説明

パーソナルケア用のハンドヘルド型装置のための流体貯留槽

シェービング装置のようなハンドヘルド型装置のための、流体を貯留するための流体貯留槽1。該ハンドヘルド型装置は、カートリッジ又は組み込まれた流体貯留槽のような、交換可能な流体貯留槽を持っても良い。該流体貯留槽は、筺体2及び柔軟な膜3を有する。該柔軟な膜は、該筺体における可変貯留容積2aを区切る。該貯留容積は、該膜の変形により変化させられ得る。該可変貯留容積は、排出ポート5を持つ。本発明による流体貯留槽は更に、該貯留容積中の流体を加圧するために、該膜に力をかける強制部材4を有する。該強制部材は、該貯留容積の一部を受容するための凹部を持つ。該膜は、圧縮ストロークの間、該強制部材の凹部に受容されても良い。これにより、該凹部により定義される容積が、該流体のための貯留容積の一部となるよう効果的に利用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア用のハンドヘルド型装置のための流体貯留槽に関する。該流体貯留槽は、流体を貯留するように構成される。該流体は、例えばシェービング工程のような、該ハンドヘルド型装置に対応する工程を拡張する、洗浄剤、潤滑材等のようなスキンケア用添加物であっても良い。該パーソナルケア用のハンドヘルド型装置は、例えばシェービング装置、トリマ、マッサージ器具又は歯ブラシであっても良い。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願公開WO2005/056250よりシェービング装置が知られている。該シェービング装置は、1つ以上のかみそり刃を持つかみそりカートリッジ、筺体、柔軟な袋状部、内部空洞を持つ持ち手、及びアクチュエータを含む。該筺体は、該かみそりカートリッジに隣接し、1つ以上のポートを含む、外面を含む。該筺体は、該柔軟な袋状部の開放端に装着され、このとき1つ以上の該ポートが、該柔軟な袋状部の内容と流体連結するようにされる。該柔軟な袋状部は、流動性のシェービーングエイド物質を貯留し、該持ち手における内部空洞内に配置される。該柔軟な袋状部は、該持ち手における内部空洞の形状に相補的な形状を持つ。該アクチュエータは、該柔軟な袋状部をつぶすように動作可能であり、それにより該流動性のシェービーングエイド物質を、該柔軟な袋状部から該1つ以上のポートへと押し流す。該流動性のシェービーングエイド物質が該ポートから出ると、該かみそりカートリッジに隣接する、シェービングされている面へと供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
該既知のシェービング装置の問題点は、流体を供給するためのアセンブリが、該シェービング装置における大きな容量を占有してしまう点である。
【0004】
本発明の目的は、上述した欠点を少なくとも部分的に除去すること及び/又は有用な代替を提供することにある。特に、本発明の目的は、小型の流体貯留槽を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、請求項1に記載の流体貯留槽により達成される。本発明による流体貯留槽は、パーソナルケア用のハンドヘルド型装置のための流体を貯留するのに適している。斯かるパーソナルケア用のハンドヘルド型装置、とりわけハンドヘルド型スキンケア装置は、例えばシェービング装置、使い捨てのかみそり、トリマ、マッサージ器具又は歯ブラシであっても良い。該ハンドヘルド型装置は、カートリッジのような交換可能な流体貯留槽を持っても良いし、又は組み込まれた流体貯留槽を持っても良い。該流体貯留槽は、筺体を有する。該筺体は好適には細長であり、好適には少なくとも部分的に管状の形状を持つ。
【0006】
該流体貯留槽は更に、柔軟な膜を有する。該膜は、該流体貯留槽の使用の間の外力により、伸長、屈曲等により変形することが可能であるという点で柔軟である。該柔軟な膜は、該筺体の内壁に固定されても良い。好適には、該膜は、略円形の断面を持ち、該膜の外側端は、該筺体の円筒形の内壁に固定されても良い。該柔軟な膜は、該筺体における可変の貯留容積を区切る。該貯留容積は、該膜の変形により変化させられても良い。
【0007】
該可変貯留容積は、排出ポートを持つ。該排出ポートは、流体を供給するため、該貯留容積と流体連結している。
【0008】
