説明

バンコマイシン塩酸塩の精製方法

【課題】 バンコマイシン塩酸塩の精製方法を提供する。
【解決手段】 バンコマイシンを含有する微生物醗酵液を強酸性陽イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂、アルミナ及び疎水性吸着樹脂に順次通過させて高純度のバンコマイシンを分離精製する方法。これにより、バンコマイシン塩酸塩中色素の含有量が顕著に減少した95%以上の含有量を持つ高純度のバンコマイシン塩酸塩を分離精製できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバンコマイシンを含有する微生物醗酵液から高純度のバンコマイシン塩酸塩を分離精製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バンコマイシンは、アクチノミセテス(Actinomycetes)属の微生物、例えば、アミコラトプシスオリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)種(ATCC 19795)菌株により生産されるグリコペプチド系抗生物質として葡萄状球菌(Streptococci)、連鎖状球菌(Staphylococci)、クロストリジウムディフィシルのようなグラム陽性菌及びペニシリンやセファ系の抗生物質耐性グラム陽性菌に優秀な薬効を奏する。また、手術患者及び高齢患者、免疫力の弱い人に致命的なメチシリン耐性葡萄状球菌(MRSA)の治療に効果が高いものに知られている。バンコマイシン塩酸塩は経口(液剤あるいはカプセル)または注射剤として常用されている。
【0003】
現在ヨーロッパ抗生物質医薬品基準によれば、バンコマイシンの含有量が93%以上であり、それ以外の最大不純物の含有量が4%以下である品質を持つバンコマイシンを要求している。
【0004】
従来の通常的なバンコマイシンを精製する方法は、特許文献1ないし7に開示された方法を挙げられる。この特許方法によれば、収率を高めるために醗酵液のpHを11に調整した後にろ過し、ろ液のpHを8に調整した後に2回ないし3回の吸着樹脂に通過させて溶出する。次に、溶媒を使用してバンコマイシン塩基塩結晶を収得した後、再び酸性化してアセトンまたはアルコール類の溶媒内で結晶化することによってバンコマイシン塩酸塩を製造する。しかし、このような方法を利用する場合、pHの数回の調整によってバンコマイシン塩酸塩結晶を収得し、中間体としてバンコマイシン塩基塩結晶を収得した後、再びバンコマイシン塩酸塩を収得するために工程が非常に複雑であり、かつ高いpHでバンコマイシンの安定性が問題になりうる。特に、残存した色素の影響で製品が若干赤い色を表し、純度93%以上のバンコマイシンを製造し難い。その結果、ヨーロッパ抗生物質医薬品基準に規定された品質条件を満たすバンコマイシンを生産し難い。
【0005】
本発明者らは既存に開発されたバンコマイシン精製方法の問題点を補完して高純度のバンコマイシン塩酸塩を得られる簡単かつ新たな精製方法を開発しようと集中的な研究を行った。その結果、バンコマイシンを含有する微生物醗酵液を強酸性陽イオン交換樹脂に通過させて溶出させた後、pHを酸性すなわち、pH3〜5に調整した後に弱塩基性陰イオン交換樹脂及びアルミナにより色素を除去し、疎水性吸着樹脂に順次通過させてアセトン溶媒によりバンコマイシン塩酸塩を回収することによって、pHを塩基性に変える操作によりバンコマイシン塩基塩の中間体を収得する過程なしに直接バンコマイシン塩酸塩を回収することによって、工程が単純化しつつバンコマイシンの純度も高まり、特に、大部分の色素が除去されて所期の目的を達成できることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,440,753号公報
【特許文献2】米国特許第4,845,194号公報
【特許文献3】米国特許第5,037,652号公報
【特許文献4】米国特許第5,149,784号公報
【特許文献5】米国特許第5,235,037号公報
【特許文献6】米国特許第5,258,495号公報
【特許文献7】米国特許第5,574,135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、バンコマイシンを含有する微生物醗酵液から高純度のバンコマイシン塩酸塩を簡単に精製する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、(a)バンコマイシンを含有する微生物醗酵液をpH1ないし3の条件で強酸性陽イオン交換樹脂に通過させ、pHが9ないし11であり、かつ濃度が0.05Nないし0.2Nである水酸化アンモニウム水溶液で溶出させる段階と、(b)得られた溶出液をpH3ないし5に調整した後に弱塩基性陰イオン交換樹脂及びアルミナに連続的に通過させ、水で洗浄して色素を除去する段階と、(c)得られた溶出液を疎水性吸着樹脂に通過させてC1ないしC4のアルコール水溶液で溶出させる段階と、(d)前記溶出液に塩酸を加えてpHを2ないし5範囲に調整し、C1ないしC4のアルコール、アセトニトリル、アセトンまたはメチルイソブチルケトンを含む水溶性有機溶媒を加えてバンコマイシン塩酸塩を結晶化する段階と、を含む、バンコマイシンを含有する微生物醗酵液からバンコマイシン塩酸塩を精製する方法を提供する。
