パレット
【課題】 簡単な構成でドラム缶がデッキ部から滑り落ちたり転倒して落下したりするのを確実にでき、また、デッキ部にドラム缶を載置する際に載置位置の確認が簡単にできる。
【解決手段】 パレット1のデッキ部2の表面部を平面視で前後方向、左右方向にそれぞれ2等分することで4つに区画される各区画2aに、各区画2aの略中心を中心としドラム缶3の半径と同じ半径の仮想円4を描く。仮想円4の、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる外側の滑り止め材5を設ける。
【解決手段】 パレット1のデッキ部2の表面部を平面視で前後方向、左右方向にそれぞれ2等分することで4つに区画される各区画2aに、各区画2aの略中心を中心としドラム缶3の半径と同じ半径の仮想円4を描く。仮想円4の、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる外側の滑り止め材5を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム缶を載置した際に滑ることがないようにしたパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成樹脂製のパレットのデッキ部の表面部に滑り止めのためにグロメットや帯ゴム等の滑り止め材を設けたもの、あるいは特許文献1に示されるように、デッキ部に滑り止め材を一体に形成したパレットが知られている。
【0003】
一般にパレットに載置する載置物は下面が平面となっているので、載置物をパレットのデッキ部に載置すると、平面となった下面のどこかが、滑り止め材に載置されることになり、確実に滑り止め効果を発揮できる。
【0004】
ところが、ドラム缶は、底面の外周に下方に向けて環状リブが突出し、この環状リブのみが載置されるようになっている。したがって、単にデッキ部の表面部に滑り止め材を設けただけのものでは、ドラム缶の下面に突出した上記環状リブが滑り止め材に載置される確立が低い。特に、ドラム缶を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、パレットは停止するが、ドラム缶は重量が重いため、停止した瞬間に慣性により滑りやすく、特に、ドラム缶は重量が重いだけでなく、背が高くて重心が高い位置にあるので、ドラム缶が慣性で滑る時には進行方向に対して反対側が浮いて滑ることになり、したがって、ドラム缶の下面の上記環状リブは進行方向の限られたごく一部のみがデッキ部に当って傾きながら滑ることになり、この点でもデッキ部に単に部分的に滑り止め部を設けただけのものでは、滑り止め材に上記環状リブの進行方向の前端部のみが確実に載置された状態で滑り止め材によりブレーキをかけながらドラム缶の滑り落ちを防止するようにできない。
【0005】
そこで、デッキ部の全表面に滑り止め材を設けることが考えられるが、これだと、高価な滑り止め材の使用量が多くてコストが高くなるという問題がある。
【0006】
また、パレットのデッキ部に4個のドラム缶用の嵌合溝を形成し、ドラム缶用の嵌合溝にドラム缶の下面の環状リブを嵌め込むようにしたものが特許文献2により知られている。
【0007】
しかしながら、この特許文献2に示された従来例においては、嵌合溝に環状リブを嵌め込んでいるので、デッキ部に載置するに当って位置決めが正確にできるという利点があるが、ドラム缶を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、上記のように重量が重く、背が高くて重心が高い位置にあるドラム缶に進行方向に移動しようとする慣性力により上記のように進行方向に対して反対側が浮いて滑ろうとする力が作用する。ところが、上記のように嵌合溝に環状リブが嵌め込んであるため、ドラム缶の下端が移動しない状態で進行方向に傾むくことになり、傾きが大きくなり、場合によっては、ドラム缶が転倒するおそれがある。
【0008】
また、滑り止め材を用いることなく、パレットのデッキ部にデッキ部と同じ硬質合成樹脂により一体にリブを突設して該リブにより滑り止めをするものもあるが、このものにあっては、リブがデッキ部と一体の硬質合成樹脂製であるため、ドラム缶のような金属製で且つ下面の環状リブのみが載置されるものにおいては、滑り止め材に比べて滑りやすいという問題がある。
【特許文献1】特公平7−37044号公報
【特許文献1】特開2001−130571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、簡単な構成でドラム缶がデッキ部から滑り落ちたり転倒して落下したりするのを確実に防止でき、また、デッキ部にドラム缶を載置する際に載置位置の確認が簡単にできるパレットを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係るパレットは、パレット1のデッキ部2の表面部を平面視で前後方向、左右方向にそれぞれ2等分することで4つに区画される各区画2aに、各区画2aの略中心を中心としドラム缶3の半径と同じ半径の仮想円4を描き、上記仮想円4の、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる外側の滑り止め材5を設けて成ることを特徴とするものである。
【0011】
パレット1のデッキ部2には平面視で前後方向、左右方向に2等分することで4つに区画される各区画2aにドラム缶3を載置するのであるが、ドラム缶3を載置する際に、2つの外側の滑り止め材5上にドラム缶3の下面の環状リブ3aの一部が載るように載置することで、ドラム缶3を正確な位置に位置決め状態で載置できると共に、同時にこの位置決め状態で外側滑り止め材5上に環状リブ3aが載置されて確実に滑り止めができる。この場合、2つの外側の滑り止め材5がいずれも仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びるように設けてあるので、載置作業時に多少の載置位置のずれがあっても確実に外側滑り止め材5上にドラム缶3の下面の環状リブ3aの一部を載置できる。また、ドラム缶を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、重量が重く、背が高くて重心が高い位置にあるドラム缶に進行方向に移動しようとする慣性力が作用して進行方向に対して反対側が浮いて滑ろうとするが、このとき、本発明においては、上記仮想円4の、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びるように2つの外側の滑り止め材5を設けてあるので、上記2つの外側の滑り止め材5のいずれかに環状リブ3aの進行方向の前端部が載置された状態で、上記慣性によりドラム缶3が進行方向と反対側が浮いて傾いた前傾姿勢で滑ろうとすることになり、このため、ドラム缶3が進行方向に前傾した姿勢で外側の滑り止め材5上を外側の滑り止め材5によりブレーキをかけながら少し進んで停止することになり、これにより、滑り止め上を少し滑るがデッキ部2から落下するほど滑るのを防止でき、しかも従来のように進行方向の後端が浮いた前傾姿勢で下端が全くすべらないために、より急な倒れ姿勢になって転倒したりするといった事態が生じないようにできる。しかも、パレット1の進行方向が90°変更されて上記のように移動を停止した場合は、上記2つの外側の滑り止め材5のうちの他方の滑り止め材5が上記と同様の滑り止め作用を行う。
【0012】
