説明

バックライト装置および表示装置

【課題】狭いベゼル幅を実現することのでき、かつ、照度ムラが少ないバックライト装置および表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、バックライト装置は、光学シートと、前記光学シートと対向して配置される光源と、前記光源から照射される光を前記光学シートに導く第1の導光手段と、を備えている。前記第1の導光手段は、前記光源と対向し、前記光源からの光が入射される入射面と、前記光学シートと対向する出射面と、前記入射面から前記出射面へ光を導く曲面形状の湾曲部と、を有し、前記光源から前記第1の導光手段へ入射された光の一部は、前記湾曲部の外側から漏れて前記光学シートへ到達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バックライト装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)が広く用いられるようになってきている。LCDは、一対のガラス基板の間に液晶材料を配置して構成される液晶パネルと、液晶パネルの背面から液晶パネルに光を照射するバックライト装置とを備えている。バックライト装置はエッジ型および直下型の2種類に大別される。
【0003】
エッジ型のバックライト装置は、LED(Light Emitting Diode)等の光源から、液晶パネルの背面に配置された導光板の側面に向けて光を照射し、広く拡散させた光を、導光板の液晶パネルと対向する面から取り出すものである。この方式によると、バックライト装置を薄くできるが、その反面、大型化すると液晶パネルの中央を明るく照射できないため照度ムラができやすい、あるいは、光源を配置するためにベゼル幅を広くする必要がある、という問題がある。ベゼル幅が広いと、表示領域が小さく見えてしまうことがある。
【0004】
一方、直下型のバックライト装置は、液晶パネルの直下にアレイ状に光源を配置し、拡散板等を介して液晶パネルに光を照射するものである。この方式によると、エッジ型とは対照的に、液晶パネルの中央を明るく照射できるため照度ムラが出にくく、ベゼル幅を狭くすることもできるが、バックライト装置が厚くなったり、光源を多数配置したりしなければならないためコスト高になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7−14483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
狭いベゼル幅を実現することのでき、かつ、照度ムラが少ないバックライト装置および表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、バックライト装置は、光学シートと、前記光学シートと対向して配置される光源と、前記光源から照射される光を前記光学シートに導く第1の導光手段と、を備えている。前記第1の導光手段は、前記光源と対向し、前記光源からの光が入射される入射面と、前記光学シートと対向する出射面と、前記入射面から前記出射面へ光を導く曲面形状の湾曲部と、を有し、前記光源から前記第1の導光手段へ入射された光の一部は、前記湾曲部の外側から漏れて前記光学シートへ到達する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る画像表示装置110を含む画像表示システムの概略ブロック図。
【図2】表示モジュール200の概略ブロック図。
【図3】バックライト装置6および液晶パネル1の斜視図。
【図4】図3のバックライト装置6および液晶パネル1をA方向から見た正面図。
【図5】光源モジュール10の詳細を示す上面図。
【図6】バックライト装置6のレイパスを示す図。
【図7】図4のバックライト装置6の変形例の正面図。
【図8】図4のバックライト装置6の別の変形例の正面図。
【図9】図4のバックライト装置6の別の変形例であるバックライト装置61および液晶パネル1の断面図。
【図10】図9のバックライト装置61のレイパスを示す図。
【図11】図4の別の変形例であるバックライト装置62および液晶パネル1の断面図。
【図12】図11のバックライト装置62のレイパスを示す図。
【図13】図11の変形例であるバックライト装置63および液晶パネル1の断面図。
【図14】図13のバックライト装置63のレイパスを示す図。
【図15】図4の変形例であるバックライト装置64および液晶パネル1の断面図。
【図16】図15のバックライト装置64のレイパスを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像表示装置110を含む画像表示システムの概略ブロック図である。
