説明

バッグシーリングテープおよび該バッグシーリングテープを用いた結束装置ならびに結束方法

【課題】開封時に袋などの被結束体を破損することなく、反復使用が可能であり、かつ、分別廃棄が不要なバッグシーリングテープおよび該バッグシーリングテープを用いた結束装置ならびに結束方法を提供すること。
【解決手段】粘着領域と、非粘着領域とからなるバッグシーリングテープであって、
前記粘着領域が、基材フィルムの表面に、当該基材フィルムの長尺方向に飛び石状に設けられてなるバッグシーリングテープおよび該バッグシーリングテープを用いた結束装置ならびに結束方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグシーリングテープおよび該バッグシーリングテープを用いた結束装置ならびに結束方法に関する。さらに詳しくは、被結束体を破損することなく、反復使用可能なバッグシーリングテープおよび該バッグシーリングテープを用いた結束装置ならびに結束方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パン・菓子類、野菜、果物、生麺、冷凍食品などをビニール袋等に袋詰めした被結束体を、結束装置を用いて、その袋口(袋のネック)を片面粘着テープにて結束することが行われている。この場合、粘着テープを被結束体のネックに輪掛けして、粘着テープの両端の粘着領域を互いに重ね合わせて貼着しているため、開封時に、この粘着テープが剥れ難く、内容物を取り出すために、袋を破ったり、あるいは粘着テープや被結束体をはさみ等で切断したりすることが多い。したがって、被結束体の開封に手間がかかり、しかも内容物の残りを保存するには、他の容器に移さなければならなかった。
【0003】
また、被結束体のネックに捲回し、その両端部を互いに捩り合わせて被結束体を結束し、内容物を取り出す際にはその捩り部を解きほぐして開封する、反復使用可能な金属製の芯体(例えば針金)を有する樹脂製結束資材も知られているが、かかる結束資材は廃棄の際に針金と樹脂の分別が必要であり利便性が悪いという問題がある。
【0004】
かかる問題を解決するために、特許文献1には、開封時に容易に引き裂くことが可能な結束構造および結束装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−335307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の結束構造によれば、袋を破損する可能性は軽減されているものの、反復使用ができず、内容物が残った場合の保存性に関して十分な解決は図られていない。
【0007】
そこで、本発明は、開封時に袋などの被結束体を破損することなく、反復使用が可能であり、かつ、分別廃棄が不要なバッグシーリングテープおよび該バッグシーリングテープを用いた結束装置ならびに結束方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のバッグシーリングテープは、粘着領域と、非粘着領域とからなるバッグシーリングテープであって、
前記粘着領域を構成する粘着層が、基材フィルムの表面に、当該基材フィルムの長尺方向に飛び石状に固着されてなることを特長とする。当該バッグシーリングテープは、ユーザーが結束体を開封する際に、非粘着領域を容易に把持することが可能であり、開封時の利便性がよい。
【0009】
前記粘着層同士が粘着した際の剥離に要する剥離強度(A)が、前記粘着層と前記基材フィルムとの固着強度(B)よりも小さいことが好ましく、前記剥離強度(A)が0.1〜10N/10mmであることがさらに好ましい。当該バッグシーリングテープは、ユーザーが結束体を開封する際に、基材フィルムに固着された粘着領域を引き剥がすことがないため、残った内容物を再度結束して保存する場合において、より確実に本発明のバッグシーリングテープを反復使用することが可能となる。
【0010】
バッグシーリングテープの長尺方向における
前記粘着領域と、前記非粘着領域との長さの比が9:1〜1:1.5であることが好ましい。当該バッグシーリングテープは、余分な粘着領域および非粘着領域がないことから、歩留まりがより向上する。
【0011】
前記非粘着領域が、切断基準位置を有し、該切断基準位置で切断された前記非粘着領域のそれぞれを第一の非粘着領域および第二の非粘着領域としたときの、前記第一の非粘着領域の長さ(h1)と前記第二の非粘着領域の長さ(h2)は、ユーザーが無理なく把持しうる長さであることが好ましい。また、両非粘着領域の長さの差(h1−h2)は、ユーザーが把持部を左右もしくは上下、すなわち相対する位置方向に広げながら結束部を開封しようとする際に、重なり合った両把持部を認識しやすく、かつ摘みやすくするために設けるものであるが、非粘着領域の全面もしくは一部分にエンボス加工を施すなどして、結束後に重なり合う両把持部の間に空隙を設けるなどしてもよい。これにより、把持する際の利便性が向上する。
【0012】
前記粘着領域が、前記基材フィルムの幅方向を横断する領域であることが好ましい。当該バッグシーリングテープは、粘着領域が幅方向に横断していることにより、結束体を寄り確実に結束することができる。
【0013】
また、本発明の結束装置は、バッグシーリングテープを用いた結束装置であって、
前記バッグシーリングテープが、粘着領域と、非粘着領域とからなり、前記粘着領域が
、基材フィルムの表面に、当該基材フィルムの長手方向に飛び石状に設けられてなり、
捲回された前記バッグシーリングテープを保持するテープ保持具と、切断手段と、切断基準位置調整手段とを有し、
