説明

パーティション用スライドドア及びそれに用いる取付具

【目的】既設のパーティションに対して容易に取付けることができるスライドドア及びそれに用いる取付具を提供することを目的とする。
【構成】パーティション2の壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設けたパーティション用スライドドア1であって、前記スライドドア1に、上方が開口する第1案内溝26と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設け、前記第1案内溝26と第2案内溝に対し、その溝方向に、夫々相対移動可能な案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部と、を有する取付具31を備えるパーティション用スライドドア1及びそれに用いる取付具31。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーティション用スライドドア及びそれに用いる取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、部屋の一部を仕切って区画された空間を形成するローパーティションが知られており、この区画された空間への入口に、スライド式に開閉するスライドドアを設けたものとして、ローパーティションの上端部と下端部にスライドレールを設け、該スライドレールに対して、前記スライドドアをスライド可能に備えたものが知られている。
【0003】
前記スライドレールは、前記ローパーティションに固定されたパネル側レールと、前記スライドドア側に固定されたドア側レールと、この両レール間に設けた中レールとで構成され、パネル側レールと中レールとの間、及び、ドア側レールと中レールとの間には、複数の球やコロが配設され、前記スライドドアを、前記スライドレールに対して吊下げて取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−7942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術のスライドドアは、スライドレールを介してパーティションに対して吊下げて設けられているために、スライドドアが、パーティションから脱落しないように、スライドレールの支持強度を高くする必要があり、スライドレールやスライドドアの製造コストも高くなるという問題がある。
【0006】
また、前記のように、パーティションに対してスライドドアを強固に取付ける必要があるため、スライドドアとそれを取付けるパーティションとは、一体として販売されている。
【0007】
そのため、パーティションを既に購入している顧客が、入口にスライドドアを取付けようとする際には、スライドドアが取付けられたパーティションを購入して、既設のパーティションの一部と取り替える必要があり、取り替えた既設のパーティションの一部が不要となる問題がある。
【0008】
また、入口における一方のパーティションに取り付けていたスライドドアを、他方のパーティションに対して取り付けたり、パーティションの外側に取り付けていたスライドドアを内側に取り付ける等の取付位置を変更するためには、スライドレールの取付位置等を変更する必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0009】
また、パーティションとスライドドアの両方に、その長手方向にレールが設けられており、このレールが外部から視認できてしまうという問題点がある。
【0010】
そこで、本発明は、これらの問題点を解決したパーティション用スライドドア及びそれに用いる取付具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、パーティションの壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設けたパーティション用スライドドアであって、
前記スライドドアに、上方が開口する第1案内溝と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設け、
前記第1案内溝と第2案内溝に対し、その溝方向に、夫々相対移動可能な案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部と、を有する取付具を備えたことを特徴とするパーティション用スライドドアである。
【0012】
請求項2記載の発明は、パーティションの壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設けたパーティション用スライドドアであって、
前記スライドドアに、上方が開口する第1案内溝と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設け、
複数のローラを回転可能に備えた案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部と、を有する取付具を複数有し、
前記第1案内溝と第2案内溝に対し、夫々、前記案内部のローラを、前記溝方向に相対移動可能に備えたことを特徴とするパーティション用スライドドアである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のパーティション用スライドドアにおいて、前記パーティションの側枠に、開口部を有する横断面がC状の取付溝を、パーティションの上下方向に設け、該取付溝に対して前記取付部を取外し可能に取り付けることができることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4記載の発明は、パーティションの壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設け、上方が開口する第1案内溝と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設けたパーティション用スライドドアに用いる取付具であって、