【0011】
画像表示装置110は、各部の動作を制御する制御部156と、操作部116と、受光部118とを備えている。制御部156は、ROM(Read Only Memory)157と、RAM(Random Access Memory)158と、CPU(Central Processing Unit)159と、フラッシュメモリ160とを有する。
【0012】
制御部156は、操作部116から入力される操作信号や、リモートコントローラ117から送信され受光部118を介して入力される操作信号に応じて、ROM157に予め記憶されたシステム制御プログラムおよび各種処理プログラムを起動させる。制御部156は、RAM158をCPU159のワークメモリとし、起動したプログラムに従って各部の動作を制御する。また制御部156は、各種設定に必要な情報等を例えばNANDフラッシュメモリ等のような不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ160に格納して使用する。
【0013】
また、画像表示装置110は、入力端子144と、チューナ145と、PSK(Phase Shift Keying)復調器146と、TS(Transport Stream)復号器147aと、信号処理部120とを備えている。
【0014】
入力端子144は、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ143が受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号を、衛星デジタル放送用のチューナ145に送信する。チューナ145は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングされたデジタル放送信号をPSK復調器146に送信する。PSK復調器146は、デジタル放送信号からTSを復調し、復調されたTSをTS復号器147aに送信する。TS復号器147aは、TSをデジタル映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号を含むデジタル信号に復号した後、信号処理部120にこれらを送信する。
【0015】
ここでのデジタル映像信号とは、画像表示装置110が出力可能な映像に関するデジタル信号であり、デジタル音声信号とは、画像表示装置110が出力可能な音声に関するデジタル信号である。またデータ信号とは、復調されたサービスについての各種情報を示すデジタル信号である。
【0016】
また、画像表示装置110は、入力端子149と、2つのチューナ150a,150bを有するチューナ部150と、2つのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器151と、2つのTS復号器147bと、アナログチューナ168と、アナログ復調器169とを備えている。
【0017】
入力端子149は、地上波デジタル放送受信用のアンテナ148が受信した地上波デジタルテレビジョン放送信号を、地上波デジタル放送用のチューナ部150に送信する。チューナ部150のチューナ150a,150bは、それぞれ受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングされたデジタル放送信号を、2つ存在するOFDM復調器151に送信する。OFDM復調器151は、デジタル放送からTSを復調し、復調されたTSをそれぞれ対応するTS復号器147bに送信する。TS復号器147bは、TSをデジタル映像信号および音声信号等に復号した後、信号処理部120にこれらを送信する。チューナ部150のチューナ150a,150bのそれぞれで取得した地上波デジタルテレビジョン放送は、2つずつのOFDM復調器151、TS復号器147bによってそれぞれ同時にデジタル映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号を含むデジタル信号として復号された後に、信号処理部120に送信されることが可能である。
【0018】
アンテナ148は、地上波アナログテレビジョン放送信号も受信可能である。受信された地上波アナログテレビジョン放送信号は、図示しない分配器によって分配されて、アナログチューナ168に送信される。アナログチューナ168は、受信したアナログ放送信号のチューニングを行い、チューニングされたアナログ放送信号をアナログ復調器169に送信する。アナログ復調器169はアナログ放送信号の復調を行い、復調されたアナログ放送信号を信号処理部120に送信する。また、画像表示装置110は、一例として、アンテナ148が接続される入力端子149にCATV(Common Antenna Television)用のチューナを接続することによってCATVも視聴できる。