前記切断基準位置調整機構は、前記切断手段により前記バッグシーリングテープが切断される際に得られるそれぞれの非粘着領域を第一の非粘着領域および第二の非粘着領域としたときに、前記第一の非粘着領域の長さ(h1)と前記第二の非粘着領域の長さ(h2)との差(h1−h2)が、ユーザーが把持部として認識しうる長さで切断されるよう切断基準位置を調整し、
前記切断手段は、前記切断基準位置調整機構により切断基準位置が調整された前記バッグシーリングテープを、調整後の前記切断基準位置で切断する手段であることを特徴とする。当該結束装置は、前記バッグシーリングテープを用いて被結束体を結束する際に、ユーザーが把持しうる程度に非粘着領域の長さに差(h1−h2)を設けることができ、結束体の開封を容易とする。
【0014】
前記切断基準位置調整機構が、
歯車状の巻付ローラと、保持部と、該保持部に設けられたピストン機構とを有し、
前記巻付ローラの歯車の先端部は、前記巻付ローラの歯車を包絡するように前記バッグシーリングテープが配置された状態で、包絡された前記バッグシーリングテープを介して前記保持部と当接し、
該ピストン機構は、前記歯車の先端部と前記保持部とが当接した状態で、包絡した前記バッグシーリングテープを、前記歯車の谷部方向に付勢することにより、切断基準位置を調整する機構であることが好ましい。当該結束装置は、より確実にバッグシーリングテープの切断基準位置調整することができ、確実な結束の再現性が向上する。
【0015】
前記巻付ローラの前後に把持機構がさらに設けられてなり、
該把持機構は、前記バッグシーリングテープの非粘着部を把持し、前記バッグシーリングテープの移動量を制御するストッパーとして機能することが好ましい。当該結束装置は、たとえば本結束装置をオートメーション化し、結束体を大量生産する場合においてもより確実にバッグシーリングテープの切断基準位置を調整することができる。
【0016】
また、本発明の結束方法は、バッグシーリングテープを用いた結束方法であって、
前記バッグシーリングテープが、粘着領域と、非粘着領域とからなり、前記粘着領域が、基材フィルムの表面に、当該基材フィルムの長尺方向に飛び石状に設けられてなり、
(1)捲回された前記バッグシーリングテープを保持するテープ保持具から、切断基準位置調整機構により前記バッグシーリングテープを引き出す引出工程と、
(2)該引き出されたバッグシーリングテープを、被結束体を誘導する谷部を有する歯車状の巻付ローラに誘導し、
前記被結束体を、誘導された前記バッグシーリングテープを介して前記谷部に押し当てながら誘導し、結束する結束工程と、
(3)前期巻付けローラの後段に設けられた切断手段により、当該切断手段により切断される際に得られるそれぞれの非粘着領域を第一の非粘着領域および第二の非粘着領域としたときに、前記第一の非粘着領域の長さ(h1)と前記第二の非粘着領域の長さ(h2)との差(h1−h2)が、ユーザーが把持部として認識しうる長さとなるように切断する切断工程とを有することを特徴とする。該結束方法は、前期バッグシーリングテープを用いて被結束体を結束する際に、ユーザーが把持部を認識しうる程度に非粘着領域の長さに差(h1−h2)を設けることができ、結束体の開封を容易とする。
【0017】
前記切断基準位置調整機構が、
歯車状の巻付ローラと、保持部と、該保持部に設けられたピストン機構とを有し、
前記巻付ローラの歯車の先端部は、前記巻付ローラの歯車を包絡するよう前記バッグシーリングテープが配置された状態で、包絡された前記バッグシーリングテープを介して前記保持部と当接し、
該ピストン機構は、歯車の先端部と前記保持部とが当接した状態で、包絡した前記バッグシーリングテープを、前記歯車の谷部方向に進退するように付勢することにより、切断基準位置を調整する機構であることが好ましい。当該結束方法は、より確実にバッグシーリングテープの切断基準位置を調整することができ、確実な結束の再現性が向上する。また、たとえば本結束方法を用いて生産ラインをオートメーション化し、結束体を大量生産するばあいにおいてもより確実にバッグシーリングテープの切断基準位置を調整することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、開封時に袋などの被結束体を破損することなく、反復使用が可能であり、かつ、分別廃棄が不要なバッグシーリングテープおよび該バッグシーリングテープを用いた結束装置ならびに結束方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のバッグシーリングテープの一実施形態(実施の形態1)にかかるバッグシーリングテープの側面図
【図2】本発明のバッグシーリングテープの一実施形態(実施の形態1)にかかるバッグシーリングテープの平面図
【図3】本発明のバッグシーリングテープの一実施形態(実施の形態2)にかかるバッグシーリングテープの側面図
【図4】本発明の結束装置の一実施形態(実施の形態3)にかかる結束装置を説明するための模式図
【図5】本発明の結束装置の一実施形態(実施の形態3)にかかる結束装置を説明するための模式図
【図6】本発明の結束装置の一実施形態(実施の形態3)にかかる結束装置を用いて結束される結束体を説明するための模式図
【図7】本発明の結束装置の一実施形態(実施の形態3)にかかる結束装置の切断基準位置調整機構を説明するための模式図
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかるバッグシーリングテープ1を図1および図2に示す。本実施の形態にかかるバッグシーリングテープ1は、粘着領域2と、非粘着領域3とからなるバッグシーリングテープであって、前記粘着領域2を構成する粘着層2aが、基材フィルム4の表面に、当該基材フィルム4の長尺方向に飛び石状に固着されてなる。すなわち、基材フィルム4の表面に粘着剤が塗布されることにより、粘着層2aが形成されて粘着領域2を構成し、塗布されていない領域が非粘着領域3を構成している。
