説明

ヒトシスタチンCを評価するための比濁イムノアッセイ

【課題】比濁法によってヒトシスタチンCの測定を可能とし、現在の技術の状態よりも強くそして速い比濁信号をもたらす比濁イムノアッセイおよび試薬を提供する。
【解決手段】増大したそしてより速い信号は、新しい試薬および組成物によって達成され、より短いアッセイ時間とより強い信号を有する動力学的読みを可能とし、全体のアッセイスピードと品質を改善する。脂質に対する改善された頑丈さおよび改良された直線性が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特異性ナノ粒子抗体接合体の使用によるヒト体液サンプル中のヒトシスタチンCを評価するための改良された比濁イムノアッセイ、前記アッセイの使用による患者の糸球体濾過速度の評価方法、対応する反応キット、改良されたナノ粒子抗体接合体、および上記の医学的目的のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
シスタチンCは、1981年にA.GrubbおよびH.Lovbergにより発見され、キャラクタライズされた(Proc.Natl.Acad.USA
1982:72)。シスタチンCは、後にシスタチンタンパク質スーパーファミリーと命名されたものの中で発見された最初のタンパク質である。シスタチンタンパク質スーパーファミリーは、システインプロテアーゼ酵素を阻害するタンパク質グループである。シスタチンCの他の生物学的機能は現在解明中である。シスタチンスーパーファミリーの他のメンバーと反対に、シスタチンCはすべての体液中に存在するのに対し、異なるシスタチンの全体組成は体液から体液へ、そして異なるコンパートメントにおいて変動する(Abrahamson
M.et al:J.Biol.Chem.1986;261:11282)。1990年にAbrahamson et al.は、シスタチンCはヒト体内のすべて(または殆どすべて)の有核細胞に存在し、“家庭内”タンパク質と呼ばれるものであることを証明した(Abrahamson
M.et al:Biochem.J.1990;268:287−97)。
【0003】
分子量13kDを持つシスタチンCは、腎臓の糸球体膜を通って自由に濾過されるが、その後糸球体膜を通過するペプチドおよび小さいタンパク質の大部分を再吸収する腎臓のコンパートメントである、前腎小管において再吸収され、異化される。この態様において腎臓はこれらのタンパク質物質を体のために保存し、尿への損失を妨げる(Jacobson
B et al:Histopathology 1995;26:559−64;Heyms SB,et al:Am.J.Clin.Nutr.1983;37:478)。
【0004】
今まで糸球体濾過速度(GFR)のためのマーカーとして最も多く使用されているクレアチニンは、筋肉細胞において生産される小分子量分子である。それ故クレアチニンの生成および排泄速度は体の筋肉質量に密接にリンクしている。集団中の個人の筋肉質量はかなり変動することが良く知られている。老人はしばしば体重に比較して低い筋肉質量を有し、また多数の患者は彼等の病気の進行につれて筋肉質量をそう失する。子供は大人に比較して一般に異なる相対的筋肉質量を有し、そして男性は女性よりも平均して高い相対的筋肉質量を有する。それ故、血清クレアチニン濃度が糸球体濾過速度のためのマーカーとして使用される時、糸球体濾過速度の50%減少が起こっている時でさえ血清クレアチニン値は参照範囲内にあると判定され得る(Shemesh
O,et al:Kidn,Int.1085;28:830−8)。または食事も、特に高タンパク食事もクレアチニンの血清レベルに有意に影響する(Perrone RD.et
al;Clin.Chem.1992;38:1933−53)。
【0005】
血清および血漿クレアチニン測定は、糸球体濾過速度のための標準的方法として信頼できない。Cr−51−EDTAまたはTc−99mのような放射性標識物質の静脈内注射、またはiohexolのようなヨウ素化剤の注射がそのためある程度の普及を獲得した。これらの方法の費用および時間がかかり、注射が必要であり、そしてしばしば採血がくり返される。Grubb
et al.によるClinical Chemistry 51:8,1420−1431中の発表“Simple Cystatin
C−Based Prediction Equations for Glomerular Filtration Rate Compared with the Modification
of Diet in Renal Prediction Equation for Adults and the Schartz and the Counahan−Barrett
Prediction Equations for Children”において、血液中の簡単なシスタチンC測定が糸球体濾過速度を測定するための複雑な方法に代り得ることが示された。
【0006】
シスタチンC測定は、最初古典的生化学的方法を用いたが、しかしすぐ比ろう分析(nephrometry)イムノアッセイへ移行した。Dade Behring
Companyは比ろう測定方法を開拓した。Coll,E et al.Am.J.Kidne Diseases 2000:36,2934を見よ。比ろう方法は非常に信頼できる。比ろう方法の欠点は、機器自体が光透過率に基づく自動分光計に比較してむしろ遅い処理スピードであることである。Dade
Behring製造の比ろう計、典型的にはBNII比ろう計およびProSpec比ろう計、およびBeckman機器は実質的なマーケット普及を獲得したが、しかし透過率測定に基づく機器よりも広く普及していない。比ろう計はまた、透過率測定に基づく大型自動機器よりもかなり低いサンプルスループットを有する。H.Stome et al.は、Clincal Chemistry Vol8,pp1482−85,2001中の論文“Analytical performance of a partile−enhanced nephelometric immunoassay
for serum CystatinC using rate analysis”において速度比ろう分析法を提供した。しかしながら、多数のサンプルについて限られたキャパシティを有し、そして比ろう計機器の数も限られる。それ故、吸収分光光度均質機器への移行の需要が存在した。けだしそのような機器はもっと豊富であり、高いキャパシティを有するからである。
【0007】
デンマークのDako Cytomationは比濁シスタチンイムノアッセイの分野を開拓した。この技術の状態は、2005年7月のDako Cytomation
ASのウエブサイトからダウンロードされたプレゼンテーションである以下の論文に記載されている。C.Schmidt,European Clinical Laboratory,10
February 2004,“CystatinC−The marker of choice for renal
function testing”,C.Schmidt and K.Gronkjar,“New Improved automated particle enhanced turbimetric immunoassay
for quantitative determination of human Cystatin Cin serum and plasma”
【0008】
しかしながら比濁測定は、Dahr et al.,Ann.Clin.Biochem.Vol27,p.509,1990中の論文“Turbidity immunoturbidimetric Assay”に記載されているように、サンプルの混濁度によって妨害される。29th
Nordic Congress of Clinical Chemistry,Melmo,Sweden,24−27 April 2004において、A.GrubbはシスタチンC測定結果において血清および血漿サンプル中のトリグリセライドからの妨害の結果を報告した。それ故ヒトシスタチンCのための比濁イムノアッセイについて改良の必要性がなお存在する。
【0009】
均質イムノアッセイ系の代替法は分離に基づく非均質イムノアッセイ系であろう。非均質イムノアッセイ系の利点は、アッセイの実施の間洗浄を伴う分離ステップによって特徴付けられる。これらのシステムの利益は、洗浄によっていかなる妨害物質をも除去することである。さらに、非結合抗体および非結合酵素または蛍光または着色または他の信号発生部分の洗い流しを許容する。以後検体と呼ぶ測定すべき物質は、抗体への結合に対し標識アナログと必ずしも競合しなければならないことはないので、これらの方法は一般に非競合的である。この面として洗浄ステップは、固定化抗体の大過剰の標識抗体の使用を可能とし、もし高品質抗体が使用されるならば、高い感度と通常高レベルの正確度にする。
【0010】
固相および他の非均質イムノアッセイシステムには多数の教科書がある。大型の自動システムは商業的に入手し得る。Abbott Diagnostic Divison
USは、ImX,AxSYMおよび他の自動非均質イムノアッセイ機器のための試薬を販売しており、Roche Diagnostics,GermanyはElecsysおよび他の非均質イムノアッセイシステムの試薬を販売しており、そして非均一イノムアッセイシステムおよび試薬の多数のサプライヤーが存在する。なお非常にポピュラーな非均質イムノアッセイシステムは、いわゆるマイクロタイターイムノアッセイシステムである。これらシステムは遅いが、しかし信頼できそして安価である。一般的なイムノアッセイ文献は、当業者に良く知られたこれらシステムに関する多数の情報を与える。
【0011】
非均質イムノアッセイシステムの欠点は、単位時間、すなわち運転時間あたりの高いアッセイ数のためのキャパシティーの欠如である。これら方法は分離および洗浄ステップを含み、自動化されているが機器運転時間を占める。さらに固相が含まれるので、たとえ大量生産してもいくらかの生産コストを有する特別のデバイスまたは固相がしばしば使用される。結果発生の高いスループットおよびスピードは、絶えず増加している実施すべきテスト数のために近年増々重要になっている。アッセイを非均質、しばしば固相に基づくイムノアッセイ技術から均質イムノアッセイシステムへ移行させる需要が存在する。
【0012】
均質イムノアッセイシステムは構成が簡単であり、そして高いスループット能力を有する。試薬が混合され、インキュベートされ、そしてインキュベーション中またはインキュベーション後測定される。エンドポイントまたは異なる時間ポイント間の信号の差または連続的動力学的測定が使用される。信号は蛍光、色または不透明度(混濁度)の測定であり得る。特に、色および/または不透明度/混濁度の測定のための大型自動機器が非常に成功的であった。日本の日立はRocheと協力してこの大規模オートメーションを開拓したが、オリンパスおよびバイエルを含む多数の他のメーカーもそのような機器および試薬を供給している。これらの機器は、異なる波長においてそして異なる時間ポイントにおいてサンプルと試薬の混合物を通過する光の透過率を測定する自動マルチウエル分光光度計である。比濁シスタチンCイムノアッセイはそのような均質高キャパシティ機器で行われるので、これは何故高品質比濁シスタチンCアッセイが要望されるかの他の理由である。
【0013】
大部分の均質イムノアッセイシステムは、サンプルと、標識した検体または検体アナログの良く制御された濃度を含む試薬溶液と、そして検体に対して特異性親和性を有する抗体を混合することに基づいている。サンプル中の検体分子は標識検体または検体アナログと競合し、信号を発生する。広範囲のイムノアッセイ文献は種々の標識およびアナログの使用を教える。ここでは、今のところ、色信号を発生する高分子量検体(分子量約4000)のための均質イムノアッセイ法を使用した限られた成功例しか存在しないことに注目しなければならない。(蛍光技術、例えばプロキシミティアッセイを使用した成功例はあったが、しかし利用可能な高スループット自動蛍光計は多くなく、それ故これらの技術は本発明目的には役立たない。)両社ともカリフォルニア州に存在するSyvaからのEMIT技術およびMicrogenicsからのCDEIA技術は、低分子量検体のための均質イムノアッセイにおいて色信号を使用して成功であった。高分子量検体のためには、粒子増強比濁測定がサンプルと試薬の混合物を通る光の透過度を測定する自動マルチウエル分光計のための最も成功的技術である。それ故比濁方法は高分子量検体に適している。比濁法の一般的記述は多数のイムノアッセイ教科書に見られる。
【0014】
何故シスタチンCの高精度測定が必要か?生物学の眺望から、シスタチンCおよびクレアチニン、それに上で引用したメタ検体の生物学についての文献は減少した糸状体濾過速度をモニターし、診断するためクレアチニンの代りにシスタチンCの使用の方向を目指している。しかしながら、生物学議論はシスタチンCの使用に味方しているが、生物学的利益はシスタチンC分析の正確度および精度が良好である場合のみに重要である。クレアチニン測定の正確度および精度はすぐれており、そしてクレアチニンの代りにシスタチンCの分析の医学的利益は、もしシスタチンCイムノアッセイ方法の正確度および精度があまり低ければ容易に失われる。
【0015】
本発明によって課決すべき課題は、対応する商業的に利用可能な比濁アッセイに比較して、改良された正確度および/または精度および/またはテストサンプル中の脂質およびヘモグロビンからの少ない妨害を有するイムノ比濁シスタチンCイムノアッセイを提供することである。
【0016】
シスタチンCの比濁測定の先行技術の他の欠点は、長いアッセイ時間および/または非精密へ導く混濁度変化の遅い速度である。本発明によって解決すべきさらなる課題は、それ故シスタチンCのもっと速い比濁測定を提供することである。
【発明の概要】
【0017】
シスタチンCの測定のための先行技術比濁イムノアッセイに関連する上記課題は、驚くべきことに、特許請求の範囲に規定され、そして明細書の以後の部分にもっと詳細に説明されている比濁方法によって解決できた。本発明の前記方法は改良されたナノ粒子免疫接合体を特に使用し、これは特に異なるシスタチン濃度、異なる測定波長、異なる反応時間、および異なる温度のような異なる実験条件のもとでもっと速い、および/またはもっと感受性の、および/またはもっと信頼できるシスタチンC測定を許容する。本発明のさらなる利益は実験結果から自明である。
【0018】
免疫粒子および場合により試薬を注意深く調節することにより、驚くほど強いそして速い比濁信号を観察することができ、そしてそれによって妨害を減少させることができ、そして正確度を失うことなく直線性を改良することができた。アッセイ時間も減らすこともできた。
