説明

パイプライン埋設方法

【課題】円滑にパイプラインを推進させることができるパイプライン埋設方法及びこれに使用するシール手段を提供する。
【解決手段】地山Gに形成された立坑A,B同士を連絡する鞘管1内でパイプライン2をこの鞘管1の軸方向に推進させてパイプライン2を地山Gに埋設せしめるパイプライン埋設方法であって、所定量の液体Wを前記鞘管1の内部に注入すると共に、この液体Wが前記パイプライン2の発進される発進立坑A及び前記パイプライン2の到達される到達立坑Bへ漏れ出さぬように前記鞘管1の両端を止水して、前記パイプライン2の内部に前記液体が浸入せぬようその先端開口部を密閉し、これを前記液体Wの注入された前記鞘管1内にて浮遊させて推進させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道管やガス管などのパイプラインを地山に埋設するパイプラインの埋設方法及びこれに使用するシール手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水道管やガス管などのパイプラインを地山に埋設する際、予め地山に鞘管を配設し、パイプラインをこの鞘管の内部で推進させることが行われている。かかる方法にあっては、埋設しようとするパイプラインの軸方向の両端に対応する位置に立坑を掘削し、これら立坑を連絡するようにして前記鞘管が配設される。そして、埋設されるパイプラインは、一方の立坑の内部で、所定長さの単管を軸方向の端部同士を順次接続しつつ、他方の立坑へ向けて推進させることで形成される。従来、パイプラインを鞘管の内部で推進させる際、パイプラインの外周面と鞘管の内周面との間の摩擦を軽減するため、半径方向外側に複数の羽根が放射状に延びるインシュレータを各単管の外周面に取り付け、このインシュレータの羽根が鞘管の内周面に対して摺動するようにしてパイプラインを推進させていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
単管にインシュレータを取り付けた場合でも、単管の接続される数が少ない間は摩擦抵抗も小さいため、比較的円滑にパイプラインを推進させることが可能である。しかし、施工が進み、接続される単管が増加すると、インシュレータと鞘管内面との間に生じる摩擦抵抗が次第に大きくなり、円滑にパイプラインを推進させることが困難となる。
【0004】
そこで、本発明では接続された単管が多くなった場合でも、円滑にパイプラインを推進させることができるパイプライン埋設方法及びこれに使用するシール手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では上記課題を解決するために、地山に形成された立坑同士を連絡する鞘管内でパイプラインをこの鞘管の軸方向に推進させてパイプラインを地山に埋設せしめるパイプライン埋設方法であって、所定量の液体を前記鞘管の内部に注入すると共に、この液体が前記パイプラインの発進される発進立坑及び前記パイプラインの到達される到達立坑へ漏れ出さぬように前記鞘管の両端を止水して、前記パイプラインの内部に前記液体が浸入せぬようその先端開口部を密閉し、これを前記液体の注入された前記鞘管内にて浮遊させて推進させるようにした。
【0006】
本発明によれば、推進させるパイプラインが液体により浮遊されているので、パイプラインと鞘管とが直接摺動することを防止できる。このため、液体を浮遊しているパイプラインを推進させるだけでよいので、小さな力で円滑に推進させることができる。したがって、大型の推進装置を立坑に設置する必要がなくなり、施工に要する費用を削減し、並びに工期を短縮することができる。なお、本発明ではパイプラインの両端を止水しているので、立坑が液体により浸水することがなく、立坑内に推進手段を設置できる。また、立坑内で作業を行う作業者も安全に作業を行える。
【0007】
また、本発明では上記パイプラインの埋設方法において、前記パイプラインが内部を通過可能なシール部材を前記鞘管の軸方向に多層となるように取り付けられたシール手段を前記鞘管の前記発進立坑側の端部に設けることを特徴とする。
【0008】
発進立坑側ではパイプラインを構成する単管が順次鞘管に挿入される。しかも、パイプラインを構成する単管の外周面には、単管と鞘管とが直接接触することとを防止するためにインシュレータが取り付けられることが多い。このため、単に鞘管の内面とパイプラインの外周面とをシールするシール部材を一重に設けても、インシュレータがシール部材を通過すると、パイプラインとシール部材との間に隙間形成され、この隙間から液体が立坑に漏れ出してしまう。
【0009】
