の環状流体溜め54が画定される。これは、コア50の内周と細長部22の外周との間に半径方向に境界を定められると共に、基部及び末端の双方のO−リング26,28の間に軸方向に境界を定められる。第2の流体溜め56は、また、コア50の末端部とネック部18の末端部24との間にカートリッジ10をコア50に設置することにより画定される。
【0031】
運転では、未処理流体がフィルタ・ヘッド48の導管58を通って第1の流体溜め54に供給され、次いで、開口38を通ってカートリッジ10の外側軸方向流路内に流れる。外側軸方向流路32に入る流体は、主として下側本体部14に流入し、処理のためにろ過材60と接触する。外側軸方向流路32に入る流体流の一部は、第2の流体溜め56に供給するバイパス流路42を経由して未処理のままカートリッジ10から流出する。ろ過材60と接触する流入流体の一部は、その後、基部開口62を通って管34内に流入する。カートリッジ10内の流体圧力のために、管34から、末端部24の開口40を通って第2の流体溜め56に達する流体流が生じる。このように、運転では、開口40から流れる処理後流体がバイパス流路42から流れる、流入量の一部である未処理流体と第2の流体溜め56において混合する。集合した流体流は流体溜め56からフィルタ・ヘッド48に画定される導管64まで供給され、その後、処理機器又は追加のフィルタ・ヘッド及び本発明によるカートリッジ装置或いは他の手段に向けられる。この実施例による流体流は、図10及び図11に矢印66で示される。これに代わるものでは、流入流体が流体溜め56から流出して開口40及び開口42に流入し、開口38を通ってカートリッジを出て流体溜め54に達するように逆方向に流体流を流すことができる。
【0032】
図12は、カートリッジ110及びフィルタ・ヘッド146の別の代表的組み合わせを描いている。ここでは、流体溜め154と流体溜め156とは、図10及び図11の先の実施例と比較した場合、フィルタ・ヘッド146の内部設計が異なるために容積が相違する。
【0033】
以下の試験結果は、本発明により構成されるフィルタ・カートリッジの幾つかの利点を示す。水の硬度を低減するろ過材を有するフィルタ・カートリッジは、バイパス寸法(直径による)が硬度の低減と除去効率とに及ぼす影響を測定するために試験された。硬度、即ち、カルシウム(Ca)及びマグネシウム(Mg)の存在は全カートリッジを対象に流入水と流出水との比較により試験された。
【0034】
試験が行われた各回とも同じ条件下(例えば、0.00227m3/分(0.6gal/分)の流量と345kPa(50psi)のライン圧力で0.0757m3(20gal)後に)で水サンプルが取り出され、サンプルに含まれるCa及びMgの存在が誘導結合プラズマ原子分光分析で測定された。硬度は、以下のように炭酸カルシウム(CaCO3)当量としてグレイン/ガロン(gpg)、百万分の一(ppm又はmg/L)にて表されることがある(1gpg硬度が17.1ppm又はmg/Lに等しいことに注目を要する。)。
【0035】
以下の式が、ppm単位の硬度の決定に使用される。
【0036】
硬度、ppm=([Ca、ppm]*2.497)+([Mg、ppm]*4.116)
例えば、0.0757m3(20gal)後の流入サンプルが、カートリッジ210に流入した。ここで、直径1.32mm(0.052in)を有するバイパス流路242が33ppmのCaと7.0ppmのMgの濃度を有すると判明した。このようにして、上述の式によって、
硬度、ppm=([33ppm]*2.497)+([7.0ppm]*4.116)
硬度、ppm=82.4ppm+28.8ppm
硬度、ppm=111ppm
流入流から採取された試料は、6.7ppmのCaと1.9ppmのMgを含むと測定され、従って、硬度は25ppmであると計算された。
【0037】
硬度除去効率は、流入流と流出流との間の硬度差を流入流の硬度で除することにより決定する。上述のサンプルでは、硬度除去効率は、77.5%であると計算される。
【0038】
比較の目的のためであるが、同一条件下に置かれる、バイパス流路242を有しない、又は、別の手段で流入流を流出流と混合しない類似のフィルタ・カートリッジは、たとえ存在したとしても無視できる程度の量のCa及びMgを含む流出流を出力することが理解されるべきである。従って、上述のフィルタ・カートリッジは、硬度ゼロの流出流と100%の硬度除去率を有効に出力する。硬度除去効率における減少は、それゆえ、全硬度除去(即ち、100%)と、本実施例では22.5%である実際の硬度除去との差である。
【0039】
【表1】
好ましくは、バイパス流路は、実質的に円形状であり、真円形状のドリル又は中ぐり装置を用いて既存のフィルタ・カートリッジを加工して形成することができる。従って、上述の具体例では、1.32mm(0.052in)のバイパス直径を有するカートリッジは、1.37mm2(0.00212in2)の開口面積を有し、1.5mm(0.059in)のバイパス直径寸法を有するカートリッジは、1.77mm2(0.00273in2)の開口面積を備える。
【0040】
表2は、約1.181mm(0.0465in)のバイパス直径寸法と2.58mm2(0.0017in2)の開口面積とを有するバイパス流路を備えるカートリッジ310で行われた試験結果を示す。供給水ラインの圧力は、483kPa(70psi)であり、カートリッジ310に流入する水の流量は以下に示すように変化させた。
【0041】
【表2】
表2に示すように、所定のバイパス直径に対する硬度除去率(66.7%)は種々の流量に渡って一定に維持された。従って、硬度除去率の減少もまた一定に維持された。以下の表3は、カートリッジ310と同様ではあるがバイパス流路342を有しないフィルタ・カートリッジに適用された、表2に示された試験と同じ試験の結果を示す。
【0042】
【表3】
表3に示すように、硬度除去は100%である。圧力損失は同じ条件下におけるカートリッジ310の圧力損失より大きいことにも注目すべきである。
【0043】
