説明

パチンコ遊技機の遊技盤取付装置

【課題】遊技盤の取付作業の簡単化を図る。
【解決手段】遊技盤21が本体枠3の前側から盤収容室6に収容された後、回転ロック機構25の摘み39が例えば右方向に90度回転操作されて、回転ロック機構25のロック突起40が盤収容室6の右側壁のロック受部9に挿入されてかんぬきとして機能し、遊技盤21の下部が盤収容室6の底壁17に搭載された状態で、遊技盤21が本体枠3に装着されることによって、遊技盤21が盤収容室6に収容される過程において、人が摘み39の位置やロック受部9の位置を適切に把握することができ、遊技盤21の取付作業が簡単である。回転ロック機構25は、2個に限定されるものではなく1個でも3個以上でもよく、遊技盤21の左側部又は上部又は下部に設けられてもよく、その場合、ロック受部9は遊技盤21にも設けられる回転ロック機構25に対応して盤収容室6に設けられればよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤の取付作業が簡単なパチンコ遊技機の遊技盤取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、特許文献1で開示されたパチンコ遊技機の遊技盤取付装置を示す。図7において、遊技盤21が遊技機枠1に取り付けられる場合、先ず、遊技盤21の左側部が本体枠3に設けられた盤受止部8と盤収容室6の背壁17との間に挿入される。その後、遊技盤21の右側部が後側に押されるのに伴い、本体枠3に設けられ回転ロック機構71の操作体72が遊技盤21に設けられた貫通孔からなるロック受部73に後側から挿入されて前側に突出する。その状態において、操作体72が例えば右方向に90度回転操作されてロック受部73の周りの遊技盤21の前面に係合し、遊技盤21が本体枠3に取り付けられる。
【0003】
つまり、上記従来のパチンコ遊技機の遊技盤取付装置は、遊技盤21の左側を回転中心として遊技盤21が後方に回転する過程において、本体枠3に設けられた縦長又は横長な操作体72が遊技盤21に設けられた縦長又は横長なロック受部73に後側から挿入する構造である。このため、操作体72がロック受部73に挿入されるまで遊技盤21で目隠しされた状態となり、遊技盤21を遊技機枠1に取り付ける人が操作体72のロック受部73に対する位置を適切に把握することができず、操作体72がロック受部73に円滑に挿入されず、遊技盤21を遊技機枠1に取り付ける作業、つまり、遊技盤21の取付作業が面倒であるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−6150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする課題は、遊技盤の取付作業が面倒であるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤取付装置は、盤収容室にはロック受部が設けられ、遊技盤には回転ロック機構が設けられ、遊技盤が盤収容室に収容された場合において、回転ロック機構の摘みが回転操作されることによって、回転ロック機構のロック突起がロック受部に挿入され、遊技盤が本体枠に装着されることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤取付装置は、遊技盤が本体枠の盤収容室に前側から収容される過程でも、人が回転ロック機構の摘みの位置やロック受部の位置を適切に把握することができ、遊技盤の取付作業が簡単であるという最も主要な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係るパチンコ遊技機の分解斜視図。
【図2】A図及びB図は実施の形態に係るロック機構の分解斜視図。
【図3】実施の形態に係るロック機構の斜視図。
【図4】実施の形態に係るロック機構とその取付部との分解斜視図。
【図5】A図及びB図は実施の形態に係るロック機構の取り付け作用図。
【図6】A図乃至C図は実施の形態に係るロック機構の動作説明図。
【図7】従来のパチンコ遊技機の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書における「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図1の状態に遊技機枠1及び遊技盤21を置いて矢印Sで示す前側から見た場合に特定される方向である。
【0010】
