説明

バーコードプリンタ

【課題】使用される印刷媒体の幅を超える長さのバーコードをも印刷できるようにする。
【解決手段】バーコードを1段で印刷する1段印刷手段と、バーコードを複数段に分割して印刷する複数段印刷手段とを設ける。そして、印刷対象のバーコードデータから描画されるバーコードの長さが印刷媒体の幅に収まるとき一段印刷手段を選択し、収まらないとき複数段印刷手段を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル,タグ等の印刷媒体にバーコードを印刷可能なバーコードプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、バーコードプリンタは、数字やアルファベット等の文字列からなるバーコードデータと、バーコードの種類と、そのバーコードの展開位置情報とが指定されると、バーコードデータを指定された種類のバーコードに変換し、指定された展開位置に描画して印刷するものである。
【0003】
このようなバーコードプリンタは、例えば流通業界では商品に取り付けられる値札や食品の内容を表記した食品ラベル等の印刷に用いられる。また、製造業や運輸業では荷札や伝票等の印刷に用いられる。このため、印字ヘッドによる印刷可能領域の範囲内であれば、幅の異なるラベルやタグ等の印刷媒体へのバーコード印刷に対応できるように印刷機構が設計されている。
【0004】
ところで我が国では、牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病)に感染した牛のまん延を防止する措置の一環として、牛一頭毎に個体識別のための情報(以下、牛個体識別番号と称する)を付し、この牛個体識別番号と関連付けて、その牛の出生または輸入年月日,雌雄の別,母牛の牛個体識別番号,飼養施設の所在地,飼養開始及び終了日等の情報を記録し一元的に管理する牛個体識別台帳システムが導入されている。このシステムの導入に従い、精肉加工業者や精肉店では、生牛が解体され食肉へと加工された精肉の塊りにその元となる牛の牛個体識別番号を印刷した保管ラベルを付して保管している。そして、精肉の塊りから精肉商品を加工した際には、その肉塊に付された保管ラベルの牛個体識別番号が印刷された商品ラベルを作成し、該当する精肉商品に付すことによって、消費者に精肉商品の安全性を保証していた。
【0005】
このため、商品ラベルを作成する際には保管ラベルに印刷されている牛個体識別番号をラベルプリンタに入力する必要があるが、牛個体識別番号は例えば10桁の数字からなるので、その入力に要する手間を簡略するために、保管ラベルに牛個体識別番号をバーコードで印刷することが求められていた。また、保管ラベルには、通常、肉塊の賞味期限や牛の生産地や肉の部位等の情報も印刷されており、これらの情報も商品ラベルを作成する際に必要に応じてラベルプリンタに入力されるので、牛個体識別番号だけでなく、例えばそれに賞味期限日の数字を付加したバーコードを印刷したり、さらに生産地や部位を特定するコードを付加したバーコードを印刷したりすることも求められていた。
【0006】
しかしながら、前述したようにバーコードプリンタは、印字ヘッドによる印刷可能領域の範囲を超える幅のバーコードを印刷することはできない。また、必ずしも印刷可能領域一杯の幅を有するラベル用紙を保管ラベルとして使用するとは限らない。すなわち、印刷媒体に印刷可能なバーコードの幅は、使用される印刷媒体の幅以下に制限される。これに対して、牛個体識別番号のみならず生産地や部位を特定するコードが付加されたバーコードは、その幅が使用される印刷媒体の幅を超えてしまう場合があり、超えてしまった場合には左右いずれかのバーが欠損した不完全なバーコードしか印刷されないため、バーコードリーダで読取れなくなる。
【0007】
これに関連して従来、一の精肉商品に複数の牛個体に由来する肉が混在する場合にその全ての牛の個体識別番号を付すのはラベル印字エリアの制限があって実際的ではないため、商品の生産履歴について照会の際に複数の牛個体に共通の照会指標となる一の指標情報をラベルに印刷し、この指標情報と該当する複数の牛個体夫々の個体識別情報とを関連付けるようにした技術はあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−239821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、指標情報と牛個体識別番号との関連付けを行い、識別情報をラベルに印刷するようにした従来技術においては、指標情報と牛個体識別番号とを関連付けるための手段が必要であった。しかも、ラベル自体には牛個体識別番号が印刷されないので、ラベルを見ただけでは牛個体識別番号を確認できないという問題もあった。
【0009】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、使用される印刷媒体の幅を超える長さのバーコードをも印刷可能なバーコードプリンタを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、印刷媒体にバーコードを印刷可能なバーコードプリンタにおいて、バーコードを1段で印刷する1段印刷手段と、バーコードを複数段に分割して印刷する複数段印刷手段とを設ける。そして、印刷対象のバーコードデータから描画されるバーコードの長さが印刷媒体の幅に収まるとき一段印刷手段を選択し、収まらないとき複数段印刷手段を選択するようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
