説明

パレット搬送装置及びパレット搬送方法

【課題】パレットを変更することなくパレット間の間隔を可変とし、複数のパレットを互いの間隔が異なる別の工作機まで搬送する。
【解決手段】パレット搬送装置は、ワークを搭載可能に構成された複数のパレット11〜13と、複数のパレットが集合する集合位置と集合位置から離間する所定の目的位置との間を搬送路に沿って別々に搬送する搬送手段26とを備える。搬送路は、所定の目的位置が点在する固定レール16と、固定レール16に連続する第1位置と固定レール16から離間する第2位置との間を移動可能であって集合位置となる可動レール17とにより構成され、搬送手段26は、固定レール16に沿って設けられる集合位置と所定の目的位置とをそれぞれ連結する複数の循環ベルト27〜29と、複数のパレットにそれぞれ設けられ複数の循環ベルトのいずれかに別々に係止する複数の係止片36〜38とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを載せる複数のパレットを搬送するパレット搬送装置及びパレット搬送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製造ラインにおいて、ワークをコンベアにて搬送し、搬送先の工作機がワークに対して所定の加工を行う搬送装置がある。しかしながら、このような従来の搬送装置にあっては、例えばステータ等の重量の大きいワークをコンベアに載せて搬送する場合、ワークを停止させた際にワークに働く慣性力が大きいため、搬送速度を高めることが難しく、ストッパーを介して正確に位置決めすることが難しいという不具合があった。
【0003】
このような不具合を解消するために、本出願人は工作機に対してワークを載せる複数のパレットを四角形の軌道で搬送するパレット搬送装置を提案した(例えば、特許文献1参照。)。この搬送装置では、互いに平行に延びる奥側パレットレールと手前側パレットレールと、奥側パレットレールと手前側パレットレールの各両端部に対峙する二位置間をそれぞれ移動してそれら各端部に対して接続可能とする左パレットレールと右パレットレールと、複数のパレットを奥側パレットレール又は手前側パレットレールに沿って進退させる左パレット送り機構と右パレット送り機構とを備える。そして、複数のパレットを左パレット送り機構と右パレット送り機構の間に挟持して搬送するようにしている。このように、複数のパレットを左パレット送り機構と右パレット送り機構の間に挟持して搬送することにより、ワークの搬送速度と位置決め精度を高めることが期待できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−21629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記パレット搬送装置では、複数のパレットを左パレット送り機構と右パレット送り機構の間に挟持して搬送するので、挟持される複数のパレットにおけるパレット間の間隔がそのパレットの搬送方向の全長に限定され、パレット間の間隔を変更したい場合には複数のパレットの全てをその全長が異なる別のパレットに交換しなければならず、その間隔の変更に関して柔軟性に欠けるという未だ解決すべき課題が残存していた。
【0006】
また、各工作機の設置間隔はその工作機の大きさ等により異なり、比較的大きな工作機が用いられている場合に、その工作機間の比較的大きな間隔に複数のパレットの間隔を合わせようとすると、比較的小さな工作機間における設置間隔が必要以上に大きくなり、その設置面積をいたずらに大きくする不具合もあった。
【0007】
更に、各工作機における加工時間においても各工作機間においてそれぞれ異なり、加工時間が比較的長い工作機が存在する場合にはその加工工程に至る前段階において、その前工程の比較的短時間で加工が終了したパレットが渋滞してしまい、作業時間が長引いてしまう不具合もあった。
【0008】
本発明の目的は、パレットを変更することなくパレット間の間隔を可変とし、複数のパレットを互いの間隔が異なる別の工作機まで搬送し得るパレット搬送装置及びパレット搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のパレット搬送装置は、ワークを搭載可能に構成された複数のパレットと、複数のパレットが集合する集合位置とその集合位置から離間する所定の目的位置との間を搬送路に沿って複数のパレットを別々に搬送する搬送手段とを備える。
【0010】
この場合、搬送路は、所定の目的位置が点在する固定レールと、固定レールに連続する第1位置と固定レールから離間する第2位置との間を移動可能であって複数のパレットの集合位置となる可動レールとにより構成され、搬送手段は、固定レール又は第1位置の可動レールに搭載された複数のパレットを搬送可能に構成されることが好ましい。
【0011】
そして、搬送手段は、固定レールに沿って設けられ第1位置の可動レールにおける集合位置と固定レールに点在する所定の目的位置とをそれぞれ連結する複数の循環ベルトと、複数のパレットにそれぞれ設けられ固定レール又は第1位置の可動レールに複数のパレットが搭載状態で複数の循環ベルトのいずれかに別々に係止する複数の係止片とを備えることが更に好ましい。