【0019】
また、画像表示装置110は、ライン入力端子137と、音声処理部153と、スピーカ115と、グラフィック処理部152と、OSD(On Screen Display)信号生成部154と、映像処理部155と、と、表示モジュール200とを備えている。
【0020】
信号処理部120は、TS復号器147a、147b、または制御部156から送信されたデジタル信号に、適切な信号処理を施す。より具体的には、信号処理部120はデジタル信号をデジタル映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号に分離する。分離されたデジタル映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に送信される。また信号処理部120は、アナログ復調器169から送信された放送信号を、所定のデジタルフォーマットの映像信号および音声信号に変換する。デジタルに変換された映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に送信される。
また信号処理部120は、ライン入力端子137からの入力信号にも所定のデジタル信号処理を施す。
【0021】
音声処理部153は、入力された音声信号を、スピーカ115で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換する。アナログ音声信号は、スピーカ115に送信されて再生される。
【0022】
OSD信号生成部154は、制御部156の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また信号処理部120においてデジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部154により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部152に送信される。
【0023】
グラフィック処理部152は、信号処理部120から送信されるデジタル映像信号のデコード処理を行う。デコードされた映像信号は、OSD信号生成部154から送信されたOSD信号と重ね合わせて合成され、映像処理部155に送信される。グラフィック処理部152は、デコードされた映像信号またはOSD信号を、映像処理部155に選択的に送信することもできる。
【0024】
映像処理部155は、グラフィック処理部152から送信された信号を、表示モジュール200で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換する。アナログ映像信号は、表示モジュール200に送信されて表示される。表示モジュール200の詳細は図2を用いて後述する。
【0025】
さらに、画像表示装置110は、LAN(Local Area Network)端子131と、LAN
I/F(Interface)164と、USB(Universal Serial Bus)端子133と、USB I/F165と、HDD(Hard Disk Drive)170とを備えている。
【0026】
LAN端子131はLAN I/F164を介して制御部156に接続されている。LAN端子131はイーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用される。本実施形態において、LAN端子131にはLANケーブルが接続されており、インターネット130と通信可能となっている。
【0027】
USB端子133はUSB I/F165を介して制御部156に接続されている。USB端子133は、一般的なUSB対応ポートとして使用される。USB端子133には、例えばハブを介して、携帯電話、デジタルカメラ、各種メモリカードに対するカードリーダ/ライタ、HDD、キーボード等が接続される。制御部156は、USB端子133を介して接続される機器との間で、情報の通信(送受信)を行うことができる。
【0028】
HDD170は画像表示装置110に内蔵される磁気記憶媒体であって、画像表示装置110が有する各種情報を記憶する機能を有する。
【0029】
図2は、表示モジュール200の概略ブロック図である。表示モジュール200は、液晶パネル(表示パネル)1と、タイミングコントローラ2と、ゲートドライバ3と、ソースドライバ4と、バックライトコントローラ5と、バックライト装置6とを備えている。
【0030】
