説明

バンド及び電子機器

【課題】人体に機器本体を適切に取付可能なバンド及び電子機器を提供すること。
【解決手段】バンド3は、電子機器の機器本体2に取り付けられる第1バンド部材4及び第2バンド部材5と、連結部材6とを備える。各バンド部材4,5は、バンド延出方向に沿って伸縮する伸縮部43,53を備え、伸縮部43,53は、可撓性を有し、幅方向に沿う一対のスリット4351,5351及びバンド延出方向に沿うスリット4352,5352を有する第1スリット435,535と、幅方向に沿って伸縮部43,53の外部に連通する一対の第2スリット436,536とを有する。連結部材6は、固定部材61と、第1バンド部材4のバンド延出方向に沿ってスライド可能なスライド部材62と、スライド部材62を当該バンド延出方向とは反対方向に付勢する付勢部材とを備え、スライド部材62は、第2バンド部材5と連結される連結部(突棒63)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計や生体情報を測定する電子機器の機器本体を装着者の手首等に取り付けるバンド、及び、当該バンドを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装着者の手首等に装着され、脈拍等の生体情報を測定する測定装置や、当該生体情報の測定機能を有する腕時計等の電子機器が知られている。このような電子機器では、人体における手首等の適当な部位に、測定を行う機器本体を密着させる必要がある。このため、当該機器本体に取り付けられ、伸縮するベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の生体情報測定装置は、手首に密着される装置本体と、当該装置本体の両端に取り付けられた第1のバンド及び第2のバンドを有するバンドと、カバー部材とを備えている。これらのうち、第1のバンド及び第2のバンドは、装置本体側から順に、つく部と、伸縮部と、本体部とを備え、当該伸縮部は、装置本体を手首に取り付ける際に、当該各バンドの長手方向に沿って伸縮する。また、カバー部材は、伸縮部の裏側(手首側)に位置するガイド部を備え、当該ガイド部は、バンドの長手方向への伸縮を案内する。
【0004】
このような生体情報測定装置を手首に装着する際に、バンドには装着者の操作によって引張力が作用し、当該引張力により伸縮部が伸びた状態で装置本体が手首に装着される。そして、バンドから装着者が手を離すと、伸縮部に復元力が作用する。これにより、バンドが増し締めされることとなり、装着者による装置本体の手首への締め付け度合いにかかわらず、当該装置本体を手首に密着させることができる。
なお、特許文献1では、伸縮部としては、ゴム等の弾性材料を網目状に縫製したものの他、第1の駒部材、第2の駒部材及びコイルばねを備えた伸縮金属駒、樹脂駒、並びに、ウレタン等により波形状に形成された部位等が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−204804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の特許文献1に記載の生体情報測定装置では、装置本体からのバンドの伸縮がガイド部により案内されるため、当該装置本体を適切な向きで手首に取り付けることが難しいという問題がある。すなわち、手首の形状は人によって異なるため、特許文献1に記載のバンドのように、伸縮部の伸縮のみが許容されていて、当該伸縮部の装置本体に対する捻れが許容されていないと、装置本体が傾いた状態で手首に装着される場合がある。このような場合には、生体情報の測定精度が低下するという問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、人体に機器本体を適切に取付可能なバンド及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のバンドは、電子機器の機器本体を人体に取り付けるバンドであって、前記機器本体にそれぞれ取り付けられる第1バンド部材及び第2バンド部材と、前記第1バンド部材における前記機器本体とは反対側の端部に設けられ、当該第1バンド部材及び前記第2バンド部材を連結する連結部材と、を備え、前記第1バンド部材及び前記第2バンド部材のそれぞれのバンド部材は、前記機器本体からの延出方向であるバンド延出方向に沿って伸縮する伸縮部を備え、前記伸縮部は、可撓性を有する材料により形成され、当該伸縮部は、前記バンド部材の幅方向に沿う一対のスリット、及び、当該一対のスリットを接続し、前記バンド延出方向に沿うスリットを有する第1スリットと、前記一対のスリットに挟まれる位置に形成され、前記バンド部材の幅方向に沿って当該伸縮部の外部に連通する一対の第2スリットと、を有し、前記連結部材は、前記第1バンド部材に固定される固定部材と、前記第1バンド部材のバンド延出方向に沿って前記固定部材に対してスライド自在に設けられるスライド部材と、前記固定部材と前記スライド部材との間に配置され、前記スライド部材を前記第1バンド部材のバンド延出方向とは反対方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記スライド部材は、前記第2バンド部材と連結される連結部を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1バンド部材及び第2バンド部材は、可撓性を有する伸縮部を備える。これら伸縮部が、第1スリット及び一対の第2スリットを有することにより、当該伸縮部にて、一方の第2スリットの間隔(バンド延出方向の間隔)が広がり、他方の第2スリットの間隔が狭まるような平面的な捻れが許容される。また、当該伸縮部により、第1バンド部材及び第2バンド部材のバンド延出方向を中心軸とする回動(3次元的な捻れ)が許容される。このような伸縮部により、機器本体と各バンド部材との傾きを吸収することができるので、人体における機器本体の装着部位の形状に応じて、当該機器本体を適切に装着させることができる。
また、各伸縮部が、第1スリット及び第2スリットを有することにより、各バンド部材のバンド延出方向に沿った伸縮が許容される。これによれば、連結部材を介して第1バンド部材及び第2バンド部材を連結する際に、バンドの増し締めを行うことができる。従って、人体に機器本体をより密着させることができる。
【0010】
更に、第1バンド部材に固定される固定部材に対して、当該第1バンド部材のバンド延出方向に沿ってスライド部材が相対的にスライド移動し、これら固定部材及びスライド部材の間に配置される付勢部材が、当該バンド延出方向とは反対方向にスライド部材を付勢する。これによれば、連結部材により第1バンド部材と第2バンド部材とを連結する際にスライドしたスライド部材が、付勢部材の付勢力により元に戻ろうとするので、前述の伸縮部とともに、バンドの増し締めを行うことができる。従って、人体に機器本体を適切な圧力で圧着できる他、バンドによる締付力を適切な大きさに調整及び維持できる。
【0011】
そして、このようなバンドにより、当該バンドを手首等に装着する際に、必要に応じて伸縮部が捻じれることで、機器本体の3次元的な動き(機器本体とバンドとの傾き)を吸収でき、また、装着後に当該伸縮部及び連結部材が収縮することで、機器本体を適切な締め付け力で人体に確実に密着させることができる。
特に、上記伸縮部が、各バンド部材における機器本体側の端部近傍に形成されていれば、バンドを手首に装着する場合に、当該各伸縮部は、機器本体を挟む対称位置に配置され、連結部材は、機器本体とは反対側に位置することとなる。これによれば、各バンド部材により、人体に接触する機器本体に対して均等に引張力を作用させることができる。従って、手首に対して機器本体を水平に安定して密着させることができる。
【0012】
