パーマネントウエーブ処理方法
【課題】 毛髪の損傷を押え、その仕上がりのウエーブが長持ちし、かつ、安全性の高い施術が行えるパーマネントウエーブ処理方法である。
【解決手段】 毛髪をロッドに巻き付ける第1の工程と、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させる第2の工程と、膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行う第3の工程と、第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置する第4の工程と、第4の工程の後に酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布してジスルフィド結合を再結合させる第5の工程とからなるパーマネントウエーブ処理方法である。
【解決手段】 毛髪をロッドに巻き付ける第1の工程と、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させる第2の工程と、膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行う第3の工程と、第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置する第4の工程と、第4の工程の後に酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布してジスルフィド結合を再結合させる第5の工程とからなるパーマネントウエーブ処理方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪のパーマネントウエーブ処理装置であって、ウエーブ効率が良く(よりロッド径に近い)、毛髪の損傷を抑え、かつ、その仕上がりのウエーブが長持ちし、かつ、安全性の高い施術が行えるパーマネントウエーブ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるコールドパーマと呼ばれる毛髪の処理方法としては、被施術者の毛髪に還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して軽く湿らせた状態においてロッドに巻き付け、この状態において前記第1剤をさらに塗布して室温環境下で所定時間放置する。そして、この状態において放置することで毛髪のタンパクのケラチンのジスルフィド結合を開鎖してメルカプト基を生成させ毛髪は膨潤軟化される。
【0003】
前記所定時間の後に施術者がテストカールを行い膨潤軟化の程度、すなわち、毛髪が軟らかくなって可塑性が出たかを判断し、膨潤軟化したと判断すると毛髪表面に付着した還元剤を洗い流してタオル等によって毛髪に付着している水分を拭き取る。そして、水分を拭き取った毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して室温環境下において所定時間放置してメルカプト基を酸化してジスルフィド結合を再結合しウエーブを形成する。さらに、前記所定時間が経過したならロッドを外して水洗いし、その後にドライヤーで乾燥させてパーマネントウエーブ処理が終了する。
【0004】
しかし、このパーマネントウエーブ処理方法にあっては、図22(a)の濡れた状態の毛束、(b)の乾燥した状態、(c)毛束の向きを変えた状態に写真における結果Aからも判るように、ウェット状態では形状を保っているが、ウエーブが必要な乾燥状態ではウエーブが大きくなる(ダレる)という欠点があり、また、そのウエーブを保持できる期間も十分に満足いくものではなかった。
【0005】
そこで、本出願人は前記した問題点を解決するために、特開2006−212417に開示されているパーマネントウエーブ処理方法を発明した。この発明は、第1剤である還元剤が塗布され軟化湿潤状態となった毛髪を水洗いした後に、毛髪をロッドに巻き付け、該ロッドに巻き付けられている毛髪全体を加温雰囲気にすると共に前記ロッド内を負圧状態として吸引して乾燥し、その後、加温を停止しすると共に外気を取り込んで温まっている毛髪を冷却するという処理方法であった。その結果は、図22における結果Bの写真からも判るように、従来のコールドパーマ処理(結果A)よりも乾燥時にダレが小さくなっており改善されているが、十分な処理方法とは言えないものであった。
【0006】
そして、本発明者等は前記した公開公報のパーマ処理工程において、温度と吸引による毛髪を乾燥させる処理の前に、毛髪をタオルで包み、望みの髪形で室温環境下において一定時間放置する工程を加えることで、毛髪内のメルカプタン基とジスルフィド結合の交換が進み、分子の再配列が起こり二次結合が生じて、ウエーブ効率の良い(よりロッド径に近い)ウエーブ形成ができるということを知って実験を行った。その結果が図22における結果Cの写真である。この写真からも判るように、前記した公開公報の処理方法(結果B)よりもウエーブ効率は良くなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、本発明者等は、この結果には満足せず、さらに、試行錯誤を行った結果、図22における結果Dであり、ウエーブ効率の良く(よりロッド径に近い)初期のウエーブが長期間にわたって保持されるパーマネントウエーブ処理方法を開発したものである。
【0008】
本発明の目的とするところは、パーマネント第1剤処理の後に中間水洗を実施し、ジスルフィド結合の開鎖の進行を止め、分子の再配列(高分子移動)に必要な、温度、湿度、時間を毛髪の状態に合わせて与え、その後、毛髪の乾燥状態に移行し、常温常湿下でパーマネント第2剤処理し、ジスルフィド結合を再結合させウエーブを形成するようにしことにより、乾燥時のダレが非常に小さく、初期のウエーブが長期間にわたって保持され、かつ、ウエーブ効率の良いパーマネントウエーブ処理装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のパーマネントウエーブ処理方法は、前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、毛髪をロッドに巻き付ける第1の工程と、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させる第2の工程と、膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行う第3の工程と、第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置する第4の工程と、第4の工程の後に酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布してジスルフィド結合を再結合させる第5の工程とからなる。
【0010】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温する温度が60℃以下であることを特徴とする。
【0011】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温する手段が温風、蒸気またはミストを用いて加温することを特徴とする。
【0012】
請求項4の手段は、前記した請求項1において、前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪が巻かれているロッド内を低負圧状態として温風、蒸気またはミストを吸引するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項5の手段は、前記した請求項1において、前記第4の工程の後に、毛髪にダメージを与えない温度の温風によって乾燥させ、乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して、ジスルフィド結合を再接合することで乾燥状態での形状を記憶させる第6の工程を追加したことを特徴とする。
【0014】
請求項6の手段は、前記した請求項5において、前記第6の温風によって乾燥する工程が、ロッドに巻かれている毛髪に温風を吹き付けると共に、ロッド内を高負圧状態として温風を吸引する工程であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は前記したように、毛髪をロッドに巻き付け、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させ、その後、膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行い、湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置し、酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布してジスルフィド結合を再結合するようにしたので、従来のパーマネントウエーブ処理方法で処理したウエーブ形状よりもウエーブ効率の良い(よりロッド径に近い)ウエーブが形成される。
【0016】
また、前記湿潤状態の毛髪を加温する温度が60℃以下とすることで、毛髪にダメージを与えることがなく、さらに、加温を蒸気またはミストとすることで、より毛髪を湿潤状態を維持したまま、効果的に毛髪の温度を上げることおよび水分量をコントロールすることができ、さらに、蒸気またはミストをロッド内を低負圧にして吸引することで、毛髪の根元から毛先まだの水分量と温度を均質化することができる。
【0017】
また、湿潤状態で一定時間加温しながら放置した後に毛髪にダメージを与えない温度の温風によって乾燥させ、乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して、ジスルフィド結合を再接合するようにし乾燥状態での形状を記憶させることで、乾燥時におけるウエーブ形状のダレが非常に小さくなり、かつ、ウエーブを長期間にわたって保持することができ、また、前記乾燥する工程が、ロッドに巻かれている毛髪に温風を吹き付けると共に、ロッド内を負圧状態として温風を吸引するようにすることで、乾燥時間を短くできて処理時間の短縮を図れる等の効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、毛髪をロッドに巻き付け、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させ、その後、膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行い、湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置した後に、該加温状態の毛髪に酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布する。
【実施例1】
【0019】
以下、本発明のパーマネントウエーブ処理を行うための処理装置の一実施例を図面と共に説明する。
本発明のパーマネントウエーブ処理装置は大きく分けて、ヒーターHによって加温した温風を排出すると共に毛髪が巻かれたロッドRから吸引した前記温風を吸引して再びヒーターHによって加温する循環式ブロワ1と、該ブロワ1によって吸引した温風と水分やパーマネントウエーブ用の薬剤や異物を分離する汽水分離装置2と、外気を導入して前記ブロワ1よりの温風に混合して冷却する外気導入装置24とが収容されたハウジング3とからなる本体Aと、該ハウジング3の上部に取り外し可能で、かつ、2つに分離され開閉自在なフードFとから構成されている。なお、図1においてCは被施術者がパーマネントウエーブ処理を行う時に着座する椅子である。また、本体Aにはキャスター31が取付けられ移動自在となっている。
【0020】
次に、本体Aの詳細について説明するに、モータとファンとから構成されたブロワ1は、前記ハウジング3内の中央部に固定されており、ロッドR内を負圧状態とすることでロッドRに巻かれている毛髪を介してフードF内の温風を吸引して下部に配置されている汽水分離装置2に供給し、該汽水分離装置2によって毛髪に巣組まれる水分等の液体や異物が除去された空気を吸引し、吸引した空気を上方に取付けられているヒーターHに向かって排出し、該ヒーターHによって所定の温度に加熱された空気をハウジング3に形成された吹出口32からフードF内に戻す動作をするものである。