液晶パネル1は、一対のガラス基板を対向配置して、これらガラス基板の間に液晶材料を配置した構造である。液晶パネル1は、複数(例えば1080本)の走査線と、複数(例えば1920*3本)の信号線と、走査線および信号線の各交差箇所に形成される液晶画素とを有する。
【0031】
タイミングコントローラ2は、図1の映像処理部から入力される入力映像信号をソースドライバ4に供給するとともに、ゲートドライバ3、ソースドライバ4およびバックライトコントローラ5の動作タイミングを制御する。
【0032】
ゲートドライバ3は走査線の1つを順繰りに選択する。ソースドライバ4は入力映像信号を液晶パネル1の信号線に供給する。この入力映像信号はゲートドライバ3に選択された走査線に接続される液晶画素に供給され、入力映像信号の電圧に応じて、液晶画素内の液晶材料の配向が変化する。ゲートドライバ3およびソースドライバ4はパネルコントローラを構成する。
【0033】
一方、バックライト装置6は液晶パネル1の背面に設けられ、液晶パネル1に光を照射する。照射された光のうち、液晶材料の配向に応じた強度の光が液晶材料を透過して、液晶パネル1上に表示される。
【0034】
図3は、バックライト装置6および液晶パネル1の斜視図であり、図4は、図3のバックライト装置6および液晶パネル1をA方向から見た正面図である。以下では、バックライト装置6から液晶パネル1に向かう方向を上と呼ぶ。
【0035】
バックライト装置6は、光源モジュール10と、主導光路(第1の導光手段)11a,11bと、導光板(第2の導光手段)12a,12bと、副導光路(第3の導光手段)13a,13bと、光学シート14と、シャーシ15a,15bとを有する。以下、各部材が左右対称に設けられるため、添え字「a」を付した一方の部材について主に説明する。
【0036】
図5は、光源モジュール10の詳細を示す上面図である。図4および図5に示すように、光源モジュール10は、フレーム101と、それぞれが複数のLEDを含む2列のLED光源(第1の光源)102a,102bと、主導光路11a,11bおよび副導光路13a,13bを支持するクリップ103(図5では省略)とを有する。光源モジュール10を液晶パネル1の側方ではなく、液晶パネル1と対向して下方に配置するため、画像表示装置110のベゼルを薄くすることができる。なお、LEDに代えて他の光源を用いてもよい。
【0037】
LED光源102a,102bは、液晶パネル1の方向へ垂直に光を照射する。図4に示すように、LED光源102aは主導光路11aの入射面111aと対向して設けられ、LED光源102aが照射する光の少なくとも一部、例えば99%は入射面111aから主導光路11aへ入射する。光の取り出し効率を向上するため、フレーム101およびクリップ103の表面に反射材を塗布してもよい。
【0038】
LED光源102aに含まれるLEDを、4〜5個単位で点灯輝度を個別に制御することにより、ローカルディミング(表示領域を複数の領域に分割し、その領域ごとに明るさを制御すること)ができる。
【0039】
主導光路11aは、例えば厚さ2mm程度のアクリルから形成され、液晶パネル1とLED光源102aとの間に配置される。また、主導光路11aは、光源モジュール10のクリップ103により、フレーム101と垂直に支持される。熱膨張を考慮して、フレーム101上のLED光源102aと主導光路11aの入射面111aとの間には隙間が設けられるのが望ましい。
【0040】
主導光路11aの液晶パネル1側の端面112aは三角プリズム形状になっており、LED光源102aが照射した光が液晶パネル1と平行かつ縁側に反射し、導光板12a側へ導かれるよう45度傾斜した反射面となる。端面112aは光を効率よく反射するよう反射材が塗布されていてもよい。主導光路11aの液晶パネル1と直交する方向の長さは、光が十分に拡散するように設計される。また、主導光路11aを設けず、空気層と端面112aの位置に配置される鏡等の反射面により、導光手段を形成してもよい。
【0041】
導光板12aは、例えば厚さ2mm程度のアクリル製の矩形の板である。導光板12aはシャーシ15a上にあって液晶パネル1と対向し、主導光路11aより液晶パネル1の縁側に配置される。言い換えると、導光板12a,12bは、主導光路11a,11bを挟むように配置される。主導光路11aから出射した光は、主導光路11aと対向する面121aから導光板12aに入射する。
【0042】
導光板12aの下面の少なくとも一部には、シルク印刷等の拡散部材122aが塗布されている。拡散部材において光は散乱し、導光板12aと対向する液晶パネル1上の領域(第1の領域)に出射される。拡散部材の密度を制御することで、液晶パネル1を照明する光を均一にできる。一方、光の拡散を抑制して直進性を向上し、細かい領域単位でのローカルディミングを可能にするために、導光板12の上面には、光の進行方向に沿って、例えば頂角90度、ピッチ10μmのプリズム形状のスリット溝(不図示)が形成されていてもよい。