前記第1案内溝又は第2案内溝に対し、その溝方向に相対移動可能に取付ける案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部と、を有することを特徴とする取付具である。
【0015】
請求項5記載の発明は、パーティションの壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設け、上方が開口する第1案内溝と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設けたパーティション用スライドドアに用いる取付具であって、
複数個のローラを回転可能に備えた案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部とを、有し、
前記第1案内溝又は第2案内溝に対し、前記案内部のローラを、その溝方向に相対移動可能に取付けることができることを特徴とする取付具である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、スライドドアをパーティションに対して吊下げるのではなく、そのスライドドアの下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設けたことにより、スライドドアの荷重を床面で受けることとなり、スライドドアのパーティションへの取付・支持強度が、前記従来技術ほど要求されることなく、簡易な取付手段でも安定してパーティションに対してスライドドアをスライド可能に取り付けることができる。
【0017】
また、スライドドアのパーティションへの取付・支持強度が、前記従来技術ほど要求されないことから、スライドドアをパーティションに取り付けた状態ではなく、スライドドアのみを販売し、既設のパーティションに対して取付けるようにすることができる。これにより、既設のパーティションが不要となることがない。
【0018】
また、前記第1案内溝と第2案内溝に対し、夫々その溝方向に相対移動可能な案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部と、を有する取付具でスライドドアをパーティションに取付けることにより、前記従来技術よりも小さな取付具とすることができ、取付具が外部から視認できる部分を大幅に少なくすることが出来る。
【0019】
スライドドアの第1案内溝と第2案内溝に対し取付具の案内部を取付け、パーティションに対して、取付具の取付部を取り付けるのみで、スライドドアをパーティションに取り付けることができるため、スライドドアを入口の左右に位置するパーティションに対して付け換えたり、パーティションの外側と内側とにスライドドアを付け換えるなどの、スライドドアの取付位置の変更が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1におけるスライドドアをパーティションに取り付けた状態の外側(正面)から見た斜視図。
【図2】図1の状態から、スライドドアを閉じた状態の外側(正面)から見た図。
【図3】図2の上面図。
【図4】図2の状態から入口を開いた状態の上面図。
【図5】本発明の実施例1に用いる第1取付具の外側(正面)から見た斜視図。
【図6】図5の第1取付具を内側(背面)から見た斜視図。
【図7】図5の第1取付具の上面図。
【図8】図7の正面図。
【図9】図7の右側面図。
【図10】本発明の実施例1に用いる第2取付具の斜視図。
【図11】図2における第1取付具の取付け状態を示すX−X線拡大縦断面図。
【図12】図2における第2取付具の取付け状態を示すY−Y線拡大縦断面図。
【図13】図2におけるZ−Z線拡大横断面図。
【図14】本発明の実施例1におけるスライドドアをパーティションの内側に取り付けた状態の外側(正面)から見た斜視図。
【図15】本発明の実施例2におけるスライドドアと、パーティションと、第1取付具の関係を示す部分拡大縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態を図1乃至図15に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
図1乃至図14は、実施例1を示す。
【0023】
図1乃至4は、本発明の実施例1のパーティション用スライドドア(以下、スライドドアという)1を、据え付けられたローパーティション(以下、パーティションともいう)2に対し、その壁面に沿って横方向にスライド可能に取り付けた状態の図である。
【0024】
図1〜4に示すように、離間して設けられた一対のパーティション2,3の両対向端部間には、複数のパーティションにより区画された空間4への入口5が形成され、該入口5は、前記スライドドア1を横方向にスライドすることにより開閉することができるようになっている。以下において、前記空間4の外側を前A側、内側を後B側とし、図2における右側をC、左側をDとし、前記パーティション2,3が据え付けられた状態における上方を上側、下方を下側として説明する。
【0025】
前記パーティション2,3は、夫々、左右において1対の側枠10,10を有し、両側枠10,10の上端間には上枠12が、下端間には下枠13が架設され、上枠12と下枠13との間には、複数の中枠14が架設されている。前記両側枠10,10間には、複数のパネル板15が固設されている。
【0026】
前記パーティション2,3における両側枠10,10の左右C−D方向の外側部には、該パーティション2,3と他のパーティション又は連結ポール6との連結に用いる連結金具7等を挿入するための取付溝11が形成されている。