本発明では、前記伸縮部は、前記機器本体側に位置する第1接続部と、前記機器本体側とは反対側に位置する第2接続部と、前記第1接続部及び前記第2接続部によりそれぞれ接続される第1U字部及び第2U字部と、を有し、前記第1接続部及び前記第2接続部のそれぞれは、当該伸縮部を有する前記バンド部材の幅方向に沿う基部と、前記基部の両端から前記バンド部材のバンド延出方向に沿って延出する一対の延出部と、を有し、前記第1U字部及び第2U字部は、それぞれのU字の底部が互いに対向するように、所定の間隔を空けて配置され、前記第1接続部及び前記第2接続部のそれぞれの前記一対の延出部のうち、前記バンド部材の幅方向の一端側の延出部は、前記第1U字部及び前記第2U字部のうちの当該一端側のU字部におけるU字の先端にそれぞれ接続され、他端側の延出部は、前記第1U字部及び前記第2U字部のうちの当該他端側のU字部におけるU字の先端にそれぞれ接続され、前記第1スリットは、前記第1接続部及び前記第2接続部と、前記第1U字部及び前記第2U字部との間に形成され、前記第2スリットは、前記第1U字部の先端間、及び、前記第2U字部の先端間に形成されていることが好ましい。
【0013】
なお、第1U字部及び第2U字部の形状は、厳密なU字である必要はなく、C字に近い形状も含む。
本発明によれば、第1接続部及び第2接続部、並びに、第1U字部及び第2U字部が、上記のように組み合わされることで、伸縮部には、前述の第1スリット及び第2スリットが形成される。これによれば、伸縮部に第1スリット及び第2スリットを確実に形成でき、伸縮部に作用する応力により、当該伸縮部にバンド延出方向に沿う伸縮及び前述の捻れを確実に許容させることができる。従って、機器本体を人体に確実に密着させることができる。
【0014】
本発明では、前記固定部材は、前記スライド部材のスライド量を表示する表示部を有することが好ましい。
なお、スライド部材のスライド量を表示する構成としては、目盛や印を例示できる。
本発明によれば、表示部により、スライド部材のスライド量を確認できるので、適正な引張力がバンドに作用し、人体に機器本体が適切な圧力で装着されていることを、当該スライド量を目安として確認できる。
【0015】
本発明では、前記固定部材及び前記スライド部材のいずれか一方は、前記スライド部材のスライド方向に沿って形成された凸部を有し、他方は、前記凸部が嵌り込む凹部を有することが好ましい。
本発明によれば、互いに組み合わされた凸部及び凹部により、スライド部材のスライドが案内されるので、当該スライド部材を安定してスライドさせることができる。また、これらにより、第1バンド部材の幅方向に沿うスライド部材の移動や捻れを規制できるので、連結部材の強度を高めることができる。
【0016】
本発明では、前記連結部は、前記第2バンド部材に形成された孔部を挿通する突棒であり、前記スライド部材は、前記突棒より前記第1バンド部材側に位置し、かつ、当該突棒が前記孔部を挿通した前記第2バンド部材を押し上げる押上部を備えることが好ましい。
本発明によれば、第2バンド部材の余剰部分(第2バンド部材において突棒が挿通した孔部よりバンド延出方向先端側の部分)は、押上部により、第1バンド部材から離間する方向に押し上げられる。これによれば、第1バンド部材と第2バンド部材との接触面積を小さくできるので、これら各バンド部材が接触してスライド部材のスライドが妨げられることを抑制できる。従って、スライド部材のスライドを確実に行うことができる。
【0017】
本発明では、前記第1バンド部材は、前記第2バンド部材における当該第2バンド部材のバンド延出方向の端部を前記第1バンド部材に沿って配置させるバンドガイドを備え、前記バンドガイドは、前記第1バンド部材に取り付けられる本体部と、前記本体部に回動自在に設けられるパイプと、を備え、前記本体部は、前記第1バンド部材の幅方向に沿う押さえ部と、前記押さえ部の両端からそれぞれ同方向に屈曲する屈曲部と、を有し、前記バンドガイドが前記第1バンド部材に取り付けられると、当該第1バンド部材及び前記本体部により、前記第2バンド部材が挿入される開口部が形成され、前記パイプは、当該パイプの回転軸が前記第1バンド部材の幅方向に沿うように、前記押さえ部に回転自在に設けられることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、第2バンド部材が挿入される開口部の端縁を形成する押さえ部には、パイプが回動自在に設けられる。これによれば、当該開口部に挿入される第2バンド部材と、バンドガイドとの摩擦抵抗を小さくできる。従って、連結部を介して第2バンド部材と連結されるスライド部材のスライド抵抗を小さくでき、当該スライド部材のスライドをより確実に行うことができる。
【0019】
本発明では、前記第1バンド部材は、肉厚部を有し、前記肉厚部における前記第1バンド部材のバンド延出方向に沿い、かつ、当該第1バンド部材の幅方向に直交する側面には、前記屈曲部の先端が挿入される穴が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、第1バンド部材の肉厚部の側面、すなわち、人体に接触しない側面に、屈曲部の先端が挿入される穴が形成されている。これによれば、バンドガイドが人体に直接接触することを防止できる。従って、当該バンドガイドにより、人体に不要な圧力が加わることを防止できる。
【0020】
本発明では、前記第1バンド部材は、前記バンドガイドと伸縮部との間に配置された第2のバンドガイドを備え、前記第2のバンドガイドは、前記第1バンド部材に対して回動可能に取り付けられ、第2のバンドガイドを前記バンドガイド側に回動して倒した収納状態と、前記収納状態から第2のバンドガイドを前記伸縮部側に回動して定革として利用可能な状態とを設定可能に構成されていることが好ましい。
本発明によれば、第1バンド部材に、2つのバンドガイドを設けたので定革を2つ設けることができる。このため、手首が細いために、第2バンド部材の先端がバンドガイドから大きく突出する場合も、第2のバンドガイドで第2バンド部材の先端を押さえることができる。従って、第2バンド部材の先端側を第1バンド部材に沿わせることができ、第2バンド部材側が第1バンド部材から離れてじゃまになることも防止できる。
さらに、本発明では、第2のバンドガイドを倒して収納した状態と、第2のバンドガイドを起こしてバンドガイドとともに定革として利用する状態とを設定できる。従って、手首が太く、第2バンド部材の先端が余らない場合には、第2のバンドガイドを収納状態に維持することで、第2のバンドガイドがじゃまになることを防止できる。
【0021】
また、本発明の電子機器は、人体に接触して、生体情報を測定する機器本体と、前記機器本体に取り付けられる前述のバンドと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述のバンドと同様の効果を奏することができ、これにより、機器本体による生体情報の測定を安定的に行うことができる他、当該測定の精度を向上できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、電子機器を人体に装着する際の機器本体とバンド部材との捻れ(傾き)を伸縮部により吸収できる。また、固定部材に対して相対的にスライドするスライド部材を、付勢部材が第1バンド部材のバンド延出方向とは反対方向に付勢するので、電子機器を人体に装着した際に、伸縮部とともにバンドの増し締めを行うことができる。従って、電子機器を人体に適切に装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る生体情報測定装置を示す斜視図。
【図2】前記第1実施形態における伸縮部を示す平面図。
【図3】前記第1実施形態における伸縮部の伸長状態を示す平面図。
【図4】前記第1実施形態における伸縮部の捻れ状態を示す平面図。
【図5】前記第1実施形態における連結部材を示す斜視図。
【図6】前記第1実施形態における連結部材を示す斜視図。
【図7】前記第1実施形態における連結部材を示す分解斜視図。
【図8】前記第1実施形態におけるスライド部材の下面を示す平面図。
【図9】前記第1実施形態における突棒、ばね棒及びコイルばねの位置を示す連結部材の平面図。
【図10】前記第1実施形態における連結部材の断面図。
【図11】前記第1実施形態における連結部材の断面図。
【図12】前記第1実施形態におけるバンドガイドと第2バンド部材との係合状態を示すバンドの断面図。
【図13】前記第1実施形態における生体情報測定装置と、一般的な腕時計用のバンドを備える生体情報測定装置と用いて脈拍測定を行ったMN比を示す図。
【図14】本発明の第2実施形態に係る生体情報測定装置を示す斜視図。
【図15】第2実施形態における第2のバンドガイドを示す斜視図。
【図16】第2実施形態におけるバンドガイドおよび第2のバンドガイドを示す側面図。