【0043】
導光板12aと主導光路11aとは光学的に接着するのが望ましい。両者の間に空気層を挟むと屈折して光の特性が変化するためである。空気層を挟む場合もできるだけ近接して配置することで、両者の間から液晶パネル1へ光が漏れるのを抑えることができる。また、主導光路11aと導光板12aとを一体に形成して、部品点数を減らしてもよい。
【0044】
副導光路13aは主導光路11aより細く、例えば厚さ0.5mm程度のアクリルから形成される。副導光路13aは、主導光路12aより液晶パネル1の中央側で、液晶パネル1と光源モジュール10との間に配置される。また、副導光路13aは、光源モジュール10のクリップ103により、フレーム101と垂直に支持される。
【0045】
副導光路13aは、LED光源102aの直上ではなく、ずれた位置に配置され、LED光源102aが照射する光の少なくとも一部が副導光路13aに入射する。副導光路13aは主導光路11aより薄く、しかも、LED光源102aからずれて配置されるため、副導光路13aに入射する光量は主導光路12aに入射する光量より少なく、例えばLED光源102aが照射する光の1%程度である。副導光路13aとLED光源102aとの距離を調整したり、副導光路13aのLED光源102a側の側面に反射ドット(反射部材)を適切に印刷したりして、副導波路13aに入射する光の量を調整してもよい。
これにより、液晶パネル1上に照度ムラが生じるのを抑制できる。
【0046】
副導光路13aに入射した光は、液晶パネル1と対向する面から出射し、副導光路13aと対向する液晶パネル1の領域およびその近辺の領域(第2の領域)を照明する。できるだけ液晶パネル1の広い領域を照明できるよう、液晶パネル1と副導光路13aの上端面との間には空間を設けてもよい。
【0047】
図2および図3に戻り、光学シート14は、例えば光拡散フィルムであり、液晶パネル1に対向して、その直下に配置される。光学シートにより光の利用効率を向上できる。
【0048】
なお、主導光路11aと副導光路13aとの間隔を一定に保つために、これらの間に光学シート(不図示)を挟んでもよい。また、光源モジュール10と導光板12a,12bとの間に、クリアランスを一定に保つためのスペーサ(不図示)を挿入してもよい。スペーサの素材は、導光板12の熱膨張を考慮して、弾性を有する素材であることが望ましい。さらに、導光板12a,12bとシャーシ15a,15bとの間にそれぞればねを設けて、構造を安定させてもよい。
【0049】
図6は、バックライト装置6のレイパスを示す図である。
【0050】
図6(a)は、LED光源102aから照射される光のうち、主導光路11aに入射する光のレイパスを示している。この光は主導光路11aの側面で全反射しながら拡散し、外側に漏れ出ることなく三角プリズム形状の端面112aに到達する。光は端面112aで液晶パネル1に沿ってほぼ平行な方向かつ縁側に反射し、導光板12aに入射する。導光板12aには下面に拡散部材122aが塗布されており、拡散部材122aで拡散した光が導光板12aの上方に出射する。
【0051】
このようにして、主導光路11aに入射した光により、液晶パネル1のうち、導光板12aと対向する領域(第1の領域)20が照明される。一方、端面112aは光を透過しないため、主導光路11aと対向する、領域20より液晶パネル1の中央側の領域(第2の領域)21は、主導光路11aに入射した光にはほとんど照明されない。
【0052】
図6(b)は、LED光源102aから照射される光のうち、副導光路13aに入射する光のレイパスを示している。この光は副導光路13aの側面で全反射しながら拡散し、外側に漏れ出ることなく、液晶パネル1と対向する面から出射される。そして、さらに空気層中で拡散して、導光板12aと対向しない領域、言い換えると、主導光路11aおよび副導光路13aと対向する領域21を照明する。
【0053】
すなわち、主導光路11aに入射した光は主導光路11aの上方の領域21をほとんど照明できないが、副導光路13aに入射した光により領域21を照明できる。また、副導光路13aをLED光源102aからずらして配置したり、副導光路13aを主導光路11aより細く形成したりすることで、領域21を照明する光の量を調整でき、液晶パネル1に照度ムラが生じるのを抑制できる。
【0054】
以下、変形例をいくつか示す。
【0055】
