説明

ヒートポンプ式給湯機システム

【課題】 ミストサウナ使用後でも充分にカビの発生を抑制することが可能なミスト機能付きヒートポンプ式給湯機システムを提供すること。
【解決手段】 浴室乾燥暖房装置Yと浴室内にミストを発生させるミスト発生装置Zとを備えたヒートポンプ式給湯機システムXであって,ミスト発生装置Zは,金属イオンを溶出する金属イオン溶出ユニット30及び超音波振動子等を備えて構成され,金属イオンを含むミストを発生させることができる。金属イオンを含むミストを発生させることによって,ミスト中に含まれる金属イオンが浴室の壁面や天井面に付着し,カビ及び雑菌等の発生を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ヒートポンプ式給湯機システムに係り,特に,金属イオンを含むミストを発生させるミスト発生装置を備えたヒートポンプ式給湯機システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,浴室内にミストを発生させて浴室内を暖めるミスト暖房装置が設けられ,浴室を暖房するだけでなく,浴室がミストサウナとして健康及び美容のために使用されている。しかしながら,ミストサウナを使用した後,浴室の壁面や天井面が濡れた状態になり,カビ等が発生する問題があった。その改善策として,給湯暖房機から供給される湯を加熱することによってミストを発生させるミスト発生機能と浴室暖房機能とを備えたミストサウナ装置であって,ミストサウナ使用後に浴室暖房運転と換気扇の運転とを連動させた乾燥運転を行い,浴室を乾燥させることによって,カビの発生を抑制すること(特許文献1参照)が提案されている。
【特許文献1】特開2000−237273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら,ミストサウナ使用後に浴室暖房運転と換気扇の運転とを連動させた乾燥運転を行い,浴室を乾燥させることだけでは,充分にカビの発生を抑制することができないという問題があった。したがって,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ミストサウナ使用後でも充分にカビの発生を抑制することが可能なヒートポンプ式給湯機システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本発明は,浴室乾燥装置と浴室内にミストを発生させるミスト発生装置とを備えたヒートポンプ式給湯機システムであって,前記ミスト発生装置が,金属イオンを含むミストを発生させるものであることを特徴とするヒートポンプ式給湯機システムとして構成される。
このように構成することによって,ミスト中に含まれる金属イオンが浴室の壁面や天井面に付着し,カビ及び雑菌等の発生を抑えることができる。また,浴室内で衣類の乾燥を行う場合,浴室内に衣類を干した後に金属イオンを含むミストを発生させて,衣類に付着させることによって,雑菌の繁殖を抑え,且つ静電気の発生を軽減することができる。更に,金属イオンが人体に付着することで,汗等による臭いを抑えることも可能である。
また,前記ミスト発生装置により浴室内に金属イオンを含むミストを発生させたあと,前記浴室乾燥装置により浴室内を乾燥させる運転制御手段を更に備えてなることが考えられる。このように,金属イオンを含むミストを発生させたあと,前記浴室乾燥装置を使ってできるだけ速く乾燥させることで,浴室の壁面や天井面或いは衣類等に付着した金属イオンを小粒径に結晶化させ,固着させることができる。小粒径の結晶は溶けやすいので,次に水分に触れたとき金属イオンが溶け出し,すぐに抗菌作用がもたらされる。
また,浴室内にいる人体を感知する人体感知手段を更に備え,前記人体感知手段が人体を感知し,その後人体を感知しなくなったことを条件に,前記運転制御手段が,前記ミスト発生装置により金属イオンを含むミストを発生させることが考えられる。このように構成することで,入浴後に自動的に金属イオンを含むミストを発生させることが可能となり,金属イオンを含むミストを発生させることを忘れてしまうことが無く,常時浴室内を清潔に保つことが可能となる。
【0005】
また,金属イオンを含むミストの発生モードと金属イオンを含まないミストの発生モードとを切り替える第1のモード切り替え手段を更に備えてなることが考えられる。このような切り替えが可能なことにより,必要に応じて金属イオンを含むミストと,通常の金属イオンを含まないミストとを使い分けることができる。
また,金属イオンを含むミストの発生モードと金属イオンを含むシャワーモードとを切り替える第2のモード切り替え手段を更に備えてなることが考えられる。このように金属イオンを含むシャワーに切り替えることができるので,金属イオンを含むミストを浴びる時間がないときには,シャワーを浴びることで,短時間で抗菌作用を得ることが可能となる。