【0019】
本発明の最良の実施形態は後で記載されるであろうが、しかし反応混合物を調製するため、そして測定を実施するために使用される他の試薬およびステップのシーケンスおよび時間もこの驚くべき結果を達成するために使用することができる。
【0020】
ナノ粒子のいくつかの供給者、例えばBangs Laboratories Inc.USAおよびMerck S.A.フランスがある。ナノ粒子へ抗体をカップリングするための接合体サービスの多数の供給者はインターネット上で見出すことができる。Dako
Cytomation AS,デンマークは抗シスタチンC抗体へ接合したナノ粒子の供給者であり、そしてそれらは本発明の目的を達成するかどうかについて本発明者らによってテストされた。しかしながら前記先行技術製品は非成功的であった。
【0021】
本発明者らは、中でも粒子サイズが注意深くバランスされていなければならないことを観察した。大粒子は良好な信号を発生するが、しかしバックグランドが高く、そして結合能力が低く、そのためより高いバックグランドを発生しても多量の粒子を添加しなければならない。Dako
Cytomation ASのような以前のアッセイ供給者からの製品、製品番号LX002/EFG/CS/25.10.04,S2361/EFG/KG/09.07.03およびX0974/EFG/SUM/09.09.04は良好な比濁信号を達成しなかった。
【0022】
一般的用語の定義
本発明に従ったアッセイ方法に使用される「体液サンプル」は、哺乳動物、特にヒトから得られ、シスタチンCを含有するサンプルである。いかなるシスタチンC含有液体サンプルも使用できる。本発明に従ってアッセイされる前記サンプルは、いかなるシスタチンC含有生物学的流体または組織抽出液でも良く、そしてアッセイ前に前処理されても良い。好適なサンプルの例は、血液、血清および血漿のような血液分画、そしてEDTA−血液、EDTA−血漿、クエン酸−血漿、ヘパリン−血漿のような前処理血液、または尿サンプルである。始めに得られたサンプルまたはその分画はこの分野で知られた方法により、例えば分画または希釈によってさらに修飾することができる。分画はアッセイを妨害するかも知れない成分を除去するために実施することができる。希釈は元のサンプルまたはその分画を成分、例えば検体の濃度を調節するために緩衝液のような適切なサンプル液と混合することによって実施することができる。そのような修飾したサンプルは、哺乳類の体から採取または単離したオリジナルの体液サンプルから誘導されたサンプルを例示する。
【0023】
本発明に従って分析される「検体」はシスタチンC、特に健康または病気の個人の体によって生成されたヒトシスタチンCである。検体として、シスタチンCの誘導体または天然シスタチンCとシスタチンCの混合物を使用することも可能である。シスタチンCの誘導体の非限定例は、適当な検出可能なマーカー、例えば放射性、金属または発色団標識を担持しているシスタチンC化合物である。
【0024】
「評価」は、定性的またはサンプル中に存在する検体、ここではシスタチンCの量または濃度の絶対値を得る意味で、そしてサンプル中の検体のレベルを示す指数、比率、パーセントまたは可視的または他の値を得る意味で定量的決定の両方を含むことを意図する。評価は直接または間接でよく、そして実際に検出される化学種は勿論検体そのものである必要はなく、例えばその誘導体でも良い。
【0025】
「均質イムノアッセイ」は、非均質イムノアッセイとは反対に、構成が簡単で、そしてより高いスループット能力を持っている。特に均質アッセイは、分離ステップの形のサンプルの前処理ステップ、例えばサンプルをクロマトグラフィーカラムのような固相マトリックスへ適用し、そしてオリジナルの複合サンプルのオリジナル成分の部分から検体を分離することによる分離ステップを含まない。均質アッセイのためには、サンプルと試薬が混合され、インキュベートされ、インキュベーション中またはその後に測定される。エンドポイント信号または異なる時間ポイント間の信号の差または連続的動力学的測定が使用される。
【0026】
「粒子増強」比濁測定またはイムノアッセイは、本発明に従って使用されるナノ粒子またはナノ粒子免疫接合体に関連した「光散乱性質」に基づいている。そのようなナノ粒子は好ましくは狭いサイズ分布を持ったほぼ球形である。前記粒子のサイズは普通それらの平均直径によって表現される。良く知られる光散乱の法則によれば、前記光散乱性質は粒子サイズおよび/または媒質に対する粒子の屈折率の比によって影響される。弱い光散乱性質は小さい粒子サイズおよび/または媒質に対する粒子の屈折率の低い比から生じ得る。レイリーの散乱法則参照。
【0027】
ナノ粒子のサイズおよび/または屈折率比は、凝集したナノ粒子免疫接合体の検出のために使用される波長において光散乱を発生することができなければならない。粒子サイズは一般に検出波長より小さいように選ばれる。
【0028】
本発明に従ってサンプル混濁度の変化を測定するために使用される「検出波長」は通常300nmないし1200nm、好ましくは400ないし700nm、特に500ないし600nmである。
【0029】
本発明の分析方法の「正確度」は、より信頼し得る参照方法によって決定された濃度と比較して、サンプル中のシスタチンCの濃度を正確に決定することができる該方法の能力である。
【0030】
本発明の分析方法の「精度」は、サンプル中のシスタチンCの濃度がくり返して決定される時の結果の変動である。
【0031】
本発明に従ったアッセイの「頑強性」は、妨害物質と、そしてシスタチンC濃度決定の得られる値に影響することなくアッセイ条件の変動に耐える方法の能力である。
【0032】
本発明の文脈において使用される「不活性タンパク質」は、本発明のアッセイ方法を妨害しないいかなる起源(例えばヒトまたは非ヒト哺乳類、微生物)のタンパク質であり、特にそれは分析されるシスタチンCに対して、および/または本発明のアッセイ方法に使用される抗体に対して検出可能な親和性を実質上持っていてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】直線回帰によって得た異なる患者の血清について希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチンC値のプロットを示す。
【図2】一次回帰によって得た、異なる患者の血清についての希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチン値のプロットを示す。
【図3】二次回帰によって得た、異なる患者の血清についての希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチン値のプロットを示す。
【図4】アッセイ実施例4の血清1のためのDL(%)プロットを示す。
【図5】アッセイ実施例4の血清3のためのDL(%)プロットを示す。
【図6】直線回帰によって得た、一患者の血清についての希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチンC値のプロットを示す。
【図7】二次回帰によって得た、一患者の血清についての希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチンC値のプロットを示す。
【図8】三次回帰によって得た、一患者の血清についての希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチンC値のプロットを示す。
【図9】アッセイ実施例5の血清AのDL(%)プロットを示す。
【図10】直線回帰によって得た、異なる患者血清についての希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチン値のプロットを示す。
【図11】一次回帰によって得た、異なる患者血清についての希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチン値のプロットを示す。
【図12】二次回帰によって得た、異なる患者血清についての希釈係数に対する本発明に従って測定した平均シスタチン値のプロットを示す。
【図13】アッセイ実施例6(先行技術)の血清1のためのDL(%)プロットである。
【図14】アッセイ実施例6(先行技術)の血清2のためのDL(%)プロットである。
【図15】アッセイ実施例6(先行技術)の血清3のためのDL(%)プロットである。
【図16】本発明に従った比濁法による、および先行技術の比ろう法によるシスタチンCのアッセイ方法の間の相関性の検討結果を示す。
【図17】本発明に従った比濁法による、および先行技術の比ろう法によるシスタチンCのアッセイ方法の間の相関性の検討結果を示す。
【図18】本発明に従った比濁法による、および先行技術の比ろう法によるシスタチンCのアッセイ方法の間の相関性の検討結果を示す。
【0034】
本発明の詳細な記述
a)本発明の局面
本発明の最初の局面は、ヒト体液サンプルまたはそれから誘導されたサンプル中のヒトシスタチンCを評価するための粒子増強比濁イムノアッセイに関し、該アッセイは、
(1)前記サンプルまたはその希釈液を、比濁測定に適したナノ粒子を含んでいるナノ粒子−抗体接合体(またはナノ粒子−免疫接合体)と接触させることによってアッセイ混合物を生成し、ここで前記ナノ粒子は前記シスタチンCへ結合するように抗ヒトシスタチンC抗体またはその抗原結合性フラグメントで被覆されており、ここで前記被覆されたナノ粒子は少なくとも40nmの、例えば少なくとも45,50,55または58nmの、好ましくは58nmより大きいメディアン直径を有し、そして
(2)前記混合物の混濁度の変化を測定することによってヒトシスタチンCの含量を評価することを特徴とする。
【0035】
好ましくは、前記抗体はヒトシスタチンCに対するポリクローナル非ヒト、非ネズミ抗体を含み、特に前記ポリクローナル抗体はヒトシスタチンCに対する鳥類抗体を含む。
【0036】
さらなる好ましい具体例においては、前記ポリクローナル抗体またはそのフラグメントの少なくとも25wt%はヒトシスタチンCのアフィニティ精製によって得られたものである。アフィニティ精製によってヒトシスタチンCへ結合する抗体の割合が増加する。加えて、アフィニティ精製により混合物から除去された抗体よりも高い親和性を有するヒトシスタチンC結合抗体を富化することができる。
【0037】
例えば、本発明に従って使用される好適な抗体は、固相へ固定化したヒトシスタチンCへの鳥類抗ヒトシスタチンC抗血清の結合を通じて鳥類抗体をアフィニティ精製し、そして好ましくはリン酸塩緩衝食塩水で洗浄後結合した抗体を0.05Mないし0.2M、または0.08ないし0.12Mの範囲の、特に約0.1Mのモル濃度、および約3ないし3.5、または3.1ないし3.3の範囲の、特に約3.2のpHのクエン酸緩衝液(例えば後の実験の部でさらに詳しく説明するような)で溶出することによって得られる鳥類(例えばポリクローナル)抗体のアフィニティに相当する(または実質的に等しい)ヒトシスタチンCに対するアフィニティを有することができる。
【0038】
さらなる具体例において、前記抗体は、(a)ヒトシスタチンCの単一エピトープへ結合するモノクローナル抗体か、または(b)モノクローナル抗体の各スペーシスがヒトシスタチンCの異なるエピトープへ結合するモノクローナル抗体の2以上のスペーシスか、または異なる結合強度(アフィニティ)で同じエピトープへ結合する2以上のスペーシスのセットを含む。
【0039】
前記モノクローナル抗体はヒトまたは非ヒト起源(例えばネズミ、ヒツジ、ヤギ、鳥類またはウサギ起源)のどちらかである。
【0040】
本発明に従って使用される被覆ナノ粒子は、好ましくは58nmより大きい平均直径、特に59ないし160、60ないし140、70ないし120、75ないし110,80ないし95nmの範囲の平均直径を有する。好ましくは、それらは抗体の層で被覆される。特に前記層は約5nmの大よその厚みを有する単一層と考えることができる。この層は完全(粒子は抗体で飽和)か、またはもっと好ましくは不飽和(すなわち粒子が提供する結合能力より少ない抗体が使用される)であることができる。
【0041】
さらなる好ましい具体例においては、前記被覆ナノ粒子はナノ粒子−抗体接合体の全重量に対して、約5ないし35%、特に10ないし30%または15ないし25%の抗体で不完全に被覆される。
【0042】
さらなる好ましい具体例においては、ナノ粒子は抗体と、不活性な、好ましくは親水性のタンパク質との混合物で被覆される。例えば、ナノ粒子の表面へ結合した全タンパク質の20ないし90%、もっと好ましくは35ないし80%、さらに好ましくは40ないし70%が抗シスタチンC抗体によって構成される。そのような粒子は、好ましくは前記非被覆粒子の結合容量に応じて粒子へ理論上結合し得る抗体の量よりも少ない量において抗体を担持する。同時に、抗体分子によって被覆されない粒子表面積は不活性な、好ましくは親水性タンパク質によって飽和される。
【0043】
好ましい具体例において、前記のオリジナルの非被覆ナノ粒子は本質的にラテックス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリα−ナフチルメタクリレート、ポリビニルナフタレン、およびそれらの対応する共重合でつくられる。他の好適な粒子材料はこの分野によって利用可能であり、そして本発明の教えに誘導されて当業者は適切な選択をなし得る立場にあるであろう。
【0044】
クレームした方法のさらなる具体例によれば、混濁度変化は500ないし600nmの範囲の波長において、好ましくは10ないし50℃の範囲の温度において、そして好ましくは反応時間30ないし600秒、例えば40,120,260または600秒後における前記アッセイ混合物の吸光度の変化によって測定される。
【0045】
本発明は、シスタチンC含有流体サンプルまたはシスタチンC含有液から誘導されたサンプル、またはシスタチンC含有サンプルの希釈液を、前記シスタチンCを結合するようにポリクローナルまたはモノクローナル抗シスタチンC抗体または抗体フラグメント結合ナノ粒子と接触させることによってアッセイ混合物を生成し、そして該混合物の混濁度の変化を測定することによってシスタチンCの含量を評価することを特徴とする、体液サンプルまたは体液から誘導されたサンプル中のシスタチンCを測定するための比濁イムノアッセイ方法を提供し、そして混濁度は以下の表Aに述べた一定の最小サイズの被覆ナノ粒子との混合物の生成後、与えられた時間、与えられた温度において混合物が保たれた時の与えられた波長の光の前記混合物の吸光度の変化によってさらに特徴付けられる。
【0046】