【0021】
また、前記汽水分離装置2からヒーターHを介して前記吹出口32に温風を吹き出すための管路における吹出口32に近い部分に吸引口24aに設けられ、かつ、該吸引口24aの近傍にファン24bが取付けられた外気導入装置24が一体的に取付けられている。また、外気導入装置24におけるフードF内に外気を供給す吹出口は前記吹出口32と同一となっている。そして、外気導入装置24は前記汽水分離装置2からの温風と一緒に(この場合における外気導入装置24のファン24bはフードF内に取付けられている温度センサ13bよりの出力で駆動する)、あるいは、ブロワ1から供給される温風とは関係なく外気のみをフードF内に供給する動作のみを行うことも可能である。なお、前記外気導入装置24によって外気を取り入れるための外気取り入れ口33が前記ハウジング3の側面に形成されている。
【0022】
汽水分離装置2は前記ブロワ1の真下に位置し、吸引した空気に渦流を発生させ下方に排出する渦流発生器21と、該渦流発生器21の下側に着脱自在に取付けられブロワ1からの汽水に含まれている液体や異物を貯留するカップ22と、該カップ22内に抜き差し自在に収容され渦流内に含まれている液体や異物をカップ22内に送り出すためのスリット23aを有する漏斗状の分離器23とから構成されている。なお、前記汽水分離装置2におけるカップ22はハウジング3の前方に開閉自在に取付けられた蓋33を開放して外に取り出すことで、カップ22内に滞留している液体を排出することができる。
【0023】
前記カップ22は前記渦流発生器21に対して着脱自在に取付けられているが、その構造は図4〜図6に示す構造となっている。すなわち、渦流発生器21にはカップ22の鍔部22bと係合される係合溝21aが形成され、また、渦流発生器21の前記係合溝21aが形成されている反対側にはロック爪21bが形成されている。一方、カップ22の鍔部22bには前記ロック爪21bが通過する開口孔22cが形成され、かつ、開口孔22cを通過したロック爪21bと係合されロック可能なハンドル22dが回動自在に取付けられている。カップ22は上方が円筒形状で、中間より下側における前記ハンドル22cの回動方向と同じ方向の面には段部22eが形成されている。また、前記ハウジング3の前記開口部には前記カップ22の段部22eの下面が載置される開口部側に向かって傾斜するガイドレール35が形成されている。なお、22fはカップ22の把手である。
【0024】
このように構成することで、カップ22を渦流発生器21に取付けるには、カップ22をハウジング3の開口部のガイドレール35にカップ22の段部22eを乗せた状態でスライドさせ奥側に差し込むと、カップ22の鍔部22bが渦流発生器21の係合溝21aに係合された状態で停止する。この状態において、カップ22の把手22fを押し上げると、ロック爪21bが鍔部22bに形成されている開口孔22c内に入り込み先端が開口孔22cを通過する。ここで、ハンドル22dを回動することでハンドル22dの上端とロック爪22bが係合されロック状態となる。
【0025】
前記ハウジング3の上面のフードFを取付ける斜面には前記吹出口32が取付けられ、この吹出口32の左右にはロッドR内を負圧状態とするチューブ4が引き出される引出し部材5が取付けられている。チューブ4の先端にはロッドRと脱着可能で、かつ、ロッドRに対して回動自在な取付具41が取付けられている。また、ロッドRには外周面に多数の空気流通孔R1が形成されているので、チューブ4を接続具41を介してロッドRに接続し、チューブ4内を負圧状態とするとロッドR内も負圧状態となり、従って、ロッドRに巻かれている毛髪の水分等の流体はチューブ4内に吸引され、かつ、フードF内を加温状態とすることで毛髪も加温され乾燥時間を早めることが可能となる。
【0026】
前記チューブ4の引出し部材5は、チューブ4の径より大きな長孔51aが形成された固定台51と、チューブ4より僅かに大きな丸孔52aが形成され、かつ、固定台51に対してスライド可能な可動台52とより構成され、チューブ4を引出したり収納したりする場合には図6に示すように、可動台52の丸孔52aが固定台51の長孔51aの中心に位置するようにスライドすることで容易に行え、また、チューブ4を固定状態とする場合には図7に示すように、可動台52の丸孔52aが固定台51の長孔51aの中心より外れた位置となるようにスライドすることでチューブ4は摩擦抵抗によって固定状態となる。
【0027】
なお、引出し部材5の構造としては前記した実施例に限定されるものではなく、チューブ4の外周に対して密着したり、外周に対して隙間を作ることが可能な構造のものであれば全て含まれるものである。また、前記した固定台51はチューブ4が比較的密の状態で嵌挿されている基台53に固定されている。そして、この基台53には後述する吸引パイプ6の上端が気密の状態で嵌合されるように構成されている。また、ロッドRを装着しないチューブ4の接続具41には図示しないキャップを嵌合して吸引時にロッドRの吸引力が弱まらないようする必要がある。
【0028】
前記引出し部材5から垂れ下がっているチューブ4が収納される吸引パイプ6は、合成樹脂等の材料でパイプ状に形成されており、一端が前記した引出し部材の基台53に気密の状態で嵌合され、他端が前記した汽水分離装置2の渦流発生器21の相対抗する側面に気密の状態で嵌合されている。そして、吸引パイプ6はハウジング3の側面に沿って配置される。従って、ブロワ1を駆動すると渦流発生器21によって吸引パイプ6内は負圧状態となり、この負圧状態によりチューブ4内も負圧状態となり、ロッドR内は負圧となる。
【0029】
なお、気密状態で引出し部材5と渦流発生気21に嵌合されている吸引パイプ6を外すことで、吸引パイプ6はハウジング3から分離できるので、チューブ4を吸引パイプより抜き出すことが可能となり、チューブ4の洗浄を容易に行うことができる。
【0030】
次に、フードFの詳細を図11〜図14と共に説明する。
フードFは略円弧状に形成された第1フード7と第2フード8および該第1、第2フードの頂角部において回動、かつ、締め付け可能に締め付ける締付部材9と、第2フード8のみをロック可能とするロック部材10とから構成されている。そして、ハウジング3に対しては前記締付部材8とロック部材10を介してハウジング3の受け凹部34に嵌め込み、取り外し自在に取付けられている。なお、第1、第2フード7,8の形状は円弧状に限定されるものではなく、四角、六角形状等のような頭部を覆う形状であればどのような形状であってもよい。
【0031】
そして、ハウジング3の受け凹部34に取付けた状態において、第1フード7がハウジング3の上部開口縁部に密着状態で載置され、また、第2フード8の開口部には被施術者の額から襟部の頭部を覆う気密性の柔軟な覆い布8aが取り外し可能に取付けられている。なお、第1フード7に対して第2フード8を重ねる方向に回動した時に、第2フード8が容易に開く方向に移動しないように、第2フード8の第1フード7の内面に形成されている突条(図示せず)と係合される止めバネ8bが取付けられている。
【0032】
また、前記締付部材9は摘み91を回転することで第1フード7と第2フード8を所望の角度位置で(例えば、図14(b)に示す第2フード8を第2フード8側に重ね、着座している被施術者の後頭部側からチューブ4をロッドRに嵌合する作業が行い易い位置と、図14(c)に示す第2フード8を被施術者の顔側に位置させた状態において第1フード7を重ね、被施術者の前頭部側からチューブ4をロッドRに嵌合する作業が行い易い位置)で固定することが可能であり、また、ロック部材10は第1フード7に対して第2フード8を最大限に開いた状態(図1、図2)において、該第2フード8がロックされるようになっている。
【0033】
次に、締付部材9の構造について図11の断面図と共に説明する。
図11において、91は前記ハウジング3の受け凹部34に対して着脱自在に装着可能な装着部材にして、中央部には雌ネジ91aが形成されている。92は前記雌ネジ91aに螺合される雄ネジ92aが形成された円筒部92bが形成されたネジ部材にして、先端には指操作によって回し易いように凹凸面が形成された操作摘み92cが一体的に形成されている。そして、前記円筒部92bには第1、第2フード7,8の頂角部に形成された孔71,81が軸支されている。
【0034】
このように構成した締付部材9における装着部材91の雌ネジ91aに対してネジ部材92の雄ネジ92を緩めると、第1、第2フード7,8相互の間隔が広くなるので、両者は回動可能となり、また、締め付けると装着部材91とネジ部材92との間が狭くなるので、第1、第2フード7,8は固定状態となる。従って、第1フード7と第2フード8との重なり角度および図11に示すハウジング3に対する第1、第2フード7,8の回転角度を自由に設定することができる。
【0035】
次に、ロック部材10の構造について図12、図13と共に説明する。
図12、図13において、101は前記ハウジング3における前記締付部材9の装着部材91が装着される受け凹部34とは反対側に形成されている受け凹部34に着脱自在に装着可能な装着部材、102は該装着部材101内に摺動可能(図12において左右方向に摺動可能)に取付けられ、かつ、操作摘み102aが一体的に形成された操作部材にして、前記操作摘み102a内にはスプリング103が収納されている。また、操作部材102には第2フード8の内面に形成された楔状の係合突起8cが係合される凹状の係合部102bが形成されている。なお、前記係合突起8cは第2フード8を図1、図2の施術位置に回動した時に前記係合部102bに係合される位置に形成されている。
【0036】
104は前記装着部材101に取付けられたキャップにして、該キャップ104には前記第1、第2フード7,8の頂角部に形成された孔が回転自在に軸支される円筒部104aが形成されると共に前記操作摘み102aの先端が臨む摘み用孔104bが形成されている。そして、キャップ104の摘み用孔104bから露出している前記操作摘み102aをスプリング103のバネ力に抗して押すと、図13の如く第2フード8に形成されている係合突起8cが位置している場合には係合部102bに係合突起8cが係合され、従って、第2フード8はこの位置においてロック状態となって回動不能な状態となる。
【0037】
このように構成したロック部材10にあっては、パーマネントウエーブ処理を行える位置(図1、図2の状態)に第2フード8を回転する時には、操作摘み102aをスプリング103のバネ力に抗して押しながら行う。そして、第2フード8の係合突起8cが係合部102bに達した位置において操作摘み102aの押圧力を解除するとスプリング103のバネ力によって操作部材102は元の位置に戻って図13に示すように係合部102bに係合突起8cが係合され、これにより、第2フード8の回転は阻止される。このように施術状態において第2フード8がロックされ動くことがないので、施術中の被施術者に安心感を与えることができる。
【0038】
次に、前記したパーマネントウエーブ処理装置を使用して毛髪の処理を行うための制御装置について図15〜図17と共に説明する。
図15は前記処理装置におけるハウジング3の頂部傾斜面に取付けられた操作盤11の正面図、図16は該操作盤11の操作によって駆動する制御回路13、図17は該制御回路13の動作を説明するためのフローチャートである。
【0039】
先ず、操作盤11について説明するに、全体が円盤状に形成され外周にリング状の操作部112が形成され、該操作部112の内側に表示部111が形成されている。そして、表示部111には施術時間を数字で表示する時間表示部111aと、施術温度を発光ダイオードの切換えで表示する温度レベル表示部111bと、被施術者の毛髪に巻き付けるロッドRの本数を発光ダイオードの切換えで表示するロッド数表示部111cと、被施術者の毛髪の量と毛髪のダメージとによって1〜9のレベル(枡目状の表示部分の発光ダイオードが点灯)で表示を行うモード表示部111dとから構成されている。
【0040】
なお、前記温度レベル表示部111bにおける発光ダイオードは、青色発光ダイオード点灯のヒーター制御オフと、45℃〜55℃の温度表示を低い温度から順次青色1個、黄色2個、橙色2個、赤色2個の計7個が直線状に配置され、温度が高くなるにしたがって順次追加点灯されるようになっている。また、ロッド数表示部111cにおける発光ダイオードは、例えば、1〜9本を使用した場合に黄色発光ダイオード2個が点灯され、10〜17本を使用した場合に橙色発光ダイオード2個が点灯され、18〜26本を使用した場合に赤色発光ダイオード2個が点灯されるようになっている。なお、前記した説明ではロッド数を3段階で表示する場合について説明したが3段階に限定されるものではなく、また、各段階毎におけるロッド数も前記数に限定されるものではない。