【0012】
更に、循環ベルトが幅方向に延びる凹凸が長手方向に交互に連続する無端の歯付きベルトであれば、凹凸に係合可能な被凹凸を係止片に形成することにより、固定レール又は第1位置の可動レールにパレットが搭載状態で凹凸に被凹凸が係合し、パレットを搭載する第1位置の可動レールが第1位置から第2位置に移動する際に凹凸と被凹凸の係合が外れるようにすることができる。
【0013】
一方、本発明のパレット搬送方法は、ワークを搭載可能に構成された複数のパレットを複数のパレットが集合する集合位置と集合位置から離間する所定の目的位置との間を搬送路に沿って別々に搬送することを特徴とする。
【0014】
搬送路が、所定の目的位置が点在する固定レールと、固定レールに連続する第1位置と固定レールから離間する第2位置との間を移動可能であって複数のパレットの集合位置となる可動レールとにより構成された場合、複数のパレットを搭載した可動レールを第2位置から第1位置に移動させるレール接続工程と、第1位置の可動レールに搭載された集合位置における複数のパレットを固定レールに移して所定の目的位置まで搬送するパレット搬送工程と、所定の目的位置における複数のパレットを逆方向に搬送して集合位置となる可動レールに搭載するパレット戻し工程と、複数のパレットが搭載された可動レールを複数のパレットともに第1位置から第2位置に移動させるレール離脱工程とを有することができる。
【0015】
そして、集合位置と固定レールに点在する所定の目的位置を連結する複数の循環ベルトが固定レールに沿って設けられ、レール接続工程において複数のパレットを複数の循環ベルトにそれぞれ別々に係止させ、パレット搬送工程及びパレット戻し工程におけるパレットの搬送が複数の循環ベルトを別々に循環させることにより行われ、レール離脱工程において可動レールに搭載された複数のパレットを複数の循環ベルトから外すことが好ましい。
【0016】
更に、循環ベルトが幅方向に延びる凹凸が長手方向に交互に連続する無端の歯付きベルトであれば、凹凸に係合可能な被凹凸が形成された係止片を複数のパレットにそれぞれ設けることにより、レール接続工程において凹凸に被凹凸を係合させ、レール離脱工程において凹凸と被凹凸の係合を外すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のパレット搬送装置及びパレット搬送方法では、ワークを搭載可能に構成された複数のパレットを複数のパレットが集合する集合位置と集合位置から離間する所定の目的位置との間を搬送路に沿って別々に搬送するので、複数のパレット毎にその移動速度又は時間を異ならせることにより、その複数のパレットが到達するまでの移動距離を異ならせることができる。よって、パレットを変更することなくパレット間の間隔を変更させることができる。このため、例えば集合位置では複数のパレットが接近又は密着していたとしても、その複数のパレット間の間隔を拡げつつ搬送することにより、互いの間隔が異なる別の工作機までそれらのパレットを搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明実施形態のパレット搬送装置を示す図2のA−A線断面図である。
【図2】そのパレット搬送装置を示す図4のB−B線断面図である。
【図3】その可動レールが第2位置にある搬送装置を示す斜視図である。
【図4】その可動レールが第1位置にある搬送装置を示す図3に対応する斜視図である。
【図5】その複数のパレットを間隔が異なる複数の工作機まで搬送した状態を示す図3に対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図5に、本発明におけるパレット搬送装置10を示す。各図において、互いに直交するX,Y,Zの3軸を設定し、X軸が略水平横方向、Y軸が略水平前後方向、Z軸が鉛直方向に延びるものとし、パレット搬送装置10の構成について説明する。
【0021】
この実施の形態におけるパレット搬送装置10は、モータ等の電動機におけるステータを製造するラインに設けられるものを例示し、図3に示すように、この製造ラインは4台の工作機1〜4がX軸方向に所定の間隔で一列に並ぶものを示す。図3における1a〜4aはX軸方向に一列に並んだ、各工作機1〜4を搭載する基台を示す。各工作機1〜4は、パレット搬送装置10によって搬送される図示しないワークに対して絶縁部材の挿入、各相のコイルのリード線のカシメ、溶接等、各種加工を順に行い、図示しないステータを自動的に製造するものである。
【0022】
このパレット搬送装置10は、図示しないワークを搭載可能に構成された複数のパレット11〜14と、その複数のパレット11〜14が集合する集合位置とその集合位置から離間する所定の目的位置との間を搬送路に沿って複数のパレット11〜13を別々に搬送する後述する搬送手段26とを備える。この実施の形態では4台のパレット11〜14が用いられ、その内の3台のパレット11〜13を搬送させ、各工作機1〜4に各パレット11〜14を介してワークを対峙させ、各工作機1〜4の加工時に図示しないワークをその対峙位置に保持するものを例示する。なお、パレット11〜14の台数は4台に限らず、工作機1〜4の台数に応じて適宜に増減されるものである。