【0047】
例として、吸光度変化の最高速度は、与えられたテスト条件の各自について観察された上記最高レベルよりも約4倍、好ましくは約2または4倍高い。
【0048】
例として、以下の値を得ることができる。
37℃、260秒、メディアン直径92nm:
Cys.C濃度9.9μg/l:65mAbs単位/cm
Cys.C濃度19.8μg/l:203mAbs単位/cm
Cys.C濃度26.6μg/l:244mAbs単位/cm
Cys.C濃度34.1μg/l:420mAbs単位/cm
Cys.C濃度44μg/l:623mAbs単位/cm
32℃、600秒、メディアン直径92nm:
Cys.C濃度9.9μg/l:29mAbs単位/cm
Cys.C濃度19.8μg/l:62mAbs単位/cm
Cys.C濃度26.6μg/l:122mAbs単位/cm
Cys.C濃度34.1μg/l:167mAbs単位/cm
Cys.C濃度44μg/l:388mAbs単位/cm
【0049】
本発明のさらなる好ましい方法は、比ろう方法に対する相関曲線が作成される時、0.15mg/l未満、好ましくは0.1およびもっと好ましくは0.05mg/l未満のシスタチンCのインターセプト値が比ろう方法によって得られる0mg/lシスタチンCの対応する値に対して比濁方法について得られることを特徴としている。
【0050】
本発明によるさらなる好ましい方法は、非均質イムノアッセイ方法に対する相関曲線が作成される時、0.25mg/l未満、好ましくは0.15mg/l未満およびもっと好ましくは0.5mg/l未満のシスタチンのインターセプト値がシスタチン0mg/lシスタチンの対応する値に対して得られることを特徴とする。
【0051】
本発明によるさらなる好ましい方法は、テストサンプル中の15mmol/lトリグリセリドから1.2mgシスタチンC/lのレベルにおけるシスタチンCの測定値に対して6%未満、好ましくは4%未満、またはもっと好ましくは2%未満の干渉を有することを特徴とする。
【0052】
本発明によるさらなる好ましい方法は、シスタチンC1.32ないし7.5mg/lの測定範囲において5%以下、好ましくは4%以下、またはもっと好ましくは3%以下の直線性からの偏差、および/またはシスタチンC0.75ないし1.32mg/lの測定範囲において15%以下、好ましくは11%以下、またはもっと好ましくは7%以下の直線性からの偏差を有することによって特徴化される。
【0053】
本発明によるさらなる好ましい方法は、吸光度の初期増加速度を、(a)混合時において直接記録することにより、(b)初期吸光度増加への後方補外法と組合せて混合の少し後で記録することにより、または(c)サンプルと試薬の混合後1分以内の2以上の時間ポイントの間の吸光差を測定することによって測定することによってサンプルのシスタチンC濃度を決定することを特徴とする。
【0054】
本発明のさらなる局面は、哺乳動物の糸球体濾過速度を評価する方法を提供し、この方法は上で測定した方法に従ってヒトシスタチンCの比濁評価を含む。前記方法は特に腎機能不全(腎不全のような)の診断または治療の間に適用することができる。
【0055】
本発明のなお他の局面は、(a)乾燥または懸濁した形の上で規定した抗シスタチンC免疫粒子を含む粒子と、(b)乾燥または溶解した形のアッセイ緩衝液、そして任意に(c)各自乾燥または溶解または懸濁した形の較正混合物および対照混合物よりなる、上で規定した方法を実施するための試薬キットまたはパーツのキット、または試薬のセットのキットに関する。
【0056】
好ましくは、粒子およびアッセイ緩衝液は組合せで乾燥または懸濁液形で提供される。
【0057】
本発明の他の局面によれば、上の定義に従った、そして後のもっと詳細な説明に従ったナノ粒子−抗体接合体が提供される。
【0058】
本発明は、そのようなナノ粒子−抗体接合体のヒトシスタチンCの評価のためのイムノアッセイにおける、または哺乳動物の糸球体濾過速度の評価のための診断方法における使用に関する。
【0059】
最後に本発明は、そのようなナノ粒子−抗体接合体のヒトシスタチンCの評価のためのイムノアッセイにおける、または腎機能不全、例えば腎不全の評価のための診断方法における使用に関する。
【0060】
b)抗ヒトシスタチンC抗体の調製
b1)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗ヒトシスタチンC抗体は、例えばChase,M.W.,1967,“Method of
Immunology and Immunochemistry”,ed.Williams,A.et al.,M.W.,pp.197−209,Academic
Press,New Yorkに記載されているようなこの分野で良く知られた方法によって調製することができる。概略すると、適当な種の動物(例えばウサギ、ヤギ、ヒツジ、または好ましくは鳥類種、特にメンドリのようなニワトリ)が適当なアジュバンド、例えばフロインドの完全または不完全アジュバンド中の精製された抗原で繰り返して免疫される。免疫後動物はしゃ血され、そしてポリクローナル抗体が例えば硫酸アンモニウムまたは塩化アンモニウム沈澱、アニオン交換クロマトグラフィー、イムノアフィニティクロマトグラフィー、および/またはアフィニティクロマトグラフィーのような方法によって精製される。
【0061】
十分な比濁測定信号を得るため、高い貧欲性を有する抗体が好ましい。ポリクローナル抗体は多数の異なる抗体分子を含んでいるので、親和定数を計算することができないが、しかしながら高い貧欲性および親和性は慣用のポリクローナル抗体技術によって得られた。慣用方法によって得られたウサギ抗体が使用されたが、しかしもっと良好な結果はヒツジ抗体で得られた。さらに良好な結果は鳥類抗体を使用する時に得られた。鳥類抗体は、Larson
A,Baaloew R−M,Lindahi T,and Forsberg P−O,Poultry Scilnce 72:1807−1812,1993に記載されている方法によることができる。一般にヒトから一層別個の鳥類はポリクローナル哺乳類抗体より高い貧欲性を有するヒトシスタチンCに対する抗体を生産できることが企図される。
【0062】
ポリクローナル鳥類抗体は卵黄から日常的に得られる(そしてそれ故IgYと呼ばれる)。しかしながら卵黄は多量の脂質を含有し、それらのさらなる使用を厄介にする。IgYは段階的な硫酸アンモニウム(例えば25から40%)およびポリエチレングリコール(PEG)沈澱を使用して卵黄から単離することができる。初期精製のため、Gallus
Immunotech Inc,Cary USAから得ることができる商業的IgY精製キット、またはPierce,Rockford,USAから得ることができるEggcellent
Chicken IgY精製キットを製造者の指示書を考慮して使用することができる。
【0063】
さらにポリクローナル抗体の貧欲性は、抗原アフィニティ精製方法、例えばwww.piercenet.com(April 2006)からダウンロードされる“Affinity Purification of Proteins”の教えに従って精製された抗体を使用することによってさらに増大し得る。アフィニティ精製は後でさらに詳しく記載される。
【0064】
特に増大した貧欲性は、使用した抗体の20%が抗原アフィニティ精製された時に観察され、さらなる増大は抗体の50%が抗原アフィニティ精製された時に観察され、さらにより大きい増強は75%以上、例えば抗体の75ないし100%を抗原アフィニティ精製方法によって得た時に観察された。
【0065】
貧欲なポリクローナル抗ヒトシスタチンC抗体のアフィニティ精製のためには適切なヒトシスタチンCアフィニティカラムを調製しなければならない。精製したヒトシスタチンCが標準的プロトコールによって適当な固相支持体、例えばSepharoseまたはAffi−gelへ抗原を共有結合するように活性化して固定される(適当な活性固相支持体は例えばPierce
Rockford,USAから入手できる)。次にアフィニティカラムが前記抗原担持樹脂から調製される。
【0066】
抗体の成功的アフィニティ精製は抗体の結合部位への抗原上の適切なエピトープの効果的なプレゼンテーションに依存する。もし抗原が小さくそして支持体表面へ多数の化学結合手によって直接固定化されたならば、重要なエピトープがブロックまたは立体障害を受け、効果的な抗体結合を阻害し得る。それ故、独特な官能基(例えばペプチド中の単一末端システインのスルフヒドリル)を使用し、そして数個の原子長のスペーサーアーム中にその反応性基がある活性化支持体を使用して抗体を固定化することが最善である。大きい抗原、特に固定化のための多数の部位を有する抗原については、抗原自体が支持体マトリックスとエピトープの間の効果的なスペーサーとして役立つので、スペーサーアームの長さはさほど重要でない。
【0067】
各操作のコアはそれぞれの抗原に対する抗体のアフィニティであるので、通常抗体のアフィニティ精製のための典型的な結合および溶離条件の間には少しの変動しか存在しない。抗体は抗原を認識しそして生理学的条件下で抗原を強固に結合するように設計されているので、大部分のアフィニティ精製操作は生理的pHおよびイオン強度を真似する結合条件を使用する。最も普通の結合緩衝液は、pH7.2および1.5M
NaClのリン酸緩衝化食塩水(PBS)およびトリス緩衝化食塩水(TBS)である(あらかじめ混合した緩衝液パックは例えばPierce,Rockford,USAから入手可能)。一旦抗体が固定化抗原へ結合したならば、追加の結合緩衝液が未結合物質を支持体から洗浄するために使用される。非特異性結合を最小化するため、洗浄緩衝液は弱い相互作用を中断するための追加の塩または洗剤を含有することができる。
【0068】
特異性の精製した抗体は、緩衝液のpHおよび/イオン強度を変更することにより(共通の溶離緩衝液は例えばPierce,Rockford,USAから入手可能)アフィニティ樹脂から溶離される。抗体は全般に最小の活性損失をもって2.5ないし11.5のpH範囲に耐えられる弾力性のタンパク質であり、これは断然最も普通の溶離戦略である。ある場合には、抗体−抗原相互作用はpH変化によって効果的に中断されないか、またはpHによって損傷されず、代りに戦略の採用を必要とする。
【0069】
アフィニティ精製プロトコールの一例を以下に与える。
ステップ1:各使用前残留タンパク質を除去するため、以下の緩衝液のシリーズの10カラム容積を使用してカラム(〜1ml樹脂ベッド)を洗浄せよ。
0.2Mグリシン,pH2.8,10ml
0.1M NaHCO,pH8.5.0.5M NaCl,10ml
上の緩衝液でのサイクルを2回繰り返しせよ。次に0.5Mへ調節したNaClを含有するTTBS緩衝液(0.3M NaCl,20mM Tris/Cl,pH7.8,0.1%(v/v)Tween−20,0.01%
NaN)中でカラムを平衡化せよ。
ステップ2:粗製抗体調製物の10ml分量と、10X TTBS 1mlと、4M NaCl 0.55mlを加えよ。沈澱物を除去するため遠心せよ。
ステップ3:血清と共にアフィニティ樹脂をチューブ(15mlチューブ)へ移すことによって抗体をバッチ式に吸収せよ。冷室内でインキュベートせよ。代りにカラムへ血清を遅い流速を使用することによって適用することができる。人力的に収集した分画が得られる。カラムを通過した相を集め、遅い流速を使用してそれを2回目に再適用せよ。
ステップ4:A280が0.02以下になるまでカラムをTTBS+0.5NaClでよく洗浄せよ。
ステップ5:0.02NaNを含有する0.2Mグリシン,pH2.8を使用して抗体を溶離せよ。緩衝液の1ml分量を用いて溶離せよ。分画を1M
Tris,pH8.5の50mlを含んでいる1.5mlマイクロ遠心チューブ中に採取せよ。これはタンパク質が溶離された直後酸性溶離緩衝液を中和する。少なくとも10分画を採取せよ。これは抗体を除去するのに通常十分であに。適切なブランク(すなわち1mlグリシン緩衝液プラス50ml
1M Tris)を使用して各分画のA280を読取れ。
ステップ6:適切な分画をプールせよ。プールのA280を読取り、抗体を4℃で貯蔵するか、50%グリセロールの存在下で部分量において凍結(−70℃)をすることを考えよ。
ステップ7:0.2Mグリシン,pH2.8緩衝液および続いてTTBSで完全に洗浄することによりカラムを洗浄せよ。
【0070】
b2)モノクローナル抗体
粒子増強比濁アッセイにおいては、ポリクローナル抗体がしばしばモノクローナル抗体よりも好ましい。ポリクローナル抗体は本来抗原(または検体)上の多数の異なるエピトープと反応性であり(モノクローナルとは反対に)、それ故抗原分子自体間に、および抗原と抗体が固定化される粒子の間に交差結合およびネットワークを容易に創出する。対照的に、モノクローナル抗体は一般にエピトープの1タイプのみへ結合し、交差結合およびネットワークの形成をもっと困難にする。しかしながら診断産業は、モノクローナル抗体は、特に多年の製品寿命期間にわたってあらかじめ定めた標準化し、品質管理することが容易なため、しばしばモノクローナル抗体を好む。それ故、粒子増強比濁アッセイのための、特にモノクローナル抗体の使用を有利にする抗原特性が存在する時のモノクローナル抗体使用の良い例が存在する。Eda
et al.,“Development of New Micropatricle−Enhanced Turbimetric
Assay for C−reactive prot4ein With Superior features in Analytical Sensitivity and
Dynamic range”,J.Clin.Lab.Analysis,12:137−144(1998)は、2種類の異なるモノクローナル抗体および2種類の異なるマイクロ粒子の使用を記載する。CRP分子は同じサブユニットのペンタマーであり、それ故すべてのエピトープの5複製を担持し(Pepys
MB et al,Adv.Immunol.34:141−212(1983))、それはモノクローナル抗体の使用を容易にするため、CRPはモノクローナル抗体の使用にとって特に有利である。しかしながら、シスタチンCのようなモノマーで小さいタンパク質では、本発明の特別の具体例において異なるモノクローナル抗体のカクテルを使用することができる。異なるモノクローナル抗体のカクテル、特にそれらがシスタチンCに対し、高いアフィニティを持った多数の異なるモノクローナル抗体よりなる時、本発明のシスタチンCイムノアッセイの良い具体例をもたらす。
【0071】
モノクローナル抗ヒトシスタチンC抗体はこの分野で良く知られた方法、例えばG.Kohler et al,1975,Nature 256,495;G.Galfer
et al,1981,Meth.Enzymol.73,3−36;またはR.Kennet,1980,“Hybridomas:a
new dimension in biological analysis”,ed.R.Kennet et al,Plenum
Press,New York & Londonに記載された方法によって調製することができる。免疫化したマウスまたはラットの脾臓細胞または末梢血液細胞がミエローマ細胞ラインと例えばポリエチレン融合方法を用いて融合される。融合は適当な条件、例えば培養プレート上で成育され、正しく融合された細胞の選別が例えばヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジン(HAT)選別方法を用いて実施される。抗体産生細胞ラインが例えばEIA,RIAまたは凝集アッセイのような方法によって同定される。抗体産生細胞ラインの同定後、細胞は新しい発育細胞ラインが1個の単一細胞から誘導されることを保証するため、例えば制限希釈法によってくり返してサブクローンされる。
【0072】
b3)キメラ抗体
キメラ抗ヒトシスタチン抗体は、G.L.Boulianne et al,1984,Nature 312,643−645に記載されたようなこの分野でよく知られた方法によって得られる。概略して操作は以下のように記載することができる。1スペシスまたはその一部のモノクローナル抗体からの抗原結合部位のDNAが異なるスペシスの他の抗体の抗体フレームワークのDNAへ移される。この新しい構築物が発現ベクターへクローンされ、それが抗体を生産するための対応する発現システムへ移される。
【0073】
b4)組換え抗体
組換え抗ヒトシスタチンC抗体は、動物担体を使用することなく、G.Winter et al.,1991,Nature,349,293、またはJ.S.Huston
et al.,1988,Proc.Ntl.Acad.Sci.USA,85,5879に記載されているような、この分野において既知の方法を使用して得ることができる。これらの方法は、抗体またはそのフラグメントをコードするDNA(cDNAまたは合成DNA)を宿主細胞、例えばE.coli,カビ、イースト、植物または真核生物細胞へ導入し、望みの特異性および親和性を有する抗体を選定し、そして対応する発現システム内で抗体またはそのフラグメントを発現させるステップを含んでいる。
【0074】
b5)抗体フラグメント
ポリクローナル抗体、任意のスペシスのモノクローナル抗体(キメラ抗体および組換え抗体を含む)のFab−,Fab’−およびF(ab’)フラグメントは、例えばA.Nissonoffet et al.,1960,Arch Biochem
Biophys,89,230、またはR.P.Porter,1959,Biochem J.73,119,またはE.Harlow et al.,1988,“Antibodies−A Laboratory Manual”,626−631,Cold
Spring Harbour Press,New York,USAに記載されているような、この分野で良く知られた方法によって製造することができる。
【0075】
b6)ヒトシスタチンCに対し異なる反応性の抗ヒトシスタチンC抗体の選択
結合パートナーとしてモノクローナル抗体またはそのフラグメントを使用する時、特に高および低反応性の異なる抗体の選択は、慣用のコーティング技術によってモノクローナル抗体の各自を同じ材料およびサイズのナノ粒子上へ別々にコーティングし、そして検体との置換態様において与えられた比、例えば1/1v/vにおいてナノ粒子試薬を混合することによって便利に実施することができる。同じ条件でナノ粒子の較正曲線を作成した後、検体の低濃度のための得られた較正曲線の険しさは免疫学的結合パートナーの反応性の第1の指示を与える。
【0076】
結合パートナーとしてポリクローナル抗体を使用する時、高および低反応性ポリクローナル抗体の調製は、この分野で良く知られた方法に従って、ポリクローナル抗体をゲルマトリックスへ共有結合した抗原検体を担持するアフィニティクロマトグラフィーカラムへ導入することによって実施することができる。溶出バッファの勾配により、低反応性ポリクローナル分画が最初カラムから溶出し、続いて増大する高反応性を有する分画が溶出するであろう(S.Yamamoto
et al.,1993,“Veterinary Immunology and Immunopathology”36,257−264,Elsevier Science Publishers BV,Amsterdamを見よ)。分画の反応はその後BIAcore機器で、または同じサイズおよび材料のナノ粒子へそれらを独立にコーティングしそして対応する較正曲線を作成することによってチェックすることができる。
【0077】
好適な抗ヒトシスタチンC抗体は異なる源から商業的に提供されている。例えば、フィンランドのHyTestは抗原の異なるエピトープを認識する高アフィニティ抗ヒトシスタチンC抗体のセットを提供している。これらの抗体は、慣用の態様において、ヒト尿から精製したシスタチンCでBalb/cマウスを免疫し、ハイブリドーマ細胞ラインSp2/0との融合によって、ハイブリドーマを製造することによって調製される。選択されたクローンによって生産された抗体がタンパクAアフィニティクロマトグラフィーによって精製された。下記mAbがHyTestから現在提供されている。Cyst10,Cyst13,Cyst16,Cysto18,Cysto19,Cysto23,Cysto24およびCysto28。商業的に提供されているモノ−ポリクローナル抗ヒトシスタチンC抗体の他の供給者は、Fusion,Northern
