説明

パルス幅変調回路およびスイッチングアンプ

【課題】 歪率を悪化させることなく、PWM信号の周波数の最小値を制限するパルス幅変調回路を提供すること。
【解決手段】 パルス幅変調回路20は、パルス発生手段21、変調手段22及びレベル制御手段23を備える。パルス発生手段21は、電流I1により充電されるコンデンサC1、電流I2により充電されるコンデンサC2、NOR回路N1、およびNOR回路N2を有する。変調手段22は、入力信号in+、in−に基づいて、電流I1とI2との分配比を制御て、コンデンサC1、C2の充電時間を制御することによりパルス幅を制御する。レベル制御手段23は、NOR回路N2がローレベルを出力してから所定時間経過後にNOR回路N1にローレベルを強制的に出力させ、NOR回路N1がローレベルを出力してから所定時間経過後にNOR回路N2にローレベルを強制的に出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス幅変調回路に関し、詳細には、無安定マルチバイブレータを備えるパルス幅変調回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は従来のパルス幅変調回路50を示す回路図である。パルス幅変調回路50は、コンデンサC1、C2をトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流I1、I2によって充電することにより、インバータ回路INV1、INV2からハイレベルまたはローレベルの2つのレベルを有するパルスを出力する。そして、トランジスタQ1、Q2に入力信号であるオーディオ信号in+、in−をそれぞれ入力し、定電流IからのトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流I1、I2の分配比を制御し、コンデンサC1、C2の充電時間を制御することによって、出力パルスのパルス幅を変調する。その結果、パルス幅変調回路50は、インバータ回路INV1、INV2からそれぞれPWM(パルス幅変調)信号OUT1、OUT2を出力する。
【0003】
パルス幅変調回路50は、変調度(ハイレベル期間をT1、ローレベル期間をT2とした場合に、|T1−T2|/(T1+T2)で表される)を上げるほどPWM信号の周波数が小さくなるという問題を有している。以下、詳細に説明する。コンデンサC1の充電時間(インバータ回路INV1から出力されるPWM信号のハイレベル期間を決定する時間)とコンデンサC2の充電時間(同PWM信号のローレベル期間を決定する時間)とは、それぞれ電流I1と電流I2とに反比例する。すなわち、コンデンサC1、C2の容量をともにC、コンデンサC1、C2に充電される電圧をVcとすると、インバータ回路INV1から出力されるPWM信号のハイレベル期間T1はT1=CVc/I1で表され、ローレベル期間T2はT2=CVc/I2で表される。したがって、PWM信号の周期Tは、T=T1+T2=CVc{1/I1+1/I2)}で表される。
【0004】
変調度を上げるためには電流I1およびI2の分配比を大きくとる必要があるので、電流I1またはI2を小さくなる。電流I1またはI2が小さくなると、上記式により、期間T1またはT2が大きくなり、その結果、PWM信号の周期が大きくなり、周波数が低下する。このように、パルス幅変調回路50は、入力信号の変化に応じてパルス幅が変化するが、入力信号に応じてパルス周期(周波数)も変化するという特性を有する。図8は、PWM信号の変調度−周波数特性を示すグラフである。図8に示すとおり、PWM信号は変調度を上げることによって周波数が低下する。
【0005】
PWM信号の周波数が変調度を上げることにより低下することにより、例えばパルス幅変調回路50の後段に、LPF(ローパスフィルタ)を接続する場合、パルス幅変調回路50から出力されるPWM信号の周波数が低下すると、LPFによって遮断すべき高周波成分を除去できなくなるという問題が生じる。
【0006】
この問題を解決するために、図9に示すように、コンデンサC1、C2に定電流回路71、72をそれぞれ接続したパルス幅変調回路70が提案されている。パルス幅変調回路70は、コンデンサC1、C2に定電流回路71、72から常に一定の電流を流しているので、電流I1、I2の一方が減少しても(または0になっても)、コンデンサC1、C2の充電時間が大きくならず、その結果、PWM信号の周波数が低下することを防止できる。しかし、パルス幅変調回路70は、入力信号と無関係な定電流をコンデンサC1、C2に常に流す必要があるので、当該電流が出力信号の波形に反映され、入力信号に対する出力信号の歪率(出力信号の入力信号(詳細には増幅率をかけたもの)に対する振幅の誤差をパーセントで表した値をいう)が悪化するという問題がある。図10は、出力信号のピーク時の変調度(%)と、歪率(%)との関係を表したシミュレーション結果である。実線は図9に示すパルス幅変調回路70について、破線は図7に示すパルス幅変調回路50について表す。パルス幅変調回路は、一般的に、破線に示す通りピーク時の変調度を上げることにより歪率が悪化する特性を有する。しかし、図9に示すパルス幅変調回路70は、定電流回路71、72によってコンデンサC1、C2に入力信号と無関係な電流を常に流しているので、歪率がさらに悪化していることが分かる。実際に使用される変調度に低い領域で歪率が悪化するのは、特に問題になる。
