説明

パネル同士の連結構造

【課題】パネル同士を、互いの連結隅部に連結手段を露出させることなく、強固に、かつ容易に連結しうるようにする。
【解決手段】連結材30を、一方のパネルの連結杆5の係合溝14に嵌合しうる基部33と、基部33より上方に突出し、一方のパネルの連結杆5の対向片16の背面に係合しうる係合部35と、基部33の両側部より他方のパネルの連結杆5に向かって延出し、この連結杆5における側端部両面の係合溝14内に嵌合しうる1対の嵌合片36とを備えるものとし、前記対向片16を、連結材30の係合部35と前記他方の連結杆5の端板9aとにより挟んで、連結材30と他方の連結杆5とを締着手段32により締着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオフィス等の室内空間を仕切るローパーティション装置等のパネル同士を、互いに交差するように連結する連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ローパーティション装置においては、これを床面に自立させうるように、複数のパネル同士を、例えば平面視T字状または十字状等に互いに交差させて連結することがよく行われる。
このように、パネル同士を平面視T字状等に連結する従来の連結構造としては、各パネルの側面に横向きの係止溝を設け、平面視T字状をなすように当接させたパネル同士の交差隅部において、互いの係止溝に係合部を係合させた連結材を締付けることにより、連結材をもってパネル同士を平面視T字状に連結したもの(例えば特許文献1、2参照)や、一方のパネルの側面に幅方向を向く係止溝を設け、この溝に係止した連結フックに、連結ポストをねじ止めし、この連結ポストに、他方のパネルを、平面視T字状をなすように連結したもの(例えば特許文献3参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−196168号公報
【特許文献2】特許第4565971号公報
【特許文献3】特開2010−106624号公報(図1〜図3等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1及び2に記載のパネル同士の連結構造においては、パネル同士を、それらの交差隅部において、互いの係止溝に係合した締付体と平面視直角三角形をなす連結材とを、締付ねじにより締着して連結しているので、パネル同士の連結隅部に連結材が露出することとなる。そのため、例えば什器等を連結部のパネル面に当接させて設置することができず、パネル同士の連結部に、連結材の突出分のデッドスペースが形成される。
また、2個の締付体と締付ねじが必要であるので、部品点数が増える。
【0005】
特許文献3に記載のパネル同士の連結構造においては、一方のパネルに設けた係止溝に連結フックを係止し、この連結フックに、他方のパネル取付用の連結ポストをねじ止めしただけであるので、一方のパネルに対する連結ポストの取付強度が小さく、連結ポスト及びそれに連結される他方のパネルに外力が加わった際に、それらが側方にぐらつく恐れがある。
また、一方のパネルに、他方のパネルを、連結ポストを介して平面視T字状に連結しているので、パネル同士の連結に多くの工数を要するとともに、連結ポストを製作するためのコストが増大する。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、パネル同士を、互いの連結隅部に連結手段を露出させることなく、必要最小限の部材により強固に、かつ容易に連結しうるようにしたパネル同士の連結構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次の各項のようにして解決される。
(1)開口縁の少なくとも上下いずれか一方に、他方を向く対向片を設けることにより、奥部の上下幅を開口部よりも大とした横向きの係合溝を表面に設けたパネル同士を、一方のパネルに対して他方のパネルが所要の角度で交差するように、連結材と締着手段をもって連結する連結構造であって、前記連結材を、前記一方のパネルの係合溝に嵌合しうる基部と、前記基部より上下いずれかの方向に突出し、前記一方のパネルの対向片の背面に係合しうる係合部と、前記基部の両側部より前記他方のパネルに向かって延出し、この他方のパネルの端部における両側面の係合溝内に側方より嵌合しうる1対の嵌合片とを備えるものとし、前記一方のパネルの対向片を、前記連結材の係合部と他方のパネルの端板とにより挟んで、連結材と他方のパネルとを前記締着手段により締着する。
