説明

パーソナルケア装置に対する磁気で作用する摩耗インジケータ

摩耗インジケータ(10)は、電動歯ブラシ(IS)等であるパーソナルケア装置のワークピース部に対するものである。摩耗インジケータは、磁性粒子を位置付けられる水溶性材料の部材を有する。装置の使用に相互に関連する水との繰返し接触において、該部材は、選択される材料に依存して溶解あるいは膨張する。部材に近接して位置付けられる磁石は、部材における磁性粒子の位置に影響を与え、ユーザによって認識可能である三次元画像へと該粒子を並べる。画像の外観は、交換されるべきであるワークピースにおける十分な摩耗と相互に関連する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にパーソナルケア装置に係り、より具体的には、電動歯ブラシのブラシヘッド部等のかかる装置に対する摩耗インジケータに係る。
【背景技術】
【0002】
典型的には、一定の使用回数後に劣化し且つ効果を失うワークピースを有するパーソナルケア装置にとって、ユーザに対してワークピースを交換する時期を明らかに示す、信頼性の高い摩耗インジケータを装置内に組み込むことは、重要である。表示がワークピースの実際の物理的状態に対して確かなものであること、また更に、表示が明らかでありユーザによって容易に理解できることは、重要である。より更には、摩耗インジケータが関心の特定の装置において実施するよう便利であり、装置に対して大幅な追加的費用を加えないことは、通常は重要である。
【0003】
摩耗インジケータは、多種の適用に対して周知である。該適用には、装置の使用回数を数える装置、及び、使用により発生するワークピースにおける実際の物理的な摩耗を検出する装置が有される。例えば、歯ブラシの場合において、毛が使用中に摩耗するため、毛における多種のインジケータ配置が明らかにされており、例えば毛の摩耗が選択された深さに達する際の異なる色等である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明は、信頼性が高い、即ち与えられる表示が実際のワークピースの物理的状態と相互に関連し、且つ、ワークピースを交換する時期をユーザが明確に理解することができる、ワークピース摩耗インジケータを有する、ことを目的とする。上述された通り、かかるパーソナルケア装置及びそれに関連付けられる摩耗インジケータを使用するワークピースの一例は、電動歯ブラシのブラシヘッド部である。他の例は、電気ひげそり器の刃又は切断ヘッドである。他の例は、当業者には容易に分かり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、パーソナルケア装置のワークピース部に対する摩耗インジケータに係る。当該摩耗インジケータは、磁性粒子を有する第1の部材、及び、第1の部材に近接して位置付けられる磁石部材を有する。該第1の部材は、ある時間にわたる水との繰返し接触(repeated contact)に対する反応によって特徴付けられ、装置が使用される際に、層部材が徐々に状態を変え、近接する磁石部材の影響を受けて、ワークピースが交換されるべきであることを示す認識可能な画像へと磁性粒子が方向付けられるようにする。磁石部材は、第1の部材の原状からの状態の十分な変化において、認識可能な画像への第1の部材における磁性粒子の位置付けに影響を与え得る。認識可能な画像の外観は、ワークピースが交換されるべきである、ことを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、電動歯ブラシにおいて組み込まれる本発明の摩耗インジケータを示す。全体的を参照符号10によって図示される摩耗インジケータは、従来の電動歯ブラシ16の一部を有するブラシヘッド14の基部12へと埋め込まれる。摩耗インジケータ10は、多種の電動歯ブラシ配置に対して使用され得る。また、本願に記載される摩耗インジケータ10は、効果的な作用を継続させるよう周期的な交換を求めるワークピースを有する他のパーソナルケア装置においても使用され得る、ことが理解されるべきである。
【0007】
摩耗インジケータ10の第1の実施例は、図2A及び2Bにおいて示される摩耗インジケータは水溶性材料の部材/層20を有する。層20の寸法は、可変であり得るが、一実施例では厚さ10乃至100ミクロンであり得る。一次要件は、磁界が磁性粒子を異なる向きにさせる際に、磁性粒子が動く(新しい方向を向く(reorient))ための空間を有し、効果が可視であるようにする、ことである。
【0008】
水溶性部材20を有する適切な材料の例は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、及び他の同様な材料である水溶性ポリマを有する。層20は、そこに埋め込まれる磁性粒子22を有する。磁性粒子22は、基本的に、多種の酸化鉄及び他の材料能の磁気作用に反応し易い材料を有し得、該材料には、酸化鉄でコーティングされるフレーク状顔料等である、磁気作用に反応する特殊顔料が有される。粒子22は、特定の配置又は向き状態を有さずにランダムに部材20において埋め込まれる。
【0009】
摩耗インジケータ10はまた、部材20の下方表面25と近接してあるいは接触して位置付けられる磁石部材24を有する。
【0010】
