説明

パネル型衛星及びこれを用いた衛星システム

【課題】高機能、低コスト、短期開発、冗長化を同時に実現することにある。
【解決手段】人工衛星として必要最低限の機器を基板10上に搭載してなるパネル型衛星100を2個以上結合すると共に各パネル型衛星100を多重ネットワークで密接に連携した衛星システム200において、多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載されたデータ処理装置の間でデータ通信を行う通信ネットワーク、各パネル型衛星100に搭載された機器の間で熱伝達するヒートパイプ及び各パネル型衛星100に搭載された電力制御器の間を接続する電源ラインとからなるので、単独で機能する以上の多様で柔軟な高い機能を持つ集合体としても機能する他パネル型衛星100の一部に障害が発生しても、多重ネットワークである通信ネットワーク、ヒートパイプ及び電源ラインにより衛星としての機能を維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル型衛星及びこれを用いた衛星システムに関する。例えば、人工衛星として必要最低限の機器を備えたパネル型衛星を結合して多重ネットワークで密接に連携した衛星システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、図2に示すように立方体状の超小型衛星1が提案されているが、衛星1の各パネル1a,1b,1c,…にはそれぞれ違った機能が定義され、違った機器2,3,4,…が搭載されており、各パネル1a,1b,1c,…はネットワーク化されていない。
【0003】
各パネル1a,1b,1c,…に搭載される機器2,3,4,…はRS−232C等のシリアル通信やパラレル通信で1:1で電気的に接続されており、衛星システムとしてネットワークで接続されていないため、Plug&Playが電気的システムとして実現できなかった。
【0004】
また、熱制御的にも、HeatPipeが1:1接続のため、熱的にもネットワーク化されず、複雑で標準化できない衛星システムとなっている。
尚、人工衛星の電力制御方式としては、特許文献1に開示される方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−48299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、高機能、低コスト、短期開発、冗長化を同時に実現することが可能なパネル型衛星及びこれを用いた衛星システム衛星システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の請求項1に係るパネル型衛星は、人工衛星として必要最低限の機器を基板上に搭載してなるパネル型衛星であって、相互に少なくとも2個以上結合可能であることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明の請求項2に係る衛星システムは、請求項1記載のパネル型衛星を少なくとも2個以上結合すると共に各パネル型衛星を多重ネットワークで密接に連携することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する本発明の請求項3に係る衛星システムは、請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載されたデータ処理装置の間でデータ通信を行う通信ネットワークであることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する本発明の請求項4に係る衛星システムは、請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載された機器の間で熱伝達するヒートパイプであることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決する本発明の請求項5に係る衛星システムは、請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載された電力制御器の間を接続する電源ラインであることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決する本発明の請求項6に係る衛星システムは、人工衛星として必要最低限の機器を基板上に搭載してなるパネル型衛星を2個以上結合すると共に各パネル型衛星を多重ネットワークで密接に連携した衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載されたデータ処理装置の間でデータ通信を行う通信ネットワーク、各パネル型衛星に搭載された機器の間で熱伝達するヒートパイプ及び各パネル型衛星に搭載された電力制御器の間を接続する電源ラインとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に係るパネル型衛星は、人工衛星として必要最低限の機器を基板上に搭載してなるパネル型衛星であって、相互に少なくとも2個以上結合可能であるので、高機能、低コスト、短期開発、冗長化を同時に実現することが可能となる。