【0023】
この実施の形態における搬送路は、複数のパレット11〜14を移動可能に搭載し所定の目的位置が点在する固定レール16と、複数のパレット11〜14の集合位置となる可動レール17とにより構成される。固定レール16及び可動レール17は同一構造であり、図1に示す可動レール17を代表して説明すると、これらのレール16,17は、断面においてZ軸方向に長い方形を成す支持板18と、その支持板18の上縁にねじ止めにより固定された市販の直線運動ガイドレール19を備える。そして、固定レール16は各工作機1〜4を搭載する基台1a〜4aが設けられた図示しない架台上に直接固定され、それらの工作機1〜4に対して移動不能に取付けられる(図3)。そして、固定レール16の各工作機1〜3に対向する部位に所定の目的位置がその固定レール16上に点在するように形成されるものとする。
【0024】
図3に示すように、固定レール16は、各工作機1〜4のY軸方向側にずれて各工作機1〜4を搭載する基台1a〜4aと所定の間隔を空けてX軸方向に延びて設けられる。一方、可動レール17は複数のパレット11〜14の全て、この実施の形態では4台のパレット11〜14を接近又は密着させた状態で搭載可能な長さを有し、その固定レール16に平行にX軸方向に延びて設けられる。そして、図2に示すように、固定レール16には、可動レール17が進入可能な欠損部16aが形成され、その欠損部16aにおける図示しない架台には、その固定レール16に直交するようにY軸方向に延びて支持レール21が設けられる。この実施の形態における欠損部16aは第4工作機4に対向する位置に形成され、可動レール17がこの欠損部16aを埋めた状態で固定レール16に可動レール17が連続するように形成される。
【0025】
可動レール17は支持レール21に移動可能に取付けられ、この可動レール17を移動させる図示しないレール移動機構が設けられる。この図示しないレール移動機構により、可動レール17は、固定レール16の欠損部16aに進入してその固定レール16に連続する図4に示す第1位置と、その欠損部16aからY軸方向に支持レール21に沿って移動して固定レール16から離間する図3に示す第2位置との間を移動可能に構成される。なお、この可動レール17を移動させる図示しないレール移動機構としてはエア又は油圧シリンダが例示されるけれども、これらに代えてサーボモータを図示しないレール移動機構として用いても良い。
【0026】
固定レール16と可動レール17に搭載される4台のパレット11〜14はそれぞれ同一構造であり、図2の左から3台目の第3パレット13を代表して説明すると、図1に示すように、パレット13は、直線運動ガイドレール19を跨いでそのレール19上を移動可能に構成された直線運動ブロック13aと、そのブロック13aにねじ止めされた台座13bとを有する。この直線運動ブロック13aは直線運動ガイドレール19と対に販売される市販のものであって、図示しないローラーリテーナを備えるものが好ましい。このローラリテーナを備える直線運動ブロック13aを用いることにより、その幅方向(Y軸方向)の移動を禁止しつつパレット11〜14が固定レール16及び可動レール17上を移動する抵抗を著しく軽減することができる。これによりパレット11〜14は固定レール16及び可動レール17に移動可能に搭載される。そして、パレット11〜14における台座には、その上部中央部に図示しないワークを収めるワーク支持部11c〜14c(図3)が形成される。
【0027】
パレット搬送装置10は、固定レール16又は第1位置の可動レール17に搭載された複数のパレット11〜13を搬送可能に構成されたパレット搬送手段26を備える。この実施の形態におけるパレット搬送手段26は、4台のパレット11〜14の内の3台のパレット11〜13を搬送するものであり、残りの1台のパレット14は可動レール17に残存するものとする。そして、このパレット搬送手段26は、固定レール16に沿って互いの位置をずらして設けられ第1位置の可動レール17における集合位置と固定レール16に点在する所定の目的位置とをそれぞれ連結する複数の循環ベルト27〜29と、これらの循環ベルト27〜29を別々に循環させる複数の循環機構31〜33とを備える。複数の循環ベルト27〜29は、搬送するパレット11〜13の数に相応して設けられ、3台のパレット11〜13を搬送するこの実施の形態では3本の循環ベルト27〜29が設けられる。複数の循環ベルト27〜29はそれぞれの長さが異なり、集合位置である可動レール17が進入する欠損部16aから各工作機1〜3に対向する所定の目的位置までをそれぞれ連結するに足りる長さを有する。複数の循環ベルト27〜29は、長いものから順に固定レール16に近づくように隣接して、順次その位置をずらして固定レール16に設けられる。
【0028】