【0009】
本発明に係る方法においては、[1](a)バンコマイシンを含有する微生物醗酵液をpH1ないし3の条件で強酸性陽イオン交換樹脂に通過させ、pHが9ないし11であり、かつ濃度が0.05Nないし0.2Nである水酸化アンモニウム水溶液で溶出させる段階と、(b)得られた溶出液をpH3ないし5に調整した後に弱塩基性陰イオン交換樹脂及びアルミナに連続的に通過させ、水で洗浄して色素を除去する段階と、(c)得られた溶出液を疎水性吸着樹脂に通過させてC1ないしC4のアルコール水溶液で溶出させる段階と、(d)前記溶出液に塩酸を加えてpHを2ないし5範囲に調整し、C1ないしC4のアルコール、アセトニトリル、アセトンまたはメチルイソブチルケトンを含む水溶性有機溶媒を加えてバンコマイシン塩酸塩を結晶化する段階と、を含む、バンコマイシンを含有する微生物醗酵液からバンコマイシン塩酸塩を精製する方法であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る方法においては、[2]前記微生物はアミコラトプシスオリエンタリスである上記[1]に記載の方法であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る方法においては、[3]前記強酸性陽イオン交換樹脂はDOWEX 50WX2−100(50〜100メッシュ、スルホン系樹脂、Dow chemical社製)である上記[1]に記載の方法であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る方法においては、[4]前記弱塩基性陰イオン交換樹脂はDCA11(アクリル系多孔性樹脂、三菱社製)である上記[1]に記載の方法であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る方法においては、[5](c)または(d)段階でC1ないしC4のアルコールはメタノール、エタノール、及びイソプロパノールよりなる群から選択される上記[1]に記載の方法であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る方法においては、[6]前記疎水性吸着樹脂はAmberchrom CG−161M(Rohm&haas社製)である上記[1]に記載の方法であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る方法においては、[7](b)段階から得られる溶出液を活性炭と混合してろ過する段階をさらに含む上記[1]に記載の方法であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る方法においては、[8](c)段階から得られる溶出液を濃縮する段階をさらに含む上記[1]に記載の方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明による精製方法を利用すれば、バンコマイシン塩酸塩中色素の含有量が顕著に減少した95%以上の含有量を持つ高純度のバンコマイシン塩酸塩を分離精製できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、(a)バンコマイシンを含有する微生物醗酵液をpH1ないし3の条件で強酸性陽イオン交換樹脂に通過させ、pHが9ないし11であり、かつ濃度が0.05Nないし0.2Nである水酸化アンモニウム水溶液で溶出させる段階と、(b)得られた溶出液をpH3ないし5に調整した後に弱塩基性陰イオン交換樹脂及びアルミナに連続的に通過させ、水で洗浄して色素を除去する段階と、(c)得られた溶出液を疎水性吸着樹脂に通過させてC1ないしC4のアルコール水溶液で溶出させる段階と、(d)前記溶出液に塩酸を加えてpHを2ないし5範囲に調整し、C1ないしC4のアルコール、アセトニトリル、アセトンまたはメチルイソブチルケトンを含む水溶性有機溶媒を加えてバンコマイシン塩酸塩を結晶化する段階と、を含む、バンコマイシンを含有する微生物醗酵液からバンコマイシン塩酸塩を精製する方法を提供する。
【0019】
本発明の(a)段階で、バンコマイシンを含有する微生物醗酵液をpH1ないし3の条件で強酸性陽イオン交換樹脂に通過させて水酸化アンモニウム溶液で溶出させる。前記微生物はバンコマイシンを生産し、培養物中にバンコマイシンを蓄積できる微生物ならばいずれも含まれる。例えば、アミコラトプシスオリエンタリス、さらに具体的にはアミコラトプシスオリエンタリス(ATT 19795)を振とう培養した培養物になりうる。このような培養物は酸、例えば塩酸及び硫酸のような強い無機酸を使用して培養物をpH1ないし3に調整できる。酸性pHに調整された培養物を一定時間、例えば、30分間放置した後、ろ過じょうごを使用して菌体および固形不純物を除去してそのろ液を今後の精製過程に使用できる。前記強酸性陽イオン交換樹脂は強酸性、望ましくはpH1ないし3の条件で陽イオン物質を吸着できる化合物である。前記強酸性陽イオン交換樹脂は望ましくは、DOWEX 50WX2(50〜100メッシュ、スルホン系樹脂、Dow chemical社製)である。醗酵液を前記陽イオン交換樹脂にローディングする速度は当業者ならば任意的に調節でき、例えば0.5ないし2.0倍のカラム体積の流速でローディングできる。溶出は水酸化アンモニウム溶液、例えば、pHが9〜11であり、濃度が0.05Nないし0.2Nである水酸化アンモニウム水溶液を利用して溶出する。本段階で得られるバンコマイシンの純度は約85%以上である。前記バンコマイシン溶出液は溶出されるやいなや酸、例えば、塩酸でpHを3ないし5に調整しなければならない。
