説明

バッグパス流体フィルタ組立体

【課題】生産費及び材料費を減らし、より容易且つ迅速に製造され、装置の保守が容易な、バッグパス流体フィルタ組立体の提供。
【解決手段】フィルタエンクロージャ部分を含み、且つ両端を有するスリーブ11と、前記エンクロージャ部分の両端にシール可能に接続されて位置付けられる少なくとも1つの入口ポート/出口ポート14、15と、前記エンクロージャ部分内にあり、該エンクロージャ部分と係合する周辺を有するフィルタエレメント13と、から成るバッグパス流体フィルタ組立体10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタに関し、より詳細には、飲用水濾過システム用のフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
天然で純粋な状態の流体は希少である。いかなる流体でも或る程度汚染されている可能性が高く、これがその流体を意図した目的に望ましくないものにする場合がある。流体から汚染物質を除去するさまざまな方法及び装置がある。例えば、流体を蒸留して、凝縮蒸気から精製流体を得ることができる。別の手法は、流体がフィルタを通って流れるときに流体中に懸濁している汚染物質を捕捉するための微粒子フィルタの使用である。
【0003】
水は、人間の生命に不可欠な流体である。しかしながら、多くの場合、天然に存在する水は、水中に含有されている汚染物質があるため飲用ではない(飲料に適さない)。これらの汚染物質の多くは微粒子であり、一部は微生物である。微粒子は、フィルタによって捕捉しやすく、微生物を不活性化するにはUV光が一般に用いられる。
【0004】
世界中の多くの場所で、家庭、職場、及び公共の場で消費するために消費者への送水が行われている。他の状況では、地域の井戸、河川、湖、及び他の水源から水が汲み上げられる。当然ながら、開放水系(an open body of water)は言うまでもなく、地方自治体のシステムごとにも、水質は大きく異なる。消費者が自治体から処理済みの水を購入するか、又は他の供給源から無料で水を得るかに関係なく、付加的な水処理、特にフィルタ及びUV光照射を用いた水処理が強く望まれる。
【0005】
水処理システム又は装置は、概して、入水口、濾過領域、出水口、及び任意に、生存している微生物を死滅させるための紫外線(UV)光源照射領域から成る。多くの場合、水は、処理装置に入って該装置内の巡回路を進んだ後で出る。その結果、水は、そのような処理装置内の多くの内面に接触する。飲料水が接触するいかなる表面も、その表面が水を汚染しないことを確実にするために一連の厳密な基準に合格しなければならない。例えば、或る表面は、処理中の水に染み込むおそれがある製造プロセスからの油を含有している場合がある。また、工学的観点からは優れた選択であり得る材料には、アルミニウム等、水処理装置での使用を望ましくないものにするさらなる問題を有するものがある。水濾過装置を用いる目的を果たせなくすることに加えて、水に晒される表面からの汚染物質の除去は、製造費及び全体的な複雑さを増大させる。
【0006】
処理装置の入水口の下流には、「フィルタ」と一般に呼ばれる水フィルタエレメントが装着される。フィルタは概して、炭素、種々の合成繊維、又はフィルタ膜から成る。概して、フィルタを収容するための区画が装置内に確保されることで、フィルタを交換するときに容易なアクセスを可能にする。処理装置のユーザ/オペレータは、装置の目的性能を維持するためにフィルタを手作業で交換し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多くの水フィルタは、種々のサイズの粒子を捕集するように設計された内部濾過エレメントを有する剛性のハウジングを含む。これらのフィルタは、多くの場合、プラスチック樹脂から形成される構成要素を含む。これらのフィルタを作製するための成形型は、高価であり、かなり大きな生産工程を経済的に実行可能である必要があり得る。処理装置に変更を加えることは、フィルタの変更につながる可能性が高く、費用がかかり得るため回避されることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の問題は、本発明において対処され、本発明では、水流路が処理装置を通って延びて或る点でフィルタエレメントを含む1つの連続したプラスチック(PTFE等)のフィルムスリーブから構成されることで、水流路の完全性を高める。
【0009】
