ヒートポンプ式給湯機
【課題】通風性能を向上させつつ、振動・防音性能を高めたヒートポンプユニットを提供すること。
【解決手段】圧縮機4、水冷媒熱交換器5、略L字形状に曲げられた空気冷媒熱交換器6を有する冷媒回路と、前記空気冷媒熱交換器6に送風する送風手段15と、前記送風手段15と前記圧縮機4とを区画する仕切板3と、前記水冷媒熱交換器5を覆う保護カバー13と、前板18、基板2を有する筐体とを備え、前記保護カバー13の右固定部を前記仕切板3に締結し、前記保護カバー13の左固定部を前記空気冷媒熱交換器6の左部と前記保護カバー13との間の前記基板2に締結し、かつ、前記保護カバー13の前面部を、前記基板2と前記前板18との間に挟み込み固定する構成としたことを特徴とするヒートポンプ式給湯機である。
【解決手段】圧縮機4、水冷媒熱交換器5、略L字形状に曲げられた空気冷媒熱交換器6を有する冷媒回路と、前記空気冷媒熱交換器6に送風する送風手段15と、前記送風手段15と前記圧縮機4とを区画する仕切板3と、前記水冷媒熱交換器5を覆う保護カバー13と、前板18、基板2を有する筐体とを備え、前記保護カバー13の右固定部を前記仕切板3に締結し、前記保護カバー13の左固定部を前記空気冷媒熱交換器6の左部と前記保護カバー13との間の前記基板2に締結し、かつ、前記保護カバー13の前面部を、前記基板2と前記前板18との間に挟み込み固定する構成としたことを特徴とするヒートポンプ式給湯機である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプを熱源とする給湯機のヒートポンプユニットの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヒートポンプユニットは、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段および空気冷媒熱交換器を環状に接続し、空気を空気冷媒熱交換器に搬送する送風手段である送風ファンを空気冷媒熱交換器下流側に備え、この送風ファンを固定する送風ファン固定具と、送風ファン固定具下方で、空気冷媒熱交換器下方に水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを設けており、空気冷媒熱交換器は複数の列のフィンチューブ熱交換器の場合、内側列のフィンチューブ熱交換器の下方部を、外側列のフィンチューブ熱交換器よりも所定長さ短くしている。
【0003】
また、水冷媒熱交換器を覆う保護カバー上部にファンモーター固定具を固定する係止具を形成して空気冷媒熱交換器の内側列熱交換フィンと外側列熱交換器フィンを受け、筐体の基板背面端板に渉って一体形成した連結桟で連結固定することで機器自体の強度が向上されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図7、図8は、特許文献1に記載された従来のヒートポンプユニットを示すものであり、図7は正面内観図、図8は左断面図を示すものである。
【0005】
図7に示すように、水冷媒熱交換器を備えたヒートポンプユニット101には、基板102の上に略L字状に曲げて形成された複数列の空気冷媒熱交換器103を配置し、空気冷媒熱交換器103の内方には送風手段である送風ファン104が配設されている。
【0006】
水冷媒熱交換器105は送風ファン104の下方に配置されている。また、基板102に載置されている空気冷媒熱交換器103は、連結桟106の座部106aに載置されており、基板102と空気冷媒熱交換器103のフィンの最下端との間には隙間が生じている。
【0007】
また、送風ファン104は、空気冷媒熱交換器103の縦方向の中心に対して、送風ファン104の最上部が、空気冷媒熱交換器を備えたヒートポンプユニット101の上端に位置するほど上方に配されている。
【0008】
さらに、空気冷媒熱交換器103は複数列の集熱熱交換器で構成されており、外側列103a、内側列103bがあり、内側列103bの下方部は外側列103aより所定長さ短く構成されており、下方部の空気の流通を良化している。
【0009】
また図8に示すように、基板102の背面端板102aと水冷媒熱交換器105の保護カバー107とを連結し、略L字状の空気冷媒熱交換器103とその外側列103a、内側列103bを受ける連結桟106の座部106aに通風穴を明け、その通風穴により熱交換器の風路を拡大させると共に、空気冷媒熱交換器102に凝縮され滴下した水を速やかに基板102内に流水させる構造とすることで、熱交換性能を維持向上させると共に、ドレン水の処理を基板に集合させることができ、且つ、連結桟を一体形成することで、組立て作業性向上も図ることができる。
【0010】
また、送風手段である送風ファン104と、仕切板108を介して隔離された位置には
、圧縮機109が配されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3772881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記従来の構成では、送風ファン104の位置が空気冷媒熱交換器103の縦方向の中心に対して、上方に配されているために、送風ファン104の中心より下方側は、風量が減じてしまう傾向がある。そこで、その風量減少を防ぐため、水冷媒熱交換器105の保護カバー107の投影面にある空気冷媒熱交換器103の内側列集熱熱交換器103bを外側列集熱熱交換器103aよりも所定長さ短くして、通風抵抗を減じている。しかし、それは空気冷媒熱交換器103の面積を減じることであり、効率をダウンさせる要因となっている。