Ireland;BioVendor,Czech Republic;AB Location,Germany;Afdfvanced Immuicemical,USA;Abcam,UK;Axxora,UK;Biodesign,USA;R&D
Systems,USA;AbD Serotec,Norway;Strategic Biosolutions,USAである。前記源からのすべての抗ヒトシスタチンC抗体は、原則として、本発明を実施するため単独または併用して使用することができる。
【0078】
c)ナノ粒子およびそれらの抗体との接合体
本発明のナノ粒子を製造するための材料は、粒子増強光散乱アッセイを発生および実施するのに適した、任意の天然または合成、無機、有機、非ポリマーまたはポリマー材料であることができる。そのような材料は、例えば、セレニウム、炭素、金、窒化炭素、ケイ素またはゲルマニウム、例えばSi、鉄、チタンまたはケイ素の酸化物、例えばTiOまたはSiO、そして例えばラテックス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(アルファナフチルメタクリレート)、ポリ(ビニルナフタレン)、またはそれらの共重合体、特にスチレンと共重合し得る不飽和化合物との共重合体、例えばスチレン−メタクリレート共重合体を含む。ポリマー材料製の粒子、それにスチレンから重合した内部コアと、スチレンと共重合し得るエチレン性不飽和化合物から共重合によって生成した外側シエルよりなるコア−シエル粒子、例えば米国特許第4,210,723号に記載された粒子も好適である。
【0079】
接合に適したポリマー材料は、Bange Particles Inc.またはInterfacial Dynamics Inc.,Merck SA,France,または他の適当な源から購入することができる。粒子は抗体への結合のため多数の方法に従って活性化することができ、そのようなカップリング化学の完全な教えは、例えばBangs
Laboratories,Inc.のウエブサイトからダウンロード可能な、TechNote 205,Rev.003,例えば2002年3月の“Covalent Coupling”中に見られる。例えば、カップリングは表面カルボキシル、アミノ、ヒドロキシ、ヒドラジドまたはクロロメチル基を持っている粒子によって達成し得る。連結される分子はそのような基と直接反応するか、または適当なリンカー、例えばカルボジイミド、グルタルアルデヒドまたは臭化シアンによって反応させることができる。
【0080】
本発明に従った粒子のシエルは、好ましくは十分な比濁信号を発生する一定のサイズのナノ粒子コアと結合した、シスタチンCに対して高い親和性を有する抗体を含まなければならない。典型的には、タンパク質性材料のシエルを含んでいるナノ粒子は、58ないし200nm,もっと好ましくは65ないし150nm,そしてさらに好ましくは80ないし135nmである。
【0081】
本発明の特定な具体例において、未被覆粒子の平均直径は約80nmである。これら粒子を使用し、コーティング後それらは直径が典型的は90〜100nmになる。一般的に抗体の単一層は厚みが約5nmであり、そのためそのような粒子は抗体の単層を支持していると考えられる。
【0082】
これらの粒子は、接合した粒子の全乾燥重量の5ないし35%が抗体で構成されている時に良好な成績を有し、抗体が接合した粒子の全乾燥重量の10ないし30%である時より良い成績が、15ないし25%である時最適の成績が得られる。
【0083】
もし僅かに大きい粒子が使用されるならば、これらの最適なパーセント値は低くなる。例として、もし95nm粒子が使用されるならば、それらは典型的には、もし被覆すれば110nmであるメディアン直径へ上昇する。その時の対応するパーセントは4ないし32%、8ないし26%、そして最適成績のためには12ないし22%(接合した粒子の全乾燥重量を抗体が構成するパーセント)である。しかしながらこれらの僅かにより大きい粒子では、曲線を平坦化することなく較正曲線を発生させるためには(アッセイ較正曲線は8μgシスタチンC/μlサンプルまで良好なダイナミック範囲を持たなければならない。)十分な結合能力を持つように、アッセイにおいてもっと多くの粒子(粒子のもっと多い重量の意味において)がアッセイに使用されなければならない。これは一層高い吸収バックグラウンド(より大きい粒子をより多く)と、そして一層低い信号対ノズル比へ導く。
【0084】
他方、より小さい粒子は被覆した粒子においてより高い最適抗体パーセントを持つであろう。例えば、もし70nmサイズの未被覆粒子が使用されるならば、被覆した粒子のメディアン直径は典型的には80nmであり、そして接合した粒子の全乾燥重量の4ないし42%が最適パーセントになり、より最適でないのは12ないし36%、そしてもっと最適でない割合は抗体4ないし42%となるであろう。しかしながらこれら少し小さい粒子では、低濃度において、すなわち1μgシスタチンC/μlサンプル以下において十分に険しい較正曲線を与えるためにはより少量の粒子(粒子のより少ない重量の意味で)をアッセイに使用しなければならず、そして信号は低くなり、そしてバックグランドノイズに対してもっと傷つけ易くなる。
【0085】
上の説明を基にして、当業者は本発明の教えに指導されて異なるアッセイ条件のための最適な免疫粒子調製物を提供することができるであろう。
【0086】
ナノ粒子への抗ヒトシスタチンC抗体のコーティングは、使用する材料の性質に適合したこの分野で良く知られた方法に従って、吸着的または共有結合的に実施することができる。
【0087】
好ましい具体例によれば、抗シスタチンC抗体との1種以上の親水性不活性タンパクの混合物がナノ粒子への抗体の接合/結合の間存在しなければならない。本発明者らは驚くべきことに、抗体が接合pHへ近いpI値を有する親水性タンパクと一緒に粒子へ接合される時、高い結合能力を有する親水性粒子の最適の結果が得られることを観察した。最良の結果は、接合の間ウシトランスフエリンおよびアルブミンを存在させた時に得られる。しかしながら、接合の間抗体と他の不活性タンパク質を混合してもよい。そのような親水性不活性タンパク質の非限定例は、抗体またはシスタチンCに対し親和性のない、リムペットへモシアニン、ハプトグロビンおよび他の水溶性タンパク質である。
【0088】
カップリングプロセスの間、抗体が不活性タンパクとよりもナノ粒子コアと一層反応性で、それらがコアへ多かれ少なかれ定量的に結合するような条件でなければならず、もし必要ならば条件をそのように適合化しなければならない。ナノ粒子表面の残留反応性タンパクは不活性タンパクによってブロックされるであろう。
【0089】
本発明者らは、一般原則として、最初のステップにおいて抗体の疎水性部分が粒子へ物理的に結合するように見え、このため粒子表面上の反応性基、例えばクロロメチル基へ近接し、これは次に対応するタンパク分子の基、例えばアミンと反応することを観察した。この物理的吸収のため、大きい抗体分子が驚くべきことに小さい不活性親水性タンパク、例えばアルブミンおよびトランスフェリンと競合する。しかしながら、粒子の結合能力より少ない抗体が使用されるため、アルブミンおよびトランスフェリンのような不活性タンパクは未反応の粒子表面と反応し、本発明の粒子に良好な親水性表面と良好な抗体結合能力を同時に付与し、そして良好な信号を発生することができるナノ粒子材料の適切な割合を付与する。
【0090】
各コーティングプロセスの適切な条件への適応化は、当業者には日常的なここに提供された教示によって指導される。
【0091】
例えば、カップリングのため、抗体のpIより半単位上のpHがモノクローナル抗体が使用される時に選ばれることができる。ポリクローナル抗体は全く広汎なpIを持ち、そのためポリクローナル抗体ではpH8.8が好ましく選ばれる。
【0092】
好ましい具体例においては、カップリング反応混合物の全タンパク含量を基にして、接合の間存在するタンパク質の約3ないし70wt%、またはもっと好ましくは5ないし40wt%が抗シスタチンC抗体によって占められなければならない。
【0093】
上で説明したように、抗体は粒子に対し親水性不活性タンパクよりも高い結合速度を持っているので、粒子の表面へ結合した総タンパクに対する抗体タンパクの比はもっと高く、例えば粒子表面へ結合した総タンパクの20ないし90%、もっと好ましくは35ないし80%、さらに好ましくは40ないし70%が抗体によって占められる。
【0094】
d)特許請求した比濁方法の好ましい具体例
d1)本発明の利益
本発明は、先行技術よりもはるかに強い信号対ノイズ比を有する比濁シスタチンCイムノアッセイを提供する。抗原アフィニティ精製した抗体と組合せて、好ましくは一定の最小サイズの大きいコアおよびタンパクシエル粒子を選ぶことにより、驚くほど高い凝集信号が得られた。アッセイバッファーに比較した粒子の屈折率と、高度に精製した抗体の高い親和性(または貧欲性)の間の驚くべき相乗効果のため、強い比濁信号が得られる。強い比濁信号は、妨害物質、例えばトリグリセライドに対するより高い耐性と、そして先行技術よりも良好な比濁シスタチンCイムノアッセイの直線性へ導いた。
【0095】
均質イムノアッセイのための臨界的要因は、アッセイ混合物体積あたりの質量単位あたり発生する信号である。アッセイ混合物は、すべての試薬およびサンプルが添加された時に得られる混合物である。例えば、もし3μlのサンプルを分析し、サンプルは1m/lのシスタチンCを含有し、そしてすべての試薬およびサンプルを混合した後の最終体積が300μlであるとすれば、最終アッセイ混合物中のシスタチンCの濃度は10μg/lである。もしサンプル中の検体濃度が低ければ、これはアッセイ混合物に比較して多量のサンプルを使用することにより、例えばアッセイ混合物300μl中サンプルを8μlに増量することによってしばしば補償することができる。サンプル体積の増量にはいくつかの妨害がある。第1に、サンプル中に存在するかも知れないすべての妨害物質の濃度がアッセイ混合物中で増大する。第2に、臨界的なフック効果(すなわち負の傾斜を持った用量応答曲線)を克服する抗体の必要性が増大し、これはアッセイの抗体コストを対応して増加させる。
【0096】
それ故検体の低いアッセイ混合物濃度および対応して低いサンプル体積において良好な信号強度および頑強アッセイを得る必要が存在する。均質イムノアッセイにおいてサンプル体積を増大することはもっと大きな妨害およびもっと費用のかかるアッセイへ導く。
【0097】
本発明は、比濁シスタチンCイムノアッセイの信号強度、頑強さおよび直線性において驚くべき増大を提供する。本発明はまた、トリグリセライドのような脂質からの妨害がより少ない。これは検体単位質量あたりの比濁信号が低過ぎる信号強度に基づいている先行技術の欠点を理解した後に達成され、そして先行技術比濁方法よりも良い精度および直線性を有し、妨害の少ない方法を提供する。
【0098】
d2)異なるテスト条件下で観察された特異的改良
本発明によれば、体液サンプルまたは体液から誘導されたサンプル中のシスタチンCを測定するための改良された比濁イムノアッセイ方法が提供される。該方法は、
前記シスタチン含有液サンプル、またはシスタチン含有液から誘導されたサンプル、またはシスタチンC含有サンプルの希釈液と、ポリクローナル抗シスタチン抗体または抗体フラグメント結合ナノ粒子とを前記シスタチンCを結合するように接触させることによってアッセイ混合物を生成し、そして該混合物の混濁度の変化を測定することによってシスタチンC含量を評価することを特徴とし、
前記混濁度は、もし前記混合物が混合物生成後260秒間37℃に保たれたならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において15mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において30mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において75mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長546nmの光の吸光度の変化によって特徴化され、そして前記方法は、
前記ナノ粒子結合ポリクローナル抗シスタチンC抗体または抗体フラグメント接合体のメディアン直径が58nm以上であることによってさらに特徴化される。
【0099】
このことは、波長546nmおよび37℃は、日立、RocheからのCobasおよびModularのような多数の大型自動臨床化学分析機のための典型的な作業モードであるため有利である。
【0100】
本発明はさらに、もし前記アッセイ混合物が同じ理由で有利である、混合物生成後260秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチン9.9μgの濃度において25mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において55mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりのシスタチンC34.1μgの濃度において125mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長546nmの光の吸光度の変化によって特徴化される改良された方法を提供する。
【0101】
本発明はさらに、もし前記アッセイ混合物が同じ理由で有利である、混合物生成後260秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μmの濃度において30mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において85mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において190mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長546nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0102】
いくつかの分光分析機器は低い波長において作動する。それ故本発明は、もし前記アッセイ混合物が混合物生成後260秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において20mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において50mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において90mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長505nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0103】
特に本発明は、もし前記アッセイ混合物が混合物生成後260秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において30mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において75mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において150mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長505nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0104】
さらに本発明は、もし前記アッセイ混合物が混合物生成後260秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において40mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において100mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において250mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長505nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0105】
他の分光分析機器は、高い波長で作動する。それ故本発明は、もし前記混合物が混合物生成後260秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において10mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において30mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において80mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長570nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0106】
特に本発明は、もし前記アッセイ混合物が混合物生成後260秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において15mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において45mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において100mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長570nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0107】
加えて、本発明は、もし前記混合物が混合物生成後260秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において20mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において55mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において125mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長570nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0108】
37℃より低い温度で作動するいくつかの臨床化学機器がある、それ故本発明は、もし前記混合物が混合物生成後600秒間32℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において12mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において25mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において70mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長546nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0109】
