説明

パーソナルケア機器

筐体を有するパーソナルケア機器101が示される。該筐体は縦軸108を持ち、第1の端部102及び第2の端部105を備える。第1の端部102は、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置104を持つ第1の端103を持つ。第2の端部105は、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置107を持つ第2の端106を備える。これら端部102、105は縦軸108に従って配置され、端103、106は異なる向き114、115を指すように構成される。第1の端部102と第2の端部105とは、互いに対して縦軸108に略対応する回転軸のまわりに回転可能である。該パーソナルケア機器は、ユーザが、利用していない装置が該ユーザの肌又は毛と意図せず干渉してしまうことを容易に防ぐことを可能とする。該パーソナルケア機器は非常にユーザフレンドリである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
縦軸を持ち第1の端部及び第2の端部を備えた筐体を有するパーソナルケア機器であって、前記第1の端部は、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置を持つ第1の端を備え、前記第2の端部は、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置を持つ第2の端を備え、前記端部は、前記縦軸に従って配置され、前記端は、異なる向きを指すように構成された、パーソナルケア機器。
【背景技術】
【0002】
複数の機能を持つパーソナルケア機器は、本分野において知られている。例えば、米国特許出願公開US2007/0006463A1は、ハンドル及び該ハンドルの別個の端部に配置されたトリミングツールとかみそりカートリッジとの両方を持つ、一体化されたシェービング及び高精度トリミング手段を開示している。米国特許出願公開US2007/0006463の装置のトリマ手段は、使用されていないときには、該手段のハンドルに収納される。トリマ手段を該ハンドルに収納することは、かみそりカートリッジを使用しているときに、ユーザが該収納されたトリマ手段により該ユーザを傷つけ得なくし、又は該収納されたトリマ手段によって短くされるべきでない毛を不注意に短くし得なくするため、本文献においては望ましいものとみなされている。かみそりカートリッジが使用されるシェービング動作の間、そのときにはハンドルに収納されているトリミングツールの使用に切り換えたいと欲するユーザは、当該収納されているトリミングツールを引き出すために様々な動作を行う必要がある。これらの様々な動作は、毛を短くする動作を中断させ、面倒で不快なものとなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、パーソナルケア機器であって、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置と、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置と、を持ち、いずれの装置もが直接の使用のためにユーザに利用可能であり、前記機器が、前記装置の一方を能動的に使用しているときに、ユーザが、前記装置の他方とのユーザの肌及び/又は毛との意図しない干渉を容易に防ぐことを可能とするパーソナルケア機器を提供することにある。特に、本発明の目的は、ユーザフレンドリなパーソナルケア機器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、請求項1に記載のパーソナルケア機器により達成される。特に、本発明によるパーソナルケア機器は、筐体の縦軸に略対応する回転軸を持ち、該回転軸のまわりに、第1の端部及び第2の端部が互いに対して回転する。該回転軸は、該縦軸に一致しても良いし、又は該縦軸に平行又は略平行に延在するものであっても良い。
【0005】
パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置は、該パーソナルケア機器の第1の端部の第1の端に配置され、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置は、該パーソナルケア機器の第2の端部の第2の端に配置される。パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された装置は、毛を切る機能及びスキンケア機能のいずれか又は両方を持っても良い。本明細書においては、毛を切る機能とは、毛の有効長を減少させる全ての機能を包含する。当該機能は、シェービング、カッティング、トリミング、クリッピング等のみならず、例えば脱毛又は光の照射による毛の完全な除去をも含む。毛を短くすることは、身体のいずれの部分で実行されても良い。毛を短くする機能を実行するために具備された手段は、特に身体の特定部分に適用されるように構成されても良いし、又は身体のいずれかの毛の多い部分に対する使用のためのものであっても良い。スキンケア機能は例えば、肌の冷却、例えば肌の特性を改善するための添加物の投与、又はシェービング用石鹸又は泡等の投与を含み得る。例えば超音波、イオン導入、ジェットインジェクション、マイクロニードル、熱若しくはマッサージ等による化粧品利用、又は光、高周波、微細皮膚剥離、プラズマ若しくはマイクロ電流等による肌の若返り、更には熱若しくは光によるにきび処置を目的とする他の機能も可能である。