説明

パチンコ機

【課題】遊技機本来の楽しみとミッションを達成することの楽しみを維持したまま、ミッションを達成した場合の達成表示を適切に表示することにより、遊技意欲を減退させることなく興趣に富んだパチンコ機を提供する。
【解決手段】副制御装置が、ミッションの達成状況に基づき、遊技者の要求により複数のミッションが付加されてから、当否抽選の結果が当りとなる遊技までの間に遊技者が達成したミッションを遊技者にとって有利な当り遊技が開始される旨の報知とともに報知する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に遊技中に設定される複数のミッションの達成状況を適切に報知することが可能なパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技機の一例としてのパチンコ機には、遊技盤に配設された始動入賞口に遊技球を入賞させることにより内部的な電子抽選を繰り返し実行させ、当該抽選の結果が当りであることに基づき開始される当り遊技(所謂大当り)を獲得するというパチンコ機本来の遊技の他に、遊技中に「ミッション」と呼ばれる遊技者が達成すべき任務を課すことにより、当該ミッションを達成したことに基づいて、遊技者に対して当り遊技等のパチンコ機本来の楽しみとは別の楽しみや特典を付与するものが知られている。
具体的には、この種のパチンコ機は、インターネット等の通信網上に設けられたサーバーと相互に接続可能とされ、ユーザー(遊技者)が例えば携帯電話等の通信手段を用いてサーバーと接続し、遊技者の固有識別情報を予め登録する。そして、登録したユーザーは、特定のパチンコ機ごとに予め、又は、ネット配信等により設定されたミッションの達成状況をパチンコ機の液晶画面上において表示される識別表示(バーコード、その他の表示)を利用してサーバーに送信する。また、サーバー側においては、ユーザーから送信されたミッションの達成状況に応じて、登録済みの遊技者個人に対してサーバー上において使用可能な所定のポイント等の特典を付与する。当該ポイントは、例えばミッションを達成したパチンコ機において表示される特定の画像や、特定の楽曲等と交換することができ、遊技者はサーバー上においてポイントを消費することにより、これらの特典を得ることが可能となっている。
また、遊技中において設定されるミッションの一例としては、例えば「7図柄で大当りを獲得せよ」、「10連荘(レンチャン)を達成せよ」、「プレミアムリーチを出せ」等、当り遊技の種別や当り遊技の継続回数、或いは演出態様の種類等、遊技進行中に起こり得る多様な事象を対象としており、これらのミッションを達成した場合には、「ミッション達成!!」等の表示が液晶画面上に表示され、遊技者は遊技機本来の楽しみとは別の楽しみを享受することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−334202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、外部サーバー等と連動したミッション設定機能を有するパチンコ機においては、ミッションを達成したことを遊技者に対して報知する表示(以下、達成表示という)が、遊技の進行とは無関係に行われるため、例えば、液晶画面上において演出図柄が変動表示されている場合において上述の達成表示が表示されると、当該達成表示を見た遊技者が、当該変動が当りの期待度が高い変動である、或いは、当り遊技となる変動である等と誤認する可能性があり、演出図柄の変動パターンや停止態様がありふれたパターンである場合、遊技者が抱いた期待感を削ぐ結果となり、その後の遊技意欲を減退させる要因となり得る。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、遊技機本来の楽しみとミッションを達成することの楽しみとを維持したまま、ミッションを達成した場合の達成表示を適切に表示することにより、遊技意欲を減退させることなく興趣に富んだパチンコ機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのパチンコ機に係る第1の構成として、遊技盤の遊技領域に設けられた始動入賞口へ遊技球が入賞したことを契機に当否抽選を実行する主制御装置と、当否抽選の結果に基づいて、所定の演出図柄を表示可能な演出図柄変動表示手段を制御し、演出図柄の変動表示を開始させて所定の変動時間経過後に当否抽選の結果を前記演出図柄の停止態様により導出表示させるとともに、当該導出表示された演出図柄の停止態様が当りを示す態様であるときに、前記演出図柄変動表示手段上に遊技者にとって有利な当り遊技が開始される旨を報知させる副制御装置とを備えたパチンコ機であって、副制御装置は、遊技中に遊技者が達成すべき任務であるミッションを複数設定し、当該設定されたミッションの達成状況を判定するミッション付加手段と、遊技者からの要求に応じて前記ミッション付加手段で判定されたミッションの達成状況を記憶する記憶手段とを備え、副制御装置は、遊技者の要求があった場合に、記憶手段に記憶されているミッションの達成状況に基づき、当否抽選の結果が当りとなった場合に当該当り遊技の開始時に遊技者が達成したミッションを遊技者にとって有利な当り遊技が開始される旨の報知とともに報知する構成とした。
また、上記課題を解決するためのパチンコ機に係る第2の構成として、 副制御装置が、報知の終了後、記憶手段に記憶されている達成済みのミッションを報知済みとして処理し、当り遊技の終了後、次の当り遊技発生までの間にミッション付加手段により新たなミッションが設定され、達成された場合、終了した当り遊技までに達成されたミッションの報知を行うことなく次の当り遊技の開始時に達成された新たなミッションを次の当り遊技が開始される旨の報知とともに報知する構成とした。
【0007】
第1の構成からなるパチンコ機によれば、副制御装置がミッション付加手段により付加されたミッションの達成状況に基づき、遊技者の要求があった後、当否抽選の結果が当りとなる遊技までの間に遊技者が達成したミッションを遊技者にとって有利な当り遊技が開始される旨の報知とともに報知することから、遊技の進行と無関係にミッションの達成に関する報知がなされることがなくなり、遊技者がミッションの達成に関する報知により、前述したような誤認を生じることがなくなる。
また、ミッションの達成が遊技者にとって有利な当り遊技が開始される旨の報知とともに報知されることから、遊技者は余裕をもってミッションの達成状況を確認することができ、当り遊技を獲得したことの優越感と相俟って、ミッションを達成したことの優越感を一層増大させることが可能となる。
第2の構成からなるパチンコ機によれば、次の当り遊技の開始時には、先の当り遊技までに達成されたミッションの報知は除かれ、新たに達成されたミッションの報知が行われるので、ミッション達成報知の簡素化を図ることができるとともに、遊技者は新たな達成感を味わうことができる。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ機の外観斜視図である。
【図2】図1に示したパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図3】図1に示したパチンコ機の制御に係る構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した特別図柄用当否抽選手段の構成の詳細を示す図である。
【図5】図4に示した特図低確時,特図高確時判定テーブルの詳細を示す図である。
【図6】図4に示した当り種類判定テーブルの詳細を示す図である。
【図7】図3に示した普通図柄用当否抽選手段の詳細を示す図である。
【図8】図3に示した特別図柄用変動パターン抽選手段の詳細を示す図である。
【図9】図8に示した特図変動パターンテーブルの一例を示す図である。
【図10】図3に示した演出パターンテーブルの一例を示す図である。
【図11】遊技状態制御テーブルの一例を示す図である。
【図12】当り遊技画像R1;R2を示す図である。
【図13】ネットワーク型の遊技システムの概要を示す図である。
【図14】ネットワーク型の遊技システムのフローを示す図である。
【図15】ミッションテーブルの一例を示す図である。
【図16】ミッション付加処理のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1〜図16を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
【0010】
図1,図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きくガラス窓4aが設けられたガラス扉4と、本体枠3の下側に開閉自在に設けられ、遊技球を収容する受皿6を有する前面ボード5と、本体枠3の下部に配設された図外の発射装置と、前面ボード5に取り付けられたハンドル7と、ガラス扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8及び本体枠3やガラス扉4の周囲に配設された複数のランプ10とを備える。また、貯留皿受皿6の中央部には、操作部9が配設される。操作部9は、演出図柄表示装置50上に表示されるカーソル等を移動するためのダイアル部9Aと、ダイアル部9Aによって移動されたカーソルと対応する項目を選択する際や、演出図柄表示装置50上において展開されるボタン演出の際に押下されるボタン9Bとから構成される。また、詳細は後述するが操作部9は、サブ制御装置200と接続されており、サブ制御装置200は遊技者による操作部9の操作に応じてミッション確認画面や、パスワード入力画面等、各種の画面に切り替える。
【0011】
パチンコ機1の背面側には、図外の支持部材等を介して、図3に示す主制御装置100と、副制御装置を構成するサブ制御装置(演出制御装置)200と、払出制御装置300とが設けられている。主制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300は何れもCPU(Central Processing Unit)と、コンピュータプログラム及び遊技処理(演出処理,払出処理等)に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を概説する。
【0012】
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。遊技領域31は、ガラス窓4aから観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されている。
【0013】
前面ボード5の受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。図3に示すように、払出制御装置300は、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム(可変抵抗器)7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて遊技領域31に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。