【0008】
このような構成とすると、パネル同士を、それらの連結隅部に連結材を露出させることなく連結しうるので、体裁がよく、かつ什器等を、連結部のパネルの表面に当接させて設置することができるので、パネル同士の連結隅部に、連結材の突出分のデッドスペースが形成されることもない。
また、連結材の1対の嵌合片が、他方のパネルの端部における両側面の係合溝内に側方より嵌合され、他方のパネルが1対の嵌合片により両側から挟持されているので、一方のパネルに対し、他方のパネルが厚さ方向にぐらつく恐れは小さい。
【0009】
さらに、パネル同士を、1個の連結材と締着手段により連結しうるので、部品点数が削減される。
【0010】
(2)上記(1)項において、締着手段を、他方のパネルの端板に設けた通孔に背面側より挿通し、連結材の基部に設けためねじ孔に螺合するようにした締付ボルトとする。
【0011】
このような構成とすると、締着手段を1本の締付ボルトにより形成し、これを、連結材のめねじ孔に螺合するのみでよいので、構造を簡素化することができる。
また、
【0012】
(3)上記(2)項において、上端部に係合溝を設けたパネル同士を連結するものにおいて、他方のパネルの側端部に、上方に開口する空間を設け、この空間内において、締付ボルトを、端板の通孔を介して連結材のめねじ孔に螺合する。
【0013】
このような構成とすると、締付ボルトが外部に露呈しないので、パネル同士の連結部の体裁がさらに向上する。
【0014】
(4)上記(2)または(3)項において、連結材における基部のめねじ孔と端板の通孔との軸線を、斜め上方へ向かって傾斜させることにより、締付ボルトを、他方のパネルの斜め上方より前記めねじ孔に螺合しうるようにする。
【0015】
このような構成とすると、締付ボルトを、連結材のめねじ孔に、他方のパネルの斜め上方から螺合しうるので、パネル同士の連結作業が容易となる。
【0016】
(5)上記(4)項において、めねじ孔の軸線と直交するように傾斜させた傾斜面と、端板の背面に当接する当接面とを有する押圧部材における前記当接面を、端板の背面に当接させ、前記傾斜面と直交するように前記押圧部材に設けた、前記めねじ孔の軸線と同軸をなす通孔に挿通した締付ボルトを、前記押圧部材を介して前記めねじ孔に螺合する。
【0017】
このような構成とすると、めねじ孔の軸線を斜め上下方向に傾斜させ、このめねじ孔に、締付ボルトを斜め上方よりに螺合させても、その締付力が、押圧部材に効果的に作用するので、押圧部材を介して、他方のパネルの端板を背面側より強く押圧することができる。従って、端板と連結材の係合部とにより、一方のパネルの対向片が強力に挟持され、パネル同士が強固に連結される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パネル同士を、それらの連結隅部に連結材を露出させることなく連結しうるので、体裁がよく、かつ什器等を、連結部のパネルの表面に当接させて設置することができるので、パネル同士の連結隅部に、連結材の突出分のデッドスペースが形成されることもない。
また、連結材の1対の嵌合片が、他方のパネルの端部における両側面の係合溝内に側方より嵌合され、他方のパネルが1対の嵌合片により両側から挟持されているので、一方のパネルが、他方のパネルの厚さ方向にぐらつく恐れは小さい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態をもって、横向きパネルと前向きパネルを平面視T字状に連結した状態の斜視図である。
【図2】図1における前向きパネルの後部を、斜め後方より見た分解斜視図である。
【図3】図1における前向きパネルの縦杆と横連結杆との連結前の斜視図である。
【図4】同じく、横向きパネルと前向きパネルにおける上部の横連結杆と連結装置との連結前の分解斜視図である。
【図5】押圧部材の拡大斜視図である。
【図6】横向きパネルと前向きパネルにおける上部の横連結杆同士の連結部の斜視図である。
【図7】図6におけるVII−VII線拡大縦断面図である。
【図8】同じく、VIII−VIII線拡大縦断面図である。
【図9】横向きパネルと前向きパネルにおける中間連結杆同士の連結部の斜視図である。
【図10】図9におけるX−X線拡大縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を用いて、左右方向(図1の左下方を左、右上方を右とする)を向く横向きパネル1と、前後方向(図1の右下方を前とする)を向く前向きパネル2同士を、等高かつ互いに平面視T字状をなすように連結した状態を示す斜視図である。