具体的に説明すると、図3に示すように、固定レール16の欠損部16aから最も遠い第1工作機1に至るまでの長さを有する第1循環ベルト27の両端は、その最も遠い第1工作機1近傍に位置する固定レール16の一端部に設けられた第1駆動プーリ31aと、欠損部16aを挟んでその固定レール16の他端部に設けられた第1従動プーリ31bとの間に架設される。固定レール16の欠損部16aから次に遠い第2工作機2に至るまでの長さを有する第2循環ベルト28の両端は、その第2工作機2近傍の固定レール16に設けられた第2駆動プーリ32aと、固定レール16の他端部に第1従動プーリ31bと同軸であってそれに重合するように設けられた第2従動プーリ32bとの間に架設される。固定レール16の欠損部16aから次の第3工作機3に至るまでの長さを有する第3循環ベルト29の両端は、その第3工作機3近傍の固定レール16に設けられた第3駆動プーリ33aと、固定レール16の他端部に第1及び第2従動プーリ31b,32bと同軸であってそれに重合するように設けられた第3従動プーリ33bとの間に架設される。ここで、欠損部16aは第4工作機4近傍の固定レール16に形成されているので、この欠損部16aに進入した可動レール17に搭載されて残存する第4パレット14はその第4工作機4に対峙し、その第4パレット14に搭載されたワークに対してその第4工作機4による加工が可能に構成される。
【0029】
これらの循環ベルト27〜29を別々に循環させる複数の循環機構31〜33は、上記第1〜第3駆動ローラ31a〜33a及び上記第1〜第3従動ローラ31b〜33bを含み、更に固定レール16に設けられて上記第1〜第3駆動ローラ31a〜33aを回転可能な複数のサーボモータ31c〜33cを備える。即ち、回転軸に第1〜第3駆動プーリ31a〜33aがそれぞれ取付けられた複数のサーボモータ31c〜33cが固定レール16に取付けられる。これらのサーボモータ31c〜33cにおける制御は図示しないコントローラにより行われ、図示しないコントローラからの指令によりそれらのサーボモータ26aが駆動すると、それらの回転軸が第1〜第3駆動プーリ31a〜33aとともに回転し、第1〜第3駆動プーリ31a〜33aに掛け回された第1〜第3循環ベルト27〜29が第1〜第3従動プーリ31b〜33bとの間で循環するように構成される。なお、図3ではサーボモータ31c〜33cを用いた循環機構31〜33を示し、その駆動プーリ26bと従動プーリ26cが固定レール16に設けられる場合を例示するが、第1〜第3駆動プーリ31a〜33aと第1〜第3従動プーリ31b〜33bを固定レール16以外の部分に設けても良く、第1〜第3駆動プーリ31a〜33aを回転可能である限りサーボモータ31c〜33cに代えてエア又は油圧シリンダ等を用い、第1〜第3循環ベルト27〜29を別々に循環させるようにしても良い。
【0030】
第1〜第3循環ベルト27〜29はいわゆる歯付きベルトである。これらのベルト27〜29は同一構造であり、図2のそれぞれの拡大図に示すように、歯付きベルトである第1〜第3循環ベルト27〜29は、幅方向に延びる凹凸27a〜29a,27b〜29bが長手方向に交互に連続して形成される。一方、搬送手段26は、第4パレット14を除く他の複数のパレット11〜13にそれぞれ設けられ、固定レール16又は第1位置の可動レール17に複数のパレット11〜13が搭載状態で複数の循環ベルト27〜29のいずれかに別々に係止する複数の係止片36〜38を更に備える。そして、この実施の形態におけるこれらの係止片36〜38には、ベルト27〜29における凹凸27a〜29a,27b〜29bに係合可能な被凹凸36a〜38a,36b〜38bがそれぞれ形成される。
【0031】
図1に示すように、固定レール16又は第1位置の可動レール17に複数のパレット11〜13が搭載状態で、係止片36〜38は複数の循環ベルト27〜29のいずれかに別々に係止するように複数のパレット11〜13に位置をずらしてそれぞれ設けられる。具体的に、これらの係止片36〜38は、パレット11〜13における台座11b〜13bの下側にその位置をY軸方向にずらしてネジ止めされる。この実施の形態では、第1パレット11が第1循環ベルト27に係止するように係止片36がその第1パレット11に設けられ、その次の第2パレット12が第2循環ベルト28に係止するように係止片37がその第2パレット12に設けられ、更にその次の第3パレット13が第3循環ベルト29に係止するように係止片38がその第3パレット13に設けられる場合を示す。
【0032】
図2のそれぞれの拡大図に示すように、パレット11〜13に設けられた係止片36〜38における被凹凸36a〜38a,36b〜38bが第1〜第3循環ベルト27〜29における凹凸27a〜29a,27b〜29bに係合すると、それらのベルト27〜29と独立したパレット11〜13のX軸方向の移動は禁止され、これにより係止片36〜38が設けられた複数のパレット11〜13は複数の循環ベルト27〜29のいずれかに別々に係止される。そして、このようにパレット11〜13が係止されたベルト27が循環機構31〜33により循環すると、パレット11〜13がそれらの循環ベルト27〜29とともに移動し、それらの循環ベルト27〜29が沿う固定又は可動レール16,17に沿ってそのパレット11〜13は搬送されることになる。
【0033】
