説明

パルス幅変調によるバッテリ充電

充電器(206)によってバッテリ(202)を充電するためのバッテリ管理システム(204)が、トランジスタ(208、210)と、充電ポンプ(220、222)またはプッシュプル出力ドライバ(290、292)のいずれかとを含む。トランジスタ(208、210)は、バッテリ(202)と充電器(206)からの電圧との間の電気的接続を増減させ、充電ポンプ(220、222)またはプッシュプル出力ドライバ(290、292)が生成するパルス幅変調駆動信号に応答してオンおよびオフすることによって充電器からバッテリに充電電流を送出する。充電ポンプまたはプッシュプル出力ドライバは、充電器からの電圧が予備充電閾値電圧より大きいとき駆動信号を増加させ、充電器からの電圧が予備充電閾値電圧より小さいとき駆動信号を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
充電可能なバッテリ102と共に動作する電子デバイス100の中には、図1の簡略化した先行技術の概略図に示すように、バッテリ102の充電を制御し、ときにはその放電も制御するバッテリ管理システム104を、充電器106とバッテリ102の間に有するものがある。バッテリ管理システム104は、通常、様々な内部集積回路構成要素を備えるバッテリ管理システムチップ108を、バッテリ管理システムチップ108の外部にある放電FET110、充電FET112、およびセンス抵抗器114とともに含む。
【0002】
不適切な充電技術に起因して過熱または損傷し得るバッテリにとって、バッテリ管理システム104によってイネーブルにされる制御が不可欠なことがある。例えば、リチウムイオンバッテリが完全にまたはほぼ完全に放電した場合、再充電時にバッテリに印加する充電電流は、バッテリの充電がまだ高いレベルのときに印加し得る充電電流よりもかなり小さくなければならない。もし、放電しきったリチウムイオンバッテリに比較的大きい充電電流を印加すると、バッテリが過熱し損傷するか、またはバッテリ近傍の他の構成要素を損傷させるか、あるいはその両方が起こりえる。
【0003】
そのため、このようなバッテリは、典型的には、少なくとも2段階または2モードで、すなわち、予備充電モードおよび急速充電モードで充電される。予備充電モードでは、通常、比較的小さな予備充電電流がバッテリ102に印加される。急速充電モードでは、通常、より大きな急速充電電流、ときには予備充電電流の10倍ほど大きな電流、がバッテリ102に印加される。予備充電モードと急速充電モードの間のカットオフ点を通例「急速充電閾値電圧」と呼ぶ。急速充電閾値電圧は、バッテリ102の(BATノードでの)電圧、または充電器106がFET110および112によりバッテリ102に電気的に接続されるときバッテリ102によってプルダウンされる、充電器106からの(PACKPノードでの)電圧のいずれかの電圧レベルによって決まる。
【0004】
充電器106は、典型的には、その(PACKPノードでの)出力電圧が、予備充電モードを使用しなければならないことを示す程度に低くバッテリ102によって(バッテリの充電レベルが低いために)プルダウンされる時点を感知するように設計される。そのため、PACKPでの電圧が急速充電閾値電圧より小さいことが検出されると、充電器106は、小さな予備充電電流が生成されるように充電器106自体を制限する。また、PACKPでの電圧が急速充電閾値電圧より大きいことが検出されると、充電器106は、より大きな急速充電電流を生成する。(或る種の単純なDC/DCコンバータなどの他の充電器は、その出力電流を予備充電モードに適するように調整せず、単に単一電流を出力するので、そのような状況で用いられるバッテリ管理システム104は、必要な場合に予備充電電流まで電流を制限しなければならない。)これに加えて、バッテリ管理システムチップ108は、典型的には、PACKPでの電圧またはBATでの電圧が予備充電モードまたは急速充電モードのいずれを使用しなければならないかを示す時点を感知するように設計される。
【0005】
予備充電モードおよび急速充電モードならびにこれら2つのモード間の切替えを制御するのに様々な異なる技術が用いられてきた。このような技術の中には、予備充電トランジスタ(図示せず)および外部抵抗器(図示せず)を用いて充電FET112をバイパスし、バッテリ102に予備充電電流を印加するものがある。こういった技術の欠点には、予備充電トランジスタ、抵抗器、およびこの予備充電トランジスタを制御するために必要な他の構成要素の、コストおよびスペースを要することがある。
【0006】
他の技術の中には、放電FET110および充電FET112を用い、バッテリ管理システムチップ108の外部には構成要素を追加せずに、予備充電モードを制御するものもある。例えば、予備充電モードの間バッテリ管理システムチップ108のVCCノードおよびCHGノードを(それぞれ充電FET112のソースおよびゲートに)つなぐことにより、充電FET112をオンにし、放電FET110の寄生ダイオードに順方向バイアスをかけることができるので、バッテリ102の(BATノードでの)電圧が極めて小さいときに充電器106からの予備充電電流がバッテリ102を充電することができる。この例の欠点は、バッテリ102の電圧が小さすぎる場合、例えばほぼゼロの場合、VCCがバッテリ管理システムチップ108の最小動作電圧よりも小さくプルダウンされる可能性が極めて高く、そのため、バッテリ102の状態を更新することができず、バッテリ保護機能が動作しないことである。
【0007】
図1のバッテリ管理システムチップ108には、放電FET110および充電FET112を用い、バッテリ管理システムチップ108の外部には構成要素を追加せずに予備充電モードを制御する先行技術の付加的な細部が示されている。この技術は通例、パルス幅変調(PWM)予備充電と呼ばれる。というのは、PWM予備充電では、予備充電モードの間、放電FET110をオンのままにしながら、充電ポンプ116および2つのスイッチ118および120によって生成される電圧を用いて充電FET112をオンおよびオフするからである。それぞれ下側閾値電圧V_1および上側閾値電圧V_2と比較される充電器106からの(PACKPノードでの)電圧に基づいて、2つのコンパレータ122および124の出力がそれぞれスイッチ118および120を動作させる。
【0008】
上側閾値電圧V_2は、図2に示すように、下側閾値電圧V_1より大きくなるように選択される。これに加えて、閾値電圧V_1およびV_2はいずれも、急速充電閾値電圧V_fcより小さく、かつ、バッテリ管理システムチップ108の最小動作電圧V_minより大きくなるように選択される。
【0009】
PACKPでの電圧(V_packp)が上側閾値電圧V_2より大きいとき、コンパレータ122および124およびスイッチ118および120の機能により、充電ポンプ116の出力がCHG(図1)に接続されてCHGでの電圧(V_chg、図2)が増加し、充電FET112がオンになる。一方、PACKPでの電圧(V_packp)が下側閾値電圧V_1より小さいとき、コンパレータ122および124およびスイッチ118および120の機能により、接地126がCHGに接続されてCHGでの電圧(V_chg)が減少し、充電FET112がオフになる。充電FET112がオンおよびオフされることにより、それぞれ、充電器からのPACKPでの電圧が電池バッテリ102にBATで電気的に接続され、またバッテリ102からBATで電気的に切断され、そのため、それぞれバッテリ102および充電器106によりPACKPでの電圧(V_packp)がプルダウンおよびプルアップされる。このサイクルは、図2の簡略化した電圧および電流のグラフで示すように、PACKPでの電圧が下側閾値電圧V_1より下にプルダウンされる程度にバッテリ102の電圧(V_batt)が充分に小さい限り繰り返される。
【0010】