【図17】第2実施形態における各バンドガイドと第2バンド部材との係合状態を示すバンドの断面図。
【図18】第2実施形態における連結部材の裏面を示す斜視図。
【図19】第2実施形態における第2バンド部材を外した状態を示すバンドの断面図。
【図20】第2実施形態における連結部材を示す斜視図。
【図21】第2実施形態における連結部材の第2の表示部を示す断面図。
【図22】第2実施形態における連結部材の断面図であり、(A)はスライド部材の最小移動範囲、(B)は最大移動範囲を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[生体情報測定装置の概略構成]
図1は、本実施形態に係る生体情報測定装置1を示す斜視図である。
本実施形態に係る生体情報測定装置1は、人体の手首等に装着され、脈拍等の生体情報を測定する電子機器である。この生体情報測定装置1は、図1に示すように、人体に密着されて前記生体情報を測定する機器本体2と、当該機器本体2に取り付けられるバンド3と、を備える。
このうち、機器本体2の両端には、バンド3を構成する第1バンド部材4及び第2バンド部材5がそれぞれ取り付けられるラグ(図示省略)が形成されている。
【0025】
[バンドの構成]
バンド3は、機器本体2を人体に装着するためのものである。このバンド3は、機器本体2のラグ(時計で言えば12時側のラグ)に取り付けられる第1バンド部材4と、ラグ(時計で言えば6時側のラグ)に取り付けられる第2バンド部材5と、これら第1バンド部材4及び第2バンド部材5を連結する連結部材6と、第2バンド部材5を第1バンド部材4に沿って配置させるバンドガイド7と、を備える。
なお、以下では、第1バンド部材4においては、機器本体2側を「一端側」とし、連結部材6側を「他端側」として説明する。同様に、第2バンド部材5においては、機器本体2側を「一端側」とし、当該機器本体2側とは反対側を「他端側」として説明する。
【0026】
[第1バンド部材の構成]
第1バンド部材4は、ウレタン又はシリコン材料により扁平縦長状に形成された一体成型品であり、当該第1バンド部材4は、バンド本体41と、当該バンド本体41の一端側(機器本体2側)に形成された第1連結部42及び伸縮部43と、当該バンド本体41の他端側に形成された第2連結部44とを有する。
第1連結部42は、前述のラグに取り付けられるばね棒(図示省略)が挿通する孔部421を有し、当該ばね棒を介して、第1連結部42は機器本体2に取り付けられる。
【0027】
図2は、伸縮部43を示す平面図である。
伸縮部43は、第1連結部42に対して他端側に位置し、バンド3においては機器本体2近傍に位置する。この伸縮部43は、可撓性を有する他、伸縮及び屈曲時の強度を確保するために、バンド本体41より肉厚に形成されている。このような伸縮部43は、図1及び図2に示すように、第1接続部431及び第2接続部432と、これらによりそれぞれ接続される平面視U字状のU字部433,434とを有する。
【0028】
第1接続部431及び第2接続部432は、それぞれ伸縮部43における一端側及び他端側に形成されている。
第1接続部431は、基部4311と、一対の延出部4312とを有する。
基部4311は、第1バンド部材4の幅方向(図1及び図2におけるB方向。以下同様)に沿って形成されている。この基部4311は、第1連結部42と接続されている。
一対の延出部4312は、機器本体2からの第1バンド部材4の延出方向(第1バンド部材4のバンド延出方向であり、図1及び図2におけるA1方向。以下同様)に沿って、基部4311の両端から延出するように、それぞれ形成されている。
同様に、第2接続部432は、B方向に沿う基部4321と、当該基部4321の両端からA1方向とは反対方向に向かって延出する一対の延出部4322と、を有する。
【0029】
U字部433,434は、第1接続部431と第2接続部432との間に平面視略U字状に形成され、それぞれ当該第1接続部431及び第2接続部432に接続される。
U字部433は、U字の底部に対応する底部4331と、当該底部4331の両端から同方向にそれぞれ延出する一対の延出部4332とを有する。また、U字部434は、U字部433と同様に、底部4341と、一対の延出部4342とを有する。
これらU字部433,434は、それぞれの底部4331,4341が互いに向かい合わせとなり、かつ、当該各底部4331,4341がA1方向に沿うように形成され、更に、各延出部4332,4342が、それぞれB方向に沿うように形成されている。これらU字部433,434は、本発明の第1U字部及び第2U字部に相当する。
【0030】
このような伸縮部43においては、一対の延出部4312,4322のうち、B方向の一端側(図2における右側)に位置する延出部4312,4322の先端と、U字部433における一対の延出部4332の先端とが、それぞれ接続されている。
同様に、一対の延出部4312,4322のうち、B方向の他端側(図2における左側)に位置する延出部4312,4322の先端と、U字部434における一対の延出部4342の先端とが、それぞれ接続されている。
【0031】
このような各接続部431,432及び各U字部433,434により、伸縮部43の内部には、横向きの略H字状の第1スリット435が形成されている。また、U字部433,434の内側端縁により、B方向に沿い、かつ、伸縮部43の外部に連通する第2スリット436が形成されている。換言すると、当該第2スリット436は、各U字部433,434の底部とは反対側の先端間に、各延出部4332,4342に沿って形成されている。
これらのうち、第1スリット435は、B方向に沿う一対のスリット4351と、当該一対のスリット4351を接続し、かつ、A1方向に沿うスリット4352とにより構成される。なお、これらスリット435,436は、伸縮部43に負荷が加わっていない状態では、必ずしも隙間を有する構成でなくてもよく、切り込みがあればよい。
【0032】
図3は、伸縮部43の伸長状態を示す平面図である。
このような伸縮部43は、第1スリット435及び第2スリット436を有することにより、図3に示すように、装着者の引張力に応じて、A1方向に沿って伸長可能である。この際、基部4311,4321と延出部4332,4342との間の寸法、一対の延出部4332間の寸法、及び、一対の延出部4342間の寸法が、それぞれ大きくなるように、伸縮部43は伸長する。換言すると、スリット4351及び第2スリット436におけるA1方向の寸法が大きくなるように、伸縮部43は伸長する。なお、伸縮部43は、可撓性を有するため、当該伸縮部43の伸長時には元に戻ろうとする復元力が作用する。このため、装着者の引張力が解消されると、当該復元力によりA1方向とは反対方向に収縮して、伸縮部43は元に戻る。
【0033】
図4は、伸縮部43の捻れ状態を示す平面図である。
また、伸縮部43は、第1スリット435及び第2スリット436を有することにより、図4に示すように、捻れ可能となっている。この捻れは、図4におけるC方向の捻れ、すなわち、第1接続部431の基部4311における幅方向の一端(例えば、図4における右側の端部)が、他端(例えば、図4における左側の端部)に比べて第2接続部432に近接する平面的な捻れの他、A1方向を中心軸とする3次元的な捻れが挙げられる。このように、伸縮部43が捻れ可能に構成されていることにより、生体情報測定装置1を手首等に装着した場合に、機器本体2と第1バンド部材4との捻れ(傾き)が許容され、当該機器本体2を手首に適切に圧着させることができる。
【0034】
図1に戻り、第2連結部44は、後述する連結部材6が取り付けられる第1取付部441と、後述するバンドガイド7が取り付けられる第2取付部442と、を有する。
第1取付部441は、B方向に沿ってばね棒45(図12参照)が挿通する挿通孔(図示省略)を有する。このばね棒45により、後述する固定部材61が、第1取付部441に取り付けられ、ひいては、連結部材6が第1バンド部材4に取り付けられる。
第2取付部442は、本発明の肉厚部に相当し、第1バンド部材4の上面側(人体に対向する側とは反対側)に突出し、バンド本体41より肉厚に形成されている。この第2取付部442の両側面(第1バンド部材4においてA1方向に沿い、かつ、B方向に略直交する両側面)には、バンドガイド7の屈曲部713の先端が挿入される穴4421(図12参照)が形成されている。