【0020】
本発明の(b)段階で、(a)段階で得られた溶出液を弱塩基性陰イオン交換樹脂及びアルミナに連続的に通過させ、水で洗浄してバンコマイシンを溶出させ、色素を吸着させて除去する。前記弱塩基性陰イオン交換樹脂は例えば、DCA11(アクリル系多孔性樹脂、三菱社製)であり、前記アルミナは活性アルミナ(〜150メッシュ、酸性活性、ALDRICH社製造)でありうる。
【0021】
本発明の一具現例で、前記(b)段階で得られた溶出液を活性炭素と混合して攪拌した後にろ過して色素をさらに除去できる。活性炭素の使用量は例えば、バンコマイシン量の10%になりうる。このように得られた水中にはバンコマイシンの純度が約90%に増加する。
【0022】
本発明の(c)段階で、(b)段階で得られた溶出液を疎水性吸着樹脂に通過させてC1ないしC4アルコール水溶液で溶出させる。疎水性吸着樹脂としては、逆相クロマトグラフィーに使われる通常の疎水性樹脂が使われうる。例えば、Amberchrom CG−161M(粒径75μm、Rohm&haas社製)になりうる。前記C1ないしC4アルコール溶液は例えば、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールよりなる群から選択されるアルコール溶液になりうる。また、前記アルコール溶液には無機塩、例えば50mM濃度の無水燐酸ナトリウム(NaHPO)が含まれ、溶出はバンコマイシンの溶出の効率を高めるために一定の勾配を通じて適用できる。このような濃度勾配を加える過程は当業者ならば適切な予備実験を通じて容易に設定できる。前記C1ないしC4アルコール溶液による溶出によって得られるバンコマイシンはヨーロッパ抗生物質基準によるHPLCで分析した結果、純度が95%以上となる。
【0023】
本発明の一具現例で、前記(c)段階から得られる溶出液を濃縮する段階をさらに含む。このような濃縮過程は当業界で公知の方法、例えば、逆滲透(Reverse Osmosis;R/O)及び真空乾燥などが使われうる。
【0024】
本発明の(d)段階で、前記溶出液に塩酸を加えてpHを2ないし5範囲に調整ししてC1〜C4のアルコール、アセトニトリル、アセトンまたはメチルイソブチルケトンを含む水溶性有機溶媒、望ましくはアセトンを加えてバンコマイシン塩酸塩を結晶化する。前記溶出液は例えば、R/Oによって濃縮された後に塩酸を加えてpHを2ないし5の範囲に調整し、アセトンを前記溶出液体積の5倍の量で加えた後、約2ないし8℃で一定の時間、例えば、約20時間放置することによってバンコマイシン結晶を得ることができる。このように得られたバンコマイシン結晶をろ過して、真空乾燥器を通じて乾燥することでバンコマイシン塩酸塩を回収できる。最終的に回収されたバンコマイシン塩酸塩はヨーロッパ抗生物質基準によるHPLCで分析した結果、純度が95%以上であり、1,000mcg/ml以上の抗菌力価を持つ。したがって、本発明の方法によって、高純度のバンコマイシンを簡単な精製工程を通じて得られる。
【0025】
以下、本発明を実施例を通じてさらに詳細に説明する。しかし、これら実施例は本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
実施例1:強酸性陽イオン交換樹脂(DOWEX 50WX2)を通じた精製
まず、バンコマイシンを5,000mg/リットル濃度で含有するアミコラトプシスオリエンタリス種(ATCC 19795)の醗酵液6,000mlに硫酸を混合してpHを2に調整した。酸性に調整された培養物を30分間放置した後、硅藻土ろ過器を使用してろ過して7,500mlのろ液を得た。
【0027】
濃縮液を強酸性陽イオン交換樹脂であるDOWEX 50WX2(Dow chemical社製)2,000mlに時間当り2,000mlの流速で通過させて吸着させた。次に、時間当り2,000ml流速で蒸溜水4,000mlを加えて洗浄し、洗浄後にpH10の0.1N NHOH水溶液5,000mlを使用してDOWEX 50WX2樹脂からバンコマイシンを溶出させた。その結果、4,500mlの溶出液を得た(収率:88%)。溶出させるやいなや2N HClを加えて溶出液のpHを3.5に調整した。
【0028】
実施例2:弱塩基性陰イオン交換樹脂及びアルミナを通じた精製
実施例1で得た溶出液4,500mlを弱塩基性陰イオン交換樹脂であるDCA11(三菱社製)1,000ml及び活性アルミナ(米国のALDRICH社製)800mlに時間当り1,000mlの流速で連続的に通過させた。以後、水2,000mlを時間当り1,000mlの流速で洗浄した。
【0029】
収得された溶出液に活性炭素15gを投入して20分間攪拌してからろ過した。収得された溶出液の体積は4,800mlであった(収率:85%)。
【0030】
実施例3:疎水性吸着樹脂(Amberchrom CG−161M)を通じた精製