また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7の内部に配設されたタッチセンサ7Dが接続されている。
【0014】
遊技領域31内には、演出図柄表示装置50と、ステージ51と、第1特別図柄表示装置40Aと、第2特別図柄表示装置40B、普通図柄表示装置41と、第1始動入賞口(始動口)61と、第2始動入賞口(始動口)62と、電動チューリップ63と、第1大入賞口64と、アタッカ装置65と、スルーチャッカ66と、一般入賞口67と、アウト口68と、第2大入賞口77と図外の複数の遊技釘とが設けられている。
第1始動入賞口61は、遊技領域31の略中央部におけるステージ51の下方に位置する。第2始動入賞口62は、遊技領域31の右側部に位置する。第1始動入賞口61、第2始動入賞口(始動口)62、第1大入賞口64、スルーチャッカ66、一般入賞口67及び第2大入賞口77のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、第1大入賞口検知センサ93、スルーチャッカ検知センサ94、一般入賞口検知センサ95及び第2大入賞口検知センサ96が内蔵されている。これらの検知センサ91〜96は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号(電気信号)を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御装置100に入力される。
【0015】
第1特別図柄表示装置40Aは、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる特別図柄に係る電子抽選(第1特図抽選)の結果を表示するためのものであって、より具体的には、第1特図抽選の結果に基づいて特別図柄(数字や絵柄)が変動した後に、第1特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)するものである。また、第1特別図柄表示装置40Aの変動表示制御は後述の特別図柄変動表示制御手段130により制御される。
第2特別図柄表示装置40Bは、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる特別図柄に係る電子抽選(第2特図抽選)の結果を表示するためのものであって、前記同様に特別図柄変動表示制御手段130により制御されることによって、第2特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)するものである。また、本実施形態においては、第1始動入賞口61への入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄とし、第2始動入賞口62への入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄としている。
第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bは、例えば7セグメント表示器からなり、演出図柄表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤30の右下部分に演出図柄表示装置50と離間して配置されている。第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が停止した状態である。また、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している時間は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間である。なお、第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bの形態は7セグメントに限られず、複数のランプを配列した形態のものを採用することも可能である。
【0016】
本実施形態では、上述のとおり、第1特図抽選、又は第2特図抽選を行い、それぞれ対応する第1特別図柄及び第2特別図柄を変動させた後、変動時間経過後に上記特図抽選の結果を表示する態様で第1特別図柄又は第2特別図柄をそれぞれ第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bに導出表示する構成である。
【0017】
演出図柄表示装置50は、遊技盤30の略中央部に設けられている。演出図柄表示装置50は、本実施形態においては液晶表示装置からなり、上記特別図柄の変動開始及び変動停止と略同期して変動開始,変動停止する複数の演出図柄Sを表示する。また、演出図柄表示装置50は、第1特図抽選、又は第2特図抽選が当りとなり、上述の第1特別図柄又は第2特別図柄、及び、これらの図柄と同期して停止表示される演出図柄Sが当りを示す態様で導出された場合、その後に実行される当り遊技が開始されることを遊技者に対して特定の表示により報知する。なお、演出図柄表示装置50に表示される具体的表示については後述する。
また、演出図柄表示装置50は、上記主制御装置100から送信される演出表示コマンドや、当り遊技開始コマンドに基づいて動作するサブ制御装置200により制御される。
図2に示すように、演出図柄表示装置50上には、複数の数字や特定のキャラクタからなる複数の演出図柄S(図示の例は「7」)が表示されており、当該演出図柄Sは、前記第1特別図柄又は第2特別図柄の変動に合わせて例えば上下方向にスクロール表示される。
【0018】
スルーチャッカ66は、遊技球が通過可能なゲート構造をなしたものであり、本実施形態においては、遊技盤30の右側部における第2始動入賞口62よりも上方に配置されている。このスルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、主制御装置100の普通図柄用当否抽選手段150により普通図柄に係る電子抽選(普図抽選)が行われるようになっている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄に係る電子抽選の結果(普図当り、ハズレ)が表示されるよう主制御装置100に設けられた普通図柄用当否抽選手段により制御されるものである。この普通図柄表示装置41は第2特別図柄表示装置40Bの下方に配置されていて、本実施形態においては2つのLEDランプからなる。普通図柄に係る電子抽選の結果が当り(普図当り)のときに2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、ハズレのときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
【0019】
電動チューリップ63は、第2始動入賞口62の入口に設けられ、遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する1対の羽根部材と、これら1対の羽根部材を駆動する電動チューリップ駆動装置(ソレノイド)63Aとを備え、その電動チューリップ駆動装置63Aへの通電により1対の羽根部材が互いに離れる方向に回動し、第2始動入賞口62の入口を拡大するものである。電動チューリップ63は1対の羽根部材を閉じた状態において、第2始動入賞口62の上方に稙設された図外の遊技釘との間隔を遊技球が通過不可能なものであるため、1対の羽根部材が閉じた状態では第2始動入賞口62への遊技球の入賞は不可能である。電動チューリップ63は、普通図柄に係る電子抽選の結果が普図当りとなった場合に、1対の羽根部材が開くよう主制御装置100により制御される。
【0020】
ステージ51は、演出図柄表示装置50の下方に配置されていて、遊技球を転動させながら一時的に滞在させる構造物である。このステージ51の中央には溝51Aが形成されており、この溝51Aの真下の位置には第1始動入賞口61が配置されている。このため、溝51Aから落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口61に導かれる。
【0021】
第1大入賞口64は、横長な長方形の開口であり、第1始動入賞口62の下方に設けられている。アタッカ装置65は、水平な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられ第1大入賞口64の形状とほぼ同じ長方形の蓋部材と、この蓋部材を駆動するソレノイドとを備え、そのソレノイドへの通電により蓋部材が前方向に回動して第1大入賞口64を開放するものである。アタッカ装置65が開いた状態は第1大入賞口64への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカ装置65が閉じた状態は第1大入賞口64への遊技球の入賞が不可能な状態である。
【0022】
アタッカ装置65は、上記第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が当り(第1特図当り又は第2特図当り)となった場合に、主制御装置100がアタッカ駆動装置65Aを制御することにより所定のラウンド数だけ開放され、これによって遊技者にとって有利な当り遊技が提供される。
本実施形態において、アタッカ装置65が開放される所定のラウンド数は例えば、4ラウンドまたは16ラウンドであり、1ラウンド当りの最大入賞個数は9個でアタッカ装置65の最長開放時間は30秒である。つまり、アタッカ装置65の開放時点から30秒経過する前に第1大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達した場合と、第1大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達する前にアタッカ装置65の開放時点から30秒が経過した場合に、1ラウンドが終了するようになっている。なお、当り遊技が後述の2ラウンド、4ラウンド又は16ラウンドの何れのラウンドとなるかは、複数存在する当りの種類によって異なる。また、1ラウンド当りの開放時間を特図当りの種類によって異なる開放時間とすることも可能である。
【0023】
第2大入賞口77は、第1始動入賞口61の下部に設けられ、その入賞口は閉じられていて、第2大入賞口77内に遊技球が入賞できないようになっている。第2大入賞口77は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に行われる抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)で上記第1特図当り又は第2特図当りが2ラウンドの小当たり又は大当り(2R特別図柄A又は2R特別図柄B)の場合、第2大入賞口駆動装置77Aにより開放される。この第2大入賞口77の1ラウンド当りの開放時間は、約0.2秒である。そして、第2大入賞口77の開放時間は、前述のアタッカ装置65の開放時間と比較して極めて短いため、遊技球を入賞させることは困難であり、実質的な賞球を得ることも困難である。つまり、第2大入賞口77の開放動作は、当該開放動作により2ラウンドの小当たり又は大当りを獲得したことをささやかに報知するものである。