【特許文献1】特開2004−320182号
【特許文献2】特開2002−124859号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は歪率を悪化させることなく、PWM信号の周波数の最小値を制限するパルス幅変調回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態によるパルス幅変調回路は、第1の電流と第2の電流とによりコンデンサが充電されて、第1の出力素子および第2の出力素子からパルスを出力するパルス発生手段と、入力信号に基づいて、該第1の電流と該第2の電流との分配比を制御して、該第1の電流および該第2の電流による充電時間を制御することにより、該パルスのパルス幅を制御する変調手段と、該第2の出力素子が一方のレベルを出力してから所定時間経過後に該第1の出力素子に強制的に該一方のレベルを出力させ、該第1の出力素子が該一方のレベルを出力してから所定時間経過後に該第2の出力素子に強制的に該一方のレベルを出力させるレベル制御手段とを備える。
【0009】
本発明の別の好ましい実施形態によるパルス幅変調回路は、第1の電流により充電される第1のコンデンサ、第2の電流により充電される第2のコンデンサ、該第1のコンデンサに接続された第1入力と、第2入力とを有し、ハイレベルおよびローレベルの2つのレベルを有するパルスを出力する第1の出力素子、および該第2のコンデンサに接続された第1入力と、第2入力とを有し、ハイレベルおよびローレベルの2つのレベルを有するパルスを出力する第2の出力素子を有するパルス発生手段と;入力信号に基づいて、該第1の電流と該第2の電流との分配比を制御して、該第1のコンデンサの充電時間および該第2のコンデンサの充電時間を制御することにより、該パルスのパルス幅を制御する変調手段と;該第2の出力素子が一方のレベルを出力してから所定時間経過後に該第1の出力素子に該一方のレベルを出力させ、該第1の出力素子が一方のレベルを出力してから所定時間経過後に該第2の出力素子に該一方のレベルを出力させるレベル制御手段と;を備える。
【0010】
好ましくは、上記レベル制御手段は、上記第1の出力素子が上記一方のレベルを出力してから所定時間経過後に、上記第2の出力素子の第2入力に他方のレベルを供給し、該第2の出力素子が該一方のレベルを出力してから所定時間経過後に、該第1の出力素子の第2入力に該他方のレベルを供給する。
【0011】
好ましくは、上記レベル制御手段は、上記第2の出力素子からのパルスが入力され、該第2の出力素子からのパルスの立下りまたは立上りから所定時間経過後に、上記第1の出力素子の第2入力に上記他方のレベルを供給する第1の単安定マルチバイブレータと、上記第1の出力素子からのパルスが入力され、該第1の出力素子からのパルスの立下りまたは立上りから所定時間経過後に、上記第2の出力素子の第2入力に該他方のレベルを供給する第2の単安定マルチバイブレータとを有する。
【0012】
好ましくは、上記レベル制御手段は、上記第1の単安定マルチバイブレータに接続され、該第1の単安定マルチバイブレータが該他方のレベルを供給する上記所定時間を決定する第1の時定数回路と、上記第2の単安定マルチバイブレータに接続され、該第2の単安定マルチバイブレータが該他方のレベルを供給する上記所定時間を決定する第2の時定数回路とをさらに有する。
【0013】
好ましくは、上記レベル制御手段は、上記第1の出力素子からの他方のレベルの出力によって充電され、上記所定時間経過後に該第1の出力素子の第2入力に該他方のレベルを供給し、かつ、該第1の出力素子からの一方のレベルの出力によって放電され、該第1の出力素子の第2入力に該一方のレベルを供給する第1の時定数回路と、該第2の出力素子からの他方のレベルの出力によって充電され、該所定時間経過後に該第2の出力素子の第2入力に該他方のレベルを供給し、かつ、該第2の出力素子からの一方のレベルの出力によって放電され、該第2の出力素子の第2入力に該一方のレベルを供給する第2の時定数回路とを有する。
【0014】
好ましくは、上記第1の時定数回路は、上記第1の出力素子の出力とその第2入力との間に接続された第1抵抗と、該第1の出力素子の第2入力および該第1抵抗に接続された第1コンデンサとを有する。上記第2の時定数回路は、上記第2の出力素子の出力とその第2入力との間に接続された第2抵抗と、該第2の出力素子の第2入力および該第2抵抗に接続された第2コンデンサとを有する。
【0015】
好ましくは、上記第1の出力素子および上記第2の出力素子がNOR回路である。
【0016】
好ましくは、上記一方のレベルはローレベルであり、上記他方のレベルはハイレベルである。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によるスイッチングアンプは、上記のパルス幅変調回路と、上記第1の出力素子からのパルスに応答してオン状態またはオフ状態になる第1のスイッチ素子と、上記第2の出力素子からのパルスに応答してオン状態またはオフ状態になる第2のスイッチ素子とを有するスイッチング出力回路とを備える。