図1を参照し、パチンコ遊技機について説明する。パチンコ遊技機は、遊技機枠1に遊技盤21を取り付けることによって構成される。遊技機枠1は、外枠2に本体枠3をヒンジ4で開閉可能に連結し、本体枠3に前扉5を図外のヒンジで開閉可能に連結した構成である。本体枠3には、盤収容室6、開口部7、盤受止部8、ロック受部9、球発射機構10、図外のタンク、図外の球払出機構が設けられる。前扉5には、窓12、ガラスユニット13、球受皿14、発射操作機構15が設けられる。
【0011】
遊技盤21は、遊技基盤22に後側部品23や前側部品24及び回転ロック機構25を備えた構成である。回転ロック機構25については、図2で詳述する。前側部品24としては、盤面飾り61、ガイドレール、入賞部品、センター飾り、遊技釘が例示されている。
【0012】
遊技盤21は遊技機枠1に次のように取り付けられる。少なくとも、前扉5が図外のヒンジを中心として前側に開けられた状態において、人が遊技盤21を持って遊技盤21の左側部を本体枠3の前側から盤収容室6の背壁16と盤収容室6の左側壁に設けられた盤受止部8との間の隙間に挿入する。
【0013】
次に、人が遊技盤21の右側部を押して遊技盤21の後面を背壁16に接触させる。その過程において、遊技盤21の左側部を回転中心として遊技盤21の右側部が後方に移動するように遊技盤21が回転されて遊技盤21の後側部品23が開口部7を経由して盤収容室6の背壁16よりも後方に突出する。
【0014】
その後、人が回転ロック機構25の摘み39を例えば右方向に90度回転操作すると、回転ロック機構25のロック突起40が盤収容室6の右側壁に設けられた貫通孔からなるロック受部9に挿入されてかんぬきとして機能し、遊技盤21の下部が盤収容室6の底壁17に搭載された状態で、遊技盤21が本体枠3に装着される。ロック受部9は貫通孔ではなく左側に開放し右側で閉鎖された窪みでもよい。
【0015】
図1に示すように、回転ロック機構25が遊技盤21に前側から操作可能に設けられ、ロック受部9が本体枠3に設けられた構造であるので、遊技盤21が本体枠3の盤収容室6に前側から収容される過程でも、人が回転ロック機構25の摘み39の位置やロック受部9の位置を適切に把握することができ、遊技盤21を遊技機枠1に取り付ける、遊技盤21の取付作業が簡単であるという利点がある。ロック受部9と回転ロック機構25とが上下に分かれて設けられ、回転ロック機構25が遊技盤21の右部で上下に分かれて設けられているので、遊技盤21の上下がロック受部9にロックされることによって、遊技盤21が遊技機枠1に適切に装着されるという利点がある。
【0016】
その後、前扉5が本体枠3に開閉不能に閉じられて、パチンコ遊技機が構成される。このパチンコ遊技機は、遊技盤21が遊技機枠1の内部に格納され、遊技盤21の前側が前扉5で覆われ、遊技盤21の球の飛び交う遊技領域が遊技機枠1の前側から前扉5の窓12及びガラスユニット13の透明なガラス板を通して視認し得る態様である。
【0017】
以上のように構成されたパチンコ遊技機において、遊技者が前扉5の球受皿14にパチンコ球と呼ばれる球を入れ、遊技者が発射操作機構15を操作すると、球発射機構10が発射操作機構15の操作量に応じた発射力で駆動し、球発射機構10が球受皿14から遊技機枠1の内部に取り込まれた球を1個ずつ遊技盤21の前面に向けて発射する。
【0018】
球発射通路に発射された球は、球発射通路から、遊技盤21のガイドレールで囲まれた遊技領域の上部に到達する。遊技領域に到達した球は、遊技領域を流下する過程において、入賞部品や遊技釘などに衝突して、流れる方向を変えながら、入賞部品の何れか1つに入賞して遊技盤21の後側に排出される。入賞部品への球の入賞に伴い球払出機構が駆動し、この駆動によってパチンコ球と呼ばれる球が本体枠3のタンクから球受皿14に払い出される。入賞部品の何れにも入賞しないで、遊技領域の最下部に到達した球は、アウト口から遊技盤21の後側に排出される。
【0019】
図2を参照し、回転ロック機構25を構成する部品について説明する。回転ロック機構25の構成部品としては、回転操作具31、支持具32、弾性体33、留具34、固定具35を例示する。
【0020】
図2のA図において、回転操作具31は、円盤状の操作基盤37にガイド突起38、摘み39、ロック突起40を備える。ガイド突起38は、操作基盤37の中心部から後方に直線的に突出する。摘み39は、操作基盤37から前方に突出し、かつ、操作基盤37の前後方向に延びる中心線L1と直交する一方向に長い横長な板状である。
