説明

パネルの連結構造

【課題】容易な操作でパネル同士の連結および取外し作業が行えるとともに、簡単な構造で、しかも、コストの低減化および外観の向上を図ることができるようにしたパネルの連結構造を提供する。
【解決手段】左右1対のパネルP1、P2の側端面同士を、互いに突き合わせて、連結部材6もって連結するパネルの連結構造において、両パネルの互いに対向する側端面に、各パネルの内方に向かって凹入する上下方向を向く凹溝2を設けるとともに、両凹溝の溝底壁2aに、互いに対向する嵌合孔3を設け、前記両嵌合孔の上縁3aまたは下縁3bに、連結部材における基部7の左右両端部に設けた上向きまたは下向きのフック部10,11を係止し、かつ左右いずれかの一方の嵌合孔の下縁または上縁に係止させた板ばね14をもって、前記連結部材をそのフック部が両嵌合孔の上縁または下縁に係止する方向に付勢させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオフィスの執務空間を仕切るローパーティション等におけるパネル同士を連結するパネルの連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスの執務空間を仕切るローパーティション等における複数のパネルの下部同士を互いに連結する構造として、互いに対向するパネルにおける枠体の側端面同士を、ねじや金具等の連結部材により結合して組み付けてなるものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、互いに対向するパネルの脚部材間を跨るように、連結部材を嵌合して固定する構造のものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】実開平05−3412号公報(図1)
【特許文献2】特開2000−160734号公報(図5、図7)
【特許文献3】特開2005−139819号公報(図6、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1および2に記載されているものでは、連結部材を締め付ける際に、パネルの表面材を取り外して作業を行わねばならず、作業性が悪い。また、上記特許文献3に記載されているものでは、連結構造が複雑であり、部品点数、組立て工数が多く、組立てに手間が掛かり、コスト高になるという問題がある。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、容易な操作でパネル同士の連結および取外し作業が行えるとともに、簡単な構造で、しかも、コストの低減化および外観の向上を図ることができるようにしたパネルの連結構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右1対のパネルの側端面同士を、互いに突き合わせて、連結部材をもって連結するパネルの連結構造において、両パネルの互いに対向する側端面に、各パネルの内方に向かって凹入する上下方向を向く凹溝を設けるとともに、両凹溝の溝底壁に、互いに対向する嵌合孔を設け、前記両嵌合孔の上縁または下縁に、連結部材における基部の左右両端部に設けた上向きまたは下向きのフック部を係止し、かつ左右いずれかの一方の嵌合孔の下縁または上縁に係止させた付勢手段をもって、前記連結部材をそのフック部が両嵌合孔の上縁または下縁に係止する方向に付勢させる。
【0007】
(2)上記(1)項において、嵌合孔に付勢手段が係止された方のパネルにおける凹溝の溝底壁に、連結部材における基部の側面を当接させる。
【0008】
(3)上記(1)または(2)項において、付勢手段を、一端が連結部材に止着され、かつ中間部に左右いずれか一方の嵌合孔の下縁または上縁に係合する係止部が形成された板ばねとする。
【0009】
(4)上記(3)項において、板ばねの一端部を、連結部材における左右いずれかのフック部に止着し、かつ板ばねの中間部に設けた係止部である山形折曲段部を、嵌合孔の下縁または上縁に係合させる。
【0010】
(5)上記(3)または(4)項において、板ばねの一部を、連結部材における基部を左右方向に貫通させ、かつ板ばねの他端部を、前記基部の他方の側方へ延出させる。
【0011】
(6)上記(3)〜(5)項のいずれかにおいて、連結部材の基部における板ばねの一端が止着されていない方の側部に、板ばねの他端部の操作用の切欠きを設ける。
【0012】
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、 嵌合孔に付勢手段が係止された方のパネルにおける凹溝の前後いずれかの側面に段部を設け、この段部によって、連結部材の基部より前後方向に突出する張出部の下端を受支する。