【0035】
[第2バンド部材の構成]
第2バンド部材5は、前述のように、一端が機器本体2のラグに取り付けられる。この第2バンド部材5は、第1バンド部材4と同様に、可撓性を有するウレタン又はシリコン材料により扁平な縦長状に形成された一体成型品である。このような第2バンド部材5は、バンド本体51と、当該バンド本体51における機器本体2側に形成された連結部52及び伸縮部53とを備える。
バンド本体51は、第2バンド部材5の機器本体2からの延出方向(第2バンド部材5のバンド延出方向であり、図1におけるA2方向。以下同様)に沿って形成された複数の孔部511を有する。これら孔部511のいずれかに、後述する連結部材6の突棒63が挿通する。
【0036】
連結部52及び伸縮部53は、第1連結部42及び伸縮部43と同様の構成を有する。
具体的に、連結部52は、第2バンド部材5の一端(機器本体2側の端部)に形成されている。この連結部52は、前述のラグに取り付けられるばね棒(図示省略)が挿通される孔部(図示省略)を有する。
【0037】
伸縮部53は、連結部52に対して他端側に位置し、バンド3においては機器本体2近傍に位置する。この伸縮部53は、可撓性を有し、バンド本体51より厚く形成されている。この伸縮部53は、伸縮部43の各部431〜434と同様に形成された第1接続部531、第2接続部532及びU字部533,534を有する。U字部533,534は、本発明の第1U字部及び第2U字部に相当する。
そして、これらにより、伸縮部53には、B方向に沿う一対のスリット5351、及び、A2方向に沿い各スリット5351を接続するスリット5352を有する第1スリット535と、それぞれB方向に沿い、かつ、伸縮部53の外部に連通する一対の第2スリット536とが形成されている。これら第1スリット535及び第2スリット536により、伸縮部53は、伸縮部43と同様に、A2方向に沿う伸縮及び前述の捻れが許容される。
【0038】
[連結部材の構成]
図5及び図6は、連結部材6を示す斜視図である。このうち、図5は、スライド部材62がスライドする前の連結部材6を示し、図6は、スライド部材62がスライドした後の連結部材6を示す。また、図7は、連結部材6を示す分解斜視図である。
連結部材6は、第1バンド部材4と第2バンド部材5とを連結する美錠として機能する金属製又は合成樹脂製の部材であり、前述の第1取付部441に取り付けられる。この連結部材6は、図5〜図7に示すように、手首に沿うように、A1方向に沿った断面が所定の曲率を有するように、円弧状に形成されている。
このような連結部材6は、固定部材61(図5〜図7)と、当該固定部材61上をA1方向に沿ってスライドするスライド部材62(図5〜図7)と、突棒63(図5及び図6)と、ばね棒64(図9参照)と、コイルばね65(図7)とを備える。
【0039】
[固定部材の構成]
固定部材61は、図5〜図7に示すように、スライド部材62をスライド自在に支持する枠状体である。この固定部材61は、B方向に沿う基部611と、当該基部611により接続され、かつ、A1方向に沿ってそれぞれ延出する一対の延出部612,613とを有する。
【0040】
図7において左側に位置する延出部612は、前述の第1取付部441を挿通するばね棒45の一端が挿入される挿通孔6121と、係止部6122、凸部6123、長穴6124及び表示部(図示省略)とを有する。なお、表示部は、後述する表示部6135と同様の構成であるので、ここでは説明を省略する。
係止部6122は、延出部612における第1バンド部材4側とは反対側の端部から、他方の延出部613に向かって突出するように形成されている。この係止部6122は、後述するコイルばね65の一端を係止する。
凸部6123は、延出部612におけるスライド部材62と対向する上面に、A1方向に沿って形成されている。
長穴6124は、延出部612における延出部613に対向する側面に、A1方向に沿って形成されている。この長穴6124には、後述するばね棒64の端部が挿入される。
【0041】
図7において右側に位置する延出部613は、前述の挿通孔6121、係止部6122、凸部6123、長穴6124及び表示部と対称的な位置に、挿通孔6131、係止部6132(図9参照)、凸部6133、長穴(図示省略)及び表示部6135を有する。これらのうち、挿通孔6131、係止部6132、凸部6133及び長穴については、各部6121〜6124と略同じ構成を有するので、説明を省略する。
【0042】
表示部6135は、延出部613における延出部612とは反対側の側面に、A1方向に沿って形成されている。この表示部6135には、スライド部材62の適正なスライド範囲を示す目盛が付されている。具体的に、本実施形態では、当該表示部6135には、当該適正なスライド範囲を示す2つの点P1,P2が付されている。これら2つの点P1,P2により示される範囲内に、スライド部材62の第1バンド部材4側の端部が位置していれば、バンド3により適正な引張力が作用していることとなる。
なお、点P1は、ばね棒64の端部(換言すると、当該ばね棒64の端部が挿入される長穴における第1バンド部材4側の端部)と同じ位置に形成された孔である。この孔に細い棒等を押し入れて、ばね棒64の端部を縮めることにより、当該ばね棒64を長穴から外すことができ、連結部材6を分解することができる。
【0043】
[スライド部材の構成]
スライド部材62は、図5及び図6に示すように、固定部材61に対してA1方向に沿って相対的にスライドして、バンド3の長さ寸法と機器本体2による人体への圧力とを調整する。すなわち、スライド部材62は、バンド3に引張力を作用させて、機器本体2を人体に密着させる機能を有する。
このスライド部材62は、図5〜図7に示すように、A1方向に沿う一対の第1辺部621,622と、当該第1辺部621,622の端部間をB方向に沿ってそれぞれ接続する第2辺部623,624とを有し、これらにより全体略矩形枠状に形成されている。
なお、第2辺部624は、スライド部材62の強度向上のためには有ることが望ましいが、当該第2辺部624が無くても、スライド部材62の機能は充足される。
【0044】
このようなスライド部材62の略中央には、第2バンド部材5が挿通する略矩形の開口部625が形成されている。
また、第1バンド部材4とは反対側に位置する第2辺部623の上面には、後述する突棒63の先端が収納される凹部626が形成されている。
更に、第1バンド部材4側に位置する第2辺部624の上面には、後述する突棒63を挟むように位置する一対の押上部627が設けられている。これら押上部627は、第1バンド部材4に近接する方向に向かうに従って、スライド部材62の底面からの高さ寸法が大きくなる傾斜面6271を有する。このような押上部627は、突棒63が孔部511に挿通された第2バンド部材5の余剰部分(すなわち、第2バンド部材5において突棒63が挿通された孔部511からA2方向先端側の部分)を押し上げて、当該余剰部分と固定部材61及び第1バンド部材4との接触を防止する機能を有する。
【0045】
図8は、スライド部材62の下面を示す平面図である。
スライド部材62は、図8に示すように、第1辺部621,622の外側面、及び、当該第1辺部621,622における固定部材61と対向する下面に、それぞれA1方向に沿って延出する一対の溝部628及び一対の凹部629を有する。
これらのうち、各溝部628内には、後述するコイルばね65が配置され、当該各溝部628は、固定部材61の延出部612,613により覆われる。この際、当該溝部628内には、係止部6122,6132が挿入される。
【0046】
一対の凹部629は、溝部628の外側にそれぞれ形成されている。これら凹部629には、固定部材61とスライド部材62とが組み合わされた際に、当該固定部材61の凸部6123,6133が嵌り込む。これにより、スライド部材62のA1方向に沿って案内されてスライド移動される。また、これら凹部629及び凸部6123,6133が組み合わさることで、スライド部材62のB方向への移動及び捻れが規制され、連結部材6の強度が高められる。
【0047】
[突棒の構成]
図9は、連結部材6を示す平面図である。換言すると、図9は、突棒63、ばね棒64及びコイルばね65の位置を示す連結部材の平面図である。