【0021】
基材フィルム4は長尺のフィルムであり、その材質としては特に限定されないが、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン等の芳香族ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルローストリアセテート等の合成樹脂、ポリ乳酸等の生分解性樹脂からなるフィルム、紙、不織布、布、もしくはこれらの1種または2種以上を積層したものが挙げられ、適度な硬さを有し、被結束体5を結束しやすい観点から、PET、ニ軸延伸ポリプロピレン(OPP)が好ましい。
なお、これら基材に着色、印字、印刷などを適宜施したものを選択して採用することができることはいうまでもない。
本実施の形態ではPETが使用されている。基材フィルム4の厚さとしては、16μm〜100μmが好ましく、20μm〜75μmがさらに好ましく、25μm〜50μmが特に好ましい。16μmよりも薄い場合、テープにコシがなく、被結束体5に巻きつけにくい、伸びる、切れる、などの問題が発生する傾向があり、100μmよりも厚い場合、硬すぎて被結束体5に巻きつけにくい傾向がある。
【0022】
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、半固状アクリル系共重合体、ゴム系粘着剤、ホットメルト系粘着剤、エマルジョン系粘着剤、UV硬化型粘着剤などを挙げることができ、初期接着力に優れる観点から、ゴム系粘着剤が好ましい。本実施の形態ではゴム系粘着剤が使用されている。
【0023】
粘着剤には、必要に応じて天然ゴムをベースポリマーとして、その他ポリマー、粘着付与樹脂、老化防止剤、無機充填剤、軟化剤などを配合することが好ましい。
【0024】
その他ポリマーとしては、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴムなどが挙げられ、その配合量は、粘着剤100重量部に対して30〜90重量%である。本実施の形態では、天然ゴムを15重量
%、スチレン−ブタジエン共重合ゴムとしてアメリポール1013Nを30重量%、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴムとしてクインタック3433Nを15重量%使用している。
【0025】
粘着付与樹脂としては、水素化石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、クマロン・インデン系樹脂などが挙げられ、その配合量は、粘着剤100重量部に対して10〜70重量%である。本実施の形態では、水素化石油樹脂としてアルコンP−100を5重量%、アルコンP−90を10重量%、テルペン−フェノール系樹脂としてYSレジンPX1000を13重量%使用している。
【0026】
老化防止剤の配合量は、粘着剤100重量部に対して0.1〜10重量部であり、本実施の形態ではヨシノックス425を1重量%、無機充填剤である亜鉛として亜鉛華3号を10重量部、顔料である酸化チタンとしてクロノスKA−10を1重量部使用している。
【0027】
粘着層2aの厚さとしては、10μm〜25μmが好ましく、15μm〜20μmがさらに好ましく、17μm〜20μmが特に好ましい。10μmよりも薄い場合、粘着力が充分でなく、結束不良が生じる傾向があり、25μmよりも厚い場合、粘着力が強すぎて袋を開封することが困難となったり、開封の際に被結束体5を損傷するなど本発明の目的とする、被結束体5を損傷せず、容易に開封できて再結束が可能、を実現できない傾向がある。
【0028】
基材フィルム4に粘着剤を塗布する方法としては、特に限定されないが、種々汎用される方法、たとえば、はけ、ヘラ、ローラー、コーキングガンなどの器具を用いた塗布方法のほか、大量生産に対応するためにエアスプレー、ノズルスプレー、ロールコーター、ビードなど専用の設備を用いた塗工方法を採用することができる。本実施の形態ではダイコーターにより塗工している。なお、粘着剤を塗工する前に必要に応じてプライマーなどを塗工することが好ましい。
【0029】
図2に示されるように、本実施の形態では、粘着領域2は、基材フィルム4の表面に、基材フィルム4の長手方向に飛び石状に設けられてなる。これにより、たとえば非粘着領域3のたとえば切断基準位置Cにて切断し、被結束体5を結束した場合に、粘着領域2が充分に被結束体5を結束でき、かつ、切断後のバッグシーリングテープ1の端部に非粘着領域3が現れるよう構成することができる。そのため、ユーザーが端部の非粘着領域3を容易に把持することが可能であり、開封時に袋やバッグシーリングテープ1そのものを破損することがない。
【0030】
ここで、粘着領域2同士を粘着した際の剥離に要する強度を剥離強度(A)とし、粘着領域2と基材フィルム4との固着強度を固着強度(B)とした場合において、剥離強度(A)が、剥離強度(B)よりも小さいことが好ましい。前記剥離強度(A)は0.1〜10N/10mmであることがさらに好ましく、1〜8N/10mmであることが特に好ましく、3〜5N/10mmであれば極めて好ましい。剥離強度(A)が剥離強度(B)よりも小さく構成させていることにより、たとえば被結束体5を結束する際に、被結束体5の太さ(胴回り長さ)よりも粘着領域2の長さが長く、その結果粘着領域2同士が接着されるような場合であっても、結束を解除する際に片方の粘着領域2が他方の粘着領域2と強く粘着して基材フィルム4から粘着領域2を引き剥がしてしまうことがない。その結果、再度の結束が可能となり、反復使用が実現しうる。