【0013】
(8)左右1対のパネルの側端面同士を、互いに突き合わせて、連結部材をもって連結するパネルの連結構造において、両パネルの互いに対向する側端面に、各パネルの内方に向かって凹入する上下方向を向く凹溝を設けるとともに、両凹溝の溝底壁に、互いに対向する嵌合孔を設け、前記両嵌合孔の上縁に、連結部材における基部の左右両端部に設けた上向きのフック部を係止し、かついずれかの一方のパネルにおける凹溝の前後いずれかの側面に段部を設け、この段部によって、連結部材の基部より前後方向に突出する張出部の下端を受支するようにする。
【0014】
(9)上記(7)または(8)項において、 凹溝の前後の側面と、それに連なるパネルの側端面とに切欠きを設け、凹溝の前後の側面に設けた切欠きの側縁に、凹溝の開口部に向かって突出する段部を形成し、両段部により、連結部材の基部より前後方向に突出する1対の張出部の下端または上端を受支するようにし、前記張出部を、前記両切欠きを通して、外側方に出し入れ可能とする。
【0015】
(10)上記(9)項において、前後の張出部の先端部に垂下片を設け、この垂下片を、前方の段部の前面および後方の段部の後面に係合させる。
【0016】
(11)上記(7)または(8)項において、段部を、凹溝の前後いずれかの側面より内方に向かって突出するように設ける。
【0017】
(12) 上記(1)〜(11)項のいずれかにおいて、左右のパネルの上端部同士を、それらの相対的な上下動を阻止する連結手段をもって連結する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によると、両パネルの互いに対向する側端面の凹溝内に設けた嵌合孔間に跨って、連結部材における左右両フック部を係止させ、かつ付勢手段をもって、連結部材を嵌合孔の縁部に係止する方向に付勢させるようになっているので、容易な操作でパネル同士の連結および取外し作業を行うことができるとともに、構造が簡単で、コストを低減することができ、しかも、連結部材を凹溝間内に収められるので、それが外部に露呈することなく、外観を向上させることができる。
【0019】
請求項2記載の発明によると、嵌合孔に付勢手段が係止された方のパネルにおける凹溝の溝底壁に、連結部材における基部の側面を当接させてあるので、連結部材が、付勢手段により、フック部が嵌合孔の縁部に係止する方向に押し付けられるとき、連結部材が凹溝の溝底壁に沿って案内されるとともに、連結部材の姿勢が保たれ、連結部材の他方のフック部に、他方のパネルの嵌合孔を係止させる際に、そのその作業を円滑に行うことができる。
【0020】
請求項3記載の発明によると、付勢手段を、一端が連結部材に止着され、かつ中間部に左右いずれか一方の嵌合孔の下縁または上縁に係合する係止部が形成された板ばねとしてあるので、構造を簡素化することができるとともに、連結部材を効率よく付勢することができる。
【0021】
請求項4記載の発明によると、板ばねの一端部を、連結部材における左右いずれかのフック部に止着し、かつ板ばねの中間部に設けた係止部である山形折曲段部を、嵌合孔の下縁または上縁に係合させてあるので、付勢手段と連結部材との連結部分、および付勢手段と嵌合孔の縁への係合部分の構造を簡素化し、安価に製造することができるとともに、連結部材を、フック部が嵌合孔の縁部に係止する方向に付勢するだけでなく、連結部材を、嵌合孔から抜け止めする作用をも発揮させることができる。
【0022】
請求項5記載の発明によると、連結部材における基部に板ばねの一部を貫通させ、その他端部を、基部の他方の側方へ延出させるようになっているので、板ばねの他端部を、板ばねの付勢力に抗して上方または下方に向け回動操作することにより、嵌合孔の下縁または上縁に係合する板ばねの中間部を、嵌合孔の下縁または上縁から離脱させることができ、連結部材の取外しが容易に行える。
【0023】
請求項6記載の発明によると、連結部材の基部における板ばねの一端が止着されていない方の側部に、切欠きを設けているので、板ばねにおける他端部の上方または下方への回動操作が容易に行える。
【0024】
請求項7記載の発明によると、嵌合孔に付勢手段が係止された方のパネルにおける凹溝の前後いずれかの側面に設けた段部によって、連結部材における基部の張出部を受支するようにしてあるので、連結部材を、一方のパネル側に安定して支承することができるとともに、位置決めが容易になる。
【0025】
請求項8記載の発明によると、連結部材の張出部を、段部に受支させることにより、連結部材を、一方のパネル側に安定して支承させることができ、もって付勢手段を省略して実施することができる。