本発明により構成されたフィルタ・カートリッジは、100%硬度低下を必要とする装置に適さないことが即座に明白にされるべきである。しかしながら、本明細書に示すように、硬度低下率は、本発明により構成されたフィルタ・カートリッジのバイパス直径寸法を変化させることにより調節されることがある。さらに、本発明のフィルタ・カートリッジは、特に、流入流の一部を未処理で通過させることにより、圧力損失をより減少させ、機器寿命をより延ばすことができる。本発明は、既存の機器を再設計又は再構成する又はカートリッジ自体の設計を根本的に変更することなしに既存の装置に有効に適応させることができる。
【0044】
本明細書に含まれる装置と装置の使用方法は、本発明の好適な実施例を構成するけれども、本発明がこれらのまさにその装置と使用法に限定されないこと、及び付属の請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱せずにこれらに対して変更がなされることがあることを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本出願が属する当業者が、製造方法と使用方法をより容易に理解するように、以下の図面が参照される。
【図1】本発明により構成される使い捨て可能なフィルタ・カートリッジの斜視図である。
【図2】カバーとネック部とを備える、図1に示すフィルタ・カートリッジの上部の側面図である。
【図3】図1に示すフィルタ・カートリッジ用カバーの平面図である。
【図4】内部にネック部と流体開口を備える、図1に示すフィルタ・カートリッジの上部の側面図である。
【図5】線5−5に沿って切断した、図3のカバーの横断立面図である。
【図6】線6−6に沿って切断した、図4のカバーの底面図である。
【図7】本発明により構成されるフィルタ・カートリッジが設置される、代表的フィルタ・ヘッドの斜視図である。
【図8】本発明により構成されるフィルタ・カートリッジが設置される、別の代表的フィルタ・ヘッドの斜視図である。
【図9】本発明により構成されるフィルタ・カートリッジが設置される、別の代表的フィルタ・ヘッドの斜視図である。
【図10】本発明により構成されると共に図9のフィルタ・ヘッドと組み合わされる使い捨て可能なフィルタ・カートリッジの拡大断面図である。
【図11】本発明により構成されると共に図9のフィルタ・ヘッドと組み合わされる使い捨て可能なフィルタ・カートリッジの横断立面図である。
【図12】本発明により構成されると共に図8のフィルタ・ヘッドと組み合わされる使い捨て可能なフィルタ・カートリッジの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ過材チャンバと、収容コア、第1導管及び第2導管を有するフィルタ・ヘッドとの間の流体連通を与えるフィルタ・カートリッジの接続端部であって、
前記フィルタ・ヘッドの前記収容コアと係合するように配置され、前記ろ過材チャンバと係合するため末端部と、細長部と、基部端部とを画定している中空のネック部と、
前記ネック部に軸方向に配置され、内部に内側軸方向流路と、前記ネック部内に半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定している管状部材と、ここで、前記外側軸方向流路は、前記管状部材の外周部と前記ネック部の内面とにより境界を定められており、前記内側軸方向流路と前記外側軸方向流路とが、前記ネック部を流動する二重の流体流のための独立した通路を与え;
前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための管状部材開口と;
前記ネック部の前記細長部に備えられ、流体流のための少なくとも1つの外側軸方向バイパス流路開口と;
前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための外側軸方向バイパス流路開口と;
前記ネック部が内部に挿入されるとき、前記ネック部と前記収容コアとの間を水密に保持するため前記基部端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部と;
前記ネック部が内部に挿入されるとき、前記ネック部と前記収容コアとの間を水密に保持するため前記末端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封部とを備え、
ここで、前記ネック部が前記収容コアの内部に挿入されるとき、前記基部側半径方向密封部と前記末端側半径方向密封部とは、前記第1導管と前記少なくとも1つの外側軸方向流路開口との間、及び前記第2導管と前記管状部材開口と前記外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の完全性をそれぞれ維持している接続端部。
【請求項2】
前記バイパス流路開口が円形状である、請求項1記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項3】
前記バイパス流路開口が0.762〜1.78mmの範囲の直径を有する、請求項2記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項4】
前記バイパス流路開口が1.181mmの範囲の直径を有する、請求項2記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項5】
前記バイパス流路開口が0.45〜2.5mm2の範囲の面積を有する、請求項1記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項6】
前記ネック部の前記細長部に配置される、正反対に向く、2つ一組の外側軸方向流路開口が存在する、請求項1記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項7】
(a)ろ過材チャンバと、
(b)ろ過材チャンバと組み合う、末端部と、細長部と、基部端部とを画定している中空のネック部と、