現在の実施の形態では、フィルムスリーブが、装置への水の流入点で始まり、そこで接続部又はポートがスリーブの前部に固定されて、給水配管との水密シールを提供する。次に、フィルムスリーブは、装置内に延び、UV光源等の種々の内部構成要素を巡った後で、フィルムスリーブのうちフィルタエレメントを収容している部分に入る。フィルタエレメントの下流では、フィルムスリーブは出口まで装置を通り抜けて、流入点で用いられるような水密シールを用いて接続部又はポートで終端する。この実施の形態によるこの流路は、装置内の表面又は材料に水が晒されないようにもし、さらに、シール、ガスケット、又は装置内の水密性を維持する他の手段からの漏れを一切なくす。この実施の形態の付加的な利益は、保守の容易さ及び整備性の向上に関する。フィルタエレメントを交換する場合、ユーザは、装置を開いて流路全体を、つまりスリーブ及びフィルタエレメントを1つのユニットとして一緒に取り外し、一体型フィルタエレメントを有する全く新しい流路を装着する。その結果、経時的に老朽化及び脆化して概してシール能力を失うことで水漏れをもたらすシール、ガスケット等を用いる他の処理装置と対照的な、全く新しい水流路が得られる。
【0010】
代替的に、フィルムスリーブを用いる流路には、分割手法があり得る。処理装置を通る流路は、複数のセグメントを含む。例えば、1つのセグメントが流入接続ポートで始まり、そこで水密シールが接続部をフィルムスリーブに固定する。続いて、スリーブは、装置に入り、フィルムスリーブ部分に収容されているフィルタエレメントに達する。フィルタエレメントスリーブセグメントを交換のために取り外すことを可能にするように、別の水密接続ポートがフィルムスリーブに固定される。フィルタエレメントスリーブ部分の他方の側には、下流のフィルムスリーブ部分に接続するための別の接続ポートがある。水密接続が、フィルムスリーブを給水配管に固定する。この手法では、フィルムスリーブは、超音波溶接又は当該技術分野で一般的な他のプラスチック−プラスチック接合を用いて接続される複数のセグメントを有する。この場合、残りのフィルムスリーブ部分が装置内にあるままで、フィルタエレメントを交換することができる。
【0011】
本発明は、水密シールを必要とする継手の数を減らすか、又は場合によってはそれらを完全になくす。
【0012】
さらに開示されるように、本発明は、水処理装置用の直通水流路であるバッグパス(bag path)流体フィルタ組立体を含み、該バッグパス流体フィルタ組立体は、少なくとも一部がUV透過性である塑性成形可能な(plastic formable)材料でできており、水の出入り用の少なくとも1つの入口及び出口流ポート接続部を有し、粒子を捕捉するためのフィルタエレメントを収容し、UV光源及びディスプレイ付き制御ユニットを任意に搭載可能であり、流量検出器測定装置を任意に有し、且つさまざまなレベルの水圧に耐えることが可能である。バッグパス流体フィルタ組立体は、生産費及び材料費を減らし、より容易且つ迅速に製造され、装置の保守を容易にする。
【0013】
本発明は任意に、流路内に流量検出器タービンを含む。
【0014】
少なくとも1つの実施の形態で、プラスチックフィルムスリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の少なくとも1片の成形可能な材料でできていることが好ましいが、現在既知であるか、又は利用可能となり得るような、若しくはフィルムスリーブ構成に適用可能である物理的特性を提供し得るような、他のプラスチック材料から構成されてもよい。
【0015】
少なくとも1つの実施の形態で、プラスチックフィルムスリーブ材料は、UV光透過性であるため、UV光をフィルムスリーブに透過させて流体流路内にあり得る微生物を不活性化することを可能にする。さらに、フィルムスリーブ材料は、劣化することなくUV光照射に耐える。この実施の形態は、UV透過性でありUV光の影響に耐えることができるフィルムスリーブ内で水を隔離する。
【0016】
別の実施の形態では、逆止弁が各入口及び出口接続ポートに加えられて、フィルタ交換又は他の保守及び組み立て中に水が逃げること及び汚染物質が入るのを防止する。
【0017】
別の実施の形態では、UV光源に対応するように、水流路がバッグパス流体フィルタのエンクロージャに加えられる。流路を有するエンクロージャは、エンクロージャ材料を劣化させることなくUV光を通過させる材料でできている。UV光源出力、水流、及び他のパラメータを制御及び測定するために、ディスプレイ付きの電子制御部がエンクロージャ表面に任意に位置付けられる。
【0018】
別の実施の形態では、バッグパス流体フィルタ組立体は、フィルタエレメントと、タービン等の水流検出器又は測定装置とを収容し、強化用シールバンドとともにシールされる。水流フィッティングが、フィルタエレメントエンクロージャに位置付けられる。エンクロージャにおける1つの流体流路は、UV光源照射領域及びUV光源(例えば、円状又は環状の電球形(circular or annular bulb shape))を含む。UV光源領域の近くには、任意のユーザディスプレイを含む電子制御部が位置付けられる。UV光照射領域のUV透過圧力窓が、UV光が処理対象の水に接触することを依然として可能にしながら、高水圧での装着及び状況のために水流領域に補強を任意に与える。