図7(a)に斜視図を、同(b)に断面図を示すように、副導光路13aの上端面にレンズキャップ16のような拡散部材を配置し、副導光路13aから出射される光の輝度分布を制御してもよい。また、図8に示すように、液晶パネル1と、副導光路13a,13bの上端面との間に拡散板17のような拡散部材を配置してもよい。
【0056】
図9は、図4の変形例であるバックライト装置61および液晶パネル1の断面図である。 バックライト装置61の光源モジュール10’は、主導光路11a用のLED光源102aに加え、LED光源104aと、LED光源105aとを有する。LED光源(第2の光源)104aは副導光路13a用に配置される。また、主導光路11aの、副導光路13aとは反対側の側面に対向して、副導光路18aがさらに配置される。LED光源102aから照射される光量に比べ、LED光源104a,105aから照射される光量は少ない。
【0057】
また、LED光源102aから照射された光が副導光路13aに入射しないよう、また、LED光源104aから照射された光が主導光路11aに入射しないよう、LED光源102aとLED光源104aとの間に遮光板106aを設けてもよい。同様に、LED光源102aとLED光源105aとの間に遮光板107aを設けてもよい。
【0058】
図10は、図9のバックライト装置61のレイパスを示す図である。図6(b)と同様に、副導波路13aから出射した光は領域21を照明する。図9のバックライト装置61では、副導光路13aに専用のLED光源104aを設けるため、その光量をLED光源102aとは独立して制御できる。結果として、主導光路11aおよび副導光路13aの上方の領域21の照度を細かく調整でき、液晶パネル1上の照度ムラをさらに低減できる。
【0059】
また、LED光源105aから副導光路18aに入射した光は、液晶パネル1と対向する面から取り出され、主導光路11aの出射面と導光板12aの入射面との接合部分上方およびその近傍の領域(第3の領域)22を照明する。領域22では、導光板12aに入射した光が十分には拡散しておらず、暗くなることもある。この場合には、LED光源105aおよび副導光路18aを設けることで、液晶パネル1の照度ムラを抑制できる。
【0060】
図11は、図4の別の変形例であるバックライト装置62および液晶パネル1の断面図である。同図のバックライト装置62は、主導光路として曲面形状のライトチューブ11a’を有する。ライトチューブ11a’は、LED光源102aと対向し、光が入射する入射面111a’と、導光板12aと対向し、光が出射する出射面113a’と、入射面から出射面へ光を導く曲面形状の導光路114a’とを有する。また、バックライト装置62が副導光路を有する場合、これも曲面形状のライトチューブ13a’とする。部品点数を減らすために、例えば、矩形のアクリル板を加熱しながら曲げることで、一体となったライトチューブ11a’および導光板12aを形成してもよい。なお、バックライト装置62においても、ライトチューブ11a’用のLED光源とライトチューブ13a’用のLED光源とを別個に設けてもよい。
【0061】
図12は、図11のバックライト装置62のレイパスを示す図である。LED光源102aからライトチューブ11a’へ照射された光の大部分は、ライトチューブ11a’に導かれて導光板12aに入射する。ただし、導光路114a’の外側の曲面115a’から光の一部が漏れて透過し、液晶パネル1のライトチューブ11a’上の領域20を照明する。液晶パネル1へ漏れる光の量は、例えばライトチューブの半径により制御できる。
これにより液晶パネル1の照度ムラを抑制できる。バックライト装置62では、LED光源102aと、ライトチューブの曲面115a’が、領域20を照明する手段となる。
【0062】
さらに副導光路としてライトチューブ13a’を設けてもよい。LED光源102aからライトチューブ13a’に入射した光が導光路114a’の内側の曲面116a’および外側の曲面11a5’を通過して、領域20および領域21を照明し、液晶パネル1の照度ムラを抑制してもよい。
【0063】
図13は、図11の変形例であるバックライト装置63および液晶パネル1の断面図であり、図14は、そのレイパスを示す図である。図13に示すバックライト装置63は、ライトチューブ11a’,11b’の間に副導光路13が配置される。そして、副導光路13から出射して拡散した光により液晶パネル1の領域21を照明してもよい。図13に示すように副導光路13専用のLED光源106を設けてもよいし、LED光源102a,102bから照射される光の一部が副導光路13に入射するようにしてもよい。
【0064】