【0024】
賞球払出装置301は、受皿6に賞球を払い出す装置である。賞球の払出個数は、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、第1大入賞口64、一般入賞口67、第2大入賞口77のそれぞれに予め対応付けられている。主制御装置100は遊技球の入賞が検知された入賞口に基づき、その入賞口に予め対応付けられている賞球の払出個数を、払出制御装置300に指令するようになっていて、払出制御装置300は主制御装置100からの指令に従って賞球払出装置301が有する図外の払出モータを駆動して賞球払出装置301に賞球を払い出させるようになっている。また、賞球払出装置301から払出された賞球は、賞球払出装置301の流路内に配設された払出計数スイッチ302により計数され、払出制御装置300は払出計数スイッチ302からの入力に基づいて払出動作を停止させる。本実施形態において、第1始動入賞口61および第2始動入賞口62に予め対応付けられた賞球個数は3個であり、第1大入賞口64及び第2大入賞口77に予め対応付けられた賞球個数は13個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は5個である。なお、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、第1大入賞口64、一般入賞口67、第2大入賞口77の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
【0025】
以下、図3を参照し、主制御装置100及びサブ制御装置200のハードウェア上の構成について説明すると共に、パチンコ機1における主要な制御処理について説明する。
同図に示すように、主制御装置100は、特別図柄用当否抽選手段110、特別図柄変動表示制御手段130、普通図柄用当否抽選手段150、当り遊技制御手段160、電動チューリップ制御手段170及び遊技状態制御手段180を備える。
サブ制御装置200は、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンド、当り遊技開始コマンド等の各種のコマンドに基づいて演出図柄表示装置50上において多様な演出動作を実行させる演出表示制御手段210と、パチンコ機1ごとに設定される多様なミッションを記憶するとともに、当該記憶されたミッションが遊技中に達成されたかを判定するミッション付加手段230と、ミッションの成否により当り遊技開始前の表示画面を切り替える当り遊技開始報知手段240と、遊技者の要求に応じて遊技者の固有情報を記憶する遊技者固有情報設定手段250とを備える。これらの各手段は、遊技に係る制御を行うためにROMに格納されたコンピュータプログラムおよびデータにより設定された手段である。
また、主制御装置100及びサブ制御装置200は、外部中継基板500を介してホールコンピュータ501と接続されており、ホールコンピュータ501には第1特別図柄及び第2特別図柄の累計変動回数、累計当り遊技回数等、遊技に関連する各種の情報が送信される。
【0026】
主制御装置100の特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機として、当り(第1特図当り又は第2特図当り)またはハズレを電子抽選により決定するものである。
図4に示すように、特別図柄用当否抽選手段110は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である当否判定用乱数を発生させる当否判定用乱数発生手段111と、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、言い換えると、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、当否判定用乱数発生手段111で発生した当否判定用乱数を取得(ラッチ)する当否判定用乱数取得手段112と、当否判定用乱数取得手段112により取得された当否判定用乱数が当りであるかハズレであるかを、図5(a)に示す特図低確時判定テーブル113Aまたは図5(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bを参照して判定する特図当否判定手段113と、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき当否判定用乱数取得手段112が当否判定用乱数を取得した場合に、当該乱数をそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留球乱数として所定の上限個数まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する当否判定用乱数保留手段114とを備える。
また、保留記憶可能な乱数の上限は、第1始動入賞口61への入賞を契機として取得された当否判定用乱数が4つ、第2始動入賞口62への入賞を契機として取得された当否判定用乱数が4つの合計8つまでとされており、例えば既に第1始動入賞口61への入賞に基づいて保留記憶された当否判定用乱数が上限の4つである場合に第1始動入賞口61へ入賞したとしても当否判定用乱数が取得されることはなく、第2始動入賞口62においても同様である。
【0027】
図5に示す特図低確時判定テーブル113A及び特図高確時判定テーブル113Bは、当否判定用乱数と当りおよびハズレとの対応関係を規定するものである。具体的には、図5(a)に示す特図低確時判定テーブル113Aにおいては、当否判定用乱数0〜186に当りが予め対応付けられていて、当否判定用乱数187〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図低確時判定テーブル113Aが参照された場合に当りとなる確率は約350分の1である。
これに対し、図5(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bにおいては、当否判定用乱数0〜1860に当りが予め対応付けられていて、当否判定用乱数1861〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図高確時判定テーブル113Bが参照された場合に当りとなる確率は約35分の1である。これらの当選確率を比較して分かるように、特図高確時判定テーブル113Bによる特図当りの当選確率の方が、特図低確時判定テーブル113Aよる特図当りに当選する確率よりも約10倍高い。
【0028】
なお、特別図柄用当否抽選手段110において特図低確時判定テーブル113Aが参照されて当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図低確率状態であり、特図高確時判定テーブル113Bが用いられて当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図高確率状態(所謂確変状態)である。以下、便宜上、「特図低確率状態」を「特図低確」といい、「特図高確率状態」を「特図高確」という。なお、当該特図低確又は特図高確の切り替えは後述の遊技状態制御手段180により実行される。
【0029】
また、特別図柄用当否抽選手段110は、前述の各手段の他、当り種類決定用乱数発生手段115、当り種類決定用乱数取得手段116、当り種類判定手段117、及び、当り種類決定用乱数保留手段118を備える。これらの各手段は、前述の特図当否判定手段113による判定(抽選)の結果が当りである場合に、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Aに導出表示される特別図柄を複数存在する特別図柄のうちから電子抽選により決定する手段である。
具体的には、当り種類決定用乱数発生手段115は、当否判定用乱数発生手段111と同様に周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることにより当り種類用乱数を発生させる。また、当り種類決定用乱数取得手段116は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機として、当り種類決定用乱数発生手段115で発生した当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。また、当り種類判定手段117は、当り種類決定用乱数取得手段116により取得された当り種類決定用乱数に基づき、第1特図当り種類テーブル117A又は第2特図当り種類テーブル117Bを参照して第1特別図柄又は第2特別図柄の種類を決定する。
【0030】
当り種類決定用乱数保留手段118は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動入賞口61又は第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、当り種類決定用乱数取得手段116が当り種類決定用乱数を取得した場合に、当該乱数をそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に係る当り種類決定用乱数として所定の上限個数まで、主制御装置100のRAMを利用して個別に保留記憶する。また、保留記憶可能な乱数の上限は、前述の当否判定用乱数における上限と同一である。
【0031】
図6(a)に示すように第1特図当り種類テーブル117Aは、第1始動入賞口への入賞を契機として取得される当り種類決定用乱数(第1特図当り種類決定用乱数)と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。
また、図6(b)に示すように第2特図当り種類テーブル117Bは、第2始動入賞口への入賞を契機として取得される当り種類決定用乱数(第2特図当り種類決定用乱数)と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。
同図に示すとおり、本実施形態で用いられる特別図柄の種類は、2R特別図柄A、2R特別図柄B、4R特別図柄A、4R特別図柄B、16R特別図柄Aの4種類であり、第1特図当り種類テーブル117Aが参照されるか、第2特図当り種類テーブル117Bが参照されるかによって当りの種類の割合が異なるように設定されている。
【0032】
また、第1特図当り種類テーブル117Aが参照され、第1特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合、或いは、第2特図当り種類テーブル117Bが参照され、第2特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合、後述の変動時間経過後に第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40B上において導出される第1特別図柄又は第2特別図柄は、例えば「4」のゾロ目として表示される。