【0019】
理解を深めるために、他のさらなる特徴及びそれらの利点とともに、添付図面と併せて以下の説明を参照する。
【0020】
本明細書で概して説明及び図示されているような本開示の構成要素が多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが、容易に理解されるであろう。したがって、図1〜図16に示すような本開示の装置、システム、及び方法の実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲を制限することを意図しているのではなく、選択された実施形態を表すものにすぎない。
【0021】
本明細書中での「一実施形態」又は「実施形態」(又は同様のもの)への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性がこのようにして説明される少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中のさまざまな箇所で現れる「一実施形態で」又は「実施形態で」という語句は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。
【0022】
さらに、説明される特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施形態で任意の適当な方法で組み合わせることができる。以下の説明では、実施形態を完全に理解させるために、バッグパス流体フィルタの例等の多くの詳細が提供される。しかしながら、当業者であれば、具体的な詳細の1つ又は複数を用いずに、又は他の方法、構成要素、材料等を用いて、本開示を実施できることを認めるであろう。他の例では、本開示の態様を不明瞭にしないように、既知の構造、材料、又は動作が詳細に図示も説明もされていない。
【0023】
本開示の例示的な実施形態は、全図にわたって同様の部分が同様の符号又はその他記号で示されている図面を参照して最良に理解されるであろう。以下の説明は、ごく一例であることが意図されており、本明細書において特許請求される開示と一致する装置、システム、及びプロセスの特定の選択された実施形態を示すにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態の内部を示すための透視図である。
【図2】一実施形態の内部を示すための別の透視図である。
【図3】一実施形態の分解図である。
【図4】一実施形態の断面図である。
【図5】一実施形態の斜視図である。
【図6】一実施形態の斜視図である。
【図7】一実施形態の断面図である。
【図8】一実施形態の断面図である。
【図9】一実施形態の斜視図である。
【図10】一実施形態の断面図である。
【図11】一実施形態の断面図である。
【図12】一実施形態の分解図及び完成組立図である。
【図13】一実施形態の分解図及び完成組立図である。
【図14】一実施形態の分解図及び完成組立図である。
【図15】一実施形態の断面図である。
【図16】一実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書では、具体的な実施形態が説明されている。しかしながら、当業者であれば、特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱せずにさまざまな変更及び変化を加えることができることを理解するであろう。したがって、本明細書及び図は、限定的な意味ではなく例示的な意味でとらえるべきであり、そのような変更のすべてが、本開示の範囲内に含まれることが意図される。利益、利点、課題の解決手段、及び何らかの利益、利点、若しくは解決手段をもたらすか又はより顕著にし得る任意の要素(複数可)は、特許請求項のいずれか又はすべての重要な、必要な又は必須の特徴若しくは要素として解釈されるべきではない。
【0026】
次に図1を参照すると、1つの実施形態が提供されている。バッグパス流体フィルタ組立体1が示されている。プラスチックフィルムスリーブ2が、円筒状又は環状の形状を作るように押出成形又は他の塑性成形技法によって形成される。所望に応じて、卵形等の他の形状を用いてもよい。フィルムを構成するプラスチックは、シートフィルムに成形可能な任意のタイプ、好ましくはPTFEであり得るが、他の適当なプラスチックを用いてもよい。PTFEは、その不活性の特性及びUV特性から好ましい材料である。フィルムスリーブが所望の形状に成形されると、フィルタエレメント4が位置付けられることになる場所で、スリーブ2の外径の周りにシールバンド3が設けられる。シールバンド3は、プラスチック材料から構成されることが好ましく、超音波溶接又は他の適当な接合法によってフィルムスリーブに固定される。シールバンド3が位置付けられて固定されると、シールバンド3がフィルタエレメント4と直接一致するように、フィルタエレメント4がフィルムスリーブ2内に位置決めされる。シールバンド3は、流体がフィルタエレメント4を通って流れるときに強化・補強部材として働く。