【0014】
本発明の請求項2に係る衛星システムは、請求項1記載のパネル型衛星を少なくとも2個以上結合すると共に各パネル型衛星を多重ネットワークで密接に連携するので、多重ネットワークを通じて単独で機能する以上の多様で柔軟な高い機能を持つ集合体としても機能する。
【0015】
本発明の請求項3に係る衛星システムは、請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載されたデータ処理装置の間でデータ通信を行う通信ネットワークであるので、各パネル型衛星に搭載されたデータ処理装置に障害が発生しても他のデータ処理装置が通信ネットワークを通じてバックアップし、衛星としての機能を維持することが可能となる。
【0016】
本発明の請求項3に係る衛星システムは、請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載された機器の間で熱伝達するヒートパイプであるので、ヒートパイプの一部に障害が発生しても他のルートを通じて各機器から熱が分散ないし拡散し、衛星としての機能を維持することが可能となる。
【0017】
本発明の請求項4に係る衛星システムは、請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載された電力制御器の間を接続する電源ラインであるので、各パネル型衛星に搭載された電力制御器に障害が発生しても他の電力制御器が電源ラインを通じてバックアップし、衛星としての機能を維持することが可能となる。
【0018】
本発明の請求項5に係る衛星システムは、人工衛星として必要最低限の機器を基板上に搭載してなるパネル型衛星を2個以上結合すると共に各パネル型衛星を多重ネットワークで密接に連携した衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載されたデータ処理装置の間でデータ通信を行う通信ネットワーク、各パネル型衛星に搭載された機器の間で熱伝達するヒートパイプ及び各パネル型衛星に搭載された電力制御器の間を接続する電源ラインとからなるので、多重ネットワークを通じて単独で機能する以上の多様で柔軟な高い機能を持つ集合体としても機能し、結合された2個以上のパネル型衛星の一部に障害が発生しても、多重ネットワークである通信ネットワーク、ヒートパイプ及び電源ラインにより衛星としての機能を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1(a)は、本発明に係るパネル型衛星の外観図、図1(b)は、本発明に係る衛星システムの外観図である。
【図2】従来の超小型衛星の外観図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る立方体状衛星システム二次元的に展開した概略図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る立方体状衛星システムの斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係るパネル型衛星の各機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態を図1(a)(b)に示す。
図1(a)に示すパネル型衛星100は、正方形状の基板10に、人工衛星としての必要最低限の機器を搭載し、少なくとも2個以上結合可能なものである(以下、このような接続の1単位となる標準的な衛星をコアブロックと呼ぶ)。
【0021】
基板10の4辺は、凹部10aと凸部10bとからなり、凸部10bには3個の機械的結合手段20が形成されている。
従って、パネル型衛星100は、基板10の凹部10aと凸部10bとを噛み合わせ、機械的結合手段20により相互に結合可能な構造となっている。
【0022】
基板10の表面上の一部には、例えば、赤外線カメラ等のミッション機器を搭載するための窓部40が形成されている。
尚、人工衛星としての必要最低限の機器としては、例えば、太陽電池パネル、熱制御機器、通信機、光学カメラ等のミッション機器、超小型高機能データ処理装置等、衛星バス機能がある。
【0023】