かかる手段を講じた本発明によれば、使用される印刷媒体の幅を超える長さのバーコードであっても印刷できるバーコードプリンタを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良な形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、精肉加工業者や精肉店において食肉へと加工された精肉の塊りに付される保管ラベルの印刷に供するバーコードプリンタに本発明を適用した場合である。通常、精肉加工業者や精肉店では、精肉の塊りから精肉商品を加工する都度、その肉塊を包むラップに付された保管ラベルを破棄してしまうため、加工されなかった残りの肉塊には新たな保管ラベルを作成して付す必要がある。本実施の形態のバーコードプリンタは、このときの保管ラベル印刷用として用いられるものである。
【0013】
図1は本実施の形態におけるバーコードプリンタ10の要部構成を示すブロック図である。このバーコードプリンタ10は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)101を搭載している。そして、このCPU101に、アドレスバス,データバス等のバスライン102を介して、ROM(Read Only Memory)103,RAM(Random Access Memory)104,I/O(Input/Output)ポート105,通信インターフェイス106,キーボードコントローラ107,表示コントローラ108,印字ヘッド112を駆動するヘッドドライバ109,紙送りモータ113を駆動する第1のモータドライバ110及びリボンモータ114を駆動する第2のモータドライバ111等を接続して、プリンタ制御部を構成している。
【0014】
印字ヘッド112は、バーコード印刷が可能なヘッド、例えばラインサーマルヘッドである。紙送りモータ113は、保管ラベル用の印刷媒体であるラベル用紙を搬送路に沿って搬送する用紙搬送機構の駆動源である。リボンモータ114は、前記搬送路に沿って搬送されるラベル用紙と前記印字ヘッド112との間に送り込まれるインクリボンの駆動源である。
【0015】
キーボードコントローラ107には、保管ラベルの発行を指令する発行キーや停止キー等が配設されたキーボード115が接続されている。表示コントローラ108には、動作状況やエラーメッセージ等を表示するための表示部116が接続されている。I/Oポート117には、ラベル用紙の位置決めセンサや印字ヘッドの温度センサ等の各種センサ117から信号が入力されるようになっている。
【0016】
通信インターフェイス106には、当該バーコードプリンタ10のホスト装置として供されるパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)20が通信ケーブルを介して接続されている。PC20にはバーコードをスキャニングするためのスキャナ21が接続されており、このスキャナ21でスキャニングされたバーコードデータや、商品名,産地名,牛個体識別番号,店名等の情報に基づいてPC20内で保管ラベルの印字データが作成される。そして、この保管ラベル印字データが通信インターフェイス106を介してバーコードプリンタ10に送り込まれるようになっている。
【0017】
RAM104には、図2に示すように、PC20から送り込まれた保管ラベルの印字データ(商品名,産地名,牛個体識別番号,バーコードデータ,店名等)を先入れ先出し形式で順次記憶するための印字データバッファ31や、上記保管ラベルの印字データがドットイメージで描画される描画バッファ32の他、特に、ラベル幅設定エリア33が形成されている。このラベル幅設定エリア33には、使用されるラベル用紙の幅データN(mm)が設定される。なお、幅データNは、キーボード115のキー操作によって設定されてもよいし、PC20からのダウンロードによって設定されてもよい。
【0018】
さて、本実施の形態では、保管ラベルに印刷されるバーコードの種類として、牛個体識別番号のみをバーコードとした種別コード[251]の第1のバーコードと、上記牛個体識別番号に精肉の賞味期限日を付加した数字をバーコードとした種別コード[210]の第2のバーコードと、上記牛個体識別番号と賞味期限日に精肉の産地を特定する産地コードを付加した数字をバーコードとした種別コード[211]の第3のバーコードと、上記牛個体識別番号,賞味期限日及び産地コードに精肉の部位を特定する部位コードを付加した数字をバーコードとした種別コード[212]の第4のバーコードの4種類が設定されているものとする。
【0019】
また、本実施の形態では、30mm乃至80mmの幅を有するラベル用紙を選択的に使用できるように、搬送路,印字ヘッド112,インクリボン等の印刷機構が設計されているものとする。
【0020】
しかして、本実施の形態のバーコードプリンタ10は、図3に示すように、第1乃至第4の各バーコードの種別コードに対応して、そのバーコード長Kと、そのバーコードを1段で印刷可能なラベル用紙の幅L1と、そのバーコードを2段に分割して印刷可能なラベル用紙の幅L2とが設定された判定テーブル40を、ROM103またはRAM104に記憶している。