【0041】
次に、前記表示部111a〜111dの外周に配置されたスイッチ112a〜112hについて説明する。
112aは時間補正用(後述する制御回路13によって設定された施術時間を施術者等が経験則から訂正する)のスイッチにして、上向きの矢印が時間増加用スイッチ、下向きの矢印が時間減少用スイッチである。112bは前記した時間補正と同じく施術者が操作する温度補正のスイッチにして、上向きの矢印が温度上昇用スイッチ、下向きの矢印が温度低下用スイッチである。
【0042】
112cは施術者の毛髪を巻き付けるロッドRの本数を設定するためのロッド数設定スイッチにして、上向きの矢印が毛髪を巻いたロッド本数が多い場合に操作する多本数用スイッチ、下向きの矢印がロッド本数が少ない場合に操作する小本数用スイッチである。112dはロッドに巻き付けた毛髪の量を3段階(少ない、普通、多い)で操作するための毛髪量設定スイッチ、112eは毛髪のダメージレベルを3段階(低い、普通、高い)で操作するためのダメージ設定スイッチにして、前記毛髪量設定スイッチ112dとの操作回数で後述する制御回路13のROMに記憶されている1〜9のレベルが自動的に設定される。
【0043】
112fは後述する制御回路13によって時間、温度およびレベルが自動設定された後に操作し、また、動作中におい操作すると停止するスタートスイッチ、112gはオン操作している時のみ風がフード内に送風すると共にロッド内を負圧状態とし、ロッドRとチューブとを接続状態が完全な状態であるか、また、ロッドRと接続していないチューブが開放状態となっていないかを音やブロワ1の電流を検出して確認するためのテスト用スイッチ、112hは作動音(送風を行いながら吸引を行った時に発生する音)を小さくするために出力を低下させるスイッチである。
【0044】
次に、図16の制御回路13について説明する。なお、前記した操作盤11の説明で使用した符号と同じ符号は同一部分を示し説明は省略する。
13aは回路全体の動作を行うためのCPU、13bはフード内の所望個所に設置され、フード内の温度を検出するフード内温度検出用の温度センサ、13cは温風を供給すると共に吸引を行うためのモータに過負荷が加わったことを検出し、および、本体に組み込まれた傾斜センサが動作して本体が転倒するような状態となった時やヒーターが異常温度となった時に電源をオフにするための安全スイッチである。
【0045】
13dは前記ロッド数設定スイッチ12c、毛髪量設定スイッチ12dおよびダメージ設定スイッチ12eを操作し入力することで、施術時間を何分にするかおよび施術温度を何度にするかのデータが記憶されたROM、13eは施術者が希望に応じて各種の設定を行ったことを記憶するRAM、13fはヒーターの温度制御を行う、例えば、ヒーターへの通電をオン・オフ制御するためのリレー等のヒーター制御部、13gは前記ROM13dによって設定された時間をスタートスイッチ12fをオンしてから減算するタイマ、13hは送風手段のオン・オフ制御や送風量の制御を行うためのブロア制御部、13iは前記表示部111の点灯制御を行う制御部である。そして、これらのスイッチや制御部は前記CPU13aに対して入出力バスを介して接続されている。
【0046】
次に、前記した制御回路12の動作を図17のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、毛髪にロッドRを巻き付け、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布し、所定時間を放置して毛髪を膨潤軟化させる。毛髪が膨潤軟化した状態において毛髪に付着しているパーマネント第1剤を洗い流し、洗い流した毛髪をタオルで拭く。その後、本発明のパーマネントウエーブ処理装置のフードFを開放した状態において処理装置の前に着座させ、ロッドRに取付具41を嵌合してロッドRにチューブ4を接続する。また、ロッドRが接続されていない取付具41には封止部材を嵌合して空気漏れを防止した後、開放されているフードFを閉じて被施術者の頭部を覆うと共に顔面側を覆い布8aで密閉状態とする。なお、前記した説明にあっては、ロッドRにチューブ4を接続した場合について説明したが、湿潤状態の毛髪を加温し一定時間放置する際に、より毛髪の湿潤状態を維持したままで毛髪を加温する場合は、チューブ4は必ずしもロッドRに接続しなくともよい。この場合、チューブ4の口は開放された状態とする。
【0047】
この状態において、図示しない主電源のスイッチをオン(ステップS1)にすると制御回路13は駆動状態となる。そして、毛髪に巻き付けたロッドRの本数をロッド数設定スイッチ112cを操作して入力する(ステップS2)。次いで、毛髪のダメージ状態をダメージ設定スイッチ112eを操作して入力し(ステップS3)、さらに、ロッドに巻き付けた毛髪の量が多いか否かを判断して毛髪量設定スイッチ112dを操作して入力する(ステップS4)。
【0048】
上記3つの設定が終了すると、毛髪の処理時間、毛髪への雰囲気温度とブロアの出力強度のモードがROM13dに記憶されているデータから拾いだされ時間と温度が決定され(ステップS5)、時間表示部111aと温度レベル表示部111bに表示される。この状態においてCPU13aはスタートスイッチ112fが操作されたか否かを監視し(ステップS6)、操作されたと判断するとタイマの減算が開始され(ステップS7)、かつ、ブロア1が弱駆動力で駆動を開始し温風の送風が開始される(ステップS8)。この送風が開始されるとチューブ4を介して吸引が行われるが、ブロア1が弱駆動力で駆動されているので、ロッドRに巻かれている毛髪は温かい湿潤状態(温かい濡れた状態)で保持される。また、ロッドRにチューブ4を接続していない場合は、ブロワ1を弱駆動よりも高めに駆動させ、ロッドRに巻かれている毛髪を温かい湿潤状態(温かい濡れた状態)で保持することもできる。
【0049】
また、前記ステップS8のブロア駆動と同時にフードF内に設置された温度センサ12bがフードF内の温度を検出するが、スタートスイッチ112fをオンした時のフード内の温度は室内温度となっており低いため、ヒーター制御13fが開始される(ステップS9)。そして、ヒーター制御が開始されフードF内が予め設定した温度(ROMによって決定された温度)となるように制御が開始される(ステップS10)。ロッドRにチューブ4を接続している場合、この送風が開始されるとチューブ4を介して吸引が行われるが、ブロア1が弱駆動力で駆動されているので、ロッドRに巻かれている毛髪は濡れた状態で保持される。
【0050】
この制御状態において何らかの原因によってフードF内の温度が前記設定した温度以上になったか否かを温度センサ13bよりの出力によって監視し(ステップS11)、設定した温度以上であると判断するとファン24bを駆動(ステップS12)して外気を取り込んで送風口32より送風することで、ヒーターHを介して送風される温風が混合され予め設定した温度となるように制御する。
【0051】
前記した温度管理を行いながらCPU13aは前記設定された第1の時間に達したか否かを監視し(ステップS13)、設定時間に達していないと判断するとステップS10に戻って前記した制御を行い、また、設定時間に達したと判断すると一旦ブロワ1の駆動を停止する(ステップS14)。この停止状態において、施術者がフードFを上げて毛髪の状態を見る作業を行ったり、前記したロッドRにチューブ4を接続していない場合には、チューブ4をロッドRに接続する作業を行う。
【0052】
前記した作業が終了したなら、施術者がスタートスイッチ112fをオン(ステップS15)にすると、タイマが始動(ステップS16)すると共にブロア1が強駆動力で駆動を開始され(ステップS17)、かつ、ヒーターHの制御が開始される(ステップS18)。この状態にあっては、ブロワ1は強駆動力によって駆動していることにより、送風量も吸引力も強いので毛髪を通過する温風量が多く、従って、毛髪の乾燥が迅速に行われることとなる。また、前記乾燥状態においてフードF内の温度監視が行われ(ステップS19)、この監視において予め設定した温度以上であるか否かを監視し(ステップS20)、設定以上であると判断するとファン24bを駆動(ステップS21)して外気を取り込んで送風口32より送風することで、ヒーターHを介して送風される温風を混合され予め設定した温度となるように制御する。
【0053】
次いで、第2のタイマ時間に達したか否かの監視が行われ(ステップS22)、設定時間に達していないと判断するとステップS16に戻って前記した制御を行い、第2のタイマ時間に達したと判断すると、スタンバイの状態となり(ステップS23)、ステップS2に戻って、次の被施術者のパーマネントウエーブ処理の開始待ち状態となる。なお、前記した説明にあっては、第1のタイマ時間が経過すると弱駆動力によるブロワ1の駆動が停止した後、人的にスタートスイッチ112fをオンして次の工程に以降するようにしたが、ブロワ1の停止後に予め設定した時間(施術者が前記した作業が終了するであろう時間)の後に自動的にブロワ1が強駆動力で駆動するようにしてもよい。
【0054】
次に、前記したフローチャートの作業が終了し毛髪の乾燥が終了したなら、その後に乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して一定時間放置する。これにより、ジスルフィド結合が再結合されて乾燥状態での形状が記憶される。また、前記したステップS8において、ロッドRにチューブ4を接続しない状態で弱い温風を毛髪に当てて、所要時間経過した後にチューブ4を接続して、その後にブロワ1を強駆動力で駆動して乾燥させてもよい。
【0055】
なお、前記した実施例はロッドの本数、毛髪の量、毛髪のダメージ状態の3つの条件を入力することによりタイマ、温度、ブロワ出力が自動設定される場合について説明したが、被施術者が経験則等から前記3つの条件の内、1つまたは2の条件を入力することで前記タイマ、温度、ブロワ出力を決定したいような場合には、1つまたは2つの条件を入力した後に、図示しない決定スイッチを操作することで施術の開始が行われるようにしてもよい。この場合には、ROM13dには各入力条件でタイマ、温度、ブロワ出力を決定するためのソフトを作成する必要がある。
【実施例2】
【0056】
前記した実施例では、ロッドRが巻かれた毛髪に対して温風を供給し、湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置し、その後に温風を吸引することで毛髪を乾燥させて、処理を行う場合について説明したが、湿潤状態の毛髪を乾燥しながら一定時間放置するた際に、蒸気またはミストを当てて毛髪により多くの水分を保持させたまま(毛髪を乾燥させずに)処理する方法について説明する。蒸気を用いて加温することにより、湿潤状態の毛髪の水分量と温度をよりコントロールすることが可能となり失敗が少なく、よりウエーブ効率の高いパーマネントウエーブ処理が行える。
【0057】
そこで、第2の実施例は前記した第1の実施例に加え毛髪に蒸気を与えるための蒸気発生装置を一体的に組み込んだものであって、図18〜図20と共に説明する。なお、第1の実施例と同一符号は同一部分を示し説明は省略する。
14はハウジング3の側面に取付けられた公知の蒸気発生装置にして、タンク内の水をヒーターや超音波等によって加熱し蒸気を発生させ蒸気管14aを介してフードF内に供給する構造のものである。
【0058】
前記蒸気発生装置4よりの蒸気を導出する蒸気管14aには水密状態で回転管14bが接続され、この回転管14bの先端はハウジング3の上部における前記吹出口32の上方に達しており、該回転管14bの先端には蒸気吹出管14cが吹出口32の上方において平行な状態で位置している。なお、14dは蒸気吹出孔である。
【0059】
この蒸気発生装置14を組み込んだパーマネントウエーブ処理装置を利用してパーマネントウエーブ処理を行う作業工程について説明する。
前記した蒸気発生装置14が組み込まれていないパーマネントウエーブ処理装置によるパーマネントウエーブ処理と異なる点は、毛髪に第1剤が塗布されている状態においてフードF内を温風による加温状態に変えて蒸気発生装置14より蒸気をフードF内に供給して湿度と温度が高い状態とし、毛髪を加温することが可能となる。また、ブロワ1の駆動と組み合わせて、ゆっくりと蒸気を吸引してロッドRに巻かれている毛髪と第1薬剤を十分に反応させることも可能となる。