【0027】
様々な理由の中でも特に場所及びインフラストラクチャに依拠して、給水のライン圧力が変わり得る。このように圧力が高くなる、低くなる、又は変化する可能性があるため、バッグパス流体フィルタは、妥当な限度内の圧力に耐えることができなければならない。調査及び実験に基づき、水圧は、地域によっては数ポンド/平方インチ(psi)から120psi(8気圧を超える)にまで変わり得る。したがって、エンクロージャ材料、シールバンド、及びフィルタの強度は、そのような圧力に耐えるように選択されることが好ましい。2つ割りのエンクロージャ半体は、熱溶接等の従来のプラスチック接合技法を用いて互いに融着され、フィルタの周りに位置付けられるシールバンドは、同様の方法又は必要に応じて他の方法で、接続された半体に接合される。その結果、このときフィルタが水密になり、同じく重要なことに、水路が水処理装置の他の構成要素ではなくフィルタに制限されるため、表面接触並びに汚染規定及び安全規定に関する望ましくない問題を減らす。
【0028】
したがって、汚染物質が実質的に閉じ込められることで、定期的な保守又は整備で水処理装置の水路(又は任意の他の構成要素)を洗浄する必要が減る。処理システムのユーザは、単に入水接続部及び出水接続部を切断し、消耗したフィルタ及び付属の水路を廃棄して、新しいフィルタ/水路の組み合わせと交換するだけである。取り外された流路内の汚染物質は取り外された流路内に残り、装置の清浄度が高まる。組立体が唯一の水路であるため、装置の水路に沿ったシール又はガスケットがなくなる。したがって、本開示を組み込んだ装置の製造は、依然として所望の浄水レベルを提供しつつもより単純且つ低価格にすることができ、保守及び操作をはるかに単純にすることができる。
【0029】
図2は、別の実施形態の構成を示す。バッグパス流体フィルタ組立体10が示されている。フィルムスリーブ11の本来開放している端は、超音波溶接若しくは熱溶接、又は所望であれば接着剤等の他の適当なプラスチック接合法を用いて、入口/出口ポート14の周りでシールされる。好ましくは、超音波溶接又は他のプラスチック溶融タイプシーリングを用いて、流体流路への他の成分の導入を回避する。フィルムスリーブ11によって形成される空洞内に位置付けられるフィルタ13の周りに、シールバンド12が位置付けられる。入口/出口ポート14は、プラスチックでできていることが好ましく、流体の処理装置への流入及び処理装置からの流出を可能にし、流体パイプ又はラインが接続され得る場所を提供する。さらに、ポート14は、フィルタを新品と交換するとき(例えば、フィルタエレメントが満杯のとき)等の整備中に、流体が装置から漏れるのを防止するために、逆止弁を含み得る。
【0030】
図3は、別の実施形態を示す。バッグパス流体フィルタ組立体20が、完成状態で分解図で示されている。この実施形態では、プラスチックフィルムスリーブ21が2つ割りで形成されるが、加圧成形等の塑性成形法を用いた特定の用途に望まれるように、複数の部分になるように形成されてもよい。フィルムスリーブ21の半体は、同じくプラスチック材料でできているシールバンド22で互いに順応性よく接合されるように形成される。フィルムスリーブ21の2つの半体内には、フィルムスリーブ21の2つの半体内に収まるように、フィルムスリーブの形状と一致する形状のフィルタエレメント23が配置される。フィルムスリーブ21のいずれか半分には、入口又は出口ポート24が取り付けられ、ポート24は任意に、フィルタ交換又は他の整備若しくは装着活動中等に、流体がフィルタ組立体20から漏れるのを防止するために一体型の逆止弁を含むこともできる。
【0031】
図4は、バッグパス流体フィルタ組立体30を含む実施形態の断面図である。この実施形態では半分に分けて形成されるプラスチックフィルムスリーブ31は、フィルタエレメント33を封入してシールバンド32によって互いに接合される。スリーブ31の両半体及びシールバンド32は、超音波溶接若しくは熱等の接合法、又は水若しくは他の流体接続に適した他の方法を用いて、水密シールを形成するように互いに接合される。スリーブ31のいずれか半分には、少なくとも1つの入口/出口ポート34があることで、流体をフィルタ組立体30に出入りさせる。任意に、ポート34は、装着、整備、又は保守しやすいように逆止弁又は他のクイックコネクト式のアタッチメントを含む。