【発明の効果】
【0018】
レベル制御手段は、第2の出力素子(第1の出力素子)が一方のレベル(例えば、ローレベル)を出力してから所定時間経過後に、第1の出力素子(第2の出力素子)から強制的にローレベルを出力させる。従って、第1の出力素子(第2の出力素子)の第1入力に接続されている第1のコンデンサ(第2のコンデンサ)の充電時間が非常に長い場合であっても、第1の出力素子(第2の出力素子)は所定時間経過後に出力をハイレベルからローレベルに反転することができる。その結果、第1の出力素子(第2の出力素子)からのPWM信号の周波数の低下を所定の周波数までに制限することができ、後段に接続されるLPFにおいて十分に高周波成分を除去することができる。さらに、PWM信号の周波数低下を抑制するために従来のように第1、第2のコンデンサに入力信号と無関係な電流を流していないので、出力信号の歪率が悪化することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。まず、図1を参照して、本発明のパルス幅変調回路20が適用されるスイッチングアンプの概略構成を説明する。スイッチングアンプ10は、パルス幅変調回路20、ドライバ11、スイッチング出力回路12、LPF(Low Pass Filter)13および負帰還回路14を備える。
【0020】
パルス幅変調回路20は、入力信号をパルス幅変調して第1のPWM信号OUT1および第2のPWM信号OUT2を生成する。第1のPWM信号OUT1および第2のPWM信号OUT2は、通常、一方がハイレベルの信号である場合に他方がローレベルの信号である。ドライバ11は、第1のPWM信号OUT1および第2のPWM信号OUT2が入力され、電源電圧に基づいて、後述のスイッチ素子を駆動するための駆動信号DRV1およびDRV2を出力する。
【0021】
スイッチング出力回路12は、第1の電源(例えば正の電源+VD)と第2の電源(例えば負の電源−VD)との間に接続され、駆動信号に応答して正の電源+VDまたは負の電源−VDを出力する。スイッチング出力回路12は、スイッチ素子(例えば、MOSFET)15、16を有する。
【0022】
LPF13は、スイッチング出力回路12の出力端とスイッチングアンプ10の出力端との間に接続され、高周波成分を除去して、スピーカー等の負荷に出力する。LPF13は、コイル17およびコンデンサ18を有する。負帰還回路14は、スイッチング出力回路12の出力端とパルス幅変調回路20の反転入力との間に接続され、スイッチング出力回路12の出力に含まれる信号の歪み成分を低減する。
【0023】
図2は、パルス幅変調回路20の概略構成を説明する回路図である。パルス幅変調回路20は、パルス発生手段21、変調手段22、およびレベル制御手段23を備える。パルス発生手段21および変調手段22は、無安定マルチバイブレータを使用したPWM回路を構成する。
【0024】
パルス発生手段21は、後述する第1の電流I1および第2の電流I2により、コンデンサC1、C2に電荷を充電し、第1の出力素子および第2の出力素子からハイレベルまたはローレベルの2つのレベルを有するパルスを出力する。第1の出力素子、第2の出力素子は、本例では、NOR回路N1、N2である。パルス発生手段21は、NOR回路N1、N2、コンデンサC1、C2、ダイオードD1、D2を含み、コンデンサC1、C2の充電時間に対応した幅のパルスを出力する。NOR回路N1、N2は、出力パルスのハイレベルに略対応する電源VBおよびローレベルに略対応する電源(または接地電位)VCに接続されている。
【0025】
NOR回路N1は第1入力in1、第2入力in2を有し、NOR回路N2は第1入力in3、第2入力in4を有する。NOR回路N1の第1入力in1は、後述のトランジスタQ1のコレクタに接続され、かつ、コンデンサC1を介してNOR回路N2の出力に接続されている。NOR回路N1の第2入力in2は、後述する単安定マルチバイブレータ24の(−)Q端子に接続されている。NOR回路N2の第1入力in3は、後述するトランジスタQ2のコレクタに接続され、かつ、コンデンサC2を介してNOR回路N1の出力に接続されている。NOR回路N2の第2入力in4は、後述する単安定マルチバイブレータ25の(−)Q端子に接続されている。NOR回路N1、N2は、第2入力in2、in4に通常ローレベルの信号が入力されており、第1入力in1、in3に入力されるレベルに基づいて、ハイレベルまたはローレベルを出力する。
【0026】
変調手段22は、入力信号(例えば、オーディオ信号)in+、in−に基づいて第1の電流I1と第2電流I2との分配比を制御することにより、NOR回路N1、N2の出力パルスのパルス幅を変化させる。変調手段22は、定電流回路26、トランジスタQ1、Q2、抵抗R1、R2、R8、R9を有する。定電流回路26は、電源VAに接続され、定電流Iを発生させる。第1の電流I1はトランジスタQ1のコレクタ電流であり、第2の電流I2はトランジスタQ2のコレクタ電流であり、第1の電流I1と第2の電流I2との和は、定電流回路26で発生される定電流Iに等しい。すなわち、第1の電流I1と第2の電流I2とは、定電流Iから分配されている。トランジスタQ1、Q2のベースに入力信号in+、in−がそれぞれ与えられることにより、第1の電流I1と第2電流I2との分配比が制御される。その結果、コンデンサC1およびC2の充電時間が制御され、NOR回路N1、N2の出力パルスのパルス幅を変化させることができる。