【0021】
具体的には、種別コード[251]の第1のバーコードに対しては、そのバーコード長Kが35mmであるので、1段印刷可能ラベル幅L1を40mm以上とし、1段印刷可能ラベル幅L2は設定なしとする。種別コード[210]の第2のバーコードに対しては、そのバーコード長Kが45mmであるので、1段印刷可能ラベル幅L1を50mm以上とし、2段印刷可能ラベル幅L2を40〜49mmとする。種別コード[211]の第3のバーコードに対しては、そのバーコード長Kが50mmであるので、1段印刷可能ラベル幅L1を55mm以上とし、2段印刷可能ラベル幅L2を40〜54mmとする。種別コード[212]の第4のバーコードに対しては、そのバーコード長Kが55mmであるので、1段印刷可能ラベル幅L1を60mm以上とし、2段印刷可能ラベル幅L2を40〜59mmとする。
【0022】
ここで、2段印刷可能ラベル幅L2の下限を40mmとしたのは、バーコードデータの項目(牛個体識別番号,賞味期限日,産地コード,部位コード)の中で最大桁数の項目、つまりは牛個体識別番号に対応したバーコード長35mmを印刷可能なラベル幅が40mmであるためである。そして仮に、牛個体識別番号を除く他の3項目(賞味期限日,産地コード,部位コード)の文字列からなるバーコードの長さが牛個体識別番号に対応したバーコード長35mmを超える場合には、次に桁数が大きい項目、例えば賞味期限日のバーコードと、その他の[産地コード+部位コード]のバーコードの2つに分けて、3段で印刷するようにすればよい。
【0023】
図4は本実施の形態のバーコードプリンタ10で1枚の保管ラベルを発行する際のCPU101の主要な制御手順を示す流れ図である。すなわちCPU101は、ST(ステップ)1としてキーボード115のキー操作あるいはPC20からのダウンロードによりラベル幅データNが入力された場合には、ラベル幅設定エリア33のデータを今回入力されたラベル幅データNに更新する。またCPU101は、ST2としてPCから商品名,産地名,牛個体識別番号,バーコードデータ及び店名の各データ項目からなる保管ラベル印字データが入力された場合には、この保管ラベル印字データを印字データバッファ31に格納する。
【0024】
CPU101は、印字データバッファ31に保管ラベル印字データが格納されると、ST3としてラベル発行指令が入力されるのを待機する。そして、この発行指令待機中に次の保管ラベル印字データが入力された場合には、この保管ラベル印字データを印字データバッファ31に追加格納する。
【0025】
キーボード115の発行キーが押下されるか、PC20からの発行コマンド入力によりラベル発行指令が入力されたことを検知すると、CPU101は、ST4としてラベル発行条件を満足するか否かを判断する。例えば、ラベル用紙なしが検出されていたり、インクリボンなしが検出されていた場合には、ラベル発行条件を満足しないのでエラーとする。
【0026】
ラベル発行条件を満足する場合には、CPU101は、ST5として印字データバッファ31から先頭の保管ラベル印字データを読み出す。そして、この保管ラベル印字データにおけるバーコードデータの先頭3桁の数字からバーコードの種類を判別する。ここで、ST6としてバーコードの種類が予め設定されている第1〜第4のバーコードに属さない場合、つまり先頭3桁の数字が[251],[210],[211]及び[212]のいずれでもない場合には、CPU101は、ST7として当該バーコードデータの先頭3桁の数字を[251]に置換することによって、当該保管ラベル印字データにおけるバーコードデータの種類を第1のバーコードに変更する。
【0027】
次に、CPU101は、ST8として当該保管ラベル印字データにおけるバーコードデータの先頭3桁の数字である種別コードと、ラベル幅設定エリア33に設定されているラベル幅データNとを用いて判定テーブル40を検索する。すなわち、当該種別コードに対応して設定されている1段印刷可能ラベル幅L1と2段印刷可能ラベル幅L2とを取得する。そして、ラベル幅データNが1段印刷可能ラベル幅L1と2段印刷可能ラベル幅L2のどちらに属するかを判定する(印刷方式判断手段)。
【0028】
その結果、ラベル幅データNが1段印刷可能ラベル幅L1に属する場合には(ST9のYES)、CPU101は、当該保管ラベル印字データにおけるバーコードデータを1段のバーコードとして描画バッファ32の指定された展開位置に描画する。また、当該保管ラベル印字データにおける他のデータ(商品名,産地名,牛個体識別番号,店名)もそれぞれ描画バッファ32の指定された展開位置に描画する。しかる後、印字ヘッド112,紙送りモータ113及びリボンモータ114の印刷機構を制御して、描画バッファ32に描画されたデータをラベル用紙に印刷し(1段印刷手段)、保管ラベルとして発行する。
【0029】