【0021】
図2は、前向きパネル2の後部を、斜め後方より見た拡大分解斜視図で、この前向きパネル2は、高さ調節用のアジャスタ3を介して床面に立設された前後1対の縦杆4(前方のものは図示略)の上部、下部、及び中間部同士を、それぞれ、前後方向を向く上下部の横連結杆5、5と中間連結杆6とにより連結してなるフレーム7を備えている。なお、横向きパネル1におけるフレームは、前向きパネル2よりも左右幅方向において長寸であるが、前向きパネル2と同じ構成であるので、その詳細な説明を省略する。
【0022】
縦杆4は、図3にも示すように、平面視外向きコ字状をなす縦杆本体8と、その左右の側板8a、8aにおける外側部の対向面に固着された、平面視コ字状の補強杆9とからなり、補強杆9の外側縁には、端板としての互いに離間して対向する左右1対の内向片9a、9aが、その外側面と縦杆本体8の外側縁とが整合するようにして連設されている。
【0023】
補強杆9の上端内側には、凹入切込み10が形成され、この凹入切込み10の形成箇所において、縦杆本体8における側板8a、8aの上端部の対向面には、上下方向のめねじ孔11を有する後面視下向きコ字状のねじ座12が固着されている。
【0024】
上下の横連結杆5と中間連結杆6とは、類似する断面形状をなし、角管状の基杆13の上端に、左右外向きに開口し、かつ前後方向を向くあり溝状、すなわち開口縁より奥部の上下幅を大とした係合溝14、14が形成されたレール部15、15を有している。
【0025】
各レール部15における係合溝14の開口部には、互いに対向する上下1対の対向片16、17が突設されており、それによって、係合溝14の奥部は、開口縁より広幅とされている。上部の対向片16の内面下端部は、内側下方を向く傾斜面16aとされ、また、下部の対向片17の内面上端部は、内側上方を向く傾斜面17aとされている(図4、図6、図7参照)。
【0026】
上部の横連結杆5における基杆13の前後両端部(前部は図示略)には、左右のレール部15、15を残して、上向き角形の切り欠き18が形成され、この切り欠き18の端面を縦杆4の内側面に当接させるとともに、縦杆4の上端部を左右のレール部15、15間に嵌合させた状態で、連結杆5の両端部が縦杆4に固定されている(図2参照)。
【0027】
横連結杆5の上面板5aの前後両端部には(前部は図示略)、平面視後向きU字状の切り欠くことにより、切込孔19が形成されている。この切込孔19の直下において、両レール部15の対向面には、後記するキャップ部材22の受支板20が固着されており、この受支板20には、上記切込孔19よりも小寸の平面視U字状の切込孔21が形成されている。これらの切込孔19、21及び縦杆4内の空間は、後記する押圧部材31や締付ボルト32を縦杆4内に挿入したり、締付ボルト32を締め付けたりする際の作業孔として利用される。
【0028】
上面板5aにおける切込孔19は、図2に示すように、下面に下向突部22aを有するキャップ22により閉塞されるようになっている。すなわち、キャップ22を受支板20により支持するとともに、下向突部22aをねじ座12の上面に当接させて、キャップ22に設けた通孔23に上方より挿入した止めねじ24を、ねじ座12のめねじ孔11に螺合することにより、切込孔19は常時閉塞され、かつ必要に応じて開口しうるようになっている。
【0029】
下部の横連結杆5は、上部の横連結杆5と同形のものを上下逆向きとした形状をなし、基杆13の両端部に左右のレール部15、15を残して設けた角形の切り欠き25の端面を、縦杆4の内側面に当接させるとともに、縦杆4を左右のレール部15、15の両端部により挟持するようにして、縦杆4に固定されている。
【0030】
中間連結杆6の基杆13は、レール部15の上下両方向に突出する形状をなし、その両端部に、左右のレール部15、15を残して設けた切り欠き25の端面を、縦杆4の内側面に当接させるとともに、縦杆4を左右のレール部15、15の両端部により挟持するようにして、縦杆4に固定されている。
【0031】
図2に示すように、上下の横連結杆5、5と中間連結杆6における左右のレール部15、15の対向面間には、パネル26が、その背面の両側上下部に突設した弾性係合片27を、縦杆4の左右両面に設けた係合孔28(右方のものは図示略)に係合させることにより、フレーム7に着脱可能に取り付けられている。