基板10の窓部40を除く表面の大部分には、太陽電池パネル30が搭載されると共に、その他のデータ処理、電源、通信、熱系等の人工衛星として必要低限の機器が基板10の裏面(図1(a)中では見えない)に搭載されている。
このようなパネル型衛星100は、人工衛星としての必要最低限の機器を備えるため、単独で人工衛星として機能し得るが、少なくとも2個以上結合することにより、高い機能を持ち、多様な機能を実現する柔軟な衛星システムとなる。
【0024】
例えば、図1(b)に示す衛星システムは、図1(a)に示すパネル型衛星100を6個結合させ、立方体状の衛星システム200としたものである(以下、このような立方体状の衛星システムを6コアブロックと呼ぶ)。
即ち、衛星システム200は、6個のパネル型衛星100a、100b,100c,…を立方体の各面となる様に組み合わせ、基板10の凹部10aと凸部10bとを相互に噛み合わせ、機械的結合手段20にて基板10を機械的に結合したものであり、立方体状の頂点には、アンテナ等として機能するコーナーキューブ101を配置した。
【0025】
各パネル型衛星100a、100b,100c,…は、人工衛星としての必要最低限の機能を備える他、独自の機能をも備えている。例えば、ミッション機器搭載用の窓部40には、赤外線カメラ、X線センサ、紫外線センサ、ガンマ線センサ、磁場センサ、可視カメラ等の観測機器が搭載される。
各パネル型衛星100a、100b,100c,…は、多重ネットワーク(図示省略)で密接に連携されており、多重ネットワークを通じて単独で機能する以上の多様で柔軟な高い機能を持つ集合体としても機能する点が特徴である。
【0026】
本発明において、各基板10を結合した段階で、多重ネットワークがつながり(Plug)、特別な設定をすることなく、各パネル型衛星100a、100b,100c,…に搭載された機器が多重ネットワークを通じて相互に認識し合い実行(Play)可能な状態、つまり、Plug&Playが実現される。
従って、地上において予めパネル型衛星100a、100b,100c,…を結合する必要はなく、宇宙空間において単にパネル型衛星100a、100b,100c,…を結合するだけで、パネル型衛星100a、100b,100c,…は多重ネットワークでつながることにより実行可能な状態となる。
【0027】
本発明における多重ネットワークとは、各パネル型衛星100a、100b,100c,…の間における電気的な多重ネットワークに限らず、熱制御的な多重ネットワーク、電源的な多重ネットワークをも含む複合的概念である。詳細は後述する。
【実施例1】
【0028】
本発明の第1の実施例を図3に示す。図3は、立方体状の衛星システムである6コアブロックを二次元的に展開した概略図である。
即ち、本実施例の衛星システムである6コアブロックは、6個のコアブロックであるパネル型衛星100a、100b,100c,100d,100e,100fを組み合わせたものである。各パネル型衛星100a〜100fは、それぞれ、データ処理装置であるバス系コンピュータ50a〜50fを備える他、ミッション系のコンピュータ60a〜60fを備える。
【0029】
バス系コンピュータ50a〜50fは、人工衛星として基幹的な作業である、姿勢制御系、データ処理系、計装系、通信系、熱制御系、電力制御系等の作業を行う。
ミッション系コンピュータ60a〜60fは、計測機器として搭載されるX線センサ70a、磁場センサ70b、可視カメラ70c、紫外線センサ70d、ガンマ線センサ70e、赤外線カメラ70fをそれぞれ制御するものである。
【0030】
バス系コンピュータ50a〜50fとミッション系コンピュータ60a〜60fとは相互に通信ラインで接続されると共に、バス系コンピュータ50a〜50fは、多重ネットワークNで密接に連携されている。
本実施例における多重ネットワークNは、コンピュータ50a〜50fをループ状に接続する通信ネットワークであり、少なくとも1台のコンピュータは隣接する2つのコンピュータと接続している。
【0031】
ここで、多重ネットワークNとは、1:1の接続以外のものを言い、図中に示すように、隣接する2台のコンピュータを接続するループ型のものがある他、これらを放射状に接続するスター型のもの、或いは、網目状に接続するインターネット型のものなどがある。
本実施例における多重ネットワークNとしては、例えば、人工衛星用のデータ通信I/F規格として世界的に標準化が進められているSpaceWireを用いることができる。
【0032】
上述したように本実施例においては、バス系コンピュータ50a〜50fは、多重ネットワークNでループ状に接続されているので、何れかのコンピュータ50a〜50fに障害が発生した場合でも、他のコンピュータ50a〜50fがそのバックアップを行うことができ、人工衛星としての機能を支障なく維持できる。