また、第1〜第3循環ベルト27〜29における凹凸27a〜29a,27b〜29b及び係止片36〜38における被凹凸36a〜38a,36b〜38bはその幅方向、即ちY軸方向に延びて形成されるので、図1の破線矢印で示すように、複数のパレット11〜13が可動レール17とともにY軸方向に移動して第1〜第3循環ベルト27〜29から遠ざかると、Y軸方向に移動しない第1〜第3循環ベルト27〜29の凹凸27a〜29a,27b〜29b(図2)に対して、パレット11〜13に設けられた係止片36〜38における被凹凸36a〜38a,36b〜38bはY軸方向に移動することになる。即ち、このパレット搬送装置10は、第1〜第3循環ベルト27〜29におけるそれぞれの凹凸27a〜29a,27b〜29bをY軸方向に一致させた状態で、複数のパレット11〜13が搭載された可動レール17を固定レール16に連続する第1位置からY軸方向に移動してその固定レール17から離間する第2位置に移動させると、可動レール17に搭載されたそれら複数のパレット11〜13が複数の循環ベルト27〜29から外れるように構成される。
【0034】
逆に、第1〜第3循環ベルト27〜29におけるそれぞれの凹凸27a〜29a,27b〜29bをY軸方向に一致させた状態で、固定レール16から離間する第2位置の可動レール17がY方向に延びる支持レール21に沿って固定レール16に連続する第1位置に移動すると、第1〜第3循環ベルト27〜29の凹凸27a〜29a,27b〜29b(図2)に、それぞれのパレット11〜13に位置をずらして設けられた係止片36〜38におけるそれぞれの被凹凸36a〜38a,36b〜38bが係合することになる。即ち、このパレット搬送装置10では、可動レール17が第2位置から第1位置に移動して固定レール16の欠損部16aを埋めるようになると、その可動レール17に搭載された複数のパレット11〜13もY軸方向に移動し、それらのパレット11〜13に設けられた係止片36〜38は固定レール16に沿って設けられた第1〜第3循環ベルト27〜29に別々に係止するように構成される。
【0035】
ここで、図2における符号41は、それらの第1〜第3循環ベルト27〜29が撓むことを防止する為に固定レール16に設けられた支持部材41であって、これらの第1〜第3循環ベルト27〜29が撓むことに起因する凹凸27a〜29a,27b〜29bと係止片36〜38における被凹凸36a〜38a,36b〜38bとの係合が解除されることを防止するものである。
【0036】
次に、上記パレット搬送装置を用いた本発明におけるパレット搬送方法を説明する。
【0037】
本発明におけるパレット搬送方法は、ワークを搭載可能に構成された複数のパレット11〜13を複数のパレット11〜13が集合する集合位置と、その集合位置から離間する所定の目的位置との間を搬送路に沿って別々に搬送することを特徴とする。
【0038】
この実施の形態における搬送路は、所定の目的位置が点在する固定レール16と、その固定レール16に連続する第1位置と固定レール16から離間する第2位置との間を移動可能であって複数のパレット11〜13の集合位置となる可動レール17とにより構成されているので、本発明におけるパレット搬送方法は、複数のパレット11〜13を搭載した可動レール17を第2位置から第1位置に移動させるレール接続工程と、第1位置の可動レール17に搭載された集合位置における複数のパレット11〜13を固定レール16に移して所定の目的位置まで搬送するパレット搬送工程と、所定の目的位置における複数のパレット11〜13を逆方向に搬送して集合位置となる可動レール17に搭載するパレット戻し工程と、複数のパレット11〜13が搭載された可動レール17を複数のパレット11〜13ともに第1位置から第2位置に移動させるレール離脱工程とを有するものといえる。以下に各工程を説明する。
【0039】
<レール接続工程>
この工程では、複数のパレット11〜14を搭載した可動レール17を固定レール16から離間する図3に示す第2位置から固定レール16に連続する図4に示す第1位置に移動させる。そして、このレール接続工程において、複数のパレット11〜13を固定レール16に沿って所望の位置に延びる複数の循環ベルト27〜29にそれぞれ別々に係止させる。この複数のパレット11〜14には既に加工用の図示しないワークが搭載されているものとし、その搭載は可動レール17に複数のパレット11〜14を搭載した状態で行われ、又は予めワークが搭載された複数のパレット11〜14を可動レール17搭載することにより行われる。なお、この工程では、複数のパレット11〜14を接近又は密着させて、互いの間の隙間が生じないか又は極めて少ないような状態で可動レール17に搭載するものとする。
【0040】
第1〜第3循環ベルト27〜29として歯付きベルトを用いるこの実施の形態では、第1〜第3循環ベルト27〜29におけるそれぞれの凹凸27a〜29a,27b〜29bをY軸方向に一致させた状態で、可動レール17を第2位置から第1位置に移動することにより、ベルト27〜29における凹凸27a〜29a,27b〜29b(図2)に、係止片36〜38における被凹凸36a〜38a,36b〜38bを係合させることができ、これにより複数のパレット11〜13を複数の循環ベルト27〜29にそれぞれ別々に係止させることができる。
【0041】
<パレット搬送工程>