【0021】
ロック突起40は、操作基盤37の周面から摘み39の長い方向と中心線L1との双方に直交する上方に突出する。ロック突起40の外形は、摘み39の側端部から右側に行くに従って徐々に上方への突出寸法が大きくなる弧面を形成する。ロック突起40の右端面は、摘み39の長い方向と中心線L1との双方に直交する直線と平行してロック突起40の最外部と操作基盤37の周面とに繋がる絶壁41を構成する。
【0022】
図2のB図において、操作基盤37には、周辺リブ42、環状リブ43、連結リブ44、ストッパー45が設けられる。周辺リブ42は、操作基盤37の周縁部及びロック突起40の周縁部から後方に突出する。環状リブ43は、操作基盤37の周辺リブ42とガイド突起38との間の部分において、中心線L1を中心とした1つの円周上に位置し、かつ、操作基盤37から後方に突出する。連結リブ44は、環状リブ43とガイド突起38との双方に連結し、かつ、操作基盤37から後方に突出する。ストッパー45は、操作基盤37の環状リブ43よりも外側に位置する部分から環状リブ43や連結リブ44よりも後方に突出する。ストッパー45の後端部は半球形の凸部を構成する。ガイド突起38には、取付孔46が設けられる。
【0023】
図2のA図に戻り、支持具32は、円柱状の軸基盤48に前側中央凹部49、ガイド孔50、周壁51、周辺凹部52を備える。前側中央凹部49は、軸基盤48の中央部に位置し、軸基盤48の前面から後方への窪みを形成する。ガイド孔50は、軸基盤48の中央部を前後方向に貫通する孔を形成する。周壁51は、軸基盤48の前後方向に延びる中心線L1を中心とした1つの円周上に位置し、かつ、前側中央凹部49を囲む壁を形成する。周辺凹部52は、周壁51に前面から後方への窪みを形成する。周辺凹部52の個数及び位置は、図2のB図の連結リブ44の個数及び位置と対応する。周辺凹部52の個数及び連結リブ44の個数は、1個以上であればよい。
【0024】
図2のB図において、軸基盤48には、後側中央凹部53、中央リブ54、係合部55が設けられる。後側中央凹部53は、軸基盤48の後面から前方への窪みを形成する。中央リブ54は、ガイド孔50の周縁部から後方に突出し、かつ、ガイド孔50を囲む。係合部55は、中心線L1と直交する方向に対峙する1対として設けられ、軸基盤48の後側中央凹部53を囲む部分から後方に突出する弾性片56と、弾性片56の後部から中心線L1と直交する方向の外側に突出するフック部57とを備える。係合部55の個数は、3個以上でもよいが、1対であれば、構造が簡素でありながら、ロック機構取付部材への支持が適切に行える。
【0025】
図2のA図及びB図において、弾性体33としては、コイルばねを例示する。コイルばねの内径は、ガイド突起38の直径よりも大きく、中央リブ54の外形よりも小さい。留具34は、コイルばねの外径よりも大きな直径を有する板状になっている。留具34の中心部には、挿入孔59が設けられる。挿入孔59の直径は、ガイド突起38の直径よりも小さく、かつ、固定具35としての螺子釘の雄ねじ部の直径よりも大きい。固定具35としては、有頭な螺子釘を例示する。
【0026】
次に、図2を参照し、回転ロック機構25の組立について説明する。先ず、回転操作具31のガイド突起38が支持具32の前方からガイド孔50に挿入される。これによって、回転操作具31が支持具32に対し前後方向に移動可能に案内される。上記ガイド突起38のガイド孔50への挿入に伴い、周壁51が環状リブ43の内側に嵌め込まれ、連結リブ44と周辺凹部52とが互いに嵌め込まれ、回転操作具31と支持具32とが互いに同軸状に連結される。これによって、回転操作具31と支持具32とが中心線L1を中心として円周方向に一緒に回転し得る構成になる。
【0027】
次に、弾性体33がガイド突起38のガイド孔50よりも後方に突出した後部の外側に嵌め込まれる。そして、固定具35が留具34の挿入孔59を経由してガイド突起38の取付孔46に締結されると、留具34がガイド突起38の後部に固定され、弾性体33が中央リブ54と留具34とに接触して前後方向に圧縮されて弾力を蓄勢し、この弾性体33の弾力によって回転操作具31が後側に引っ張られ支持具32が前側に押され、回転操作具31と支持具32とが互いに前後方向で接触し、回転ロック機構25が図3に示す態様に組み立てられる。
【0028】