これに対し、ラベル幅データNが2段印刷可能ラベル幅L2に属する場合には(ST10のYES)、CPU101は、当該保管ラベル印字データにおけるバーコードデータを2段のバーコードとして描画バッファ32の指定された展開位置に描画する。このとき、バーコードデータを牛個体識別番号のデータとその他のデータとに分割し、牛個体識別番号のデータからなるバーコードを下段に描画し、その他のデータからなるバーコードをその上段に描画する。また、当該保管ラベル印字データにおける他のデータ(商品名,産地名,牛個体識別番号,店名)もそれぞれ描画バッファ32の指定された展開位置に描画する。しかる後、印字ヘッド112,紙送りモータ113及びリボンモータ114の印刷機構を制御して、描画バッファ32に描画されたデータをラベル用紙に印刷し(2段印刷手段)、保管ラベルとして発行する。
【0030】
なお、2段バーコードを描画する際には、黒バーの長さを1段バーコードの黒バーに対して1/2以下にすることによって、1段バーコードと同一の展開位置に2段バーコードを印刷するようにしている。
【0031】
一方、ラベル幅データNが1段印刷可能ラベル幅L1にも2段印刷可能ラベル幅L2にも属さない場合には、バーコードデータを除く保管ラベル印字データ(商品名,産地名,牛個体識別番号,店名)だけを描画バッファ32の指定された展開位置に描画する。しかる後、印字ヘッド112,紙送りモータ113及びリボンモータ114の印刷機構を制御して、描画バッファ32に描画されたデータをラベル用紙に印刷し、保管ラベルとして発行する。
【0032】
図5は、本実施の形態のバーコードプリンタ10において、ラベル幅が40〜49mmの範囲内のラベル用紙を使用した場合の保管ラベル印刷例であり、同図(a)は種別コード[251]の第1のバーコードを印刷した場合、同図(b)は種別コード[210]の第2のバーコードを印刷した場合、同図(c)は種別コード[211]の第3のバーコードを印刷した場合、同図(d)は種別コード[212]の第4のバーコードを印刷した場合である。
【0033】
判定テーブル40において、種別コード[251]に対する1段印字可能ラベル幅L1は40mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は40〜49mmであるので、1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[251]+牛個体識別番号[1234567895]のバーコード51が1段で印刷される。
【0034】
これに対し、種別コード[210]に対する1段印字可能ラベル幅L1は50mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は40〜49mmであるので1段印刷手段は選択されず、同種別コード[210]に対する2段印字可能ラベル幅L1が40〜49mmであるので、2段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[210]+賞味期限日[040831]のバーコード52が上段に印刷され、種別コード[251]+牛個体識別番号のバーコード51が下段に印刷される。
【0035】
同様に、種別コード[211]に対する1段印字可能ラベル幅L1は55mm以上であり、2段印字可能ラベル幅L1は40〜54mmであるので、ラベル幅が40〜49mmのラベル用紙を使用する本例では2段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[211]+賞味期限日[040831]+産地コード[0028]のバーコード53が上段に印刷され、種別コード[251]+牛個体識別番号のバーコード51が下段に印刷される。
【0036】
また、種別コード[212]に対する1段印字可能ラベル幅L1は60mm以上であり、2段印字可能ラベル幅L1は40〜59mmであるので、ラベル幅が40〜49mmのラベル用紙を使用する本例では2段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[212]+賞味期限日[040831]+産地コード[0028]+部位コード[00520]のバーコード54が上段に印刷され、種別コード[251]+牛個体識別番号のバーコード51が下段に印刷される。
【0037】
図6は、本実施の形態のバーコードプリンタ10において、ラベル幅が50〜54mmの範囲内のラベル用紙を使用した場合の保管ラベル印刷例であり、同図(a)は種別コード[251]の第1のバーコードを印刷した場合、同図(b)は種別コード[210]の第2のバーコードを印刷した場合、同図(c)は種別コード[211]の第3のバーコードを印刷した場合、同図(d)は種別コード[212]の第4のバーコードを印刷した場合である。
【0038】
判定テーブル40において、種別コード[251]に対する1段印字可能ラベル幅L1は40mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は50〜54mmであるので、1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[251]+牛個体識別番号[1234567895]のバーコード51が1段で印刷される。
【0039】
また、種別コード[210]に対する1段印字可能ラベル幅L1は50mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は50〜54mmであるので、やはり1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[210]+賞味期限日[040831]+牛個体識別番号のバーコード55が1段で印刷される。