また,ヒートポンプ式給湯機が備える湯を蓄える貯留タンク内に金属イオンを混入させる金属イオン混入手段を更に備えてなることが考えられる。このように前記貯留タンク内に金属イオンを混入させることで,前記貯留タンク内の雑菌等の繁殖を抑えることができる。この場合,前記貯留タンク内の金属イオンを含む湯が給湯されることになるので,例えば台所で食器洗いに使用すれば,洗った食器に抗菌効果をもたらすことが可能となる。
具体的な前記金属イオンの例としては,銀イオン,亜鉛イオン又は銅イオンが挙げられ,使用される前記金属イオンは1種類又は複数でもかまわない。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば,浴室乾燥装置と浴室内にミストを発生させるミスト発生装置とを備えたヒートポンプ式給湯機システムであって,前記ミスト発生装置が,金属イオンを含むミストを発生させることによって,ミスト中に含まれる金属イオンが浴室の壁面や天井面に付着し,カビ及び雑菌等の発生を抑えることができる。また,浴室内で衣類の乾燥を行う場合,浴室内に衣類を干した後に金属イオンを含むミストを発生させて,衣類に付着させることによって,雑菌の繁殖を抑え,且つ静電気の発生を軽減することができる。更に,人体に浴びることで,汗等による臭いを抑えることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1に本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯機システムの概略構成図を示す。
図1のように,ヒートポンプ式給湯機システムXは,水配管10(10a,10b,10c,10d),貯留タンク13,循環ポンプ14,熱交換器25,浴室乾燥暖房装置Y(浴室乾燥機の一例),浴室内にミストを発生させるミスト発生装置Z及び冷媒が循環されるヒートポンプサイクルS等を備えて構成されている。
水配管10aは,給水口11から供給される水を,減圧弁12により減圧して,貯留タンク13まで供給する流水経路である。
水配管10bは,貯留タンク13に貯留された水を,循環ポンプ14を経て熱交換器25まで供給し,熱交換器25により熱交換された水を,貯留タンク13まで循環させる流水経路である。
貯留タンク13は,ヒートポンプサイクルSの熱交換器25によって加熱された温水及び前記給水口11から供給された水を貯留するタンクである。
貯留タンク13には逃がし弁16が設けられており,この逃がし弁16により,貯留タンク13内の圧力が調整される。
ヒートポンプサイクルSは,熱交換器25,冷媒配管20,膨張器21,室外空気熱交換器23及び圧縮機24等を備えて構成されている。
冷媒配管20を流れる前記冷媒は,膨張器21により膨張され,室外空気熱交換器23により室外の空気と熱交換されて吸熱,気化し,圧縮機24により圧縮されて高温高圧となり,熱交換器25において,水配管10bを流れる水と熱交換される。
熱交換器25で熱交換され加熱された水は,貯留タンク13に貯留される。貯留タンク13の上部,すなわち高温水貯留部に貯留された高温の水は,水配管10cを流れて,混合弁17aにより浴室乾燥暖房装置Yに供給され,浴室乾燥暖房装置Yにより浴室内の空気と熱交換されたあと,水配管10dを流れて貯留タンク13に戻される。このように,浴室内の空気は,浴室乾燥暖房装置Yによって,乾燥及び暖房される。
また,前記貯留タンク13上部の高温水貯留部に貯留された高温の水は,水配管10cを流れて,混合弁17bによりミスト発生装置Z及び給湯口18に供給される。
【0008】
ミスト発生装置Zは,金属イオンを溶出する金属イオン溶出ユニット30(図2参照)及び周知の超音波振動子51(図3参照)等を備えて構成され,金属イオンを含むミストを発生させることができる。
図2は金属イオン溶出ユニットを模式的に示した平面図である。なお,説明の便宜上水の流入口及び流出口は省略するが,筐体31内を水(前記高温の水)が流通しているものとする。
金属イオン溶出ユニット30内には,2枚の電極32a,32bが所定の間隔をおいて平行に配置されている。2枚の電極32a,32bにそれぞれ接続された端子33a,33bを通して,2枚の電極32a,32b間に電圧を印加することにより,陽極の電極側から電極の構成金属がイオン化して筐体31内の水に溶出する。水に金属イオンを溶出させる濃度としては,濃度が低すぎると抗菌作用が乏しく濃度が高すぎると乾燥時に金属イオンの粒径が大きくなることから0.1ppm〜1ppm程度が好ましい。また,電極の極性を時々入れ替えることで,両方の電極から金属イオンの溶出が行え,金属イオン溶出ユニット30の長寿命化が可能である。