本発明による流体貯留槽は更に、強制部材を有する。該強制部材は、該貯留容積中の流体を加圧するため、該膜に力を印加する。該強制部材は、ストローク即ち圧縮ストロークにより圧縮可能であっても良い。有利にも、該強制部材は、該貯留容積の一部を受容するための凹部を持つ。該貯留容積中の加圧された流体は該膜に圧力を印加し、該圧力が該膜を変形させ、該膜の一部を該凹部へと押しつける。該膜は、該貯留容積中の流体圧によって該膜が変形するという点で、変形可能である。該柔軟な膜は、圧縮ストロークの間、該強制部材の凹部に受容されても良い。該強制部材における凹部は、凹部深さを持つ。該膜は、該膜が最終的に当該凹部深さに到達するまで該凹部に挿入されても良い。該凹部に最終的に挿入された膜は、該膜上の貯留容積と共に、最大貯留容積を定義し得る。斯くして、該凹部により定義される容積は、流体のための貯留容積の一部となるために効果的に利用され得る。該凹部は、例えば最大貯留容積を少なくとも5%、とりわけ少なくとも10%、好適には少なくとも20%拡大させ得る。該凹部は、該強制部材の全高の少なくとも1/10、とりわけ該強制部材の全高の少なくとも1/5、更にはとりわけ該強制部材の全高の少なくとも1/2である凹部深さを持っても良い。有利にも、該流体貯留槽の構成は非常に小型にされることができ、該流体貯留槽のハンドヘルド型装置への空間効率的な一体化を可能とする。別の視点からみると、本発明による流体貯留槽は、先行技術の流体貯留槽に比べて、より多くの流体が貯留されることを可能とする。
【0009】
本発明による流体貯留槽の一実施例においては、該強制部材は、例えば電子アクチュエータ又は空気式アクチュエータのようなアクチュエータであっても良い。該アクチュエータは、スピンドル駆動されても良い。該アクチュエータは、テレスコピック型のアクチュエータであっても良い。有利にも、該アクチュエータは、該膜に対して略一定の力を掛けても良い。有利にも、該圧力は、流体が略一定の圧力の下で供給されるように制御されても良く、このことは該貯留容積における残りの流体とは独立した流体の一定の体積流量に帰着し得る。該アクチュエータは、所望の体積流量で貯留容積から流体を供給するために十分な力を得るために正確に制御されても良い。
【0010】
本発明による流体貯留槽の一実施例においては、該強制部材は付勢部材である。小型の構成に加え、更なる利点が得られる。貯留容積が空にされる場合、該膜は有利にも、該貯留容積中の流体に、より一定の圧力を掛け得る。該膜は強制部材の凹部に少なくとも部分的に移動可能であるため、該強制部材の全体の圧力ストロークを減少させることが可能となり得る。より小さな圧力ストロークは、該付勢部材のプレテンションをあまり減少させない。このため有利にも、貯留容積における圧力は、圧縮ストロークの間、より一定のままとなる。この利点は、添付図面により更に明らかとなるであろう。
【0011】
本発明による流体貯留槽の一実施例においては、該付勢部材はコイルばねであっても良い。該コイルばねは、鋼材でできたものであっても良く、好適にはステンレス鋼でできたものである。該コイルばねは、該付勢部材の凹部を定義する中央の貫通孔を持つ。有利にも、該凹部は該付勢部材の全高と等しい高さを持ち、該貯留容積の最大源の増大を得る。該筺体は細長で円筒形であり、該コイルばねが該筺体の底部領域に嵌合する。該筺体は、支持面として底部を持っても良く、該底部は閉じられることができ、又は該筺体において該コイルばねを支持するための内部環状面を有しても良い。該コイルばねは、内向き及び外向きに移動可能な自由端を持つ。該コイルばねの自由端は、該柔軟な膜によりカバーされても良い。該膜は、該膜上の貯留容積を定義する。アセンブリにおいて、該コイルばねは、第1の極限位置と第2の極限位置とを持つ。該コイルばねは、該第2の位置におけるよりも、該第1の位置におけるほうが、より圧縮され、該第1及び第2の位置はそれぞれ、満たされた流体貯留槽及び空にされた流体貯留槽に対応する。該第1の位置において、該膜の中央部は、該コイルばねの貫通孔を通って、内向きに移動させられる。第2の位置において、該膜の中央部は、該コイルばねの貫通孔を通って、外向きに移動させられる。斯くして、該膜の中央部は、該コイルばねの圧縮ストロークの2倍となり得るストロークに亘って移動することができる。有利にも、より小さな圧縮ストロークはプレテンションにおける小さな変動を持ち、このことはストローク全体に亘って流体のより一定の供給をもたらし得る。
【0012】
好適には、該柔軟な膜は、伸長機構の代わりに略回転機構により、第1の位置から第2の位置へと変形する。その結果、該膜はあまり摩耗に影響されなくなり得る。この利点は、該膜の寿命を延ばす。更に、該膜の回転機構は、比較的低い摩擦を生成し得る。
【0013】
本発明による流体貯留槽の代替実施例においては、該付勢部材は弾性体であっても良い。該弾性体は、ゴムのようなエラストマー物質でできたものであっても良い。該弾性体は、圧縮ストロークによって圧縮可能である。該弾性体は、円筒形であっても良い。該弾性体は、底部領域において該筺体の支持面により支持されても良く、自由端を持っても良い。該弾性体は、該膜の一部を受容するための、自由端における凹部を持つ。
【0014】
本発明による流体貯留槽の一実施例においては、該柔軟な膜は、該筺体の内壁に固定されても良い。該膜は加硫されても良く、又は筺体に接着されても良い。有利にも、該流体貯留槽は、改善された密着性を持ち閉じた系であり、水又は空気が貯留容積に入れないものであっても良い。更に、ピストン型の強制部材と比べて、該内壁に対する該柔軟な膜の固定は、使用の間に生じるいずれの摩擦をも低減し得る。