【0060】
次に、膨潤化された毛髪に付着している第1剤を洗い流し、もしくは、第1剤を中和する酸性の中間処理剤にて第1剤の作用を止め、あるいは、両方の作業を行った後、湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置する際に、蒸気で加温することにより、毛髪に含まれている水分が多い状態で毛髪の温度を上げることが可能となり、毛髪内部の分子が動き易い状態でロッドRによって変形されている形状に分子が十分に移動することができる。さらに、蒸気またはミストをロッド内を負圧にして吸引することで、毛髪の根元から毛先までの水分量と温度を均質化することができる。その後に温風の供給と吸引による乾燥を行うことで、仕上がりにおいてよりロッド径に対して忠実なウエーブの形成が可能となる。その後の工程は前記した第1の実施例と同様に乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して一定時間放置する工程であるので、詳細な説明は省略する。
【0061】
この実施例においても、フードF内の温度が設定値を越えた温度を温度センサ13bが検出すると、CPU13aはファン24bを駆動して外気を取り込み温度の上昇を抑えることができることは勿論のことである。
【0062】
なお、第2の実施例では蒸気発生装置14をハウジング3の外部に取付けたもので示したが、該蒸気発生装置14はハウジング3内に組み込み、かつ、蒸気をフードF内に供給することが望ましい。
【0063】
次に、本発明に係るパーマネントウエーブ処理方法の作業工程について説明する。
先ず、毛髪にロッドRを巻き付け、巻き付けられた毛髪にパーマネントウエーブ用の還元剤である第1剤を塗布し、薬剤と毛髪が反応するまで放置して毛髪を膨潤軟化させ、該膨潤軟化された毛髪に付着している第1剤を洗い流し、もしくは、第1剤を中和する酸性の中間処理剤にて第1剤の作用を止め、あるいは、両方の作業を行う。それから、本発明のパーマネントウエーブ処理装置を被施術者の頭髪にセットする。この時、図14の(a)に示すフードFの第1フード7に対して第2フード8が重なった状態の導入状態となっている。
【0064】
被施術者が着座したなら、図11(b)に示すように第2フード8を被施術者の頭部を覆う位置まで回動し、かつ、第1フード7を第2フード8側に重ねた状態となし締付部材9でロックして固定する。この状態において図1、図2に示すように第1、第2フード7,8を広げた状態として被施術者の頭部全体を覆う。これにより、第2フード8の止めバネ8bによって第1、第2フード7,8はロック状態となる。さらに、頭部と第2フード8の開口部との間に隙間が発生するので、被施術者の額部から首後ろ部に対して覆い布8aで覆って外部と隔離した状態とする。
【0065】
次いで、スタートスイッチ112fを操作して制御回路13をオンの状態となし、かつ、操作盤11のロッド数設定スイッチ12c、毛髪量設定スイッチ12dおよびダメージ設定スイッチ12eを操作することで、前記した制御回路13の動作によって処理時間と処理温度とが設定され、ブロワ1が設定された温度の温風となるように制御され、フードF内は一定の温度雰囲気となり、この状態で毛髪は所定の温度(好ましい温度は60度以下である)、かつ、時間(毛髪の固さや毛髪量等によって異なる)だけ温められ、さらに、高分子が移動し易くなる。なお、前記毛髪の加温はブロワ1よりの温風に限定されるものではなく、第2実施例で示した蒸気やミストによる加温でもよい。
【0066】
そして、前記所定の時間が経過したなら、ブロワ1が一端停止し、加温が終了する。その後に、フード7,8を開放してチューブ4を引出し部材5より引き出して毛髪が巻かれているロッドRに接続する。なお、ロッドRが接続されていないチューブ4には取付具41に対してキャップを嵌合して空気の吸引が行えないようにする。また、図11(b)に示す第1、第2フード7,8の状態では被施術者の前頭部の毛髪に巻かれているロッドRへのチューブ4の接続が困難な場合には、フードFをハウジング3から外して接続作業を行ってもよい。
【0067】
そして、毛髪が巻かれているロッドRに対するチューブ4の接続が終了したなら、前記したと同様に第1、第2フード7,8を広げた状態として被施術者の頭部全体を覆うと共に、頭部と第2フード8の開口部との間に隙間を覆い布8aで覆って外部と隔離した状態とする。
【0068】
次に、再度、施術者がスタートスイッチ112fをオンし、ブロワ1を駆動することでチューブ4内が負圧となりフード7,8内の加温状態を維持している温度の高い空気が吸引されロッドRに巻かれている毛髪の乾燥は速やかに行われる。また、吸引された温風内に含まれる薬剤や異物を汽水分離装置2によって空気分離し、温風のみがブロワ1によって吸引されると共にヒーターHを介してフードF内に供給される。なお、この時、フードF内の温度が設定値を越えた温度を温度センサ13bが検出すると、CPU13aはファン24bを駆動して外気を取り込み温度の上昇を抑える。
【0069】
そして、前記乾燥工程が終了したなら乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布し、ジスルフィド結合の再結合行わせて乾燥した時の毛髪の形状を記憶させる。そして、所望の時間が経過したなら毛髪を洗髪し、乾燥させてスタイリングを行うことで作業は終了する。
【0070】
提案する処理方法の有効性を説明する。膨潤軟化された毛髪に付着している第1剤を洗い流し、もしくは、第1剤を中和する酸性の中間処理剤にて第1剤の作用を止め、あるいは、両方の作業を行った後に、毛髪を加温して一定時間放置後に、パーマネント第2剤を行うと、従来のコールドパーマと比べウエーブ効率が良くなる。
【0071】
さらに、上記工程の毛髪を加温して一定時間放置した後に、乾燥工程を入れることで、乾燥した毛髪に対して酸化剤を含む第2剤の処理を行い、乾燥状態での形状を記憶させるため、最終のスタイリングを行った際、乾燥状態は濡れた状態と同じようにウエーブ形状が保たれる(乾燥時にダレが小さい)。このことは、図22の毛髪B,C,Dは、毛髪Aの結果に比べ濡れた状態および乾燥した状態でウエーブのダレが小さいことにより、その効果が確認された。
【0072】
また、本発明の出願前に行った実験である毛髪Cにあっては、 乾燥させる前に、一定時間放置する際に、加温状態でなく室温環境にて放置しているので、薬剤を洗い流した後、乾燥に入る前の一定時間の放置をしていない毛髪Bの結果よりウエーブ効率は良好ではあるが、その効果の差は小さいものである。
【0073】
しかし、本発明の処理方法によって得られた毛髪Dの結果は、薬剤を洗い流した後、一定時間放置する際に毛髪の湿潤状態を維持しながら加温処理を行っているため、ウエーブ効率が大幅にアップしており、最も良いウエーブ効果を示している。また、今回の比較結果は、同じ第1剤の処理時間も同じにし薬剤を洗い流した後、一定時間放置する際の処理方法の違いを比較する結果を示したが、この結果が示すとおり従来のパーマネント処理方法よりも大幅にウエーブ効率がアップするので、従来よりも第1剤の処理時間を短くし、薬剤を洗い流した後に湿潤状態の毛髪を加温し一定時間放置することで、薬剤による毛髪内部の構造変化を極力押え、高いウエーブ効率を達成できるパーマネントウエーブを実現することができる。
【0074】
次に、ウエーブの計算方法について説明するに、第2剤を塗布した後の洗髪状態の濡れた状態は、図22(a)の濡れた状態から図22(b)(c)の乾燥した状態とを用いてウエーブ効率を算出した。ウエーブ効率の計算方法は、図23に示すように、ウエーブの中心部からウエーブの高さXをウエーブの中心から次のウエーブまでの長さYで割ったものである。その結果を図24に示す。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明のパーマネントウエーブ処理装置の側面図である。
【図2】同上の縦断面図である。
【図3】要部の背面図である。
【図4】汽水分離装置におけるハウジング内に取付けられている渦流発生器にカップを装着した状態の正面図である。
【図5】同上の断面図である。
【図6】カップを渦流発生器から外す途中の状態を示す断面図である。
【図7】図1の一部を断面した側面図である。
【図8】フードを開放した実施例の斜視図である。
【図9】チューブの引出しが可能な状態を示した引出し部材の断面図である。
【図10】同上のチューブの引出しが不能な状態を示した引出し部材の断面図である。
【図11】第1、第2フードを一体化するための締付部材の断面図である。
【図12】第2フードをロックするためのロック部材の断面図である。
【図13】同上のA−A線断面図である。
【図14】第1、第2フードの開閉状態を示す側面図であり、(a)は導入時の状態を示し、(b)は後頭部のロッドとチューブとを接続する時の状態を示し、(c)は前頭部のロッドとチューブとを接続する時の状態を示す。
【図15】操作盤の正面図である。
【図16】制御回路の回路ブロック図である。
【図17】同上の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図18】同上のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【図19】第2実施例の側面図である。
【図20】同上の要部を示す背面図である。
【図21】蒸気をフード内に噴出する部分の正面図である。
【図22】本発明の処理方法と従来例の処理方法によってパーマネントウエーブを施した写真であり、(a)は濡れた状態、(b)乾燥した状態、(c)は(b)の毛束の向きを変えた写真である。
【図23】ウエーブ効率の算出方法を説明するための線図である。
【図24】ウエーブ効率の比較結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0076】
1 ブロワ
2 汽水分離装置
24 外気導入装置
24b ファン
3 ハウジング
4 チューブ
5 引出し部材
6 吸引パイプ
F フード
H ヒーター
R ロッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪のパーマネントウエーブ処理装置であって、ウエーブ効率が良く(よりロッド径に近い)、毛髪の損傷を抑え、かつ、その仕上がりのウエーブが長持ちし、かつ、安全性の高い施術が行えるパーマネントウエーブ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるコールドパーマと呼ばれる毛髪の処理方法としては、被施術者の毛髪に還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して軽く湿らせた状態においてロッドに巻き付け、この状態において前記第1剤をさらに塗布して室温環境下で所定時間放置する。そして、この状態において放置することで毛髪のタンパクのケラチンのジスルフィド結合を開鎖してメルカプト基を生成させ毛髪は膨潤軟化される。
【0003】
前記所定時間の後に施術者がテストカールを行い膨潤軟化の程度、すなわち、毛髪が軟らかくなって可塑性が出たかを判断し、膨潤軟化したと判断すると毛髪表面に付着した還元剤を洗い流してタオル等によって毛髪に付着している水分を拭き取る。そして、水分を拭き取った毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して室温環境下において所定時間放置してメルカプト基を酸化してジスルフィド結合を再結合しウエーブを形成する。さらに、前記所定時間が経過したならロッドを外して水洗いし、その後にドライヤーで乾燥させてパーマネントウエーブ処理が終了する。
【0004】
しかし、このパーマネントウエーブ処理方法にあっては、図22(a)の濡れた状態の毛束、(b)の乾燥した状態、(c)毛束の向きを変えた状態に写真における結果Aからも判るように、ウェット状態では形状を保っているが、ウエーブが必要な乾燥状態ではウエーブが大きくなる(ダレる)という欠点があり、また、そのウエーブを保持できる期間も十分に満足いくものではなかった。
【0005】