【0032】
図5は、別の実施形態を示す。2つのフィルムスリーブ41がフィルタエレメント43を封入してシールバンド42で互いに接合されている、バッグパス流体フィルタ組立体40が示されている。封入されたフィルタエレメント43から流体を出入りさせるために、入口/出口ポート44がフィルムスリーブ41に取り付けられる。流体送りライン45(送入側(inbound)及び送出側(outbound))が、ポート44に取り付けられて示されており、これらは処理装置に及び処理装置から流体を搬送する。送入側すなわち供給ラインは、例えば、住宅又は飲食店におけるような給水配管に取り付けられ得る。濾過及び処理済みの水を運ぶ送出側ラインは、多くの考えられる用法の中でも特に水栓(dispenser faucet)、調理装置、又は製氷機に取り付けられ得る。
【0033】
図6は、一実施形態の別の図である。2つのプラスチックフィルムスリーブ半体51がシールバンド52で互いに接合されている、バッグパス流体フィルタ組立体50が示されている。2つのスリーブ半体51によって形成される空洞内に、フィルタエレメント53が封入される。少なくとも1つの入口/出口ポート54が、フィルムスリーブ51に取り付けられて設けられる。すべての接続部が、上記に開示したような接合法を用いて流体密且つ水密である。ポート54は、逆止弁、クイックコネクト、又は流体接続に適しており漏れを防止する他の接続法を任意に含み得る。送りライン55が、入口/出口ポート54に接続されるように位置決めされて示されている。送りライン55の両端に、ポート54と選択的に係合するもう1組のポート56が設けられることで、流体が装置に送られて濾過及び処理後に同じく装置から除去されることを可能にする。ライン55は、可撓性であり、且つ強度及び耐久性を提供しつつ可撓性を与えるプラスチック等の材料から構成され得る。任意に、ライン55は、装置内の輪郭及び経路に従って処理装置内に位置付けられて、流体を水処理装置の表面に直接接触しないように隔離することができる。交換するには、ライン55を含めて組立体を装置から取り外し、本開示の新しい組立体を空いた空洞に挿入して給水ライン及び送水ライン(送入側及び送出側)に接続し、続いて装置を本明細書に開示されている組立体の周りで閉じると、消費用の水の処理及び分配を再開する準備ができる(さらに後述する)。
【0034】
図7は、別の実施形態を示す。空洞66を有する処理装置60が示されている。空洞66内に、バッグパス流体フィルタ組立体の実施形態がある。シールバンド62によって互いに接合されてフィルタエレメント63を封入しているフィルムスリーブ61が示されている。入口/出口ポート64が、スリーブ61に接続されて、スリーブ61によって形成されるエンクロージャから流体を出入りさせる。送りライン65が、ポート64に接続されて示されている。ライン65は、装置60内の流路67に従い、流体を隔離して流体が装置60の表面に直接接触するのを防止する。ライン65は、装着及び整備しやすいように各自の接続ポートを含み得るか、又は装置60が位置付けられる(例えば、直結される(hard-connected))設置場所に一体化され得る。
【0035】
図8は、別の実施形態を示す。空洞76を有する処理装置70が示されている。空洞76内に、バッグパス流体フィルタ組立体の実施形態がある。図示のように、フィルムスリーブ71が、シールバンド72によって互いに接合されてフィルタエレメント73を封入する。入口/出口ポート74が、スリーブ71に接続されて、スリーブ71によって形成されるエンクロージャから流体を出入りさせる。送りライン75が、ポート74に接続されて示されている。ライン75は、装置70内の流路77に従い、流体を隔離して流体が装置70の表面に直接接触するのを防止する。ライン75は、装着及び整備しやすいように各自の接続ポートを含み得るか、又は装置70が位置付けられる(例えば、直結される)設置場所に一体化され得る。紫外線(UV)光源78が、装置70内に流路77に沿って設けられ、送りライン75内の流体にUV照射して流体に含まれる微生物を不活性化する。
【0036】
図9は、別の実施形態を示す。バッグパス流体フィルタ組立体(図示せず)に接続されている送りライン80が、プラスチックフィルムスリーブ81(上記組立体と同一の構成である)、入口/出口ポート82、及びUV照射窓83を含む。スリーブ81と、ポート82と、窓83との間の接続継手は、上記に開示したような方法を用いて水密である。UV光源84がUV光を放射し、UV光が窓83を通過し、そこを通過する流体が照射されることで、流体に含まれる微生物が不活性化される。ライン80は、処理装置の流路(図示せず)内に装着されて、流体が装置の表面に接触しないように流体を隔離する。
【0037】