より大きな急速充電電流は小さな予備充電電流より早くリチウムイオンバッテリを充電し得るので、できる限り速やかに(時間T5で)バッテリ充電プロセスが急速充電モードに入るようにすることが望ましい。この理由で、バッテリおよびバッテリ管理システムのメーカーは、急速充電閾値電圧をできる限り小さくするように努めてきた。この傾向のため、V_1およびV_2が事実上「押しつぶされ」てV_fc〜V_minの範囲がますます狭くなっている。しかし、コンパレータ122および124、スイッチ118および120(ならびにスイッチ118および120をオンおよびオフするのに用いる高電圧レベルシフタ(図示せず))、ならびに充電FET112に応答遅れ時間があり、充電ポンプ116の駆動能力は有限である。このような応答遅れ時間や、V_1〜V_2の範囲がますます狭くなることで、これらの構成要素をできる限り速やかに駆動してPACKPでの電圧(V_packp)がV_1およびV_2をオーバーシュートする量が大きくなり過ぎないようにするためのこれらの構成要素の電力消費要件および製造許容差要件がますます厳しくなる。
【0011】
図2の簡略化した電圧および電流のグラフは、構成要素112および118〜124が充分速やかに駆動されない場合のPWM予備充電の深刻な弱点を示している。(図2のグラフは、PWM予備充電を用いるバッテリ充電手順の現実の時間スケールを表しておらず、この手順の特定の側面をより明確に示すために簡略化していることに留意されたい。例えば、時間T2とT3の間のV_packp、V_chg、および充電電流のサイクル間ピッチは誇張されており、時間T3後のV_chgのグラフは平坦にして理想化している。)
【0012】
構成要素112および118〜124が充分速やかに駆動されない場合、充電FET112の各オン/オフサイクルにおいて、図示するように、PACKPでの電圧(V_packp)はV_2をオーバーシュートするだけでなく、急速充電閾値電圧V_fcもオーバーシュートすることがある。そのため、V_packpは、充電器106の最大出力電圧(V_max)によってのみ制限されることになる。この反復(cycling)は、予備充電モードの開始(時間T2)からバッテリ102の電圧(V_batt)が下側閾値電圧V_1のレベルまで上昇する時間(時間T3)の間、継続し得る。時間T3では、バッテリ102の電圧がもはやPACKPでの電圧(V_packp)をV_1より下にプルダウンさせないので、コンパレータ122および124の出力の上下への反復が止まる。しかし、V_packpがV_fcをオーバーシュートするたびにバッテリ充電手順が急速充電モードに入るという不適切な動作が生じ、そのため、充電電流が急速充電レベル(I_fc)まで上昇し、V_packpが再びV_fcより小さくなると、予備充電レベル(I_pc)に戻る。急速充電電流を繰り返し印加すると、バッテリ102に深刻な過熱が生じることがあり、問題である。
【0013】
ただ、この充電電流の反復では、充電器106が急速充電モードに入った後で再び予備充電モードに入ることができると仮定している。しかし、多くの市販の充電器にはそのよう能力はなく、急速充電モードに一度入ると、V_packpがV_fcより小さくなっても急速充電モードに留まったままであり、そのため、予備充電モードが完全に無効になってしまう。
【0014】
さらに、構成要素112および118〜124が充分速やかに駆動されない場合、PACKPでの電圧(V_packp)が充電FET112のオン/オフサイクルごとに、(下向きに振れるときに)V_1をオーバーシュートするだけでなく、バッテリ管理システムチップ108の最小動作電圧V_minもオーバーシュートする危険性があり得る。もしこの状況が生じたら、バッテリ管理システムチップ108は、バッテリ管理システム104の機能を制御することができないであろう。
【0015】
従って、構成要素112および118〜124を充分速やかに駆動して、PACKPでの電圧(V_packp)が下側閾値電圧V_1および上側閾値電圧V_2をオーバーシュートしないようにし、それによって、バッテリ管理システムチップ108の最小動作電圧V_minまたは急速充電閾値電圧V_fcをオーバーシュートする危険性をもなくすことが不可欠である。しかし、設計の制約によりV_fcがますますV_minに近くなると、適切な応答時間または遅れ期間を有するように構成要素を製造するコストが増加する。これに加えて、これらの構成要素の電力消費も増加し続け、そのため、バッテリ充電システムがより高価でより非効率になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】充電器によってバッテリを充電する先行技術のバッテリ管理システムを有する先行技術の電子デバイスの簡略化した概略図である。
【0017】
【図2】図1に示す簡略化した先行技術概略図の選択されたノードにおける電圧および電流の簡略化したグラフである。
【0018】
【図3】本発明の実施形態に従った、充電器によってバッテリを充電するためのバッテリ管理システムを有する電子デバイスの簡略化した概略図である。
【0019】
【図4】本発明の実施形態に従った、図3に示す簡略化した概略図の選択されたノードにおける電圧および電流の簡略化したグラフである。
【0020】
【図5】本発明の別の実施形態に従った、充電器によってバッテリを充電するための代替のバッテリ管理システムを有する代替の電子デバイスの簡略化した概略図である。
【0021】
【図6】本発明のさらに別の実施形態に従った、充電器によってバッテリを充電するための別の代替のバッテリ管理システムを有する別の代替の電子デバイスの簡略化した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図3の簡略化した概略図に、充電可能なバッテリ202(リチウムイオンバッテリなど)と共に、充電器206とバッテリ202の間の(本発明の実施形態が組み込まれた)バッテリ管理システム204の制御下で動作する、例示の電子デバイス200(例えば、携帯電話、PDA、MP3プレーヤ、ノートブックコンピュータなど)を示す。バッテリ管理システム204は、概して、放電FET208、充電FET210、バッテリ管理システムチップ212、およびセンス抵抗器214を含む。充電器206からの(PACKPでの)電圧は、バッテリ管理システムチップ212の制御下で放電FET208および充電FET210を介してバッテリ202に(BATで)印加される。ただし、前述の先行技術の場合とは異なり、充電FET210は、予備充電モードの間は比較的ゆっくりとオンおよびオフするようにバッテリ管理システムチップ212によって制御される。そのため、充電器206からの(PACKPでの)電圧とバッテリ202(BAT)との間の電気的接続が比較的ゆっくりとそれぞれ増加および減少し、その結果、それぞれバッテリ202および充電器206に因る(PACKPでの)電圧が比較的ゆっくりとそれぞれプルダウンおよびプルアップされる。充電器206からの(PACKPでの)電圧がこのように比較的ゆっくりと増減することにより、バッテリ管理システムチップ212が(PACKPでの)電圧変化に応答しかつ充電FET210に適切な変更を施す時間的余裕が生じて、(PACKPでの)電圧の脈動が直流電圧に「近く」なる程度に小さく維持される。このようにして、充電FET210を駆動するのに過大な電力を消費することなく、あるいは、本明細書で説明する構成要素のいずれの製造においても過剰な許容差を必要とすることなく、(PACKPでの)電圧が、バッテリ202の急速充電閾値電圧とバッテリ管理システムチップ212の最小動作電圧の間の極めて狭い範囲内で比較的一定に保持される。
【0023】
図3に示す概略図は、電子デバイス200を簡略化して示している。そのため、本明細書で示し説明する構成要素に加えて、電子デバイス200には多くの構成要素が追加されることがある。さらに、これら図示しない追加の構成要素の中には、本発明を損ねることなく、図示する構成要素の一部の間に配置し得るものがある。従って、以下の説明は、単に表示のためであり例示を目的としており、このように構成要素を追加すると、本明細書で示し説明する構成要素の一部の実際の機能および特性を微妙に変えることがあることに留意されたい。
【0024】
図示する実施形態に従って、充電器206のソースラインは、概して、PACKPで放電FET208のドレインにおよびバッテリ管理システムチップ212に接続される。放電FET208のゲートは、バッテリ管理システムチップ212の「DSG」ノードに接続される。放電FET208のソースは、バッテリ管理システムチップ212のVCCおよび充電FET210のソースに接続される。充電FET210のゲートは、バッテリ管理システムチップ212の「CHG」ノードに接続される。充電FET210のドレインは、バッテリ202の正端子にBATで接続され、BATはバッテリ管理システムチップ212にも接続される。バッテリ202の負端子は、センス抵抗器214の正端部に接続され、この正端部はバッテリ管理システムチップ212の「SRP」(センス抵抗器の正の)ノードにも接続される。センス抵抗器214の負端部は、バッテリ管理システムチップ212の「SRN」(センス抵抗器の負の)ノードに、接地216に、およびPACKNで充電器206のリターンラインに接続される。