また、第1特図当り種類テーブル117Aが参照され、第1特別図柄の種類が2R特別図柄Bに決定された場合、或いは、第2特図当り種類テーブル117Bが参照され、第2特別図柄の種類が2R特別図柄Bに決定された場合、後述の変動時間経過後に第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40B上において導出される第1特別図柄又は第2特別図柄は、例えば「2」のゾロ目として表示される。
また、同様に、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が4R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40B上において導出される第1特別図柄又は第2特別図柄は、例えば「5」のゾロ目として表示される。
また、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が4R特別図柄Bに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40B上において導出される第1特別図柄又は第2特別図柄は、例えば「6」のゾロ目として表示される。
また、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が16R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40B上において導出される第1特別図柄又は第2特別図柄は、例えば「7」のゾロ目として表示される。
なお、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果がハズレである場合、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40B上には、例えば識別不能な形状,記号等が表示される。また、上記第1特別図柄及び第2特別図柄の具体的表示は例示であって、これに限定されるものではなく、全ての当り種類に対して識別不能又は困難な表示としてもよい。
【0033】
次に、第1特図当り種類テーブル117A及び第2特図当り種類テーブル117Bに規定された当り種類について説明する。2R特別図柄A、2R特別図柄B、4R特別図柄A、4R特別図柄B、16R特別図柄Aのそれぞれには、当り遊技のラウンド数の種類が予め対応付けられている。「2R」、「4R」および「16R」は、「2ラウンド」、「4ラウンド」および「16ラウンド」の略であり、その特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に予め対応付けられた当り遊技のラウンド数の種類である。つまり、第1特別図柄表示装置40A又第2特別図柄表示装置40Bに停止して表示される特別図柄の種類が決定されることによって、当り遊技のラウンド数の種類が決定されるようになっている。
また、上記第1特図抽選又は第2特図抽選の結果として導出される当り種類に応じて、後述の遊技状態制御手段180により遊技状態の切り替え処理が実行される。
【0034】
以上のとおり、特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62に遊技球が入賞したことを契機に、当否判定用乱数及び当り種類決定用乱数を取得し、所定の契機が到来したことに基づいて当否に係る特別図柄抽選を行うとともに、複数種類の特別図柄の中から当否に係る特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)を決定する機能を備える。
なお、ここで所定の契機とは、前述の第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中ではなく、かつ、当り遊技中でない場合であり、例えば、現在の遊技状態が当り遊技中ではなく、当否判定用乱数及び当り種類決定用乱数の保留記憶時に第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中である場合、当該変動中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が経過し、所定の態様により停止した後に上記処理が逐次実行される。
また、上述の当否判定処理及び当該処理に引き続いて実行される当り種類決定処理が行われる順序は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞順、換言すればRAMに保留記憶された順に実行するようにしても良いし、例えば一方の第2始動入賞口62への入賞によって取得された当否判定用乱数に係る当否判定処理及び当り種類決定処理を優先して実行するようにしてもよい。
【0035】
図3に戻り、当り遊技制御手段160について説明する。当り遊技制御手段160は、上述の第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が当りである場合に、アタッカ駆動装置65A又は第2大入賞口77Aを駆動して遊技者に当り遊技を提供する。
具体的には、第1特図当り又は第2特図当りの種類が2R特別図柄Aである場合、当り遊技制御手段160は、第2大入賞口駆動装置77Aを駆動して第2大入賞口77を1ラウンドあたり0.2秒開放する。また、同様に、第1特図当り又は第2特図当りの種類が2R特別図柄Bである場合も、当り遊技制御手段160は、第2大入賞口駆動装置77Aを駆動して第2大入賞口77を1ラウンドあたり0.2秒開放する。また、第1特図当り又は第2特図当りの種類が4R特別図柄Aである場合、当り遊技制御手段160は、アタッカ駆動装置65Aを駆動して第1大入賞口64を1ラウンドあたり最長30秒開放する。また、同様に、第1特図当り又は第2特図当りの種類が4R特別図柄Bである場合、当り遊技制御手段160は、アタッカ駆動装置65Aを駆動して第1大入賞口64を1ラウンドあたり最長30秒開放する。
また、第1特図当り又は第2特図当りの種類が16R特別図柄Aである場合、当り遊技制御手段160は、アタッカ駆動装置65Aを駆動して第1大入賞口64を1ラウンド最長30秒開放する。つまり、当り遊技制御手段160は当り種類ごとに規定されたラウンドに従って予め規定された時間だけ第1大入賞口64又は第2大入賞口77を開放することにより、遊技者にとって有利な遊技状態である当り遊技を実行する。
【0036】
図3に示す普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、普図当りまたはハズレを電子抽選(普図抽選)により決定するものである。この普通図柄用当否抽選手段150は、前述の特別図柄用当否抽選手段110と略同様に構成されたものであり、具体的には、図7に示すように、普通図柄用当否抽選手段150は、周期的(例えば2ミリ秒侮)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図当否用乱数を発生させる普図当否用乱数発生手段151と、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、スルーチャッカ検知センサ94からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、普図当否用乱数発生手段151で発生した普図当否用乱数を取得(ラッチ)する普図当否用乱数取得手段152と、この普図当否用乱数取得手段152により取得された普図当否用乱数が普図当りであるかハズレであるかを、普図低確時判定テーブル153A又は普図高確時判定テーブル153Bを参照して判定する普図当否判定手段153と、普通図柄の変動中に普図当否用乱数取得手段152が普図当否用乱数を取得した場合に、その普図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、普通図柄に係る保留球乱数として主制御装置100のRAMを利用して記憶する普図当否用乱数保留手段154とを備える。つまり、普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に当否に係る普図抽選を行う手段である。
【0037】
普図低確時判定テーブル153A及び普図高確時判定テーブル153Bは、普図当否用乱数と普図当りおよびハズレとの対応関係を規定するものであり、具体的な内容の図示は省略するが、普図高確時判定テーブル153Bによる普図当りの当選確率は例えば1/1.1に設定されていて、普図低確時判定テーブル153Aによる普図当りの当選確率は1/120に設定されている。つまり、普図高確時判定テーブル153Bの方が、普図低確時判定テーブル153Aに比べて格段に普図当りに当選する確率が高くなるように設定されているとともに、殆どの場合に普図当りに当選するようになっている。
【0038】
なお、以下便宜上、普通図柄用当否抽選手段150において普図低確時判定テーブル153Aが用いられて普図当りまたはハズレが決定される遊技状態を「普図低確」といい、普図高確時判定テーブル153Bが用いられて普図当りまたはハズレが決定される遊技状態を「普図高確」という。なお、当該「普図低確」又は「普図高確」の切り替えは、後述の遊技状態制御手段180により実行される。
【0039】
図3に示す電動チューリップ制御手段170は、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選(普図抽選)で普図当りに当選した場合に、電動チューリップ63の電動チューリップ駆動装置63Aへの通電を行い、電動チューリップ63の1対の羽根部材を開閉させるものである。この電動チューリップ制御手段170は、普図高確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を例えば開放時間2.9秒で2回開放させ、普図低確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を開放時間0.2秒で1回開放させるようになっている。普図高確中においては、前述のように、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選で殆ど普図当りに当選し、その当選に基づき電動チューリップ63が2.9秒で2回開放されるため、遊技者が遊技盤30の右側部に遊技球を打ち出せば、第2始動入賞口62に遊技球を容易に入賞させることができ、この結果、普図高確中は、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を行うことができる。つまり、普図高確は、電動チューリップ63の開放が行われやすく、遊技者にとっては第2始動入賞口62への遊技球の入賞が容易化(サポート)される状態(所謂、電サポ状態)である。
【0040】