臨床化学オートメーション機器の能力を増強するために、もっと速いそしてもっと効率的なアッセイ方法に対して大きな需要がある。もしアッセイがもっと速く進行するならば、単位時間あたりもっと多くのアッセイを実行することができる。特にもし機器が動力学的モードで作動するようにつくられているならば、アッセイのスタート後速いそして強い信号増大が有利である。それ故本発明は、もし前記混合物が混合物生成後120秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において8mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において20mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において50mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長546nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0110】
特に本発明は、もし前記混合物が混合物生成後120秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において15mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において30mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において75mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長546nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0111】
さらに本発明は、もし前記混合物が混合物生成後40秒間37℃に保たれるならば、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において4mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において7mAbs単位/cm以上の、または
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において15mAbs単位/cm以上の前記混合物の波長546nmの光の吸光度の変化によって特徴化される方法を提供する。
【0112】
d3)先行技術比濁システムで同じ条件で得られる結果
上で説明したように、このアッセイに使用するナノ粒子の粒子サイズは注意深くバランスしていなければならない。大粒子は良好な信号を発生するが、バックグランドが高く、結合能力が低いので、多量の粒子を加えなければならず、高いバックグラウンド混濁度を産生する。Dako
Cytomation ASのようなアッセイの以前のサプライヤーは、恐らくこの理由で良好な比濁号を達成しなかった。
【0113】
製品番号LX002/EFG/CS/25.10.04,S2361/EFG/KGR/09.07.03およびXO974/EFG/SUM/09.09.14のDako
Cytomation ASの包装挿入物に、そして上で引用したSchmidt,Kjoller and Gronkjarの論文に与えられた指令に従った時、これは波長546nm37℃260秒以内において、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において9mAbs単位/cmの、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において24mAbs単位/cmの、そして
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において50mAbs単位/cmの吸光度変化によって特徴化されるシスタチンCのための比濁イムノアッセイ方法となった。
【0114】
これらの結果は本発明において観察された結果(上を見よ)より遥かに下であった。
【0115】
より短いアッセイ時間120秒の使用(動力学的読取りを目的として)を試みる時、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において6mAbs単位/cm以上の、そして
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において15mAbs単位/cm以上の、そして
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において24mAbs単位/cmの吸光度変化を生じ、これは本発明について得られた結果より遥かに下であった。
【0116】
さらに、より短いアッセイ時間40秒の使用(動力学的読取りを目的として)を試みる時、
アッセイ混合物1あたりシスタチンC9.9μgの濃度において3mAbs単位/cm以上の、そして
アッセイ混合物1あたりシスタチンC19.8μgの濃度において6mAbs単位/cm以上の、そして
アッセイ混合物1あたりシスタチンC34.1μgの濃度において9mAbs単位/cmの吸光度変化を生じ、これは本発明について得られた結果より遥かに下であった。
【0117】
上のアッセイ時間は、アッセイ試薬およびサンプルの混合物へ免疫ナノ粒子の添加からの時間と定義される。すべての体積およびシーケンスは製造者の情報に従った。シスタチンCの濃度は、デイドベーリングUS,製品番号OQNM13NラテックスシスタチンCからのProSpectネフェロメトリー参照方法を使用して決定された。
【0118】
d4)本発明のアッセイ方法の実施
本発明の好ましい具体例においては、アッセイバッファーがサンプルと免疫粒子サスペンジョンと混合され、そして混合物または生成したサスペンジョンの混濁度が光度計、好ましくは記録光度計、さらに好ましくは記録分光光度計でモニターされる。好ましいステップのシーケンスは、アッセイバッファー中にサンプルを混合し、混合物が完全に溶解し、安定化するのを許容し、次に免疫粒子混合物を添加する。本発明は、アッセイバッファーと免疫粒子サスペンジョンを最初に混合し、次にサンプルを添加し混合することによっても実施することができる。最適な混合方法(この分野で良く知られた方法から選ばれる)を適用すべきであり、これは限られた数の予備実験によって決定することができる。
【0119】
記録光度計が使用される時、混濁度の初期増加率は、吸光度の初期増加率を混合時に直接記録するか、または初期吸光度増加への補外と組合せて混合短時間後に記録することによって測定するか、またはサンプルと試薬の混合後1分より短い2以上の時点で吸光度差を測定することによってシスタチン濃度を決定することによって決定することができる。
【0120】
これらの測定または組合せた測定は、既知のシスタチンC濃度の較正液での対応する結果と相関または比較することができ、そして未知サンプルの濃度がこのようにして計算することができる。吸光度値を記録し、そして結果を算出するこれらの方法は、臨床化学の分野の当業者によって測定される数多くの他の物質について非常に良く知られている。勿論、本発明から得られる非常に良好な信号は、特に上記したようにサンプルと試薬の混合短時間後良好な信号が得られる時にそのような測定および計算を頑丈にそして正確にする。
【0121】
異なる種類の緩衝物質、異なる種類の洗剤、および/または異なる種類のポリマーおよび/またはバッファーへ添加される塩類を有する、使用することができるいくつかのアッセイバッファーがある。
【0122】
MOPS,PIPES,HEPESのようなTRISバッファー、リン酸塩バッファー、ホウ酸塩バッファーおよび他のバッファー物質が使用でき、そしてpHおよび添加されたサンプルの緩衝能力に関係なく最終アッセイ混合物の良く調節されたpHがアッセイが維持できる限り、本発明に対して臨界的ではない。典型的には、バッファーは最終モル濃度約5mMないし0.2M、または10mMないし0.1Mに添加される。pHは6ないし8、6.5ないし7.5の範囲に調節される。
【0123】
さらに、添加されるサンプルの脂質成分を溶解し、そしてサンプルと共に導入されるシスタチンCとの抗体の反応をあまり強く妨害しない限り、いくつかの洗剤を使用することができる。トリグリセリド、コレステロールおよびある範囲のリポタンパクは、脂質が妨害信号を与えるミクロ液滴およびミセルを形成するので、比濁アッセイにおける妨害物質の例である。Tween20,Triton
X−100およびデオキシコール酸塩が好適な洗剤の例である。脂質含有サンプル中のシスタチンCの測定は大きな挑戦であり、そして脂質の良好な溶解性を必要とするが、もっと重要なことはいかなるマイナーな妨害を乗りこえる強い信号である。洗剤は、典型的には各自最終反応混合物の重量に対して、0.01ないし0.5%、または0.1ないし0.3%の最終濃度に添加される。
【0124】
最も広く使用されるポリマーは、異なると分子サイズ(特に約6,000ないし8,000)のポリエチレングリコールであるが、デキストサンおよび他のポリマーも使用できる。ポリマーは、その濃度が高過ぎる時、テストサンプルがアッセイ混合物中の混合される時導入される他の物質の非特異的沈澱を生成するという不利益を有する。他方、前記ポリマーは同時に信号を増大する。しかしながらそれらは免疫粒子の全体の結合能力を減らす傾向がある。ポリマーは、典型的には最終反応混合物の重量の約0.05ないし0.5%、または0.1ないし0.3%へ添加される。
【0125】
イオン強度を適応化する好適な塩類は、例えばアルカリ金属ハライド、特に1ないし100mM、または5ないし50mMの濃度に添加される塩化ナトリウムである。
【0126】
アッセイ混合物中に存在することができるさらなる成分は、
最終濃度約1ないし50mMまたは5ないし20mMへ添加されるグリシンのようなアミノ酸;
最終濃度0.1ないし5g/lまたは0.5ないし2g/lへ添加されるアルブミンのようなタンパク;
最終濃度0.1ないし10または1ないし5g/lへ添加されるアジ化ナトリウムのような抗バクテリア剤;および較正または対照物質であり、これらは、任意にある種のタンパク質物質と共にバッファー、典型的にはリン酸塩バッファーまたはトリスバッファーに溶解した既知濃度のシスタチンCを含み、任意に100体積%までのヒトまたは動物血清(もし100体積%が血清であれば、バッファー溶液の余地も必要性もない)を含んでいる。
【0127】
さらに、1種以上の試薬を乾燥形、任意に凍結乾燥形で使用することができる。ナノ粒子へ接合した抗体は乾燥形で、例えばペレットとして使用し、使用前溶解することができ、または緩衝試薬中または反応混合物へ溶解することができる。反応緩衝液中の1以上の成分はアッセイ実施の前または最中に乾燥形で添加することができ、較正剤もそうである。サンプルも乾燥または凍結乾燥した形で提供し、乾燥形で、または使用前溶解して反応混合物へ添加することができる。
【0128】
臨床化学分析においては、較正目的のための標準曲線の使用は標準的プラクティスである。このため本発明の実施方法においては、臨床サンプルの代りに既知のシスタチンC含有のサンプルを測定すべき応答/信号のための標準曲線を作成するために使用し、そして未知サンプルのシスタチンC含量を標準曲線から補内法によって計算することができる。
【0129】
混合物中のナノ粒子免疫接合体の総濃度は、粒子増光光散乱免疫アッセイの分野で良く知られた方法に従って選択され、前記ナノ粒子から誘導される吸光度値が正確なそして高精度の測定に影響しないが、しかしマイクロ粒子濃度が信号発生を得るには十分に高いように選ばれる。その量は、勿論体液サンプルまたはそれから誘導されたサンプルの体積、そしてシスタチンCのような異なるパラメータによって影響される。
【0130】
非限定的なアッセイの典型的パラメータとして、以下を挙げることができる。
【0131】
典型的なサンプル体積は1ないし20μl、例えば2ないし10μl、特に3μlである。
【0132】
典型的な免疫粒子体積は10ないし100μl、または20ないし60μl、特に40μlである。前記免疫粒子は、バッファー溶液mlあたり、0.5ないし10または1ないし5、典型的には約2ないし3、特に2.26mgのサスペンジョンとして提供することができる。前記バッファー溶液は、緩衝物質に加え、上で規定したように例えばアミノ酸、塩類、不活性タンパク、乳化剤または溶解剤のようなさらなる成分を含むことができる。そのような成分およびバッファーの典型的な混合物は、10mMホウ酸塩バッファー、10mMグリシン、15mM
NaCl、0.25%Tween20,およびアルブミン1g/lを含む。
【0133】
典型的アッセイ総体積は、100ないし1000μl,または200ないし500μl、または250ないし300μl、特に約280μlである。
【0134】
異なる機器は異なる総体積で作動し、そのためこれら体積の30%または60%、またはこれら体積の150%または300%が他の機器のためには典型的である。サンプル体積と免疫粒子体積の間の比は、1/100ないし2/3、もっと好ましくは2/100ないし1/3、そしてもっと好ましくは1/40ないし1/5である。
【0135】
d5)医学的使用
本発明のアッセイ方法は、体液または組織のシスタチンC含量に関係した、または顕示される病理学的または病理学的に可能性ある状態の診断またはモニターのために使用することができる。これら哺乳類の糸球体濾過速度(腎機能の測定としてGFR)、または前記濾過速度に影響する哺乳類または病理学的状態を特に含んでいる。
【0136】
本発明方法は、小児のGFRまたは筋萎縮症を有する患者のGFRの測定、腎機能における癌治療の影響の監視、腎移植および免疫抑制療法の監視、糖尿病における腎臓濾過の監視、子かんの検知および管理、および薬物投与が体内に蓄積した望ましくない薬物を招来し得るGFRの減少に関係する場合における薬物の正しい投与量の決定のために使用することができる。
【0137】
このアッセイ方法は、前記濾過速度に対する医薬品の影響を評価するためにも使用することができる。
【0138】
本明細書の熟練した読者はさらなる可能な用途を思いつくことができる。
【0139】
本発明は、本発明に従ったイムノアッセイ方法を実施するための試薬のセットを提供する。試薬セットは、抗シスタチンC免疫粒子、好適なアッセイバッファー、および任意に較正溶液および対照溶液を含むことを特徴とする。任意に、粒子サスペンジョンおよびアッセイバッファーは混合した試薬として配送してもよい。
【0140】
他の面において、本発明はサンプル中のシスタチンCのアッセイに使用するための任意にキットまたは部品キットフォーマットの分析製品を提供し、前記製品は、乾燥またはサスペンジョン形の上に記載した少なくとも1タイプのナノ粒子−免疫接合体と、そして任意に上に記載の1種以上のさらなる成分、例えば好適なアッセイバッファーおよび任意に較正液および対照液を含んでいる。
【0141】
本発明は、本発明に従ったイムノアッセイを実施するための試薬のセットを提供する。試薬セットは、抗シスタチンC免疫粒子、好適なバッファー、そして任意に較正液および対照液を含むことを特徴とする。任意に粒子サスペンジョンおよびアッセイバッファーは混合試薬として配達してもよい。
【0142】
任意に、観察したシスタチンC濃度をCFRパラメータと直接相関させることを許容する計算スキームのような信号評価手段も存在することができる。
【0143】
以下の非限定的実施例は非限定態様において本発明方法を例証する。
【0144】
実験の部
合成実施例1:ポリクローナル鳥類血清の調製およびそのアフィニティ精製
a)鳥類血清の調製
ヒトシスタチンCに対するポリクローナルIgY抗体の生産のために以下の免疫化プロトコールを使用することができる。
【0145】
各免疫化実験のため2ないし4羽のメンドリが使用される。免疫化開始前卵2個が採取される。これら卵から精製したIgYが対照IgYとして役立つであろう。リン酸塩バッファー中の高度に精製したヒトシスタチンC(細管タンパク尿症を有する患者の尿から精製)をフロインド完全アジュバンドで乳化し、メンドリの胸筋肉に注射する。注射は4週毎にくり返された。注射スタート10週後卵が集められた。卵から卵黄が分離され、そして先行技術卵抗体単離方法(例えば、Larson
A,Baaloew R−M,Lindah1 T,and Forsberg P−O,in Poultry Science 72:1807−1812,1993を見よ)に従った慣用の態様で、卵黄からIgY分画が塩化アンモニウム沈澱によって単離された。
【0146】
b)ポリクローナル血清のアフィニティ精製
高度に精製したヒトシスタチンC10mgがAmersham Pharmacia BiotechからのHITRAP NHS−Active HPカラム上にカラムのパッケージインサートの処方に従って固定化された。
【0147】
単離されたIgY分画をリン酸塩緩衝化食塩水中に2mg/mlへ希釈した。このIgG溶液200mlをカラムに通し、次にIgYなしのリン酸塩緩衝化食塩水50mlを通した。固定化シスタチンCに対して特異的親和性を有する抗体を6.1モル濃度クエン酸塩バッファー、pH3.2の35mlで溶出した。溶出した特異性抗シスタチンC抗体をリン酸塩緩衝化食塩水に対して透析し、分子量カットオフ30,000ダルトンを有するAmicon
Centivcon遠心濾過装置を用いて3mg/mlへ濃縮した。
【0148】
合成実施例2:モノクローナル抗ヒトシスタチンC抗体の調製
モノクローナル抗ヒトシスタチンC抗体は、例えばHarlow et al.,1988,Section 6 of“Antibodies:a
Laboratory Mannual”,Cold Spring Harbor Press,New York,USAに記載されたこの分野で良く知られた方法を用いて以下のように製造することができる。ヒトPSAは、Sensabaugh
et al.,J.Urology 1990,144,1523に記載されているように、ヒト精液血漿から単離された。
【0149】
RAS(RIBIアジュバントシステム)中のヒトシスタチンC50μgの規則的間隔の4回注射後マウスが免疫化された。最初の注射4日後免疫化したマウスの脾臓から単離されたリンパ球が、Galfre
et al.,1981.Method in Enzymoloy,73,3−46に記載されているポリエチレングリコール法を使用してミエローマ細胞ラインSP2/O−Ag14と融合された。
【0150】
シスタチンCに対する抗体を分泌するハイブリドーマは以下のスクリーニングELISAによって同定された:マイクロタイタープレートがウサギ抗ヒトシスタチン免疫グロブリンでコートされ;この固体相へ結合したシスタチンCがハイブリドーマ培養物の上清とインキュベートされた。シスタチンCへ結合したモノクローナル抗体は、抗マウスイムノグロブリン−ペルオキシダーゼ結合体を用いて検出された。
【0151】
ヒトシスタチンCの異なるエピトープに対する抗体を分泌する数百ものハイブリドーマを単離することができる。対応するモノクローナル抗体はその後アフィニティ精製され、もっと詳細にキャラクタライズされることができる。
【0152】
エピトープ結合が実施され、そして抗体の相対的反応性がB1Acoreバイオセンサー技術(Pharmacia,Sweden)を用いてそれらの見掛け解離定数に関して決定された。後者は表面プラスモン共鳴技術(J.L.Daiss
et al.,1994,in“Methodsw:A Companion to Methods in Enzymology”6,143−156,Academic Press Inc.,NY,USAを見よ)に基づいており、そしてバイオ分子反応の動力学およびストキオメトリーのモニターを許容する。
【0153】
細胞培養上清から出発し、モノクローナル抗体がホリクローナルウサギ抗マウス−Fc−抗体を介してバイオセンサー表面へ結合された。モノクローナル抗体への抗原シスタチンCの会合および解離がモニターされた。データは簡単なA+B=AB平衡モデルに基づいた本来的BIA評価ソフトウエア(L.G.Fagerstam
et al.,1992,Journal of Chromatography,597,397−410)を使用して解析することができる。得られる抗体はその後それぞれの見掛け解離定数に関して比較されることができる。好適な抗体またはその組合せが本発明の免疫粒子の製造のために使用し得る。
【0154】
合成実施例3:抗シスタチンC免疫粒子の調製
a)カップリング操作−標準的操作
(1)緩衝液および試薬