電極32a,32bに用いる金属の具体例としては,銀,亜鉛,銅又はそれらの合金が挙げられる。2枚の電極32a,32bに別々の金属を用いてもかまわない。
このように2枚の電極32a,32bに電圧を印加すれば,金属イオンを含む水が得られ,電圧の印加を遮断すると金属イオンの発生が停止する。こうして得られた金属イオンを含む水を超音波振動子51により霧状化させて,噴射することにより,金属イオンを含むミストを発生させることができる。
このようにミスト発生装置Zが浴室内に金属イオンを含むミストを発生させることによって,ミスト中に含まれる金属イオンが浴室の壁面や天井面に付着し,カビ及び雑菌等の発生を抑えることができる。また,浴室内で衣類の乾燥を行う場合,浴室内に衣類を干した後に金属イオンを含むミストを発生させて,衣類に付着させることによって,雑菌の繁殖を抑え,且つ静電気の発生を軽減することができる。更に,人体に浴びることで,汗等による臭いを抑えることも可能である。また,銀イオンを含むこれらの金属イオンが,人体に無害であることは,立証されている。
また,金属イオン溶出ユニット30に電圧を印加して,超音波振動子51により霧状化させれば,金属イオンを含むミストを発生させることができ,また水を交換することにより水の中に金属イオンが含まれない状態で,金属イオン溶出ユニット30に電圧を印加せず,超音波振動子51により霧状化させれば,通常の金属イオンを含まないミストを発生させることができる。このような切り替えが可能なことにより,必要に応じて金属イオンを含むミストと,通常の金属イオンを含まないミストとを使い分けることができる。
図3は,ミスト発生装置Zがミスト又はシャワーを噴射する噴射ノズルを模式的に示した図である。噴射ノズル50は,金属イオン溶出ユニット30,超音波振動子51及び複数の小さな噴射口52等を備えて構成されている。
ミストを発生させるときは,水面53は水位を調整する弁(不図示)によって,超音波振動子51と接する状態に保たれ,超音波振動子51の振動によって水がミスト状になり,噴射口52から噴射される。このとき金属イオン溶出ユニット30に電圧を印加すれば,金属イオンを含むミストが噴射される。
また,シャワーを噴射させるときは,超音波振動子51を作動させずに前記水位を調整する弁により水圧を上昇させることによって,水面53が押し上げられ,噴射口52によってシャワー状になり噴射される。このとき,金属イオン溶出ユニット30に電圧を印加すれば,金属イオンを含むシャワーが噴射される。 このように,金属イオンを含むミストの噴射を,金属イオンを含むシャワーの噴射に切り替えることができるので,金属イオンを含むミストを浴びる時間がないときには,シャワーを浴びることで,短時間で抗菌作用を得ることが可能となる。
また,ミスト発生装置Zで生成された金属イオンを含む水を貯留タンク13に供給する流水経路(不図示)を設ければ,貯留タンク13内に金属イオンを混入させることができる。このように湯を蓄える貯留タンク13内に金属イオンを混入させることで,貯留タンク13内の雑菌等の繁殖を抑えることができる。この場合,金属イオンを含む湯が給湯されることになるので,例えば台所で食器洗いに使用すれば,洗った食器に抗菌効果をもたらすことが可能となる。
【実施例】
【0009】
ここに,図4は本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯機システムの概略構成を示すブロック図,図5はヒートポンプ式給湯機システムの操作パネルの一部を模式的に示した図,図6はミスト発生装置が銀イオンを含んだミストを発生させたあと,乾燥を行う自動運転の手順を示すフローチャートである。
まず,図4を用いて,本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯機システムXの概略構成について説明する。図4に示すように,ヒートポンプ式給湯機システムXは,1又は複数のCPU等の演算手段及びその周辺装置(ROM,RAM等)からなり前記ROMに格納された所定のプログラムに従った処理を実行することにより当該ヒートポンプ式給湯機システムXを制御する制御部1と,浴室内の温湿度を計測するための温度センサ2及び湿度センサ3と,入浴中の人体を感知する後記する周知の人体感知センサ4(人体感知手段の一例)と,当該ヒートポンプ式給湯機システムXの入力操作等を行う操作パネル40と,浴室乾燥暖房装置Yと,ミスト発生装置Z等を備えて構成されている。