図10は、別の実施形態を示す。プラスチックから形成されている、送りライン91を含むフィルムスリーブ90が示されている。流量検出器92が、ライン91内に位置付けられ、ライン91を通過する流体の流量を測定する。流量検出器は、フィルタエレメントの前若しくは後、又は両方で、本明細書に開示されている装置の任意の部分内に組み込まれて、流体の流量を測定し得る。流体流の測定は、フィルタ寿命測定、流体圧力、及び用法等のいくつかの理由で有用である。流量検出器92は、ライン91を通って流れる流体の力による作用を受けるように流体流路内に位置決めされる複数の羽根93を含む。羽根93の少なくとも1つは、磁石94等の測定装置を含み、これは、ライン91の外側に隣接して位置決めされている測定装置(図示せず)が流量を電子的に測定することを可能にする。代替的に、レーザ、近距離無線送信機、又は必要に応じて他の回転速度検出器等、回転運動及び/又は速度を測定する他の手段を用いてもよい。流量検出器92は、流量検出器シャーシ(図示せず)に固定されて流体流内での自由な回転を可能にする軸95を中心に回転する。
【0038】
図11は、別の実施形態を示す。プラスチックから形成されている、送りライン101を含むフィルムスリーブ100が断面で示されている。流量検出器102が、流体がそこを迂回できないようにライン101内に位置決めされる。流体が辿る唯一の通路は、羽根103を含む流体検出器102の羽根車を通って流れる通路である。上記に開示したように、少なくとも1つの羽根103も、羽根103に取り付けられている磁石104を含む。流量検出器102の軸105が、羽根車の回転を可能にする。羽根車が回転すると、磁石104は、流量検出器102に隣接しているが送りライン101の外側に位置付けられている測定装置106を通過する。磁石の通過は、この装置によって検出され、この装置がデータを記録及び測定して処理装置(図示せず)に出力する。データは、流体流情報を用いて計算することができる関連データの中でも特に、フィルタ寿命、流量、又は用法を測定するために用いられ得る。
【0039】
図12は、一実施形態によるフィルタ組立体110を示す。フィルタエレメント(図示せず)が、2つのエンクロージャ半体111によって封入されてシールバンド112によってシール固定される。給水を受けるため及び処理済みの水を組立体から出すために各エンクロージャ半体111に1つずつある、一対の流体フィッティング113が示されている。紫外線光源114が、水流路115に形成されている空洞内に配置される。流量検出器(図示せず)が、流路115内に位置付けられて、処理済みの水の流量を測定し得る。反射器116が、UV光源114に隣接して配置されて、処理対象の水に向けられないUV光を反射させてUV光照射から外部環境を守る。反射器116は、アルミニウム若しくはステンレス鋼等の金属、又はめっきされたプラスチック等の任意の他の適当な反射性材料でできていてもよく、さまざまな締結手段を用いてUV光源114の周りに固定される。電子制御部117が、UV光源114に隣接して位置付けられ、流量検出器によって測定される流体流量を監視する機器を含み得るとともに、電源オン/オフ、フィルタ残存寿命表示、並びに処理装置の必要に応じて他の制御及び表示等、処理装置を操作するための付加的な制御及び表示も提供し得る。
【0040】
図12に示す実施形態は、先の実施形態のようにUV水処理及び微粒子濾過を含む。入ってくる水は、入口フィッティング113を経て流路115に入り、UV光源114に隣接する通路に通される。エンクロージャ材料が、PTFE材料を劣化させることなくUV光を透過させることができるため、水中にいる可能性がある微生物が不活性化される。水が流路のUV処理部分を通過する前に、水は、半体111によって形成されるエンクロージャに入り、フィルタ(図示せず)によって粒子状物質を濾過されてから、出口フィッティング113を通ってエンクロージャから出て、水栓又は他のディスペンサ等の最終分配場所に至る。反射器116は、UV光源114の外側に位置決めされて、エンクロージャ及び水流路に向かって本来投射されない光を水流路に向けて戻す。さらに、反射器は、UV光がフィルタを超えて逃げるのを防止する。UV光源114及び反射器116の近くには、光源及び設けられている場合には流量検出器タービンの監視装置用の、電子制御部117が配置される。電子制御部は、水の流量及びUV光源を監視し、オン/オフ及びフィルタ残存寿命表示等の付加的な機能を提供する。ユーザに視覚及び/又は聴覚情報を提供し、且つユーザが所望の動作モードに基づいて選択を行うことを可能にするディスプレイが、電子制御部に隣接して位置付けられる。
【0041】
図13は、一実施形態である、エンクロージャ半体121間に位置付けられているフィルタエレメント122とシールバンド123とを有する、完成状態のフィルタ組立体120の切取図を示す。水流路125が、互いに溶接される前の2つ割り状態で示されており、溶接後に、図示のように半体121の一方にある一対の嵌合孔に接続されて接合された両半体と平行に位置合わせされる。