【0027】
この取付溝11は、パーティション2,3の上端部から下端部全長に亘って形成されている。前記側枠10は、図5,13に示すような型材で形成され、その横断面形状において、底板11aと、該底板11aの両側からパネルの左右C−D方向の外側に向かって突出する両側板11b,11bと、該両側板11b,11bの外側端から、該両側板11b,11bと直交し、パネルの前後A−B方向の内側に向かって突出する突片11c,11cと、で前記取付溝11が形成されている。前記両突片11c,11cの前後A−B方向の内側端11d,11dは離間し、これらの間には開口部11eが形成されている。すなわち、前記取付溝11は、パネルの左右C−D方向の外側が開口11eし、該開口部11eより奥部が広い、横断面におけるその内側面形状がC状に形成されている。この取付溝11内は、パーティション2,3の上方から前記連結金具7等を挿入することができるようになっている。
【0028】
前記スライドドア1は、その左右において1対の支柱22,22を有し、この両支柱22,22の下端には、スライドドア1のスライド方向(左右C−D方向)にのみ移動可能な移動部材23,23が備えられている。本実施例においては、該移動部材23としてキャスターを用いた。
【0029】
前記支柱22,22の上端部間には上棧24が架設され、また、支柱22,22の下部間には下棧25が架設されている。前記上棧24には、図5,11に示すように、その上方が開口する有底状の第1案内溝26が、上棧24の長手方向(左右C−D方向)全長に亘って形成され、第1案内溝26の両側端は、前記支柱22,22により閉塞されている。
【0030】
前記下棧25には、図12に示すように、下方が開口する有底状の第2案内溝27が下棧25の長手方向(左右C−D方向)全長に亘って形成され、第2案内溝27の両側端は、前記支柱22,22により閉塞されている。支柱22,22間で、かつ、上棧24と下棧25間にはパネル板28が固設されている。
【0031】
前記案内溝26,27の前後の内側面には、図11,12に示すように、夫々内側へ突出する凸部29が、案内溝26,27の長手方向(溝方向)全長に亘って形成され、該凸部29は、案内溝26,27の上下方向において複数設けられている。
【0032】
前記スライドドア1の高さ及び左右C−D方向の長さは、入口5の幅、及び、パーティション2の高さに応じて任意に設定される。
【0033】
次に、スライドドア1をパーティション2に対して取付ける際に用いる2種類の第1取付具31と第2取付具41について説明する。以下において、図1〜3に示すように、入口5の左側に位置するパーティション2の外側に、取付具31,41を用いてスライドドア1を取り付けた状態での、前記空間4の外側を前A側、内側を後B側とし、図2,7における右側をC、左側をDとし、前記パーティション2,3が据え付けられた状態における上方を上側、下方を下側として説明する。
【0034】
先ず、第1取付具31について図5〜11,13に基づいて説明する。
【0035】
第1取付具31は、図5〜9に示すように、本体部32を有している。該本体部32は、金属製の板から形成され、かつ、略水平方向に配置され、図7に示すように、長手方向が左右C−D方向に位置する長方形状の第1本体部32aと、該第1本体部32aと直交し、かつ、長手方向が前後A−B方向に位置する長方形状の第2本体部32bとで、上面がL字状となるように形成されている。前記第2本体部32bには、その短手方向(左右C−D方向)の内側端部で、かつ、第1本体部32a側において切欠32cが形成されている。
【0036】
前記第2本体部32bの短手方向(左右C−D方向)の内側端には、該第2本体部32bと略直交するように下側方向に曲折された押え板33が形成されている。該押え板33の略中央部には、その表裏を貫通する貫通穴33aが形成されている。押え板33の下端には、前記本体部32から外側方向に突出する回転防止部材33bが曲折固設されている。該回転防止部材33bの前後幅は、前記取付溝11の開口幅より短く設定されている。
【0037】
前記貫通孔33aには、ボルト34が、その頭部34aが本体部32側に位置するように挿通され、そのボルト34における前記押え板33から突出した雄ネジには、板状の係止部材35が、その雌ネジを螺合して備えられている。前記ボルト34を正逆回転することにより、係止部材35は回転防止部材33bにより供廻りを防止されて回転せず、押え板33と係止部材35間の距離を、調節することができるようになっている。
【0038】
前記押え板33と、係止部材35と、ボルト34と、回転防止部材33bとで取付部37を構成している。
【0039】
前記係止部材35は、略方形に形成され、その前後A−B方向の長さは、図13に示すように、取付溝11の前後A−B方向の長さよりも若干短く、かつ、取付溝11の開口部11eの幅よりも長く設定され、係止部材35が開口部11eから外脱せず、また、ボルト34と共回りしないように設けられている。
【0040】
前記第1本体部32aの短手方向(前後A−B方向)における前記押え板33とは反対側端には、該第1本体部32aと略直交するように下側方向に曲折された曲折部32dが形成され、該曲折部32dの下側端には、該曲折部32dと略直交するように外側方向(水平方向)に曲折したローラ取付け板38が固設さている。すなわち、該ローラ取付け板38と前記本体部32とは略平行に形成されている。
【0041】