【0013】
さらに、従来の構成では、基板102と空気冷媒熱交換器103の間に間隙110が設けられているために、送風ファン105で強制的に送られた空気は、空気冷媒熱交換器103の外側列集熱熱交換器103a、内側列集熱熱交換器103bを通過する空気と、空気冷媒熱交換器103下方の間隙110を通過する空気と分けられる。
【0014】
ところが、空気冷媒熱交換器103下方の間隙110を通過する空気は、熱交換に寄与しないための、同じく効率が落ちてしまうと言う課題を有していた。また空気冷媒熱交換器103を受ける連結桟106の座部106aに通風穴を明けているが、その他の部分は通風の妨害になっており、熱交換の効率を低下させているという課題があった。
【0015】
また連結桟106の座部106aの通風穴により、空気冷媒熱交換器103に凝縮され滴下した水を速やかに基板102内に流水させているが、その座部106aが水平で多量なドレン水が常時保水されやすいため、連結桟106が板金の場合、錆びやすいという課題があった。
【0016】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、ヒートポンプユニットの基板に載置された水冷媒熱交換器の後方にある空気冷媒熱交換器の通風性能を向上させ、製品の性能効率を向上させるとともに、水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを筐体内の各部品に強固に係合させ、振動・防音性能を向上したヒートポンプ式給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記従来の課題を解決するために、本発明のヒートポンプ式給湯機は、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、略L字形状に曲げられた空気冷媒熱交換器を接続した冷媒回路と、前記空気冷媒熱交換器に送風する送風手段と、前記送風手段と前記圧縮機とを区画する仕切板と、前記水冷媒熱交換器を覆う保護カバーと、前板、基板を有する筐体とを備え、前記保護カバーの右固定部を前記仕切板に締結し、前記保護カバーの左固定部を前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の前記基板に締結し、かつ、前記保護カバーの前面部を、前記基板と前記前板との間に挟み込み固定する構成としたことを特徴とするものである。
【0018】
これによって、基板と水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを連結する連結桟が不要となり、空気冷媒熱交換器の複数列は、ともに基板上に載置することが可能となり、通風性能が向上し、さらに製品の性能効率が向上するとともに振動・防音性能の良い製品が可能とな
る。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ヒートポンプユニットの基板に載置された水冷媒熱交換器の後方にある空気冷媒熱交換器の通風性能を向上させ、製品の性能効率を向上させるとともに、水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを筐体内の各部品に強固に係合させ、振動・防音性能を向上したヒートポンプ式給湯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1におけるヒートポンプユニットの正面図
【図2】同ヒートポンプユニットの右断面図
【図3】同ヒートポンプユニットの詳細正面図
【図4】同ヒートポンプユニットの平面図
【図5】本発明の実施の形態2におけるヒートポンプユニットの詳細正面図
【図6】本発明の実施の形態3におけるヒートポンプユニットの詳細左断面図
【図7】従来のヒートポンプユニットの内部正面図
【図8】同ヒートポンプユニットの要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の発明は、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、略L字形状に曲げられた空気冷媒熱交換器を接続した冷媒回路と、前記空気冷媒熱交換器に送風する送風手段と、前記送風手段と前記圧縮機とを区画する仕切板と、前記水冷媒熱交換器を覆う保護カバーと、前板、基板を有する筐体とを備え、前記保護カバーの右固定部を前記仕切板に締結し、前記保護カバーの左固定部を前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の前記基板に締結し、かつ、前記保護カバーの前面部を、前記基板と前記前板との間に挟み込み固定する構成としたことを特徴とするヒートポンプ給湯機である。
【0022】
これにより、基板の背面端板と水冷媒熱交換器の保護カバーとを連結し、略L字状の空気冷媒熱交換器の下部を受ける連結桟が不要となり、それによる通風抵抗がなくなり、通風性能が向上され、製品の性能効率を実現できる。
【0023】
また水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを筐体内の各部品に強固に係合させたことにより、ヒートポンプユニットの運転時に、発生する振動を緩和させ、製品の振動・防音性能の向上を図ることができる。
【0024】
また、製品輸送時に、重量物である水冷媒熱交換器に加わる外力に対する強度を増し、製品の破損防止や異常音防止を図ることができる。
【0025】