突棒63は、本発明の連結部に相当し、第2バンド部材5の孔部511に挿入され、当該第2バンド部材5と連結される。この突棒63は、図9に示すように、一対の押上部627の間と凹部626とを架け渡すように配置され、ばね棒64により回転自在に支持される。これにより、当該突棒63は、スライド部材62に軸支される。
【0048】
[ばね棒の構成]
ばね棒64は、B方向に沿って突棒63を挿通し、両端が第1辺部621,622を貫通する。そして、当該ばね棒64の両端は、固定部材61とスライド部材62とが組み合わされる際に、延出部612の長穴6124と延出部613の長穴に挿入される。一方、連結部材6におけるA1方向先端側では、前述のように、一対の溝部628内に係止部6122,6132が挿入される。これにより、固定部材61に対するスライド部材62の上方への抜けが規制される。
また、このような状態で、凸部6123,6133及び凹部629により案内されてスライド部材62がA1方向にスライドすると、ばね棒64は、スライド部材62とともに長穴6124内をA1方向にスライドする。
【0049】
[コイルばねの構成]
コイルばね65は、本発明の付勢部材に相当し、固定部材61に対してスライド部材62を第1バンド部材4に近接する方向(A1方向とは反対方向)に付勢する。
コイルばね65は、図7及び図9に示すように、A1方向に沿って一対設けられている。これらコイルばね65は、前述のように、溝部628内にそれぞれ収納され、第1バンド部材4側の一端がばね棒64の端部により係止され、他端が係止部6122,6132により係止される。
【0050】
図10は、スライド部材62がスライドする前のコイルばね65の状態を示す連結部材6の断面図であり、図11は、当該スライド部材62がA1方向にスライドした後のコイルばね65の状態を示す連結部材6の断面図である。なお、図10及び図11は、延出部613及び第1辺部622における連結部材6の断面を、当該延出部613及び第1辺部622側から見た図である。
スライド部材62がスライドしていない状態(図5で示した状態)では、図10に示すように、各コイルばね65は、各係止部6122,6132(図10では係止部6132のみ図示)、及び、ばね棒64の端部により、若干収縮された状態で、溝部628内に収納されている。従って、この状態でも、スライド部材62には、当該状態を維持するための付勢力、すなわち、スライド部材62を第1バンド部材4側に付勢する付勢力が作用している。
【0051】
この状態からスライド部材62がA1方向にスライドすると(図6で示した状態となると)、図11に示すように、各係止部6122,6132(図11では係止部6132のみ図示)、及び、当該スライド部材62のスライドに伴って長穴6124内をスライドするばね棒64により、各コイルばね65が圧縮される。ここで、係止部6122,6132は固定されているので、スライド部材62に前述の付勢力が大きく作用して、当該スライド部材62が図10に示した状態に戻ろうとする。
このため、連結部材6を介して各バンド部材4,5を連結した際に、これらバンド部材4,5から装着者が手を離すと、当該装着者の引張力によりA1方向にスライドしたスライド部材62が、コイルばね65の付勢力によりA1方向とは反対方向にスライドしようとする。これにより、突棒63により連結された第2バンド部材5が、第1バンド部材4に沿ってA1方向とは反対方向に引かれることにより、人体に対する機器本体2の圧力に応じて、バンド3が増し締めされることとなる。従って、機器本体2が適切な圧力で人体に密着される。
【0052】
[バンドガイドの構成]
バンドガイド7は、第2バンド部材5の余剰部分を第1バンド部材4に沿うように配置させるための部材であり、腕時計のバンドの定革として機能する部材である。このバンドガイド7は、図1に示すように、第1バンド部材4の第2取付部442に取り付けられる本体部71と、当該本体部71に回転自在に設けられるパイプ72とを有する。
【0053】
本体部71は、B方向に沿う押さえ部712と、当該押さえ部712の両端からそれぞれ同方向に屈曲する一対の屈曲部713とを備える。そして、このような本体部71が第1バンド部材4に取り付けられた際には、当該本体部71及び第1バンド部材4により、第2バンド部材5が挿通する開口部711が形成される。
これらのうち、一対の屈曲部713の先端は、互いに近接する方向に更に屈曲しており、第2取付部442の両側面に形成された穴4421(図12参照)に挿入される。
【0054】
図12は、バンドガイド7と第2バンド部材5との係合状態を示すバンド3の断面図である。
パイプ72は、押さえ部712の軸方向に回転軸が沿うように、当該押さえ部712に取り付けられる。すなわち、当該押さえ部712は、パイプ72によって覆われる。このパイプ72は、図12に示すように、開口部711に挿入される第2バンド部材5に接触し、当該第2バンド部材5の更なる挿入により回転する。これにより、パイプ72と第2バンド部材5との摩擦抵抗が小さくなり、開口部711に当該第2バンド部材5を挿入しやすくできる。また、当該摩擦抵抗が小さくなることにより、バンドガイド7に第2バンド部材5が係止されることがないので、前述のスライド部材62のスライドを行いやすくすることができる。この際、前述の押上部627が、第1バンド部材4に接触しないように第2バンド部材5を押し上げるので、当該スライド部材62のスライドが更に円滑に行われる。
【0055】
[一般的な腕時計用のバンドとの差異]
本実施形態に係る生体情報測定装置1と、バンド3に代えて一般的な腕時計用のバンドを備える生体情報測定装置と用いて脈拍測定を行い、それぞれのMN比を比較した。なお、各脈拍測定は、バンドのみを変えた生体情報測定装置を用いて被験者10名に対して行い、それぞれのバンドを用いた場合のMN比を比較した。
ここで、MN比とは、人体表面に光を当て、脈による血管の収縮及び膨張による反射光の変化を、フォトダイオードを用いて電圧データとして測定し、当該データを高速フーリエ変換して得たパワースペクトルにおいて、当該データ内の「脈拍の周波数のパワー」を「その他(ノイズ)のパワーの最大値」で割ったものを指す。この値が高いほど、ノイズの少ない純粋な脈データと言え、信頼性のあるデータが取得されていると判断される。
【0056】
図13は、本実施形態に係る生体情報測定装置1と、バンド3に代えて一般的な腕時計用のバンドを備える生体情報測定装置と用いて脈拍測定を行ったMN比を示す図である。
図13に示すように、一般的な腕時計用のバンド(ウレタンバンド)を採用した生体情報測定装置では、MN比が117%程度であった。これに対し、バンド3を備えた生体情報測定装置1では、MN比が134%に向上した。従って、上記構造を有するバンド3を用いることにより、機器本体2を人体(手首)表面に対して水平に、かつ、適切な圧力で密着させることができ、ノイズが少なく、信頼性の高い脈拍データを取得できる。
【0057】
以上説明した本実施形態に係る生体情報測定装置1によれば、以下の効果がある。
第1バンド部材4及び第2バンド部材5は、可撓性を有する伸縮部43,53を備え、各伸縮部43,53は、前述の第1スリット435,535及び一対の第2スリット436,536を有する。これらスリットにより、当該伸縮部43,53にて、一方の第2スリット436,536のA1及びA2方向の間隔が、他方の第2スリット436,536の間隔より広がるような平面的な捻れが許容されるほか、A1及びA2方向を中心軸とする回動が許容される。これによれば、機器本体2とバンド3との傾き(捻れ)を吸収できる他、当該機器本体2が装着される人体の形状に追従できるので、当該機器本体2を人体に密着させることができる。
【0058】
また、第1スリット435,535及び一対の第2スリット436,536により、A1及びA2方向に沿った伸縮部43,53の伸縮が許容される。これによれば、連結部材6を介して第1バンド部材4及び第2バンド部材5を連結した際に、伸長された伸縮部43,53が元に戻ろうとするので、バンド3の増し締めを行うことができる。従って、機器本体2を人体により密着させることができる。
【0059】