【0027】
レベル制御手段23は、NOR回路N1、N2から出力されるPWM信号のハイレベル(またはローレベル)期間の最大値を所定期間に制限することにより、NOR回路N1、N2から出力されるPWM信号の周波数が低下することを防止するものである。
【0028】
つまり、レベル制御手段23は、NOR回路N1がローレベルを出力してから所定時間経過後にNOR回路N2から強制的にローレベルを出力させる。具体的には、レベル制御手段23は、NOR回路N1がローレベルを出力してから所定時間経過後に、NOR回路N2の第2入力in4にハイレベルを供給する。NOR回路N2は、第2入力in4にハイレベルが供給されることにより、第1入力in3のレベルに関係なく、ローレベルを出力する。その結果、第2の電流I2が非常に小さくなってコンデンサC2の充電時間が非常に長い場合であっても、NOR回路N2は所定時間経過後に必ずハイレベルからローレベルに出力を反転させることができる。
【0029】
同様に、レベル制御手段23は、NOR回路N2がローレベルを出力してから所定時間経過後にNOR回路N1から強制的にローレベルを出力させる。具体的には、レベル制御手段23は、所定時間経過後に、NOR回路N1の第2入力in2にハイレベルを供給する。NOR回路N1は、第2入力in2にハイレベルが供給されると、第1入力in1のレベルに関係なく、ローレベルを出力する。その結果、第1の電流I1が非常に小さくなってコンデンサC1の充電時間が非常に長い場合であっても、NOR回路N1は所定時間経過後に必ずハイレベルからローレベルに出力を反転させることができる。従って、レベル制御手段23は、NOR回路N1、N2から強制的にローレベルを出力させることにより、PWM信号の周波数が低下することを防止する。
【0030】
レベル制御手段23は、単安定マルチバイブレータ24、25および時定数回路27、28を有する。単安定マルチバイブレータ24、25はトリガ(本例では、NOR回路N1、N2の出力パルスの立ち下がり)に応答して、所定時間後に一定期間のパルス(ハイレベル)を出力する回路であり、図2ではICによって構成されている。また、NOR回路N1、N2の出力パルスの立ち上がりに応答するものであってもよい。
【0031】
単安定マルチバイブレータ24は、(−)A端子がNOR回路N2の出力に接続され、B端子およびCLR端子が電源VD1に接続され、(−)Q端子がNOR回路N1の第2入力in2に接続されている。時定数回路27は単安定マルチバイブレータ24が(−A)端子にトリガが入力されてから(−)Q端子からハイレベルを出力するまでの所定時間を計時するためのものであり、抵抗R3およびコンデンサC3を有する。コンデンサC3は、一端が抵抗3を介して電源VD1に接続され、かつ、単安定マルチバイブレータ24のR/C端子に接続され、他端が単安定マルチバイブレータ24のC端子に接続され、かつ、接地されている。単安定マルチバイブレータ24は、R/C端子−C端子間電圧(コンデンサC3の充電電圧)が所定電圧になったときに、(−)Q端子からハイレベルを出力する。ここで、所定時間は、抵抗R3、コンデンサC3によって決定される時定数であり、NOR回路N1から出力されるPWM信号のハイレベル期間の最大値(変調度の最大値、周波数の最小値)を決定するものである。
【0032】
単安定マルチバイブレータ25は、(−)A端子がNOR回路N1の出力に接続され、B端子およびCLR端子が電源VD2に接続され、(−)Q端子がNOR回路N2の第2入力in4に接続されている。時定数回路28は単安定マルチバイブレータ25が(−A)端子にトリガが入力されてから(−)Q端子からハイレベルを出力開始するまでの所定時間を計時するものであり、抵抗R4およびコンデンサC4を有する。コンデンサC4は、一端が抵抗4を介して電源VD2に接続され、かつ、単安定マルチバイブレータ25のR/C端子に接続され、他端が単安定マルチバイブレータ25のC端子に接続され、かつ、接地されている。単安定マルチバイブレータ25は、R/C端子−C端子間電圧(コンデンサC4の充電電圧)が所定電圧になったときに、(−)Q端子からハイレベルを出力する。ここで、所定時間は、抵抗R4、コンデンサC4によって決定される時定数であり、NOR回路N2から出力されるPWM信号のハイレベル期間の最大値(変調度の最大値、周波数の最小値)を決定するものである。
【0033】
以上の構成を有するパルス幅変調回路20について、図3を参照してその動作を説明する。図3の各波形は、図2の各点の波形に対応している。なお、本例ではコンデンサC1に着目して説明するが、コンデンサC2についても同様である。まず、コンデンサC1の充電時間が、単安定マルチバイブレータ24が(−)Q端子からハイレベルを出力するまでの所定時間よりも短い場合について、時刻t1〜t3を参照して説明する。時刻t1はNOR回路N1の出力(B点)がハイレベル、NOR回路N2の出力(D点)がローレベルにそれぞれ反転した瞬間である。
【0034】