第2の発明は、前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の基板に、前方に向かって下がる傾斜面にねじ穴を設けた凸形状の固定部を配設し、前記固定部に前記保護カバーの左固定部を固定する構成としたことを特徴とするものである。
【0026】
これにより、サービスメンテナンス時に、水冷媒熱交換器を収納した断熱部材を覆う保護カバーを上方に取り外そうとする場合、保護カバーの左固定部は、前方に向かい、傾斜したねじ締結になっているため、前方よりドライバーを挿入して容易に取り外すことができ、サービスメンテナンス性の向上が図られる。
【0027】
第3の発明は、前記ねじ穴は、前記空気冷媒熱交換器の載置面よりも上方に位置することを特徴とするものである。
【0028】
これにより、運転時に空気冷媒熱交換器より排出される凝縮水は、凸絞り形状した固定部の傾斜面にあるねじ穴より漏れ出ることなく、基板に設けられたドレン口より排水口に排出され、ヒートポンプユニットの設置場所での水漏れによる冬場の凍結転倒防止や美観向上が図られる。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプユニットの正面図、図2は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプユニットの右断面図、図3は、その詳細正面図、図4は、平面図を示すものである。
【0030】
まず図1において、ヒートポンプユニット1の底面を支持する基板2の上部には、仕切板3によって区画した一方に圧縮機4を搭載し、もう一方の区画には仕切板3に隣接して水冷媒熱交換器5が載置されている。
【0031】
圧縮機4は、水冷媒熱交換器5、減圧手段、空気冷媒熱交換器6を順次接続した冷媒循環配管7が接続され、筐体の右側面部には、貯湯タンクユニットと接続される水循環配管8の接続部9が設けられている。
【0032】
水循環配管8は、圧縮機4の前方部および仕切板3の切り欠き部3a内で、冷媒循環配管7と合体した管路10となり、水冷媒熱交換器5に連通して構成されている。また仕切板3の上部には、製品の運転を制御する電源制御箱11が載置されている。
【0033】
水冷媒熱交換器5は、上下に2分割された発泡断熱容器12に収納され、その外郭は保護カバー13で覆われている。保護カバー13の上面部には、ファンモーター固定具14が搭載され、そのファンモーターには送風ファン15が固定されている。
【0034】
またその後方には、空気冷媒熱交換器6が基板2上に載置されている。また保護カバー13の右側では、仕切板3と接触する折り曲げ面となる右固定部13aを形成し、仕切板3とねじ締結などで連結係合されている。
【0035】
また図2に示すように、ファンモーター固定具14の上部には、上部固定具16が係合され、上部固定具16の一端は、上方より空気冷媒熱交換器6を挟み込んで配設されている。また上部固定具16の上面には、弾力ある緩衝材17が貼り付けられている。
【0036】
ヒートポンプユニット1の筐体の外装は、前方に吹き出しグリルを取り付けた外箱前板18、天面に天板19などから構成されている。
【0037】
また図3に示すように、保護カバー13の左側では、基板2と接触する折り曲げ面となる左固定部13bを形成し、略L字形状曲げされた空気冷媒熱交換器6の左部6aと保護カバー13との間の基板2にねじ締結されている。
【0038】
また図4は、製品を上方から見た平面図で、保護カバー13の左固定部13bは、保護カバー13と略L字形状曲げされた空気冷媒熱交換器6の左部6aの間の基板2にねじ締結されている。
【0039】
以上のように構成されたヒートポンプユニットについて、以下その動作、作用を説明する。
【0040】
圧縮機4を運転すると、高圧まで圧縮されて吐出された冷媒は、冷媒循環配管7を通り、水冷媒熱交換器5に送られ、貯湯タンクユニット(図示せず)より、接続部9を通って
きた低温水と熱交換して放熱する。これにより、加熱された低温水は、高温水となり、水循環配管8を通り、貯湯タンクユニットに送られ、高温の温水として貯湯される。
【0041】
水冷媒熱交換器5から流出する冷媒は、減圧手段である膨張弁にて減圧膨張され、蒸発器である空気冷媒熱交換器6に送られ、送風ファン15により送られた空気と熱交換して、蒸発器である空気冷媒熱交換器6を通過する間に、蒸発してガス化する。
【0042】
このガス化した冷媒は、再度圧縮機4に吸入され、再度圧縮される過程を繰り返し、低温水は徐々に加熱されて、貯湯タンクに貯湯され、給湯機としての動作を行う。
【0043】
この時に、蒸発器である空気冷媒熱交換器6は、送風ファン15により送られた空気と熱交換を行うことになるので、その面積は大きい方が効率が上がることとなる。
【0044】
そのため、空気冷媒熱交換器6の下部を受ける連結桟を使用せずに、空気冷媒熱交換器6の最下端がいずれも基板2に載置していることで、その間隙をほとんどなくしていることとなり、空気冷媒熱交換器6を備えたヒートポンプユニットのサイズが同じ場合に、蒸発器である空気冷媒熱交換器6の高さを高くすることができ、蒸発器である空気冷媒熱交換器6の面積を最大に生かすことができる。
【0045】
さらに連結桟による通風妨害もないため、空気冷媒熱交換器の下部の通風性能が向上して、給湯機としての性能効率が向上することができる。
【0046】
また水冷媒熱交換器5を覆う保護カバー13の上面部には、ファンモーター固定具14が搭載され、その上部には、上部固定具16が係合され、上部固定具16の一端は、上方より空気冷媒熱交換器6を挟み込んでいるとともに、上部固定具16の上面には弾力ある緩衝材17が貼り付けられて、筐体の天板19により挟み込まれて強固に固定されている。