【0015】
好適には、該膜は円形の断面を持つ。該膜は、該膜を該筺体に接続するための外側端を持っても良い。好適には、該筺体は、該膜を接続するための管状の内壁を持ち、該内壁は略円形の断面を持つ。これにより、該膜の一方の側における貯留容積が該筺体において区切られ、該付勢部材は該膜の反対の側に配置される。該膜は、閉じた上端と開いた底部を持つ円筒形の形状を持っても良い。該円筒形の形状は、僅かな傾斜を持っていても良い。該膜は柔軟であっても良く、これにより閉じた上端が内向き及び外向きに捲り返され、貯留容積を変化させることを可能としても良い。
【0016】
本発明による流体貯留槽の一実施例においては、流体を供給するための排出ポートが、該膜に対向して配置される。該排出ポートは、弁によって閉じることが可能であっても良い。該弁は、手動で又は電気的に駆動されても良い。該弁を操作するために、アクチュエータが備えられても良い。該アクチュエータは、該排出ポートを開閉するためのボタンや、回転式又はスライド式のつまみを有しても良い。有利にも、該膜は、該貯留容積が空にされるときには該排出ポートに向かって動き、このことが比較的低い流れ抵抗をもたらし得る。
【0017】
本発明による流体貯留槽の一実施例においては、該筺体は、流体貯留槽を再充填するための取入ポートを有する。これにより、該流体貯留槽は、より環境に優しい、複数回の使用に適したものとなり得る。該取入ポートは、貯留容積の排出ポートに隣接した、該筺体の外側の外面に配置されても良い。有利にも、該流体貯留槽がハンドヘルド型装置に実装される場合には、該取入ポートは外部から容易にアクセス可能とされても良い。当該構成の結果、充填のため該流体貯留槽を交換することは不要となり得る。
【0018】
本発明による流体貯留槽の一実施例においては、再充填貯留槽を接続するための取入ポートにおいてコネクタ組織が備えられても良い。該コネクタ組織は、再充填貯留槽の簡便な接続を可能とするねじ部分であっても良い。再充填貯留槽を接続するための容易にアクセス可能な位置を得るため、貯留容積及び取入ポートと流体連結した流路が備えられても良い。
【0019】
本発明による流体貯留槽の特定の実施例においては、該流体貯留槽はハンドヘルド型装置の持ち手に一体化されても良い。該持ち手は、手によって例えばシェービング装置のようなハンドヘルド型装置を保持するために構成されたものであっても良い。該持ち手は、該流体貯留槽をカートリッジとして受容するための区画を持っても良い。該流体貯留槽は例えば、シェービング装置のための着脱可能なカートリッジであっても良い。代替としては、該区画は、該持ち手に該流体貯留槽を一体化するための筺体として構成されても良い。該流体貯留槽の筺体は該区画により形成されても良く、このことは有利にも付加的な筺体を必要としない。
【0020】
更に、本発明は、ハンドヘルド型装置、特にスキンケア装置に関する。該ハンドヘルド型装置は、例えば電気シェービング装置、手動使い捨て型かみそり器具、トリマ、マッサージ器具、歯ブラシ等である。該ハンドヘルド型装置は、流体貯留槽を含むか、又は着脱可能な流体貯留槽を受容するように構成される。該流体は液体又はクリームであっても良い。該流体は、該ハンドヘルド型装置の対応する工程を拡張するためのシェービング用潤滑剤、抵抗減少剤、脱毛剤、洗浄剤等を含んでも良い。
【0021】
更に好適な実施例は、従属請求項に定義される。
【0022】
本発明は、添付図面を参照しながら詳細に説明される。これら図面は、本発明による実用的な実施例を示すものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。図示される実施例についてのみならず、添付される請求項の範囲内である全ての実施例について、特定の特徴は図示される実施例から逸脱し得るし、特徴的な機能として広い意味に考慮され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1(A)】貯留槽が充填された本発明による流体貯留槽を断面図で示す。
【図1(B)】貯留槽が半分充填された本発明による流体貯留槽を断面図で示す。
【図1(C)】貯留槽が空にされた本発明による流体貯留槽を断面図で示す。
【図2(A)】図1Aに示された流体貯留槽を斜視断面図で示す。
【図2(B)】図1Bに示された流体貯留槽を斜視断面図で示す。
【図3(A)】本発明によるハンドヘルド型装置としてのかみそりを斜視図で示す。
【図3(B)】かみそりにおける流体貯留槽の実装を断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1A乃至Cは、それぞれ貯留槽が充填された、半分充填された、及び空にされた、本発明による流体貯留槽の断面図を示す。
【0025】