(c)前記ネック部に軸方向に配置されると共に前記ろ過材チャンバ内に延在し、内部に内側軸方向流路と、それの外周部と前記ネック部の内面とにより境界を定められる、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定している管状部材と、ここで、前記内側軸方向流路と前記外側軸方向流路とは、前記ネック部と前記ろ過材チャンバを流動する二重の流体流のための独立した通路を与え、
(d)前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための管状部材開口と、
(e)前記ネック部の前記細長部に備えられ、流体流のための少なくとも1つの外側軸方向流路開口と、
(f)ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための外側軸方向バイパス流路開口と、
(g)前記ネック部が内部に挿入されるとき前記ネック部と前記収容コアと間を水密に保持するため前記基部端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部と、
(h)前記ネック部が内部に挿入されるとき前記ネック部と前記収容コアとの間を水密に保持するため前記末端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封とを備え、
ここで、前記ネック部が前記収容コアと組み合うとき、前記基部側半径方向密封部と前記末端側半径方向密封部とは、前記第1導管と前記少なくとも1つの外側軸方向流路の開口との間、及び前記第2導管と前記管状部材開口と前記外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の完全性を維持している、
フィルタ・カートリッジ。
【請求項8】
前記バイパス流路の開口が、円形状である、請求項7記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項9】
前記バイパス流路開口が0.762〜1.78mmの範囲の直径を有する、請求項8記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項10】
前記バイパス流路開口が1.181mmの範囲の直径を有する、請求項8記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項11】
前記バイパス流路開口が0.45〜2.5mm2の面積を有する、請求項7記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項12】
前記ネック部の前記細長部に配置される、正反対に向く、2つ一組の外側軸方向流路開口が存在する、請求項7記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項13】
(a)(i)ろ過材チャンバと、
(ii)前記ろ過材チャンバと組み合う、末端部と、細長部と、基部端部とを画定している中空のネック部と、
(iii)前記ネック部に軸方向に配置されると共に前記ろ過材チャンバ内に延在し、内側の軸方向流路と、それの外周部と前記ネック部の内面とにより境界を定められる、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定している管状部材と、ここで、前記内側軸方向流路と前記外側軸方向流路とは、前記ネック部と前記ろ過材チャンバとを流動する二重の流体流のための独立した通路を与え、
(iv)前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための管状部材開口と、
(v)前記ネック部の前記細長部に備えられ、流体流のための少なくとも1つの外側軸方向流路開口と、
(vi)前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための外側軸方向バイパス流路開口と、
(vii)前記ネック部が内部に挿入されるとき、前記ネック部と前記収容コアの間を水密に保つため前記末端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部と、
(viii)前記ネック部が内部に挿入されるとき、前記ネック部と前記収容コアとの間を水密に保つため前記末端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封部と、
を備えるフィルタ・カートリッジと、
(b)前記フィルタ・カートリッジの前記ネック部と係合するように配置される収容コア、前記ネック部が前記収容コアの内部に組み合わされるとき、前記ネック部の前記細長部に隣接して位置決めされる前記収容コアと通じる開口を有する第1導管、及び前記ネック部が前記収容コアの内部に組み合わされるとき、前記ネック部の前記末端部に隣接して位置決めされる前記収容コアと通じる開口を有する第2導管を備えるフィルタ・ヘッドとを有し、
ここで、前記基部側及び末端側半径方向密封部が、前記第1導管開口と前記少なくとも1つの外側軸方向流路開口とを流体連通するように前記基部側及び末端側半径方向密封部と前記収容コアとにより境界を定められる、第1の流体溜めと、前記第2導管開口と前記管状部材開口と前記外側軸方向バイパス流路開口とをそれぞれ流体連通するように前記末端側密封部と前記収容コアとにより境界を定められる、第2の流体溜めとを画定している
フィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項14】
前記バイパス流路開口が円形状である、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項15】
前記バイパス流路開口が0.762〜1.78mmの直径を有する、請求項14記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項16】
前記バイパス流路開口が1.181mmの直径を有する、請求項14記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項17】
前記バイパス流路開口が0.45〜2.5mm2の面積を有する、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項18】
