説明

バブコン

【課題】荷重や力を支える材料の強度と剛性を必要以上に保持させながら構造体を軽量化すること、耐震構造においては、本発明の軽量混合材料(バブコン)を使用することにより地震及び風荷重並びに地震と風の応答の低減、または居住性を向上すること。
【解決手段】本発明は強度と剛性そして形状特性を持つ中空体(バブル)をコンクリートに混入して軽量混合材料(バブコン)を作り、この軽量混合材料の使用により必要以上の強度と剛性を持つ軽量構造体を実現する。混入するバブルの強度と剛性そして形状特性を活かすこと、作り出されたバブコンは柱や梁などの主要架構の部材に利用できることが本発明の特徴である。バブルの材質は必要な強度と剛性を持っている材料である。バブルの形状の例としては多面体、外凸形状(図2)、内凹形状(図3)、表面処理型(図5、6)、連続面型、不連続面型(図7)、補強型(図7,8)、線型(図8)、そしてこれらの形状の組合せ型である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造、橋梁、道路に関連する施設、河山、機械の構造体、および荷重や力を受ける材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築構造や土木構造物の主架構としては、鉄筋コンクリート構造、鋼構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造、鋼管充填コンクリート構造がある。鉄筋コンクリート構造は自重が大きいため、地震荷重が大きくなり地震に耐えるためには大きな部材断面が必要となる。鋼構造は軽量的であるが、一般的には全体剛性が低く揺れやすいため居住性が悪い。鉄骨鉄筋コンクリート構造と鋼管充填コンクリート構造は軽量的な構造ではなく、コンクリート構造と比べて全体剛性が低い。超高層建築物の居住性を確保するためにより大きな部材断面が必要となる場合があり、結果的には自重と地震荷重を増大することとなる。
【0003】
軽量骨材コンクリートは既に普及されているが、その消極的な構造特性のため柱や大梁などの主要部材には使用できない。コンクリート・ボイトスラブ構法は広く使用されているが、ボイト材は中空型枠の役割として使用され、強度と剛性を持たせていない。コンクリート・ボイトスラブ構法は梁柱などの耐震部材に適用できない。
【0004】
本発明のバブコンは、前述のバブルの強度と剛性及び形状特性を活かすことにより、構造体の強度と剛性を必要以上に保持させながら構造体の軽量化を実現する材料である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
構造物の振動特性はその剛性と質量に依存している。建物に作用する地震力はその質量にほぼ比例している。また、構造物の固有周期が長くなると風荷重も大きくなる傾向がある。構造体は剛性が高く或いは質量が小さくなると固有周期が短くなり、地震応答、風荷重、振動による揺れが低減できる。強度と剛性を保持させながら材料を軽量化させることは耐震と耐風上、居住性能の向上に有利である。
【0006】
構造用材料の軽量化の問題点を分析してみる。鉄筋コンクリート構造は自重が大きいため、地震荷重に耐えるために大きな部材断面が必要となる。鋼構造は軽量的であるが、一般的には全体剛性が低く揺れやすいため高層や超高層建物に利用される場合、居住性が悪い。鉄骨鉄筋コンクリート構造と鋼管充填コンクリート構造は軽量的な構造ではなく、全体剛性が比較的に低い傾向がある。超高層建築物の居住性を確保するため、より大きな部材断面が必要となる場合があり、自重が増えることは問題となる。軽量骨材コンクリートは既に普及しているが、その消極的な構造特性のため柱や大梁などの主要耐震部材には使用できない。コンクリート・ボイトスラブ構法は広く使用されているが、ボイト材は中空型枠の役割として使用され、強度と剛性を持たせていない。当然、コンクリート・ボイトスラブ構法は梁柱などの耐震部材に適用できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は強度と剛性を提供できるバブルをコンクリートに混入してバブコンを作り、このバブコンを使用した構造体の軽量化が実現できる。十分な強度と剛性を持つバブル材料が大きな見かけ体積を取れる。バブルの内部に他の軽量材料を存在させることも可能である。前記のような強度と剛性及び形状特性を活かすバブルの混入により材料の自重が減少すること、バブコンは柱や梁などの主要架構の部材に使用できることが本発明の特徴である。バブルは様々な形状を持つことが可能である。図1は球状バブルをコンクリートに混入している様子を表わしている。
【0008】
バブルの材質は必要な強度と剛性を持つ材料で構成され、その形状は自由に設計することができる。バブルの形状例として、球状、多面体、外凸形状、内凹形状、表面処理型、連続面型、不連続面型、補強型、線型、及びこれらの形状の組合せ型を挙げられる。
【0009】
多面体バブルは多角平面の組合せである。外凸形状バブルは、バブルの表面が外向きの凸の形状を示す。内凹形状バブルはその表面が内へ凹状になっている。図2は球状、図3は内凹形状バブルの例を示している。図4は球状と内凹形状バルブを同時混入している様子を示している。
【0010】
バブルがコンクリートと良好に付着させるために、バブルの表面を処理されたり表面形状を凹凸化することができる。表面処理型バブルは、バブルの表面を線或いは点状などの文様で粗面化処理すること、厚さ変化や凹凸処理することである。図5は粗面化処理の例を示し、図6は凹凸表面処理型の断面を示している。バブルを連続面で構成することは連続面型であり、幾つかの曲面や平面により組合せて出来たものを不連続面型バブルという。必要に応じて、リブや線状材などの補強材によりバブルの表面を補強することができ、これは補強型バブルという。補強材はバブル、バブルの外或いは内に付けられる。図7はリブ補強型の不連続面型バブルの一例を示している。
【0011】
線型バブルは中空体の外へ向けて伸びる線状材料を取り付けたバブルである。取り付けられた線状材料はバブルを貫通するものと貫通しないものがあり、その形状は直線と曲線である。図8は直線貫通型バブルの例を示している。
【0012】
バブコンは従来のコンクリートの換わりに使用できる。一つの構造体には異なる形状や寸法のバブルを混ぜて混入することも可能である。本発明では鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート、鋼管充填コンクリート、壁式コンクリート、プレストレストコンクリート、プレキャストコンクリート構造において、コンクリートの使用の換わりに本発明のバブコンを利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】球状バブルをコンクリート中に混入させている様子。
【図2】球状バブルの例。
【図3】内凹形状バブルの例。
【図4】球状バブルと内凹形状バブルを材料中に混入させている様子。
【図5】表面処理の例。
【図6】表面凹凸処理を持つバブルの断面の例。
【図7】リブ補強型の不連続面型バブル断面例。
【図8】線型バブルの断面例。
【符号の説明】
【0014】
101:コンクリートに混入させているバブル
102:球状バブル
103:内凹形状バブル
104:表面点状処理
105:表面凹凸処理
106:不連続面型バブル
107:補強リブ
108:線状材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強度と剛性及び形状特性を持つ中空体をコンクリートに混入し、前記中空体の強度と剛性及び形状特性により生じる前記コンクリートと中空体との付着性能と力の伝達性能を活かすことにより材料全体の強度と剛性を必要以上に保持させながらコンクリートを軽量化して出来る材料で、荷重や力を受ける部材に利用できる軽量混合材料(以下、バブコンと呼ぶ。)。
【請求項2】
請求項1に記載されているバブコンを作るためにコンクリートに混入する強度と剛性及び形状特性を持つ中空体(バブルと呼ぶ。)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−308395(P2008−308395A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181500(P2007−181500)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(507232641)
【Fターム(参考)】