例えば、姿勢制御を行っていたバス系コンピュータ50cに障害が発生した場合には、多重ネットワークNを通じて、バス系コンピュータ50b又は50dの何れか一方が姿勢制御を担うことになる。
本実施例では、バス系コンピュータ50a〜50fは、各パネル型衛星100a〜100fにそれぞれ1台搭載されていたが、複数台搭載すれば、並列処理を行うことにより作業の高速化を図ることができる。
【実施例2】
【0033】
本発明の第2の実施例を図4に示す。図4は、本発明の衛星システムである6コアブロックの斜視図である。
本実施例の衛星システム200は、6個のパネル型衛星100a、100b,100c,…を立方体の各面となる様に組み合わせたものであり、これらパネル型衛星100a、100b,100c,…は、多重ネットワークである通信ネットワークN1、熱制御ネットワークN2及び電源ネットワークN3で密接に連携されている。
【0034】
即ち、パネル型衛星100cにデータ処理装置として搭載されるコンピュータ51cは他のパネル型衛星100a、100b,…のデータ処理装置と通信ネットワークN1でループ状に接続されている。
また、コンピュータ51cは、パネル型衛星100cにおいて、通信ラインを介して、カメラ等の観測機器66cのためのコンピュータ61c、通信機62c、GPS用受信機63c、電源制御装置64c及び姿勢制御装置65cと接続している。
【0035】
更に、熱制御ネットワークN2は、パネル型衛星100a、100b,100c,…をループ状に接続し、更に、パネル型衛星100cに搭載されるコンピュータ61c、通信機62c、GPS用受信機63c、電源制御装置64cをもループ状に接続している。
本実施例では、熱制御ネットワークN2として、一般的な熱制御デバイスであるヒートパイプ(Heat Pipe)を使用する。更に、熱制御ネットワークN2としては、封入冷媒の蒸発潜熱を利用して熱輸送を行うループヒートパイプ(Loop Heat Pipe)と呼ばれる先進型熱制御デバイスも使用可能である。
【0036】
本実施例において、パネル型衛星100a、100b,100c,…に搭載される各機器からの発熱は、ループ状に接続されている熱制御ネットワークN2により効率的に分散ないし拡散する。
また、熱制御ネットワークN2はループ状であるので、熱制御ネットワークN2の一箇所に障害が発生した場合でも、他のルートを介して熱が分散ないし拡散でき、人工衛星における熱制御を支障なく維持できる。
【0037】
一方、多重ネットワークである電源ネットワークN3は、パネル型衛星100a、100b,100c,…に搭載される電源制御装置64cをループ状に接続している。
従って、パネル型衛星100a、100b,100c,…に搭載される電源制御装置64cの何れかに障害が発生した場合でも、電源ネットワークN3を通じて他の電源制御装置がそのバックアップするので、人工衛星としての機能を支障なく維持できる。
【0038】
尚、パネル型衛星100a、100b,100c,…の外側表面は、カメラ等の観測機器66cを除いて太陽電池パネルが貼り付けられており、図4中のパネル型衛星100cにおいては、基板内側面に搭載された機器を表示している。
【実施例3】
【0039】
本発明の第3の実施例を図5に示す。図5は、パネル型衛星の各機能を示すブロック図である。
本実施例においては、パネル型衛星100は、姿勢制御系及びデータ処理系50、ミッション系60、熱制御系70及び電力制御系80を備える。
【0040】
姿勢制御系及びデータ処理系50は、姿勢制御用コンピュータ51、各種センサ52、ジャイロ53、姿勢制御装置54、磁気トルカ55等からなり、姿勢制御用コンピュータ51は、他のパネル型衛星であるコアブロックのコンピュータと多重ネットワークである通信ネットワークN1(バス系)を介して密接に連携している。
ミッション系60は、カメラ等の観測機器61と、これを制御するコンピュータ62とからなり、コンピュータ62は姿勢制御用コンピュータ51と通信ラインを介して接続されている。
【0041】
熱制御系70は、ヒータ71、温度センサ72、MLI等73及びヒートパイプ74からなり、ヒートパイプ74は、他のパネル型衛星であるコアブロックのヒートパイプと多重ネットワークである熱制御ネットワークN2を介して接続されている。
電力制御系80は、電力制御装置81、太陽電池パネル82及び二次電池83からなり、電力制御装置81は太陽電池パネル82及び二次電池83と接続され、また、ヒータ71、温度センサ72とも接続されている。
【0042】
太陽電池パネル82は、他のパネル型衛星であるコアブロックの太陽電池パネルと多重ネットワークである電源ネットワークN3を介して接続されている。
二次電池83は、他のパネル型衛星であるコアブロックの二次電池と多重ネットワークである電源ネットワークN3を介して接続されている。
