説明

バーコードとそのセル及びバーコード表示媒体

【課題】向きが変化しても常に一定の条件で認識処理を行えるようにして、複雑な画像処理アルゴリズムを用いることなく常に正確なコード認識を可能とする。
【解決手段】2次元バーコード21Bを、始点セルC11を起点として白及び黒の複数の円形状のセルC12〜C31を、同心円を構成する複数の円周に順にリング状に配列し、この白及び黒のセルC12〜C31の配列順序の組み合わせによりコードを表現したものを用意している。そして、この2次元バーコード21Bをカード21〜2iの識別エリアに表示して、KJ法を使用した意見集約プロセスを記録するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば意見集約法を採用した会議やワークショップにおいて、意見が記載されたカードを識別するために使用されるバーコードとその表示媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
会議やワークショップの場において利用される意見集約法の1つとして、KJ法が知られている。KJ法は、ブレーンストーミング等で出されたアイディアや意見、又は各種調査の現場から収集された雑多な情報を1つずつ小さなカード(紙切れ)に書き込み、それらのカードの中から内容の近いもの同士を集めてグループ化してゆく作業の中で、テーマの解決に役立つヒントやひらめきを生み出していこうとするものである。
【0003】
KJ法の基本的な手順を以下に示す。はじめに、参加者は発想したアイディアや収集した情報などのデータを1つずつ1枚の小さなカードに書き込んでいく。次に、作成したカード群を机などに並べて、カードに書かれたデータが同類の内容であるカード同士を集めグループを作成する。また、作成した各グループには、その内容を要約した表札をつける。カードのグループ編成は、まず、小グループを作り、次に小グループを同士で中グループを、さらに中グループ同士で大グループを作成していく。このようにKJ法を使用すると、カードのグループ編成を繰り返しながら様々な意見を集約して、テーマ解決に役立つヒントを導き出すことが可能である(例えば、非特許文献1又は非特許文献2を参照。)。
【0004】
ところで、最近上記KJ法を使用した会議やワークショップにおいて、意見集約のプロセスを記録し、この記録された情報を後にバーチャル会議等に再利用する試みがなされている。プロセスの記録手法としては、例えばビデオカメラを使用してカードのグループ化作業の過程を撮像し、この撮像された画像データから各カードの移動履歴を検出し記録するものが使用される。その際、各カードにはカードを識別するためのバーコードを印刷しておき、撮像された画像データに対し画像処理を行って上記バーコードを認識することにより各カードの移動履歴を検出するようにしている。なお、バーコードとしては、汎用の1次元バーコードや、水平及び垂直方向に情報を持つQRコード等の2次元バーコードが使用される(バーコード自体の技術については、例えば非特許文献3又は非特許文献4を参照。)
【0005】
【非特許文献1】独立行政法人 雇用・能力開発機構 生涯職業能力開発促進センター、“KJ法”、[online]、「Ability Garden (生涯職業能力開発促進センター・ホームページ)」、[平成16年8月31日検索]、インターネット<URL:http://nokai.ab-garden.ehdo.go.jp/giho/43.html>
【0006】
【非特許文献2】川喜田二郎著、「KJ法−渾沌をして語らしめる」、中央公論社、1986年、p.121−169
【0007】
【非特許文献3】株式会社キーエンス、“バーコードホットライン”、[online]、「2次元バーコードの基礎知識−バーコードと2次元バーコード(QRコード)の違い」、[平成16年8月31日検索]、インターネット<URL:http://www.keyence.co.jp/barcode/2jigenbasic/chishiki2.html>
【0008】
【非特許文献4】株式会社キーエンス、“バーコードホットライン”、[online]、「バーコード基礎知識−バーコードのしくみ」、[平成16年8月31日検索]、インターネット<URL:http://www.keyence.co.jp/barcode/basic/chishiki1.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上記KJ法を使用した会議やワークショップにおいて、机又は壁に配置される各カードの向きは区々であり、しかもこの向きはカードが移動されるごとに変化する。このため、既存のバーコードを使用した従来のシステムでは、カードの向きによってはバーコードを正しく認識できなくなるおそれがある。また、正確に認識するために、例えばカードの向きに応じて画像データに対し傾き補正を行った上でバーコードの認識処理を行うことも考えられるが、このようにするとバーコードの認識処理に複雑なアルゴリズムと多くの処理時間を必要とするという別の問題を生じる。