【0031】
粘着領域2の長さは、被結束体5の太さ(胴回り長さ)により調整する必要があり、特に限定されないが、一般的には40〜90mm程度の長さがあり、その長さに対して最低でも5〜10mm程度の非粘着領域3が必要である。非粘着領域3の長さについても特に制限されないが、ユーザーが把持しうる長さであり、かつ、非粘着領域3の長さが長くなりすぎると必然的に粘着領域2の長さが短くなってしまい、結束不良の一因となってしまうため、かかる問題が生じない範囲であればよい。比率で表わすとすれば、粘着領域2と非粘着領域3との長さの比は、9:1〜1:1.5であることが好ましく、7:1〜1:1.2であることがさらに好ましく、4:1〜1:1であることが特に好ましい。粘着領域2の長さと非粘着領域3の長さの和(以下、1ピッチという)は、45mm〜100mm程度が好ましく、60mm〜90mmがさらに好ましく、70〜85mmが特に好ましい。前述の長さの比との関係から、1ピッチ長さが45mmよりも小さい場合、非粘着領域3が極端に短くなり、ユーザーが把持しにくい傾向がある。また、1ピッチ長さが100mmを超える場合、余分な粘着領域2および非粘着領域3を生じ、利便性が悪くなる傾向がある。
【0032】
切断基準位置Cにて非粘着領域3を切断し、それぞれ切断された非粘着領域を第一の非粘着領域3aおよび第二の非粘着領域3bとしたときに、第一の非粘着領域3aの長さ(h1)と第二の非粘着領域3bの長さ(h2)との差(h1−h2)が、ユーザーが把持部を認識しうる長さであることが好ましい。ここで、ユーザーが把持部を認識しうる長さとは、ユーザーそれぞれの得手不得手に左右されるため厳密な定義はないが、たとえば0.5mm以上であれば多くのユーザーが把持部を認識しうると考えられる。
【0033】
本実施の形態にかかるバッグシーリングテープ1によれば、開封時に袋などの被結束体5を破損することなく、反復使用が可能であり、かつ、分別廃棄が不要なバッグシーリングテープを提供することができる。
【0034】
(実施の形態2)
本実施の形態にかかるバッグシーリングテープ6を図3に示す。本実施の形態にかかるバッグシーリングテープ6は、実施の形態1にかかるバッグシーリングテープ1の粘着領域7が、基材フィルム4の幅方向を横断する領域である点以外は異なる点がない。
【0035】
本実施の形態では、粘着領域7が基材フィルム4の幅方向を横断しているため、接着面積が大きく、結束後に被結束体5から結束されたバッグシーリングテープを開封した後に特段の結束装置を用いることなくユーザーが再貼付する際に、より貼付しやすく構成されており、再貼付の際の利便性が向上されている。
【0036】
基材フィルム4、非粘着領域3などの材質、長さ、物理特性などは上記差異点以外は実施の形態1と同様であり、図3において実施の形態1と同様の参照符号を付して説明を省略する。また、粘着領域7の材質、長さ、物理特性などは実施の形態1にかかる粘着領域2と同様である。
【0037】
本実施の形態にかかるバッグシーリングテープ6によれば、実施の形態1のバッグシーリングテープ1が提供する効果に加え、粘着領域7が幅方向に横断していることにより、被結束体5をより確実に結束することができるとの効果を付与することができる。
【0038】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1にかかるバッグシーリングテープ1を用いた結束装置8および実施の形態1にかかるバッグシーリングテープ1を用いた結束方法について説明する。本実施の形態にかかる結束装置8の模式図を図4に示す。図4では、本実施の形態の結束装置8を説明するうえで特に重要でない部分(結束装置8の筐体、など)は適宜省略している。
【0039】
本実施の形態にかかる結束装置8は、バッグシーリングテープ1を用いた結束装置であって、
前記バッグシーリングテープ1が、粘着領域2と、非粘着領域3とからなり、前記粘着領域2が、基材フィルム4の表面に、当該基材フィルム4の長手方向に飛び石状に設けられてなる。前記バッグシーリングテープ1の基材フィルム4、粘着領域2、非粘着領域3などの材質、長さ、物理特性などは上記差異点以外は実施の形態1と同様であり、図4において実施の形態1と同様の参照符号を付して説明を省略する。
【0040】
本実施の形態にかかる結束装置8は、捲回された前記バッグシーリングテープ1を保持するテープ保持具9と、切断手段10と、切断基準位置調整機構11とを有する。該切断手段は、前記切断基準位置調整機構11により切断基準位置Cが調整された前記バッグシーリングテープ1を切断基準位置Cで切断する手段である。前記切断基準位置調整機構11は、前記切断手段10により前記バッグシーリングテープ1が切断される際に得られるそれぞれの非粘着領域3を第一の非粘着領域3aおよび第二の非粘着領域3bとしたときに、前記第一の非粘着領域3aの長さ(h1)と前記第二の非粘着領域3bの長さ(h2)との差(h1−h2)が、ユーザーが把持部Gを認識しうる長さに切断するよう切断基準位置を調整する機構である。
【0041】
バッグシーリングテープは、結束装置8に装填される際は、図3に示されるように、テープ保持具に捲回された状態で、結束装置8の筐体(図示せず)に保持されている。テープ保持具から引き出されたバッグシーリングテープは、ガイドローラを介して後段の切断基準位置調整機構へ送られ、被結束体5を結束した後に切断手段により切断される。
【0042】
切断基準位置調整機構は、切断手段によりバッグシーリングテープが切断される際に得られる非粘着領域3をそれぞれ第一の非粘着領域3aおよび第二の非粘着領域3bとしたときに、前記第一の非粘着領域3aの長さ(h1)と前記第二の非粘着領域3bの長さ(h2)との差(h1−h2)が、ユーザーが把持部Gを認識しうる長さに切断するよう切断基準位置Cを調整する機構である。