これらスキンケア機能は合わせて肌支援機能と呼ぶ。ユーザが毛を短くしたいと欲する場所は、頭、足、胸、腋下及び陰部を含む身体全体を含み得る。ユーザは、該ユーザ自身又は他の誰かの毛を短くしたいと欲し得る。同様に、ユーザは、該ユーザ自身又は他の誰かに対してスキンケアを適用したいと欲し得る。実際的な理由により、議論はユーザが自身の身体に対してパーソナルケアを適用する場合に限定する。しかしながら、このことは範囲の限定と解釈されるべきではない。1つの機器に統合された、利用可能な種々のパーソナルケア機能を提供する、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された複数の装置をユーザが持つことは、非常に便利である。斯かる機器を利用する間、前記装置間の切り換えが、それぞれ所望の機能の1つのみを提供する別個の機器の間で切り換える必要なく、実行されることができる。ユーザが対処したと欲する身体の全ての領域が到達可能であるわけではない。このことは、毛が短くされるべき身体の領域に到達するため、ユーザが自身の腕、手首若しくは腕又はこれらの組み合わせを操作することを必要とする。このことは時々、パーソナルケア機器がユーザの動きの自由度を制限する、複雑な動きをもたらす。前記装置の一方を用いる間に、第2の装置によって(この場合には利用されるべきではない装置)ユーザが自身を引っ掻く、叩く又はさもなければ不快感を与えることを防ぐため、又は短くされるべきではない毛を意図せず短くしてしまうことを防ぐため、又はより一般的には当該第2の装置による意図しない干渉を防ぐため、ユーザは、毛を短くすることに関連する機能を実行するように構成された第1の装置を持つ第1の端を備えた第1の端部と、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置を持つ第2の端を備えた第2の端部とを、該機器の縦軸に略対応する軸に沿って互いに対して回転させることができる。該第1の端及び第2の端は異なる方向を指すように構成されるため、該機器の縦軸に略対応する軸のまわりに該第1の端部及び第2の端部を互いに対して回転させることは、該第1の端及び第2の端の相対的な向きの変化に帰着する。該第1の端及び第2の端の相対的な向きが変化すると、これら端を備えた第1及び第2の装置の相対的な向き(相対方向としても理解され得る)もまた、当該回転によって変化する。ユーザは斯くして、パーソナルケア機器を容易に適合させて、短くされるべきではない毛を意図せずに短くしてしまうことを防ぎ、また他方の装置(この場合には利用されていない装置)により切られ、引っ掻かれ又はさもなければ不快感を与えられること、又はより一般的には当該他方の装置との意図しない干渉を防ぐことができる。また、閉位置又は閉塞位置から装置を取り外すために動作が必要とされない。なぜなら、双方の装置は永続的にユーザに利用可能であり、毛を短くする動作を効率的にする。これらの要因の全てが、本発明のパーソナルケア機器をユーザフレンドリなものとすることに寄与する。
【0006】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置と、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置とが、毛を短くする手段を有する。
【0007】
このことは、機器を変更するための中断なく、毛を短くする異なる機能が実行されることを必要とする毛を短くする動作を、ユーザが実行することを可能とする。斯かる多機能の毛を短くする動作は例えば、シェービング及びひげのトリミングの両方、又は細部トリミング及び全体トリミングの両方を含んでも良い。他の組み合わせも可能である。毛を短くする動作の間、機器間の変更を必要としないことは、非常にユーザフレンドリである。
【0008】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第1の装置及びパーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第2の装置の一方が、毛を短くする手段を有し、これら装置のうちの他方が、スキンケア手段を有する。実際的な実施例においては、該スキンケア手段の機能は、該機器を備えた毛を短くする手段に関連する。斯かる関連する機能の例は、脱毛、冷却、かみそり刃によるシェービング、及びシェービング用石鹸、泡又はジェル等の供給、更にはシェービング及びシェービング後のケア用のローションの供給である。毛を短くする手段とスキンケア手段との組み合わせは、毛を短くする機能と、該毛を短くする機能の起こり得る負の副作用を防ぐ、制限する又は回復させる機能との間で、ユーザが迅速に切り換えることを可能とする。このことは特にユーザフレンドリである。
【0009】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、前記第1の端部及び前記第2の端部は、互いに対して360度の角度に亘って回転可能である。該特徴は、ユーザが、該第1の端及び該第2の端のとり得るいずれの相対的な向きをも選択し、毛を短くする動作のために最も適切なほうが実行されることを選択することを可能とする。このことは特にユーザフレンドリである。