そこで、本出願人は前記した問題点を解決するために、特開2006−212417に開示されているパーマネントウエーブ処理方法を発明した。この発明は、第1剤である還元剤が塗布され軟化湿潤状態となった毛髪を水洗いした後に、毛髪をロッドに巻き付け、該ロッドに巻き付けられている毛髪全体を加温雰囲気にすると共に前記ロッド内を負圧状態として吸引して乾燥し、その後、加温を停止しすると共に外気を取り込んで温まっている毛髪を冷却するという処理方法であった。その結果は、図22における結果Bの写真からも判るように、従来のコールドパーマ処理(結果A)よりも乾燥時にダレが小さくなっており改善されているが、十分な処理方法とは言えないものであった。
【0006】
そして、本発明者等は前記した公開公報のパーマ処理工程において、温度と吸引による毛髪を乾燥させる処理の前に、毛髪をタオルで包み、望みの髪形で室温環境下において一定時間放置する工程を加えることで、毛髪内のメルカプタン基とジスルフィド結合の交換が進み、分子の再配列が起こり二次結合が生じて、ウエーブ効率の良い(よりロッド径に近い)ウエーブ形成ができるということを知って実験を行った。その結果が図22における結果Cの写真である。この写真からも判るように、前記した公開公報の処理方法(結果B)よりもウエーブ効率は良くなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、本発明者等は、この結果には満足せず、さらに、試行錯誤を行った結果、図22における結果Dであり、ウエーブ効率の良く(よりロッド径に近い)初期のウエーブが長期間にわたって保持されるパーマネントウエーブ処理方法を開発したものである。
【0008】
本発明の目的とするところは、パーマネント第1剤処理の後に中間水洗を実施し、ジスルフィド結合の開鎖の進行を止め、分子の再配列(高分子移動)に必要な、温度、湿度、時間を毛髪の状態に合わせて与え、その後、毛髪の乾燥状態に移行し、常温常湿下でパーマネント第2剤処理し、ジスルフィド結合を再結合させウエーブを形成するようにしことにより、乾燥時のダレが非常に小さく、初期のウエーブが長期間にわたって保持され、かつ、ウエーブ効率の良いパーマネントウエーブ処理装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のパーマネントウエーブ処理方法は、前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、毛髪をロッドに巻き付ける第1の工程と、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させる第2の工程と、膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行う第3の工程と、第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置する第4の工程と、第4の工程の後に酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布してジスルフィド結合を再結合させる第5の工程とからなる。
【0010】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温する温度が60℃以下であることを特徴とする。
【0011】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温する手段が温風、蒸気またはミストを用いて加温することを特徴とする。
【0012】
請求項4の手段は、前記した請求項1において、前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪が巻かれているロッド内を低負圧状態として温風、蒸気またはミストを吸引するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項5の手段は、前記した請求項1において、前記第4の工程の後に、毛髪にダメージを与えない温度の温風によって乾燥させ、乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して、ジスルフィド結合を再接合することで乾燥状態での形状を記憶させる第6の工程を追加したことを特徴とする。
【0014】
請求項6の手段は、前記した請求項5において、前記第6の温風によって乾燥する工程が、ロッドに巻かれている毛髪に温風を吹き付けると共に、ロッド内を高負圧状態として温風を吸引する工程であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は前記したように、毛髪をロッドに巻き付け、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させ、その後、膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行い、湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置し、酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布してジスルフィド結合を再結合するようにしたので、従来のパーマネントウエーブ処理方法で処理したウエーブ形状よりもウエーブ効率の良い(よりロッド径に近い)ウエーブが形成される。
【0016】
また、前記湿潤状態の毛髪を加温する温度が60℃以下とすることで、毛髪にダメージを与えることがなく、さらに、加温を蒸気またはミストとすることで、より毛髪を湿潤状態を維持したまま、効果的に毛髪の温度を上げることおよび水分量をコントロールすることができ、さらに、蒸気またはミストをロッド内を低負圧にして吸引することで、毛髪の根元から毛先まだの水分量と温度を均質化することができる。
【0017】
また、湿潤状態で一定時間加温しながら放置した後に毛髪にダメージを与えない温度の温風によって乾燥させ、乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して、ジスルフィド結合を再接合するようにし乾燥状態での形状を記憶させることで、乾燥時におけるウエーブ形状のダレが非常に小さくなり、かつ、ウエーブを長期間にわたって保持することができ、また、前記乾燥する工程が、ロッドに巻かれている毛髪に温風を吹き付けると共に、ロッド内を負圧状態として温風を吸引するようにすることで、乾燥時間を短くできて処理時間の短縮を図れる等の効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、毛髪をロッドに巻き付け、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させ、その後、膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行い、湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置した後に、該加温状態の毛髪に酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布する。
【実施例1】
【0019】
以下、本発明のパーマネントウエーブ処理を行うための処理装置の一実施例を図面と共に説明する。
本発明のパーマネントウエーブ処理装置は大きく分けて、ヒーターHによって加温した温風を排出すると共に毛髪が巻かれたロッドRから吸引した前記温風を吸引して再びヒーターHによって加温する循環式ブロワ1と、該ブロワ1によって吸引した温風と水分やパーマネントウエーブ用の薬剤や異物を分離する汽水分離装置2と、外気を導入して前記ブロワ1よりの温風に混合して冷却する外気導入装置24とが収容されたハウジング3とからなる本体Aと、該ハウジング3の上部に取り外し可能で、かつ、2つに分離され開閉自在なフードFとから構成されている。なお、図1においてCは被施術者がパーマネントウエーブ処理を行う時に着座する椅子である。また、本体Aにはキャスター31が取付けられ移動自在となっている。
【0020】
次に、本体Aの詳細について説明するに、モータとファンとから構成されたブロワ1は、前記ハウジング3内の中央部に固定されており、ロッドR内を負圧状態とすることでロッドRに巻かれている毛髪を介してフードF内の温風を吸引して下部に配置されている汽水分離装置2に供給し、該汽水分離装置2によって毛髪に巣組まれる水分等の液体や異物が除去された空気を吸引し、吸引した空気を上方に取付けられているヒーターHに向かって排出し、該ヒーターHによって所定の温度に加熱された空気をハウジング3に形成された吹出口32からフードF内に戻す動作をするものである。
【0021】
また、前記汽水分離装置2からヒーターHを介して前記吹出口32に温風を吹き出すための管路における吹出口32に近い部分に吸引口24aに設けられ、かつ、該吸引口24aの近傍にファン24bが取付けられた外気導入装置24が一体的に取付けられている。また、外気導入装置24におけるフードF内に外気を供給す吹出口は前記吹出口32と同一となっている。そして、外気導入装置24は前記汽水分離装置2からの温風と一緒に(この場合における外気導入装置24のファン24bはフードF内に取付けられている温度センサ13bよりの出力で駆動する)、あるいは、ブロワ1から供給される温風とは関係なく外気のみをフードF内に供給する動作のみを行うことも可能である。なお、前記外気導入装置24によって外気を取り入れるための外気取り入れ口33が前記ハウジング3の側面に形成されている。
【0022】
汽水分離装置2は前記ブロワ1の真下に位置し、吸引した空気に渦流を発生させ下方に排出する渦流発生器21と、該渦流発生器21の下側に着脱自在に取付けられブロワ1からの汽水に含まれている液体や異物を貯留するカップ22と、該カップ22内に抜き差し自在に収容され渦流内に含まれている液体や異物をカップ22内に送り出すためのスリット23aを有する漏斗状の分離器23とから構成されている。なお、前記汽水分離装置2におけるカップ22はハウジング3の前方に開閉自在に取付けられた蓋33を開放して外に取り出すことで、カップ22内に滞留している液体を排出することができる。
【0023】
前記カップ22は前記渦流発生器21に対して着脱自在に取付けられているが、その構造は図4〜図6に示す構造となっている。すなわち、渦流発生器21にはカップ22の鍔部22bと係合される係合溝21aが形成され、また、渦流発生器21の前記係合溝21aが形成されている反対側にはロック爪21bが形成されている。一方、カップ22の鍔部22bには前記ロック爪21bが通過する開口孔22cが形成され、かつ、開口孔22cを通過したロック爪21bと係合されロック可能なハンドル22dが回動自在に取付けられている。カップ22は上方が円筒形状で、中間より下側における前記ハンドル22cの回動方向と同じ方向の面には段部22eが形成されている。また、前記ハウジング3の前記開口部には前記カップ22の段部22eの下面が載置される開口部側に向かって傾斜するガイドレール35が形成されている。なお、22fはカップ22の把手である。
【0024】
このように構成することで、カップ22を渦流発生器21に取付けるには、カップ22をハウジング3の開口部のガイドレール35にカップ22の段部22eを乗せた状態でスライドさせ奥側に差し込むと、カップ22の鍔部22bが渦流発生器21の係合溝21aに係合された状態で停止する。この状態において、カップ22の把手22fを押し上げると、ロック爪21bが鍔部22bに形成されている開口孔22c内に入り込み先端が開口孔22cを通過する。ここで、ハンドル22dを回動することでハンドル22dの上端とロック爪22bが係合されロック状態となる。
【0025】
前記ハウジング3の上面のフードFを取付ける斜面には前記吹出口32が取付けられ、この吹出口32の左右にはロッドR内を負圧状態とするチューブ4が引き出される引出し部材5が取付けられている。チューブ4の先端にはロッドRと脱着可能で、かつ、ロッドRに対して回動自在な取付具41が取付けられている。また、ロッドRには外周面に多数の空気流通孔R1が形成されているので、チューブ4を接続具41を介してロッドRに接続し、チューブ4内を負圧状態とするとロッドR内も負圧状態となり、従って、ロッドRに巻かれている毛髪の水分等の流体はチューブ4内に吸引され、かつ、フードF内を加温状態とすることで毛髪も加温され乾燥時間を早めることが可能となる。
【0026】