【0043】
切断基準位置調整機構11は、歯車状の巻付ローラ12と、保持部13と、該保持部13に設けられたピストン機構14とを有し、巻付ローラ12の歯車の山部12aは、図4に示されるように、巻付ローラ12の歯車の山部12aを包絡するようバッグシーリングテープ1が配置された状態で、包絡されたバッグシーリングテープ1を介して保持部13と当接しており、ピストン機構14は、歯車の山部12aと保持部13とが当接した状態で、包絡したバッグシーリングテープ1を、歯車の谷部12b方向に進退するよう付勢し、切断基準位置Cを調整する機構である。
【0044】
図4に示されるように、被結束体5は、バッグシーリングテープ1を包絡させた巻付ローラ12の谷部12bに誘導される。誘導された被結束体5は、被結束体5の表面にバッグシーリングテープ1の粘着領域2が粘着する。このように押し当てられた状態で、被結束体5は、巻付ローラ12が図4の時計回り方向となるよう回転される。これにより、被結束体5の周囲はバッグシーリングテープ1に包まれた状態となる。この時点で切断手段10は機能していないため、被結束体5の進行に合わせてテープ保持具9から所定長のバッグシーリングテープ1が引き出される。
【0045】
次いで、図5に示される状態まで被結束体5が進行したときに、切断手段10の切断レバー15が押圧され、切断手段10の先端に設けられた切断部10aによりバッグシーリングテープ1の非粘着領域3が切断される。その際の切断基準位置Cは、矢印Aで示された位置であり、かかる位置で切断されて得られる第一の非粘着領域3aの長さ(h1)は、図6に示されるように第二の非粘着領域3bの長さ(h2)よりも長く構成されており、ユーザーが結束体を開封する際に認識する把持部Gが設けられている。
【0046】
切断後に、切断レバー15はたとえばバネなどの付勢部材(図示せず)により切断前の位置まで戻されるが、本実施の形態では、かかる付勢部材と、ピストン機構および後述の把持機構16とが、空気を充填したシリンダー機構(図示せず)と接続されており、切断レバー15が戻る際に該シリンダー機構が協働することにより、ピストン機構14が、図7に示すように、巻付ローラ12の山部12aに包絡するバッグシーリングテープ1を歯車の谷部12b方向に押圧する。これにより、すでに所定長が引き出された新たなバッグシーリングテープ1の位置が長尺方向に微調整され、新たな被結束体5を結束するための準備が完了する。
【0047】
本実施の形態では、図4および図5に示されるように、巻付ローラ12の前段に把持機構16がさらに設けられてなる。把持機構16は、被結束体5により切断レバー15が押圧される際に、前述のシリンダー機構と協働して動作し、バッグシーリングテープ1の非粘着領域3を把持することにより、バッグシーリングテープ1の移動量を制御するストッパーとして機能する機構である。前述のとおり、バッグシーリングテープ1は、被結束体5を巻きつける際に巻付ローラ12を回転させ、所定長の新たなバッグシーリングテープ1がテープ保持具9から引き出される。また、前述のとおり切断時にシリンダー機構とピストン機構14が協働し、新たなバッグシーリングテープ1の位置が微調整される。把持機構16は、かかる微調整によりバッグシーリングテープ1の初期位置を微調整する際に、誤ってバッグシーリングテープ1が引き出されすぎないように、バッグシーリングテープ1の非粘着領域3を把持し、前記バッグシーリングテープ1の移動量を制御するストッパーとして機能する。かかる機構は、前述のピストン機構14の動作のわずか先に時差を生じて起こるようシリンダー機構が調整されてなる。これにより、バッグシーリングテープ1のより正確な初期位置調整が可能となる。
【0048】
本実施の形態にかかる結束装置8および結束方法によれば、開封時に袋などの被結束体5を破損することなく、反復使用が可能であり、かつ、分別廃棄が不要なバッグシーリングテープ1の結束装置8および結束方法を提供することができる。
【0049】
なお、実施の形態1〜3では、粘着領域を形成する方法として、基材フィルムに粘着層を形成する間欠塗工方式を採用しているが、かかる方式に限定されることはない。すなわち、基材フィルム全面に粘着層を設けた後に、粘着層の一部について粘着力を削ぐ方式を採用してもよい。粘着力を削ぐ方法としては、たとえば部分的に粉体を吹き付ける方法や、離型剤を塗布する方法、別部材(フィルム、紙など)を貼り付ける方法などが挙げられ、特に限定されることはない。また、実施の形態3においては、ピストン機構、シリンダー機構、切断手段を有するものについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、たとえばピストン機構を省略したり、シリンダー機構を省略したり、ピストン機構に代えてバネを採用することも可能である。また、これらの機構に代えてセンサー機能を設けてもよく、切断基準位置が微調整できれば、特に限定されることなく種々の機構を採用することができる。
【0050】
以下、実施例により本発明のバッグシーリングテープを具体的に説明する。
【0051】
評価方法を以下に示す。
1.自着保持力
バッグシーリングテープを幅20mm、長さ150mmに切断し、粘着層同士を貼り合せて、2kgのゴムローラーにて1往復圧着して貼り合わせる。その片側1に、#280の耐水研磨紙で研磨したSUS304鋼に貼り付けて2kgのゴムローラーで1往復圧着する。20分間静置させた後、40℃雰囲気下でもう片側に170gの荷重をかけ、落下した際の時間を測定する。
2.保持強度(ズレ距離)