図1Aは、本発明による完全に満たされた流体貯留槽1を示す。図2Aは、同じ完全に満たされた流体貯留槽を断面斜視図で示す。該完全に満たされた流体貯留槽1は、最大の貯留容積を定義する。該流体貯留槽は、細長の円筒形筺体2を持つ。該筺体2は管状である。筺体2は閉じた底部を持つ。
【0026】
該筺体の空洞内に、膜3が配置される。膜3は、該筺体の空洞内で、貯留容積2aを区切る。該膜上の該容積が、貯留容積として機能する。該膜は柔軟である。該膜は、円形の断面を持ち、筺体2の底部に対して該膜の外側端において接続される。
【0027】
該膜は、付勢部材4をカバーする。付勢部材4は、コイルばねである。該コイルばねは図1A及び2Aにおいて、完全に圧縮された状態で示されている。該コイルばねは、該ばねの末端において支持されている。柔軟な膜3は、該コイルばねの自由端をカバーする。該膜に接し得る平滑な端部を提供するため、該コイルばねと該膜との間に、該コイルばねの自由端において、リングが備えられても良い。中心線に沿って、該コイルばねは貫通孔を持つ。該貫通孔は、該付勢部材における凹部を定義する。該貫通孔は、該付勢部材の全高と等しい高さを持つ凹部を定義する。柔軟な膜3は、上から該貫通孔へと延在する中央部を持つ。柔軟な膜3の挿入された部分は、流体貯留槽1の貯留容積の一部である部分容積を定義する。完全に満たされた流体貯留槽を示す図1Aから分かるとおり、流体を貯留するための貯留容積2aは、筺体の2の略全長に亘って延在する。これにより、筺体内の利用可能な空間が、貯留容積として有効に利用される。
【0028】
筺体2の上部には、排出ポート5が備えられる。排出ポート5は、貯留容積2aと流体連結している。該排出ポートを開閉するため、弁6が排出ポート5に接続される。弁6は、電気的に駆動されても良いし、又はユーザにより手動で駆動されても良い。該流体は、該膜を上方に押す該付勢部材により、貯留容積2aにおいて加圧される。該加圧された流体は、排出ポート5が開いている場合、貯留容積2aから放出されることとなる。
【0029】
更に、該流体貯留槽は取入ポート7を備える。該取入ポートは、該取入ポートを開閉するための弁と接続される。該取入ポートは、該流体貯留槽を再充填するために利用され得る。
【0030】
図1Bは、中間位置における膜3を持つ本発明による流体貯留槽を示す。図2Bは、同じ流体貯留槽を断面斜視図で示す。図1Aと比較すると、コイルばね4の自由端及び膜3の中央部が、上方に移動している。貯留容積の全容積のうち約半分が空とされている。該膜の中央部は、筺体2の略中央にまで、該筺体の約半分の長さだけ、筺体2の底部から上方に移動している。コイルばねの自由端4aは、該筺体の約1/4の長さのストロークだけ上に移動している。それ故、該中央部は、該コイルばねのストロークの約2倍の距離だけ移動する。当該構成においては、コイルばね4のストロークは限られており、膜3におけるプレテンションの低減を限定する。貯留容積2aにおける圧力の低減は比較的小さくなり、このことは排出ポート5からの流体の、より一定した放出に帰着し得る。
【0031】
図1Cは、空にされた流体貯留槽を示す。略全ての流体が、排出ポートを介して該流体貯留槽から放出されている。コイルばね4は、完全なストロークだけ伸長されている。図1Aと比較すると、該コイルばねの圧縮ストロークは、筺体2の長さの約半分に相当する。膜3の中央部もまた、端部位置に到達している。該膜は、上方向に伸長されている。該膜の中央部は、該筺体の略全長に相当するストロークだけ移動させられている。
【0032】
図3Aは、本発明によるハンドヘルド型装置としてかみそりを斜視図で示し、図3Bにおいて更に明らかにされる。
【0033】
図3Bは、かみそり10における流体貯留槽の実装を断面図で示す。持ち手11は、該かみそりの長さ方向に延在する空洞を持つ。図1及び図2に示された流体貯留槽が、かみそり10に組み込まれる。該持ち手内の空洞は有効に利用され、膜13により区切られる、例えばシェービング添加剤のような流体のための貯留容積12aを含む筺体12を定義する。該流体貯留槽は約10cmの長さを持っても良く、最大の貯留容積は全長の少なくとも80%に亘って延在する。膜13を付勢するため、コイルばね12が備えられる。持ち手11の近位端において、該かみそりはバッテリ20を含む。バッテリ20は、排出ポート15を開く弁16を電気的に駆動するために用いられても良い。ボタン21は、弁16を操作するため、外面における遠位端の近くに人間工学的に備えられる。シェービング添加剤のような流体を、該持ち手から、該かみそりの遠位端におけるかみそり刃カートリッジ23へと送るため、スリーブ19が備えられる。
【0034】
更に、該持ち手の近位端において、弁18及び取入ポート17が備えられる。該流体貯留槽を充填するため、再充填ボトル22が取入ポート17に接続されても良い。該持ち手の近位端から遠位端まで延在する流体通路(図示されていない)が備えられても良い。該流体通路は、該再充填ボトルから貯留容積12aまで流体を送るため、取入ポート17及び貯留容積12aと流体連結していても良い。該再充填ボトルを接続し取入ポート17を開くことにより、貯留容積12aに流体が送られ得る。