【0025】
バッテリ管理システムチップ212がDSGノードおよびCHGノードでゲート駆動電圧信号を生成すると、放電FET208および充電FET210がそれぞれオンになる。充電器206が取り付けられバッテリ202がフル充電された電子デバイス200の通常動作では、放電FET208および充電FET210はいずれもオンになって、充電器206のPACKPからバッテリ202のBATまでの電気的接続が維持される。
【0026】
充電器206がFET208および210を介してバッテリ202に接続されると、バッテリ202は概して、充電器206からの電圧をバッテリ202の電圧レベルまでプルダウンする。バッテリ202がフル充電されている場合、この電圧プルダウンはごくわずかである。しかし、バッテリ202がまったく充電されていないか、または充電が極めて低い場合には、バッテリ202のBATでの電圧または充電器206からのプルダウンされたPACKP(またはVCC)での電圧のいずれかによって、電圧が小さいことがバッテリ管理システムチップ212により検出される。これに応答して、バッテリ管理システムチップ212が、バッテリ管理システム204を予備充電モードにしてバッテリ202を充電する。これに加えて、充電器206からのPACKPでの電圧がバッテリ202の電圧レベルまでプルダウンされるので、(本明細書では「スマート」充電器と称する)ほとんどの充電器206は、この電圧レベルを感知し、それに従って予備充電モードまたは急速充電モードに入るように出力電流を調整することができる。
【0027】
バッテリ202がフル充電されておらず、BATまたはPACKPでの電圧が(急速充電閾値電圧と称する)或る電圧レベルより大きい場合、バッテリ管理システムチップ212は、バッテリ管理システム204を急速充電モードにしてバッテリ202を急速に充電する。これに加えて、充電器206がスマート充電器である場合、充電器206は、PACKPでの電圧を感知し、比較的大きな急速充電電流を出力する。一方、BATまたはPACKPでの電圧が急速充電閾値電圧より小さくなる程度にバッテリ202が充分に放電されている場合、バッテリ管理システムチップ212は、以下で説明するように、バッテリ管理システム204を予備充電モードにして、急速充電モードに切り替ることが可能な状態になるまでバッテリ202を充電する(そして、バッテリ管理システムチップ212の最小動作電圧よりも大きいVCCに電圧を維持する)。また、充電器206がスマート充電器である場合、充電器206は、PACKPでの電圧が小さいことを感知し、予備充電モードの間、比較的小さい予備充電電流を出力する。さらに、充電器206がスマート充電器である場合には、充電器206およびバッテリ管理システム204がほぼ同じ急速充電閾値電圧を用いて予備充電モードおよび急速充電モードにおいてともに最良の状態で動作することが好ましい。
【0028】
急速充電モードでは、バッテリ管理システムチップ212が、DSGノードおよびCHGノード両方でのゲート駆動電圧信号を最大出力に維持することが好ましい。これにより、バッテリ202ができ限り急速に充電するように充電器206からの利用可能な最大電圧をバッテリ202に印加することができる。一方、予備充電モードでは、バッテリ管理システムチップ212は、好ましくは、DSGノードでのゲート駆動電圧信号を最大出力に維持するが、CHGノードでのゲート駆動電圧信号は、充電器206からのPACKPでの電圧レベルに応じて増減させる。言い換えれば、放電FET208が全面的にオンに維持され、そのため、充電器206からの電流が最大容量で通過し得る。しかし、充電FET210のゲート駆動電圧は、以下で説明するように、増減される。
【0029】
予備充電モードでは、充電器206からの電圧が初めにPACKPで印加されると、PACKPでの電圧が(本明細書では予備充電閾値電圧と称する)別の或るレベルよりも大きいことがバッテリ管理システムチップ212により検出され、バッテリ管理システムチップ212は、CHGノードでゲート駆動電圧信号を印加する。(予備充電閾値電圧は、急速充電閾値電圧より小さく、バッテリ管理システムチップ212の最小動作電圧より大きい。)その結果、充電器206のPACKPとバッテリ202のBATとの間で電気的接続が充電FET210を介して増加する。バッテリ202のBATでの電圧が予備充電閾値電圧よりも小さい場合、PACKPとBATの間で電気的接続が増加すると、PACKPでの電圧がバッテリ202の電圧レベルに向かって、PACKPでの電圧が予備充電閾値電圧より小さいが、バッテリ管理システムチップ212の最小動作電圧より大きい値になるまでバッテリ202によってプルダウンされる。次いで、PACKPでの電圧が予備充電閾値電圧より小さいことをバッテリ管理システムチップ212が検出すると、バッテリ管理システムチップ212はCHGノードでのゲート駆動電圧信号を減少させる。そのため、充電器206のPACKPとバッテリ202のBATの間で電気的接続が充電FET210を介して減少し、それにより、バッテリ202の電圧のPACKPでの電圧に対する効果が小さくなる。その結果、PACKPでの(ひいてはVCCでの)電圧がバッテリ管理システムチップ212の最小動作電圧よりも小さくなる前に、充電器206がPACKPでの電圧を充電器206の最大出力電圧レベルに向けてプルアップする。
【0030】
しかし、PACKPでの電圧が予備充電閾値電圧よりも再び大きくなることをバッテリ管理システムチップ212が検出すると、バッテリ管理システムチップ212は、CHGノードでのゲート駆動電圧信号を再び増加させる。こうして、得られた結果が繰り返される。従って、バッテリ管理システム204は、CHGノードでのゲート駆動電圧信号の増加および減少、充電FET210を介する電気的接続の増加および減少、およびそれに対応するPACKPでの電圧の予備充電閾値電圧より下および上への減少および増加を、バッテリ202の電圧が予備充電閾値電圧より上に上昇するまで反復する。バッテリ202の電圧が予備充電閾値電圧より上に上昇すると、バッテリ管理システムチップ212はもはや、PACKPでの電圧が予備充電閾値電圧より小さくなることを検出しなくなるので、バッテリ管理システムチップ212が、CHGノードでのゲート駆動電圧信号を最大レベルに維持する。
【0031】
予備充電モード時の正味効果は、バッテリ202の電圧が予備充電閾値電圧より小さいときには、急速充電閾値電圧よりも小さい予備充電閾値電圧より上および下への比較的狭い範囲内にPACKPでの電圧を維持することである。この電圧レベルは、上記で説明した先行技術で必要とされるほど速やかに充電FET210を駆動することを必要とせずに維持される。これは、以下で説明するバッテリ管理システムチップ212の構成要素および動作によるものである。
【0032】
他の構成要素(図示せず)の中でもとりわけ、バッテリ管理システムチップ212は、本発明のいくつかの実施形態に従って、概して、コントローラ218、DSG(放電)充電ポンプ220、CHG(充電)充電ポンプ222、およびコンパレータ224を含む。DSG充電ポンプ220およびCHG充電ポンプ222の出力は、それぞれDSGノードおよびCHGノードに接続される。充電器206からのPACKPでの入力電圧は、コンパレータ224に供給される。これに加えて、いくつかの実施形態に従って、コントローラ218が、充電器206のPACKP(またはVCC)から、SRPノードおよびSRNノードから、およびバッテリ202のBATから入力電圧信号(または電圧を示す変換されたデジタルデータ)を受け取る。(バッテリ202と直列に配置されるセンス抵抗器214を用いて、電流が感知され、SRP−SRN間に電圧が供給される。センス抵抗器214は、バッテリ202を過剰充電または過剰放電から保護するためにも用いられる。)
【0033】