図4を参照し、ロック機構取付部材としての盤面飾り61の回転ロック機構25を取り付ける構成について説明する。盤面飾り61は、遊技基盤22の前面に取り付けられる部品であって、図1の前側部品23の1つである。図4に戻り、盤面飾り61の隅部には、前側凹部62が盤面飾り61の前面から後方への窪みとして設けられる。前側凹部62には、操作具収容部63、支持孔64、被係合部65、解放位置受部66、拘束位置受部67が設けられる。操作具収容部63は、前側凹部62の前面から後方への窪みとして設けられる。支持孔64は、操作具収容部63の前面に前後方向に貫通する孔を形成する。被係合部65は、支持孔64の周縁部から後方に突出し、かつ、支持孔64を囲む。
【0029】
支持孔64と被係合部65との前後方向寸法H1は、回転ロック機構25の回転操作具31とフック部57との間の前後方向寸法H2と同じ又は前後方向寸法H2よりも大きく、遊技基盤22の前後方向寸法H3よりも小さい。盤面飾り61が遊技基盤22の前面に取り付けられた場合、図5のA図に示すように、操作具収容部63の後面が遊技基盤22の前面に接触し、被係合部65が遊技基盤22に設けられた取付孔68に挿入されて遊技基盤22よりも後方に突出しない。
【0030】
図4に戻り、解放位置受部66は、支持孔64の前後方向に延びる中心線L2を中心とした1つの円周と支持孔64の前後方向に延びる中心線L2に直交して上方に延びる直線との交点に位置して、操作具収容部63の前面から後方への窪み又は貫通孔として設けられる。拘束位置受部67は、支持孔64の前後方向に延びる中心線L2を中心とした1つの円周と支持孔64の前後方向に延びる中心線L2に直交して右方に延びる直線との交点に位置して、操作具収容部63の前面から後方への窪み又は貫通孔として設けられる。解放位置受部66の配置される1つの円周と拘束位置受部67の配置される1つの円周とは、同じ円周である。
【0031】
図4及び図5を参照し、回転ロック機構25が盤面飾り61に取り付けられる場合について説明する。先ず、図4において、回転ロック機構25の留具34の側と盤面飾り61の前面の側とが互いに向き合わせられる。そして、支持具32が盤面飾り61の支持孔64に挿入される。この挿入に伴って、図5のA図に示すように、支持具32の複数の弾性片56が互いに内側に撓む。さらに、図5のB図に示すように、支持具32の支持孔64への挿入が進行し、回転操作具31が操作具収容部63に収容され、フック部57が支持孔64を盤面飾り61の後面の側に越えるのに伴って、複数の弾性片56が互いに自身の弾力で外側に復元し、フック部57が被係合部65の後面に受け止められる。
【0032】
その場合、ストッパー45が解放位置受部66と位置が合わずに操作具収容部63の前面に接触した場合、弾性体33が収縮する。その状態において、人が摘み39を回転操作して、ロック突起40が上方に配置されるように、かつ、絶壁41が右側を向くように、かつ、摘み39が横方向に長くなるような態様になると、図5のB図に示すように、ストッパー45が解放位置受部66に収容され、弾性体33の弾力で回転操作具31の後面が操作具収容部63の前面に接触する。これによって、回転ロック機構25が図5のB図に示す態様に盤面飾り61に取り付けられる。
【0033】
図5のB図に示すように、回転ロック機構25が盤面飾り61に取り付けられた場合、フック部57が被係合部65と遊技基盤22との間の隙間H4に配置されて遊技基盤22よりも後方に突出しないので、遊技盤21が盤収容室6に収容される際、フック部57が邪魔にならず、遊技基盤22の後面が背壁16に接触でき、フック部57の逃げ部を背壁16に設ける必要がなくなる。また、摘み39が前側凹部62に配置されて盤面飾り61よりも前方に突出しないので、遊技盤21が盤収容室6に装着され、前扉5が閉じられた場合、摘み39がガラスユニット13のガラス板に接触することはない。
【0034】
つまり、図3及び図4に示すように、回転ロック機構25のガイド突起38とガイド孔50との嵌め合いで回転操作具31が支持具32に対し前後方向に移動可能に構成され、弾性体33の弾力によって回転操作具31が後側に引っ張られ支持具32が前側に押されて回転操作具31と支持具32とが互いに前後方向で接触して同軸上に構成され、係合部55が支持具32に設けられた構成である。よって、図4及び図5回転ロック機構25が盤面飾り61に取り付けられる場合において、回転ロック機構25の留具34の側と盤面飾り61の前面の側とが互いに向き合わせられた後、回転ロック機構25の係合部55が盤面飾り61の前側から支持孔64に挿入されるだけで、フック部57が被係合部65の後面に受け止められ、回転操作具31の後面が操作具収容部63の前面に接触して、図5のB図に示すように回転ロック機構25が盤面飾り61に取り付けられる。つまり、回転ロック機構25は、回転操作具31と支持具32と弾性体33との相互作用で盤面飾り61に装着される構成になっているので、回転操作具31の回転操作が良くなるうえ、回転ロック機構25を盤面飾り61に取り付ける、回転ロック機構25の取付作業が簡単であるという利点がある。