なお、パネル26をフレーム7に装着したとき、パネル26の表面とレール部15の表面とがほぼ同一面をなすように、パネル26の厚さと、レール部15における縦杆4の両側面よりの突出寸法とを、ほぼ等しくしてある。
【0032】
次に、図4〜図8(パネルは図示略)を参照して、横向きパネル1に対して、前向きパネル2を、平面視T字状をなすように連結する連結構造について説明する。
上記の連結には、図4に示すようなパネル連結装置29が使用される。このパネル連結装置29は、横向きパネル1における上部の横連結杆5のレール部15の係合溝14に嵌合可能な連結材30と、前向きパネル2における上部の横連結杆5の切込孔19、21を介して、または、補強杆9における内向片9a、9aの対向面間より縦杆4内の上部に挿入され、補強杆9における左右1対の内向片9a、9aを背面より押圧可能な押圧部材31と、この押圧部材31と連結材30とを、内向片9a、9aを挟んで締着する締付ボルト32とを備えている。
【0033】
連結材30は、横向きパネル1における横連結杆5のレール部15の係合溝14に嵌合可能な左右方向を向く基部33と、基部33の後端部上面より起立し、係合溝14内の上半部に遊嵌可能な上向片34と、この上向片34の左右両端部に連設され、横向きパネル1のレール部15における上部の対向片16の背面に係合可能な斜め前上方を向く1対の係合部35、35と、基部33の左右両端部に前向き突設され、前向きパネル2における左右の係合溝14、14内に嵌合可能な1対の嵌合片36、36と、基部33の左右方向の中央部前面に突設され、軸線が斜め前上方に傾斜するとともに、前部の横連結杆5の斜め上方に向かって開口するめねじ孔37を有する突部38とを備えている。突部38の前面は、めねじ孔37の軸線と直交するように傾斜させてある。
【0034】
係合部35、35の前面は、対向片16の背面の傾斜面16aと同方向に傾斜する傾斜面35aとされている(図7参照)。なお、上記係合部35を、上向片34の全長に亘って連続的に形成してもよい。
【0035】
左右の嵌合片36、36における基部の対向面間の寸法は、横連結杆5における左右のレール部15の奥面間にがたなく当接しうる寸法とされ、また、両嵌合片36の上下寸法は、左右のレール部15、15の係合溝14、14の開口部、すなわち両レール部15の対向片16、17間にがたなく嵌合しうる寸法とされている。
【0036】
突部38の前面は、斜め前下方を向く傾斜面とされ、かつその左右幅は、前向きパネル2の内向片9a、9a間に嵌合しうる寸法とされている。
【0037】
図5にも示すように、押圧部材31は、後面に凹入孔42を設けた側面視ほぼ直角三角形をなし、その縦断面形は、後向L字状をなしている(図7参照)。押圧部材31の後端は、前向きパネル2における縦杆4の内向片9aの背面に当接しうる垂直の当接面とされている。
押圧部材31の前面は、連結材30のめねじ孔37と直交するように傾斜させた傾斜面31aとされ、この傾斜面31aには、締付ボルト32挿通用の、めねじ孔37の軸線と同方向を向く通孔39が穿設されている。
【0038】
両パネル1、2の上端部同士を連結するには、まず後部の横連結杆5における前側のレール部15の係合溝14内に、連結材30の基部33を、上向片34から先に前方より嵌合し、左右の係合部35、35を、レール部15における上部の対向片16の背面と対向させる。
【0039】
ついで、前部の横連結杆5における縦杆4の補強杆9内の上部に、押圧部材31を、横連結杆5の上面の切込孔19、21、または補強杆9の両内向片9a間の開口より挿入し、押圧部材31の傾斜面31aに設けた通孔39に、締付ボルト32を、切込孔19、21を介して斜め前上方より挿入する。なお、押圧部材31に締付ボルト32を予め挿入した状態で、それらを上方より補強杆9内に挿入することもできる。
【0040】
ついで、連結材30の左右の嵌合片36、36に、前部の横連結杆5における左右のレール部15、15の係合溝14、14を嵌合させるとともに、連結材30の突部38を、補強杆9における内向片9a、9a間の開口に嵌合させながら、押圧部材31に挿入した締付ボルト32を、前部の横連結杆5の斜め前上方より連結材30のめねじ孔37に螺合し、強く締め付ける。
【0041】