この工程では、第1位置の可動レール17に搭載されて集合位置にある複数のパレット11〜13を固定レール16に移して搬送する。このパレット11〜13の搬送は、複数の循環ベルト27〜29を別々に循環させることにより行われる。循環ベルト27〜29の循環は循環機構31〜33により行われ、それらのサーボモータ31c〜33cを図示しないコントローラからの指令により駆動させると、第1〜第3駆動プーリ31a〜33aが回転し、それらに掛け回された第1〜第3循環ベルト27〜29は別々に循環する。すると、第1〜第3循環ベルト27〜29に別々に係止された複数のパレット11〜13は第1〜第3循環ベルト27〜29の循環とともに移動して可動レール17から固定レール16に移る。そして、それぞれのサーボモータ31c〜33cにおける第1〜第3駆動プーリ31a〜33aの回転速度又は回転が継続する時間を異ならせることにより、循環ベルト27〜29の循環速度又は循環継続時間は異なり、これにより複数のパレット11〜13の移動速度及び時間を異ならせる。すると、複数のパレット11〜13の搬送速度及び時間も異なって、最終的にその複数のパレット11〜13が到達するまでの移動距離を異ならせることができる。
【0042】
複数の循環ベルト27〜29の長さを欠損部16aにある可動レール17上の集合位置と各工作機1〜3に対峙して固定レール16に点在する所定の目的位置を連結する長さとし、長いものから順に固定レール16に近づくようにその位置をずらして複数の循環ベルト27〜29を固定レール16に設けたこの実施の形態では、複数のパレット11〜13の移動距離は、その複数のパレット11〜13が各工作機1〜3に対峙する所定の目的位置までとする。そして、複数のパレット11〜13が各工作機1〜3に対峙した所定の目的位置に達した段階でサーボモータ31c〜33cは停止され、図5に示すように、複数のパレット11〜13は各工作機1〜3に対峙した状態で維持される。このため、可動レール17に搭載された状態で複数のパレット11〜13は接近していたけれども、搬送後ではそれらの間の間隔は拡がり、パレット11〜13を変更することなく、それらの間隔を広げることができる。そして、複数のパレット11〜14間の間隔は第1〜第3循環ベルト27〜29の循環速度又は時間調整することにより自在に調整することができる。
【0043】
なお、複数のパレット11〜13が各工作機1〜3に対峙した状態で、各工作機1〜4を作動させ、固定レール16に搭載された各パレット11〜13に載った図示しない各ワーク及び可動レール17に搭載されて残存する第4パレット14に載った図示しないワークに対して絶縁部材の挿入、各相のコイルのリード線のカシメ、溶接等、各種加工が並行して行われる。
【0044】
<パレット戻し工程>
この工程では、固定レール16に沿って搬送されて所定の目的位置にある複数のパレット11〜13を逆方向に搬送して集合位置となる可動レール17に搭載する。この工程におけるパレット11〜13の搬送も複数の循環ベルト27〜29を別々に循環させることにより行われ、このパレット11〜13の搬送は各工作機1〜4における図示しないワークに対する加工が終了した後に行われる。複数の循環ベルト27〜29の循環方向は上記パレット搬送工程における循環方向と逆であり、サーボモータ31c〜33cを用いるこの実施の形態では、それらの回転方向を逆にして第1〜第3駆動プーリ31a〜33aを上記パレット搬送工程と逆方向に回転させる。これにより、循環ベルト27〜29も逆方向に循環し、その循環速度又は時間を異ならせることにより、所定の間隔を空けて各工作機1〜3に対峙した複数のパレット11〜13をその移動距離を異ならせてそれらの間隔を減少させつつ固定レール16上を逆方向に搬送し、図4に示すように、最終的に複数のパレット11〜13を互いに接近又は密着させた状態でそこに残存する第4パレット14とともに可動レール17に搭載する。
【0045】
<レール離脱工程>
この工程では、複数のパレットが搭載された可動レール17を複数のパレット11〜14とともに図4に示す第1位置から図3に示す第2位置に移動させる。そして、このレール離脱工程において可動レール17に搭載された複数のパレット11〜13を複数の循環ベルト27〜29から外す。即ち、第1〜第3循環ベルト27〜29として歯付きベルトを用いるこの実施の形態では、第1〜第3循環ベルト27〜29におけるそれぞれの凹凸27a〜29a,27b〜29bをY軸方向に一致させた状態で、図1の破線矢印で示すように、パレット11〜14を可動レール17とともにY軸方向に移動して第1〜第3循環ベルト27〜29から遠ざける。すると、Y軸方向に移動しない第1〜第3循環ベルト27〜29の凹凸27a〜29a,27b〜29b(図2)から係止片36〜38における被凹凸36a〜38a,36b〜38bがY軸方向へずれて外れる。よって、第1〜第3循環ベルト27〜29として歯付きベルトを用いることにより、パレット11〜13を搭載する可動レール17を第1位置から第2位置に移動するだけで、可動レール17に搭載されたそれら複数のパレット11〜13を複数の循環ベルト27〜29から容易に外すことができるのである。
【0046】
固定レール16から離間した第2位置の可動レール17では、複数のパレット11〜14の搭載された図示しないワークを順次移動させる。そして、その後再びレール接続工程に戻り、そのレール接続工程からレール離脱工程までが繰り返される。これにより、例えば、第1パレット11の搭載されて第1工作機1における加工が成されたワークは、繰り返される次の工程において第2パレット12に搭載され、第2工作機2における加工がなされることになる。