なお,上述したヒートポンプ式給湯機システムXが備えるそれぞれの構成要素については,所定のバスで接続されることにより,それぞれの間でデータの送受信が可能になっており,制御部1は,操作パネル40,温度センサ2,湿度センサ3及び人体感知センサ4からの入力信号に基づき,浴室乾燥暖房装置Y及びミスト発生装置Zを出力制御する。
以下,図6のフローチャートを用いて,本発明の実施の形態に係るヒートポンプ給湯機システムXの制御部1が実行する,ミスト発生装置Zが銀イオンを含んだミストを発生させたあと,乾燥暖房装置Yが乾燥を行う自動運転の手順の一例について説明する。なお,以下,S1,S2,…は,処理手順(ステップ)の識別符号を表す。
制御部1は,予めROM等に記憶された制御プログラムに従って,以下に示す処理を制御する(運転制御手段の一例)。図5に示すような操作パネル40が浴室及び台所等に設置されており,ユーザが操作パネル40の自動乾燥ボタン41を押したところからスタートする。なお,前記金属イオンの一例として,銀イオンを用いて説明するが,これに限定するものではない。
【0010】
まず,ステップS1では,終了ボタンが押されたかどうか検知する。終了ボタン43が押されていれば(Yes),自動乾燥運転を終了する。終了ボタン43が押されていなければ(No),次のステップS2へ移行する。
ステップS2では,人体感知センサ4を通じて,入浴中の人体がいるかどうかを検知する。浴室内に人体がいると判断すれば(Yes),次のステップS3へ移行する。また,浴室内に人体がいないと判断すれば(No),ステップS1戻り,人体を感知するか,終了ボタン43が押されるまでステップS1,ステップS2が繰り返される。
次にステップS3では,人体感知センサ4が人体を感知し続けているかどうかを検知する。人体を感知していれば(Yes),ステップS3が繰り返される。人体を感知していなければ(No),次のステップS4へ移行する。このとき,人体感知センサ4は,例えば周知の赤外線センサ等が用いられ,人体が静止している場合,人体を感知することができないため,所定の時間(例えば15分)感知されないときに人体がいないと判断する。
次のステップS4では,浴室内の人体を感知しなくなったことに基づいて,制御部1は,ミスト発生装置Zが備える金属イオン溶出ユニット30及び超音波振動子51を作動させ,浴室内に銀イオンを含むミストを所定の時間(数十秒から数分間)発生させる。ミストの発生が終了すると次のステップS5へ移行する。
次のステップS5では,制御部1は浴室乾燥暖房装置Yを作動させる。そして次のステップS6では,浴室内が予め定められた所定の温湿度に到達したかどうかを温度センサ2及び湿度センサ3を通じて検知する。浴室内が予め定められた所定の温湿度に到達していなければ(No),ステップS6が繰り返される。浴室内が予め定められた所定の温湿度に到達していれば(Yes),次のステップS7へ移行する。
次のステップS7では,制御部1は浴室乾燥暖房装置Yの運転を終了する。そして,ステップS1へ戻る。このように,終了ボタン43が押されるまでステップS1からステップS7が繰り返される。
このように,ミスト発生装置Zにより銀イオンを含むミストを発生させたあと,浴室乾燥暖房装置Yを使ってできるだけ速く乾燥させることで,浴室の壁面や天井面に付着した銀イオンを小粒径に結晶化させ,固着させることができる。小粒径の結晶は溶けやすいので,次に水分に触れたとき銀イオンが溶け出し,すぐに抗菌作用がもたらされる。
また,浴室内にいる人体を感知する人体感知手段を備え,前記人体感知手段が人体を感知し,その後人体を感知しなくなったことを条件に(即ち,入浴後に),自動的に銀イオンを含むミストを発生させることによって,金属イオンを含むミストを発生させることを忘れてしまうことが無く,常時浴室内を清潔に保つことが可能となる。
【0011】
次に,図5に示す操作パネル40の自動乾燥ボタン41以外のその他のボタンが押された場合について説明する。
まず,乾燥ボタン42が押された場合を説明する。この場合,図6のフローチャートにおいて,ステップS4からステップS7までの処理が一度だけ実行される。即ち,乾燥ボタン42が押されると制御部1は,ミスト発生装置Zにより銀イオンを含むミストを発生させたあと,浴室乾燥暖房装置Yを作動させて浴室内を乾燥させる。この運転は,家族が多数いる場合等で最後の人が入浴を終えたあと乾燥ボタン42を押して,銀イオンを含むミストを発生させたあと浴室内を乾燥させることで,自動乾燥ボタン41を押していた場合に,入浴した人数の数だけ銀イオンを含むミストの発生と乾燥を繰り返すときと比べ省エネとなる。
また,浴室内で衣類の乾燥を行う場合,乾燥ボタン42を押すことによって,浴室内に衣類を干した後に銀イオンを含むミストを発生させて,銀イオンを衣類に付着させ,その後乾燥することによって,雑菌の繁殖を抑え,且つ静電気の発生を軽減することができ,大変便利である。