時刻t1において、単安定マルチバイブレータ24は、(−)A端子に入力されるパルスがローレベルに反転すると、コンデンサC3の充電電圧を瞬時に放電し、(−)Q端子からローレベルを出力する(F点)。そのため、NOR回路N1の第2入力in2(F点)は、時刻t1からコンデンサC3の充電電圧が所定電圧に達する時刻t3までローレベルになっている。コンデンサC3が放電されると、電源VD1から抵抗R3を介してコンデンサC3に電流が流れ、コンデンサC3を充電する。
【0035】
ここで、第1の電流I1はコンデンサC1へと流れ、コンデンサC1を充電する。コンデンサC1が充電されることにより、A点の電位は徐々に上昇していく(t1〜t2)。t2において、NOR回路N1の第1入力in1(A点)が閾値(図3の破線で示す)になると、NOR回路N1の出力(B点)がローレベルに反転する。NOR回路N1の出力がローレベルになると、コンデンサC2を介してNOR回路N1の出力に接続されているNOR回路N2の第1入力in3(C点)がローレベルになり、NOR回路N2の出力(D点)がハイレベルに反転する。NOR回路N2の出力(D点)がハイレベルに反転すると、NOR回路N1の第1入力(A点)が瞬時に閾値からハイレベルになる。この後、第2の電流I2によってコンデンサC2が充電されることによって、上記と逆の動作が行われる(t2〜t4)。
【0036】
時刻t3になると、コンデンサC3の充電電圧が所定電圧に達するので、単安定マルチバイブレータ24は(−)Q端子からハイレベルを出力し、NOR回路N1の第2入力in2(F点)がハイレベルになる。しかし、既に時刻t2でNOR回路N1は、第1入力in1がハイレベルになっており、その結果ローレベルを出力しているので、時刻t3においてNOR回路N1の第2入力in2がハイレベルになっても、NOR回路N1の出力(B点)に影響を与えることはない。
【0037】
さらに、時刻t2で、NOR回路N1の出力(B点)がローレベルに反転することにより、単安定マルチバイブレータ25は、(−)Q端子からローレベルを出力し(E点)、かつ、コンデンサC4を瞬時に放電する。その後、時刻t5において、コンデンサC4の充電電圧が所定電圧になると、単安定マルチバイブレータ25は、(−)Q端子からハイレベルを出力する。
【0038】
次に、コンデンサC1の充電時間が、単安定マルチバイブレータ24がハイレベルを出力するまでの所定時間よりも長く、単安定マルチバイブレータ24が強制的にNOR回路N1にローレベルを出力させる場合を、時刻t6〜t8を参照して説明する。時刻t6はNOR回路N1の出力(B点)がハイレベル、NOR回路N2の出力(D点)がローレベルにそれぞれ反転した瞬間である。
【0039】
時刻t6において、単安定マルチバイブレータ24は、(−)A端子に入力されるパルスがローレベルに反転すると、コンデンサC3の充電電圧を瞬時に放電し、(−)Q端子からローレベルの信号を出力する(F点)。そのため、NOR回路N1の第2入力in2は、時刻t6からコンデンサC3の充電電圧が所定電圧に達する時刻t7までローレベルになっている。コンデンサC3が放電されると、電源VD1から抵抗R3を介してコンデンサC3に電流が流れ、コンデンサC3を充電する。なお、t6〜t7の期間は、t1〜t3の期間に等しい。
【0040】
ここで、第1の電流I1はコンデンサC1へと流れ、コンデンサC1を充電する。コンデンサC1が充電されることにより、A点の電位は徐々に上昇していく(t6〜t7)。t7において、NOR回路N1の第1入力in1(A点)は、電流I1が小さくコンデンサの充電時間が長いので、未だ閾値に達していない。しかし、t7において、コンデンサC3の充電電圧が所定電圧に達するので、単安定マルチバイブレータ24は(−)Q端子からハイレベルを出力し、NOR回路N1の第2入力in2(F点)がハイレベルになる。その結果、NOR回路N1は、第1入力in1が閾値に達していないにもかかわらず、第2入力in2がハイレベルになることにより、ローレベルを出力する(B点)。
【0041】
NOR回路N1の出力がローレベルになると、コンデンサC2を介してNOR回路N1の出力に接続されているNOR回路N2の第2入力in3(C点)がローレベルになり、NOR回路N2の出力(D点)がハイレベルに反転する。NOR回路N2の出力(D点)がハイレベルに反転すると、NOR回路N1の第1入力(A点)が瞬時にハイレベルになる。この後、第2の電流I2によってコンデンサC2が充電されることによって、上記と逆の動作が行われる(t7〜t8)。
【0042】
また、時刻t7で、NOR回路N1の出力(B点)がローレベルに反転することにより、単安定マルチバイブレータ25は、(−)Q端子からローレベルを出力し、かつ、コンデンサC4を瞬時に放電する。その後、時刻t9において、コンデンサC4の充電電圧が所定電圧になると、単安定マルチバイブレータ25は、(−)Q端子からハイレベルを出力する。しかし、この場合、コンデンサC2の充電時間(t8)が、コンデンサC4の充電電圧が所定電圧に達する時間(t9)よりも短いので、単安定マルチバイブレータ25の(−)Q点端子が、ハイレベルを出力する前に、NOR回路N2は、第1入力in3が閾値電圧に達しローレベルを出力する。
【0043】