【0040】
これに対し、種別コード[211]に対する1段印字可能ラベル幅L1は55mm以上であり、2段印字可能ラベル幅L1は40〜54mmであるので、ラベル幅が50〜54mmのラベル用紙を使用する本例では2段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[211]+賞味期限日[040831]+産地コード[0028]のバーコード53が上段に印刷され、種別コード[251]+牛個体識別番号のバーコード51が下段に印刷される。
【0041】
また、種別コード[212]に対する1段印字可能ラベル幅L1は60mm以上であり、2段印字可能ラベル幅L1は40〜59mmであるので、ラベル幅が50〜54mmのラベル用紙を使用する本例では2段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[212]+賞味期限日[040831]+産地コード[0028]+部位コード[00520]のバーコード54が上段に印刷され、種別コード[251]+牛個体識別番号のバーコード51が下段に印刷される。
【0042】
図7は、本実施の形態のバーコードプリンタ10において、ラベル幅が55〜59mmの範囲内のラベル用紙を使用した場合の保管ラベル印刷例であり、同図(a)は種別コード[251]の第1のバーコードを印刷した場合、同図(b)は種別コード[210]の第2のバーコードを印刷した場合、同図(c)は種別コード[211]の第3のバーコードを印刷した場合、同図(d)は種別コード[212]の第4のバーコードを印刷した場合である。
【0043】
判定テーブル40において、種別コード[251]に対する1段印字可能ラベル幅L1は40mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は55〜59mmであるので、1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[251]+牛個体識別番号[1234567895]のバーコード51が1段で印刷される。
【0044】
同様に、種別コード[210]に対する1段印字可能ラベル幅L1は50mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は55〜59mmであるので、やはり1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[210]+賞味期限日[040831]+牛個体識別番号のバーコード55が1段で印刷される。
【0045】
また、種別コード[211]に対する1段印字可能ラベル幅L1は55mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は55〜59mmであるので、やはり1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[211]+賞味期限日[040831]+産地コード[0028]+牛個体識別番号のバーコード56が1段で印刷される。
【0046】
これに対し、種別コード[212]に対する1段印字可能ラベル幅L1は60mm以上であり、2段印字可能ラベル幅L1は40〜59mmであるので、ラベル幅が55〜59mmのラベル用紙を使用する本例では2段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[212]+賞味期限日[040831]+産地コード[0028]+部位コード[00520]のバーコード54が上段に印刷され、種別コード[251]+牛個体識別番号のバーコード51が下段に印刷される。
【0047】
図8は、本実施の形態のバーコードプリンタ10において、ラベル幅が60〜80mmの範囲内のラベル用紙を使用した場合の保管ラベル印刷例であり、同図(a)は種別コード[251]の第1のバーコードを印刷した場合、同図(b)は種別コード[210]の第2のバーコードを印刷した場合、同図(c)は種別コード[211]の第3のバーコードを印刷した場合、同図(d)は種別コード[212]の第4のバーコードを印刷した場合である。
【0048】
判定テーブル40において、種別コード[251]に対する1段印字可能ラベル幅L1は40mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は60〜80mmであるので、1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[251]+牛個体識別番号[1234567895]のバーコード51が1段で印刷される。
【0049】
同様に、種別コード[210]に対する1段印字可能ラベル幅L1は50mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は60〜80mmであるので、やはり1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[210]+賞味期限日[040831]+牛個体識別番号のバーコード55が1段で印刷される。
【0050】