【0047】
また送風ファン15の振動を受ける保護カバー13の右側では、その右固定部13aが仕切板3とねじ締結され、また保護カバー13の左側では、その左固定部13bが基板2とねじ締結されて、さらに保護カバー13の前面部が基板2と筐体である外箱前板18との間に挟み込み固定されている。
【0048】
そのため、運転中の送風ファン15による振動は、保護カバー13や空気冷媒熱交換器6や天板19に伝播しても緩和され、製品の振動・防音性能を向上させることができる。また製品運搬中に、重量物であるファンモーター固定具14が変形して送風ファン15の軸ずれすることを抑えて、異常音の発生を防止することができる。
【0049】
以上のことは、蒸発器である空気冷媒熱交換器6の集熱熱交換器が複数列の場合に説明したが、単列であっても同じであり、蒸発器である空気冷媒熱交換器6を基板2に載置しても、効率を向上させることができる。
【0050】
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるヒートポンプユニットの詳細正面図、図6は、詳細左断面図を示すものである。
【0051】
図5および図6において、基板2の載置面では、略L字形状曲げされた空気冷媒熱交換器6の左部6aと水冷媒熱交換器5を収納した断熱部材12を覆う保護カバー13との間の後方部に、前方に下がる傾斜面を持ち、かつ、その傾斜面にねじ穴を有する凸絞り形状の固定部2aを配し、保護カバー13の左側面の後方部には、基板2の凸絞り形状の固定
部2aの傾斜面と面接触する折り曲げ面となるL字形状の左固定部13bが形成され、ねじ連結係合されている。
【0052】
以上のように構成されたヒートポンプユニットについて、以下その動作、作用を説明する。
【0053】
基板2に有する凸絞り形状の固定部2aと、保護カバー13の左側面に形成された左固定部13bは保護カバー13の後方部に配設されているため、ファンモーター固定具14に近い位置で固定され、保護カバー13での振動の伝播を抑えられ、製品の振動・防音性能の向上が図られる。
【0054】
またサービスメンテナンス時に、水冷媒熱交換器を収納した断熱部材を覆う保護カバーを上方に取り外そうとする場合、保護カバーの左固定部は、前方に向かい、傾斜したねじ締結になっているため、空気冷媒熱交換器6の左部6aと保護カバー13の左側面部の狭い隙間の後方部にあるものの、前方よりドライバーを挿入しても、手が空気冷媒熱交換器6の左部6aに当たりにくく、工具の操作ができるため、容易に取り外すことができ、サービスメンテナンス性の向上が図られる。
【0055】
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態におけるヒートポンプユニットの詳細左断面図を示すものである。
【0056】
図6において、基板2に配した凸絞り形状した固定部2aの傾斜面にあるねじ穴2bは、凹凸形状を有する基板において、空気冷媒熱交換器6を載置した載置面2cよりも高い位置に配設されている。
【0057】
以上のように構成されたヒートポンプユニットについて、以下その動作、作用を説明する。
【0058】
運転時に空気冷媒熱交換器より排出される凝縮水は、通常、凹凸形状を有する基板2の載置面の傾斜した凹部溝に導かれ、最下部のドレン口に集積され、接続されたドレンホースから周辺にある排水口に排出される。
【0059】
凸絞り形状した固定部2aの傾斜面にあるねじ穴2bは、空気冷媒熱交換器6を載置した載置面2cより高い位置に配設されるため、基板2に配した凸絞り形状した固定部2aの傾斜面にあるねじ穴2bより凝縮水が漏れ出ることなく、基板2に設けられたドレン口より排水口に排出され、ヒートポンプユニットの設置場所での水漏れによる冬場の凍結転倒防止や美観向上が図られる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明にかかるヒートポンプ給湯機のヒートポンプユニットは、通風性能が向上して、製品性能の効率が向上し、また振動・防音性能の向上が可能となるので、各種の給湯機や空調機等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 ヒートポンプユニット
2 基板
2a 凸絞り形状した固定部
2b 凸絞り形状した固定部のねじ穴
2c 空気冷媒熱交換器の載置面
3 仕切板
3a 切り欠き部
4 圧縮機
5 水冷媒熱交換器
6 空気冷媒熱交換器
6a 空気冷媒熱交換器の左部
7 冷媒循環配管
8 水循環配管
9 配管接続部
10 管路
11 電源制御箱
12 発泡断熱容器
13 保護カバー
13a 右固定部
13b 左固定部
14 ファンモーター固定具
15 送風ファン
16 上部固定具
17 緩衝材
18 外箱前板
19 天板
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプを熱源とする給湯機のヒートポンプユニットの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヒートポンプユニットは、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段および空気冷媒熱交換器を環状に接続し、空気を空気冷媒熱交換器に搬送する送風手段である送風ファンを空気冷媒熱交換器下流側に備え、この送風ファンを固定する送風ファン固定具と、送風ファン固定具下方で、空気冷媒熱交換器下方に水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを設けており、空気冷媒熱交換器は複数の列のフィンチューブ熱交換器の場合、内側列のフィンチューブ熱交換器の下方部を、外側列のフィンチューブ熱交換器よりも所定長さ短くしている。