コントローラ218は、本明細書で説明する機能を行い得る、または本明細書で説明する特徴を有する、任意の適切な特定用途向け集積回路またはプログラマブル汎用マイクロコントローラとし得る。コントローラ218は、コントローラ218への入力に応答して、バッテリ管理システムチップ212を含めてバッテリ管理システム204の動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ218は、イネーブル信号226および228を生成してDSG充電ポンプ220およびCHG充電ポンプ222をそれぞれ制御する。これに加えて、コントローラ218は、パルス幅変調イネーブル(PWM_EN)信号230を生成してコンパレータ224およびCHG充電ポンプ222を制御して、予備充電モードの間、パルス幅変調を行う。また、PWM_EN信号230に応答して、コンパレータ224が(PACKPでの電圧および予備充電閾値電圧のレベルに設定される基準電圧234に基づく)制御信号232を出力する。制御信号232は、以下で説明するように、CHG充電ポンプ222のパルス幅変調も制御する。
【0034】
DSG充電ポンプイネーブル信号226は、バッテリ202の電圧が電子デバイス200の動作に充分であるとコントローラ218が判断したとき、または、充電器206が取り付けられており電子デバイス200に電力を供給していることをPACKPでの電圧が示すときに、コントローラ218によってアサートされる。DSG充電ポンプイネーブル信号226の受信に応答して、DSG充電ポンプ220がオンになり、DSGノードにおいてDSG駆動電圧を出力して放電FET208のゲートを駆動する。一方、バッテリ202の電圧が極めて小さい値に減少しているとき(例えば、充電器206が取り付けられずに電子デバイス200が長時間動作している間)、コントローラ218は、DSG充電ポンプイネーブル信号226をデアサートして放電FET208をオフにする。放電FET208がオフの状態では、バッテリ202は、放電し続けることができず、電子デバイス200に電力を供給することができない。このようにして、バッテリ202がその再充電能力を失うほど放電することが防止される。
【0035】
いくつかの実施形態に従って、コントローラ218によるCHG充電ポンプイネーブル信号228およびPWM_EN信号230のアサートは、急速充電モードまたは予備充電モードのいずれが用いられているかに依存する。CHG充電ポンプイネーブル信号228は、例えば、充電器206がバッテリ202を充電する(ひいては電子デバイス200に電力を供給する)ために取り付けられ、バッテリ202のBATでの電圧がバッテリ202の充電に急速充電モードを使用すべきことを示しているとコントローラ218が判断したとき、コントローラ218によってアサートされる。(あるいは、コントローラ218は、この判断を、FET208および210が少なくとも一度オンになり、バッテリ202の電圧が充電器206からの電圧をプルダウンする機会があった後で、充電器206からのPACKPでの電圧が急速充電モードを使用すべきことを示しているかどうかに基づいて行ってもよい。)CHG充電ポンプイネーブル信号228の受信に応答して、CHG充電ポンプ222は、CHGノードにおいてCHG駆動電圧を出力して充電FET210のゲートをその最大駆動電圧で駆動する。そのため、充電FET210は、素早くPACKPとBATの間の電気的接続を最大にすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態に従って、バッテリ202のBATでの電圧がバッテリ202を充電するのに予備充電モードを使用すべきことを示しているとコントローラ218が判断したとき、コントローラ218はPWM_EN信号230をアサートする。PWM_EN信号230は、コンパレータ224およびCHG充電ポンプ222を活動状態にする。PWM_EN信号230に応答して、コンパレータ224は、予備充電閾値電圧のレベルに設定される基準電圧234よりPACKPでの電圧が大きいとき、制御信号232をアサートし(例えば、論理ハイ電圧を出力し)、PACKPでの電圧が基準電圧234より小さいとき、制御信号232をデアサートする(例えば、論理ロー電圧を出力する)。制御信号232はCHG充電ポンプ222に印加される。
【0037】
PWM_EN信号230によって活動状態にされると、CHG充電ポンプ222は、コンパレータ224によって制御信号232がアサートされるときにのみ、CHGノードにおいてCHG駆動電圧を生成する。言い換えれば、予備充電モードでは、コンパレータ224によって判断されるように、CHG充電ポンプ222が、PACKPでの電圧が予備充電閾値電圧より大きいときCHG駆動電圧を増加させ、PACKPでの電圧が予備充電閾値電圧より小さいときCHG駆動電圧を減少させる。
【0038】
これに加えて、いくつかの実施形態では、CHG充電ポンプ222は、好ましくは、PWM_EN信号230および制御信号232に応答して、CHG充電ポンプイネーブル信号228に応答する場合といくらか異なる特性を示す。特に、CHG充電ポンプ222は、CHG駆動電圧をできる限り素早く最大にすることによりCHG充電ポンプイネーブル信号228に応答するが、CHG充電ポンプ222は、よりゆっくりとCHG駆動電圧を増加(および減少)させることによってPWM_EN信号230および制御信号232に(従来の手段により)応答する。言い換えれば、CHG充電ポンプ222は、CHG駆動電圧を比較ゆるやかにプルアップおよびプルダウンさせる「規制された」モードで予備充電の間用いられる。
【0039】
本実施形態の構造および機能は、スイッチ118および120がCHGとの接続を接地126と充電ポンプ116の出力との間で繰り返し速やかに切り替えるように動作される上記(図1)で説明した先行技術と対照的である。先行技術の充電ポンプ116は、「規制される」のではなく、常に全面的にオンである。従って、CHGとの接続を接地126と充電ポンプ116の出力との間で切り替えると、パルス幅変調時の各サイクルで充電FET210のゲートを全面的にオンにおよび全面的にオフに駆動しようとする先行技術のバッテリ管理システムチップ108になる。
【0040】
しかし、これまで説明した本発明の実施形態では、CHG駆動信号が上述した先行技術と比べて比較的ゆっくりと変化するように規制されているので、それに応答して、充電FET210がPACKPとBATの間の電気的接続を比較的ゆっくりと増加及び低減させる。上述した先行技術と比べて、PACKPとBATの間の電気的接続が比較的ゆっくりと変化するので、充電器206からのPACKPでの電圧も比較的ゆっくりとプルダウンおよびプルアップされる。これに加えて、上述した先行技術と比べて、充電器206からのPACKPでの電圧は比較的ゆっくりと変化するので、PACKPでの電圧が上または下方向に極めて大きく遷移し得る前に、コンパレータ224がPACKPでの電圧変化に応答することができる(かつ、PACKPでの電圧変化によって生じる信号変化がバッテリ管理システム204を伝播し得る)。その結果、図4を参照して以下で説明するように、PACKPでの電圧は、図2に示す先行技術のPACKPでの電圧(V_packp)と比べて比較的安定になり、ほとんど直流電圧のように見える。
【0041】
図4の電圧および電流のグラフは、典型的な予備充電手順または方法を含む例を用いて、本発明の実施形態の或る態様をより明確かつ簡単に図示するために、或る面で簡略化され理想化されている。例えば、これらのグラフは必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、これらのグラフの中でもいくつかのグラフ間の或る関係を強調するためにグラフのいくつかの部分が圧縮または拡大あるいは誇張されていることを理解されたい。それに加えて、これらのグラフの一部の直線に見えるいくつかの部分は、必ずしもそれほど直線ではないことがある。その他にも現実に起こり得る変動がグラフに含まれることもある。
【0042】