【0010】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、前記第1の端部及び前記第2の端部は、互いに対して180度の角度に亘って回転可能である。斯かる回転は、ユーザが、前記装置の他方からの意図しない干渉がない位置を選択することを可能とし、同時に、設計及び製造コストが制限され得る。なぜなら、このことは360度全部の回転自由度よりも、構造的に複雑でない方法しか必要としないからである。
【0011】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、前記第1の端部及び前記第2の端部は、互いに対して連続的に、即ち無段で、回転可能である。本実施例においてはユーザは、該パーソナルケア機器の設計により許容される回転内で利用可能な、第1の毛を短くする手段及び第2の毛を短くする手段のいずれのとり得る向きをも適宜選択するための最高の自由度を持つ。既に言及したように、許容される回転は例えば360度又は180度であっても良いが、他の許容回転角も可能である。該パーソナルケア機器の前記第1の端及び第2の端、及び従って前記第1の装置及び第2の装置は、該許容回転角に亘って、互いに対していずれのとり得る位置にも配置されることができる。斯かる実施例は非常にユーザフレンドリである。
【0012】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、前記第1の端部及び前記第2の端部は、互いに対して段階的に回転可能である。これにより、指定された数の解放可能にロックされた動作位置が利用可能であるように該回転がインデクシングされるという意味で、該回転が制御される。このことは、ユーザが、前記第1の端部及び第2の端部を互いに対して固定することを可能とする。ロックされたときには、前記第1の端部及び第2の端部は、互いに対して動くことができない。ユーザが例えば、前記第1の端部の第1の端に配置された第1の装置を利用しながら、該機器を前記第2の端部において保持した場合であっても、該第2の端部に対する該第1の端部の望ましくない移動は生じ得ない。このことは、ユーザの負傷を引き起こし得る該パーソナルケア機器の予期しない挙動を防ぎ、及び/又は短くされるべきではない毛を不本意に短くしてしまうこと、及び/又は所望するよりも小さい度合いでしか毛が短くされないことを防ぐ。
【0013】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、前記第1の端部及び前記第2の端部の少なくとも一方は戻り止めを持ち、前記第1の端部及び前記第2の端部の少なくとも他方は、前記第1の端部及び前記第2の端部を互いに対してロックするための切り欠きを持つ。戻り止め及び切り欠きの構造は、段階的な回転又は解放可能なロックシステムを所望する場合には、特に設計及び製造が容易である。
【0014】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、前記筐体は曲線の縦軸を持つ。実験は、曲線形状が該パーソナルケア機器の人間工学を改善することを示している。曲線の縦軸の場合、回転軸はおおよそ該曲線の縦軸に平行に延在し、該縦軸に接触し得るか、該縦軸と交差し得るか、又は該縦軸から幾分かの距離をおいて延在し得る。
【0015】
本発明によるパーソナルケア機器の好適な実施例においては、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第1の装置が第1の毛を短くする手段を有し、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第2の装置が第2の毛を短くする手段を有し、前記第1の毛を短くする手段及び前記第2の毛を短くする手段が、異なる毛を短くする機能を持つ。毛を短くする機能は例えば、トリミング、シェービング、又は脱毛であっても良い。斯かる実施例は、ユーザが2つの異なる機器を購入、格納、輸送等する必要なく、種々の異なる機能を1つの機器に組み合わせるため、特にユーザフレンドリである。またユーザは、例えばトリミングからシェービングへと、毛を短くする機能間で切り換える必要があるときに、毛を短くする機能を継続するために電気コードを用いて電源供給される必要のある又はバッテリを充電される必要がある第2の機器を探す必要がなく、該機器のユーザフレンドリさを体験することとなる。
【0016】
本発明によるパーソナルケア機器の実際的な実施例においては、前記第1及び第2の毛を短くする手段は、例えば幅広の小型のトリマを持つことにより、同一の毛を短くする機能の異なる実装を持つ。
【0017】
請求項を参照すると、本発明はまた、種々の請求項において定義された特徴及び/又は手段の全てのとり得る組み合わせにも関することに留意されたい。
【0018】
国際特許出願公開WO2006/007874A1は、頬及び脚のシェービングのような標準的な目的と陰部又は口ひげのトリミングのような特殊な目的との両方のための異なるサイズを持つ2つのシェービングヘッドを持つ、多関節式かみそりを開示していることに留意されたい。第1のシェービングヘッドは、該かみそりのハンドルの前端に装着され、第2のシェービングヘッドは、該ハンドルの後部に装着された支持部に装着され、該支持部は、該ハンドルの軸に垂直な軸のまわりに該ハンドルに対して回転可能である。該第2のシェービングヘッドの該支持部を回転させることにより、該シェービングヘッドは、該シェービングヘッドが後端から外向きに突出する開位置と、該シェービングヘッドが該ハンドルに引き込まれ格納される閉位置とのいずれかの位置に動かされ得る。該第1のシェービングヘッドを用いるシェービング動作の間、該第2のシェービングヘッドを用いることを欲するユーザは、該第2のシェービングヘッドを閉位置から引き出すために種々の動作を行う必要があり、このことはシェービング動作を中断させ、面倒で不快なものとなり得る。