更に、第1バンド部材4に固定された固定部材61に対して、スライド部材62がA1方向に沿って相対的にスライドし、コイルばね65がA1方向とは反対方向にスライド部材62を付勢する。これによれば、連結部材6により各バンド部材4,5を連結する際にA1方向にスライドしたスライド部材62が、コイルばね65の付勢力により元に戻ろうとするので、機器本体2の人体への圧力に応じて、伸縮部43,53とともにバンド3の増し締めを行うことができる。従って、人体に機器本体2を適切な圧力で圧着できる他、バンド3による締付力を適切な大きさに調整及び維持できる。
【0060】
また、これらコイルばね65には、比較的長いコイルばねが採用されており、一般的なゴム類のばね乗数に比べて低い。このため、ばね乗数を比較的自由に設定できるので、人体に負担をかけないような適度な締め付け力を長時間保持できる。
更に、連結部材6は、一般的な腕時計の美錠と同様のデザインである。このため、当該連結部材6が取り付けられるバンドの材料及び構造を変更しても、連結部材6による収縮機能を発揮できる。
【0061】
また、機器本体2の傾きを吸収する伸縮部43,53は、機器本体2を挟んで対称位置に形成され、バンド3を手首に装着する場合、A1方向に沿って伸縮する連結部材6は、手首に対して機器本体2とは反対側に位置する。これによれば、各バンド部材4,5により、比較的伸縮しづらい部位にて人体に接触する機器本体2に対して、均等に引張力を作用させることができる。従って、手首に対して機器本体2を水平に安定して密着させることができる。
更に、伸縮部43,53に加えて連結部材6が設けられていることにより、バンド3にて増し締めされる領域を分散させることができる。従って、ウレタン材料に応力がかかりにくくなるので、当該ウレタン材料等により形成されたバンド3の耐久性を向上できる。
【0062】
伸縮部43が、第1接続部431、第2接続部432及びU字部433,434を有し、これらが前述のように組み合わされることで、当該伸縮部43に、B方向に沿う一対のスリット4351及びA1方向に沿うスリット4352を有する第1スリット435と、B方向に沿って伸縮部43の外部と連通する一対の第2スリット436とを確実に形成できる。なお、同様の構成を有する伸縮部53によっても、同様の効果がある。
【0063】
固定部材61には、スライド部材62の適切なスライド範囲を示す点P1,P2が付された表示部6135が設けられている。これによれば、当該点P1,P2間にスライド部材62の第1バンド部材4側の端部が位置していることを確認することで、適正な引張力がバンド3に作用しているか否かを、当該スライド部材62のスライド量を目安として確認することができる。従って、人体に機器本体2が適切な圧力で装着されていることを確認できるので、締め過ぎにより人体に弊害が生じることや、バンド3の締付機能が損なわれることを防止できる。
【0064】
固定部材61に形成された凸部6123,6133と、スライド部材62に形成された一対の凹部629とが組み合わさることにより、スライド部材62はA1方向に案内されてスライドされるので、当該スライド部材62を安定してスライドさせることができる。また、これらにより、B方向に沿うスライド部材62の移動や捻れを規制できる。従って、比較的強度が低い合成樹脂により連結部材6を形成した場合でも、当該連結部材6の強度を高めることができるので、連結部材6を軽く、かつ、安価に製造できる。
【0065】
突棒63が孔部511に挿入された第2バンド部材5の余剰部分は、押上部627により、第1バンド部材4から離間する方向に押し上げられる。これによれば、固定部材61及び第1バンド部材4と第2バンド部材5との接触を防止できるので、突棒63を介して第2バンド部材5と係合するスライド部材62のスライド抵抗を小さくできる。従って、スライド部材62のスライドを確実に行うことができる。
【0066】
バンドガイド7の押さえ部712には、パイプ72が回動自在に設けられている。これによれば、開口部711に第2バンド部材5が挿入され、スライド部材62がスライドする場合に、当該開口部711の端縁と第2バンド部材5との摩擦抵抗を小さくできる。従って、スライド部材62のスライド抵抗を一層小さくでき、当該スライド部材62のスライドをより確実に行うことができる。
【0067】
第1バンド部材4には、バンド本体41より肉厚の第2取付部442が形成され、当該第2取付部442において人体に接触しない側面に、屈曲部713の先端が挿入される穴4421が形成されている。これによれば、バンドガイド7が人体に直接接触することを防止できる。従って、バンドガイド7により、人体に不要な圧力が加わることを防止できる。
【0068】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図14は、第2実施形態に係る生体情報測定装置1Aを示す斜視図である。なお、第2実施形態では、前記第1実施形態と相違する点を説明し、前記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
[第1バンド部材]
第2実施形態の第1バンド部材4は、図14に示すように、バンド本体41と、第1連結部42と、伸縮部43と、第2連結部44とを備えている。第1連結部42および伸縮部43は、前記第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
第2連結部44は、図15に示すように、第1取付部441と、第2取付部442Aと、第3取付部443とを備える。第1取付部441は、第1実施形態と同一である。
【0070】
第2取付部442Aは、本発明の肉厚部に相当し、前記第1実施形態と同様に、バンドガイド7が取り付けられる。この第2取付部442Aは、第1バンド部材4の上面側(人体に対向する側とは反対側)に突出し、バンド本体41より肉厚に形成されている。
また、第2取付部442Aはバンド本体41の幅方向(B方向)に3分割されている。第2取付部442Aには、バンド本体41の幅方向に貫通する穴4421が形成されている。
各第2取付部442Aの間には溝部が形成されている。この溝部には、図14,16に示すように、ローラ74が配置されている。
【0071】
第1バンド部材4において、第2取付部442Aの伸縮部43側に所定寸法離れた位置には、第3取付部443が設けられている。第3取付部443には、第2のバンドガイド8が取り付けられている。従って、第2のバンドガイド8は、バンドガイド7と伸縮部43との間に配置されている。
第3取付部443は、第2取付部442Aと同様に、第1バンド部材4の上面側に突出し、バンド本体41より肉厚に形成されている。
第3取付部443には、図示を略すが、バンド本体41の幅方向に貫通する穴が形成されている。
【0072】
[第2バンド部材]
第2実施形態の第2バンド部材5では、図14に示すように、孔部511の横に数字を表記している。具体的には、伸縮部53に最も近い孔部511から第2バンド部材5の先端側の孔部511まで、数字「1」〜「15」が順次表記されている。
【0073】
[バンドガイド]
第2実施形態では、図14に示すように、バンドガイド7に加えて第2のバンドガイド8が設けられている。
バンドガイド7は、第1実施形態と同様に、本体部71およびパイプ72を備えている。本体部71は、押さえ部712と、屈曲部713とを備える。ただし、第1実施形態の本体部71は、屈曲部713の先端を屈曲して穴4421に挿入していたが、第2実施形態では、穴4421にばね棒451を挿入し、その両端の軸を本体部71の屈曲部713に形成した穴に挿入して取り付けている。このため、前記ローラ74もばね棒451が挿通され、ばね棒451を回転軸としてローラ74が回転する。
【0074】
第2のバンドガイド8は、バンドガイド7と同様に、バンドの定革として機能する。ここで、手首の細い人が生体情報測定装置1Aを装着すると、第2バンド部材5の余剰部分をバンドガイド7でガイドしても、第2バンド部材5の先端側が余る場合がある。このため、生体情報測定装置1Aでは、バンドガイド7の機器本体2側に第2のバンドガイド8を設けている。
【0075】
第2のバンドガイド8は、バンドガイド7と同様に、本体部81と、パイプ82とを備える。本体部81は、図15,16にも示すように、B方向に沿う押さえ部812と、当該押さえ部812の両端からそれぞれ同方向に屈曲する一対の屈曲部813とを備える。