以上のように、変調度が大きく、一方のコンデンサの充電時間が非常に長くなり、NOR回路N1、N2の第1入力in1、in3が閾値に達する時間が長い場合には、単安定マルチバイブレータ24、25がハイレベルをNOR回路N1、N2の第2入力in2、in4に供給することにより、NOR回路N1、N2に強制的にローレベルを出力させることができる。その結果、NOR回路N1、N2から出力されるPWM信号の周波数が決められた値よりも低下することを防止できる。
【0044】
次に、本実施形態の効果について図4を参照して説明する。図4は、スイッチングアンプの出力電圧のピーク時における変調度(%)と、歪率(%)との関係を示すシミュレーション結果のグラフであり、実線は図2のパルス幅変調回路20について、破線は従来の図9のパルス幅変調回路について示す。図8は、変調度と周波数との関係を示す図である。本例では、変調度が約50%までの歪率が、図7に示す周波数の低下を抑制しないパルス幅変調回路50の歪率と同じであり、歪率が悪化しないことが分かる。図9のパルス幅変調回路70のように入力信号に無関係な電流によりコンデンサC1、C2を充電しないからである。そして、変調度が約50%付近で、強制的にPWM信号のハイレベル、ローレベルの期間を制限しているので、歪率が急激に悪化し、出力電圧のピーク電圧がクリップすることがわかる。しかし、変調度50%以上の領域は使用しないので歪率が悪化しても問題にならない。50%という変調度は、時定数回路24、25によって決定されるものである。変調度を50%までしか上げないことにより、図8に示すとおり、PWM信号の周波数は250、000Hzまでしか低下しないので、後段のLPFで十分に高周波成分を除去することができる。
【0045】
次に、本発明の別の好ましい実施形態によるパルス幅変調回路を図5および図6を参照して説明する。図5は、本実施形態のパルス幅変調回路30の概略構成を説明する回路図である。本実施形態では、レベル制御手段23が、図2の単安定マルチバイブレータの代わりに、抵抗R10およびコンデンサC10を含む時定数回路31と、抵抗R12およびコンデンサC11を含む時定数回路32とを有する。
【0046】
時定数回路31は、NOR回路N2がローレベルを出力開始する(すなわち、NOR回路N1がハイレベルを出力開始する)と、NOR回路N1からのハイレベルによってコンデンサC10が徐々に充電されて、所定時間経過後に、NOR回路N1の第2入力in2に供給される電圧(コンデンサC10の充電電圧)がハイレベルになる。所定時間は、抵抗R10およびコンデンサC10の時定数によって決定される。また、時定数回路31は、NOR回路N1からローレベルが出力されると、コンデンサC10の充電電圧が放電され、NOR回路N1の第2入力in2に供給される電圧はローレベルになる。
【0047】
コンデンサC10の一端は抵抗R10の一端およびNOR回路N1の第2入力in2に接続され、その他端は電源VCに接続されている。抵抗R10の他端はNOR回路N1の出力に接続されている。また、抵抗R10の両端にはコンデンサC10の充電電圧を放電するための抵抗R11およびダイオードD10が接続されている。
【0048】
時定数回路32は、NOR回路N1がローレベルを出力開始する(すなわち、NOR回路N2がハイレベルを出力開始する)と、NOR回路N2からのハイレベルによってコンデンサC11が徐々に充電されて、所定時間経過後に、NOR回路N2の第2入力in2に供給される電圧(コンデンサC11の充電電圧)がハイレベルになる。所定時間は、抵抗R12およびコンデンサC11の時定数によって決定される。また、時定数回路32は、NOR回路N2からローレベルが出力されると、コンデンサC11の充電電圧が放電され、NOR回路N2の第2入力in2に供給される電圧はローレベルになる。
【0049】
コンデンサC11の一端は抵抗R12の一端およびNOR回路N2の第2入力in4に接続され、その他端は電源VCに接続されている。抵抗R12の他端はNOR回路N2の出力に接続されている。また、抵抗R12の両端にはコンデンサC11の充電電圧を放電するための抵抗R13およびダイオードD11が接続されている。
【0050】
図6を参照して、パルス幅変調回路30の動作を説明する。本例ではコンデンサC1に着目して説明するが、コンデンサC2についても同様である。まず、コンデンサC1の充電電圧がNOR回路N1の第1入力in1の閾値を越えるまでの時間が、コンデンサC10の充電電圧がNOR回路N1の第2入力in2の閾値を越えるまでの所定時間よりも短い場合について、時刻t1〜t2を参照して説明する。時刻t1はNOR回路N1の出力(B点)がハイレベル、NOR回路N2の出力(D点)がローレベルにそれぞれ反転した瞬間である。
【0051】
時刻t1において、NOR回路N1がハイレベルを出力しているので、NOR回路N1の出力から抵抗R10を介してコンデンサC10に電流が流れ、コンデンサC10は充電され、E点の電位が徐々に上昇する(E点)。
【0052】
ここで、第1の電流I1はコンデンサC1へと流れ、コンデンサC1を充電する。コンデンサC1が充電されることにより、A点の電位は徐々に上昇していく(t1〜t2)。t2において、NOR回路N1の第1入力in1(A点)が閾値(図3の破線で示す)になると、NOR回路N1の出力(B点)がローレベルに反転する。NOR回路N1の出力がローレベルになると、コンデンサC2を介してNOR回路N1の出力に接続されているNOR回路N2の第1入力in3(C点)がローレベルになり、NOR回路N2の出力(D点)がハイレベルに反転する。NOR回路N2の出力(D点)がハイレベルに反転すると、NOR回路N1の第1入力(A点)が瞬時に閾値からハイレベルになる。