【0155】
抗体mgあたりのポリマー粒子からのより多い信号を持つため、カップリング緩衝液のpHは連結すべき抗体のpIへ特異的方法で適合化された。加えて、抗体はカップリング前にアルブミン/トランスフェリンで希釈された(後記を見よ)。カップリングのため抗体のpI半単位上のpHがモノクローナル抗体が使用される時に選ばれた。ポリクローナル抗体は全く広汎なpIを持ち、そのためポリクローナル抗体では8.8のpHが使用された。選ばれたpHは上のPBSバッファーとホウ酸塩バッファーを混合することによって得られた。
【0156】
以下の標準的操作は、クロロメチルへの抗体の物理的吸着による取付けのための単一ステップ方法の概要である。このプロトコールは1%固形分の1μmクロロメチルラテックスのためである。この反応は個々のニーズに合わせるため容易にスケールアップまたはスケールダウンすることができる。例えばもし異なる粒子サイズが使用されるならば、その時抗体(Ab)の量は、式
Abの重量=(1μm粒子のためのAbの重量/(μmでの粒子直径)
から計算することができる。
【0157】
(2)ラテックス粒子サスペンジョンの調製
1.クロメチルラテックスマイクロスフェア2.5ml(40mg/ml)をピペットし、MESバッファー10mlで希釈せよ。
2.粒子沈降のため3,000Gで20分間遠心せよ。
3.上清を除去し、ペレットをMESバッファー10mlに再懸濁せよ。
4.再び遠心し、粒子から上清を除去せよ。
5.ペレットをMES5mlに再懸濁し、マイクロスフェア粒子が完全に懸濁していることを確実にせよ。
ラテックスサスペンジョンは今や固形分約2%(すなわち20mg/ml)にある。
【0158】
(3)カップリング
1.適切なpH(上を見よ)へ調節したPBS/ホウ酸塩バッファー中の抗体1.5mg,アルブミン3.75mgおよびウシトランスフェリン7mgの5ml溶液へラテックス5mlを加える。これは抗体モノレイヤーが必要とするよりも少ない。抗体はトランスフェリンおよびアルブミンよりもラテックスと一層反応性であり、そして多かれ少なかれ定量的にラテックスと結合し、ラテックス表面の残りはアルブミンおよび/またはトランスフェリンで飽和される。この混合物は粒子の凝集および良好な親水性に対しても確実にする。接合の間、抗体にもシスタチンCにも親和性のない貝類ヘモシアニン、ハプトグロビンおよび他の水溶性タンパクのような他の不活性タンパクも抗体と混合することができる。
2.ラテックス/タンパク混合物をゆるやかな混合で室温において一夜インキュベートせよ。
3.タンパク標識したラテックス粒子を未結合タンパクから分離するため遠心せよ。
4.タンパク測定のため上清を除去し、保留せよ。
このステップにおいて、上清を保存し、タンパクを測定することができる。上清中の残存タンパクは添加した元の量から差引くことができる。残りは粒子上に被覆されている。ラテックスマイクロスフェアと両立し得る唯一のタンパク測定方法はPierceからのMicro
BCAタンパク測定キットである。
5.ペレットをPBS10ml中に再懸濁せよ。
6.粒子を沈降させるため再び遠心せよ。
7.合計3回洗浄のためステップ5および6をさらに2回反復せよ。
8.最終ラテックスを貯蔵バッファー10ml中に再懸濁し、固形分1%の最終濃度とせよ。使用まで4℃で貯蔵し、冷凍するな。
タンパクがカバーされないマイクロスフェア表面上のいかなる反応部位をも充填するためグリシンが貯蔵バッファー中に使用される。これは非特異性結合を減少する。ウシ血清アルブミン(BSA)またはウシトランスフェリンのような不活性タンパクがもし望むならば同じ目的で使用できる。NaNが保存剤として存在する。もしラテックスは無菌に保たれるならば、細胞または組織培養物と両立しないNaNは省くことができる。
【0159】
b)被覆したナノ粒子の調製
上の標準的操作は、本発明のナノ粒子接合体の調製のため0.08μmの直径のラテックス粒子を被覆するために適用された。上の処方に従って、抗体24mgとアルブミン65mgが粒子100mgを被覆するために使用された。
【0160】
前記抗シスタチンC免疫粒子は、Norwegian Antibodies AS,Norwayからの抗シスタチンC抗体製品番号A167Cys−C−AF(前記ポリクローナル抗ヒトシスタチンC抗体は、慢性腎糸球体タンパク尿症を有する患者からのシスタチンCで免疫化したメンドリの卵から単離したイムノグロブリンのアフィニティー精製したイムノグロブリン分画に相当し、このアフィニティー精製プロセスは固定化ヒトシスタチCで実施された)をクロロメチル活性化ラテックス粒子(0.08μm,Interfacial Dynamics Inc.,USAからの製品番号C37487)へ連結することによって製造された。前記カップリングのためhttp://www.idclatex.com/body−bgrounder−superactive−protocol−11.aspからダウンロードしたプロトコール“IDC超クリーンクロロメチルラテックス”を使用することができる。
【0161】
代替的粒子およびカップリングプロトコールは、Interfacicial Dynamics社のウエブサイド、Invitrogen社のウエブサイド、およびBange
Particles Inc.社のウエブサイドに見られる。
【0162】
得られた粒子は0.25%Tween20と1g/lアルブミン添加10mMホウ酸バッファー、10mMグリシン、15mM NaCl中粒子2.26mg/mlのサスペンジョンとして使用される。
【0163】
アッセイ実施例1:異なるアッセイ条件下の本発明の免疫粒子に基づく比濁シスタチンCアッセイ
合成実施例3において調製した免疫粒子懸濁液が以下の実験において使用された。
【0164】
これら実験において次の最適化されたアッセイバッファーpH=7.2が使用された。
ポリエチレングリコール(Sigma)22g/l
Tween20(Sigma)3g/l
MOPS(Sigma)9.4g/l
アジ化ナトリウム2.7g/l
【0165】
サンプル3μlをアッセイバッファー250μlと混合し、30秒間静置し、粒子サスペンジョン40μlを加え混合した。混合後cmあたりの吸光度を島津UV1601分光光度計で測定した。
【0166】
濃度、温度、免疫粒子添加混合後の時間、および分光光度計で使用した光の波長に応じて、以下の結果(mAbs単位/cm=ミリ吸光度単位/光路長cm)が得られた。
【0167】
a)260秒アッセイ時間内で37℃において波長546nm
吸光度変化:
アッセイ混合物中シスタチンC濃度9.9μg/lにおいて33mAbs単位、
アッセイ混合物中シスタチンC濃度19.8μg/lにおいて88mAbs単位、および
アッセイ混合物中シスタチンC濃度34.1μg/lにおいて194mAbs単位
b)260秒アッセイ時間内で37℃において波長505nm
吸光度変化:
アッセイ混合物中シスタチンC濃度9.9μg/lにおいて43mAbs単位、
アッセイ混合物中シスタチンC濃度19.8μg/lにおいて128mAbs単位、および
アッセイ混合物中シスタチンC濃度34.1μg/lにおいて282mAbs単位
c)260秒アッセイ時間内で37℃において波長570nm
吸光度変化:
アッセイ混合物中シスタチンC濃度9.9μg/lにおいて24mAbs単位、
アッセイ混合物中シスタチンC濃度19.8μg/lにおいて65mAbs単位、および
アッセイ混合物中シスタチンC濃度34.1μg/lにおいて148mAbs単位
d)アッセイ時間120秒内で37℃において波長546nm
吸光度変化:
アッセイ混合物中シスタチンC濃度9.9μg/lにおいて11mAbs単位、
アッセイ混合物中シスタチンC濃度19.8μg/lにおいて31mAbs単位、および
アッセイ混合物中シスタチンC濃度34.1μg/lにおいて72mAbs単位
e)アッセイ時間40秒で37℃において波長546nm
吸光度変化:
アッセイ混合物中シスタチンC濃度9.9μg/lにおいて4mAbs単位、
アッセイ混合物中シスタチンC濃度19.8μg/lにおいて11mAbs単位、および
アッセイ混合物中シスタチンC濃度34.1μg/lにおいて23mAbs単位
【0168】
アッセイ時間は、免疫粒子をアッセイバッファーおよびサンプルと混合してから吸光度を読取るまでの時間(秒)として規定された。シスタチンCの濃度はDade
Behring,USからのPro Spec nephelometric reference methods,製品番号OQNM13N Latex Cystatin
Cを使用して決定された。
【0169】
より速いそしてより強力な信号を有するこれらの結果は、比濁イムノアッセイにおいては共通の妨害物質であるトリグリセライドからの妨害効果と、そして最良の先行技術方法と比較した本発明方法の直線性を検討するために使用された。これらの実験を以下に記載する。
【0170】
アッセイ実施例2:本発明方法の比濁測定に対するトリグリセライド妨害の検討
この研究の目的は、本発明方法がテストサンプル中のトリグリセライド(TG)によって妨害されるかどうかを決定することであった。妨害があらかじめ定めたTG濃度以下において見られるかどうかによって、妨害と、潜在的妨害物質の間の関係を証明するために実施される。操作はNCCLSガイド“Interfence Festing in clinical chemistrty,approved guidelines”,NCCLS section 6.1.2に基づいている。
【0171】
a)設備
機器:Roche Diagnosticsから提供された標準アクセサリーを備えて日立917機器
日立917機器のセッティング:
アッセイバッファー体積 330μl
サンプル体積 3μl
免疫粒子体積 40μl
水体積 20μl
一次波長 546nm
二次波長 700nm
較正液希釈度 0.055,0.125,0.250,0.432,0.667,1.000
Logit Log(4P)
【0172】
b)試薬
アッセイバッファー:ポリエチレングリコール(Sigma)22g/l,Tween20(Sigma)3g/l,MOPS(Sigma)9.4g/l,アジ化ナトリウム2.7g/l,塩化ナトリウム27g/l,pH=7.2
較正液:Dade BehringのProSpecネフエロメーター上でネフエロメトリー法を使用して参照ラボラトリーによって決定された、ヒトシスタチンC7.70mg/lを含んでいる血清
免疫粒子:上の合成実施例2に従って製造された抗シスタチンC免疫粒子。粒子は0.25%Tween20および1g/lアルブミン添加10mMホウ酸塩バッファー、10mMグリシン、15mM
NaCl中のサスペンジョン(粒子2.26mg/ml)として使用された。
【0173】
c)サンプル
血清1:トリグリセライド濃度20mmol/l以上のヒト血清プール
血清2:トリグリセライド濃度10mmol/l以下のヒト血清プール
これら2種の血清サンプルが望むトリグリセライド濃度のサンプルを調製するために使用された。
【0174】
d)使用される2種類の血清プール中のシスタチンC濃度の決定
使用される2種類の血清プールのシスタチンC濃度は10反復数において測定された。