【0047】
以上のような構成のパレット搬送装置及びパレット搬送方法では、各パレット11〜14は固定レール16及び可動レール17に沿って設けられた第1〜第3循環ベルト27〜29に係止して固定レール16及び可動レール17に搭載された状態で移動するため、重量の大きいワークであっても、高速で搬送し、所定位置に停止することが可能であり、生産性を高められる。
【0048】
また、このようなパレット搬送装置10及びパレット搬送方法では、無端で設けられて循環する複数の循環ベルト27〜29に複数のパレット11〜13を別々に係止させることにより、固定レール16及び可動レール17に沿ってそのパレット11〜13の搬送を行うので、循環ベルト27〜29の循環速度又は時間を異ならせることにより、複数のパレット11〜13の移動速度及び時間を異ならせ、最終的にその複数のパレット11〜13が到達するまでの移動距離を異ならせることができる。即ち、複数のパレット11〜14の間隔を容易に変更することができる。よって、可動レール17に搭載された状態で接近又は密着していた複数のパレット11〜13をそれらの間隔を広げつつ搬送し、異なる間隔を空けて設けられた複数の工作機に別々に対峙させることができる。また、所定の間隔を空けた複数のパレット11〜13の間隔を減少させつつ搬送し、その複数のパレット11〜13を互いに接近又は密着させた状態で可動レール17に搭載することもできる。よって、各工作機1〜4の変更又は加工対象物の変更等が成されて、ワークを搬送する間隔の変更が必要になっても、パレット11〜14自体を変更することなく速やかにその間隔の変更に対応させることが可能となる。
【0049】
具体的に、本発明では、第1〜第4工作機1〜4の設置間隔が異なっていても、それぞれの各工作機1〜4に各パレット11〜14を対峙させることができるので、比較的大きな間隔を空けて比較的大きな工作機が用いられていたとしても、比較的小さな工作機間における設置間隔をその大きな工作機における設置間隔に合わせることはなく、それらの工作機1〜4を設置する設置面積をいたずらに大きくするようなことはない。これは、第2位置の可動レール17において、複数のパレット11〜14の搭載された図示しないワークを順次移動させて順次別の工作機においてワークにおける加工を行う場合に有効であり、この場合、複数のパレット11〜13に搭載された図示しないワークは、繰り返される次の工程において次の工作機における加工が順次なされることになる。
【0050】
なお、上述した実施の形態では、ワークに対して絶縁部材の挿入、各相のコイルのリード線のカシメ、溶接等、各種加工を順に行う工作機1〜4を用い、固定レール16から離間した第2位置の可動レール17において、複数のパレット11〜14の搭載された図示しないワークを順次移動させる場合を説明したが、各工作機1〜4として同一の加工を行うものを用い、第2位置の可動レール17において、全てのパレット11〜14をワークが搭載された新たなパレット11〜14に入れ替えるか或いはパレット11〜14を残存させて全てのワークを新たなワークに入れ替えるようにしても良い。この場合、パレットの渋滞を解消することができる。即ち、各工作機1〜4は同一の加工を行うものであるので、第2位置の可動レール17において、全てのパレット11〜14をワークが搭載された新たなパレット11〜14に入れ替えるか或いはパレット11〜14を残存させて全てのワークを新たなワークに入れ替えるようにすれば、複数のパレット11〜14に搭載された複数のワークに対して同時に同一の加工を施すことができる。このため、この工作機1〜4における加工時間が比較的長いものであっても、前工程の比較的短時間で加工が終了して渋滞している複数のパレットにおけるワークに対して複数の工作機が同時に同一の加工を施すことができる。よって、その加工工程に至る前段階において、その前工程の比較的短時間で加工が終了したパレットの渋滞を解消し、単一の工作機が加工していた場合に比較してその作業時間を短縮させることができる。
【0051】
また、上述した実施の形態では、第4工作機4に対向する固定レール16に欠損部16aを形成し、第4パレット14を可動レール17に残存させて、3台のパレット11〜13が搬送される場合を説明したが、固定レール16における欠損部16aは他の工作機1〜4に対向する位置に形成しても良く、可動レール17に搭載された全てのパレットを搬送して固定レール16上に移し、パレットを可動レール17に残存させなくても良い。そして、パレットを可動レール17に残存させ無い場合には、工作機1〜4に対向するように欠損部16aを形成することを必要としない。
【符号の説明】
【0052】
11〜13 パレット
16 固定レール
17 可動レール
26 搬送手段
27〜29 循環ベルト
27a〜29a,27b〜29b 凹凸
36〜38 係止片
36a〜38a,36b〜38b 被凹凸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを搭載可能に構成された複数のパレット(11〜13)と、