【0035】
図6を参照し、回転ロック機構25の動作について詳述する。先ず、図6のA図に示すように、遊技盤21が盤収容室6に装着された場合、絶壁41が右側を向き、摘み39が横方向に長くなり、ストッパー45が解放位置受部66に収容された態様になっている。その状態において、人が摘み39を例えば右方向に回転操作すると、図6のB図に示すように、ストッパー45が解放位置受部66から前方に抜けるのに伴い、弾性体33が収縮し、回転操作具31が前方に移動するが、連結リブ44と周辺凹部52との相互の嵌め合いは確保されたままである。解放位置受部66から抜け出たストッパー45が弾性体33の弾力で操作具収容部63の前面に接触しつつ右方向(図6のB図の紙面の後方から前方の方向)に移動するに伴い、回転操作具31と支持具32とが一緒になって支持孔64に対して回転する。上記ストッパー45が解放位置受部66から抜け出る際に、操作感が摘み39を操作する人に伝えられる。
【0036】
そして、図6のC図に示すように、上記摘み39の右方向の回転が進行すると、ロック突起40が前側凹部62より右側に突出した後に本体枠3のロック受部9に挿入された後、ストッパー45が拘束位置受部67に出合うのに伴い、弾性体33の弾力で回転操作具31が後方に移動し、ストッパー45が拘束位置受部67に収容され、遊技盤21が本体枠3に装着される。ストッパー45が拘束位置受部67に収容されることによって、操作感が摘み39を操作する人に伝えられる。その状態においては、回転操作具31が不用意に解放位置受部66の方向に回転することはない。
【0037】
図6のC図に示すように遊技盤21が本体枠3に装着された状態において、遊技盤21を本体枠3から外す場合、人が摘み39を例えば左回りに回転操作するに伴い、ロック突起40がロック受部9から前側凹部62の側に抜け、ストッパー45が拘束位置受部67から抜けた後に解放位置受部66に収容され、遊技盤21を本体枠3から前方(図6のC図の紙面の後方から前方の方向)に取り出すことが可能になる。ストッパー45が拘束位置受部67から抜け出ることと解放位置受部66に収容されることによって、操作感が摘み39を操作する人に伝えられる。
【0038】
図6のB図に示すように、ストッパー45が操作具収容部63の前面に接触した場合でも連結リブ44と周辺凹部52とが互いに嵌め合わされたまま、回転操作具31と支持具32とが一緒になって支持孔64に対して回転する構成を例示したが、図示はしないが、ストッパー45が操作具収容部63の前面に接触した場合に連結リブ44と周辺凹部52との嵌め合いが解除されるようにしてもよい。
【0039】
ストッパー45が操作具収容部63の前面に接触した場合に連結リブ44と周辺凹部52との嵌め合いが解除される構成では、フック部57が回転ロック機構25の中心線L3を回転中心として周方向に回転しないように、係合部55に回転規制部を設ける。そして、ストッパー45が操作具収容部63の前面に接触したまま、人が摘み39を回転操作すると、支持具32が被係合部65に固定したまま、回転操作具31だけがガイド孔50に対し中心線L3を回転中心として周方向に回転するように構成してもよい。
【0040】
その場合、周辺凹部52が支持具32に設けられていない構造でも適用できる。その理由は、連結リブ44と周辺凹部52との嵌め合いが、回転操作具31と支持具32との双方を一体として回転させるための構成であり、回転操作具31だけを回転させる場合には連結リブ44と周辺凹部52との嵌め合いがなくてもよいから。
【0041】
図1において、ロック受部9と回転ロック機構25とが上下に分かれて設けられた例、つまり、ロック受部9と回転ロック機構25とが2対設けられた例を説明したが、図示はしないが、ロック受部9と回転ロック機構25とは1対又は3対以上設けられた構成でも適用できる。また、図示はしないが、遊技盤21を盤収容室6に収容する構成は、遊技盤21が左側部を回転中心として盤収容室6に収容される構成に限定されるものではなく、遊技盤21が本体枠3の前側から盤収容室6に収容される構成であればよく、その場合、盤受止部8は設けられなくてもよい。