図4では、V_battと標示するグラフは、本発明の実施形態に従った、バッテリ202のBATでの電圧の応答特性を簡略化して示している。V_packpと標示するグラフは、本発明の実施形態に従った、充電器206からのPACKPでの電圧の応答特性を簡略化して示している。V_chgと標示するグラフは、本発明の実施形態に従った、充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧の応答特性を簡略化して示している。V_chg’と標示するグラフ部分は、本発明の実施形態に従った、充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧の代替の応答特性を示している。充電電流と標示するグラフは、本発明の実施形態に従った、バッテリ202を充電するために充電器206(この例では上記で定義したような「スマート」充電器)によって生成される電流の応答特性を簡略化して示している。
【0043】
また、V_minと標示する電圧レベルは、バッテリ管理システムチップ212の最小動作電圧のレベルの例を表す。V_pcと標示する電圧レベルは、予備充電閾値電圧のレベルの例を表す。V_fcと標示する電圧レベルは、急速充電閾値電圧のレベルの例を表す。V_maxと標示する電圧レベルは、充電器206の最大出力電圧のレベルの例を表す。I_pcと標示する電流レベルは、充電器206による予備充電電流出力のレベルの例を表す。I_fcと標示する電流レベルは、充電器206による急速充電電流出力のレベルの例を表す。
【0044】
時間T1は、充電器206を電子デバイス200に接続してバッテリ202の充電を開始する典型的な時間を示す。時間T1と時間T2の間にバッテリ管理システム204が起動し、電圧が安定になる。充電器206からのPACKPでの電圧(V_packpのグラフ)は、T1−T2期間に高く(最大でV_maxまで)なり、電子デバイス200を始動させることができる。充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧(V_chgのグラフ)は初めは小さい(ほぼゼロ)ままであり、そのため、充電FET210がオフのまま保たれ、予備充電モードを用いなければならないかどうか判断し得る前に、充電器206からのPACKPでの電圧がバッテリ202に印加されないようにする。V_chgのグラフは、充電FET210を最初にオンにするためにCHG充電ポンプ222がCHG駆動電圧を生成し始めると、T1−T2期間の終わり近くで上昇する。(放電FET208のゲートに印加されるDSG駆動電圧は示していないが、CHG駆動電圧が生成される直前に高くなる。)バッテリ202は、この例ではほぼ完全に放電され、そのため、バッテリ202のBATでの電圧(V_battのグラフ)はT1−T2期間は極めて小さい。バッテリ202のBATでの電圧(V_battのグラフ)は、バッテリ管理システム204がバッテリ202を完全に空にさせないと仮定しているので、ゼロにならない。そうではあるが、この例では、バッテリ202の電圧は予備充電閾値電圧V_pcより小さい。それに加えて、充電器206からの電流(充電電流のグラフ)は、好ましくは、より小さな予備充電電流レベルI_pcで開始される。これは、充電器206が急速充電モードに入ることができるかどうかまだ判断されていないからであり、この判断がなされる前に、より大きな急速充電電流I_fcをバッテリ管理システム204またはバッテリ202に印加するのは望ましくないからである。
【0045】
T2−T3期間が始まるころ、CHG駆動電圧(V_chgのグラフ)は充電FET210をオンにするのに充分に立ち上がっており、PACKPとBATの間で充分な電気的接続が確立されてバッテリ202がPACKPでの電圧(V_packpのグラフ)をプルダウンすることができる。バッテリ202の初期電圧(V_battのグラフ)はこの例ではかなり小さいので、充電器206からのPACKPでの電圧は急速充電閾値電圧V_fcより下にプルダウンされ、そのため、バッテリ管理システム204は、上記で説明したように予備充電モードに入る。その結果、PACKPでの電圧(V_packpのグラフ)が予備充電閾値電圧V_pcより下にさらにプルダウンされると、PACKPでの電圧(V_packpのグラフ)は、振動、または「循環」または「脈動」し始める。この脈動は、上記で説明したように、予備充電閾値電圧V_pc辺りの比較的小さな量であり、T2−T3期間の間続く。ここで充電器206からのPACKPでの電圧はバッテリ202に接続されているので、バッテリ202が再充電され始めると、バッテリ202のBATでの電圧(V_battのグラフ)が上昇し始める。充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧(V_chgのグラフ)も、V_battのグラフと比較的平行に上昇するが、上記で説明したCHG充電ポンプ222の反復作用のためにいくらか振動を伴っている。この充電電流のグラフは、T2−T3期間の間は、典型的にはいくらかの振動(図示せず)を伴うが、予備充電電流レベルI_pcで比較的一定のままである。
【0046】
ほぼ時間T3において、バッテリ202は、バッテリ202のBATでの電圧(V_battのグラフ)が予備充電閾値電圧V_pcに達するほど充分に再充電されている。そのため、PACKPでの電圧(V_packpのグラフ)はもはや予備充電閾値電圧V_pcより下にプルダウンされない。その結果、PACKPでの電圧(V_packpのグラフ)はもはや予備充電閾値電圧V_pcより上および下に脈動しない。これは、コンパレータ224およびCHG充電ポンプ222がもはやそれらの出力を変えないからである。従って、PACKPでの電圧(V_packpのグラフ)は、T3−T4の期間中、ほぼバッテリ202のBATでの電圧(V_battのグラフ)のレベル(またはこれより大きくても無視し得る程度)までプルダウンされたままである。バッテリ202のBATでの電圧(V_battのグラフ)は、バッテリ202が継続して再充電されるにつれ継続して上昇する。また、充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧(V_chgのグラフ)もほぼT3で概して振動が止まる。これは、CHG充電ポンプ222がもはやその出力を変えないからである。その代わりに、充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧(V_chgのグラフ)は徐々に上昇し始め、最終的にその最大値で平坦となる。さらに、充電電流のグラフは、予備充電電流レベルI_pcで継続して比較的一定である。これは、PACKPでの電圧(V_packpのグラフ)がまだ急速充電閾値電圧V_fcよりも上に上昇していないからである。そのため、バッテリ管理システム204および充電器206は引き続き予備充電モードのままである。
【0047】
ほぼ時間T4で、バッテリ202は、バッテリ202のBATでの電圧(V_battのグラフ)は急速充電閾値電圧V_fcに達するほど充分に再充電されている。そのため、PACKPでの電圧(V_packpのグラフ)はもはや急速充電閾値電圧V_fcより下にプルダウンされない。その結果、急速充電モードを使用し得ることが充電器206およびバッテリ管理システムチップ212により検出される。そこで、充電器206は急速充電電流を生成し始め、そのため、充電電流のグラフが時間T4の直後に予備充電電流レベルI_pcから急速充電電流レベルI_fcまで上昇する。この例では、充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧(V_chgのグラフ)がT3−T4期間ですでに最大値で平坦になっており、そのため、V_chgのグラフに際だった変化はない。しかし、典型的な別の状況を示すV_chg’のグラフでは、CHG充電ポンプ222の駆動出力が時間T4までに最大出力電圧になっていない。このような状況では、充電器206およびバッテリ管理システムチップ212が急速充電モードに切り替わるので、充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧(V_chg’のグラフ)の増加率も急激に増加し、すなわち、V_chg’のグラフの傾きが時間T4で増加し、最終的に、充電FET210のゲートに印加されるCHG駆動電圧(V_chg’のグラフ)は、その最大値で平坦となる。これに加えて、充電器206からの電流が増加するので、PACKPでの電圧(V_packpのグラフ)は、バッテリ202のBATでの電圧レベル(V_battのグラフ)より極めてわずかに増加するが、時間T4後は、V_battのグラフに概して平行のままである。バッテリ202のBATでの電圧(V_battのグラフ)は、時間T5のバッテリ充電手順の終了まで上昇し続ける。