次に、図3に示す特別図柄変動表示制御手段130について説明する。特別図柄変動表示制御手段130は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を複数種類の変動パターンのうちから電子抽選により決定するものである。同図に示すように、特別図柄変動表示制御手段130は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄用変動パターン抽選手段131備えており、特別図柄用変動パターン抽選手段131は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間を決定する。
【0041】
具体的には、図8に示すように、特別図柄用変動パターン抽選手段131は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特図変動パターン用乱数を発生させる特図変動パターン用乱数発生手段132と、第1始動入賞口61又は、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に(第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)特図変動パターン用乱数発生手段132で発生した特図変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する特図変動パターン用乱数取得手段133と、特図変動パターン用乱数取得手段133により取得された特図変動パターン用乱数に基づき、普図低確用特図変動パターンテーブル134A又は普図高確用特図変動パターンテーブル134Bの何れか1つを参照して第1特別図柄又は第2特別図柄の特図変動パターンを選択する特図変動パターン選択手段134と、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき特図変動パターン用乱数取得手段133が特図変動パターン用乱数を取得した場合に、当該乱数を所定の上限個数まで主制御装置100のRAMを利用して個別に記憶する特図変動パターン用乱数保留手段135とを備える。なお、保留記憶可能な特図変動パターン用乱数の上限は、前述の当否判定用乱数における上限と同一である。
つまり、特図変動パターン用乱数は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞を契機として、前述の特図当否判定乱数及び当り種類決定用乱数と共に取得される乱数である。
【0042】
変動パターンテーブル134A;134Bは、特図変動パターン用乱数と特図変動パターンNoとの対応関係を規定するものである。特図変動パターンNoは、特図変動パターン(変動時間)の種類と予め対応付けられたものである。
【0043】
図9に示すように、変動パターンテーブル134A;134Bは、現在の遊技状態(普図低確又は普図高確)と対応しており、特図変動パターン選択手段134は、そのときの遊技状態が普図低確であるか、又は普図高確であるかによって上記いずれかの変動パターンテーブルを参照して、第1特別図柄又は第2特別図柄それぞれの特図変動パターンを決定するようになっている。
【0044】
以下、図9を参照して各変動パターンテーブル134A;134Bについて説明する。同図に示すように、各変動パターンテーブルはそれぞれ、前述の第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が当りである場合に参照される当り用テーブルと、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照されるハズレ用テーブルとに区分される。
【0045】
図9(a)に示すように、特図変動パターン選択手段134により、遊技状態が普図低確、かつ、特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134A−1には、特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、特別図柄変動パターン用乱数0〜40に特図変動パターンNo11(変動時間12秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数41〜70に特図変動パターンNo12(変動時間12秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数71〜90に特図変動パターンNo13(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数91〜99に特図変動パターンNo14(変動時間90秒)が対応付けられている。
また、遊技状態が普図低確であり、かつ、特別図柄抽選の結果が当りである場合に参照される当り用変動パターンテーブル134A−2には、乱数0〜40に特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数41〜70に特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数71〜90に特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数91〜99に特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0046】
また、図9(b)に示すように、遊技状態が普図高確であり、かつ、特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134B−1には、特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。
具体的には、特別図柄変動パターン用乱数0〜50に特図変動パターンNo15(変動時間4秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数51〜70に特図変動パターンNo16(変動時間4秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数81〜89に特図変動パターンNo13(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数90〜99に特図変動パターンNo14(変動時間60秒)が対応付けられている。また、遊技状態が普図高確であり、かつ、特別図柄抽選の結果が当りである場合に参照される当り用変動パターンテーブル134A−2には、乱数0〜40に特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数41〜70に特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数91〜99に特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0047】
上述のとおり、特図抽選の結果がハズレであり、かつ、遊技状態が普図低確である場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134A−1と、特図抽選の結果がハズレであり、かつ、遊技状態が普図高確である場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134B−1とを比較した場合、テーブルに規定された平均変動時間が特図抽選の結果がハズレであり、かつ、遊技状態が普図高確である場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134Bの方が短く設定されている。従って、遊技状態が普図高確である場合に、ハズレ用変動パターンテーブル134Bが参照されることにより、特図抽選の結果がハズレである場合の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が大幅に短縮されることとなり、遊技状態が普図高確である場合は、遊技状態が普図低確である場合と比較して単位時間当たりに実行される特図抽選の回数が増加することとなる。
なお、変動パターンテーブルの種類は上述したものに限らず、例えば当否判定用乱数の保留記憶数が3個である場合に参照されるテーブルや、4個である場合に参照されるテーブル等を設け、保留記憶数の増加に伴って第1特別図柄又は第2特別図柄が導出表示されるまでの変動時間を漸次短くするようにしてもよい。また、同図に示した各特図変動パターンの選択率は例示であって、選択率を変更することにより変動時間の選択割合を適宜設定可能である。
【0048】
次に、図3に示す遊技状態制御手段180について説明する。遊技状態制御手段180は、上述の第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が当り(第1特図当り又は第2特図当り)である場合に、当該当りの種類に応じて当り遊技後の遊技状態(特図低確,特図高確,普図低確,普図高確の組み合わせ)を切り替える。本実施形態における当り種類は、上述のとおり、2R特別図柄A、2R特別図柄B、4R特別図柄A、4R特別図柄B及び16R特別図柄Aの5種類が存在し、各当り種類に応じてその後の遊技状態が対応付けられている。図11は、当り種類とその後の遊技状態とが対応付けられた遊技状態制御テーブルを示す。同図に示すように、当り種類が2R特別図柄Aである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を現在の遊技状態をと同一の状態として維持する。つまり、2R特別図柄Aは、遊技状態の変更をもたらさない当りである。このように、2R特別図柄Aは、上述のとおり、当り遊技において実質的な賞球を得ることが困難であり、かつ、遊技状態に何等の変化ももたらさない当りであることから「小当り」と呼ばれる場合がある。
また、当り種類が2R特別図柄Bである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図低確かつ特図高確の遊技状態に切り替える。特図高確の遊技状態は、例えば当り遊技終了後から第1特図抽選又は第2特図抽選が所定の回数実行されるまで、或いは、特図抽選の結果が当りとなるまで継続する。また、当該2R特別図柄B後の遊技状態は、普図低確であるため電動チューリップ63の開放が稀にしか行われないことから、前述の2R特別図柄A後の遊技状態と外見上の区別が付かず、例えば「潜伏当り」と呼ばれる場合がある。
【0049】
また、当り種類が4R特別図柄Aである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図低確の遊技状態に切り替える。普図高確の遊技状態は、例えば当り遊技終了後から第1特図抽選又は第2特図抽選が所定の回数実行されるまで継続する。