ポリプロピレン製の袋(実施例において被結束体を構成する袋)を、結束装置((株)共和製、パイロンバッグシーラーエース)を用いて結束し、粘着層同士が貼り合わさった、最も袋に近い部分に印を入れる。4日間放置したあと、印と粘着層同士が剥がれた箇所とのズレ距離を測定する。
3.自着力
バッグシーリングテープを幅20mmに裁断し、粘着層同士を貼り合せて、2kgのゴムローラーにて1往復圧着し貼り合わせる。貼り合せて20分後、貼り合わせたバッグシーリングテープを引張試験機((株)島津製作所製、オートグラフAGS−J型)に固定して、300mm/minの引張速度でT型剥離し、その際の剥離力を測定して自着力とする。
4.実用試験
実施例1〜6、比較例1および比較例2で調製したバッグシーリングテープを、実施の形態3にかかる結束装置を用いて結束し、結束状態を評価した。結束状態の評価は、結束状態のバッグシーリングテープの開封しやすさを、4名のモニター(平均年齢43歳、男性2名、女性2名)で評価した。評価基準は以下のとおりである。
結束性
◎:何ら問題なく結束できる。
○:ズレ距離が気になるが、結束そのものには何ら問題はない。
△:結束されてはいるが、ズレ距離が大きく、密封性に欠ける。
×:結束が不十分、または結束できない。
開封性
◎:容易に把持部を把持でき、開封できる。
○:把持部を認識でき、開封できる。
×1:把持部を把持できない、または把持できても開封できない。
×2:開封できない、または開封の際に袋が破れる。
−:結束できなかったため評価せず。
再貼り性
◎:何ら問題なく、容易に再度貼り付けることができる。
○:わずかに粘着力が低下しているが、再度貼り付けることができる。
△:粘着力が低下しているが、再度貼り付けることができる。
−:結束できない、開封できない、袋が破れたことにより評価せず。
*袋の破れは、破れなかった物を○、破れた物を×とした。
総合評価
◎:結束性、開封性、再貼り性すべてにおいて満足できる結果である。
○:結束性、開封性、再貼り性すべてにおいてほぼ満足できる結果である。
△:個人差があるが、概ね満足できる結果である。
×:実用に供しがたい。
【0052】
使用原料を以下に示す。
基材フィルム 38μmPETフィルム(印刷なし) (二村化学株式会社製)
粘着剤 天然ゴム
クインタック3433N (日本ゼオン(株)製 ゴム)
アメリポール1013N ((株)ISP製 粘着付与剤)
アルコンP−90 (荒川化学工業株式会社製、水素化石油樹脂)
アルコンP−100(荒川化学工業株式会社製、水素化石油樹脂)
YSレジンPX1000 (ヤスハラケミカル(株)製 粘着付与剤)
ヨシノックス425 ((株)エーピーアイコーポレーション 老化防止剤)
亜鉛華3号 (正同化学工業(株)製 亜鉛、無機充填剤)
クロノスKA−10 (チタン工業(株)製 酸化チタン、顔料)
【0053】
実施例1
表1に示す原料を混合し、トルエンを混入して30℃で240分間、撹拌溶融して、粘着剤1を得た。得られた粘着剤1を、基材フィルム(厚さ38μmPETフィルム)に糊厚が20μmになるようにダイコーターを用いて塗工した後、80℃で加熱乾燥し、幅9mmにスリットして、バッグシーリングテープ1を得た。得られたバッグシーリングテープの粘着領域の長さは60mmであり、非粘着領域の長さは20mmであった。得られたバッグシーリングテープ1を用いて、自着保持力、保持強度、自着力を評価した。結果を表1に示す。また、得られたバッグシーリングテープ1を用いて、実施の形態3にかかる結束装置により被結束体(製パン業者向け仕様 食パン6枚入りPP製袋、ネック周囲の太さ32mm)を結束し、第一の非粘着領域の長さが11mm、第二の非粘着領域の長さが9mmとなるようバッグシーリングテープ1を切断し、結束を完了した。得られた結束体を実用試験に供した。結果を表2に示す。
【0054】
実施例2
表1に示す原料を混合し、トルエンを混入して30℃で240分間、撹拌溶融して、粘着剤1を得た。得られた粘着剤1を、基材フィルム(厚さ38μmPETフィルム)に糊厚が20μmになるようにダイコーターを用いて塗工した後、80℃で加熱乾燥し、幅9mmにスリットして、バッグシーリングテープ2を得た。得られたバッグシーリングテープ2の粘着領域の長さは60mmであり、非粘着領域の長さは20mmであった。得られたバッグシーリングテープ2を用いて、自着保持力、保持強度、自着力を評価した。結果を表1に示す。また、得られたバッグシーリングテープ2を用いて、実施の形態3にかかる結束装置により被結束体(製パン業者向け仕様 食パン6枚入りPP製袋、ネック周囲の太さ32mm)を結束し、第一の非粘着領域の長さが11mm、第二の非粘着領域の長さが9mmとなるようバッグシーリングテープ2を切断し、結束を完了した。得られた結束体を実用試験に供した。結果を表2に示す。
【0055】
実施例3
表1に示す原料を混合し、トルエンを混入して30℃で240分間、撹拌溶融して、粘着剤1を得た。得られた粘着剤を、基材フィルム(厚さ38μmPETフィルム)に糊厚が20μmになるようにダイコーターを用いて塗工した後、80℃で加熱乾燥し、幅9mmにスリットして、バッグシーリングテープ3を得た。得られたバッグシーリングテープ3の粘着領域の長さは69mmであり、非粘着領域の長さは11mmであった。得られたバッグシーリングテープ3を用いて、自着保持力、保持強度、自着力を評価した。結果を表1に示す。また、得られたバッグシーリングテープ3を用いて、実施の形態3にかかる結束装置により被結束体(製パン業者向け仕様 食パン6枚入りPP製袋、ネック周囲の太さ32mm)を結束し、第一の非粘着領域の長さが6mm、第二の非粘着領域の長さが5mmとなるようバッグシーリングテープ3を切断し、結束を完了した。得られた結束体を実用試験に供した。結果を表2に示す。
【0056】