【0048】
図2および図4のグラフは必ずしも一定の縮尺で描かれていないが、これまでになされた試験およびシミュレーションに従って、両方の図のT2−T3期間のV_packpおよびV_chgのグラフ部分の振動の振幅は、これら2つの技術の相対的な差を正当に表している。例えば、いずれの場合でも、V_maxの値は約4.2Vであり、V_minの値は約2.0Vであった。しかし、先行技術の場合(図2)には、V_fcの値は約2.8Vであり、図4の例のV_fcの値は約2.5Vでより厳しい値であった。これに加えて、図2のV_1およびV_2の値はそれぞれ約2.2Vおよび2.4Vであり、V_minの値より大きい方向に約200mVの余裕があった。一方、図4のV_pcの値は約2.1Vであり、V_minの値より大きい方向に約100mVしか余裕が生じず、はるかに厳しく拘束されている。このより厳しい拘束を用いると、本発明の実施形態は急速充電閾値電圧V_fcをできる限り小さくするという製造業者の傾向とよりよく連動し、V_fcおよびV_minを事実上さらに狭い範囲内に「押しつぶし」得ることがわかる。
【0049】
図2の先行技術のV_chgのグラフ部分は、約1.9Vまでの振幅の振れを示している。これに加えて、先行技術のV_packpのグラフ部分は、約2.0Vまでの振幅の振れを示している。上記の設定の例でこれらの振幅の振れを伴う先行技術のV_packpおよびV_chgのグラフ部分を得るには、図1および図2の先行技術の例は、その構成要素の性能に対して約2マイクロ秒の応答時間を実現するのに充分な電力で駆動される必要がある。
【0050】
一方、図4のV_chgのグラフ部分は、約0.25V〜0.4Vまでの振幅の振れしか示さず、これは、先行技術の例に対してほぼ5〜8倍の改善になっている。これに加えて、図4のV_packpのグラフ部分は、約200mV(2.2V−2.0V)までの振幅の振れしか示さず、これは、先行技術の例に対して一桁すなわち10倍の改善である。さらに、上記の設定でこれらの振幅の振れを伴う典型的なV_packpおよびV_chgのグラフ部分を得るには、図3および図4の実施形態は、その構成要素(例えばCHG充電ポンプ222)の性能に対して約10〜100マイクロ秒(または約20マイクロ秒)の応答時間を実現するのに充分な電力で駆動されればよく、これは、先行技術の例に対して極めて大きな改善であり、そのため、より安価な(すなわち、応答時間がより遅く、消費電力がより小さい)構成要素を用いることができる。言い換えれば、図2の先行技術のグラフを得るために図1および図2の先行技術の例で用いた設定はより緩かったにもかかわらず、図3および図4の典型的な実施形態では、より優れた結果を得るのにより少ない電力と、より少なく、安価な構成要素しか必要としなかった。
【0051】
上記の先行技術の例(図1および図2)ならびに本発明の実施形態(図3および図4)で用いた値は単に表示のためであり、単に例示を目的として提示されていることを理解されたい。本発明は、特許請求の範囲で求められる場合を除き、これらの値に必ずしも限定されない。
【0052】
図5は、代替の電子デバイス236を示す。電子デバイス236はいくつかの典型的な代替の設計を含む。この実施形態では、例えば、代替実施形態のバッテリ管理システム238が、充電器242によるバッテリ240の充電を制御する。代替例のいくつかにおいて、充電器242は、上記で説明したような、その出力の電圧レベルを感知することができ、それに従って出力電流を調整して予備充電モードまたは急速充電モードに入るようにすることができる「スマート」充電器ではない。そうではなく、充電器242は、いくつかの単純なDC/DCコンバータなどであり、単一の電流レベルを出力する。従って、この代替例に対するバッテリ管理システム238は、予備充電モードのために必要なときに電流を制限するように適応されている。
【0053】
バッテリ管理システム238は、概して、放電FET244、充電FET246、バッテリ管理システムチップ248、センス抵抗器250、および電流制限器回路252を含む。放電FET244および充電FET246はそれぞれ、図3に示す実施形態の放電FET208および充電FET210と同様のものとし得る。これに加えて、放電FET244および充電FET246は、放電FET208および充電FET210と同様に、VCC、BAT、DSG、およびCHGに接続され得る。ただし、放電FET244は、充電器242の出力にPACKPで直接接続される代わりに、電流制限器回路252の出力にPACKP’で接続されることが好ましい。一方、電流制限器回路252は、充電器242の出力にPACKPで接続されて、予備充電モードのために必要なときに充電器242からの電流を制限する。また、バッテリ240は、好ましくは、図3に示すバッテリ202と同様に、放電FET246およびセンス抵抗器250に接続される。センス抵抗器250は、好ましくは、図3に示すセンス抵抗器214と同様に、バッテリ管理システムチップ248のSRPノードおよびSRNノードに、接地254に、および充電器242のリターンラインのPACKNに接続される。
【0054】
バッテリ管理システムチップ248は、概して、コントローラ256、DSG(放電)充電ポンプ258、CHG(充電)充電ポンプ260、コンパレータ262、および基準電圧264を有する。これらは、本明細書で説明するものを除き、図3に示すコントローラ218、DSG充電ポンプ220、CHG充電ポンプ222、コンパレータ224、および基準電圧234とそれぞれ同様とし得る。コントローラ256は、コントローラ218に関して先に説明したように、予備充電モードまたは急速充電モードのいずれを用いるかを判断するために、PACKP’(図示の場合)またはPACKPおよび/またはBATのいずれかでの電圧を受け取る。コントローラ256は、予備充電モードを使用すべきと判断したときに、電流制限器回路252に制限電流信号266をアサートする。制限電流信号266のアサートに応答して、電流制限器回路252は、充電器242からの電流をより小さい予備充電電流に制限するが、好ましくは、PACKP’での電圧をPACKPでの電圧とほぼ同じレベルに維持する。
【0055】
CHG充電ポンプ260およびコンパレータ262がそれぞれ(図3の)CHG充電ポンプ222およびコンパレータ224と本質的に同じであり、上記で説明したように、コントローラ256がPWM_EM信号230およびCHG充電ポンプイネーブル信号228を生成してCHG充電ポンプ260およびコンパレータ262を制御する代替の実施形態では、制限電流信号266は、PWM_EM信号230(図3)とし得る。言い換えれば、このような実施形態では、PWM_EM信号230は、バッテリ管理システム238を予備充電モードにするようにCHG充電ポンプ260、コンパレータ262、および電流制限器回路252を制御することになる。
【0056】
ただし、図5に示す代替の実施形態では、コントローラ256はPWM_EM信号230を生成しない。従って、コントローラ256が制限電流信号266を(PACKP’、PACKP、またはBATでの電圧に応じて)別途生成して、電流制限器回路252に充電電流をより小さな予備充電電流に制限させる。これに加えて、別の代替例に従って、PWM_EM信号230およびCHG充電ポンプイネーブル信号(例えば、上記の228)を用いてCHG充電ポンプ260を制御する代わりに、単一のイネーブル信号268を用いてCHG充電ポンプ260を制御する。さらに、PWM_EM信号230を用いてコンパレータ262を制御する代わりに、コンパレータ262は単純に常にオンのままとする。従ってこの代替例では、コンパレータ262は、その出力を、PACKP’(またはPACKP)での電圧が予備充電閾値電圧(すなわち基準電圧264)より上に上昇およびそれより下に下降するときに切り替えるが、PACKP’(またはPACKP)での電圧がもはや予備充電閾値電圧より下に下降しない程度にバッテリ240のBATでの電圧が充分に上昇した後は、一定出力を維持する。それに加えて、CHG充電ポンプ260は、コンパレータ262の出力に応答して、上記で説明したように、その出力を増減させる。そして、コンパレータ262がその出力の変化を停止した後、バッテリ管理システム238が予備充電モードまたは急速充電モードのいずれにあっても、CHG充電ポンプ260はその応答特性を維持する。従って、この代替例は、例えば、CHG充電ポンプ260の動作が急速充電モード時も予備充電モード時と同じまま維持されれば充分な実施形態で用いられることがあり、コンパレータ262がその出力を変化させる必要がないときでもコンパレータ262が消費する電力は取るに足らないものである。