また、当り種類が4R特別図柄Bである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図高確の遊技状態に切り替える。普図高確及び特図高確の遊技状態は、例えば当り遊技終了後から第1特図抽選又は第2特図抽選が所定の回数実行されるまで、或いは、特図抽選の結果が当りとなるまで継続する。また、4R特別図柄A及び4R特別図柄B後の遊技状態は、普図高確であることから、共に電動チューリップ63の開放が頻繁に行われ、内部状態(特図低確又は特図高確)を外見から区別することはできない。
また、当り種類が16R特別図柄Aである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図高確の遊技状態に切り替える。普図高確及び特図高確の遊技状態は、例えば当り遊技終了後から第1特図抽選又は第2特図抽選が所定の回数実行されるまで、或いは、特図抽選の結果が当りとなるまで継続する。なお、当り種類は上述の種類に限られるものではなく、例えば2R特別図柄Cを設けることにより、当り後の遊技状態を普図高確かつ特図低確とすることや、ラウンド数を変更することにより実質的な賞球を得ることが可能な当り種類を別途設けるようにしてもよい。
以上のとおり、遊技状態制御手段180は当りの種類に応じて当該当り遊技終了後の遊技状態を切り替える。なお、具体的な切り替え処理としては、主制御装置100のRAM内に設けられた図外の遊技状態設定フラグを当り遊技中に切り替えることにより実行される。
【0050】
以上の主制御装置100による当否判定処理、当り種類決定処理及び変動パターン決定処理によって抽出された情報は、当該情報を含む演出図柄変動コマンドとしてサブ制御装置200側に送信され、当該コマンドを受信したサブ制御装置200は、演出図柄表示装置50を制御することにより、特別図柄抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)の結果を演出図柄の表示態様により報知する。
また、主制御装置100は、当否判定処理、当り種類決定処理及び変動パターン決定処理によって抽出した情報に基づいて、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bの変動表示処理を実行し、変動時間経過後に当否判定処理の結果を示す態様で第1特別図柄又は第2特別図柄を変動停止させる。
また、主制御装置100は、変動時間経過と共にサブ制御装置200に対して演出図柄変動停止コマンドを送信し、サブ制御装置200により演出図柄Sの変動停止処理を実行させる。これにより、変動時間が経過した場合、第1特別図柄又は第2特別図柄は、演出図柄Sと略同期して導出表示されることとなる。また、主制御装置100は、当否判定処理の結果がいずれかの当りである場合、演出図柄変動停止コマンドとともに、サブ制御装置200に対して当り遊技開始コマンドを送信する。当該コマンドを受信したサブ制御装置200は、当り遊技開始前に演出図柄表示装置50上に当り遊技が開始される旨の表示を演出図柄表示装置50上に導出し、遊技者に対して当り遊技が開始されることを報知する。なお、具体的な報知処理については後述する。
【0051】
以下、サブ制御装置200について説明する。
サブ制御装置200は、概略、主制御装置100から送信されてくる演出図柄変動コマンドに含まれる情報である特別図柄抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)の結果(当り又はハズレ)と、当りである場合の特別図柄の種類と、特図変動パターンNoとに基づき演出図柄表示装置50上に表示される演出図柄Sの変動態様(演出パターン)を決定する演出表示制御手段210と、複数のミッションを設定するミッション付加手段230と、ミッションの成否によって当り遊技開始前に演出図柄表示装置50上に表示される報知画面を決定する当り遊技開始報知手段240とを備える。以下、各手段について説明する。
【0052】
演出表示制御手段210は、主制御装置100から送信されてくる演出図柄変動コマンドの内容に基づいて変動時間経過後に停止表示される演出図柄Sの停止態様(組み合わせ)を決定する。具体的には、演出表示制御手段210は、当り種類が2R特別図柄Aに決定された場合には、「222」を演出図柄Sの停止図柄として決定するようになっている。また、演出表示制御手段210は、当り種類が2R特別図柄Bに決定された場合には、「444」を演出図柄Sの停止図柄として決定するようになっている。また、当りの種類が4R特別図柄Aに決定された場合には、「666」、「888」の何れかを、当り種類が4R特別図柄Bに決定された場合には、「111」、「555」の何れかを、当り種類が16R特別図柄Aに決定された場合には、「333」、「777」を演出図柄Sの組み合わせとして停止表示させる。なお、上記演出図柄Sの停止態様は例示であって、当り種類と対応させることなく演出図柄Sの組み合わせをランダムに決定する態様としてもよい。ランダムに決定するようにすれば、当り種類を一見して把握することが困難となり、当り遊技後の遊技状態を判別することも困難となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0053】
なお、演出表示制御手段210は、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果がハズレの場合であって、演出パターンがリーチの場合には3つの数字のうちの中央の数字のみが他の2つと異なるリーチ目「121」や「454」などが演出図柄の停止図柄となるように、または、演出パターンがリーチでない場合には3つの数字が全て異なるハズレ目となるように、予め用意された複数種類のハズレ用停止図柄のうちから電子抽選により決定するようになっている。
【0054】
また、演出表示制御手段210は、前述の特別図柄変動表示制御手段130により決定された特図変動パターン(特図変動パターンNo)と、特別図柄抽選の結果(当り又はハズレ)とに基づいて演出パターン(演出図柄Sの変動パターン)を決定するための演出パターン選択手段220を備える。
演出パターン選択手段220は、特図変動パターンNoと演出パターンの種類との対応関係を規定する演出パターンテーブル221を備え、この演出パターンテーブル221を参照して演出図柄Sの演出パターンを選択するものである。
【0055】
演出図柄Sの演出パターンが規定された演出パターンテーブル221は、図10に示すように、ハズレ用演出パターンテーブル221Aと、当り用演出パターンテーブル221Bとにより構成される。例えば、図10(a)に示すハズレ用演出パターンテーブル221Aには、特図変動パターンNo11にハズレ変動A(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo12にハズレ変動B(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo13にミドルリーチA(変動時間60秒)が対応付けられていて、特図変動パターンNo14にロングリーチA(変動時間90秒)が対応付けられていて、特図変動パターンNo15にハズレ変動C(変動時間4秒)が対応付けられていて、特図変動パターンNo16にハズレ変動D(変動時間4秒)が対応付けられている。
【0056】
図10(b)に示す当り用演出パターンテーブル221Bには、特図変動パターンNo1にミドルリーチA(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo2にミドルリーチB(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo3にミドルリーチC(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo4にロングリーチA(変動時間90秒)が予め対応付けられている。
【0057】
演出パターン選択手段220は、演出図柄Sを演出図柄表示装置50において変動表示させるに際し、主制御装置100から送信される特図変動パターンNoと特別図柄抽選の結果(当り又はハズレ)に基づいて上記演出パターンテーブル221を構成する何れかのテーブル(当り用又はハズレ用)を参照し、特図変動パターン(特図変動パターンNo)と対応する演出パターン(演出内容)を決定する。
【0058】
サブ制御装置200によって変動が開始された演出図柄Sは、上記各演出パターンにより変動を開始するとともに、変動時間の経過と共に前述の特別図柄の停止時期と略同期して第1特図抽選又は第2特図抽選の結果を示す態様により停止表示する。そして、停止表示された演出図柄S及び当該変動と同期して停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の停止態様が当りを示す態様である場合には、当り遊技が開始される。
【0059】
次に、当り遊技開始報知手段240について説明する。当り遊技開始報知手段240は、主制御装置100から送信される当り遊技開始コマンドを受信したことに基づいて、演出図柄表示装置50上に表示される当り遊技が開始される旨の表示データ(当り遊技画面)をROMから読み出し、当該表示データと対応する当り遊技画面を演出図柄表示装置50上に表示させる。
【0060】
図12(a)は、遊技者の要求によりミッション達成状況の報知が設定されていない場合、或いは、遊技者の要求によりミッション達成状況の報知が設定されているが、ミッションを達成できなかった場合に表示される当り遊技画像R1の例を示す。
同図に示すように、当り遊技画像R1には、これから開始される当り遊技の名称(図示の例では「ハイパーボーナス」)が中央部に表示され、遊技者は当該表示画面を視認することにより、遊技者にとって有利な当り遊技が開始されることを認識することが可能となる。つまり、当り遊技開始報知手段240は、遊技者にとって有利な当り遊技が開始されることを遊技者に対して報知する。
【0061】
一方、図12(b)は、遊技者の要求によりミッション達成状況の報知が設定され、かつ、設定されたミッションの何れかが達成された場合に表示される当り遊技画像R2の例を示す。
同図に示すように、当り遊技画像R2には、当り遊技画像R1と同様に、これから開始される当り遊技の名称が中央部に表示され、加えて画面右側にこれまでに達成したミッション(ミッションNo)を表示する領域(ミッション表示領域P1)が設けられる。
具体的には、ミッション表示領域P1内において、達成したミッションNoが表示されたプレートを保持した特定のキャラクタが動作することにより、達成したミッションNoを遊技者に対して報知する。達成したミッションが複数存在する場合には、キャラクタが保持したプレートを裏返す動作を行うことにより、複数のミッションNoを遊技者に対して報知する。
【0062】
当り遊技開始報知手段240のミッション表示決定手段240Aは、後述するミッション達成判定手段230Bの判定結果に基づいて、達成したミッションと対応するミッションNoが表示されるようにキャラクタの動作を決定する。具体的には、ROM内に格納された図外の複数の画像データの中から、遊技者が達成したミッションと対応するミッションNoが表示されたプレート(画像データ)を抽出し、キャラクタの動作により単数又は複数のミッションNoがミッション表示領域P1内に表示されるようにキャラクタの動作を決定する。