【0175】
前記血清プールのシスタチンC値に平均値が与えられた。
【0176】
1mg/l以上の値における±5%妨害限界およびシスタチン1mg以下における±7.5%の妨害限界がトリグリセライドから許容される最大妨害のために選ばれた。
【0177】
NCCLSガイドラインに従って、95%信頼性レベル(α=0.05)および95%パワー(β=0.05)をもって2側面のこの実験を実施するのに必要な反復回数n:
【数1】

ここでSは血清プールの作業精度(mgシスタチンC/lにおいて)内にある。
【0178】
NCCLSガイドラインに従った最小反復回数の計算:
【数2】

結果は反復回数3が充分であることを示した。
【0179】
e)トリグリセライドをスパイクした血清の調製
約20mmol/lのトリグリセライドを有する血清を調節した(血清プールA)。独立のサービス研究所がトリグリセライド含量を決定した。血清のこの部分の半分が、Scipac
Ltd.UKからの精製シスタチンCでスパイクされ、3mg/l以上のシスタチン値を生じた(血清プールB)。
【0180】
血清プールAおよびBの半分がBeckman TL−100ウルトラ遠心機中で50,000rpmにおいて30分間超遠心処理された。サンプルの透明部分が対照プールとして使用され、そして体積が除去された脂質の体積について補正された(それぞれ血清プールCおよびDと命名)。
【0181】
f)分析作業
基本プール混合物および対照プール混合物A,B,CおよびD各自の3部分標本が調製された。
指示書に従った機器の較正および基本プール混合物と対照プール混合物と対照プール混合物の分析は交番する順序で実施された。
もし妨害が観察されたならば、0%および100%プールの50%中間プールが調製された。中間プールと0%プールから25%プールが調製された。中間プールと100%プールから75%が各プールの等量を混合することによって調製された。
新しい較正を行ったランダム順序のすべてのn反復が測定された。
0%プールのための平均濃度が計算され、そしてすべての他の結果から差し引かれた。
【0182】
g)データ解析の正味の結果
g1)高シスタチンC値サンプル

結論:
0.16mg/lの許容し得る偏差限界は信頼性インターバルより上であるので、我々は18mmol/lのTG濃度は約3mg/lのシスタチンCレベルにおいてシスタチンCイムノアッセイを妨害しないと結論することができる。
【0183】
g2)低シスタチンC値サンプル

結論:
0.065mg/lの許容し得る偏差限界は信頼性インターバルより上であるので、我々は18mmol/lのTG濃度は約1mg/lのシスタチンCレベルにおいてシスタチンCイムノアッセイを妨害しないと結論することができる。
特定したテスト条件に従えば、18mmol/l以下の濃度のTGは本発明のシスタチンCイムノアッセイを妨害しないことが観察された。
それ故、本発明はシスタチンC3,2および0.83mg/lのレベルにおいて測定したシスタチンCの値に5%またはそれ以下のトリグリセライド15mmol/lからの妨害を持つことを特徴とするシスタチンCの比濁イムノアッセイ方法を提供すると結論することができる。
【0184】
アッセイ実施例3:先行技術アッセイに対するTGによる妨害の決定
日立917機器および先行技術試薬(Dako Cytomation)を用いる対応する研究が実施された。
【0185】
a)試薬
免疫粒子: LX002/EFG/CS/25.10.04
較正液: X0974/EFG/SUM/09.09,04
対照セット: X0973/EFG/SUM/09.09,04
反応バッファー9: S2361/EFG/KGR/09.07.03
【0186】
b)結果:
b1)高シスタチンCサンプル、先行技術試薬

結論:
0.14mg/lの許容し得る偏差限界は信頼性インターバルより上であるので、18mmol/lのTG濃度は約3mg/lのシスタチンCレベルにおいてDakoシスタチンCイムノアッセイを妨害すると結論できる。
【0187】
b2)低シスタチンサンプルCサンプル、先行技術試薬

結論:
0.047mg/lの許容し得る偏差限界は信頼性インターバルより上であるので、18mmol/lのTG濃度は1mg/l以下のシスタチンCレベルにおいてDakoシスタチンCイムノアッセイを妨害しないと結論できる。
【0188】
上の表から、本発明方法はトリグリセライドからの妨害に対して一層頑丈であると結論できる。
【0189】
アッセイ実施例4:本発明方法を用いて直線性の検討:
この検討はNCCLSプロトコールEP6−A,vol.23,No.16に従って実施された。
この実験において、本発明のシスタチンCイムノアッセイの直線性が検討された。これは3種の異なるスパイクした高血清サンプルを0から100%まで低濃度血清サンプルで希釈することによってなされた。希釈シリーズの結果をプロットし、そしてプロットを一次、二次および三次回帰分析によって検討することにより、我々は本発明のシスタチンCイムノアッセイ方法は与えられた基準に従って直線であると結論した。基準はプロットパラメータをスチューデントt−テストによって審査しそして比較し、測定ポイント(希釈係数に対してプロットした)が一次多項式よりも良く二次または三次多項式にフィットするかどうかを見ることであった。もしt−テストが失敗すれば、我々は一次多項式と高次多項式の間の6%の差を各レベルにおける測定平均値に関して(エンドポイントを除く。この区域におけるシスタチン濃度のサンプルは全くまたはまれにしか測定されないため)最小カイ2乗値をもって許容した。これらの基準に従って、本発明のシスタチンCイムノアッセイ方法は日立911測定システムにおいて直線である。
【0190】
a)機器:
日立911機器が使用された。
【0191】
b)試薬:
上に記載したアッセイバッファーとシスタチンC較正液と抗シスタチンC免疫粒子が使用された。
【0192】
c)サンプル:
すべてのサンプルがシスタチンC値6mg/l以上を持つ3人の異なる患者からのサンプルA,BおよびCであった。
0.8mg/l以下の低いシスタチンC濃度を有する患者血清サンプルDは、高血清の希釈剤として使用された。
サンプルAについて表に記載された血清サンプルA,BおよびCの希釈シリーズ:
もとの濃度100%から0%まで低サンプルDで各サンプルA,BおよびCを10回希釈せよ。ここで100%は純粋な高濃度血清(A100,B100およびC100)であり、そして0%は純粋な低濃度血清(D100)が調製された。
【0193】
【表1】

【0194】
サンプルBおよびサンプルCに対しても上の表と同じ希釈液が調製された。
標準曲線を確立するため日立911の較正が以下のアッセイパラメータを使用して実施された。
アッセイ体積: 230μl
サンプル体積: 3μl
免疫粒子体積: 40μl
水体積: 10μl
【0195】
希釈したサンプルの各自は3回反復で測定され、各サンプルA,BおよびCについての結果が記録された。
【0196】
d)結果:
d1)回帰分析
【表1−2】

【0197】
【表2】

【0198】
【表3】

【0199】
測定された平均値対希釈係数のプロットが図1,2および3に示されている。
【0200】
d2)スチューデントt−テスト
高次回帰パラメータがデータにフィットするかどうかをチェックするためスチューデントt−テストが実施された。結果は表4に示されている。
【0201】
【表4】

【0202】
血清1:
表4から、血清1からのデータセットは、計算したt−値が作表したt−値より小さいので二次多項式にフィットしないと結論することができる。
【0203】
表4から、このデータセットは高次多項式にフィットし得ると結論され、そして一次多項式と高次多項式の間の最低カイ2乗値を持つ差が8%以上かどうかをチェックする必要がある。三次多項式は最小のカイ2乗値を持っている。
【0204】
DL=P(x)−L(x)
【0205】
ここでP(x)は多項式であり、L(x)は直線方程式である。
【0206】
【表5】