本発明によれば、シール部材を多層に設けることで、鞘管に近い内側のシール部材をインシュレータが通過して、このシール部材から液体が漏れても、その外側のシール部材が液体をシールするので、立坑に液体を漏れ出すことを確実に防止できる。
【0010】
さらに、本発明では上記パイプライン埋設方法において、前記液体は前記パイプラインの上端又はこのパイプラインの外周面に装着されたインシュレータを前記鞘管の天面に圧迫させない範囲の量となるように液位が制御されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、パイプラインを浮遊させ、下端が鞘管に擦れることを防止するだけでなく、上端が鞘管の天面と摺動することをも防止できる。このため、鞘管内部においてパイプラインの円滑な推進を確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明では上記課題を解決するために、地山に形成された立坑同士を連絡する鞘管内に所定量の液体をその内部に注入すると共に、前記立坑にこの液体が漏れ出さぬように前記鞘管の両端を止水して、この鞘管内でパイプラインを推進させて地山にパイプラインを埋設せしめる際に使用されるシール手段であって、前記鞘管の軸方向の端部に装着させる装着部と、前記パイプラインが内部を通過可能な胴部とが一体に構成され、前記胴部の内面には前記鞘管に注入された前記液体が前記パイプラインの外周面との間から漏れ出すことを防止するシール部材が前記鞘管の軸方向に多層となるよう取り付けられているシール手段を採用している。
【0013】
この発明によれば、鞘管に近い内側のシール部材をインシュレータが通過して、このシール部材から液体が漏れ出しても、その外側のシール部材が液体をシールするので、立坑に液体を漏れ出すことを確実に防止できる。
【0014】
なお、シール部材の層は、層数を増やせば、シール効果は向上する。その一方、シール部材とパイプラインの間に生じる摩擦抵抗が大きくなる。このため、円滑な推進の妨げとなることもある。シール部材の層数は、シール効果と円滑な推進とのバランスを考慮し、適切な数にすればよい。
【0015】
そして、本発明では上記シール手段において、前記胴部には、前記鞘管に注入された前記液体を排出させる排水口が前記シール部材の取り付け位置より前記鞘管側に設けられ、この排水口は、前記液体が前記パイプラインを浮上させ、このパイプラインの下端又はパイプラインの外周面に取り付けられたインシュレータの下端が前記鞘管の下端と接触することを防止する一方で、前記パイプラインの上端又はこのパイプラインの外周面に装着されたインシュレータが前記鞘管の天面を圧迫することを防止可能な範囲に前記液体の液位を維持する高さに形成されている。
【0016】
かかる構成のシール手段によれば、パイプラインを浮遊上させ、下端が鞘管に擦れることを防止するだけでなく、上端が鞘管の天面と大きな摩擦で摺動することをも防止できる。このため、鞘管内部においてパイプラインの円滑な推進を確実に行うことができ、シール手段でパイプラインを浮遊させる液体の漏れを最小限にできる。
【発明の効果】
【0017】
以上、本発明よれば、鞘管の内部においてパイプラインを推進させるに当たり、小さな推進力で円滑に行うことができる。このため、推進手段として大型の装置を設置する必要がなく、コストダウンを図ると共に段取りに要する時間を短縮する。また、鞘管により連絡されるパイプラインの端部に対応する位置に掘削される立坑に鞘管に注入された液体を漏らすことがない。このため、立坑内で作業者が安全に作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態にかかるパイプライン埋設方法によりパイプライン2を埋設している様子を示している。このパイプライン埋設方法では、埋設しようとするパイプライン2の両端に対応する位置に立坑を掘削し、これら立坑同士を鞘管1で連絡せしめ、パイプライン2をこの鞘管1の内部で推進させることでパイプライン2の埋設が行われる。また、所定長さの単管3…3がその軸方向の端面同士を接続されることで一本の長いパイプライン2は形成される。なお、パイプライン2を推進させる推進装置は図示していないが、推進装置としてはシリンダ装置やウインチ装置等を挙げることができる。また、この推進装置は、発進立坑Aに設置してパイプラインを到達立坑Bに向けて押圧するものには限定されず、到達立坑Bに設置して、パイプラインを到達立坑Bに引き寄せるタイプのものを使用してもよい。
【0020】
