説明

パネルへのシート接合方法

【課題】 連続する工程の中で、効率よく複数のパネルにシートを接合する方法を提供する。
【解決手段】 複数のパネル1を送り方向Xに一定間隔をあけて搬送しながら、複数のパネル1にまたがってその上面にシート2を上載する工程と、パネル1間のシート2をパネル1上方に持ち上げる工程と、持ち上げられたシート2の両側を切断する工程と、を備えたパネルへのシート接合方法であり、パネル1間のシート2を持ち上げ棒3を用いてパネル1上方に持ち上げ、持ち上げられたシート2を持ち上げ棒3の下辺に沿って刃物4を案内することにより、持ち上げられたシート2の両側を切断することを特徴とするパネルへのシート接合方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、パネル表面にシートを接合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
床材、壁材やバス壁などの建築用材として、平面状のパネルが一般的に用いられている。このパネルには、壁紙や養生シートといったシートを接合することがしばしばある。
【0003】
従来のパネルへのシートの接合方法としては、あらかじめシートを所定の大きさに切断しておいてパネルに接合するか、もしくは、シートをパネルよりも大きめに切断してパネルに接合し、その後パネル外周の余ったシートをパネルに合わせて切り取ることが一般的であった。
【0004】
一方、実開平5−13363号公報には、養生シート用カッターが報告されている。これは、パネルに貼り付ける前の養生シートを切断するためのカッターであり、確実かつ安全に養生シートを切断することができる。
【0005】
しかしながら、従来の方法では、複数のパネルにシートを接合しようとしたとき、それぞれのパネルに対して個別にシートを接合しなくてはならないため、非常に効率が悪かった。
【特許文献1】実開平5−13363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、連続する工程の中で、効率よく複数のパネルにシートを接合する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明は、複数のパネルを送り方向に一定間隔をあけて搬送しながら、複数のパネルにまたがってその上面にシートを上載する工程と、パネル間のシートをパネル上方に持ち上げる工程と、持ち上げられたシートの両側を切断する工程と、を備えることを特徴とするパネルへのシート接合方法である。
【発明の効果】
【0008】
本願発明のパネルへのシート接合方法においては、複数のパネルを送り方向に一定間隔をあけて搬送しながらシートを接合するために、複数のパネルに対して効率よくシートを接合でき、又、パネル間のシートをパネル上方に持ち上げてその両側を切断するために、持ち上げたシートの進行方向に対して前方パネル側と後方パネル側の二辺を一度に切断できるために、個々のパネルに合わせてシートを一辺ずつ切断するよりも効率がよく、又、シート切断の際に誤ってパネルを傷つけることが少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本願の請求項1〜4すべての発明に対応した実施形態であるパネルへのシート接合方法を示している。この実施形態のパネルへのシート接合方法は、図1に示す如く、複数のパネル1を送り方向Xに一定間隔をあけて搬送しながら、複数のパネル1にまたがってその上面にシート2を上載する工程と、パネル1間のシート2をパネル1上方に持ち上げる工程と、持ち上げられたシート2の両側を切断する工程と、を備えている。
【0010】
又、パネル1間のシート2を持ち上げ棒3を用いてパネル1上方に持ち上げ、持ち上げられたシート2を持ち上げ棒3の下辺に沿って刃物4を案内することにより、持ち上げられたシート2の両側を切断している。
【0011】
又、シート2の持ち上げる高さもしくは切断する高さを変化させることで、パネル1に対するシート2の余剰量を調節できるようにしている。
【0012】
以下、この実施形態のパネルへのシート接合方法を、より具体的詳細に説明する。この実施形態のパネルへのシート接合方法では、パネル1は木製、樹脂製、金属製やガラス製などの平面板状であり、床材、壁材や外壁材等の建築用パネルである。このパネル1は、図示はしていないが、ベルトコンベアーなどの搬送装置で複数のパネル1が一定方向に運ばれており、パネル1間には送り方向Xに対して一定の間隔が設けられている。続いて、これらパネル1の上面に、シート2が上載される(図1(a))。このシート2はロール状で、パネル1上で回転しながら、複数のパネル1にまたがって上載される(図1(b))。このシート2としては、壁紙や透明で剥離自在な養生シート5などが挙げられる。
【0013】
シート2が上載されたパネル1は更に搬送され、パネル1間のシート2がパネル1上方に持ち上げられる(図1(e))。その持ち上げ手段としては、この場合、持ち上げ棒3を用いているが、フック状の金具やピアノ線など、パネル1間のシート2をパネル上方に持ち上げることができればよい。
【0014】