【0042】
図14は、別の実施形態である、フィルタエレメント132及び流量検出器141が2つのエンクロージャ半体131によって封入されてシールバンド133によってシール及び強化されている、フィルタ組立体130の分解図及び組立図を示す。一対の流体フィッティング134が、各エンクロージャ半体131に1つずつ位置付けられる。各エンクロージャ半体131は、一体型の水流路136も含む。紫外線光源135が、反射器137及びUV透過圧力窓140の周りに配置される。流量検出器141が、水を測定してUV光照射及び処理のために圧力窓140の周りに流れるように導く。この実施形態では、小型化のために、UV光源/反射器/流量検出器レイアウトによってできる円形空洞内に制御部138及びディスプレイ139が位置付けられる。制御部138は、UV光源に電力を供給し、且つ流体の流量、フィルタ寿命、及び他の水処理に適切な情報を監視する。
【0043】
水は、フィルタの流体入口フィッティングに流入して流量検出器に入る。そこで、水は流量検出器を通って移動し、流量検出器は、実施形態によってはタービン又はプロペラのように水を回転させる。電子制御部のセンサが、流量検出器の回転を監視し、その情報を用いてユーザへの流量の表示等の他の動作を行う。水がフィルタエレメントに入ると、そこで粒子状物質が除去される。続いて、水は、流量検出器を通って移動し、流量検出器を囲むUV光源からのUV光を照射される。反射器が、向きが逸脱している光をUV透過圧力窓に向けて戻し、UV透過圧力窓は、UV光源を水及び流量検出器から隔てる。続いて、処理済みの水が、流体出口フィッティングを通ってエンクロージャから出て、ユーザによる消費又は他の目的のために分配ユニット(図示せず)に取り付けられている管に至る。
【0044】
図15は、一実施形態による断面図である。エンクロージャ151の半体がシールバンド153によって互いに結合されて強化されて示されている、バッグパス流体フィルタ組立体150が示されている。エンクロージャ151の半分には、流量検出器161が含まれる。水は、シールされたエンクロージャ151の半体を通って流れると、流量検出器161の羽根、パドル、又は他の水係合装置を流路156内に配置させることで、流量検出器を回転させ、その速度が電子制御部158によって監視されてディスプレイ159によってユーザに表示される。さらに、流量検出器は、すべての水が適切な処理のために照射されるように、水がUV光源155の近辺を均一に流れることを確実にする。エンクロージャ151の一部は、UV透過圧力窓160を含み、UV透過圧力窓160は、光源155からの紫外線を通過させて水がフィルタ152を流れるときに水を処理させる。光源155からの光は、光源155から受けた光をUV透過圧力窓160に向けて戻し、続いてUV処理部分を通過している水に向けるように、UV光源155の外側に位置付けられている反射器157によって反射される。水は、流れポート154を通って組立体に出入りする。
【0045】
図16は、一実施形態による断面図である。エンクロージャ半体171がフィルタエレメント172を封入して、シールバンド173で互いにシール及び強化されている、組立体170が示されている。少なくとも一方が吸水用であり少なくとも一方が放水用である水フィッティング又はポート174が、エンクロージャ半体171に接続されて示されている。UV光源175は、この実施形態では環状タイプであり、流体流路176に隣接して示されている。流体流路176は、複数のUV透過圧力窓180も含む。処理対象の流体へのUV光照射を強化するために、反射器177を用いて、流体流路176に直接投射されないUV光を流路176に向けて戻す。反射器177は、UV光が組立体170から逃げないよう守るという付加的な効果も有する。電子制御部178は、ユーザが組立体を操作及び監視することを可能にするディスプレイ179とともにUV光源175に隣接して位置付けられる。
【0046】
本開示の例示的な実施形態を、添付図面を参照して本明細書で説明してきたが、本開示がそれらの実施形態そのものに限定されないこと、及び開示の範囲又は趣旨から逸脱せずに当業者によってさまざまな他の変化及び変更が加えられ得ることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体フィルタ組立体であって、
フィルタエンクロージャ部分を含み、且つ両端を有するスリーブと、
前記エンクロージャ部分の前記両端にシール可能に接続されて位置付けられる少なくとも1つの入口ポート及び少なくとも1つの出口ポートと、