また、上記仮想円4の両外側の滑り止め材5間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることで、外側滑り止め材5と中間の滑り止め材6とでドラム缶3を載置できて安定してドラム缶3の滑り止めができる。また、ドラム缶3を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、上記のように慣性により進行方向に前傾姿勢となったドラム缶3の下面の環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5上をブレーキをかけながら少し滑って停止する。この場合、ドラム缶3が進行方向と交差する方向に振れることがあるが、中間の滑り止め材6により更にブレーキをかけて、滑り止め効果も増すことができる。
【0014】
また、上記両外側の滑り止め材5と対向する仮想円4位置に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる内側の滑り止め材7を設けることが好ましい。
【0015】
このような構成とすることで、仮想円4上に90°隔てた位置に、外側の2つの滑り止め材5と内側の2つの滑り止め材7とが位置することになって、ドラム缶3の位置決めがより簡単にできると共に、より確実にドラム缶3の滑り止めができる。また、前記進行方向と反対に進行するときにも内側の滑り止め材7によりドラム缶3の滑り止めができる。
【0016】
また、仮想円4の一対の外側の滑り止め材5と一対の内側の滑り止め材7との間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けることが好ましい。
【0017】
このような構成とすることで、ドラム缶3をより確実に滑り止めすることができる。また、ドラム缶3を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、上記のよう慣性により進行方向に前傾姿勢となったドラム缶3の下面の環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5上をブレーキをかけながら少し滑って停止する。この場合、ドラム缶3が進行方向と交差する方向に振れることがあるが、中間の滑り止め材6により上記触れを抑制することが可能となる。
【0018】
また、各滑り止め材が一体に連続していることが好ましい。
【0019】
このような構成とすることで、デッキ部2に複数の滑り止め材を形成する際に2色成形により簡単に複数の滑り止め材を形成できる。また、複数の滑り止め材が個別に剥離するのを防止できる。
【0020】
また、外側の滑り止め材5の仮想円4を跨いだ仮想円4の外側よりも、中間の滑り止め材6の仮想円4を跨いだ仮想円の外側の方が長いことが好ましい。
【0021】
このような構成とすることで、ドラム缶3がパレット1からはみ出しても中間の滑り止め材6によって滑り止め効果がある。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、上記のようにデッキ部の表面部を4つに区画した各区画の略中心を中心としドラム缶の半径と同じ半径の仮想円を描き、上記仮想円の、デッキ部の隅部を介して隣り合う区画の二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる外側の滑り止め材を設けあるので、重量が重く、背が高くて重心が高いドラム缶を、上記外側の滑り止め材を目印にして簡単且つ正確な載置位置に載置でき、しかも、ドラム缶の滑り止めが確実にでき、特に、ドラム缶を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際に、進行方向に前傾姿勢となりながら慣性により滑る力が作用するが、このとき外側の滑り止め材上に前傾姿勢のドラム缶の進行方向前端部が載って、外側の滑り止め材でブレーキをかけながら少し滑って停止することで上記慣性力による前傾姿勢の滑りを吸収でき、パレットから滑り落ちたり、転倒したりするのを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0024】
パレット1は合成樹脂により形成してあり、載置物を載置するためのデッキ部2と、複数の桁部8とを備えたもので、桁部8間がフォーク挿入部9となっている。
【0025】
パレット1としては4方差しのものと、2方差しのものとがあるが、本発明においてはいずれのタイプのものであってもよい。なお、図1では2方差しの例を示している。
【0026】
また、パレット1としては、全体を合成樹脂の一体成形により成形する一体成形型のパレットと、上半体と、下半体とを別々に成形して上半体と下半体とを溶着一体化して成形する溶着タイプのパレットとに大別できるが本発明においては、これらのいずれかのタイプに限定されるものではない。更に、パレット1としては金属製や木製であってもよい。
【0027】
また、パレット1としては両面のデッキ部2に載置物を載置することができる両面使用タイプのものと、上面のデッキ部2のみが載置物を載置することができる片面使用タイプのものとがあるが、本発明においては、これらのいずれかのタイプに限定されるものではない。
【0028】
図2、図4乃至図12には本発明のパレット1の各例の平面図が示してある。本発明においては、載置物を載置するためのデッキ部2の表面部を平面視で前後方向、左右方向に仮想線10、11でそれぞれ2等分することで4つの区画2aに区画し、更に、各区画2a略中心Oを中心としドラム缶3の半径(例えば、ドラム缶3の半径は585mm以下である)と同じ半径の仮想円4を描き、この仮想円4上に仮想円を跨いで内側と外側に伸びるエラストマーのような軟質合成樹脂、ゴム等よりなる滑り止め材を設けたことに特徴がある。滑り止め材は、パレット1よりも軟質で摩擦抵抗が大きい。
【0029】
上記仮想線10、11、仮想円4は、デッキ部2における滑り止め材を設ける位置を特定するための仮想の線、円であって、デッキ部2には実際には設けないが、必要であれば、デッキ部2に目に見えるように上記仮想線10、11や仮想円4を表示してもよい。
【0030】
そして、いずれの実施形態においても本発明においては、滑り止め材として、少なくとも、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ外側の滑り止め材5を設ける。
【0031】
図4に示す実施形態においては、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ外側の滑り止め材5を設けた例である。
【0032】
また、図2、図6乃至図9には、上記2つの外側の滑り止め材5に加え、両外側の滑り止め材5と対向する仮想円4位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる内側の滑り止め材7を設けた例であり、仮想円4上に仮想円4の中心0を中心とした十字方向に両外側の滑り止め材5と、両内側の滑り止め材7とが設けてある。このように内側滑り止め材7を設けることで、反対側に進行するとき(内側の滑り止め材7の方向に進行するとき)もドラム缶3の滑りを防止できる。
【0033】
また、図2、図5、図7乃至図9の実施形態においては、上記2つの外側の滑り止め材5に加え、上記仮想円4の両外側の滑り止め材5間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けた例である。
【0034】