前記ネック部の前記細長部に配置される、正反対に向く、2つ一組の外側軸方向流路開口が存在する、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項19】
前記ろ過材が水の硬度を低減する、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項20】
第1導管が、給水供給装置に接続される、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項1】
ろ過材チャンバと、収容コア、第1導管及び第2導管を有するフィルタ・ヘッドとの間の流体連通を与えるフィルタ・カートリッジの接続端部であって、
前記フィルタ・ヘッドの前記収容コアと係合するように配置され、前記ろ過材チャンバと係合するため末端部と、細長部と、基部端部とを画定している中空のネック部と、
前記ネック部に軸方向に配置され、内部に内側軸方向流路と、前記ネック部内に半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定している管状部材と、ここで、前記外側軸方向流路は、前記管状部材の外周部と前記ネック部の内面とにより境界を定められており、前記内側軸方向流路と前記外側軸方向流路とが、前記ネック部を流動する二重の流体流のための独立した通路を与え;
前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための管状部材開口と;
前記ネック部の前記細長部に備えられ、流体流のための少なくとも1つの外側軸方向バイパス流路開口と;
前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための外側軸方向バイパス流路開口と;
前記ネック部が内部に挿入されるとき、前記ネック部と前記収容コアとの間を水密に保持するため前記基部端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部と;
前記ネック部が内部に挿入されるとき、前記ネック部と前記収容コアとの間を水密に保持するため前記末端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封部とを備え、
ここで、前記ネック部が前記収容コアの内部に挿入されるとき、前記基部側半径方向密封部と前記末端側半径方向密封部とは、前記第1導管と前記少なくとも1つの外側軸方向流路開口との間、及び前記第2導管と前記管状部材開口と前記外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の完全性をそれぞれ維持している接続端部。
【請求項2】
前記バイパス流路開口が円形状である、請求項1記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項3】
前記バイパス流路開口が0.762〜1.78mmの範囲の直径を有する、請求項2記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項4】
前記バイパス流路開口が1.181mmの範囲の直径を有する、請求項2記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項5】
前記バイパス流路開口が0.45〜2.5mm2の範囲の面積を有する、請求項1記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項6】
前記ネック部の前記細長部に配置される、正反対に向く、2つ一組の外側軸方向流路開口が存在する、請求項1記載のフィルタ・カートリッジの接続端部。
【請求項7】
(a)ろ過材チャンバと、
(b)ろ過材チャンバと組み合う、末端部と、細長部と、基部端部とを画定している中空のネック部と、
(c)前記ネック部に軸方向に配置されると共に前記ろ過材チャンバ内に延在し、内部に内側軸方向流路と、それの外周部と前記ネック部の内面とにより境界を定められる、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定している管状部材と、ここで、前記内側軸方向流路と前記外側軸方向流路とは、前記ネック部と前記ろ過材チャンバを流動する二重の流体流のための独立した通路を与え、
(d)前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための管状部材開口と、
(e)前記ネック部の前記細長部に備えられ、流体流のための少なくとも1つの外側軸方向流路開口と、
(f)ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための外側軸方向バイパス流路開口と、
(g)前記ネック部が内部に挿入されるとき前記ネック部と前記収容コアと間を水密に保持するため前記基部端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部と、
(h)前記ネック部が内部に挿入されるとき前記ネック部と前記収容コアとの間を水密に保持するため前記末端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封とを備え、
ここで、前記ネック部が前記収容コアと組み合うとき、前記基部側半径方向密封部と前記末端側半径方向密封部とは、前記第1導管と前記少なくとも1つの外側軸方向流路の開口との間、及び前記第2導管と前記管状部材開口と前記外側軸方向バイパス流路開口との間の流体連通の完全性を維持している、
フィルタ・カートリッジ。
【請求項8】
前記バイパス流路の開口が、円形状である、請求項7記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項9】
前記バイパス流路開口が0.762〜1.78mmの範囲の直径を有する、請求項8記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項10】