【0043】
パネル型衛星100は、更に、通信機91等を備えた通信系92、ハーネス93及びスイッチ94等を備えた計装系95、構体96及びブラケット97を備えた構造系98を備える。構体96は、他のパネル型衛星であるコアブロックの構体と接続している。
本実施例においては、姿勢制御系及びデータ処理系50、熱制御系70及び電力制御系80に障害が発生しても、通信ネットワークN1、熱制御ネットワークN2、電源ネットワークN3を介して接続している他のコアブロックであるパネル型衛星の当該機能がバックアップするため、人工衛星としての姿勢制御、熱制御、電力制御等の機能を維持することが可能となる。
【0044】
尚、上記実施例では、立方体状の衛星システムを挙げて説明しているが、パネル型衛星は少なくとも2個以上結合すれば、集合体としても機能するものであり、直線状に結合しても良く、平面的に結合しても良い。
また、正方形状の基板を使用したパネル型衛星を挙げて説明したが、その他矩形状でも良い。
更には、三角形状の基板を使用したパネル型衛星を8個結合させて8面体状の衛星システムとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、人工衛星として必要最低限の機器を備えたパネル型衛星及びこれを結合して多重ネットワークで密接に連携した衛星システムとして産業上広く利用可能なものである。
【符号の説明】
【0046】
10 基板
10a 凹部
10b 凸部
22 機械的結合手段
30 太陽電池パネル
40 ミッション機器用の窓部
50 姿勢制御系及びデータ処理系
50a〜50f、51,51c,60a〜60f,61c,62 コンピュータ
52 各種センサ
53 ジャイロ
54 姿勢制御装置
55 磁気トルカ
60 ミッション系
61,66c カメラ等の観測機器
62c 通信機
63c GPS用受信機
64c 電源制御装置
65c 姿勢制御装置
70 熱制御系
71 ヒータ
72 温度センサ
73 MLI等
74 ヒートパイプ
70a X線センサ
70b 磁場センサ
70c 可視カメラ
70d 紫外線センサ
70e ガンマ線センサ
70f 赤外線カメラ
80 電力制御系
81 電力制御装置
82 太陽電池パネル
83 二次電池
91 通信機
92 通信系
93 ハーネス
94 スイッチ
95 計装系
96 構体
97 ブラケット
98 構造系
100,100a〜100f パネル型衛星(コアブロック)
101 コーナーキューブ
200 衛星システム(6コアブロック)
N 多重ネットワーク
N1 通信ネットワーク
N2 熱制御ネットワーク
N3 電源ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星として必要最低限の機器を基板上に搭載してなるパネル型衛星であって、相互に少なくとも2個以上結合可能であることを特徴とするパネル型衛星。
【請求項2】
請求項1記載のパネル型衛星を少なくとも2個以上結合すると共に各パネル型衛星を多重ネットワークで密接に連携することを特徴とする衛星システム。
【請求項3】
請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載されたデータ処理装置の間でデータ通信を行う通信ネットワークであることを特徴とする衛星システム。
【請求項4】
請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載された機器の間で熱伝達するヒートパイプであることを特徴とする衛星システム。
【請求項5】
請求項2記載の衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載された電力制御器の間を接続する電源ラインであることを特徴とする衛星システム。
【請求項6】
人工衛星として必要最低限の機器を基板上に搭載してなるパネル型衛星を2個以上結合すると共に各パネル型衛星を多重ネットワークで密接に連携した衛星システムにおいて、前記多重ネットワークは、各パネル型衛星に搭載されたデータ処理装置の間でデータ通信を行う通信ネットワーク、各パネル型衛星に搭載された機器の間で熱伝達するヒートパイプ及び各パネル型衛星に搭載された電力制御器の間を接続する電源ラインとからなることを特徴とする衛星システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−240719(P2011−240719A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111607(P2010−111607)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)