一対の屈曲部813の先端側には穴が形成されている。そして、第3取付部443に形成された穴にばね棒452を挿入し、その両端の軸を前記屈曲部813の穴に挿入している。これにより、第2のバンドガイド8は第1バンド部材4に対して回動可能に取り付けられている。
【0076】
[バンドガイドの倒れ防止構造]
図15,16に示すように、第2取付部442Aの両側面には、バンドガイド7の倒れ防止用の凸部46が形成されている。
また、第3取付部443の両側面には、第2のバンドガイド8の倒れ防止用の凸部47が形成されている。
これらの凸部46,47は、各取付部442A,443の側面から突出され、バンドガイド7,8の屈曲部713,813が当接することにより、各バンドガイド7,8が伸縮部43側に所定角度以上倒れることを防止している。
【0077】
[バンドガイドの収納保持構造]
第3取付部443の両側面には、第2のバンドガイド8を収納状態に保持するための凸部48も形成されている。
凸部48は、第3取付部443の側面から連続する2つの傾斜面481,482を備え、全体で三角錐に近い形となるように構成されている。
このため、第2のバンドガイド8を図16の2点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで移動(回動)すると、屈曲部813は傾斜面481を滑りながら、凸部48を一時的につぶす形で乗り越え、傾斜面482側に移動する。この際、第2のバンドガイド8は第1バンド部材4の表面に当接するように倒され、パイプ82の上面高さは、ローラ74の高さ以下のレベルに納まるようにされている。この第2のバンドガイド8の収納状態は、凸部48が屈曲部813を押さえることで維持され、利用者が第2のバンドガイド8を持ち上げて凸部48を乗り越えた場合に解除される。
【0078】
以上により、図17に示すように、定革となるバンドガイド7,8を2つ利用する場合と、第2のバンドガイド8を収納してバンドガイド7のみを利用する場合とを、利用者が選択できる。
なお、図17に示すように、バンドガイド7,8を用いて第2バンド部材5をとめた際に、第2バンド部材5がバンドガイド7のパイプ72側に当接せずに、取付部442A側に当接する場合がある。この場合、取付部442A部分にローラ74を設けたので、第2バンド部材5の裏面はローラ74に当接され、第2バンド部材5はスムーズに移動する。
【0079】
[突棒のカバー]
スライド部材62の裏面には、図18,19に示すように、カバー部材66が取り付けられている。具体的には、カバー部材66は、突棒63のばね棒64が挿通される回転軸部分の裏面に配置されている。
カバー部材66は、平板状のカバー部661と、カバー部661の幅方向(B方向)の両端部から折曲された軸支部662とを備える。軸支部662は、前記ばね棒64が挿入される穴が形成され、突棒63とともに、ばね棒64に軸支されている。
【0080】
このカバー部材66は、図19に示すように、生体情報測定装置1Aを装着した利用者の手首と、前記突棒63との間に配置される。従って、突棒63は手首に接触することがない。突棒63が手首に接触している場合には、突棒63の回転軸部分が手首に密着して突棒63が回転せずに、第2バンド部材5を連結部材6から外す時に、突棒63が回転しなかったり、元の孔部511に戻って納まってしまうことがある。
これに対し、第2実施形態では、カバー部材66を設けているので、突棒63は容易に回転し、第2バンド部材5を連結部材6から容易に外すことができる。
【0081】
[表示部]
スライド部材62の適正なスライド範囲を示す目盛として、前記第1実施形態では固定部材61の側面に表示部6135を形成していた。
第2実施形態の生体情報測定装置1Aでは、前記表示部6135とは別に、第2の表示部となる位置決め駒6136を設けている。
すなわち、図20〜22に示すように、固定部材61の延出部612,613の表面に穴6137を形成し、この穴6137に位置決め駒6136を溶着して埋設している。たとえば、固定部材61および位置決め駒6136を同じ材質の合成樹脂(たとえばポリアセタール:POM)で構成し、異なる色で着色している。本実施形態では、位置決め駒6136は、黄色に着色された合成樹脂で成形している。
【0082】
そして、スライド部材62をスライドさせた際に、図22(A)に示すように、位置決め駒6136が見え始める位置をスライド部材62の最小移動量とし、図22(B)に示すように、位置決め駒6136の全体が完全に見えた位置をスライド部材62の最大移動量とする。スライド部材62をこの範囲内となるように移動させることで、利用者は適切な引張り位置を容易に把握できる。
【0083】
以上に説明した第2実施形態に係る生体情報測定装置1Aによれば、前記第1実施形態と同様の効果が得られる上、以下の効果も奏することができる。
第2バンド部材5の表面において、孔部511の横に数字を表記したので、生体情報測定装置1Aを繰り返し利用する利用者は、突棒63を挿入する孔部511のうち、生体情報測定装置1Aを手首に適切に密着できる孔部511の位置を数字で覚えておくことができる。このため、日々の装着作業を容易に行うことができる。
【0084】
また、バンドガイド7に加えて第2のバンドガイド8を追加したので、定革を2つ設けることができる。このため、手首が細いために、第2バンド部材5の先端がバンドガイド7から大きく突出する場合も、第2のバンドガイド8で第2バンド部材5の先端を押さえることができる。従って、第2バンド部材5の先端側を第1バンド部材4に沿わせることができ、第2バンド部材5側が第1バンド部材4から離れてじゃまになることも防止できる。
【0085】
さらに、第3取付部443の側面に凸部48を形成したので、第2のバンドガイド8を倒して収納した状態と、第2のバンドガイド8を起こしてバンドガイド7とともに定革として利用する状態とを利用者が容易に選択できる。従って、手首が太く、第2バンド部材5の先端が余らない場合には、第2のバンドガイド8を収納状態に維持することで、第2のバンドガイド8がじゃまになることを防止できる。
また、バンドガイド7の取付部442A部分にローラ74を設けたので、第2のバンドガイド8を利用する場合に、第2バンド部材5の裏面が取付部442A部分に当たった場合でも、ローラ74が回るために第2バンド部材5を第2のバンドガイド8側にスムーズに移動できる。
【0086】
また、突棒63の回転軸の裏面側にカバー部材66を配置したので、第2バンド部材5を連結部材6から外す際に、突棒63が手首に接触することがないため、突棒63をスムーズに動かすことができ、第2バンド部材5を連結部材6から容易に外すことができる。
【0087】
さらに、固定部材61の延出部612,613の上面に位置決め駒6136を埋め込んだので、スライド部材62をスライドさせる場合に、適切なスライド量を容易に把握することができる。特に、固定部材61の側面ではなく、表面側に位置決め駒6136が露出しているので、第2バンド部材5を装着する際に容易に確認できる。
さらに、固定部材61に穴6137を形成し、位置決め駒6136を埋め込んでいるので、化学的に安定した材質を用いたために、表面に塗料でマーキングできない固定部材61に対しても目印を付けることができる。
【0088】
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、連結部として、第2バンド部材5の孔部511に挿入される突棒63を採用したが、本発明はこれに限らない。すなわち、第2バンド部材と連結可能な構成であれば、他の構成でもよい。例えば、当該第2バンド部材を挟持することにより、第2バンド部材と連結される構成であってもよい。
【0089】
前記実施形態では、表示部6135には、スライド部材62の適正なスライド範囲を示す点P1,P2が付されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、表示部に目盛が付されている構成としてもよい。
前記実施形態では、固定部材61が凸部6123,6133を有し、スライド部材62が凹部629を有する構成であったが、本発明はこれに限らず、固定部材61が凹部を有し、スライド部材62が凸部を有していてもよい。また、凸部及び凹部の数及び位置は適宜設定してよい。更に、これら凸部及び凹部は無くてもよい。
【0090】