次にAg+ボタン44とミストボタン46とを押した場合,銀イオンを含むミストの発生モードとなり,浴室内に銀イオンを含むミストが発生される。また,このときAg+ボタン44を再び押せば,銀イオンを含まないミストの発生モードとなり簡単に切り替えが可能である(第1のモード切り替え手段の一例)。また,初めにミストボタン46だけを押せば,銀イオンを含まないミストの発生モードとなり,そのあと,Ag+ボタン44を押せば,銀イオンを含むミストの発生モードに切り替わる。
また,銀イオンを含むミストの発生モードのとき,シャワーボタン45を押すことによって,銀イオンを含むシャワーモードに切り替わる(第2のモード切り替え手段の一例)。逆に,銀イオンを含むシャワーモードのときに,ミストボタン46を押せば,銀イオンを含むミストの発生モードに切り替わる。もちろん,最初にAg+ボタン44とシャワーボタン45とを押した場合は,銀イオンを含むシャワーモードとなる。
次に,タンクボタン47を押した場合,ミスト発生装置Zで生成された銀イオンを含む水が,予め定められた所定量(例えば,貯留タンク内の銀イオン濃度が0.1ppm〜1ppm程度となる量)貯留タンク13に混入される(金属イオン混入手段の一例)。
また,いずれの操作ボタンを押した場合でも,その動作の終了或いは取り消しを行う場合は,終了ボタン43を押せば良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯機システムの概略構成図。
【図2】金属イオン溶出ユニットを模式的に示した平面図。
【図3】ミスト発生装置がミスト又はシャワーを噴射する噴射ノズルを模式的に示した図。
【図4】本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯機システムの概略構成を示すブロック図。
【図5】ヒートポンプ式給湯機システムの操作パネルの一部を模式的に示した図。
【図6】ミスト発生装置が銀イオンを含んだミストを発生させたあと,乾燥を行う自動運転の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0013】
X…ヒートポンプ式給湯機システム
Y…浴室乾燥暖房装置
Z…ミスト発生装置
1…制御部
4…人体感知センサ
30…金属イオン溶出ユニット
32a,32b…電極
40…操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室乾燥装置と浴室内にミストを発生させるミスト発生装置とを備えたヒートポンプ式給湯機システムであって,
前記ミスト発生装置が,金属イオンを含むミストを発生させるものであることを特徴とするヒートポンプ式給湯機システム。
【請求項2】
前記ミスト発生装置により浴室内に金属イオンを含むミストを発生させたあと,前記浴室乾燥装置により浴室内を乾燥させる運転制御手段を更に備えてなる請求項1に記載のヒートポンプ式給湯機システム。
【請求項3】
浴室内にいる人体を感知する人体感知手段を更に備え,前記人体感知手段が人体を感知し,その後人体を感知しなくなったことを条件に,
前記運転制御手段が,前記ミスト発生装置により金属イオンを含むミストを発生させる請求項2に記載のヒートポンプ式給湯機システム。
【請求項4】
金属イオンを含むミストの発生モードと金属イオンを含まないミストの発生モードとを切り替える第1のモード切り替え手段を更に備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯機システム。
【請求項5】
金属イオンを含むミストの発生モードと金属イオンを含むシャワーモードとを切り替える第2のモード切り替え手段を更に備えてなる請求項1〜4のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯機システム。
【請求項6】
ヒートポンプ式給湯機が備える湯を蓄える貯留タンク内に金属イオンを混入させる金属イオン混入手段を更に備えてなる請求項1〜5に記載のヒートポンプ式給湯機システム。
【請求項7】
前記金属イオンが,銀イオン,亜鉛イオン又は銅イオンのいずれか又は複数である請求項1〜6のいずれかに記載のヒートポンプ式給湯機システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−157593(P2008−157593A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349924(P2006−349924)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】