【0003】
また、水冷媒熱交換器を覆う保護カバー上部にファンモーター固定具を固定する係止具を形成して空気冷媒熱交換器の内側列熱交換フィンと外側列熱交換器フィンを受け、筐体の基板背面端板に渉って一体形成した連結桟で連結固定することで機器自体の強度が向上されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図7、図8は、特許文献1に記載された従来のヒートポンプユニットを示すものであり、図7は正面内観図、図8は左断面図を示すものである。
【0005】
図7に示すように、水冷媒熱交換器を備えたヒートポンプユニット101には、基板102の上に略L字状に曲げて形成された複数列の空気冷媒熱交換器103を配置し、空気冷媒熱交換器103の内方には送風手段である送風ファン104が配設されている。
【0006】
水冷媒熱交換器105は送風ファン104の下方に配置されている。また、基板102に載置されている空気冷媒熱交換器103は、連結桟106の座部106aに載置されており、基板102と空気冷媒熱交換器103のフィンの最下端との間には隙間が生じている。
【0007】
また、送風ファン104は、空気冷媒熱交換器103の縦方向の中心に対して、送風ファン104の最上部が、空気冷媒熱交換器を備えたヒートポンプユニット101の上端に位置するほど上方に配されている。
【0008】
さらに、空気冷媒熱交換器103は複数列の集熱熱交換器で構成されており、外側列103a、内側列103bがあり、内側列103bの下方部は外側列103aより所定長さ短く構成されており、下方部の空気の流通を良化している。
【0009】
また図8に示すように、基板102の背面端板102aと水冷媒熱交換器105の保護カバー107とを連結し、略L字状の空気冷媒熱交換器103とその外側列103a、内側列103bを受ける連結桟106の座部106aに通風穴を明け、その通風穴により熱交換器の風路を拡大させると共に、空気冷媒熱交換器102に凝縮され滴下した水を速やかに基板102内に流水させる構造とすることで、熱交換性能を維持向上させると共に、ドレン水の処理を基板に集合させることができ、且つ、連結桟を一体形成することで、組立て作業性向上も図ることができる。
【0010】
また、送風手段である送風ファン104と、仕切板108を介して隔離された位置には
、圧縮機109が配されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3772881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記従来の構成では、送風ファン104の位置が空気冷媒熱交換器103の縦方向の中心に対して、上方に配されているために、送風ファン104の中心より下方側は、風量が減じてしまう傾向がある。そこで、その風量減少を防ぐため、水冷媒熱交換器105の保護カバー107の投影面にある空気冷媒熱交換器103の内側列集熱熱交換器103bを外側列集熱熱交換器103aよりも所定長さ短くして、通風抵抗を減じている。しかし、それは空気冷媒熱交換器103の面積を減じることであり、効率をダウンさせる要因となっている。
【0013】
さらに、従来の構成では、基板102と空気冷媒熱交換器103の間に間隙110が設けられているために、送風ファン105で強制的に送られた空気は、空気冷媒熱交換器103の外側列集熱熱交換器103a、内側列集熱熱交換器103bを通過する空気と、空気冷媒熱交換器103下方の間隙110を通過する空気と分けられる。
【0014】
ところが、空気冷媒熱交換器103下方の間隙110を通過する空気は、熱交換に寄与しないための、同じく効率が落ちてしまうと言う課題を有していた。また空気冷媒熱交換器103を受ける連結桟106の座部106aに通風穴を明けているが、その他の部分は通風の妨害になっており、熱交換の効率を低下させているという課題があった。
【0015】
また連結桟106の座部106aの通風穴により、空気冷媒熱交換器103に凝縮され滴下した水を速やかに基板102内に流水させているが、その座部106aが水平で多量なドレン水が常時保水されやすいため、連結桟106が板金の場合、錆びやすいという課題があった。
【0016】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、ヒートポンプユニットの基板に載置された水冷媒熱交換器の後方にある空気冷媒熱交換器の通風性能を向上させ、製品の性能効率を向上させるとともに、水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを筐体内の各部品に強固に係合させ、振動・防音性能を向上したヒートポンプ式給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記従来の課題を解決するために、本発明のヒートポンプ式給湯機は、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、略L字形状に曲げられた空気冷媒熱交換器を接続した冷媒回路と、前記空気冷媒熱交換器に送風する送風手段と、前記送風手段と前記圧縮機とを区画する仕切板と、前記水冷媒熱交換器を覆う保護カバーと、前板、基板を有する筐体とを備え、前記保護カバーの右固定部を前記仕切板に締結し、前記保護カバーの左固定部を前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の前記基板に締結し、かつ、前記保護カバーの前面部を、前記基板と前記前板との間に挟み込み固定する構成としたことを特徴とするものである。