【0042】
図1において、回転ロック機構25が遊技盤21の左側部又は上部又は下部に設けられてもよく、その場合、ロック受部9が回転ロック機構25の設けられる遊技盤21の左側部又は上部又は下部に対応して盤収容室6の左側壁、上壁、下壁に設けられればよい。また、遊技盤21の右側部に設けられた回転ロック機構25に対するロック受部9が盤収容室6の右側壁に設けられた構成を例示したが、図示はしないが、遊技盤21の右側部上部に設けられた回転ロック機構25に対するロック受部9を盤収容室6の上壁に設けたり又は遊技盤21の右側部下部に設けられた回転ロック機構25に対するロック受部9を盤収容室6の下壁に設けたりしてもよい。また、回転ロック機構25の摘み39が左方向に回転操作されることによってロック突起40がロック受部9にロック受部9に挿入されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1は遊技機枠、2は外枠、3は本体枠、4はヒンジ、5は前扉、6は盤収容室、7は開口部、8は盤受止部、9はロック受部、10は球発射機構、11は欠番、12は窓、13はガラスユニット、14は球受皿、15は発射操作機構、16は背壁、17は底壁、18乃至20は欠番、21は遊技盤、22は遊技基盤、23は後側部品、24は前側部品、25は回転ロック機構、26乃至30は欠番、31は回転操作具、32は支持具、33は弾性体、34は留具、35は固定具、36は欠番、37は操作基盤、38はガイド突起、39は摘み、40はロック突起、41は絶壁、42は周辺リブ、43は環状リブ、44は連結リブ、45はストッパー、46は取付孔、47は欠番、48は軸基盤、49は前側中央凹部、50はガイド孔、51は周壁、52は周辺凹部、53は後側中央凹部、54は中央リブ、55は係合部、56は弾性片、57はフック部、58は欠番、59は挿入孔、60は欠番、61は盤面飾り、62は前側凹部、63は操作具収容部、64は支持孔、65は被係合部、66は解放位置受部、67は拘束位置受部、68は取付孔、69;70は欠番、71は回転ロック機構、72は操作体、73はロック受部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
盤収容室にはロック受部が設けられ、遊技盤には回転ロック機構が設けられ、遊技盤が本体枠の前側から盤収容室に収容された場合において、回転ロック機構の摘みが回転操作されることによって、回転ロック機構のロック突起がロック受部に挿入され、遊技盤が本体枠に装着されることを特徴とするパチンコ遊技機の遊技盤取付装置。
【請求項2】
ロック受部と回転ロック機構とが互いに複数設けられたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機の遊技盤取付装置。
【請求項3】
回転ロック機構が回転操作具と支持具及び弾性体を備え、回転操作具がロック突起及びガイド突起を備え、支持具がガイド孔及び係合部を備え、ガイド突起とガイド孔との嵌め合いで回転操作具が支持具に対し前後方向に移動可能に構成され、弾性体の弾力によって回転操作具が後側に引っ張られ支持具が前側に押されて回転操作具と支持具とが互いに前後方向で接触して同軸上に構成されたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機の遊技盤取付装置。
【請求項4】
回転操作具にはストッパーが設けられ、ロック機構取付部材には解放位置受部又は拘束位置受部が少なくとも設けられ、ロック突起がロック受部から抜けた場合にストッパーが解放位置受部に収容され、ロック突起がロック受部に挿入された場合にストッパーが拘束位置受部に収容されることを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機の遊技盤取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−56115(P2011−56115A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210428(P2009−210428)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(595112915)株式会社ヤマダ (10)
【Fターム(参考)】