【0019】
更に、国際特許出願公開WO2007/092291A1は、第1の端において電動トリマが装着され且つ第2の端においてかみそりカートリッジが装着されたハンドルを持つ、シェービング装置を開示していることに留意されたい。該電動トリマの動作の間、該トリマのかみそりカートリッジに対する位置は固定されている。このことは、トリミング動作の間は、ユーザがかみそりの向きを制御できないことを意味する。ユーザが利用されていないシェービング手段により傷付けられてしまうことを防ぐために、保護キャップが備えられている。斯かるキャップは失くし易く、保護されていないシェービング手段によりユーザが引っ掻かれ又はそうでなければ傷付けられてしまうリスク、又は長さを減少させられるべきではない毛を切ってしまうリスクに、ユーザを晒してしまう。このことは、特に人間工学的に複雑なトリミング動作の間に成り立つ。
【0020】
また、欧州特許出願公開EP1938931A2は、回転可能な戻り止め付きヘッドを備えたヘアトリマを開示していることに留意されたい。該トリマは、トリマハンドルの一方の端における刃アセンブリ筐体に収容された単一のヘアトリミング手段を持つ。該刃アセンブリ筐体は、該ハンドルの縦軸に対応する回転軸に沿って該ハンドルに対して回転することができる。当該特許出願による装置は、1つのヘアトリミング手段しか持たない。従って、1つよりも多いヘアトリミング手段を用いる必要のあるユーザは、別個のトリマを使用しなければならず、このことはコストが掛かり、余分な保管場所を必要とし、潜在的に混乱させるものとなる。
【0021】
更に、米国特許US4521962は、細長い筐体の一方の端において、鼻孔で伸びた毛を切るための切断構成を持ち、他方の端において、ヘアトリミング構成を持つ、グルーミング装置を開示していることに留意されたい。米国特許US4521962の装置の筐体のいずれの端も、互いに対して固定されている。
【0022】
更に、米国特許US4980973は、細長い本体の一方の側においてシェーバを持ち、前記本体の他方の側においてクリッパを持つ装置を開示していることに留意されたい。米国特許US4980973の装置の細長い本体の2つの端は、互いに対して固定されている。
【0023】
本発明の詳細な説明は、以下に示される。該説明は、図面を参照しながら読まれるべき限定するものではない例として示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1(A)】第1のスケールによる本発明によるパーソナルケア機器の第1の実施例の第1の模式的な側面図を示す。
【図1(B)】第2のスケールによる本発明によるパーソナルケア機器の第1の実施例の第2の模式的な側面図を示す。
【図1(C)】第3のスケールによる毛を短くする動作の間の該パーソナルケア機器の第1の実施例を示す。
【図2】本発明によるパーソナルケア機器の第2の実施例の模式的な側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
同一の実施例又は実施例の同一の部分を示す図面において、同一の部分に対しては同一の番号が用いられる。
【0026】
図1A、1B及び1Cは、本発明によるパーソナルケア機器の同一の実施例を示す。
パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置104を持つ第1の端103を持つ第1の端部102を持つ、パーソナルケア機器101が示されている。該パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置104は、本実施例においては、網刃シェービング部である。網刃シェービング部は例えば米国特許US4928389より本分野において知られており、これ以上は議論されない。パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置104は、向き115を指している。パーソナルケア機器101は更に、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置107を有する第2の端106を持つ第2の端部105を持つ。該パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置107は、本実施例においては、ヘアトリミング部である。ヘアトリミング部は例えば米国特許US4610085より本分野において知られており、これ以上は議論されない。該パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置は、向き114を指している。他の実施例においては、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置と、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置とが、図1A及び1Bの実施例の機能とは異なる機能を持っても良い。例えば図2に示された実施例のような幾つかの実施例においては、これら装置の一方がいわゆるスキンケア手段であっても良い。本発明によるパーソナルケア機器の他の幾つかの実施例においては、前記装置の両方がいわゆるスキンケア手段であっても良い。図1Aは、第1の端部102及び第2の端部105が互いに対して回転する軸である縦軸108を示している。当該回転は、図1Bにおいて矢印109により示されている。説明の目的のため、第1の端部102と第2の端部105とは、図1Bにおいては取り外されて示されている。動作の間、端部102と端部105とは、図1Aに示されるように取り付けられる。再び図1Bを参照すると、戻り止め110と3つの切り欠き111、112及び113が認識できる。