【0010】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、向きが変化しても常に一定の条件で認識処理を行えるようにして、複雑な画像処理アルゴリズムを用いることなく常に正確なコード認識を可能とし、特に意見集約プロセスの記録過程に使用する場合に好適なバーコードとそのセル及びバーコード表示媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために第1の発明に係わるバーコード及びバーコード表示媒体は、濃度の異なる複数の円形状セルをリング状に配列した複数のセル群を同心円状に配列し、前記配列される複数のセル群をそれぞれ構成する円形状セルの濃度の組み合わせによりコードを表すように構成したものである。
【0012】
このように構成することにより、バーコードを含む画像データから画像処理によりバーコードを認識する場合において、バーコードの向きが任意に回転して配置されていても、画像データに対し傾き補正を行うことなくバーコードを認識することが可能となる。このため、バーコードの認識処理に複雑なアルゴリズムを用いることなく、簡単かつ短時間にバーコードを認識できる。
【0013】
また、上記第1の発明は次のような構成を備えることも特徴とする。
上記セル群を構成する複数の円形状セルの一つを他の円形状セルとは異なる表示パターンに設定し、当該セルをコードの始点を表すようにする。
このようにすると、コードの始点を明確に表すことができるため、バーコードの示す情報を正確に解読することが可能となる。
【0014】
一方、第2の発明に係わるバーコード及びバーコード表示媒体は、線幅の異なる複数のリング状セルを一定又は異なるスペースを隔てて同心円状に配列し、前記配列される複数のリング状セルの線幅の組み合わせ、或いは配列される複数のリング状セルの線幅とスペースとの組み合わせによりコードを表すように構成したものである。
【0015】
したがってこの発明においても、第1の発明と同様に、バーコードを含む画像データから画像処理によりバーコードを認識する場合において、バーコードの向きが任意に回転して配置されていても、画像データに対し傾き補正を行うことなくバーコードを認識することができ、これによりバーコードの認識処理に複雑なアルゴリズムを用いることなく、簡単かつ短時間にバーコードを認識することが可能となる。
また、この発明のバーコードは回転対称性を有するため、一部が欠落した場合であってもコードを認識することが可能である。
【0016】
第3の発明は、濃度の異なる複数のセルを二次元に配列し、前記配列される複数のセルの濃度の組み合わせによりコードを表すバーコードで使用される上記セルを円形状に形成することを特徴とする。
このように構成することにより、バーコードの向きが任意に回転して配置されていても、セル自体の形状が変化しないため、簡易な処理により高い認識精度が得られる。
【発明の効果】
【0017】
したがって、この発明によれば、向きが変化しても常に一定の条件で認識処理を行えるようにして、複雑な画像処理アルゴリズムを用いることなく常に正確なコード認識を可能とし、特に意見集約プロセスの記録過程に使用する場合に好適なバーコードとそのセル及びバーコード表示媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わるバーコードを採用した会議支援システムの第1の実施形態を示す概略構成図である。このシステムは、サーバ装置SV、ボード撮像装置VI、カード撮像装置CA、通信ネットワークNW、及びユーザ端末PC1〜PCnを備える。サーバ装置SVは、会議情報管理装置としての機能を備えたもので、上記ボード撮像装置VIにより撮像された映像データをケーブルを介して取り込む機能と、上記カード撮像装置CAにより撮像された画像データをケーブルを介して取り込む機能とを備える。
【0019】
ユーザ端末PC1〜PCnはパーソナル・コンピュータにより構成され、表示装置とキーボードやマウスなどの入力装置を備えている。また、ユーザ端末PC1〜PCnは、インターネットやLAN(Local Area Network)などにより構成される通信ネットワークNWを介して上記サーバ装置SVと接続される。これらのユーザ端末PC1〜PCnは、この通信ネットワークNWを介してサーバ装置SVと通信を行い、会議の閲覧者たるユーザがバーチャルな場で配信された会議情報を閲覧するために使用する。
【0020】
図2は、図1に示すシステムにおける会議情報の記録の様子を示す図である。同図において、ボード1は、机上または壁などに備えられ、このボード1上においてKJ法等による意見集約のプロセスが実行される。このプロセスは、例えば意見を記入したカード21〜2iをボード1上に配置し、これらのカード21〜2iを参加者がボード1上で移動させて、記入された意見の近いもの同士でグループを作成することにより行われる。ボード1は、市販のホワイトボードや模造紙等でも良いし、会場の壁や机をそのまま利用しても構わない。
【0021】