実施例4
表1に示す原料を混合し、トルエンを混入して30℃で240分間、撹拌溶融して、粘着剤1を得た。得られた粘着剤を、基材フィルム(厚さ38μmPETフィルム)に糊厚が20μmになるようにダイコーターを用いて塗工した後、80℃で加熱乾燥し、幅9mmにスリットして、バッグシーリングテープ4を得た。得られたバッグシーリングテープの粘着領域の長さは60mmであり、非粘着領域の長さは20mmであった。得られたバッグシーリングテープ4を用いて、自着保持力、保持強度、自着力を評価した。結果を表1に示す。また、得られたバッグシーリングテープ1を用いて、実施の形態3にかかる結束装置により被結束体(製パン業者向け仕様 食パン6枚入りPP製袋、ネック周囲の太さ32mm)を結束し、第一の非粘着領域の長さが11mm、第二の非粘着領域の長さが9mmとなるようバッグシーリングテープ1を切断し、結束を完了した。得られた結束体を実用試験に供した。結果を表2に示す。
【0057】
実施例5
表1に示す原料を混合し、トルエンを混入して30℃で240分間、撹拌溶融して、粘着剤1を得た。得られた粘着剤を、基材フィルム(厚さ38μmPETフィルム)に糊厚が20μmになるようにダイコーターを用いて塗工した後、80℃で加熱乾燥し、幅9mmにスリットして、バッグシーリングテープ5を得た。得られたバッグシーリングテープ5の粘着領域の長さは28mmであり、非粘着領域の長さは20mmであった。得られたバッグシーリングテープ5を用いて、自着保持力、保持強度、自着力を評価した。結果を表1に示す。また、得られたバッグシーリングテープ1を用いて、実施の形態3にかかる結束装置により被結束体(製パン業者向け仕様 食パン6枚入りPP製袋、ネック周囲の太さ32mm)を結束し、第一の非粘着領域の長さが11mm、第二の非粘着領域の長さが9mmとなるようバッグシーリングテープ1を切断し、結束を完了した。得られた結束体を実用試験に供した。結果を表2に示す。
【0058】
実施例6
表1に示す原料を混合し、トルエンを混入して30℃で240分間、撹拌溶融して、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、基材フィルム(厚さ38μmPETフィルム)に糊厚が20μmになるようにダイコーターを用いて塗工した後、80℃で加熱乾燥し、幅9mmにスリットして、バッグシーリングテープ6を得た。得られたバッグシーリングテープ6の粘着領域の長さは76mmであり、非粘着領域の長さは5mmであった。得られたバッグシーリングテープ5を用いて、自着保持力、保持強度、自着力を評価した。結果を表1に示す。また、得られたバッグシーリングテープ6を用いて、実施の形態3にかかる結束装置により被結束体(製パン業者向け仕様 食パン6枚入りPP製袋、ネック周囲の太さ32mm)を結束し、第一の非粘着領域の長さが3mm、第二の非粘着領域の長さが2mmとなるようバッグシーリングテープ6を切断し、結束を完了した。得られた結束体を実用試験に供した。結果を表2に示す。
【0059】
比較例1
表1に示す原料を混合し、トルエンを混入して30℃で240分間、撹拌溶融して、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、基材フィルム(厚さ38μmPETフィルム)に糊厚が20μmになるようにダイコーターを用いて塗工した後、80℃で加熱乾燥し、幅9mmにスリットして、バッグシーリングテープ7を得た。得られたバッグシーリングテープ7は、非粘着領域のない従来のものである。得られたバッグシーリングテープ7を用いて、自着保持力、保持強度、自着力を評価した。結果を表1に示す。また、得られたバッグシーリングテープ7を用いて、実施の形態3にかかる結束装置により被結束体(製パン業者向け仕様 食パン6枚入りPP製袋、ネック周囲の太さ32mm)を結束し、貼り合したテープのエッジに1mm程度のズレが生じるようにバッグシーリングテープ7を切断し、結束を完了した。得られた結束体を実用試験に供した。結果を表2に示す。
【0060】
比較例2
表1に示す原料を混合し、トルエンを混入して30℃で240分間、撹拌溶融して、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、基材フィルム(厚さ38μmPETフィルム)に糊厚が20μmになるようにダイコーターを用いて塗工した後、80℃で加熱乾燥し、幅9mmにスリットして、バッグシーリングテープ8を得た。得られたバッグシーリングテープ8の粘着領域の長さは28mmであり、非粘着領域の長さは37mmであった。得られたバッグシーリングテープ8を用いて、自着保持力、保持強度、自着力を評価した。結果を表1に示す。また、得られたバッグシーリングテープ8を用いて、実施の形態3にかかる結束装置により被結束体(製パン業者向け仕様 食パン6枚入りPP製袋、ネック周囲の太さ32mm)を結束し、第一の非粘着領域の長さが20mm、第二の非粘着領域の長さが17mmとなるようバッグシーリングテープ8を切断し、結束を完了した。得られた結束体を実用試験に供した。結果を表2に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のバッグシーリングテープおよび該バッグシーリングテープを用いた結束装置ならびに結束方法は、パン・菓子類、野菜、果物、生麺、冷凍食品などをビニール袋等に袋詰めした被結束体を結束した後、結束体を開封する際に被結束体を破損することなく、反復使用可能である。また、分別不要な材料からなり、廃棄時の利便性もよい。
【符号の説明】
【0064】
1、6 バッグシーリングテープ
2、7 粘着領域
2a 粘着層
3 非粘着領域
3a 第一の非粘着領域
3b 第二の非粘着領域