この図1の右側に掘削された立坑は推進されるパイプライン2の出発点となる発進立坑Aであり、左側に形成された立坑は推進されるパイプライン2が到達される到達立坑Bである。これら立坑A,B同士は鞘管1によりこれらの側面同士が連絡されている。この鞘管1は、後に埋設されるパイプライン2を地山Gの土砂から保護する役割を果たすものであり、パイプライン2をその内部で軸方向に推進させることが可能なように、パイプライン2の外径よりもやや大きな内径を有する管が使用されている。なお、この鞘管1は、所定長さの単管1A…1Aが複数軸方向に連結されて構成されたものである。
【0021】
また、地表には水タンクTが設置されている。この水タンクTは鞘管1の内部に水Wを供給するためのものであり、ホース15により後述するシール手段20と接続されている。そして、鞘管1にはその内部に注入された水Wが立坑に漏れ出すことを防止するために、発進立坑A側の端部及び到達立坑B側の端部にシール手段10,20がそれぞれ設けられている。発進立坑A側のシール手段20は、パイプライン2を鞘管1の内部に挿入させることができる特別な構造のものが使用されているが、このシール手段20については後に詳細を説明する。一方、到達立坑B側のシール手段10は、鞘管1端部の開口部を密閉することで内部の水Wが立坑へ漏れ出すことを防止している。なお、到達立坑B側のシール手段10は、立坑へ水Wが漏れ出すことを阻止することができれば、特にその構造に限定はない。
【0022】
パイプライン2は、図の右側に掘削されている発進立坑Aにて所定長さの単管3…3がその軸方向に順次接続され、当該発進立坑Aに設置された図示しない推進装置によって接続された単管3の後端が押圧されて到達立坑Bに向けて推進され、先端の単管3が到達立坑Bに到達するまでこの作業が繰り返し行われて形成される。この際、鞘管1の内部には水Wが注入されているので、発進立坑Aから鞘管1に挿入されたパイプライン2はこの水Wの浮力によって浮遊される。このため、当該埋設方法によれば、パイプライン2を小さな推進力で軸方向に推進させることができる。なお、パイプライン2の先端を構成する単管3の先端開口部は蓋体4により閉塞され、パイプライン2の内部に水Wが浸入することを防止されている。これによりパイプライン2は鞘管1内で浮遊される。
【0023】
また、このパイプライン2を構成する各単管3…3には、その外周面にインシュレータ6…6がその軸方向の両端位置に取り付けられている。このインシュレータ6…6は、リング状に形成され、単管3…3の外周面に取り付けられる装着部7と、この装着部7から半径方向外側にむけて放射状に延びる複数の羽根8…8とから構成されている。このインシュレータ6…6は、パイプライン2を推進させる際に、各単管3…3が鞘管1の内面と擦れて傷つくことを防止して、単管3…3を保護する役割を果たすとともに、鞘管1内面との接触面積を小さくすることで摩擦抵抗の軽減を図っている。
【0024】
図2及び図3は、パイプライン2の先端を構成する単管3が発進立坑Aから鞘管1に挿入した状態の詳細を示している。
【0025】
発進立坑Aの側面には地山Gが崩れることを防止している防護壁40が発進立坑Aの側壁の全周に亘り設置されている。この防護壁40には、鞘管1が配される位置に円上の開口部が形成されており、この開口部から鞘管1の端部が発進立坑Aの内側に若干突出している。この鞘管1の端面にはシール手段20が装着されており、発進立坑Aに鞘管1の内部に注入されている水Wが漏れ出すことを防止している。
【0026】
このシール手段20は、鞘管1の端面に取り付けるドーナツ状の装着部22と、この装着部22から鞘管1の軸方向を発進立坑A内側に向けて延びる円筒状の胴部25とが一体に構成されたもので、鞘管1に注入された水Wを止水しつつ、パイプライン2を構成する単管3…3を鞘管1の内部へ案内している。装着部22には、複数のボルト孔がその全周にほぼ均等に配されるように形成されており、各ボルト孔にボルトが通され、これらボルトによってシール手段20が鞘管1の端面に取り付けられている。
【0027】
一方、胴部25は鞘管1と連通された円筒体からなり、その径が装着部22の内径部とほぼ同寸に形成されている。この胴部25の鞘管1側は鞘管1と連通されている一方、発進立坑A側は開放されており、パイプライン2を構成する単管3…3はこの開口部から挿入され鞘管1内部に案内される。この胴部25の内周面には、挿入されるパイプライン2の単管3…3の外周面との間をシールするシール部材としてのゴムパッキン27,29が取り付けられている。ゴムパッキン27,29は、胴部25の端面部と軸方向のほぼ中央部との2カ所で軸方向に層を成して設けられている。各ゴムパッキン27,29は、ドーナツ状にそれぞれ形成されており、これらの外周部が胴部25の内周面部にボルト締めされて取り付けられている。一方、ゴムパッキン27,29の内周部は、締めしろが形成されるようその径が内部に挿入される単管3…3の外径よりやや小さめに形成されている。