【0026】
請求項9記載の発明によると、パネルの表面に突起物を形成することなく、段部を形成することができるとともに、パネルにおける凹溝の前後いずれかの側面と、それに連なるパネルの側端面とに切欠きが設けられているので、連結部材における基部の張出部の出し入れが容易に行える。
【0027】
請求項10記載の発明によると、前後の張出部の先端部に設けた垂下片を、前方の段部の前面および後方の段部の後面に係合させてあるので、連結部材の位置決めが可能になるとともに、前後方向のがたつきを防止することができる。
【0028】
請求項11記載の発明によると、凹溝の内面に、段部を簡単に形成することができる。
【0029】
請求項12記載の発明によると、左右のパネルの上端部同士が、連結手段により連結されることにより、左右のパネルの相対的な上下動が阻止され、それによって連結部材が両パネルから外れなくなり、両パネルは強固に連結される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るパネルの連結構造を備えるローパーティションの第1の実施形態を示す斜視図、図2は、パネル下部におけるパネル同士の連結状態を示す要部拡大縦断正面図、図3は、パネル側面下部における縦枠の要部斜視図、図4は、連結部材の斜視図、図5は、パネル側面への連結部材の取付け状態を示す要部側面図、図6は、図5のVI-VI線矢印方向から見た縦断正面図である。
【0031】
図1に示すように、このローパーティションは、左右1対のパネル(以下、第1パネル(P1)、第2パネル(P2)と称す)の側端面同士を、直線状に互いに突き合せて連結することにより、形成されている。なお、ここでは、第1と第2の2枚のパネルのみを示しているが、任意の複数枚のパネルを、同一の連結構造をもって、順次直線状に連結することができることは勿論である。
【0032】
第1パネル(P1)および第2パネル(P2)の各々の側面には、縦枠 (1)が組み付けられており、この縦枠(1)の側端面には、図2および図3に示すように、パネルの内方に向かって凹入する凹溝(2)が上下方向に沿って設けられている。縦枠 (1)の下部における凹溝 (2) の溝底壁(2a)には、縦長方形の嵌合孔(3)が貫通させて形成され、この嵌合孔(3)は、第1パネル(P1)と第2パネル(P2)とにおける縦枠(1)(1)同士を突き合わせたとき、互いに対向するようになっている。縦枠(1)における凹溝(2)の前後の内側壁(2b)(2b)と、それに連なる縦枠 (1)の側端面とには、前後1対の切欠き(4)(4)が、嵌合孔(3)の下部に対応する位置に設けられており、これら切欠き(4)(4)における凹溝(2)の前後の側面には、段部(5)(5)が、凹溝(2)の開口部に向かって突出するように、それぞれ形成されている。
【0033】
第1パネル(P1)および第2パネル(P2)の側面同士の突合せ状態における縦枠(1)(1)の凹溝(2)(2)間には、第1パネル(P1)および第2パネル(P2)同士の下部を連結する連結部材(6)が介装されている。この連結部材(6)は、図4および図5に示すように、凹溝(2) (2)間に差込み可能な厚さを有するプラスチックや金属等の基部(7)を有し、この基部(7)の一方の側面(8)が、垂直をなして、第1パネル(P1)における凹溝(2)の溝底壁(2a)に当接し、かつ他方の側面(9)が、基部(7)の上端から下端にかけて、第2パネル(P2)における凹溝(2)の溝底壁(2a)から離間する方向に傾斜するように切り欠かれている。
【0034】
基部(7)の上端の左右両端部には、上向き鉤形の左右1対のフック部(10)(11)が設けられ、一方のフック部(10)は、第1パネル(P1)側の嵌合孔(3)に嵌入されて、嵌合孔(3)の上縁(3a)に係止され、他方のフック部(11)は、第2パネル(P2) の嵌合孔(3)に嵌入されて、嵌合孔(3)の上縁(3a)に係止されるとともに、その内面(11a)は、第2パネル(P2) の嵌合孔(3)への嵌入に際して、第1パネル(P1)側に近接させる方向の分力を付与する傾斜面に形成されている。これにより、凹溝(2)(2)間に介装される連結部材(6)の左右両端部を、第1および第2パネル(P1)(P2)の嵌合孔(3) (3)間に跨って着脱可能に嵌入係止されるようになっている。
【0035】