【0027】
パーソナルケア機器101は、バッテリ、充電池又はコードを利用する電源のような電源手段(図示されていない)により電源供給されても良い、例えば電動モータ(図示されていない)のような、駆動手段を備える。該駆動手段は、前記第1及び第2の装置を駆動するように機能する。該駆動手段は、スイッチ(図示されていない)を用いて制御されることができる。該スイッチは、単純なオン/オフスイッチであっても良いし、又は他の実施例においては、例えば前記装置の一方若しくは両方に対して供給される電力量を制御することが可能な、より複雑なスイッチが備えられても良い。他の実施例においては、前記装置の一方又は両方が、電源供給される必要がなくても良い。いずれの装置も電源を必要としない実施例においては、駆動手段、電源手段及びスイッチが存在しなくても良い。
【0028】
ユーザは、パーソナルケア機器101の人間工学を最適化して、目下のシェービング動作の必要性に合致させるために、縦軸108のまわりに、第1の端部102及び第2の端部105を互いに対して回転させることができる。2つの端部102及び105を回転させることは、2つの装置104及び107の相対的な向きにも影響を及ぼす。このことは、図1Aにおける相対的な方向114及び115と図1Bにおける相対的な方向114'及び115'を比較することによって分かる。2つの装置の相対的な向きが変化すると、ユーザは、短くされるべきではない毛を不用意に短くしてしまうこと、及び使用されていない装置によって切られ、引っ掻かれ又はそうでなければ不快感を与えられることを防ぐように、パーソナルケア機器101を容易に適合させる機会を持つ。このことは図1Cに示されており、図1Cは、第2の装置107を利用するユーザ116の腋下の毛を短くするために利用されているパーソナルケア機器101を示している。図1Cは、2つの端部102及び105の2つの相対的な向き、即ち、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置104がユーザ116に触れている向きAと、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置104がユーザ116に触れていない向きBとを示している。明確さのため、パーソナルケア機器101を持つユーザの手は図1Cには示されていない。
【0029】
ここで特に図1Bを参照すると、戻り止め110と3つの切り欠き111、112及び113が示されている。図1Bに示された相対的な方向においては、戻り止め110は切り欠き112と相互作用し、解放可能なロック構造を形成する。第1及び第2の端部102及び105が回転させられると、戻り止め110は例えば切り欠き111又は113と解放可能にロックされる。他の実施例においては、更に多い切り欠き及び/又は戻り止めが備えられても良いし、又は完全に異なる解放可能なロック構造が備えられても良い。また、特定のロック又は抑止機構のない実施例も実現可能である。斯かる実施例においては、2つの端部は例えば、該2つの端部の回転結合の摩擦により、それぞれの相対的な位置において保持されても良い。
【0030】
図2は、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置がスキンケア手段である、本発明によるパーソナルケア機器の実施例を示す。パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置204を持つ第1の端203を持つ第1の端部202を持つ、パーソナルケア機器201が示されている。該パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置204は、本実施例においては、脱毛部である。脱毛部は例えば米国特許US4279253より本分野において知られており、これ以上は議論されない。パーソナルケア機器201は更に、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置207を有する第2の端206を持つ第2の端部205を持つ。該パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置207は、本実施例においては、冷却部である。斯かる冷却部は例えば、いわゆるペルチェ素子を用いて表面を冷却することにより実現されても良い。脱毛器のユーザはしばしば脱毛の間に痛みを体感することが、本分野において知られている。当該痛みに対する一般的な回復方法は、脱毛の後に、例えば角氷の形をとる氷を当てることである。脱毛器と冷却部とを機器に併せ持たせることは、ユーザの痛む肌を回復させることを開始するためには、ユーザが一方の側即ち第1の端203から、他方の端即ち第2の端206へと切り換えるだけで良いので、非常にユーザフレンドリである。脱毛の後にユーザの肌に冷たさを与えることは快適であり得るが、意図せずに冷たさを与えると殆どユーザにとって不快に感じられる。図1Cに示されるように、第2の端部205に対して第1の端部202を回転させることにより、冷却部とユーザの肌との望ましくない接触が防止され得る。