【0028】
また、胴部25にはその下端から高さHの位置に、胴部25の内外を連通する矩形状の排水口32が形成されている。この排水口32は、鞘管1の内部に注入された水Wの水位が所定の水位以上になることを防止するために、鞘管1内の水Wを外部に排出するものである。鞘管1に注入される水Wが多く水位が高すぎると、パイプライン2が鞘管1内部において上側部分を推進される。このような場合、各単管3…3に装着されたインシュレータ6…6が鞘管1上部の内周面と擦れてしまい、円滑な推進の妨げとなってしまう。また、施工が進み、鞘管1内で接続される単管3…3が多くなり、パイプライン2が長くなるに連れ、鞘管1の内容積に対するパイプライン2の占める割合が大きくなる。すると、鞘管1内部にて水位が上昇し、パイプライン2が上側に押し上げられ、インシュレータ6…6の上端が鞘管1の内周面の上部と接触してしまう。排水口32はかかる不具合を防止すべく、鞘管1に注入された水Wの水位が所定以上に上がることを防止している。
【0029】
なお、排水口32を形成する位置が低すぎると、パイプライン2を十分に浮上させることができず、インシュレータ6…6の下端が鞘管1の下面部に摺動するようにして推進される。かかる場合にも、摩擦抵抗が大きくなり、円滑にパイプライン2を推進させることができない。このため、当該排水口32は、中心よりやや高めの位置に設けるとよい。これにより、インシュレータ6…6の上端または下端いずれをも鞘管1の内周面に摺動させることなく円滑にパイプライン2を推進させることができる。
【0030】
さらに、胴部25の発進立坑A側には、挿入されるパイプライン2の単管3…3を円滑に挿入させることができるように、単管3…3の下面を支持する案内ローラ35,35が2つ取り付けられている。胴部25の下部からは、案内ローラ35,35の取り付けられる円弧状の板材36が軸方向外側に張り出している。各案内ローラ35,35はこの板材36の周方向の両端部にて、その上端が胴部25の中心軸に向けて延びるように取り付けられている。この2つの案内ローラ35,35により、単管3…3はシール手段20から円滑に鞘管1内に挿入される。
【0031】
なお、胴部25の上部には、外周面から上部に突出するブラケット37が設けられており、当該シール手段20をフックで吊り下げて移動させることができるようになっている。
【0032】
かかる構成を有するシール手段20を鞘管1の端部に取り付けたことにより、図4に示すように、鞘管1に注入された水Wを発進立坑Aに漏らすことなく単管3…3を順次鞘管1内に挿入できる。この図4は、パイプライン2の先端を構成する単管3がシール手段20から鞘管1に挿入されている様子を示している。
【0033】
図4(a)は、先端をなす単管3が軸方向にある程度挿入され、その後端に次の単管3が軸方向に接続された状態を示している。また、先端をなす単管3の後部に装着されたインシュレータ6が、シール手段20に未だ挿入されておらず、シール手段20の外側に位置している。この状態では、鞘管1に注入された水Wは内側に取り付けられたゴムパッキン27により概ねシールされている。
【0034】
そして、単管3,3同士が接続されたパイプライン2は発進立坑Aにて到達立坑B(図4の左方)へ向けて押圧され、シール手段20から鞘管1へさらに挿入される。すると、先端をなす単管3の後部に装着されたインシュレータ6が、外側のゴムパッキン29の内周面を押しのけ、内側のゴムパッキン27と外側のゴムパッキン29との間に移動される(図4(b)に示す状態)。この段階では、内側のゴムパッキン27が胴部25と単管3の外周面との間をシールしており、鞘管1に注入された水Wは内側のゴムパッキン27より内側にとどまっている。
【0035】
さらに、パイプライン2を押圧し、シール手段20から鞘管1に挿入させると、インシュレータ6が内側のゴムパッキン27の内周部を押しのけ、図4(c)に示すように、内側のゴムパッキン27より鞘管1側へ移動される。インシュレータ6がゴムパッキン27を通過する際、ゴムパッキン27の内周部と、単管3の外周面との間には隙間が形成される。このため、鞘管1に注入された水Wは内側のゴムパッキン27から漏れ出し、内側のゴムパッキン27と外側のゴムパッキン29と間に形成された空間部に排出されてしまう。しかし、この排出された水Wは外側のゴムパッキン29によりシールされ、シール手段20から発進立坑Aに漏れることが確実に阻止される。これにより、発進立坑Aに設置された推進装置や発進立坑Aの中で作業を行っている作業者が鞘管1に注入された水Wの漏洩によって作業を阻害されることがなく、安全に作業を行うことができる。