該ローラ取付け板38には、長手方向(左右C−D方向)に2個のローラ39,39が、適宜間隔を有して配置され、該両ローラ39,39は、本体部32と平行面の方向、すなわち、パーティション2に取り付けた際に、垂直方向の軸を中心軸として、略水平方向に回転可能に設けられている。前記ローラ39の外径は、前記ローラ取付け板38の短手方向(前後A−B方向)の幅より大きく、かつ、前記案内溝26,27における左右の凸部29,29間の距離と同じか、若干小さく設定されている。これにより、ローラ取付け板38及びローラ39を、前記案内溝26,27内に挿入することが出来、ローラ39を挿入した際に、ローラ39の外周面と、前記左右の凸部29,29とが接触係合し、ローラ39が回転できるようになっている。
【0042】
前記ローラ取付け板38と、ローラ39,39により、案内部40が構成されている。
【0043】
第2取付具41は、図10,12に示すように、前記第1取付具31とは左右対掌の形状に形成されたこと以外は、前記第1取付具31と同様の構造を有し、第2取付具41と第1取付具31とは鏡像関係にある。そのため、第2取付具41の構造は、図10,12に示し、前記第1取付具31と同様の部材には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。なお、図12に示す第2取付具41は、図6に示す第1取付具31と鏡像関係にあることを示すために、図10に示す第2取付具41を、左右C−D方向に180度反転した状態のものを図示してある。
【0044】
次に、図1〜4に示す入口5の左側に位置するパーティション2の外側にスライドドア1を取り付ける方法について説明する。
【0045】
先ず、第2取付具41におけるボルト34を緩めて、取付部37の押え板33と係止部材35間の距離を、取付溝11の突片11cの厚みよりも大きくする。
【0046】
次に、第2取付具41を、図12に示すように、ローラ39,39が前方Aでかつ上向きに位置する状態で、パーティション2の上方から、図12に示すように、取付部37の係止部材35を側枠10の取付溝11内に挿入して、側枠10の下部まで移動させる。このとき、回転防止部材33bは、取付溝11の開口部11cに位置している。
【0047】
次に、スライドドア1を、その左右の移動部材23,23が床面に接した状態で、パーティション2に対して所定の位置、例えば、図1,3に示すように配置する。
【0048】
次に、第2取付具41を、上方に移動させて、ローラ39を、下方からスライドドア1の第2案内溝27内に挿入し、図12に示すように、案内部40が第2案内溝27内の所定の位置となるように配置する。
【0049】
次に、第2取付具41のボルト34を締めて、押え板33と係止部材35により、取付溝11の突片11c,11cを挟持して第2取付具41をパーティション2に対して固定する。このとき、第2取付具41のローラ39と第2案内溝27の底面との間には隙間が形成され、第2取付具41にスライドドア1は載置されていない。
【0050】
次に、第1取付具31を、図11に示すように、ローラ39,39が前方Aでかつ下向きに位置する状態で、パーティション2の上方から、取付部37の係止部材35を側枠10の取付溝11内に挿入して、下方に移動させて、該第1取付具31のローラ39を、上方からスライドドア1の第1案内溝26内に挿入し、図11に示すように、案内部40が第1案内溝26内の所定の位置となるように配置する。
【0051】
次に、第1取付具31のボルト34を締めて、押え板33と係止部材35により、取付溝11の突片11c,11cを挟持して第1取付具31をパーティション2に対して固定する。
【0052】
これにより、図1〜3に示すように、入口5の左側に位置するパーティション2の外側にスライドドア1を、パーティション2の横方向(左右C−D方向)にスライド可能に取り付けることができる。また、スライドドア1の案内溝26,27が、前記取付具31,41の案内部40のローラ39に対して、案内溝26,27の溝方向(左右C−D方向)に、相対的に案内移動されることにより、スライドドア1をスライドすることができる。
【0053】
以上の構成により、本発明の実施例1におけるスライドドア1は、次のような作用、効果を発揮する。
【0054】
本発明のスライドドア1は、該スライドドア1をパーティション2に対して吊下げるのではなく、その左右の下端部に移動部材23,23を設け、該移動部材23を床面に接した状態で、該移動部材23によりスライドドア1を左右C−D方向に移動できるようにした。
【0055】
これにより、前記従来技術のようにスライドドアをパーティションに吊下げるものと比較して、本発明のスライドドア1は、そのパーティション2への取付・支持強度が要求されず、前記のように、取付溝11部に対して、押え板33と係止部材35とによる挟持により、取付具31,41をパーティション2に対して固定するような簡易な取付方法でも、安定してパーティション2に対してスライドドア1をスライド可能に取り付けることができる。
【0056】
また、比較的小さな2個の取付具31,41により、スライドドア1をパーティション2に対して取り付け、該取付具31,41の案内部40は、案内溝26,27内に位置するため、その取付具が外部から視認できる部分が、前記従来技術よりも大幅に減少することができる。
【0057】
また、スライドドア1は、既設のパーティション2に設けられている取付溝11を利用して、取り付けることができるため、既に購入しているパーティション2が不要となることがない。
【0058】
また、取付具31,41の取付状態を、図11,12に示す状態から、パーティション2に対して、第1取付具31を下方に位置させるとともに、ボルト34部を中心として180度反転させ、第2取付具41を上方に位置させるとともに、ボルト34部を中心として180度反転させて付け換えるのみで、図14に示すように、スライドドア1をパーティション2の内側Bに付け換えることが容易にできる。また、同様に、第1取付具31を下方に、第2取付具41を上方に取付けるのみで、入口5の右側に位置するパーティション3の外側にスライドドア1をスライド可能に付け換えることも容易にできる。