【0018】
これによって、基板と水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを連結する連結桟が不要となり、空気冷媒熱交換器の複数列は、ともに基板上に載置することが可能となり、通風性能が向上し、さらに製品の性能効率が向上するとともに振動・防音性能の良い製品が可能とな
る。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ヒートポンプユニットの基板に載置された水冷媒熱交換器の後方にある空気冷媒熱交換器の通風性能を向上させ、製品の性能効率を向上させるとともに、水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを筐体内の各部品に強固に係合させ、振動・防音性能を向上したヒートポンプ式給湯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1におけるヒートポンプユニットの正面図
【図2】同ヒートポンプユニットの右断面図
【図3】同ヒートポンプユニットの詳細正面図
【図4】同ヒートポンプユニットの平面図
【図5】本発明の実施の形態2におけるヒートポンプユニットの詳細正面図
【図6】本発明の実施の形態3におけるヒートポンプユニットの詳細左断面図
【図7】従来のヒートポンプユニットの内部正面図
【図8】同ヒートポンプユニットの要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の発明は、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、略L字形状に曲げられた空気冷媒熱交換器を接続した冷媒回路と、前記空気冷媒熱交換器に送風する送風手段と、前記送風手段と前記圧縮機とを区画する仕切板と、前記水冷媒熱交換器を覆う保護カバーと、前板、基板を有する筐体とを備え、前記保護カバーの右固定部を前記仕切板に締結し、前記保護カバーの左固定部を前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の前記基板に締結し、かつ、前記保護カバーの前面部を、前記基板と前記前板との間に挟み込み固定する構成としたことを特徴とするヒートポンプ給湯機である。
【0022】
これにより、基板の背面端板と水冷媒熱交換器の保護カバーとを連結し、略L字状の空気冷媒熱交換器の下部を受ける連結桟が不要となり、それによる通風抵抗がなくなり、通風性能が向上され、製品の性能効率を実現できる。
【0023】
また水冷媒熱交換器を覆う保護カバーを筐体内の各部品に強固に係合させたことにより、ヒートポンプユニットの運転時に、発生する振動を緩和させ、製品の振動・防音性能の向上を図ることができる。
【0024】
また、製品輸送時に、重量物である水冷媒熱交換器に加わる外力に対する強度を増し、製品の破損防止や異常音防止を図ることができる。
【0025】
第2の発明は、前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の基板に、前方に向かって下がる傾斜面にねじ穴を設けた凸形状の固定部を配設し、前記固定部に前記保護カバーの左固定部を固定する構成としたことを特徴とするものである。
【0026】
これにより、サービスメンテナンス時に、水冷媒熱交換器を収納した断熱部材を覆う保護カバーを上方に取り外そうとする場合、保護カバーの左固定部は、前方に向かい、傾斜したねじ締結になっているため、前方よりドライバーを挿入して容易に取り外すことができ、サービスメンテナンス性の向上が図られる。
【0027】
第3の発明は、前記ねじ穴は、前記空気冷媒熱交換器の載置面よりも上方に位置することを特徴とするものである。
【0028】
これにより、運転時に空気冷媒熱交換器より排出される凝縮水は、凸絞り形状した固定部の傾斜面にあるねじ穴より漏れ出ることなく、基板に設けられたドレン口より排水口に排出され、ヒートポンプユニットの設置場所での水漏れによる冬場の凍結転倒防止や美観向上が図られる。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプユニットの正面図、図2は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプユニットの右断面図、図3は、その詳細正面図、図4は、平面図を示すものである。
【0030】
まず図1において、ヒートポンプユニット1の底面を支持する基板2の上部には、仕切板3によって区画した一方に圧縮機4を搭載し、もう一方の区画には仕切板3に隣接して水冷媒熱交換器5が載置されている。
【0031】
圧縮機4は、水冷媒熱交換器5、減圧手段、空気冷媒熱交換器6を順次接続した冷媒循環配管7が接続され、筐体の右側面部には、貯湯タンクユニットと接続される水循環配管8の接続部9が設けられている。
【0032】
水循環配管8は、圧縮機4の前方部および仕切板3の切り欠き部3a内で、冷媒循環配管7と合体した管路10となり、水冷媒熱交換器5に連通して構成されている。また仕切板3の上部には、製品の運転を制御する電源制御箱11が載置されている。
【0033】
水冷媒熱交換器5は、上下に2分割された発泡断熱容器12に収納され、その外郭は保護カバー13で覆われている。保護カバー13の上面部には、ファンモーター固定具14が搭載され、そのファンモーターには送風ファン15が固定されている。