また、図2、図8、図9に示す実施形態においては、更に、上記2つの外側の滑り止め材5、2つの内側の滑り止め材7、中間の滑り止め材6に加え、仮想円4の外側の滑り止め材5と内側の滑り止め材7との間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けた例である。
【0035】
外側の滑り止め材5は、パレット1外周まで形成することによって、ドラム缶3の滑りに対してパレット1から飛び出すまで利いている。また、必要な箇所に形成することによって、高価なエラストマーの使用量がすくないことや滑りの原因になる雨水が溜まることもない。
【0036】
上記各滑り止め材としては、仮想円4の中心を通る径方向に長くなった帯状のものにのみ限定されず、図10のように仮想円4のデッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置を通る接線と平行な方向に長くなった巾広形状、あるいは、図11のように丸形状、あるいは図12のように外側が広くなった略扇形状のもの等を採用することができる。
【0037】
上記エラストマーのような軟質合成樹脂、ゴム等よりなる滑り止め材はパレット1を硬質合成樹脂により形成する際に軟質合成樹脂により滑り止め材の部分を同時に形成するいわゆる2色成形により形成したり、あるいは、パレット1のデッキ部2に後付けでグロメットや帯ゴムを取着することで滑り止め材を形成したりするものである。少ない箇所の滑り止め材でドラム缶3を支えると、ドラム缶3の環状リブ3aが滑り止め材に沈み込む量が深くなり、滑り始めるときの抵抗に繋がる。
【0038】
滑り止め材はデッキ部2の表面より少し上方に突出するように設けたり、あるいはデッキ部2の表面と面一となるように設けたりする。
【0039】
上記のような構成のデッキ部2に滑り止め材を設けたパレット1上にドラム缶3を載置するには、図3のようにデッキ部2の表面部に4つのドラム缶3を載置するものである。すなち、デッキ部2の表面部を平面視で前後方向、左右方向にそれぞれ2等分することで4つに区画される各区画2aにそれぞれ1つずつ合計4個ドラム缶3を載置する。
【0040】
各区画2aにドラム缶3を載置するには、各区画2aに設けた複数の滑り止め材を目印にして、該滑り止め材上にドラム缶3の下端の環状リブ3aが載るように載置する。つまり、滑り止め材は既に述べたように各区画2aの略中心を中心としドラム缶3の半径と同じ半径の仮想円4上に位置しているので、各区画2aに設けた複数の滑り止め材を目印としてこの上に環状リブ3aが載るように載置すると、当該区画2aのドラム缶3を載置すべき所定の位置にドラム缶3を載置することが可能となる。しかも、このように所定の位置にドラム缶3を載置するとドラム缶3の環状リブ3aが必ず滑り止め材上に載置されて確実に滑り止めがなされる。また、滑り止め材は仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びているので、載置作業時に多少の載置位置の誤差があってもドラム缶3の環状リブ3aが滑り止め材上に載置されて滑り止めがなされる。
【0041】
本発明における滑り止め材によるドラム缶3の止め効果は、パレット1を移動していない場合にドラム缶3に外力が作用した際の滑り止め効果、パレット1をフォークリフトで移動している場合や自動倉庫の搬送路で移動している場合におけるドラム缶3の滑り止め効果があるが、本発明においては特に、ドラム缶3を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、ドラム缶3が慣性により進行方向に前傾姿勢となって滑るのを抑制する効果が優れている。
【0042】
すなわち、ドラム缶3を載せたパレット1が、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、ドラム缶3には進行方向に慣性力が作用する。慣性力が作用するとドラム缶3は重量が重く、背が高くて重心が高い位置にあるので、図13のAのように垂直に起立していたドラム缶3に進行方向の慣性力が作用すると進行方向に対して反対側が浮き、ドラム缶3の下面の環状リブ3aの進行方向の前端部のみが接地したのみの前傾姿勢で図13のBのように進行方向である矢印イ方向に滑ろうとする。
【0043】
この場合、本発明においては、仮想円4の、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びるように2つの外側の滑り止め材5を設けてあるので、パレット1の進行方向の前側に位置する区画2aに載置したドラム缶3は、進行方向に対して前傾姿勢となって環状リブ3aの進行方向の前端部の接地する部分が必ず上記2つの外側の滑り止め材5のいずれか一方(つまり進行方向に位置する外側の滑り止め材5)上に載置され且つ環状リブ3aの進行方向と反対側が浮いて傾いた前傾姿勢で滑ろうとする。
【0044】
このため、ドラム缶3が進行方向に前傾した姿勢で外側の滑り止め材5上を外側の滑り止め材5によりブレーキをかけながら図13のCのように少し進んで停止し、このようにブレーキをかけながら少し進んで停止すると、前傾姿勢で停止したドラム缶3は停止位置で重力の作用により進行方向に対して反対側の浮いた部分が設置して図13のDのように垂直姿勢に戻る(図14の実線状態から想像線の状態まで進行方向に移動して停止する)。
【0045】
このようにして前傾姿勢のドラム缶3が環状リブ3aの進行方向の前端部のみを外側の滑り止め材5上に載置した状態で、外側の滑り止め材5によりブレーキをかけながら少し進んで停止するので、前傾姿勢のドラム缶3の慣性力を効果的に吸収して、デッキ部2からドラム缶3が滑り落ちるのを防止すると共にドラム缶3が転倒するのを防止することができる。
【0046】
また、パレット1の進行方向が90°変更されて上記のように移動を停止した場合は、上記2つの外側の滑り止め材5のうちの他方の滑り止め材5が上記と同様の滑り止め作用を行う。
【0047】
ここで、ドラム缶3を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、上記のよう慣性により進行方向に前傾姿勢となったドラム缶3の下面の環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5上をブレーキをかけながら少し滑って停止するのであるが、この場合、ドラム缶3が慣性力により上記のように進行方向に前傾姿勢で移動する際ドラム缶3が進行方向と交差する方向に振れることがあるが、図2、図5、図7乃至図12の実施形態のように、仮想円4の両外側の滑り止め材5間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けたものにおいては、上記のようにドラム缶3が進行方向と交差する方向に振れて、環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5に対して浮いても、環状リブ3aの他の部分が直ぐに中間の滑り止め材6上に載って振れを抑制して再び環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5に載るように復元して進行方向にブレーキをかけることになり、この結果、ドラム缶3が振れても確実に滑り止めができる。また、パレット1の外側に放り出されることがない。
【0048】