前記チューブ4の引出し部材5は、チューブ4の径より大きな長孔51aが形成された固定台51と、チューブ4より僅かに大きな丸孔52aが形成され、かつ、固定台51に対してスライド可能な可動台52とより構成され、チューブ4を引出したり収納したりする場合には図6に示すように、可動台52の丸孔52aが固定台51の長孔51aの中心に位置するようにスライドすることで容易に行え、また、チューブ4を固定状態とする場合には図7に示すように、可動台52の丸孔52aが固定台51の長孔51aの中心より外れた位置となるようにスライドすることでチューブ4は摩擦抵抗によって固定状態となる。
【0027】
なお、引出し部材5の構造としては前記した実施例に限定されるものではなく、チューブ4の外周に対して密着したり、外周に対して隙間を作ることが可能な構造のものであれば全て含まれるものである。また、前記した固定台51はチューブ4が比較的密の状態で嵌挿されている基台53に固定されている。そして、この基台53には後述する吸引パイプ6の上端が気密の状態で嵌合されるように構成されている。また、ロッドRを装着しないチューブ4の接続具41には図示しないキャップを嵌合して吸引時にロッドRの吸引力が弱まらないようする必要がある。
【0028】
前記引出し部材5から垂れ下がっているチューブ4が収納される吸引パイプ6は、合成樹脂等の材料でパイプ状に形成されており、一端が前記した引出し部材の基台53に気密の状態で嵌合され、他端が前記した汽水分離装置2の渦流発生器21の相対抗する側面に気密の状態で嵌合されている。そして、吸引パイプ6はハウジング3の側面に沿って配置される。従って、ブロワ1を駆動すると渦流発生器21によって吸引パイプ6内は負圧状態となり、この負圧状態によりチューブ4内も負圧状態となり、ロッドR内は負圧となる。
【0029】
なお、気密状態で引出し部材5と渦流発生気21に嵌合されている吸引パイプ6を外すことで、吸引パイプ6はハウジング3から分離できるので、チューブ4を吸引パイプより抜き出すことが可能となり、チューブ4の洗浄を容易に行うことができる。
【0030】
次に、フードFの詳細を図11〜図14と共に説明する。
フードFは略円弧状に形成された第1フード7と第2フード8および該第1、第2フードの頂角部において回動、かつ、締め付け可能に締め付ける締付部材9と、第2フード8のみをロック可能とするロック部材10とから構成されている。そして、ハウジング3に対しては前記締付部材8とロック部材10を介してハウジング3の受け凹部34に嵌め込み、取り外し自在に取付けられている。なお、第1、第2フード7,8の形状は円弧状に限定されるものではなく、四角、六角形状等のような頭部を覆う形状であればどのような形状であってもよい。
【0031】
そして、ハウジング3の受け凹部34に取付けた状態において、第1フード7がハウジング3の上部開口縁部に密着状態で載置され、また、第2フード8の開口部には被施術者の額から襟部の頭部を覆う気密性の柔軟な覆い布8aが取り外し可能に取付けられている。なお、第1フード7に対して第2フード8を重ねる方向に回動した時に、第2フード8が容易に開く方向に移動しないように、第2フード8の第1フード7の内面に形成されている突条(図示せず)と係合される止めバネ8bが取付けられている。
【0032】
また、前記締付部材9は摘み91を回転することで第1フード7と第2フード8を所望の角度位置で(例えば、図14(b)に示す第2フード8を第2フード8側に重ね、着座している被施術者の後頭部側からチューブ4をロッドRに嵌合する作業が行い易い位置と、図14(c)に示す第2フード8を被施術者の顔側に位置させた状態において第1フード7を重ね、被施術者の前頭部側からチューブ4をロッドRに嵌合する作業が行い易い位置)で固定することが可能であり、また、ロック部材10は第1フード7に対して第2フード8を最大限に開いた状態(図1、図2)において、該第2フード8がロックされるようになっている。
【0033】
次に、締付部材9の構造について図11の断面図と共に説明する。
図11において、91は前記ハウジング3の受け凹部34に対して着脱自在に装着可能な装着部材にして、中央部には雌ネジ91aが形成されている。92は前記雌ネジ91aに螺合される雄ネジ92aが形成された円筒部92bが形成されたネジ部材にして、先端には指操作によって回し易いように凹凸面が形成された操作摘み92cが一体的に形成されている。そして、前記円筒部92bには第1、第2フード7,8の頂角部に形成された孔71,81が軸支されている。
【0034】
このように構成した締付部材9における装着部材91の雌ネジ91aに対してネジ部材92の雄ネジ92を緩めると、第1、第2フード7,8相互の間隔が広くなるので、両者は回動可能となり、また、締め付けると装着部材91とネジ部材92との間が狭くなるので、第1、第2フード7,8は固定状態となる。従って、第1フード7と第2フード8との重なり角度および図11に示すハウジング3に対する第1、第2フード7,8の回転角度を自由に設定することができる。
【0035】
次に、ロック部材10の構造について図12、図13と共に説明する。
図12、図13において、101は前記ハウジング3における前記締付部材9の装着部材91が装着される受け凹部34とは反対側に形成されている受け凹部34に着脱自在に装着可能な装着部材、102は該装着部材101内に摺動可能(図12において左右方向に摺動可能)に取付けられ、かつ、操作摘み102aが一体的に形成された操作部材にして、前記操作摘み102a内にはスプリング103が収納されている。また、操作部材102には第2フード8の内面に形成された楔状の係合突起8cが係合される凹状の係合部102bが形成されている。なお、前記係合突起8cは第2フード8を図1、図2の施術位置に回動した時に前記係合部102bに係合される位置に形成されている。
【0036】
104は前記装着部材101に取付けられたキャップにして、該キャップ104には前記第1、第2フード7,8の頂角部に形成された孔が回転自在に軸支される円筒部104aが形成されると共に前記操作摘み102aの先端が臨む摘み用孔104bが形成されている。そして、キャップ104の摘み用孔104bから露出している前記操作摘み102aをスプリング103のバネ力に抗して押すと、図13の如く第2フード8に形成されている係合突起8cが位置している場合には係合部102bに係合突起8cが係合され、従って、第2フード8はこの位置においてロック状態となって回動不能な状態となる。
【0037】
このように構成したロック部材10にあっては、パーマネントウエーブ処理を行える位置(図1、図2の状態)に第2フード8を回転する時には、操作摘み102aをスプリング103のバネ力に抗して押しながら行う。そして、第2フード8の係合突起8cが係合部102bに達した位置において操作摘み102aの押圧力を解除するとスプリング103のバネ力によって操作部材102は元の位置に戻って図13に示すように係合部102bに係合突起8cが係合され、これにより、第2フード8の回転は阻止される。このように施術状態において第2フード8がロックされ動くことがないので、施術中の被施術者に安心感を与えることができる。
【0038】
次に、前記したパーマネントウエーブ処理装置を使用して毛髪の処理を行うための制御装置について図15〜図17と共に説明する。
図15は前記処理装置におけるハウジング3の頂部傾斜面に取付けられた操作盤11の正面図、図16は該操作盤11の操作によって駆動する制御回路13、図17は該制御回路13の動作を説明するためのフローチャートである。
【0039】
先ず、操作盤11について説明するに、全体が円盤状に形成され外周にリング状の操作部112が形成され、該操作部112の内側に表示部111が形成されている。そして、表示部111には施術時間を数字で表示する時間表示部111aと、施術温度を発光ダイオードの切換えで表示する温度レベル表示部111bと、被施術者の毛髪に巻き付けるロッドRの本数を発光ダイオードの切換えで表示するロッド数表示部111cと、被施術者の毛髪の量と毛髪のダメージとによって1〜9のレベル(枡目状の表示部分の発光ダイオードが点灯)で表示を行うモード表示部111dとから構成されている。
【0040】
なお、前記温度レベル表示部111bにおける発光ダイオードは、青色発光ダイオード点灯のヒーター制御オフと、45℃〜55℃の温度表示を低い温度から順次青色1個、黄色2個、橙色2個、赤色2個の計7個が直線状に配置され、温度が高くなるにしたがって順次追加点灯されるようになっている。また、ロッド数表示部111cにおける発光ダイオードは、例えば、1〜9本を使用した場合に黄色発光ダイオード2個が点灯され、10〜17本を使用した場合に橙色発光ダイオード2個が点灯され、18〜26本を使用した場合に赤色発光ダイオード2個が点灯されるようになっている。なお、前記した説明ではロッド数を3段階で表示する場合について説明したが3段階に限定されるものではなく、また、各段階毎におけるロッド数も前記数に限定されるものではない。
【0041】
次に、前記表示部111a〜111dの外周に配置されたスイッチ112a〜112hについて説明する。
112aは時間補正用(後述する制御回路13によって設定された施術時間を施術者等が経験則から訂正する)のスイッチにして、上向きの矢印が時間増加用スイッチ、下向きの矢印が時間減少用スイッチである。112bは前記した時間補正と同じく施術者が操作する温度補正のスイッチにして、上向きの矢印が温度上昇用スイッチ、下向きの矢印が温度低下用スイッチである。
【0042】
112cは施術者の毛髪を巻き付けるロッドRの本数を設定するためのロッド数設定スイッチにして、上向きの矢印が毛髪を巻いたロッド本数が多い場合に操作する多本数用スイッチ、下向きの矢印がロッド本数が少ない場合に操作する小本数用スイッチである。112dはロッドに巻き付けた毛髪の量を3段階(少ない、普通、多い)で操作するための毛髪量設定スイッチ、112eは毛髪のダメージレベルを3段階(低い、普通、高い)で操作するためのダメージ設定スイッチにして、前記毛髪量設定スイッチ112dとの操作回数で後述する制御回路13のROMに記憶されている1〜9のレベルが自動的に設定される。
【0043】
112fは後述する制御回路13によって時間、温度およびレベルが自動設定された後に操作し、また、動作中におい操作すると停止するスタートスイッチ、112gはオン操作している時のみ風がフード内に送風すると共にロッド内を負圧状態とし、ロッドRとチューブとを接続状態が完全な状態であるか、また、ロッドRと接続していないチューブが開放状態となっていないかを音やブロワ1の電流を検出して確認するためのテスト用スイッチ、112hは作動音(送風を行いながら吸引を行った時に発生する音)を小さくするために出力を低下させるスイッチである。
【0044】
次に、図16の制御回路13について説明する。なお、前記した操作盤11の説明で使用した符号と同じ符号は同一部分を示し説明は省略する。
13aは回路全体の動作を行うためのCPU、13bはフード内の所望個所に設置され、フード内の温度を検出するフード内温度検出用の温度センサ、13cは温風を供給すると共に吸引を行うためのモータに過負荷が加わったことを検出し、および、本体に組み込まれた傾斜センサが動作して本体が転倒するような状態となった時やヒーターが異常温度となった時に電源をオフにするための安全スイッチである。
【0045】
13dは前記ロッド数設定スイッチ12c、毛髪量設定スイッチ12dおよびダメージ設定スイッチ12eを操作し入力することで、施術時間を何分にするかおよび施術温度を何度にするかのデータが記憶されたROM、13eは施術者が希望に応じて各種の設定を行ったことを記憶するRAM、13fはヒーターの温度制御を行う、例えば、ヒーターへの通電をオン・オフ制御するためのリレー等のヒーター制御部、13gは前記ROM13dによって設定された時間をスタートスイッチ12fをオンしてから減算するタイマ、13hは送風手段のオン・オフ制御や送風量の制御を行うためのブロア制御部、13iは前記表示部111の点灯制御を行う制御部である。そして、これらのスイッチや制御部は前記CPU13aに対して入出力バスを介して接続されている。
【0046】