【0207】
血清1に対するDL(%)プロットが図4に示されている。
【0208】
血清2:
表4から、血清2からデータセットは、計算したt値が作表したt値より小さいので二次多項式にフィットしないと結論できる。
【0209】
これから血清2からのデータベースは、計算したt値が作表したt値よりも小さくそして希釈シリーズは直線と考えられるので、三次多項式にフィットしないと結論できる。
【0210】
血清3:
表4から、血清3からデータセットは、計算したt値が作表したt値より小さいので二次多項式にフィットしないと結論できる。
【0211】
これから血清2からのデータベースは、計算したt値が作表したt値よりも小さいので二次多項式にフィットしないと結論できる。
【0212】
表4から、このデータセットは高次多項式にフィットし得ると結論され、そして一次多項式と高次多項式の間の最カイ2乗値を持った差が5%(DL)以上かどうかをチェックする必要がある。三次多項式は最低のカイ2乗値を持っている。
【0213】
DL=P(x)−L(x)
【0214】
ここでP(x)は多項式であり、L(x)は直線式である。
【0215】
【表6】

【0216】
血清3に対するDL(%)プロットが図5に示されている。
【0217】
上の計算および直線へセットされたスペックから、我々は本発明のシスタチンCイムノアッセイは約0.6−8.5mg/lのテストした範囲において直線的であることを見出す。
【0218】
参照インターバルはこの範囲にカバーされ、そして8mg/l以上のシスタチンC濃度はなお測定しなければならないので、この直線範囲が本発明のヒスタチンCイムノアッセイのすべての臨床目的のために充分である。
【0219】
この研究から、本発明に従ったシスタチンCの比濁イムノアッセイ方法は、シスタチンC 1.32ないし7.5mg/lの測定範囲において4%以下の直線性からの偏差を持ち、シスタチンC
0.75mg/lの測定範囲において15%以下の直線性からの偏差を持っていることを特徴としていると結論することができる。
【0220】
アッセイ実施例5:本発明に従った方法の直線性検討:
この検討はNCCLSプロトコールEP6−A,vol.23,No.16に従って実施された。
【0221】
この実験において、本発明のシスタチンCイムノアッセイの直線性が検討された。これはスパイクした高血清サンプルを低濃度血清サンプルで0から100%まで希釈することによってなされた。希釈シリーズの結果をプロットし、そしてプロットを一次、二次および三次回帰分析によって検討することにより、我々は本発明のシスタチンCイムノアッセイ方法は与えられた基準に従って直線であると結論した。基準はプロットパラメータをスチューデンドt−テストによって審査しそして比較し、測定ポイント(希釈係数に対してプロットした)が一次多項式と高次多項式の間の6%の差を各レベルにおける測定平均値に関して(エンドポイントを除く。この区域におけるシスタチンC濃度のサンプルは全くまたはまれにしか測定されないため)最小カイ2乗値をもって許容した。これらの基準に従って本発明のシスタチンCイムノアッセイ方法はArchitect測定システムにおいて直線である。
【0222】
a)機器:
Architect ci8200機器が使用された。
【0223】
b)試薬:
上に記載したアッセイバッファーとシスタチンC較正液と抗シスタチンC免疫粒子が使用された。
c)サンプル:
8mg/l以上のシスタチンC値を有する一人の患者の血清サンプルA。0.8mg/l以下の低いシスタチン濃度を有する患者の血清サンプルDは、高血清の希釈剤として使用された。
【0224】
表7に記載した血清サンプルの希釈シリーズ:
低サンプルDで元の濃度を100%から0%まで10回希釈せよ。ここで100%は純粋な高濃度血清(A100)であり、0%は純粋な低濃度血清(D100)である。
【0225】
【表7】

【0226】
標準曲線を確立するため、日立911の較正が以下のアッセイパラメータを使用して実施された。
【0227】
アッセイ体積: 220ml
サンプル体積: 3ml
免疫粒子体積: 45ml
【0228】
希釈したサンプルの各自は3回反復して測定され、サンプルAについての結果が記録された。
【0229】
d)結果
d1)回帰分析
表8:生データ血清A
【表8】

【0230】
回帰分析した血清Aの測定平均値対希釈係数図6,7および8に示されている。
【0231】
d2)スチューデントt−テスト
表9:スチューデントt−テスト
【表9】

【0232】
血清A:
表9から、血清Aからのデータセットは、計算したt−値が作表したt−値より小さいので二次多項式にフィットしたいと結論することができる。
【0233】
表9から、このデータセットは高次多項式にフッィトし得ると結論され、そして一次多項式と高次多項式の間の最低カイ2乗値を持つ差が6%以上かどうかをチェックする必要がある。三次多項式は最小のカイ2乗値を持っている。
【0234】
DL=P(x)−L(x)
【0235】
ここでP(x)は多項式であり、L(x)は直線方程式である。
【0236】
表10:DL(%)計算
【表10】

【0237】
上の計算および直線性への明細書セットから、本発明のシスタチンCイムノアッセイは約0.6−8.8mg/lの範囲において直線であることを見出した。
【0238】
参照間隔はこの範囲にカバーされ、そして8mg/l以上のシスタチンC濃度はなお測定しなければならないので、記載した直線範囲は本発明のシスタチンCイムノアッセイのすべての臨床目的に対して十分である。
【0239】
この研究から、本発明に従ったシスタチンCのための比濁イムノアッセイ方法は、シスタチンCの測定範囲1.32ないし7.5mg/lにおいて4%以下の直線性からの偏差と、そしてシスタチンCの測定範囲0.75ないし7.5mg/lにおいて15%以下の直線性からの偏差を有することによって特徴化されると結論することができる。
【0240】
アッセイ実施例6:先行技術比濁アッセイについての直線性検討
a)分析
アッセイ実施例4に相当する検討が、J.European Clinical Laboratory,10 Feb.2004のCamilla Schmidtによる“Cystatin C The maker of choice for renal function testing”の論文、および前記論文で言及しているDako製品の包装挿入文書に従って実施され、以下の結果が得られた。
【0241】
b)結果
b1)回帰分析
回帰分析したすべての血清A,BおよびCについて測定した平均値対希釈係数のプロットが図10,11および12に示されている。
【0242】
b2)スチューデントt−テスト
高次回帰パラメータがデータにフィットするかをチェックするためスチューデントt−テストが実施された。対応する値が表11に要約されている。
【0243】
表11:スチューデントt−テスト値
【表11】

【0244】
血清1:
データセットは高次多項式にフィットし得るので、一次多項式と高次多項式の間の最低カイ2乗値を持った差が6%(DL)以上であるかをチェックすることが必要である。三次多項式が最小カイ2乗値を有する。差(DL)は次表のとおりである。
【0245】
表12:DL(%)計算
【表12】

【0246】
血清1に対するプロットは表13に示されている。
【0247】
血清2:
データセットは高次多項式にフィットし得るので、一次多項式と高多項式の間の最低カイ2乗値を持った差が6%(DL)以上であるかをチェックすることが必要である。三次多項式が最小カイ2乗値を有する。差(DL)は次表のとおりである。
【0248】
表13:DL(%)計算
【表13】

【0249】
血清2に対するDL(%)は図14に示されている。
【0250】
血清3:
これはデータセットが高次多項式にフィットすることができ、そして一次多項式と高次多項式の間の最低カイ2乗値を持った差が6%(DL)以上であるかをチェックする必要があることを意味する。
差は次の表のとおりである。
【0251】
表14:DL(%)計算
【表14】

【0252】
血清3に対するDL(%)プロットが図15に示されている。
【0253】
我々は、DakoシスタチンCイムノアッセイによって例示される先行技術比濁イムノアッセイは参照範囲の低い部分において満足に直線的でないと結論する。
【0254】
アッセイ実施例7:比ろう参照法に対する本発明の比濁アッセイの相関関係
Dako Cytomationウエブサイト、2005年春からダウンロードすることができ、C.Schmidt,C.KjollerおよびK.Gonnkjaによる発表“New improved automated particle−enhanced turbimetric immunoassay
for quantitative determination of human Cystatin C in serum and plasma”を参照する。Dade Behringからの比ろう参照法との相関性研究において、彼等は+0.214のインターセプトおよび0.6954の相関曲線の増分/スロープを見出している。
【0255】
本発明により、前述した理由のため、参照方法に対してもっと良好な相関性を有する方法が提供される。
【0256】
a)アッセイ条件:
この実験において、上のようにセッティングした日立917機器によって本発明のシスタチンCイムノアッセイがUppsala,SwedenのAkademiska
University HospitalにおけるBN ProSpec上のDade BehringシスタチンC方法と比較された。比較は同じ51血清サンプルを両方法で2回反復(一つの較正液で1日)で測定し、それらをバイアス分析および回帰分析で比較することによって行われた。加えて、Dade
Behringの医学的決定ポイントとも称される上方信頼限界も決定された。実験デザインおよびデータ分析は、NCCLSプロトコールEP−2,vol.22.No.19中の推奨に従った。
【0257】
b)結果:
図16,17および18が結果を示している。これらの図は、本発明方法は驚くほど比ろう参照法から有意差のない結果をもたらす非常に良好な正確度を持ったシスタチンC測定を提供することを示している。50個のテストサンプルのこの研究において、二方法の間には有意なバイアスは存在しなかった。全部で、−0.023ないし+0.0658の信頼幅を持った0.023のバイアスがあり、要するにゼロからの有意差のあるバイアスはなかった。
【0258】
Dade Behringシスタチンイムノアッセイは0.95mg/lの医学的決定ポイントを有する。直線回帰分析を用い、我々は、Dade Behring方法でのサンプル測定0.95mg/lは、本発明に従ったシスタチンイムノアッセイの0.83〜0.89mg/lを測定するであろうことを見出した。血漿法比較分析は、0.104mg/lのインターセプトをもって0.968の相関曲線のスロープを生じた。これは血漿分析のスロープおよびインターセプトは、血清分析スロープおよびインターセプトの信頼幅以内に入ることを意味する。
【0259】
このことは、本発明方法は、以前の最良先行技術方法と比較して、比ろう参照方法ともっと良い相関関係をもたらすことを証明する。
【0260】
上で述べた発表“New improved automated particle−enhanced
turbimetric immunoassay for quantitative determination of human Cystatin C in serum
and plasma”は、比濁シスタチンC測定は糸球体濾過速度の推定のため使用できることを証明する。このことは、Grubb
et al.,Chinical Chemistry 51:8,1420−1431中の“Simple Cystatin
C−based Prediction Equations for Glomerular Filtoation Rete Compared with the Modification
of Diet in Renal Disease Prediciton Equation for Adults and the Schwartz and the
Counanhan−Barrett Prediciton Equations for Children”の発表でも示された。比ろう参照方法を使用する同様な発表は、“Calculation of glomerular filtration rate expressed in ml/min
from plasma Cystatic C vales in mg/l”by A.Larsson et al.,in
Scand.J.Lab.Invest.2004:64,25−30である。比ろう法とより良い相関性を有する本発明の方法は、勿論先行技術比濁測定法よりもこの目的のためによく研究されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト体液サンプル中のヒトシスタチンCを評価するための比濁イムノアッセイ方法であって、
a)前記サンプルをナノ粒子抗体接合体と接触させることによってアッセイ混合物を調製し、そして
b)前記混合物の混濁度の変化を測定することによってサンプル中のヒトシスタチンC含量を評価することを含み;
ここで、前記ナノ粒子抗体接合体は、有機ポリマー材料からつくられた混濁度測定に適したナノ粒子のコアを、特異的にヒトシスタチンCを結合する抗ヒトシスタチンC抗体またはその抗原結合性フラグメントを含むタンパク性材料のシェルで被覆してなり;
前記被覆したナノ粒子は58nmから200nmまでの範囲のメディアン直径を有し;そして
前記ナノ粒子抗体接合体は、その全重量の5ないし35%のヒトシスタチンCへ特異的に結合する抗体によって被覆されている、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記抗体は、ヒトシスタチンCに対するポリクローナル非ヒト、非げつ歯類抗体である請求項1の方法。
【請求項3】
前記ポリクローナル抗体は、ヒトシスタチンCに対する鳥類抗体である請求項2の方法。
【請求項4】
前記ポリクローナル抗体またはそのフラグメントの少なくとも25wt%はヒトシスタチンCによるアフィニティ精製によって得られる請求項2または3の方法。
【請求項5】
前記抗体は、(a)ヒトシスタチンCの単一エピトープへ結合するモノクローナル抗体か、または(b)モノクローナル抗体の2以上の種を含み、モノクローナル抗体の各種はヒトシスタチンCの異なるエピトープへ結合するか、または2以上の種が異なる強度で同じエピトープへ結合する請求項1の方法。
【請求項6】
モノクローナル抗体は非ヒト起源である請求項5の方法。
【請求項7】
被覆されたナノ粒子は、58nm以上の平均直径を持っている請求項1ないし6のいずれかの方法。
【請求項8】
被覆されたナノ粒子は、80ないし105nmの範囲の平均直径を持っている請求項7の方法。
【請求項9】
被覆されたナノ粒子は、抗ヒトシスタチンC抗体と少なくとも1種の不活性タンパクとの混合物で被覆されている請求項1ないし8のいずれかの方法。
【請求項10】
ナノ粒子は、本質的にポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリα−ナフチルメタクリレート、ポリビニルナフタレン、および対応するそれらの共重合体でできている請求項1ないし9のいずれかの方法。
【請求項11】
混濁度変化は、500ないし600nmの範囲の波長および10ないし50℃の範囲の温度において前記アッセイ混合物の吸光度変化を通じて測定される請求項1ないし10のいずれかの方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2013−7757(P2013−7757A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−195362(P2012−195362)
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【分割の表示】特願2008−541849(P2008−541849)の分割
【原出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(508154852)