実施例2で得た溶出液4,800mlを疎水性吸着樹脂であるAmberchrom CG−161M(Rohm&haas社製)500mlに時間当り1,000mlの速度で通過させて吸着させた。時間当り1,000mlの流速で水1,000mlを適用して洗浄し、以後に同一流速で2.5時間の間50mM濃度の無水燐酸ナトリウム(NaHPO)が添加されたイソプロパノールの濃度を8%まで一定かつ連続的に高めつつバンコマイシンを溶出させた。この時、400mlずつ分取してヨーロッパ抗生物質基準のHPLCで分析して純度93%以上の分画だけを合せてバンコマイシンを回収した。収得された溶出液の体積は1,400mlであり、バンコマイシンを95%以上含有し、大部分の色素が除去された。
【0031】
実施例4:結晶回収及び分析
実施例3の方法で得た溶出液をR/Oを利用して400mlに濃縮した。濃縮液に同一体積の水を加えてR/O濃縮を続けて400mlまで濃縮した。このような方法により水を12回加えて100mlまで濃縮した。2N HClを使用してpHを3.2に調整した後に5倍の体積のアセトンを徐々に点滴し、4℃で一晩中放置してろ過した。ろ過された沈殿物を40℃以下の真空乾燥器で一晩中乾燥した。乾燥されたバンコマイシン塩酸塩の重さは13,500mgであった。これを2001年ヨーロッパ抗生物質医薬品基準によるHPLCで分析した。この時、対照品として、現在販売中のバンコマイシン塩酸塩(日本のリリー社製)を使用した。
【0032】
その結果を図1及び2にそれぞれ示した。図1に示したように、本発明の方法によって精製することによって、バンコマイシンの含有量が95.5%であり、1,024mcg/mg以上の抗菌効能を持つ高純度のバンコマイシン塩酸塩を収得できた。一方、図2に示したように、販売中のバンコマイシンの場合、本発明による精製品と比較してバンコマイシンの含有量が93%程度であり、色度の差が多いと認められた。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明はバンコマイシン塩酸塩の精製に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によって精製されたバンコマイシン塩酸塩のHPLC分析結果(ヨーロッパ抗生物質医薬品基準分析法)を示す図面である。
【図2】対照品としてバンコマイシン塩酸塩(日本リリー社製)のHPLC分析結果(ヨーロッパ抗生物質医薬品基準分析法)を示す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)バンコマイシンを含有する微生物醗酵液をpH1ないし3の条件で強酸性陽イオン交換樹脂に通過させ、pHが9ないし11であり、かつ濃度が0.05Nないし0.2Nである水酸化アンモニウム水溶液で溶出させる段階と、
(b)得られた溶出液をpH3ないし5に調整した後に弱塩基性陰イオン交換樹脂及びアルミナに連続的に通過させ、水で洗浄して色素を除去する段階と、
(c)得られた溶出液を疎水性吸着樹脂に通過させてC1ないしC4のアルコール水溶液で溶出させる段階と、
(d)前記溶出液に塩酸を加えてpHを2ないし5範囲に調整し、C1ないしC4のアルコール、アセトニトリル、アセトンまたはメチルイソブチルケトンを含む水溶性有機溶媒を加えてバンコマイシン塩酸塩を結晶化する段階と、を含む、バンコマイシンを含有する微生物醗酵液からバンコマイシン塩酸塩を精製する方法。
【請求項2】
前記微生物はアミコラトプシスオリエンタリスである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記強酸性陽イオン交換樹脂はDOWEX 50WX2−100(50〜100メッシュ、スルホン系樹脂、Dow chemical社製)である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記弱塩基性陰イオン交換樹脂はDCA11(アクリル系多孔性樹脂、三菱社製)である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(c)または(d)段階でC1ないしC4のアルコールはメタノール、エタノール、及びイソプロパノールよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記疎水性吸着樹脂はAmberchrom CG−161M(Rohm&haas社製)である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(b)段階から得られる溶出液を活性炭と混合してろ過する段階をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(c)段階から得られる溶出液を濃縮する段階をさらに含む請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−14720(P2006−14720A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270625(P2004−270625)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(504309863)シージェイ コーポレーション (16)
【Fターム(参考)】