この場合、図2、図8、図9のように、仮想円4の外側の滑り止め材5と内側の滑り止め材7との間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けたものにおいては、慣性力により上記ドラム缶3の環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5上をブレーキをかけながら少し進む際に、進行方向と交差する方向に触れる場合、当該環状リブ3aの進行方向の前端部が載置される外側の滑り止め材5を中心にして一方側への振れに対しては上記のように当該外側の滑り止め材5と他の外側の滑り止め材5との間の中間の滑り止め材6が振れを抑制する働きをし、他方側への振れに対しては当該外側の滑り止め材5と内側の滑り止め材7との間の中間の滑り止め材6が振れを抑制する働きをし、触れが生じても、より確実に再び環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5に載るように復元して進行方向にブレーキをかけることになり、この結果、ドラム缶3が振れても確実に滑り止めができる。
【0049】
ここで、両外側の滑り止め材5の中間に位置する中間の滑り止め材6及び外側の滑り止め材5と内側の滑り止め材7の中間に位置する中間の滑り止め材6の仮想円4よりも外側の部分を、外側の滑り止め材5の仮想円よりも外側の部分より長く形成してあり、これにより、仮に、ドラム缶3がパレット1からはみ出しても中間の滑り止め材6により滑り止め効果がある。
【0050】
また、図2、図6乃至図9のように仮想円4上に仮想円4の中心Oを中心とした十字方向に両外側の滑り止め材5と、両内側の滑り止め材6を設けたものにおいては、ドラム缶3の下面の環状リブ3aをより正確な位置に載置し、より安定して滑り止め効果がある。
【0051】
また、複数の滑り止め材を一体に連続する構成としてもよい。この場合の一実施形態が図2に示してある。このように、各滑り止め材が一体に連続した構成とするものにおいては、デッキ部2に複数の滑り止め材を形成する際に2色成形により簡単に複数の滑り止め材を形成できる。また、複数の滑り止め材が個別に剥離するのを防止できる。
【0052】
図2にはデッキ部2の全区画2aに設ける複数の滑り止め材の全部を一体に連続する構成としたが、各区画2a毎に複数の滑り止め材を一体に連続する構成してもよい。
【0053】
また、外側の滑り止め材5の1つと中間の滑り止め材6を組み合わせて一体にしたり、あるいは両外側の滑り止め材6と中間の滑り止め材6を組み合わせて一体にしたり、あるいは中間の滑り止め材6と外側の滑り止め材7とを組み合わせて一体にしたり、というように複数種類の滑り止め材を組み合わせて一体にしてもよい。一体の方法は、直線で連結することや曲線で連結してもよく、特に曲線で連結するとドラム缶3の置く位置が明確となる。
【0054】
図10には曲線となった連結部分により複数の滑り止め材を連結した一例を示している。この実施形態では、隣接する滑り止め材を対として曲線状となった弧状連結部30により連結した例であり、更に、この例では、隣合う区画2aの背中合わせになった内側の滑り止め材7同士も一体に連結してある。そして、各区画2aにおいて4つの弧状連結部30は区画2aの中心0を中心とする円上に位置している。
【0055】
また、図示を省略しているが、デッキ部2の上面部にデッキ部2の前後方向に複数の帯状の滑り止め材を前後方向の全長に設けると共にデッキ部2の左右方向に複数の帯状の滑り止め材を前後方向の全長に設けることで、外側の滑り止め材5、中間の滑り止め材6、内側の滑り止め材7を形成するようにしてもよい。
【0056】
また、滑り止め材がデッキ部2の表面よりも突出しているものにおいては、ドラム缶3の環状リブ3aの一部がデッキ部2から突出した各滑り止め材に食い込むようにして載置されることになり、より滑り止め効果を発揮できるものである。
【0057】
ここで、図4のように滑り止め材として、2つの外側の滑り止め材5のみを設けた場合、あるいは、図5、図11、図12のように2つの外側の滑り止め材5と両滑り止め材6間に中間の滑り止め材6を設けたものにおいて各滑り止め材をデッキ部2の表面よりも突出した構成とすると、デッキ部2の各区画2aの上記滑り止め材にドラム缶3の環状リブ3aの一部を載せると、環状リブ3aの両外側の滑り止め材5間に対応する部分と反対側の部分がデッキ部2上に載置され、これによりドラム缶3がデッキ部2の略中央部側に向けてごく僅かに傾斜した姿勢で載置されることになる。このように、ドラム缶3をデッキ部2の略中央部側に向けてごく僅かに傾斜した姿勢で載置すると、ドラム缶3が外側に滑り難く、また、パレット1を停止した際にドラム缶3に進行方向の慣性力が作用しても進行方向に前傾しにくくなり、進行方向と反対側の浮き高さも小さくでき、よりいっそう、ドラム缶3がデッキ部2から滑り落ちたり、転倒したりするのを防止することができる。
【0058】
本発明のパレット1は上記のようにドラム缶3を載置することで上記のような作用、効果を有しているが、ドラム缶3以外の他の種々の載置物も載置するのに使用することができるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明のパレットの一実施形態の斜視図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】同上のドラム缶を載置した状態の斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態の平面図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図13】本発明のドラム缶を載置したパレットの進行を停止した際にドラム缶が慣性により前傾姿勢で滑ろうとする際に外側の滑り止め材によりブレーキをかけながら少し進んで停止することを説明する説明図である。
【図14】同上の平面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 パレット
2 デッキ部
2a 区画
3 ドラム缶
3a 環状リブ
4 仮想円
5 外側の滑り止め材
6 中間の滑り止め材
7 内側の滑り止め材
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム缶を載置した際に滑ることがないようにしたパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成樹脂製のパレットのデッキ部の表面部に滑り止めのためにグロメットや帯ゴム等の滑り止め材を設けたもの、あるいは特許文献1に示されるように、デッキ部に滑り止め材を一体に形成したパレットが知られている。
【0003】
一般にパレットに載置する載置物は下面が平面となっているので、載置物をパレットのデッキ部に載置すると、平面となった下面のどこかが、滑り止め材に載置されることになり、確実に滑り止め効果を発揮できる。
【0004】
ところが、ドラム缶は、底面の外周に下方に向けて環状リブが突出し、この環状リブのみが載置されるようになっている。したがって、単にデッキ部の表面部に滑り止め材を設けただけのものでは、ドラム缶の下面に突出した上記環状リブが滑り止め材に載置される確立が低い。特に、ドラム缶を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、パレットは停止するが、ドラム缶は重量が重いため、停止した瞬間に慣性により滑りやすく、特に、ドラム缶は重量が重いだけでなく、背が高くて重心が高い位置にあるので、ドラム缶が慣性で滑る時には進行方向に対して反対側が浮いて滑ることになり、したがって、ドラム缶の下面の上記環状リブは進行方向の限られたごく一部のみがデッキ部に当って傾きながら滑ることになり、この点でもデッキ部に単に部分的に滑り止め部を設けただけのものでは、滑り止め材に上記環状リブの進行方向の前端部のみが確実に載置された状態で滑り止め材によりブレーキをかけながらドラム缶の滑り落ちを防止するようにできない。