次に、前記した制御回路12の動作を図17のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、毛髪にロッドRを巻き付け、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布し、所定時間を放置して毛髪を膨潤軟化させる。毛髪が膨潤軟化した状態において毛髪に付着しているパーマネント第1剤を洗い流し、洗い流した毛髪をタオルで拭く。その後、本発明のパーマネントウエーブ処理装置のフードFを開放した状態において処理装置の前に着座させ、ロッドRに取付具41を嵌合してロッドRにチューブ4を接続する。また、ロッドRが接続されていない取付具41には封止部材を嵌合して空気漏れを防止した後、開放されているフードFを閉じて被施術者の頭部を覆うと共に顔面側を覆い布8aで密閉状態とする。なお、前記した説明にあっては、ロッドRにチューブ4を接続した場合について説明したが、湿潤状態の毛髪を加温し一定時間放置する際に、より毛髪の湿潤状態を維持したままで毛髪を加温する場合は、チューブ4は必ずしもロッドRに接続しなくともよい。この場合、チューブ4の口は開放された状態とする。
【0047】
この状態において、図示しない主電源のスイッチをオン(ステップS1)にすると制御回路13は駆動状態となる。そして、毛髪に巻き付けたロッドRの本数をロッド数設定スイッチ112cを操作して入力する(ステップS2)。次いで、毛髪のダメージ状態をダメージ設定スイッチ112eを操作して入力し(ステップS3)、さらに、ロッドに巻き付けた毛髪の量が多いか否かを判断して毛髪量設定スイッチ112dを操作して入力する(ステップS4)。
【0048】
上記3つの設定が終了すると、毛髪の処理時間、毛髪への雰囲気温度とブロアの出力強度のモードがROM13dに記憶されているデータから拾いだされ時間と温度が決定され(ステップS5)、時間表示部111aと温度レベル表示部111bに表示される。この状態においてCPU13aはスタートスイッチ112fが操作されたか否かを監視し(ステップS6)、操作されたと判断するとタイマの減算が開始され(ステップS7)、かつ、ブロア1が弱駆動力で駆動を開始し温風の送風が開始される(ステップS8)。この送風が開始されるとチューブ4を介して吸引が行われるが、ブロア1が弱駆動力で駆動されているので、ロッドRに巻かれている毛髪は温かい湿潤状態(温かい濡れた状態)で保持される。また、ロッドRにチューブ4を接続していない場合は、ブロワ1を弱駆動よりも高めに駆動させ、ロッドRに巻かれている毛髪を温かい湿潤状態(温かい濡れた状態)で保持することもできる。
【0049】
また、前記ステップS8のブロア駆動と同時にフードF内に設置された温度センサ12bがフードF内の温度を検出するが、スタートスイッチ112fをオンした時のフード内の温度は室内温度となっており低いため、ヒーター制御13fが開始される(ステップS9)。そして、ヒーター制御が開始されフードF内が予め設定した温度(ROMによって決定された温度)となるように制御が開始される(ステップS10)。ロッドRにチューブ4を接続している場合、この送風が開始されるとチューブ4を介して吸引が行われるが、ブロア1が弱駆動力で駆動されているので、ロッドRに巻かれている毛髪は濡れた状態で保持される。
【0050】
この制御状態において何らかの原因によってフードF内の温度が前記設定した温度以上になったか否かを温度センサ13bよりの出力によって監視し(ステップS11)、設定した温度以上であると判断するとファン24bを駆動(ステップS12)して外気を取り込んで送風口32より送風することで、ヒーターHを介して送風される温風が混合され予め設定した温度となるように制御する。
【0051】
前記した温度管理を行いながらCPU13aは前記設定された第1の時間に達したか否かを監視し(ステップS13)、設定時間に達していないと判断するとステップS10に戻って前記した制御を行い、また、設定時間に達したと判断すると一旦ブロワ1の駆動を停止する(ステップS14)。この停止状態において、施術者がフードFを上げて毛髪の状態を見る作業を行ったり、前記したロッドRにチューブ4を接続していない場合には、チューブ4をロッドRに接続する作業を行う。
【0052】
前記した作業が終了したなら、施術者がスタートスイッチ112fをオン(ステップS15)にすると、タイマが始動(ステップS16)すると共にブロア1が強駆動力で駆動を開始され(ステップS17)、かつ、ヒーターHの制御が開始される(ステップS18)。この状態にあっては、ブロワ1は強駆動力によって駆動していることにより、送風量も吸引力も強いので毛髪を通過する温風量が多く、従って、毛髪の乾燥が迅速に行われることとなる。また、前記乾燥状態においてフードF内の温度監視が行われ(ステップS19)、この監視において予め設定した温度以上であるか否かを監視し(ステップS20)、設定以上であると判断するとファン24bを駆動(ステップS21)して外気を取り込んで送風口32より送風することで、ヒーターHを介して送風される温風を混合され予め設定した温度となるように制御する。
【0053】
次いで、第2のタイマ時間に達したか否かの監視が行われ(ステップS22)、設定時間に達していないと判断するとステップS16に戻って前記した制御を行い、第2のタイマ時間に達したと判断すると、スタンバイの状態となり(ステップS23)、ステップS2に戻って、次の被施術者のパーマネントウエーブ処理の開始待ち状態となる。なお、前記した説明にあっては、第1のタイマ時間が経過すると弱駆動力によるブロワ1の駆動が停止した後、人的にスタートスイッチ112fをオンして次の工程に以降するようにしたが、ブロワ1の停止後に予め設定した時間(施術者が前記した作業が終了するであろう時間)の後に自動的にブロワ1が強駆動力で駆動するようにしてもよい。
【0054】
次に、前記したフローチャートの作業が終了し毛髪の乾燥が終了したなら、その後に乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して一定時間放置する。これにより、ジスルフィド結合が再結合されて乾燥状態での形状が記憶される。また、前記したステップS8において、ロッドRにチューブ4を接続しない状態で弱い温風を毛髪に当てて、所要時間経過した後にチューブ4を接続して、その後にブロワ1を強駆動力で駆動して乾燥させてもよい。
【0055】
なお、前記した実施例はロッドの本数、毛髪の量、毛髪のダメージ状態の3つの条件を入力することによりタイマ、温度、ブロワ出力が自動設定される場合について説明したが、被施術者が経験則等から前記3つの条件の内、1つまたは2の条件を入力することで前記タイマ、温度、ブロワ出力を決定したいような場合には、1つまたは2つの条件を入力した後に、図示しない決定スイッチを操作することで施術の開始が行われるようにしてもよい。この場合には、ROM13dには各入力条件でタイマ、温度、ブロワ出力を決定するためのソフトを作成する必要がある。
【実施例2】
【0056】
前記した実施例では、ロッドRが巻かれた毛髪に対して温風を供給し、湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置し、その後に温風を吸引することで毛髪を乾燥させて、処理を行う場合について説明したが、湿潤状態の毛髪を乾燥しながら一定時間放置するた際に、蒸気またはミストを当てて毛髪により多くの水分を保持させたまま(毛髪を乾燥させずに)処理する方法について説明する。蒸気を用いて加温することにより、湿潤状態の毛髪の水分量と温度をよりコントロールすることが可能となり失敗が少なく、よりウエーブ効率の高いパーマネントウエーブ処理が行える。
【0057】
そこで、第2の実施例は前記した第1の実施例に加え毛髪に蒸気を与えるための蒸気発生装置を一体的に組み込んだものであって、図18〜図20と共に説明する。なお、第1の実施例と同一符号は同一部分を示し説明は省略する。
14はハウジング3の側面に取付けられた公知の蒸気発生装置にして、タンク内の水をヒーターや超音波等によって加熱し蒸気を発生させ蒸気管14aを介してフードF内に供給する構造のものである。
【0058】
前記蒸気発生装置4よりの蒸気を導出する蒸気管14aには水密状態で回転管14bが接続され、この回転管14bの先端はハウジング3の上部における前記吹出口32の上方に達しており、該回転管14bの先端には蒸気吹出管14cが吹出口32の上方において平行な状態で位置している。なお、14dは蒸気吹出孔である。
【0059】
この蒸気発生装置14を組み込んだパーマネントウエーブ処理装置を利用してパーマネントウエーブ処理を行う作業工程について説明する。
前記した蒸気発生装置14が組み込まれていないパーマネントウエーブ処理装置によるパーマネントウエーブ処理と異なる点は、毛髪に第1剤が塗布されている状態においてフードF内を温風による加温状態に変えて蒸気発生装置14より蒸気をフードF内に供給して湿度と温度が高い状態とし、毛髪を加温することが可能となる。また、ブロワ1の駆動と組み合わせて、ゆっくりと蒸気を吸引してロッドRに巻かれている毛髪と第1薬剤を十分に反応させることも可能となる。
【0060】
次に、膨潤化された毛髪に付着している第1剤を洗い流し、もしくは、第1剤を中和する酸性の中間処理剤にて第1剤の作用を止め、あるいは、両方の作業を行った後、湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置する際に、蒸気で加温することにより、毛髪に含まれている水分が多い状態で毛髪の温度を上げることが可能となり、毛髪内部の分子が動き易い状態でロッドRによって変形されている形状に分子が十分に移動することができる。さらに、蒸気またはミストをロッド内を負圧にして吸引することで、毛髪の根元から毛先までの水分量と温度を均質化することができる。その後に温風の供給と吸引による乾燥を行うことで、仕上がりにおいてよりロッド径に対して忠実なウエーブの形成が可能となる。その後の工程は前記した第1の実施例と同様に乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して一定時間放置する工程であるので、詳細な説明は省略する。
【0061】
この実施例においても、フードF内の温度が設定値を越えた温度を温度センサ13bが検出すると、CPU13aはファン24bを駆動して外気を取り込み温度の上昇を抑えることができることは勿論のことである。
【0062】
なお、第2の実施例では蒸気発生装置14をハウジング3の外部に取付けたもので示したが、該蒸気発生装置14はハウジング3内に組み込み、かつ、蒸気をフードF内に供給することが望ましい。
【0063】
次に、本発明に係るパーマネントウエーブ処理方法の作業工程について説明する。
先ず、毛髪にロッドRを巻き付け、巻き付けられた毛髪にパーマネントウエーブ用の還元剤である第1剤を塗布し、薬剤と毛髪が反応するまで放置して毛髪を膨潤軟化させ、該膨潤軟化された毛髪に付着している第1剤を洗い流し、もしくは、第1剤を中和する酸性の中間処理剤にて第1剤の作用を止め、あるいは、両方の作業を行う。それから、本発明のパーマネントウエーブ処理装置を被施術者の頭髪にセットする。この時、図14の(a)に示すフードFの第1フード7に対して第2フード8が重なった状態の導入状態となっている。
【0064】
被施術者が着座したなら、図11(b)に示すように第2フード8を被施術者の頭部を覆う位置まで回動し、かつ、第1フード7を第2フード8側に重ねた状態となし締付部材9でロックして固定する。この状態において図1、図2に示すように第1、第2フード7,8を広げた状態として被施術者の頭部全体を覆う。これにより、第2フード8の止めバネ8bによって第1、第2フード7,8はロック状態となる。さらに、頭部と第2フード8の開口部との間に隙間が発生するので、被施術者の額部から首後ろ部に対して覆い布8aで覆って外部と隔離した状態とする。
【0065】
次いで、スタートスイッチ112fを操作して制御回路13をオンの状態となし、かつ、操作盤11のロッド数設定スイッチ12c、毛髪量設定スイッチ12dおよびダメージ設定スイッチ12eを操作することで、前記した制御回路13の動作によって処理時間と処理温度とが設定され、ブロワ1が設定された温度の温風となるように制御され、フードF内は一定の温度雰囲気となり、この状態で毛髪は所定の温度(好ましい温度は60度以下である)、かつ、時間(毛髪の固さや毛髪量等によって異なる)だけ温められ、さらに、高分子が移動し易くなる。なお、前記毛髪の加温はブロワ1よりの温風に限定されるものではなく、第2実施例で示した蒸気やミストによる加温でもよい。
【0066】