【0036】
以上、ゴムパッキンを鞘管の軸方向の2カ所に取り付け、シール部材が2層となるように形成したものについて説明したが、2層に形成することには限定されず、3層以上の多層に形成しても構わない。シール部材の層が多くなるにつれ、シール手段から挿入されるパイプラインとの間に生ずる摩擦抵抗は大きくなるが、鞘管に注入された水が外部に漏れ出すことを確実に阻止することができる。また、シール部材としては、ゴムパッキンの他に樹脂製のシール材等を使用しても構わない。
【0037】
さらに、鞘管に注入する液体としては、水以外に不凍液やその他の液体を使用しても構わない。この液体は、施工現場の環境や埋設使用とするパイプラインの種類に応じて適切な液体を選定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態にかかるパイプライン埋設方法によりパイプラインを埋設している様子を示す説明図。
【図2】パイプラインの先端を構成する単管が発進立坑にてシール手段から鞘管に挿入された状態を示す図。
【図3】図2の単管を後端側からみた図。
【図4】単管に装着されたインシュレータがシール手段のゴムパッキンを通過する様子を示す図。
【符号の説明】
【0039】
1 鞘管
2 パイプライン
3 単管
6 インシュレータ
10,20 シール手段
27,29 ゴムパッキン(シール部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地山に形成された立坑同士を連絡する鞘管内でパイプラインをこの鞘管の軸方向に推進させてパイプラインを地山に埋設せしめるパイプライン埋設方法であって、所定量の液体を前記鞘管の内部に注入すると共に、この液体が前記パイプラインの発進される発進立坑及び前記パイプラインの到達される到達立坑へ漏れ出さぬように前記鞘管の両端を止水して、前記パイプラインの内部に前記液体が浸入せぬようその先端開口部を密閉し、これを前記液体の注入された前記鞘管内にて浮遊させて推進させることを特徴とするパイプライン埋設方法。
【請求項2】
前記パイプラインが内部を通過可能なシール部材を前記鞘管の軸方向に多層となるように取り付けられたシール手段を前記鞘管の前記発進立坑側の端部に設けることを特徴とする請求項1記載のパイプライン埋設方法。
【請求項3】
前記液体は、前記パイプラインの上端又はこのパイプラインの外周面に装着されたインシュレータを前記鞘管の天面に圧迫させない範囲の量となるように液位が制御されることを特徴とする請求項1記載のパイプライン埋設方法。
【請求項4】
地山に形成された立坑同士を連絡する鞘管内に所定量の液体をその内部に注入すると共に、前記立坑にこの液体が漏れ出さぬように前記鞘管の両端を止水して、この鞘管内でパイプラインを推進させて地山にパイプラインを埋設せしめる際に使用されるシール手段であって、前記鞘管の軸方向の端部に装着させる装着部と、前記パイプラインが内部を通過可能な胴部とが一体に構成され、前記胴部の内面には前記鞘管に注入された前記液体が前記パイプラインの外周面との間から漏れ出すことを防止するシール部材が前記鞘管の軸方向に多層となるよう取り付けられていることを特徴とするシール手段。
【請求項5】
前記胴部には、前記鞘管に注入された前記液体を排出させる排水口が前記シール部材の取り付け位置より前記鞘管側に設けられ、この排水口は、前記液体が前記パイプラインを浮上させ、このパイプラインの下端又はパイプラインの外周面に取り付けられたインシュレータの下端が前記鞘管の下端と接触することを防止する一方で、前記パイプラインの上端又はこのパイプラインの外周面に装着されたインシュレータが前記鞘管の天面に圧迫することを防止可能な範囲に前記液体の液位を維持する高さに形成されていることを特徴とする請求項4記載のシール手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−82557(P2008−82557A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314175(P2007−314175)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【分割の表示】特願2001−280128(P2001−280128)の分割
【原出願日】平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願人】(000231132)JFE工建株式会社 (54)