図15は、図4の変形例であるバックライト装置64および液晶パネル1の断面図であり、図16は、そのレイパスを示す図である。図13に示すバックライト装置64は、主導光路11aと導光板12aとの間に副導光路13aが配置される。副導光路13aの上端を光学シート14(光学シート14を設けない場合は液晶パネル1)に近接させ、導光板12aの液晶パネル1と対向する上面より上側に、副導光路13aの出射面131aがあるようにするのが望ましい。光の直進性を向上させるために導光板12aの上面にプリズム形状のスリット溝123aが形成されている場合、副導光路13a上端の出射面131aから出射した光が導光板12aの下面あるいは主導光板11aと対向する面121aから入射してしまうと、スリット溝123aで光が散乱してしまうためである。主導光路11aから出射して導光板12aに入射した光が副導光路13aを横切るが、この光と副導光路13aを通る光とが、互いに干渉することはない。
【0065】
このように、本実施形態では、液晶パネル1の下に光源を設け、光源から照射される光を液晶パネル1に沿う方向に導く主導光路11a,11bを設けるため、光源を液晶パネル1の側方に配置する必要がなく、ベゼルを薄くすることができる。また、主導光路11a,11bを通る光には照明されない液晶パネル1上の領域を照明し、液晶パネル1の照度が均一となるように照明する手段を設けるため、液晶パネル1上に照度ムラができるのを抑制できる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0067】
6 バックライト装置
10 光源モジュール
101 フレーム
102a,102b,104a,105a LED光源
103 クリップ
11a,11b 主導光路
11a’ ライトチューブ
12a,12b 導光板
123 スリット溝
13,13a,13b,13a’,18a 副導光路
14 光学シート
15a,15b シャーシ
16 レンズキャップ
17 拡散板
110 画像表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学シートと、
前記光学シートと対向して配置される光源と、
前記光源から照射される光を前記光学シートに導く第1の導光手段と、を備え、
前記第1の導光手段は、
前記光源と対向し、前記光源からの光が入射される入射面と、
前記光学シートと対向する出射面と、
前記入射面から前記出射面へ光を導く曲面形状の湾曲部と、を有し、
前記光源から前記第1の導光手段へ入射された光の一部は、前記湾曲部の外側から漏れて前記光学シートへ到達する、バックライト装置。
【請求項2】
前記第1の導光手段により導かれる光は、前記光学シートの縁に近い第1の領域へ出射され、
前記湾曲部の外側から漏れた光は、前記光学シートの前記第1の領域より中央に近い第2の領域へ到達する、請求項1に記載のバックライト装置。
【請求項3】
前記湾曲部の外側から漏れた光は、前記光学シートの、前記湾曲部と対向する領域へ到達する、請求項1または2に記載のバックライト装置。
【請求項4】
前記光源は、前記光学シートの略中央と対向して配置される、請求項1乃至3のいずれかに記載のバックライト装置。
【請求項5】
前記光学シートへ到達する光の照度ムラが抑制されるよう、前記湾曲部の曲率が調整されている、請求項1乃至4のいずれかに記載のバックライト装置。
【請求項6】
前記光源から照射される光を前記光学シートに導く第2の導光手段を備え、
前記第1の導光手段により導かれる光は、前記光学シートの縁に近い第1の領域へ出射され、
前記第2の導光手段により導かれる光は、前記光学シートの前記第1の領域より中央に近い第2の領域へ到達する、請求項1乃至5のいずれかに記載のバックライト装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のバックライト装置と、
前記光学シートと対向して配置される表示パネルと、を備える表示装置。
【請求項8】
放送波を受信してチューニングするチューナを備え、
前記表示パネルは、前記チューニングされた放送波を表示する請求項7に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−55057(P2013−55057A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−194027(P2012−194027)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2011−189604(P2011−189604)の分割
【原出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】