【0053】
また、時刻t2において、コンデンサC10の充電電圧(E点電圧)はNOR回路N1の閾値に達していないが、NOR回路N1の出力がローレベルに反転することにより、抵抗R11、ダイオードD10およびNOR回路N1を介して電源VCに電流が流れ、放電される。そのため、E点電圧は時刻t2にローレベルにリセットされる。なお、コンデンサC10の電圧が放電される時間は実際には抵抗R11およびダイオードD10によって時刻t2よりも若干遅れる。
【0054】
次に、コンデンサC1の充電電圧がNOR回路N1の閾値を越えるまでの時間が、コンデンサC10の充電電圧がNOR回路N1の閾値を越えるまでの所定時間よりも長い場合について、時刻t3〜t4を参照して説明する。時刻t3はNOR回路N1の出力(B点)がハイレベル、NOR回路N2の出力(D点)がローレベルにそれぞれ反転した瞬間である。
【0055】
時刻t3において、NOR回路N1がハイレベルを出力するので、NOR回路N2の出力から抵抗R10を介してコンデンサC10に電流が流れ、コンデンサC10は充電され、E点の電位が徐々に上昇する(E点)。
【0056】
ここで、第1の電流I1はコンデンサC1へと流れ、コンデンサC1を充電する。コンデンサC1が充電されることにより、A点の電位は徐々に上昇していく(t3〜t4)。t4において、NOR回路N1の第1入力in1(A点)は、電流I1が小さくコンデンサC1の充電時間が長いので、未だ閾値に達していない。しかし、t4において、コンデンサC10の充電電圧(E点電圧)がNOR回路N1の閾値に達し、すなわち、NOR回路N1の第2入力in2にハイレベルが供給されることになる。その結果、NOR回路N1は、第1入力in1が閾値に達していないにもかかわらず、ローレベルを出力する(B点)。
【0057】
NOR回路N1の出力がローレベルになると、コンデンサC2を介してNOR回路N1の出力に接続されているNOR回路N2の第2入力in3(C点)がローレベルになり、NOR回路N2の出力(D点)がハイレベルに反転する。NOR回路N2の出力(D点)がハイレベルに反転すると、NOR回路N1の第1入力(A点)が瞬時にハイレベルになる。
【0058】
また、時刻t4において、コンデンサC10の充電電圧(E点電圧)は、NOR回路N1の出力がローレベルに反転することにより、コンデンサC10から抵抗R11、ダイオードD10およびNOR回路N1を介して電源VCに電流が流れて、放電される。そのため、E点電圧は時刻t4にローレベルにリセットされる。
【0059】
以上のように、変調度が大きく、一方のコンデンサの充電時間が非常に長くなり、NOR回路N1、N2の第1入力in1、in3が閾値に達する時間が長い場合には、NOR回路N1、N2の第2入力に接続されたコンデンサの充電電圧がハイレベルになることにより、NOR回路N1、N2に強制的にローレベルを出力させることができる。その結果、NOR回路N1、N2から出力されるPWM信号の周波数が決められた値よりも低下することを防止できる。本実施形態では、前の実施形態のように単安定マルチバイブレータを使用する必要がないので、回路構成を簡略化することができる。
【0060】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、第1の出力素子(第2の出力素子)の出力の立ち上がりに応答して、立ち上がりから所定時間経過後に第2の出力素子(第1の出力素子)から強制的にハイレベルを出力させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、例えばオーディオ用のスイッチングアンプに用いられるパルス幅変調回路として特に好適に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるスイッチングアンプを示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるパルス幅変調回路を示す概略回路図である。
【図3】図2のパルス幅変調回路の動作を示すタイムチャートである。
【図4】図2の回路における変調度−歪率特性を示すグラフである。
【図5】本発明の別の好ましい実施形態によるパルス幅変調回路を示す概略回路図である。
【図6】図5のパルス幅変調回路の動作を示すタイムチャートである。
【図7】従来のパルス幅変調回路を示す概略回路図である。
【図8】PWM信号の変調度−周波数特性を示すグラフである。
【図9】従来の別のパルス幅変調回路を示す概略回路図である。
【図10】図9の回路における変調度−歪率特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0063】
20 パルス幅変調回路
21 パルス発生手段
22 変調手段
23 レベル制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電流と第2の電流とによりコンデンサが充電されて、第1の出力素子および第2の出力素子からパルスを出力するパルス発生手段と、