前記バイパス流路開口が1.181mmの範囲の直径を有する、請求項8記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項11】
前記バイパス流路開口が0.45〜2.5mm2の面積を有する、請求項7記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項12】
前記ネック部の前記細長部に配置される、正反対に向く、2つ一組の外側軸方向流路開口が存在する、請求項7記載のフィルタ・カートリッジ。
【請求項13】
(a)(i)ろ過材チャンバと、
(ii)前記ろ過材チャンバと組み合う、末端部と、細長部と、基部端部とを画定している中空のネック部と、
(iii)前記ネック部に軸方向に配置されると共に前記ろ過材チャンバ内に延在し、内側の軸方向流路と、それの外周部と前記ネック部の内面とにより境界を定められる、半径方向に延びる外側軸方向流路とを画定している管状部材と、ここで、前記内側軸方向流路と前記外側軸方向流路とは、前記ネック部と前記ろ過材チャンバとを流動する二重の流体流のための独立した通路を与え、
(iv)前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための管状部材開口と、
(v)前記ネック部の前記細長部に備えられ、流体流のための少なくとも1つの外側軸方向流路開口と、
(vi)前記ネック部の前記末端部に備えられ、流体流のための外側軸方向バイパス流路開口と、
(vii)前記ネック部が内部に挿入されるとき、前記ネック部と前記収容コアの間を水密に保つため前記末端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される基部側半径方向密封部と、
(viii)前記ネック部が内部に挿入されるとき、前記ネック部と前記収容コアとの間を水密に保つため前記末端部に隣接する前記ネック部の前記細長部の外周に沿って配置される末端側半径方向密封部と、
を備えるフィルタ・カートリッジと、
(b)前記フィルタ・カートリッジの前記ネック部と係合するように配置される収容コア、前記ネック部が前記収容コアの内部に組み合わされるとき、前記ネック部の前記細長部に隣接して位置決めされる前記収容コアと通じる開口を有する第1導管、及び前記ネック部が前記収容コアの内部に組み合わされるとき、前記ネック部の前記末端部に隣接して位置決めされる前記収容コアと通じる開口を有する第2導管を備えるフィルタ・ヘッドとを有し、
ここで、前記基部側及び末端側半径方向密封部が、前記第1導管開口と前記少なくとも1つの外側軸方向流路開口とを流体連通するように前記基部側及び末端側半径方向密封部と前記収容コアとにより境界を定められる、第1の流体溜めと、前記第2導管開口と前記管状部材開口と前記外側軸方向バイパス流路開口とをそれぞれ流体連通するように前記末端側密封部と前記収容コアとにより境界を定められる、第2の流体溜めとを画定している
フィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項14】
前記バイパス流路開口が円形状である、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項15】
前記バイパス流路開口が0.762〜1.78mmの直径を有する、請求項14記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項16】
前記バイパス流路開口が1.181mmの直径を有する、請求項14記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項17】
前記バイパス流路開口が0.45〜2.5mm2の面積を有する、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項18】
前記ネック部の前記細長部に配置される、正反対に向く、2つ一組の外側軸方向流路開口が存在する、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項19】
前記ろ過材が水の硬度を低減する、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【請求項20】
第1導管が、給水供給装置に接続される、請求項13記載のフィルタ・カートリッジ及びフィルタ・ヘッド組み立て体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−514884(P2006−514884A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500794(P2006−500794)
【出願日】平成16年1月6日(2004.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/000167
【国際公開番号】WO2004/062769
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(399044506)キュノ、インコーポレーテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】CUNO INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月6日(2004.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/000167
【国際公開番号】WO2004/062769
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(399044506)キュノ、インコーポレーテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】CUNO INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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