【0059】
また、取付具31,41は、取付溝11に沿って上下方向の高さを容易に変更することができるため、高さの異なるスライドドア1についても容易にパーティション2に対して取り付けることができる。
【実施例2】
【0060】
図15は、実施例2を示す。
前記実施例1においては、前記第1取付具31の案内部40にローラ39を設けたが、図15に示すように、ローラ39及びローラ取付け板38を設けず、前記曲折部32dのみで案内部50を構成し、案内溝26,27内には、前記案内部50を摺動可能に案内する樹脂等の摺動性の良い部材51を設けるようにしても良い。第2取付具31についても、同様に、ローラ39及びローラ取付け板38を設けず、前記曲折部32dのみで案内部50を構成してもよい。
【0061】
その他の構造、構成は、前記実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
【0062】
本実施例2においても、前記実施例1と同様の作用、効果を発揮することができる。
【実施例3】
【0063】
前記実施例1又は2においては、取付具31,41のパーティション2に対する取り付け方法として、横断面形状がC状の取付溝11に対して、取付部37を取り付けて行ったが、スライドドア1を取り付けるパーティション2の両側枠10,10等の形状に応じて、取付具31,41の取付部37の形状及びパーティション2への取付け方法は任意に変更することができる。
【0064】
例えば、取付具31,41の取付部を板状の板部材に形成し、この板部材に貫通穴を設け、該貫通穴に木ネジ等を挿通し、該木ネジ等をパーティション2に固着することにより、取付具31,41をパーティション2に取外し可能に取り付けるようにしても良い。
【0065】
その他の構造、構成は、前記実施例1、2と同様であるので、その説明を省略する。
【0066】
本実施例3においても、前記実施例1、2と同様の作用、効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 スライドドア
2,3 パーティション
10 側枠
11 取付溝
11e 開口部
23 移動部材
26 第1案内溝
27 第2案内溝
31,41 取付具
37 取付部
39 ローラ
40,50 案内部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティションの壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設けたパーティション用スライドドアであって、
前記スライドドアに、上方が開口する第1案内溝と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設け、
前記第1案内溝と第2案内溝に対し、その溝方向に、夫々相対移動可能な案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部と、を有する取付具を備えたことを特徴とするパーティション用スライドドア。
【請求項2】
パーティションの壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設けたパーティション用スライドドアであって、
前記スライドドアに、上方が開口する第1案内溝と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設け、
複数のローラを回転可能に備えた案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部と、を有する取付具を複数有し、
前記第1案内溝と第2案内溝に対し、夫々、前記案内部のローラを、前記溝方向に相対移動可能に備えたことを特徴とするパーティション用スライドドア。
【請求項3】
前記パーティションの側枠に、開口部を有する横断面がC状の取付溝を、パーティションの上下方向に設け、該取付溝に対して前記取付部を取外し可能に取り付けることができることを特徴とする請求項1又は2記載のパーティション用スライドドア。
【請求項4】
パーティションの壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設け、上方が開口する第1案内溝と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設けたパーティション用スライドドアに用いる取付具であって、
前記第1案内溝又は第2案内溝に対し、その溝方向に相対移動可能に取付ける案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部と、を有することを特徴とする取付具。
【請求項5】
パーティションの壁面に沿って横方向にスライド可能に備えられ、下端部に、床面に接してスライド方向に移動可能な移動部材を設け、上方が開口する第1案内溝と、下方が開口する第2案内溝を、その溝方向が前記スライド方向となるように設けたパーティション用スライドドアに用いる取付具であって、
複数個のローラを回転可能に備えた案内部と、前記パーティションに対して取外し可能に取付ける取付部とを、有し、
前記第1案内溝又は第2案内溝に対し、前記案内部のローラを、その溝方向に相対移動可能に取付けることができることを特徴とする取付具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−31690(P2012−31690A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173860(P2010−173860)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(391006441)山田工業株式会社 (29)