カード21〜2iは、図3に示すように意見記入エリア21Aと、カード識別エリアとを備える。意見記入エリア21Aは、会議参加者がペンなどを用いて意見を記載する領域である。カード識別エリアには2次元バーコード21Bが表示される。2次元バーコード21Bは、カードごとに固有の個別識別情報(以下、カードIDと呼称する)を含み、カードに予め記載される。また、カード21〜2iは、ペンなどの筆記具を用いて意見が記入できるものであれば形状及び材質には制限はなく、例えば市販されている粘着剤付きの付箋紙などが利用できる。
【0022】
ボード撮像装置VIは例えば動画の撮像が可能なビデオカメラからなり、意見集約が行われるボード1全体を時間経過にしたがって撮像する。そして、この撮像により得られるボード映像データとディジタル音声データを、例えばDVケーブルなどを介して接続されるサーバ装置SVへ入力する。
【0023】
カード撮像装置CAは例えばディジタルスチルカメラにより構成され、カード21〜2iの意見記入エリア21A及びカード識別エリアを一枚ずつ撮像する。そして、この撮像により得られたカード画像データを、例えばUSBケーブルなどを介して接続されるサーバ装置SVへ入力する。
【0024】
サーバ装置SVでは、上記入力されたボード映像データおよびカード画像データを読み出し、画像認識によりカード識別エリアに表示された2次元バーコード21Bを解読する。そして、ボード映像データとカード画像データに含まれるカードIDを比較し、一致する場合にボード映像データ上のカードの位置を検出する。そして、検出されたカードの位置情報を移動履歴情報としてサーバ装置SVが備えるメモリに記憶する。このように記憶されたカードの移動履歴情報とカード画像データから会議情報データを再構成し、ユーザ端末PC1〜PCnに対して配信するものである。
【0025】
ところで、図3に示したカード21のカード識別エリアに表示される2次元バーコード21Bは、例えば図4に示すように各々が円形状をなすセルC11〜C31をリング状に配列した複数のセル群を同心円状に配置したものである。セルC11〜C31には、全黒又は全白のセルC12〜C31と、リング型をなすセルC11とがある。このうちリング型をなすセルC11はコードの始点を表す。他の全黒又は全白のセルC12〜C31は、コードを構成する最小単位(1ビット)を表す。すなわち、2次元バーコード21Bは、始点セルC11を基点として複数の黒及び白のセルC12〜C31を時計回り或いは反時計回りに配列したもので、この白及び黒のセルC12〜C31の配列順序の組み合わせによりコードを表現している。
【0026】
サーバ装置SVは次のように構成される。図5は、その機能構成を示すブロック図である。
サーバ装置SVは、マイクロプロセッサなどの中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)11を備える。このCPU11には、バス12を介してデータメモリ13およびプログラムメモリ14が接続され、さらにビデオ入力インタフェース(ビデオ入力I/F)15、カメラ入力インタフェース(カメラ入力I/F)16、及び通信インタフェース(通信I/F)17が接続されている。
【0027】
ビデオ入力I/F15は、CPU11制御の下、ボード撮像装置VIからケーブルを介して送信されるボード映像データの受信処理を行う。カメラ入力I/F16は、CPU11制御の下、カメラ撮像装置CAからケーブルを介して送信されるカード画像データの受信処理を行う。通信I/F17は、CPU11の制御の下、通信ネットワークNWを介してユーザ端末PC1〜PCnとの間で通信を行う。
【0028】
データメモリ13は、記憶媒体として例えばRAM又はハードディスクを使用したもので、データメモリ13には、カード画像データベース13a、カード位置データベース13b、及び映像・音声データベース13cが設けられる。
カード画像データベース13aには、上記カメラ入力I/F16を介してカード撮像装置CAから読み込まれたカード画像データが、予めカードに記載された2次元バーコード21Bにより表されるカードIDに対応付けて記憶される。
【0029】
カード位置データベース13bには、ボード1上のカード21〜2iの状態変化、すなわち貼付、移動及び剥除などが行われた際のカードの位置情報が記憶される。
映像・音声データベース13cには、ボード撮像装置VIからビデオ入力I/F15を介して取り込まれたボード映像が記憶される。
【0030】
プログラムメモリ14には、この発明に係わる制御プログラムとして、カードID認識プログラム14a、カード画像登録プログラム14b、カード位置検出プログラム14cカード位置登録プログラム14d、及び再生制御プログラム14eが格納される。
【0031】
カードID認識プログラム14aは、撮像されたカード画像及びボード映像の各フレームから、カードに表示された2次元バーコード21Bを認識し、この認識された2次元バーコードからカードIDを特定する。
カード画像登録プログラム14bは、カード撮像装置CAからカメラ入力I/F16を介して取り込んだカード画像を、上記カードID認識プログラム14aにより認識されたカードIDに対応付けてカード画像データベース13aに記憶させる。
【0032】