【0005】
そこで、デッキ部の全表面に滑り止め材を設けることが考えられるが、これだと、高価な滑り止め材の使用量が多くてコストが高くなるという問題がある。
【0006】
また、パレットのデッキ部に4個のドラム缶用の嵌合溝を形成し、ドラム缶用の嵌合溝にドラム缶の下面の環状リブを嵌め込むようにしたものが特許文献2により知られている。
【0007】
しかしながら、この特許文献2に示された従来例においては、嵌合溝に環状リブを嵌め込んでいるので、デッキ部に載置するに当って位置決めが正確にできるという利点があるが、ドラム缶を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、上記のように重量が重く、背が高くて重心が高い位置にあるドラム缶に進行方向に移動しようとする慣性力により上記のように進行方向に対して反対側が浮いて滑ろうとする力が作用する。ところが、上記のように嵌合溝に環状リブが嵌め込んであるため、ドラム缶の下端が移動しない状態で進行方向に傾むくことになり、傾きが大きくなり、場合によっては、ドラム缶が転倒するおそれがある。
【0008】
また、滑り止め材を用いることなく、パレットのデッキ部にデッキ部と同じ硬質合成樹脂により一体にリブを突設して該リブにより滑り止めをするものもあるが、このものにあっては、リブがデッキ部と一体の硬質合成樹脂製であるため、ドラム缶のような金属製で且つ下面の環状リブのみが載置されるものにおいては、滑り止め材に比べて滑りやすいという問題がある。
【特許文献1】特公平7−37044号公報
【特許文献1】特開2001−130571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、簡単な構成でドラム缶がデッキ部から滑り落ちたり転倒して落下したりするのを確実に防止でき、また、デッキ部にドラム缶を載置する際に載置位置の確認が簡単にできるパレットを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係るパレットは、パレット1のデッキ部2の表面部を平面視で前後方向、左右方向にそれぞれ2等分することで4つに区画される各区画2aに、各区画2aの略中心を中心としドラム缶3の半径と同じ半径の仮想円4を描き、上記仮想円4の、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる外側の滑り止め材5を設けて成ることを特徴とするものである。
【0011】
パレット1のデッキ部2には平面視で前後方向、左右方向に2等分することで4つに区画される各区画2aにドラム缶3を載置するのであるが、ドラム缶3を載置する際に、2つの外側の滑り止め材5上にドラム缶3の下面の環状リブ3aの一部が載るように載置することで、ドラム缶3を正確な位置に位置決め状態で載置できると共に、同時にこの位置決め状態で外側滑り止め材5上に環状リブ3aが載置されて確実に滑り止めができる。この場合、2つの外側の滑り止め材5がいずれも仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びるように設けてあるので、載置作業時に多少の載置位置のずれがあっても確実に外側滑り止め材5上にドラム缶3の下面の環状リブ3aの一部を載置できる。また、ドラム缶を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、重量が重く、背が高くて重心が高い位置にあるドラム缶に進行方向に移動しようとする慣性力が作用して進行方向に対して反対側が浮いて滑ろうとするが、このとき、本発明においては、上記仮想円4の、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びるように2つの外側の滑り止め材5を設けてあるので、上記2つの外側の滑り止め材5のいずれかに環状リブ3aの進行方向の前端部が載置された状態で、上記慣性によりドラム缶3が進行方向と反対側が浮いて傾いた前傾姿勢で滑ろうとすることになり、このため、ドラム缶3が進行方向に前傾した姿勢で外側の滑り止め材5上を外側の滑り止め材5によりブレーキをかけながら少し進んで停止することになり、これにより、滑り止め上を少し滑るがデッキ部2から落下するほど滑るのを防止でき、しかも従来のように進行方向の後端が浮いた前傾姿勢で下端が全くすべらないために、より急な倒れ姿勢になって転倒したりするといった事態が生じないようにできる。しかも、パレット1の進行方向が90°変更されて上記のように移動を停止した場合は、上記2つの外側の滑り止め材5のうちの他方の滑り止め材5が上記と同様の滑り止め作用を行う。
【0012】
また、上記仮想円4の両外側の滑り止め材5間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることで、外側滑り止め材5と中間の滑り止め材6とでドラム缶3を載置できて安定してドラム缶3の滑り止めができる。また、ドラム缶3を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、上記のように慣性により進行方向に前傾姿勢となったドラム缶3の下面の環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5上をブレーキをかけながら少し滑って停止する。この場合、ドラム缶3が進行方向と交差する方向に振れることがあるが、中間の滑り止め材6により更にブレーキをかけて、滑り止め効果も増すことができる。
【0014】
また、上記両外側の滑り止め材5と対向する仮想円4位置に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる内側の滑り止め材7を設けることが好ましい。
【0015】
このような構成とすることで、仮想円4上に90°隔てた位置に、外側の2つの滑り止め材5と内側の2つの滑り止め材7とが位置することになって、ドラム缶3の位置決めがより簡単にできると共に、より確実にドラム缶3の滑り止めができる。また、前記進行方向と反対に進行するときにも内側の滑り止め材7によりドラム缶3の滑り止めができる。
【0016】
また、仮想円4の一対の外側の滑り止め材5と一対の内側の滑り止め材7との間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けることが好ましい。
【0017】
このような構成とすることで、ドラム缶3をより確実に滑り止めすることができる。また、ドラム缶3を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、上記のよう慣性により進行方向に前傾姿勢となったドラム缶3の下面の環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5上をブレーキをかけながら少し滑って停止する。この場合、ドラム缶3が進行方向と交差する方向に振れることがあるが、中間の滑り止め材6により上記触れを抑制することが可能となる。
【0018】
また、各滑り止め材が一体に連続していることが好ましい。
【0019】