【0057】
スマート充電器とともに機能する実施形態(図3)は、PWM_EM信号230を含む代替例(図3)またはPWM_EM信号230を含まない代替例(図5)のいずれを組み込んでもよい。また、スマート充電器を用いない実施形態(図5)も、PWM_EM信号230を含む代替例(図3)またはPWM_EM信号230を含まない代替例(図5)のいずれを組み込んでもよい。
【0058】
図6は、別の代替の電子デバイス270を示す。電子デバイス270の一部にはいくつかの代替の設計が追加して施されている。この実施形態では、例えば、別の代替のバッテリ管理システム272が、充電器276によるバッテリ274の充電を制御する。この代替のバッテリ管理システム272は、概して、放電FET278、充電FET280、バッテリ管理システムチップ282、およびセンス抵抗器284を含む。
【0059】
図3および図5に示す実施形態では、放電FET208および244ならびに充電FET210および246がNMOS FETとして示されている。しかし、図6に示す実施形態では、放電FET278および充電FET280はPMOS FETとして示されている。
【0060】
放電FET278および充電FET280は、図6に示すように、PACKP、VCC、BAT、DSG、およびCHGノードに接続され得る。これに加えて、バッテリ274が、好ましくは、図3および図5に示すバッテリ202および240と同様に、充電FET280およびセンス抵抗器284に接続される。センス抵抗器284は、好ましくは、図3および図5に示すセンス抵抗器214および250と同様に、バッテリ管理システムチップ282のSRPノードおよびSRNノードに、接地286に、および充電器276のリターンラインのPACKNに接続される。
【0061】
この実施形態では、バッテリ管理システム272が予備充電モードのために必要なときに電流を制限するように適応されていないので、充電器276は、上記で説明したようなスマート充電器であると仮定する。従って、電流制限器回路(例えば図5の252)は示されていない。しかし、図6に示す実施形態は、スマート充電器ではない充電器とともに動作するためにこのような電流制限器252を含むように適応し得ることを理解されたい。
【0062】
バッテリ管理システムチップ282は、概して、コントローラ288、DSG(放電)プッシュプル出力ドライバ290、CHG(充電)プッシュプル出力ドライバ292、コンパレータ294、および基準電圧296を含む。コントローラ288、コンパレータ294、および基準電圧296は、図3を参照して上記で説明したコントローラ218、コンパレータ224、および基準電圧234と同様である。それに加えて、図6のPACKP、VCC、BAT、SRP、およびSRNからコントローラ288への入力信号は、図3のPACKP、VCC、BAT、SRP、およびSRNからコントローラ218への入力信号と同様である。さらに、図6のDSGプッシュプル出力ドライバイネーブル信号298、CHGプッシュプル出力ドライバイネーブル信号300、PWM_EM信号302、および制御信号304はそれぞれ、図3の制御およびイネーブル信号226、228、230、および232と同様である。
【0063】
放電FET278および充電FET280はNMOS FETではなくPMOS FETなので、充電ポンプの代わりにDSGおよびCHGプッシュプル出力ドライバ290および292を用いて、それぞれDSGおよびCHGにおいてゲート駆動信号を生成して、それぞれ放電FET278および充電FET280を駆動するのが好ましい。DSGプッシュプル出力ドライバイネーブル信号298に応答して、DSGプッシュプル出力ドライバ290が放電FET278のゲートを駆動し、放電FET278の機能は、上記で説明したような放電FET208または244(図3または図5)の機能と全体的に同様となる。これに加えて、CHGプッシュプル出力ドライバイネーブル信号300、PWM_EM信号230、および制御信号304に応答して、CHGプッシュプル出力ドライバ292が充電FET280のゲートを駆動し、充電FET280の機能は、上記で説明したような充電FET210または246(図3または図5)の機能と全体的に同様となる。従って、CHGプッシュプル出力ドライバ292は、CHGプッシュプル出力ドライバイネーブル信号300に応答してできる限り素早く充電FET280をオンにするが、CHGプッシュプル出力ドライバ292は、PWM_EM信号302および制御信号304に(従来の手段により)応答して充電FET280をよりゆっくりとオンおよびオフする。言い換えれば、CHGプッシュプル出力ドライバ292は、充電FET280を比較的徐々にオンおよびオフする「規制された」モードでの予備充電時に用いられる。このようにして、バッテリ管理システム272により、NMOS FETの代わりにPMOS FETを用いて、図4のV_packpのグラフと同様に、PACKPでの電圧が比較的安定でほぼ直流電圧になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器によってバッテリを充電するためのバッテリ管理システムであって、
コントローラと、コンパレータと、充電ポンプおよびプッシュプル出力ドライバの一方とを有する管理チップであって、前記管理チップが前記充電器からの電圧におよび前記バッテリに接続するためのものであり、急速充電閾値電圧より小さい前記バッテリの電圧に応答して前記コントローラがイネーブル信号をオンにし、オンである前記イネーブル信号におよび予備充電閾値電圧より大きい前記充電器からの前記電圧に応答して前記コンパレータが制御信号をオンにし、オンである前記イネーブル信号におよび前記予備充電閾値電圧より小さい前記充電器からの前記電圧に応答して前記コンパレータが前記制御信号をオフにし、オンである前記イネーブルおよび制御信号に応答して前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が駆動信号を増加させ、オンである前記イネーブル信号におよびオフである前記制御信号に応答して前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が前記駆動信号を減少させる、前記管理チップ、及び、
前記管理チップの外部に接続されてゲートで前記駆動信号を受け取るトランジスタであって、前記トランジスタも前記充電器からの前記電圧におよび前記バッテリに接続するためのものであり、前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が前記駆動信号を増加させると、前記トランジスタが前記バッテリと前記充電器からの前記電圧との間の電気的接続を増加させ、それによって、前記バッテリの電圧が前記急速充電閾値電圧より小さい限り、前記充電器からの前記電圧が前記バッテリの前記電圧に向かってプルダウンされ、予備充電電流で前記バッテリが充電され、前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が前記駆動信号を減少させると、前記トランジスタが前記バッテリと前記充電器からの前記電圧との間の前記電気的接続を減少させ、それによって、前記充電器が前記充電器からの前記電圧を充電器出力電圧に向かってプルアップする、前記トランジスタ、
を含む、バッテリ管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリ管理システムであって、
前記システムが、前記バッテリの前記電圧を前記予備充電閾値電圧より小さく保ったまま、前記充電器からの前記電圧を最小電圧より下にプルダウンすることなくまたは前記急速充電閾値電圧より上にプルアップすることなく、前記トランジスタをオンおよびオフすること、および前記充電器からの前記電圧を交互に前記予備充電閾値電圧より下におよび上にプルアップすることを反復し、