すると、図6〜図8に示すように、前後の横連結杆5、5同士が互いに接近する方向に引き寄せられて、連結材30の係合部35が、後部の横連結杆5における対向片16の背面に強く係合し、この対向片16と縦杆4における補強杆9の両内向片9aとが、連結材30の係合部35と押圧部材31とにより前後から強く挟まれる。その結果、前後のレール部15、15の対向面同士が互いに強く当接し、前後の横連結杆5、5が平面視T字状に強固に連結される。
【0042】
また、前部の横連結杆5における左右のレール部15、15の係合溝14、14が、連結材30の前方に突出する左右1対の嵌合片36、36により、左右両側から挟持されているので、前部の横連結杆5が左右方向にぐらつく恐れは小さい。
【0043】
さらに、前後の横連結杆5、5同士を、1個ずつの連結材30と押圧部材31と締付ボルト32とにより、横連結杆5、6の斜め前上方から容易に連結しうるとともに、部品点数も削減される。
【0044】
上記の連結作業は、連結材30の左右の嵌合片36、36に、前部の横連結杆5における左右のレール部15、15の係合溝14、14を嵌合させて行われるので、後部の横連結杆5に対し、前部の横連結杆5が上下方向に位置決めされ、それらのレール部15を体裁よく連続させることができる。
【0045】
連結材30の基部33は、後部の横連結杆5の係合溝14内に、左右の嵌合片36、36は、前部の横連結杆5の左右の係合溝14、14内に、それぞれ嵌合され、かつ押圧部材31及び締付ボルト32は、縦杆4内に収容されているので、横連結杆5同士の連結隅部に、連結材30、押圧部材31、及び締付ボルト32が露出することがない。
【0046】
図9及び図10は、両パネル1、2の中間連結杆6、6同士を連結する例を示す。
前部の中間連結杆6における縦杆4の前面に当接する基杆13の後端部上面に、開口40を設け、縦杆本体8の前面板8bと補強杆9の前面板9bとに、前後方向及び開口40に連通する方形の開口41、41を設けてある。
【0047】
中間連結杆6、6同士を連結するには、上述と同様に、まず後部の中間連結杆6の係合溝14に、連結材30を前方より嵌合したのち、連結材30の左右の嵌合片36、36に、前部の中間連結杆6における左右のレール部15、15の係合溝14、14を嵌合させる。
【0048】
ついで、図9及び図10に2点鎖線で示すように、押圧部材31とそれに挿入した締付ボルト32とを、開口40と開口41、41を介して、斜め前上方より縦杆4内に挿入し、締付ボルト32を連結材30のめねじ孔37に螺合して強く締め付ける。これにより、上記と同じ作用により、前後のレール部15、15の対向面同士が強く当接し、中間連結杆6、6同士が強固に連結される。
【0049】
なお、図示は省略するが、下部の横連結杆5、5同士の連結も、上記中間連結杆6、6同士の連結と同じ要領で行うことができる。
【0050】
以上説明したように、上記実施形態のパネル同士の連結構造においては、横向きパネル1と前向きパネル2同士を、それらの連結隅部に連結材30等からなるパネル連結装置29を露出させることなく連結しうるので、体裁がよく、かつ什器等を、連結部のパネル26の表面に当接させて設置することができるので、両パネル1、2同士の連結隅部に、連結材30等の突出分のデッドスペースが形成されることもない。
【0051】
また、前部の連結杆5、6における左右のレール部15、15の係合溝14、14が、連結材30における前方に突出する左右1対の嵌合片36、36により、左右両側から挟持されているので、前部の横連結杆5、6が左右方向にぐらつく恐れは小さい。
【0052】
さらに、前後の連結杆5、6同士を、それぞれ1個ずつの連結材30と押圧部材31と締付ボルト32とにより、斜め前上方から容易に連結しうるとともに、部品点数も削減される。
【0053】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、連結材30のめねじ孔37に、締付ボルト32を、連結杆5、6の斜め前上方より螺合するようにしているが、めねじ孔37及び押圧部材31の通孔39を前後方向を向くようにして、締付ボルト32を前方より水平に螺合することもある。この際には、縦杆4内に締付ボルト32を容易に挿入しうるように、連結杆5、6に設けた開口19、21、40を前後方向に長くしたり、上部の横連結杆5に設けた受支板20を省略したり、前方に変位させたりなどすればよい。
【0054】
このように、締付ボルト32を水平に締め付ける際は、押圧部材31を省略して、縦杆4を締付ボルト32により直接締め付けることができる。この際は、縦杆4における1対の内向片9a、9aを、1枚の連続する端板よりなるものとし、この端板に、締付ボルト32の挿通孔を設けるとともに、連結材30の突部38を省略して、基部33に前後方向を向くめねじ孔37を設ければよい。