このような構成とすることで、デッキ部2に複数の滑り止め材を形成する際に2色成形により簡単に複数の滑り止め材を形成できる。また、複数の滑り止め材が個別に剥離するのを防止できる。
【0020】
また、外側の滑り止め材5の仮想円4を跨いだ仮想円4の外側よりも、中間の滑り止め材6の仮想円4を跨いだ仮想円の外側の方が長いことが好ましい。
【0021】
このような構成とすることで、ドラム缶3がパレット1からはみ出しても中間の滑り止め材6によって滑り止め効果がある。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、上記のようにデッキ部の表面部を4つに区画した各区画の略中心を中心としドラム缶の半径と同じ半径の仮想円を描き、上記仮想円の、デッキ部の隅部を介して隣り合う区画の二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる外側の滑り止め材を設けあるので、重量が重く、背が高くて重心が高いドラム缶を、上記外側の滑り止め材を目印にして簡単且つ正確な載置位置に載置でき、しかも、ドラム缶の滑り止めが確実にでき、特に、ドラム缶を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際に、進行方向に前傾姿勢となりながら慣性により滑る力が作用するが、このとき外側の滑り止め材上に前傾姿勢のドラム缶の進行方向前端部が載って、外側の滑り止め材でブレーキをかけながら少し滑って停止することで上記慣性力による前傾姿勢の滑りを吸収でき、パレットから滑り落ちたり、転倒したりするのを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0024】
パレット1は合成樹脂により形成してあり、載置物を載置するためのデッキ部2と、複数の桁部8とを備えたもので、桁部8間がフォーク挿入部9となっている。
【0025】
パレット1としては4方差しのものと、2方差しのものとがあるが、本発明においてはいずれのタイプのものであってもよい。なお、図1では2方差しの例を示している。
【0026】
また、パレット1としては、全体を合成樹脂の一体成形により成形する一体成形型のパレットと、上半体と、下半体とを別々に成形して上半体と下半体とを溶着一体化して成形する溶着タイプのパレットとに大別できるが本発明においては、これらのいずれかのタイプに限定されるものではない。更に、パレット1としては金属製や木製であってもよい。
【0027】
また、パレット1としては両面のデッキ部2に載置物を載置することができる両面使用タイプのものと、上面のデッキ部2のみが載置物を載置することができる片面使用タイプのものとがあるが、本発明においては、これらのいずれかのタイプに限定されるものではない。
【0028】
図2、図4乃至図12には本発明のパレット1の各例の平面図が示してある。本発明においては、載置物を載置するためのデッキ部2の表面部を平面視で前後方向、左右方向に仮想線10、11でそれぞれ2等分することで4つの区画2aに区画し、更に、各区画2a略中心Oを中心としドラム缶3の半径(例えば、ドラム缶3の半径は585mm以下である)と同じ半径の仮想円4を描き、この仮想円4上に仮想円を跨いで内側と外側に伸びるエラストマーのような軟質合成樹脂、ゴム等よりなる滑り止め材を設けたことに特徴がある。滑り止め材は、パレット1よりも軟質で摩擦抵抗が大きい。
【0029】
上記仮想線10、11、仮想円4は、デッキ部2における滑り止め材を設ける位置を特定するための仮想の線、円であって、デッキ部2には実際には設けないが、必要であれば、デッキ部2に目に見えるように上記仮想線10、11や仮想円4を表示してもよい。
【0030】
そして、いずれの実施形態においても本発明においては、滑り止め材として、少なくとも、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ外側の滑り止め材5を設ける。
【0031】
図4に示す実施形態においては、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ外側の滑り止め材5を設けた例である。
【0032】
また、図2、図6乃至図9には、上記2つの外側の滑り止め材5に加え、両外側の滑り止め材5と対向する仮想円4位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる内側の滑り止め材7を設けた例であり、仮想円4上に仮想円4の中心0を中心とした十字方向に両外側の滑り止め材5と、両内側の滑り止め材7とが設けてある。このように内側滑り止め材7を設けることで、反対側に進行するとき(内側の滑り止め材7の方向に進行するとき)もドラム缶3の滑りを防止できる。
【0033】
また、図2、図5、図7乃至図9の実施形態においては、上記2つの外側の滑り止め材5に加え、上記仮想円4の両外側の滑り止め材5間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けた例である。
【0034】
また、図2、図8、図9に示す実施形態においては、更に、上記2つの外側の滑り止め材5、2つの内側の滑り止め材7、中間の滑り止め材6に加え、仮想円4の外側の滑り止め材5と内側の滑り止め材7との間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けた例である。
【0035】
外側の滑り止め材5は、パレット1外周まで形成することによって、ドラム缶3の滑りに対してパレット1から飛び出すまで利いている。また、必要な箇所に形成することによって、高価なエラストマーの使用量がすくないことや滑りの原因になる雨水が溜まることもない。
【0036】
上記各滑り止め材としては、仮想円4の中心を通る径方向に長くなった帯状のものにのみ限定されず、図10のように仮想円4のデッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置を通る接線と平行な方向に長くなった巾広形状、あるいは、図11のように丸形状、あるいは図12のように外側が広くなった略扇形状のもの等を採用することができる。
【0037】
上記エラストマーのような軟質合成樹脂、ゴム等よりなる滑り止め材はパレット1を硬質合成樹脂により形成する際に軟質合成樹脂により滑り止め材の部分を同時に形成するいわゆる2色成形により形成したり、あるいは、パレット1のデッキ部2に後付けでグロメットや帯ゴムを取着することで滑り止め材を形成したりするものである。少ない箇所の滑り止め材でドラム缶3を支えると、ドラム缶3の環状リブ3aが滑り止め材に沈み込む量が深くなり、滑り始めるときの抵抗に繋がる。
【0038】
滑り止め材はデッキ部2の表面より少し上方に突出するように設けたり、あるいはデッキ部2の表面と面一となるように設けたりする。
【0039】
上記のような構成のデッキ部2に滑り止め材を設けたパレット1上にドラム缶3を載置するには、図3のようにデッキ部2の表面部に4つのドラム缶3を載置するものである。すなち、デッキ部2の表面部を平面視で前後方向、左右方向にそれぞれ2等分することで4つに区画される各区画2aにそれぞれ1つずつ合計4個ドラム缶3を載置する。
【0040】