前記システムが、前記バッテリの前記電圧が前記予備充電閾値電圧と前記急速充電閾値電圧の間にある間、100%のデューティサイクルで前記トランジスタをオンし、前記予備充電電流で前記バッテリを充電し、さらに、
前記システムが、前記バッテリの前記電圧が前記急速充電閾値電圧より大きい間、100%のデューティサイクルで前記トランジスタをオンし、前記充電器からの急速充電電流で前記バッテリを充電する、
バッテリ管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載のバッテリ管理システムであって、
前記バッテリの前記電圧が前記予備充電閾値電圧より小さい間、前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が約10〜100マイクロ秒の応答時間を有する、
バッテリ管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載のバッテリ管理システムであって、
前記バッテリの前記電圧が前記予備充電閾値電圧より小さい間、前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が約20マイクロ秒の応答時間を有する、
バッテリ管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載のバッテリ管理システムであって、
前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方からの前記駆動信号が、前記充電器からの前記電圧が前記予備充電閾値電圧より上および下に循環的に変化する時間期間の間、約400mV未満だけ変動する、
バッテリ管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載のバッテリ管理システムであって、
前記バッテリの前記電圧が前記予備充電閾値電圧より小さい間、前記充電器からの前記電圧が約±100mV以下だけ変動する、
バッテリ管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載のバッテリ管理システムであって、
前記バッテリの前記電圧が前記予備充電閾値電圧より小さい間、前記充電器からの前記電圧が前記予備充電閾値電圧から約±100mV以下だけ変動する、
バッテリ管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載のバッテリ管理システムであって、前記予備充電閾値電圧が約2.1Vである、バッテリ管理システム。
【請求項9】
充電器によってバッテリを充電するためのバッテリ管理システムであって、
パルス幅変調駆動信号に応答してオンおよびオフすることによって前記充電器からの充電電流を前記バッテリに送出するトランジスタ、及び、
前記駆動信号を生成する充電ポンプおよびプッシュプル出力ドライバの一方であって、前記充電器からの電圧が予備充電閾値電圧より大きいとき前記駆動信号を増加させ、前記充電器からの前記電圧が前記予備充電閾値電圧より小さいとき前記駆動信号を減少させる、前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方、
を含む、バッテリ管理システム。
【請求項10】
請求項9に記載のバッテリ管理システムであって、
予備充電手順の間、前記充電器からの前記電圧および前記予備充電閾値電圧に基づいて制御信号を生成するコンパレータをさらに含み、
前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が、前記制御信号に基づいて前記駆動信号を増加および減少させる、
バッテリ管理システム。
【請求項11】
請求項9に記載のバッテリ管理システムであって、
規制されたモードにおいて、前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が約20マイクロ秒の応答時間を有する、
バッテリ管理システム。
【請求項12】
請求項9に記載のバッテリ管理システムであって、
前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方によって生成される前記駆動信号が、前記充電器からの前記電圧が前記予備充電閾値電圧より上および下に循環的に変化する時間期間の間、約250〜400mV変動する、
バッテリ管理システム。
【請求項13】
請求項9に記載のバッテリ管理システムであって、
前記充電器からの前記電圧が、前記バッテリの電圧が前記予備充電閾値電圧より小さい期間の間、前記予備充電閾値電圧より上および下に約100mV以下だけ変動する、
バッテリ管理システム。
【請求項14】
請求項9に記載のバッテリ管理システムであって、前記充電器からの前記電圧が、前記バッテリの電圧が前記予備充電閾値電圧より小さい時間期間の間、約2.2Vと約2.0Vの間で変動する、
バッテリ管理システム。
【請求項15】
バッテリを充電するための方法であって、
充電器からの電圧が閾値電圧より大きいか小さいかに依存するコンパレータ出力信号を生成すること、
充電ポンプおよびプッシュプル出力ドライバの一方が、パルス幅変調(PWM)出力電圧を生成することであって、前記充電ポンプおよび前記プッシュプル出力ドライバの前記一方が、前記コンパレータ出力信号に応答して前記PWM出力電圧を増加および減少させること、
前記PWM出力電圧でトランジスタを駆動して、前記バッテリと前記充電器からの前記電圧との間の電気的接続を増加および減少させること、
前記バッテリと前記充電器からの前記電圧との間の前記電気的接続が増加するように前記トランジスタを駆動することによって、前記充電器からの前記電圧を前記閾値電圧より下に減少させること、および、
前記バッテリと前記充電器からの前記電圧との間の前記電気的接続が減少するように前記トランジスタを駆動することによって、前記充電器からの前記電圧を前記閾値電圧より上に増加させること、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記充電器からの前記電圧を増加および減少させることによって、予備充電モードにおいて予備充電電流が前記バッテリを充電する範囲内に前記充電器からの前記電圧を維持する、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記バッテリの電圧が前記閾値電圧より小さい時間期間の間、前記充電器からの前記電圧を維持する前記範囲が、前記閾値電圧の約±100mVである、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記閾値電圧が約2.1Vである、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、前記PWM出力電圧の増加および減少が約20マイクロ秒の応答時間で成される、方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、前記PWM出力電圧が、前記充電器からの前記電圧が前記閾値電圧より上および下に循環的に変化する時間期間の間、約250〜400mVだけ変動する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−514050(P2013−514050A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543118(P2012−543118)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/056014
【国際公開番号】WO2011/071639
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(390020248)日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 (219)
【出願人】(507107291)テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド (50)
【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
【Fターム(参考)】