4 基材フィルム
5 被結束体
8 結束装置
9 テープ保持具
10 切断手段
10a 切断部
11 切断基準位置調整機構
12 巻付ローラ
12a 山部
12b 谷部
13 保持部
14 ピストン機構
15 切断レバー
16 把持機構
A、C 切断基準位置
G 把持部
h1 第一の非粘着領域の長さ
h2 第一の非粘着領域の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着領域と、非粘着領域とからなるバッグシーリングテープであって、
前記粘着領域を構成する粘着層が、基材フィルムの表面に、当該基材フィルムの長尺方向に飛び石状に固着されてなるバッグシーリングテープ。
【請求項2】
前記粘着層同士が粘着した際の剥離に要する剥離強度(A)が、前記粘着層と前記基材フィルムとの固着強度(B)よりも小さい請求項2記載のバッグシーリングテープ。
【請求項3】
前記剥離強度(A)が0.1〜10N/10mmである請求項1または2記載のバッグシーリングテープ。
【請求項4】
バッグシーリングテープの長尺方向における
前記粘着領域と、前記非粘着領域との長さの比が9:1〜1:1.5である請求項1〜3のいずれか1項に記載のバッグシーリングテープ。
【請求項5】
前記非粘着領域が、切断基準位置を有し、該切断基準位置で切断された前記非粘着領域のそれぞれを第一の非粘着領域および第二の非粘着領域としたときの、前記第一の非粘着領域の長さ(h1)と前記第二の非粘着領域の長さ(h2)が、ユーザーが把持しうる長さである請求項1〜4のいずれか1項に記載のバッグシーリングテープ。
【請求項6】
前記粘着領域が、前記基材フィルムの幅方向を横断する領域である請求項1〜5のいずれか1項に記載のバッグシーリングテープ。
【請求項7】
バッグシーリングテープを用いた結束装置であって、
前記バッグシーリングテープが、粘着領域と、非粘着領域とからなり、前記粘着領域が、基材フィルムの表面に、当該基材フィルムの長尺方向に飛び石状に設けられてなり、
捲回された前記バッグシーリングテープを保持するテープ保持具と、切断手段と、切断基準位置調整手段とを有し、
前記切断基準位置調整機構は、前記切断手段により前記バッグシーリングテープが切断される際に得られるそれぞれの非粘着領域を第一の非粘着領域および第二の非粘着領域としたときに、前記第一の非粘着領域の長さ(h1)と前記第二の非粘着領域の長さ(h2)との差(h1−h2)が、ユーザーが把持部として認識しうる長さで切断されるよう切断基準位置を調整し、
前記切断手段は、前記切断基準位置調整機構により切断基準位置が調整された前記バッグシーリングテープを、調整後の前記切断基準位置で切断する手段である結束装置。
【請求項8】
前記切断基準位置調整機構が、
歯車状の巻付ローラと、保持部と、該保持部に設けられたピストン機構とを有し、
前記巻付ローラの歯車の先端部は、前記巻付ローラの歯車を包絡するように前記バッグシーリングテープが配置された状態で、包絡された前記バッグシーリングテープを介して前記保持部と当接し、
該ピストン機構は、前記歯車の先端部と前記保持部とが当接した状態で、包絡した前記バッグシーリングテープを、前記歯車の谷部方向に付勢することにより、切断基準位置を調整する機構である請求項7記載の結束装置。
【請求項9】
前記巻付ローラの前段に把持機構がさらに設けられてなり、
該把持機構は、前記バッグシーリングテープの非粘着部を把持し、前記バッグシーリングテープの移動量を制御するストッパーとして機能する請求項7または8記載の結束装置。
【請求項10】
バッグシーリングテープを用いた結束方法であって、
前記バッグシーリングテープが、粘着領域と、非粘着領域とからなり、前記粘着領域が、基材フィルムの表面に、当該基材フィルムの長尺方向に飛び石状に設けられてなり、
(1)捲回された前記バッグシーリングテープを保持するテープ保持具から、切断基準位置調整機構により前記バッグシーリングテープを引き出す引出工程と、
(2)該引き出されたバッグシーリングテープを、被結束体を誘導する谷部を有する歯車状の巻付ローラに誘導し、
前記被結束体を、誘導された前記バッグシーリングテープを介して前記谷部に押し当てながら誘導し、結束する結束工程と、
(3)前記巻付けローラの後段に設けられた切断手段により、当該切断手段により切断される際に得られるそれぞれの非粘着領域を第一の非粘着領域および第二の非粘着領域としたときに、前記第一の非粘着領域の長さ(h1)と前記第二の非粘着領域の長さ(h2)との差(h1−h2)が、ユーザーが把持部として認識しうる長さとなるように切断する切断工程とを有する結束方法。
【請求項11】
前記切断基準位置調整機構が、
歯車状の巻付ローラと、保持部と、該保持部に設けられたピストン機構とを有し、
前記巻付ローラの歯車の先端部は、前記巻付ローラの歯車を包絡するよう前記バッグシーリングテープが配置された状態で、包絡された前記バッグシーリングテープを介して前記保持部と当接し、
該ピストン機構は、歯車の先端部と前記保持部とが当接した状態で、包絡した前記バッグシーリングテープを、前記歯車の谷部方向に進退することにより付勢することにより、切断基準位置を調整する機構である請求項10記載の結束方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−76812(P2012−76812A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225260(P2010−225260)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000142034)株式会社共和 (12)
【Fターム(参考)】