各区画2aにドラム缶3を載置するには、各区画2aに設けた複数の滑り止め材を目印にして、該滑り止め材上にドラム缶3の下端の環状リブ3aが載るように載置する。つまり、滑り止め材は既に述べたように各区画2aの略中心を中心としドラム缶3の半径と同じ半径の仮想円4上に位置しているので、各区画2aに設けた複数の滑り止め材を目印としてこの上に環状リブ3aが載るように載置すると、当該区画2aのドラム缶3を載置すべき所定の位置にドラム缶3を載置することが可能となる。しかも、このように所定の位置にドラム缶3を載置するとドラム缶3の環状リブ3aが必ず滑り止め材上に載置されて確実に滑り止めがなされる。また、滑り止め材は仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びているので、載置作業時に多少の載置位置の誤差があってもドラム缶3の環状リブ3aが滑り止め材上に載置されて滑り止めがなされる。
【0041】
本発明における滑り止め材によるドラム缶3の止め効果は、パレット1を移動していない場合にドラム缶3に外力が作用した際の滑り止め効果、パレット1をフォークリフトで移動している場合や自動倉庫の搬送路で移動している場合におけるドラム缶3の滑り止め効果があるが、本発明においては特に、ドラム缶3を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、ドラム缶3が慣性により進行方向に前傾姿勢となって滑るのを抑制する効果が優れている。
【0042】
すなわち、ドラム缶3を載せたパレット1が、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、ドラム缶3には進行方向に慣性力が作用する。慣性力が作用するとドラム缶3は重量が重く、背が高くて重心が高い位置にあるので、図13のAのように垂直に起立していたドラム缶3に進行方向の慣性力が作用すると進行方向に対して反対側が浮き、ドラム缶3の下面の環状リブ3aの進行方向の前端部のみが接地したのみの前傾姿勢で図13のBのように進行方向である矢印イ方向に滑ろうとする。
【0043】
この場合、本発明においては、仮想円4の、デッキ部2の隅部を介して隣り合う区画2aの二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びるように2つの外側の滑り止め材5を設けてあるので、パレット1の進行方向の前側に位置する区画2aに載置したドラム缶3は、進行方向に対して前傾姿勢となって環状リブ3aの進行方向の前端部の接地する部分が必ず上記2つの外側の滑り止め材5のいずれか一方(つまり進行方向に位置する外側の滑り止め材5)上に載置され且つ環状リブ3aの進行方向と反対側が浮いて傾いた前傾姿勢で滑ろうとする。
【0044】
このため、ドラム缶3が進行方向に前傾した姿勢で外側の滑り止め材5上を外側の滑り止め材5によりブレーキをかけながら図13のCのように少し進んで停止し、このようにブレーキをかけながら少し進んで停止すると、前傾姿勢で停止したドラム缶3は停止位置で重力の作用により進行方向に対して反対側の浮いた部分が設置して図13のDのように垂直姿勢に戻る(図14の実線状態から想像線の状態まで進行方向に移動して停止する)。
【0045】
このようにして前傾姿勢のドラム缶3が環状リブ3aの進行方向の前端部のみを外側の滑り止め材5上に載置した状態で、外側の滑り止め材5によりブレーキをかけながら少し進んで停止するので、前傾姿勢のドラム缶3の慣性力を効果的に吸収して、デッキ部2からドラム缶3が滑り落ちるのを防止すると共にドラム缶3が転倒するのを防止することができる。
【0046】
また、パレット1の進行方向が90°変更されて上記のように移動を停止した場合は、上記2つの外側の滑り止め材5のうちの他方の滑り止め材5が上記と同様の滑り止め作用を行う。
【0047】
ここで、ドラム缶3を載せたパレットが、フォークリフトの停止や自動倉庫のストッパーにより移動を停止した際、上記のよう慣性により進行方向に前傾姿勢となったドラム缶3の下面の環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5上をブレーキをかけながら少し滑って停止するのであるが、この場合、ドラム缶3が慣性力により上記のように進行方向に前傾姿勢で移動する際ドラム缶3が進行方向と交差する方向に振れることがあるが、図2、図5、図7乃至図12の実施形態のように、仮想円4の両外側の滑り止め材5間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けたものにおいては、上記のようにドラム缶3が進行方向と交差する方向に振れて、環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5に対して浮いても、環状リブ3aの他の部分が直ぐに中間の滑り止め材6上に載って振れを抑制して再び環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5に載るように復元して進行方向にブレーキをかけることになり、この結果、ドラム缶3が振れても確実に滑り止めができる。また、パレット1の外側に放り出されることがない。
【0048】
この場合、図2、図8、図9のように、仮想円4の外側の滑り止め材5と内側の滑り止め材7との間に仮想円4を跨いで仮想円4の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材6を設けたものにおいては、慣性力により上記ドラム缶3の環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5上をブレーキをかけながら少し進む際に、進行方向と交差する方向に触れる場合、当該環状リブ3aの進行方向の前端部が載置される外側の滑り止め材5を中心にして一方側への振れに対しては上記のように当該外側の滑り止め材5と他の外側の滑り止め材5との間の中間の滑り止め材6が振れを抑制する働きをし、他方側への振れに対しては当該外側の滑り止め材5と内側の滑り止め材7との間の中間の滑り止め材6が振れを抑制する働きをし、触れが生じても、より確実に再び環状リブ3aの進行方向の前端部が外側の滑り止め材5に載るように復元して進行方向にブレーキをかけることになり、この結果、ドラム缶3が振れても確実に滑り止めができる。
【0049】
ここで、両外側の滑り止め材5の中間に位置する中間の滑り止め材6及び外側の滑り止め材5と内側の滑り止め材7の中間に位置する中間の滑り止め材6の仮想円4よりも外側の部分を、外側の滑り止め材5の仮想円よりも外側の部分より長く形成してあり、これにより、仮に、ドラム缶3がパレット1からはみ出しても中間の滑り止め材6により滑り止め効果がある。
【0050】
また、図2、図6乃至図9のように仮想円4上に仮想円4の中心Oを中心とした十字方向に両外側の滑り止め材5と、両内側の滑り止め材6を設けたものにおいては、ドラム缶3の下面の環状リブ3aをより正確な位置に載置し、より安定して滑り止め効果がある。
【0051】
また、複数の滑り止め材を一体に連続する構成としてもよい。この場合の一実施形態が図2に示してある。このように、各滑り止め材が一体に連続した構成とするものにおいては、デッキ部2に複数の滑り止め材を形成する際に2色成形により簡単に複数の滑り止め材を形成できる。また、複数の滑り止め材が個別に剥離するのを防止できる。
【0052】
図2にはデッキ部2の全区画2aに設ける複数の滑り止め材の全部を一体に連続する構成としたが、各区画2a毎に複数の滑り止め材を一体に連続する構成してもよい。
【0053】
また、外側の滑り止め材5の1つと中間の滑り止め材6を組み合わせて一体にしたり、あるいは両外側の滑り止め材6と中間の滑り止め材6を組み合わせて一体にしたり、あるいは中間の滑り止め材6と外側の滑り止め材7とを組み合わせて一体にしたり、というように複数種類の滑り止め材を組み合わせて一体にしてもよい。一体の方法は、直線で連結することや曲線で連結してもよく、特に曲線で連結するとドラム缶3の置く位置が明確となる。