入力信号に基づいて、該第1の電流と該第2の電流との分配比を制御して、該第1の電流および該第2の電流による充電時間を制御することにより、該パルスのパルス幅を制御する変調手段と、
該第2の出力素子が一方のレベルを出力してから所定時間経過後に該第1の出力素子に強制的に該一方のレベルを出力させ、該第1の出力素子が該一方のレベルを出力してから所定時間経過後に該第2の出力素子に強制的に該一方のレベルを出力させるレベル制御手段とを備える、パルス幅変調回路。
【請求項2】
第1の電流により充電される第1のコンデンサ、
第2の電流により充電される第2のコンデンサ、
該第1のコンデンサに接続された第1入力と、第2入力とを有し、ハイレベルおよびローレベルの2つのレベルを有するパルスを出力する第1の出力素子、
および該第2のコンデンサに接続された第1入力と、第2入力とを有し、ハイレベルおよびローレベルの2つのレベルを有するパルスを出力する第2の出力素子を有するパルス発生手段と;
入力信号に基づいて、該第1の電流と該第2の電流との分配比を制御して、該第1のコンデンサの充電時間および該第2のコンデンサの充電時間を制御することにより、該パルスのパルス幅を制御する変調手段と;
該第2の出力素子が一方のレベルを出力してから所定時間経過後に該第1の出力素子に該一方のレベルを出力させ、該第1の出力素子が一方のレベルを出力してから所定時間経過後に該第2の出力素子に該一方のレベルを出力させるレベル制御手段と;を備える、パルス幅変調回路。
【請求項3】
前記レベル制御手段が、前記第1の出力素子が前記一方のレベルを出力してから所定時間経過後に、前記第2の出力素子の第2入力に他方のレベルを供給し、該第2の出力素子が該一方のレベルを出力してから所定時間経過後に、該第1の出力素子の第2入力に該他方のレベルを供給する、請求項2に記載のパルス幅変調回路。
【請求項4】
前記レベル制御手段が、
前記第2の出力素子からのパルスが入力され、該第2の出力素子からのパルスの立下りまたは立上りから所定時間経過後に、前記第1の出力素子の第2入力に前記他方のレベルを供給する第1の単安定マルチバイブレータと、
前記第1の出力素子からのパルスが入力され、該第1の出力素子からのパルスの立下りまたは立上りから所定時間経過後に、前記第2の出力素子の第2入力に該他方のレベルを供給する第2の単安定マルチバイブレータとを有する、請求項3に記載のパルス幅変調回路。
【請求項5】
前記レベル制御手段が、前記第1の単安定マルチバイブレータに接続され、該第1の単安定マルチバイブレータが該他方のレベルを供給する前記所定時間を決定する第1の時定数回路と、
前記第2の単安定マルチバイブレータに接続され、該第2の単安定マルチバイブレータが該他方のレベルを供給する前記所定時間を決定する第2の時定数回路とをさらに有する、請求項4に記載のパルス幅変調回路。
【請求項6】
前記レベル制御手段が、
前記第1の出力素子からの他方のレベルの出力によって充電され、前記所定時間経過後に該第1の出力素子の第2入力に該他方のレベルを供給し、かつ、該第1の出力素子からの一方のレベルの出力によって放電され、該第1の出力素子の第2入力に該一方のレベルを供給する第1の時定数回路と、
該第2の出力素子からの他方のレベルの出力によって充電され、該所定時間経過後に該第2の出力素子の第2入力に該他方のレベルを供給し、かつ、該第2の出力素子からの一方のレベルの出力によって放電され、該第2の出力素子の第2入力に該一方のレベルを供給する第2の時定数回路とを有する、請求項3に記載のパルス幅変調回路。
【請求項7】
前記第1の時定数回路が、前記第1の出力素子の出力とその第2入力との間に接続された第1抵抗と、該第1の出力素子の第2入力および該第1抵抗に接続された第1コンデンサとを有し、
前記第2の時定数回路が、前記第2の出力素子の出力とその第2入力との間に接続された第2抵抗と、該第2の出力素子の第2入力および該第2抵抗に接続された第2コンデンサとを有する、請求項6に記載のパルス幅変調回路。
【請求項8】
前記第1の出力素子および前記第2の出力素子がNOR回路である、請求項1〜7のいずれかに記載のパルス幅変調回路。
【請求項9】
前記一方のレベルがローレベルであり、前記他方のレベルがハイレベルである、請求項1〜8のいずれかに記載のパルス幅変調回路。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のパルス幅変調回路と、
前記第1の出力素子からのパルスに応答してオン状態またはオフ状態になる第1のスイッチ素子と、前記第2の出力素子からのパルスに応答してオン状態またはオフ状態になる第2のスイッチ素子とを有するスイッチング出力回路とを備える、スイッチングアンプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−89122(P2007−89122A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150756(P2006−150756)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)