カード位置検出プログラム14cは、ボード撮像装置VIからビデオ入力I/F15を介して取り込んだボード映像のフレームごとに、当該フレームに含まれるカード画像の2次元バーコードを認識する。そして、この認識された2次元バーコードの位置に基づいてボード映像上におけるカード画像の位置を検出する。
【0033】
カード位置登録プログラム14dは、ボード映像のフレームごとに、上記カード位置検出プログラム14cにより検出されたカード画像の位置を、1つ前のフレームにおいて検出されたカード画像の位置と比較する。そして、位置変化が検出されたカード画像についてその変化履歴情報を生成してカード位置データベース13bに記憶する。
【0034】
再生制御プログラム14eは、ユーザ端末PC1〜PCnから通信ネットワークNWを介して送信される再生制御コマンドに応じて閲覧画面を作成して配信する。再生制御コマンドには、再生、停止、送り及び戻しを指定するコマンドも含まれる。また、会議時間をある時間単位で複数のチャプタに分割し、これらのチャプタごとに再生制御を行うチャプタ再生機能も備える。
【0035】
さて、以上のように構成されたサーバ装置SVにおけるカードIDの認識動作について説明する。
サーバ装置SVのCPU11は、カードID認識プログラム14aを実行することにより、カード画像及びボード映像の各フレームに含まれるカードIDの認識を行う。ここでは、ボード映像の各フレームからカードIDの認識を行う動作について説明する。ボード映像には、いくつかのカード画像が含まれており、これらのカード画像に含まれる2次元バーコード21Bをそれぞれ認識することで、各ボード上に配置された各カードを特定する。
【0036】
ところで、カード21〜2iは、参加者がボード1に任意に配置するものであるため、配置されたそれぞれのカード21〜2iの傾きが一定になるとは限らない。しかし、この実施形態に係わる2次元バーコード21Bであれば、各セルC11〜C31が同心円状に配置されているため、2次元バーコード21Bが回転してもセルC11〜C31は中心セルC31を中心とする同心円の円周上に存在する。また、各セルC11〜C31が円形状で形成されているため、2次元バーコード21Bの向きが回転して配置されていても、セル自体の形状が変化しない。このため、ボード映像の各フレームから各カード21〜2iの2次元バーコード21Bを認識する際に、画像データの傾きを補正するといった処理が不要となる。
【0037】
ちなみに、カードに例えば図7に示すような既存の2次元バーコード21Dを表示した場合には、カードが反時計回りに45°回転すると、それに応じて画像データについても反時計回りに45°回転させる傾き補正処理を行わなければ、2次元バーコード21Dを正確に認識することができない。
【0038】
以上述べたように第1の実施形態では、2次元バーコード21Bを、始点セルC11を起点として白及び黒の複数の円形状のセルC12〜C31を、同心円を構成する複数の円周に順にリング状に配列し、この白及び黒のセルC12〜C31の配列順序の組み合わせによりコードを表現したものを用意している。そして、この2次元バーコード21Bをカード21〜2iの識別エリアに表示して、KJ法を使用した意見集約プロセスを記録するようにしている。
【0039】
したがって、第1の実施形態によれば、意見集約プロセスの記録過程において、ボード1上に配置されたカード21〜2iの向きが回転しても、撮像されたボード映像データを傾き補正することなく上記カード21〜2iに表示された2次元バーコード21Bを認識することが可能となる。したがって、傾き補正用の画像処理アルゴリズムを不要にして、安価で処理手順の簡単な2次元バーコード認識プログラムを使用することができ、また短時間にかつ正確に2次元バーコード21Bを認識することが可能となる。
【0040】
また、カード21〜2iに対する2次元バーコード21Bの印刷又は貼付作業を、カードに対する2次元バーコード21Bの回転に気を配ることなく行え、これによりカード21〜2iの作成に要する手間と時間を低減できる利点もある。さらに、意見集約過程において、ボード1上におけるカード21〜2iの配置向きに注意を払う必要もなく、この結果意見集約作業の能率を高めることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、1次元バーコード21Cを、例えば図6に示すように、線幅の異なる複数のリング状セルを異なるスペースを隔てて同心円状に配列し、この配列された複数のリング状セルの線幅とスペースとの組み合わせによりコードを表現するように構成したものである。
【0042】
したがって第2の実施形態によれば、カードに表示された1次元バーコード21Cは回転対称であるため、意見集約過程においてカードの向きが回転しても、当該カードを撮像した画像データから、既存の1次元バーコード認識アルゴリズムをそのまま使用して正確に1次元バーコード21Cを認識することが可能となる。また、回転対称性を有する1次元バーコードであるため、たとえバーコードの左右の半分又は上下の半分が消去又は汚れていたとしても、コードを認識することができる。
【0043】