前記複数のパレット(11〜13)が集合する集合位置と前記集合位置から離間する所定の目的位置との間を搬送路に沿って前記複数のパレット(11〜13)を別々に搬送する搬送手段(26)と
を備えたパレット搬送装置。
【請求項2】
搬送路は、所定の目的位置が点在する固定レール(16)と、前記固定レール(16)に連続する第1位置と前記固定レール(16)から離間する第2位置との間を移動可能であって複数のパレット(11〜13)の集合位置となる可動レール(17)とにより構成され、
搬送手段(26)は、前記固定レール(16)又は第1位置の前記可動レール(17)に搭載された前記複数のパレット(11〜13)を搬送可能に構成された
請求項1記載のパレット搬送装置。
【請求項3】
搬送手段(26)は、
固定レール(16)に沿って設けられ第1位置の可動レール(17)における集合位置と前記固定レール(16)に点在する所定の目的位置とをそれぞれ連結する複数の循環ベルト(27〜29)と、
複数のパレット(11〜13)にそれぞれ設けられ前記固定レール(16)又は第1位置の可動レール(17)に前記複数のパレット(11〜13)が搭載状態で前記複数の循環ベルト(27〜29)のいずれかに別々に係止する複数の係止片(36〜38)と
を備えた請求項2記載のパレット搬送装置。
【請求項4】
循環ベルト(27〜29)は幅方向に延びる凹凸(27a〜29a,27b〜29b)が長手方向に交互に連続する無端の歯付きベルトであって、
前記凹凸(27a〜29a,27b〜29b)に係合可能な被凹凸(36a〜38a,36b〜38b)が係止片(36〜38)に形成され、
固定レール(16)又は第1位置の可動レール(17)にパレット(11〜13)が搭載状態で前記凹凸(27a〜29a,27b〜29b)に前記被凹凸(36a〜38a,36b〜38b)が係合し、
前記パレット(11〜13)を搭載する第1位置の前記可動レール(17)が第1位置から第2位置に移動する際に前記凹凸(27a〜29a,27b〜29b)と前記被凹凸(36a〜38a,36b〜38b)の係合が外れるように構成された請求項3記載のパレット搬送装置。
【請求項5】
ワークを搭載可能に構成された複数のパレット(11〜13)を前記複数のパレット(11〜13)が集合する集合位置と前記集合位置から離間する所定の目的位置との間を搬送路に沿って別々に搬送するパレット搬送方法。
【請求項6】
搬送路が、所定の目的位置が点在する固定レール(16)と、前記固定レール(16)に連続する第1位置と前記固定レール(16)から離間する第2位置との間を移動可能であって複数のパレット(11〜13)の集合位置となる可動レール(17)とにより構成され、
複数のパレット(11〜13)を搭載した前記可動レール(17)を第2位置から第1位置に移動させるレール接続工程と、
第1位置の前記可動レール(17)に搭載された集合位置における前記複数のパレット(11〜13)を前記固定レール(16)に移して所定の目的位置まで搬送するパレット搬送工程と、
所定の目的位置における前記複数のパレット(11〜13)を逆方向に搬送して集合位置となる前記可動レール(17)に搭載するパレット戻し工程と、
前記複数のパレット(11〜13)が搭載された前記可動レール(17)を前記複数のパレット(11〜13)ともに第1位置から第2位置に移動させるレール離脱工程と
を有する請求項5記載のパレット搬送方法。
【請求項7】
集合位置と固定レール(16)に点在する所定の目的位置とを連結する複数の循環ベルト(27〜29)が前記固定レール(16)に沿って設けられ、
レール接続工程において複数のパレット(11〜13)を前記複数の循環ベルト(27〜29)にそれぞれ別々に係止させ、
パレット搬送工程及びパレット戻し工程におけるパレット(11〜13)の搬送が前記複数の循環ベルト(27〜29)を別々に循環させることにより行われ、
前記レール離脱工程において前記可動レール(17)に搭載された前記複数のパレット(11〜13)を前記複数の循環ベルト(27〜29)から外す請求項6記載のパレット搬送方法。
【請求項8】
循環ベルト(27〜29)は幅方向に延びる凹凸(27a〜29a,27b〜29b)が長手方向に交互に連続する無端の歯付きベルトであって、
前記凹凸(27a〜29a,27b〜29b)に係合可能な被凹凸(36a〜38a,36b〜38b)が形成された係止片(36〜38)が前記複数のパレット(11〜13)にそれぞれ設けられ、
レール接続工程において前記凹凸(27a〜29a,27b〜29b)に前記被凹凸(36a〜38a,36b〜38b)を係合させ、
レール離脱工程において前記凹凸(27a〜29a,27b〜29b)と前記被凹凸(36a〜38a,36b〜38b)の係合を外す請求項7記載のパレット搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−110651(P2011−110651A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269369(P2009−269369)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000227537)日特エンジニアリング株式会社 (106)
【Fターム(参考)】