基部(7)の前後両側面の下部には、前後1対の張出部(12)(12)が形成され、これら張出部(12)(12)は、前記切欠き(4)(4)を通して、第1パネル(P1)の縦枠(1)における凹溝(2)の両側部に形成された段部(5)(5)間を跨ぐようにして受支されている。また、張出部(12)(12)の各々の先端部には、下向きの垂下片(12a)(12a)が形成され、これら垂下片(12a)(12a)の前後の内側面が、段部(5)(5)の前後の外側面に係合することにより、連結部材(6)の位置決めがなされるとともに、連結部材(6)の前後のがたつきが防止される。
【0036】
基部(7)の下端には、左右両側面(8)(9)に開口する凹部(13)が左右に貫通形成されており、この凹部(13)内には、付勢手段としての板ばね(14)の一部が左右方向に貫通するように配置されている。この板ばね(14)は、一端(14a)が一方のフック部(10)側の下部に、軸(15)をもって止着され、かつ他端部(14b)が、他方のフック部(11)の下方に向けて延出している。
また、板ばね(14)のフック部(10)寄りの中間部には、係止部である山形折曲部(16)が屈曲形成され、この山形折曲部(16)は、フック部(10)の嵌合孔(3)への嵌入時に、嵌合孔(3)の下縁(3b)に係合するようになっている。これにより、一方のフック部(10)は、板ばね(14)の弾性により、嵌合孔(3)から抜け止めされるとともに、連結部材(6)は、その基部(7)の一方の側面(8)が、第1パネル(P1)における凹溝(2)の溝底壁(2a)に摺接することにより、真上に移動するように案内されて、両フック部(10)(11)が両嵌合孔(3)の上縁(3a)(または下縁(3b))に係止する方向に付勢される。
【0037】
次に、パネル同士の連結作業工程を、図5および図6に基づいて説明する。本実施形態では、予め第1パネル(P1)に連結部材(6)を装着するにおいて、まず、基部(7)の一方のフック部(10)を、第1パネル(P1)の嵌合孔(3)に向けて(図6における紙面左方向)、板ばね(14)の付勢力に抗して嵌入し、板ばね(14)の山形折曲部(16)を嵌合孔(3)の下縁(3b)に係合させるとともに、基部(7)の張出部(12)(12)を、第1パネル(P1)の縦枠(1)における凹溝(2)に形成した両段部(5)(5)に受支させ、それらの垂下片(12a)(12a)を、両段部(5)(5)の外側面に係合させて位置決めする。これにより、基部(7)の一方の側面(8)が、板ばね(14)の付勢力により、第1パネル(P1)における凹溝(2)の溝底壁(2a)に弾性的に当接するようにして組付け保持される。
【0038】
なお、板ばね(14)は、第1パネル(P1)における嵌合孔(3)の下縁(3b)への山形折曲部(16)の係合状態において、その他端部(14b)を、付勢力に抗して、図6の二点鎖線にて示す位置まで、実線矢印で示すように、上方に向け押上げ回動させることができる。基部(7)における他方の側面(9)は、上述のように、上端から下端にかけて、内方に傾斜するように切り欠かれているため、板ばね(14)における他端部(14b)の回動操作が容易になる。そして、この回動操作で、山形折曲部(16)を嵌合孔(3)の下縁(3b)から離脱させ、それらの係合状態を容易に解除させることができる。これにより、連結部材(6)における基部(7)の一方のフック部(10)の引き抜き(図6における紙面右方向)を可能にし、連結部材(6)を嵌合孔(3)から容易に取外すことができる。
【0039】
次に、基部(7)の他方のフック部(11)に、上方から第2パネル(P1) における嵌合孔(3)を落とし込むように嵌入させて係止させることにより、図2に示すように、両パネル(P1)(P2)同士を連結する。このとき、基部(7)における他方のフック部(11)の内面 (11a)は、第1パネル(P1)側に近接させる方向の分力を付与する傾斜面に形成されているため、第2パネル(P2) の嵌合孔(3)を嵌入する際には、フック部(11)の傾斜面に、嵌合孔(3)の上縁(3a)が当接し、これにより、第2パネル(P2)を第1パネル(P1)側に引き寄せるような分力が作用するため、両パネル(P1)(P2)同士の突合せ面を強力に密着させることができ、両パネル(P1)(P2)間に隙間を生じることが防止できる。
【0040】
また、基部(7)の他方のフック部(11)に加わる第2パネル(P2)に荷重は、第1パネル(P1)側に形成した前後両段部(5)(5)に、基部(7)に形成した張出部(12)(12)が受支されるようになっているため、第2パネル(P2)の連結に伴う荷重に対する連結部材(6)の回動を抑止することができる。
【0041】