装置の使用中、部材/層20は、水と接触するようになる。部材20は、濡れ、ゆっくりと溶解し始めるか、あるいは膨張し始める。信頼性の高い一点において、層20における材料の十分な溶解/膨張に続き、繰返し使用の結果としての水との繰返し接触により、粒子22は、粒子が磁石部材によって作られる磁力線に沿って三次元画像を形成するまで、磁石要素24の影響を受けて徐々に動く/新しい方向を向く。磁石の寸法及び磁極の向きは、視覚効果を確定する。三次元画像は、歯ブラシヘッド等であるワークピースの交換が適切であることをユーザに対して明らかに示す。かかる画像は、図3において参照符号26で示される。丸い3D画像26は、丸い磁石を使用することによって作られる。他の画像構造は、異なる形状の磁石要素を使用して作られ得る。図2Bは、図2A中に示される平坦な配置から図3中の3D画像への粒子22の新しい方向の再設定を示す。
【0011】
摩耗インジケータ10の感度は、複数の方途において変えられ得る。まず、部材20の感度は、材料の化学成分を調整することによって、また、ポリマの場合においてはクロスリンク密度(crosslink density)調整することによって、帰られ得る。これは、ワークピースの摩耗の正確で確実な表示を与えるよう、水溶性部材の溶解/膨張の速度/方途を変更する。磁石部材24の強度はまた、変えられ得る。更には、特定の画像形状を作ることができる異なる磁石構成は、使用され得る。
【0012】
図4A及び4Bは、水溶性の磁性粒子を含有する部材40及び磁石部材42を有する、図2A及び2Bに類似する構造を有する本発明の他の実施例を示す。この実施例は、部材40の上部上において水溶性材料を有する上方層44を有する。部材44は、磁性粒子を有さないが、水との接触時に徐々に溶解すること、及び水に対する活性部材(acitve member)40の露出を遅延させること(delaying)によって特徴付けられる。遅延層44の厚さは、使用に基づいて、ユニット全体が摩耗の正確な表示を与え得るよう調整され得る。図4Bは、完全に溶解された遅延層44と、図3中に示される通り認識可能な構成への部材40内における磁性粒子48の再配置を示す。
【0013】
従って、水溶性要素の多種の配置は、適切な交換時期に対してワークピースの明らか且つ正確な表示を与えるよう、磁気部材との組合せにおいて使用され得る、ことが理解されるべきである。
【0014】
本発明の望ましい一実施例が例証を目的として開示されてきたが、多種の変更、修正、及び代替案が、添付の請求項によって定義される本発明の趣旨から逸脱することなく本発明内において組み込まれ得る、ことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の摩耗インジケータお位置を全体的に示す、特には電動歯ブラシであるパーソナルケア装置を図示する。
【図2】図2A及び2Bは、本発明の摩耗インジケータの第1の実施例を図示する。
【図3】摩耗インジケータがワークピースの交換時期を確定する際、ユーザに対して示される典型的な画像を図示する。
【図4】図4A及び4Bは、摩耗インジケータの第2の実施例を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア装置のワークピース部に対する摩耗インジケータであって:
磁性粒子を有する第1の部材と、
該第1の部材に近接して位置付けられる磁石部材と、
を有し、
前記第1の部材は、ある時間にわたる水との繰返し接触に対する反応によって特徴付けられ、前記装置が使用される際に、前記第1の部材が徐々に状態を変え、前記近接する磁石部材の影響を受けて、ワークピースが交換されるべきであることを示す認識可能な画像へと前記磁性粒子が方向付けられるようにし、
前記磁石部材は、前記第1の部材の原状からの状態の十分な変化において、前記認識可能な画像への前記第1の部材における前記磁性粒子の位置付けに影響を与え得、
前記認識可能な画像の外観は、前記ワークピースが交換されるべきである、ことを示す、
摩耗インジケータ。
【請求項2】
前記認識可能な画像は、三次元である、
請求項1記載の摩耗インジケータ。
【請求項3】
前記第1の部材は、水との繰返し接触において徐々に溶解する材料を有し、
前記第1の部材は、十分な回数の使用が発生した後、前記認識可能な画像における前記粒子の方向付けを可能にするよう、また、前記ワークピースが交換されるべきであることを確実に示すよう、十分に溶解される、
請求項1記載の摩耗インジケータ。
【請求項4】
前記第1の部材は、水との繰返し接触において徐々に膨張する材料を有し、
前記第1の部材は、十分な回数の使用が発生した後、前記認識可能な画像における前記粒子の方向付けを可能にするよう、また、前記ワークピースが交換されるべきであることを確実に示すよう、十分に膨張される、
請求項1記載の摩耗インジケータ。
【請求項5】
第2の部材を有し、
該第2の部材は、水溶性であり、前記第1の部材の上部上に位置付けられ、前記第2の部材が溶解した後まで前記装置の選択された使用回数の後に発生する第1の層との水による接触を遅延させる、
請求項1記載の摩耗インジケータ。
【請求項6】
前記装置は、歯ブラシであり、
前記ワークピースは、定期的に交換されなければならないブラシヘッドである、
請求項1記載の摩耗インジケータ。
【請求項7】
前記摩耗インジケータは、前記ブラシヘッド上に位置付けられる、
請求項6記載の摩耗インジケータ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2009−509710(P2009−509710A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534138(P2008−534138)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053636
【国際公開番号】WO2007/039879
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】