また、種別コード[211]に対する1段印字可能ラベル幅L1は55mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は60〜80mmであるので、やはり1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[211]+賞味期限日[040831]+産地コード[0028]+牛個体識別番号のバーコード56が1段で印刷される。
【0051】
さらに、種別コード[212]に対する1段印字可能ラベル幅L1は60mm以上であり、使用するラベル用紙のラベル幅は60〜80mmであるので、やはり1段印刷手段が選択される。かくして、種別コード[212]+賞味期限日[040831]+産地コード[0028]+部位コード[00520]+牛個体識別番号のバーコード57が1段で印刷される。
【0052】
このように本実施の形態によれば、印刷対象のバーコードデータから描画されるバーコードの長さがラベル用紙の幅に収まる場合にはバーコードを一段で印刷することを選択し、収まらない場合には二段に分割して印刷することを選択している。したがって、使用されるラベル用紙の幅を超える長さのバーコードも当該用紙に印刷することができる。
【0053】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0054】
例えば、前記実施の形態では、ラベル用紙の幅データNを人為的に設定するようにしたが、例えばラベル用紙の搬送路上にライン光学センサをセットしてラベル用紙の幅を自動検出し、この検出したラベル幅データNを用いて1段印刷手段を選択するか2段印刷手段を選択するかを決めるようにしてもよい。
【0055】
また、バーコードの分割数は2段に限定されるものではなく、3段以上の複数段に分割してもよいものである。
【0056】
また、本発明は保管ラベルのバーコードプリンタに限定されるものではなく、値札,食品ラベル,荷札,伝票等の印刷媒体に対するバーコードプリンタに適用できるものである。また、印刷媒体は紙に限定されるものではなく、例えばプラスチック製のカードにバーコードを印刷する場合にも適用できる。
【0057】
また、前記実施の形態では、保管ラベル印字データをホスト装置であるPC20から取り込む場合を示したが、キーボード115などの入力機器を介して直接入力された印字テータを印刷する場合も同様に適用できるのは言うまでもないことである。
【0058】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施の形態であるバーコードプリンタの要部構成を示すブロック図。
【図2】同バーコードプリンタのRAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【図3】同バーコードプリンタに記憶される判定テーブルのデータ構造の一例を示す模式図。
【図4】同バーコードプリンタのCPUが実行する保管ラベル発行制御手順の要部を示す流れ図。
【図5】同バーコードプリンタにおいてラベル幅が40〜49mmの範囲内のラベル用紙を使用した場合の保管ラベル印刷例を示す平面図。
【図6】同バーコードプリンタにおいてラベル幅が50〜54mmの範囲内のラベル用紙を使用した場合の保管ラベル印刷例を示す平面図。
【図7】同バーコードプリンタにおいてラベル幅が55〜59mmの範囲内のラベル用紙を使用した場合の保管ラベル印刷例を示す平面図。
【図8】同バーコードプリンタにおいてラベル幅が60〜80mmの範囲内のラベル用紙を使用した場合の保管ラベル印刷例を示す平面図。
【符号の説明】
【0060】
10…バーコードプリンタ、101…CPU、103…ROM、104…RAM、106…通信インターフェイス、112…印字ヘッド、113…搬送モータ、114…リボンモータ、115…キーボード、31…印字データバッファ、32…描画バッファ、33…ラベル幅設定エリア、40…判定テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体にバーコードを印刷可能なバーコードプリンタにおいて、
前記バーコードを1段で印刷する1段印刷手段と、前記バーコードを複数段に分割して印刷する複数段印刷手段とを具備し、
印刷対象のバーコードデータから描画されるバーコードの長さが前記印刷媒体の幅に収まるとき前記一段印刷手段を選択し、収まらないとき前記複数段印刷手段を選択することを特徴とするバーコードプリンタ。
【請求項2】
印刷媒体にバーコードを印刷可能なバーコードプリンタにおいて、
前記バーコードを1段で印刷する1段印刷手段と、
前記バーコードを複数段に分割して印刷する複数段印刷手段と、
印刷対象のバーコードデータから認識可能なバーコードの種別データと使用される印刷媒体の幅データとに基づいて当該バーコードデータから描画されるバーコードを前記一段印刷手段により印刷するか前記複数段印刷手段により印刷するかを判断する印刷方式判断手段と、
を具備したことを特徴とするバーコードプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−76172(P2006−76172A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263570(P2004−263570)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】