なお、本実施形態において、第1および第2パネル(P1)(P2)同士の上部の連結は、図1に示すように、両パネル(P1)(P2)間の上端部に連結プレート(17)を固定ねじ(18)により締結することにより、左右のパネル(P1)(P2)の相対的な上下動を阻止するようにした連結手段により行われるが、第1および第2パネル(P1)(P2)同士の上部の連結構造にも、上記した連結部材(6)を用いてもよい。
【0042】
図7は、本発明の第2の実施形態におけるパネル側面への連結部材の取付け状態を示す要部拡大縦断正面図、図8は、同じくパネル同士の連結状態を示す要部拡大縦断正面図である。
【0043】
本実施形態では、上述した縦枠(1)の凹溝(2)に形成される段部(5) (5)および連結部材(6)を上下反対にして、第1および第2パネル(P1)(P2)同士を連結してなるものであり、その連結構造は同様であるため、詳細な説明は省略する。この場合、基部(7)におけるフック部(10)(11)は下向きとなり、また、基部(7)における張出部(12)(12)の上端が、段部(5)(5)に受支されるとともに、板ばね(14)の山形折曲部(16)は、嵌合孔(3)の上縁(3a)に係合される。
【0044】
図9は、本発明に係る第3の実施形態におけるパネル側面への連結部材の取付け状態を示す要部分解斜視図である。
【0045】
本実施形態では、上記した各々のパネル(P1)(P2)に形成される段部(5)(5)を、凹溝(2)における前後の内側壁(2b)(2b)に互いに内向きに突出させて形成するとともに、これらの段部(5)(5)に、連結部材(6)における基部(7)の前後に突出させて形成したほぼ馬蹄状の下向き張出部(12)を係合させて受支するように構成したものである。
また、この実施形態においては、下向き張出部(12)を段部(5)で受支することにより、連結部材(6)の嵌合孔(3)からの脱落を防止し、板ばね(14)を省略してある。
【0046】
図10は、本発明に係る第4の実施形態におけるパネル側面への連結部材の取付け状態を示す、図7と同様の要部拡大縦断正面図である。なお、図7に示す第2の実施形態におけるのと同一の部材には、同一の符号を付して図示し、それらについての詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施形態では、図7に示す第2の実施形態におけるのと同様の連結部材(6)における、図10に示す姿勢としたときの下端に、最初に第1パネル(P1)に係合させるフック部(10)に近接させて、下向きの隆起部(19)を設けることにより、この隆起部(19)とフック部(10)との間に、第1パネル(P1)の嵌合孔(3)の下縁(3b)に係合しうる下向きの係合溝(20)が形成されるようにしてある。
【0048】
この係合溝(20)を、第1パネル(P1)の嵌合孔(3)の下縁(3b)に係合させることにより、連結部材(6)が、図10に示す正規の位置から第1パネル(P1)の内方に押し込まれるのを防止することができるとともに、連結部材(6)が、他方のフック部(11)が下降するように、前後軸回りに回動するのを防止することができる。
【0049】
したがって、第4の実施形態において、付勢手段である板ばね(14)を省略しても、連結部材(6)が、第1パネル(P1)から脱落することはない。
また、第4の実施形態における連結部材(6)の上下の向きを反転させて、係合溝(20)を、第1パネル(P1)の嵌合孔(3)の上縁(3a)に係合させることにより、第1の実施形態と同様にして実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るパネルの連結構造を備えるローパーティションの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】パネル下部におけるパネル同士の連結状態を示す要部拡大縦断正面図である。
【図3】パネル側面下部における縦枠の要部斜視図である。
【図4】連結部材の斜視図である。
【図5】パネル側面への連結部材の取付け状態を示す要部側面図である。
【図6】図5のVI-VI線矢印方向から見た縦断側面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるパネル側面への連結部材の取付け状態を示す要部拡大縦断正面図である。
【図8】同じくパネル同士の連結状態を示す要部拡大縦断正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態におけるパネル側面への連結部材の取付け状態を示す要部分解斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態におけるパネル側面への連結部材の取付け状態を示す要部拡大縦断正面図である。
【符号の説明】
【0051】
(P1) 第1パネル