【0035】
本発明は詳細な実施例に関して図示され説明されたが、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更が為され得、本発明の要素に対して等価物が代用され得ることは、当業者には理解されるであろう。例えば、詳細な説明はコイルばねによる付勢部材を記載しているが、他の多くのタイプの付勢部材が利用可能である。加えて、本発明の本質的範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるための変更が為され得る。それ故、本発明は、上述した詳細な説明に開示された実施例に限定されることを意図されたものではなく、本発明は添付される請求項の範囲内となる全ての実施例を含むことを意図されている。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図2A】

【図2B】

【図3A】

【図3B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を貯留するための、パーソナルケア用のハンドヘルド型装置用のための流体貯留槽であって、
筺体と、
前記筺体における可変の貯留容積を区切るための柔軟な膜と、
流体を供給するための、前記貯留容積と流体連結した排出ポートと、
前記貯留容積内の流体を加圧するための力を前記膜にかける強制部材と、
を有し、前記強制部材は、前記貯留容積の一部を受容するための凹部を持つ、流体貯留槽。
【請求項2】
前記貯留容積内の流体圧により前記膜が変形することにより、前記膜が変形可能であり、前記膜は前記凹部に受容されて、最大貯留容積を少なくとも20%拡大させる、請求項1に記載の流体貯留槽。
【請求項3】
前記強制部材は、前記膜に前負荷をかける付勢部材である、請求項1又は2に記載の流体貯留槽。
【請求項4】
前記付勢部材はコイルばねである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項5】
前記膜は前記筺体の内壁に接続された、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項6】
前記膜は回転変形により柔軟である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項7】
前記膜は前記排出ポートに対向して配置される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項8】
前記筺体は、前記流体貯留槽を再充填するための取入ポートを有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項9】
前記取入ポートは、前記筺体の外面において、前記排出ポートに隣接して配置される、請求項8に記載の流体貯留槽。
【請求項10】
再充填貯留槽を接続するためのコネクタ組織が前記取入ポートに備えられた、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項11】
前記貯留容積及び前記取入ポートと流体連結した流路が備えられた、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項12】
前記流体貯留槽は、ハンドヘルド型装置のための着脱可能なカートリッジである、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項13】
前記筺体は、ハンドヘルド型装置の持ち手により形成される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の流体貯留槽。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の流体貯留槽を有する、シェービング装置、トリマ、歯ブラシ又はスキンケア用品のようなパーソナルケア用のハンドヘルド型装置。
【請求項15】
前記流体貯留槽の筺体を定義する空洞を有する持ち手を持ち、前記ハンドヘルド型装置は、流体を供給するための少なくとも1つの排出ポートを持つ外面を有する、請求項14に記載のハンドヘルド型装置。

【公表番号】特表2013−505099(P2013−505099A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530364(P2012−530364)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053628
【国際公開番号】WO2011/036577
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】