【0031】
本発明は図面及び以上の記述において説明され記載されたが、斯かる説明及び記載は説明するもの又は例示的なものであって、限定するものではないとみなされるべきである。本発明は開示された実施例に限定されるものではない。本発明によるパーソナルケア機器及びその全ての構成要素は、それ自身が知られた工程及び材料を適用することによって作製されることができることに留意されたい。請求項及び明細書において、「有する(comprising)」なる語は他の要素を除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。請求項において定義された特徴の全てのとり得る組み合わせは本発明の一部であることに、更に留意されたい。
【図1A】

【図1B】

【図1C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸を持ち第1の端部及び第2の端部を備えた筐体を有するパーソナルケア機器であって、
前記第1の端部は、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第1の装置を持つ第1の端を備え、前記第2の端部は、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された第2の装置を持つ第2の端を備え、前記端部は、前記縦軸に従って配置され、前記端は、異なる向きを指すように構成され、
前記第1の端部と前記第2の端部とは、前記第1の端及び前記第2の端の相対的な向きを変化させるように、互いに対して回転軸のまわりに回転可能であり、前記回転軸は、前記縦軸に略対応する、パーソナルケア機器。
【請求項2】
パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第1の装置と、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第2の装置とが、毛を短くする手段を有することを特徴とする、請求項1に記載のパーソナルケア機器。
【請求項3】
パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第1の装置及びパーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第2の装置のうちの一方が、毛を短くする手段を有し、前記装置のうちの他方が、スキンケア手段を有することを特徴とする、請求項1に記載のパーソナルケア機器。
【請求項4】
前記第1の端部と前記第2の端部とは、互いに対して360度の角度に亘って前記回転軸のまわりに回転可能であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパーソナルケア機器。
【請求項5】
前記第1の端部と前記第2の端部とは、互いに対して180度の角度に亘って前記回転軸のまわりに回転可能であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパーソナルケア機器。
【請求項6】
前記第1の端部と前記第2の端部とは、互いに対して連続的に回転可能であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパーソナルケア機器。
【請求項7】
前記第1の端部と前記第2の端部とは、互いに対して段階的に回転可能であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のパーソナルケア機器。
【請求項8】
前記第1の端部及び前記第2の端部の少なくとも一方は戻り止めを持ち、前記第1の端部及び前記第2の端部の少なくとも他方は、前記第1の端部及び前記第2の端部を互いに対してロックするための切り欠きを持つことを特徴とする、請求項7に記載のパーソナルケア機器。
【請求項9】
前記筐体は曲線の縦軸を持つことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のパーソナルケア機器。
【請求項10】
パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第1の装置と、パーソナルケアに関連する機能を実行するように構成された前記第2の装置とが、異なる毛を短くする手段を持つことを特徴とする、請求項2又は4乃至9のいずれか一項に記載のパーソナルケア機器。

【図2】
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【公表番号】特表2012−531939(P2012−531939A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516954(P2012−516954)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052898
【国際公開番号】WO2011/001345
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】