【0063】
以上のとおり、当り遊技開始報知手段240は、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が当りであり、主制御装置100から送信される当り遊技開始コマンドを受信したことに基づいて、演出図柄表示装置50上に当り遊技が開始される旨を当り遊技画面により報知するとともに、当該当り遊技が開始される旨の報知とともに、遊技者の要求によりミッションの達成状況の報知が設定され、かつ、ミッション付加手段230によって設定されたミッションの何れかが達成された場合に、達成したミッションNoを遊技者に対して報知する。
そして、このように達成したミッション(ミッションNo)が当り遊技が開始される旨の報知とともに表示されることにより、遊技者は、余裕をもってミッションの達成状況を確認することができ、当り遊技を獲得したことの優越感と相俟って、ミッションを達成したことの優越感を一層増大させることが可能となる。
【0064】
次に、パチンコ機1における複数のミッションについて説明する。本実施形態における複数のミッションは、サブ制御装置200のミッション付加手段230によって設定される。
ミッション付加手段230は、予め登録された遊技者からの要求によって、その要求の後に設定される複数のミッションの成否をサブ制御装置200に設けられたミッション達成判定手段230Bにより判定する。ミッション達成判定手段230Bによって判定された判定情報は、遊技者固有情報設定手段250に記憶される。上述の遊技者からの要求の後の遊技で、第1大入賞口64が開放される当り遊技(大当り)が発生した場合、当該大当たり遊技の開始に先立ち、遊技者固有情報設定手段250に記憶された記憶情報の中から達成されたミッションが抽出され、そのミッションのナンバーが、図12(b)に示すように、当該大当たり遊技の開始時に当該大当たり遊技の開始に先立ち当り遊技が開始される旨を報知する当り遊技画像R2とともに演出図柄表示装置50のミッション表示領域P1に表示される。
達成されたミッションのナンバーは、ミッション表示領域P1においてキャラクタの持つプラカード上に表示され、達成されたミッションが複数ある場合には、プラカードが回転する度にそのナンバーが変更されて順番に表示される。但し、達成されたミッションの数が多すぎる場合には、大当り遊技の開始に支障が出るため、本実施形態では、達成されたミッションは6個までは達成順にプラカードが回転する度に順次表示され、7番目以降に達成されたミッションについては、「他いろいろクリア」と表示されたプラカードを出し、その後演出図柄表示装置50の表示画面は大当り遊技の演出画面に移行する。係る演出により、遊技者からの要求の後、大当り発生までの遊技中に達成されたミッションのナンバーが、大当り遊技の開始時に遊技者に報知される。
また、当該大当たり遊技の終了後に、再び次の大当りが発生した場合には、先の大当り遊技の終了後から次の大当り成立までの遊技中に達成されたミッションがある場合には、図12(b)に示すように当該次の大当り遊技の開始時にそのミッションのナンバーが次の大当り遊技開始の当り遊技画像R2とともに演出図柄表示装置50のミッション表示領域P1に表示され、先の大当りまでの達成ミッションのナンバーは表示されない。なお、この間に新たな達成ミッションがない場合には、図12(a)に示すように達成ミッションナンバーの報知の無い当り遊技画像R1が表示される。
以下、ミッション付加手段230によって設定されたミッションの達成状況の報知処理の前提となる遊技者のミッション達成状況の報知要求について説明する。
【0065】
図13は、当該ネットワーク型の遊技システム(以下、「打−WIN」という)600の概要を示す概略図である。以下、本実施形態に係るパチンコ機1に搭載される打−WIN600について説明する。
同図に示すように、打−WIN600は、パチンコ機1と、情報端末700と、通信基地局801が含まれた通信網800と、サーバー900とを含んで構成され、パチンコ機1における遊技結果(例えば、累計遊技回数,累計当り遊技回数等)と、サーバー900上で開設されたWebサイトとを連動させるサービスを提供する。
【0066】
情報端末700の態様としては、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、所謂パソコン等のWebブラウザを利用可能な電子機器であり、遊技者は、これらの電子機器を使用することにより通信網800を介してサーバー900との通信を確立する。
また、情報端末700は、パチンコ機1のサブ制御装置200の制御によって演出図柄表示装置50上で実行された演出パターンや、累計遊技回数、累計当り遊技回数、連荘回数等の遊技履歴情報(遊技者固有情報)をパチンコ機1により発行されるパスワードや二次元コードに基づいて取得することが可能である。これらの各情報は、サブ制御装置200内に設けられた遊技者固有情報設定手段250によって記憶される。
【0067】
通信網800の一部を構成する通信基地局801は、例えば情報端末700と無線通信可能な設備であって、情報端末700から送信されるデータ及びサーバー900から送信されるデータを相互に送受信可能である。通信網800は、電話網、インターネット、LAN、専用回線等で構成され、通信基地局801を介して情報端末700及びサーバー900の通信を確立する。
【0068】
上記構成からなる打−WIN600において遊技者は、例えば自身が選択した任意のパチンコ機1で遊技開始から遊技終了までに演出制御装置200でなされた演出情報や遊技履歴情報を遊技者が所有する情報端末700に取り込み、当該情報をサーバー900に送信して蓄積させる。また、遊技者は、サーバー900に蓄積された演出情報や遊技履歴情報を情報端末700を介して確認することができる。また、演出情報に含まれる演出に関する各情報、遊技履歴情報に含まれる遊技履歴に関する各情報には、それぞれポイントが設定されており、遊技者は付与されるポイントを貯めることにより、特定の特典(情報端末700上で利用可能な特典や遊技に利用可能な特典)を得ることができる。
【0069】
図14は、パチンコ機1、情報端末700及びサーバー900の処理を時系列的に示すフロー図である。同図を用いて上記構成からなる打−WIN600の運用方法について概説する。
まず、遊技者は、打−WIN600を利用するための事前登録を行う必要がある。演出制御装置200は、S1において、遊技者の操作部9の操作により演出図柄表示装置50上の「新規登録」が選択されると、第1二次元コードを生成し、S2において生成した第1二次元コードを演出図柄表示装置50上に表示する。ここで表示される第1二次元コードとしては、バーコード、QRコード(登録商標)等、情報端末700側において電気的に読み取り可能な識別情報である。
【0070】
情報端末700は、S3において、演出図柄表示装置50上に表示された第1二次元コードを読み取り、当該第1二次元コードに含まれた第1のコード情報(URL)を生成する。第1二次元コードの読み取りは、例えば情報端末700に搭載された撮像手段によって実行され、情報端末700は読み取った二次元コードから第1のコード情報(URL)を生成する。また、情報端末700は、第1のコード情報(URL)に基づいてサーバー900にアクセスし、登録要求コマンドを送信する。
【0071】
サーバー900は、S4において登録要求コマンドに応じて遊技者が所有する情報端末700のICC、IPアドレス、電話番号等の固有情報を取得し、当該情報を遊技者固有情報として登録する。当該登録がなされることにより、サーバー900内に前述の演出情報及び遊技履歴情報が蓄積される記憶領域が確保され、打−WIN600を利用する準備が完了する。
【0072】
事前登録完了後、遊技者が打−WIN600を利用して遊技を行う場合には、遊技者が所有する情報端末700を介してサーバー900にアクセスし、サーバー900からパスワードを取得する必要がある。以下、具体的処理について説明する。
【0073】
情報端末700は、S5において遊技者の操作に応じてパスワード要求コマンドをサーバー900に送信する。サーバー900は、S6においてパスワード要求コマンドを受信すると、遊技者固有情報と対応した演出情報及び遊技履歴情報を記憶領域から読み出し、遊技者固有情報、演出情報及び遊技履歴情報を含むパスワードを生成し、S7において、パスワードを情報端末700に送信する。
【0074】
情報端末700は、S8においてサーバー900から送信されたパスワードを表示画面上に表示し、S9において遊技者は表示されたパスワードを操作部9の操作により入力する。なお、図示は省略するがパスワードの入力画面は、演出図柄表示装置50上に表示され、遊技者はパスワードの入力画面に従ってパスワードを入力する。
【0075】
サブ制御装置200は、S10において、遊技者によってパスワードが入力されたこと、換言すれば遊技者の要求によってミッション達成状況の報知要求がなされたことに基づいて、ミッション達成状況の判定処理を実行するとともに、遊技者固有情報設定手段250による記憶処理を開始する。当該記憶処理は、ミッション達成状況の報知要求後から遊技終了までの間に演出図柄表示装置50上において実行された演出に関する演出情報や、累計遊技回数、累計当り遊技回数、或いは連荘回数等の遊技履歴情報をミッション達成状況情報とともに蓄積する処理であって、これらの情報は、RAM内に設けられた記憶領域に個別に加算記憶される。
【0076】
次に、打−WIN600を終了する場合の処理について説明する。サブ制御装置200は、S11において遊技者の操作により遊技終了が選択されたことに基づいて、少なくとも遊技開始から終了までに蓄積した演出情報、遊技履歴情報、及び、サーバー900のURLを含む第2二次元コードを生成し、S12において生成した第2二次元コードを演出図柄表示装置50上に表示する。なお、遊技終了は、遊技者による操作部9の操作により、演出図柄表示装置50上に表示される図外の「遊技終了」の表示が選択されたことにより完了する。
【0077】
情報端末700は、S13において、液晶表示装置20上に表示された第2二次元コードを撮像手段を介して読み取り、第2二次元コードに含まれた第2のコード情報(演出情報,遊技履歴情報,URL)を抽出する。
【0078】
情報端末700は、S14において第2のコード情報(URL)に基づいてサーバー900にアクセスし、第2のコード情報に含まれる演出情報及び遊技履歴情報を送信する。
【0079】
演出情報及び遊技履歴情報を受信したサーバー900は、S15において情報端末700のIPアドレス等から遊技者固有情報を取得し、演出情報及び遊技履歴情報と遊技者固有情報とを対応付けて記憶領域内に蓄積する。当該処理が実行されることにより、遊技者がパチンコ機1にパスワードを入力した時点から、遊技を終了した時点までの演出情報及び遊技履歴情報がサーバー900に蓄積されることとなる。
【0080】