【0054】
図10には曲線となった連結部分により複数の滑り止め材を連結した一例を示している。この実施形態では、隣接する滑り止め材を対として曲線状となった弧状連結部30により連結した例であり、更に、この例では、隣合う区画2aの背中合わせになった内側の滑り止め材7同士も一体に連結してある。そして、各区画2aにおいて4つの弧状連結部30は区画2aの中心0を中心とする円上に位置している。
【0055】
また、図示を省略しているが、デッキ部2の上面部にデッキ部2の前後方向に複数の帯状の滑り止め材を前後方向の全長に設けると共にデッキ部2の左右方向に複数の帯状の滑り止め材を前後方向の全長に設けることで、外側の滑り止め材5、中間の滑り止め材6、内側の滑り止め材7を形成するようにしてもよい。
【0056】
また、滑り止め材がデッキ部2の表面よりも突出しているものにおいては、ドラム缶3の環状リブ3aの一部がデッキ部2から突出した各滑り止め材に食い込むようにして載置されることになり、より滑り止め効果を発揮できるものである。
【0057】
ここで、図4のように滑り止め材として、2つの外側の滑り止め材5のみを設けた場合、あるいは、図5、図11、図12のように2つの外側の滑り止め材5と両滑り止め材6間に中間の滑り止め材6を設けたものにおいて各滑り止め材をデッキ部2の表面よりも突出した構成とすると、デッキ部2の各区画2aの上記滑り止め材にドラム缶3の環状リブ3aの一部を載せると、環状リブ3aの両外側の滑り止め材5間に対応する部分と反対側の部分がデッキ部2上に載置され、これによりドラム缶3がデッキ部2の略中央部側に向けてごく僅かに傾斜した姿勢で載置されることになる。このように、ドラム缶3をデッキ部2の略中央部側に向けてごく僅かに傾斜した姿勢で載置すると、ドラム缶3が外側に滑り難く、また、パレット1を停止した際にドラム缶3に進行方向の慣性力が作用しても進行方向に前傾しにくくなり、進行方向と反対側の浮き高さも小さくでき、よりいっそう、ドラム缶3がデッキ部2から滑り落ちたり、転倒したりするのを防止することができる。
【0058】
本発明のパレット1は上記のようにドラム缶3を載置することで上記のような作用、効果を有しているが、ドラム缶3以外の他の種々の載置物も載置するのに使用することができるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明のパレットの一実施形態の斜視図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】同上のドラム缶を載置した状態の斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態の平面図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態の平面図である。
【図13】本発明のドラム缶を載置したパレットの進行を停止した際にドラム缶が慣性により前傾姿勢で滑ろうとする際に外側の滑り止め材によりブレーキをかけながら少し進んで停止することを説明する説明図である。
【図14】同上の平面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 パレット
2 デッキ部
2a 区画
3 ドラム缶
3a 環状リブ
4 仮想円
5 外側の滑り止め材
6 中間の滑り止め材
7 内側の滑り止め材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットのデッキ部の表面部を平面視で前後方向、左右方向にそれぞれ2等分することで4つに区画される各区画に、各区画の略中心を中心としドラム缶の半径と同じ半径の仮想円を描き、上記仮想円の、デッキ部の隅部を介して隣り合う区画の二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる外側の滑り止め材を設けて成ることを特徴とするパレット。
【請求項2】
上記仮想円の両外側の滑り止め材間に仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のパレット。
【請求項3】
上記両外側の滑り止め材と対向する仮想円位置に仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる内側の滑り止め材を設けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパレット。
【請求項4】
仮想円の一対の外側の滑り止め材と一対の内側の滑り止め材との間に仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材を設けて成ることを特徴とする請求項3記載のパレット。
【請求項5】
各滑り止め材が一体に連続していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパレット。
【請求項6】
外側の滑り止め材の仮想円を跨いだ仮想円の外側よりも、中間の滑り止め材の仮想円を跨いだ仮想円の外側の方が長いことを特徴とする請求項2又は請求項4記載のパレット。
【請求項1】
パレットのデッキ部の表面部を平面視で前後方向、左右方向にそれぞれ2等分することで4つに区画される各区画に、各区画の略中心を中心としドラム缶の半径と同じ半径の仮想円を描き、上記仮想円の、デッキ部の隅部を介して隣り合う区画の二辺のそれぞれの略1/2の位置と対応する位置にそれぞれ仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる外側の滑り止め材を設けて成ることを特徴とするパレット。
【請求項2】
上記仮想円の両外側の滑り止め材間に仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のパレット。
【請求項3】
上記両外側の滑り止め材と対向する仮想円位置に仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる内側の滑り止め材を設けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパレット。
【請求項4】
仮想円の一対の外側の滑り止め材と一対の内側の滑り止め材との間に仮想円を跨いで仮想円の内側と外側とに延びる中間の滑り止め材を設けて成ることを特徴とする請求項3記載のパレット。
【請求項5】
各滑り止め材が一体に連続していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパレット。
【請求項6】
外側の滑り止め材の仮想円を跨いだ仮想円の外側よりも、中間の滑り止め材の仮想円を跨いだ仮想円の外側の方が長いことを特徴とする請求項2又は請求項4記載のパレット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−196663(P2009−196663A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38984(P2008−38984)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
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