【0034】
またその後方には、空気冷媒熱交換器6が基板2上に載置されている。また保護カバー13の右側では、仕切板3と接触する折り曲げ面となる右固定部13aを形成し、仕切板3とねじ締結などで連結係合されている。
【0035】
また図2に示すように、ファンモーター固定具14の上部には、上部固定具16が係合され、上部固定具16の一端は、上方より空気冷媒熱交換器6を挟み込んで配設されている。また上部固定具16の上面には、弾力ある緩衝材17が貼り付けられている。
【0036】
ヒートポンプユニット1の筐体の外装は、前方に吹き出しグリルを取り付けた外箱前板18、天面に天板19などから構成されている。
【0037】
また図3に示すように、保護カバー13の左側では、基板2と接触する折り曲げ面となる左固定部13bを形成し、略L字形状曲げされた空気冷媒熱交換器6の左部6aと保護カバー13との間の基板2にねじ締結されている。
【0038】
また図4は、製品を上方から見た平面図で、保護カバー13の左固定部13bは、保護カバー13と略L字形状曲げされた空気冷媒熱交換器6の左部6aの間の基板2にねじ締結されている。
【0039】
以上のように構成されたヒートポンプユニットについて、以下その動作、作用を説明する。
【0040】
圧縮機4を運転すると、高圧まで圧縮されて吐出された冷媒は、冷媒循環配管7を通り、水冷媒熱交換器5に送られ、貯湯タンクユニット(図示せず)より、接続部9を通って
きた低温水と熱交換して放熱する。これにより、加熱された低温水は、高温水となり、水循環配管8を通り、貯湯タンクユニットに送られ、高温の温水として貯湯される。
【0041】
水冷媒熱交換器5から流出する冷媒は、減圧手段である膨張弁にて減圧膨張され、蒸発器である空気冷媒熱交換器6に送られ、送風ファン15により送られた空気と熱交換して、蒸発器である空気冷媒熱交換器6を通過する間に、蒸発してガス化する。
【0042】
このガス化した冷媒は、再度圧縮機4に吸入され、再度圧縮される過程を繰り返し、低温水は徐々に加熱されて、貯湯タンクに貯湯され、給湯機としての動作を行う。
【0043】
この時に、蒸発器である空気冷媒熱交換器6は、送風ファン15により送られた空気と熱交換を行うことになるので、その面積は大きい方が効率が上がることとなる。
【0044】
そのため、空気冷媒熱交換器6の下部を受ける連結桟を使用せずに、空気冷媒熱交換器6の最下端がいずれも基板2に載置していることで、その間隙をほとんどなくしていることとなり、空気冷媒熱交換器6を備えたヒートポンプユニットのサイズが同じ場合に、蒸発器である空気冷媒熱交換器6の高さを高くすることができ、蒸発器である空気冷媒熱交換器6の面積を最大に生かすことができる。
【0045】
さらに連結桟による通風妨害もないため、空気冷媒熱交換器の下部の通風性能が向上して、給湯機としての性能効率が向上することができる。
【0046】
また水冷媒熱交換器5を覆う保護カバー13の上面部には、ファンモーター固定具14が搭載され、その上部には、上部固定具16が係合され、上部固定具16の一端は、上方より空気冷媒熱交換器6を挟み込んでいるとともに、上部固定具16の上面には弾力ある緩衝材17が貼り付けられて、筐体の天板19により挟み込まれて強固に固定されている。
【0047】
また送風ファン15の振動を受ける保護カバー13の右側では、その右固定部13aが仕切板3とねじ締結され、また保護カバー13の左側では、その左固定部13bが基板2とねじ締結されて、さらに保護カバー13の前面部が基板2と筐体である外箱前板18との間に挟み込み固定されている。
【0048】
そのため、運転中の送風ファン15による振動は、保護カバー13や空気冷媒熱交換器6や天板19に伝播しても緩和され、製品の振動・防音性能を向上させることができる。また製品運搬中に、重量物であるファンモーター固定具14が変形して送風ファン15の軸ずれすることを抑えて、異常音の発生を防止することができる。
【0049】
以上のことは、蒸発器である空気冷媒熱交換器6の集熱熱交換器が複数列の場合に説明したが、単列であっても同じであり、蒸発器である空気冷媒熱交換器6を基板2に載置しても、効率を向上させることができる。
【0050】
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるヒートポンプユニットの詳細正面図、図6は、詳細左断面図を示すものである。
【0051】
図5および図6において、基板2の載置面では、略L字形状曲げされた空気冷媒熱交換器6の左部6aと水冷媒熱交換器5を収納した断熱部材12を覆う保護カバー13との間の後方部に、前方に下がる傾斜面を持ち、かつ、その傾斜面にねじ穴を有する凸絞り形状の固定部2aを配し、保護カバー13の左側面の後方部には、基板2の凸絞り形状の固定
部2aの傾斜面と面接触する折り曲げ面となるL字形状の左固定部13bが形成され、ねじ連結係合されている。
【0052】
以上のように構成されたヒートポンプユニットについて、以下その動作、作用を説明する。
【0053】
基板2に有する凸絞り形状の固定部2aと、保護カバー13の左側面に形成された左固定部13bは保護カバー13の後方部に配設されているため、ファンモーター固定具14に近い位置で固定され、保護カバー13での振動の伝播を抑えられ、製品の振動・防音性能の向上が図られる。
【0054】