以下、図3に戻り、サブ制御装置200が備えるミッション付加手段230について説明する。上述のとおり、ミッション付加手段230は、遊技者の操作によりパスワードが入力されたことに基づいて、その後に発生する達成状況報知用のミッション付加処理を実行する。ミッション付加手段230は、ミッション記憶手段230Aと、ミッション達成判定手段230Bとを備える。
【0081】
図15に示すように、ミッション記憶手段230Aは、ミッションNoとミッション内容とが対応付けられたミッションテーブル235を有している。同図に示すように、ミッションテーブル235には、ミッションNoと、これに対応する具体的なミッション内容とが対応付けられて規定されている。例えばミッションNo00〜02には、累計遊技回数(第1特図抽選及び第2特図抽選の累計回数)に関するミッションが規定されている。累計遊技回数は、遊技者によるパスワードの入力がなされてから現在に至るまでの遊技数の通算回数を意味し、例えば累計遊技回数が100回を超えた状態で当り遊技となった場合、当該当り遊技開始前における当り遊技画像R2には、ミッションNo00が表示されたプレートが表示されることとなる。
また、例えば累計遊技回数が500回を超えた状態で当り遊技となった場合、当該当り遊技開始前における当り遊技画像R2には、ミッションNo00,ミッションNo01,ミッションNo02の複数のミッションNoがプレート上に表示されることとなる。
【0082】
また、同図に示すように、例えばミッションNo03〜05には、累計当り遊技回数に関するミッションが規定されている。累計当り遊技回数は、遊技者によるパスワードの入力がなされてから現在に至るまでの当り遊技数の通算回数を意味し、例えば遊技者によるパスワードの入力がなされてから5回目の当り遊技が開始される場合、当該当り遊技開始前における当り遊技画像R2には、ミッションNo03が表示されたプレートが表示されることとなる。
また、例えばミッションNo06には、プレミアムリーチに関するミッションが規定されている。プレミアムリーチとは、他の演出パターンに比べて発生頻度が相対的に低く設定されたリーチを意味し、本実施形態においては例えば「ロングリーチA」が該当する。
そして、遊技者によるパスワードの入力がなされてから当り遊技が開始されるまでの何れかの演出図柄Sの変動表示中にロングリーチAが発生した場合、当り遊技開始前における当り遊技画像R2には、ミッションNo06が表示されたプレートが表示されることとなる。
【0083】
また、例えばミッションNo07〜09には、連荘(レンチャン)回数に関するミッションが規定されている。連荘回数とは、特図高確となる当り(2R特別図柄B,4R特別図柄C,16R特別図柄A)の連続獲得回数を意味し、例えば遊技状態が特図低確となることなく、特図高確となる当りを10回連続して獲得した場合、当該10回目の当り遊技開始前における当り遊技画像R2には、ミッションNo07が表示されたプレートが表示されることとなる。なお、いずれの当りを連荘に含めるかは任意に設定可能であり、例えば遊技状態が普図高確、かつ、特図低確である場合に獲得した当りを連荘回数に含めてもよい。
以上のとおり、ミッション記憶手段230Aは、遊技に関連する複数のミッション内容を記憶しており、遊技が開始されると適宜当該ミッション記憶手段230Aによって記憶されたミッションに基づいてミッションが設定され、ミッション達成判定手段230Bによりミッション達成の成否が判定される。なお、上記各ミッションの種類は例示であり、例えば上述したミッションの他、遊技時間や、変動パターンの一態様としてのプレミアム予告の発生等をミッションとして規定することも可能である。
【0084】
ミッション達成判定手段230Bは、上記ミッション記憶手段230Aに記憶された複数のミッションと、遊技者固有情報設定手段250によって記憶された遊技履歴情報(累計遊技回数,累計当り遊技回数,プレミアムリーチ回数,連荘回数等)に基づいて、ミッション達成の成否を判定する。
具体的には、ミッション達成判定手段230Bは、当り遊技開始コマンドを受信したことに基づいてミッション記憶手段230Aに記憶された複数のミッションを読み込み、遊技者固有情報設定手段250によって記憶された各情報と対比することにより、パスワードの入力から当該当り遊技までに達成したミッションの種類を判定する。当該判定の結果、達成したミッションのミッションNoは、ミッション達成判定手段230Bに設けられた達成ミッション記憶部内に記憶される。
そして、前述のミッション表示決定手段240Aは、ミッション達成判定手段230Bの達成ミッション記憶部に記憶されたミッションNoを読み込むことにより、ミッション表示領域P1内に表示すべきミッションNoを決定する。
【0085】
以下、サブ制御装置200の各手段により大当り遊技開始時に実行される大当り遊技開始報知画像へのミッション達成状況報知の付加処理を図16のフローに基づいて説明する。サブ制御装置200は、S100において当り遊技開始コマンドを受信したかを判定し、YESの場合S101に移行し、NOの場合、処理を終了する。
サブ制御装置200は、S101において、遊技者によりミッション達成状況報知の付加要求がなされているかを判定し、YESの場合S103に移行し、NOの場合S102に移行する。当該判定は、前述のとおり、遊技者によって事前にパスワードが入力され、打−WIN600を利用した遊技がなされているか否かによって行われる。
【0086】
サブ制御装置200は、S102において、S101における判定がNOであること、換言すれば遊技者によるミッション達成状況報知の付加要求がないこと、又は後述のS103における判定がNOであることに基づいて、当り遊技が開始される旨を当り遊技画像R1により報知し、処理を終了する。
【0087】
サブ制御装置200は、S103において、S101における判定がYESであること、換言すれば遊技者によるミッション達成状況報知の付加要求があることに基づいて達成ミッションがあるかを判定し、YESの場合S104に移行し、NOの場合S102に移行する。
当該判定は、遊技者固有情報設定手段250に記憶されている前述のミッション達成判定手段230Bで判定された達成ミッションの記憶を読み込むことにより行われ、ミッションNoが記憶されている場合、判定がYESとなり、記憶されていない場合、判定がNOとなる。
【0088】
サブ制御装置200は、S104において、当り遊技画像R2により当り遊技が開始される旨を報知するとともに、S103において読み込んだミッションNoをミッション表示領域P1内に表示して、ミッション付与要求から当り遊技が開始されるまでの間に、予め設定されたミッションを達成したことを遊技者に対して報知する。
S104の処理により、当り遊技画像R2とともにミッションNoを報知した後は、S105に移行し、それまで達成したミッションについては報知済の処理がなされ、処理を終了する。この処理により、当該当り遊技の終了後、次の当り遊技発生までにミッションが新たに設定され、設定されたミッションが達成された場合には、次の当り遊技開始報知時には、先の当り遊技終了後、次の当り遊技までに達成されたミッションの番号だけが当り遊技画像R2とともに報知される。
【0089】
以上説明したとおり、本実施形態に係るサブ制御装置200は、遊技者のミッション達成状況報知の付加要求に応じて、ミッション記憶手段230A内に記憶された遊技に関する複数のミッションを設定するとともに、当該設定された複数のミッションの達成状況をミッション達成判定手段230Bにより判定して、その結果を記憶手段である遊技者固有情報設定手段250に記憶し、当該判定の結果、達成したミッションがある場合に、ミッション表示決定手段240Aが遊技者の要求により複数のミッション達成状況の報知が設定されてから、前記当否抽選の結果が当りとなる遊技が開始されるまでの間に遊技者が達成したミッションを当該当り遊技の開始時に遊技者にとって有利な当り遊技が開始される旨の報知とともに報知する構成である。
そして、本構成によれば、達成したミッション(ミッションNo)が、大当り遊技が開始される旨の報知とともに報知されるため、遊技者は余裕をもってミッションの達成状況を確認することができ、当り遊技を獲得したことの優越感と相俟って、ミッションを達成したことの優越感を一層増大させることが可能となる。
【符号の説明】
【0090】
1 パチンコ機,30 遊技盤,31 遊技領域,40A 第1特別図柄表示装置,
40B 第2特別図柄表示装置,41 普通図柄表示装置,50 演出図柄表示装置,
61 第1始動入賞口,62 第2始動入賞口,63 電動チューリップ,
64 第1大入賞口,66 スルーチャッカ,77 第2大入賞口,
100 主制御装置,110 特別図柄用当否抽選手段,
130 特別図柄変動表示制御手段,150 普通図柄用当否抽選手段,
200 サブ制御装置,220 演出パターン選択手段,230 ミッション付加手段,
240 当り遊技開始報知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の遊技領域に設けられた始動入賞口へ遊技球が入賞したことを契機に当否抽選を実行する主制御装置と、
前記当否抽選の結果に基づいて、所定の演出図柄を表示可能な演出図柄変動表示手段を制御し、前記演出図柄の変動表示を開始させて所定の変動時間経過後に前記当否抽選の結果を前記演出図柄の停止態様により導出表示させるとともに、当該導出表示された演出図柄の停止態様が当りを示す態様であるときに、前記演出図柄変動表示手段上に遊技者にとって有利な当り遊技が開始される旨を報知させる副制御装置と、
を備えたパチンコ機であって、
前記副制御装置は、遊技中に遊技者が達成すべき任務であるミッションを複数設定し、当該設定されたミッションの達成状況を判定するミッション付加手段と、
遊技者からの要求に応じて前記ミッション付加手段で判定されたミッションの達成状況を記憶する記憶手段とを備え、
前記副制御装置は、前記遊技者の要求があった場合に、前記記憶手段に記憶されているミッションの達成状況に基づき、前記当否抽選の結果が当りとなった場合に当該当り遊技の開始時に遊技者が達成したミッションを前記遊技者にとって有利な当り遊技が開始される旨の報知とともに報知することを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記副制御装置は、前記報知の終了後、前記記憶手段に記憶されている達成済のミッションを報知済として処理し、前記当り遊技の終了後、次の当り遊技発生までの間に前記ミッション付加手段により新たなミッションが設定され、達成された場合、前記終了した当り遊技までに達成されたミッションの報知を行うことなく前記次の当り遊技の開始時に前記達成された新たなミッションを前記次の当り遊技が開始される旨の報知とともに報知することを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−94497(P2013−94497A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241521(P2011−241521)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】