そして、前記所定の時間が経過したなら、ブロワ1が一端停止し、加温が終了する。その後に、フード7,8を開放してチューブ4を引出し部材5より引き出して毛髪が巻かれているロッドRに接続する。なお、ロッドRが接続されていないチューブ4には取付具41に対してキャップを嵌合して空気の吸引が行えないようにする。また、図11(b)に示す第1、第2フード7,8の状態では被施術者の前頭部の毛髪に巻かれているロッドRへのチューブ4の接続が困難な場合には、フードFをハウジング3から外して接続作業を行ってもよい。
【0067】
そして、毛髪が巻かれているロッドRに対するチューブ4の接続が終了したなら、前記したと同様に第1、第2フード7,8を広げた状態として被施術者の頭部全体を覆うと共に、頭部と第2フード8の開口部との間に隙間を覆い布8aで覆って外部と隔離した状態とする。
【0068】
次に、再度、施術者がスタートスイッチ112fをオンし、ブロワ1を駆動することでチューブ4内が負圧となりフード7,8内の加温状態を維持している温度の高い空気が吸引されロッドRに巻かれている毛髪の乾燥は速やかに行われる。また、吸引された温風内に含まれる薬剤や異物を汽水分離装置2によって空気分離し、温風のみがブロワ1によって吸引されると共にヒーターHを介してフードF内に供給される。なお、この時、フードF内の温度が設定値を越えた温度を温度センサ13bが検出すると、CPU13aはファン24bを駆動して外気を取り込み温度の上昇を抑える。
【0069】
そして、前記乾燥工程が終了したなら乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布し、ジスルフィド結合の再結合行わせて乾燥した時の毛髪の形状を記憶させる。そして、所望の時間が経過したなら毛髪を洗髪し、乾燥させてスタイリングを行うことで作業は終了する。
【0070】
提案する処理方法の有効性を説明する。膨潤軟化された毛髪に付着している第1剤を洗い流し、もしくは、第1剤を中和する酸性の中間処理剤にて第1剤の作用を止め、あるいは、両方の作業を行った後に、毛髪を加温して一定時間放置後に、パーマネント第2剤を行うと、従来のコールドパーマと比べウエーブ効率が良くなる。
【0071】
さらに、上記工程の毛髪を加温して一定時間放置した後に、乾燥工程を入れることで、乾燥した毛髪に対して酸化剤を含む第2剤の処理を行い、乾燥状態での形状を記憶させるため、最終のスタイリングを行った際、乾燥状態は濡れた状態と同じようにウエーブ形状が保たれる(乾燥時にダレが小さい)。このことは、図22の毛髪B,C,Dは、毛髪Aの結果に比べ濡れた状態および乾燥した状態でウエーブのダレが小さいことにより、その効果が確認された。
【0072】
また、本発明の出願前に行った実験である毛髪Cにあっては、 乾燥させる前に、一定時間放置する際に、加温状態でなく室温環境にて放置しているので、薬剤を洗い流した後、乾燥に入る前の一定時間の放置をしていない毛髪Bの結果よりウエーブ効率は良好ではあるが、その効果の差は小さいものである。
【0073】
しかし、本発明の処理方法によって得られた毛髪Dの結果は、薬剤を洗い流した後、一定時間放置する際に毛髪の湿潤状態を維持しながら加温処理を行っているため、ウエーブ効率が大幅にアップしており、最も良いウエーブ効果を示している。また、今回の比較結果は、同じ第1剤の処理時間も同じにし薬剤を洗い流した後、一定時間放置する際の処理方法の違いを比較する結果を示したが、この結果が示すとおり従来のパーマネント処理方法よりも大幅にウエーブ効率がアップするので、従来よりも第1剤の処理時間を短くし、薬剤を洗い流した後に湿潤状態の毛髪を加温し一定時間放置することで、薬剤による毛髪内部の構造変化を極力押え、高いウエーブ効率を達成できるパーマネントウエーブを実現することができる。
【0074】
次に、ウエーブの計算方法について説明するに、第2剤を塗布した後の洗髪状態の濡れた状態は、図22(a)の濡れた状態から図22(b)(c)の乾燥した状態とを用いてウエーブ効率を算出した。ウエーブ効率の計算方法は、図23に示すように、ウエーブの中心部からウエーブの高さXをウエーブの中心から次のウエーブまでの長さYで割ったものである。その結果を図24に示す。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明のパーマネントウエーブ処理装置の側面図である。
【図2】同上の縦断面図である。
【図3】要部の背面図である。
【図4】汽水分離装置におけるハウジング内に取付けられている渦流発生器にカップを装着した状態の正面図である。
【図5】同上の断面図である。
【図6】カップを渦流発生器から外す途中の状態を示す断面図である。
【図7】図1の一部を断面した側面図である。
【図8】フードを開放した実施例の斜視図である。
【図9】チューブの引出しが可能な状態を示した引出し部材の断面図である。
【図10】同上のチューブの引出しが不能な状態を示した引出し部材の断面図である。
【図11】第1、第2フードを一体化するための締付部材の断面図である。
【図12】第2フードをロックするためのロック部材の断面図である。
【図13】同上のA−A線断面図である。
【図14】第1、第2フードの開閉状態を示す側面図であり、(a)は導入時の状態を示し、(b)は後頭部のロッドとチューブとを接続する時の状態を示し、(c)は前頭部のロッドとチューブとを接続する時の状態を示す。
【図15】操作盤の正面図である。
【図16】制御回路の回路ブロック図である。
【図17】同上の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図18】同上のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【図19】第2実施例の側面図である。
【図20】同上の要部を示す背面図である。
【図21】蒸気をフード内に噴出する部分の正面図である。
【図22】本発明の処理方法と従来例の処理方法によってパーマネントウエーブを施した写真であり、(a)は濡れた状態、(b)乾燥した状態、(c)は(b)の毛束の向きを変えた写真である。
【図23】ウエーブ効率の算出方法を説明するための線図である。
【図24】ウエーブ効率の比較結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0076】
1 ブロワ
2 汽水分離装置
24 外気導入装置
24b ファン
3 ハウジング
4 チューブ
5 引出し部材
6 吸引パイプ
F フード
H ヒーター
R ロッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪をロッドに巻き付ける第1の工程と、
該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させる第2の工程と、
膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行う第3の工程と、
第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置する第4の工程と、
第4の工程の後に酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布してジスルフィド結合する第5の工程と、
からなるパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項2】
前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温する温度が60℃以下であることを特徴とする請求項1記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項3】
前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温する手段が温風、蒸気またはミストを用いて加温することを特徴とする請求項1記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項4】
前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪が巻かれているロッド内を低負圧状態として温風、蒸気またはミストを吸引するようにしたことを特徴とする請求項1記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項5】
前記第4の工程の後に、毛髪にダメージを与えない温度の温風によって乾燥させ、乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して、ジスルフィド結合を再接合することで乾燥状態での形状を記憶させる第6の工程を追加したことを特徴とする請求項1記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項6】
前記第6の温風によって乾燥する工程が、ロッドに巻かれている毛髪に温風を吹き付けると共に、ロッド内を負圧状態として温風を吸引する工程であることを特徴とする請求項4記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項1】
毛髪をロッドに巻き付ける第1の工程と、
該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマネント第1剤を塗布して毛髪を膨潤軟化させる第2の工程と、
膨潤軟化された毛髪に付着したパーマネント第1剤を洗い流し、または、パーマネント第1剤を中和する酸性の中間処理剤にてパーマネント第1剤の作用を止め、もしくは、前記両方を行う第3の工程と、
第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温しながら一定時間放置する第4の工程と、
第4の工程の後に酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布してジスルフィド結合する第5の工程と、
からなるパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項2】
前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温する温度が60℃以下であることを特徴とする請求項1記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項3】
前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪を加温する手段が温風、蒸気またはミストを用いて加温することを特徴とする請求項1記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項4】
前記第3の工程の後における湿潤状態の毛髪が巻かれているロッド内を低負圧状態として温風、蒸気またはミストを吸引するようにしたことを特徴とする請求項1記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項5】
前記第4の工程の後に、毛髪にダメージを与えない温度の温風によって乾燥させ、乾燥した毛髪に対して酸化剤を含むパーマネント第2剤を塗布して、ジスルフィド結合を再接合することで乾燥状態での形状を記憶させる第6の工程を追加したことを特徴とする請求項1記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【請求項6】
前記第6の温風によって乾燥する工程が、ロッドに巻かれている毛髪に温風を吹き付けると共に、ロッド内を負圧状態として温風を吸引する工程であることを特徴とする請求項4記載のパーマネントウエーブ処理方法。
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図8】
【図22】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図8】
【図22】
【公開番号】特開2008−93050(P2008−93050A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275811(P2006−275811)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
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