持ち上げ棒3によってパネル1間のシート2が上方に持ち上げられた場合、持ち上げられたシート2は、刃物4を送り方向Xに対して垂直な方向から、持ち上げ棒3の下辺に沿って案内することで切断される(図1(f))。このとき、持ち上げられたシート2の持ち上げ棒3の進行方向に対して前方パネル側と後方パネル側の両側を一度に切断する。この場合、刃物4は直線状の物を用い、パネル1に対して略平行に切断しているが、刃物4の形状は特にこれに限らず、持ち上げられたシート2の両側が切断できる機能を有していればよい。又、シート2の切断手段も刃物に限らず、レーザーや電熱線等の切断手段を用いてもよい。
【0015】
このパネル1間のシート2の切断においては、パネル1に対する持ち上げ棒3の持ち上げ高さ、切断高さ、パネル1間の間隔及び持ち上げ棒3の太さは自由に設定できるようになっており、これらを調節することで、パネル1に対するシート2の余剰量を調節できるようになっている。この場合、シート2がちょうどパネル1の上面の送り方向Xに垂直な辺に合わせて切断されるように、パネル1の間隔、パネル1間のシート2の持ち上げ高さや持ち上げ棒3の太さが設定されているが(図1(h))、これらを調節することにより、シート2をパネル1に対して小さくもしくは大きく切断することも可能である。以上の工程を経て、シート2を接合したパネル1を、効率よく製造することができる。
【0016】
従って、この実施形態のパネルへのシート接合方法においては、複数のパネル1を送り方向Xに一定間隔をあけて搬送しながらシート2を接合するために、複数のパネル1に効率よくシート2を接合できる。又、複数のパネル1にまたがって上載されたシート2のパネル1間の部分を持ち上げ、シート2の両側を切断するため、持ち上げられたシートの進行方向に対して前方パネル側と後方パネル側とを二辺同時に切断するために、個々のパネル1に合わせてシート2を一辺ずつ切断するのに比べて効率がよく、又、パネル1間のシート2を持ち上げてその両端を切断するため、シート2の切断時に誤ってパネル1を傷つけにくい。
【0017】
又、パネル1間のシート2を持ち上げ棒3を用いて持ち上げ、刃物4をその下辺に沿って案内することにより切断するため、シート2の切断時に刃物4がぶれることなくまっすぐに切断することができ、シート2が厚いときや硬いときには特に有効である。
【0018】
又、シート2の持ち上げる高さもしくは切断する高さを変化させることで、パネル1に対するシート2の余剰量を調節でき、同じ装置を用いながら、パネル1の使用用途に応じてパネル1に対してシート2を大きく切断したり、パネル1と同じ大きさに切断したりできる。
【0019】
なお、本実施形態において、シート2に剥離自在な養生シート5を使用した場合、パネル施工時には養生シート5を貼り付けたままにしておき、施工後に養生シート5をはがすことで、施工時にパネル1が傷つくことを防ぐことができる。又、パネル1に対する養生シート5の余剰量を調節できるため、床材などのようにパネル1の端面を接合して施工する場合、パネル1に合わせて養生シート5を切断することにより、パネル1施工後、養生シート5がはがしやすくなる。一方、机やキッチンカウンター用のパネル1など、端面まで養生シート5を接合したい場合には、パネル1よりも養生シート5を大きく切断することで、端面まで巻き込んで養生シート5を接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本願発明の実施形態であるパネルへのシート接合方法を示す工程図。
【符号の説明】
【0021】
1 パネル
2 シート
3 持ち上げ棒
4 刃物
5 養生シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネルを送り方向に一定間隔をあけて搬送しながら、複数のパネルにまたがってその上面にシートを上載する工程と、パネル間のシートをパネル上方に持ち上げる工程と、持ち上げられたシートの両側を切断する工程と、を備えることを特徴とするパネルへのシート接合方法。
【請求項2】
パネル間のシートを持ち上げ棒を用いてパネル上方に持ち上げ、持ち上げられたシートを持ち上げ棒の下辺に沿って刃物を案内することにより、持ち上げられたシートの両側を切断することを特徴とする請求項1記載のパネルへのシート接合方法。
【請求項3】
シートの持ち上げる高さもしくは切断する高さを変化させることで、パネルに対するシートの余剰量を調節できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のパネルへのシート接合方法。
【請求項4】
パネルに上載するシートが、剥離自在の養生シートとなっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のパネルへのシート接合方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−144505(P2006−144505A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339709(P2004−339709)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)