前記実施形態では、バンドガイド7は、第2取付部442の側面に形成された穴4421に取り付けられるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、バンドガイドは、腕時計のバンドの遊革のように、第1バンド部材4に沿ってスライド自在に設けてもよい。更に、第1バンド部材4における人体側の面に、バンドガイド7が固定されていてもよい。
同様に、第2のバンドガイド8も第1バンド部材4に沿ってスライド自在に設けてもよい。この場合、バンドガイド7を定革とし、第2のバンドガイド8を遊革として利用してもよい。
【0091】
前記実施形態では、付勢部材としてのコイルばね65を一対設ける構成であったが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該コイルばねは、1つでもよく、3つ以上でもよい。更に、当該付勢部材は、圧縮ばねに限らず、付勢力を作用させることができれば、引張ばねでもよく、更には、他の種類のばねでも、ゴム等の弾性部材でもよい。
【0092】
前記実施形態では、生体情報測定装置1にバンド3を採用したが、本発明はこれに限らず、腕時計等のバンドに本発明を採用してもよい。また、機器本体2の装着位置は、手首に限らず、足首等、人体の所定の位置であればよい。
【符号の説明】
【0093】
1、1A…生体情報測定装置(電子機器)、2…機器本体、3…バンド、4…第1バンド部材、5…第2バンド部材、6…連結部材、7…バンドガイド、8…第2のバンドガイド、43,53…伸縮部、61…固定部材、62…スライド部材、63…突棒(連結部)、65…コイルばね(付勢部材)、71…本体部、72…パイプ、431,531…第1接続部、432,532…第2接続部、433,533…U字部(第1U字部,第2U字部)、434,534…U字部(第1U字部,第2U字部)、435,535…第1スリット、436,536…第2スリット、442…第2取付部(肉厚部)、627…押上部、629…凹部、711…開口部、712…押さえ部、713…屈曲部、4311,4321…基部、4312,4322…延出部、4331,4341…底部、4351,5351…スリット(一対のスリット)、4352,5352…スリット、4421…穴、6123,6133…凸部、6135…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の機器本体を人体に取り付けるバンドであって、
前記機器本体にそれぞれ取り付けられる第1バンド部材及び第2バンド部材と、
前記第1バンド部材における前記機器本体とは反対側の端部に設けられ、当該第1バンド部材及び前記第2バンド部材を連結する連結部材と、を備え、
前記第1バンド部材及び前記第2バンド部材のそれぞれのバンド部材は、前記機器本体からの延出方向であるバンド延出方向に沿って伸縮する伸縮部を備え、
前記伸縮部は、可撓性を有する材料により形成され、
当該伸縮部は、
前記バンド部材の幅方向に沿う一対のスリット、及び、当該一対のスリットを接続し、前記バンド延出方向に沿うスリットを有する第1スリットと、
前記一対のスリットに挟まれる位置に形成され、前記バンド部材の幅方向に沿って当該伸縮部の外部に連通する一対の第2スリットと、を有し、
前記連結部材は、
前記第1バンド部材に固定される固定部材と、
前記第1バンド部材のバンド延出方向に沿って前記固定部材に対してスライド自在に設けられるスライド部材と、
前記固定部材と前記スライド部材との間に配置され、前記スライド部材を前記第1バンド部材のバンド延出方向とは反対方向に付勢する付勢部材と、を備え、
前記スライド部材は、前記第2バンド部材と連結される連結部を備える
ことを特徴とするバンド。
【請求項2】
請求項1に記載のバンドにおいて、
前記伸縮部は、
前記機器本体側に位置する第1接続部と、
前記機器本体側とは反対側に位置する第2接続部と、
前記第1接続部及び前記第2接続部によりそれぞれ接続される第1U字部及び第2U字部と、を有し、
前記第1接続部及び前記第2接続部のそれぞれは、
当該伸縮部を有する前記バンド部材の幅方向に沿う基部と、
前記基部の両端から前記バンド部材のバンド延出方向に沿って延出する一対の延出部と、を有し、
前記第1U字部及び第2U字部は、それぞれのU字の底部が互いに対向するように、所定の間隔を空けて配置され、
前記第1接続部及び前記第2接続部のそれぞれの前記一対の延出部のうち、
前記バンド部材の幅方向の一端側の延出部は、前記第1U字部及び前記第2U字部のうちの当該一端側のU字部におけるU字の先端にそれぞれ接続され、他端側の延出部は、前記第1U字部及び前記第2U字部のうちの当該他端側のU字部におけるU字の先端にそれぞれ接続され、
前記第1スリットは、前記第1接続部及び前記第2接続部と、前記第1U字部及び前記第2U字部との間に形成され、
前記第2スリットは、前記第1U字部の先端間、及び、前記第2U字部の先端間に形成されている
ことを特徴とするバンド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のバンドにおいて、
前記固定部材は、前記スライド部材のスライド量を表示する表示部を有する
ことを特徴とするバンド。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のバンドにおいて、
前記固定部材及び前記スライド部材のいずれか一方は、前記スライド部材のスライド方向に沿って形成された凸部を有し、他方は、前記凸部が嵌り込む凹部を有する
ことを特徴とするバンド。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のバンドにおいて、
前記連結部は、前記第2バンド部材に形成された孔部を挿通する突棒であり、
前記スライド部材は、前記突棒より前記第1バンド部材側に位置し、かつ、当該突棒が前記孔部を挿通した前記第2バンド部材を押し上げる押上部を備える
ことを特徴とするバンド。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のバンドにおいて、
前記第1バンド部材は、前記第2バンド部材における当該第2バンド部材のバンド延出方向の端部を前記第1バンド部材に沿って配置させるバンドガイドを備え、
前記バンドガイドは、
前記第1バンド部材に取り付けられる本体部と、
前記本体部に回動自在に設けられるパイプと、を備え、
前記本体部は、
前記第1バンド部材の幅方向に沿う押さえ部と、
前記押さえ部の両端からそれぞれ同方向に屈曲する屈曲部と、を有し、
前記バンドガイドが前記第1バンド部材に取り付けられると、当該第1バンド部材及び前記本体部により、前記第2バンド部材が挿入される開口部が形成され、
前記パイプは、当該パイプの回転軸が前記第1バンド部材の幅方向に沿うように、前記押さえ部に回転自在に設けられる
ことを特徴とするバンド。
【請求項7】
請求項6に記載のバンドにおいて、
前記第1バンド部材は、肉厚部を有し、
前記肉厚部における前記第1バンド部材のバンド延出方向に沿い、かつ、当該第1バンド部材の幅方向に直交する側面には、前記屈曲部の先端が挿入される穴が形成されている
ことを特徴とするバンド。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のバンドにおいて、
前記第1バンド部材は、前記バンドガイドと伸縮部との間に配置された第2のバンドガイドを備え、
前記第2のバンドガイドは、前記第1バンド部材に対して回動可能に取り付けられ、
第2のバンドガイドを前記バンドガイド側に回動して倒した収納状態と、前記収納状態から第2のバンドガイドを前記伸縮部側に回動して定革として利用可能な状態とを設定可能に構成されている
ことを特徴とするバンド。
【請求項9】
人体に接触して、生体情報を測定する機器本体と、
前記機器本体に取り付けられる請求項1から請求項8のいずれかに記載のバンドと、を備える
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−90975(P2012−90975A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215424(P2011−215424)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)