ちなみに、カードに例えば図8に示すような既存の1次元バーコード21Eを表示した場合には、カードが時計回りに45°回転すると、それに応じて画像データについても時計回りに45°回転させる傾き補正処理を行わなければ、1次元バーコード21Eを正確に認識することができない。
【0044】
(その他の実施形態)
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、前記第1の実施形態では、中心セルC31をデータセルとして用いたが、中心セルC31を他のデータセル及び始点セルとは異なる表示パターンとしてコードの終点を表すセルとして使用することで、2次元バーコード21Bが中心セルC31と始点セルC11を半径とする円周上に存在することが容易に認識できるようになる。
【0045】
さらに、2次元バーコードを構成する円形状セルの数、これらのセルが配列される同心円の数、1次元バーコードを構成する線状セルの数、バーコードを表示するための表示媒体の種類や材質、形状、この発明のバーコードの用途等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0046】
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わるバーコードを採用した会議支援システムの概略構成図。
【図2】図1に示すシステムにおける会議情報の記録の様子を示す図。
【図3】図2に示すカードの構成を示す図。
【図4】図3に示したカードに表示されるバーコードの構成を拡大して示す図。
【図5】図1に示すシステムにおけるサーバ装置の機能構成を示すブロック図。
【図6】この発明の第2の実施形態に係わるバーコードの構成を示す図。
【図7】既存の2次元バーコードが回転して表示された様子を示す図。
【図8】既存の1次元バーコードの回転して表示された様子を示す図。
【符号の説明】
【0048】
SV…サーバ装置、VI…ボード撮像装置、CA…カード撮像装置、通信ネットワーク…NW、PC1〜PCn…ユーザ端末、1…ボード、21〜2i…カード、21A…記入エリア、21B…2次元バーコード、C11〜C31…セル、11…CPU、12…バス、13…データメモリ、13a…カード画像データベース、13b…カード位置データベース、13c…映像・音声データベース、14…プログラムメモリ、14a…カードID認識プログラム、14b…カード画像登録プログラム、14c…カード位置検出プログラム、14d…カード位置登録プログラム、14e…再生制御プログラム、15…ビデオ入力I/F、16…カメラ入力I/F、17…通信I/F、21C…1次元バーコード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃度の異なる複数の円形状セルをリング状に配列した複数のセル群を同心円状に配列し、前記配列される複数のセル群をそれぞれ構成する円形状セルの濃度の組み合わせによりコードを表すことを特徴とするバーコード。
【請求項2】
前記セル群を構成する複数の円形状セルの一つを他の円形状セルとは異なる表示パターンに設定し、当該セルをコードの始点を表す情報とすることを特徴とする請求項1記載のバーコード。
【請求項3】
線幅の異なる複数のリング状セルを同心円状に配列し、前記配列される複数のリング状セルの線幅の組み合わせによりコードを表すことを特徴とするバーコード。
【請求項4】
線幅の異なる複数のリング状セルを異なるスペースを隔てて同心円状に配列し、前記配列される複数のリング状セルの線幅とスペースとの組み合わせによりコードを表すことを特徴とする請求項3記載のバーコード。
【請求項5】
濃度の異なる複数の円形状セルをリング状に配列した複数のセル群を同心円状に配列し、前記配列される複数のセル群をそれぞれ構成する円形状セルの濃度の組み合わせによりコードを表すバーコードを表示してなるバーコード表示媒体。
【請求項6】
前記セル群を構成する複数の円形状セルの一つを他の円形状セルとは異なる表示パターンに設定し、当該セルをコードの始点を表す情報とすることを特徴とする請求項5記載のバーコード表示媒体。
【請求項7】
線幅の異なる複数のリング状セルを同心円状に配列し、前記配列される複数のリング状セルの線幅の組み合わせによりコードを表すバーコードを表示してなるバーコード表示媒体。
【請求項8】
線幅の異なる複数のリング状セルを異なるスペースを隔てて同心円状に配列し、前記配列される複数のリング状セルの線幅とスペースとの組み合わせによりコードを表すバーコードを表示してなる請求項7記載のバーコード表示媒体。
【請求項9】
濃度の異なる複数のセルを二次元に配列し、前記配列される複数のセルの濃度の組み合わせによりコードを表すバーコードで使用される前記セルであって、
前記セルは、円形状により形成されることを特徴とするバーコードのセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−79286(P2006−79286A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261373(P2004−261373)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】