(P2) 第2パネル
(1) 縦枠
(2) 凹溝
(2a) 溝底壁
(2b) 内側壁
(3) 嵌合孔
(3a) 上縁
(3b) 下縁
(4) 切欠き
(5) 段部
(6) 連結部材
(7) 基部
(8) 一方の側面
(9) 他方の側面(切欠き)
(10) 一方のフック部
(11) 他方のフック部
(11a) 内面(傾斜面)
(12) 張出部
(12a) 垂下片
(13) 凹部
(14) 板ばね(付勢手段)
(14a) 一端
(14b) 他端部
(15) 軸
(16) 山形折曲部(係止部)
(17) 連結プレート(連結手段)
(18) 固定ねじ
(19) 隆起部
(20) 係合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右1対のパネルの側端面同士を、互いに突き合わせて、連結部材をもって連結するパネルの連結構造において、
両パネルの互いに対向する側端面に、各パネルの内方に向かって凹入する上下方向を向く凹溝を設けるとともに、両凹溝の溝底壁に、互いに対向する嵌合孔を設け、前記両嵌合孔の上縁または下縁に、連結部材における基部の左右両端部に設けた上向きまたは下向きのフック部を係止し、かつ左右いずれかの一方の嵌合孔の下縁または上縁に係止させた付勢手段をもって、前記連結部材をそのフック部が両嵌合孔の上縁または下縁に係止する方向に付勢させたことを特徴とするパネルの連結構造。
【請求項2】
嵌合孔に付勢手段が係止された方のパネルにおける凹溝の溝底壁に、連結部材における基部の側面を当接させた請求項1記載のパネルの連結構造。
【請求項3】
付勢手段を、一端が連結部材に止着され、かつ中間部に左右いずれか一方の嵌合孔の下縁または上縁に係合する係止部が形成された板ばねとした請求項1または2記載のパネルの連結構造。
【請求項4】
板ばねの一端部を、連結部材における左右いずれかのフック部に止着し、かつ板ばねの中間部に設けた係止部である山形折曲段部を、嵌合孔の下縁または上縁に係合させた請求項3記載のパネルの連結構造。
【請求項5】
板ばねの一部を、連結部材における基部を左右方向に貫通させ、かつ板ばねの他端部を、前記基部の他方の側方へ延出させた請求項3または4記載のパネルの連結構造。
【請求項6】
連結部材の基部における板ばねの一端が止着されていない方の側部に、板ばねの他端部の操作用の切欠きを設けた請求項3〜5のいずれかに記載のパネルの連結構造。
【請求項7】
嵌合孔に付勢手段が係止された方のパネルにおける凹溝の前後いずれかの側面に段部を設け、この段部によって、連結部材の基部より前後方向に突出する張出部の下端を受支するようにした請求項1〜6のいずれかに記載のパネルの連結構造。
【請求項8】
左右1対のパネルの側端面同士を、互いに突き合わせて、連結部材をもって連結するパネルの連結構造において、
両パネルの互いに対向する側端面に、各パネルの内方に向かって凹入する上下方向を向く凹溝を設けるとともに、両凹溝の溝底壁に、互いに対向する嵌合孔を設け、前記両嵌合孔の上縁に、連結部材における基部の左右両端部に設けた上向きのフック部を係止し、かついずれか一方のパネルにおける凹溝の前後いずれかの側面に段部を設け、この段部によって、連結部材の基部より前後方向に突出する張出部の下端を受支するようにしたパネルの連結構造。
【請求項9】
凹溝の前後の側面と、それに連なるパネルの側端面とに切欠きを設け、凹溝の前後の側面に設けた切欠きの側縁に、凹溝の開口部に向かって突出する段部を形成し、両段部により、連結部材の基部より前後方向に突出する1対の張出部の下端を受支するようにし、前記張出部を、前記両切欠きを通して、外側方に出し入れ可能とした請求項7または8記載のパネルの連結構造。
【請求項10】
前後の張出部の先端部に垂下片を設け、この垂下片を、前方の段部の前面および後方の段部の後面に係合させた請求項9記載のパネルの連結構造。
【請求項11】
段部を、凹溝の前後いずれかの側面より内方に向かって突出するように設けた請求項7または8記載のパネルの連結構造。
【請求項12】
左右のパネルの上端部同士を、それらの相対的な上下動を阻止する連結手段をもって連結した請求項1〜11のいずれかに記載のパネルの連結構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−191965(P2007−191965A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12571(P2006−12571)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)