またサービスメンテナンス時に、水冷媒熱交換器を収納した断熱部材を覆う保護カバーを上方に取り外そうとする場合、保護カバーの左固定部は、前方に向かい、傾斜したねじ締結になっているため、空気冷媒熱交換器6の左部6aと保護カバー13の左側面部の狭い隙間の後方部にあるものの、前方よりドライバーを挿入しても、手が空気冷媒熱交換器6の左部6aに当たりにくく、工具の操作ができるため、容易に取り外すことができ、サービスメンテナンス性の向上が図られる。
【0055】
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態におけるヒートポンプユニットの詳細左断面図を示すものである。
【0056】
図6において、基板2に配した凸絞り形状した固定部2aの傾斜面にあるねじ穴2bは、凹凸形状を有する基板において、空気冷媒熱交換器6を載置した載置面2cよりも高い位置に配設されている。
【0057】
以上のように構成されたヒートポンプユニットについて、以下その動作、作用を説明する。
【0058】
運転時に空気冷媒熱交換器より排出される凝縮水は、通常、凹凸形状を有する基板2の載置面の傾斜した凹部溝に導かれ、最下部のドレン口に集積され、接続されたドレンホースから周辺にある排水口に排出される。
【0059】
凸絞り形状した固定部2aの傾斜面にあるねじ穴2bは、空気冷媒熱交換器6を載置した載置面2cより高い位置に配設されるため、基板2に配した凸絞り形状した固定部2aの傾斜面にあるねじ穴2bより凝縮水が漏れ出ることなく、基板2に設けられたドレン口より排水口に排出され、ヒートポンプユニットの設置場所での水漏れによる冬場の凍結転倒防止や美観向上が図られる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明にかかるヒートポンプ給湯機のヒートポンプユニットは、通風性能が向上して、製品性能の効率が向上し、また振動・防音性能の向上が可能となるので、各種の給湯機や空調機等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 ヒートポンプユニット
2 基板
2a 凸絞り形状した固定部
2b 凸絞り形状した固定部のねじ穴
2c 空気冷媒熱交換器の載置面
3 仕切板
3a 切り欠き部
4 圧縮機
5 水冷媒熱交換器
6 空気冷媒熱交換器
6a 空気冷媒熱交換器の左部
7 冷媒循環配管
8 水循環配管
9 配管接続部
10 管路
11 電源制御箱
12 発泡断熱容器
13 保護カバー
13a 右固定部
13b 左固定部
14 ファンモーター固定具
15 送風ファン
16 上部固定具
17 緩衝材
18 外箱前板
19 天板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、略L字形状に曲げられた空気冷媒熱交換器を接続した冷媒回路と、前記空気冷媒熱交換器に送風する送風手段と、前記送風手段と前記圧縮機とを区画する仕切板と、前記水冷媒熱交換器を覆う保護カバーと、前板、基板を有する筐体とを備え、前記保護カバーの右固定部を前記仕切板に締結し、前記保護カバーの左固定部を前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の前記基板に締結し、かつ、前記保護カバーの前面部を、前記基板と前記前板との間に挟み込み固定する構成としたことを特徴とするヒートポンプ式給湯機。
【請求項2】
前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の基板に、前方に向かって下がる傾斜面にねじ穴を設けた凸形状の固定部を配設し、前記固定部に前記保護カバーの左固定部を固定する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯機。
【請求項3】
前記ねじ穴は、前記空気冷媒熱交換器の載置面よりも上方に位置することを特徴とする請求項1または2に記載のヒートポンプ式給湯機。
【請求項1】
圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、略L字形状に曲げられた空気冷媒熱交換器を接続した冷媒回路と、前記空気冷媒熱交換器に送風する送風手段と、前記送風手段と前記圧縮機とを区画する仕切板と、前記水冷媒熱交換器を覆う保護カバーと、前板、基板を有する筐体とを備え、前記保護カバーの右固定部を前記仕切板に締結し、前記保護カバーの左固定部を前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の前記基板に締結し、かつ、前記保護カバーの前面部を、前記基板と前記前板との間に挟み込み固定する構成としたことを特徴とするヒートポンプ式給湯機。
【請求項2】
前記空気冷媒熱交換器の左部と前記保護カバーとの間の基板に、前方に向かって下がる傾斜面にねじ穴を設けた凸形状の固定部を配設し、前記固定部に前記保護カバーの左固定部を固定する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式給湯機。
【請求項3】
前記ねじ穴は、前記空気冷媒熱交換器の載置面よりも上方に位置することを特徴とする請求項1または2に記載のヒートポンプ式給湯機。
【図2】
【図7】
【図8】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−255594(P2012−255594A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128781(P2011−128781)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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