【0055】
上記実施形態では、連結材30に設けた斜め前上方を向く係合部35、35を、後部の連結杆5、6のレール部15における上部の対向片16の背面に係合させているが、これとは反対に、連結材30に斜め前下方を向く係合部を設け、これを、レール部15における下部の対向片17の背面に係合させるようにしてもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態では、間仕切りパネル1、2を構成する連結杆5、6のレール部15に、係合溝14及び対向片16を設けているが、これらを、板厚を大としたパネル26の表面に直接設けることもある。
【0057】
本発明は、横向きパネル1と前向きパネル2同士を、平面視T字状以外の任意の角度で連結する際にも適用することができる。この際には、連結材30の基部33に対する両嵌合片36の角度や、めねじ孔37の向き等を適宜に変更すればよい。
【符号の説明】
【0058】
1 横向きパネル
2 前向きパネル
3 アジャスタ
4 縦杆
5 横連結杆
5a上面板
6 中間連結杆
7 フレーム
8 縦杆本体
8a側板
8b前面板
9 補強杆
9a内向片(端板)
9b前面板
10 凹入切り込み
11 めねじ孔
12 ねじ座
13 基杆
14 係合溝
15 レール部
16 対向片
16a傾斜面
17 対向片
17a傾斜面
18 切り欠き
19 切込み孔
20 受支板
21 切込孔
22 キャップ
22a下向突部
23 通孔
24 止めねじ
25 切り欠き
26 パネル
27 弾性係合片
28 係合孔
29 パネル連結装置
30 連結材
31 押圧部材
31a傾斜面
32 締付ボルト
33 基部
34 上向片
35 係合部
36 嵌合片
37 めねじ孔
38 突部
39 通孔
40 開口
41 開口
42 凹入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口縁の少なくとも上下いずれか一方に、他方を向く対向片を設けることにより、奥部の上下幅を開口部よりも大とした横向きの係合溝を表面に設けたパネル同士を、一方のパネルに対して他方のパネルが所要の角度で交差するように、連結材と締着手段をもって連結する連結構造であって、
前記連結材を、前記一方のパネルの係合溝に嵌合しうる基部と、
前記基部より上下いずれかの方向に突出し、前記一方のパネルの対向片の背面に係合しうる係合部と、
前記基部の両側部より前記他方のパネルに向かって延出し、この他方のパネルの端部における両側面の係合溝内に側方より嵌合しうる1対の嵌合片
とを備えるものとし、前記一方のパネルの対向片を、前記連結材の係合部と他方のパネルの端板とにより挟んで、連結材と他方のパネルとを前記締着手段により締着したことを特徴とするパネル同士の連結構造。
【請求項2】
締着手段を、他方のパネルの端板に設けた通孔に背面側より挿通し、連結材の基部に設けためねじ孔に螺合するようにした締付ボルトとしてなる請求項1記載のパネル同士の連結構造。
【請求項3】
上端部に係合溝を設けたパネル同士を連結するものにおいて、他方のパネルの側端部に、上方に開口する空間を設け、この空間内において、締付ボルトを、端板の通孔を介して連結材のめねじ孔に螺合してなる請求項2記載パネル同士の連結構造。
【請求項4】
連結材における基部のめねじ孔と端板の通孔との軸線を、斜め上方へ向かって傾斜させることにより、締付ボルトを、他方のパネルの斜め上方より前記めねじ孔に螺合しうるようにしてなる請求項3記載のパネル同士の連結構造。
【請求項5】
めねじ孔の軸線と直交するように傾斜させた傾斜面と、端板の背面に当接する当接面とを有する押圧部材における前記当接面を、端板の背面に当接させ、前記傾斜面と直交するように前記押圧部材に設けた、前記めねじ孔の軸線と同軸をなす通孔に挿通した締付ボルトを、前記押圧部材を介して前記めねじ孔に螺合してなる請求項4記載のパネル同士の連結構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−180718(P2012−180718A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45840(P2011−45840)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)