前記エンクロージャ部分内にあり、該エンクロージャ部分と係合する周辺を有するフィルタエレメントと、
を備える、流体フィルタ組立体。
【請求項2】
前記スリーブの周りにシールバンドをさらに備え、該シールバンドは、前記フィルタエレメントの前記周辺に対して前記スリーブをシールし、且つ流体圧力に対して前記エンクロージャ部分を補強する、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項3】
前記フィルタエンクロージャ部分は、互いにシール可能に接続される複数の副部分を備える、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項4】
前記エンクロージャ部分及び前記シールバンドは、プラスチックでできている、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項5】
前記エンクロージャ部分及び前記シールバンドは、成形可能な材料でできている、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項6】
UV光源及び反射器をさらに備える、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項7】
前記少なくとも1つの入口ポート及び前記少なくとも1つの出口ポートは、閉鎖装置を含む、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項8】
前記エンクロージャ部分及び前記シールバンドは、互いに選択的に接続される、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項9】
前記エンクロージャ部分は、UV透過性材料でできている、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項10】
前記エンクロージャ部分は、流体を該エンクロージャ部分に出入りさせるようになっている複数の流体接続部を含む、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項11】
流体流を測定する流体流測定装置をさらに備える、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項12】
電子制御ユニット及びディスプレイをさらに備える、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項13】
前記流体流は、流速を求める電子手段によって測定される、請求項1に記載の流体フィルタ組立体。
【請求項14】
バッグパス流体フィルタ組立体であって、
スリーブから形成される少なくとも1つのフィルタエンクロージャ部分と、
内面を有する前記少なくとも1つのエンクロージャ部分に流体接続される複数の流体流ポートと、
前記エンクロージャ部分の前記内面に接触するように前記エンクロージャ部分内に使い捨て可能に位置付けられるフィルタエレメントと、
流体圧力に対して前記少なくとも1つのエンクロージャ部分を選択的にシール及び補強するシールバンドと、
UV光源と、
電子制御ユニット及びディスプレイと、
前記UV光源用の反射器と、
UV透過圧力窓と、
流体流を測定する流量測定装置と、
を備える、バッグパス流体フィルタ組立体。
【請求項15】
前記少なくとも1つのフィルタエンクロージャ部分は、互いに選択的にシール可能に係合する複数のエンクロージャ副部分をさらに備える、請求項14に記載のバッグパス流体フィルタ組立体。
【請求項16】
前記少なくとも1つのエンクロージャ部分及び前記シールバンドは、プラスチックでできている、請求項14に記載のバッグパス流体フィルタ組立体。
【請求項17】
前記少なくとも1つのエンクロージャ部分及び前記シールバンドは、成形可能な材料でできている、請求項14に記載のバッグパス流体フィルタ組立体。
【請求項18】
前記少なくとも1つの入口ポート及び前記少なくとも1つの出口ポートは、閉鎖装置を含む、請求項14に記載のバッグパス流体フィルタ組立体。
【請求項19】
前記少なくとも1つのエンクロージャ部分及び前記シールバンドは、互いに選択的に接続される、請求項14に記載のバッグパス流体フィルタ組立体。
【請求項20】
前記少なくとも1つのエンクロージャ部分及び前記シールバンドの少なくとも一方は、UV透過性材料でできている、請求項14に記載のバッグパス流体フィルタ組立体。
【請求項21】
前記流量測定装置は、流速を求める電子手段を用いる、請求項14に記載のバッグパス流体フィルタ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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